JP2004109652A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同じ像担持体上に、複数の現像装置を択一的に動作させることにより複数の色のトナー像を順次形成し、それを被転写体に順次転写する構成の画像形成装置において、転写されずに像担持体上に残留したトナーを現像装置で回収し再利用する。
【解決手段】現像装置5M,5Y(5Y,5K)が択一的に動作する。選択された現像装置が現像動作又は接触を開始する感光体2上の領域がクリーニング済みとなるタイミングで、クリーニング装置3がクリーニング動作を開始する。その後、少なくとも感光体2が一巡するまでクリーニング動作を継続することにより、現像装置内に異色のトナーを混入させることなく、感光体2上の転写されずに残留したトナーを現像装置に回収する。
【選択図】 図1
【解決手段】現像装置5M,5Y(5Y,5K)が択一的に動作する。選択された現像装置が現像動作又は接触を開始する感光体2上の領域がクリーニング済みとなるタイミングで、クリーニング装置3がクリーニング動作を開始する。その後、少なくとも感光体2が一巡するまでクリーニング動作を継続することにより、現像装置内に異色のトナーを混入させることなく、感光体2上の転写されずに残留したトナーを現像装置に回収する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体上にトナー粒子(顕画粒子)による可視像を形成する画像形成装置(具体的には複写機、プリンタ、ファクシミリ等)に係り、特に、複数の現像装置を択一的に作動させて同じ像担持体上に複数の色のトナー像を順次形成するタイプの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被転写体に転写されずに像担持体上に残留する転写残トナーを現像装置で回収するクリーナレスタイプの画像形成装置が注目されている。かかるクリーナレスシステムは、転写残トナーを回収するための専用のクリーニング機構を設けず、転写残トナーの回収を現像装置で行なうシステムである。
【0003】
クリーナレスシステムを採用した画像形成装置の例を図9を用いて説明する。画像形成動作が始まると、コロナ帯電装置1200は像担持体としてのドラム状感光体1100の表面を―700Vに帯電させる。帯電された感光体1100に対して露光装置1400は書込みデータに応じた露光を行ない、光照射によって画像部の電位を変化させる事で、光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させ、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。静電潜像は現像装置1300によって2成分現像され、トナー像として感光体1100上に可視化される。感光体1100上のトナー像は転写部において記録紙や中間転写体に転写される。
【0004】
クリーナレスシステムでは、参考のために図示したクリーナ装置1500は存在しないため、転写されずに感光体1100上に残留したトナーは、そのまま感光体1100とともに移動し、コロナ帯電装置1200からのコロナシャワーによって負帯電させられ、現像装置1300との対向部に運ばれる。感光体1100と現像装置1300との対向部では、画像部に付着した転写残トナーはそのままトナー像として感光体上に残り、非画像部に付着した転写残トナーは現像バイアスの作用によってによって現像装置1300に回収される。このように、転写残トナーがクリーニング装置で回収されずに現像装置に戻されて再利用されるため、廃トナーが発生せず環境負荷が低減される。
【0005】
上に述べた例はコロナ帯電器を用いた例であるが、この他にも接触帯電装置を用いて転写残トナーを一度帯電装置に回収して帯電極性を整えるクリーナレスシステム、例えば、磁気ブラシ帯電装置を用いたクリーナレスシステム(特許文献1参照)や、帯電ローラを用いたクリーナレスシステム(特許文献2参照)が知れられている。さらに、非接触の帯電ローラを用いたクリーナレスシステムも知られている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−267397号公報
【特許文献2】
特開平10−307454号公報
【特許文献3】
特開2001−249525号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、像担持体の上に複数の色のトナー像を形成する画像形成装置においては、一般にクリーナレスを適用することはなされていなかった。この理由は、像担持体上に複数色のトナー像が存在するために、現像装置でトナー粒子を回収しようとすると、その現像装置が現像を行なう色以外の色のトナー粒子が現像装置内に回収され、現像装置内で混色が発生するためである。現像装置内で混色が生じると、出力された画像の上でも混色が発生する事となり、意図した画像が得られないという不具合が生じる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、複数の現像装置を択一的に作動させることにより、同じ像担持体の上に複数の色のトナー粒子(顕画粒子)からなる像を順次形成する画像形成装置において、転写残トナーを現像装置に効率的に回収し再利用できるようにし、廃トナーを極力発生させないことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、請求項1に記載のように、像担持体と、現像状態又は非現像状態に切り替え可能であって、択一的に動作することにより前記像担持体上に顕画粒子からなる可視像を順次形成する複数の現像手段と、前記像担持体上に順次形成された可視像を被転写体に転写する転写手段と、前記転写手段によって転写されずに前記像担持体上に残留した顕画粒子を除去するためのクリーニング手段とを備えた画像形成装置であり、前記クリーニング手段は、前記複数の現像手段の中の選択された現像手段が非現像状態から現像状態に切り替わる時点の前及び後の所定時間のみクリーニング動作を行ない、前記現像手段は前記像担持体上に残留した顕画粒子を回収可能な構成であることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項2に記載のように、請求項1の記載の構成において、前記複数の現像手段のうちで非現像状態から現像状態へと切り替わる現像手段を動作開始現像手段としたとき、前記クリーニング手段は、動作開始現像手段が現像動作又は接触を開始する像担持体上の領域がクリーニング済みとなるタイミングでクリーニング動作を開始し、少なくとも前記像担持体が一巡するまでクリーニング動作を継続することにある。
【0011】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項3に記載のように、請求項1又は2記載の構成において、前記クリーニング手段は、前記像担持体との接触又は離間によりクリーニング動作の実施又は不実施の切り替えが行われることにある。
【0012】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項4に記載のように、請求項1又は2の構成において、前記クリーニング手段は、クリーニング電圧印加手段により電圧を印加されることにより前記像担持体上に残留した顕画粒子を静電的な力で除去するものであって、前記クリーニング電圧印加手段から印加される電圧の値の変更によってクリーニング動作の実施又は不実施の切り替えが行われることにある。
【0013】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項5に記載のように、請求項1から4のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、前記像担持体との接触又は離間により現像状態又は非現像状態の切り替えが行われることにある。
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項6に記載のように、請求項1から4のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、前記像担持体との対向部において、現像剤担持体と前記像担持体との離間距離よりも該現像剤担持体上の現像剤層が薄く形成させられ、現像電圧印加手段から前記現像剤担持体に印加される電圧に基づく静電気力によって前記現像剤担持体から前記像担持体に向けて顕画粒子が飛翔させられることによって現像を行なう非接触型の現像手段であり、前記現像電圧印加手段から前記現像剤担持体に印加される電圧の値の変更によって現像状態又は非現像状態の切り替えが行われることにある。
【0014】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項7に記載のように、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を選択的に除電して得られる静電潜像に対して、帯電させられた顕画粒子を選択的に付着させることにより可視像を形成する現像手段であり、前記帯電手段は、前記像担持体に対して顕画粒子の重量平均粒径以上の間隔を空けて非接触に対向させられ、放電によって前記像担持体表面を帯電させる帯電手段であることにある。
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項8に記載のように、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を選択的に除電して得られる静電潜像に対して、帯電させられた顕画粒子を選択的に付着させることにより可視像を形成する現像手段であり、前記帯電手段は、前記像担持体に対して導電性粒子を介して接触させられた帯電部材に電圧を印加することで前記像担持体表面を帯電させる帯電手段であることにある。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、請求項9に記載のように、像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を画像情報に応じて選択的に除電して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、現像状態又は非現像状態に切り替え可能であって、択一的に動作することにより前記像担持体上に静電潜像に対応した顕画粒子からなる可視像を順次形成する複数の現像手段と、前記現像手段によって前記像担持体上に順次形成された可視像を被転写体に順次転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、前記帯電手段は、前記像担持体に対して電圧を印加された帯電部材を接触させて帯電を行なうものであって、前記複数の現像手段の中の選択された現像手段が非現像状態から現像状態に切り替わる時点の前及び後の所定時間のみ前記帯電部材をクリーニングする帯電クリーニング手段を有し、前記現像手段は、前記像担持体上に残留した顕画粒子を回収可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0018】
本画像形成装置は、中間転写体としての中間転写ベルト6の下方に、画像ステーション102,103と露光装置1が配置され、また、装置の一方の端側に定着装置7が備えられ、他方の端側にコントローラ9が備えられている。なお、中間転写ベルト6に転写されたトナー像は、最終的な被転写体である用紙8に転写され、この用紙は定着装置7に送られてトナー像を定着させられ後に排出されるが、図面の簡略化のため転写装置及び用紙搬送機構は図中省略されている。
【0019】
画像ステーション102は、像担持体としてのドラム状感光体2、クリーニング装置3、帯電装置4、イエロー色の現像装置5Y、マゼンタ色の現像装置5Mから構成されている。画像ステーション103は、トナー色が異なる以外は画像ステーション102と同じ構成であるので、対応要素には同じ参照符号が付けられている。ただし、現像装置5Kはブラック色の現像装置、現像装置5Cはシアン色の現像装置である。
【0020】
露光装置1は、回転多面鏡9とミラー等からなる一般的な構成のものであるが、2つの画像ステーション102,103のそれぞれに対応した2つの光源(不図示)があり、それら光源からの光ビームの偏向走査に共通の回転多面鏡9が利用される。
【0021】
本画像形成装置の動作を概説する。中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61MYにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、次いで主走査同期信号がコントローラ9に到達すると露光装置1による露光動作が開始される。
【0022】
まず、上流側の画像ステーション102用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション102内の感光体2の露光を開始する。露光が開始されると、画像ステーション102において、露光に間に合うように感光体2の表面が帯電手段4により所定の電位(本例では−600V)に帯電させられる。本例においては、帯電装置4として、感光体2の表面に対して帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けられた帯電部材である帯電ローラが使用される。かかる帯電ローラは、その長手方向両端に巻かれたテープやギャップコロ等によって、感光体2との間に10〜100μmのギャップを形成しており、不図示の電源ユニットから定電圧制御されたバイアスが帯電ローラの芯金に印加される事によって、上記ギャップにおける放電により感光体2の表面を帯電させる。
【0023】
帯電させられた感光体2の表面は露光装置1により露光され、その被露光部分が除電され(本例では−50V程度に除電される)、除電された領域と除電されない領域とが静電的にコントラストを形成することにより静電潜像が形成される。このようにして形成された感光体2上の静電潜像は、現像装置5Y,5Mのいずれか一方により現像される。
【0024】
本例における現像装置5Y,5Mは、接触2成分現像を行なう現像装置である。この現像装置の構成を現像装置5Mを例に詳説すると、現像装置5Mは、搬送磁極や現像主磁極などの磁石を内包した現像スリーブ5MAと、攪拌部材5MBとから構成されている。現像スリーブ5MA上に汲み上げられたトナー粒子は、磁性粒子であるキャリア粒子との摩擦によって負帯電させられながら磁性粒子とともに現像スリーブ5MAと感光体2との対向部に運ばれ、その対向部において現像主磁極の作用によって磁性粒子が穂立ちさせられて形成された磁気ブラシが感光体2に接触、摺擦させられる。この時に現像スリーブ5MAには所定のバイアス(本例では−300Vとする)が印加されており、磁気ブラシ中に含まれる負帯電したトナー粒子や磁気ブラシから遊離した負帯電したトナー粒子は感光体上の静電潜像の被露光部に選択的に付着させられてトナー像を形成する。以上、現像装置5Mについて説明したが、現像装置5C、5Y、5Kも同様な構成である(図中、現像装置5C、5Y、5Kの内部要素の参照符号は省略されいる)。
【0025】
また、本例においては、画像ステーション102の現像装置5Y,5Mは、択一的に感光体2から退避させられる事によって現像状態と非現像状態に切り替えられる構成とされている。画像ステーション103の現像装置5K,5Cも同様である。以下、この退避動作と、それに関連する構成について画像ステーション102を例に説明する。
【0026】
本例においては、画像ステーション102に含まれる2つの現像装置5Y、5Mは一体化され、図2に示すように、回転軸102Aを中心に揺動可能とされている。現像装置5M、5Yが一体として実線の位置に揺動した状態では、現像装置5Mの現像スリーブ上に穂立ちさせられた磁気ブラシが感光体2に接触し、現像装置5Mは現像を行う状態つまり現像状態であるが、他方の現像装置5Yは非現像状態である。現像装置5M、5Yが一体的に点線の位置に揺動した状態では、現像装置5Yの現像スリーブ上に穂立ちさせられた磁気ブラシが感光体2に接触し現像装置5Yは現像状態であるが、現像装置5Mは非現像状態である。
【0027】
このような現像装置5M、5Yの一体的な揺動駆動は、感光体2の長手方向から見た断面積において回転軸から外周までの距離が一定ではない楕円形の部材102Bを、不図示のモータからの駆動力を受けて時計回りに回転する事によって行われる。もちろん、この揺動駆動のための構成は一例であり、これに限られるものではない。また、本例のように揺動を行なわなくても、非接触型のジャンピング現像によって現像を行なう構成の現像装置を現像装置5M、5Yとして用いる場合には、それら現像装置に対して択一的に現像バイアスを印加する事によって、現像状態と非現像状態を切り替えることもできる。
【0028】
上述した構成において、本例では、まず現像装置5Yによりイエロー色の現像が行なわれるものとする。感光体2上に形成されたイエロー色のトナー像は中間転写ベルト6に一次転写される。次に、中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61CKにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、その後、主走査同期信号がコントローラ9に到達すると、露光装置1では画像ステーション103用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション103内の感光体2の露光を開始する。画像ステーション103では、現像装置5Kが現像状態となり、感光体2上にブラック色のトナー像が形成され、これが中間転写ベルト6上のイエロートナー像に重ねて転写される。
【0029】
中間転写ベルト6上のイエロートナー像とブラックトナー像が重ね合わされた画像が1周し、再び画像ステーション102に到達する。画像ステーション102では現像装置5Yが非現像状態、現像装置5Mが現像状態に切り替えられており、中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61MYにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、次いで主走査同期信号がコントローラ9に到達すると、露光装置1では画像ステーション102用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション102内の感光体2の露光を開始する。画像ステーション102の感光体2上に形成されたマゼンタ色のトナー像は、中間転写ベルト6上のイエロートナー像、ブラックトナー像に重ね合わせられて転写される。
【0030】
中間転写ベルト6上のイエロートナー像、ブラックトナー像及びマゼンタトナー像が重ねあわされた画像が1周し、再び画像ステーション103に到達する。この時には、画像ステーション103では現像装置5Cが現像状態に切り替えられており、中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61MYにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、次いで主走査同期信号がコントローラ9に到達すると、露光装置1では画像ステーション103用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション103内の感光体2の露光を開始する。画像ステーション103では、現像装置5Cにより感光体2上にシアン色のトナー像が形成され、これが中間転写ベルト6上にイエロートナー像、ブラックトナー像、マゼンタトナー像、およびシアントナー像が重ねあわされて転写され、フルカラー画像が形成される。このフルカラー画像は、不図示の用紙搬送機構により搬送された非転写体としての用紙に転写される。そして、その用紙は定着装置7を経由して排出されるが、定着装置7を通過する際に用紙上のトナー像は加熱及び加圧によって用紙に定着させられることは従来の同様の画像形成装置と同様である。
【0031】
さて、画像ステーション102,103のクリーニング装置3は、帯電装置4の回転軸を中心に揺動する事によって、そのクリーニングブレードが感光体2に接触し又は感光体2から離間する構成とされている。これについて図3を用いて説明する。図3は画像ステーション102を拡大した図であるが、画像ステーション103についても同様の構成である。
【0032】
図3(A)において、クリーニング装置3に設けられたクリーニングブレード3Aは感光体2に当接し、感光体2上の転写残トナーをクリーニングすることが可能な状態(以後、「クリーナ接触状態」と記す)となっている。これに対し、図3(B)においては、クリーニング装置3が帯電ローラ4の回転軸を中心に揺動することでクリーニングブレード3Aが感光体2から離間し、転写残トナーをクリーニングしない状態(以後、「クリーナ離間状態」と記す)となっている。クリーニング装置3の揺動駆動は、感光体2の長手方向から見た断面積において回転軸から外周までの距離が一定ではない楕円形の部材3Bが不図示のモータからの駆動力を受けて時計回りに回転する事によって行われる。もちろん、クリーニング装置3を揺動させる構成はこの例に限らない。
【0033】
ここで、仮に、クリーニング装置3が常に「クリーナ接触状態」にあると、転写残トナーは、常にクリーニングされる事となり再利用されない。
【0034】
一方、仮に、クリーニング装置3が常に「クリーナ離間状態」にあると、転写残トナーはクリーニング装置3によってはクリーニングされず現像装置によって回収されて再利用される事となる。すなわち転写残トナー粒子は感光体2に付着したままの状態で、感光体2と、感光体2に対して非接触に設けられた帯電装置3との間を通過するが、この際に放電によって負帯電させられる。負帯電させられたトナー粒子が付着したままの状態で感光体2は露光を受けて静電潜像を形成する。その後、転写残トナー粒子は、現像状態にある現像装置の現像スリーブ上に形成された磁気ブラシと感光体2とが接触する現像領域において静電気力を受け、被露光部に付着したトナー粒子は感光体2上に付着したまま現像領域を通過し、それ以外の部分に付着したトナー粒子はその現像装置に回収されて再利用される。
しかし、クリーニング装置3が常に「クリーナ離間状態」にあると、現像装置内でトナー粒子が混色する事となる。例えば、現像装置5Mが現像状態にある時に感光体2上に付着した転写残マゼンタトナーは、現像装置5Mが現像状態にある間は現像装置5M内に回収されるので有効に再利用されることとなるが、現像装置5Mが非現像状態、現像装置5Yが現像状態に切り替わり、現像装置5Yによって現像が行なわれる状態になると、転写残マゼンタトナーは現像装置5Y内に回収される事となり、マゼンタトナーとして適正に再利用されないばかりか現像装置5Y内で混色を引き起こして画像品質を悪化させてしまう。
【0035】
かかる不具合を解消するために、本例においては、クリーニング装置3は、部材3Bの回転を制御する事によって、現像装置5M,5Y(5C,5K)の状態切り替わりの前後に「クリーナ接触状態」とされ、それ以外の時間は「クリーナ離間状態」となるように制御される。
【0036】
一例をあげてクリーニング装置3の制御を具体的に説明する。ここでは、感光体2の直径sは30mm、感光体2の周速vは100mm/secとなっている。また、図2に示すように、クリーニングブレード3Aが感光体2と接触する位置をPc、感光体の回転方向上流側の現像装置5Y(5K)の磁気ブラシが感光体2と接触する領域のうち感光体回転方向でもっとも上流の位置をPd1、感光体の回転方向下流側の現像装置5M(5C)の磁気ブラシが感光体2と接触する領域のうち感光体回転方向でもっとも上流の位置をPd2とする。この例では、感光体2の円周上での位置Pcと位置Pd1との距離(以下、L1と記す)が30mm、感光体2の円周上での位置Pcと位置Pd2との距離(以下、L2と記す)が45mmとなっている。
【0037】
感光体2の円周の長さ(=π×s[mm])は100mmに満たないので、例えば、A4の画像(短辺約210mm)を形成する時には、ひとつの現像装置が現像を行なう間に感光体2は2回以上回転する事となる。制御式を一般化するために、形成しようとする画像の搬送方向(=感光体の回転方向)の長さをXとすると、一つの現像装置が現像を行なう時間は最低でもX/v[sec]必要である。一方、クリーニングブレード3Aと接触した感光体上の点が、上流(下流)側の現像装置5Y(5M)と感光体2との接触位置Pd1(Pd2)に到達するまでの時間はL1/v[sec](L2/v[sec])である。本例においては、クリーニング装置3は、上流側の現像装置5Yが現像状態に切り替わる時刻よりも(L1/v+Tcc)[sec]早い時刻に「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」への移行を始める。ここでTccはクリーニング装置3が「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行するまでの時間である。このように、上流側の現像装置5Yが現像状態となる時刻よりも(L1/v+Tcc)[sec]早い時刻にクリーニング装置3が「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行を始めることによって、上流側の現像装置5Yの時期ブラシと接触する感光体2上の領域はクリーニング済みとなっている。したがって、感光体2上にマゼンタの転写残トナーは存在しない状態となっており、マゼンタトナーが現像装置5Y内に混入することによる混色の発生を防止することができる。
【0038】
同様に、下流側の現像装置5Mが現像状態となる時刻よりも(L2/v+Tcc)[sec]早い時刻にクリーニング装置3が「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行を始めることによって、下流側の現像装置5Yの時期ブラシと接触する感光体2上の領域をクリーニング済みとする事ができる。
【0039】
クリーニング装置3を「クリーナ接触状態」から再び「クリーナ離間状態」へと移行させるタイミングは、感光体上から他方の現像装置が残した転写残トナーがなくなる時間、すなわちクリーニング装置3が感光体2に接触してから感光体が1周する時間(π×s/v)[sec]の経過後とすればよい。なお、余白の存在なども考慮して、クリーニング装置3が感光体2に接触してから(π×s/v)[sec]経過する以前に「クリーナ接触状態」から「クリーナ離間状態」へと移行してもよいが、感光体が1周する時間(π×s/v)[sec]が経過する間はクリーニング動作を行なうのが現像装置内部での混色を確実に防止する観点から望ましい。
以上のように、常に「クリーナ接触状態」にある場合には、転写残トナーが再利用される時間が0であるのに対し、「クリーナ接触状態」と「クリーナ離間状態」とを切り替えることによって(X/v−π×s/v)[sec]の時間は転写残トナー粒子を現像装置に回収して再利用する事が可能となる。A4画像の場合、X=210mmなので、v=100mm/sec、s=30mmを代入すると、1.16[sec]の間、トナー粒子を再利用する事が可能となる。一方、クリーニングを実施する時間はπ×s/v[sec]=0.94[sec]であるので、画像上のどの領域でもトナー付着量が均一であるとすると、転写残トナーのうち55.2%(=1.16[sec]/2.10[sec]×100%)が再利用される事となる。
【0040】
このように、転写残トナーの回収効率が50%であるとしても、廃トナー収納部の容量を半分に低減する事ができ省スペースにつながるし、廃トナー収納部の容量を変えない場合には2倍の廃トナーを収納する事が可能となるために廃トナー収納部交換までの時間を倍増させて長寿命化を図る事ができる。
以上の説明においては、画像間の距離を0として計算を行なった。しかし、実際的には、用紙と次の用紙の間に所定の間隔が空けられるのが一般的であり、また、用紙の端部には余白が設けられることが一般的であり、さらに、画像の中央部に比べて画像の端部には画像が存在する確率が一般的に低い事などを考え合わせると、トナー粒子の回収効率は上記計算値以上に上昇する。例えば、用紙と用紙の間の間隔を94[mm]とした場合には、「クリーナ接触状態」においてクリーニング装置3内に回収されるトナー粒子は、画像が存在しない部分に予期せず付着した逆帯電トナーなどに限られる。このために「クリーナ接触状態」においてクリーニングされるトナー粒子はほとんど存在しない。その一方で、トナー画像が付着した領域における転写残トナーは「クリーナ離間状態」において感光体上を移動して現像装置に回収される事となるので、結局、転写残トナーの回収効率はほぼ100%となる。したがって、上に述べた以上の効果を得られる。
【0041】
以上のように、本発明によれば、現像装置内での混色を防止する事が可能となるが、本例のように感光体2上に複数色のトナー粒子が存在する画像形成装置においては、帯電装置にトナー粒子が移動することによって帯電装置上でトナー粒子が混色する事があり得る。帯電装置上でトナー粒子が混色すると、この混色したトナー粒子が現像装置13内に入り込んで現像装置内で混色が発生することがある。かかる不具合を防止するために、帯電装置が感光体に対してトナー粒子の平均粒径(重量平均粒径)以上の間隔を空けて非接触に対向していることが望ましい。この観点からは、感光体に対して非接触なコロナ帯電装置も好適に使用可能である。
【0042】
また、接触帯電を行なう場合には、接触帯電部材に付着したトナー粒子を容易に除去できるように、ローラタイプの接触帯電部材を用いる事が望ましい。磁気ブラシやファーブラシを用いた帯電方式を用いる事は、ブラシ中に混入したトナー粒子の完全な回収が非常に困難であるために望ましくない。
なお、放電型の帯電装置を使用する場合には、本例のようにクリーニング動作を行なう事によって放電生成物の蓄積を抑える事ができる。したがって、本例のシステムは、クリーナレス動作を行なうために転写残トナーの多くを再利用でき、非接触帯電を行なうためにクリーナレス動作時に帯電装置が汚れる事がなく、放電生成物に対しては現像切り替えと連動させた転写残トナークリーニングによってこれを除去する事が可能であって、各要素が相補的に調和したシステムとなっている。
また、本例のクリーニング装置は、クリーニングブレードを用いるものであったが、クリーニング装置の接離に伴なう感光体2への負荷変動を低減するために、ローラ型やブラシ型のクリーニング部材を使用しても良い。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図4において、図1と対応した要素には同一の参照符号が付けられている。
【0043】
図4において、1は露光装置、2は像担持体としてのドラム状感光体、3はクリーニング装置、4は帯電装置、5K、5C、5M、5Yはそれぞれシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色の現像装置、9は画像形成装置全体の制御を行なうコントローラ、6は中間転写体としての中間転写ドラム、7は定着装置である。現像装置5K,5C,5M,5Yは一体的に回転し、その1つが現像状態に、それ以外が非現像状態になる構成である。本例の画像形成装置は、接触帯電部材から感光体に電荷を注入する電荷注入システムである。以下、各要素について詳説する。
《感光体2》
本例における感光体2は、負帯電用の有機感光体であり、不図示の回転駆動機構によって矢印方向すなわち時計回り方向に回転駆動される。その直径は24mm、回転時における表面の移動速度は80mm/secである。
【0044】
より詳しくは、この感光体2は、図5に示すように、直径24mmのアルミニウム基体11a上に、下引層11b、電荷発生層11c、電荷輸送層11dを順次重ねて形成された一般的な有機感光体に、さらに表面層として厚さ3μmの電荷注入層11eを重ねた構成となっている。
【0045】
電荷注入層11eは、光硬化性のアクリル樹脂に、導電性の酸化スズ粒子及び粒径約0.25μmの四フッ化エチレン樹脂粒子を分散したものである。具体的には、アンチモンをドーピングし低抵抗化した粒径約0.03μmの酸化スズ粒子を樹脂に対して100質量%、更に、樹脂に対して四フッ化エチレン樹脂粒子を20質量%および分散剤を1.2質量%をそれぞれ分散したものである。電荷注入層を樹脂中に導電性粒子を分散させて構成する場合の例としては、上記以外にも、樹脂としては熱可塑性樹脂や硬化性樹脂が使用可能であり、具体的にはアクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等が使用可能である。一方、導電性粒子としては金属酸化物、導電カーボン等を用いる事が可能である。以下においては、像担持体表面層に含有され、かつ像担持体表面に露出した導電性粒子を「被注入導電粒子」と表現する事とする。
【0046】
良好な注入帯電を行なうためには、電荷注入層の体積抵抗値(=体積抵抗率)は10^10〜10^14[Ω・cm]であることが望ましい(X^n はXのn乗を意味する、以下同様)。電荷注入層の体積抵抗値が10^10[Ω・cm]よりも小さい場合には静電潜像を一定時間保持する事が困難となり、電荷の拡散による潜像ボケが発生してしまう。一方、電荷注入層の体積抵抗値が10^14[Ω・cm]よりも大きい場合には良好な電荷注入が困難となり帯電性能が低下してしまう。本例では体積抵抗値が1×10^12 [Ω・cm]である電荷注入層を用いる。なお、像担持体の最表面層の体積抵抗の値は、温度23℃、湿度65%の環境で100Vの電圧を印加して測定した場合の値である。
【0047】
《帯電装置4》
本例の帯電装置4は、直径6mmの芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した、直径12mmの可撓性の帯電ローラ(接触帯電部材)である。ここでは、理解を容易にするため帯電装置4を帯電ローラと記す。
【0048】
この帯電ローラ4において芯金上に形成される中抵抗層の材質は、上記に限定されるものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、これらを発泡させたものを用いることができる。
【0049】
帯電ローラ4として機能するための主要な特性を以下説明する。まず、帯電ローラ4は像担持体つまり感光体を充電するために充分な程度まで電気抵抗が低い必要がある。注入帯電機構は、接触帯電部材および帯電促進導電粒子を抵抗とし、被注入導電粒子をコンデンサーとしたときに、抵抗とコンデンサーとが直列接続された電気回路モデルと等価であると考えられる。したがって像担持体上の一点が帯電部を通過する間にコンデンサーを充電(=像担持体を帯電)させるためには、電気回路の抵抗(=接触帯電部材および帯電促進導電粒子の抵抗)は低くなければならない。その一方で、像担持体にピンホールなどが存在した場合のリークを防止するためにはある程度以上の電気抵抗が必要であるため、十分な帯電能力と耐リーク性とを両立させるためには体積抵抗値が10^4〜10^7Ω・cmであることが好ましい。ここで帯電ローラ4の体積抵抗値は、芯金に総圧1kgの加重がかかるようφ24mmの円筒状アルミドラムにローラを圧着した状態で、芯金とアルミドラムとの間に700Vを印加して計測する場合の値である。
【0050】
帯電ローラ4と感光体2との間には帯電促進導電粒子が介在させられている。像担持体と接触帯電部材との接触部における帯電促進導電粒子の介在量は、少なすぎると接触性向上あるいは潤滑の効果が十分に得られず、逆に多すぎても露光を阻害する等の不具合が発生する。適正な条件は帯電促進導電粒子の粒度分布や作像条件によって大きく変動するため、装置に合わせて最適な値を設定する必要がある。
【0051】
また、帯電ローラ4は、感光体2に対して所定の押圧力で圧接されることにより感光体の移動方向に所定の幅をもって接触する事が望ましい。この所定の幅は、帯電ローラ4の体積抵抗値や帯電促進導電粒子の介在量などにより適宜調整すればよいが、この幅を大きく取ることによって帯電促進導電粒子が密に感光体2に接触する。この結果、帯電促進導電粒子が感光体2の表面をほぼ隙間なく摺擦することができるようになり、注入帯電を実現する事が可能となる。
【0052】
更に、帯電ローラ4の表面における移動速度と感光体2の表面における移動速度との間に相対的速度差を設けることで、帯電促進導電粒子が像担持体に接触する機会を増加させ、接触性を向上させることができる。特に、本例のようにローラ形状の接触帯電部材を用いる場合には、帯電促進導電粒子を介在させることにより摩擦低減効果が生じ、接触帯電部材と像担持体との間のトルクの低減が可能となる。このため、速度差を設けた場合において発生する接触帯電部材や像担持体表面の削れ量を抑制することが可能となる。本例においては、帯電ローラ4を感光体2に対してカウンター方向(感光体2表面の移動方向の逆方向)に80mm/secの周速で回転させる(相対速度差160mm/sec)。
【0053】
《帯電促進導電粒子》
帯電促進導電粒子の体積抵抗値は、転写残トナーへの付着・混入によっても帯電性能が低下する事がないように、10^6 Ω・cm以下であることが好ましい。なお、帯電促進導電粒子の体積抵抗値は、セルに帯電促進導電粒子を充填し、この帯電促進導電粒子を2つの電極によって上下から10[kg]の荷重をかけて挟み込み、100Vの電圧を印加し、このときに流れる電流値を電流計で検出して求める。
また、帯電促進導電粒子は、透明、白色或いは淡色であることが、露光の妨げにならないという観点から好ましい。さらに、帯電促進導電粒子は、静電潜像を形成する像露光光に対する透過率が30%以上であることが好ましい。
【0054】
本発明における帯電促進導電粒子としては、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉末や、銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微粉末や、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンなどの金属酸化物や、硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリウムなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物などを、必要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使用することができる。上述した露光阻害防止の観点からは、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンが特に好ましい。
【0055】
また、抵抗値を制御する目的でアンチモン、アルミニウムなどをドーピングした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒子なども使用できる。例えば、酸化スズ・アンチモンで表面処理された酸化チタン微粒子、アンチモンがドーピングされた酸化第2スズ微粒子、あるいは酸化第2スズ微粒子などである。
【0056】
帯電促進導電粒子の個数平均径は1.0μmからトナー平均粒径程度である事が好ましい。帯電促進導電粒子が小さすぎる場合には帯電部における接触性向上の効果が発揮できず、したがって像担持体の帯電性を向上させる効果が得られず画像不良を生ずる。また、像担持体上に供給されたとしても粒子径が小さすぎる場合には、トナー像の転写性および転写残トナー粒子の回収性を向上させる効果が得られない。一方、帯電促進導電粒子が大きすぎる場合には、帯電部に供給されても均一な像担持体の帯電性を促進することができない。また露光を遮ることによる画像欠陥を生じる場合がある。
【0057】
本例で用いる帯電促進導電粒子は、粒径10nm〜500nmの一次粒子が凝集した、平均粒径3μmの帯電促進導電粒子である。
【0058】
なお、本例のように現像装置を択一的に切り替えながら転写残トナーを現像装置で回収するシステムにおいて接触帯電を行なうと、接触帯電部材上に転写残トナーが付着しやすく、このため接触帯電部材上で混色したトナーが現像装置に混入して混色を生じるという不具合が生じることがある。本例の接触帯電部材すなわち帯電ローラ4上には、帯電促進導電粒子が存在してスペーサ効果を発揮するため、転写残トナーが接触帯電部材に付着する不具合を低減可能となっている。また、転写残トナーが接触帯電部材に付着する不具合を防止するためには、後述の第4の実施の形態と同じように、帯電ローラ4をクリーニングするためのクリーニング部材を帯電ローラ4に接離可能に設けると良い。
【0059】
《現像装置5》
以下、現像装置5C,5M,5Y、5Kについて説明するが、いずれも同一構造であるので、ここでは現像装置5と総称する。
本例の現像装置5は、現像剤担持体と感光体2との離間距離よりも現像剤担持体上の現像剤層が薄く形成させられた、非接触型の1成分現像の装置である。具体的には、現像剤担持体としての直径16mmの現像スリーブを、その表面速度が100mm/secとなるように反時計回りに回転させる。この現像スリーブ上に、弾性ブレードによって厚みを規制されながら現像剤であるトナー粒子がコートされるが、その際に、現像剤は弾性ブレードとの摩擦により負帯電させられる。
【0060】
本例ではトナー粒子とともに帯電促進導電粒子を感光体上に供給して帯電装置4つまり帯電ローラに供給するが、非接触型現像方法を適用することで、電気抵抗値が低い帯電促進導電粒子を現像剤中に添加しても、現像部において帯電促進導電粒子を介しての感光体2への電荷注入が発生しない。そのため、かぶりのない良好な画像を得ることができる。その一方で、転写残トナーの回収能力が接触現像方法に比べて劣るが、適切な粒径分布を有する一次粒子の凝集体として帯電促進導電粒子を構成することによって、トナー粒子から遊離しやすくされた帯電促進導電粒子が感光体2上に存在することにより、非接触現像においても転写残トナーの現像装置5への回収効率を向上させることが可能となる。
【0061】
また、現像剤担持体としての現像スリーブと像担持体としての感光体2との間には、直流電界のみならず交番電界が重畳される。交番電界の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等を適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であっても良い。
【0062】
現像剤を担持をする現像剤担持体と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークで500〜3500V、周波数300〜5000Hzの交流電界を印加することが好ましい。上記範囲の交流電界を形成することで、現像剤中に添加された帯電促進導電粒子が均等に感光体2側に移行されやすく、帯電部において帯電促進導電粒子を介しての接触帯電部材と感光体2との接触性を向上させることが出来、これによって感光体2の一様な注入帯電を促進することができる。その一方、周波数またはピークトゥーピーク電圧が大きくなりすぎると感光体2上の被注入導電粒子から帯電促進導電粒子に電荷が移動しやすくなり、この結果、粒径が大きな帯電促進導電粒子を介してすら電荷の移動が起こるようになり、顕著な潜像ボケを生じる恐れがある。
【0063】
《露光装置1》
露光装置1は、画像情報に従って帯電後の像担持体11に潜像を書き込むための装置であり、本例では回転多面鏡9を用いて光ビームを偏向走査する構成である。ただし、LEDアレイ等、種々の構成の露光装置を用いる得る。
[クリーニング装置3]
本例で使用するクリーニング装置3を図6により説明する。図6において、301は回転しつつ感光体上の転写残トナーや粉塵を回収するためのファーブラシ、302は回転しつつファーブラシ301に付着したトナーや粉塵を除去回収する回収ロール、304はハウジング、303は回収ロール302上のトナーや粉塵をそぎおとす、ハウジング304と一体に形成されたブレードである。ファーブラシ301には約400V、回収ロール302には約700Vのバイアスがそれぞれかけられ、感光体表面に残留していた転写残トナーや粉塵等は電気的に移送され、ブレード303でハウジング内にそぎおとされ格納される。
【0064】
ファーブラシ301は、円筒状の芯の回りにブラシを植毛し、あるいは巻き付けてなるものである。ブラシの構成素材は任意のものを用いることができるが、疎水性で、かつ誘電率が高い繊維形成性高分子重合体を用いるのが好ましい。このような高分子重合体としては、例えばレーヨン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル酸樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリビニルアセタール(例えばポリビニルブチラール)等が挙げられる。これらの樹脂は単独であるいは2種以上の混合物として用いることができる。特に好ましいのはレーヨン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレンである。ブラシは導電性でも絶縁性でもよく、構成素材にカーボン等の低抵抗物質を含有させ、任意の抵抗に調整したものが使用できる。
【0065】
《画像形成装置の動作》
次に本例の画像形成装置の動作を概説する。画像形成動作が開始されると、感光体2の表面が帯電装置4すなわち帯電ローラにより所定の電位に帯電させられる。感光体2は図示の向きに回転させられるため、帯電させられた感光体2の表面は露光装置1により露光され、露光部分が除電されることで露光部分が画像部、非露光部分が非画像部となり、感光体2上に静電潜像が形成される。
【0066】
感光体2上の静電潜像は現像装置5K、5C、5M、5Yのいずれか1つにより現像させられる。各現像装置はトナー含む現像剤を担持する現像剤担持体としての現像スリーブを有し、この現像スリーブに対して静電潜像の非画像部電位と画像部電位との中間の電位が印加されることによって、現像スリーブ上のトナーが択一的に画像部に付着する。この例では現像装置5K、5C、5M、5Yはリボルバー方式であり、4つの現像装置が一体に回転する事により感光体2に対向する現像装置が切り替わり、この回転動作により択一的に感光体2と対向させられた現像装置が現像状態となり現像動作を行なう。
【0067】
択一的に選択された現像装置によって感光体2上に形成された1色目のトナー像は、感光体2と中間転写ドラム6との近接領域である一次転写部において、不図示の一次転写機構によって中間転写ドラム6に転写される。現像装置を一体に回転させる不図示のリボルバー機構は、1色目の現像が終了すると現像装置を一体に回転させ、2色目の現像装置を感光体2に対向させ現像状態にする。
【0068】
中間転写ドラム6上の1色目トナー像は、中間転写ドラム6の回転によって再び一次転写部に運ばれる。このとき、2色目の現像装置によって現像された2色目のトナー像が一次転写部に到達するように画像形成装置は制御され、一次転写部において1色目のトナー像と2色目のトナー像とが重なり合う。
【0069】
2色目の現像が終了すると、1色目から2色目に切り替えたのと同様な動作により3色目、4色目のトナー像が形成され、中間転写ドラム6上に4色のトナー像が重ねられたフルカラー画像が形成される。中間転写ドラム6上にフルカラー画像が形成されると、それまで退避または休止していた不図示の2次転写機構が働き、フルカラー画像は被記録体としての用紙8に2次転写され、この用紙8上のフルカラー画像は定着装置7によって定着される。
【0070】
本例の画像形成装置は、クリーニング装置3のファーブラシ301にバイアスを印加しつつファーブラシ301を回転させてクリーニングを行なう状態(以後、「クリーナ稼動状態」と記す)と、ファーブラシ301にバイアスを印加せずかつファーブラシ301を停止させてクリーニングを停止させる状態(以後、「クリーナ非稼動状態」と記す)とが切り替え可能となっている。
【0071】
クリーニング装置3が常に「クリーナ稼動状態」であると、転写残トナーは常にクリーニングされる事となり、再利用される事はない。一方、クリーニング装置3が常に「クリーナ非稼動状態」であると、転写残トナーはクリーニング装置3ではクリーニングされず現像装置に回収されて再利用される事となる。すなわち転写残トナー粒子は感光体2に付着したままの状態で、帯電装置3に到達するが、この際に帯電促進導電粒子や感光体との摩擦によって負帯電させられて帯電極性を整えられる。負帯電させられたトナー粒子が付着したままの状態で感光体2は露光を受けて静電潜像を形成する。その後、転写残トナー粒子は現像領域において現像バイアスによる静電気力を受け、被露光部に付着したトナー粒子は感光体2上に付着したまま現像領域を通過し、それ以外の部分に付着したトナー粒子は現像装置に回収されて再利用される。この際、帯電促進導電粒子の存在によって非接触現像においても回収効率が向上する。
しかし、クリーニング装置3が常に「クリーナ非稼動状態」であると、前記第1の実施の形態と同様に、現像装置内でトナー粒子が混色する事となる。例えば、現像装置5Mが現像状態にあるときに感光体2上に付着した転写残マゼンタトナーは、現像装置5Mが現像状態にある間は現像装置5M内に回収されるので有効に再利用されることとなるが、現像装置が切り替わり現像装置5Yによって現像が行なわれる状態になると、現像装置5Y内に回収される事となり、マゼンタトナーとして適正に再利用されないばかりか現像装置5Y内で混色を引き起こして画像品質を悪化させてしまう。
【0072】
かかる不具合を解消するために、本例においては、クリーニング装置3を、現像装置の切り替わりの前後に「クリーナ稼動状態」とし、それ以外の時間は「クリーナ非稼動状態」とするように制御する。
【0073】
一例をあげて具体的に説明する。本例においては感光体2の直径sが30mm、感光体2の周速vが100mm/secとなっており、またファーブラシ301が感光体2と接触する位置をPc、現像装置5が感光体2との間で形成する現像領域のうち感光体回転方向でもっとも上流の位置をPdとすると、感光体2の円周上での位置Pcと位置Pdとの距離(以下、Lと記す)が30mmとなっている。
【0074】
感光体2の円周の長さ(=π×s[mm])は100mmに満たないので、例えば、A4の画像(短辺約210mm)を形成する時には、ひとつの現像装置が現像を行なう間に感光体2は2回以上回転する事となる。制御式を一般化するために、形成しようとする画像の搬送方向(=感光体の回転方向)の長さをXとすると、一つの現像装置が現像を行なう時間は最低でもX/v[sec]必要である。一方、感光体上の点が位置Pcから位置Pdに到達するまでの時間はL/v[sec]である。本例においては、クリーニング装置3は、新たに切り替わった現像装置が現像を開始する時刻よりも(L/v+Tcc)[sec]早い時刻に「クリーナ非稼動状態」から「クリーナ稼動状態」へと移行を始める。ここでTccはクリーニング装置3が「クリーナ非稼動状態」から「クリーナ稼動状態」へと移行するまでの時間であるが、本例ではバイアスのON/OFFのみによって切り替えを行なうためにこの時間はほとんどかからない。
【0075】
切り替わった現像装置が現像を開始する時刻よりも(L/v+Tcc)[sec]早い時刻にクリーニング装置3が「クリーナ非稼動状態」から「クリーナ稼動状態」へと移行を始めることによって、新たに切り替わった現像装置が現像を開始する際に対向する感光体2上の領域はクリーニング済みとなっている。したがって、感光体2上に切り替わり以前の色の転写残トナー粒子は存在せず、異色トナーが現像装置内に混入することによる混色の発生は防止される。また、本例のクリーニング装置3は、バイアスの切り替えのみによって「クリーナ非稼動状態」と「クリーナ稼動状態」とが切り替わるので、制御を高速に行なうことができる。
なお、本例の画像形成装置において、前記第1の実施の形態1と同様な非接触型の帯電ローラを帯電装置として用いることも可能である。また、接触現像を採用することも可能である。
【0076】
[第3の実施の形態]
前記第1の実施の形態では、1つの感光体の周囲に2つの現像装置を配設した構成を示したが、1つの感光体の周囲に現像装置を3つ以上配設した構成においても、現像装置の切り替えを順次行ないながら1色ずつ画像を形成する画像形成装置であれば本発明を適用可能である。
【0077】
図7は、そのような構成の第3の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0078】
本例の画像形成装置では、像担持体としてのドラム状感光体2の周囲に4つの現像装置5C、5M、5Y、5Kが配設され、それらにより択一的に現像された感光体2上のトナー画像が中間転写ベルト6に順次転写される。感光体2、中間転写ベルト6および帯電装置4としては第1の実施の形態と同様なものが使用され、クリーニング装置3としては第2の実施の形態と同じものが使用されるため、それら要素の構成および動作の説明は繰り返さない。
本例では、現像装置として第2の実施の形態で使用したジャンピング現像方式のものを採用する。かかる構成によれば、現像装置の切り替えおよびクリーニング装置の稼動/非稼動がバイアス制御のみで可能となるために、高速かつ簡易に転写残トナーを回収するモードと転写残トナーをクリーニングするモードとを切り替えることが可能となる。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0079】
本例の画像形成装置は、第1の実施の形態とほぼ同じ構成であるが、クリーニング装置3がなく、また、帯電装置4は接触帯電部材である帯電ローラ4A、帯電ローラクリーナ4B及びハウジング4Cとを備えている。なお、図8には、一方の画像ステーション102(図1参照)のみ示されている。以下、第1の実施の形態との相違点である帯電装置4についてのみ説明する。
【0080】
本例においては、帯電ローラクリーナ4Bは、ブレードの形状をしており、ハウジング4Cと一体に構成されている。部材4Dの回転を制御する事によって、ハウジング4Cを上下移動させることにより、帯電ローラクリーナ4Bを帯電ローラ4Aに対し当接又は非当接とすることができる構成とされている。
【0081】
本例において、帯電ローラクリーナ4Bが帯電ローラ4Aへ当接させられた状態を「クリーナ接触状態」と記し、帯電ローラクリーナ4Bが帯電ローラ4Aから離間させられた状態を「クリーナ離間状態」と記す。ここで帯電ローラクリーナ4Bの当接/非当接は、本例においては、感光体2の長手方向から見た断面積において回転軸から外周までの距離が一定ではない楕円形の部材4Dが不図示のモータからの駆動力を受けて時計回りに回転する事によって達成される。もちろん、帯電ローラクリーナ4Bの当接/非当接を切り替える構成はこの例に限らない。
【0082】
本例の画像形成装置においては、接触帯電部材である帯電ローラ4Aが感光体2に接触しつつ感光体表面を帯電している。具体的には、第2の実施の形態で採用したのと同様な、直径6mmの芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した直径12mmの可撓性の帯電ローラが感光体に当接させられており、図示せぬ電源から芯金に対してDCバイアスとACバイアスとが重畳された帯電バイアスが印加される事によって感光体2の表面を帯電している。本例では、帯電ローラ4Aは感光体2と連れ回りさせられているが、ACバイアスの作用によって帯電ムラが低減されている。
「クリーナ離間状態」においては、クリーニング装置が存在しないため、転写残トナーは帯電ローラ4Aに到達すると感光体2と帯電ローラ4Aとの間を通り抜ける、あるいは帯電ローラ4A上に付着した後に感光体2上に吐き出される事によって現像動作中の現像装置に至り、ここで静電気力によって回収されることで再利用される。ここで、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーはその全てが感光体に吐き出されるわけではなく、一部は帯電ローラ4A上に長時間付着する。
一方、「クリーナ接触状態」においては、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーは帯電ローラクリーナ4Bによってそぎおとされるため、転写残トナーのうち帯電ローラ4Aに付着したものについては再利用される事なくハウジング4Cに格納される。
本例において、帯電ローラクリーナ4Bが常に「クリーナ接触状態」にあると、帯電ローラ4Aは常にクリーニングされる事となり、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーは再利用される事はない。一方、帯電ローラクリーナ4Bが常に「クリーナ離間状態」にあると、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーは帯電ローラクリーナ4Bによってはクリーニングされず現像装置によって回収されて再利用される事となる。
【0083】
しかし、帯電ローラクリーナ4Bが常に「クリーナ離間状態」にあると、現像装置内でトナー粒子が混色する事となる。例えば、現像装置5Mが現像状態にあるときに感光体2上に付着した転写残マゼンタトナーは、現像装置5Mが現像状態にある間は現像装置5M内に回収されるので有効に再利用されることとなるが、現像装置が切り替わり現像装置5Yによって現像が行なわれる状態になると現像装置5Y内に回収される事となり、マゼンタトナーとして適正に再利用されないばかりか現像装置5Y内で混色を引き起こして像品質を悪化させてしまう。
【0084】
かかる不具合を解消するために、本例においては、帯電装置4は、部材4Dの回転を制御する事によって、現像装置の切り替わりの前後に「クリーナ接触状態」となり、それ以外の時間は「クリーナ離間状態」となるように制御される。
【0085】
一例をあげて具体的に説明する。以下、現像装置を択一的に切り替えることによって、新たに現像を始める現像装置を「動作開始現像装置」と記す。本例においては感光体2の直径sが30mm、感光体2の周速(=表面の移動速度)vが100mm/secとなっている。また、帯電ローラクリーナ4Bが帯電ローラ4Aと接触する位置から、帯電ローラ4Aが感光体2と接触する位置まで、帯電ローラ上の一点が移動する間に経過する時間をTch[sec]とする。また、帯電ローラ4Aが感光体2と接触する位置から、「動作開始現像装置」が感光体2と接触する位置まで、感光体2上の一点が移動する間に経過する時間をTcd[sec]とする。
【0086】
本例においては、「動作開始現像装置」が感光体2と接触する時刻より
(Tch+Tcd+Tcc)[sec]だけ前に、帯電ローラクリーナ4Bの帯電ローラ4Aへの接触を開始する。ここで、Tccは、帯電ローラクリーナ4Bが「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行するまでの時間である。このように、「動作開始現像装置」が感光体2と接触する時刻よりも(Tch+Tcd+Tcc)[sec]だけ早い時刻に帯電ローラクリーナ4Bが「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行を始めることによって、「動作開始現像装置」と接触する感光体2上の領域は、帯電ローラ4A上の転写残トナーがクリーニング済みの領域となっているため、異色トナーが現像装置内に混入することによる混色の発生は防止される。
【0087】
帯電ローラクリーナ4Bを「クリーナ接触状態」から再び「クリーナ離間状態」へと移行させる制御タイミングは、感光体上から他方の現像装置が残した転写残トナーがなくなる時間、すなわちクリーニング装置3が感光体2に接触してから感光体2が1周する時間(π×s/v)[sec]を経過後とすればよい。
【0088】
以上のように、常に「クリーナ接触状態」にある場合には、転写残トナーが再利用される時間が0であるのに対し、「クリーナ接触状態」と「クリーナ離間状態」とを切り替えることによって(X/v−π×s/v)[sec]の時間は転写残トナー粒子を現像装置に回収して再利用する事が可能となる。
【0089】
したがって、前記第1の実施の形態と同様に、転写残トナーの回収効率が50%であるとしても、廃トナー収納部の容量を半分に低減する事ができ省スペースを達成可能となり、また廃トナー収納部の容量を変えない場合には2倍の廃トナーを収納する事が可能となるために廃トナー収納部交換までの時間を倍増させて長寿命化を図る事ができる。特に本例の場合には、独立したクリーニング装置を設けなくてすむために省スペースの点、あるいはレイアウト自由度の点で著しい効果がある。
【0090】
なお、前記各実施の形態において、トナー粒子としては種々のものを使用する事ができるが、クリーナレスシステムにおいては転写率を高めるために球形に近いトナー粒子を使用することが望ましいが、真球トナーはクリーニングしにくいので、形状係数SF1が120以上かつ150以下であるトナー粒子を用いることが望ましい。形状係数SF1は球形度を表す特性値であり、以下のように定義される。
【0091】
SF1=(100π/4)×(L2/S)
ここで、トナー粒子を2次元平面に投影した投影図形において、Lは投影図形の外周上の2点を結ぶ直線の長さの最大値であり、Sは投影図形の面積である。SF1のばらつきが少ないトナー粒子を得るためには、重合トナーを用いるのが好適である。例えば、縣濁重合、乳化重合など、公知の重合法を用いて作成した平均粒径(重量平均粒径)5μmのトナーを使用するとよい。トナー粒子の平均粒径の測定は、コールターカウンター法により求めることができる。
【0092】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1乃至9に記載の発明によれば、転写されずに像担持体上に残留したトナー粒子(顕画粒子)を現像装置で回収し再利用することが可能となり、また、廃トナーの量が減少するので廃トナー収納部の容量を減少させることができ画像形成装置の小型化に有利である。特に請求項2に記載の発明によれば、異色トナーの現像手段内部への混入を確実に防止し、現像手段内部での混色による画像品質の悪化を確実に防止できる。請求項3又は4に記載の発明によれば、簡易にクリーニング装置の動作/非動作を切り替えることが可能となる。請求項5又は6に記載の発明によれば、現像手段の択一的切り替えを簡易に行なうことが可能となる。請求項7又は8に記載の発明によれば、複数の現像手段を択一的に動作させて像担持体上に顕画粒子からなる可視像を順次形成する画像形成装置において、現像手段によるトナー粒子の回収を行なうのに適した帯電手段を得ることができる。請求項9に記載の発明によれば、トナー粒子を再利用することが可能となるとともに、独立したクリーニング装置を設ける構成に比べ省スペース化を図ることができる、等々の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態における現像装置の状態切り替えに関連した説明のための概略構成図である。
【図3】第1の実施の形態におけるクリーナ装置の状態切り替えに関連した説明のための概略構成図である。
【図4】第2の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図5】第2の実施の形態における感光体の構成を説明するための模式図である。
【図6】第2の実施の形態におけるクリーニング装置の構成を説明するための概略構成図である。
【図7】第3の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図8】第4の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図9】従来のクリーナレスタイプの画像形成装置を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
2 像担持体としての感光体
3 クリーニング装置
4 帯電装置
5(5Y,5M,5C,5K) 現像装置
6 中間転写ベルト又はドラム
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体上にトナー粒子(顕画粒子)による可視像を形成する画像形成装置(具体的には複写機、プリンタ、ファクシミリ等)に係り、特に、複数の現像装置を択一的に作動させて同じ像担持体上に複数の色のトナー像を順次形成するタイプの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被転写体に転写されずに像担持体上に残留する転写残トナーを現像装置で回収するクリーナレスタイプの画像形成装置が注目されている。かかるクリーナレスシステムは、転写残トナーを回収するための専用のクリーニング機構を設けず、転写残トナーの回収を現像装置で行なうシステムである。
【0003】
クリーナレスシステムを採用した画像形成装置の例を図9を用いて説明する。画像形成動作が始まると、コロナ帯電装置1200は像担持体としてのドラム状感光体1100の表面を―700Vに帯電させる。帯電された感光体1100に対して露光装置1400は書込みデータに応じた露光を行ない、光照射によって画像部の電位を変化させる事で、光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させ、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。静電潜像は現像装置1300によって2成分現像され、トナー像として感光体1100上に可視化される。感光体1100上のトナー像は転写部において記録紙や中間転写体に転写される。
【0004】
クリーナレスシステムでは、参考のために図示したクリーナ装置1500は存在しないため、転写されずに感光体1100上に残留したトナーは、そのまま感光体1100とともに移動し、コロナ帯電装置1200からのコロナシャワーによって負帯電させられ、現像装置1300との対向部に運ばれる。感光体1100と現像装置1300との対向部では、画像部に付着した転写残トナーはそのままトナー像として感光体上に残り、非画像部に付着した転写残トナーは現像バイアスの作用によってによって現像装置1300に回収される。このように、転写残トナーがクリーニング装置で回収されずに現像装置に戻されて再利用されるため、廃トナーが発生せず環境負荷が低減される。
【0005】
上に述べた例はコロナ帯電器を用いた例であるが、この他にも接触帯電装置を用いて転写残トナーを一度帯電装置に回収して帯電極性を整えるクリーナレスシステム、例えば、磁気ブラシ帯電装置を用いたクリーナレスシステム(特許文献1参照)や、帯電ローラを用いたクリーナレスシステム(特許文献2参照)が知れられている。さらに、非接触の帯電ローラを用いたクリーナレスシステムも知られている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−267397号公報
【特許文献2】
特開平10−307454号公報
【特許文献3】
特開2001−249525号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、像担持体の上に複数の色のトナー像を形成する画像形成装置においては、一般にクリーナレスを適用することはなされていなかった。この理由は、像担持体上に複数色のトナー像が存在するために、現像装置でトナー粒子を回収しようとすると、その現像装置が現像を行なう色以外の色のトナー粒子が現像装置内に回収され、現像装置内で混色が発生するためである。現像装置内で混色が生じると、出力された画像の上でも混色が発生する事となり、意図した画像が得られないという不具合が生じる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、複数の現像装置を択一的に作動させることにより、同じ像担持体の上に複数の色のトナー粒子(顕画粒子)からなる像を順次形成する画像形成装置において、転写残トナーを現像装置に効率的に回収し再利用できるようにし、廃トナーを極力発生させないことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、請求項1に記載のように、像担持体と、現像状態又は非現像状態に切り替え可能であって、択一的に動作することにより前記像担持体上に顕画粒子からなる可視像を順次形成する複数の現像手段と、前記像担持体上に順次形成された可視像を被転写体に転写する転写手段と、前記転写手段によって転写されずに前記像担持体上に残留した顕画粒子を除去するためのクリーニング手段とを備えた画像形成装置であり、前記クリーニング手段は、前記複数の現像手段の中の選択された現像手段が非現像状態から現像状態に切り替わる時点の前及び後の所定時間のみクリーニング動作を行ない、前記現像手段は前記像担持体上に残留した顕画粒子を回収可能な構成であることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項2に記載のように、請求項1の記載の構成において、前記複数の現像手段のうちで非現像状態から現像状態へと切り替わる現像手段を動作開始現像手段としたとき、前記クリーニング手段は、動作開始現像手段が現像動作又は接触を開始する像担持体上の領域がクリーニング済みとなるタイミングでクリーニング動作を開始し、少なくとも前記像担持体が一巡するまでクリーニング動作を継続することにある。
【0011】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項3に記載のように、請求項1又は2記載の構成において、前記クリーニング手段は、前記像担持体との接触又は離間によりクリーニング動作の実施又は不実施の切り替えが行われることにある。
【0012】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項4に記載のように、請求項1又は2の構成において、前記クリーニング手段は、クリーニング電圧印加手段により電圧を印加されることにより前記像担持体上に残留した顕画粒子を静電的な力で除去するものであって、前記クリーニング電圧印加手段から印加される電圧の値の変更によってクリーニング動作の実施又は不実施の切り替えが行われることにある。
【0013】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項5に記載のように、請求項1から4のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、前記像担持体との接触又は離間により現像状態又は非現像状態の切り替えが行われることにある。
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項6に記載のように、請求項1から4のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、前記像担持体との対向部において、現像剤担持体と前記像担持体との離間距離よりも該現像剤担持体上の現像剤層が薄く形成させられ、現像電圧印加手段から前記現像剤担持体に印加される電圧に基づく静電気力によって前記現像剤担持体から前記像担持体に向けて顕画粒子が飛翔させられることによって現像を行なう非接触型の現像手段であり、前記現像電圧印加手段から前記現像剤担持体に印加される電圧の値の変更によって現像状態又は非現像状態の切り替えが行われることにある。
【0014】
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項7に記載のように、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を選択的に除電して得られる静電潜像に対して、帯電させられた顕画粒子を選択的に付着させることにより可視像を形成する現像手段であり、前記帯電手段は、前記像担持体に対して顕画粒子の重量平均粒径以上の間隔を空けて非接触に対向させられ、放電によって前記像担持体表面を帯電させる帯電手段であることにある。
本発明の画像形成装置のもう1つの特徴は、請求項8に記載のように、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記現像手段は、帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を選択的に除電して得られる静電潜像に対して、帯電させられた顕画粒子を選択的に付着させることにより可視像を形成する現像手段であり、前記帯電手段は、前記像担持体に対して導電性粒子を介して接触させられた帯電部材に電圧を印加することで前記像担持体表面を帯電させる帯電手段であることにある。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、請求項9に記載のように、像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を画像情報に応じて選択的に除電して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、現像状態又は非現像状態に切り替え可能であって、択一的に動作することにより前記像担持体上に静電潜像に対応した顕画粒子からなる可視像を順次形成する複数の現像手段と、前記現像手段によって前記像担持体上に順次形成された可視像を被転写体に順次転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、前記帯電手段は、前記像担持体に対して電圧を印加された帯電部材を接触させて帯電を行なうものであって、前記複数の現像手段の中の選択された現像手段が非現像状態から現像状態に切り替わる時点の前及び後の所定時間のみ前記帯電部材をクリーニングする帯電クリーニング手段を有し、前記現像手段は、前記像担持体上に残留した顕画粒子を回収可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0018】
本画像形成装置は、中間転写体としての中間転写ベルト6の下方に、画像ステーション102,103と露光装置1が配置され、また、装置の一方の端側に定着装置7が備えられ、他方の端側にコントローラ9が備えられている。なお、中間転写ベルト6に転写されたトナー像は、最終的な被転写体である用紙8に転写され、この用紙は定着装置7に送られてトナー像を定着させられ後に排出されるが、図面の簡略化のため転写装置及び用紙搬送機構は図中省略されている。
【0019】
画像ステーション102は、像担持体としてのドラム状感光体2、クリーニング装置3、帯電装置4、イエロー色の現像装置5Y、マゼンタ色の現像装置5Mから構成されている。画像ステーション103は、トナー色が異なる以外は画像ステーション102と同じ構成であるので、対応要素には同じ参照符号が付けられている。ただし、現像装置5Kはブラック色の現像装置、現像装置5Cはシアン色の現像装置である。
【0020】
露光装置1は、回転多面鏡9とミラー等からなる一般的な構成のものであるが、2つの画像ステーション102,103のそれぞれに対応した2つの光源(不図示)があり、それら光源からの光ビームの偏向走査に共通の回転多面鏡9が利用される。
【0021】
本画像形成装置の動作を概説する。中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61MYにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、次いで主走査同期信号がコントローラ9に到達すると露光装置1による露光動作が開始される。
【0022】
まず、上流側の画像ステーション102用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション102内の感光体2の露光を開始する。露光が開始されると、画像ステーション102において、露光に間に合うように感光体2の表面が帯電手段4により所定の電位(本例では−600V)に帯電させられる。本例においては、帯電装置4として、感光体2の表面に対して帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けられた帯電部材である帯電ローラが使用される。かかる帯電ローラは、その長手方向両端に巻かれたテープやギャップコロ等によって、感光体2との間に10〜100μmのギャップを形成しており、不図示の電源ユニットから定電圧制御されたバイアスが帯電ローラの芯金に印加される事によって、上記ギャップにおける放電により感光体2の表面を帯電させる。
【0023】
帯電させられた感光体2の表面は露光装置1により露光され、その被露光部分が除電され(本例では−50V程度に除電される)、除電された領域と除電されない領域とが静電的にコントラストを形成することにより静電潜像が形成される。このようにして形成された感光体2上の静電潜像は、現像装置5Y,5Mのいずれか一方により現像される。
【0024】
本例における現像装置5Y,5Mは、接触2成分現像を行なう現像装置である。この現像装置の構成を現像装置5Mを例に詳説すると、現像装置5Mは、搬送磁極や現像主磁極などの磁石を内包した現像スリーブ5MAと、攪拌部材5MBとから構成されている。現像スリーブ5MA上に汲み上げられたトナー粒子は、磁性粒子であるキャリア粒子との摩擦によって負帯電させられながら磁性粒子とともに現像スリーブ5MAと感光体2との対向部に運ばれ、その対向部において現像主磁極の作用によって磁性粒子が穂立ちさせられて形成された磁気ブラシが感光体2に接触、摺擦させられる。この時に現像スリーブ5MAには所定のバイアス(本例では−300Vとする)が印加されており、磁気ブラシ中に含まれる負帯電したトナー粒子や磁気ブラシから遊離した負帯電したトナー粒子は感光体上の静電潜像の被露光部に選択的に付着させられてトナー像を形成する。以上、現像装置5Mについて説明したが、現像装置5C、5Y、5Kも同様な構成である(図中、現像装置5C、5Y、5Kの内部要素の参照符号は省略されいる)。
【0025】
また、本例においては、画像ステーション102の現像装置5Y,5Mは、択一的に感光体2から退避させられる事によって現像状態と非現像状態に切り替えられる構成とされている。画像ステーション103の現像装置5K,5Cも同様である。以下、この退避動作と、それに関連する構成について画像ステーション102を例に説明する。
【0026】
本例においては、画像ステーション102に含まれる2つの現像装置5Y、5Mは一体化され、図2に示すように、回転軸102Aを中心に揺動可能とされている。現像装置5M、5Yが一体として実線の位置に揺動した状態では、現像装置5Mの現像スリーブ上に穂立ちさせられた磁気ブラシが感光体2に接触し、現像装置5Mは現像を行う状態つまり現像状態であるが、他方の現像装置5Yは非現像状態である。現像装置5M、5Yが一体的に点線の位置に揺動した状態では、現像装置5Yの現像スリーブ上に穂立ちさせられた磁気ブラシが感光体2に接触し現像装置5Yは現像状態であるが、現像装置5Mは非現像状態である。
【0027】
このような現像装置5M、5Yの一体的な揺動駆動は、感光体2の長手方向から見た断面積において回転軸から外周までの距離が一定ではない楕円形の部材102Bを、不図示のモータからの駆動力を受けて時計回りに回転する事によって行われる。もちろん、この揺動駆動のための構成は一例であり、これに限られるものではない。また、本例のように揺動を行なわなくても、非接触型のジャンピング現像によって現像を行なう構成の現像装置を現像装置5M、5Yとして用いる場合には、それら現像装置に対して択一的に現像バイアスを印加する事によって、現像状態と非現像状態を切り替えることもできる。
【0028】
上述した構成において、本例では、まず現像装置5Yによりイエロー色の現像が行なわれるものとする。感光体2上に形成されたイエロー色のトナー像は中間転写ベルト6に一次転写される。次に、中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61CKにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、その後、主走査同期信号がコントローラ9に到達すると、露光装置1では画像ステーション103用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション103内の感光体2の露光を開始する。画像ステーション103では、現像装置5Kが現像状態となり、感光体2上にブラック色のトナー像が形成され、これが中間転写ベルト6上のイエロートナー像に重ねて転写される。
【0029】
中間転写ベルト6上のイエロートナー像とブラックトナー像が重ね合わされた画像が1周し、再び画像ステーション102に到達する。画像ステーション102では現像装置5Yが非現像状態、現像装置5Mが現像状態に切り替えられており、中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61MYにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、次いで主走査同期信号がコントローラ9に到達すると、露光装置1では画像ステーション102用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション102内の感光体2の露光を開始する。画像ステーション102の感光体2上に形成されたマゼンタ色のトナー像は、中間転写ベルト6上のイエロートナー像、ブラックトナー像に重ね合わせられて転写される。
【0030】
中間転写ベルト6上のイエロートナー像、ブラックトナー像及びマゼンタトナー像が重ねあわされた画像が1周し、再び画像ステーション103に到達する。この時には、画像ステーション103では現像装置5Cが現像状態に切り替えられており、中間転写ベルト6上の所定のマーカが検知装置61MYにより検知されることで副走査方向の記録開始信号がコントローラ9に送られ、次いで主走査同期信号がコントローラ9に到達すると、露光装置1では画像ステーション103用の光源からの光ビームが回転多面鏡9により偏向走査され、画像ステーション103内の感光体2の露光を開始する。画像ステーション103では、現像装置5Cにより感光体2上にシアン色のトナー像が形成され、これが中間転写ベルト6上にイエロートナー像、ブラックトナー像、マゼンタトナー像、およびシアントナー像が重ねあわされて転写され、フルカラー画像が形成される。このフルカラー画像は、不図示の用紙搬送機構により搬送された非転写体としての用紙に転写される。そして、その用紙は定着装置7を経由して排出されるが、定着装置7を通過する際に用紙上のトナー像は加熱及び加圧によって用紙に定着させられることは従来の同様の画像形成装置と同様である。
【0031】
さて、画像ステーション102,103のクリーニング装置3は、帯電装置4の回転軸を中心に揺動する事によって、そのクリーニングブレードが感光体2に接触し又は感光体2から離間する構成とされている。これについて図3を用いて説明する。図3は画像ステーション102を拡大した図であるが、画像ステーション103についても同様の構成である。
【0032】
図3(A)において、クリーニング装置3に設けられたクリーニングブレード3Aは感光体2に当接し、感光体2上の転写残トナーをクリーニングすることが可能な状態(以後、「クリーナ接触状態」と記す)となっている。これに対し、図3(B)においては、クリーニング装置3が帯電ローラ4の回転軸を中心に揺動することでクリーニングブレード3Aが感光体2から離間し、転写残トナーをクリーニングしない状態(以後、「クリーナ離間状態」と記す)となっている。クリーニング装置3の揺動駆動は、感光体2の長手方向から見た断面積において回転軸から外周までの距離が一定ではない楕円形の部材3Bが不図示のモータからの駆動力を受けて時計回りに回転する事によって行われる。もちろん、クリーニング装置3を揺動させる構成はこの例に限らない。
【0033】
ここで、仮に、クリーニング装置3が常に「クリーナ接触状態」にあると、転写残トナーは、常にクリーニングされる事となり再利用されない。
【0034】
一方、仮に、クリーニング装置3が常に「クリーナ離間状態」にあると、転写残トナーはクリーニング装置3によってはクリーニングされず現像装置によって回収されて再利用される事となる。すなわち転写残トナー粒子は感光体2に付着したままの状態で、感光体2と、感光体2に対して非接触に設けられた帯電装置3との間を通過するが、この際に放電によって負帯電させられる。負帯電させられたトナー粒子が付着したままの状態で感光体2は露光を受けて静電潜像を形成する。その後、転写残トナー粒子は、現像状態にある現像装置の現像スリーブ上に形成された磁気ブラシと感光体2とが接触する現像領域において静電気力を受け、被露光部に付着したトナー粒子は感光体2上に付着したまま現像領域を通過し、それ以外の部分に付着したトナー粒子はその現像装置に回収されて再利用される。
しかし、クリーニング装置3が常に「クリーナ離間状態」にあると、現像装置内でトナー粒子が混色する事となる。例えば、現像装置5Mが現像状態にある時に感光体2上に付着した転写残マゼンタトナーは、現像装置5Mが現像状態にある間は現像装置5M内に回収されるので有効に再利用されることとなるが、現像装置5Mが非現像状態、現像装置5Yが現像状態に切り替わり、現像装置5Yによって現像が行なわれる状態になると、転写残マゼンタトナーは現像装置5Y内に回収される事となり、マゼンタトナーとして適正に再利用されないばかりか現像装置5Y内で混色を引き起こして画像品質を悪化させてしまう。
【0035】
かかる不具合を解消するために、本例においては、クリーニング装置3は、部材3Bの回転を制御する事によって、現像装置5M,5Y(5C,5K)の状態切り替わりの前後に「クリーナ接触状態」とされ、それ以外の時間は「クリーナ離間状態」となるように制御される。
【0036】
一例をあげてクリーニング装置3の制御を具体的に説明する。ここでは、感光体2の直径sは30mm、感光体2の周速vは100mm/secとなっている。また、図2に示すように、クリーニングブレード3Aが感光体2と接触する位置をPc、感光体の回転方向上流側の現像装置5Y(5K)の磁気ブラシが感光体2と接触する領域のうち感光体回転方向でもっとも上流の位置をPd1、感光体の回転方向下流側の現像装置5M(5C)の磁気ブラシが感光体2と接触する領域のうち感光体回転方向でもっとも上流の位置をPd2とする。この例では、感光体2の円周上での位置Pcと位置Pd1との距離(以下、L1と記す)が30mm、感光体2の円周上での位置Pcと位置Pd2との距離(以下、L2と記す)が45mmとなっている。
【0037】
感光体2の円周の長さ(=π×s[mm])は100mmに満たないので、例えば、A4の画像(短辺約210mm)を形成する時には、ひとつの現像装置が現像を行なう間に感光体2は2回以上回転する事となる。制御式を一般化するために、形成しようとする画像の搬送方向(=感光体の回転方向)の長さをXとすると、一つの現像装置が現像を行なう時間は最低でもX/v[sec]必要である。一方、クリーニングブレード3Aと接触した感光体上の点が、上流(下流)側の現像装置5Y(5M)と感光体2との接触位置Pd1(Pd2)に到達するまでの時間はL1/v[sec](L2/v[sec])である。本例においては、クリーニング装置3は、上流側の現像装置5Yが現像状態に切り替わる時刻よりも(L1/v+Tcc)[sec]早い時刻に「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」への移行を始める。ここでTccはクリーニング装置3が「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行するまでの時間である。このように、上流側の現像装置5Yが現像状態となる時刻よりも(L1/v+Tcc)[sec]早い時刻にクリーニング装置3が「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行を始めることによって、上流側の現像装置5Yの時期ブラシと接触する感光体2上の領域はクリーニング済みとなっている。したがって、感光体2上にマゼンタの転写残トナーは存在しない状態となっており、マゼンタトナーが現像装置5Y内に混入することによる混色の発生を防止することができる。
【0038】
同様に、下流側の現像装置5Mが現像状態となる時刻よりも(L2/v+Tcc)[sec]早い時刻にクリーニング装置3が「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行を始めることによって、下流側の現像装置5Yの時期ブラシと接触する感光体2上の領域をクリーニング済みとする事ができる。
【0039】
クリーニング装置3を「クリーナ接触状態」から再び「クリーナ離間状態」へと移行させるタイミングは、感光体上から他方の現像装置が残した転写残トナーがなくなる時間、すなわちクリーニング装置3が感光体2に接触してから感光体が1周する時間(π×s/v)[sec]の経過後とすればよい。なお、余白の存在なども考慮して、クリーニング装置3が感光体2に接触してから(π×s/v)[sec]経過する以前に「クリーナ接触状態」から「クリーナ離間状態」へと移行してもよいが、感光体が1周する時間(π×s/v)[sec]が経過する間はクリーニング動作を行なうのが現像装置内部での混色を確実に防止する観点から望ましい。
以上のように、常に「クリーナ接触状態」にある場合には、転写残トナーが再利用される時間が0であるのに対し、「クリーナ接触状態」と「クリーナ離間状態」とを切り替えることによって(X/v−π×s/v)[sec]の時間は転写残トナー粒子を現像装置に回収して再利用する事が可能となる。A4画像の場合、X=210mmなので、v=100mm/sec、s=30mmを代入すると、1.16[sec]の間、トナー粒子を再利用する事が可能となる。一方、クリーニングを実施する時間はπ×s/v[sec]=0.94[sec]であるので、画像上のどの領域でもトナー付着量が均一であるとすると、転写残トナーのうち55.2%(=1.16[sec]/2.10[sec]×100%)が再利用される事となる。
【0040】
このように、転写残トナーの回収効率が50%であるとしても、廃トナー収納部の容量を半分に低減する事ができ省スペースにつながるし、廃トナー収納部の容量を変えない場合には2倍の廃トナーを収納する事が可能となるために廃トナー収納部交換までの時間を倍増させて長寿命化を図る事ができる。
以上の説明においては、画像間の距離を0として計算を行なった。しかし、実際的には、用紙と次の用紙の間に所定の間隔が空けられるのが一般的であり、また、用紙の端部には余白が設けられることが一般的であり、さらに、画像の中央部に比べて画像の端部には画像が存在する確率が一般的に低い事などを考え合わせると、トナー粒子の回収効率は上記計算値以上に上昇する。例えば、用紙と用紙の間の間隔を94[mm]とした場合には、「クリーナ接触状態」においてクリーニング装置3内に回収されるトナー粒子は、画像が存在しない部分に予期せず付着した逆帯電トナーなどに限られる。このために「クリーナ接触状態」においてクリーニングされるトナー粒子はほとんど存在しない。その一方で、トナー画像が付着した領域における転写残トナーは「クリーナ離間状態」において感光体上を移動して現像装置に回収される事となるので、結局、転写残トナーの回収効率はほぼ100%となる。したがって、上に述べた以上の効果を得られる。
【0041】
以上のように、本発明によれば、現像装置内での混色を防止する事が可能となるが、本例のように感光体2上に複数色のトナー粒子が存在する画像形成装置においては、帯電装置にトナー粒子が移動することによって帯電装置上でトナー粒子が混色する事があり得る。帯電装置上でトナー粒子が混色すると、この混色したトナー粒子が現像装置13内に入り込んで現像装置内で混色が発生することがある。かかる不具合を防止するために、帯電装置が感光体に対してトナー粒子の平均粒径(重量平均粒径)以上の間隔を空けて非接触に対向していることが望ましい。この観点からは、感光体に対して非接触なコロナ帯電装置も好適に使用可能である。
【0042】
また、接触帯電を行なう場合には、接触帯電部材に付着したトナー粒子を容易に除去できるように、ローラタイプの接触帯電部材を用いる事が望ましい。磁気ブラシやファーブラシを用いた帯電方式を用いる事は、ブラシ中に混入したトナー粒子の完全な回収が非常に困難であるために望ましくない。
なお、放電型の帯電装置を使用する場合には、本例のようにクリーニング動作を行なう事によって放電生成物の蓄積を抑える事ができる。したがって、本例のシステムは、クリーナレス動作を行なうために転写残トナーの多くを再利用でき、非接触帯電を行なうためにクリーナレス動作時に帯電装置が汚れる事がなく、放電生成物に対しては現像切り替えと連動させた転写残トナークリーニングによってこれを除去する事が可能であって、各要素が相補的に調和したシステムとなっている。
また、本例のクリーニング装置は、クリーニングブレードを用いるものであったが、クリーニング装置の接離に伴なう感光体2への負荷変動を低減するために、ローラ型やブラシ型のクリーニング部材を使用しても良い。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図4において、図1と対応した要素には同一の参照符号が付けられている。
【0043】
図4において、1は露光装置、2は像担持体としてのドラム状感光体、3はクリーニング装置、4は帯電装置、5K、5C、5M、5Yはそれぞれシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色の現像装置、9は画像形成装置全体の制御を行なうコントローラ、6は中間転写体としての中間転写ドラム、7は定着装置である。現像装置5K,5C,5M,5Yは一体的に回転し、その1つが現像状態に、それ以外が非現像状態になる構成である。本例の画像形成装置は、接触帯電部材から感光体に電荷を注入する電荷注入システムである。以下、各要素について詳説する。
《感光体2》
本例における感光体2は、負帯電用の有機感光体であり、不図示の回転駆動機構によって矢印方向すなわち時計回り方向に回転駆動される。その直径は24mm、回転時における表面の移動速度は80mm/secである。
【0044】
より詳しくは、この感光体2は、図5に示すように、直径24mmのアルミニウム基体11a上に、下引層11b、電荷発生層11c、電荷輸送層11dを順次重ねて形成された一般的な有機感光体に、さらに表面層として厚さ3μmの電荷注入層11eを重ねた構成となっている。
【0045】
電荷注入層11eは、光硬化性のアクリル樹脂に、導電性の酸化スズ粒子及び粒径約0.25μmの四フッ化エチレン樹脂粒子を分散したものである。具体的には、アンチモンをドーピングし低抵抗化した粒径約0.03μmの酸化スズ粒子を樹脂に対して100質量%、更に、樹脂に対して四フッ化エチレン樹脂粒子を20質量%および分散剤を1.2質量%をそれぞれ分散したものである。電荷注入層を樹脂中に導電性粒子を分散させて構成する場合の例としては、上記以外にも、樹脂としては熱可塑性樹脂や硬化性樹脂が使用可能であり、具体的にはアクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等が使用可能である。一方、導電性粒子としては金属酸化物、導電カーボン等を用いる事が可能である。以下においては、像担持体表面層に含有され、かつ像担持体表面に露出した導電性粒子を「被注入導電粒子」と表現する事とする。
【0046】
良好な注入帯電を行なうためには、電荷注入層の体積抵抗値(=体積抵抗率)は10^10〜10^14[Ω・cm]であることが望ましい(X^n はXのn乗を意味する、以下同様)。電荷注入層の体積抵抗値が10^10[Ω・cm]よりも小さい場合には静電潜像を一定時間保持する事が困難となり、電荷の拡散による潜像ボケが発生してしまう。一方、電荷注入層の体積抵抗値が10^14[Ω・cm]よりも大きい場合には良好な電荷注入が困難となり帯電性能が低下してしまう。本例では体積抵抗値が1×10^12 [Ω・cm]である電荷注入層を用いる。なお、像担持体の最表面層の体積抵抗の値は、温度23℃、湿度65%の環境で100Vの電圧を印加して測定した場合の値である。
【0047】
《帯電装置4》
本例の帯電装置4は、直径6mmの芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した、直径12mmの可撓性の帯電ローラ(接触帯電部材)である。ここでは、理解を容易にするため帯電装置4を帯電ローラと記す。
【0048】
この帯電ローラ4において芯金上に形成される中抵抗層の材質は、上記に限定されるものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、これらを発泡させたものを用いることができる。
【0049】
帯電ローラ4として機能するための主要な特性を以下説明する。まず、帯電ローラ4は像担持体つまり感光体を充電するために充分な程度まで電気抵抗が低い必要がある。注入帯電機構は、接触帯電部材および帯電促進導電粒子を抵抗とし、被注入導電粒子をコンデンサーとしたときに、抵抗とコンデンサーとが直列接続された電気回路モデルと等価であると考えられる。したがって像担持体上の一点が帯電部を通過する間にコンデンサーを充電(=像担持体を帯電)させるためには、電気回路の抵抗(=接触帯電部材および帯電促進導電粒子の抵抗)は低くなければならない。その一方で、像担持体にピンホールなどが存在した場合のリークを防止するためにはある程度以上の電気抵抗が必要であるため、十分な帯電能力と耐リーク性とを両立させるためには体積抵抗値が10^4〜10^7Ω・cmであることが好ましい。ここで帯電ローラ4の体積抵抗値は、芯金に総圧1kgの加重がかかるようφ24mmの円筒状アルミドラムにローラを圧着した状態で、芯金とアルミドラムとの間に700Vを印加して計測する場合の値である。
【0050】
帯電ローラ4と感光体2との間には帯電促進導電粒子が介在させられている。像担持体と接触帯電部材との接触部における帯電促進導電粒子の介在量は、少なすぎると接触性向上あるいは潤滑の効果が十分に得られず、逆に多すぎても露光を阻害する等の不具合が発生する。適正な条件は帯電促進導電粒子の粒度分布や作像条件によって大きく変動するため、装置に合わせて最適な値を設定する必要がある。
【0051】
また、帯電ローラ4は、感光体2に対して所定の押圧力で圧接されることにより感光体の移動方向に所定の幅をもって接触する事が望ましい。この所定の幅は、帯電ローラ4の体積抵抗値や帯電促進導電粒子の介在量などにより適宜調整すればよいが、この幅を大きく取ることによって帯電促進導電粒子が密に感光体2に接触する。この結果、帯電促進導電粒子が感光体2の表面をほぼ隙間なく摺擦することができるようになり、注入帯電を実現する事が可能となる。
【0052】
更に、帯電ローラ4の表面における移動速度と感光体2の表面における移動速度との間に相対的速度差を設けることで、帯電促進導電粒子が像担持体に接触する機会を増加させ、接触性を向上させることができる。特に、本例のようにローラ形状の接触帯電部材を用いる場合には、帯電促進導電粒子を介在させることにより摩擦低減効果が生じ、接触帯電部材と像担持体との間のトルクの低減が可能となる。このため、速度差を設けた場合において発生する接触帯電部材や像担持体表面の削れ量を抑制することが可能となる。本例においては、帯電ローラ4を感光体2に対してカウンター方向(感光体2表面の移動方向の逆方向)に80mm/secの周速で回転させる(相対速度差160mm/sec)。
【0053】
《帯電促進導電粒子》
帯電促進導電粒子の体積抵抗値は、転写残トナーへの付着・混入によっても帯電性能が低下する事がないように、10^6 Ω・cm以下であることが好ましい。なお、帯電促進導電粒子の体積抵抗値は、セルに帯電促進導電粒子を充填し、この帯電促進導電粒子を2つの電極によって上下から10[kg]の荷重をかけて挟み込み、100Vの電圧を印加し、このときに流れる電流値を電流計で検出して求める。
また、帯電促進導電粒子は、透明、白色或いは淡色であることが、露光の妨げにならないという観点から好ましい。さらに、帯電促進導電粒子は、静電潜像を形成する像露光光に対する透過率が30%以上であることが好ましい。
【0054】
本発明における帯電促進導電粒子としては、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉末や、銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微粉末や、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンなどの金属酸化物や、硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリウムなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物などを、必要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使用することができる。上述した露光阻害防止の観点からは、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンが特に好ましい。
【0055】
また、抵抗値を制御する目的でアンチモン、アルミニウムなどをドーピングした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒子なども使用できる。例えば、酸化スズ・アンチモンで表面処理された酸化チタン微粒子、アンチモンがドーピングされた酸化第2スズ微粒子、あるいは酸化第2スズ微粒子などである。
【0056】
帯電促進導電粒子の個数平均径は1.0μmからトナー平均粒径程度である事が好ましい。帯電促進導電粒子が小さすぎる場合には帯電部における接触性向上の効果が発揮できず、したがって像担持体の帯電性を向上させる効果が得られず画像不良を生ずる。また、像担持体上に供給されたとしても粒子径が小さすぎる場合には、トナー像の転写性および転写残トナー粒子の回収性を向上させる効果が得られない。一方、帯電促進導電粒子が大きすぎる場合には、帯電部に供給されても均一な像担持体の帯電性を促進することができない。また露光を遮ることによる画像欠陥を生じる場合がある。
【0057】
本例で用いる帯電促進導電粒子は、粒径10nm〜500nmの一次粒子が凝集した、平均粒径3μmの帯電促進導電粒子である。
【0058】
なお、本例のように現像装置を択一的に切り替えながら転写残トナーを現像装置で回収するシステムにおいて接触帯電を行なうと、接触帯電部材上に転写残トナーが付着しやすく、このため接触帯電部材上で混色したトナーが現像装置に混入して混色を生じるという不具合が生じることがある。本例の接触帯電部材すなわち帯電ローラ4上には、帯電促進導電粒子が存在してスペーサ効果を発揮するため、転写残トナーが接触帯電部材に付着する不具合を低減可能となっている。また、転写残トナーが接触帯電部材に付着する不具合を防止するためには、後述の第4の実施の形態と同じように、帯電ローラ4をクリーニングするためのクリーニング部材を帯電ローラ4に接離可能に設けると良い。
【0059】
《現像装置5》
以下、現像装置5C,5M,5Y、5Kについて説明するが、いずれも同一構造であるので、ここでは現像装置5と総称する。
本例の現像装置5は、現像剤担持体と感光体2との離間距離よりも現像剤担持体上の現像剤層が薄く形成させられた、非接触型の1成分現像の装置である。具体的には、現像剤担持体としての直径16mmの現像スリーブを、その表面速度が100mm/secとなるように反時計回りに回転させる。この現像スリーブ上に、弾性ブレードによって厚みを規制されながら現像剤であるトナー粒子がコートされるが、その際に、現像剤は弾性ブレードとの摩擦により負帯電させられる。
【0060】
本例ではトナー粒子とともに帯電促進導電粒子を感光体上に供給して帯電装置4つまり帯電ローラに供給するが、非接触型現像方法を適用することで、電気抵抗値が低い帯電促進導電粒子を現像剤中に添加しても、現像部において帯電促進導電粒子を介しての感光体2への電荷注入が発生しない。そのため、かぶりのない良好な画像を得ることができる。その一方で、転写残トナーの回収能力が接触現像方法に比べて劣るが、適切な粒径分布を有する一次粒子の凝集体として帯電促進導電粒子を構成することによって、トナー粒子から遊離しやすくされた帯電促進導電粒子が感光体2上に存在することにより、非接触現像においても転写残トナーの現像装置5への回収効率を向上させることが可能となる。
【0061】
また、現像剤担持体としての現像スリーブと像担持体としての感光体2との間には、直流電界のみならず交番電界が重畳される。交番電界の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等を適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であっても良い。
【0062】
現像剤を担持をする現像剤担持体と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークで500〜3500V、周波数300〜5000Hzの交流電界を印加することが好ましい。上記範囲の交流電界を形成することで、現像剤中に添加された帯電促進導電粒子が均等に感光体2側に移行されやすく、帯電部において帯電促進導電粒子を介しての接触帯電部材と感光体2との接触性を向上させることが出来、これによって感光体2の一様な注入帯電を促進することができる。その一方、周波数またはピークトゥーピーク電圧が大きくなりすぎると感光体2上の被注入導電粒子から帯電促進導電粒子に電荷が移動しやすくなり、この結果、粒径が大きな帯電促進導電粒子を介してすら電荷の移動が起こるようになり、顕著な潜像ボケを生じる恐れがある。
【0063】
《露光装置1》
露光装置1は、画像情報に従って帯電後の像担持体11に潜像を書き込むための装置であり、本例では回転多面鏡9を用いて光ビームを偏向走査する構成である。ただし、LEDアレイ等、種々の構成の露光装置を用いる得る。
[クリーニング装置3]
本例で使用するクリーニング装置3を図6により説明する。図6において、301は回転しつつ感光体上の転写残トナーや粉塵を回収するためのファーブラシ、302は回転しつつファーブラシ301に付着したトナーや粉塵を除去回収する回収ロール、304はハウジング、303は回収ロール302上のトナーや粉塵をそぎおとす、ハウジング304と一体に形成されたブレードである。ファーブラシ301には約400V、回収ロール302には約700Vのバイアスがそれぞれかけられ、感光体表面に残留していた転写残トナーや粉塵等は電気的に移送され、ブレード303でハウジング内にそぎおとされ格納される。
【0064】
ファーブラシ301は、円筒状の芯の回りにブラシを植毛し、あるいは巻き付けてなるものである。ブラシの構成素材は任意のものを用いることができるが、疎水性で、かつ誘電率が高い繊維形成性高分子重合体を用いるのが好ましい。このような高分子重合体としては、例えばレーヨン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル酸樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリビニルアセタール(例えばポリビニルブチラール)等が挙げられる。これらの樹脂は単独であるいは2種以上の混合物として用いることができる。特に好ましいのはレーヨン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレンである。ブラシは導電性でも絶縁性でもよく、構成素材にカーボン等の低抵抗物質を含有させ、任意の抵抗に調整したものが使用できる。
【0065】
《画像形成装置の動作》
次に本例の画像形成装置の動作を概説する。画像形成動作が開始されると、感光体2の表面が帯電装置4すなわち帯電ローラにより所定の電位に帯電させられる。感光体2は図示の向きに回転させられるため、帯電させられた感光体2の表面は露光装置1により露光され、露光部分が除電されることで露光部分が画像部、非露光部分が非画像部となり、感光体2上に静電潜像が形成される。
【0066】
感光体2上の静電潜像は現像装置5K、5C、5M、5Yのいずれか1つにより現像させられる。各現像装置はトナー含む現像剤を担持する現像剤担持体としての現像スリーブを有し、この現像スリーブに対して静電潜像の非画像部電位と画像部電位との中間の電位が印加されることによって、現像スリーブ上のトナーが択一的に画像部に付着する。この例では現像装置5K、5C、5M、5Yはリボルバー方式であり、4つの現像装置が一体に回転する事により感光体2に対向する現像装置が切り替わり、この回転動作により択一的に感光体2と対向させられた現像装置が現像状態となり現像動作を行なう。
【0067】
択一的に選択された現像装置によって感光体2上に形成された1色目のトナー像は、感光体2と中間転写ドラム6との近接領域である一次転写部において、不図示の一次転写機構によって中間転写ドラム6に転写される。現像装置を一体に回転させる不図示のリボルバー機構は、1色目の現像が終了すると現像装置を一体に回転させ、2色目の現像装置を感光体2に対向させ現像状態にする。
【0068】
中間転写ドラム6上の1色目トナー像は、中間転写ドラム6の回転によって再び一次転写部に運ばれる。このとき、2色目の現像装置によって現像された2色目のトナー像が一次転写部に到達するように画像形成装置は制御され、一次転写部において1色目のトナー像と2色目のトナー像とが重なり合う。
【0069】
2色目の現像が終了すると、1色目から2色目に切り替えたのと同様な動作により3色目、4色目のトナー像が形成され、中間転写ドラム6上に4色のトナー像が重ねられたフルカラー画像が形成される。中間転写ドラム6上にフルカラー画像が形成されると、それまで退避または休止していた不図示の2次転写機構が働き、フルカラー画像は被記録体としての用紙8に2次転写され、この用紙8上のフルカラー画像は定着装置7によって定着される。
【0070】
本例の画像形成装置は、クリーニング装置3のファーブラシ301にバイアスを印加しつつファーブラシ301を回転させてクリーニングを行なう状態(以後、「クリーナ稼動状態」と記す)と、ファーブラシ301にバイアスを印加せずかつファーブラシ301を停止させてクリーニングを停止させる状態(以後、「クリーナ非稼動状態」と記す)とが切り替え可能となっている。
【0071】
クリーニング装置3が常に「クリーナ稼動状態」であると、転写残トナーは常にクリーニングされる事となり、再利用される事はない。一方、クリーニング装置3が常に「クリーナ非稼動状態」であると、転写残トナーはクリーニング装置3ではクリーニングされず現像装置に回収されて再利用される事となる。すなわち転写残トナー粒子は感光体2に付着したままの状態で、帯電装置3に到達するが、この際に帯電促進導電粒子や感光体との摩擦によって負帯電させられて帯電極性を整えられる。負帯電させられたトナー粒子が付着したままの状態で感光体2は露光を受けて静電潜像を形成する。その後、転写残トナー粒子は現像領域において現像バイアスによる静電気力を受け、被露光部に付着したトナー粒子は感光体2上に付着したまま現像領域を通過し、それ以外の部分に付着したトナー粒子は現像装置に回収されて再利用される。この際、帯電促進導電粒子の存在によって非接触現像においても回収効率が向上する。
しかし、クリーニング装置3が常に「クリーナ非稼動状態」であると、前記第1の実施の形態と同様に、現像装置内でトナー粒子が混色する事となる。例えば、現像装置5Mが現像状態にあるときに感光体2上に付着した転写残マゼンタトナーは、現像装置5Mが現像状態にある間は現像装置5M内に回収されるので有効に再利用されることとなるが、現像装置が切り替わり現像装置5Yによって現像が行なわれる状態になると、現像装置5Y内に回収される事となり、マゼンタトナーとして適正に再利用されないばかりか現像装置5Y内で混色を引き起こして画像品質を悪化させてしまう。
【0072】
かかる不具合を解消するために、本例においては、クリーニング装置3を、現像装置の切り替わりの前後に「クリーナ稼動状態」とし、それ以外の時間は「クリーナ非稼動状態」とするように制御する。
【0073】
一例をあげて具体的に説明する。本例においては感光体2の直径sが30mm、感光体2の周速vが100mm/secとなっており、またファーブラシ301が感光体2と接触する位置をPc、現像装置5が感光体2との間で形成する現像領域のうち感光体回転方向でもっとも上流の位置をPdとすると、感光体2の円周上での位置Pcと位置Pdとの距離(以下、Lと記す)が30mmとなっている。
【0074】
感光体2の円周の長さ(=π×s[mm])は100mmに満たないので、例えば、A4の画像(短辺約210mm)を形成する時には、ひとつの現像装置が現像を行なう間に感光体2は2回以上回転する事となる。制御式を一般化するために、形成しようとする画像の搬送方向(=感光体の回転方向)の長さをXとすると、一つの現像装置が現像を行なう時間は最低でもX/v[sec]必要である。一方、感光体上の点が位置Pcから位置Pdに到達するまでの時間はL/v[sec]である。本例においては、クリーニング装置3は、新たに切り替わった現像装置が現像を開始する時刻よりも(L/v+Tcc)[sec]早い時刻に「クリーナ非稼動状態」から「クリーナ稼動状態」へと移行を始める。ここでTccはクリーニング装置3が「クリーナ非稼動状態」から「クリーナ稼動状態」へと移行するまでの時間であるが、本例ではバイアスのON/OFFのみによって切り替えを行なうためにこの時間はほとんどかからない。
【0075】
切り替わった現像装置が現像を開始する時刻よりも(L/v+Tcc)[sec]早い時刻にクリーニング装置3が「クリーナ非稼動状態」から「クリーナ稼動状態」へと移行を始めることによって、新たに切り替わった現像装置が現像を開始する際に対向する感光体2上の領域はクリーニング済みとなっている。したがって、感光体2上に切り替わり以前の色の転写残トナー粒子は存在せず、異色トナーが現像装置内に混入することによる混色の発生は防止される。また、本例のクリーニング装置3は、バイアスの切り替えのみによって「クリーナ非稼動状態」と「クリーナ稼動状態」とが切り替わるので、制御を高速に行なうことができる。
なお、本例の画像形成装置において、前記第1の実施の形態1と同様な非接触型の帯電ローラを帯電装置として用いることも可能である。また、接触現像を採用することも可能である。
【0076】
[第3の実施の形態]
前記第1の実施の形態では、1つの感光体の周囲に2つの現像装置を配設した構成を示したが、1つの感光体の周囲に現像装置を3つ以上配設した構成においても、現像装置の切り替えを順次行ないながら1色ずつ画像を形成する画像形成装置であれば本発明を適用可能である。
【0077】
図7は、そのような構成の第3の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0078】
本例の画像形成装置では、像担持体としてのドラム状感光体2の周囲に4つの現像装置5C、5M、5Y、5Kが配設され、それらにより択一的に現像された感光体2上のトナー画像が中間転写ベルト6に順次転写される。感光体2、中間転写ベルト6および帯電装置4としては第1の実施の形態と同様なものが使用され、クリーニング装置3としては第2の実施の形態と同じものが使用されるため、それら要素の構成および動作の説明は繰り返さない。
本例では、現像装置として第2の実施の形態で使用したジャンピング現像方式のものを採用する。かかる構成によれば、現像装置の切り替えおよびクリーニング装置の稼動/非稼動がバイアス制御のみで可能となるために、高速かつ簡易に転写残トナーを回収するモードと転写残トナーをクリーニングするモードとを切り替えることが可能となる。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態としての画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0079】
本例の画像形成装置は、第1の実施の形態とほぼ同じ構成であるが、クリーニング装置3がなく、また、帯電装置4は接触帯電部材である帯電ローラ4A、帯電ローラクリーナ4B及びハウジング4Cとを備えている。なお、図8には、一方の画像ステーション102(図1参照)のみ示されている。以下、第1の実施の形態との相違点である帯電装置4についてのみ説明する。
【0080】
本例においては、帯電ローラクリーナ4Bは、ブレードの形状をしており、ハウジング4Cと一体に構成されている。部材4Dの回転を制御する事によって、ハウジング4Cを上下移動させることにより、帯電ローラクリーナ4Bを帯電ローラ4Aに対し当接又は非当接とすることができる構成とされている。
【0081】
本例において、帯電ローラクリーナ4Bが帯電ローラ4Aへ当接させられた状態を「クリーナ接触状態」と記し、帯電ローラクリーナ4Bが帯電ローラ4Aから離間させられた状態を「クリーナ離間状態」と記す。ここで帯電ローラクリーナ4Bの当接/非当接は、本例においては、感光体2の長手方向から見た断面積において回転軸から外周までの距離が一定ではない楕円形の部材4Dが不図示のモータからの駆動力を受けて時計回りに回転する事によって達成される。もちろん、帯電ローラクリーナ4Bの当接/非当接を切り替える構成はこの例に限らない。
【0082】
本例の画像形成装置においては、接触帯電部材である帯電ローラ4Aが感光体2に接触しつつ感光体表面を帯電している。具体的には、第2の実施の形態で採用したのと同様な、直径6mmの芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した直径12mmの可撓性の帯電ローラが感光体に当接させられており、図示せぬ電源から芯金に対してDCバイアスとACバイアスとが重畳された帯電バイアスが印加される事によって感光体2の表面を帯電している。本例では、帯電ローラ4Aは感光体2と連れ回りさせられているが、ACバイアスの作用によって帯電ムラが低減されている。
「クリーナ離間状態」においては、クリーニング装置が存在しないため、転写残トナーは帯電ローラ4Aに到達すると感光体2と帯電ローラ4Aとの間を通り抜ける、あるいは帯電ローラ4A上に付着した後に感光体2上に吐き出される事によって現像動作中の現像装置に至り、ここで静電気力によって回収されることで再利用される。ここで、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーはその全てが感光体に吐き出されるわけではなく、一部は帯電ローラ4A上に長時間付着する。
一方、「クリーナ接触状態」においては、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーは帯電ローラクリーナ4Bによってそぎおとされるため、転写残トナーのうち帯電ローラ4Aに付着したものについては再利用される事なくハウジング4Cに格納される。
本例において、帯電ローラクリーナ4Bが常に「クリーナ接触状態」にあると、帯電ローラ4Aは常にクリーニングされる事となり、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーは再利用される事はない。一方、帯電ローラクリーナ4Bが常に「クリーナ離間状態」にあると、帯電ローラ4A上に付着した転写残トナーは帯電ローラクリーナ4Bによってはクリーニングされず現像装置によって回収されて再利用される事となる。
【0083】
しかし、帯電ローラクリーナ4Bが常に「クリーナ離間状態」にあると、現像装置内でトナー粒子が混色する事となる。例えば、現像装置5Mが現像状態にあるときに感光体2上に付着した転写残マゼンタトナーは、現像装置5Mが現像状態にある間は現像装置5M内に回収されるので有効に再利用されることとなるが、現像装置が切り替わり現像装置5Yによって現像が行なわれる状態になると現像装置5Y内に回収される事となり、マゼンタトナーとして適正に再利用されないばかりか現像装置5Y内で混色を引き起こして像品質を悪化させてしまう。
【0084】
かかる不具合を解消するために、本例においては、帯電装置4は、部材4Dの回転を制御する事によって、現像装置の切り替わりの前後に「クリーナ接触状態」となり、それ以外の時間は「クリーナ離間状態」となるように制御される。
【0085】
一例をあげて具体的に説明する。以下、現像装置を択一的に切り替えることによって、新たに現像を始める現像装置を「動作開始現像装置」と記す。本例においては感光体2の直径sが30mm、感光体2の周速(=表面の移動速度)vが100mm/secとなっている。また、帯電ローラクリーナ4Bが帯電ローラ4Aと接触する位置から、帯電ローラ4Aが感光体2と接触する位置まで、帯電ローラ上の一点が移動する間に経過する時間をTch[sec]とする。また、帯電ローラ4Aが感光体2と接触する位置から、「動作開始現像装置」が感光体2と接触する位置まで、感光体2上の一点が移動する間に経過する時間をTcd[sec]とする。
【0086】
本例においては、「動作開始現像装置」が感光体2と接触する時刻より
(Tch+Tcd+Tcc)[sec]だけ前に、帯電ローラクリーナ4Bの帯電ローラ4Aへの接触を開始する。ここで、Tccは、帯電ローラクリーナ4Bが「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行するまでの時間である。このように、「動作開始現像装置」が感光体2と接触する時刻よりも(Tch+Tcd+Tcc)[sec]だけ早い時刻に帯電ローラクリーナ4Bが「クリーナ離間状態」から「クリーナ接触状態」へと移行を始めることによって、「動作開始現像装置」と接触する感光体2上の領域は、帯電ローラ4A上の転写残トナーがクリーニング済みの領域となっているため、異色トナーが現像装置内に混入することによる混色の発生は防止される。
【0087】
帯電ローラクリーナ4Bを「クリーナ接触状態」から再び「クリーナ離間状態」へと移行させる制御タイミングは、感光体上から他方の現像装置が残した転写残トナーがなくなる時間、すなわちクリーニング装置3が感光体2に接触してから感光体2が1周する時間(π×s/v)[sec]を経過後とすればよい。
【0088】
以上のように、常に「クリーナ接触状態」にある場合には、転写残トナーが再利用される時間が0であるのに対し、「クリーナ接触状態」と「クリーナ離間状態」とを切り替えることによって(X/v−π×s/v)[sec]の時間は転写残トナー粒子を現像装置に回収して再利用する事が可能となる。
【0089】
したがって、前記第1の実施の形態と同様に、転写残トナーの回収効率が50%であるとしても、廃トナー収納部の容量を半分に低減する事ができ省スペースを達成可能となり、また廃トナー収納部の容量を変えない場合には2倍の廃トナーを収納する事が可能となるために廃トナー収納部交換までの時間を倍増させて長寿命化を図る事ができる。特に本例の場合には、独立したクリーニング装置を設けなくてすむために省スペースの点、あるいはレイアウト自由度の点で著しい効果がある。
【0090】
なお、前記各実施の形態において、トナー粒子としては種々のものを使用する事ができるが、クリーナレスシステムにおいては転写率を高めるために球形に近いトナー粒子を使用することが望ましいが、真球トナーはクリーニングしにくいので、形状係数SF1が120以上かつ150以下であるトナー粒子を用いることが望ましい。形状係数SF1は球形度を表す特性値であり、以下のように定義される。
【0091】
SF1=(100π/4)×(L2/S)
ここで、トナー粒子を2次元平面に投影した投影図形において、Lは投影図形の外周上の2点を結ぶ直線の長さの最大値であり、Sは投影図形の面積である。SF1のばらつきが少ないトナー粒子を得るためには、重合トナーを用いるのが好適である。例えば、縣濁重合、乳化重合など、公知の重合法を用いて作成した平均粒径(重量平均粒径)5μmのトナーを使用するとよい。トナー粒子の平均粒径の測定は、コールターカウンター法により求めることができる。
【0092】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1乃至9に記載の発明によれば、転写されずに像担持体上に残留したトナー粒子(顕画粒子)を現像装置で回収し再利用することが可能となり、また、廃トナーの量が減少するので廃トナー収納部の容量を減少させることができ画像形成装置の小型化に有利である。特に請求項2に記載の発明によれば、異色トナーの現像手段内部への混入を確実に防止し、現像手段内部での混色による画像品質の悪化を確実に防止できる。請求項3又は4に記載の発明によれば、簡易にクリーニング装置の動作/非動作を切り替えることが可能となる。請求項5又は6に記載の発明によれば、現像手段の択一的切り替えを簡易に行なうことが可能となる。請求項7又は8に記載の発明によれば、複数の現像手段を択一的に動作させて像担持体上に顕画粒子からなる可視像を順次形成する画像形成装置において、現像手段によるトナー粒子の回収を行なうのに適した帯電手段を得ることができる。請求項9に記載の発明によれば、トナー粒子を再利用することが可能となるとともに、独立したクリーニング装置を設ける構成に比べ省スペース化を図ることができる、等々の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態における現像装置の状態切り替えに関連した説明のための概略構成図である。
【図3】第1の実施の形態におけるクリーナ装置の状態切り替えに関連した説明のための概略構成図である。
【図4】第2の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図5】第2の実施の形態における感光体の構成を説明するための模式図である。
【図6】第2の実施の形態におけるクリーニング装置の構成を説明するための概略構成図である。
【図7】第3の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図8】第4の実施の形態における装置構成を説明するための概略構成図である。
【図9】従来のクリーナレスタイプの画像形成装置を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
2 像担持体としての感光体
3 クリーニング装置
4 帯電装置
5(5Y,5M,5C,5K) 現像装置
6 中間転写ベルト又はドラム
Claims (9)
- 像担持体と、
現像状態又は非現像状態に切り替え可能であって、択一的に動作することにより前記像担持体上に顕画粒子からなる可視像を順次形成する複数の現像手段と、
前記像担持体上に順次形成された可視像を被転写体に転写する転写手段と、
前記転写手段によって転写されずに前記像担持体上に残留した顕画粒子を除去するためのクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
前記クリーニング手段は、前記複数の現像手段の中の選択された現像手段が非現像状態から現像状態に切り替わる時点の前及び後の所定時間のみクリーニング動作を行ない、前記現像手段は前記像担持体上に残留した顕画粒子を回収可能な構成であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記複数の現像手段のうちで非現像状態から現像状態へと切り替わる現像手段を動作開始現像手段としたとき、
前記クリーニング手段は、動作開始現像手段が現像動作又は接触を開始する像担持体上の領域がクリーニング済みとなるタイミングでクリーニング動作を開始し、少なくとも前記像担持体が一巡するまでクリーニング動作を継続することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記クリーニング手段は、前記像担持体との接触又は離間によりクリーニング動作の実施又は不実施の切り替えが行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング手段は、クリーニング電圧印加手段により電圧を印加されることにより前記像担持体上に残留した顕画粒子を静電的な力で除去するものであって、前記クリーニング電圧印加手段から印加される電圧の値の変更によってクリーニング動作の実施又は不実施の切り替えが行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、前記像担持体との接触又は離間により現像状態又は非現像状態の切り替えが行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、前記像担持体との対向部において、現像剤担持体と前記像担持体との離間距離よりも該現像剤担持体上の現像剤層が薄く形成させられ、現像電圧印加手段から前記現像剤担持体に印加される電圧に基づく静電気力によって前記現像剤担持体から前記像担持体に向けて顕画粒子が飛翔させられることによって現像を行なう非接触型の現像手段であり、前記現像電圧印加手段から前記現像剤担持体に印加される電圧の値の変更によって現像状態又は非現像状態の切り替えが行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を選択的に除電して得られる静電潜像に対して、帯電させられた顕画粒子を選択的に付着させることにより可視像を形成する現像手段であり、
前記帯電手段は、前記像担持体に対して顕画粒子の重量平均粒径以上の間隔を空けて非接触に対向させられ、放電によって前記像担持体表面を帯電させる帯電手段であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記現像手段は、帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を選択的に除電して得られる静電潜像に対して、帯電させられた顕画粒子を選択的に付着させることにより可視像を形成する現像手段であり、
前記帯電手段は、前記像担持体に対して導電性粒子を介して接触させられた帯電部材に電圧を印加することで前記像担持体表面を帯電させる帯電手段であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 像担持体と、
前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電させられた前記像担持体の表面を画像情報に応じて選択的に除電して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
現像状態又は非現像状態に切り替え可能であって、択一的に動作することにより前記像担持体上に静電潜像に対応した顕画粒子からなる可視像を順次形成する複数の現像手段と、
前記現像手段によって前記像担持体上に順次形成された可視像を被転写体に順次転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、
前記帯電手段は、前記像担持体に対して電圧を印加された帯電部材を接触させて帯電を行なうものであって、前記複数の現像手段の中の選択された現像手段が非現像状態から現像状態に切り替わる時点の前及び後の所定時間のみ前記帯電部材をクリーニングする帯電クリーニング手段を有し、
前記現像手段は、前記像担持体上に残留した顕画粒子を回収可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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JP2002273672A JP2004109652A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 画像形成装置 |
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CN105589317A (zh) * | 2014-11-10 | 2016-05-18 | 株式会社东芝 | 图像形成装置及图像形成方法 |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002273672A patent/JP2004109652A/ja active Pending
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