JP2004113938A - 炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最も熱効率の高い炭化処理作業が短時間で行われ、かつエネルギーコストを大幅に低減できる炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法を提供する。
【解決手段】植物,食品類の廃棄物,家畜の糞類その他の炭水化物を主成分とする含水炭水化物残滓を細片状にした目的被熱物3を低含水物4と共に反応容器1内に積層充填し、ローラハースキルン内を移動させながら上面及び下面から遠赤外線を放射し、特に下面側から強く熱して目的被熱物3等の下面側を着火させて炭化させる。その後、加熱をやめ、自己発熱により全体の炭化処理を行なわせ冷却後、取り出す。
【選択図】 図1
【解決手段】植物,食品類の廃棄物,家畜の糞類その他の炭水化物を主成分とする含水炭水化物残滓を細片状にした目的被熱物3を低含水物4と共に反応容器1内に積層充填し、ローラハースキルン内を移動させながら上面及び下面から遠赤外線を放射し、特に下面側から強く熱して目的被熱物3等の下面側を着火させて炭化させる。その後、加熱をやめ、自己発熱により全体の炭化処理を行なわせ冷却後、取り出す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物,食品等の有機質炭水化物の資源残滓を自らの持つ熱エネルギーを活用し、CO2の発生を最小限に抑えた低温度で炭化物として有効処理する経済性の高い高効率の炭化処理方法である。即ち、炭水化物廃棄物中の自己発熱エルルギーを最有効に活用し従来技術の約1/3の加工熱量しか必要とせず、付加価値の高い炭化物を作るという従来技術にはない大きな進歩性のある画期的な新技術である炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような目的を持った、一応の技術は多数存在するが、現在は炭化させて炭材とする方法は急速に普及されつつあり、夫々工夫された炭化装置は多種にわたって提供されている。これ等の従来技術を大別すると、以下の第1の技術と第2の技術が挙げられる。
【0003】
前記第1の技術は、目的被熱物を約1m3程度の金網BOXに入れ、完全に密閉された炭化炉内に置いて600℃乃至650℃の還元雰囲気で約20時間以上かけて脱水乾燥、炭化を行うバッヂ式炭化によるものである。炭化炉メーカのカタログによる燃料消費は含水率約70%の家畜糞1kg当り約1,400kcalである。
【0004】
前記第2の技術は、ロータリーキルン等による流動式の装置であり、SUS製の二重筒内においてSUS管の輻射熱による間接加熱方式である。この方式は、乾燥,脱水効率が良いため、1kg当り900kcal乃至950kcalであるが、SUS管の輻射熱は遠赤外線ではなく単なる輻射伝熱によるものであり、高い熱効率は理論的にも期待できるものではない。
【0005】
従来のような従来技術の加熱過程を理論的に分析すると約70%以上もの水をもつ被熱物は完全に脱水させないと着火することはないため、まず、脱水の際に大量の熱量を消費し、時間が必要となる。特に、これら被熱物には炭水化物が10%乃至20%も含まれていて、これらの熱エネルギーは4,000kcal/kgとしても脱水に必要な熱エネルギーにほぼ同等の熱量であるが、前記従来技術の加熱方法においては、これらの自己係着エネルギーはほとんど寄与されることがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、従来の技術では高い熱効率が期待できず、また、自己保有エネルギーを寄与させることができず、省エネルギー化を図ることができない。一方、炭化温度を350℃以下の低温度で行われ、かつ均一に効率よく加熱させることができ、かつ自己発熱エネルギーを有効に活用することができれば熱効率の向上とエネルギーコストを大幅に下げることができる。
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、遠赤外線を用いて最も熱効率のより加熱方式を採用し高効率化を図ると共に、自己発熱エネルギーを活用しエネルギーコストを大幅に削減できる炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、植物,食品類の廃棄物,家畜の糞類その他炭水化物を主成分とする含水炭化物残滓を細片状,細粒状に解砕してなる目的被熱物を通気性のある容器内又はメッシュベルト上に積層充填し、ローラハースキルン内を移動させながら前記ローラハースキルンの上面及び下面に設けた遠赤外線放射体により輻射加熱し、特に前記目的加熱物の下面側を強く加熱し、急速に着火させ、その後、自からの発熱を誘発させることにより下面側から順次炭化層を上面側に拡大させながら全体を炭化させることを特徴とする。これにより、高効率の加熱ができ、かつ自己発熱の誘発によりエネルギーコストの大幅の削減ができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記容器が、耐熱度300℃以上の反応容器であることを特徴とする。下面側が約300℃まで加熱されるため、反応容器は少なくとも300℃の耐熱性が必要となる。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記メッシュベルトが、耐熱性300℃以上のベルトであることを特徴とする。下面側が約300℃まで加熱されるため、メッシュベルトは少なくとも300℃の耐熱性を必要とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記容器又はメッシュベルト上に藁,木材チップ等の低含水可燃物を積層し、その上に高含水の前記目的加熱物を積層して前記炭化処理を行うことを特徴とする。これにより、底面側が早く着火でき加熱時間の短縮と省エネルギー化ができる。
【0012】
また、請求項5の発明は、藁,木材チップ等の低含水可燃物と高含水の前記目的加熱物とを予め混合し、前記炭化処理を行うことを特徴とする。これにより、加熱時間の短縮と省エネルギー化ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法の実施の形態を図面を参照して詳述する。まず、本発明を工業的に実施する場合、廃棄物として搬入される不定形の処理物は解砕機を通して細片状,細粒状に分散させる1次処理工程を経て容器又はメッシュベルト上に積層される。この材質に応じて設計された遠赤外線放射帯を通過する所要時間に対応したスピードで処理装置内を移行しながら乾燥→脱水→下層着火→自発着火→冷却→取出しを連続的に行う。
【0014】
図1,図3はローラハースキルンのローラ5上に搭載されて移動する反応容器1に植物,食品類の廃棄物,家畜の糞類その他炭水化物を主成分とする含水炭化物の残滓からなる目的加熱物3を積層充填して炭化処理を行う装置の概要構造を示す。前記ローラハースキルンの上面及び下面には遠赤外線放射体6,7がローラ5に相対向して配置される。この場合、下面側の遠赤外線放射体7の方が上面側の遠赤外線放射体6よりも高い放射発散度量を有するものからなる。なお、反応容器1としては耐熱度300℃以上のものが用いられる。また、反応容器1には通気孔8(図1,図3,図4,図5)が多数開孔され目的被熱物3の加熱の促進化を図るようにしている。
【0015】
以上の炭化処理装置内に目的被熱物3を通過させると、まず、その下面側(底面側)が加熱され発煙が始まり着火し、次第に炭化層が形成される。次に、積極的な加熱をやめると自発炭化が始まり、表面層(上面)までが順次炭化されて炭化処理が完了する。この場合、内部に赤熱部が残るため散水等により冷却すると取り出し可能な炭化物を得ることができる。
【0016】
図2は反応容器1の替りにメッシュベルト2を用いたものであり、目的被熱物3はメッシュベルト2上に積層されて前記の場合と同様な炭化処理が行われる。なお、メッシュベルト2としては耐熱度300℃以上のものが用いられる。また、メッシュベルト2には多数の通気孔8が開孔され(図2)、目的被加熱物3の加熱の促進を図るようにしている。
【0017】
以上の炭化処理において重要なことは目的被熱物3の底面側をいかに早く着火させるかである。このために図4に示すように、反応容器1内には、まず、下面側に藁,木材チップ等の低含水可燃物4を積層し、着火し易くし、その上に目的被熱物3を積層充填する方法が挙げられる。これにより、炭化処理時間の短縮と省エネルギーを図ることができる。
【0018】
また、図5の場合は、反応容器内に前記の低含水可燃物4と目的被熱物3とを予め混合したものを積層充填する。これによっても早期着火と省エネルギーを得ることができる。
【0019】
(実施例)
次に、図1,図3に示した実施の形態における実施例を説明する。まず、反応容器1としては底面が2mm目の金網からなる20cm×20cm×5cmの金属容器を用いる。また、上面側の遠赤外線放射体6として20cm×20cmのセラミックスで1.0w/cm2の放射発散度量をもつものを用い、下面側の遠赤外線放射体7として20cm×20cmのセラミックスで2.35w/cm2の放射発散度量を持つものを用いた。また、この場合の目的被熱物3は含水率70%の鶏糞を5mm以下の細粒状にしたものを用い、これを反応容器1内に800g積層を充填した。
【0020】
反応容器1の底面側は下面側の遠赤外線放射体7と50mm離れた位置に置き、上面側の遠赤外線放射体6とは100mmの間隔をもつ所に配置した。反応容器1を挿入後5分間経過したとき、底面から発煙が始まり、着火され、更に5分経過したとき炭化層が拡大されて底面から20mmに達した。なお、このとき下面側の遠赤外線放射体7側の温度は530℃であり、上面側の遠赤外線放射体6側の温度は260℃乃至280℃であった。10分経過後に処理空間から引き出して大気中に放置したが、20分間で表面層まで炭化された。なお、内部には赤熱部が残っていたので散水冷却させて炭化物を取り出した。
【0021】
この場合の熱エネルギーの計算は次の如くなる。
a)遠赤外線放射体から供給された熱エネルギー
上面側:1.0w/cm2×400cm2×860kcal/h=344kcal/h
下面側:2.35w/cm2×400cm2×860kcal/h=808kcal/h
上面及び下面から10分間に放射されたエネルギーとしては(344+808)×10/60=192kcalとなる。即ち、192kcalの熱量を加えて目的被熱物3の20/50を炭化して加熱が終了する。従って、目的被熱物3の800gの炭化に要した熱量は192/0.8=240kcal/kgとなり、現在一般のバッジ式炭化炉の熱量消費はカタログデータから見ると約1400kcal/kgであり、本発明の熱量消費の5倍以上になる。これにより大幅な省エネルギーが図れる。
【0022】
【発明の効果】
炭水化物を主成分とする植物,食品類は高含水率の資源として産業され、これを乾燥して炭化処理するには多量の熱エネルギーを必要とし、コストの85%が燃料コストであったが、本発明は遠赤外線を用いることにより最も熱効率のよい加熱方式をとることができ、更に、目的被熱物の持ち自己発熱のエネルギーを有効に活用するため従来に例のない新規な発想に基づく炭化処理ができ、エネルギーコストを大幅に削減できる効果が上げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法を実施するための加熱装置であって、目的加熱物を反応容器に積層充填して炭化処理を行う装置構造を示す模式的断面図。
【図2】本発明の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法を実施するための加熱装置であって、目的被熱物をメッシュベルト上に積層して炭化処理を行う装置構造を示す模式的断面図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】下面側に低含水物を積層しその上に高含水の目的被熱物を積層する反応容器を示す断面図。
【図5】低含水物と高含水の目的被熱物を混合して積層される反応容器を示す断面図。
【符号の説明】
1 反応容器
2 メッシュベルト
3 目的被熱物
4 低含水物
5 ローラ
6 遠赤外線放射体(上面側)
7 遠赤外線放射体(下面側)
8 通気孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物,食品等の有機質炭水化物の資源残滓を自らの持つ熱エネルギーを活用し、CO2の発生を最小限に抑えた低温度で炭化物として有効処理する経済性の高い高効率の炭化処理方法である。即ち、炭水化物廃棄物中の自己発熱エルルギーを最有効に活用し従来技術の約1/3の加工熱量しか必要とせず、付加価値の高い炭化物を作るという従来技術にはない大きな進歩性のある画期的な新技術である炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような目的を持った、一応の技術は多数存在するが、現在は炭化させて炭材とする方法は急速に普及されつつあり、夫々工夫された炭化装置は多種にわたって提供されている。これ等の従来技術を大別すると、以下の第1の技術と第2の技術が挙げられる。
【0003】
前記第1の技術は、目的被熱物を約1m3程度の金網BOXに入れ、完全に密閉された炭化炉内に置いて600℃乃至650℃の還元雰囲気で約20時間以上かけて脱水乾燥、炭化を行うバッヂ式炭化によるものである。炭化炉メーカのカタログによる燃料消費は含水率約70%の家畜糞1kg当り約1,400kcalである。
【0004】
前記第2の技術は、ロータリーキルン等による流動式の装置であり、SUS製の二重筒内においてSUS管の輻射熱による間接加熱方式である。この方式は、乾燥,脱水効率が良いため、1kg当り900kcal乃至950kcalであるが、SUS管の輻射熱は遠赤外線ではなく単なる輻射伝熱によるものであり、高い熱効率は理論的にも期待できるものではない。
【0005】
従来のような従来技術の加熱過程を理論的に分析すると約70%以上もの水をもつ被熱物は完全に脱水させないと着火することはないため、まず、脱水の際に大量の熱量を消費し、時間が必要となる。特に、これら被熱物には炭水化物が10%乃至20%も含まれていて、これらの熱エネルギーは4,000kcal/kgとしても脱水に必要な熱エネルギーにほぼ同等の熱量であるが、前記従来技術の加熱方法においては、これらの自己係着エネルギーはほとんど寄与されることがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、従来の技術では高い熱効率が期待できず、また、自己保有エネルギーを寄与させることができず、省エネルギー化を図ることができない。一方、炭化温度を350℃以下の低温度で行われ、かつ均一に効率よく加熱させることができ、かつ自己発熱エネルギーを有効に活用することができれば熱効率の向上とエネルギーコストを大幅に下げることができる。
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、遠赤外線を用いて最も熱効率のより加熱方式を採用し高効率化を図ると共に、自己発熱エネルギーを活用しエネルギーコストを大幅に削減できる炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、植物,食品類の廃棄物,家畜の糞類その他炭水化物を主成分とする含水炭化物残滓を細片状,細粒状に解砕してなる目的被熱物を通気性のある容器内又はメッシュベルト上に積層充填し、ローラハースキルン内を移動させながら前記ローラハースキルンの上面及び下面に設けた遠赤外線放射体により輻射加熱し、特に前記目的加熱物の下面側を強く加熱し、急速に着火させ、その後、自からの発熱を誘発させることにより下面側から順次炭化層を上面側に拡大させながら全体を炭化させることを特徴とする。これにより、高効率の加熱ができ、かつ自己発熱の誘発によりエネルギーコストの大幅の削減ができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記容器が、耐熱度300℃以上の反応容器であることを特徴とする。下面側が約300℃まで加熱されるため、反応容器は少なくとも300℃の耐熱性が必要となる。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記メッシュベルトが、耐熱性300℃以上のベルトであることを特徴とする。下面側が約300℃まで加熱されるため、メッシュベルトは少なくとも300℃の耐熱性を必要とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記容器又はメッシュベルト上に藁,木材チップ等の低含水可燃物を積層し、その上に高含水の前記目的加熱物を積層して前記炭化処理を行うことを特徴とする。これにより、底面側が早く着火でき加熱時間の短縮と省エネルギー化ができる。
【0012】
また、請求項5の発明は、藁,木材チップ等の低含水可燃物と高含水の前記目的加熱物とを予め混合し、前記炭化処理を行うことを特徴とする。これにより、加熱時間の短縮と省エネルギー化ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法の実施の形態を図面を参照して詳述する。まず、本発明を工業的に実施する場合、廃棄物として搬入される不定形の処理物は解砕機を通して細片状,細粒状に分散させる1次処理工程を経て容器又はメッシュベルト上に積層される。この材質に応じて設計された遠赤外線放射帯を通過する所要時間に対応したスピードで処理装置内を移行しながら乾燥→脱水→下層着火→自発着火→冷却→取出しを連続的に行う。
【0014】
図1,図3はローラハースキルンのローラ5上に搭載されて移動する反応容器1に植物,食品類の廃棄物,家畜の糞類その他炭水化物を主成分とする含水炭化物の残滓からなる目的加熱物3を積層充填して炭化処理を行う装置の概要構造を示す。前記ローラハースキルンの上面及び下面には遠赤外線放射体6,7がローラ5に相対向して配置される。この場合、下面側の遠赤外線放射体7の方が上面側の遠赤外線放射体6よりも高い放射発散度量を有するものからなる。なお、反応容器1としては耐熱度300℃以上のものが用いられる。また、反応容器1には通気孔8(図1,図3,図4,図5)が多数開孔され目的被熱物3の加熱の促進化を図るようにしている。
【0015】
以上の炭化処理装置内に目的被熱物3を通過させると、まず、その下面側(底面側)が加熱され発煙が始まり着火し、次第に炭化層が形成される。次に、積極的な加熱をやめると自発炭化が始まり、表面層(上面)までが順次炭化されて炭化処理が完了する。この場合、内部に赤熱部が残るため散水等により冷却すると取り出し可能な炭化物を得ることができる。
【0016】
図2は反応容器1の替りにメッシュベルト2を用いたものであり、目的被熱物3はメッシュベルト2上に積層されて前記の場合と同様な炭化処理が行われる。なお、メッシュベルト2としては耐熱度300℃以上のものが用いられる。また、メッシュベルト2には多数の通気孔8が開孔され(図2)、目的被加熱物3の加熱の促進を図るようにしている。
【0017】
以上の炭化処理において重要なことは目的被熱物3の底面側をいかに早く着火させるかである。このために図4に示すように、反応容器1内には、まず、下面側に藁,木材チップ等の低含水可燃物4を積層し、着火し易くし、その上に目的被熱物3を積層充填する方法が挙げられる。これにより、炭化処理時間の短縮と省エネルギーを図ることができる。
【0018】
また、図5の場合は、反応容器内に前記の低含水可燃物4と目的被熱物3とを予め混合したものを積層充填する。これによっても早期着火と省エネルギーを得ることができる。
【0019】
(実施例)
次に、図1,図3に示した実施の形態における実施例を説明する。まず、反応容器1としては底面が2mm目の金網からなる20cm×20cm×5cmの金属容器を用いる。また、上面側の遠赤外線放射体6として20cm×20cmのセラミックスで1.0w/cm2の放射発散度量をもつものを用い、下面側の遠赤外線放射体7として20cm×20cmのセラミックスで2.35w/cm2の放射発散度量を持つものを用いた。また、この場合の目的被熱物3は含水率70%の鶏糞を5mm以下の細粒状にしたものを用い、これを反応容器1内に800g積層を充填した。
【0020】
反応容器1の底面側は下面側の遠赤外線放射体7と50mm離れた位置に置き、上面側の遠赤外線放射体6とは100mmの間隔をもつ所に配置した。反応容器1を挿入後5分間経過したとき、底面から発煙が始まり、着火され、更に5分経過したとき炭化層が拡大されて底面から20mmに達した。なお、このとき下面側の遠赤外線放射体7側の温度は530℃であり、上面側の遠赤外線放射体6側の温度は260℃乃至280℃であった。10分経過後に処理空間から引き出して大気中に放置したが、20分間で表面層まで炭化された。なお、内部には赤熱部が残っていたので散水冷却させて炭化物を取り出した。
【0021】
この場合の熱エネルギーの計算は次の如くなる。
a)遠赤外線放射体から供給された熱エネルギー
上面側:1.0w/cm2×400cm2×860kcal/h=344kcal/h
下面側:2.35w/cm2×400cm2×860kcal/h=808kcal/h
上面及び下面から10分間に放射されたエネルギーとしては(344+808)×10/60=192kcalとなる。即ち、192kcalの熱量を加えて目的被熱物3の20/50を炭化して加熱が終了する。従って、目的被熱物3の800gの炭化に要した熱量は192/0.8=240kcal/kgとなり、現在一般のバッジ式炭化炉の熱量消費はカタログデータから見ると約1400kcal/kgであり、本発明の熱量消費の5倍以上になる。これにより大幅な省エネルギーが図れる。
【0022】
【発明の効果】
炭水化物を主成分とする植物,食品類は高含水率の資源として産業され、これを乾燥して炭化処理するには多量の熱エネルギーを必要とし、コストの85%が燃料コストであったが、本発明は遠赤外線を用いることにより最も熱効率のよい加熱方式をとることができ、更に、目的被熱物の持ち自己発熱のエネルギーを有効に活用するため従来に例のない新規な発想に基づく炭化処理ができ、エネルギーコストを大幅に削減できる効果が上げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法を実施するための加熱装置であって、目的加熱物を反応容器に積層充填して炭化処理を行う装置構造を示す模式的断面図。
【図2】本発明の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法を実施するための加熱装置であって、目的被熱物をメッシュベルト上に積層して炭化処理を行う装置構造を示す模式的断面図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】下面側に低含水物を積層しその上に高含水の目的被熱物を積層する反応容器を示す断面図。
【図5】低含水物と高含水の目的被熱物を混合して積層される反応容器を示す断面図。
【符号の説明】
1 反応容器
2 メッシュベルト
3 目的被熱物
4 低含水物
5 ローラ
6 遠赤外線放射体(上面側)
7 遠赤外線放射体(下面側)
8 通気孔
Claims (5)
- 植物,食品類の廃棄物,家畜の糞類その他炭水化物を主成分とする含水炭水化物残滓を細片状,細粒状に解砕してなる目的被熱物を通気性のある容器内又はメッシュベルト上に積層充填し、ローラハースキルン内を移動させながら前記ローラハースキルンの上面及び下面に設けた遠赤外線放射体により輻射加熱し、特に前記目的加熱物の下面側を強く加熱し、急速に着火させ、その後、自からの発熱を誘発させることにより下面側から順次炭化層を上面側に拡大させながら全体を炭化させることを特徴とする炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法。
- 前記容器が、耐熱度300℃以上の反応容器である請求項1に記載の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法。
- 前記メッシュベルトが、耐熱性300℃以上のベルトである請求項1に記載の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法。
- 前記容器又はメッシュベルト上に藁,木材チップ等の低含水可燃物を積層し、その上に高含水の前記目的加熱物を積層して前記炭化処理を行うものである請求項1乃至3のいずれかに記載の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法。
- 前記炭化処理方法が藁,木材チップ等の低含水可燃物と高含水の前記目的加熱物とを予め混合し、前記炭化処理を行うものである請求項1乃至3のいずれかに記載の炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法。
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JP2002281172A JP2004113938A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法 |
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Publications (1)
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JP2002281172A Pending JP2004113938A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 炭水化物を主成分とする残滓の炭化処理方法 |
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JP (1) | JP2004113938A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7398720B1 (ja) | 2022-10-14 | 2023-12-15 | ジカンテクノ株式会社 | シリカの製造装置、シリカの製造方法及びシリカを使用した化粧品の製造方法 |
WO2024080300A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | ジカンテクノ株式会社 | シリカの製造方法及び化粧品の製造方法 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281172A patent/JP2004113938A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7398720B1 (ja) | 2022-10-14 | 2023-12-15 | ジカンテクノ株式会社 | シリカの製造装置、シリカの製造方法及びシリカを使用した化粧品の製造方法 |
WO2024080300A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | ジカンテクノ株式会社 | シリカの製造方法及び化粧品の製造方法 |
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