JP2004109671A - 像担持体駆動装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】像担持体駆動装置において、部品点数を増加することなく、像担持体の速度むらをより一層低減する。
【解決手段】駆動モータの回転を、像担持体駆動軸74上に固定する第2タイミングプーリ(回転伝達部材)71を介して像担持体駆動軸に伝達し、その像担持体駆動軸で像担持体を駆動する。第2タイミングプーリ71として、像担持体駆動軸74をインサートして一体成形したものを用いる。像担持体駆動軸には、硫黄快削鋼を用いてつくるとよい。また、成形時に成形型の一部が入り込んでその軸方向の動きを規制する位置決め用係合部を形成するとよい。
【選択図】 図5
【解決手段】駆動モータの回転を、像担持体駆動軸74上に固定する第2タイミングプーリ(回転伝達部材)71を介して像担持体駆動軸に伝達し、その像担持体駆動軸で像担持体を駆動する。第2タイミングプーリ71として、像担持体駆動軸74をインサートして一体成形したものを用いる。像担持体駆動軸には、硫黄快削鋼を用いてつくるとよい。また、成形時に成形型の一部が入り込んでその軸方向の動きを規制する位置決め用係合部を形成するとよい。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンタやファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。特にそのうち、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング等を繰り返して逐次トナー画像を形成し、そのトナー画像を順次転写して、最終的に用紙・OHPフィルム等の記録媒体に画像を形成する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置において、画像を担持する像担持体の駆動を行う像担持体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式画像形成装置の像担持体駆動装置では、例えば図7(A)に示すように、像担持体駆動軸1を中心孔2に挿入して図中鎖線で示すように像担持体駆動軸1上にタイミングプーリ(回転伝達部材)3を取り付け、Eリング4で抜け止めしていた。そして、不図示の駆動モータの回転を、タイミングプーリ・ギヤ等の他のいくつかの回転伝達部材を介してタイミングプーリ3に伝達し、像担持体駆動軸1を回転して不図示の像担持体を駆動していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般にタイミングプーリ3は、樹脂成形品であるから、精度良く製作することができず、歯形誤差があり、またピッチ円に偏心があったり、ピッチ円の変形があったりしてピッチ円誤差を有しているのが普通である。
【0004】
このため、このような歯形誤差やピッチ円誤差のあるタイミングプーリ3を回転すると、像担持体表面の回転速度が周期的に変動する問題があった。例えば図7(B)に示すように、タイミングプーリ3のピッチ円誤差は振幅T1の大きなサインカーブを描き、ピッチ円誤差が大きいと、ピッチ円が大きいところでタイミングプーリ3の角速度が大きくなり、ピッチ円が小さいところで反対に角速度が小さくなる。
【0005】
これにより、像担持体駆動軸1の回転速度にもサインカーブの大きな速度むらを発生し、像担持体駆動軸1で駆動する像担持体にも大きな速度むらを生じていた。
【0006】
また、例えば図7(A)に示す従来例では、像担持体駆動軸1の端部5をフライス加工してD断面とする一方、タイミングプーリ3の中心孔2をD孔とし、その中心孔2に端部5を挿入する。しかし、樹脂成形品であるタイミングプーリ3の製作精度を上げることができないから、中心孔2と端部5とのはめ合いにガタを生ずることがあり、像担持体駆動軸1に対してタイミングプーリ3を傾きなく取り付けることも難しかった。
【0007】
したがって、像担持体駆動軸1を基準にしたタイミングプーリ3の振れが拡大し、タイミングプーリ3に速度変動を発生して像担持体に一層大きな速度むらを生じていた。
【0008】
そして、像担持体にそのような速度むらを生ずると、記録媒体上の画像に濃度むらを発生したり、カラー画像であるときには色ずれを発生したりして、画像品質が低下する問題があった。
【0009】
従来の画像形成装置の中には、例えば図8に示すように、フランジ6をアルミニウム・亜鉛ダイキャスト・鉄系焼結などでつくってそのフランジ6をタイミングプーリ3に取付ねじ7で固定し、図中鎖線で示すようにともに像担持体駆動軸1上に取り付けてタイミングプーリ3の同軸性や垂直性を修正し、像担持体駆動軸1を基準にしたピッチ円誤差の拡大を防止するようにしたものがある。
【0010】
このようにすると、タイミングプーリ3のピッチ円誤差の振幅は、図8(B)に示すように、T2に改善することができる(T1>T2)。しかし、フランジ6を設ける分だけ、部品点数が増加してコストアップとなり、また公差の積み上げが増加して組付け精度が悪くなり、ピッチ円誤差をなお十分に改善できない問題があった。
【0011】
そこで、この発明の第1の目的は、上述のような像担持体駆動装置において、部品点数を増加することなく、像担持体の速度むらをより一層低減することにある。
【0012】
この発明の第2の目的は、像担持体駆動軸を、低コストで、通電性に優れたものとし、しかも成形時に摩擦による金型の摩耗を最小限に抑えたものとすることにある。
【0013】
この発明の第3の目的は、回転伝達部材の成形時に、回転伝達部材に対してインサートする像担持体駆動軸を正確に位置出しすることにある。
【0014】
この発明の第4の目的は、回転伝達部材と像担持体駆動軸とを確実に一体化してそれらの間の滑りをなくすことにある。
【0015】
この発明の第5の目的は、上記各目的を達成した像担持体駆動装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
駆動モータの回転を、像担持体駆動軸上に固定する回転伝達部材を介して像担持体駆動軸に伝達し、その像担持体駆動軸で、ドラム状やベルト状の像担持体を駆動する、モノクロ・二色・フルカラーなどの画像形成装置の像担持体駆動装置において、
前記回転伝達部材として、像担持体駆動軸をインサートして一体成形したものを用いる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の像担持体駆動装置において、像担持体駆動軸を、硫黄快削鋼を用いてつくる、ことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、請求項1または2に記載の像担持体駆動装置において、像担持体駆動軸に、成形時に成形型の一部と係合して像担持体駆動軸の軸方向の動きを規制する位置決め用係合部を形成する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれか1に記載の像担持体駆動装置において、像担持体駆動軸の、回転伝達部材に埋め込む部分に、ローレット切りなどの回転止め加工を施す、ことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1に記載の像担持体駆動装置において、回転伝達部材としてタイミングプーリを用いる、ことを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1に記載の像担持体駆動装置において、回転伝達部材としてギヤを用いる、ことを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、請求項1ないし6のいずれか1に記載の像担持体駆動装置を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明による像担持体駆動装置を備えるカラー画像形成装置の全体概略構成を示す。
【0024】
画像形成装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を、図示例では3つのローラ12・13・14に掛け回してやや斜めに傾斜して張り渡し、3つのローラ12・13・14のうちの駆動ローラを回転駆動して他の2つを従動回転することにより図中反時計まわりに回転搬送可能に設ける。
【0025】
この図示例では、1つのローラ13の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置16を設ける。
【0026】
また、2つのローラ13・14間に張り渡した中間転写体10下には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロ・マゼンタ・シアンの4つの単色作像手段18を横に並べて配置してタンデム作像装置20を設ける。タンデム作像装置20の下には、さらに4つの単色作像手段18で共通の露光装置21を設ける。
【0027】
一方、中間転写体10の右側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、ローラ状で、ローラ12に押し当ててそれにバイアス電圧を印加することにより中間転写体10上の画像を記録媒体に転写する。
【0028】
2次転写装置22の上方には、記録媒体上の転写画像を定着する定着装置24を設ける。定着装置24は、定着ローラ25に加圧ローラ26を押し当てて構成する。
【0029】
このような2次転写装置22および定着装置24の右には、記録媒体の両面に画像を形成すべく記録媒体を反転して、中間転写体10と2次転写装置22間に再給紙する記録媒体反転装置28を備える。
【0030】
いま、このカラー複写機を用いて画像を形成するときは、不図示の駆動モータでローラ14・15・16のうちの駆動ローラを回転駆動して中間転写体10を回転搬送する。同時に、後述する像担持体駆動装置を駆動して個々の単色作像手段18の像担持体30を時計まわりに回転し、各像担持体30上にそれぞれ、ブラック・イエロ・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次重ねて1次転写し、中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0031】
一方、ローラ14・15・16のうちの駆動ローラを回転駆動するなどと同時に、給紙装置200の給紙ローラ32を回転し、給紙カセット34から記録媒体を繰り出し、分離パッド35で1枚ずつ分離して給紙路36に入れ、画像形成装置本体100内のレジストローラ38に突き当てて止める。
【0032】
手差し給紙のときは、手差しトレイ40を支軸41を中心として開いてその上に記録媒体をセットし、その記録媒体を給紙ローラ42を回転して繰り出し、搬送ローラ43で搬送して、同じくレジストローラ38に突き当てて止める。
【0033】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ38を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間に記録媒体を送り込み、2次転写装置22で中間転写体10上の合成カラー画像を一括して2次転写して記録媒体上にカラー画像を形成する。
【0034】
画像転写後の記録媒体は、2次転写装置22で搬送して定着装置24へと送り込み、定着装置24で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪44で切り換えて排出ローラ45で排出し、画像形成装置本体100上の排紙トレイ46上にスタックする。または、切換爪44で切り換えて記録媒体反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を形成して後、排出ローラ45で排紙トレイ46上に排出する。
【0035】
一方、画像転写後の中間転写体10は、ベルトクリーニング装置16で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム作像装置20による再度の画像形成に備える。
【0036】
さて、上述したタンデム作像装置20において、各単色作像手段18は、詳しくは、例えば図2に示すように、画像形成装置本体100のフレームでそれぞれ回転自在に支持するドラム状の像担持体30のまわりに、帯電装置50、現像装置51、1次転写装置52、クリーニング装置53、除電装置54などを備えてなる。
【0037】
単色作像手段18を構成する部分のうち、帯電装置50は、図示例では反時計まわりに回転する帯電ローラを用い、像担持体30に接触して電圧を印加することによりその像担持体30の表面を所定の極性に一様に帯電する。そして、共通の露光装置21からそれぞれレーザ光Lを照射して色別に光書込みを行い、像担持体30上に静電潜像を形成する。
【0038】
現像装置51は、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ55に付着し、その現像スリーブ55に付着した二成分現像剤のうちの色別のカラートナーをそれぞれ像担持体30に転移して色ごとに像担持体30上の静電潜像を現像する。
【0039】
1次転写装置52は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで像担持体30に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、非接触のチャージャであってもよい。
【0040】
クリーニング装置53は、先端を像担持体30に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード56を備える。除電装置54は、除電ランプからの除電光を照射して像担持体30の表面を電位的に初期化する。
【0041】
ところで、このような各単色作像手段18において、像担持体30を駆動する像担持体駆動装置は、例えば図3および図4に示すように構成する。
【0042】
図中符号60は、画像形成装置本体100内に備える板金製のフレームである。フレーム60には、ブラケット61をねじ止め固定する。ブラケット61には、駆動モータ62を取り付ける。駆動モータ62の出力ギヤ63は、第1減速ギヤ64に噛み合う。第1減速ギヤ64は、樹脂製で、ブラケット61で保持する軸65で回転自在に支持する。
【0043】
第1減速ギヤ64は、第2減速ギヤ66に噛み合う。第2減速ギヤ66は、樹脂製で、その中心軸67をベアリング68を介してフレーム60と、ベアリング69を介してブラケット61とで回転自在に支持する。ブラケット61を貫通する中心軸67の外端には、第1タイミングプーリ70を固定する。
【0044】
第1タイミングプーリ70は、第2タイミングプーリ71との間に無端状のタイミングベルト72を掛け回す。第2タイミングプーリ71は、像担持体駆動軸74の外端に後述するごとく固定する。像担持体駆動軸74は、内外のベアリング75・76を介して筒状ホルダ77で回転自在に支持する。筒状ホルダ77は、フレーム60にねじ止め固定する。
【0045】
像担持体駆動軸74の内端には、ジョイント部材78の突部79を嵌合して回転伝達可能に像担持体30を連結する。そして、像担持体30と像担持体駆動軸74とを一直線上に配置する。
【0046】
なお、ベアリング75・76の1つは、通電ベアリングとし、像担持体駆動軸74からその通電ベアリングを介して像担持体30のアースを取るようにしている。
【0047】
そして、駆動モータ62の回転を、出力ギヤ63と第1減速ギヤ64と第2減速ギヤ66の噛み合いよりなる歯車列を介して減速して第1タイミングプーリ70に伝達し、タイミングベルト72を介して第2タイミングプーリ71に伝達して像担持体駆動軸74を回転し、像担持体30を図1および図2で時計まわりに回転駆動する。
【0048】
さて、以上のように、駆動モータ62の回転を、像担持体駆動軸74上に固定する第2タイミングプーリ(回転伝達部材)71を介して像担持体駆動軸74に伝達し、その像担持体駆動軸74で像担持体30を駆動する、画像形成装置の像担持体駆動装置においては、第2タイミングプーリ71として、図5(A)に示すように、像担持体駆動軸74をインサートして一体成形したものを用いる。
【0049】
このようにすると、図5(B)に示すように第2タイミングプーリ71のピッチ円誤差の振幅を、図7(B)に示す従来の振幅T1や図8(B)に示す従来の振幅T2よりも小さなT3とし、図8(A)に示すようにフランジ6を用いたりすることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、回転伝達部材自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0050】
このとき、像担持体駆動軸74は、硫黄快削鋼を用いてつくるとよい。像担持体駆動軸74を硫黄快削鋼を用いてつくると、例えばステンレス鋼を用いてつくった場合に比し、低コストで、通電性に優れものとし、しかも成形時に摩擦による金型の摩耗を最小限に抑えたものとすることができる。
【0051】
なお、この像担持体駆動軸74には、図5(A)に示すように、第2タイミングプーリ71に埋め込む部分に回転止め加工として、例えばローレット切りを施してローレット80を設けると、第2タイミングプーリ71とより一体化し、像担持体駆動軸74に負荷トルクがかかった場合の回転止めの機能を持たせることができる。
【0052】
また、像担持体駆動軸74には、図6(A)に示すように、位置決め用係合部として円周溝81を形成するとよい。そして、その円周溝81に、第2タイミングプーリ71の成形時に、成形型の一部を構成する例えばスライド駒82の凸部83が(B)に示すように矢示方向に入り込んで係合し、像担持体駆動軸74の軸方向の動きを規制するようにする。
【0053】
このようにすると、第2タイミングプーリ71の成形時に位置決め用係合部である円周溝81に成形型の一部を入れて像担持体駆動軸74の軸方向の動きを規制し、第2タイミングプーリ71に対してインサートする像担持体駆動軸74を正確に位置出しすることができる。
【0054】
ところで、上述した例では、フルカラー画像形成装置に適用した場合について説明したが、この発明は、フルカラー画像形成装置に限らず、モノクロの画像形成装置にも、二色画像形成装置にも、同様に適用することができる。
【0055】
また、上述した例では、像担持体が、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング等を繰り返して逐次トナー画像を形成する感光体である場合について説明した。しかし、像担持体は、そのような感光体に限らず、感光体等の別の像担持体上から転写した画像をいったん担持してその担持する画像を記録媒体等の別の部材に転写する中間転写体であってもよい。
【0056】
さらに、この発明でいう像担持体は、感光体や中間転写体のように直接画像を担持するものに限らず、感光体等からトナー画像が転写される記録媒体を保持して搬送するもので、その記録媒体を介してトナー画像を間接的に担持する記録媒体保持体なども含めるものである。ドラム状のものであっても、無端ベルト状のものであってもよい。この発明は、そのような像担持体を駆動する像担持体駆動装置、およびそのような像担持体駆動装置を備える画像形成装置に関する。
【0057】
他方、上述した例では、像担持体駆動軸74に固定する回転伝達部材が第2タイミングプーリ71である場合について説明したが、タイミングプーリに限らず、ギヤであってもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、像担持体駆動軸上に固定する回転伝達部材として、像担持体駆動軸をインサートして一体成形したものを用いるので、フランジ等の他の部材を用いることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、回転伝達部材自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0059】
請求項2に記載の発明によれば、像担持体駆動軸を硫黄快削鋼を用いてつくるので、回転伝達部材を一体成形するときインサートする像担持体駆動軸を、例えばステンレス鋼を用いてつくった場合に比し、低コストで、通電性に優れものとし、しかも成形時に摩擦による金型の摩耗を最小限に抑えたものとすることができる。
【0060】
請求項3に係る発明によれば、像担持体駆動軸に、成形時に成形型の一部と係合して像担持体駆動軸の軸方向の動きを規制する位置決め用係合部を形成するので、回転伝達部材の成形時に位置決め用係合部に成形型の一部を入れて像担持体駆動軸の軸方向の動きを規制し、回転伝達部材に対してインサートする像担持体駆動軸を正確に位置出しすることができる。
【0061】
請求項4に係る発明によれば、像担持体駆動軸の、回転伝達部材に埋め込む部分に回転止め加工を施すので、回転伝達部材と像担持体駆動軸とを確実に一体化してそれらの間の滑りをなくし、例えば像担持体駆動軸に負荷トルクがかかった場合の回転止めの機能を持たせることができる。
【0062】
請求項5に係る発明によれば、回転伝達部材としてタイミングプーリを用いるので、フランジ等の他の部材を用いることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、タイミングプーリ自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0063】
請求項6に係る発明によれば、回転伝達部材としてギヤを用いるので、フランジ等の他の部材を用いることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、ギヤ自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0064】
請求項7に係る発明によれば、請求項1ないし6のいずれか1に記載の像担持体駆動装置を備えるから、上記各効果を有する像担持体駆動装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による像担持体駆動装置を備えるカラー画像形成装置の全体概略構成図である。
【図2】そのカラー画像形成装置に備える1つの単色作像手段の概略構成図である。
【図3】その像担持体駆動装置の構成図である。
【図4】その像担持体駆動装置の駆動伝達系の説明図である。
【図5】(A)はその像担持体駆動装置において像担持体駆動軸に固定する回転伝達部材の断面図、(B)はそのピッチ円誤差を示す曲線図である。
【図6】(A)は回転伝達部材の成形時にインサートする像担持体駆動軸の位置決め説明図、(B)はその部分拡大図である。
【図7】(A)は従来の像担持体駆動軸への回転伝達部材取付説明図、(B)はその従来例のピッチ円誤差を示す曲線図である。
【図8】(A)は別の従来の回転伝達部材取付説明図、(B)はその従来例のピッチ円誤差を示す曲線図である。
【符号の説明】
30 像担持体
62 駆動モータ
71 第2タイミングプーリ(回転伝達部材)
74 像担持体駆動軸
81 位置決め用円周溝
82 スライド駒
83 スライド駒の凸部(成形型の一部)
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンタやファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。特にそのうち、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング等を繰り返して逐次トナー画像を形成し、そのトナー画像を順次転写して、最終的に用紙・OHPフィルム等の記録媒体に画像を形成する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置において、画像を担持する像担持体の駆動を行う像担持体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式画像形成装置の像担持体駆動装置では、例えば図7(A)に示すように、像担持体駆動軸1を中心孔2に挿入して図中鎖線で示すように像担持体駆動軸1上にタイミングプーリ(回転伝達部材)3を取り付け、Eリング4で抜け止めしていた。そして、不図示の駆動モータの回転を、タイミングプーリ・ギヤ等の他のいくつかの回転伝達部材を介してタイミングプーリ3に伝達し、像担持体駆動軸1を回転して不図示の像担持体を駆動していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般にタイミングプーリ3は、樹脂成形品であるから、精度良く製作することができず、歯形誤差があり、またピッチ円に偏心があったり、ピッチ円の変形があったりしてピッチ円誤差を有しているのが普通である。
【0004】
このため、このような歯形誤差やピッチ円誤差のあるタイミングプーリ3を回転すると、像担持体表面の回転速度が周期的に変動する問題があった。例えば図7(B)に示すように、タイミングプーリ3のピッチ円誤差は振幅T1の大きなサインカーブを描き、ピッチ円誤差が大きいと、ピッチ円が大きいところでタイミングプーリ3の角速度が大きくなり、ピッチ円が小さいところで反対に角速度が小さくなる。
【0005】
これにより、像担持体駆動軸1の回転速度にもサインカーブの大きな速度むらを発生し、像担持体駆動軸1で駆動する像担持体にも大きな速度むらを生じていた。
【0006】
また、例えば図7(A)に示す従来例では、像担持体駆動軸1の端部5をフライス加工してD断面とする一方、タイミングプーリ3の中心孔2をD孔とし、その中心孔2に端部5を挿入する。しかし、樹脂成形品であるタイミングプーリ3の製作精度を上げることができないから、中心孔2と端部5とのはめ合いにガタを生ずることがあり、像担持体駆動軸1に対してタイミングプーリ3を傾きなく取り付けることも難しかった。
【0007】
したがって、像担持体駆動軸1を基準にしたタイミングプーリ3の振れが拡大し、タイミングプーリ3に速度変動を発生して像担持体に一層大きな速度むらを生じていた。
【0008】
そして、像担持体にそのような速度むらを生ずると、記録媒体上の画像に濃度むらを発生したり、カラー画像であるときには色ずれを発生したりして、画像品質が低下する問題があった。
【0009】
従来の画像形成装置の中には、例えば図8に示すように、フランジ6をアルミニウム・亜鉛ダイキャスト・鉄系焼結などでつくってそのフランジ6をタイミングプーリ3に取付ねじ7で固定し、図中鎖線で示すようにともに像担持体駆動軸1上に取り付けてタイミングプーリ3の同軸性や垂直性を修正し、像担持体駆動軸1を基準にしたピッチ円誤差の拡大を防止するようにしたものがある。
【0010】
このようにすると、タイミングプーリ3のピッチ円誤差の振幅は、図8(B)に示すように、T2に改善することができる(T1>T2)。しかし、フランジ6を設ける分だけ、部品点数が増加してコストアップとなり、また公差の積み上げが増加して組付け精度が悪くなり、ピッチ円誤差をなお十分に改善できない問題があった。
【0011】
そこで、この発明の第1の目的は、上述のような像担持体駆動装置において、部品点数を増加することなく、像担持体の速度むらをより一層低減することにある。
【0012】
この発明の第2の目的は、像担持体駆動軸を、低コストで、通電性に優れたものとし、しかも成形時に摩擦による金型の摩耗を最小限に抑えたものとすることにある。
【0013】
この発明の第3の目的は、回転伝達部材の成形時に、回転伝達部材に対してインサートする像担持体駆動軸を正確に位置出しすることにある。
【0014】
この発明の第4の目的は、回転伝達部材と像担持体駆動軸とを確実に一体化してそれらの間の滑りをなくすことにある。
【0015】
この発明の第5の目的は、上記各目的を達成した像担持体駆動装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
駆動モータの回転を、像担持体駆動軸上に固定する回転伝達部材を介して像担持体駆動軸に伝達し、その像担持体駆動軸で、ドラム状やベルト状の像担持体を駆動する、モノクロ・二色・フルカラーなどの画像形成装置の像担持体駆動装置において、
前記回転伝達部材として、像担持体駆動軸をインサートして一体成形したものを用いる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の像担持体駆動装置において、像担持体駆動軸を、硫黄快削鋼を用いてつくる、ことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、請求項1または2に記載の像担持体駆動装置において、像担持体駆動軸に、成形時に成形型の一部と係合して像担持体駆動軸の軸方向の動きを規制する位置決め用係合部を形成する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれか1に記載の像担持体駆動装置において、像担持体駆動軸の、回転伝達部材に埋め込む部分に、ローレット切りなどの回転止め加工を施す、ことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1に記載の像担持体駆動装置において、回転伝達部材としてタイミングプーリを用いる、ことを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1に記載の像担持体駆動装置において、回転伝達部材としてギヤを用いる、ことを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、請求項1ないし6のいずれか1に記載の像担持体駆動装置を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明による像担持体駆動装置を備えるカラー画像形成装置の全体概略構成を示す。
【0024】
画像形成装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を、図示例では3つのローラ12・13・14に掛け回してやや斜めに傾斜して張り渡し、3つのローラ12・13・14のうちの駆動ローラを回転駆動して他の2つを従動回転することにより図中反時計まわりに回転搬送可能に設ける。
【0025】
この図示例では、1つのローラ13の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置16を設ける。
【0026】
また、2つのローラ13・14間に張り渡した中間転写体10下には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロ・マゼンタ・シアンの4つの単色作像手段18を横に並べて配置してタンデム作像装置20を設ける。タンデム作像装置20の下には、さらに4つの単色作像手段18で共通の露光装置21を設ける。
【0027】
一方、中間転写体10の右側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、ローラ状で、ローラ12に押し当ててそれにバイアス電圧を印加することにより中間転写体10上の画像を記録媒体に転写する。
【0028】
2次転写装置22の上方には、記録媒体上の転写画像を定着する定着装置24を設ける。定着装置24は、定着ローラ25に加圧ローラ26を押し当てて構成する。
【0029】
このような2次転写装置22および定着装置24の右には、記録媒体の両面に画像を形成すべく記録媒体を反転して、中間転写体10と2次転写装置22間に再給紙する記録媒体反転装置28を備える。
【0030】
いま、このカラー複写機を用いて画像を形成するときは、不図示の駆動モータでローラ14・15・16のうちの駆動ローラを回転駆動して中間転写体10を回転搬送する。同時に、後述する像担持体駆動装置を駆動して個々の単色作像手段18の像担持体30を時計まわりに回転し、各像担持体30上にそれぞれ、ブラック・イエロ・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次重ねて1次転写し、中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0031】
一方、ローラ14・15・16のうちの駆動ローラを回転駆動するなどと同時に、給紙装置200の給紙ローラ32を回転し、給紙カセット34から記録媒体を繰り出し、分離パッド35で1枚ずつ分離して給紙路36に入れ、画像形成装置本体100内のレジストローラ38に突き当てて止める。
【0032】
手差し給紙のときは、手差しトレイ40を支軸41を中心として開いてその上に記録媒体をセットし、その記録媒体を給紙ローラ42を回転して繰り出し、搬送ローラ43で搬送して、同じくレジストローラ38に突き当てて止める。
【0033】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ38を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間に記録媒体を送り込み、2次転写装置22で中間転写体10上の合成カラー画像を一括して2次転写して記録媒体上にカラー画像を形成する。
【0034】
画像転写後の記録媒体は、2次転写装置22で搬送して定着装置24へと送り込み、定着装置24で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪44で切り換えて排出ローラ45で排出し、画像形成装置本体100上の排紙トレイ46上にスタックする。または、切換爪44で切り換えて記録媒体反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を形成して後、排出ローラ45で排紙トレイ46上に排出する。
【0035】
一方、画像転写後の中間転写体10は、ベルトクリーニング装置16で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム作像装置20による再度の画像形成に備える。
【0036】
さて、上述したタンデム作像装置20において、各単色作像手段18は、詳しくは、例えば図2に示すように、画像形成装置本体100のフレームでそれぞれ回転自在に支持するドラム状の像担持体30のまわりに、帯電装置50、現像装置51、1次転写装置52、クリーニング装置53、除電装置54などを備えてなる。
【0037】
単色作像手段18を構成する部分のうち、帯電装置50は、図示例では反時計まわりに回転する帯電ローラを用い、像担持体30に接触して電圧を印加することによりその像担持体30の表面を所定の極性に一様に帯電する。そして、共通の露光装置21からそれぞれレーザ光Lを照射して色別に光書込みを行い、像担持体30上に静電潜像を形成する。
【0038】
現像装置51は、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ55に付着し、その現像スリーブ55に付着した二成分現像剤のうちの色別のカラートナーをそれぞれ像担持体30に転移して色ごとに像担持体30上の静電潜像を現像する。
【0039】
1次転写装置52は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで像担持体30に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、非接触のチャージャであってもよい。
【0040】
クリーニング装置53は、先端を像担持体30に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード56を備える。除電装置54は、除電ランプからの除電光を照射して像担持体30の表面を電位的に初期化する。
【0041】
ところで、このような各単色作像手段18において、像担持体30を駆動する像担持体駆動装置は、例えば図3および図4に示すように構成する。
【0042】
図中符号60は、画像形成装置本体100内に備える板金製のフレームである。フレーム60には、ブラケット61をねじ止め固定する。ブラケット61には、駆動モータ62を取り付ける。駆動モータ62の出力ギヤ63は、第1減速ギヤ64に噛み合う。第1減速ギヤ64は、樹脂製で、ブラケット61で保持する軸65で回転自在に支持する。
【0043】
第1減速ギヤ64は、第2減速ギヤ66に噛み合う。第2減速ギヤ66は、樹脂製で、その中心軸67をベアリング68を介してフレーム60と、ベアリング69を介してブラケット61とで回転自在に支持する。ブラケット61を貫通する中心軸67の外端には、第1タイミングプーリ70を固定する。
【0044】
第1タイミングプーリ70は、第2タイミングプーリ71との間に無端状のタイミングベルト72を掛け回す。第2タイミングプーリ71は、像担持体駆動軸74の外端に後述するごとく固定する。像担持体駆動軸74は、内外のベアリング75・76を介して筒状ホルダ77で回転自在に支持する。筒状ホルダ77は、フレーム60にねじ止め固定する。
【0045】
像担持体駆動軸74の内端には、ジョイント部材78の突部79を嵌合して回転伝達可能に像担持体30を連結する。そして、像担持体30と像担持体駆動軸74とを一直線上に配置する。
【0046】
なお、ベアリング75・76の1つは、通電ベアリングとし、像担持体駆動軸74からその通電ベアリングを介して像担持体30のアースを取るようにしている。
【0047】
そして、駆動モータ62の回転を、出力ギヤ63と第1減速ギヤ64と第2減速ギヤ66の噛み合いよりなる歯車列を介して減速して第1タイミングプーリ70に伝達し、タイミングベルト72を介して第2タイミングプーリ71に伝達して像担持体駆動軸74を回転し、像担持体30を図1および図2で時計まわりに回転駆動する。
【0048】
さて、以上のように、駆動モータ62の回転を、像担持体駆動軸74上に固定する第2タイミングプーリ(回転伝達部材)71を介して像担持体駆動軸74に伝達し、その像担持体駆動軸74で像担持体30を駆動する、画像形成装置の像担持体駆動装置においては、第2タイミングプーリ71として、図5(A)に示すように、像担持体駆動軸74をインサートして一体成形したものを用いる。
【0049】
このようにすると、図5(B)に示すように第2タイミングプーリ71のピッチ円誤差の振幅を、図7(B)に示す従来の振幅T1や図8(B)に示す従来の振幅T2よりも小さなT3とし、図8(A)に示すようにフランジ6を用いたりすることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、回転伝達部材自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0050】
このとき、像担持体駆動軸74は、硫黄快削鋼を用いてつくるとよい。像担持体駆動軸74を硫黄快削鋼を用いてつくると、例えばステンレス鋼を用いてつくった場合に比し、低コストで、通電性に優れものとし、しかも成形時に摩擦による金型の摩耗を最小限に抑えたものとすることができる。
【0051】
なお、この像担持体駆動軸74には、図5(A)に示すように、第2タイミングプーリ71に埋め込む部分に回転止め加工として、例えばローレット切りを施してローレット80を設けると、第2タイミングプーリ71とより一体化し、像担持体駆動軸74に負荷トルクがかかった場合の回転止めの機能を持たせることができる。
【0052】
また、像担持体駆動軸74には、図6(A)に示すように、位置決め用係合部として円周溝81を形成するとよい。そして、その円周溝81に、第2タイミングプーリ71の成形時に、成形型の一部を構成する例えばスライド駒82の凸部83が(B)に示すように矢示方向に入り込んで係合し、像担持体駆動軸74の軸方向の動きを規制するようにする。
【0053】
このようにすると、第2タイミングプーリ71の成形時に位置決め用係合部である円周溝81に成形型の一部を入れて像担持体駆動軸74の軸方向の動きを規制し、第2タイミングプーリ71に対してインサートする像担持体駆動軸74を正確に位置出しすることができる。
【0054】
ところで、上述した例では、フルカラー画像形成装置に適用した場合について説明したが、この発明は、フルカラー画像形成装置に限らず、モノクロの画像形成装置にも、二色画像形成装置にも、同様に適用することができる。
【0055】
また、上述した例では、像担持体が、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング等を繰り返して逐次トナー画像を形成する感光体である場合について説明した。しかし、像担持体は、そのような感光体に限らず、感光体等の別の像担持体上から転写した画像をいったん担持してその担持する画像を記録媒体等の別の部材に転写する中間転写体であってもよい。
【0056】
さらに、この発明でいう像担持体は、感光体や中間転写体のように直接画像を担持するものに限らず、感光体等からトナー画像が転写される記録媒体を保持して搬送するもので、その記録媒体を介してトナー画像を間接的に担持する記録媒体保持体なども含めるものである。ドラム状のものであっても、無端ベルト状のものであってもよい。この発明は、そのような像担持体を駆動する像担持体駆動装置、およびそのような像担持体駆動装置を備える画像形成装置に関する。
【0057】
他方、上述した例では、像担持体駆動軸74に固定する回転伝達部材が第2タイミングプーリ71である場合について説明したが、タイミングプーリに限らず、ギヤであってもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、像担持体駆動軸上に固定する回転伝達部材として、像担持体駆動軸をインサートして一体成形したものを用いるので、フランジ等の他の部材を用いることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、回転伝達部材自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0059】
請求項2に記載の発明によれば、像担持体駆動軸を硫黄快削鋼を用いてつくるので、回転伝達部材を一体成形するときインサートする像担持体駆動軸を、例えばステンレス鋼を用いてつくった場合に比し、低コストで、通電性に優れものとし、しかも成形時に摩擦による金型の摩耗を最小限に抑えたものとすることができる。
【0060】
請求項3に係る発明によれば、像担持体駆動軸に、成形時に成形型の一部と係合して像担持体駆動軸の軸方向の動きを規制する位置決め用係合部を形成するので、回転伝達部材の成形時に位置決め用係合部に成形型の一部を入れて像担持体駆動軸の軸方向の動きを規制し、回転伝達部材に対してインサートする像担持体駆動軸を正確に位置出しすることができる。
【0061】
請求項4に係る発明によれば、像担持体駆動軸の、回転伝達部材に埋め込む部分に回転止め加工を施すので、回転伝達部材と像担持体駆動軸とを確実に一体化してそれらの間の滑りをなくし、例えば像担持体駆動軸に負荷トルクがかかった場合の回転止めの機能を持たせることができる。
【0062】
請求項5に係る発明によれば、回転伝達部材としてタイミングプーリを用いるので、フランジ等の他の部材を用いることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、タイミングプーリ自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0063】
請求項6に係る発明によれば、回転伝達部材としてギヤを用いるので、フランジ等の他の部材を用いることなく、すなわち部品点数を増加する必要をなくしてコストアップを防ぎながら、ギヤ自体の持つ誤差のみとしてピッチ円誤差を最小化し、像担持体の速度むらをより一層低減することができる。
【0064】
請求項7に係る発明によれば、請求項1ないし6のいずれか1に記載の像担持体駆動装置を備えるから、上記各効果を有する像担持体駆動装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による像担持体駆動装置を備えるカラー画像形成装置の全体概略構成図である。
【図2】そのカラー画像形成装置に備える1つの単色作像手段の概略構成図である。
【図3】その像担持体駆動装置の構成図である。
【図4】その像担持体駆動装置の駆動伝達系の説明図である。
【図5】(A)はその像担持体駆動装置において像担持体駆動軸に固定する回転伝達部材の断面図、(B)はそのピッチ円誤差を示す曲線図である。
【図6】(A)は回転伝達部材の成形時にインサートする像担持体駆動軸の位置決め説明図、(B)はその部分拡大図である。
【図7】(A)は従来の像担持体駆動軸への回転伝達部材取付説明図、(B)はその従来例のピッチ円誤差を示す曲線図である。
【図8】(A)は別の従来の回転伝達部材取付説明図、(B)はその従来例のピッチ円誤差を示す曲線図である。
【符号の説明】
30 像担持体
62 駆動モータ
71 第2タイミングプーリ(回転伝達部材)
74 像担持体駆動軸
81 位置決め用円周溝
82 スライド駒
83 スライド駒の凸部(成形型の一部)
Claims (7)
- 駆動モータの回転を、像担持体駆動軸上に固定する回転伝達部材を介して前記像担持体駆動軸に伝達し、その像担持体駆動軸で像担持体を駆動する、画像形成装置の像担持体駆動装置において、
前記回転伝達部材として、前記像担持体駆動軸をインサートして一体成形したものを用いることを特徴とする、像担持体駆動装置。 - 前記像担持体駆動軸を、硫黄快削鋼を用いてつくることを特徴とする、請求項1に記載の像担持体駆動装置。
- 前記像担持体駆動軸に、成形時に成形型の一部と係合して前記像担持体駆動軸の軸方向の動きを規制する位置決め用係合部を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の像担持体駆動装置。
- 前記像担持体駆動軸の、前記回転伝達部材に埋め込む部分に回転止め加工を施すことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載の像担持体駆動装置。
- 前記回転伝達部材としてタイミングプーリを用いることを特徴とする、請求項1に記載の像担持体駆動装置。
- 前記回転伝達部材としてギヤを用いることを特徴とする、請求項1に記載の像担持体駆動装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1に記載の像担持体駆動装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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