JP2004113441A - ステント用グラフト - Google Patents

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stent
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Kunio Kuwabara
桑原 邦生
Hideki Furuya
古屋 英樹
Chikara Kotani
小谷 主税
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Ube Industries Ltd
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Abstract

【課題】ステント付きグラフトを血管等の管内に留置する場合、グラフト径より小さな内腔に留置する場合がある。そのため、ステント付きグラフトの留置位置において、グラフト自体に皺がはいることが考えられ、グラフトと血管内面との間で、エンドリークが発生することが考えられる。本発明は、人体の血管等の管形状に適合しやすく、血管等の管内に留置後、留置位置において、グラフトと血管との間でのエンドリーク発生を防止又は抑制に優れるステント用グラフトを提供する。
【解決手段】ステント18の外面に設ける管状のグラフトであって、グラフトの端部又は端部近傍の外面或いは外周に、刷毛17或いはブレードを有することを特徴とするステント用グラフト16を提供すること。
【選択図】     図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステント用グラフトに関し、血管等の管内に留置後、留置位置でエンドリークを抑制するステント用グラフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、ステント又はステント付きグラフトは、動脈瘤等の血管内手術や他の中空器官の代用として用いられている。
端部外径の異なるステント用グラフトとして、ステントとこのステントに固定された筒状の移植体とからなる管腔用のステントおよび移植体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、展延性を有するプラスチック又は、エラストマーのフィルムに覆われた伸張性の管状網状物によって構成されたエンドプロスシーシスが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
全長を通じて断面上における糸数が一定であることを特徴とする、端部外径の異なる長手円錐構造の布製、特に編物または織物の血管補綴物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−47134号公報
【特許文献2】
特表平6−511408号公報
【特許文献3】
特開平8−71093号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ステント付きグラフトを血管等の管内に留置する場合、グラフト径より小さな内腔に留置する場合がある。そのため、ステント付きグラフトの留置位置において、グラフト自体に皺がはいることが考えられ、グラフトと血管内面との間で、エンドリークが発生することが考えられる。
本発明は、人体の血管等の管形状に適合しやすく、血管等の管内に留置後、留置位置において、グラフトと血管との間でのエンドリーク発生を防止又は抑制に優れるステント用グラフトを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、ステントに設ける管状のグラフトであって、
グラフトの端部又は端部近傍の外面或いは外周に、刷毛或いはブレードを有することを特徴とするステント用グラフトを提供することである。
【0006】
本発明の第2は、グラフトが、織物、編物、組み物及び不織布から選ばれることを特徴とするステント用グラフトを提供することである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のステント用グラフトは、ステントの一部又は全部に設ける管状のグラフトであって、
グラフトの端部又は端部近傍の外面或いは外周に、刷毛或いはブレードを有する。本発明のステント用グラフトは、ステントの外面或いは外側の一部又は全部に設けることができる。
【0008】
刷毛或いはブレードは、グラフトの少なくとも1つの端部又はこの端部近傍の外面又は外周に設けることが好ましい。
刷毛或いはブレードは、グラフトの中枢側の端部又はこの端部近傍の外面又は外周に設けることが好ましい。
刷毛或いはブレードは、グラフトの端部又はこの端部近傍の一部又は全部に設けることができる。又は、刷毛或いはブレードは、グラフトの端部又はこの端部近傍の周の一部又は全周に設けることができる。
本発明において、グラフトの内面にステントを設けるステント付きグラフトを血管などの内腔に留置する場合、グラフトの端部又は端部近傍に刷毛或いはブレードを設ける側を、中枢側(血管の上流側)に留置して用いる。
【0009】
刷毛或いはブレードは、グラフトの端部から100mmの範囲、さらにグラフトの端部から50mmの範囲、特にグラフトの端部から10mmの範囲に設けることが好ましい。
【0010】
刷毛或いはブレードをグラフトの端部或いは端部近傍の外面或いは外周に設ける方法として、
▲1▼織物、編み物、組み物或いは不織布の場合、糸や繊維の一部、或いは糸や繊維の端を刷毛状に設ける、
▲2▼織物、編み物、組み物或いは不織布の場合、糸或いは繊維を織らない、編まない、組まない部分として設ける、
▲3▼織物、編み物、組み物或いは不織布の管状物、又はこれら以外の管状物の場合、糸、繊維或いはフィルムなどを縫い込み、編み込み、組み込み或いは接着などの方法で設ける、例えば、ループに縫い込み、編み込み、組み込み或いは接着する、糸やフィルムの一部を縫い込み又は接着し端部を利用する、
▲4▼織物、編み物、組み物或いは不織布の場合、糸或いは繊維の一部又は全部を起毛させる、
などを用いることが出来る。
【0011】
刷毛或いはブレードは、血管などの内腔にグラフトを挿入し実用上支障の起きない限り、長さ、厚さ、高さなどは特に制限されない。
刷毛或いはブレードは、グラフトの軸方向に対し、刷毛及びブレードの長さは1〜50mm、さらに1〜20mm、特に1〜10mmの範囲が好ましく、刷毛或いはブレードの高さは、0.5〜20mm、さらに好ましくは0.5〜10mm、特に好ましくは1〜10mmが好ましい。
【0012】
グラフトの厚みは、実用上特に制限はないが、好ましくは50〜160μm、さらに好ましくは52μm〜140μm、特に好ましくは52μm〜95μmを用いることができる。
【0013】
グラフトは、有孔又は無孔の管状物を用いることが出来、編物、織物、組物、不織布又はフィルムなど或いはこれらを組み合わせた物を用いることが出来、綾織、平織又はニット織物を用いることが出来、ベロア構造を有してもよい。
グラフトは、熱可塑性樹脂繊維又は熱可塑性樹脂よりなる管状物を用いることが出来る。
グラフトは、熱可塑性樹脂繊維よりなる管状の編物、織物、組物及び不織布など、或いはこれらを組み合わせ物を用いることが出来る。
【0014】
グラフトの有孔度は、実用上特に制限はないが、2950ml/(cm・min)以下、さらに0.1〜2950ml/(cm・min)、さらに100〜2950ml/(cm・min)、特に510〜2800ml/(cm・min)が好ましい。
【0015】
熱可塑性樹脂繊維又は熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、4フッ化エチレン(PTFEなど)やETFEなどのフッ素化ポリオレフィンなどのフッ素樹脂などを挙げることができる。さらに好ましくは、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、PTFEやETFEなどのフッ素樹脂、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、引張り強度等機械的物性の優れたポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましい。特に好ましくは、体温によりポリエステル樹脂の強度が低下する場合が考えられるため、ガラス転移温度60℃以上のポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましい。
【0016】
熱可塑性樹脂繊維としては、紡糸可能な円形、楕円、U型等の形状、太さの糸を用いることができ、0.01〜5デニール、さらに0.1〜3デニール、特に0.8を超えて3デニール以下のモノフィラメント数〜数百本、さらに10〜700本、特に10〜100本を撚った糸が好ましい。
【0017】
グラフト、熱可塑性樹脂繊維及び熱可塑性樹脂は、抗血栓性材料、例えば、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチン等で被覆処理されたものを用いることが出来る。
【0018】
グラフトは、ステントの外面に設けて、動脈瘤などの血管内手術、特に完全経皮的血管内手術に用いることができる。
【0019】
グラフトの引張り強度は、実用上問題なければ特に制限はないが、好ましくは5Kg以上、さらに好ましくは7Kg〜30Kg、特に好ましくは8Kg〜20Kgの範囲の物を用いることができる。
【0020】
グラフトの外径は、実用上問題なければ特に制限はないが、4mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは5〜45mm、特に好ましくは6〜45mmの物を用いることが出来る。
グラフトの長さは、実用上問題なければ特に制限はないが、4cm以上、好ましくは4〜50cm、さらに好ましくは4〜40cm、特に好ましくは4〜30cmの物を用いることが出来る。
【0021】
グラフトは、クリンプ加工されていないもの、または、クリンプ加工されていない部分とクリンプ加工されていない部分間にクリンプ加工された部分を有したもの、さらに端部がクリンプ加工されていない部分であるもの(端部を除いてクリンプ加工していない部分を有していてもよい)などを好ましく用いることができる。
【0022】
グラフトは、チューブの内面にステントを設けて用いることが出来る。
ステントは、公知のものを用いることが出来、例えば、頂部および谷部を有するジグザグ形のワイヤからなる支持骨組を有する弾性線材で構成された管状構造物、形状記憶合金などの線材を円筒形状に編んで形成したものなどを用いることが出来る。
【0023】
以下に、本発明の実施の形態を図面および実施例につき詳しく説明する。本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0024】
図1のステント用グラフト1は、本発明のステント用グラフトの一実施例の模式図の斜視図を示す。平織りのステント用グラフト1は、グラフト端部3の外周の一部又は全部に刷毛2を有する。グラフトは、織物、編み物、組み物、不織布或いはフィルムを用いることが出来る。刷毛2は、グラフト端部3より縦糸(軸方向)の織られていない部分である。刷毛2は、グラフト端部よりグラフト外面方向に折り返して用いることが出来る。刷毛2は、フィルムや糸又はこれらの集合物をグラフト端部に接着しても良い。
【0025】
図2のステント用グラフト4は、本発明のステント用グラフトの別の一実施例の模式図の断面図を示す。平織りのステント用グラフト4は、グラフト端部の外周の一部又は全部に刷毛を有するグラフト、例えばステント用グラフト1などを用い、グラフトを端部近傍で外面方向に折り返し、折り返し部分を刷毛5として使用する。刷毛5は、フィルムや糸又はこれらの集合物をグラフト端部に接着しても良い。グラフトは、織物、編み物、組み物、不織布或いはフィルムを用いることが出来る。
【0026】
図3のステント用グラフト6は、本発明のステント用グラフトの別の一実施例の模式図の一部の斜視図を示す。平織りのステント用グラフト6は、グラフト端部又は端部近傍の外面或いは外周の一部又は全部に刷毛7を有する。刷毛7は、グラフトの端部又は端部近傍の外面又は外周の一部又は全部に、糸又は繊維或いはフィルムの一部を織り込み或いは縫い込みなどの方法で設けることができる。糸は軸方向及び/又は周方向に織り込み或いは縫い込むことが出来る。グラフトは、織物、編み物、組み物、不織布或いはフィルムを用いることが出来る。
【0027】
図4のステント用グラフト8は、本発明のステント用グラフトの別の一実施例の模式図の一部の斜視図を示す。平織りのステント用グラフト8は、グラフト端部近傍の外面或いは外周の一部又は全部に刷毛9を有する。
刷毛9は、織物の糸の端部がグラフトの外面又は外周に出すことにより設けることができる。刷毛9は、織物、編み物、組み物或いは不織布の場合、端部近傍より、糸の端部がグラフトの外面又は外周に出すことにより設けることができる。刷毛9は、織られていない、編まれていない、又は組まれていない部分の糸の端部を用いることができる。グラフトは、織物、編み物、組み物、不織布或いはフィルムを用いることが出来る。
【0028】
図5のステント用グラフト10は、本発明のステント用グラフトの別の一実施例の模式図の一部の斜視図を示す。平織りのステント用グラフト10は、グラフトの端部又は端部近傍の外面或いは外周の一部又は全部に刷毛11を有する。刷毛11は、織物を起毛することにより設けることが出来る。グラフトは、織物、編み物、組み物、或いは不織布を用いることが出来る。
【0029】
図6のステント用グラフト12は、本発明のステント用グラフトの別の一実施例の模式図の一部の斜視図を示す。平織りのステント用グラフト12は、グラフトの端部又は端部近傍の外面或いは外周の一部又は全部に刷毛13を有する。刷毛13は、織物を起毛することにより設けることが出来る。グラフトは、織物、編み物、組み物、或いは不織布を用いることが出来る。
【0030】
図7は、本発明の一実施例の刷毛17を有するステント用グラフト16の内面にステント18を設けるステント付きグラフト15を、血管などの内腔19に留置する場合、中枢側から見る内腔部断面の模式図である。刷毛17は、グラフトと内腔との間に発生する隙間を遮蔽することができる。グラフト外径が内腔径より大きくなるに従い、グラフトの皺が発生しやすくなり、グラフトと内腔との隙間は大きくなる。
【0031】
図8は、本発明とは異なるステント用グラフト22の内面にステント23を設けるステント付きグラフト21を、血管などの内腔20に留置する場合、中枢側から見る内腔部断面の模式図である。グラフト21の外径が、内腔20の内径より大きくなると、グラフトの皺が発生しやすくなり、グラフト21と内腔20との間に隙間24が発生しやすくなる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、ステントの外面に設ける管状のグラフトして用いる時に、人体の血管等の管形状に適合しやすく、血管等の管内に留置後、中枢側の留置位置において、グラフトと血管との間でのエンドリーク発生を防止又は抑制に優れるステント用グラフトである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステント用グラフトの一実施例の斜視図を示す。
【図2】本発明のステント用グラフトの別の一実施例の断面図を示す。
【図3】本発明のステント用グラフトの別の一実施例の一部の斜視図を示す。
【図4】本発明のステント用グラフトの別の一実施例の一部の斜視図を示す。
【図5】本発明のステント用グラフトの別の一実施例の一部の斜視図を示す。
【図6】本発明のステント用グラフトの別の一実施例の一部の斜視図を示す。
【図7】本発明のステント用グラフトを留置する断面の模式図である。
【図8】本発明でないステント用グラフトを留置する断面の模式図である。
【符号の説明】
1、4、6、8、10、12、16:ステント用グラフト、
2、5、7、9、11、13、17:刷毛、
3:グラフト端部、
18、23:ステント、
15:ステント付きグラフト、
14、20:内腔、
21:本発明と異なるステント用グラフト、
22:本発明と異なるステント付きグラフト、
24:隙間

Claims (2)

  1. ステントに設ける管状のグラフトであって、
    グラフトの端部又は端部近傍の外面或いは外周に、刷毛或いはブレードを有することを特徴とするステント用グラフト。
  2. グラフトが、織物、編物、組み物及び不織布から選ばれることを特徴とするステント用グラフト。
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