JP2004114311A - エンボス加工樹脂シートを得る方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを加工効率を低下させないで、寸法精度良好に得る。
【解決手段】エンボスローラ1及びバックアップローラ2の相互配置関係を、該両ローラの回転中心線10、20のうちいずれかが該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面(A平面)に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面(B平面)に沿って所定の角度θ回転させられて第1平面とは平行でない状態とされた配置関係に設定し、両ローラ1、2をクロス状に配置する。
【選択図】 図3
【解決手段】エンボスローラ1及びバックアップローラ2の相互配置関係を、該両ローラの回転中心線10、20のうちいずれかが該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面(A平面)に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面(B平面)に沿って所定の角度θ回転させられて第1平面とは平行でない状態とされた配置関係に設定し、両ローラ1、2をクロス状に配置する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原材料となる樹脂シートに凸部を含む凹凸表面を形成するエンボス加工を施してエンボス加工樹脂シートを得る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
凸部を含む凹凸表面を有する樹脂シートは、例えば特開平2000−250249号公報に開示されている書き換え可能の画像表示媒体に利用できる。この画像表示媒体に利用できる凹凸表面を有する樹脂シートの代表的なものは凸部として所定の長さにわたって延びる凸条部有するとともに該凸条部に沿う溝部を有するものである。
【0003】
同公報に開示された画像表示媒体は、図11に例示するように、シート形態に形成することができ、図12に示すようにその表面に複数本の凸条部s1及び該凸条部に沿う溝部s2を有している。図11はシート形態の媒体の全体を示しており、図12は図11に示すY−Y線に沿う媒体断面の一部を拡大して示している。
【0004】
この画像表示媒体では、例えば、電子写真方式の画像形成法によりトナーTを原稿画像に応じて媒体表面の溝部s2に付着させて所望の画像を形成できる。溝部s2に付着したトナーTは凸条部s1に保護され、加熱定着処理しなくても、媒体表面を指で軽く触った程度では画像は乱れない。また、溝部s2に付着したトナーTを機械的及び(又は)電気的に除去して画像を消去し、再使用できる。このように画像を書き換えることができる。
【0005】
かかる書き換え可能の画像表示媒体の場合、画像を所望の画像濃度(溝部付着のトナー量に左右される)で形成し、維持するには、その凹凸表面を形成している凸条部s1はその幅が溝部s2の幅に比して狭く、高さ(溝部の深さ)は、画像形成及び画像消去処理の妨げにならない範囲で大きい方がよい。凸条部s1についてみれば、要するに幅が狭く、高い方がよい。
【0006】
書き換え可能の画像表示媒体の凹凸表面を提供するシートの作製は、量産コストを考慮すると、原材樹脂シートのエンボス加工が適している。
【0007】
エンボス加工としては、複数本の凸条部と該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させて凸条部及び該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る場合を代表例として挙げることができる。
【0008】
【特許文献1】特開平2000−250249号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる樹脂シートのエンボス加工により幅が狭く、幅に比し高さの大きい、換言すれば、高さ/幅の値(以下、「アスペクト比」ということがある。)の大きい凸条部を精度よく形成することは実際には困難である。
【0010】
該凸条部を形成するためのエンボスローラにおける対応溝部は幅が狭く、該幅に比し深さの深いものに形成することになるが、原材樹脂シートをエンボス加工する時に樹脂が深い溝部の底部まで入り込み難いからである。
【0011】
この問題を解決する手法として、加工速度を低くして樹脂がエンボスローラの溝部にできるだけ深く行きわたるようにすることが考えられるが、それでは量産性が低下する。
【0012】
この点、本発明者等の研究によると、加工速度を低下させないためには、樹脂の流動性を上げる(柔らかい樹脂材料を使用する)、加工温度を高くする、加工圧力を高くする、といった手法を採用すればよいことが分かっている。
【0013】
しかしそれでもなお、高アスペクト比(例えばアスペクト比が1以上)の凸部を含む凹凸表面を有する樹脂シートを所望の加工効率を維持して精度よく得るには満足できるものではない。
【0014】
そこで本発明は、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る方法であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができる方法を提供することを課題とする。
【0015】
また本発明は、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る装置であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができるエンボス加工樹脂シートを得る装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決するため研究を重ね、原材樹脂シートのエンボス加工時における軟化樹脂の流動方向に着目した。
【0017】
ここで軟化樹脂の流動に関連してエンボス加工原理を説明しておく。
【0018】
図13(A) に例示するように、凸条部r1と該凸条部に沿う溝部r2を含む凹凸表面を有するエンボスローラERを図示省略のバックアップローラに支持された静止している原材樹脂シートS’に押しつけると、シート樹脂Sr’はローラERの両側に盛り上がるとともにローラ溝部r2の一部にローラ半径方向量にしてt1入り込む。この樹脂盛り上がりの程度やローラ溝部への入り込みの程度は、a)樹脂材料の種類、樹脂加熱温度等により定まる樹脂粘弾性、b)ローラERにおける溝部r2の形状や寸法(特にその幅)、c)ローラERとバックアップローラ間の加圧力に影響される樹脂シートS’へのローラERの押し込み量、d)ローラERの径に左右される成形圧力のかかり易さ等に応じて定まってくる。
【0019】
そして図13(B)に例示するように、エンボス加工処理のためにローラERを回転させるとともに樹脂シートS’を図中矢印方向に送ると、樹脂シートS’はシート送り方向に沿って伸びを示すとともに、シート樹脂Sr’がシート送り方向においてローラERの上流側に大きく盛り上がる。この盛り上がった樹脂Sr’をシートS’の送りに伴ってローラERが相対的に押し退けようとする力が成形圧力となり、樹脂Sr’が溝部r2にさらにt2押し込まれ、溝部r2に対応する凸条部が樹脂シートに形成されていく。このときのローラERの上流側での樹脂の盛り上がりの程度や樹脂のローラ溝部へのさらなる入り込みの程度も、a)樹脂材料の種類、樹脂加熱温度等により定まる樹脂粘弾性、b)ローラERにおける溝部の形状や寸法(特にその幅)、c)ローラ間に加えられる圧力に影響される樹脂シートS’へのローラERの押し込み量、d)ローラ径に左右される成形圧力のかかり易さ等に応じ、さらにはe)ローラERの回転速度に影響される樹脂変形速度等に応じて定まってくる。
【0020】
本発明者は以上説明したエンボス加工原理における軟化樹脂の流動状態、特に軟化樹脂の流動方向に着目し、軟化樹脂が効率よく、円滑にエンボスローラの溝部に向かうように研究を重ね、次のことを見出した。
【0021】
すなわち、エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係を従来のように両ローラ回転中心線を平行に設定する配置関係ではなく、両ローラ回転中心線が若干クロス状となる配置関係、さらに言えば、両ローラ回転中心線を平行に配置したとした場合のそれら両回転中心線を含む平面の方向から両ローラ回転中心線を見たときに、該両ローラ回転中心線が若干クロス状(若干交差状)となる配置関係に設定すれば、加工効率(換言すれば加工速度)を低下させることなく、寸法精度良好な凸部を含む凹凸面を有するエンボス加工樹脂シートを得ることができることを見出した。
【0022】
このようにエンボスローラをバックアップローラに対し傾けて配置すると寸法精度良好な凸部を含む凹凸面を有する樹脂シートが得られる理由は、エンボス加工時におけるバックアップローラによる樹脂の流れ方向に対し、エンボスローラによる樹脂の流れ方向が同一ではなく、エンボスローラによる樹脂の流れ方向がバックアップローラによる樹脂の流れ方向を横切る方向となり、バックアップローラによる樹脂流れ方向に直角な方向にも樹脂流れが生じ、これら方向の樹脂流れによりエンボスローラの溝部に樹脂が円滑に入り込むためではないかと考えられる。
【0023】
前記知見に基づき本発明は次の方法及び装置を提供する。
(1)エンボス加工樹脂シートを得る方法
表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る方法であり、前記エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係を、該両ローラの回転中心線のうちいずれかが該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面に沿って所定の角度回転させられて前記第1平面とは平行でない状態とされた配置関係に設定するエンボス加工樹脂シートを得る方法。
(2)エンボス加工樹脂シートを得る装置
表面に凹凸が形成されたエンボスローラと、該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとを備え、該両ローラ間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る装置であり、前記エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係が、該両ローラの回転中心線のうちいずれかを該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面に沿って所定の角度回転させて前記第1平面とは平行でない状態とした配置関係に設定されているエンボス加工樹脂シートを得る装置。
【0024】
本発明の方法及び装置において、エンボスローラ回転中心線又はバックアップローラ回転中心線を第1平面に直交する第2平面に沿って所定角度回転させて両ローラをクロス状態の配置関係に設定するときの前記所定回転角度は、エンボス加工対象材料の種類や形成しようとする凹凸のサイズ等によって異なってくるが、いずれにしても、0.05°以上2°以下が望ましく、さらに好ましくは0.2°以上0.4°以下である。該回転角度が0.05°より大幅に小さくなってくると、所望の凸部高さが得られない恐れがあり、2°より大幅に大きくなってくると、凹凸形状が正しく形成できなくなる恐れがある。
【0025】
エンボスローラ表面の凹凸における凸部は突起状の凸部でも、所定長さにわたって延びる凸条部でも、これらの組み合わせ等でもよい。凸条部を採用すると、通常は該凸条部に沿って溝部が形成されたものとなる。
【0026】
すなわち、本発明の方法、装置のいずれにおいても、エンボスローラとして、複数本の凸条部と該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボスローラを採用することができ、これにより(高さ/幅)が1以上の凸条部及び該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得ることができる。
【0027】
このようなエンボスローラを採用する場合、それには限定されないが、該ローラにおける凸条部(溝部)の代表的なものは、該ローラの円周方向に平行に形成されたものである。このようなエンボスローラにより得られるエンボス加工樹脂シートは複数本の平行な凸条部と該凸条部に沿った溝部を含む凹凸面を有するものとなる。
【0028】
本発明方法及び装置により得られるエンボス加工樹脂シートは、その用途に応じて樹脂材料を選択しておくこと、凹凸表面を形成する凸部等の寸法等を用途に応じたものとすることなどにより様々に使用できるが、代表例として、既に説明した、表面に複数本の凸条部及び該凸条部に沿う溝部を有し、該溝部にトナーを除去可能に付着させて画像形成する書き換え可能の画像表示媒体の該凸条部及び溝部を提供するものを挙げることができる。
【0029】
かかる画像表示媒体の凸条部及び溝部を提供する樹脂シートを得ようとするときには、樹脂シートにおける凸条部や溝部の各部寸法、凸条部のアスペクト比として以下の範囲のものを代表例として挙げることができる。
【0030】
すなわち図12に示す各部寸法について、
凸条部s1の下端の幅w1:20μm〜50μm
凸条部s1の頂部の幅w2:20μm〜35μm
溝部s2の底部の幅w3:80μm〜150μm
ピッチPt(凸条部幅+溝部幅):100μm〜200μm
凸条部高さh:50μm〜85μm
凸条部下の基部厚さTh:100μm〜200μm
である。
【0031】
凸条部s1についてみれば、要するに幅が狭く、高い方がよい。幅(特に最大幅、通常は図12に示す幅w1)については、十分な画像濃度を得るために十分なトナーを溝部s2が保持できるように、凸条部s1と溝部s2の繰り返しピッチPtの20%以下が好ましい。高さについては、溝部に付着したトナーにより形成されている画像の乱れを抑制するうえで、高さ/幅(特に最大幅、通常は図12に示す幅w1)の値が、1以上であることが好ましく、さらには2以上が好ましい。
【0032】
前記数値範囲内における凸条部寸法の1例を挙げるとw1=20μm、w2=20μmより僅かに小さい値、h=75μmである。
【0033】
従って、エンボスローラにおける溝部及び凸条部の各部寸法も後述するようにこれらに対応したものとすることができる。
【0034】
加工対象となる樹脂シートの樹脂材料は、加工性と、得られるエンボス加工樹脂シートの強度等の観点から選択すればよいが、代表的には熱可塑性樹脂を挙げることができ、例えば、ポリオレフィン系のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が選択可能である。このような材料からなる樹脂シートは前記画像表示媒体の凸条部及び溝部を提供するエンボス加工樹脂シートを得るにも採用できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0036】
図1は本発明に係るエンボス加工装置の1例の要部を正面から見て示している。図2は同装置の図1中X−X線に沿う断面図である。エンボス加工後のシートの案内ローラも併せて示している。
【0037】
このエンボス加工装置は、エンボスローラ1及び該ローラに下側から対向するように配置されたバックアップローラ2を備えている。
【0038】
エンボスローラ1は鉄系材料、アルミ系材料などの各種金属材料で構成可能の金属ローラであり、複数本の凸条部13と複数本の溝部14を含む凹凸表面を有している。
【0039】
エンボスローラ1は金属ローラ表面に複数本の溝部14をローラ円周方向に沿って平行に形成し、また該溝部を形成することで各隣り合う溝部14の間に凸条部13を同時形成したものである。複数本の凸条部13もローラの円周方向に沿って平行に形成されている。
【0040】
バックアップローラ2はここでは平滑な表周面を有する金属ローラである。ローラ2は金属ローラに限定されることはなく、例えば、金属製芯金に硬質ゴム層を被覆した構成のローラも採用できる。該硬質ゴムは1例として、西部ポリマ化成株式会社製 ♯ベントシュアー タイプII ゴム硬度90度(Dタイプ)が使用可能である。
【0041】
これらエンボスローラ1及びバックアップローラ2は、本例では、図11及び図12に例示する書き換え可能の画像表示媒体として用いるエンボス加工樹脂シートSを製造することができるものである。樹脂シートSは、それには限定されないが、ここでは白色に着色したポリプロピレン(PP)製の原材樹脂シートSoから得る。
【0042】
エンボスローラ1の凸条部13及び溝部14は、図11、図12に示される樹脂シートであって既述した各部寸法範囲の溝部s2及び凸条部s1を含む凹凸面を形成できるように次の寸法範囲で形成される(図5参照)。
【0043】
凸条部13の頂部の幅W3:80μm〜150μm
溝部14の開口幅W1:20μm〜50μm
溝部14の底部の幅W2:20μm〜35μm
ピッチPT(凸条部幅+溝部幅):100μm〜200μm
溝部14の深さH:50μm〜85μm
これら寸法範囲によると、溝部14に対応して形成される樹脂シートにおける凸条部s1のアスペクト比(高さh/最大幅)は2以上とすることができ、好ましい凸条部s1が得られる。
【0044】
また得られる凸条部s1の幅は、好ましいものであるところのピッチPt(凸条部s1幅+溝部s2幅)の20%以下にすることも可能である。
【0045】
バックアップローラ2はその水平配置の回転軸21が定位置に配置された一対の軸受け装置22により回転可能に支持されており、該軸21が図示省略の駆動装置により回転駆動されることで樹脂シートエンボス加工のための方向に回転できる。
【0046】
エンボスローラ1はその水平配置の回転軸11が一対の軸受け装置12により回転可能に支持されており、該軸11が図示省略の駆動装置により回転駆動されることで樹脂シートエンボス加工のための方向に回転できる。
【0047】
各軸受け装置12は図示省略のガイドに案内されて昇降可能であり、バネ121により下方へ押圧されている。また、後述するように若干変移可能である。
【0048】
なお、エンボスローラ1を定位置に回転可能に設置し、このエンボスローラ1に対しバックアップローラ2を昇降可能に設置して押圧するようにしてもよい。
【0049】
エンボスローラ1は電気ヒータ15を内蔵しており、該ヒータの両端部は軸11に内嵌され、該軸11が回転してもヒータ15は回転しないようになっている。ヒータ15には図示省略の電源装置から電力を供給できる。
【0050】
ここではヒータ15によりエンボスローラ1が内部から加熱される。エンボスローラ1の表面には図示省略の温度センサが設けられ、これにより検出されるローラ表面温度に基づいて電源装置からの給電が制御され、ローラ表面温度が所定のものに一定に設定される。ここではローラ1表面温度は、前記PP製の原材樹脂シートSoが軟化して加工性が向上する100℃から融点(165℃)までで、樹脂の摩擦係数が急増大しだす温度140℃までの範囲に設定される。
【0051】
本例では加熱手段として電気ヒータ15を採用したが、加熱手段はこれに限定されず、例えば、エンボスローラ1に流体通路を設け、これに一定温度に制御された流体を流すことによりローラ表面温度を一定に保つようにしてもよい。
【0052】
前記バネ121はエンボスローラ1とバックアップローラ2との間に後述するように通される原材樹脂シートSoにエンボス加工のための圧力を加えるためのものである。この加圧力は加工性を向上させるものである。ここでは樹脂シート加工最大幅240mmに対し総圧3トン〜5トンを設定範囲としている。
【0053】
なお、加圧力付与手段はバネに限定されるものではなく、他の加圧手段、例えば油圧機構を利用するものでもよい。
【0054】
このエンボス加工装置において重要なことは、エンボスローラ1とバックアップローラ2をクロス状に配置している点である。
【0055】
さらに説明すると、エンボスローラ1の回転中心線10を、図4(A)に示すように、両ローラの回転中心線10、20を平行に配置した状態から、図4(B)に示すように、両ローラ回転中心線10、20を含むA平面(第1平面)に直交するローラ1の回転中心線10を含むB平面(第2平面)(ここでは水平面)に沿って、バックアップローラ2の回転中心線20に対し相対的に所定の角度θ回転させてA平面とは平行でない状態としたように両ローラ1、2の相互配置関係を設定してある。この結果、両ローラは図3に示すように、上方から見ると、それらローラの回転軸線10、20が互いに角度θをなすようにクロス状に傾けられている。
【0056】
必ずしもそれには限定されないが、本例ではローラ1の回転中心線10のかかる回転は、A平面に存在し、且つ、両ローラの回転中心線10、20に直交するローラ1の長手方向における中心線100のまわりになされる。角度θは既述のとおり0.05°以上2°以下の範囲、さらに好ましくは0.2°以上0.4°以下の範囲に設定される。
【0057】
以上説明したエンボス加工装置によりエンボス加工樹脂シートを得る方法について説明する。
【0058】
電気ヒータ15によりエンボスローラ1の表面温度が100℃から140℃までの範囲で良好な加工性をもたらす温度に設定され、図2に示すようにエンボスローラ1が図中反時計方向に、バックアップローラ2が図中時計方向に回転駆動され、これら両ローラ間に原材樹脂シートSoが通される。それにより該樹脂シートの片面にエンボスローラ1の溝部14にて凸条部s1が、ローラ1の凸条部13にて溝部s2が転写形成され、かくしてエンボス加工樹脂シートSが形成され、このシートSは案内ローラ3に案内されて次の工程に送られる。
【0059】
このエンボス加工の加工速度は原材樹脂シートの加工性に応じて変化させ、樹脂材料等に応じた所望の加工速度を得て、効率よくエンボス加工を実施できる。ここでの原材樹脂シートSoのようにシートがPP製のときは加工速度が0.5m/分程度であるが、流動性のより高い樹脂からなるシートへのエンボス加工であれば、5m/分程度の加工速度達成も可能である。
【0060】
さらに、エンボスローラ1とバックアップローラ2とは前記のようにクロス状に配置されており、これによりエンボスローラ1の溝部14に深く円滑にシート樹脂が入り込み、所望のアスペクト比の凸条部s1が形成されたエンボス加工樹脂シートSが得られる。
【0061】
ところで以上説明したように形成されるエンボス加工樹脂シートSは、原材樹脂シートSoの軟化状態でエンボス加工を施したものであるから加工後の樹脂シートS表面の凹凸部に平面に戻ろうとする応力が残留している。この残留応力は凹凸面の表面を広げようとする方向に働き、図6に例示するようにシートの凹凸面側が凸曲面になるようにカールしやすい。
【0062】
そこで、このようなカールを抑制するため、図7に示すように、エンボスローラ1とバックアップローラ2間のニップ部を通過してきた樹脂シートSをエンボスローラ1に沿って搬送したのちエンボスローラ1から分離してもよい。図7中3はこの場合の案内ローラである。
【0063】
エンボス加工により発生するシートSのカールを矯正するように曲がりをつけながら搬送しつつ冷却することでシートSの反りを抑制できる。
【0064】
次に図1及び図2に示すエンボス加工装置を用いてエンボス加工樹脂シートを形成した実験例を比較実験例とともに説明する。
【0065】
実験例、比較実験例においては共通の条件として次の条件を採用した。
【0066】
原材樹脂シートSo:ゼネラル株式会社製白色ポリプロピレンシート(融点165℃)
シートSo幅:115mm
シートSo厚さ:225μm
加圧力:総圧3トン
加工速度:50cm/分
エンボスローラ1:各部寸法は図8に示すとおり。
【0067】
溝部開口幅W1=50μm
溝部底部幅W2=30μm
溝部深さH=75μm
凸条部の頂部幅W3=79μm
ピッチ(溝部幅+凸条部幅)PT=129μm
ローラ径 50mm
表面温度 125℃
評価測定のためにローラ表面にマークポイント(へこみ)
M(図10参照)を形成した。
【0068】
比較実験例ではエンボスローラ1及びバックアップローラ2を平行に配置したが、実験例ではエンボスローラ1の軸受け装置を変移させて両ローラを図9に示すようにクロス状に配置した。
【0069】
すなわち、エンボスローラ1を、両ローラ1、2の回転中心線が平行な状態から両ローラ1、2の回転中心線10、20に直交するローラ1の長手方向における中心線100のまわりに評価用測定幅220mmに対し、両側各々で0.7mm変移させた。この0.7mmはダイヤルゲージを使った測定治具にて測定した。これによりローラ1の回転中心線10をローラ2の回転中心線20に対し角度に換算して0.36度回転させた。
【0070】
以上の条件で実験例及び比較実験例において得た各エンボス加工樹脂シートをエンボスローラ1上のマークポイントMの転写位置を基準にした図10に示す6箇所の位置A、B1、B2、B3、B4、B5のそれぞれにおいて、その位置に近い10箇所で、形成された凸条部の高さを測定し、それらの平均値をその位置での凸条部の高さとした。測定結果は次表のとおりである。次表において測定値の単位は〔μm〕であり、「効果」とは比較実験例に対する実験例での凸条部高さ増加分である。
【0071】
このように実験例では各測定位置においてエンボス加工樹脂シートにおける凸条部の高さが両ローラを従来のように平行に配置した比較実験例に比べ増加しており、高アスペクト比の凸条部を含む凹凸面を有する樹脂シートがそれだけ精度よく形成されたことが分かる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る方法であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができる方法を提供することができる。
【0073】
また本発明によると、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る装置であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができるエンボス加工樹脂シートを得る装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンボス加工装置の1例の要部の正面図である。
【図2】図1に示す装置要部のX−X線に沿う断面図であり、エンボス加工後シートの案内ローラも併せて示している。
【図3】エンボスローラとバックアップローラの相対的配置関係をローラ上方から見て示す図である。
【図4】エンボスローラとバックアップローラのクロス状配置関係を説明する図であり、図(A)は両ローラを互いに平行に配置したときの状態を示す斜視図であり、図(B) は両ローラを該平行状態からクロス状配置とした状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示すエンボスローラの一部の拡大断面図である。
【図6】湾曲したエンボス加工樹脂シートの1例の斜視図である。
【図7】本発明に係るエンボス加工装置の他の例の要部の断面図である。
【図8】実験に用いたエンボスローラの一部の拡大断面図である。
【図9】実験に用いたエンボスローラとバックアップローラの相対的配置関係をローラ上方から見て示す図である。
【図10】実験により得られたエンボス加工樹脂シートの評価におけるシート上の評価位置等を示す図である。
【図11】書き換え可能の画像表示媒体の1例の斜視図である。
【図12】図11に示す媒体の一部の拡大断面図である。
【図13】エンボス加工原理の説明図である。
【符号の説明】
1 エンボスローラ
10 ローラ1の回転中心線
11 ローラ1の回転軸
12 軸受け装置
121 バネ
13 ローラ1表面の凸条部
14 ローラ1表面の溝部
15 ヒータ
2 バックアップローラ
20 ローラ2の回転中心線
21 ローラ2の回転軸
22 軸受け装置
S エンボス加工樹脂シート
s1 シートSの凸条部
s2 シートSの溝部
So エンボス加工前の原材樹脂シート
100 ローラ1の長手方向における中心線
T トナー
ER エンボスローラ
r1 凸条部
r2 溝部
S’ 原材樹脂シート
Sr’シート樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は原材料となる樹脂シートに凸部を含む凹凸表面を形成するエンボス加工を施してエンボス加工樹脂シートを得る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
凸部を含む凹凸表面を有する樹脂シートは、例えば特開平2000−250249号公報に開示されている書き換え可能の画像表示媒体に利用できる。この画像表示媒体に利用できる凹凸表面を有する樹脂シートの代表的なものは凸部として所定の長さにわたって延びる凸条部有するとともに該凸条部に沿う溝部を有するものである。
【0003】
同公報に開示された画像表示媒体は、図11に例示するように、シート形態に形成することができ、図12に示すようにその表面に複数本の凸条部s1及び該凸条部に沿う溝部s2を有している。図11はシート形態の媒体の全体を示しており、図12は図11に示すY−Y線に沿う媒体断面の一部を拡大して示している。
【0004】
この画像表示媒体では、例えば、電子写真方式の画像形成法によりトナーTを原稿画像に応じて媒体表面の溝部s2に付着させて所望の画像を形成できる。溝部s2に付着したトナーTは凸条部s1に保護され、加熱定着処理しなくても、媒体表面を指で軽く触った程度では画像は乱れない。また、溝部s2に付着したトナーTを機械的及び(又は)電気的に除去して画像を消去し、再使用できる。このように画像を書き換えることができる。
【0005】
かかる書き換え可能の画像表示媒体の場合、画像を所望の画像濃度(溝部付着のトナー量に左右される)で形成し、維持するには、その凹凸表面を形成している凸条部s1はその幅が溝部s2の幅に比して狭く、高さ(溝部の深さ)は、画像形成及び画像消去処理の妨げにならない範囲で大きい方がよい。凸条部s1についてみれば、要するに幅が狭く、高い方がよい。
【0006】
書き換え可能の画像表示媒体の凹凸表面を提供するシートの作製は、量産コストを考慮すると、原材樹脂シートのエンボス加工が適している。
【0007】
エンボス加工としては、複数本の凸条部と該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させて凸条部及び該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る場合を代表例として挙げることができる。
【0008】
【特許文献1】特開平2000−250249号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる樹脂シートのエンボス加工により幅が狭く、幅に比し高さの大きい、換言すれば、高さ/幅の値(以下、「アスペクト比」ということがある。)の大きい凸条部を精度よく形成することは実際には困難である。
【0010】
該凸条部を形成するためのエンボスローラにおける対応溝部は幅が狭く、該幅に比し深さの深いものに形成することになるが、原材樹脂シートをエンボス加工する時に樹脂が深い溝部の底部まで入り込み難いからである。
【0011】
この問題を解決する手法として、加工速度を低くして樹脂がエンボスローラの溝部にできるだけ深く行きわたるようにすることが考えられるが、それでは量産性が低下する。
【0012】
この点、本発明者等の研究によると、加工速度を低下させないためには、樹脂の流動性を上げる(柔らかい樹脂材料を使用する)、加工温度を高くする、加工圧力を高くする、といった手法を採用すればよいことが分かっている。
【0013】
しかしそれでもなお、高アスペクト比(例えばアスペクト比が1以上)の凸部を含む凹凸表面を有する樹脂シートを所望の加工効率を維持して精度よく得るには満足できるものではない。
【0014】
そこで本発明は、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る方法であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができる方法を提供することを課題とする。
【0015】
また本発明は、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る装置であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができるエンボス加工樹脂シートを得る装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決するため研究を重ね、原材樹脂シートのエンボス加工時における軟化樹脂の流動方向に着目した。
【0017】
ここで軟化樹脂の流動に関連してエンボス加工原理を説明しておく。
【0018】
図13(A) に例示するように、凸条部r1と該凸条部に沿う溝部r2を含む凹凸表面を有するエンボスローラERを図示省略のバックアップローラに支持された静止している原材樹脂シートS’に押しつけると、シート樹脂Sr’はローラERの両側に盛り上がるとともにローラ溝部r2の一部にローラ半径方向量にしてt1入り込む。この樹脂盛り上がりの程度やローラ溝部への入り込みの程度は、a)樹脂材料の種類、樹脂加熱温度等により定まる樹脂粘弾性、b)ローラERにおける溝部r2の形状や寸法(特にその幅)、c)ローラERとバックアップローラ間の加圧力に影響される樹脂シートS’へのローラERの押し込み量、d)ローラERの径に左右される成形圧力のかかり易さ等に応じて定まってくる。
【0019】
そして図13(B)に例示するように、エンボス加工処理のためにローラERを回転させるとともに樹脂シートS’を図中矢印方向に送ると、樹脂シートS’はシート送り方向に沿って伸びを示すとともに、シート樹脂Sr’がシート送り方向においてローラERの上流側に大きく盛り上がる。この盛り上がった樹脂Sr’をシートS’の送りに伴ってローラERが相対的に押し退けようとする力が成形圧力となり、樹脂Sr’が溝部r2にさらにt2押し込まれ、溝部r2に対応する凸条部が樹脂シートに形成されていく。このときのローラERの上流側での樹脂の盛り上がりの程度や樹脂のローラ溝部へのさらなる入り込みの程度も、a)樹脂材料の種類、樹脂加熱温度等により定まる樹脂粘弾性、b)ローラERにおける溝部の形状や寸法(特にその幅)、c)ローラ間に加えられる圧力に影響される樹脂シートS’へのローラERの押し込み量、d)ローラ径に左右される成形圧力のかかり易さ等に応じ、さらにはe)ローラERの回転速度に影響される樹脂変形速度等に応じて定まってくる。
【0020】
本発明者は以上説明したエンボス加工原理における軟化樹脂の流動状態、特に軟化樹脂の流動方向に着目し、軟化樹脂が効率よく、円滑にエンボスローラの溝部に向かうように研究を重ね、次のことを見出した。
【0021】
すなわち、エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係を従来のように両ローラ回転中心線を平行に設定する配置関係ではなく、両ローラ回転中心線が若干クロス状となる配置関係、さらに言えば、両ローラ回転中心線を平行に配置したとした場合のそれら両回転中心線を含む平面の方向から両ローラ回転中心線を見たときに、該両ローラ回転中心線が若干クロス状(若干交差状)となる配置関係に設定すれば、加工効率(換言すれば加工速度)を低下させることなく、寸法精度良好な凸部を含む凹凸面を有するエンボス加工樹脂シートを得ることができることを見出した。
【0022】
このようにエンボスローラをバックアップローラに対し傾けて配置すると寸法精度良好な凸部を含む凹凸面を有する樹脂シートが得られる理由は、エンボス加工時におけるバックアップローラによる樹脂の流れ方向に対し、エンボスローラによる樹脂の流れ方向が同一ではなく、エンボスローラによる樹脂の流れ方向がバックアップローラによる樹脂の流れ方向を横切る方向となり、バックアップローラによる樹脂流れ方向に直角な方向にも樹脂流れが生じ、これら方向の樹脂流れによりエンボスローラの溝部に樹脂が円滑に入り込むためではないかと考えられる。
【0023】
前記知見に基づき本発明は次の方法及び装置を提供する。
(1)エンボス加工樹脂シートを得る方法
表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る方法であり、前記エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係を、該両ローラの回転中心線のうちいずれかが該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面に沿って所定の角度回転させられて前記第1平面とは平行でない状態とされた配置関係に設定するエンボス加工樹脂シートを得る方法。
(2)エンボス加工樹脂シートを得る装置
表面に凹凸が形成されたエンボスローラと、該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとを備え、該両ローラ間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る装置であり、前記エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係が、該両ローラの回転中心線のうちいずれかを該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面に沿って所定の角度回転させて前記第1平面とは平行でない状態とした配置関係に設定されているエンボス加工樹脂シートを得る装置。
【0024】
本発明の方法及び装置において、エンボスローラ回転中心線又はバックアップローラ回転中心線を第1平面に直交する第2平面に沿って所定角度回転させて両ローラをクロス状態の配置関係に設定するときの前記所定回転角度は、エンボス加工対象材料の種類や形成しようとする凹凸のサイズ等によって異なってくるが、いずれにしても、0.05°以上2°以下が望ましく、さらに好ましくは0.2°以上0.4°以下である。該回転角度が0.05°より大幅に小さくなってくると、所望の凸部高さが得られない恐れがあり、2°より大幅に大きくなってくると、凹凸形状が正しく形成できなくなる恐れがある。
【0025】
エンボスローラ表面の凹凸における凸部は突起状の凸部でも、所定長さにわたって延びる凸条部でも、これらの組み合わせ等でもよい。凸条部を採用すると、通常は該凸条部に沿って溝部が形成されたものとなる。
【0026】
すなわち、本発明の方法、装置のいずれにおいても、エンボスローラとして、複数本の凸条部と該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボスローラを採用することができ、これにより(高さ/幅)が1以上の凸条部及び該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得ることができる。
【0027】
このようなエンボスローラを採用する場合、それには限定されないが、該ローラにおける凸条部(溝部)の代表的なものは、該ローラの円周方向に平行に形成されたものである。このようなエンボスローラにより得られるエンボス加工樹脂シートは複数本の平行な凸条部と該凸条部に沿った溝部を含む凹凸面を有するものとなる。
【0028】
本発明方法及び装置により得られるエンボス加工樹脂シートは、その用途に応じて樹脂材料を選択しておくこと、凹凸表面を形成する凸部等の寸法等を用途に応じたものとすることなどにより様々に使用できるが、代表例として、既に説明した、表面に複数本の凸条部及び該凸条部に沿う溝部を有し、該溝部にトナーを除去可能に付着させて画像形成する書き換え可能の画像表示媒体の該凸条部及び溝部を提供するものを挙げることができる。
【0029】
かかる画像表示媒体の凸条部及び溝部を提供する樹脂シートを得ようとするときには、樹脂シートにおける凸条部や溝部の各部寸法、凸条部のアスペクト比として以下の範囲のものを代表例として挙げることができる。
【0030】
すなわち図12に示す各部寸法について、
凸条部s1の下端の幅w1:20μm〜50μm
凸条部s1の頂部の幅w2:20μm〜35μm
溝部s2の底部の幅w3:80μm〜150μm
ピッチPt(凸条部幅+溝部幅):100μm〜200μm
凸条部高さh:50μm〜85μm
凸条部下の基部厚さTh:100μm〜200μm
である。
【0031】
凸条部s1についてみれば、要するに幅が狭く、高い方がよい。幅(特に最大幅、通常は図12に示す幅w1)については、十分な画像濃度を得るために十分なトナーを溝部s2が保持できるように、凸条部s1と溝部s2の繰り返しピッチPtの20%以下が好ましい。高さについては、溝部に付着したトナーにより形成されている画像の乱れを抑制するうえで、高さ/幅(特に最大幅、通常は図12に示す幅w1)の値が、1以上であることが好ましく、さらには2以上が好ましい。
【0032】
前記数値範囲内における凸条部寸法の1例を挙げるとw1=20μm、w2=20μmより僅かに小さい値、h=75μmである。
【0033】
従って、エンボスローラにおける溝部及び凸条部の各部寸法も後述するようにこれらに対応したものとすることができる。
【0034】
加工対象となる樹脂シートの樹脂材料は、加工性と、得られるエンボス加工樹脂シートの強度等の観点から選択すればよいが、代表的には熱可塑性樹脂を挙げることができ、例えば、ポリオレフィン系のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が選択可能である。このような材料からなる樹脂シートは前記画像表示媒体の凸条部及び溝部を提供するエンボス加工樹脂シートを得るにも採用できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0036】
図1は本発明に係るエンボス加工装置の1例の要部を正面から見て示している。図2は同装置の図1中X−X線に沿う断面図である。エンボス加工後のシートの案内ローラも併せて示している。
【0037】
このエンボス加工装置は、エンボスローラ1及び該ローラに下側から対向するように配置されたバックアップローラ2を備えている。
【0038】
エンボスローラ1は鉄系材料、アルミ系材料などの各種金属材料で構成可能の金属ローラであり、複数本の凸条部13と複数本の溝部14を含む凹凸表面を有している。
【0039】
エンボスローラ1は金属ローラ表面に複数本の溝部14をローラ円周方向に沿って平行に形成し、また該溝部を形成することで各隣り合う溝部14の間に凸条部13を同時形成したものである。複数本の凸条部13もローラの円周方向に沿って平行に形成されている。
【0040】
バックアップローラ2はここでは平滑な表周面を有する金属ローラである。ローラ2は金属ローラに限定されることはなく、例えば、金属製芯金に硬質ゴム層を被覆した構成のローラも採用できる。該硬質ゴムは1例として、西部ポリマ化成株式会社製 ♯ベントシュアー タイプII ゴム硬度90度(Dタイプ)が使用可能である。
【0041】
これらエンボスローラ1及びバックアップローラ2は、本例では、図11及び図12に例示する書き換え可能の画像表示媒体として用いるエンボス加工樹脂シートSを製造することができるものである。樹脂シートSは、それには限定されないが、ここでは白色に着色したポリプロピレン(PP)製の原材樹脂シートSoから得る。
【0042】
エンボスローラ1の凸条部13及び溝部14は、図11、図12に示される樹脂シートであって既述した各部寸法範囲の溝部s2及び凸条部s1を含む凹凸面を形成できるように次の寸法範囲で形成される(図5参照)。
【0043】
凸条部13の頂部の幅W3:80μm〜150μm
溝部14の開口幅W1:20μm〜50μm
溝部14の底部の幅W2:20μm〜35μm
ピッチPT(凸条部幅+溝部幅):100μm〜200μm
溝部14の深さH:50μm〜85μm
これら寸法範囲によると、溝部14に対応して形成される樹脂シートにおける凸条部s1のアスペクト比(高さh/最大幅)は2以上とすることができ、好ましい凸条部s1が得られる。
【0044】
また得られる凸条部s1の幅は、好ましいものであるところのピッチPt(凸条部s1幅+溝部s2幅)の20%以下にすることも可能である。
【0045】
バックアップローラ2はその水平配置の回転軸21が定位置に配置された一対の軸受け装置22により回転可能に支持されており、該軸21が図示省略の駆動装置により回転駆動されることで樹脂シートエンボス加工のための方向に回転できる。
【0046】
エンボスローラ1はその水平配置の回転軸11が一対の軸受け装置12により回転可能に支持されており、該軸11が図示省略の駆動装置により回転駆動されることで樹脂シートエンボス加工のための方向に回転できる。
【0047】
各軸受け装置12は図示省略のガイドに案内されて昇降可能であり、バネ121により下方へ押圧されている。また、後述するように若干変移可能である。
【0048】
なお、エンボスローラ1を定位置に回転可能に設置し、このエンボスローラ1に対しバックアップローラ2を昇降可能に設置して押圧するようにしてもよい。
【0049】
エンボスローラ1は電気ヒータ15を内蔵しており、該ヒータの両端部は軸11に内嵌され、該軸11が回転してもヒータ15は回転しないようになっている。ヒータ15には図示省略の電源装置から電力を供給できる。
【0050】
ここではヒータ15によりエンボスローラ1が内部から加熱される。エンボスローラ1の表面には図示省略の温度センサが設けられ、これにより検出されるローラ表面温度に基づいて電源装置からの給電が制御され、ローラ表面温度が所定のものに一定に設定される。ここではローラ1表面温度は、前記PP製の原材樹脂シートSoが軟化して加工性が向上する100℃から融点(165℃)までで、樹脂の摩擦係数が急増大しだす温度140℃までの範囲に設定される。
【0051】
本例では加熱手段として電気ヒータ15を採用したが、加熱手段はこれに限定されず、例えば、エンボスローラ1に流体通路を設け、これに一定温度に制御された流体を流すことによりローラ表面温度を一定に保つようにしてもよい。
【0052】
前記バネ121はエンボスローラ1とバックアップローラ2との間に後述するように通される原材樹脂シートSoにエンボス加工のための圧力を加えるためのものである。この加圧力は加工性を向上させるものである。ここでは樹脂シート加工最大幅240mmに対し総圧3トン〜5トンを設定範囲としている。
【0053】
なお、加圧力付与手段はバネに限定されるものではなく、他の加圧手段、例えば油圧機構を利用するものでもよい。
【0054】
このエンボス加工装置において重要なことは、エンボスローラ1とバックアップローラ2をクロス状に配置している点である。
【0055】
さらに説明すると、エンボスローラ1の回転中心線10を、図4(A)に示すように、両ローラの回転中心線10、20を平行に配置した状態から、図4(B)に示すように、両ローラ回転中心線10、20を含むA平面(第1平面)に直交するローラ1の回転中心線10を含むB平面(第2平面)(ここでは水平面)に沿って、バックアップローラ2の回転中心線20に対し相対的に所定の角度θ回転させてA平面とは平行でない状態としたように両ローラ1、2の相互配置関係を設定してある。この結果、両ローラは図3に示すように、上方から見ると、それらローラの回転軸線10、20が互いに角度θをなすようにクロス状に傾けられている。
【0056】
必ずしもそれには限定されないが、本例ではローラ1の回転中心線10のかかる回転は、A平面に存在し、且つ、両ローラの回転中心線10、20に直交するローラ1の長手方向における中心線100のまわりになされる。角度θは既述のとおり0.05°以上2°以下の範囲、さらに好ましくは0.2°以上0.4°以下の範囲に設定される。
【0057】
以上説明したエンボス加工装置によりエンボス加工樹脂シートを得る方法について説明する。
【0058】
電気ヒータ15によりエンボスローラ1の表面温度が100℃から140℃までの範囲で良好な加工性をもたらす温度に設定され、図2に示すようにエンボスローラ1が図中反時計方向に、バックアップローラ2が図中時計方向に回転駆動され、これら両ローラ間に原材樹脂シートSoが通される。それにより該樹脂シートの片面にエンボスローラ1の溝部14にて凸条部s1が、ローラ1の凸条部13にて溝部s2が転写形成され、かくしてエンボス加工樹脂シートSが形成され、このシートSは案内ローラ3に案内されて次の工程に送られる。
【0059】
このエンボス加工の加工速度は原材樹脂シートの加工性に応じて変化させ、樹脂材料等に応じた所望の加工速度を得て、効率よくエンボス加工を実施できる。ここでの原材樹脂シートSoのようにシートがPP製のときは加工速度が0.5m/分程度であるが、流動性のより高い樹脂からなるシートへのエンボス加工であれば、5m/分程度の加工速度達成も可能である。
【0060】
さらに、エンボスローラ1とバックアップローラ2とは前記のようにクロス状に配置されており、これによりエンボスローラ1の溝部14に深く円滑にシート樹脂が入り込み、所望のアスペクト比の凸条部s1が形成されたエンボス加工樹脂シートSが得られる。
【0061】
ところで以上説明したように形成されるエンボス加工樹脂シートSは、原材樹脂シートSoの軟化状態でエンボス加工を施したものであるから加工後の樹脂シートS表面の凹凸部に平面に戻ろうとする応力が残留している。この残留応力は凹凸面の表面を広げようとする方向に働き、図6に例示するようにシートの凹凸面側が凸曲面になるようにカールしやすい。
【0062】
そこで、このようなカールを抑制するため、図7に示すように、エンボスローラ1とバックアップローラ2間のニップ部を通過してきた樹脂シートSをエンボスローラ1に沿って搬送したのちエンボスローラ1から分離してもよい。図7中3はこの場合の案内ローラである。
【0063】
エンボス加工により発生するシートSのカールを矯正するように曲がりをつけながら搬送しつつ冷却することでシートSの反りを抑制できる。
【0064】
次に図1及び図2に示すエンボス加工装置を用いてエンボス加工樹脂シートを形成した実験例を比較実験例とともに説明する。
【0065】
実験例、比較実験例においては共通の条件として次の条件を採用した。
【0066】
原材樹脂シートSo:ゼネラル株式会社製白色ポリプロピレンシート(融点165℃)
シートSo幅:115mm
シートSo厚さ:225μm
加圧力:総圧3トン
加工速度:50cm/分
エンボスローラ1:各部寸法は図8に示すとおり。
【0067】
溝部開口幅W1=50μm
溝部底部幅W2=30μm
溝部深さH=75μm
凸条部の頂部幅W3=79μm
ピッチ(溝部幅+凸条部幅)PT=129μm
ローラ径 50mm
表面温度 125℃
評価測定のためにローラ表面にマークポイント(へこみ)
M(図10参照)を形成した。
【0068】
比較実験例ではエンボスローラ1及びバックアップローラ2を平行に配置したが、実験例ではエンボスローラ1の軸受け装置を変移させて両ローラを図9に示すようにクロス状に配置した。
【0069】
すなわち、エンボスローラ1を、両ローラ1、2の回転中心線が平行な状態から両ローラ1、2の回転中心線10、20に直交するローラ1の長手方向における中心線100のまわりに評価用測定幅220mmに対し、両側各々で0.7mm変移させた。この0.7mmはダイヤルゲージを使った測定治具にて測定した。これによりローラ1の回転中心線10をローラ2の回転中心線20に対し角度に換算して0.36度回転させた。
【0070】
以上の条件で実験例及び比較実験例において得た各エンボス加工樹脂シートをエンボスローラ1上のマークポイントMの転写位置を基準にした図10に示す6箇所の位置A、B1、B2、B3、B4、B5のそれぞれにおいて、その位置に近い10箇所で、形成された凸条部の高さを測定し、それらの平均値をその位置での凸条部の高さとした。測定結果は次表のとおりである。次表において測定値の単位は〔μm〕であり、「効果」とは比較実験例に対する実験例での凸条部高さ増加分である。
【0071】
このように実験例では各測定位置においてエンボス加工樹脂シートにおける凸条部の高さが両ローラを従来のように平行に配置した比較実験例に比べ増加しており、高アスペクト比の凸条部を含む凹凸面を有する樹脂シートがそれだけ精度よく形成されたことが分かる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る方法であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができる方法を提供することができる。
【0073】
また本発明によると、表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る装置であって、加工効率を低下させないで、寸法精度良好なエンボス加工樹脂シートを得ることができるエンボス加工樹脂シートを得る装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンボス加工装置の1例の要部の正面図である。
【図2】図1に示す装置要部のX−X線に沿う断面図であり、エンボス加工後シートの案内ローラも併せて示している。
【図3】エンボスローラとバックアップローラの相対的配置関係をローラ上方から見て示す図である。
【図4】エンボスローラとバックアップローラのクロス状配置関係を説明する図であり、図(A)は両ローラを互いに平行に配置したときの状態を示す斜視図であり、図(B) は両ローラを該平行状態からクロス状配置とした状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示すエンボスローラの一部の拡大断面図である。
【図6】湾曲したエンボス加工樹脂シートの1例の斜視図である。
【図7】本発明に係るエンボス加工装置の他の例の要部の断面図である。
【図8】実験に用いたエンボスローラの一部の拡大断面図である。
【図9】実験に用いたエンボスローラとバックアップローラの相対的配置関係をローラ上方から見て示す図である。
【図10】実験により得られたエンボス加工樹脂シートの評価におけるシート上の評価位置等を示す図である。
【図11】書き換え可能の画像表示媒体の1例の斜視図である。
【図12】図11に示す媒体の一部の拡大断面図である。
【図13】エンボス加工原理の説明図である。
【符号の説明】
1 エンボスローラ
10 ローラ1の回転中心線
11 ローラ1の回転軸
12 軸受け装置
121 バネ
13 ローラ1表面の凸条部
14 ローラ1表面の溝部
15 ヒータ
2 バックアップローラ
20 ローラ2の回転中心線
21 ローラ2の回転軸
22 軸受け装置
S エンボス加工樹脂シート
s1 シートSの凸条部
s2 シートSの溝部
So エンボス加工前の原材樹脂シート
100 ローラ1の長手方向における中心線
T トナー
ER エンボスローラ
r1 凸条部
r2 溝部
S’ 原材樹脂シート
Sr’シート樹脂
Claims (5)
- 表面に凹凸が形成されたエンボスローラと該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとの間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る方法であり、前記エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係を、該両ローラの回転中心線のうちいずれかが該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面に沿って所定の角度回転させられて前記第1平面とは平行でない状態とされた配置関係に設定することを特徴とするエンボス加工樹脂シートを得る方法。
- 前記所定の回転角度は0.05°以上2°以下である請求項1記載のエンボス加工樹脂シートを得る方法。
- 前記エンボスローラとして複数本の凸条部と該凸条部に沿う溝部を含む凹凸表面を有するエンボスローラを採用し、前記エンボス加工樹脂シートとして表面に複数本の凸条部及び該凸条部に沿う溝部を有し、該溝部にトナーを除去可能に付着させて画像形成する書き換え可能の画像表示媒体の該凸条部及び溝部を提供するものを得る請求項1又は2記載のエンボス加工樹脂シートを得る方法。
- 表面に凹凸が形成されたエンボスローラと、該エンボスローラに対向するように配置されたバックアップローラとを備え、該両ローラ間に樹脂シートを通過させてアスペクト比(高さ/幅)が1以上の凸部を含む凹凸表面を有するエンボス加工樹脂シートを得る装置であり、前記エンボスローラ及びバックアップローラの相互配置関係が、該両ローラの回転中心線のうちいずれかを該両ローラの回転中心線を平行に配置した状態から該状態での両回転中心線を含む第1平面に直交する該エンボスローラ回転中心線を含む第2平面に沿って所定の角度回転させて前記第1平面とは平行でない状態とした配置関係に設定されていることを特徴とするエンボス加工樹脂シートを得る装置。
- 前記所定の回転角度は0.05°以上2°以下である請求項4記載のエンボス加工樹脂シートを得る装置。
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- 2002-09-24 JP JP2002276539A patent/JP2004114311A/ja not_active Withdrawn
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