JP2004110749A - タッチパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニュートンリング環が発生せず、入力エリアも確保され、且つ書き味が良く、耐久性に優れるタッチパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、上下基板11a、2の外周の一部に開口部60aを設けて前記上下基板11a、2をシール剤63で貼着する工程と、前記上基板11bの断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板11bの略台形形状を保持した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止する開口部封止工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、上下基板11a、2の外周の一部に開口部60aを設けて前記上下基板11a、2をシール剤63で貼着する工程と、前記上基板11bの断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板11bの略台形形状を保持した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止する開口部封止工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ、コピー機、カーナビゲーション等の機器において、液晶ディスプレイの画面上に配置し、透視した画面の指示に従って使用者が情報の表示画面を指やペン等で直接押してデータを入力するタッチパネルに関し、特に、ニュートンリング環が発生せず、入力エリアも確保されるタッチパネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置一体型の入力スイッチとしてのタッチパネルは、表示装置の表示面上に配置されて使用される。前記タッチパネルは、可撓性を有する透明基板とその下面に形成された透明電極とからなる上基板と、透明基板とその上面に形成された透明電極とからなる下基板とが、所定の空間を隔てて透明電極同士が対面するように配置されシール剤で貼着されている。更に、前記下基板の透明電極上には、マトリックス状にドットスペーサが配置されている。
【0003】
このタッチパネルにおいて、上基板の上部を入力ペンまたは指で押圧したとき、上基板が撓んでその押圧点において上基板の透明電極が下基板の透明電極と接触する。そして、その接触点の座標が電気抵抗の測定によって検知されて、入力情報が読取られる。このような従来技術のうちガラス基板を用いたタッチパネルを図7に示す。以下、図を用いて従来技術のタッチパネルについて説明する。
【0004】
図7は、上下基板1、2をシール剤6で貼着したタッチパネル10を示す図で、図7(a)は、平面図、図7(b)は、図7(a)におけるD−D断面図である。図7に示すように、前記タッチパネル10は、可撓性を有する透明ガラス材からなる上基板1と透明ガラス材からなる下基板2とを前記透明電極3、4同士が互いに対向するようにシール剤6を介して配置し、前記上下基板1、2の周辺部が8〜12μm程度の一定間隔を保つように、前記シール剤6で貼着されている。前記シール剤6には前記上下基板1、2の周辺部の一部にシール剤6の開口部6aが設けられており、前記上下基板1、2を貼着後、前記シール剤6の開口部6aが封止部材70で封止されている。
【0005】
前記シール剤6は、エポキシ樹脂接着剤等が選択され、1〜2.5mmの範囲の幅で形成される。又、このシール剤6には、所要の大きさのプラスチックボールやファイバーガラス等のスペーサ部材が分散されており、このスペーサ部材でもって前記上基板1と前記下基板2とを所要の間隔に保持する役目を成している。
【0006】
前記下基板2は、厚みが1.1mmのソーダガラス板からなり、このソーダガラス板に透明電極4と、透明電極4に電気的に接続される引き回し電極8a、8bとが形成されている。前記引き回し電極8a、8bの他端は下基板2の一辺においてまとめられ、コネクタ9の端部と接続されている。前記透明電極4は、厚みが50Å〜4000Å程度のITO膜をスパッタリング或いはCVD等により成膜し、エッチング加工によりパターン形成される。又、前記引き回し電極8a、8bは、厚さ1〜20μm程度の銀ペースト膜を印刷、130℃で約60分焼成して形成される。
【0007】
更に、前記透明電極4の表面上には、ドットスペーサ5がマトリックス状に配列されている。前記ドットスペーサ5は、大きさが30〜40μm程度の円形の形状で、基板からの高さが7〜12μm程度に設定されている。更に、前記ドットスペーサ5同士の中心間距離は4〜5mm程度に設定されている。また、ドットスペーサ5はエポキシ樹脂系の紫外線硬化型樹脂をマトリックス状に印刷し、紫外線を照射して硬化させ形成される。
【0008】
前記上基板1は、厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなり、下基板2と同様に透明電極3、引き回し電極7a、7bが形成されている。前記上基板1として使用されるマイクロガラスついては、ホウケイ酸ガラス等が例としてあげられる。
以上の製造方法によって、従来技術におけるタッチパネルが製作される。
【0009】
以上、説明した従来例のタッチパネル10は、手、或いは入力ペン等の入力手段により上基板1を押圧し、前記上基板1の透明電極3の何れか1点が下基板2の透明電極4に接触することにより、両透明電極が相互通電される。これにより、制御装置が、その位置の抵抗値によって変化された電圧値を読みとり、電位差の変化に応じて位置座標を読み込む構成となっている。このため、タッチパネルの入力側の上基板1は、常に下基板2側に押し付けられる力が働くので長期間の使用では前記上基板1が下基板2に接触する方向に変形し、絶縁性が徐々に低下し誤動作の原因となって耐久性を低下させることが問題となっていた。また、これに伴って、上基板1の撓んだ部分を中心にして同心円状の干渉縞、即ちニュートンリング環が発生する。このニュートンリング環は、見栄えが悪く、感覚的にも不快で入力動作を遅らせたり誤入力したりすることが問題となっていた。
【0010】
この問題の対策の第1例として、図8に示すようにタッチパネル100の横方向両端に沿って、線状凸起107を内設して、透明樹脂フィルムからなる上基板101を外側に向かって微少湾曲するようにシール剤106を介して下基板102に対向配置しニュートンリング環の発生を防止した例が登録実用新案公報(第3048333号公報)に開示されている。
【0011】
また、第2例として図9に示すようにタッチパネル110における上基板111の上面にシール剤116で固定された外周部分とその内側部分に跨るように上基板111よりも収縮率の大きい皮膜層119を形成し、この皮膜層119によって上基板111が下基板112側から離れる方向に強制的に引張り上げられた状態に保持しニュートンリング環の発生を防止したタッチパネル110の例が公開特許公報(特開平10−63428号公報)に開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タッチパネルにおけるニュートンリング環の発生防止対策として開示されている第1の例である下基板102に対して上基板101が凸状に湾曲するように構成する技術は、上基板101の材質の対象を透明樹脂フィルムに限定している。従って、上基板に可撓性の低いガラス基板を用いたタッチパネルでは、透明樹脂フィルムを用いたものに比べ固定電極と可動電極の隙間を大幅に少なく(10μm前後)設定する必要があり、単に凸状に湾曲させた形状ではアクティブエリア内での押圧力が場所により変化するなどの問題があり、単純に凸状に湾曲させたのでは中央付近での下側電極と上側電極との隙間が相対的に大きくなってしまい、この付近の押圧力を上昇させる問題があった。また上基板を単に円弧状に湾曲させた形状では液晶ディスプレイの視認画面に歪みが生じるとの問題があった。さらに可撓性の低いガラス材からなる上基板に湾曲形状を与える技術についても十分確立されていなかった。
【0013】
また、第2の例である上基板111よりも収縮率の大きい皮膜層119で上基板111を強制的に引張り上げる技術は、上基板に透明樹脂フィルムを用いた場合は有効であるが、可撓性の低いガラス基板においては皮膜層を多めに配設しなければならず、入力エリアの縮小につながるという問題があった。
【0014】
(発明の目的)
本発明はこれらの従来の課題を解決し、上基板に用いる材料に限定されることなく、ニュートンリング環が発生せず、入力エリアも確保され、画面の視認品質も良好で、且つ書き味が良く、耐久性に優れるタッチパネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に係わるタッチパネルは、一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置され、タッチ入力側基板である前記上基板が外側に凸状湾曲した状態にシール剤で貼着されたタッチパネルにおいて、前記上基板の断面形状である前記凸状湾曲形状が略台形形状となっていることを特徴とする。
【0016】
又、請求項2に係わるタッチパネルの製造方法は、一対の透明電極を配設したガラス材からなる上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、上下基板の外周の一部に開口部を設けて前記上下基板をシール剤で貼着する工程と、前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板の略台形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止する開口部封止工程とを有することを特徴とする。
【0017】
又、請求項3の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を貼着したシール剤の開口部より所定の圧力の気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0018】
又、請求項4の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を貼着したシール剤の開口部より徐々に圧力を加えて気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0019】
又、請求項5の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を上下基板及びシール剤で形成された内部空間より低い気圧に設定されている空間に一定時間放置し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0020】
又、請求項6の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を密閉状態の空間に放置し該空間を徐々に減圧することによって前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0021】
又、請求項7の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、一対の透明電極を配設したガラス材からなる上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、上基板と下基板とを外周の一部に開口部を設けてシール剤を介して重ね合わせる工程と、前記重ね合わされた上下基板を所定の時間、加熱、加圧して前記シール剤を仮焼成する工程と、前記上下基板への加圧力を解除し、上下基板を常温まで冷却する工程と、前記加圧力を解除した状態の上下基板を加熱しながら前記シール剤の開口部より所定の圧力の気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板の略台形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止する開口部封止工程とを有することを特徴とする。
【0022】
又、請求項8の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記加圧力を解除した状態の上下基板を加熱しながら前記シール剤の開口部より徐々に圧力を加えて気体を注入し、前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0023】
又、請求項9の発明に係わるタッチパネルは、請求項2から請求項8のうちのいずれか1項に記載のタッパネルの製造方法により製造されることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態におけるタッチパネルを示す。以下、図を用いて説明するが、従来例と同じ構成要素には、同一番号を付し説明は省略する。
【0025】
図1は、上下基板11、2をシール剤63で貼着したタッチパネル20を示す図で、図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。図1に示すように、本実施形態におけるタッチパネル20は、上基板111と下基板2とを透明電極3、4同士が互いに対向するようにシール剤63を介して配置し、前記シール剤63で貼着されており、前記上基板11が外側に湾曲し且つ前記上基板11の断面形状が略台形形状となっていることを特徴とする。
【0026】
前記上基板11は、厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなり、透明電極3、引き回し電極7a、7bが形成されている。また、前記上基板11は、下基板2との隙間が周辺部に対して中央付近で大きい湾曲形状に形成されており、この湾曲形状は周辺部の変形に対して中央付近での変形が小さい、いわゆる略台形形状をなしている。前記上基板11と下基板2との隙間は、周辺部で8〜12μm、中央付近では、周辺部よりも10〜30μ大きく設定されている。
【0027】
前記シール剤63は、エポキシ樹脂接着剤等が選択され、幅は0.8〜1mmの範囲の幅で形成され、従来例より少ない設定となっている。このようにシール剤63の幅を小さくし前記シール剤63の機械的強度を下げて撓みやすくすることによって、上基板11の周辺部の撓み量を中央付近の撓み量より大きく設定することが容易となり、上基板11の断面形状を略台形形状に変形し易くすることができる。尚、その他の構成要素については、従来技術と同様であるため説明を省略する。
次に、本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
図2、図3、図4、図5は、第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法を説明するための図である。以下、図を用いて本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0029】
図2は、下基板2の製造工程を説明するための図で、図2(a)は、下基板2の平面図、図2(b)は、図2(a)におけるB−B断面図である。図2に示すように、厚みが1.1mmのソーダガラス板からなる下基板2に透明電極4を形成する。前記透明電極4は、厚みが50Å〜4000Å程度のITO膜をスパッタリング或いはCVD等により成膜し、エッチング加工によりパターン形成される。
【0030】
次に、前記透明電極4に電気的に接続される引き回し電極8a、8bを形成する。前記引き回し電極8a、8bは、厚さ1〜20μm程度の銀ペースト膜を印刷、130℃で約60分焼成して形成する。
次に、前記透明電極4の表面上に形成さされるドットスペーサー5を形成する。前記ドットスペーサー5は、大きさが30〜40μm程度の四角または円形等の形状で厚さが3〜12μm程度のアクリル系レジストを4〜5mm程度の間隔で均一にフォトリソグラフィプロセスによりパターン形成する。叉、前記ドットスペーサー5は、印刷による光硬化型樹脂とすることもできる。
【0031】
更に、前記ドットスペーサー5を形成した後、前記下基板2の周辺部にシール剤60を印刷する。前記シール剤60は、上基板1と下基板2とを貼り合わせるためのもので、エポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等が選択され、スクリーン印刷等の方法で、通常よりやや少な目の0.8〜1.0mmの範囲の幅に形成する。このシール剤60には、所要の大きさのプラスチックボールやファイバーガラス等のスペーサ部材が分散されており、このスペーサ部材でもって前記上基板11と前記下基板2とを所要の間隔に保持する役目を成している。叉、前記下基板2の周辺部の一部にシール剤60の開口部60aを設ける。
【0032】
図3は、上基板11aの製造工程を説明するための図で、図3(a)は、上基板11aの平面図、図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図である。 図3に示すように厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなる上基板11aに、下基板2と同様に透明電極3、引き回し電極7a、7bを形成する。前記上基板11aとして使用されるマイクロガラスついては、ホウケイ酸ガラス等が例としてあげられる。
【0033】
図4は、前記下基板2に上基板11aを貼着する工程を説明するための図である。図4(a)は、前記下基板2に上基板11aを重ね合わせる工程を示す。図4(a)に示すようにシール剤60が印刷されている下基板2を下にして、前記シール剤60を介して前記上基板11aを重ね合わせ上下基板20aとする。この時、前記下基板2に形成されている透明電極4と前記上基板11aに形成されている透明電極3とが互いに対向するように配置する。
【0034】
次に図5に示すように、硬化治具9に重ね合わせた上下基板20aをセットし、加熱温度150℃、加圧力0.2〜0.25kg/cm2 で、60〜90分間保持しシール剤60を焼成する。その後、徐冷工程を経て図4(b)に示すように、上下基板20bの周辺部が、8〜12μ程度の一定間隔を保ってシール剤63で貼着される。
【0035】
次に、シール剤63の開口部60aより約1.2気圧の空気を注入し、上基板11aを外側に膨らむ略台形形状に変形させ、この略台形形状を保持した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止部材70で封止する。空気を注入する時間は、上基板11aが外側に膨らむ変形量によって決められ、この変形量の測定には周知の光学式近接センサー等の非接触にて膨らみ量の計測が可能な計測手段が用いられる。接触式センサーでは計測器自体の測定力の影響により膨らみ量の正確な計測が難しいためこの場合は適当ではない。この変形量は、上基板の大きさによって異なるが周辺部と中央部との差が10〜30μm程度になるように設定する。
【0036】
尚、この上基板11aの変形工程においては、前記シール剤60の幅の設定が重要である。前述したように前記シール剤60の幅は0.8〜1.0mmと通常より小さく設定されている。これによってシール剤60の機械的強度を下げて撓みやすくすることによって上基板11aの周辺部の撓み量を中央部より大きく設定することが可能となり、断面が略台形形状を得ることができる。
【0037】
また、前記開口部60aを封止する工程においては、一旦過剰なレベル(20〜40μm)になるまで上基板11aを膨らませて、所望の湾曲状態に復帰するのを待って封止することで所定の略台形形状を得ることが出来る。以上の製造工程によって、図4(c)に示すように上基板11bが外側に湾曲し且つ断面形状が略台形形状をなすタッチパネル20が実現される。
【0038】
尚、前記上基板の変形工程においては、前述したように空気を注入する速度を緩やかにすることによって上基板の変形形状を単純な円弧形状ではなく、周辺部より大きく湾曲し、中央付近の変形が小さい台形に近い湾曲形状、いわゆる略台形形状となることが実験によって確認されている。
また、前記シール剤63の開口部60aより空気を注入する場合、注入する空気の圧力を徐々に増加させることにより、より台形に近い湾曲形状が得られることも実験によって確認されている。従って、空気の注入においては、注入圧力を徐々に増加させながら注入速度は緩やかに行うことが好ましい。
【0039】
以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルの製造方法によれば、シール剤を焼成した後、シール剤の開口部より所定の圧力の空気を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ形状に変形させ、前記変形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止することによって、上基板が略台形形状に変形したタッチパネルを得ることが出来る。これによって上下基板の周辺部の隙間に対し中央付近での隙間が大きくなり、ニュートンリング環の発生が少なく耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。
更に、周辺部の変形に対して中央付近での変形が小さく形成されているためアクティブエリア内で押圧力が均一化され書き味の良いタッチパネルを提供することができ、アクティブエリア内での上基板の変形量が周辺部のそれに比較し、非常に少ないので、液晶ディスプレイの視認品質も良好であるなど、入力側である上基板の断面形状が略台形形状を成していることは上記のようにタッチパネルの諸品質及び特性の面で理想的な形状である。
【0040】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態におけるタッチパネル製造方法について説明する。本実施形態におけるタッチパネルの製造方法は、上下基板の貼着工程において上基板の変形方法が第1の実施形態と異なっており、その他は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0041】
まず、前述した第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同じく図4(b)に示すように、下基板2に前記シール剤60を介して上基板11aを重ね合わせ、上下基板20bの周辺部を8〜12μ程度の一定間隔を保ってシール剤63で貼着する。
【0042】
次に、前記上下基板20bを真空装置等の密閉状態の空間に放置し、この密閉空間を1〜2時間かけて徐々に減圧することによって前記上基板11aの断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる。前記密閉空間を減圧すると、減圧に従って上下基板20bの内部の空気がシール剤63の開口部60aより噴出して圧力バランスが平衡になる状態に進行し、上下基板20bの内部の気圧も低下する。前記シール剤63の開口部60aの大きさは高さが約0.01mm、幅は5mm〜10mm程度と小さいので前記開口部60aから漏れる空気の速度は遅い。そこで、上下基板20bの内部の気圧が低下する速度より早い速度で前記密閉空間の気圧を低下させることによって薄く強度の小さい上基板11aに膨らみが発生する。
【0043】
このようにして、上基板11aを過剰なレベルになるまで変形させた状態で密閉空間に一定時間(約2時間)放置し、その後、前記上基板11aを大気中に戻すと上基板11aとシール剤60に塑性的変形によって生じた変形、即ち外側に膨らむ略台形形状が形成される。この略台形形状を保持した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止部材70で封止することで所定の略台形形状を得ることが出来る。以上の製造工程によって、図4(c)に示すように上基板11bが外側に湾曲し且つ断面形状が略台形形状をなすタッチパネル20が実現される。
【0044】
尚、上基板を変形させるための減圧レベル、放置時間は、基板の大きさに厚さによって異なるが、本実施例においては0.7〜0.8気圧で、3時間放置することで、上基板の断面形状が略台形形状となることが実験によって確認されている。また、上基板の変形量の設定、変形量の測定方法は。第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルの製造方法においても第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様の効果が得られ、ニュートンリング環の発生が少なく耐久性に優れ書き味の良いタッチパネルを提供することが出来る。
【0045】
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。本実施形態におけるタッチパネルの製造方法は、上下基板の貼着工程及び上基板の変形工程が第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と異なっており、その他は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下、図を用いて本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0046】
図6は、本実施形態におけるタッチパネルの製造方法における下基板2と上基板11aとの貼着工程及び上基板11aの変形工程を示す図で、図6(a)は、前記下基板2にエポキシ樹脂からなるシール剤60を介して上基板11aを重ね合わせ上下基板30aとする工程を示す。この工程は、第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様であるため説明は省略する。
【0047】
次に第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様に図5に示す硬化治具50を用いて、重ね合わせた上下基板30aを加熱温度90℃、加圧力0.5kg/cm2 で30分間保持することによってシール剤60を仮焼成する。その後、徐冷工程を経て図6(b)に示すように、上下基板30bの周辺部が、8〜12μ程度の一定間隔を保ってシール剤61で仮貼着される。この時のシール剤61は、80%程度の硬化状態となっている。
【0048】
次に前記上下基板30bを80〜100℃に加熱しながら、シール剤61の開口部60aより約1.2気圧の空気を緩やかな速度で注入し、上基板11aを外側に膨らむ略台形形状に変形させ、この状態で約1時間程度保持する。この時、80%程度の硬化状態となっているシール剤61は、80〜100℃に加熱されると一旦軟化し、その後は熱によって反応が促進され硬化が進み、図6(c)に示すように上基板11bの湾曲形状に沿った形状でシール剤63が硬化される。その後、上基板11bが略台形形状に変形した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止部材70で封止する。以上の工程によって、上基板11bが外側に湾曲し且つ断面形状が略台形形状をなすタッチパネル30cが実現される。
【0049】
また、前記シール剤63の開口部60aより空気を注入する場合、注入する空気の圧力を徐々に増加させることにより、より台形に近い湾曲形状が得られることも実験によって確認されている。従って、空気の注入においては、注入圧力を徐々に増加させながら注入速度は緩やかに行うことが好ましい。尚、上基板の変形量の設定、変形量の測定方法は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0050】
以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルの製造方法によれば、シール剤63の硬化が終了するタイミングに合わせて上基板11bの変形工程を行うことによりシール剤63が上基板11bの湾曲形状に沿った状態で硬化するため、上基板11bの略台形形状が半永久的に維持され、耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。また、本実施形態におけるタッチパネルの製造方法においても第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様の効果が得られ、ニュートンリング環の発生が少なく耐久性に優れ書き味の良いタッチパネルを提供することが出来る。
【0051】
尚、各実施形態においては上基板の材料としてホウケイ酸ガラスを例として説明し、下基板の材料をソーダガラスを例として説明したが、これに限定されるものではなく、その他のガラス材料を使用出来ることは言うまでもない。
また、上基板の材料として透明樹脂基板を用いた場合においても、上基板の変形量の設定が100μm程度とガラス材より大きいが、同様の製造方法によって上基板の断面形状が略台形形状となることが実験によって確認されており、ニュートンリング環の発生が少なく画面視認品質及び耐久性に優れ、書き味の良いタッチパネルを得ることが出来る。
【0052】
また、各実施形態においては、気体として空気を例として説明したが、これに限定されるものではなく、その他に不活性ガス等を用いても同様の効果を得ることが出来ることは云うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上本発明におけるタッチパネル及びその製造方法によれば、上基板が上下基板における周辺部の隙間に対し中央付近での隙間が大きい湾曲形状、いわゆる略台形形状に形成されているため、上基板に用いる材料に限定されることなくニュートンリング環の発生が少なく、液晶ディスプレイの画面視認品質、更には繰り返しの入力による押圧力によって上下基板の接近、短絡を防止できるため耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。
【0054】
更に、略台形形状に形成されている上基板においては、周辺部の変形に対して中央付近での変形が小さく形成されているためアクティブエリア内で押圧力が不均一となるのを防止し、書き味の良いタッチパネルを提供することが出来る。
又、シール剤の硬化が終了するタイミングに合わせて上基板の変形工程を行うことによりシール剤が上基板の湾曲形状に沿った状態で硬化するため、上基板の略台形形状が半永久的に維持され、耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるタッチパネルを示し、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A断面図である。示す平面図である。
【図2】本発明の第1、2の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、下基板にシール剤を印刷した状態を示す。図2(a)は下基板の平面図、図2(b)は図2(a)におけるB−B断面図である。
【図3】本発明の第1、2の実施形態における上基板の製造工程を示し、図3(a)は上基板の平面図、図3(b)は図3(a)におけるC−C断面図である。
【図4】本発明の第1、2の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、下基板と上基板とを重ね合わせ貼着する工程を示す断面図である。
【図5】本発明の第1、2の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、硬化治具に重ね合わせた上下基板をセットし、加圧・加熱する工程を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、下基板と上基板とを重ね合わせ貼着する工程を示す断面図である。
【図7】従来技術におけるタッチパネルを示し、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)におけるD−D断面図である。
【図8】従来技術のタッチパネルの第1例を示す断面図である。
【図9】従来技術のタッチパネルの第2例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 上基板
2 下基板
3 透明電極
4 透明電極
5 ドットスペーサ
6 シール剤
6a シール剤の開口部
7a、7b 引き回し電極
8a、8b 引き回し電極
9 コネクタ
10、20 タッチパネル
11、11a、11b 上基板
20a、20b 上下基板
30a、30b、30c 上下基板
50 硬化治具
60、61、63 シール剤
60a シール剤の開口部
70 封止部材
100 110 タッチパネル
101、111 上基板
102、112 下基板
107 線状凸起
119 被膜層
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ、コピー機、カーナビゲーション等の機器において、液晶ディスプレイの画面上に配置し、透視した画面の指示に従って使用者が情報の表示画面を指やペン等で直接押してデータを入力するタッチパネルに関し、特に、ニュートンリング環が発生せず、入力エリアも確保されるタッチパネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置一体型の入力スイッチとしてのタッチパネルは、表示装置の表示面上に配置されて使用される。前記タッチパネルは、可撓性を有する透明基板とその下面に形成された透明電極とからなる上基板と、透明基板とその上面に形成された透明電極とからなる下基板とが、所定の空間を隔てて透明電極同士が対面するように配置されシール剤で貼着されている。更に、前記下基板の透明電極上には、マトリックス状にドットスペーサが配置されている。
【0003】
このタッチパネルにおいて、上基板の上部を入力ペンまたは指で押圧したとき、上基板が撓んでその押圧点において上基板の透明電極が下基板の透明電極と接触する。そして、その接触点の座標が電気抵抗の測定によって検知されて、入力情報が読取られる。このような従来技術のうちガラス基板を用いたタッチパネルを図7に示す。以下、図を用いて従来技術のタッチパネルについて説明する。
【0004】
図7は、上下基板1、2をシール剤6で貼着したタッチパネル10を示す図で、図7(a)は、平面図、図7(b)は、図7(a)におけるD−D断面図である。図7に示すように、前記タッチパネル10は、可撓性を有する透明ガラス材からなる上基板1と透明ガラス材からなる下基板2とを前記透明電極3、4同士が互いに対向するようにシール剤6を介して配置し、前記上下基板1、2の周辺部が8〜12μm程度の一定間隔を保つように、前記シール剤6で貼着されている。前記シール剤6には前記上下基板1、2の周辺部の一部にシール剤6の開口部6aが設けられており、前記上下基板1、2を貼着後、前記シール剤6の開口部6aが封止部材70で封止されている。
【0005】
前記シール剤6は、エポキシ樹脂接着剤等が選択され、1〜2.5mmの範囲の幅で形成される。又、このシール剤6には、所要の大きさのプラスチックボールやファイバーガラス等のスペーサ部材が分散されており、このスペーサ部材でもって前記上基板1と前記下基板2とを所要の間隔に保持する役目を成している。
【0006】
前記下基板2は、厚みが1.1mmのソーダガラス板からなり、このソーダガラス板に透明電極4と、透明電極4に電気的に接続される引き回し電極8a、8bとが形成されている。前記引き回し電極8a、8bの他端は下基板2の一辺においてまとめられ、コネクタ9の端部と接続されている。前記透明電極4は、厚みが50Å〜4000Å程度のITO膜をスパッタリング或いはCVD等により成膜し、エッチング加工によりパターン形成される。又、前記引き回し電極8a、8bは、厚さ1〜20μm程度の銀ペースト膜を印刷、130℃で約60分焼成して形成される。
【0007】
更に、前記透明電極4の表面上には、ドットスペーサ5がマトリックス状に配列されている。前記ドットスペーサ5は、大きさが30〜40μm程度の円形の形状で、基板からの高さが7〜12μm程度に設定されている。更に、前記ドットスペーサ5同士の中心間距離は4〜5mm程度に設定されている。また、ドットスペーサ5はエポキシ樹脂系の紫外線硬化型樹脂をマトリックス状に印刷し、紫外線を照射して硬化させ形成される。
【0008】
前記上基板1は、厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなり、下基板2と同様に透明電極3、引き回し電極7a、7bが形成されている。前記上基板1として使用されるマイクロガラスついては、ホウケイ酸ガラス等が例としてあげられる。
以上の製造方法によって、従来技術におけるタッチパネルが製作される。
【0009】
以上、説明した従来例のタッチパネル10は、手、或いは入力ペン等の入力手段により上基板1を押圧し、前記上基板1の透明電極3の何れか1点が下基板2の透明電極4に接触することにより、両透明電極が相互通電される。これにより、制御装置が、その位置の抵抗値によって変化された電圧値を読みとり、電位差の変化に応じて位置座標を読み込む構成となっている。このため、タッチパネルの入力側の上基板1は、常に下基板2側に押し付けられる力が働くので長期間の使用では前記上基板1が下基板2に接触する方向に変形し、絶縁性が徐々に低下し誤動作の原因となって耐久性を低下させることが問題となっていた。また、これに伴って、上基板1の撓んだ部分を中心にして同心円状の干渉縞、即ちニュートンリング環が発生する。このニュートンリング環は、見栄えが悪く、感覚的にも不快で入力動作を遅らせたり誤入力したりすることが問題となっていた。
【0010】
この問題の対策の第1例として、図8に示すようにタッチパネル100の横方向両端に沿って、線状凸起107を内設して、透明樹脂フィルムからなる上基板101を外側に向かって微少湾曲するようにシール剤106を介して下基板102に対向配置しニュートンリング環の発生を防止した例が登録実用新案公報(第3048333号公報)に開示されている。
【0011】
また、第2例として図9に示すようにタッチパネル110における上基板111の上面にシール剤116で固定された外周部分とその内側部分に跨るように上基板111よりも収縮率の大きい皮膜層119を形成し、この皮膜層119によって上基板111が下基板112側から離れる方向に強制的に引張り上げられた状態に保持しニュートンリング環の発生を防止したタッチパネル110の例が公開特許公報(特開平10−63428号公報)に開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タッチパネルにおけるニュートンリング環の発生防止対策として開示されている第1の例である下基板102に対して上基板101が凸状に湾曲するように構成する技術は、上基板101の材質の対象を透明樹脂フィルムに限定している。従って、上基板に可撓性の低いガラス基板を用いたタッチパネルでは、透明樹脂フィルムを用いたものに比べ固定電極と可動電極の隙間を大幅に少なく(10μm前後)設定する必要があり、単に凸状に湾曲させた形状ではアクティブエリア内での押圧力が場所により変化するなどの問題があり、単純に凸状に湾曲させたのでは中央付近での下側電極と上側電極との隙間が相対的に大きくなってしまい、この付近の押圧力を上昇させる問題があった。また上基板を単に円弧状に湾曲させた形状では液晶ディスプレイの視認画面に歪みが生じるとの問題があった。さらに可撓性の低いガラス材からなる上基板に湾曲形状を与える技術についても十分確立されていなかった。
【0013】
また、第2の例である上基板111よりも収縮率の大きい皮膜層119で上基板111を強制的に引張り上げる技術は、上基板に透明樹脂フィルムを用いた場合は有効であるが、可撓性の低いガラス基板においては皮膜層を多めに配設しなければならず、入力エリアの縮小につながるという問題があった。
【0014】
(発明の目的)
本発明はこれらの従来の課題を解決し、上基板に用いる材料に限定されることなく、ニュートンリング環が発生せず、入力エリアも確保され、画面の視認品質も良好で、且つ書き味が良く、耐久性に優れるタッチパネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に係わるタッチパネルは、一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置され、タッチ入力側基板である前記上基板が外側に凸状湾曲した状態にシール剤で貼着されたタッチパネルにおいて、前記上基板の断面形状である前記凸状湾曲形状が略台形形状となっていることを特徴とする。
【0016】
又、請求項2に係わるタッチパネルの製造方法は、一対の透明電極を配設したガラス材からなる上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、上下基板の外周の一部に開口部を設けて前記上下基板をシール剤で貼着する工程と、前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板の略台形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止する開口部封止工程とを有することを特徴とする。
【0017】
又、請求項3の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を貼着したシール剤の開口部より所定の圧力の気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0018】
又、請求項4の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を貼着したシール剤の開口部より徐々に圧力を加えて気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0019】
又、請求項5の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を上下基板及びシール剤で形成された内部空間より低い気圧に設定されている空間に一定時間放置し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0020】
又、請求項6の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記上下基板を密閉状態の空間に放置し該空間を徐々に減圧することによって前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0021】
又、請求項7の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、一対の透明電極を配設したガラス材からなる上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、上基板と下基板とを外周の一部に開口部を設けてシール剤を介して重ね合わせる工程と、前記重ね合わされた上下基板を所定の時間、加熱、加圧して前記シール剤を仮焼成する工程と、前記上下基板への加圧力を解除し、上下基板を常温まで冷却する工程と、前記加圧力を解除した状態の上下基板を加熱しながら前記シール剤の開口部より所定の圧力の気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板の略台形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止する開口部封止工程とを有することを特徴とする。
【0022】
又、請求項8の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板変形工程が前記加圧力を解除した状態の上下基板を加熱しながら前記シール剤の開口部より徐々に圧力を加えて気体を注入し、前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする。
【0023】
又、請求項9の発明に係わるタッチパネルは、請求項2から請求項8のうちのいずれか1項に記載のタッパネルの製造方法により製造されることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態におけるタッチパネルを示す。以下、図を用いて説明するが、従来例と同じ構成要素には、同一番号を付し説明は省略する。
【0025】
図1は、上下基板11、2をシール剤63で貼着したタッチパネル20を示す図で、図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。図1に示すように、本実施形態におけるタッチパネル20は、上基板111と下基板2とを透明電極3、4同士が互いに対向するようにシール剤63を介して配置し、前記シール剤63で貼着されており、前記上基板11が外側に湾曲し且つ前記上基板11の断面形状が略台形形状となっていることを特徴とする。
【0026】
前記上基板11は、厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなり、透明電極3、引き回し電極7a、7bが形成されている。また、前記上基板11は、下基板2との隙間が周辺部に対して中央付近で大きい湾曲形状に形成されており、この湾曲形状は周辺部の変形に対して中央付近での変形が小さい、いわゆる略台形形状をなしている。前記上基板11と下基板2との隙間は、周辺部で8〜12μm、中央付近では、周辺部よりも10〜30μ大きく設定されている。
【0027】
前記シール剤63は、エポキシ樹脂接着剤等が選択され、幅は0.8〜1mmの範囲の幅で形成され、従来例より少ない設定となっている。このようにシール剤63の幅を小さくし前記シール剤63の機械的強度を下げて撓みやすくすることによって、上基板11の周辺部の撓み量を中央付近の撓み量より大きく設定することが容易となり、上基板11の断面形状を略台形形状に変形し易くすることができる。尚、その他の構成要素については、従来技術と同様であるため説明を省略する。
次に、本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
図2、図3、図4、図5は、第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法を説明するための図である。以下、図を用いて本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0029】
図2は、下基板2の製造工程を説明するための図で、図2(a)は、下基板2の平面図、図2(b)は、図2(a)におけるB−B断面図である。図2に示すように、厚みが1.1mmのソーダガラス板からなる下基板2に透明電極4を形成する。前記透明電極4は、厚みが50Å〜4000Å程度のITO膜をスパッタリング或いはCVD等により成膜し、エッチング加工によりパターン形成される。
【0030】
次に、前記透明電極4に電気的に接続される引き回し電極8a、8bを形成する。前記引き回し電極8a、8bは、厚さ1〜20μm程度の銀ペースト膜を印刷、130℃で約60分焼成して形成する。
次に、前記透明電極4の表面上に形成さされるドットスペーサー5を形成する。前記ドットスペーサー5は、大きさが30〜40μm程度の四角または円形等の形状で厚さが3〜12μm程度のアクリル系レジストを4〜5mm程度の間隔で均一にフォトリソグラフィプロセスによりパターン形成する。叉、前記ドットスペーサー5は、印刷による光硬化型樹脂とすることもできる。
【0031】
更に、前記ドットスペーサー5を形成した後、前記下基板2の周辺部にシール剤60を印刷する。前記シール剤60は、上基板1と下基板2とを貼り合わせるためのもので、エポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等が選択され、スクリーン印刷等の方法で、通常よりやや少な目の0.8〜1.0mmの範囲の幅に形成する。このシール剤60には、所要の大きさのプラスチックボールやファイバーガラス等のスペーサ部材が分散されており、このスペーサ部材でもって前記上基板11と前記下基板2とを所要の間隔に保持する役目を成している。叉、前記下基板2の周辺部の一部にシール剤60の開口部60aを設ける。
【0032】
図3は、上基板11aの製造工程を説明するための図で、図3(a)は、上基板11aの平面図、図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図である。 図3に示すように厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなる上基板11aに、下基板2と同様に透明電極3、引き回し電極7a、7bを形成する。前記上基板11aとして使用されるマイクロガラスついては、ホウケイ酸ガラス等が例としてあげられる。
【0033】
図4は、前記下基板2に上基板11aを貼着する工程を説明するための図である。図4(a)は、前記下基板2に上基板11aを重ね合わせる工程を示す。図4(a)に示すようにシール剤60が印刷されている下基板2を下にして、前記シール剤60を介して前記上基板11aを重ね合わせ上下基板20aとする。この時、前記下基板2に形成されている透明電極4と前記上基板11aに形成されている透明電極3とが互いに対向するように配置する。
【0034】
次に図5に示すように、硬化治具9に重ね合わせた上下基板20aをセットし、加熱温度150℃、加圧力0.2〜0.25kg/cm2 で、60〜90分間保持しシール剤60を焼成する。その後、徐冷工程を経て図4(b)に示すように、上下基板20bの周辺部が、8〜12μ程度の一定間隔を保ってシール剤63で貼着される。
【0035】
次に、シール剤63の開口部60aより約1.2気圧の空気を注入し、上基板11aを外側に膨らむ略台形形状に変形させ、この略台形形状を保持した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止部材70で封止する。空気を注入する時間は、上基板11aが外側に膨らむ変形量によって決められ、この変形量の測定には周知の光学式近接センサー等の非接触にて膨らみ量の計測が可能な計測手段が用いられる。接触式センサーでは計測器自体の測定力の影響により膨らみ量の正確な計測が難しいためこの場合は適当ではない。この変形量は、上基板の大きさによって異なるが周辺部と中央部との差が10〜30μm程度になるように設定する。
【0036】
尚、この上基板11aの変形工程においては、前記シール剤60の幅の設定が重要である。前述したように前記シール剤60の幅は0.8〜1.0mmと通常より小さく設定されている。これによってシール剤60の機械的強度を下げて撓みやすくすることによって上基板11aの周辺部の撓み量を中央部より大きく設定することが可能となり、断面が略台形形状を得ることができる。
【0037】
また、前記開口部60aを封止する工程においては、一旦過剰なレベル(20〜40μm)になるまで上基板11aを膨らませて、所望の湾曲状態に復帰するのを待って封止することで所定の略台形形状を得ることが出来る。以上の製造工程によって、図4(c)に示すように上基板11bが外側に湾曲し且つ断面形状が略台形形状をなすタッチパネル20が実現される。
【0038】
尚、前記上基板の変形工程においては、前述したように空気を注入する速度を緩やかにすることによって上基板の変形形状を単純な円弧形状ではなく、周辺部より大きく湾曲し、中央付近の変形が小さい台形に近い湾曲形状、いわゆる略台形形状となることが実験によって確認されている。
また、前記シール剤63の開口部60aより空気を注入する場合、注入する空気の圧力を徐々に増加させることにより、より台形に近い湾曲形状が得られることも実験によって確認されている。従って、空気の注入においては、注入圧力を徐々に増加させながら注入速度は緩やかに行うことが好ましい。
【0039】
以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルの製造方法によれば、シール剤を焼成した後、シール剤の開口部より所定の圧力の空気を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ形状に変形させ、前記変形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止することによって、上基板が略台形形状に変形したタッチパネルを得ることが出来る。これによって上下基板の周辺部の隙間に対し中央付近での隙間が大きくなり、ニュートンリング環の発生が少なく耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。
更に、周辺部の変形に対して中央付近での変形が小さく形成されているためアクティブエリア内で押圧力が均一化され書き味の良いタッチパネルを提供することができ、アクティブエリア内での上基板の変形量が周辺部のそれに比較し、非常に少ないので、液晶ディスプレイの視認品質も良好であるなど、入力側である上基板の断面形状が略台形形状を成していることは上記のようにタッチパネルの諸品質及び特性の面で理想的な形状である。
【0040】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態におけるタッチパネル製造方法について説明する。本実施形態におけるタッチパネルの製造方法は、上下基板の貼着工程において上基板の変形方法が第1の実施形態と異なっており、その他は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0041】
まず、前述した第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同じく図4(b)に示すように、下基板2に前記シール剤60を介して上基板11aを重ね合わせ、上下基板20bの周辺部を8〜12μ程度の一定間隔を保ってシール剤63で貼着する。
【0042】
次に、前記上下基板20bを真空装置等の密閉状態の空間に放置し、この密閉空間を1〜2時間かけて徐々に減圧することによって前記上基板11aの断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる。前記密閉空間を減圧すると、減圧に従って上下基板20bの内部の空気がシール剤63の開口部60aより噴出して圧力バランスが平衡になる状態に進行し、上下基板20bの内部の気圧も低下する。前記シール剤63の開口部60aの大きさは高さが約0.01mm、幅は5mm〜10mm程度と小さいので前記開口部60aから漏れる空気の速度は遅い。そこで、上下基板20bの内部の気圧が低下する速度より早い速度で前記密閉空間の気圧を低下させることによって薄く強度の小さい上基板11aに膨らみが発生する。
【0043】
このようにして、上基板11aを過剰なレベルになるまで変形させた状態で密閉空間に一定時間(約2時間)放置し、その後、前記上基板11aを大気中に戻すと上基板11aとシール剤60に塑性的変形によって生じた変形、即ち外側に膨らむ略台形形状が形成される。この略台形形状を保持した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止部材70で封止することで所定の略台形形状を得ることが出来る。以上の製造工程によって、図4(c)に示すように上基板11bが外側に湾曲し且つ断面形状が略台形形状をなすタッチパネル20が実現される。
【0044】
尚、上基板を変形させるための減圧レベル、放置時間は、基板の大きさに厚さによって異なるが、本実施例においては0.7〜0.8気圧で、3時間放置することで、上基板の断面形状が略台形形状となることが実験によって確認されている。また、上基板の変形量の設定、変形量の測定方法は。第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルの製造方法においても第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様の効果が得られ、ニュートンリング環の発生が少なく耐久性に優れ書き味の良いタッチパネルを提供することが出来る。
【0045】
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。本実施形態におけるタッチパネルの製造方法は、上下基板の貼着工程及び上基板の変形工程が第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と異なっており、その他は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下、図を用いて本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0046】
図6は、本実施形態におけるタッチパネルの製造方法における下基板2と上基板11aとの貼着工程及び上基板11aの変形工程を示す図で、図6(a)は、前記下基板2にエポキシ樹脂からなるシール剤60を介して上基板11aを重ね合わせ上下基板30aとする工程を示す。この工程は、第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様であるため説明は省略する。
【0047】
次に第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様に図5に示す硬化治具50を用いて、重ね合わせた上下基板30aを加熱温度90℃、加圧力0.5kg/cm2 で30分間保持することによってシール剤60を仮焼成する。その後、徐冷工程を経て図6(b)に示すように、上下基板30bの周辺部が、8〜12μ程度の一定間隔を保ってシール剤61で仮貼着される。この時のシール剤61は、80%程度の硬化状態となっている。
【0048】
次に前記上下基板30bを80〜100℃に加熱しながら、シール剤61の開口部60aより約1.2気圧の空気を緩やかな速度で注入し、上基板11aを外側に膨らむ略台形形状に変形させ、この状態で約1時間程度保持する。この時、80%程度の硬化状態となっているシール剤61は、80〜100℃に加熱されると一旦軟化し、その後は熱によって反応が促進され硬化が進み、図6(c)に示すように上基板11bの湾曲形状に沿った形状でシール剤63が硬化される。その後、上基板11bが略台形形状に変形した状態で前記シール剤63の開口部60aを封止部材70で封止する。以上の工程によって、上基板11bが外側に湾曲し且つ断面形状が略台形形状をなすタッチパネル30cが実現される。
【0049】
また、前記シール剤63の開口部60aより空気を注入する場合、注入する空気の圧力を徐々に増加させることにより、より台形に近い湾曲形状が得られることも実験によって確認されている。従って、空気の注入においては、注入圧力を徐々に増加させながら注入速度は緩やかに行うことが好ましい。尚、上基板の変形量の設定、変形量の測定方法は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0050】
以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルの製造方法によれば、シール剤63の硬化が終了するタイミングに合わせて上基板11bの変形工程を行うことによりシール剤63が上基板11bの湾曲形状に沿った状態で硬化するため、上基板11bの略台形形状が半永久的に維持され、耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。また、本実施形態におけるタッチパネルの製造方法においても第1の実施形態におけるタッチパネルの製造方法と同様の効果が得られ、ニュートンリング環の発生が少なく耐久性に優れ書き味の良いタッチパネルを提供することが出来る。
【0051】
尚、各実施形態においては上基板の材料としてホウケイ酸ガラスを例として説明し、下基板の材料をソーダガラスを例として説明したが、これに限定されるものではなく、その他のガラス材料を使用出来ることは言うまでもない。
また、上基板の材料として透明樹脂基板を用いた場合においても、上基板の変形量の設定が100μm程度とガラス材より大きいが、同様の製造方法によって上基板の断面形状が略台形形状となることが実験によって確認されており、ニュートンリング環の発生が少なく画面視認品質及び耐久性に優れ、書き味の良いタッチパネルを得ることが出来る。
【0052】
また、各実施形態においては、気体として空気を例として説明したが、これに限定されるものではなく、その他に不活性ガス等を用いても同様の効果を得ることが出来ることは云うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上本発明におけるタッチパネル及びその製造方法によれば、上基板が上下基板における周辺部の隙間に対し中央付近での隙間が大きい湾曲形状、いわゆる略台形形状に形成されているため、上基板に用いる材料に限定されることなくニュートンリング環の発生が少なく、液晶ディスプレイの画面視認品質、更には繰り返しの入力による押圧力によって上下基板の接近、短絡を防止できるため耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。
【0054】
更に、略台形形状に形成されている上基板においては、周辺部の変形に対して中央付近での変形が小さく形成されているためアクティブエリア内で押圧力が不均一となるのを防止し、書き味の良いタッチパネルを提供することが出来る。
又、シール剤の硬化が終了するタイミングに合わせて上基板の変形工程を行うことによりシール剤が上基板の湾曲形状に沿った状態で硬化するため、上基板の略台形形状が半永久的に維持され、耐久性に優れたタッチパネルを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるタッチパネルを示し、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A断面図である。示す平面図である。
【図2】本発明の第1、2の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、下基板にシール剤を印刷した状態を示す。図2(a)は下基板の平面図、図2(b)は図2(a)におけるB−B断面図である。
【図3】本発明の第1、2の実施形態における上基板の製造工程を示し、図3(a)は上基板の平面図、図3(b)は図3(a)におけるC−C断面図である。
【図4】本発明の第1、2の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、下基板と上基板とを重ね合わせ貼着する工程を示す断面図である。
【図5】本発明の第1、2の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、硬化治具に重ね合わせた上下基板をセットし、加圧・加熱する工程を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態におけるタッチパネルの製造工程を示し、下基板と上基板とを重ね合わせ貼着する工程を示す断面図である。
【図7】従来技術におけるタッチパネルを示し、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)におけるD−D断面図である。
【図8】従来技術のタッチパネルの第1例を示す断面図である。
【図9】従来技術のタッチパネルの第2例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 上基板
2 下基板
3 透明電極
4 透明電極
5 ドットスペーサ
6 シール剤
6a シール剤の開口部
7a、7b 引き回し電極
8a、8b 引き回し電極
9 コネクタ
10、20 タッチパネル
11、11a、11b 上基板
20a、20b 上下基板
30a、30b、30c 上下基板
50 硬化治具
60、61、63 シール剤
60a シール剤の開口部
70 封止部材
100 110 タッチパネル
101、111 上基板
102、112 下基板
107 線状凸起
119 被膜層
Claims (9)
- 一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置され、タッチ入力側基板である前記上基板が外側に凸状湾曲した状態にシール剤で貼着されたタッチパネルにおいて、
前記上基板の断面形状である前記凸状湾曲形状が略台形形状となっていることを特徴とするタッチパネル。 - 一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、
上下基板の外周の一部に開口部を設けて前記上下基板をシール剤で貼着する工程と、前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板の略台形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止する開口部封止工程とを有することを特徴とするタッチパネルの製造方法。 - 前記上基板変形工程は、前記上下基板を貼着したシール剤の開口部より所定の圧力の気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする請求項2記載のタッチパネルの製造方法。
- 前記上基板変形工程は、前記上下基板を貼着したシール剤の開口部より徐々に圧力を加えて気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする請求項2記載のタッチパネルの製造方法。
- 前記上基板変形工程は、前記上下基板を上下基板及びシール剤で形成された内部空間より低い気圧に設定されている空間に一定時間放置し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする請求項2記載のタッチパネルの製造方法。
- 前記上基板変形工程は、前記上下基板を密閉状態の空間に放置し該空間を徐々に減圧することによって前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする請求項2記載のタッチパネルの製造方法。
- 一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極が対向するように隙間を設けて配置し、シール剤で貼着するタッチパネルの製造方法において、
上基板と下基板とを外周の一部に開口部を設けてシール剤を介して重ね合わせる工程と、前記重ね合わされた上下基板を所定の時間、加熱、加圧して前記シール剤を仮焼成する工程と、前記上下基板への加圧力を解除し、上下基板を常温まで冷却する工程と、前記加圧力を解除した状態の上下基板を加熱しながら前記シール剤の開口部より所定の圧力の気体を注入し前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させる上基板変形工程と、前記上基板の略台形形状を保持した状態で前記シール剤の開口部を封止する開口部封止工程とを有することを特徴とするタッチパネルの製造方法。 - 前記上基板変形工程は、前記加圧力を解除した状態の上下基板を加熱しながら前記シール剤の開口部より徐々に圧力を加えて気体を注入し、前記上基板の断面形状を外側に膨らむ略台形形状に変形させることを特徴とする請求項7記載のタッチパネルの製造方法。
- 請求項2から請求項8のうちのいずれか1項に記載のタッチパネルの製造方法により製造されることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002276212A JP2004110749A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | タッチパネル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002276212A JP2004110749A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | タッチパネル及びその製造方法 |
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JP2004110749A true JP2004110749A (ja) | 2004-04-08 |
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JP2002276212A Pending JP2004110749A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | タッチパネル及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2004110749A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010150781A1 (ja) * | 2009-06-24 | 2010-12-29 | 日本写真印刷株式会社 | 電子機器表示窓のタッチ入力機能付き保護パネル |
-
2002
- 2002-09-20 JP JP2002276212A patent/JP2004110749A/ja active Pending
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WO2010150781A1 (ja) * | 2009-06-24 | 2010-12-29 | 日本写真印刷株式会社 | 電子機器表示窓のタッチ入力機能付き保護パネル |
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