JP2004110892A - オフトラック信号生成装置及び光ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランドとグルーブの比がどのような場合にでも、OFTRK信号を生成することのできるオフトラック信号生成装置を提供する。
【解決手段】疑似OFTRK信号生成回路18は、A/Dコンバータ51により、前記トラバース信号をディジタルのトラバースデータに変換し、そのトラバースデータをシフトレジスタ群52に取り込み、シフトレジスタ群52から出力される各サンプル点間の差分を演算器群53により求め、各サンプル点間の差分が所定回数連続してマイナスであるかプラスであるかを判別部54にて判別し、その判別結果に基づいてOFTRK信号生成部55にてOFTRK信号を生成する。
【選択図】 図5
【解決手段】疑似OFTRK信号生成回路18は、A/Dコンバータ51により、前記トラバース信号をディジタルのトラバースデータに変換し、そのトラバースデータをシフトレジスタ群52に取り込み、シフトレジスタ群52から出力される各サンプル点間の差分を演算器群53により求め、各サンプル点間の差分が所定回数連続してマイナスであるかプラスであるかを判別部54にて判別し、その判別結果に基づいてOFTRK信号生成部55にてOFTRK信号を生成する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対して光学ピックアップから照射されるレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成装置に関する。また、本発明は、オフトラック信号生成装置を搭載し、オフトラック信号を用いて、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成する光ディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクに対して記録/再生を行うディスクドライブ装置では、光学ピックアップからディスクに対してレーザ光を出力し、ディスク上に記録マークを形成し、又はレーザ光の反射光を検出して情報の再生を行う。光学ピックアップから出力されたレーザ光はフォーカスサーボによりディスクの記録面に対してフォーカスがかけられることで適切なレーザスポットとsれ、また記録再生時にはディスク上のトラックを正確にトレースするようにトラッキングサーボがかけられる。
【0003】
CD−DA(CD−Digital Audio)やCD−ROMなどの再生専用のディスクメディアでは、ディスク上にエンボスピットが形成され、そのピット列がトラックとして形成されることから、レーザスポットがそのピット列としてのトラックをトレースするようにトラッキングサーボがかけられることになる。一方、CD−R(CD−Recordable)、CD−RW(CD−Rewritable)など、データ書き込み可能なディスクメディアでは、ディスク記録面に溝(グルーブ)が形成され、このグルーブ、もしくはグルーブとグルーブの間だのランドがデータ記録トラックとされる。
【0004】
また、現在、直径を略64mmとなし、例えば楽音信号で74分以上の記録を可能となす記憶容量を備えている、小径の光ディスクが広く知られるようになった。この小径の光ディスクは、ミニディスクMD(登録商標)と呼ばれ、ピットによりデータが記録されている再生専用型と、光磁気記録(MO)方式によりデータが記録されており再生も可能な記録再生型の2種類がある。これらの光ディスクは記録容量を上げるため、トラックピッチや、記録レーザ光の記録波長或いは対物レンズのNA等が改善されてきている。
【0005】
トラックピッチは1.6μmでグルーブ記録、また変調方式がEFMである、初期の光ディスクを以下には第1世代MDと記す。この第1世代MDの物理フォーマットは、以下のように定められている。トラックピッチは、前述したように、1.6μm、ビット長は、0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45としている。記録方式としては、グルーブ(ディスク盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ディスク盤面上にシングルスパイラルのグルーブを形成し、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブル(Wobble)を形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採っている。なお、本明細書では、ウォブリングにより記録される絶対アドレスをADIP(Address in Pregroove)ともいう。
【0006】
前記第1世代MDのような従来のミニディスクは、記録データの変調方式として、EFM(8−14変換)変調方式を採用している。また、誤り訂正方式としては、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed−Solomon Code)を用いている。また、データインターリーブには、畳み込み型を採用している。これにより、データの冗長度は、46.3%となっている。
【0007】
また、第1世代MDにおけるデータの検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディスク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Verocity)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/sである。
【0008】
記録再生時の標準のデータレートは、133kB/s、記録容量は、164MB(MD−DATAでは、140MB)である。また、データの最小書換単位(クラスタ)は、32個のメインセクタと4個のリンクセクタによる36セクタで構成されている。
【0009】
さらに、近年では、第1世代MDよりもさらに記録容量を上げた次世代MDが開発されつつある。この場合、従来の媒体(ディスクやカートリッジ)はそのままに、変調方式や、論理構造などを変更してユーザエリア等を倍密度にし、記録容量を例えば300MBに増加したMD(以下、次世代MD1という)が考えられる。記録媒体の物理的仕様は、同一であり、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIPを利用する。このように、ディスクドライブ装置における光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処理は、従来のミニディスク(第1世代MD)と同様である。
【0010】
ところで、前記CD−DA、CD−ROM、CD−R、CD−RW、第1世代MD、次世代MD1、さらには次世代MD2に対する記録及び/又は再生装置においては、前記各ディスクによるレーザスポットからの反射光を光学ピックアップ内の光検出部ABCDEFにあて、各々の信号からフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE等を生成し、光学ピックアップの対物レンズを駆動するためのアクチュエータや、光学ピックアップのスレッドモータに、各ドライブ信号を生成してフィードバックをかけることで、各種サーボをかけている。
【0011】
また、前記各光ディスクにおけるアクセスなどの制御においては、光学ピックアップがトラッキングセンターからずれたことを示すものとしてオフトラック(Off track:OFTRK)信号が存在する。このOFTRK信号を基準としてトラックジャンプ制御や、ブレーキ制御を行っている。
【0012】
このOFTRK信号は、前記CD−DA、CD−ROMにおける、ピットトラックに対しては、RF信号のボトムレベルをあるスライスレベルで切ったものを使用して生成されている。また、前記CD−R、CD−RW、第1世代MD、さらには次世代MD1における、グルーブトラックに対してはフォトディテクタ上の4分割領域の和となるABCD信号のボトムレベルをあるスライスレベルで切ったものから生成されている。すなわち、OFTRK信号は、レーザスポットのトラッキングが外れたとき、ABCD信号のレベルが変化することを前提としている。つまり、ABCD信号には、光学ピックアップがランドとグルーブを横切っているときのトラバース信号成分が乗るので、OFTRK信号を生成することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
ところで、前記次世代MD1に比してさらに記録容量を増加したMD(次世代MD2)が、外形、光学系は互換性を保ちながらも、トラックピッチを1.25μmに狭め、かつ例えば前記グルーブから磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークを検出する技術等を取り入れて開発されようとしている。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−43539号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記次世代MD1よりもさらに記録容量を増加した次世代MD2のような光ディスクを、トラックピッチを狭めて作るためには、ランドとグルーブの幅の比を50:50に近づけることが考えられるが、グルーブディスクにおいてランドとグルーブの比が前記比率に近づくほど、ABCD信号のランドレベル、グルーブレベルの差が小さくなり、前記トラバース信号成分が乗らなくなり、前記OFTRK信号が生成できなくなる虞がある。
【0016】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、ランドとグルーブの比がどのような場合にでも、OFTRK信号を生成することのできるオフトラック信号生成装置の提供を目的とする。
【0017】
また、本発明は、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成することができる光ディスクドライブ装置の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るオフトラック信号生成装置は、前記課題を解決するために、グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対して光学ピックアップから照射されるレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成装置において、前記光学ピックアップを前記光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの前記記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いて、前記オフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段を備える。
【0019】
このオフトラック信号生成装置では、光学ピックアップを光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットのディスク記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いてオフトラックを示すオフトラック信号を生成する。
【0020】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、前記課題を解決するために、グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対してレーザスポットを照射する光学ピックアップ手段と、前記光学ピックアップ手段によって照射されたレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段とを備え、前記オフトラック信号生成手段により生成されたオフトラック信号を用いて、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成する。
【0021】
この光ディスクドライブ装置では、オフトラック信号生成手段が光学ピックアップを光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットのディスク記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いてオフトラックを示すオフトラック信号を生成する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
この実施の形態は、ランドとグルーブの幅の比を50:50に近づけた、次世代MD2のような光磁気ディスクに対して情報信号を記録/再生する光磁気ディスクドライブ装置である。なお、この実施の形態は一例であって、前記光磁気ディスクから情報信号を再生するだけの光磁気ディスクドライブ装置にも、本発明を適用可能であるのはいうまでもない。
【0023】
先ず、光磁気ディスクドライブ装置は、図1に示すように、装着された次世代MD2のような光磁気ディスク200をスピンドルモータ1によってZCAV方式にて回転駆動する。記録再生時には、光磁気ディスク200に対して、光学ピックアップ2からレーザ光が照射される。
【0024】
光磁気ディスク200は、磁気光学(MO)効果によりマークが記録されるとともに、磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークが検出されるタイプの光磁気ディスクである。DWDDは、再生時の光スポットよりも小さな記録マークを、光スポットで誘起された熱分布により、磁区拡大して読み取る技術である。
【0025】
光学ピックアップ2は、記録時に記録トラック(グルーブ)をキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行って、再生時の光スポットよりも小さなマークを記録する。また再生時には前記DWDDによって前記小さなマークを磁区拡大して読み取ることができるような比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ピックアップ2は、レーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するためのフォトディテクタを搭載している。光学ピックアップ2に備えられる対物レンズは、二軸機構3によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
【0026】
すなわち、光学ピックアップ2は、図2に示すように、対物レンズ41と、対物レンズ41を二軸方向に駆動する前記二軸機構3と、対物レンズ41を除く光学系を一体的に形成したレーザカプラー42とから構成される。レーザカプラー42は、集積素子の具体例であり、光源としてのレーザダイオード43と、光を分離させるプリズム44と、光の強さを検出するPD(フォトディテクタ:受光器)群により構成される。
【0027】
レーザダイオード43は、入力される電気信号に応じてレーザ光を出射する。レーザダイオード43から出射されたレーザ光は、プリズム44の斜面で反射され、対物レンズ41を通過する。対物レンズ41を通過したレーザ光は、収束光となり、光ディスク200の信号記録面で合焦する。
【0028】
光ディスク200の表面を照射した光は、光ディスク200の反射面において反射され、対物レンズ41により収束光に変換され、プリズム44の斜面を透過して、フォトディテクタ群上に集光される。プリズム44は、異方性を持つ結晶でできており、偏光方向により屈折率が異なって見えるため、入射した光をMO信号に使われるI,J信号に分離することができる。
【0029】
フォトディテクタ群の前側PD45、後ろ側PD46及び47は、入射した光を電気信号に変換する。前側PD45には、A,B,C,Dの4つの受光部が設けられており、それぞれに入射された光を電気信号に変換する。後ろ側PD46には、Ix,Iy,Ixの3つの受光部が設けられており、それぞれに入射された光を電気信号に変換する。後ろ側PD47には、Jx,Jy,Jxの3つの受光部が設けられており、それぞれに入射された光を電気信号に変換する。
【0030】
また、光学ピックアップ2全体は、スレッド機構4によりディスク半径方向に移動可能とされている。また、光学ピックアップ2におけるレーザダイオードは、レーザドライバー5からのドライブ信号によってレーザ発光駆動される。光学ピックアップ2の詳細な構成については後述する。
【0031】
光磁気ディスク200を挟んで光学ピックアップ2と対向する位置には、磁気ヘッド6が配置されている。磁気ヘッド6は、記録データによって変調された磁界を光磁気ディスク200に印加する。スレッド機構4は、光学ピックアップ2と共に、磁気ヘッド6もディスク半径方向に移動させる。
【0032】
この光ディスク記録再生装置では、光学ピックアップ2、磁気ヘッド6による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ1によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系、アクセス系等が設けられる。記録処理系としては、次世代MD2のような光磁気ディスク200に対する記録時にRLL(1−7)PP変調、RS−LDCエンコードを行う部位が設けられる。
【0033】
また、再生処理系としては、次世代MD2のような光磁気ディスク200の再生時にRLL(1−7)PP変調に対応する復調(PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1−7)復調)、RS−LDCデコードを行う部位とが設けられる。
【0034】
光学ピックアップ2の前記光磁気ディスク200に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ7に供給される。RFアンプ7では、入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(光磁気ディスクにトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
【0035】
すなわち、RFアンプ7は、前記図2に示した光学ピックアップ2のフォトディテクタ群からの電気信号を用いて、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、RF信号を以下のような式に基づいて生成する。
FE=((A+D)−(B+C))−((Ix+Jx)−(Iy+Jy))
TE=(A+B)−(C+D)
RF=(Ix+Ix)−(Jy+Jy))
また、RFアンプ7は、ウォブルプッシュプル信号WPPを、図3に示す回路で生成する。すなわち、前側PD45の両サイドのA、D受光部からの電気信号A、DをそれぞれBPF48A、48Dにて帯域制限してから、ピークホールド回路49A、49Bにてピークホールドし、ウォブルの振幅信号Aw、Dwを検出する。そして、ウォブルの振幅信号Aw、Dwを演算器50に入れ、Aw−DwをWPP信号として出力する。すなわち、WPPは、
WPP=Aw−Dw
となる。
【0036】
前記光磁気ディスク200の再生時には、RFアンプ7で得られた再生RF信号は、A/D変換回路8、イコライザ9、PLL回路10、PRML回路11を介して、RLL(1−7)PP復調部12及びRS−LDCデコーダ13で信号処理される。再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部12において、PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得て、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。さらに、RS−LDCデコーダ13にて誤り訂正及びデインターリーブ処理される。そして、復調されたデータが再生データとしてデータバッファ14に出力される。データバッファ14に出力されたデータは、I/F部27を介してホストコンピュータ30に供給される。あるいは、オーディオ処理部28に供給される。
【0037】
RFアンプ7から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE等は、サーボ回路15に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコータ16に供給される。また、RFアンプ7からのトラッキングエラー信号TEは、疑似OFTRK信号生成回路18、トラックカウント信号生成回路19にも供給される。
【0038】
疑似OFTRK信号生成回路18は、本発明のオフトラック信号生成回路の具体例であり、光磁気ディスク200に対して光学ピックアップ2から照射されるレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号OFTRKを生成する。疑似OFTRK信号生成回路18は、光学ピックアップ2を光磁気ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの記録面からの反射光から得られるトラバース信号をディジタルのトラバースデータに変換し、前記トラバースデータを所定のサンプリングクロックにしたがってサンプリングし、サンプリングしたデータ間の差分結果に基づいてオフトラックを示すオフトラック信号OFTRKを生成する。この疑似OFTRK信号生成回路18の詳細な構成については後述する。
【0039】
トラックカウント信号生成回路19は、光学ピックアップ2を光磁気ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの記録面からの反射光から得られる前記トラバース信号を所定の値でスライスすることにより、横切ったトラック数に応じたカウント信号TZCを生成する。
【0040】
ADIP復調部16は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIPアドレスを抽出し、アドレスデコーダ17に供給する。
【0041】
アドレスデコーダ17は、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスを、次世代MD2アドレスとし、システムコントローラ20に供給する。
【0042】
サーボ回路15は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、ZCAVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
【0043】
またサーボ回路15は、スピンドルエラー信号や、上記のようにRFアンプ7から供給されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、或いはシステムコントローラ20からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、二軸ドライバ21、スピンドルモータドライバ22、スレッドドライバ23に出力する。すなわち、上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
【0044】
二軸ドライブ21は、トラッキング制御信号、フォーカス制御信号に基づいてフォーカス方向、トラッキング方向の2種の二軸ドライブ信号を生成し、2軸機構3に供給し、光学ピックアップ2の対物レンズ2を光磁気ディスク200に接離する方向及び光磁気ディスク200の半径方向に移動する。
【0045】
スレッドドライバ23は、スレッド制御信号に基づいてスレッドモータ4を駆動するスレッドモータ駆動信号を生成し、スレッド機構4に供給する。スレッド機構4は、光学ピックアップ2全体をディスク半径方向に移動可能とする。なお、スレッド機構4は、光学ピックアップ2を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギアなどによる機構を有し、スレッドドライバ23がスレッド駆動信号に応じてスレッドモータを駆動することで、光学ピックアップ2の所要のスライド移動が行われる。
【0046】
スピンドルモータドライバ22は、スピンドル制御信号に基づいてスピンドルモータ1を駆動するスピンドルモータ駆動信号を生成し、スピンドルモータ1に供給する。スピンドルモータ1は、光磁気ディスク200を回転駆動する。
【0047】
前記光磁気ディスク200に対して記録動作が実行される際には、I/F部27内の図示しないメモリ転送コントローラを介してホストコンピュータ30から高密度データが、或いはオーディオ処理部28からの通常のATRAC圧縮データが供給される。
【0048】
そして、記録時には、RS−LCDエンコーダ24及びRLL(1−7)PP変調部25が機能する。この場合、前記高密度データは、RS−LCDエンコーダ24でインターリーブ及びRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部25にてRLL(1−7)変調される。
【0049】
RLL(1−7)符号列に変調された記録データは、磁気ヘッドドライバ26に供給され、磁気ヘッド6が光磁気ディスク200に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記録される。
【0050】
レーザドライバ5は、上記のような再生時及び記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Lazer Power Control)動作も行う。具体的には、図示しないが、光学ピックアップ2内には、レーザパワーモニタ用のディテクタが設けられており、このモニタ信号がレーザドライバ5にフィードバックされるようになっている。レーザドライバ5は、モニタ信号として得られた現在のレーザパワーを予め設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることによって、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが設定値で安定化されるようにレーザドライバ5を制御している。ここで、レーザパワーは、システムコントローラ20によって、再生レーザパワー及び記録レーザパワーとしての値がレーザドライバ5内部のレジスタにセットされる。
【0051】
システムコントローラ20は、マイクロコンピュータによって形成されており、以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)が実行されるように各構成を制御する。すなわち、システムコントローラ20は、記録再生ヘッド系、ディスク回転駆動系、記録処理系、再生処理系、サーボ系、アクセス系などを制御する。
【0052】
システムコントローラ20は、例えばホストコンピュータ30からのコマンドに応じて各種処理を実行する。例えば、ホストコンピュータ30から、光磁気ディスク200に記録されているあるデータの転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、まず指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。すなわち、サーボ回路15に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとする光学ピックアップ2のアクセス動作を実行させる。その後、その指示されたデータ区間のデータをホストコンピュータ30に転送するために必要な動作制御を行う。すなわち、光磁気ディスク200からのデータ読み出し/デコード/バッファリングなどを行って、要求されたデータをI/F部27を介して転送する。
【0053】
またホストコンピュータ30から高密度データの書き込み命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ20は、まず書き込むべきアドレスに光学ピックアップ2を移動させる。そして、高密度データは、RS−LCDエンコーダ24でインターリーブ及びRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部25にてRLL(1−7)変調される。RLL(1−7)符号列に変調された記録データは、磁気ヘッドドライバ26に供給され、磁気ヘッド6が光磁気ディスク200に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記録される。
【0054】
このような光磁気ディスクドライブ装置において、光学ピックアップ2からのレーザスポットによるトレース位置を他のトラックに移動させる際には、ピックアップ2内で二軸機構3により対物レンズをディスク半径方向に移動させることで実行される。もちろん、スレッド機構4による光学ピックアップ2全体の移動が伴うこともある。例えば、トラックジャンプは、トラッキングサーボをオフとした上で、強制的にレーザスポットを、トラックを横切る方向に移動させていくが、レーザスポットが目的のトラックに達したら、その時点でトラッキングサーボをオンとし、トラッキングサーボを引き込み、レーザスポットを目的のトラック上に位置させる。このように光学ピックアップ2のレーザスポットをディスク半径方向に横切らせるためには、前記OFTRK信号と、前記トラックカウント信号を用い、光学ピックアップ2又は対物レンズが横切ったトラック数と、その方向を把握する必要がある。前記OFTRK信号は、第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1等では、ABCD信号から生成されていた。ABCD信号は、光ピックアップ内においてレーザからの反射光を光検出部ABCDにあてることによって得られる信号である。
【0055】
ところで、前記光磁気ディスク200は、図4に示すランド202とグルーブ201の幅の比を50:50に近づけた光磁気ディスクであった。このようにランド202とグルーブ201の幅の比が50:50に近づくと、前述したような、ABCD信号のランドレベル、グルーブレベルの差が第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1に比べて小さくなる。このため、前記オフトラック信号OFTRKを前記ABCD信号から正常には生成できなくなる。よって、アクセス制御が出来なくなる。
【0056】
そこで、この光磁気記録再生装置にあっては、疑似OFTRK信号生成回路18により、トラバース信号からオフトラック信号OFTRKを生成している。トラバース信号は、光学ピックアップ2を光磁気ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの記録面からの反射光から得られる、トラッキングエラー信号TEである。
【0057】
疑似OFTRK信号生成回路18は、図5に示すように、A/Dコンバータ51により、前記トラバース信号をディジタルのトラバースデータに変換し、そのトラバースデータをシフトレジスタ群52に取り込み、シフトレジスタ群52から出力される各サンプル点間の差分を演算器群53により求め、各サンプル点間の差分が所定回数連続してマイナスであるかプラスであるかを判別部54にて判別し、その判別結果に基づいてOFTRK信号生成部55にてOFTRK信号を生成する。
【0058】
シフトレジスタ群52は、例えばm個のシフトレジスタ521、522・・・52mからなり、クロック入力端子に供給されるサンプリングクロックに基づいて前段からのデータをシフトし、演算器群53に供給する。
【0059】
演算器群53は、例えばn個の演算器531、532・・・53mを備え、シフトレジスタ521と522、522と523、523と524・・・52m−1と52mの間だの差分を演算する。
【0060】
シフトレジスタ群52と演算器群53の構成により、図6に示すように、トラバース信号の各サンプリング点間における傾きがプラスであるかマイナスであるかという演算結果が得られる。
【0061】
これらの演算結果を、判別部54を構成する、NANDゲート541とANDゲート542にそれぞれ供給する。この構成により、NANDゲート541は、各サンプル点間の差分がN回連続してマイナスだったときにはHをOFTRK信号生成部55の具体例であるR−SフリップフロップのSET端子に供給する。また、ANDゲート542は、各サンプル点間の差分がN回連続してプラスだったときにはHを前記R−SフリップフロップのRESET端子に供給する。
【0062】
したがって、OFTRK信号生成部55は、各サンプル点間の差分がN回連続してマイナスだったときにはOFTRKをHとし、逆にN回連続して差分がプラスだったときにはOFTRKをLとする。
【0063】
擬似的にOFTRKを作るにはトラバース信号の最大値もしくは最小値がOFTRKの反転するポイントになるので(ABCDとトラバースの位相が90°ずれているため)、トラバース信号のピーク/ボトム検出をすべきであるが、スライスレベルの設定が難しい。そこで、疑似OFTRK信号生成回路18では、トラバース信号の傾きから反転すべきポイントを設定している。
【0064】
例えば、図6において、レーザスポットの進行方向が矢印に示すように、ディスクの半径の外側から内側に向かうとする。このとき、トラバース信号からA/Dコンバータ51によりサンプリングし、レジスタ群52を介してシフトし、演算器群53により求めた各サンプリング点間の差分が、1,2,3・・6回連続してそれぞれマイナスであったとする。すると、判別部54を構成する、NANDゲート541は、それぞれの演算回数に相当する演算器531、532・・53iからの差分結果を反転入力とし、Hを出力する。このため、OFTRK信号生成部55の具体例であるR−Sフリップフロップは、各演算回数のときに、それぞれ図6に示すように、疑似OFTRK信号をHとする。
【0065】
一方、前記各サンプリング点間の差分が、1,2,3・・回連続してそれぞれプラスであったとする。すると、判別部54を構成する、ANDゲート542は、それぞれの演算回数に相当する演算器531、532・・53iからの差分結果を入力とし、Hを出力する。このため、前記R−Sフリップフロップは、各演算回数のときに、それぞれ図6に示すように、疑似OFTRK信号をLとする。
【0066】
この疑似OFTRK信号は、本来あるべきトラバース信号とABCD信号との位相差である90°と比較して、比較する回数を増やすと位相がずれてくるが、大体比較するサンプル数を4〜6回程度とすることで実用上位相が問題にならず、かつノイズの影響も抑えられる。
【0067】
図7には、比較のため、従来の第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1のように、ランド702とグルーブ701の幅の比が50:50ではないディスク構造において、ディスク面を半径方向にレーザスポットSPが横切ったときに出力される、ABCD信号とトラバース信号との関係を示す。そして、以下には、前記従来のディスク等において、レーザスポットSPをトラックジャンプした後に、ブレーキをかける処理について説明する。
【0068】
ディスク面を半径方向にスポットが横切った場合にはABCD信号(c)とトラバース信号(b)は位相が90°ずれた正弦波として近似できる。この位相差はディスクの物理構造に依存しているため、スポットSPが内周方向innerに移動したときと、外周方向outerに移動したときでは各々出力される信号の位相差は当然異なる。図7においては、外周方向移動時にはトラバース信号(b)に対してABCD信号(b)の位相が90°進み、内周方向に移動するときはその逆にABCD信号に対してトラバース信号の位相が90°進むことになる。
【0069】
このようなディスク構造にあっては、ABCD信号(c)をランドレベルとグルーブレベルとに基づいた中央値にてスライスすることにより、OFTRK信号(e)を生成することができる。また、トラバース信号(b)を中央値にてスライスすることにより、トラックカウント信号(又はトラックゼロクロス信号track zero cross:TZC)(d)を生成することができる。
【0070】
ところで、一般的に、どのような形態の光ディスク、光磁気ディスクにおいても、アクセス時に問題になることとして、アクセス終了時からトラッキングサーボを引き込むときに、移動速度からレーザスポットSPの移動速度が充分さがっていないと引き込みに失敗しやすい虞がある。例えば、第1世代MD等においてはグルーブにトラッキングをかけるが、トラッキングサーボで用いるエラー信号のトラバースをみるとわかるように、ランド、グルーブではエラー信号の極性が反転しているため、アクセス終了後にブレーキをかける際に、レーザスポットがランド上を横切ったときには、たとえばサーボとして内周方向に移動しようとしていたときには外周方向に移動してしまう。
【0071】
このため、例えば従来の第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1に対しては、図7の(f)に示す信号COUTを用いてトラッキングアクチュエータが移動してしまっているのを止める方向のみ駆動するブレーキ信号を生成して、ブレーキをかけることが考えられている。図8には、このようなブレーキ信号を生成する回路構成を示す。
【0072】
先ず、入力端子61から入力されるABCD信号を、入力端子62から入力されるランドレベルとグルーブレベルとに基づいた中央値を用いて比較器63にてスライスすることによってOFTRK信号を生成し、Dフリップフロップ回路64のデータ端子Dに供給する。
【0073】
また、入力端子65から入力されるトラバース信号を、入力端子66からの中央値にて比較器67にてスライスすることによってトラックカウント信号TZCを生成し、エッジ抽出回路68に供給する。エッジ抽出回路68は、トラックカウント信号TZCの立ち上がり及び立ち下がりエッジを抽出し、Dフリップフロップ回路64のクロック端子に供給する。
【0074】
Dフリップフロップ回路64は、データ入力端子Dに供給されたOFTRK信号を前記立ち上がり及び立ち下がりエッジのタイミングで出力端子Qからパルス信号COUTとして出力し、ANDゲート69に供給する。
【0075】
ANDゲート69には、トラックジャンプ後に光学ピックアップ2をトラックジャンプの方向とは逆方向にドライブするためのトラッキングドライブ(Tracking draive)信号が入力端子70から入力されている。したがって、ANDゲート69は、前記パルス信号COUTがHの期間にトラッキングドライブ信号のHに相当する信号を出力する。
【0076】
ここで、パルス信号COUTは、図7に示すように、レーザスポットSPの移動方向によってその極性が判定している。例えば、レーザスポットSPが図7に示すように、外周側から内周側に移動するOI(実線矢印OIで示す)であるとき、トラックカウント信号TZCは、OFTRK信号よりも位相が90°進む。よって、図8のDフリップフロップ回路64の出力Qは、図7(f)の内のCOUT_OIとなる。
【0077】
一方、レーザスポットSPが内周側から外周側に移動するIO(破線矢印IOで示す)であるとき、トラックカウント信号TZCは、OFTRK信号よりも位相が90°遅れる。よって、図8のDフリップフロップ回路64の出力Qは、図7(f)の内のCOUT_IOとなる。
【0078】
したがって、トラックジャンプ後に光学ピックアップ2(アクチュエータ)に加えるべきブレーキ信号は、図9(a)のトラバース信号に対する図9(b)のトラッキングドライブ信号(b)の、進行方向とは逆に移動しようとする駆動力が発生するときのみにアクチュエータを駆動することでレーザスポットを止める働きをする。
【0079】
すなわち、レーザスポットSPがディスクの内周側から外周側に移動するIOであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号(b)の内周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_IO&Tracking Draive(c)をANDゲート69から出力端子71に出力する。
【0080】
一方、レーザスポットSPがディスクの外周側から内周側に移動するOIであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号(b)の外周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_OI&Tracking Draive(d)をANDゲート69から出力端子71に出力する。
【0081】
以上のことから、従来の第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1においては、トラックジャンプ後にブレーキを働かせて、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。OFTRK信号がHになっている状態、つまりグルーブ上にいる場合にはトラックカウント信号TZCが反転してもパルス信号COUTはHになったままなのでブレーキ回路が動作してサーボに支障をきたすようなことはない。
【0082】
次に、図7〜図9を用いて説明したような、レーザスポットSPをトラックジャンプした後に、ブレーキをかける処理を、図1に構成を示した光磁気記録再生装置にて行う場合について説明する。図1に示した疑似OFTRK信号生成回路18と、トラックカウント信号生成回路19と、サーボ回路15と、システムコントローラ20が関係してくる。
【0083】
図10には、前記疑似OFTRK信号生成回路18と、トラックカウント信号生成回路19と、サーボ回路15の一部からなるブレーキ信号生成部の詳細な構成を示す。
【0084】
このブレーキ信号生成部は、疑似OFTRK信号生成回路18と、トラックカウント信号生成回路19の具体例である比較器74と、前記サーボ回路15の一部となるエッジ抽出回路75、Dフリップフロップ回路73、インバータ76、切換スイッチ77、ANDゲート78とを備えてなる。
【0085】
先ず、入力端子71から入力されるトラバース信号を前記疑似OFTRK信号生成回路18に供給し、前記図5及び図6を用いて説明した構成作用によって疑似OFTRK信号を生成し、Dフリップフロップ回路73のデータ端子Dに供給する。
【0086】
また、前記トラバース信号を、入力端子72から入力される中央値を用いて比較器74によりスライスすることによってトラックカウント信号TZCを生成し、エッジ抽出回路75に供給する。エッジ抽出回路75は、トラックカウント信号TZCの立ち上がり及び立ち下がりエッジを抽出し、Dフリップフロップ回路73のクロック端子に供給する。
【0087】
Dフリップフロップ回路75は、データ入力端子Dに供給された疑似OFTRK信号を前記立ち上がり及び立ち下がりエッジのタイミングで出力端子Qからパルス信号COUTとして出力し、インバータ76を介して切換スイッチ77の被選択端子bに供給するとともに、切換スイッチ77の被選択端子aに直接供給する。
【0088】
切換スイッチ77は、切換片cをシステムコントローラ20から供給されるアクセス方向設定信号に基づいて、被選択端子a又はbに切り換え、切り換え出力をANDゲート78に入力する。
【0089】
切換スイッチ77をシステムコントローラ20から供給されるアクセス方向設定信号に基づいて切り換えている理由は以下のとおりである。
【0090】
前記疑似OFTRK信号生成回路18により生成した疑似OFTRK信号は、トラバース信号を中央値でスライスしたトラックカウント信号との位相差を90°とはしていない。したがって、レーザスポットSPの移動方向を前記位相差から判断することは困難である。
【0091】
しかし、OFTRK信号を用いてブレーキ信号を生成し、サーボ回路15にてブレーキをかけるのは、トラックジャンプの後が主である。このため、システムコントローラ20は、現在、光学ピックアップ2がどちらに動いているか、アクセスの方向を予め知っている。よって、切換スイッチ77は、システムコントローラ20から供給される前記アクセス方向設定信号に基づいて、切換片cを被選択端子a又はbに接続し、切換端子aからのパルス信号COUT_OIと、インバータ76によりH、Lが反転されたパルス信号COUT_IOとを、切り換えてANDゲート78に出力する。
【0092】
ANDゲート78には、トラックジャンプ後に光学ピックアップ2をトラックジャンプの方向とは逆方向にドライブするためのトラッキングドライブ(Tracking draive)信号が入力端子79から入力されている。
【0093】
したがって、図10に示すブレーキ信号生成回路によっても進行方向とは逆に移動しようとする駆動力が発生するときのみにアクチュエータを駆動することでレーザスポットを止める働きをすることができる。
【0094】
すなわち、レーザスポットSPがディスクの内周側から外周側に移動するIOであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号の内周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_IO&Tracking DraiveをANDゲート78から出力端子80に出力する。
【0095】
一方、レーザスポットSPがディスクの外周側から内周側に移動するOIであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号の外周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_OI&Tracking DraiveをANDゲート78から出力端子80に出力する。
【0096】
以上のことから、図1に示した光磁気ディスクドライブ装置においても、トラックジャンプ後にブレーキを働かせて、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。
【0097】
すなわち、本実施の形態の光磁気ディスクドライブ装置は、ランドとグルーブの幅の比が50:50に近似したディスクに対しても、疑似OFTRK信号生成回路18を用いることで、OFTRK信号を生成することができ、さらに、このOFTRK信号を用いて、トラックジャンプ後にブレーキを働かせ、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。
【0098】
なお、疑似OFTRK信号生成回路18は、図11に示すように、ヒステリシスコンパレータ82を用いた構成としてもよい。前述したようにトラバース信号のピーク/ボトムがOFTRK信号の反転エッジとなるべきであるが、それに近い形となるようトラバース信号をヒステリシスコンパレータ82を用いて生成する。 すなわち、入力端子81から供給されたトラバース信号を、反転入力端子に入力し、非反転端子を抵抗R1を介して接地し、かつ比較出力を抵抗R2を介して非反転端子にフィードバックする構成のヒステリシスコンパレータ82により、疑似OFTRK信号を生成し、出力端子83から出力する。
【0099】
このヒステリシスコンパレータ82が生成した疑似OFTRK信号は、図12に示すように、トラバース信号の中点からのヒステリシス量(a)にて、エッジの立ち上がり、立ち下がりが形成されている。したがって、トラバース信号から90°近く位相がずれた信号をつくることができる。位相は90°まではずれてはいないが、少なくともトラックコントロール信号TZC(c)に対しては充分位相差をもっているので実用上問題はない。
【0100】
【発明の効果】
本発明に係るオフトラック信号生成装置は、光学ピックアップを光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットのディスク記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いて、オフトラックを示すオフトラック信号を生成するので、ランドとグルーブの比がどのような場合にでも、OFTRK信号を生成することができる。
【0101】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、光学ピックアップ手段によって照射されたレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段を備え、このオフトラック信号生成手段により生成されたオフトラック信号を用いて、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成するので、トラックジャンプ後にブレーキを働かせて、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気ディスクドライブ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光学ピックアップの詳細な構成を示す図である。
【図3】ウォブルプッシュプル信号を生成する回路を示す図である。
【図4】光磁気ディスクの断面図である。
【図5】疑似OFTRK信号生成回路を示す回路図である。
【図6】疑似OFTRK信号生成回路がOFTRK信号を生成する原理を示す図である。
【図7】従来のディスクのように、ランドとグルーブの幅の比が50:50ではないディスク構造における、ABCD信号とトラバース信号の関係を示す図である。
【図8】従来のブレーキ信号生成回路の構成図である。
【図9】ブレーキ信号の生成を説明するための図である。
【図10】前記疑似OFTRK信号生成回路を備えたブレーキ信号生成回路の構成図である。
【図11】疑似OFTRK信号生成回路の他の具体例の回路図である。
【図12】図11に示す回路にて生成されるOFTRK信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 光学ピックアップ、3 二軸機構、18 疑似OFTRK信号生成回路、19 トラックカウント信号生成回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対して光学ピックアップから照射されるレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成装置に関する。また、本発明は、オフトラック信号生成装置を搭載し、オフトラック信号を用いて、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成する光ディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクに対して記録/再生を行うディスクドライブ装置では、光学ピックアップからディスクに対してレーザ光を出力し、ディスク上に記録マークを形成し、又はレーザ光の反射光を検出して情報の再生を行う。光学ピックアップから出力されたレーザ光はフォーカスサーボによりディスクの記録面に対してフォーカスがかけられることで適切なレーザスポットとsれ、また記録再生時にはディスク上のトラックを正確にトレースするようにトラッキングサーボがかけられる。
【0003】
CD−DA(CD−Digital Audio)やCD−ROMなどの再生専用のディスクメディアでは、ディスク上にエンボスピットが形成され、そのピット列がトラックとして形成されることから、レーザスポットがそのピット列としてのトラックをトレースするようにトラッキングサーボがかけられることになる。一方、CD−R(CD−Recordable)、CD−RW(CD−Rewritable)など、データ書き込み可能なディスクメディアでは、ディスク記録面に溝(グルーブ)が形成され、このグルーブ、もしくはグルーブとグルーブの間だのランドがデータ記録トラックとされる。
【0004】
また、現在、直径を略64mmとなし、例えば楽音信号で74分以上の記録を可能となす記憶容量を備えている、小径の光ディスクが広く知られるようになった。この小径の光ディスクは、ミニディスクMD(登録商標)と呼ばれ、ピットによりデータが記録されている再生専用型と、光磁気記録(MO)方式によりデータが記録されており再生も可能な記録再生型の2種類がある。これらの光ディスクは記録容量を上げるため、トラックピッチや、記録レーザ光の記録波長或いは対物レンズのNA等が改善されてきている。
【0005】
トラックピッチは1.6μmでグルーブ記録、また変調方式がEFMである、初期の光ディスクを以下には第1世代MDと記す。この第1世代MDの物理フォーマットは、以下のように定められている。トラックピッチは、前述したように、1.6μm、ビット長は、0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45としている。記録方式としては、グルーブ(ディスク盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ディスク盤面上にシングルスパイラルのグルーブを形成し、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブル(Wobble)を形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採っている。なお、本明細書では、ウォブリングにより記録される絶対アドレスをADIP(Address in Pregroove)ともいう。
【0006】
前記第1世代MDのような従来のミニディスクは、記録データの変調方式として、EFM(8−14変換)変調方式を採用している。また、誤り訂正方式としては、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed−Solomon Code)を用いている。また、データインターリーブには、畳み込み型を採用している。これにより、データの冗長度は、46.3%となっている。
【0007】
また、第1世代MDにおけるデータの検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディスク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Verocity)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/sである。
【0008】
記録再生時の標準のデータレートは、133kB/s、記録容量は、164MB(MD−DATAでは、140MB)である。また、データの最小書換単位(クラスタ)は、32個のメインセクタと4個のリンクセクタによる36セクタで構成されている。
【0009】
さらに、近年では、第1世代MDよりもさらに記録容量を上げた次世代MDが開発されつつある。この場合、従来の媒体(ディスクやカートリッジ)はそのままに、変調方式や、論理構造などを変更してユーザエリア等を倍密度にし、記録容量を例えば300MBに増加したMD(以下、次世代MD1という)が考えられる。記録媒体の物理的仕様は、同一であり、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIPを利用する。このように、ディスクドライブ装置における光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処理は、従来のミニディスク(第1世代MD)と同様である。
【0010】
ところで、前記CD−DA、CD−ROM、CD−R、CD−RW、第1世代MD、次世代MD1、さらには次世代MD2に対する記録及び/又は再生装置においては、前記各ディスクによるレーザスポットからの反射光を光学ピックアップ内の光検出部ABCDEFにあて、各々の信号からフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE等を生成し、光学ピックアップの対物レンズを駆動するためのアクチュエータや、光学ピックアップのスレッドモータに、各ドライブ信号を生成してフィードバックをかけることで、各種サーボをかけている。
【0011】
また、前記各光ディスクにおけるアクセスなどの制御においては、光学ピックアップがトラッキングセンターからずれたことを示すものとしてオフトラック(Off track:OFTRK)信号が存在する。このOFTRK信号を基準としてトラックジャンプ制御や、ブレーキ制御を行っている。
【0012】
このOFTRK信号は、前記CD−DA、CD−ROMにおける、ピットトラックに対しては、RF信号のボトムレベルをあるスライスレベルで切ったものを使用して生成されている。また、前記CD−R、CD−RW、第1世代MD、さらには次世代MD1における、グルーブトラックに対してはフォトディテクタ上の4分割領域の和となるABCD信号のボトムレベルをあるスライスレベルで切ったものから生成されている。すなわち、OFTRK信号は、レーザスポットのトラッキングが外れたとき、ABCD信号のレベルが変化することを前提としている。つまり、ABCD信号には、光学ピックアップがランドとグルーブを横切っているときのトラバース信号成分が乗るので、OFTRK信号を生成することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
ところで、前記次世代MD1に比してさらに記録容量を増加したMD(次世代MD2)が、外形、光学系は互換性を保ちながらも、トラックピッチを1.25μmに狭め、かつ例えば前記グルーブから磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークを検出する技術等を取り入れて開発されようとしている。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−43539号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記次世代MD1よりもさらに記録容量を増加した次世代MD2のような光ディスクを、トラックピッチを狭めて作るためには、ランドとグルーブの幅の比を50:50に近づけることが考えられるが、グルーブディスクにおいてランドとグルーブの比が前記比率に近づくほど、ABCD信号のランドレベル、グルーブレベルの差が小さくなり、前記トラバース信号成分が乗らなくなり、前記OFTRK信号が生成できなくなる虞がある。
【0016】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、ランドとグルーブの比がどのような場合にでも、OFTRK信号を生成することのできるオフトラック信号生成装置の提供を目的とする。
【0017】
また、本発明は、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成することができる光ディスクドライブ装置の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るオフトラック信号生成装置は、前記課題を解決するために、グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対して光学ピックアップから照射されるレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成装置において、前記光学ピックアップを前記光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの前記記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いて、前記オフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段を備える。
【0019】
このオフトラック信号生成装置では、光学ピックアップを光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットのディスク記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いてオフトラックを示すオフトラック信号を生成する。
【0020】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、前記課題を解決するために、グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対してレーザスポットを照射する光学ピックアップ手段と、前記光学ピックアップ手段によって照射されたレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段とを備え、前記オフトラック信号生成手段により生成されたオフトラック信号を用いて、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成する。
【0021】
この光ディスクドライブ装置では、オフトラック信号生成手段が光学ピックアップを光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットのディスク記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いてオフトラックを示すオフトラック信号を生成する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
この実施の形態は、ランドとグルーブの幅の比を50:50に近づけた、次世代MD2のような光磁気ディスクに対して情報信号を記録/再生する光磁気ディスクドライブ装置である。なお、この実施の形態は一例であって、前記光磁気ディスクから情報信号を再生するだけの光磁気ディスクドライブ装置にも、本発明を適用可能であるのはいうまでもない。
【0023】
先ず、光磁気ディスクドライブ装置は、図1に示すように、装着された次世代MD2のような光磁気ディスク200をスピンドルモータ1によってZCAV方式にて回転駆動する。記録再生時には、光磁気ディスク200に対して、光学ピックアップ2からレーザ光が照射される。
【0024】
光磁気ディスク200は、磁気光学(MO)効果によりマークが記録されるとともに、磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークが検出されるタイプの光磁気ディスクである。DWDDは、再生時の光スポットよりも小さな記録マークを、光スポットで誘起された熱分布により、磁区拡大して読み取る技術である。
【0025】
光学ピックアップ2は、記録時に記録トラック(グルーブ)をキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行って、再生時の光スポットよりも小さなマークを記録する。また再生時には前記DWDDによって前記小さなマークを磁区拡大して読み取ることができるような比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ピックアップ2は、レーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するためのフォトディテクタを搭載している。光学ピックアップ2に備えられる対物レンズは、二軸機構3によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
【0026】
すなわち、光学ピックアップ2は、図2に示すように、対物レンズ41と、対物レンズ41を二軸方向に駆動する前記二軸機構3と、対物レンズ41を除く光学系を一体的に形成したレーザカプラー42とから構成される。レーザカプラー42は、集積素子の具体例であり、光源としてのレーザダイオード43と、光を分離させるプリズム44と、光の強さを検出するPD(フォトディテクタ:受光器)群により構成される。
【0027】
レーザダイオード43は、入力される電気信号に応じてレーザ光を出射する。レーザダイオード43から出射されたレーザ光は、プリズム44の斜面で反射され、対物レンズ41を通過する。対物レンズ41を通過したレーザ光は、収束光となり、光ディスク200の信号記録面で合焦する。
【0028】
光ディスク200の表面を照射した光は、光ディスク200の反射面において反射され、対物レンズ41により収束光に変換され、プリズム44の斜面を透過して、フォトディテクタ群上に集光される。プリズム44は、異方性を持つ結晶でできており、偏光方向により屈折率が異なって見えるため、入射した光をMO信号に使われるI,J信号に分離することができる。
【0029】
フォトディテクタ群の前側PD45、後ろ側PD46及び47は、入射した光を電気信号に変換する。前側PD45には、A,B,C,Dの4つの受光部が設けられており、それぞれに入射された光を電気信号に変換する。後ろ側PD46には、Ix,Iy,Ixの3つの受光部が設けられており、それぞれに入射された光を電気信号に変換する。後ろ側PD47には、Jx,Jy,Jxの3つの受光部が設けられており、それぞれに入射された光を電気信号に変換する。
【0030】
また、光学ピックアップ2全体は、スレッド機構4によりディスク半径方向に移動可能とされている。また、光学ピックアップ2におけるレーザダイオードは、レーザドライバー5からのドライブ信号によってレーザ発光駆動される。光学ピックアップ2の詳細な構成については後述する。
【0031】
光磁気ディスク200を挟んで光学ピックアップ2と対向する位置には、磁気ヘッド6が配置されている。磁気ヘッド6は、記録データによって変調された磁界を光磁気ディスク200に印加する。スレッド機構4は、光学ピックアップ2と共に、磁気ヘッド6もディスク半径方向に移動させる。
【0032】
この光ディスク記録再生装置では、光学ピックアップ2、磁気ヘッド6による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ1によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系、アクセス系等が設けられる。記録処理系としては、次世代MD2のような光磁気ディスク200に対する記録時にRLL(1−7)PP変調、RS−LDCエンコードを行う部位が設けられる。
【0033】
また、再生処理系としては、次世代MD2のような光磁気ディスク200の再生時にRLL(1−7)PP変調に対応する復調(PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1−7)復調)、RS−LDCデコードを行う部位とが設けられる。
【0034】
光学ピックアップ2の前記光磁気ディスク200に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ7に供給される。RFアンプ7では、入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(光磁気ディスクにトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
【0035】
すなわち、RFアンプ7は、前記図2に示した光学ピックアップ2のフォトディテクタ群からの電気信号を用いて、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、RF信号を以下のような式に基づいて生成する。
FE=((A+D)−(B+C))−((Ix+Jx)−(Iy+Jy))
TE=(A+B)−(C+D)
RF=(Ix+Ix)−(Jy+Jy))
また、RFアンプ7は、ウォブルプッシュプル信号WPPを、図3に示す回路で生成する。すなわち、前側PD45の両サイドのA、D受光部からの電気信号A、DをそれぞれBPF48A、48Dにて帯域制限してから、ピークホールド回路49A、49Bにてピークホールドし、ウォブルの振幅信号Aw、Dwを検出する。そして、ウォブルの振幅信号Aw、Dwを演算器50に入れ、Aw−DwをWPP信号として出力する。すなわち、WPPは、
WPP=Aw−Dw
となる。
【0036】
前記光磁気ディスク200の再生時には、RFアンプ7で得られた再生RF信号は、A/D変換回路8、イコライザ9、PLL回路10、PRML回路11を介して、RLL(1−7)PP復調部12及びRS−LDCデコーダ13で信号処理される。再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部12において、PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得て、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。さらに、RS−LDCデコーダ13にて誤り訂正及びデインターリーブ処理される。そして、復調されたデータが再生データとしてデータバッファ14に出力される。データバッファ14に出力されたデータは、I/F部27を介してホストコンピュータ30に供給される。あるいは、オーディオ処理部28に供給される。
【0037】
RFアンプ7から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE等は、サーボ回路15に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコータ16に供給される。また、RFアンプ7からのトラッキングエラー信号TEは、疑似OFTRK信号生成回路18、トラックカウント信号生成回路19にも供給される。
【0038】
疑似OFTRK信号生成回路18は、本発明のオフトラック信号生成回路の具体例であり、光磁気ディスク200に対して光学ピックアップ2から照射されるレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号OFTRKを生成する。疑似OFTRK信号生成回路18は、光学ピックアップ2を光磁気ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの記録面からの反射光から得られるトラバース信号をディジタルのトラバースデータに変換し、前記トラバースデータを所定のサンプリングクロックにしたがってサンプリングし、サンプリングしたデータ間の差分結果に基づいてオフトラックを示すオフトラック信号OFTRKを生成する。この疑似OFTRK信号生成回路18の詳細な構成については後述する。
【0039】
トラックカウント信号生成回路19は、光学ピックアップ2を光磁気ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの記録面からの反射光から得られる前記トラバース信号を所定の値でスライスすることにより、横切ったトラック数に応じたカウント信号TZCを生成する。
【0040】
ADIP復調部16は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIPアドレスを抽出し、アドレスデコーダ17に供給する。
【0041】
アドレスデコーダ17は、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスを、次世代MD2アドレスとし、システムコントローラ20に供給する。
【0042】
サーボ回路15は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、ZCAVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
【0043】
またサーボ回路15は、スピンドルエラー信号や、上記のようにRFアンプ7から供給されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、或いはシステムコントローラ20からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、二軸ドライバ21、スピンドルモータドライバ22、スレッドドライバ23に出力する。すなわち、上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
【0044】
二軸ドライブ21は、トラッキング制御信号、フォーカス制御信号に基づいてフォーカス方向、トラッキング方向の2種の二軸ドライブ信号を生成し、2軸機構3に供給し、光学ピックアップ2の対物レンズ2を光磁気ディスク200に接離する方向及び光磁気ディスク200の半径方向に移動する。
【0045】
スレッドドライバ23は、スレッド制御信号に基づいてスレッドモータ4を駆動するスレッドモータ駆動信号を生成し、スレッド機構4に供給する。スレッド機構4は、光学ピックアップ2全体をディスク半径方向に移動可能とする。なお、スレッド機構4は、光学ピックアップ2を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギアなどによる機構を有し、スレッドドライバ23がスレッド駆動信号に応じてスレッドモータを駆動することで、光学ピックアップ2の所要のスライド移動が行われる。
【0046】
スピンドルモータドライバ22は、スピンドル制御信号に基づいてスピンドルモータ1を駆動するスピンドルモータ駆動信号を生成し、スピンドルモータ1に供給する。スピンドルモータ1は、光磁気ディスク200を回転駆動する。
【0047】
前記光磁気ディスク200に対して記録動作が実行される際には、I/F部27内の図示しないメモリ転送コントローラを介してホストコンピュータ30から高密度データが、或いはオーディオ処理部28からの通常のATRAC圧縮データが供給される。
【0048】
そして、記録時には、RS−LCDエンコーダ24及びRLL(1−7)PP変調部25が機能する。この場合、前記高密度データは、RS−LCDエンコーダ24でインターリーブ及びRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部25にてRLL(1−7)変調される。
【0049】
RLL(1−7)符号列に変調された記録データは、磁気ヘッドドライバ26に供給され、磁気ヘッド6が光磁気ディスク200に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記録される。
【0050】
レーザドライバ5は、上記のような再生時及び記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Lazer Power Control)動作も行う。具体的には、図示しないが、光学ピックアップ2内には、レーザパワーモニタ用のディテクタが設けられており、このモニタ信号がレーザドライバ5にフィードバックされるようになっている。レーザドライバ5は、モニタ信号として得られた現在のレーザパワーを予め設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることによって、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが設定値で安定化されるようにレーザドライバ5を制御している。ここで、レーザパワーは、システムコントローラ20によって、再生レーザパワー及び記録レーザパワーとしての値がレーザドライバ5内部のレジスタにセットされる。
【0051】
システムコントローラ20は、マイクロコンピュータによって形成されており、以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)が実行されるように各構成を制御する。すなわち、システムコントローラ20は、記録再生ヘッド系、ディスク回転駆動系、記録処理系、再生処理系、サーボ系、アクセス系などを制御する。
【0052】
システムコントローラ20は、例えばホストコンピュータ30からのコマンドに応じて各種処理を実行する。例えば、ホストコンピュータ30から、光磁気ディスク200に記録されているあるデータの転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、まず指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。すなわち、サーボ回路15に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとする光学ピックアップ2のアクセス動作を実行させる。その後、その指示されたデータ区間のデータをホストコンピュータ30に転送するために必要な動作制御を行う。すなわち、光磁気ディスク200からのデータ読み出し/デコード/バッファリングなどを行って、要求されたデータをI/F部27を介して転送する。
【0053】
またホストコンピュータ30から高密度データの書き込み命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ20は、まず書き込むべきアドレスに光学ピックアップ2を移動させる。そして、高密度データは、RS−LCDエンコーダ24でインターリーブ及びRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部25にてRLL(1−7)変調される。RLL(1−7)符号列に変調された記録データは、磁気ヘッドドライバ26に供給され、磁気ヘッド6が光磁気ディスク200に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記録される。
【0054】
このような光磁気ディスクドライブ装置において、光学ピックアップ2からのレーザスポットによるトレース位置を他のトラックに移動させる際には、ピックアップ2内で二軸機構3により対物レンズをディスク半径方向に移動させることで実行される。もちろん、スレッド機構4による光学ピックアップ2全体の移動が伴うこともある。例えば、トラックジャンプは、トラッキングサーボをオフとした上で、強制的にレーザスポットを、トラックを横切る方向に移動させていくが、レーザスポットが目的のトラックに達したら、その時点でトラッキングサーボをオンとし、トラッキングサーボを引き込み、レーザスポットを目的のトラック上に位置させる。このように光学ピックアップ2のレーザスポットをディスク半径方向に横切らせるためには、前記OFTRK信号と、前記トラックカウント信号を用い、光学ピックアップ2又は対物レンズが横切ったトラック数と、その方向を把握する必要がある。前記OFTRK信号は、第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1等では、ABCD信号から生成されていた。ABCD信号は、光ピックアップ内においてレーザからの反射光を光検出部ABCDにあてることによって得られる信号である。
【0055】
ところで、前記光磁気ディスク200は、図4に示すランド202とグルーブ201の幅の比を50:50に近づけた光磁気ディスクであった。このようにランド202とグルーブ201の幅の比が50:50に近づくと、前述したような、ABCD信号のランドレベル、グルーブレベルの差が第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1に比べて小さくなる。このため、前記オフトラック信号OFTRKを前記ABCD信号から正常には生成できなくなる。よって、アクセス制御が出来なくなる。
【0056】
そこで、この光磁気記録再生装置にあっては、疑似OFTRK信号生成回路18により、トラバース信号からオフトラック信号OFTRKを生成している。トラバース信号は、光学ピックアップ2を光磁気ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの記録面からの反射光から得られる、トラッキングエラー信号TEである。
【0057】
疑似OFTRK信号生成回路18は、図5に示すように、A/Dコンバータ51により、前記トラバース信号をディジタルのトラバースデータに変換し、そのトラバースデータをシフトレジスタ群52に取り込み、シフトレジスタ群52から出力される各サンプル点間の差分を演算器群53により求め、各サンプル点間の差分が所定回数連続してマイナスであるかプラスであるかを判別部54にて判別し、その判別結果に基づいてOFTRK信号生成部55にてOFTRK信号を生成する。
【0058】
シフトレジスタ群52は、例えばm個のシフトレジスタ521、522・・・52mからなり、クロック入力端子に供給されるサンプリングクロックに基づいて前段からのデータをシフトし、演算器群53に供給する。
【0059】
演算器群53は、例えばn個の演算器531、532・・・53mを備え、シフトレジスタ521と522、522と523、523と524・・・52m−1と52mの間だの差分を演算する。
【0060】
シフトレジスタ群52と演算器群53の構成により、図6に示すように、トラバース信号の各サンプリング点間における傾きがプラスであるかマイナスであるかという演算結果が得られる。
【0061】
これらの演算結果を、判別部54を構成する、NANDゲート541とANDゲート542にそれぞれ供給する。この構成により、NANDゲート541は、各サンプル点間の差分がN回連続してマイナスだったときにはHをOFTRK信号生成部55の具体例であるR−SフリップフロップのSET端子に供給する。また、ANDゲート542は、各サンプル点間の差分がN回連続してプラスだったときにはHを前記R−SフリップフロップのRESET端子に供給する。
【0062】
したがって、OFTRK信号生成部55は、各サンプル点間の差分がN回連続してマイナスだったときにはOFTRKをHとし、逆にN回連続して差分がプラスだったときにはOFTRKをLとする。
【0063】
擬似的にOFTRKを作るにはトラバース信号の最大値もしくは最小値がOFTRKの反転するポイントになるので(ABCDとトラバースの位相が90°ずれているため)、トラバース信号のピーク/ボトム検出をすべきであるが、スライスレベルの設定が難しい。そこで、疑似OFTRK信号生成回路18では、トラバース信号の傾きから反転すべきポイントを設定している。
【0064】
例えば、図6において、レーザスポットの進行方向が矢印に示すように、ディスクの半径の外側から内側に向かうとする。このとき、トラバース信号からA/Dコンバータ51によりサンプリングし、レジスタ群52を介してシフトし、演算器群53により求めた各サンプリング点間の差分が、1,2,3・・6回連続してそれぞれマイナスであったとする。すると、判別部54を構成する、NANDゲート541は、それぞれの演算回数に相当する演算器531、532・・53iからの差分結果を反転入力とし、Hを出力する。このため、OFTRK信号生成部55の具体例であるR−Sフリップフロップは、各演算回数のときに、それぞれ図6に示すように、疑似OFTRK信号をHとする。
【0065】
一方、前記各サンプリング点間の差分が、1,2,3・・回連続してそれぞれプラスであったとする。すると、判別部54を構成する、ANDゲート542は、それぞれの演算回数に相当する演算器531、532・・53iからの差分結果を入力とし、Hを出力する。このため、前記R−Sフリップフロップは、各演算回数のときに、それぞれ図6に示すように、疑似OFTRK信号をLとする。
【0066】
この疑似OFTRK信号は、本来あるべきトラバース信号とABCD信号との位相差である90°と比較して、比較する回数を増やすと位相がずれてくるが、大体比較するサンプル数を4〜6回程度とすることで実用上位相が問題にならず、かつノイズの影響も抑えられる。
【0067】
図7には、比較のため、従来の第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1のように、ランド702とグルーブ701の幅の比が50:50ではないディスク構造において、ディスク面を半径方向にレーザスポットSPが横切ったときに出力される、ABCD信号とトラバース信号との関係を示す。そして、以下には、前記従来のディスク等において、レーザスポットSPをトラックジャンプした後に、ブレーキをかける処理について説明する。
【0068】
ディスク面を半径方向にスポットが横切った場合にはABCD信号(c)とトラバース信号(b)は位相が90°ずれた正弦波として近似できる。この位相差はディスクの物理構造に依存しているため、スポットSPが内周方向innerに移動したときと、外周方向outerに移動したときでは各々出力される信号の位相差は当然異なる。図7においては、外周方向移動時にはトラバース信号(b)に対してABCD信号(b)の位相が90°進み、内周方向に移動するときはその逆にABCD信号に対してトラバース信号の位相が90°進むことになる。
【0069】
このようなディスク構造にあっては、ABCD信号(c)をランドレベルとグルーブレベルとに基づいた中央値にてスライスすることにより、OFTRK信号(e)を生成することができる。また、トラバース信号(b)を中央値にてスライスすることにより、トラックカウント信号(又はトラックゼロクロス信号track zero cross:TZC)(d)を生成することができる。
【0070】
ところで、一般的に、どのような形態の光ディスク、光磁気ディスクにおいても、アクセス時に問題になることとして、アクセス終了時からトラッキングサーボを引き込むときに、移動速度からレーザスポットSPの移動速度が充分さがっていないと引き込みに失敗しやすい虞がある。例えば、第1世代MD等においてはグルーブにトラッキングをかけるが、トラッキングサーボで用いるエラー信号のトラバースをみるとわかるように、ランド、グルーブではエラー信号の極性が反転しているため、アクセス終了後にブレーキをかける際に、レーザスポットがランド上を横切ったときには、たとえばサーボとして内周方向に移動しようとしていたときには外周方向に移動してしまう。
【0071】
このため、例えば従来の第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1に対しては、図7の(f)に示す信号COUTを用いてトラッキングアクチュエータが移動してしまっているのを止める方向のみ駆動するブレーキ信号を生成して、ブレーキをかけることが考えられている。図8には、このようなブレーキ信号を生成する回路構成を示す。
【0072】
先ず、入力端子61から入力されるABCD信号を、入力端子62から入力されるランドレベルとグルーブレベルとに基づいた中央値を用いて比較器63にてスライスすることによってOFTRK信号を生成し、Dフリップフロップ回路64のデータ端子Dに供給する。
【0073】
また、入力端子65から入力されるトラバース信号を、入力端子66からの中央値にて比較器67にてスライスすることによってトラックカウント信号TZCを生成し、エッジ抽出回路68に供給する。エッジ抽出回路68は、トラックカウント信号TZCの立ち上がり及び立ち下がりエッジを抽出し、Dフリップフロップ回路64のクロック端子に供給する。
【0074】
Dフリップフロップ回路64は、データ入力端子Dに供給されたOFTRK信号を前記立ち上がり及び立ち下がりエッジのタイミングで出力端子Qからパルス信号COUTとして出力し、ANDゲート69に供給する。
【0075】
ANDゲート69には、トラックジャンプ後に光学ピックアップ2をトラックジャンプの方向とは逆方向にドライブするためのトラッキングドライブ(Tracking draive)信号が入力端子70から入力されている。したがって、ANDゲート69は、前記パルス信号COUTがHの期間にトラッキングドライブ信号のHに相当する信号を出力する。
【0076】
ここで、パルス信号COUTは、図7に示すように、レーザスポットSPの移動方向によってその極性が判定している。例えば、レーザスポットSPが図7に示すように、外周側から内周側に移動するOI(実線矢印OIで示す)であるとき、トラックカウント信号TZCは、OFTRK信号よりも位相が90°進む。よって、図8のDフリップフロップ回路64の出力Qは、図7(f)の内のCOUT_OIとなる。
【0077】
一方、レーザスポットSPが内周側から外周側に移動するIO(破線矢印IOで示す)であるとき、トラックカウント信号TZCは、OFTRK信号よりも位相が90°遅れる。よって、図8のDフリップフロップ回路64の出力Qは、図7(f)の内のCOUT_IOとなる。
【0078】
したがって、トラックジャンプ後に光学ピックアップ2(アクチュエータ)に加えるべきブレーキ信号は、図9(a)のトラバース信号に対する図9(b)のトラッキングドライブ信号(b)の、進行方向とは逆に移動しようとする駆動力が発生するときのみにアクチュエータを駆動することでレーザスポットを止める働きをする。
【0079】
すなわち、レーザスポットSPがディスクの内周側から外周側に移動するIOであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号(b)の内周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_IO&Tracking Draive(c)をANDゲート69から出力端子71に出力する。
【0080】
一方、レーザスポットSPがディスクの外周側から内周側に移動するOIであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号(b)の外周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_OI&Tracking Draive(d)をANDゲート69から出力端子71に出力する。
【0081】
以上のことから、従来の第1世代MD、CD−R、CD−RW、次世代MD1においては、トラックジャンプ後にブレーキを働かせて、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。OFTRK信号がHになっている状態、つまりグルーブ上にいる場合にはトラックカウント信号TZCが反転してもパルス信号COUTはHになったままなのでブレーキ回路が動作してサーボに支障をきたすようなことはない。
【0082】
次に、図7〜図9を用いて説明したような、レーザスポットSPをトラックジャンプした後に、ブレーキをかける処理を、図1に構成を示した光磁気記録再生装置にて行う場合について説明する。図1に示した疑似OFTRK信号生成回路18と、トラックカウント信号生成回路19と、サーボ回路15と、システムコントローラ20が関係してくる。
【0083】
図10には、前記疑似OFTRK信号生成回路18と、トラックカウント信号生成回路19と、サーボ回路15の一部からなるブレーキ信号生成部の詳細な構成を示す。
【0084】
このブレーキ信号生成部は、疑似OFTRK信号生成回路18と、トラックカウント信号生成回路19の具体例である比較器74と、前記サーボ回路15の一部となるエッジ抽出回路75、Dフリップフロップ回路73、インバータ76、切換スイッチ77、ANDゲート78とを備えてなる。
【0085】
先ず、入力端子71から入力されるトラバース信号を前記疑似OFTRK信号生成回路18に供給し、前記図5及び図6を用いて説明した構成作用によって疑似OFTRK信号を生成し、Dフリップフロップ回路73のデータ端子Dに供給する。
【0086】
また、前記トラバース信号を、入力端子72から入力される中央値を用いて比較器74によりスライスすることによってトラックカウント信号TZCを生成し、エッジ抽出回路75に供給する。エッジ抽出回路75は、トラックカウント信号TZCの立ち上がり及び立ち下がりエッジを抽出し、Dフリップフロップ回路73のクロック端子に供給する。
【0087】
Dフリップフロップ回路75は、データ入力端子Dに供給された疑似OFTRK信号を前記立ち上がり及び立ち下がりエッジのタイミングで出力端子Qからパルス信号COUTとして出力し、インバータ76を介して切換スイッチ77の被選択端子bに供給するとともに、切換スイッチ77の被選択端子aに直接供給する。
【0088】
切換スイッチ77は、切換片cをシステムコントローラ20から供給されるアクセス方向設定信号に基づいて、被選択端子a又はbに切り換え、切り換え出力をANDゲート78に入力する。
【0089】
切換スイッチ77をシステムコントローラ20から供給されるアクセス方向設定信号に基づいて切り換えている理由は以下のとおりである。
【0090】
前記疑似OFTRK信号生成回路18により生成した疑似OFTRK信号は、トラバース信号を中央値でスライスしたトラックカウント信号との位相差を90°とはしていない。したがって、レーザスポットSPの移動方向を前記位相差から判断することは困難である。
【0091】
しかし、OFTRK信号を用いてブレーキ信号を生成し、サーボ回路15にてブレーキをかけるのは、トラックジャンプの後が主である。このため、システムコントローラ20は、現在、光学ピックアップ2がどちらに動いているか、アクセスの方向を予め知っている。よって、切換スイッチ77は、システムコントローラ20から供給される前記アクセス方向設定信号に基づいて、切換片cを被選択端子a又はbに接続し、切換端子aからのパルス信号COUT_OIと、インバータ76によりH、Lが反転されたパルス信号COUT_IOとを、切り換えてANDゲート78に出力する。
【0092】
ANDゲート78には、トラックジャンプ後に光学ピックアップ2をトラックジャンプの方向とは逆方向にドライブするためのトラッキングドライブ(Tracking draive)信号が入力端子79から入力されている。
【0093】
したがって、図10に示すブレーキ信号生成回路によっても進行方向とは逆に移動しようとする駆動力が発生するときのみにアクチュエータを駆動することでレーザスポットを止める働きをすることができる。
【0094】
すなわち、レーザスポットSPがディスクの内周側から外周側に移動するIOであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号の内周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_IO&Tracking DraiveをANDゲート78から出力端子80に出力する。
【0095】
一方、レーザスポットSPがディスクの外周側から内周側に移動するOIであるときには、アクチュエータを逆方向に移動しようとするトラッキングドライブ信号の外周方向への駆動信号成分のみからなるCOUT_OI&Tracking DraiveをANDゲート78から出力端子80に出力する。
【0096】
以上のことから、図1に示した光磁気ディスクドライブ装置においても、トラックジャンプ後にブレーキを働かせて、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。
【0097】
すなわち、本実施の形態の光磁気ディスクドライブ装置は、ランドとグルーブの幅の比が50:50に近似したディスクに対しても、疑似OFTRK信号生成回路18を用いることで、OFTRK信号を生成することができ、さらに、このOFTRK信号を用いて、トラックジャンプ後にブレーキを働かせ、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。
【0098】
なお、疑似OFTRK信号生成回路18は、図11に示すように、ヒステリシスコンパレータ82を用いた構成としてもよい。前述したようにトラバース信号のピーク/ボトムがOFTRK信号の反転エッジとなるべきであるが、それに近い形となるようトラバース信号をヒステリシスコンパレータ82を用いて生成する。 すなわち、入力端子81から供給されたトラバース信号を、反転入力端子に入力し、非反転端子を抵抗R1を介して接地し、かつ比較出力を抵抗R2を介して非反転端子にフィードバックする構成のヒステリシスコンパレータ82により、疑似OFTRK信号を生成し、出力端子83から出力する。
【0099】
このヒステリシスコンパレータ82が生成した疑似OFTRK信号は、図12に示すように、トラバース信号の中点からのヒステリシス量(a)にて、エッジの立ち上がり、立ち下がりが形成されている。したがって、トラバース信号から90°近く位相がずれた信号をつくることができる。位相は90°まではずれてはいないが、少なくともトラックコントロール信号TZC(c)に対しては充分位相差をもっているので実用上問題はない。
【0100】
【発明の効果】
本発明に係るオフトラック信号生成装置は、光学ピックアップを光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットのディスク記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いて、オフトラックを示すオフトラック信号を生成するので、ランドとグルーブの比がどのような場合にでも、OFTRK信号を生成することができる。
【0101】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、光学ピックアップ手段によって照射されたレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段を備え、このオフトラック信号生成手段により生成されたオフトラック信号を用いて、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成するので、トラックジャンプ後にブレーキを働かせて、ある程度までレーザスポットの移動速度が下がるとトラッキングサーボを引き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気ディスクドライブ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光学ピックアップの詳細な構成を示す図である。
【図3】ウォブルプッシュプル信号を生成する回路を示す図である。
【図4】光磁気ディスクの断面図である。
【図5】疑似OFTRK信号生成回路を示す回路図である。
【図6】疑似OFTRK信号生成回路がOFTRK信号を生成する原理を示す図である。
【図7】従来のディスクのように、ランドとグルーブの幅の比が50:50ではないディスク構造における、ABCD信号とトラバース信号の関係を示す図である。
【図8】従来のブレーキ信号生成回路の構成図である。
【図9】ブレーキ信号の生成を説明するための図である。
【図10】前記疑似OFTRK信号生成回路を備えたブレーキ信号生成回路の構成図である。
【図11】疑似OFTRK信号生成回路の他の具体例の回路図である。
【図12】図11に示す回路にて生成されるOFTRK信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 光学ピックアップ、3 二軸機構、18 疑似OFTRK信号生成回路、19 トラックカウント信号生成回路
Claims (4)
- グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対して光学ピックアップから照射されるレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成装置において、
前記光学ピックアップを前記光ディスクの半径方向に移動したときに、レーザスポットの前記記録面からの反射光から得られるトラバース信号を用いて、前記オフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段
を備えることを特徴とするオフトラック信号生成装置。 - 前記オフトラック信号生成手段は、前記トラバース信号のディジタルデータである、トラバースデータを所定のサンプリングクロックにしたがってサンプリングしたデータ間の差分結果に基づいて前記オフトラックを示すオフトラック信号を生成することを特徴とする請求項1記載のオフトラック信号生成装置。
- グルーブ及びランドを記録面に交互に配置し、前記グルーブ及び/又はランドからなるトラックにデータが記録される光ディスクに対してレーザスポットを照射する光学ピックアップ手段と、
前記光学ピックアップ手段によって照射されたレーザスポットのオフトラックを示すオフトラック信号を生成するオフトラック信号生成手段とを備え、
前記オフトラック信号生成手段により生成されたオフトラック信号を用いて、トラックジャンプ後のブレーキ信号を生成することを特徴とする光ディスクドライブ装置。 - 前記オフトラック信号生成手段は、前記トラバース信号のディジタルデータである、トラバースデータを所定のサンプリングクロックにしたがってサンプリングしたデータ間の差分結果に基づいて前記オフトラックを示すオフトラック信号を生成することを特徴とする請求項3記載の光ディスクドライブ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007029328A1 (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-15 | Fujitsu Limited | 送信装置 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002269044A patent/JP2004110892A/ja not_active Abandoned
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WO2007029328A1 (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-15 | Fujitsu Limited | 送信装置 |
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