JP2004108533A - ガスケット - Google Patents
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Abstract
【課題】プレート2にガスケット1を接着剤を用いることなく組み付けることが可能であり、もって製造工程を簡略化することができるガスケット1を提供する。
【解決手段】プレート2の一面側に配置されてプレート2と相手組立部材との間をシールするガスケット1において、プレート2の周縁に設けた側面部4に一体成形された爪状の係合部6と、この爪状の係合部6に対応してガスケット1に一体成形された被係合部9とを有し、爪状の係合部6が被係合部9に係合することによってガスケット1が非接着でプレート2に固定されている。ガスケット1は、熱可塑性エラストマーよりなるガスケット1を射出成形によりプレート2と一体化するのが好適であり、また熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋したものが好適である。
【選択図】 図2
【解決手段】プレート2の一面側に配置されてプレート2と相手組立部材との間をシールするガスケット1において、プレート2の周縁に設けた側面部4に一体成形された爪状の係合部6と、この爪状の係合部6に対応してガスケット1に一体成形された被係合部9とを有し、爪状の係合部6が被係合部9に係合することによってガスケット1が非接着でプレート2に固定されている。ガスケット1は、熱可塑性エラストマーよりなるガスケット1を射出成形によりプレート2と一体化するのが好適であり、また熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋したものが好適である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置の一種であるガスケットに係り、更に詳しくは、プレートの一面に配置されてプレートと相手組立部材との間をシールするガスケットに関するものである。本発明のガスケットは例えばハードディスク装置等の電子機器用カバーガスケットとして用いられ、またはその他の工業用ガスケットとして用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器製品の小型化や高性能化に伴ってその構成部品を可及的に小さくまたは薄くすることが求められているが、このように構成部品を小さくまたは薄くすると製造工程上の組立作業性が悪化するため、種々の部品の一体化や複合化が併せ求められている。また同時に、要求特性(アウトガス性、シール性、品質)に対する性能の向上も求められている。
【0003】
従来、電子記憶装置、特にハードディスクドライブ(HDD)用のカバーガスケットは、ゴム単体や発泡ウレタンシート等よりなるガスケットをステンレスやアルミニウム等よりなるカバープレートと相手ベースプレートとの間に挟み込む形で取り付けている。
【0004】
また、ステンレス等よりなるカバープレートにゴム材料(主にフッ素ゴム)を一体化することにより組立作業が良好となるため、プレートとガスケットとを接着剤を用いて接合することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、この後者の方法は、別工程で予めゴムをガスケット形状に加硫成形しておき、後からプレートに接着剤を塗布し熱硬化させて接合するものであるために、その製造工程が多く複雑で、その製造に多くの手間と時間がかかる不都合がある(ガスケットの加硫工程に数分を要し、更に接着剤を塗布し所望の強度が出るまで熱硬化させるのに数十分かかっている)。また、加硫後のガスケットが細くちぎれ易いことやガスケットにゴミ等が付着し易いことから組付前に何度も洗浄や選別作業を実施する必要があり、この点からも手間のかかるものとなっている。
【0006】
また、最近、熱可塑性樹脂を接着剤(いわゆるホットメルトタイプ)として使用することも提案されているが、この方法によると、接着剤を塗布する工程そのものに長時間を要するため、これが問題となっている。
【0007】
また、本願出願人は先に、プレートに貫通孔を設けるとともにガスケットにアンカー部を一体成形し、プレートの反対側(外面側)に配置されるアンカー部の抜け止め作用によってプレートにガスケットを非接着で固定するようにしたガスケットを提案したが、このガスケットによると、アンカー部がプレートの反対側(外面側)に突出配置されてプレートの外面からはみ出すために、プレートの体積を実質的に増大させることになる(例えば、特許文献2または5参照)。
【0008】
また、これに対してプレートの厚さが厚いときには、プレートの外面における貫通孔周縁部に凹部状の段差を設けることにより、この段差内にアンカー部を収容することが可能である。しかしながら、プレートの厚さが薄いときにはその肉厚内に段差を設けることができないために、どうしてもアンカー部がプレートの外面からはみ出してしまう(例えば、特許文献6参照)。
【0009】
【特許文献1】
特許第2517797号公報
【特許文献2】
特開平9−159027号公報
【特許文献3】
特開平4−106776号公報
【特許文献4】
特開平4−113816号公報
【特許文献5】
特開平10−331981号公報
【特許文献6】
特開2001−332275号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、プレートにガスケットを接着剤を用いることなく組み付けることが可能であり、もって製造工程を簡略化(製作容易化)することができるガスケットを提供することを目的とする。またこれに加えて、ガスケットにアンカー部を一体成形する場合にアンカー部がプレートの外面からはみ出すことがなく、もってプレートの体積を実質的に増大させることのないガスケットを提供することを目的とする。また併せて、シール性およびアウトガス性に優れたガスケットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるガスケットは、プレートの一面側に配置されて前記プレートと相手組立部材との間をシールするガスケットにおいて、前記プレートの周縁に設けた側面部に一体成形された爪状の係合部と、前記爪状の係合部に対応して前記ガスケットに一体成形された被係合部とを有し、前記爪状の係合部が前記被係合部に係合することによって前記ガスケットを非接着で前記プレートに固定したことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項2によるガスケットは、プレートの一面側に配置されて前記プレートと相手組立部材との間をシールするガスケットにおいて、前記プレートの外面側に凹であるとともにその内面側に凸である立体形状として前記プレートに一体成形された立体形状部と、前記立体形状部に設けられた貫通孔と、前記貫通孔の反対側に配置されるよう前記ガスケットに一体成形されたアンカー部とを有し、前記アンカー部が前記貫通孔の周縁部に係合することによって前記ガスケットを非接着で前記プレートに固定したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項3によるガスケットは、上記した請求項1または2のガスケットにおいて、前記ガスケットが熱可塑性エラストマーよりなり、前記熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されていることを特徴とするものである。
【0014】
更にまた、本発明の請求項4によるガスケットは、上記した請求項3のガスケットにおいて、熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものであることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成を備えた本発明の請求項1によるガスケットにおいては、プレート周縁の側面部に爪状の係合部が一体成形されるとともにガスケットに被係合部が一体成形され、前者の爪状の係合部が後者の被係合部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能となる。またこれに加えて本発明の請求項3のように、熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されると、ガスケットがその成形と同時にプレートに一体化されるために、ガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を一切省略することが可能となる。爪状の係合部は、その先端部がガスケットに接触してガスケットをプレートに固定するが、先端部がガスケット内に埋設されるようにしても良い。
【0016】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2によるガスケットにおいては、プレートに立体形状部および貫通孔が設けられるとともにガスケットにアンカー部が設けられ、後者のアンカー部が前者の貫通孔の周縁部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能となる。またこれに加えて本発明の請求項3のように、熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されると、ガスケットがその成形と同時にプレートに一体化されるために、ガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を一切省略することが可能となる。プレートが底面部とこの底面部の周縁に設けられた側面部とを有している場合、立体形状部はこの底面部および側面部の何れか一方もしくは双方に設けられ、または双方に跨るようにして設けられるが、何れにしてもアンカー部がこの立体形状部内に収められてプレートの外面からはみ出すことがないために、プレートの省スペース化を実現することが可能となる。
【0017】
また更に加えて、本発明の請求項4のように、熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものであると、その材質上の特性によって、ガスケットのシール性およびアウトガス性を向上させることが可能となる。スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーよりなるガスケットの材料硬度はJIS A30〜60程度とするのが好適である。
【0018】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0019】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一のガスケットは以下の内容を備えている。
【0020】
請求項1、3および4関連・・・
(1)接着剤を使用せず金属製カバー(プレート)にガスケットが形成されたガスケット(カバー一体型ガスケット、電子機器用カバーガスケット、カバー一体型ハードディスクドライブトップカバー用ガスケット)において、
▲1▼ 金属製カバーがガスケットを包み込むように支えていることを特徴とするガスケット。
▲2▼ 金属製カバーの先端がガスケットに埋設され固定化していることを特徴とするガスケット。
▲3▼ ガスケットの組成が熱可塑性エラストマーからなり、射出成形法によりカバーとガスケットを一体化させることを特徴とするガスケット。
▲4▼ 熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものからなり、材料の硬度は30〜60(JISデュロA)であることを特徴とするガスケット。
【0021】
(2)上記▲1▼のように、カバーがガスケットを包み込むように保持すると、ガスケットがカバーに密着するために、通常の組立工程や使用環境においても剥がれが生じない。
【0022】
また、上記▲2▼のように、カバー先端がガスケットに埋設されると、やはりガスケットがカバーに密着するために、通常の組立工程や使用環境においても剥がれが生じない。
【0023】
本発明において、ガスケットを構成する組成としては、熱可塑性エラストマーが好ましく、特にシール性・アウトガス性に優れたものとして、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどであり、より好ましくはスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーに部分的に架橋させたものである。このときの材料の硬度は30〜60(JISデュロA)である。
【0024】
これらのガスケットを成形するには、カバーを金型に予めインサートしておき射出成形することにより、接着剤を塗布しなくても瞬時に一体化することができる。
【0025】
上記構成のガスケットによれば、接着剤が不要であるために、製造工程の簡略化(製作容易化)を実現し、また品質の向上(シール性およびアウトガス性の向上)を実現することができる。上記構成のガスケットは、電子機器、しかも低アウトガス性が要求される精密機器分野であるハードディスクドライブ内のガスケットとして用いるのに好適である。
【0026】
請求項2、3および4関連・・・
(1)接着剤を使用せず金属製カバー(プレート)にガスケットが形成されたガスケット(カバー一体型ガスケット、電子機器用カバーガスケット、カバー一体型ハードディスクドライブトップカバー用ガスケット)において、
▲1▼ 金属製カバーに貫通孔を有し、カバー両面の全周に亙り弾性体(ガスケット)が存在し、カバーの内側はガスケットとして機能し、外側はその脱落を防止するためのアンカーとして機能することを特徴とするガスケット。
▲2▼ 貫通孔を底面もしくは側面あるいは底面と側面の両方に設けたことを特徴とするガスケット。
▲3▼ ガスケットの組成が熱可塑性エラストマーからなり、射出成形法によりカバーとガスケットを一体化させることを特徴とするガスケット。
▲4▼ 熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものからなり、材料の硬度は30〜60(JISデュロA)であることを特徴とするガスケット。
【0027】
(2)上記▲1▼のように、カバーに貫通孔が設けられるとともに貫通孔の反対側にアンカー部が設けられると、ガスケットがカバーに密着するために、通常の組立工程や使用環境においても剥がれが生じない。
【0028】
貫通孔は、カバーの底面もしくは側面または底面と側面の両方に設けるが、最も密着性が増すのは、底面と側面の両方に同一位置でなく交互に設けたときである。貫通孔の大きさは0.5〜1.5mm、好ましくは0.7〜1.0mmであり、貫通孔の間隔は1〜20mm、好ましくは5〜10mmであり、カバーの強度が保証される範囲で任意に設定される。
【0029】
本発明において、ガスケットを構成する組成としては、熱可塑性エラストマーが好ましく、特にシール性・アウトガス性に優れたものとして、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどであり、より好ましくはスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーに部分的に架橋させたものである。このときの材料の硬度は30〜60(JISデュロA)である。
【0030】
これらのガスケットを成形するには、カバーを金型に予めインサートしておき射出成形することにより、接着剤を塗布しなくても瞬時に一体化することができる。
【0031】
上記構成のガスケットによれば、接着剤が不要であるために、製造工程の簡略化(製作容易化)を実現し、また品質の向上(シール性およびアウトガス性の向上)を実現することができる。上記構成のガスケットは、電子機器、しかも低アウトガス性が要求される精密機器分野であるハードディスクドライブ内のガスケットとして用いるのに好適である。
【0032】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0033】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係るガスケット1をプレート2に取り付けた状態の平面を示しており、そのA−A線拡大断面が図2に示されている。
【0034】
当該実施例に係るガスケット1は、ハードディスクドライブ(HDD)用のトップカバーガスケットとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0035】
すなわち先ず、図1に示すように、上記プレートとして平面略長方形状を呈するカバープレート2が設けられており、このカバープレート2の一面(内面)の周縁部に全周に亙ってガスケット1が図示するような所定の平面配置をもって取り付けられている。
【0036】
カバープレート2は、ステンレス、アルミ合金もしくは積層材(厚さ約20〜50μmの樹脂材等をステンレスもしくはアルミ合金等で挟んだもの)等よりなる素材または積層鋼板等よりなる素材をプレス成形すること等によって成形されており、平面略長方形状を呈する底面部3の周縁に全周に亙って図2に示すように側面部4が一体成形されている。また、このカバープレート2の平面四隅および長手方向の側辺中央の都合六箇所にはそれぞれ、このカバープレート2を相手組立部材としての相手ベースプレート(実機ベース、図示せず)に対してネジ止めするためのネジ固定部5が組立ネジ(図示せず)を差し込むネジ孔として設けられている。
【0037】
ガスケット1は、スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されており、その材料硬度をJIS A30〜60とされている。
【0038】
また、このガスケット1は、以下のような構造ないし方法をもってカバープレート2に非接着で固定されている。
【0039】
すなわち、カバープレート2における側面部4の周上所定位置に、この側面部4の上縁部に一対のスリットを入れ、このスリット間の部分をカバープレート2の内側(図2において右側)に向けて折り曲げた形状を呈する爪状の係合部6が設けられており、この爪状の係合部6がガスケット1に係合してこの爪状の係合部6と底面部3との間にガスケット1を挟み込むことにより、ガスケット1がカバープレート1に対して非接着で固定されている。
【0040】
爪状の係合部6は、図1において、カバープレート2の長手方向の側辺に二箇所ずつと短手方向の側辺に一箇所ずつの都合六箇所に設けられているが、その形成数や配置などは特に限定されるものではない。
【0041】
一方、ガスケット1には、カバープレート2の底面部3および側面部4の各内面に密着してシール作用をなす基部7の上面に、上記相手ベースプレートに密接してシール作用をなすリップ状のシール部8が設けられるとともに、爪状の係合部6が係合するための段差状を呈する被係合部9が設けられており、これらが上記材質により一体に成形されている。
【0042】
また、このガスケット1は、これを単独で製品形状に成形してからカバープレート2に組み付けることも可能であるが、当該実施例においては特に、予め製品形状に成形したカバープレート2をガスケット1成形用の射出成形型のキャビティ空間に挿入した状態でガスケット1を射出成形するいわゆるインサート成形が採用されており、これにより、ガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に対して一体化することが可能とされている。
【0043】
上記構成のガスケット1は、上記したようにHDD用カバーガスケットとして用いられるものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0044】
すなわち先ず第一に、上記ガスケット1においては、カバープレート2の側面部4に爪状の係合部6が一体成形されるとともにこれに対応してガスケット1に段差状の被係合部9が一体成形され、爪状の係合部6が段差状の被係合部9に係合することによってガスケット1が非接着でカバープレート2に固定されているために、接着剤を用いなくてもガスケット1をカバープレート2に固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができるために、ガスケット1の製造を容易化することができる。
【0045】
また、熱可塑性エラストマーよりなるガスケット1がインサート成形によりカバープレート2に一体化されているために、ガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に一体化することが可能である。したがって、上記従来技術のようにガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を省略することができるため、これによってもガスケット1の製造を容易化することができる。
【0046】
また、ガスケット1がスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されているために、その材質上の特性にしたがって、ガスケット1のシール性およびアウトガス性を向上させることができる。
【0047】
尚、上記実施例に係るガスケット1は、その構成の一部を以下のようにしても良い。
【0048】
すなわち、上記実施例に係る図2の断面では、シール部8から基部7に至るガスケット1の内面(図上右面)10が漸次拡幅するテーパー状(斜面状)に形成されているが、図3に示すようにこの内面10を略垂直な面としてカバープレート2の内容積を拡大させる。または、図4に示すようにこの内面10を逆テーパー状としてリップ状のシール部8に主たる方向性を持たせる。
【0049】
また、図5に示すように、爪状の係合部6の先端部を底面部3方向(図上下方)へ向けて更に折り曲げて凸部11とし、この凸部11をガスケット1の被係合部9に設けた溝状の凹部12に係合するようにすると、ガスケット1がカバープレート2に対して平面方向(図上左右方向)にずれるのを一層有効に防止することができる。
【0050】
また、図6に示すように、爪状の係合部6の先端部13をガスケット1内に埋め込むようにすると、係合部6とガスケット1、ひいてはカバープレート2とガスケット1の接合力を一層増大させることができる。図7に示すように爪状の係合部6はこれを斜め上向きとしても良い。
【0051】
第二実施例・・・
図8は、本発明の第二実施例に係るガスケット1の要部断面を示している。
【0052】
当該実施例に係るガスケット1は、ハードディスクドライブ(HDD)用のトップカバーガスケットとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0053】
すなわち先ず、上記第一実施例に係る図1に示したように、上記プレートとして平面略長方形状を呈するカバープレート2が設けられており、このカバープレート2の一面(内面)の周縁部に全周に亙ってガスケット1が所定の平面配置をもって取り付けられている。
【0054】
カバープレート2は、ステンレス、アルミ合金もしくは積層材(厚さ約20〜50μmの樹脂材等をステンレスもしくはアルミ合金等で挟んだもの)等よりなる素材または積層鋼板等よりなる素材をプレス成形すること等によって成形されており、平面略長方形状を呈する底面部3の周縁に全周に亙って図8に示すように側面部4が一体成形されている。また、このカバープレート2の平面四隅および長手方向の側辺中央の都合六箇所にはそれぞれ、このカバープレート2を相手組立部材としての相手ベースプレート(実機ベース、図示せず)に対してネジ止めするためのネジ固定部5(図1参照)が組立ネジ(図示せず)を差し込むネジ孔として設けられている。
【0055】
ガスケット1は、スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されており、その材料硬度をJIS A30〜60とされている。
【0056】
また、このガスケット1は、以下のような構造ないし方法をもってカバープレート2に非接着で固定されている。
【0057】
すなわち、カバープレート2の底面部3におけるガスケット1設置位置の周上所定位置に、断面漏斗状ないし擂鉢状を呈する立体形状部14が設けられるとともにこの立体形状部14の内部底面に貫通孔15が設けられ、一方、ガスケット1に、この貫通孔15の反対側(図上下側)に配置されるアンカー部16が設けられており、このアンカー部16が貫通孔15の周縁部に係合して抜け止め作用をなすことにより、ガスケット1がカバープレート2に対して非接着で固定されている。
【0058】
貫通孔15の大きさ(内径寸法)は実寸で0.5〜1.5mm程度、より好ましくは0.7〜1.0mmが好適であり、その設置間隔は1〜20mm程度、より好ましくは5〜10mmが好適である。
【0059】
立体形状部14は、ガスケット1設置位置の全周に亙って溝状に形成されているが、貫通孔15の設置箇所ごとにそれぞれ設けられるものであっても良い。
【0060】
また、この立体形状部14は上記ステンレス等の金属板をプレス加工することにより形成されるため、カバープレート2の外面17側に凹であるとともに内面18側に凸である立体形状として形成されている。したがって、この立体形状部14がガスケット1と平面方向(図上左右方向)に直接係合することにより、ガスケット1がカバープレート2に対して平面方向にずれるのを一層有効に防止することができる。
【0061】
ガスケット1には、カバープレート2の底面部3および側面部4の各内面に密着してシール作用をなす基部7の上面に、上記相手ベースプレートに密接してシール作用をなすリップ状のシール部8が設けられるとともに、基部7の下面に上記アンカー部16が設けられており、これらが一体に成形されている。アンカー部16は、立体形状部14内に収められてカバープレート1の外面17から外部にはみ出すことがないようにされている。
【0062】
また、このガスケット1は、これを単独で製品形状に成形してからカバープレート2に組み付けることも可能であるが(アンカー部16はこれを貫通孔15に圧入する)、当該実施例においては特に、予め製品形状に成形したカバープレート2をガスケット1成形用の射出成形型のキャビティ空間に挿入した状態でガスケット1を射出成形するいわゆるインサート成形が採用されており、これによりガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に対して一体化することが可能とされている。
【0063】
上記構成のガスケット1は、上記したようにHDD用カバーガスケットとして用いられるものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0064】
すなわち先ず第一に、上記ガスケット1においては、カバープレート2の底面部3に立体形状部14および貫通孔15が設けられるとともにこれに対応してガスケット1にアンカー部16が設けられ、アンカー部16が貫通孔15の周縁部に係合することによってガスケット1が非接着でカバープレート2に固定されているために、接着剤を用いなくてもガスケット1をカバープレート2に固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができるために、ガスケット1の製造を容易化することができる。
【0065】
また、熱可塑性エラストマーよりなるガスケット1がインサート成形によりカバープレート2に一体化されているために、ガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に一体化することが可能である。したがって、上記従来技術のようにガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を省略することができるため、これによってもガスケット1の製造を容易化することができる。
【0066】
また、ガスケット1がスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されているために、その材質上の特性にしたがって、ガスケット1のシール性およびアウトガス性を向上させることができる。
【0067】
更にまた、カバープレート2に設けられる立体形状部14がカバープレート2の外面17側に凹であるとともに内面18側に凸である立体形状として形成されているために、この立体形状部14がガスケット1と直接係合し、よってガスケット1がカバープレート2に対してずれるのを有効に防止することができる。
【0068】
また、ガスケット1に設けられるアンカー部16がカバープレート2の立体形状部14内に収められてカバープレート2の外面17からはみ出すことがないようにされているために、アンカー部16のはみ出しによるカバープレート2の実質的な体積増大を防止し、よってカバープレート2の省スペース化を実現することができる。
【0069】
尚、上記実施例に係るガスケット1は、その構成の一部を以下のようにしても良い。
【0070】
すなわち、上記実施例では、立体形状部14および貫通孔15がカバープレート2の底面部3に設けられているが、図9に示すようにこの立体形状部14および貫通孔15をカバープレート2の側面部4に設ける。または、図10に示すようにこの立体形状部14および貫通孔15をカバープレート2の底面部3および側面部4の双方に設ける。または、図11に示すようにこの立体形状部14および貫通孔15をカバープレート2の底面部3および側面部4の双方に跨るように設け、すなわち底面部3および側面部4の角部に設けることにする。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0072】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1によるガスケットにおいては、プレート周縁の側面部に爪状の係合部が一体成形されるとともにガスケットに被係合部が一体成形され、爪状の係合部が被係合部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができ、よってガスケットの製造工程を簡略化(製作容易化)することができる。
【0073】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2によるガスケットにおいては、プレートの一部に立体形状部および貫通孔が設けられるとともにガスケットにアンカー部が設けられ、アンカー部が貫通孔の周縁部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができ、よってガスケットの製造工程を簡略化(製作容易化)することができる。
【0074】
また、プレートの立体形状部がプレートの外面側に凹であるとともに内面側に凸である立体形状として形成されているために、この立体形状部がガスケットと直接係合する。したがって、ガスケットがプレートに対してずれるのを有効に防止することができる。
【0075】
また、プレートの立体形状部がプレートの外面側に凹である立体形状として形成されているために、ガスケットのアンカー部が立体形状部内に収められてプレートの外面からはみ出すことがない。したがって、アンカー部のはみ出しによるプレートの実質的な体積増大を防止することができ、プレートの厚さがHDD用トップカバーのように薄い場合であっても対応することができる。
【0076】
またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項3によるガスケットにおいては、熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されるために、ガスケットをその成形と同時にプレートに一体化することが可能である。したがって、上記従来技術のようにガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を省略することができ、よってこの点からもガスケットの製造工程を簡略化(製作容易化)することができる。
【0077】
また、上記構成を備えた本発明の請求項4によるガスケットにおいては、熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものであるために、その材質上の特性によってガスケットのシール性およびアウトガス性を向上させることができ、よってガスケットの品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係るガスケットをプレートに取り付けた状態の平面図
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図
【図3】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図4】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図5】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図6】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図7】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図8】本発明の第二実施例に係るガスケットをプレートに取り付けた状態の断面図
【図9】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図10】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図11】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【符号の説明】
1 ガスケット
2 カバープレート(プレート)
3 底面部
4 側面部
5 ネジ固定部
6 係合部
7 基部
8 シール部
9 被係合部
10,18 内面
11 凸部
12 凹部
13 先端部
14 立体形状部
15 貫通孔
16 アンカー部
17 外面
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置の一種であるガスケットに係り、更に詳しくは、プレートの一面に配置されてプレートと相手組立部材との間をシールするガスケットに関するものである。本発明のガスケットは例えばハードディスク装置等の電子機器用カバーガスケットとして用いられ、またはその他の工業用ガスケットとして用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器製品の小型化や高性能化に伴ってその構成部品を可及的に小さくまたは薄くすることが求められているが、このように構成部品を小さくまたは薄くすると製造工程上の組立作業性が悪化するため、種々の部品の一体化や複合化が併せ求められている。また同時に、要求特性(アウトガス性、シール性、品質)に対する性能の向上も求められている。
【0003】
従来、電子記憶装置、特にハードディスクドライブ(HDD)用のカバーガスケットは、ゴム単体や発泡ウレタンシート等よりなるガスケットをステンレスやアルミニウム等よりなるカバープレートと相手ベースプレートとの間に挟み込む形で取り付けている。
【0004】
また、ステンレス等よりなるカバープレートにゴム材料(主にフッ素ゴム)を一体化することにより組立作業が良好となるため、プレートとガスケットとを接着剤を用いて接合することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、この後者の方法は、別工程で予めゴムをガスケット形状に加硫成形しておき、後からプレートに接着剤を塗布し熱硬化させて接合するものであるために、その製造工程が多く複雑で、その製造に多くの手間と時間がかかる不都合がある(ガスケットの加硫工程に数分を要し、更に接着剤を塗布し所望の強度が出るまで熱硬化させるのに数十分かかっている)。また、加硫後のガスケットが細くちぎれ易いことやガスケットにゴミ等が付着し易いことから組付前に何度も洗浄や選別作業を実施する必要があり、この点からも手間のかかるものとなっている。
【0006】
また、最近、熱可塑性樹脂を接着剤(いわゆるホットメルトタイプ)として使用することも提案されているが、この方法によると、接着剤を塗布する工程そのものに長時間を要するため、これが問題となっている。
【0007】
また、本願出願人は先に、プレートに貫通孔を設けるとともにガスケットにアンカー部を一体成形し、プレートの反対側(外面側)に配置されるアンカー部の抜け止め作用によってプレートにガスケットを非接着で固定するようにしたガスケットを提案したが、このガスケットによると、アンカー部がプレートの反対側(外面側)に突出配置されてプレートの外面からはみ出すために、プレートの体積を実質的に増大させることになる(例えば、特許文献2または5参照)。
【0008】
また、これに対してプレートの厚さが厚いときには、プレートの外面における貫通孔周縁部に凹部状の段差を設けることにより、この段差内にアンカー部を収容することが可能である。しかしながら、プレートの厚さが薄いときにはその肉厚内に段差を設けることができないために、どうしてもアンカー部がプレートの外面からはみ出してしまう(例えば、特許文献6参照)。
【0009】
【特許文献1】
特許第2517797号公報
【特許文献2】
特開平9−159027号公報
【特許文献3】
特開平4−106776号公報
【特許文献4】
特開平4−113816号公報
【特許文献5】
特開平10−331981号公報
【特許文献6】
特開2001−332275号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、プレートにガスケットを接着剤を用いることなく組み付けることが可能であり、もって製造工程を簡略化(製作容易化)することができるガスケットを提供することを目的とする。またこれに加えて、ガスケットにアンカー部を一体成形する場合にアンカー部がプレートの外面からはみ出すことがなく、もってプレートの体積を実質的に増大させることのないガスケットを提供することを目的とする。また併せて、シール性およびアウトガス性に優れたガスケットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるガスケットは、プレートの一面側に配置されて前記プレートと相手組立部材との間をシールするガスケットにおいて、前記プレートの周縁に設けた側面部に一体成形された爪状の係合部と、前記爪状の係合部に対応して前記ガスケットに一体成形された被係合部とを有し、前記爪状の係合部が前記被係合部に係合することによって前記ガスケットを非接着で前記プレートに固定したことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項2によるガスケットは、プレートの一面側に配置されて前記プレートと相手組立部材との間をシールするガスケットにおいて、前記プレートの外面側に凹であるとともにその内面側に凸である立体形状として前記プレートに一体成形された立体形状部と、前記立体形状部に設けられた貫通孔と、前記貫通孔の反対側に配置されるよう前記ガスケットに一体成形されたアンカー部とを有し、前記アンカー部が前記貫通孔の周縁部に係合することによって前記ガスケットを非接着で前記プレートに固定したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項3によるガスケットは、上記した請求項1または2のガスケットにおいて、前記ガスケットが熱可塑性エラストマーよりなり、前記熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されていることを特徴とするものである。
【0014】
更にまた、本発明の請求項4によるガスケットは、上記した請求項3のガスケットにおいて、熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものであることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成を備えた本発明の請求項1によるガスケットにおいては、プレート周縁の側面部に爪状の係合部が一体成形されるとともにガスケットに被係合部が一体成形され、前者の爪状の係合部が後者の被係合部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能となる。またこれに加えて本発明の請求項3のように、熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されると、ガスケットがその成形と同時にプレートに一体化されるために、ガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を一切省略することが可能となる。爪状の係合部は、その先端部がガスケットに接触してガスケットをプレートに固定するが、先端部がガスケット内に埋設されるようにしても良い。
【0016】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2によるガスケットにおいては、プレートに立体形状部および貫通孔が設けられるとともにガスケットにアンカー部が設けられ、後者のアンカー部が前者の貫通孔の周縁部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能となる。またこれに加えて本発明の請求項3のように、熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されると、ガスケットがその成形と同時にプレートに一体化されるために、ガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を一切省略することが可能となる。プレートが底面部とこの底面部の周縁に設けられた側面部とを有している場合、立体形状部はこの底面部および側面部の何れか一方もしくは双方に設けられ、または双方に跨るようにして設けられるが、何れにしてもアンカー部がこの立体形状部内に収められてプレートの外面からはみ出すことがないために、プレートの省スペース化を実現することが可能となる。
【0017】
また更に加えて、本発明の請求項4のように、熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものであると、その材質上の特性によって、ガスケットのシール性およびアウトガス性を向上させることが可能となる。スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーよりなるガスケットの材料硬度はJIS A30〜60程度とするのが好適である。
【0018】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0019】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一のガスケットは以下の内容を備えている。
【0020】
請求項1、3および4関連・・・
(1)接着剤を使用せず金属製カバー(プレート)にガスケットが形成されたガスケット(カバー一体型ガスケット、電子機器用カバーガスケット、カバー一体型ハードディスクドライブトップカバー用ガスケット)において、
▲1▼ 金属製カバーがガスケットを包み込むように支えていることを特徴とするガスケット。
▲2▼ 金属製カバーの先端がガスケットに埋設され固定化していることを特徴とするガスケット。
▲3▼ ガスケットの組成が熱可塑性エラストマーからなり、射出成形法によりカバーとガスケットを一体化させることを特徴とするガスケット。
▲4▼ 熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものからなり、材料の硬度は30〜60(JISデュロA)であることを特徴とするガスケット。
【0021】
(2)上記▲1▼のように、カバーがガスケットを包み込むように保持すると、ガスケットがカバーに密着するために、通常の組立工程や使用環境においても剥がれが生じない。
【0022】
また、上記▲2▼のように、カバー先端がガスケットに埋設されると、やはりガスケットがカバーに密着するために、通常の組立工程や使用環境においても剥がれが生じない。
【0023】
本発明において、ガスケットを構成する組成としては、熱可塑性エラストマーが好ましく、特にシール性・アウトガス性に優れたものとして、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどであり、より好ましくはスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーに部分的に架橋させたものである。このときの材料の硬度は30〜60(JISデュロA)である。
【0024】
これらのガスケットを成形するには、カバーを金型に予めインサートしておき射出成形することにより、接着剤を塗布しなくても瞬時に一体化することができる。
【0025】
上記構成のガスケットによれば、接着剤が不要であるために、製造工程の簡略化(製作容易化)を実現し、また品質の向上(シール性およびアウトガス性の向上)を実現することができる。上記構成のガスケットは、電子機器、しかも低アウトガス性が要求される精密機器分野であるハードディスクドライブ内のガスケットとして用いるのに好適である。
【0026】
請求項2、3および4関連・・・
(1)接着剤を使用せず金属製カバー(プレート)にガスケットが形成されたガスケット(カバー一体型ガスケット、電子機器用カバーガスケット、カバー一体型ハードディスクドライブトップカバー用ガスケット)において、
▲1▼ 金属製カバーに貫通孔を有し、カバー両面の全周に亙り弾性体(ガスケット)が存在し、カバーの内側はガスケットとして機能し、外側はその脱落を防止するためのアンカーとして機能することを特徴とするガスケット。
▲2▼ 貫通孔を底面もしくは側面あるいは底面と側面の両方に設けたことを特徴とするガスケット。
▲3▼ ガスケットの組成が熱可塑性エラストマーからなり、射出成形法によりカバーとガスケットを一体化させることを特徴とするガスケット。
▲4▼ 熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものからなり、材料の硬度は30〜60(JISデュロA)であることを特徴とするガスケット。
【0027】
(2)上記▲1▼のように、カバーに貫通孔が設けられるとともに貫通孔の反対側にアンカー部が設けられると、ガスケットがカバーに密着するために、通常の組立工程や使用環境においても剥がれが生じない。
【0028】
貫通孔は、カバーの底面もしくは側面または底面と側面の両方に設けるが、最も密着性が増すのは、底面と側面の両方に同一位置でなく交互に設けたときである。貫通孔の大きさは0.5〜1.5mm、好ましくは0.7〜1.0mmであり、貫通孔の間隔は1〜20mm、好ましくは5〜10mmであり、カバーの強度が保証される範囲で任意に設定される。
【0029】
本発明において、ガスケットを構成する組成としては、熱可塑性エラストマーが好ましく、特にシール性・アウトガス性に優れたものとして、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどであり、より好ましくはスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーに部分的に架橋させたものである。このときの材料の硬度は30〜60(JISデュロA)である。
【0030】
これらのガスケットを成形するには、カバーを金型に予めインサートしておき射出成形することにより、接着剤を塗布しなくても瞬時に一体化することができる。
【0031】
上記構成のガスケットによれば、接着剤が不要であるために、製造工程の簡略化(製作容易化)を実現し、また品質の向上(シール性およびアウトガス性の向上)を実現することができる。上記構成のガスケットは、電子機器、しかも低アウトガス性が要求される精密機器分野であるハードディスクドライブ内のガスケットとして用いるのに好適である。
【0032】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0033】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係るガスケット1をプレート2に取り付けた状態の平面を示しており、そのA−A線拡大断面が図2に示されている。
【0034】
当該実施例に係るガスケット1は、ハードディスクドライブ(HDD)用のトップカバーガスケットとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0035】
すなわち先ず、図1に示すように、上記プレートとして平面略長方形状を呈するカバープレート2が設けられており、このカバープレート2の一面(内面)の周縁部に全周に亙ってガスケット1が図示するような所定の平面配置をもって取り付けられている。
【0036】
カバープレート2は、ステンレス、アルミ合金もしくは積層材(厚さ約20〜50μmの樹脂材等をステンレスもしくはアルミ合金等で挟んだもの)等よりなる素材または積層鋼板等よりなる素材をプレス成形すること等によって成形されており、平面略長方形状を呈する底面部3の周縁に全周に亙って図2に示すように側面部4が一体成形されている。また、このカバープレート2の平面四隅および長手方向の側辺中央の都合六箇所にはそれぞれ、このカバープレート2を相手組立部材としての相手ベースプレート(実機ベース、図示せず)に対してネジ止めするためのネジ固定部5が組立ネジ(図示せず)を差し込むネジ孔として設けられている。
【0037】
ガスケット1は、スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されており、その材料硬度をJIS A30〜60とされている。
【0038】
また、このガスケット1は、以下のような構造ないし方法をもってカバープレート2に非接着で固定されている。
【0039】
すなわち、カバープレート2における側面部4の周上所定位置に、この側面部4の上縁部に一対のスリットを入れ、このスリット間の部分をカバープレート2の内側(図2において右側)に向けて折り曲げた形状を呈する爪状の係合部6が設けられており、この爪状の係合部6がガスケット1に係合してこの爪状の係合部6と底面部3との間にガスケット1を挟み込むことにより、ガスケット1がカバープレート1に対して非接着で固定されている。
【0040】
爪状の係合部6は、図1において、カバープレート2の長手方向の側辺に二箇所ずつと短手方向の側辺に一箇所ずつの都合六箇所に設けられているが、その形成数や配置などは特に限定されるものではない。
【0041】
一方、ガスケット1には、カバープレート2の底面部3および側面部4の各内面に密着してシール作用をなす基部7の上面に、上記相手ベースプレートに密接してシール作用をなすリップ状のシール部8が設けられるとともに、爪状の係合部6が係合するための段差状を呈する被係合部9が設けられており、これらが上記材質により一体に成形されている。
【0042】
また、このガスケット1は、これを単独で製品形状に成形してからカバープレート2に組み付けることも可能であるが、当該実施例においては特に、予め製品形状に成形したカバープレート2をガスケット1成形用の射出成形型のキャビティ空間に挿入した状態でガスケット1を射出成形するいわゆるインサート成形が採用されており、これにより、ガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に対して一体化することが可能とされている。
【0043】
上記構成のガスケット1は、上記したようにHDD用カバーガスケットとして用いられるものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0044】
すなわち先ず第一に、上記ガスケット1においては、カバープレート2の側面部4に爪状の係合部6が一体成形されるとともにこれに対応してガスケット1に段差状の被係合部9が一体成形され、爪状の係合部6が段差状の被係合部9に係合することによってガスケット1が非接着でカバープレート2に固定されているために、接着剤を用いなくてもガスケット1をカバープレート2に固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができるために、ガスケット1の製造を容易化することができる。
【0045】
また、熱可塑性エラストマーよりなるガスケット1がインサート成形によりカバープレート2に一体化されているために、ガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に一体化することが可能である。したがって、上記従来技術のようにガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を省略することができるため、これによってもガスケット1の製造を容易化することができる。
【0046】
また、ガスケット1がスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されているために、その材質上の特性にしたがって、ガスケット1のシール性およびアウトガス性を向上させることができる。
【0047】
尚、上記実施例に係るガスケット1は、その構成の一部を以下のようにしても良い。
【0048】
すなわち、上記実施例に係る図2の断面では、シール部8から基部7に至るガスケット1の内面(図上右面)10が漸次拡幅するテーパー状(斜面状)に形成されているが、図3に示すようにこの内面10を略垂直な面としてカバープレート2の内容積を拡大させる。または、図4に示すようにこの内面10を逆テーパー状としてリップ状のシール部8に主たる方向性を持たせる。
【0049】
また、図5に示すように、爪状の係合部6の先端部を底面部3方向(図上下方)へ向けて更に折り曲げて凸部11とし、この凸部11をガスケット1の被係合部9に設けた溝状の凹部12に係合するようにすると、ガスケット1がカバープレート2に対して平面方向(図上左右方向)にずれるのを一層有効に防止することができる。
【0050】
また、図6に示すように、爪状の係合部6の先端部13をガスケット1内に埋め込むようにすると、係合部6とガスケット1、ひいてはカバープレート2とガスケット1の接合力を一層増大させることができる。図7に示すように爪状の係合部6はこれを斜め上向きとしても良い。
【0051】
第二実施例・・・
図8は、本発明の第二実施例に係るガスケット1の要部断面を示している。
【0052】
当該実施例に係るガスケット1は、ハードディスクドライブ(HDD)用のトップカバーガスケットとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0053】
すなわち先ず、上記第一実施例に係る図1に示したように、上記プレートとして平面略長方形状を呈するカバープレート2が設けられており、このカバープレート2の一面(内面)の周縁部に全周に亙ってガスケット1が所定の平面配置をもって取り付けられている。
【0054】
カバープレート2は、ステンレス、アルミ合金もしくは積層材(厚さ約20〜50μmの樹脂材等をステンレスもしくはアルミ合金等で挟んだもの)等よりなる素材または積層鋼板等よりなる素材をプレス成形すること等によって成形されており、平面略長方形状を呈する底面部3の周縁に全周に亙って図8に示すように側面部4が一体成形されている。また、このカバープレート2の平面四隅および長手方向の側辺中央の都合六箇所にはそれぞれ、このカバープレート2を相手組立部材としての相手ベースプレート(実機ベース、図示せず)に対してネジ止めするためのネジ固定部5(図1参照)が組立ネジ(図示せず)を差し込むネジ孔として設けられている。
【0055】
ガスケット1は、スチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されており、その材料硬度をJIS A30〜60とされている。
【0056】
また、このガスケット1は、以下のような構造ないし方法をもってカバープレート2に非接着で固定されている。
【0057】
すなわち、カバープレート2の底面部3におけるガスケット1設置位置の周上所定位置に、断面漏斗状ないし擂鉢状を呈する立体形状部14が設けられるとともにこの立体形状部14の内部底面に貫通孔15が設けられ、一方、ガスケット1に、この貫通孔15の反対側(図上下側)に配置されるアンカー部16が設けられており、このアンカー部16が貫通孔15の周縁部に係合して抜け止め作用をなすことにより、ガスケット1がカバープレート2に対して非接着で固定されている。
【0058】
貫通孔15の大きさ(内径寸法)は実寸で0.5〜1.5mm程度、より好ましくは0.7〜1.0mmが好適であり、その設置間隔は1〜20mm程度、より好ましくは5〜10mmが好適である。
【0059】
立体形状部14は、ガスケット1設置位置の全周に亙って溝状に形成されているが、貫通孔15の設置箇所ごとにそれぞれ設けられるものであっても良い。
【0060】
また、この立体形状部14は上記ステンレス等の金属板をプレス加工することにより形成されるため、カバープレート2の外面17側に凹であるとともに内面18側に凸である立体形状として形成されている。したがって、この立体形状部14がガスケット1と平面方向(図上左右方向)に直接係合することにより、ガスケット1がカバープレート2に対して平面方向にずれるのを一層有効に防止することができる。
【0061】
ガスケット1には、カバープレート2の底面部3および側面部4の各内面に密着してシール作用をなす基部7の上面に、上記相手ベースプレートに密接してシール作用をなすリップ状のシール部8が設けられるとともに、基部7の下面に上記アンカー部16が設けられており、これらが一体に成形されている。アンカー部16は、立体形状部14内に収められてカバープレート1の外面17から外部にはみ出すことがないようにされている。
【0062】
また、このガスケット1は、これを単独で製品形状に成形してからカバープレート2に組み付けることも可能であるが(アンカー部16はこれを貫通孔15に圧入する)、当該実施例においては特に、予め製品形状に成形したカバープレート2をガスケット1成形用の射出成形型のキャビティ空間に挿入した状態でガスケット1を射出成形するいわゆるインサート成形が採用されており、これによりガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に対して一体化することが可能とされている。
【0063】
上記構成のガスケット1は、上記したようにHDD用カバーガスケットとして用いられるものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0064】
すなわち先ず第一に、上記ガスケット1においては、カバープレート2の底面部3に立体形状部14および貫通孔15が設けられるとともにこれに対応してガスケット1にアンカー部16が設けられ、アンカー部16が貫通孔15の周縁部に係合することによってガスケット1が非接着でカバープレート2に固定されているために、接着剤を用いなくてもガスケット1をカバープレート2に固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができるために、ガスケット1の製造を容易化することができる。
【0065】
また、熱可塑性エラストマーよりなるガスケット1がインサート成形によりカバープレート2に一体化されているために、ガスケット1をその成形と同時にカバープレート2に一体化することが可能である。したがって、上記従来技術のようにガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を省略することができるため、これによってもガスケット1の製造を容易化することができる。
【0066】
また、ガスケット1がスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させた熱可塑性エラストマーによって成形されているために、その材質上の特性にしたがって、ガスケット1のシール性およびアウトガス性を向上させることができる。
【0067】
更にまた、カバープレート2に設けられる立体形状部14がカバープレート2の外面17側に凹であるとともに内面18側に凸である立体形状として形成されているために、この立体形状部14がガスケット1と直接係合し、よってガスケット1がカバープレート2に対してずれるのを有効に防止することができる。
【0068】
また、ガスケット1に設けられるアンカー部16がカバープレート2の立体形状部14内に収められてカバープレート2の外面17からはみ出すことがないようにされているために、アンカー部16のはみ出しによるカバープレート2の実質的な体積増大を防止し、よってカバープレート2の省スペース化を実現することができる。
【0069】
尚、上記実施例に係るガスケット1は、その構成の一部を以下のようにしても良い。
【0070】
すなわち、上記実施例では、立体形状部14および貫通孔15がカバープレート2の底面部3に設けられているが、図9に示すようにこの立体形状部14および貫通孔15をカバープレート2の側面部4に設ける。または、図10に示すようにこの立体形状部14および貫通孔15をカバープレート2の底面部3および側面部4の双方に設ける。または、図11に示すようにこの立体形状部14および貫通孔15をカバープレート2の底面部3および側面部4の双方に跨るように設け、すなわち底面部3および側面部4の角部に設けることにする。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0072】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1によるガスケットにおいては、プレート周縁の側面部に爪状の係合部が一体成形されるとともにガスケットに被係合部が一体成形され、爪状の係合部が被係合部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができ、よってガスケットの製造工程を簡略化(製作容易化)することができる。
【0073】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2によるガスケットにおいては、プレートの一部に立体形状部および貫通孔が設けられるとともにガスケットにアンカー部が設けられ、アンカー部が貫通孔の周縁部に係合することによってガスケットが非接着でプレートに固定されるために、接着剤を用いることなくガスケットをプレートに固定することが可能である。したがって、上記従来技術のように接着剤を塗布し熱硬化させて接合する工程を省略することができ、よってガスケットの製造工程を簡略化(製作容易化)することができる。
【0074】
また、プレートの立体形状部がプレートの外面側に凹であるとともに内面側に凸である立体形状として形成されているために、この立体形状部がガスケットと直接係合する。したがって、ガスケットがプレートに対してずれるのを有効に防止することができる。
【0075】
また、プレートの立体形状部がプレートの外面側に凹である立体形状として形成されているために、ガスケットのアンカー部が立体形状部内に収められてプレートの外面からはみ出すことがない。したがって、アンカー部のはみ出しによるプレートの実質的な体積増大を防止することができ、プレートの厚さがHDD用トップカバーのように薄い場合であっても対応することができる。
【0076】
またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項3によるガスケットにおいては、熱可塑性エラストマーよりなるガスケットが射出成形によりプレートと一体化されるために、ガスケットをその成形と同時にプレートに一体化することが可能である。したがって、上記従来技術のようにガスケットを単独で成形してからプレートに組み付ける工程を省略することができ、よってこの点からもガスケットの製造工程を簡略化(製作容易化)することができる。
【0077】
また、上記構成を備えた本発明の請求項4によるガスケットにおいては、熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものであるために、その材質上の特性によってガスケットのシール性およびアウトガス性を向上させることができ、よってガスケットの品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係るガスケットをプレートに取り付けた状態の平面図
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図
【図3】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図4】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図5】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図6】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図7】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図8】本発明の第二実施例に係るガスケットをプレートに取り付けた状態の断面図
【図9】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図10】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【図11】ガスケットの断面形状の他の例を示す断面図
【符号の説明】
1 ガスケット
2 カバープレート(プレート)
3 底面部
4 側面部
5 ネジ固定部
6 係合部
7 基部
8 シール部
9 被係合部
10,18 内面
11 凸部
12 凹部
13 先端部
14 立体形状部
15 貫通孔
16 アンカー部
17 外面
Claims (4)
- プレート(2)の一面側に配置されて前記プレート(2)と相手組立部材との間をシールするガスケット(1)において、
前記プレート(2)の周縁に設けた側面部(4)に一体成形された爪状の係合部(6)と、前記爪状の係合部(6)に対応して前記ガスケット(1)に一体成形された被係合部(9)とを有し、
前記爪状の係合部(6)が前記被係合部(9)に係合することによって前記ガスケット(1)を非接着で前記プレート(2)に固定したことを特徴とするガスケット。 - プレート(2)の一面側に配置されて前記プレート(2)と相手組立部材との間をシールするガスケット(1)において、
前記プレート(2)の外面(17)側に凹であるとともにその内面(18)側に凸である立体形状として前記プレート(2)に一体成形された立体形状部(14)と、前記立体形状部(14)に設けられた貫通孔(15)と、前記貫通孔(15)の反対側に配置されるよう前記ガスケット(1)に一体成形されたアンカー部(16)とを有し、
前記アンカー部(16)が前記貫通孔(15)の周縁部に係合することによって前記ガスケット(1)を非接着で前記プレート(2)に固定したことを特徴とするガスケット。 - 請求項1または2のガスケットにおいて、
前記ガスケット(1)が熱可塑性エラストマーよりなり、前記熱可塑性エラストマーよりなるガスケット(1)が射出成形によりプレート(2)と一体化されていることを特徴とするガスケット。 - 請求項3のガスケットにおいて、
熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーを部分的に架橋させたものであることを特徴とするガスケット。
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