JP2004114016A - 排ガス浄化用触媒とその再生方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒とその再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】担持されているNO 吸蔵材の大部分を確実に再生できるようにするとともに、再生処理時におけるNO 吸蔵材の劣化を抑制する。
【解決手段】大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路の中心部1には、硫黄脱離温度が高い第1NO 吸蔵材を担持し、周辺部2には硫黄脱離温度が低い第2NO 吸蔵材を担持した。
大きな流速の排ガスが流れる中心部1は高温となるため、硫黄被毒を受けた第1NO 吸蔵材は、硫黄脱離温度が高くても容易に硫黄脱離温度まで昇温されて再生される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、担体層に貴金属とNO 吸蔵材とを担持したNO 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒と、その再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、担体層に貴金属とNO 吸蔵材とを担持したNO 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒が用いられている。このNO 吸蔵還元型触媒は、酸素過剰のリーン雰囲気でNO 吸蔵材にNO を吸蔵し、間欠的にストイキ〜リッチ雰囲気の排ガスを流すことでNO 吸蔵材からNO を放出させ雰囲気中に豊富に存在するHC及びCOによってNO を還元浄化する。したがってリーン雰囲気の排ガス中のHC,CO及びNO を効率よく浄化することができる。
【0003】
このNO 吸蔵材としては、アルカリ金属,アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種が用いられている。アルカリ金属は高温域におけるNO 吸蔵能に優れ、アルカリ土類金属は低温域におけるNO 吸蔵能に優れているので、アルカリ金属とアルカリ土類金属の両方を担持したものが多い。
【0004】
ところが排ガス中には燃料中の硫黄に起因する硫黄酸化物(SO )が含まれ、これがNO 吸蔵材と反応してNO 吸蔵能を消失させるという問題がある。これは硫黄被毒と称されている。すなわち、排ガス中に含まれるSO が触媒上で酸化されてSO となり、それが排ガス中の水分と反応してSO となるために、NO 吸蔵材と容易に反応して硫酸塩が生成する。このように硫酸塩となったNO 吸蔵材はもはやNO を吸蔵することができず、NO 浄化率が低下する。またNO 吸蔵材の硫酸塩は通常の排ガス温度では分解が困難であるので、一旦硫酸塩となったNO 吸蔵材はNO 吸蔵能を回復することができない。
【0005】
このような硫黄被毒を防止するためには、燃料中から不純物である硫黄成分を除去することが有効である。一方、触媒側でも硫黄被毒を抑制するために、特開平08−099034号公報などには、TiOなど酸性度の高い担体を用いてSO を近接しにくくする技術が開示されている。またZrOにRhを担持した触媒は、排ガス中で水蒸気改質反応によって還元活性の高いHを生成するので、このHによってNO 吸蔵材の硫酸塩を還元分解することでNO 吸蔵材を再生し、NO 吸蔵能を回復することも行われている。
【0006】
しかし上記した対策を講じても、硫黄被毒を完全に無くすことは困難であり、使用中のNO 吸蔵還元型触媒には硫黄被毒を受けたNO 吸蔵材が少なからず存在する。そこで使用中のNO 吸蔵還元型触媒に対して、硫黄被毒を解消するための再生処理を行うことが考えられている。つまり、NO 吸蔵材の硫酸塩は、通常の排ガス温度では分解が困難であるが、 600〜 700℃以上では容易に分解する。したがって定期的に 600〜 700℃以上の高温の排ガスを流す処理を行うことで、硫黄被毒したNO 吸蔵材を再生することが可能となる。
【0007】
【特許文献1】特開平08−099034号
【特許文献2】特開2001−000863号
【特許文献3】特開2002−126453号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところがNO 吸蔵材として広く用いられているアルカリ金属は、熱的に不安定であり、高温では担体あるいは基材との固溶反応が進行したり、外部に飛散したりする劣化が生じる。そのため上記した再生処理を定期的に行うと、NO 吸蔵能が徐々に低下するという問題があった。
【0009】
またアルカリ土類金属は、熱的には安定であるものの、その硫酸塩の分解温度はアルカリ金属の硫酸塩に比べて高い。そのため例えば外周部に担持されたアルカリ土類金属については、外部への放熱量が大きいこと、排ガス温度が低いことなどによって、再生処理による再生が困難となる場合がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、再生処理時におけるNO 吸蔵材の劣化を抑制するとともに、担持されているNO 吸蔵材の大部分を確実に再生できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、排ガス通路をもつ基材と、排ガス通路の表面に形成された担体層と、担体層に担持された貴金属と、担体層に担持された硫黄脱離温度が高い第1NO 吸蔵材と、担体層に担持された硫黄脱離温度が低い第2NO 吸蔵材と、を含んでなる排ガス浄化用触媒であって、排ガスは流速分布をもち、大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層には、第1NO 吸蔵材が第2NO 吸蔵材より多く担持されていることにある。
【0012】
上記排ガス浄化用触媒において、小さな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層には、第2NO 吸蔵材が第1NO 吸蔵材より多く担持されていることが望ましい。
【0013】
また大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層における第2NO 吸蔵材の担持量は、小さな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層における第2NO 吸蔵材の担持量より少ないことがさらに望ましい。
【0014】
そして本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法の特徴は、排ガス通路をもつ基材と、排ガス通路の表面に形成された担体層と、担体層に担持された貴金属と、担体層に担持された硫黄脱離温度が高い第1NO 吸蔵材と、担体層に担持された硫黄脱離温度が低い第2NO 吸蔵材と、を含んでなり、大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層には、第1NO 吸蔵材が第2NO 吸蔵材より多く担持されている排ガス浄化用触媒に対し、ストイキ〜リッチ雰囲気の高温の排ガスを流通させ、硫黄被毒している第1NO 吸蔵材及び第2NO 吸蔵材のNO 吸蔵能を再生することにある。
【0015】
【発明の実施の形態】
例えばハニカム形状の触媒における排ガスの流速は、一般に中心部のセルほど大きく周辺部のセルほど小さいという分布を有している。したがって排ガス流速が大きい中心部のセルほど高温となり、排ガス流速の小さい周辺部のセルほど低温となるという温度分布が生じる。また触媒の外周部には一般に外筒が設けられるので、外筒によって熱が奪われる結果、周辺部のセルがさらに低温となる。そのため高温の排ガスを流通させる再生処理時においても、触媒の中心部と周辺部における温度差が大きくなり、NO 吸蔵材の劣化が生じたり、あるいは再生が困難となる場合がある。
【0016】
そこで本発明の排ガス浄化用触媒では、大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層には、硫黄脱離温度が高い第1NO 吸蔵材が、硫黄脱離温度が低い第2NO 吸蔵材より多く担持されている。硫黄脱離温度が高い第1NO 吸蔵材が多く担持されていても、大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路は排ガスから受ける熱量が大きいため高温となるため、硫黄被毒を受けた第1NO 吸蔵材は容易に硫黄脱離温度まで昇温され、硫黄被毒している第1NO 吸蔵材からはSO が円滑に脱離し第1NO 吸蔵材が再生される。
【0017】
そして小さな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層には、第2NO 吸蔵材が第1NO 吸蔵材より多く担持されていることが望ましい。小さな流速の排ガスが流れる排ガス通路は大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路に比べて低温となるが、硫黄脱離温度が低い第2NO 吸蔵材が多く担持されているため、硫黄被毒している第2NO 吸蔵材からもSO が円滑に脱離し第2NO 吸蔵材が再生される。したがって排ガスの温度分布に対応してそれぞれのNO 吸蔵材について再生処理を行うことができ、再生処理効率が向上する。
【0018】
硫黄脱離温度とは、NO 吸蔵材の硫酸塩からSO が脱離する温度である。したがって硫黄脱離温度はNO 吸蔵材の硫酸塩の分解温度と同義であるので、NO 吸蔵材の硫酸塩の分解温度を指標としても同じことである。
【0019】
第1NO 吸蔵材と第2NO 吸蔵材は、相対的に硫黄脱離温度が異なるものであり、元素周期表において互いに同族のものであってもよいし、互いに異族のものでもよい。例えばアルカリ金属は一般にアルカリ土類金属より硫黄脱離温度が低いので、第2NO 吸蔵材がアルカリ金属であれば第1NO 吸蔵材としてアルカリ土類金属を用いることができる。また希土類元素もアルカリ金属より硫黄脱離温度が高いので、第2NO 吸蔵材がアルカリ金属であれば、第1NO 吸蔵材として希土類元素を用いてもよい。
【0020】
第2NO 吸蔵材としてアルカリ金属を用いた場合には、小さな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層に第2NO 吸蔵材が多く担持されるのであるから、担持されているアルカリ金属の多くは高温となるのが防止され、担体あるいは基材との固溶などの反応が抑制されるとともに、外部への飛散も抑制される。したがってアルカリ金属の劣化に起因するNO 吸蔵能の低下を防止することができる。
【0021】
大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層における第2NO 吸蔵材の担持量は、小さな流速の排ガスが流れる排ガス通路の担体層における第2NO 吸蔵材の担持量より少ないことがさらに望ましい。これにより、第2NO 吸蔵材としてアルカリ金属を用いた場合に上記した劣化が生じるアルカリ金属の量をさらに少なくすることができ、アルカリ金属の劣化に起因するNO 吸蔵能の低下をさらに防止することができる。
【0022】
本発明にいう「少ない」あるいは「多い」という表現は、第1NO 吸蔵材と第2NO 吸蔵材のそれぞれの担持量の相対的な多少を意味し、その差に制限はない。僅かな差であってもそれなりの効果が得られるし、例えば「第1NO 吸蔵材が第2NO 吸蔵材より多い」という表現の場合には、第2NO 吸蔵材が担持されておらず第1NO 吸蔵材のみが担持されている場合も含まれ、その場合が最も好ましい。
【0023】
また本発明にいう「大きい」あるいは「小さい」という表現は、排ガス流速の相対的な大小を意味し、その差に制限はない。僅かな差であってもそれなりの効果が得られるし、その差に応じて第1NO 吸蔵材と第2NO 吸蔵材の種類や担持量を決定すればよい。一般には、ハニカム形状の触媒における排ガスの流速には直管内を流れる流体の流速分布に対応した差が生じ、一般に中心部のセルほど流速が大きく周辺部のセルほど流速が小さくなる。しかし強制的に部分的に流速を変化させる場合もあり、触媒内を流れる排ガス流速の分布には種々の場合がある。
【0024】
ところでNO 吸蔵還元型触媒を搭載した自動車では、高速走行時には空燃比はストイキに制御され、その排ガス温度は約 800℃の高温となる。そのためNO 吸蔵材によるNO 吸蔵能はほとんど作用せず、貴金属による三元活性によって排ガスが浄化される。しかしながらアルカリ金属には貴金属の活性を阻害するという欠点があり、従来のNO 吸蔵還元型触媒ではアルカリ金属を含まない三元触媒に比べて高速走行時の浄化能が劣っていた。
【0025】
しかし本発明の排ガス浄化用触媒によれば、大きな流速の排ガスが流れる排ガス通路には、第2NO 吸蔵材であるアルカリ金属の担持量が少ない。したがってアルカリ金属によって貴金属の活性が阻害されるのが防止され、高い三元活性が発現される。これにより高速走行時の浄化能が向上する。
【0026】
排ガス通路をもつ基材としては、ハニカム形状のもの、フォーム形状のものなどを用いることができ、その材質はコーディエライトなどの耐熱性セラミックス、金属などから選択できる。
【0027】
排ガス通路の表面に形成された担体層は、アルミナ,チタニア,セリア,ジルコニア,シリカ,あるいはこれらの複数種からなる複合酸化物などから選ばれる多孔質酸化物粉末から形成することができ、これらの単体あるいは混合物からウォッシュコート法などを用いて形成することができる。その形成量は特に制限されないが、厚すぎると通気抵抗が大きくなってエンジンに支障が生じ、薄すぎると貴金属の担持密度が高くなり過ぎて粒成長による活性低下が生じるようになる。一般には基材1リットルあたり 100〜 500g程度が好ましい。
【0028】
担体層に担持された貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなどから一種類あるいは複数種類を選択して用いることができ、その担持量は基材1リットルあたり0.1〜20g程度である。少なくともPtを担持することが望ましい。
【0029】
担体層に担持されたNO 吸蔵材としては、Na,K,Li,Cs,Rbなどのアルカリ金属、Ba,Ca,Mg,Srなどのアルカリ土類金属、La,Y,Nd,Prなどの希土類元素を用いることができる。その担持量は、第1NO 吸蔵材及び第2NO 吸蔵材共に、基材1リットルあたり0.05〜10.0モルの範囲が最適である。
【0030】
そして本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法では、本発明の排ガス浄化用触媒に対し、ストイキ〜リッチ雰囲気の高温の排ガスを流通させる。これにより硫黄被毒している第1NO 吸蔵材及び第2NO 吸蔵材が分解し、第1NO 吸蔵材及び第2NO 吸蔵材が再生される。そして上記と同様の作用により、排ガスの温度分布に対応して再生処理を行うことができ、再生処理効率が向上する。またアルカリ金属の劣化に起因するNO 吸蔵能の低下を防止することができる。
【0031】
ストイキ〜リッチ雰囲気の高温の排ガスの温度は、 600〜 700℃とすることが望ましい。 600℃未満ではNO 吸蔵材の再生が困難であり、 700℃を越えると担持されているアルカリ金属に劣化が生じるようになり、貴金属に粒成長が生じる場合もある。高温の排ガスを流通させる時間は、硫黄被毒程度に応じて行うことが望ましいが、10分間も行えば十分である。
【0032】
ストイキ〜リッチ雰囲気の高温の排ガスを流通させる時期は、NO 吸蔵材の硫黄被毒量が所定量以上となった場合に行うことが望ましい。これにより貴金属の粒成長やアルカリ金属の劣化をさらに抑制することができる。NO 吸蔵材の硫黄被毒量が所定量以上となったことは、エンジンの駆動時間,エンジンの負荷量,現実のNO 吸蔵量などのパラメータを検出することで判定することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0034】
(実施例)
2.0Lのコーディエライト製ハニカム基材を用意し、アルミナ粉末を主とするスラリーをウォッシュコートして担体層を形成した。担体層はハニカム基材1Lあたり 275g形成された。
【0035】
担体層をもつハニカム基材に、所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液の所定量を含浸させ、 110℃で2時間乾燥し 450℃で2時間焼成して担体層にPtを担持した。Ptの担持量はハニカム基材1Lあたり 2.0gである。
【0036】
次にPtが担持された担体層をもつハニカム基材の、端面の中心部を除く周辺部をマスキングし、所定濃度の酢酸バリウム水溶液の所定量を中心部のみに含浸した。そして 110℃で2時間乾燥し 550℃で2時間焼成して、中心部の担体層にBaを担持した。Baの担持量はハニカム基材1Lあたり 0.2モルである。
【0037】
続いて、Ptが全体に担持されBaが中心部に担持されたハニカム基材の、端面の中心部をマスキングし、所定濃度の酢酸カリウム水溶液の所定量を周辺部のみに含浸した。そして 110℃で2時間乾燥し 550℃で2時間焼成して、周辺部の担体層にKを担持した。Kの担持量はハニカム基材1Lあたり 0.1モルである。
【0038】
得られた触媒の概略斜視図を図1に示す。この触媒では、軸中心から半径の50%までの中心部1に位置する担体層にBaが担持され、外周から半径の50%までの周辺部2に位置する担体層にKが担持されている。
【0039】
(比較例)
実施例と同様に担体層が形成されPtが担持されたハニカム基材に対し、酢酸バリウム及び酢酸カリウムが各々所定濃度で溶解した所定量の水溶液を含浸させ、110℃で2時間乾燥し 550℃で2時間焼成してBa及びKを担持した。Ba及びKは担体層の全体に均一に担持され、ハニカム基材1Lあたりの担持量はBaが 0.2モル、Kが 0.1モルである。
【0040】
<試験・評価>
実施例及び比較例の触媒をそれぞれ評価装置に配置し、表1に示すモデルガスをリーン/リッチ=1分/1秒で交互に切り換えながら流通させる硫黄被毒耐久試験を行った。空間速度は105,000h−1、触媒床温度 480℃、被毒時間は2時間5分である。この硫黄被毒耐久試験は、実車8万km走行相当の試験である。
【0041】
【表1】
Figure 2004114016
【0042】
上記耐久試験後のそれぞれの触媒に対し、表2に示す再生ガスを流通させる第1再生処理及び第2再生処理をそれぞれ行った。第1再生処理及び第2再生処理の条件を表3に示す。
【0043】
【表2】
Figure 2004114016
【0044】
【表3】
Figure 2004114016
【0045】
表3に示す条件で再生ガスを触媒に流通させると、ベルヌーイの定理より、図2に示すように触媒の中心部1を流れる排ガスの流速は大きく、周辺部2を流れる排ガスの流速は小さい。また周辺部2は中心部1より外部への放熱量が大きい。したがって中心部1は周辺部2より高温となり、触媒には中心部1と周辺部2との間に温度差が生じる。しかし実施例の触媒では、周辺部1に担持されているKは硫黄脱離温度が低いため、低い温度でも容易にSO を脱離して再生される。また中心部1に担持された硫黄脱離温度が高いBaは、中心部1の温度が高いため容易に硫黄分解温度となりSO を脱離して再生される。
【0046】
耐久試験後のそれぞれの触媒と、上記再生処理後の各触媒をエンジンベンチにそれぞれ搭載し、 1.8Lのリーンバーンエンジン(常時は酸素過剰のリーン雰囲気で燃焼され間欠的にストイキ〜リッチ雰囲気となるように混合気の比率が制御されるシステム)の排気系に装着し、リーン/リッチ=1分/1秒間に浄化することのできるNO の浄化率を測定した。結果を図3に示す。
【0047】
図3より、耐久試験後に再生処理を行わなかった触媒では、実施例及び比較例共にNO 浄化率が著しく低く、硫黄被毒が進行していることがわかる。それに対して再生処理を行うことでNO 浄化率が大きく向上し、比較例に比べて実施例の触媒が特にNO 浄化率の向上程度が大きい。これは中心部にBaを担持し周辺部にKを担持した効果であることが明らかであり、排ガスの温度分布に応じてKとBaをそれぞれ効率よく再生できたことと、さらにKの劣化が抑制されたことによる効果であると考えられる。
【0048】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒及びその再生方法によれば、再生処理時におけるNO 吸蔵材の劣化を抑制することができ、硫黄被毒を受けたNO 吸蔵材を確実に再生することができる。したがって再生処理後も初期とほぼ同等のNO 浄化能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の概略斜視図である。
【図2】触媒を流れる排ガスの流速分布を示す説明図である。
【図3】実施例及び比較例の触媒の、各種再生処理後のNO 浄化率を示すグラフである。
【符号の説明】
1:中心部    2:周辺部

Claims (5)

  1. 排ガス通路をもつ基材と、該排ガス通路の表面に形成された担体層と、該担体層に担持された貴金属と、該担体層に担持された硫黄脱離温度が高い第1NO 吸蔵材と、該担体層に担持された硫黄脱離温度が低い第2NO 吸蔵材と、を含んでなる排ガス浄化用触媒であって、
    排ガスは流速分布をもち、大きな流速の排ガスが流れる該排ガス通路の該担体層には、該第1NO 吸蔵材が該第2NO 吸蔵材より多く担持されていることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 小さな流速の排ガスが流れる前記排ガス通路の前記担体層には、前記第2NO 吸蔵材が前記第1NO 吸蔵材より多く担持されている請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 大きな流速の排ガスが流れる前記排ガス通路の前記担体層における前記第2NO 吸蔵材の担持量は、小さな流速の排ガスが流れる前記排ガス通路の前記担体層における前記第2NO 吸蔵材の担持量より少ない請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記第1NO 吸蔵材はアルカリ土類金属を含み、前記第2NO 吸蔵材はアルカリ金属を含む請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 排ガス通路をもつ基材と、該排ガス通路の表面に形成された担体層と、該担体層に担持された貴金属と、該担体層に担持された硫黄脱離温度が高い第1NO 吸蔵材と、該担体層に担持された硫黄脱離温度が低い第2NO 吸蔵材と、を含んでなり、大きな流速の排ガスが流れる該排ガス通路の該担体層には、該第1NO 吸蔵材が該第2NO 吸蔵材より多く担持されている排ガス浄化用触媒に対し、
    ストイキ〜リッチ雰囲気の高温の排ガスを流通させ、硫黄被毒している該第1NO 吸蔵材及び該第2NO 吸蔵材のNO 吸蔵能を再生することを特徴とする排ガス浄化用触媒の再生方法。
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