JP4241203B2 - 可撓性フィルムのラミネート方法およびラミネート装置並びに回路基板の製造方法 - Google Patents

可撓性フィルムのラミネート方法およびラミネート装置並びに回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性フィルムを低応力で歪みなく枚葉基板に高精度にラミネートする方法および装置、並びにこれら方法および装置を使用した回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可撓性フィルムを枚葉基板にラミネートする方法としては、ロール間に可撓性フィルムと枚葉基板を通すロールラミネート方式や、平行板間に可撓性フィルムと枚葉基板を配置してプレスして貼り合わせるプレス方式がある。また、これらの方法を減圧雰囲気下で行い気泡の発生を抑制する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のラミネート方法は、しわや気泡の発生を防止することと、可撓性フィルムを枚葉基板上の所定位置に高精度に位置決めしてラミネートすることに主眼が置かれており、ラミネート時の応力により発生する可撓性フィルムの伸縮等により数百μm程度のひずみが可撓性フィルムに生じても、基材の保護等を目的とする通常のラミネートでは、実害を及ぼすことがなく、無視されてきた。
【0004】
しかるに、可撓性フィルムを補強板に貼り合わせ、寸法精度を維持することで、非常に微細な回路パターンを形成することが提案されている。可撓性フィルム基板の回路パターンは、補強板から剥離され使用されるので、補強板から剥離するときの回路パターンの寸法変化をミクロンオーダーに抑えることが望まれる。したがって、可撓性フィルムを貼り合わせる際に、可撓性フィルムに極力応力を加えることなく、可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下にして、補強板に貼り合わせることが求められる。
【0005】
ところが従来のロールラミネート方式では、基板の厚みムラなどを吸収するために、上下両側または上下の片側のロールをゴム被覆にするが、ゴム被覆部は押圧と基板走行による応力で変形し、この変形により、ラミネート条件を最適にしたとしても、可撓性フィルムが0.02〜0.04%程度寸法変化してラミネートされてしまう。
【0006】
一方プレス方式では、基板の凹凸を吸収するためにゴム等弾性変形可能な材料をプレス面に使用するため、これによって上述のロールラミネートと同様に、最適条件下でも、可撓性フィルムを0.02〜0.04%程度寸法変化させてしまう。
【0007】
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題点を解決し、可撓性フィルムを低応力で歪みなく、さらには気泡等の欠点なく基板の所定位置に高精度でラミネートすることにより、ラミネート時の可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下にすることが可能なラミネート方法および装置、並びに本ラミネート方法を用いた電子回路基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(1)可撓面状体の面に可撓性フィルムを保持し、該可撓性フィルムを、補強板の有機物層を有する面と一定間隙をもって対面させた後に、可撓面状体と可撓性フィルムを同時に補強板に押圧することにより、可撓性フィルムを補強板に移し替える可撓性フィルムのラミネート方法であって、可撓面状体が直径15〜80μmの繊維で構成される可撓性の織物であり、かつ織物のメッシュ密度が100メッシュ以上であることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
)前記有機物層は、可撓性フィルムが補強板から剥離可能である微粘着性を有するものであることを特徴とする上記(1)に記載の可撓性フィルムのラミネート方法。
)前記可撓面状体の面への可撓性フィルムの保持は、液体の表面張力による接着、静電気吸着のいずれか少なくとも1つの手段によって行うことを特徴とする上記(1)に記載の可撓性フィルムのラミネート方法。
)可撓面状体と、該可撓面状体に可撓性フィルムの面保持を行わせる保持ユニットと、可撓面状体に面保持された可撓性フィルムをステージに保持された補強板に一定間隙で対面させる対面保持機構と、可撓面状体と可撓フィルムを同時に補強板に押圧して可撓性フィルムを補強板に移し替える押圧機構とを有し、可撓面状体が直径15〜80μmの繊維で構成される可撓性の織物であり、かつ織物のメッシュ密度が100メッシュ以上であることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート装置。
)前記保持ユニットは、液体または静電気帯電を、前記可撓面状体と可撓性フィルムのいずれかに付与するものであることを特徴とする上記()に記載の可撓性フィルムのラミネート装置。
)上記(1)〜()のいずれか記載の可撓性フィルムのラミネート方法を使用して電子回路基板を製造することを特徴とする回路基板の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の可撓性フィルムのラミネート方法および装置の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明になるラミネート装置1の中央部の概略正面断面図(断面部は塗りつぶしと斜線で表示)、図2は図1のX−X方向矢視図である。
【0011】
ラミネート装置1は、補強板である基板6を保持するステージ3、基板6の真上に配置されているフィルム4を保持する可撓面状体2、可撓面状体2とフィルム4を同時に基板6に圧力を加えて押しつけるスキージ8、フィルム4に可撓面状体2への静電吸着力を与える静電気帯電装置12より構成される。ここで、フィルム4は薄く、可撓性を有するものである。さらにステージ3の上面には吸着孔が配置されていて、図示されない真空源の作用により基板6を吸着保持できる。また、基台9上に一対配置されているレール25とそれに係合するガイド24の案内作用により、ガイド24上部に取り付けられているステージ3は図1の左右方向に水平移動可能となる。ステージ3の下部にはナット26も取り付けられており、このナット26と、ブラケット22、16に回転自在に保持されているボールねじ20が係合し、さらにボールねじ20は、基台9の側面にブラケット16を介して取り付けられているモータ18と直結されているので、モータ18の回転により、ステージ3は任意の速度で、往復動自在となっている。
【0012】
可撓面状体2は、可撓性の織物もしくは、薄い膜状物を枠体10に固定したもので、ステージ3の幅方向(走行方向の直交方向)の両端で、ステージ3走行方向にわたって伸びている保持体44a、bに支持されている。保持体44a、bは昇降自在な一対のリニアシリンダー46に連結されているので、可撓面状体2はリニアシリンダー46の動作によって上下往復動が可能であり、可撓面状体2に保持するフィルム4と基板6を略平行に対面させて、両者の間隔を任意に設定することが可能であるようにしている。なお両者の間隔の設定は、リニアシリンダー46に内蔵されているリニアスケールで位置をモニタリングすることにより行える。
【0013】
可撓面状体2を支える保持体44a、b上には、ステージ3の走行方向に伸びている一対のレール38がステージ3を間にはさむようにして取り付けられている。また、一対のレール38のそれぞれの上部にはガイド36a、bがレール38の長手方向に移動自在に配置されている。ガイド36a、bには軸受け32a、bが取り付けられており、さらに軸受け32a、bには、スキージ保持体28が回転自在に取り付けられているので、スキージ保持体28に締結されているスキージ8も回転自在となっている。またガイド36aには、リニアモータ43の1方を構成する可動体40が、可動体40に対面する下部には、リニアモータ43のもう1方を構成するステータ42が保持体44aに取り付けられているので、リニアモータ43による駆動と、レール38とガイド36a、bの案内作用により、ステージ3走行方向にスキージ保持体28とスキージ8を、往復動自在とすることができる。さらに軸受け32a、bに回転自在に支持されているスキージ保持体28は、ロータリーシリンダー34に直結しているので、スキージ保持体28に締結されているスキージ8を、矢印方向の回転動作により、可撓面状体2に押しつけたり、逆に押しつけを解除することができる。スキージ8の可撓面状体2との接触部分はエッジ形状が好ましい。なお、スキージ8は、結局は保持体44a、bに支持されているので、リニアシリンダーの上下動作により、可撓面状体2と同時に上下方向に昇降できるようになっている。
【0014】
静電気帯電装置12は、ステージ3の幅方向にわたって、ステージの幅方向長さより長い範囲にわたって伸びており、基台9上の支柱14に保持されている。静電気帯電装置12は、正または負に帯電したイオン風を直下にあるものにステージ3の幅にわたって吹き付けるもので、ステージ3上に吸着したフィルム4を静電気帯電装置12の真下を通過させることで、フィルム4に静電気帯電による付着力を付与できる。また、同様に静電気帯電装置12を可撓性面状体2上を通過させることで、可撓性面状体2に静電気帯電による付着力を付与することも可能である。なお基板6の上面には、粘着性を有する有機物層7があらかじめ付与されている。
【0015】
次にラミネート装置1を用いたラミネート方法について、図3を用いて説明する。図3は、本発明になるラミネート方法の手順を示す概略正面図である。
【0016】
まず、ステージ3を図1の破線で示す左端の位置に移動させて停止させ、搬送装置(図示していない)により、フィルム4をステージ3上に載置し、吸着固定する(図3(a))。ついでステージ4を右方向に向かって一定速度にて移動させつつ、正に帯電したイオン風を下向きに吹き付ける静電気帯電装置12の下をフィルム4を通過させて、フィルム4を正に帯電させる。ステージ3が可撓面状体2のちょうど真下にきたらステージ3を停止させ、フィルム4の吸着を解除する。それからリニアシリンダー46を下降するように駆動して、可撓面状体2をステージ3上のフィルム4に近接させ、所定の隙間となるところで停止させる(図3(b))。フィルム4と可撓面状体2との隙間は10mm以下が好ましいが、フィルム4と可撓性面状体2を面接触させることも可能である。続いてロータリーシリンダー34を回転駆動してスキージ8を可撓面状体2の上側(フィルム4の保持面とは逆の側)から押しあてて、可撓面状体2とステージ3の上面でフィルム4を挟むような状態にしてから、リニアモータ43を駆動してスキージ8をフィルム4の左端の位置から右端の位置まで移動させて、ステージ3上の可撓性フィルム4を、静電気力により、可撓面状体2に移し替える(図3(c))。
【0017】
可撓面状体2にフィルム4を保持できたら、ロータリーシリンダー34を逆方向に回転させてスキージ8を可撓面状体2より引き離すとともに、リニアシリンダー46を上昇駆動して可撓面状体2を上方に移動させて、しばらく待機させる。このときにリニアモータ43を駆動してスキージ8を左端の位置に移動させるとともに、モータ18を駆動してステージ3を再び左端に移動させて停止させ、搬送装置(図示していない)により、上部に粘着性のある有機物層7があらかじめ付与されている基板6を、ステージ3上に載置して、吸着固定する(図3(d))。吸着固定後ステージ3を右方向に移動させて、基板6を可撓面状体2に保持された可撓性フィルム4の真下に来るところで停止させる(図3(e))。この時のステージ3の停止位置は、フィルム4が基板6のあらかじめ定められた位置にラミネートできるように定める。
【0018】
そして、リニアシリンダー46を駆動して、可撓面状体2をステージ3上の基板6に近接させ、フィルム4と基板6とが所定の隙間となるところで停止させる。フィルム4と基板6との隙間は10mm以下が好ましい。つづいてロータリシリンダー34を駆動して、回転によりスキージ8を可撓面状体2の上側から押しあてて、可撓面状体2に保持されているフィルム4をステージ3の基板6に押し当る。そして、リニアモータ43を駆動してスキージ8をフィルム4の左端の位置から右端の位置まで移動させ、可撓面状体2に保持されているフィルム4を、ステージ3上の基板6に移し替える(図3(f))。この動作により、可撓性フィルム4は基板6にラミネートされ、有機物層7の粘着力により、しっかり接着される。スキージ8が右端までいって停止したら、ロータリシリンダー34を逆方向に回転して、スキージ8可撓面状体2より遠ざける。続いてリニアシリンダー46を上昇方向に駆動して可撓面状体2を上昇させ、ステージ3の吸着を解除後、搬出装置(図示していない)により、ステージ3上のフィルム4がラミネートされた基板6を次の工程に搬出する。以下、同じ動作を繰り返して、次のフィルム4、基板6に対してラミネートを行う。
【0019】
本発明になるラミネート方法は、次の理由により、フィルムの寸法変化を0.01%以下の微小にしてラミネートすることが可能となる。まず、可撓面状体2にステージ3上の可撓性フィルムを保持させるとき、可撓性フィルム4をそのままの状態でほとんど寸法変化なしに、移し替えられる。これは、1)面内および面に垂直方向の弾性変形が可能な可撓面状体2を使用しているので、ステージ3やフィルム4の凹凸に対して、可撓面状体が追従して、均一にフィルム4を面保持できる、2)可撓面状体2とフィルム4を対面して近接させたときの間隙を10mm以下と小さくしているために、スキージ8を押圧して移動させる時に、可撓性面状体がステージ3に対する角度θ(図3(c)参照)が5°以下と小さくなる。これによって、可撓面状体2をフィルム4に略平行に接近させて移し替えることができ、フィルム4がステージ3にある時と可撓面状体2にある時の相対位置関係をかえないで、フィルム4をステージ3から可撓面状体2に移し替えることができるので、フィルム4にひずみが生じず、寸法変化がない。3)スキージ8の押圧部が線状になっているので、押圧による変形が可撓面状体2とフィルム4に生じないとともに、ラミネート時のエアー排除を効率的に行える、ことによる。
【0020】
可撓面状体2に寸法変化なしに保持したフィルム4を、有機物層7を付与した基板6に移し替える(ラミネートする)時も、同様に、可撓面状体2で保持したそのままの状態で、フィルム4を基板6に移し替えられる。これも同様に、1)面内および面に垂直方向の弾性変形が可能な可撓面状体を使用しているので、基板6表面の凹凸に対して、可撓面状体2が追従して、フィルム4を基板6に均一に接触させられる、2)可撓面状体2と基板6との間隙が10mm以下と小さいために、スキージ8押圧時の可撓性面状体が基板6に対する角度φ(図3(f)参照)が5°以下と小さくなる。これによって、フィルム4を基板6に略平行に接近させてフィルム4を基板6に移し替えることができ、フィルム4が可撓面状体2にある時と基板6にある時のフィルムと保持体との相対位置関係をかえないで、フィルム4を可撓面状体2から基板6に移し替えることができるので、フィルム4にひずみが生じず、寸法変化がない。3)スキージ8の押圧部が線状になっているので、押圧による変形がフィルム4に生じないとともに、ラミネート時のエアー排除を効率的に行える、ことによる。
【0021】
なお、寸法変化を0.005%以下とするには、略平行となるフィルム4と基板6の間隙を好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下とする。
【0022】
なお、スキージ8としては、線状に押圧できるように、押圧部となる先端部は図1のようにエッジ形状であるものが好ましいが、アール形状にしてアール5mm以下にしてもよい。先端部材質は、金属、セラミック、合成樹脂等の硬質のものであってもよいが、均等に加圧するために、ショア硬度50〜90のゴムを使用してもよい。また、スキージ8を可撓性面状体2に押圧して移動させるときの滑りを良くし、発塵を抑制するために、スキージ8、可撓性面状体2に、フッ素系樹脂などをコーティングすることも好ましい。さらに、発塵をより抑制するために、スキージ8は回転自由な加圧ロールであってもよい。加圧するロールとしては、金属ロール、ゴム被覆ロールいずれであってもよいが、なるべく線状に押圧することと、気泡発生を避けるために、直径30mm以下の小径のロールを採用することが好ましい。なおスキージによる押圧の大きさとしては、好ましくは5〜500N/m、より好ましくは10〜100N/mである。ラミネート時のスキージの移動速度は好ましくは0.1〜50m/分、より好ましくは5〜15m/分である。
【0023】
可撓面状体2としては、面内で弾性変形できるものが必要で、可撓性の織物、厚みの薄い膜状物であることが好ましい。また、可撓面状体を支える枠体10は、十分な強度と平坦性を持つことが望ましく、金属、合成樹脂、繊維強化樹脂等を用いることが好ましい。
【0024】
上記の可撓性の織物としては、ポリエステル、ポリプロピレン、液晶ポリマーまたはステンレス繊維をメッシュ状に織ったものが好適に採用できる。また、織物に感光性塗膜等を使用して開口部と閉口部を形成することは適宜許される。フィルム4を基板6に貼り合わせるために可撓性の織物を介してフィルム4をスキージや小径ロール等で基板6面に加圧するが、繊維の直径が大き過ぎる場合や織物のメッシュ密度が小さ過ぎる場合は、織りの構造に対応して繊維が配置されていない部分を中心に微細な気泡を噛みやすい。気泡の噛み込みは、フィルムの表面平坦性を阻害し、パターニング精度低下の原因となる他、気泡の膨張、収縮によりフィルムが変形するおそれがある。また、可撓性織物を構成する繊維の直径は15〜80μmの範囲であることが好ましく、20〜40μmの範囲であることがさらに好ましい。可撓性織物のメッシュ密度は、100メッシュ以上であることが好ましい。メッシュ密度は、1インチあたりの糸数である。繊維が太過ぎると、加えられた力が繊維の間隙部分に伝わりにくい、また、繊維の変形によって実際にフィルムに伝わる力が減少すること等から、微細な気泡を噛み込む可能性があると考えられる。メッシュ密度が小さ過ぎた場合は、繊維の間隙が拡がるので加えられた力が繊維の間隙部分に伝わりにくいと推定される。一方、メッシュ密度が大きすぎると、静電気吸着を利用する場合、静電気吸着後の除電が不十分になり、フィルム4と織物2の離れが悪くなりやすく、フィルム4が有機物層7から剥離することがある。また、液体の表面張力を利用する場合、フィルム4と織物2間に液体を供給してスキージを移動させてしごく際に、余剰の液体が織物の間隙を通して逃げにくく、フィルムの保持力不足やフィルムの滑りの原因になることがある。真空吸着を利用する場合は、真空吸引不足でフィルムの保持力不足やフィルムの滑りの原因になることがある。したがって、織物のメッシュ密度は、200メッシュ未満であることが好ましく、190メッシュ未満であることがさらに好ましい。
【0025】
本発明の膜状物としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなどのプラスチックフィルムを挙げることができる。また、これらのプラスチックフィルムをカッティングして、開口部を形成することは適宜許される。さらに硬質のゴムを採用することも可能である。
【0026】
可撓面状体2にフィルム4を保持させる手段としては、上記の静電気吸着の他に、液体の表面張力、有機物の粘着力もしくは真空吸着等が挙げられるが、液体の表面張力、静電気吸着もしくは有機物の粘着力を利用することが、保持力と剥離力のバランスが取りやすく、また、装置が大がかりにならない点で好ましい。液体の表面張力、静電気吸着を利用する方法は、有機物の粘着力を利用する方法に比べて、耐久性や繰り返し再現性の点で優れており好ましい。
【0027】
静電気吸着を利用する方法としては、可撓面状体2とフィルム4の一方を帯電させるか、互いに逆極性に帯電させることができれば特に限定されない。具体的に可撓面状体2またはフィルム4を帯電させる方法としては、上述した正または負のイオン風を当てる方法の他、可撓面状体2が導電性である場合は、高電圧を印加することでフィルム4を貼り合わせることができる。さらに、フィルム4の表面に金属膜が形成されている場合は、該金属膜に高電圧を印加して可撓面状体2とフィルム4とを貼り合わせて保持することができる。
【0028】
液体の表面張力を利用する方法の例としては、保持に先立ってフィルム4の表面や可撓面状体2に塗布や噴霧、あるいは結露によって液体を付着させ、次いで、両者を重ね合わせて、両者間に液体の薄層を形成する方法が挙げられる。可撓面状体2とフィルム4の接触面にあらかじめ液体を散布し、両者を重ね合わせた後、両者の接触面とは反対側でスキージを移動させてしごくことにより、可撓面状体2とフィルム4間の液体層を薄層化することも有効である。また、可撓性の織物等開口部を有する可撓面状体2とフィルム4をドライ状態で接触させた後に、両者の接触部とは反対側の可撓面状体2側から液体を散布し、スキージによって可撓面状体の開口部を介して、液体を可撓面状体2とフィルム4の間に供給することも可能であり、液体の供給とスキージとが同時に行われるためタクトタイム短縮ができ好ましい。以上の接着力を付与する液体としては、比較的表面張力が大きい点や後工程に対して不純物になりにくい点で、水が好適に採用できる。また、表面張力を調整するために、水にアルコールなどを添加することは適宜許される。
【0029】
有機物の粘着力を利用する方法の例としては、可撓面状体2とフィルム4の貼り合わせ面に粘着性の粘着層を設けることがある。この時、弱粘着性から強粘着性の粘着剤をドット状、ストライプ状などに形成して、粘着力を小さくして、可撓面状体2からフィルム4を剥離しやすくする方法が、粘着力と剥離力のバランスがを取りやすく、また繰り返し耐久性を改善することができ好ましい。ドットは、直径が0.1〜2mmで、1〜10mm間隔で配置されていることが、粘着力と剥離のバランスが取れ、また、可撓性フィルムの保持力が充分確保できる点で好ましい。
【0030】
本発明において、フィルム4は、プラスチックフィルムであり、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどのフィルムを採用することができる。中でもポリイミドフィルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れているので好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点や低吸湿性の点で、液晶ポリマーが好適に採用される。可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能である。また、これらのフィルムが積層されていてもよい。
【0031】
上記ガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、マレイミド(共)重合樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。可撓性フィルムの厚さは、軽量化、小型化、あるいは微細なビアホール形成のためには薄い方が好ましく、一方、機械的強度を確保するためや平坦性を維持するためには厚い方が好ましい点から、7.5μmから125μmの範囲が好ましい。
【0032】
これらの可撓性フィルムには、基板とのラミネートに先立って、片面もしくは両面に金属層が形成されていても良い。該金属層は、銅箔などの金属箔を接着剤層で貼り付けて形成することができる他、スパッタやメッキ、あるいはこれらの組合せで形成することができる。また、銅などの金属箔の上に可撓性フィルムの原料樹脂あるいはその前駆体を塗布、乾燥、キュアすることで、金属層付き可撓性フィルムを作り、これを利用することもできる。
【0033】
ステージ3は、平坦性に優れていれば特に限定されない。好ましい平坦性としては、500×500の面で50μm以下である。上記の実施態様では、フィルム4をステージ3上に固定するために、真空吸着機構を備えていたが、この他に静電気吸着できるよう、導電性でかつ、静電気の付与の仕方に応じて接地電位や任意の電圧が印加できる構造になっていることが好ましい。
【0034】
また上記の実施態様では、基板6にあらかじめ粘着性を有する有機物層7が設けておいたが、この有機層7はフィルム4側にあらかじめ設けておいてもよい。ただし、該有機物層7がフィルム4から剥離可能な有機物層7とする場合は、該有機物層7は基板上に設けられていることが好ましい。これによって、フィルム4の基板6からの剥離後、該有機物層が基板6に残存し、フィルム4には残存せず、フィルム4を後工程で処理するときに好都合となるからである。また、フィルム4を基板から剥離することを考慮すると、有機物層7と基板6との粘着力の方が、有機物層7とフィルム4の粘着力よりも大きいことが好ましい。このように両側の粘着力を制御する方法として、粘着剤の熟成を利用する方法がある。すなわち、粘着力を強くする側に粘着剤を塗布してから、空気を遮断した状態で所定の期間架橋を進行させることで、粘着力が低下した表面を得ることができる。
【0035】
また、ラミネート装置1の中に、有機物層7を基板6に付与するユニットを設けてもよい。
【0036】
さらに上記実施態様では、ステージ3に配置されたフィルム4を可撓面状体2に保持させた後、同じステージに基板6を配置したが、別のステージを備えて、それに基板6を配置することも可能である。タクトタイムを短縮するためには、フィルム4を搬送するステージと、基板6を搬送するステージは別にして、可撓面状体2にフィルム4を保持させる作業と、基板6をステージに配置、搬送する作業を並行して実施させるることが好ましい。
【0037】
本発明に使用する基板は、ソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス類、アルミナ、窒化シリコン、ジルコニアなどのセラミックス、ステンレススチール、インバー合金、チタンなどの金属やガラス繊維補強樹脂板などが採用でき、いずれも線膨張係数や吸湿膨張係数が小さい点で好ましい。耐熱性、耐薬品性に優れている点、大面積で表面平滑性が高く基板が安価に入手しやすい点、塑性変形しにくい点、あるいは搬送装置などとの接触によりパーティクルを発生しにくい点、で無機ガラス類が好ましい。中でもアルミノホウケイ酸塩ガラスに代表されるホウケイ酸系ガラスは、高弾性率でかつ熱膨張係数が小さいため特に好ましい。
【0038】
基板にガラス基板を用いる場合、ガラス基板のヤング率が小さかったり、厚みが小さいと可撓性フィルムの膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦なステージ上に真空吸着したときにガラス基板が割れることがある。また、真空吸着・脱着で可撓性フィルムが変形することになり位置精度の確保が難しくなる傾向がある。一方、ガラス基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が悪くなることがあり、露光精度が悪くなる傾向がある。また、ロボット等によるハンドリングに負荷が大きくなり素早い取り回しが難しくなって生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する傾向がある。これらの点から、枚葉基板であるガラス基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、850kg・mm以上860000kg・mm以下の範囲であることが好ましく、1500kg・mm以上190000kg・mm以下が更に好ましく、2400kg・mm以上110000kg・mm以下の範囲が最も好ましい。なお、本発明においてガラスのヤング率は、JIS R1602によって求められる値とする。
【0039】
基板に金属基板を用いる場合、金属基板のヤング率が小さかったり、厚みが小さいと可撓性フィルムの膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦なステージ上に真空吸着できなくなったり、金属基板の反りやねじれ分、可撓性フィルムが変形することにより、位置精度の確保が難しくなる。また、折れがあるとその時点で不良品になる。枠状または略格子状の基板の場合は機械的強度を確保することに留意しなければならない。一方、金属基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が悪くなることがあり、露光精度が悪くなる。また、ロボット等によるハンドリングに負荷が大きくなり素早い取り回しが難しくなって生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する。したがって、枚葉基板である金属基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、2kg・mm以上162560kg・mm以下の範囲であることが好ましい。金属基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、10kg・mm以上30000kg・mm以下であることが更に好ましく、15kg・mm以上20500kg・mm以下の範囲であることが最も好ましい。
【0040】
本発明に用いられる有機物層7は接着剤または粘着剤である。可撓性フィルムを加工後、基板から剥離して用いる場合には、剥離可能な接着剤または粘着剤であることが好ましい。このような接着剤または粘着剤としては、アクリル系またはウレタン系の再剥離剤と呼ばれる粘着剤を挙げることができる。可撓性フィルム加工中は十分な接着力があり、剥離時は容易に剥離でき、可撓性フィルム基板に歪みを生じさせないために、弱粘着から中粘着と呼ばれる領域の粘着力のものが好ましい。シリコーン樹脂膜は本発明では離型剤として用いられることがあるが、タック性があるシリコーン樹脂は再剥離粘着剤として使用することもできる。また、タック性があるエポキシ系樹脂膜を再剥離粘着剤として使用することも可能である。
【0041】
本発明では粘着力を数値で表現すると、基材をポリエステルフィルムとし、25μm厚みに粘着剤を積層した粘着テープをステンレス板に貼り付けて剥離する際の180°方向ピール強度が、1g/25mmから500g/25mmの範囲にあるものである。中でも弱粘着と呼ばれる2g/25mmから200g/25mmの範囲が好ましい。低温領域で接着力、粘着力が減少するもの、紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものや加熱処理で接着力、粘着力が減少するものも好適に用いられる。これらの中でも紫外線照射によるものは、接着力、粘着力の変化が大きく好ましい。紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものの例としては、2液架橋型のアクリル系粘着剤が挙げられる。また、低温領域で接着力、粘着力が減少するものの例としては、結晶状態と非結晶状態間を可逆的に変化するアクリル系粘着剤が挙げられる。有機物層の厚みは、0.05μm以上20μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上20μm以下の範囲がさらに好ましく、0.2μm以上15μm以下の範囲が最も好ましい。
【0042】
本発明の製造方法で得られた回路基板は、電子機器の配線板、ICパッケージ用インターポーザーウエハレベルバーンインソケット用配線板などに使用される。特に、ICなどの電子部品を接続する際の電極パッドと回路基板パターンとの位置合わせ精度に係わる位置精度の改善に効果が大きい。回路パターンに抵抗素子や容量素子を入れ込むことは適宜許される。また、可撓性フィルム基板の少なくとも一方の面に絶縁層と配線層を積層し、多層化することも可能である。
【0043】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明においてガラスのヤング率は、JIS R1602によって求められる値とする。
【0044】
実施例1
可撓性フィルムとして、厚さ25μm、290mm角のポリイミドフィルム(”ユーピレックス”25S宇部興産(株)製)を準備した。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、290mm角に切り出したポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定した。
【0045】
基板として準備した厚さ0.7mm、300mm角のアルミノホウケイ酸塩ガラスにダイコーターで、弱粘着性再剥離剤”オリバイン”EXK01−257(東洋インキ(株)製)と硬化剤BXX5134(東洋インキ(株)製)を7:1で混合したものを塗布し、100℃で30秒乾燥した。乾燥後の再剥離剤厚みを5μmとした。次いで再剥離剤層に、ポリエステルフィルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を設けたフィルムからなる空気遮断用フィルムを貼り付けて1週間おいた。ガラス基板のヤング率は、7140kg/mm2であり、ヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積は、2449kg・mmであった。
【0046】
図3に示した真空吸着機構付きステージ3に上記ポリイミドフィルム4を置き、真空吸着した。次いで、ステージ3を移動させつつ静電気帯電装置12の下を通過させる。このとき、静電気帯電装置12から負イオン風を吹き付け、ポリイミドフィルムを負に帯電させた。ポリエステル製で繊維直径71μm、100メッシュのスクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4と接触させた。この状態で、ステージを移動させ、正イオン風吹き出しに切り替えた静電気帯電装置12下をスクリーン紗2が通過するようにして、スクリーン紗2を正に帯電させた。スクリーン紗2のステージとは反対面をゴム板8でスキージし、ポリイミドフィルム4とスクリーン紗2間の密着性を確保した。ステージ3の真空吸着を停止し、スクリーン紗2を上昇させ、ポリイミドフィルム4をスクリーン紗2に移し取った。
【0047】
上記の再剥離剤層7を設けたガラス板6を真空吸着機構付きステージ3に配置した。再剥離剤層上の空気遮断用フィルムはあらかじめ剥離しておいた。ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2をガラス板6上に移動した。
【0048】
スクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2とガラス板を0.7mmの間隙をおいて平行に配置した。次いで、ショア硬度50のゴム板8でスクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をスキージし、再剥離剤層7にポリイミドフィルム4を押し当て、ポリイミドフィルム4をガラス板上に移し取った。正負イオン吹き出しに切り替えた静電気帯電装置12下をスクリーン紗が通過するようにしてスクリーン紗を除電した。
【0049】
測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm(辺と平行方向で0.002%)以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。また、気泡の噛み込みは見られず良好な外観であった。
【0050】
次いでスパッタにて厚さ5nmのクロム:ニッケル=20:80の合金層と厚さ200nmの銅層をこの順にポリイミドフィルム上に積層した。該銅層上にポジ型フォトレジストをスピンコーターで塗布して80℃で10分間乾燥した。フォトレジストをフォトマスクを介して露光、現像して、メッキ層が不要な部分に厚さ10μmのフォトレジスト層を形成した。フォトマスクパターンは、30μmピッチのラインとスペースのモデルパターンとした。更に、測長用に基板の中心から対角方向に約141mm離して配置した4点(辺に平行方向には互いに200mmずつ離して配置)のマーカーをフォトマスクパターンに設けた。
【0051】
フォトレジストを現像後、120℃で10分間ポストベークした。次いで銅層を電極として厚さ5μmの銅層を電解メッキで形成した。電解メッキ液は、硫酸銅メッキ液とした。引き続き、銅メッキ膜上に、電解メッキで厚さ1μmのニッケル層と厚さ0.2μmの金層をこの順に積層した。ニッケル電解メッキ液は硫酸ニッケルメッキ液、金電解メッキ液はジシアノ金(I)酸カリウムメッキとした。その後、フォトレジストをフォトレジスト剥離液で剥離し、続いて過酸化水素−硫酸系水溶液によるソフトエッチングにてレジスト層の下にあった銅層およびクロム−ニッケル合金層を除去して、金属層パターンを得た。
【0052】
回路パターンが形成されたポリイミドフィルムを真空吸着し、端部から徐々にガラス基板から剥離した。ガラス基板から剥離前後の測長マーカーパターンの寸法変化を測定したところ、±5μm以下であって、品質的に申し分のないものであった。
【0053】
実施例2
図3に示した真空吸着機構付きステージ3に上記ポリイミドフィルム4を置き、真空吸着した。次いで、ノズル(図示していない)で該ポリイミドフィルム上に水を噴霧した。ポリエステル製の繊維直径71μm、100メッシュのスクリーン紗2をポリイミドフィルム5と0.7mmの間隙で平行に向かい合わせた後、スクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をゴム板8でスキージし、ポリイミドフィルム4とスクリーン紗2間の水膜を薄くしつつスクリーン紗2とポリイミドフィルム4を密着させた。ステージ3の真空吸着を停止し、スクリーン紗2を上昇させ、ポリイミドフィルム4をスクリーン紗2に移し取った。スクリーン紗の開口部は、ポリイミドフィルム貼り合わせ部分よりも2mm内側にして、余分な水がステージ上に拡がらないようにした。
【0054】
上記の再剥離剤層7を設けたガラス板6を真空吸着機構付きステージ3に配置した。ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2をガラス板6上に移動した。
【0055】
スクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2をガラス板上0.7mmの位置に配置した。次いで、ショア硬度50のゴム板8でスクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をスキージし、再剥離剤層7にポリイミドフィルム4を押し当て、ポリイミドフィルム4をガラス板上に移し取った。
【0056】
測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm(辺と平行方向で0.002%)以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。また、気泡の噛み込みは見られず良好な外観であった。
【0057】
ポリイミドフィルムをガラス基板にラミネートした状態で、実施例1と同様にして、回路パターンを作製した。回路パターンが形成されたポリイミドフィルムを真空吸着し、端部から徐々にガラス基板から剥離した。ガラス基板から剥離前後の測長マーカーパターンの寸法変化を測定したところ、±5μm以下であって、品質的に申し分のないものであった。
【0058】
実施例3
実施例1と同様に、ポリイミドフィルムと再剥離剤層を設けたガラス板を準備した。ポリエステル製の繊維直径71μm、100メッシュのスクリーン紗2全面に乳剤を塗布し開口部を塞いだ。次いで、ガラス上に設けた再剥離剤層と同じ材料をスクリーン印刷して、スクリーン紗2上にドット状の粘着部分を形成した。ドットの大きさを直径0.5mm、ドット間隔を5mmとして、スクリーン紗のポリイミド当接位置に均等に配置した。
【0059】
図3に示した真空吸着機構付きステージ3に上記ポリイミドフィルム4を置き、真空吸着した。次いで、ドット状の粘着部分を形成したスクリーン紗2を平行に向かい合わせた後、スクリーン紗2を降下させ、スクリーン紗2をポリイミドフィルム4と0.7mmの間隙で平行に向かい合わせた。スクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をショア硬度50のゴム板8でスキージし、ポリイミドフィルム4とスクリーン紗2を密着させた。ステージ3の真空吸着を停止し、スクリーン紗2を上昇させ、ポリイミドフィルム4をスクリーン紗2に移し取った。
【0060】
再剥離剤層7を設けたガラス板6を真空吸着機構付きステージ3に配置した。ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2を降下させ、ガラス板6と0.7mmの間隙をおいて平行に向かい合わせた。次いで、ゴム板8でスクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をスキージし、再剥離剤層7にポリイミドフィルム4を押し当て、ポリイミドフィルム4をガラス板上に移し取った。
【0061】
測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm(辺と平行方向で0.002%)以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。また、気泡の噛み込みは見られず良好な外観であった。
【0062】
比較例1
実施例1と同様に、ポリイミドフィルムと再剥離剤層を設けたガラス板を準備した。ロール式ラミネータMRK−650Y((株)エム・シー・ケイ製)にてポリイミドフィルムとガラス板を貼り合わせた。ロールは上下ともゴム被覆の金属ロールとした。
【0063】
測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は最大100μm(辺と平行方向で0.03%)であり、実施例に比べて非常に大きな歪みがあった。
【0064】
実施例4
スクリーン紗2を繊維直径34μm、メッシュ密度180としたこと以外は、実施例1と同様にして再剥離剤層7を設けたガラス板6にポリイミドフィルム4を貼り合わせた。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm(辺と平行方向で0.002%)以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。また、気泡の噛み込みは見られず良好な外観であった。
【0065】
比較例2
スクリーン紗2を繊維直径90μm、メッシュ密度150としたこと以外は、実施例1と同様にして再剥離剤層7を設けたガラス板6にポリイミドフィルム4を貼り合わせた。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm(辺と平行方向で0.002%以内)にあり、歪みは非常に小さく良好であった。スクリーンの織物の構造に対応した100μm程度の微小な気泡の噛み込みがあった。
【0066】
比較例3
スクリーン紗2を繊維直径34μm、メッシュ密度70としたこと以外は、実施例1と同様にして再剥離剤層7を設けたガラス板6にポリイミドフィルム4を貼り合わせた。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm(辺と平行方向で0.002%以内)にあり、歪みは非常に小さく良好であった。スクリーンの織物の構造に対応した150μm程度の微小な気泡の噛み込みがあった。
【0067】
比較例4
スクリーン紗2を繊維直径10μm、メッシュ密度500としたこと以外は、実施例1と同様にして再剥離剤層7を設けたガラス板6にポリイミドフィルム4を貼り合わせた。貼り合わせ作業を繰り返すとスキージの角に当たる部分でスクリーン破れが発生した。また、スクリーン2を上昇させる際にポリイミドフィルムの端部が再剥離剤層からめくれることがあった。良好に貼り合わせられたものについて、測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm(辺と平行方向で0.002%以内)にあり、歪みは非常に小さく良好であった。また、気泡の噛み込みは見られなかった
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、応力が加わると変形をきたすプラスチックフィルムを低応力で歪みなく枚葉基板に貼り合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるラミネート装置1の中央部の概略正面図である。
【図2】図1のX−X方向矢視図である。
【図3】本発明になるラミネート方法の手順を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 ラミネート装置
2 可撓面状体
3 ステージ
4 フィルム
6 基板
7 有機物層
8 スキージ
9 基台
10 枠体
12 静電気帯電装置
14 支柱
16 ブラケット
18 モータ
20 ボールねじ
22 ブラケット
24 ガイド
26 ナット
28 スキージ保持体
32a、b 軸受け
34 ロータリーシリンダー
36a、b ガイド
38 レール
40 可動体
42 ステータ
43 リニアモータ
44a、b 保持体
46 リニアシリンダー

Claims (5)

  1. 可撓面状体の面に可撓性フィルムを保持し、該可撓性フィルムを、補強板の有機物層を有する面と一定間隙をもって対面させた後に、可撓面状体と可撓性フィルムを同時に補強板に押圧することにより、可撓性フィルムを補強板に移し替える可撓性フィルムのラミネート方法であって、可撓面状体が直径15〜80μmの繊維で構成される可撓性の織物であり、かつ織物のメッシュ密度が100メッシュ以上であることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
  2. 前記有機物層は、可撓性フィルムが補強板から剥離可能である微粘着性を有するものであることを特徴とする請求項1記載の可撓性フィルムのラミネート方法。
  3. 前記可撓面状体の面への可撓性フィルムの保持は、液体の表面張力による接着、静電気吸着のいずれか少なくとも1つの手段によって行うことを特徴とする請求項1記載の可撓性フィルムのラミネート方法。
  4. 可撓面状体と、該可撓面状体に可撓性フィルムの面保持を行わせる保持ユニットと、可撓面状体に面保持された可撓性フィルムをステージに保持された補強板に一定間隙で対面させる対面保持機構と、可撓面状体と可撓フィルムを同時に補強板に押圧して可撓性フィルムを補強板に移し替える押圧機構とを有し、可撓面状体が直径15〜80μmの繊維で構成される可撓性の織物であり、かつ織物のメッシュ密度が100メッシュ以上であることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート装置。
  5. 前記保持ユニットは、液体または静電気帯電を、前記可撓面状体と可撓性フィルムのいずれかに付与するものであることを特徴とする請求項4記載の可撓性フィルムのラミネート装置
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