JP2004111400A - 薄膜誘電体とそれを用いた多層配線板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
誘電率が25以上で膜厚が1.5μm 以下であることを特徴とする、有機樹脂に無機充填剤が分散してなることを特徴とする薄膜誘電体、それを用いた多層配線板とその製造方法に関する。
【解決手段】
高誘電率の薄膜層を低温で形成することができ、受動素子であるキャパシタを有機基板内に形成でき、配線板の小型化,高密度化を図ることができる。
【選択図】図1
誘電率が25以上で膜厚が1.5μm 以下であることを特徴とする、有機樹脂に無機充填剤が分散してなることを特徴とする薄膜誘電体、それを用いた多層配線板とその製造方法に関する。
【解決手段】
高誘電率の薄膜層を低温で形成することができ、受動素子であるキャパシタを有機基板内に形成でき、配線板の小型化,高密度化を図ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高密度実装を可能とするため受動素子であるキャパシタを多層配線板内に形成するのを容易とする薄膜誘電体、それを用いた多層配線板およびモジュール基板、並びにその製造方法に関する。
高密度表面実装を実現させるため、基板においては、バイアホールの微細化,配線ピッチの狭隘化,ビルドアップ方式の採用等の検討が行われている。さらにICパッケージの小型化,多ピン化、およびコンデンサや抵抗等の受動部品の小型化,表面実装化も行われている。一方、受動素子の小型化の進展とともに製造や実装時の取り扱いがより困難となりつつあり、従来のやり方ではその限界が明らかになってきた。その解決方法として、受動素子を直接、プリント配線板の表面あるいは内部に形成することが提案されている。これによって、受動素子のチップ部品をプリント配線板上に搭載する必要がなくなり、高密度化とともに信頼性の向上も図ることができる。セラミック基板で行われているような、金属や絶縁体のペーストを用い塗布焼結するする方法は、特に耐熱的に劣る有機基板上にはそのまま適用できない。
上記のような受動素子を有機基板上に形成する方法としては、すでに有機高分子と高誘電率フィラとの混合物を塗布する方法(P.Chanelほか、第46回Electric Componets andTechnology Conference,第125−132頁,1996年)や、低温で製膜できる電子サイクロトロン共鳴化学気相生長法(ECR−CVD)を用いる方法(松井輝仁ほか、サーキットテクノロジ,第9巻,第497−502頁,1994年)等が提案されている。
P.Chanelほか、第46回Electric Componets and Technology Conference,第125−132頁,1996年
松井輝仁ほか、サーキットテクノロジ,第9巻,第497−502頁,1994年
上記の有機高分子と高誘電率フィラとの混合物を用いる方法では、薄膜コンデンサの厚みはフィラの直径に依存するため、高容量化のため薄膜化するには限界がある。また、より誘電率を高めるにはフィラを高充填しなくてはならない。比表面積の大きいフィラを加えることは樹脂の粘度を増大させ薄膜化を妨げるとともに誘電体中の欠陥の原因となり問題があった。一方、ECR−CVDを用いる方法は、特殊な装置が必要であること、バッチ処理で安価に誘電体薄膜を形成できないこと、形状の複雑な誘電体薄膜の形成が困難であることなどに問題があった。本発明の目的は、形状の複雑な薄膜誘電体を提供し、該薄膜誘電体を有機配線基板中あるいは基板上に形成してなる多層配線板およびその製造方法を提供することにある。
本発明の要旨を以下に説明する。
先ず第1の発明は有機樹脂に無機充填剤が分散してなる誘電率が25以上で膜厚が1.5μm以下であることを特徴とする薄膜誘電体。
第2の発明は、無機充填剤が、有機樹脂中で金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の化合物およびその部分縮合物の中の少なくとも一種の混合物を縮合してなる0.8μm 以下の粒径を有する無機充填剤であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜誘電体。
第3の発明は、電極間に薄膜誘電体層が介在してなるキャパシタを回路中に形成した多層配線板において、前記薄膜誘電体層が誘電率が25以上で膜厚が1.5μm 以下であることを特徴とする多層配線板。
第4の発明は、少なくともキャパシタと半導体チップを搭載してなるモジュール基板において、前記キャパシタが誘電率25以上で膜厚1.5μm 以下の薄膜誘電体を電極間に介在させてなることを特徴とするモジュール基板。
第5の発明は、少なくともキャパシタと半導体チップを搭載してなるモジュール基板において、前記キャパシタが、有機樹脂中で金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の化合物およびその部分縮合物の中の少なくとも一種の混合物を縮合してなる無機充填剤を含む薄膜誘電体からなることを特徴とするモジュール基板。
第6の発明は、上下の導体層を接続するブラインドビアホールを有し且つ少なくとも一つの導体層上に薄膜誘電体と電極からなるキャパシタを有する多層配線板において、前記薄膜誘電体が請求項1あるいは請求項2の薄膜誘電体からなることを特徴とする多層配線板。
第7の発明は、(a)構造中に少なくとも一つ以上のエポキシ基あるいは不飽和二重結合を有する有機化合物、(b)金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の中の少なくとも一種の化合物およびその部分縮合物、(c)光酸発生剤あるいは光塩基発生剤、とを含有してなることを特徴とする薄膜誘電体。
第8の発明は、回路にキャパシタを有する多層配線板の製造方法において、(i)電極および回路を形成する工程、(ii)電極間に有機樹脂中に無機充填剤を分散させてなる薄膜誘電体層を形成させる工程、(iii)活性化光による露光、および現像を用いて前記薄膜誘電体層を任意の形状に形成する工程、を少なくとも含む多層配線板の製造方法。
第9の発明は、回路にキャパシタを有するモジュール基板の製造方法において、(i)電極および回路を形成する工程、(ii)電極間に有機樹脂中に無機充填剤を分散させてなる薄膜誘電体層を形成させる工程、(iii)活性化光による露光、および現像を用いて前記薄膜誘電体層を任意の形状に形成する工程、を少なくとも含むモジュール基板の製造方法。
また、本発明は、(a)構造中に少なくとも一つ以上のエポキシ基あるいは不飽和二重結合を有する有機化合物、およびそれらの混合物、(b)金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の中のすくなくとも一種の化合物あるいはその部分加水分解縮合物、(c)光酸発生剤あるいは光塩基発生剤、を含有してなることを特徴とする感光性樹脂。
また、本発明の感光性樹脂組成物による薄膜誘電体を用いた多層配線板に関する。
本発明を図1,図2、および図3の模式断面図で詳しく説明する。
図1において、1は(a)構造中に少なくとも一つ以上のエポキシ基あるいは不飽和二重結合を有する有機化合物、およびそれらの混合物、(b)金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の中のすくなくとも一種の化合物あるいはその部分加水分解縮合物、(c)光酸発生剤あるいは光塩基発生剤、とを必須成分とする薄膜誘電体であり、(a)(b)(c)からなる溶液を下側電極2上に塗布,スプレーなどを行い乾燥して溶剤を除去し薄膜層を形成した後、任意の形状のマスクを介して高圧水銀灯などの活性光源を用いることにより硬化,現像し未露光部分を取り除くことで複雑な形状を形成することができる。また、ここで任意の形状を得るためレーザ穴明けを併用しても良い。
図2は、1の薄膜誘電体部分を上から見た図である。ここで活性化光源を用いるのは
(c)が酸あるいは塩基を発生し、(a)が架橋を起こすとともに、(b)が脱水縮合を起こして無機微粒子を形成し、図示した高誘電率の薄膜層とするためである。更にこの誘電体薄膜上に電極2を形成し、配線3で半導体チップ6やその他の素子と結ぶことができる。上下の電極のどちらか一方あるいは両方は、金属を蒸着しても良いしめっきを用いても良い。
(c)が酸あるいは塩基を発生し、(a)が架橋を起こすとともに、(b)が脱水縮合を起こして無機微粒子を形成し、図示した高誘電率の薄膜層とするためである。更にこの誘電体薄膜上に電極2を形成し、配線3で半導体チップ6やその他の素子と結ぶことができる。上下の電極のどちらか一方あるいは両方は、金属を蒸着しても良いしめっきを用いても良い。
この多層配線板の出発材は、7で示される有機配線基板で、銅貼積層板をエッチング加工したもの、あるいは積層板にアディティブ法で配線を形成したものが使用できる。導体配線が銅の場合は、公知の銅表面粗化,酸化膜形成,酸化膜還元、またはニッケルめっき等を施すことによって導体配線と感光層との接着力を増すことができる。絶縁層4はビルドアップ方式プリント配線板に使用される有機絶縁体が適用できる。例えば、ポリイミド,感光性エポキシ樹脂,ベンゾシクロブテン、といった材料である。絶縁層4の形成方法としては、逐次絶縁層を形成した後、上下層の配線を結合するビアホールをレーザ等で穴明けしてもよいし、感光性樹脂を用いてビアホールを形成しても良い。また、配線を形成したあるいは配線のないフィルムを接着した後ビアホールを形成する方法をとることもできる。表裏の配線、および内層の配線はスルーホール5で導通させることができる。ビアホール内は、アルカリ性溶液,クロム酸混液,過マンガン酸水溶液等での粗化した後、中和,粗化残渣の除去,めっき触媒の付与,活性化を行い化学めっき、または、化学めっきと電気めっきを併用することで行うことができる。
これらを用いて図3に示される上下の導体層を接続するブラインドビアホールを有し且つ少なくとも一つの導体層上に薄膜誘電体と電極からなるキャパシタを有する多層配線板としてもよい。ここで使用される薄膜誘電体は、方形である。
また、以上示した図1および図3で示される構造が、同一基板上に混在しても良い。
また、以上示した図1および図3で示される構造が、同一基板上に混在しても良い。
(a)成分の代表例としては、例えば多官能エポキシ樹脂がある。現像性等の観点から好ましい例としては、エポキシ当量130〜500g/eqの二官能エポキシ樹脂、より好ましくはエポキシ当量130〜300g/eqの二官能エポキシ樹脂とエポキシ当量160〜500g/eqの三官能以上のエポキシ樹脂、およびその混合物が挙げられる。また、難燃化剤としてブロム化したエポキシ樹脂を併用してもよい。
その具体的例としては、各種ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,脂肪族型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂の中からエポキシ当量130〜300g/eqの二官能エポキシ樹脂として油化シェルエポキシ(株)製エピコート801,802,807,815,819,825,827,828,834、ナガセ化成工業(株)製ナデコールEX−201,212,821、旭電化工業(株)製KRM2110,2410等がある。また、油化シェルエポキシ(株)製エピコート1001,1004,1009といったエポキシ当量の300g/eq以上の二官能エポキシ樹脂に先の低エポキシ当量の二官能エポキシ樹脂を加え130〜300g/eqに調節してもよい。エポキシ当量の300g/eq以上の二官能エポキシ樹脂を単独で使用するとガラス転移点が下がるので好ましくない。また、三官能以上のエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂,オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂が使用される。その例としては油化シェルエポキシ(株)製エピコート180S65,1031S,住友化学(株)製ESCN195,220、日本化薬(株)製BREN−104,105,E0CN−104S,EPPN−201,501、旭電化工業(株)製KRM−2650等がある。
以上のエポキシ基をもつ化合物に、架橋を促進するために分子中に少なくとも一つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂を加えても良い。その例としては、ノボラック樹脂,メタパラフェノールノボラック樹脂,ポリヒドロキシスチレン,ポリヒドロキシフェニルマレイミド等があり、特に好ましい例としては同一分子内にフェノール性水酸基とメチロール基を有する各種レゾール樹脂が挙げられる。レゾール樹脂は酸触媒により自己縮合反応が生じるため他のフェノール樹脂に比べて感光層の架橋密度が増し、よりガラス転移点の高い硬化膜を与えるとともに硬化膜中に残存するフェノール性水酸基の量を減じ、耐めっき液性が向上する。
不飽和二重結合基を有する樹脂の代表例としては、たとえばアクリル酸やメタクリル酸などのモノマー、あるいはオリゴマー、及びビニル基を有するビニルエステル樹脂がある。ここでいうビニルエステル樹脂とは、柴田(日本接着学会誌,vol.31,No.8,第
334頁(1995))が開示する樹脂である。より一般的には、主鎖化合物として多官能エポキシにアクリル酸あるいはメタクリル酸を付加させたものがある。主鎖化合物の多官能エポキシとしては、各種ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,脂肪族型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等があり、さらにそれらの臭素化物を用いてもよい。また、これらのラジカル重合性の基を有する樹脂を二種以上を混合して用いても良い。これらはエポキシ基を有する化合物と併用するとガラス転移点の高い硬化膜を得ることができるが、単独でも用いることができる。(a)が不飽和二重結合基を有する樹脂のみである場合、光ラジカル発生剤を加える必要があり、その例としては紫外光を吸収して開裂しラジカルを生じるや、あるいは水素引き抜き型のベンゾフェノン,ミヒラーケトン,イソブチルキサントン等と水素供与体として働くアルコール,チオール,アミンなどの組み合わせがある。これらは、二種以上を組み合わせて使用しても良い。
334頁(1995))が開示する樹脂である。より一般的には、主鎖化合物として多官能エポキシにアクリル酸あるいはメタクリル酸を付加させたものがある。主鎖化合物の多官能エポキシとしては、各種ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,脂肪族型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等があり、さらにそれらの臭素化物を用いてもよい。また、これらのラジカル重合性の基を有する樹脂を二種以上を混合して用いても良い。これらはエポキシ基を有する化合物と併用するとガラス転移点の高い硬化膜を得ることができるが、単独でも用いることができる。(a)が不飽和二重結合基を有する樹脂のみである場合、光ラジカル発生剤を加える必要があり、その例としては紫外光を吸収して開裂しラジカルを生じるや、あるいは水素引き抜き型のベンゾフェノン,ミヒラーケトン,イソブチルキサントン等と水素供与体として働くアルコール,チオール,アミンなどの組み合わせがある。これらは、二種以上を組み合わせて使用しても良い。
(b)の例としては、テトラエトキシシラン,テトラメトキシシラン,イソプロポキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,ビニルエトキシシラン,アリルエトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン,テトラエトキシチタン,テトラエトキシジルコニウム,テトラメトキシジルコニウム,ジルコニウムプロポキシド,アルミニウムブトキシド,アルミニウムイソプロポキシド,ジルコニウムプロポキシド,テトラエトキシ鉛,バリウムエトキシド,インジウムアセチルアセトネート,亜鉛アセチルアセトネート,酢酸鉛,ステアリン酸イットリウム,オキシ塩化アルミニウム,オキシ塩化ジルコニウム,四塩化チタン等があり、これらに限定されず広くゾルゲル法に用いられる出発物質が使用できる。これらを二種以上を併用しても良い。また、これら及びその混合物をあらかじめ部分的に縮合してなる化合物も使用できる。
つづいて、(c)の光酸発生剤の例を挙げる。これは、(a)及び(b)の重合に使われる。たとえば、種々のオニウム塩が挙げられ、BF4 -,PF6 -,AsF6 -,SbF6 -を対アニオンとするスルホニウム塩,ヨードニウム塩等がある。たとえば、スルホニウム塩の例としては、トリフェニルスルホニウム塩,ジメチルフェニルスルホニウム塩,ジフェニルベンジルスルホニウム塩,トリトリルスルホニウム塩,4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム塩,トリス(4−フェノキシフェニル)スルホニウム塩,4−アセトキシ−フェニルジフェニルスルホニウム塩,トリス(4−チオメトキシフェニル)スルホニウム塩,ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウム塩,ジメチルナフチルスルホニウム塩、及びフェニルメチルベンキシルスルホニウム塩などがある。ヨードニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウム塩,フェニル−2−チエニルヨードニウム塩,ジ(2,4−メトキシフェニル)ヨードニウム塩,ジ(3−メトキシカルボニルフェニル)ヨードニウム塩,ジ(4−アセトアミドフェニル)ヨードニウム塩,(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム塩、などがある。また、ルイス酸を発生する鉄−アレン化合物なども使用できる。これらは、二種以上を組み合わせて使用しても良い。一方、光塩基発生剤の例としては、フェニルグリオキシル酸のアンモニウム塩,o−ニトロベンゾイルカルバメイト、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルバメイト,コバルト(III)アルキルアミン錯体,水酸化亜鉛+ピコリン酸グアニジン等が挙げられる。
本発明の薄膜誘電体層の形成用感光性樹脂に、樹脂特性を向上させるため、(a)成分(b)(c)成分をどう選ぶかとは独立に、各種有機材料を添加剤として加えることができる。使用できる添加剤としては、例えばゴム成分,熱硬化触媒,光ラジカル発生剤,難燃剤,硬化性樹脂,光酸あるいは塩基発生剤の増感剤,熱可塑性樹脂などがある。
ゴム成分は、感光層に可撓性を付与し、クラックの発生を抑制するとともに電極との接着力を増すものである。その例としては、ポリブタジエン、及びそのエポキシ化物,末端にビニルやアミン,カルボキシル基を有するアクリルニトリルブタジエンの共重合物、および、それらのエポキシ樹脂との共重合物などがある。これらのうち、二種以上を併用することができる。
熱硬化触媒とは、ラジカル重合性樹脂およびエポキシ樹脂を加熱により重合させる触媒であり、光硬化反応で残存した樹脂を加熱により硬化するものである。これにより光硬化剤のみで硬化した場合よりも感光層の架橋密度が増してガラス転移点が高くなる。例としては、前者としては各種の過酸化物やアジド化合物があり、後者の例としてはトリフェニルホスフィン,イミダゾール等の各種のエポキシ樹脂の熱硬化触媒が挙げられ、特に好ましい例としては加熱により酸を発生する感熱性のオニウム塩がある。後者の一例として、旭電化(株)製、2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(CP−66)などがある。
光ラジカル発生剤は、不飽和二重結合を有する有機化合物を加えた場合、その架橋に使われる。その例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、1,3−ジフェニル−2−プロパノン,ベンゾインブチルエーテル,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリモフェニル)−ブタノン−1,ベンジルジメチルケタール,ジエトキシアセトフェノン,アシロキシムエステル,ヒドロキシアセトフェノン,トリクロロアセトフェノン,p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン,ジメトキシアセトフェノン,ジエトキシアセトフェノン,1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン,2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン,1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン,チオキサンソン,置換チオキサンソン,メチル−o−ベンゾイルベンゾエート,ベンゾイン,ベンゾインメチルエーテル,ベンゾインエチルエーテル,ベンゾインプロピルエーテル,ベンゾフェノン,ヒドロキシベンゾフェノン、等があり、これらに関わらず活性化光を吸収することでラジカルを生じる化合物が広く使用できる。また、これらを複数併用してもよく、これらの開始剤助剤を更に添加することもできる。
難燃剤は、通常使用される難燃剤あるいは難燃助剤として知られるものならば広く使うことができる。たとえば、エポキシ,芳香族,脂肪族,脂環式系のハロゲン化物。赤リンや黄リン,非ハロゲンリン酸エステル,含ハロゲンリン酸エステル,ポリフォスフェート,ポリフォスフォネート,含リンポリオール,ポリリン酸といったリン系化合物。三酸化アンチモンなどのアンチモン系難燃剤が挙げられる。また、これらの中から任意に選ばれる2種以上の難燃材を併用し、その相乗効果を利用することもできる。これらの添加量は、有機成分の総量を100重量部として2重量部以上あれば十分である。少なければ十分に難燃性が発現せず、多ければ解像度,接着力,めっき液汚染性などに悪影響を与えるので、2〜15重量部の間で使用することが好ましい。また、3〜10重量部含まれると、他の特性ともバランスのとれた材料となり、最も好ましい。
ゴム成分はめっきで形成する導体配線との接着力を増す成分であり、少なすぎると接着力の増加が認められず、多すぎると現像性が低下する。これは誘電体層と下地電極及びめっきで形成される電極との接着力を増す働きもあり、少なすぎると接着力の増加が認められず、多すぎると現像性および感光層のガラス転移点が低下する。熱硬化剤としてトリフェニルホスフィン系,イミダゾール系を使用する場合、その添加量は1重量部以下の範囲で使用することが望ましく、それ以上では光硬化反応が阻害される場合がある。また、ラジカル重合開始剤あるいはオニウム塩系を使用した場合は光硬化反応が阻害されることはないものの、添加量が10重量部を超えると硬化後の感光層が脆くなる傾向がある。熱硬化剤は硬化後の感光層に求められるガラス転移点,弾性率等の特性によりその種類,添加量を調整することができる。
本感光性樹脂組成物はメチルエチルケトン,トルエン,キシレン,メチルセルソルブ,ブチルセルソルブ,カルビトール,ブチルカルビトール,酢酸エチル,酢酸ブチル,セルソルブアセテート,テトラヒドロフラン等の汎用有機溶剤のワニスとして保存,使用できる。好ましい固形分濃度は30〜80重量%であり、スプレー,印刷等の薄膜形成法により調整する。
この感光性樹脂組成物の水性現像液としては、水溶性の高沸点有機溶剤の水溶液、または高沸点有機溶剤の水溶液にアルカリ成分を添加したものが使用される。水性有機溶剤としては2−ブトキシエタノール、2,2′−ブトキシエトキシエタノール等が好ましく用いられ、アルカリ成分としては水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化テトラメチルアンモニウム,ホウ砂等が使用される。水性有機溶剤の濃度は引火性が生じない10〜
80重量%程度、アルカリ成分の濃度は1〜20重量%程度の範囲で使用することが望ましい。
80重量%程度、アルカリ成分の濃度は1〜20重量%程度の範囲で使用することが望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物による多層配線板の作成例を図1および図2の模式図で説明する。
ここで、1は(a)構造中に少なくとも一つ以上のエポキシ基あるいは不飽和二重結合を有する有機化合物、およびそれらの混合物、(b)金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩のうちから任意にえらばれるすくなくとも一種以上の化合物あるいはその部分加水分解縮合物、(c)光酸発生剤あるいは光塩基発生剤、とを必須成分とする薄膜誘電体であり、これらからなる溶液を下側電極2上に塗布,スプレー,スピンコートなどを行い乾燥して溶剤を除去し薄膜層を形成した後、任意の形状のマスクを介して高圧水銀灯などの活性光源を用いることにより硬化,現像し未露光部分を取り除くことで複雑な形状を形成することができる。また、ここで任意の形状を得るためレーザ穴明けを併用しても良い。薄膜誘電体部分を上部から見た図が、図2である。
ここで活性化光源を用いるのは(c)が酸あるいは塩基を発生し、(a)が架橋を起こすとともに、触媒の働きをし(b)が脱水縮合を起こし無機微粒子を形成し、図示した高誘電率の薄膜層とするためである。更にこの誘電体薄膜上に電極2を低温のスパッタ、あるいはめっき等の方法で形成し、配線3で半導体チップ6やその他の素子と結ぶことができる。この多層配線板の出発材は、7で示される有機配線基板で、銅貼積層板をエッチング加工したもの、あるいは積層板にアディティブ法で配線を形成したものが使用できる。導体配線が銅の場合は、公知の銅表面粗化,酸化膜形成,酸化膜還元、またはニッケルめっき等を施すことによって導体配線と感光層との接着力を増すことができる。絶縁層4はビルドアップ方式プリント配線板に使用される有機絶縁体が広く適用できる。例えば、ポリイミド,感光性エポキシ樹脂,ベンゾシクロブテン、といった材料である。絶縁層4の形成方法としては、逐次絶縁層を形成した後、上下層の配線を結合するビアホールをレーザ等で穴明けしてもよいし、感光性樹脂を用いてビアホールを形成しても良い。また、配線を形成したフィルム、あるいは配線のないフィルムを接着した後ビアホールを形成する方法をとることもできる。表裏の配線、および内層の配線はスルーホール5で導通させることができる。ビアホール内は、アルカリ性溶液,クロム酸混液,過マンガン酸水溶液等での粗化した後、中和,粗化残渣の除去,めっき触媒の付与,活性化を行い化学めっき、または、化学めっきと電気めっきを併用することで行うことができる。
このような有機配線板に半導体パッケージを搭載して作成したマルチチップモジュールの模式図が図5である。
本発明では高誘電率セラミックス粉体を加える方法と比べ、薄膜化が容易で、表2に示すように従来法に比べ容量の高いキャパシタを形成できる。また、高誘電率の薄膜層を低温で形成することができるので、受動素子であるキャパシタを有機基板内に形成でき、小型化,高密度化した多層配線板を提供できる。スルーホールを形成することもでき、そのホールのアスペクト比も従来法の感光性樹脂と比べ高く、複雑な形状に対応できる。このような多層配線板を用いることにより、より高密度なマルチチップモジュールを提供することができる。
〔実施例1〜6〕
表1に本発明の実施例1〜5と比較例1〜2の感光性樹脂組成物の組成を記載した。各成分を1−アセトキシ2−エトキシエタンに溶解,分散して固形分濃度30wt%のワニスを作成した。
表1に本発明の実施例1〜5と比較例1〜2の感光性樹脂組成物の組成を記載した。各成分を1−アセトキシ2−エトキシエタンに溶解,分散して固形分濃度30wt%のワニスを作成した。
Ep−828:油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(189g/eq)
Ep−807:油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(168g/eq)
ESCN−195:住友化学(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(198g/eq)
KRM−2650:旭電化(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(220g/eq)
HP−180R:日立化成(株)製、レゾール樹脂
PSF2803:日本化薬(株)製、メタパラフェノールノボラック樹脂
DPCA−60:日本化薬(株)製、アクリレートオリゴマー
SP−70:日本化薬(株)製、トリアリルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート
GTMS:和光純薬(株)製、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
TEOS:和光純薬(株)製、テトラエトキシシラン
Ti(i−Pr)4:和光純薬(株)製、テトライソプロポキシチタン
DT−8208:大都産業(株)製、エポキシ変性ゴム
CP−66:旭電化(株)製、2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフロロアンチモネート
ペレノールS43:サンノプコ(株)製、ポリシロキサン共重合体
(1)現像性の評価
アルミと銅の二層構造を有する金属箔(三井金属(株)製、UTC箔50μm厚)の銅表面に感光性樹脂ワニスをバーコーターで塗布し、120℃で15分乾燥し、膜厚約20μmの感光層を有する試料を作製した。
Ep−807:油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(168g/eq)
ESCN−195:住友化学(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(198g/eq)
KRM−2650:旭電化(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(220g/eq)
HP−180R:日立化成(株)製、レゾール樹脂
PSF2803:日本化薬(株)製、メタパラフェノールノボラック樹脂
DPCA−60:日本化薬(株)製、アクリレートオリゴマー
SP−70:日本化薬(株)製、トリアリルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート
GTMS:和光純薬(株)製、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
TEOS:和光純薬(株)製、テトラエトキシシラン
Ti(i−Pr)4:和光純薬(株)製、テトライソプロポキシチタン
DT−8208:大都産業(株)製、エポキシ変性ゴム
CP−66:旭電化(株)製、2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフロロアンチモネート
ペレノールS43:サンノプコ(株)製、ポリシロキサン共重合体
(1)現像性の評価
アルミと銅の二層構造を有する金属箔(三井金属(株)製、UTC箔50μm厚)の銅表面に感光性樹脂ワニスをバーコーターで塗布し、120℃で15分乾燥し、膜厚約20μmの感光層を有する試料を作製した。
本試料に直径1〜30μm(5μm毎)のビアホールマスクを介して超高圧水銀ランプの白色光を3J/cm2 照射し、次いで120℃で15分間加熱して硬化を促進した。下記、現像液でスプレー現像し、解像度として現像可能なビアホール径と厚さとの比(アスペクト比)で評価した。
〔現像液の組成〕
2,2′−ブトキシエトキシエタノール:10g
15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液:10g
純水:20g
(2)ガラス転移温度の測定
上と同様にして厚膜(約500μm)を作成し、(1)120℃で15分乾燥、(2)露光3J/cm2 、(3)120℃で15分間加熱、(4)140℃で30分間加熱、(5)180℃で120分間加熱、のスケジュールで硬化を進めた。硬化フィルムを30mm×5mmの大きさに切断して試料を作製した。ガラス転移温度はアイティー計測制御(株)製
DVA−200を用いて動的粘弾性を測定してtanδ から求めた。測定条件は支点間距離20mm,測定周波数10Hz,昇温速度5℃/分,測定範囲,室温〜300℃である。
2,2′−ブトキシエトキシエタノール:10g
15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液:10g
純水:20g
(2)ガラス転移温度の測定
上と同様にして厚膜(約500μm)を作成し、(1)120℃で15分乾燥、(2)露光3J/cm2 、(3)120℃で15分間加熱、(4)140℃で30分間加熱、(5)180℃で120分間加熱、のスケジュールで硬化を進めた。硬化フィルムを30mm×5mmの大きさに切断して試料を作製した。ガラス転移温度はアイティー計測制御(株)製
DVA−200を用いて動的粘弾性を測定してtanδ から求めた。測定条件は支点間距離20mm,測定周波数10Hz,昇温速度5℃/分,測定範囲,室温〜300℃である。
(3)誘電特性の測定
図4に誘電率測定用試験片の例を示す。銅箔付きのガラスエポキシ基板の銅箔を全面エッチアウトしたガラスエポキシ基板21上に、ビルドアップ基板作成用感光性樹脂BL
9700(日立化成工業(株)製)20を塗布し、露光,硬化したうえに、あらかじめ図に示される電極18を形成した上に表1に示される組成の感光性樹脂をスピンコートで作成し、(1)90℃で15分乾燥、(2)露光3J/cm2 、(3)現像、(4)120℃で15分間加熱、(5)140℃で30分間加熱、(6)180℃で120分間加熱、のスケジュールで硬化を進めた。さらにそのうえに電極18をスパッタで形成した。
図4に誘電率測定用試験片の例を示す。銅箔付きのガラスエポキシ基板の銅箔を全面エッチアウトしたガラスエポキシ基板21上に、ビルドアップ基板作成用感光性樹脂BL
9700(日立化成工業(株)製)20を塗布し、露光,硬化したうえに、あらかじめ図に示される電極18を形成した上に表1に示される組成の感光性樹脂をスピンコートで作成し、(1)90℃で15分乾燥、(2)露光3J/cm2 、(3)現像、(4)120℃で15分間加熱、(5)140℃で30分間加熱、(6)180℃で120分間加熱、のスケジュールで硬化を進めた。さらにそのうえに電極18をスパッタで形成した。
このコンデンサをLCRメーターで周波数1MHzにおける容量を評価して、別途測定した膜厚から誘電体の誘電率を求めた。薄膜の厚みはほぼ0.55μm で、電極の実効面積は3×2mmである。
表2に得られた感光性樹脂の特性を比較例の値とともに示す。
〔比較例1〜3〕
比較例1〜3は、実施例と同様の感光性樹脂に、以下に示す高誘電率セラミックス粉体を加えた。組成の詳細は表1に示す。
比較例1〜3は、実施例と同様の感光性樹脂に、以下に示す高誘電率セラミックス粉体を加えた。組成の詳細は表1に示す。
T1:BaTiO3平均粒径0.1μm(誘電率〜4400)
T2:BaTiO3平均粒径1.43μm(誘電率〜3500)
T3:TiO2平均粒径0.05μm(誘電率〜98)
(1)現像性の評価
実施例の評価と同様にして行った。
T2:BaTiO3平均粒径1.43μm(誘電率〜3500)
T3:TiO2平均粒径0.05μm(誘電率〜98)
(1)現像性の評価
実施例の評価と同様にして行った。
(2)ガラス転移温度の測定
実施例の評価と同様にして行った。
実施例の評価と同様にして行った。
(3)誘電特性の測定
実施例の評価と同様にして行った。ただし、厚みは実施例の様に薄くできなかったので、ほぼ10μmで調整した。
実施例の評価と同様にして行った。ただし、厚みは実施例の様に薄くできなかったので、ほぼ10μmで調整した。
〔比較例4,5〕
比較例4は(c)成分である酸発生剤および塩基発生剤を含まない例であり、比較例5は(b)成分を含まない感光性樹脂の一例である。
比較例4は(c)成分である酸発生剤および塩基発生剤を含まない例であり、比較例5は(b)成分を含まない感光性樹脂の一例である。
表2に得られた感光性樹脂の特性を比較例の値とともに示す。
〔実施例7〕
黒化還元処理を行った内層配線3を有する有機配線基板(BTレジン基板)7上に、感光性樹脂BL9700(日立化成工業(株)製)を用いて絶縁層4を形成する。上記感光性樹脂層をビアホールマスク(図示省略)を介して2.5J/ cm2 露光した。ここで露光に使用する光源は、高圧水銀灯を用いた。120℃で15分間加熱した後、未露光部を現像液にて溶解除去してビアホール15を形成する。その後、後硬化として140℃で30分間加熱した。
黒化還元処理を行った内層配線3を有する有機配線基板(BTレジン基板)7上に、感光性樹脂BL9700(日立化成工業(株)製)を用いて絶縁層4を形成する。上記感光性樹脂層をビアホールマスク(図示省略)を介して2.5J/ cm2 露光した。ここで露光に使用する光源は、高圧水銀灯を用いた。120℃で15分間加熱した後、未露光部を現像液にて溶解除去してビアホール15を形成する。その後、後硬化として140℃で30分間加熱した。
次いで、絶縁層4の表面およびビアホール内を酸化剤で粗化し、めっき触媒の付与,めっきレジストの形成並びにパターン作成,触媒の活性化、さらに無電解めっき等の通常のフルアディティブ法により配線を形成する。最後に、180℃で120分間加熱し、めっきレジストを除去して第1層目とした。以上を繰り返し多層化を行った。この上に、実施例1の感光性樹脂をスプレーして乾燥した。パターン上の所定の電極2上に、誘電体層1が位置するようにマスクを配し、露光,現像,硬化を上記したように行う。ここで誘電体層10の厚さを1μmに調節した。この上にめっきレジストを形成し、電極2′を先と同様に作った。以上を繰り返し多層化を行い、最終的にスルーホール5を形成、半導体チップ6の搭載を行い最終製品とする。
〔実施例8〕
黒化還元処理を行った内層配線を有する有機配線基板(FR4ガラスエポキシ基板)
17上に、感光性樹脂BL9700(日立化成工業(株)製)を用いて有機絶縁体13を形成する。上記感光性樹脂層をビアホールマスク(図示省略)を介して2.5J/cm2露光した。ここで露光に使用する光源は、高圧水銀灯を用いた。120℃で15分間加熱した後、未露光部を現像液にて溶解除去してビアホール15を形成する。その後、後硬化として140℃で30分間加熱した。
黒化還元処理を行った内層配線を有する有機配線基板(FR4ガラスエポキシ基板)
17上に、感光性樹脂BL9700(日立化成工業(株)製)を用いて有機絶縁体13を形成する。上記感光性樹脂層をビアホールマスク(図示省略)を介して2.5J/cm2露光した。ここで露光に使用する光源は、高圧水銀灯を用いた。120℃で15分間加熱した後、未露光部を現像液にて溶解除去してビアホール15を形成する。その後、後硬化として140℃で30分間加熱した。
次いで、有機絶縁体13の表面およびビアホール内を酸化剤で粗化し、めっき触媒の付与,めっきレジストの形成並びにパターン作成,触媒の活性化、さらに無電解めっき等の通常のフルアディティブ法により配線を形成する。最後に、180℃で120分間加熱し、めっきレジストを除去して第1層目とした。この上に、実施例2の感光性樹脂をスプレーして乾燥した。パターン上の所定の電極11上に、誘電体層10が位置するようにマスクを配し、露光,現像,硬化を上記したように行う。ここで誘電体層10の厚さを1μmに調節した。この上にめっきレジストを形成し、電極11′を先と同様に作った。以上を繰り返し多層化を行い、最終的にスルーホール14を形成、半導体チップ16の搭載を行い最終製品とする。
〔実施例9〕
図5は実施例8で作成した有機配線板に半導体パッケージ23を搭載したマルチチップモジュールである。
図5は実施例8で作成した有機配線板に半導体パッケージ23を搭載したマルチチップモジュールである。
1,8…薄膜誘電体、2,2′,11,11′,18…電極、3,12,24…配線、4…絶縁層、5,14…スルーホール、6,16…半導体チップ、7,17,26…有機配線基板、9…ビア、10,19…誘電体層、13…有機絶縁体、15,25…ブラインドビアホール、20…感光性エポキシ樹脂、21…ガラスエポキシ基板、22…キャパシタ、23…半導体パッケージ。
Claims (9)
- 有機樹脂に無機充填剤が分散してなる誘電率が25以上で膜厚が1.5μm 以下であることを特徴とする薄膜誘電体。
- 無機充填剤が、有機樹脂中で金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の化合物およびその部分縮合物の中の少なくとも一種の混合物を縮合してなる0.8μm 以下の粒径を有する無機充填剤であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜誘電体。
- 電極間に薄膜誘電体層が介在してなるキャパシタを回路中に形成した多層配線板において、前記薄膜誘電体層が誘電率が25以上で膜厚が1.5μm 以下であることを特徴とする多層配線板。
- 少なくともキャパシタと半導体チップを搭載してなるモジュール基板において、前記キャパシタが誘電率25以上で膜厚1.5μm 以下の薄膜誘電体を電極間に介在させてなることを特徴とするモジュール基板。
- 少なくともキャパシタと半導体チップを搭載してなるモジュール基板において、前記キャパシタが、有機樹脂中で金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の化合物およびその部分縮合物の中の少なくとも一種の混合物を縮合してなる無機充填剤を含む薄膜誘電体からなることを特徴とするモジュール基板。
- 上下の導体層を接続するブラインドビアホールを有し且つ少なくとも一つの導体層上に薄膜誘電体と電極からなるキャパシタを有する多層配線板において、前記薄膜誘電体が請求項1あるいは請求項2の薄膜誘電体からなることを特徴とする多層配線板。
- (a)構造中に少なくとも一つ以上のエポキシ基あるいは不飽和二重結合を有する有機化合物、(b)金属アルコキシド,アルキル化金属アルコキシド,金属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,無機塩化物,無機オキシ酸塩の中の少なくとも一種の化合物およびその部分縮合物、(c)光酸発生剤あるいは光塩基発生剤、とを含有してなることを特徴とする薄膜誘電体。
- 回路にキャパシタを有する多層配線板の製造方法において、(i)電極および回路を形成する工程、(ii)電極間に有機樹脂中に無機充填剤を分散させてなる薄膜誘電体層を形成させる工程、(iii)活性化光による露光、および現像を用いて前記薄膜誘電体層を任意の形状に形成する工程、を少なくとも含む多層配線板の製造方法。
- 回路にキャパシタを有するモジュール基板の製造方法において、(i)電極および回路を形成する工程、(ii)電極間に有機樹脂中に無機充填剤を分散させてなる薄膜誘電体層を形成させる工程、(iii)活性化光による露光、および現像を用いて前記薄膜誘電体層を任意の形状に形成する工程、を少なくとも含むモジュール基板の製造方法。
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