JP2004106518A - 画像形成システムおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転送先とする画像データの選択条件と外部メモリの選択条件とを複数設定するとともに、異なる優先順位で上記選択条件を組み合わせたモードを複数設定しておき、目的に応じて、ユーザーがモードを選択することにより、デジタル複写機は指定された優先順位で選択条件を適用して、転送を行う画像データと転送先を決定し、転送する(S80)。これにより、ユーザーが希望する最適な複写の動作環境を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機等の画像形成装置及びホストコンピュータ等の画像処理装置を複数台備え、これら画像形成装置及び画像処理装置が転送装置を介して互いに接続されている画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在商品化されている画像形成装置としての例えばデジタル複写機は、原稿画像を複写処理する場合、まず、原稿画像を画像読取部にて読み取り、画像記憶部に画像データとして記憶される。等倍複写を行う場合にはこの画像データがそのまま記録部でプリントアウトされるが、また、編集、拡大などの画像処理を行う場合には、画像処理部でこの画像データに指定された画像処理を施し、その画像データを記録部にてプリントアウトされる。すなわち、このようなデジタル複写機では、そのデジタル複写機が備えている画像処理機能のみを利用して、用紙上に画像が形成される。上記のように画像データを一旦、画像記憶部に記憶させておけば、複数部数の複写を行う場合にも走査は一回で済むので、従来のアナログ複写機よりも、高速に複写が行えるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記デジタル複写機のように、画像データを一旦、記憶させておく場合、単に部数が多いというだけであれば、画像形成の工程を繰り返し行うことにより複写部数の増大は容易であるが、複数部数を複写する場合には、複写しようとするページ数が多ければ多い程、また、画像データに対する画像処理内容によっても、必要とするメモリが増大してしまう。
【0004】
上記のようなデジタル複写機に限らず、画像形成装置として考えた場合、その機能は基本的にハードウエアの購入時点において、最高の機能を発揮する。すなわち、ユーザーが最も高機能の複写機を所望して、購入時点において最高の画像処理機能を有するデジタル複写機を購入したとしても、短期間のうちに相対的に低機能のものとなってしまう。
【0005】
この場合、購入済のデジタル複写機について、その複写機が備えている機能以上の機能をその複写機に望むことはできない。もちろん、メモリの容量に関しても予めオプションなどが用意されていることもあるが、メモリにかかるコストも高く、また、用意されている以上のメモリ容量が必要になれば、やはりメモリ不足の問題が解消されることはない。
【0006】
したがって、さらなる高機能あるいは新規の機能を必要とする場合には、通常複写機の買い替えが必要となる。これは、使用者にとって経済的に大きな負担を強いるものであり、また、メーカーにとって時代にあった商品を提供していく以上、必ずつきまとう問題となっている。
【0007】
一方、近年においては、複数の画像記録装置等のネットワーク化が提案されている。例えば特開昭53−116834号公報には、複数の画像読取装置と複数の画像記録装置とが1個の制御部を介して接続される「複写方式」が開示されている。上記の複写方式では、何れかの画像読取装置にて読み取られた原稿画像が何れかの画像記録装置にてプリントアウトされるので、画像読取装置での原稿の交換等による画像記録装置の待機時間を短縮できるようになっている。
【0008】
また、特公平7−36592号公報には、画像読取部と画像記録部とを備えた複数の複写機が一台の制御装置に接続される「画像処理装置」が開示されている。この画像処理装置では、設定された原稿複写モードに応じて、記録すべき画像信号が複数の複写機へ分散して供給され、これら複写機にて複写動作が並行して行われるようになっている。
【0009】
しかし、前記従来技術においては、転送先の複写機にてプリントアウトすることを目的とするものであって、全ての複写機は基本的に画像処理の機能を備えており、像形成手段のみを互いに利用可能とした構成である。したがって、ある複写機でしか利用できない画像処理機能があるとすると、その複写機が設置されている場所まで行かなければ、必要とする画像処理が行えないことになる。また、複写機が配置されている全ての場所で、必要となるような新たな機能が生じても、全ての複写機で同じ機能を使用するためには、全ての複写機が代替されるまで不可能である。特に、画像処理の結果取り扱えない容量の画像データが生じる場合には、その複写機のみでは対応することができないという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザーが所望する画像処理を自機と他の画像処理装置とにおいて、装置間のネットワークを利用して、互いにない機能を補完させることにより、各画像形成装置及び画像処理装置を効率良く動作させて、短時間に所望する可視画像を得ることができる画像形成システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る画像形成システムは、上記の課題を解決するために、少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、上記画像形成装置には、予め複数の用意された選択条件の中から、ユーザーの指定する目的に応じてその適用する選択条件を変更し、適用された選択条件に基づく優先順位にて転送される画像データを決定する転送対象データ選択手段が設けられており、上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴としている。
【0012】
また、請求項2の発明に係る画像形成システムは、上記の課題を解決するために、請求項1の構成に加えて、上記転送対象データ選択手段には、転送される画像データの選択条件が複数設定され、選択条件間の優先順位を複数記憶する優先順位記憶手段が設けられており、上記優先順位が任意に選択可能であるとともに、画像データの格納に使用可能な記憶部の残記憶容量が読み込もうとしている画像サイズにおける最大画像データ量よりも小さい場合に、記憶部に格納された画像データの中から、選択された優先順位に従う選択条件の適用により、外部記憶装置に転送される画像データが決定されることを特徴としている。
【0013】
上記の構成において、外部記憶装置を利用して、画像の取り込みを行う場合に、転送対象データ手段が、ユーザーの指定する目的に応じて外部記憶装置に転送される画像データを決定するので、画像形成過程に対してユーザーの要望を反映させることができる。具体的には、外部記憶装置に転送される画像データの選択条件を複数用意しておき、その適用する優先順位を変更することにより、転送対象データとして、ユーザーの要望に最適な画像データを選択することができる。
【0014】
請求項3の発明に係る画像形成システムは、上記の課題を解決するために、少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、画像データの格納に使用可能な記憶部の残記憶容量が読み込もうとしている画像サイズにおける最大画像データ量よりも小さい場合に、上記画像以降に入力される画像データを外部記憶装置に転送し、上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴としている。
【0015】
上記の構成においては、外部記憶装置を利用して、画像の取り込みと出力を行う場合に、画像形成装置側の記憶部に一連の出力画像データの先頭側が格納されているために、画像を出力させる際の時間を短くすることができる。
【0016】
請求項4の発明に係る画像形成システムは、上記の課題を解決するために、少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、上記外部記憶装置が複数設けられるとともに、画像形成装置には、ユーザーの指定する目的に応じて、転送先の外部記憶装置を決定する転送先選択手段が設けられており、上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴としている。
【0017】
また、請求項5の発明に係る画像形成システムは、上記の課題を解決するために、請求項4の構成に加えて、外部記憶装置の稼働状態を検出する稼働状態検出手段が設けられる一方、上記転送先選択手段には、転送先として設定する外部記憶装置の選択条件が複数設定され、選択条件間の優先順位を複数記憶する優先順位記憶手段が設けられており、上記優先順位が任意に選択可能であるとともに、外部記憶装置に画像データが転送される場合に、検出された稼働状態に対して、選択された優先順位に従う選択条件の適用することにより転送先とする外部記憶装置が決定されることを特徴としている。
【0018】
上記の構成により、複数の外部記憶装置が転送装置を介して利用可能とされている場合、転送先選択手段が、ユーザーの指定する目的に応じて転送先となる外部記憶装置を決定するので、画像形成過程に対してユーザーの要望を反映させることができる。具体的には、各外部記憶装置の現在の稼働状態を検出するとともに、転送先として決定する外部記憶装置の選択条件を複数用意して、選択条件の優先順位をユーザーに選択させ、上記稼働状態を選択条件の優先順位に基づいて判定し、転送先を決定することにより、各外部記憶装置の稼働状態に応じて、画像形成装置の使用時点で最もユーザーの要望を反映させる画像形成装置の稼働環境を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図30に基づいて以下に説明する。
【0020】
本画像形成システムは、画像形成装置としての複数のデジタル複写機と画像処理装置とが、デジタル画像情報の通信を行う手段である転送装置を介して接続されたものとなっている。
【0021】
図2は上記デジタル複写機の一例となるデジタル複写機30の全体構成を示す断面図である。同図において、デジタル複写機30は、スキャナ部31、画像出力部としてのレーザプリンタ部32、多段給紙ユニット33およびソータを含む後処理装置34を備えている。
【0022】
スキャナ部31は、透明ガラスからなる原稿載置台35、原稿載置台35上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(以下、RADF:Recirculating Automatic Document Feeder と称する)36、および原稿載置台35上に載置された原稿画像を走査して読み取るための原稿画像読み取りユニット、すなわちスキャナユニット40を備えている。このスキャナ部31にて読み取られた原稿画像は、画像情報、すなわち画像データとして後述する画像処理部へ送られ、ここで画像データに対して所定の画像処理が施される。
【0023】
多段給紙ユニット33は、第1カセット51、第2カセット52、第3カセット53、および選択により追加可能な第4カセット54を有している。この多段給紙ユニット33における各段のカセット51〜54には、用紙の束が収容されており、操作者にて所望するサイズの用紙を収容するカセットが選択されると、そのカセット内の用紙束の上から用紙が1枚ずつ送りだされ、レーザプリンタ部32へ向けて順次搬送される。
【0024】
RADF36は、所定の原稿トレイ上に一度にセットされた複数枚の原稿に対し、1枚ずつ自動的にスキャナ部31の原稿載置台35上へ送給する装置で、操作者の選択に応じて原稿の片面または両面をスキャナユニット40に読み取らせることができるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、および搬送経路切換え機構等を有している。
【0025】
上記のスキャナユニット40は、ランプリフレクタアセンブリ41、CCD(Charge Coupled Device) 42、複数の反射ミラー43…およびレンズ44を備えている。ここで、ランプリフレクタアセンブリ41は、原稿載置台35上に載置された原稿の面に光を照射して走査するものであり、CCD42は、原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する素子であり、反射ミラー43は、原稿からの反射光像をCCD42に導くためのものであり、レンズ44は、原稿からの反射光像をCCD42に結像させるものである。
【0026】
また、前記スキャナ部31は、上記RADF36とスキャナユニット40との連携動作により、原稿載置台35上に原稿を順次載置させながら、原稿載置台35の下面に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を読み取り、画像データに変換するように構成されている。このスキャナ部31から得られた画像データは、後述する画像処理部へ送られ、各種処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶される。その後、上記画像データが、出力指示に応じてレーザプリンタ部32に与えられ、用紙上に画像として記録される。
【0027】
レーザプリンタ部32は、手差し原稿トレイ45、レーザ書込みユニット46および画像を形成するための電子写真プロセス部47を備えている。レーザ書込みユニット46は、画像処理部のメモリから画像データに応じたレーザ光を出射する半導体レーザ、上記レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度偏向されたレーザ光が電子写真プロセス部47の感光体ドラム48上で等速度偏向されるように補正するf−θレンズ等を有している。
【0028】
電子写真プロセス部47は、周知の態様に従い、感光体ドラム48、この感光体ドラム48の周囲に配置された帯電器、現像器、転写器、剥離器、クリーニング器、除電器および定着器49等により構成されている。画像が形成されるべき用紙の搬送方向における定着器49の下流側には、搬送路50が設けられている。この搬送路50は、後処理装置34へ通じている搬送路57と多段給紙ユニット33へ通じている搬送路58とに分岐している。
【0029】
多段給紙ユニット33は両面ユニット55および共通搬送路56を含んでいる。両面ユニット55は反転搬送路55aと、この反転搬送路55aの入出紙口に入紙口が通じている両面/合成搬送路55bとを備えている。反転搬送路55aは用紙の裏表を反転させるものである。両面/合成搬送路55bは、搬送路58により搬送される用紙を電子写真プロセス部47に導くものである。
【0030】
共通搬送路56は、第1カセット51、第2カセット52、第3カセット53から送出された用紙を電子写真プロセス部47に搬送するものであり、電子写真プロセス部47へ向かう途中で第4カセット54からの搬送路59と合流し、搬送路60に通じている。そして、搬送路60は、両面/合成搬送路55bおよび手差し原稿トレイ45に通じる搬送路61の合流点62でこれらと合流し、電子写真プロセス部47の感光体ドラム48と転写器との間の画像形成位置へ通じている。これら3本の搬送路の上記合流点62は電子写真プロセス部47に近い位置に設定されている。
【0031】
上記レーザプリンタ部32において、画像処理部のメモリから読み出された画像データは、レーザ書込みユニット46からレーザ光線として出射され、電子写真プロセス部47の感光体ドラム48の表面に静電潜像として形成される。この静電潜像は可視像化されてトナー像となり、このトナー像は、多段給紙ユニット33から搬送された用紙上に静電転写された後、定着器49により用紙上に定着される。
【0032】
このようにして画像が形成された用紙は、定着器49から搬送路50および57を介して後処理装置34へ送られたり、搬送路50・58および両面ユニット55を介して電子写真プロセス部47へ再度供給される。
【0033】
次に、デジタル複写機30が備える画像処理部について説明する。この画像処理部は、スキャナ部31から得られた原稿の画像データに画像処理を行うものである。
【0034】
画像処理部は、図3に示すように、画像データ入力部70、画像データ処理部71、画像データ出力部72、記憶部としてのメモリ73、および制御部としてのプリントコントロールユニット(以下、PCUと称する)74を備えている。
【0035】
PCU74は、デジタル複写機30全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit) により構成されている。メモリ73は、画像データを記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)や、ハードディスク等により構成されている。
【0036】
画像データ入力部70は、CCD部70a、ヒストグラム処理部70bおよび誤差拡散処理部70cを含んでいる。この画像データ入力部70は、CCD42から読み込まれた原稿の画像データを2値化変換し、2値のデジタル量としてヒストグラムをとりながら、誤差拡散法により画像データを処理して、メモリ73に一旦記憶するものである。
【0037】
上記CCD部70aでは、画像データの各画素濃度に応じたアナログ信号がA/D変換された後、MTF補正、白黒補正またはガンマ補正され、256階調(8ビット)のデジタル信号としてヒストグラム処理部70bへ出力される。
【0038】
ヒストグラム処理部70bでは、CCD部70aから出力されたデジタル信号が256階調の画素濃度別に加算されることにより濃度情報(ヒストグラムデータ)が得られる。このヒストグラムデータは、画素データとして誤差拡散処理部70cへ送られ、また必要に応じてPCU74へ送られる。
【0039】
誤差拡散処理部70cでは、疑似中間処理の一種である誤差拡散法により、すなわち2値化の誤差を隣接画素の2値化判定に反映させる方法により、CCD部70aから出力された8ビット/画素のデジタル信号が1ビット(2値化)に変換され、原稿における局所領域濃度を忠実に再現するための再配分演算が行われる。
【0040】
画像データ処理部71は、多値化処理部71a・71b、合成処理部71c、濃度変換処理部71d、変倍処理部71e、画像プロセス部71f、誤差拡散処理部71gおよび圧縮処理部71hを含んでおり、入力された画像データを操作者が希望する画像データに変換する処理部である。したがって、最終的な出力画像データがメモリ73に記憶されるまで、ここで処理が行われる。ただし、画像データ処理部71に含まれている上述の各処理部は必要に応じて機能するものであり、機能しない場合もある。
【0041】
上記多値化処理部71a・71bでは、誤差拡散処理部70cで2値化された画像データが再度256階調に変換される。合成処理部71cでは、画素毎の論理演算、すなわち論理和、論理積または排他的論理和の演算が選択的に行われる。この演算の対象となるデータは、メモリ73に記憶されている画素データおよびパターンジェネレータからのビットデータである。
【0042】
濃度変換処理部71dでは、256階調のデータに対し、所定の階調変換テーブルに基づいて入力濃度に対する出力濃度の関係が任意に設定される。変倍処理部71eでは、指定された変倍率に応じて、入力された既知データに基づいて補間処理を行うことにより、変倍後の対象画素に対する画素データ(濃度値)が求められる。その後、この画素データに基づいて、副走査方向が変倍され、次に主走査方向が変倍処理される。
【0043】
画像プロセス部71fでは、入力された画素データに対して様々な画像処理が行われる。また、特徴抽出等、データ列に対する情報収集が行われる。誤差拡散処理部71gでは、画像データ入力部70の誤差拡散処理部70cと同様な処理が行われる。圧縮処理部71hでは、ランレングスという符号化により、2値データが圧縮される。なお、画像データの圧縮に関しては、最終的な出力画像データが完成した時点で最後の処理ループにおいて圧縮が機能する。
【0044】
画像データ出力部72は、復元部72a、多値化処理部72b、誤差拡散処理部72cおよびレーザ出力部72dを含んでいる。画像データ出力部72は、圧縮状態でメモリ73に記憶されている画像データを復元し、元の256階調に再度変換した後、2値データより滑らかな中間調表現となる4値データの誤差拡散を行い、レーザ出力部72dへデータを転送するものである。
【0045】
上記復元部72aでは、圧縮処理部71hによって圧縮された画像データが復元される。多値化処理部72bでは、画像データ処理部71の多値化処理部71a・71bと同様な処理が行われる。誤差拡散処理部72cでは、画像データ入力部70の誤差拡散処理部70cと同様な処理が行われる。
【0046】
レーザ出力部72dでは、図示しないシーケンスコントローラからの制御信号に基づき、デジタル画素データがレーザのオン/オフ信号に変換される。このオン/オフ信号に基づいてレーザ書込みユニット46における半導体レーザがオン/オフ状態となり、感光体ドラム48上に静電潜像が書き込まれる。
【0047】
なお、画像データ入力部70および画像データ出力部72において扱われるデータは、メモリ73の容量の削減のため、基本的には2値データの形でメモリ73に記憶されているが、画像データの劣化を考慮して4値のデータの形で処理することも可能である。
【0048】
デジタル複写機30の動作は前記PCU74により制御されており、このPCU74による制御系の構成は図4に示すものとなっている。
【0049】
同図において、PCU74には、デスク関係負荷75、RADF関係負荷76、操作基板ユニット77、ソータコントロールユニット78、スキャナ関係負荷79、プリンタ関係負荷80および前記画像データ処理部71が接続されている。
【0050】
PCU74は、上記の各部をシーケンス制御により管理し、制御の際に各部へ制御信号を出力している。デスク関係負荷75は、デジタル複写機本体以外の多段給紙ユニット33および後処理装置34のソータにおけるモータ、クラッチ等の負荷である。RADF関係負荷76は、RADF36におけるモータ、クラッチおよびスイッチ等の負荷である。スキャナ関係負荷79は、スキャナユニット40におけるモータおよびソレノイド等の負荷である。プリンタ関係負荷80は、電子写真プロセス部47におけるモータ、ソレノイドおよび高圧電源等の負荷である。ソータコントロールユニット78は、CPUを備え、PCU74からの制御信号に基づいてソータの動作を制御するものである。
【0051】
操作基板ユニット77は、デジタル複写機30に対しての操作者による複写モード等の各種設定や指令等の入力部で、CPUを備えており、操作者が入力により設定した例えば複写モードに応じた制御信号をPCU74に転送する。PCU74は、上記制御信号に基づき、デジタル複写機30を上記モードに応じて動作させる。一方、PCU74は、操作基板ユニット77へデジタル複写機30の動作状態を示す制御信号を転送する。操作基板ユニット77は、上記制御信号に基づき、デジタル複写機30が現在どのような動作状態にあるのかを操作者に示すため、その状態を表示部により表示する。
【0052】
また、画像データ処理部71に接続された前記メモリ73は、例えば半導体メモリからなるメインメモリ73aとハードディスク73bとから構成されている。メインメモリ73aには画像データ通信ユニット81が接続されている。この画像データ通信ユニット81は、他のデジタル情報機器との画像データおよび画像制御信号等の情報通信を可能にするために設けられたものであり、例えば図11に示すデジタル複写機93においては、通常インタフェース93aのことを意味しているが、電話回線等を介して通信を行う場合には該インタフェース93aにモデム98を加えたものに該当する。
【0053】
前記操作基板ユニット77は、図5に示す入力部としての操作パネル90を備えている。操作パネル90には、中央部にタッチパネル式の表示部である液晶表示装置1が配置されている。液晶表示装置1の画面上の一部には、画面切換え指示エリア1aが設けられている。この画面切換え指示エリア1aは、液晶表示装置1の表示画面を画像編集機能選択用の画面に切り換える指示を入力するためのものである。このエリア1aを操作者が指で直接押圧操作すると、後述のように、所望の機能を選択できるように、液晶表示装置1の画面上に各種編集機能が一覧表示される。このとき、表示された各種編集機能の表示領域のうち、所望の編集機能の領域を操作者が指で押圧すると、その編集機能が設定される。
【0054】
また、操作パネル90には、図5における左端位置に、液晶表示装置1の画面の明るさを調整するための明るさ調整ダイヤル2が設けられている。このダイヤル2と液晶表示装置1との間には、倍率自動設定キー3、ズームキー4、固定倍率キー5・6および等倍キー7が設けられている。倍率自動設定キー3は複写倍率を自動的に選択するモードを設定するためのものであり、ズームキー4は複写倍率を1%きざみで設定するためのものである。固定倍率キー5・6は固定倍率を選択するためのものであり、等倍キー7は複写倍率を標準倍率(等倍)に戻すためのものである。
【0055】
液晶表示装置1の同図における右方位置には、枚数設定キー13、クリアキー14、スタートキー15、全解除キー16、割り込みキー17、操作ガイドキー18、メッセージ順送りキー19、メモリ送信モードキー20、コピー/ファックスモード切換えキー21、ワンタッチダイヤルキー22が設けられている。
【0056】
枚数設定キー13は複写枚数を設定するためのものであり、クリアキー14は、複写枚数をクリアしたり、連続コピーを途中で止める時に操作するものである。スタートキー15はコピーの開始を指示するためのものであり、全解除キー16は、現在設定されているモードの全てを解除して標準状態に復帰させるためのものである。割り込みキー17は連続コピー中に別の原稿に対するコピーを行いたい時に操作するものである。操作ガイドキー18は、デジタル複写機30の操作が分からない時に操作するものであり、これが操作されると、デジタル複写機30の操作方法が液晶表示装置1に表示される。メッセージ順送りキー19は、操作ガイドキー18の操作により表示されたメッセージの表示を順送りしながら切り換えるためのものである。
【0057】
メモリ送信モードキー20、コピー/ファックスモード切換えキー21およびワンタッチダイヤルキー22はファクシミリモードに関する設定キーである。メモリ送信モードキー20は送信原稿を一旦メモリに蓄えてから送信することを指定するものであり、コピー/ファックスモード切換えキー21はデジタル複写機30のモードをコピーとファックスとの間で切り換えるためのものである。ワンタッチダイヤルキー22は、予めデジタル複写機30に電話番号を記憶させておいた送信先に対し、ワンタッチ操作で電話を発信させるためのものである。
【0058】
なお、上記各種キーの種類および配置等に関する上記操作パネル90の構成は、あくまでも一例であり、デジタル複写機30に搭載される各種機能に応じて異なったものとなる。
【0059】
上記液晶表示装置1では、例えば、図6(a)に示す基本画面、同図(b)に示す第1機能設定画面、同図(c)に示す第2機能設定画面、図7(a)に示す画質設定画面、同図(b)に示す後処理設定画面、図8(a)に示す初期設定画面、同図(b)に示す指紋登録画面、同図(c)に示す部門管理設定画面、図9(a)に示すリミッタ設定画面、および同図(b)に示すシミュレーション画面、並びに後述する各画面の表示が可能となっている。
【0060】
基本画面においては、機能設定領域、画質設定領域、後処理設定領域、初期設定領域、設定機能確認操作領域およびカセット設定領域が設けられる。これら各領域は各設定キー101a〜101dとなる。さらに、基本画面においては、設定カセット表示、濃度表示、コピー枚数表示および倍率表示が行われる。上記設定機能確認操作領域を操作した場合には、本画像形成システムにおいて設定されている機能が液晶表示装置1に表示される。
【0061】
第1機能設定画面においては、鏡像、斜体、反転、影付け、トリミングおよびマスキングの各編集機能を設定するための領域が設けられる。これら各領域は各設定キー102a〜102fとなる。さらに、基本画面への遷移、次頁画面への遷移のための各操作領域が設定される。
【0062】
第2機能設定画面においては、合成および独立変倍の各編集機能を設定するための領域、翻訳機能を設定するための領域が設けられる。これら各領域は各設定キー103a〜103cとなる。さらに、基本画面への遷移、次頁画面への遷移のための各操作領域が設定される。
【0063】
画質設定画面においては、濃度、HI−FI(高画質複写モード)、バックグランド除去モード、オート変倍モード、文字モード、文字写真混在モード、写真モードおよび倍率の設定のための各設定領域が設けられる。さらに、濃度および倍率の表示が行われる。
【0064】
後処理設定画面においては、原稿が片面であるか両面であるかの入力領域、コピーが片面であるか両面であるかの入力領域、および製本機能の設定領域が設けられる。さらに、ステープルソータ、ソータおよびフィニッシュの後処理機能の設定領域、および電子RDHの設定領域が設けられる。
【0065】
初期設定画面においては、指紋登録、部門管理、シミュレーション、メンテ管理、新規機能登録、および出力装置の選択の各モードの設定領域、並びに基本画面への遷移のための操作領域が設定される。
【0066】
指紋登録画面においては、部門コードおよび氏名の入力領域が設けられるとともに、入力された部門コードおよび氏名の表示が行われる。
【0067】
上記各画面の遷移は、図10に示した順序で行われる。すなわち、液晶表示装置1では、まず基本画面が表示され、この表示画面において機能設定領域、画質設定領域、後処理設定領域あるいは初期設定領域の何れかの領域が押圧操作されると、表示画面がその領域に対応する画面に遷移するようになっている。例えば、機能設定領域が押圧操作された場合、第1機能設定画面に切り換わり、この画面において、次頁画面への遷移のための操作領域が押圧操作されると、画面が第2機能設定画面(NEXT機能設定画面)に遷移する。一方、基本画面への遷移のための操作領域が押圧操作されると、画面が基本画面に遷移する。
【0068】
さらに、例えば第1機能設定画面において、斜体機能設定領域が押圧操作されると、画面が図12(c)に示す斜体設定画面に遷移する。この画面は、図10における例えば機能2パラメータ設定画面である。斜体設定画面においては、斜体角度の設定領域である角度入力キー106a、および設定完了入力領域である設定完了キー106bが設けられる。さらに、斜体角度の表示が行われる。
【0069】
なお、第1および第2機能設定画面において、所定の機能設定領域が押圧操作されると、それに応じて、液晶表示装置1の画面が上記斜体設定画面のように、対応するパラメータ設定画面となる。
【0070】
ここで、上記機能設定領域の操作によって設定可能な本画像形成システムが有する画像編集機能の例とその処理動作を表1に示す。なお、本画像形成システムに設定されている画像編集機能は、これらに限定されるものではない。その他のものとしては、例えば、手書きの文字や画像を清書する機能などが考えられる。
【0071】
【表1】
【0072】
一方、本画像形成システムは、例えば図11に示すように、オフィス内に設けられた画像形成装置としてのデジタル複写機91〜93、スキャナ94および画像形成装置としてのプリンタ95と、オフィス外のサービスセンター内に設けられた画像処理装置としての大型のホストコンピュータ96とを備えている。上記サービスセンターは、高度画像処理を含む各種情報サービスを行うところであり、ホストコンピュータ96は処理部の機能を有している。
【0073】
上記デジタル複写機91は、メモリレスの低機能廉価版のものであり、基本的な編集機能をもっている。なお、ここでいうメモリレスとは、多量の画像データを格納可能なページメモリは備えていないものの、デジタル複写機での画像データに対する通常の作業を行うのに必要なラインメモリは最低限備えていることを意味する。また、基本的な編集機能とは、例えば白黒反転など、ページメモリがなくても実行できるものである。また、デジタル複写機91は、図2に示したスキャナユニット40によるスキャナ機能がモノクロで解像度が400DPIとなっている。また、コピー速度が20CPM(20枚/分)であり、低速クラスのものである。さらに、デジタル複写機91は、レーザプリンタ部32によるプリンタ機能がモノクロで400DPIであり、インタフェース(I/F)91aを備えている。
【0074】
デジタル複写機92は、スキャナ機能がモノクロで解像度が400DPI、プリンタ機能がモノクロで400DPI、コピー速度が40CPMの中級クラスのものである。また、各種編集機能、ページメモリとして64Mバイト(400DPI、8bit/画素でA4サイズ4ページ相当の容量)のメモリ、およびインタフェース92aをそれぞれ備えている。上記メモリは、図4に示したメインメモリ73aに相当する。
【0075】
デジタル複写機93は、スキャナ機能がモノクロで解像度が400DPI、プリンタ機能がモノクロで400DPI、コピー速度が高速の60CPMである。また、各種編集機能、文字認識機能、ビットデータのコード化機能およびページメモリとして500Mバイトの大容量(400DPI、8bit/画素、圧縮率1/4でA4サイズ100ページ相当の容量)のメモリを備え、上級クラスのものとなっている。したがって、画像データのページ順を変更する処理や、各種フォーマットの原稿データを記憶しておくことも可能である。上記メモリは、図4に示すメインメモリ73aおよびハードディスク73bを含んだものに相当する。さらにデジタル複写機93はインタフェース93aを備えている。また、デジタル複写機91〜93は、例えば、高速での画像データの転送が可能なネットワークであるイーサネット(登録商標)により接続されている。さらに、上記インタフェース93aは、他の情報装置とのデータの送受信を可能にするため、SCSI(Small Computer System Interface)、RS−232Cといった汎用の規格にも対応可能となっている。
【0076】
また、スキャナ94は、カラー画像の読み取りが可能であり、解像度が600DPIとなっている。プリンタ95は、カラー画像のプリントが可能であり、記録密度が600DPIとなっている。これらスキャナ94およびプリンタ95は、それぞれのインタフェース94a・95aによりデジタル複写機93と接続され、デジタル複写機93との画像データの送受信が可能となっている。
【0077】
ホストコンピュータ96は、高速データ処理用CPU、高速データ編集用アルゴリズム、高速情報認識アルゴリズム、デジタル複写機93のメモリ73よりも遙かに容量が大きい大容量メモリ、紙幣等を認識するための各種データベース、およびインタフェース96aを備えている。
【0078】
上記デジタル複写機93とホストコンピュータ96とは、それぞれのインタフェース93a・96aを通じて例えば電話回線97により接続されている。なお、上記両者の接続は、電話回線97に限らず、その他光通信網等、何らかの適当な通信回線で接続されていればよい。デジタル複写機93側およびホストコンピュータ96側には、例えばISDN(integrated services digital network )対応の汎用のモデム(変調器)98が設けられている。このモデム98は、デジタル化された電気信号を電話回線97にて送受信するのに適した信号に変換するための装置である。モデム98での変調方式としては、PM(位相変調)、AM(振幅変調)あるいはFM(周波数変調)等がある。上記のインタフェース91a〜96a、電話回線97およびモデム98・98は転送手段を構成している。
【0079】
デジタル複写機91〜93とホストコンピュータ96とは、上記電話回線97を通じて各種データの送受信が可能となっている。上記データの内容としては、例えば制御用のコマンドコードや、画像の濃度データなどのビットデータである。また、デジタル複写機91〜93は、電話回線97によりデータを送受信することが可能なFAX機能や、パソコン、ワープロなどからの文書データをプリントアウトするプリンタモードを有している。
【0080】
なお、図11において、サービスセンターには、一つのオフィスが接続されたものとなっているが、実際には、全国に存在する多数のユーザーのオフィスが接続されたものとなる。また、一般に、各オフィスに備えられているデジタル複写機は、価格的な問題、画像メモリの容量などによりその機能が大きく左右され、また、各オフィスでの使用目的、および機能に対する要求度合いに応じて種々のものがある。したがって、オフィスに備えられるデジタル複写機としては、上記デジタル複写機91〜93に限定されることなく、多数の商品ラインアップが考えられる。
【0081】
また、ホストコンピュータ96は、画像編集機能を含む高画像処理機能、および高速画像処理を提供することを目的としており、通常、デジタル複写機に搭載されているような機能は少なくとも搭載されている。ただし、基本的な機能であって低価格機種においても搭載されているようなものは省かれている場合もあり得る。すなわち、ホストコンピュータ96には、サービスセンターが提供する機能としての適否を考慮した上で、所定の機能が搭載される。
【0082】
また、画像処理機能については、情報化社会におけるインフラストラクチャーの整備や業務効率の改善の要求に応じて、新規のものが逐次開発される。したがって、ホストコンピュータ96に搭載されている画像処理機能については、新たな画像処理機能の開発に応じて、新規のものが追加され、あるいは相対的に利用価値の低下した従来のものと入れ換えられる。
【0083】
さらに、本画像形成システムでは、例えば、ホストコンピュータ96に設けられた大容量メモリや複写を行おうとしているデジタル複写機以外のデジタル複写機のメモリ等の外部メモリを利用して複写が行えるようになっている。
【0084】
ここで、上記デジタル複写機91〜93およびホストコンピュータ96が備える画像編集機能の一例を次の表2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】
上記の構成において、まず、本画像形成システムの基本動作について説明する。オフィス内のデジタル複写機91〜93とサービスセンター内のホストコンピュータ96とはそれぞれのイーサネット(登録商標)I/Fまたは電話回線97を通じて互いにデータの送受信が可能である。したがって、例えばデジタル複写機91〜93から送信されたデジタル信号は、デジタル複写機93側のモデム98にて変調され、電話回線97にてホストコンピュータ96側に伝送された後、ホストコンピュータ96側のモデム98にて復調され、ホストコンピュータ96に入力される。
【0087】
上記デジタル信号の内容は、制御用のコマンドコードや、画像の濃度データなどのビットデータである。したがって、ホストコンピュータ96は、上記制御用のコマンドコードの内容を解析し、画像データに対して指定されている画像編集機能により画像処理を行う。ホストコンピュータ96にて処理された画像データは、送信時とは逆の過程を経てデジタル複写機93に返送され、例えばデジタル複写機93により画像として用紙上に出力される。
【0088】
表2に示したように、デジタル複写機93・92・91はこの順に高い画像編集機能を有する一方、ホストコンピュータ96は最も高い画像処理機能を有している。したがって、オフィス内のデジタル複写機91〜93が備えていない画像編集機能を使用したい場合、あるいはデジタル複写機91〜93側のメモリ73の容量が不足して、所望の画像編集機能を使用することができない場合等においては、上記のように、オフィス側からサービスセンター側へ画像データを転送し、ここで画像データを処理した後、画像データを返送してもらえば、所望の処理が行われた画像をオフィス側で用紙上に出力することができる。
【0089】
次に、本画像形成システムにおいて、サービスセンターでの画像処理サービスを利用して画像処理を行う場合の動作を図13のフローチャートにより詳細に説明する。ここでは、デジタル複写機91にて、原稿画像に対する画像処理として、『白黒反転』『斜体』を選択するものとする。なお、液晶表示装置1の機能設定画面においては、ホストコンピュータ96が備えている機能も表示されるようになっている。
【0090】
この場合には、図6(a)に示す液晶表示装置1の基本画面において、機能設定キー101aが押圧操作されると(S1)、液晶表示装置1の画面が同図(b)に示す第1機能設定画面に遷移する。次に、この状態において斜体設定キー102bおよび反転設定キー102cが押圧操作されると(S2)、液晶表示装置1の画面では、図12(a)に示すように、斜体設定キー102bおよび反転設定キー102cの領域が反転表示される。この反転表示は、斜体設定キー102bおよび反転設定キー102cが押圧操作されたことを示すものである。
【0091】
次に、デジタル複写機91のPCU74は、設定された機能にデジタル複写機91で処理不可能な機能があるか否かを判定する(S3)。この場合、表2に示したように、デジタル複写機91は『白黒反転』機能を有するものの『斜体』機能を有していない。したがって、S3での判定結果はYESとなる。そこで、液晶表示装置1に、デジタル複写機91にて『斜体』が処理不可能である旨、およびこの『斜体』に関してはホストコンピュータ96にて処理する必要がある旨を表示する(S4)。この表示画面は、図12(b)に示すものとなる。
【0092】
次に、上記表示画面において設けられた実行キー112aが押圧操作されると(S5)、液晶表示装置1の画面が図12(c)に示した斜体設定画面に遷移する。次に、この表示画面において設けられた角度入力キー106aにより『斜体』の角度が入力され、設定完了キー106bが押圧操作されると、デジタル複写機91において処理可能な『白黒反転』を実行する(S6)。この場合、処理の対象となる画像データは、例えばスキャナ部31にて読み取られた原稿画像のデータである。また、デジタル複写機91は、ページメモリを備えておらず、ラインメモリのみ備えているので、画像データは読み取られたライン毎の画像データが順次処理される。なお、上記ラインメモリは、例えばPCU74が内部に備え、PCU74が作業を行う際に使用するものである。
【0093】
次に、『白黒反転』させた画像データに対してスクランブル処理を行い(S7)、順次サービスセンターのホストコンピュータ96に転送する(S8)。この場合、制御用のコマンドコード、すなわち『斜体』処理を指令するコマンドコードと共に『斜体』処理すべき画像データが、インタフェース91a、デジタル複写機91とデジタル複写機93とを接続する回線、インタフェース93a、モデム98、電話回線97、モデム98およびインターフェース96aを介して、ホストコンピュータ96へ入力される。
【0094】
なお、上記スクランブル処理は、画像データの漏洩を防止するために行っている。すなわち、本画像形成システムでは、オフィス側とサービスセンター側とが例えば汎用のネットワークにより通信を行っている。この場合、不特定多数の人がネットワークに対し任意にアクセス可能であり、ハッカーなどによりネットワーク上を流れるデータが盗み見られる可能性がある。そこで、上記スクランブル処理により画像データが漏洩することを防止している。
【0095】
一方、ホストコンピュータ96は、デジタル複写機91から送られてきたデータのスクランブルを解除する(S9)。次に、ホストコンピュータ96は、コマンドコードにより依頼された処理内容を確認し、その依頼内容に従って、『白黒反転』処理済の画像データに対し、『斜体』処理を施す(S10)。
【0096】
ホストコンピュータ96は、画像データに対する処理が完了すると、この処理済の画像データを、スクランブル処理した後(S11)、先程とは逆の経路で、画像データ発送元であるデジタル複写機91に返送する(S12)。
【0097】
デジタル複写機91は、受信したデータのスクランブルを解除し(S13)、この画像データを用紙上に画像として出力する(S14)。この場合の動作は、前述のデジタル複写機30において説明した通りである。
【0098】
また、S5において実行キー112aが押圧操作される前に規定時間が経過すれば、デジタル複写機91にて実行可能な処理である『白黒反転』のみを行い(S16)、S14に移行する。なお、上記規定時間の計時は、PCU74が備えるタイマによって行われる。さらにS3において、設定された機能にデジタル複写機91で処理不可能な機能がない場合には、S16に移行する。
【0099】
上記のように、本画像形成システムでは、オフィス内のデジタル複写機91〜93が備えていない画像編集機能が選択された場合、サービスセンターのホストコンピュータ96に依頼して、その画像編集を行うことができる。
【0100】
すなわち、オフィス内のデジタル複写機91〜93は、僅かな通信料金だけで、ホストコンピュータ96に搭載された最新かつ豊富な画像編集機能、すなわち画像処理機能を使用することができるので、オフィス内の個々のデジタル複写機91〜93は必ずしも高い画像編集機能等を備える必要がなく、またデジタル複写機91〜93の機能が相対的に低下しても、これらを買い替える必要がない。
【0101】
なお、図13に示した例では、サービスセンターでの処理の依頼が例えば有料であって、デジタル複写機91のユーザーの了解の基にサービスセンターで処理を行うことを前提としているため、S5において実行キー112aが押圧操作された後、サービスセンターに処理を依頼するものとなっている。しかしながら、これに代えて、図14に示すように、S3において、デジタル複写機91側で処理不可能な機能が選択された場合に、S5での実行キー112aの押圧操作の有無の確認無しに、サービスセンターに処理を依頼する構成としてもよい。
【0102】
また、図13に示した例では、S12において、ホストコンピュータ96での処理済の画像データを発送元のデジタル複写機91に返送し、そのデジタル複写機91にて画像を出力するものとしているが、これに代えて、図15のS17およびS18に示すように、処理済画像データの返送先を種々の条件に応じて選択し、その選択したデジタル複写機あるいはプリンタにて画像を出力するものとしてもよい。
【0103】
次に、新規に開発された画像処理機能、すなわち新規機能のホストコンピュータ96への搭載手順、および上記新規機能のオフィス側機器への登録手順を図16(a)(b)のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、仮に上記新規機能をデジタル複写機93に登録するものとする。
【0104】
図16(a)に示すように、まず、サービスセンター内のホストコンピュータ96に、開発された画像処理アルゴリズム(ソフトウェア)がインストールされる(S31)。これに伴い、ホストコンピュータ96は、デジタル複写機93に対する各種サービス内容に応じて、新規機能を含む情報サービスを行う(S32)。このS32の動作において、同図(b)に示すように、ホストコンピュータ96は、デジタル複写機93からの登録要求に対して、デジタル複写機93の表示処理能力に応じたデータを送信する(S41)。その後、デジタル複写機93におけるID(識別番号)と画像処理機能(画像編集機能)についての登録内容とを管理し、デジタル複写機93からの処理要求に応じて、所定の処理を実行する(S42)。
【0105】
上記S41の動作において、ホストコンピュータ96は、まず、搭載した新規機能をデジタル複写機93で選択可能とするため、デジタル複写機93に新規機能の内容を連絡する。この場合、ホストコンピュータ96は、新規機能を示すコマンドを先頭に、新規機能の内容(ここでは、『翻訳:英→日』『翻訳:日→英』『辞書機能』)を電話回線97を通じてデジタル複写機93に送信する。送信データ内容は、受信する機器、すなわちデジタル複写機93における液晶表示装置1の表示回路内のデータ保持内容により決定する。例えば、表示文字データを外字ROM内にフォントデータとして持つ場合には、その外字コードを送信することで、新規機能の表示内容を指示する。
【0106】
ホストコンピュータ96からの上記データを受信すると、デジタル複写機93の液晶表示装置1は、図17に示す機能登録画面となる。この表示により、ユーザーは新規機能を確認することができる。また、新規機能であっても、ユーザーにとっては使用したいものとそうでないものとがある。そこで、ユーザーによりデジタル複写機93に登録したい新規機能が、その機能の表示領域を押圧操作することにより選択される。ここでは、『翻訳:英→日』が選択されたものとする。選択された『翻訳:英→日』の表示領域は、同図に示すように、反転表示となる。この状態で実行キー113aが押圧操作されると、選択可能な機能として『翻訳:英→日』機能が登録される。
【0107】
この登録された機能は、例えば図6(c)に示す第2機能設定画面において、翻訳(英→日)設定キー103cとして追加表示されることになる。一方、上記機能登録画面において、取り消しキー113bを押圧操作すると、処理が中断され、また、登録が抹消される。なお、上記実行キー113aおよび取り消しキー113bは、機能登録画面において設けられるものであり、このように、キーの設置は他の表示画面においても適宜行われる。
【0108】
また、図17の機能登録画面において、ヘルプキー113cが押圧操作されると、液晶表示装置1は図18に示す画面となり、新規機能の表示領域の横に、その機能についての概略の内容説明が表示される。なお、同図は、『翻訳:英→日』を選択済の状態を示している。さらに、図17の機能登録画面において、ホスト全機能表示キー113dが押圧操作されると、液晶表示装置1は図19に示す画面となり、ホストコンピュータ96が備えている全機能が表示される。また、同図において、機能の種類の表示領域は限られているので、一度の表示では全ての機能の表示はできない。そこで、スクロールキー113eを操作すれば、全機能を順次表示することができる。
【0109】
また、ホストコンピュータ96から各オフィスへの新規機能情報の送信は、例えば定期的にまとめて、あるいは新規機能が追加される毎に行われる。ここでは、これらの場合を定期情報サービスとする。また、任意の時期に、オフィス側からサービスセンターに新規機能を確認することも可能であり、これを任意情報サービスとする。次に、サービスセンターが行う上記定期情報サービスを図20により、また任意情報サービスを図21により説明する。
【0110】
定期情報サービスのためには、まず、ユーザーによりホストコンピュータ96への定期情報サービス登録が行われる。これにより、ユーザーに対する情報提供サイクルがホストコンピュータ96に登録される(S51)。ホストコンピュータ96への情報提供サイクルの登録が完了すると、ホストコンピュータ96は、オフィス側の機器の電源ONを確認しながら、各登録サイクルにて、オフィスの機器へ前記新規機能の情報を送信する(S52・S53)。
【0111】
一方、オフィス側の機器では、ホストコンピュータ96からの新規機能情報を受信すると、これを記憶し(S54)、前記のように新規機能を登録し(S55)、機能選択画面に追加する(S56)。
【0112】
また、任意情報サービスの際には、ユーザーによりホストコンピュータ96への任意情報サービス登録が行われる(S61)。これが完了すると、ホストコンピュータ96は、オフィス側の機器の電源ONを確認しながら、任意サイクルにて、オフィスの機器へ前記新規機能の情報を送信する(S62・S63)。以下のS64〜S66の動作は、前記S54〜S56の動作と同様である。
【0113】
次に、図1ないし図22に基づいて、上記画像形成システムにおいて、外部メモリを利用して複写を行う場合の動作を説明する。このような本画像形成システムの動作を、ここでは、仮にデジタル複写機92とホストコンピュータ96との通信動作により説明する。この場合において、デジタル複写機92は電子RDH(Recycle Document handler)機能を備えたものとする。
【0114】
電子RDHとは、例えば、10ページ分の原稿があれば、その画像データを全て一旦メモリに記憶しておき、メモリから各ページの画像データを順次呼び出して、1部ずつ、必要部数の回数だけ繰り返して複写するというものである。上記電子RDHは、図6(a)に示した後処理設定キー101cの操作により選択可能となる。この場合、後処理設定キー101cの操作により図7(b)に示す後処理設定画面に移行し、電子RDHキーが表示されることになる。
【0115】
デジタル複写機92は、メモリ73として64Mバイトのページメモリを搭載しているが、このページメモリの容量は、例えばA4サイズの原稿を256階調で読み取るとすれば、4枚分を連続読み込み可能な容量に相当する。したがって、通常の複写処理において原稿画像を一時的に記憶して複写を行う場合には十分な容量を有していると言える。
【0116】
しかしながら、例えば10ページ分の原稿画像を上記電子RDHにより複数部複写する場合には、10ページ分のページメモリが必要となるため、6ページ分、つまり単純に計算すれば、96Mバイトのページメモリが不足することになる。したがって、この場合には、ページメモリの容量が一杯になった時点で、ユーザーの条件設定により選択された外部メモリ(ここでは、ホストコンピュータ96の大容量メモリ)を利用すると同時に、外部メモリに転送する画像データを選択して、電子RDHを実行する。
【0117】
以下、この場合の動作を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0118】
デジタル複写機92において電子RDHが選択されるとともに、原稿が図2に示すRADF36にセットされ(S71)、図5に示すスタートキー15がONされると(S72)、RADF36により原稿が順次搬送され、原稿の画像がスキャナユニット40にて読み取られる。これによって得られた画像データは、順次メモリ73に蓄積されていく(S73)。
【0119】
また、上記画像データに対しては画像データ処理部71にて、順次、濃度変換および設定に基づく変倍等の処理が行われる(S74)。なお、上記電子RDH(Recycle Document handler)設定キーが操作されたときには、液晶表示装置1において、図22(a)に示す外部メモリ選択キー121aが設けられ、メモリ残量表示部121bによりメモリ容量(64MB)が表示される。ただし、同図に示すメッセージ表示は行われていない。
【0120】
その後、スキャナユニット40による原稿の読み取り途中に、メモリ73の空き容量が残りの原稿読取りに必要となるメモリ容量よりも少なくなり(S75)、事前に上記外部メモリ選択キー121aが押圧操作されていなければ(S76)、図22(a)に示すように、液晶表示装置1に外部メモリを使用する必要がある旨のメッセージを表示する(S77)。そして、ユーザーにより外部メモリ選択キー121aが押圧操作されると(S78)、液晶表示装置1は、図22(b)に示すメッセージの表示画面となる。また、この画面において、外部メモリ選択キー121aは押圧操作されたことを示す反転表示となる。
【0121】
次に同図(b)に示すメッセージに従って、ユーザーにより続行キー121cが押圧操作されると(S79)、読み込んだ画像データの中から、転送対象となる画像データと、外部メモリとして使用する転送先が決定された後、転送先に画像データが転送される(S80)。転送が開始された後の液晶表示装置1の画面は、同図(c)に示すものとなる。上記において、転送する画像データの決定は、その後、順次読み取られる画像データ、あるいは既に読み取られてメモリ73に蓄積されている画像データの中から、ユーザーの指定する条件に応じて選択される。また、転送先の決定についても、ユーザーの指定する条件に応じて行うが、その詳細については後述する。そして、上記した画像データの転送動作は、前述した画像データの発送動作と同様にして行われる。そして、転送先のデジタル複写機93もしくはホストコンピュータ96は、受信した画像データをそれぞれに設けられているメモリに記憶する。
【0122】
上記のようにして読み取り待ちの原稿が無くなるまでS73〜S80の動作を繰り返す(S81)。その後、全ての原稿についての読み取りが終了すると、外部メモリを使用している場合には(S82)、出力順に従って、画像データを転送先側からデジタル複写機92に転送するか、デジタル複写機92のメモリ73から読み出して、用紙上に画像として出力する(S83)。この場合には、原稿の最終ページ側のものから順次出力される。
【0123】
また、各メモリからの画像データの読み出しは、書き込みの場合と同様、デジタル複写機92のメモリ73から読み出す場合、デジタル複写機92内のデータラインを介して行われ、デジタル複写機93のメモリから読み出す場合、デジタル複写機間に設けられたネットワークを介して行われ、ホストコンピュータ96から読み出す場合、上記ネットワークと電話回線97とを介して行われる。
【0124】
一方、S75において、デジタル複写機92のメモリ73の空き容量が残りの原稿読取りに必要となるメモリ容量よりも多い場合には、メモリ73への画像データの記憶を継続して行い(S84)、S81へ移行する。その後、S81およびS82を経て、メモリ73に記憶されている画像データを出力順に従って用紙上に出力する(S86)。また、S78において外部メモリ選択キー121aが押圧操作される前に規定時間が経過した場合(S85)、S82へ移行した後、S86において、それまでメモリ73に記憶されている画像データを出力順に従って用紙上に出力する。
【0125】
ここで、前記したS80における転送対象データ及び転送先を決定する場合の動作を、図23及び図24に基づいて説明する。
【0126】
本実施の形態におけるデジタル複写機92においては、転送対象データを決定する二つの転送モード、『転送最適モード』と『ファーストコピー優先モード』が選択可能とされている。
【0127】
通常、上記S80における処理は、早急に空きメモリを確保して、次の画像を入力可能とするために、ページデータ量の少ないページを優先的に外部メモリへと転送している。ここで言うページデータ量とは、その画像データのデータ形式におけるデータ量を基に判断する。つまり、その画像データがビットマップデータで転送される場合にはビットマップに必要なデータ量で比較し、テキストデータで転送される場合には、コードデータ量で比較する。
【0128】
もちろん、圧縮データとして転送する場合には、圧縮された状態でのデータ量で比較することになる。これは、最もデータ量の少ないページから転送すれば、転送にかかる時間が最短となるからである。例えば、上記でホストコンピュータ96に転送する場合には電話回線97が使用されるが、転送にかかる時間を短縮することにより通信コストが低減できる。また、データ量が最小となる画像データが複数存在した場合には、それぞれに必要とする処理によって増減するデータ量を見込んで、転送にかかる送受信時間の合計が最短となる画像データから先に選択すればよい。それでも、転送対象データの決定ができない場合には、本体に先に記憶されている画像データに優先権を与え、後から入力されたデータを外部メモリへと転送する。これが『転送最適モード』である。
【0129】
ただし、効率よりもファーストコピーを優先したい場合があり、上記選択手順では欠点が生じる。すなわち、既に読み込まれた4ページ迄の中で、1ページ目のデータ量が最も少ない場合、5ページ目を読み込む前の外部メモリへの転送データが1ページ目となってしまう。その結果、1ページ目の出力に当たって、データの送受信時の転送時間の合計が余分にかかることとなり、ファーストコピーが非常に遅くなってしまう。そこで、デジタル複写機92の本体メモリが満杯になった時点で、それ以後に入力されるデータを無条件で外部メモリに転送させることにすれば、ファーストコピーを得るための時間を最短にすることができる。これが『ファーストコピー優先モード』である。上記のように複数の転送モードを設けておき、ユーザーは状況に応じて適宜、転送モードの設定を行えばよい。
【0130】
次に、外部に転送される画像データが決定された後、転送先を設定する必要がある。上記構成においては通常、ホストコンピュータ96のメモリが最適条件を満たしているが、処理内容や必要とするメモリ容量によっては、デジタル複写機93でも十分な可能性がある。また、別のホストコンピュータとも接続可能とされることもあるので、最適な転送先を選択しなければならない。
【0131】
その場合、まず転送先のメモリ容量が、転送対象データの容量以上であることが前提となるので、転送対象データ量より大きなメモリを有する装置を選択する。
【0132】
その後に必要な選択条件として、例えば次の5つの条件が考えられる。
【0133】
▲1▼その装置がデータ受信可能かつ、待機状態にあるか。
【0134】
▲2▼その装置のメモリ制御/データ制御は有効か。
【0135】
▲3▼その装置の使用頻度は相対的にどの程度の位置にあるか。
【0136】
▲4▼その装置のメモリの空き容量は、以降の画像データ転送に十分な容量を有しているか(メモリの最大空き容量を有しているか)。
【0137】
▲5▼過去に画像データの転送に伴うデータ化けの発生率が小さいか(信頼性)。
【0138】
以上に示した各種装置の状態や性能情報は、定期的に電話等の通信回線を利用して、依頼側装置(ここではデジタル複写機92)のメモリ上に管理テーブルとして記憶させておく。
【0139】
なお、それでも、上記転送先の選択条件の適応順によっては、ユーザーが希望した動作が実行されない場合がある。
【0140】
例えば、信頼性を重視するユーザーにとっては、データ化けや通信トラブルによるエラー停止は極力避けたいものである。また、別のユーザーにとってはとにかく早く効率的な処理を行いたいので、効率のよい流れが実現できるように装置を選択したいと言うような要望が発生する。
【0141】
この場合にも柔軟に対応できるように、選択条件の優先順位をユーザー側で選択可能としておく。例えば、図24(b)に示すような設定画面を表示させ、『信頼性優先モード』と『速度優先モード』とから選択させてやる。『信頼性優先モード』の場合▲5▼▲1▼▲3▼▲4▼▲2▼の順で選択条件を推移させ、『速度優先モード』の場合▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼▲5▼の順で選択条件を推移させてやれば、ユーザーの希望する条件で選択可能となる。
【0142】
上記の動作を図23のフローチャートに基づいて説明する。
【0143】
前記したS79で外部メモリの使用を選択すると、まず、液晶表示装置1には図24(a)に示す画面が現れる(S801)。ここで外部メモリへの転送モードを選択すると、図24(b)に示す画面に遷移する(S802)。ここで、外部メモリの選択条件を設定すると、S803に移行し、S801で選択した転送モードに従って処理が分岐する。もし、S801で『ファーストページ優先モード』が選択されていればS804に移行し、以降に入力された画像データが転送対象データとして選択される。逆に、S801で『ファーストページ優先モード』が選択されていなければ、つまり『転送最適モード』が選択されていれば、S805に移行して、最も転送効率が高くなる画像データが転送対象データとして選択される。そして、転送対象データが決定すると、S802で設定された外部メモリの選択条件に基づいて転送先が選択され(S806)、画像データ(ページ単位)が転送先として設定された装置に転送される(S807)。
【0144】
なお、上記の説明では、デジタル複写機92のページメモリを全て原稿画像から読み取った画像データの記憶に使用するようにしているが、その一部である数枚分の領域を、デジタル複写機92の制御動作用として常に確保しておく構成としてもよい。
【0145】
さらに、本画像形成システムでは、例えば図11に示した構成によるオフィス側とサービスセンター側とで画像データの送受信を行い、サービスセンターにて例えば所定のオフィスのユーザー側機器から依頼された画像データの画像処理を行った後、この処理済画像データを依頼元のオフィスへ転送する場合に、転送先のユーザー側機器を選択するものとなっている。これは以下の理由による。なお、上記ユーザー側機器を以下において仮にデジタル複写機とする。このデジタル複写機は、前記デジタル複写機30に相当するものであり、ユーザー側には、例えば画像再現機能の異なるデジタル複写機が複数台備えられている。
【0146】
例えば、ホストコンピュータ96により画像データに対して高度な画像処理を施した場合であっても、依頼元のデジタル複写機が画像処理済の画像データを、画像として再現することができなければ、あるいは例えば高度な画像処理に応じた高画質にて画像として再現することができなければ、ホストコンピュータ96での処理に要した時間および費用等が無駄になる。例えば、写真などの原稿画像を高画質の画像処理により忠実な濃度再現画像として出力したい場合に、依頼元のデジタル複写機がその画像を高画質で再現することができない場合がこれに相当する。
【0147】
そこで、本画像形成システムにおいては、サービスセンターのホストコンピュータ96がユーザー側のデジタル複写機のプリント機能を確認し、この機能をユーザーから依頼された画像処理内容と比較して、依頼元のデジタル複写機にて処理済の画像データを画像として出力することが適切であるか否かを判定し、判定結果を画像処理依頼元のデジタル複写機に知らせるようになっている。さらに、上記判定において不適切と判定した場合であって、依頼元のデジタル複写機の近くに適切な機器がある場合には、その機器にて画像を出力することを促すようになっている。
【0148】
画像を出力する機器として適切か否かの判定基準は、例えば、その機器における画像の記録密度、その機器が使用可能な最大用紙サイズ、その機器に給紙可能な状態でセットされている用紙のサイズ、その機器自身が記録可能な状態にあるか否か、例えばトナーエンプティ状態、紙詰まり状態、定期点検中等でないかどうかである。上記のようなホストコンピュータ96の機能は適否判定装置としての機能である。
【0149】
また、上記の各デジタル複写機においては、ホストコンピュータ96へ画像処理を依頼したときに、液晶表示装置1が図26に示す出力装置選択画面となる。この画面においては、出力装置リストとしてホストコンピュータ96と接続されている各デジタル複写機のリストやメッセージが表示されるとともに、自動選択モード設定キー131aおよび実行キー131b等が設けられる。
【0150】
上述した本画像形成システムの動作は、下記の自動選択モードにおいて行われる。
【0151】
次に、この自動選択モードによる本画像形成システムの動作を、図25のフローチャートにより具体的に説明する。
【0152】
自動選択モードはホストコンピュータ96からの画像データの返送先のデジタル複写機をホストコンピュータ96が自動的に選択するモードであり、図26に示した出力装置選択画面において、自動選択モード設定キー131aを押圧操作することにより設定される。このキー131aを押圧操作した場合、図27に示すように、キー131aの領域が反転表示となる。また、ユーザーは、図27に示す画面において、出力装置としての選択範囲を限定することができる。この場合、ユーザーは、出力装置リストに表示されているデジタル複写機のうち、選択範囲に含めるものの表示領域を押圧操作する。押圧操作の結果、その表示領域は反転表示となる。
【0153】
なお、マニュアルで出力装置となるデジタル複写機を選択する場合には、出力装置リストに表示された「本機PPC」を含む各デジタル複写機のうち、所望のデジタル複写機の表示領域をユーザーが押圧操作する。これにより、そのデジタル複写機の表示領域が反転表示となり、マニュアルモードが設定される。この場合、ホストコンピュータ96にて処理された画像データは、上記のようにして設定されたデジタル複写機に返送され、そのデジタル複写機から画像として出力される。
【0154】
自動選択モードにおいて、ホストコンピュータ96は、まず、オフィス側のデジタル複写機から転送されてきた画像データに対し、依頼された内容の画像処理を行う(S91)。次に、ホストコンピュータ96では、処理済画像データの返送先のデジタル複写機を選択する。このとき、デジタル複写機の選択範囲が予め入力されていなければS94に移行する(S92)。一方、上述した操作によりデジタル複写機の選択範囲が予め入力されていれば、ホストコンピュータ96は、その選択範囲内のデジタル複写機から画像データ返送先のデジタル複写機を抽出するものとする(S93)。次に、ホストコンピュータ96は、行った画像処理の種類と、デジタル複写機における解像度、階調性および最大記録サイズ等とを考慮して返送先デジタル複写機の抽出を実行する(S94)。この場合、条件に適合するものが複数台あれば、それら複数台のものを抽出結果として上げる。
【0155】
さらに、ホストコンピュータ96は、上記のようにして抽出したデジタル複写機が画像を出力可能な状態であるか否かを、それらデジタル複写機との通信により確認し、画像を出力可能な状態でないものを除外する(S95)。画像を出力可能な状態でないものとは、紙詰まり中、メンテナンス中、サービス中、あるいは電源OFF中のもの、さらには画像の出力に必要なサイズの用紙を搭載していないもの、トナー残量不足のもの等である。
【0156】
上記のようにして適合するデジタル複写機を抽出すると(S96)、ホストコンピュータ96はその抽出結果の情報を依頼元のデジタル複写機に送信する(S97)。これを受けたデジタル複写機では、液晶表示装置1に図28に示す表示を行う。この表示においては、「本機PPC」、「技術部PPC1」、「技術部PPC2」および「企画部PPC1」が適合するデジタル複写機として抽出されたものとなっている。また、依頼元のデジタル複写機に最も近いデジタル複写機の表示領域が点滅表示となる。この場合には、依頼元そのものである「本機PPC」が点滅表示となっている。
【0157】
次に、図28に示す表示画面において、上記出力装置リストに示されているデジタル複写機のうち所定のものがユーザーにより選択されると(S98)、ホストコンピュータ96はそのデジタル複写機を処理済画像データの転送先、すなわち用紙上へ画像を出力する複写機とする(S99)。なお、S98の選択において、ユーザーは、まず、所定のデジタル複写機の表示領域を押圧操作し、次に実行キー131bを押圧操作する。このとき、規定時間内にS98での選択が行われなければ(S102)、ホストコンピュータ96は、依頼元のデジタル複写機に最も近いデジタル複写機である「本機PPC」を処理済画像データの返送先として決定する(S103)。
【0158】
次に、ホストコンピュータ96または処理済画像データの返送先となったデジタル複写機では、そのデジタル複写機が画像を出力するのに適した状態となっているか否かを判定する(S100)。この画像を出力するのに適した状態とは、適切なカセット、画質モード、コピーモード、倍率等が設定された状態である。
【0159】
上記判定の結果がYESであれば、ホストコンピュータ96は、上記返送先となったデジタル複写機に対して、メモリに記憶している処理済の画像データを転送する(S101)。一方、上記判定の結果がNOであれば、ホストコンピュータ96は、上記返送先となったデジタル複写機が画像を出力するのに適した状態となったとときに(S104)、処理済の画像データを転送する。この結果、画像データが転送されたデジタル複写機にて、その画像データに基づいて、画像が用紙上に出力される。
【0160】
本画像形成システムでは、例えば図11に示した構成において、サービスセンターのホストコンピュータ96が、例えば図2に示すスキャナ部31にて読み取られ、デジタル複写機から転送されてきた原稿の画像データに対し、この画像データがデジタル複写機から依頼された画像処理を施すのに適したものであるか否かを判定する機能を備えており、この判定結果が不適当となった場合、画像データ発送元のデジタル複写機に画像データの再送を要求するようになっている。
【0161】
これは、画像データが原因となって、依頼された画像処理をホストコンピュータ96が実行できない事態、および使用できないような質の低い画像データに対し、ホストコンピュータ96にて無駄に処理が行われる事態を防止するものである。画像データが画像処理に適さないものとなる原因としては、スキャナ部31にて読み取られる原稿自身の画質が悪いこと、原稿画像を読み取るスキャナ部31自身の解像度が低いこと、原稿を読み取っているときに原稿がずれること、通信回線である電話回線97の状態が悪く、ノイズなどが画像データ上に影響すること等が考えられる。上記のようなホストコンピュータ96の機能は画像情報適否判定部としての機能である。
【0162】
上記画像形成システムの動作を図29のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、『翻訳』機能が選択された場合において、デジタル複写機から画像データを再送する場合を例にとって説明する。『翻訳』機能は、図11に示すデジタル複写機91〜93には、表2に示すように、備えられておらず、ホストコンピュータ96に依頼されることになる。
【0163】
この動作においては、まず、スキャナ部31にて読み取られた、翻訳すべき画像データをデジタル複写機からサービスセンターのホストコンピュータ96へ転送する(S111)。この動作は、図13に示した場合と同様にして行われる。
【0164】
ホストコンピュータ96では、受信データのスクランブルを解除し(S112)、受信した画像データが翻訳処理に適合するものであるか否かを判定する(S113)。
【0165】
次に、ホストコンピュータ96は、この判定の結果が「不適合」であっても、デジタル複写機の依頼に従って『翻訳』を実行する(S114)。そして、画像データの再送要求理由を情報として、処理したデータに添付し、これを返送データとする(S115)。一方、S113での判定の結果が「適合」であった場合、ホストコンピュータ96は、デジタル複写機の依頼に従って『翻訳』を実行して処理済の画像データを返送データとし、S116の動作に移行する。
【0166】
次に、ホストコンピュータ96は、返送データに対してスクランブル処理を行い(S116)、この返送データを依頼元のデジタル複写機へ返送する(S117)。
【0167】
デジタル複写機では、ホストコンピュータ96から返送された画像データのスクランブルを解除する(S118)。このとき、デジタル複写機は、画像データに再送要求情報が添付されていれば(S119)、その処理済の画像データを液晶表示装置1において表示可能に取り込む(S120)。また、デジタル複写機は、再送要求理由を液晶表示装置1に表示するとともに、再送の意思を問う表示を行う(S121)。一方、S119において、画像データに再送要求情報が添付されていなければ、デジタル複写機は、S124においてその画像データを画像として用紙上に出力する。
【0168】
上記S121での液晶表示装置1の表示は図30(a)に示すように、画像データが『翻訳』処理に不適当であったことを警告するものとなる。また、警告の根拠を『WARNING LIST』において画質(処理レベル)、データサイズおよびパリティエラーに分類して表示する。この項目はユーザーにとっての再送要求の判定基準となる。なお、同図(a)に示すデータサイズの90%の表示は、A4サイズ原稿の画像データにおいて、ホストコンピュータ96が受信した画像データは何らかのトラブルにより10%不足しているという意味である。
【0169】
また、同図(a)に示す画面においては、プレビューキー141a、再スキャンキー141bおよび続行キー141cが設けられる。
【0170】
上記プレビューキー141aが押圧操作されると、同図(c)に示すように、前記処理済画像データ、すなわち翻訳結果を表示する。これは情報確認部としての操作パネル90の動作である。プレビューキー141aは、画質(処理レベル)のレベルを目視にて確認してから、出力するか否かを判断したい場合に操作される。同図(c)に示す画面においては、Uキー141d、Dキー141e、Rキー141fおよびLキー141gの操作にて画面をスクロールさせることにより、出力画像の全領域について良否を確認することができる。確認が終了し、確認キー141hが押圧操作されると、同図(a)に示す画面に復帰する。
【0171】
また、再スキャンキー141bが押圧操作されると(S122)、デジタル複写機は再度原稿画像のスキャンをスキャナ部31にて行い、これにより得られた『翻訳』すべき画像データをホストコンピュータ96に再送する。これに伴って、ホストコンピュータ96は上記画像データに対して『翻訳』の処理を行い、上記1回目の動作と同様にして発送元のデジタル複写機に処理済画像データを返送する。デジタル複写機では、返送された画像データを受信して上記と同様の処理を行う(S123)。この動作の結果、液晶表示装置1には図30(b)に示す表示が行われる。この表示画面では、『WARNING LIST』において、データサイズが100%となっており、基本的には処理済画像データを出力することに問題はないと判断できる。ただし、処理レベル(OCR認識率)については、ユーザーによって妥協基準が異なるため、CHECK画面として表示する。
【0172】
その後、デジタル複写機は、返送された画像データを画像として出力する(S124)。一方、S122において、続行キー141cが押圧操作された場合、デジタル複写機は、ホストコンピュータ96へ画像データを再送することなく、S124において、最初に返送された画像データを画像として出力する。
【0173】
上記のように本画像形成システムでは、ユーザーから画像処理の依頼があった場合に、その依頼に応じて単に画像処理を実行するだけでなく、画像データが依頼された画像処理を行うのに適当なものであるか否かを判定し、不適当なものである場合には、画像データの再送を要求するものとなっているので、所望の画像を正確かつ確実に得ることができる。
【0174】
なお、本画像形成システムにおいて、デジタル複写機はホストコンピュータ96からの再送要求があった後、ユーザーのキー入力、すなわち判断に基づいて画像データの再送を行うものとなっているが、これに代えて、ホストコンピュータ96からの再送要求に応じて、自動的に例えば再スキャンを行い、得られた画像データをホストコンピュータ96に再送する構成としてもよい。この構成は、図29において、S120およびS121の動作を省いたものとなる。
【0175】
また、上記の説明においては、ホストコンピュータ96と画像データの送受信を行うユーザー側機器として、デジタル複写機91〜93を対象としているが、スキャナ94とプリンタ95とを組み合わせたものも、デジタル複写機としての機能を備えることができるので、これらをデジタル複写機同様、ホストコンピュータ96との通信対象とすることができる。この場合、スキャナ94での読み取りにて得られた画像データをホストコンピュータ96に転送して画像処理を行い、処理済の画像データをプリンタ95に転送して印刷することになる。さらに、プリンタ95に入力された画像データをホストコンピュータ96にて画像処理し、スキャナ94に戻して印刷することも可能であることから、プリンタ95のみでも、ホストコンピュータ96との通信対象となり得る。
【0176】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る画像形成システムは、以上のように、少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、上記画像形成装置には、予め複数の用意された選択条件の中から、ユーザーの指定する目的に応じてその適用する選択条件を変更し、適用された選択条件に基づく優先順位にて転送される画像データを決定する転送対象データ選択手段が設けられており、上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力する構成である。
【0177】
それゆえ、画像形成装置と外部記憶装置との間でやり取りされる転送対象データをユーザーの指定に応じて選択する事ができるので、画像形成に伴う画像データの取扱いにおいて、ユーザーの要望を反映させた柔軟な対応が可能となるという効果を奏する。
【0178】
請求項2の発明に係る画像形成システムは、以上のように、上記転送対象データ選択手段には、転送される画像データの選択条件が複数設定され、選択条件間の優先順位を複数記憶する優先順位記憶手段が設けられており、上記優先順位が任意に選択可能であるとともに、画像データの格納に使用可能な記憶部の残記憶容量が読み込もうとしている画像サイズにおける最大画像データ量よりも小さい場合に、記憶部に格納された画像データの中から、選択された優先順位に従う選択条件の適用により、外部記憶装置に転送される画像データが決定される構成である。
【0179】
それゆえ、請求項1に記載の効果に加え、転送される画像データの複数の選択条件を適用する優先順位が変更可能とされているので、転送対象データとして、ユーザーの要望に最適な画像データを選択することができるという効果を奏する。
【0180】
請求項3の発明に係る画像形成システムは、以上のように、少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、画像データの格納に使用可能な記憶部の残記憶容量が読み込もうとしている画像サイズにおける最大画像データ量よりも小さい場合に、上記画像以降に入力される画像データを外部記憶装置に転送し、上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力する構成である。
【0181】
それゆえ、画像形成装置側の記憶部に一連の出力画像データの先頭側が格納されているので、画像を出力させる際の時間を短くすることができるという効果を奏する。
【0182】
請求項4の発明に係る画像形成システムは、以上のように、少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、上記外部記憶装置が複数設けられるとともに、画像形成装置には、ユーザーの指定する目的に応じて、転送先の外部記憶装置を決定する転送先選択手段が設けられており、上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力する構成である。
【0183】
それゆえ、複数の外部記憶装置が転送装置を介して利用可能とされている状態で、外部記憶装置を必要とする画像形成装置の動作を行わせる場合に、転送先選択手段が、ユーザーの指定する目的に応じて転送先となる外部記憶装置を決定するので、外部記憶装置の決定に対してユーザーの要望を反映させることができるという効果を奏する。
【0184】
請求項5の発明に係る画像形成システムは、以上のように、請求項4の構成に加えて、外部記憶装置の稼働状態を検出する稼働状態検出手段が設けられる一方、上記転送先選択手段には、転送先として設定する外部記憶装置の選択条件が複数設定され、選択条件間の優先順位を複数記憶する優先順位記憶手段が設けられており、上記優先順位が任意に選択可能であるとともに、外部記憶装置に画像データが転送される場合に、検出された稼働状態に対して、選択された優先順位に従う選択条件の適用することにより転送先とする外部記憶装置が決定される構成である。
【0185】
それゆえ、請求項4の構成による効果に加えて、稼働状態検出手段により検出された各外部記憶装置の稼働状態とユーザーの希望する外部記憶装置に選択条件の優先順位とにより、転送先となる外部記憶装置が決定されるので、各外部記憶装置の稼働状態に応じて、画像形成装置の使用時点で最もユーザーの要望を反映させる画像形成装置の稼働環境を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における画像形成システムにおいて、本体メモリと外部メモリとの併用に関する動作を示すフローチャートである。
【図2】上記画像形成システムが備えるデジタル複写機の縦断面図である。
【図3】上記デジタル複写機が備える画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記デジタル複写機が備える制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】上記デジタル複写機が備える操作パネルの正面図である。
【図6】同図(a)は上記操作パネルの液晶表示装置における基本画面を示す説明図、同図(b)は同第1機能設定画面を示す説明図、同図(c)は同第2機能設定画面を示す説明図である。
【図7】同図(a)は上記操作パネルの液晶表示装置における画質設定画面を示す説明図、同図(b)は同後処理設定画面を示す説明図である。
【図8】同図(a)は上記操作パネルの液晶表示装置における初期設定画面を示す説明図、同図(b)は同指紋登録画面を示す説明図、同図(c)は部門管理設定画面を示す説明図である。
【図9】同図(a)は上記操作パネルの液晶表示装置におけるリミッタ設定画面を示す説明図、同図(b)は同シミュレーション画面を示す説明図である。
【図10】上記操作パネルの液晶表示装置における各画面が遷移する過程を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態における画像形成システムの概略構成を示すブロック図である。
【図12】同図(a)は図6(b)に示した第1機能設定画面での画像編集機能の選択状態を示す説明図、同図(b)は図1のS4の動作に対応した液晶表示装置の表示状態を示す説明図、同図(c)は同斜体設定画面を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態における画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
【図14】図13に示した画像形成システムの動作の他の例を示すフローチャートである。
【図15】図13に示した画像形成システムの動作のさらに他の例を示すフローチャートである。
【図16】同図(a)は、図11に示したホストコンピュータへの新規機能の搭載手順を示すフローチャート、同図(b)は、同図(a)におけるS32の動作を示すフローチャートである。
【図17】図16(a)におけるS32の動作に対応するデジタル複写機の液晶表示装置での表示状態を示す説明図である。
【図18】図17に示すヘルプキーがONされたときの上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図19】図17に示すホスト全機能表示キーがONされたときの上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図20】サービスセンターの前記ホストコンピュータがオフィス側の機器に対して行う定期情報サービスの動作を示すフローチャートである。
【図21】サービスセンターの前記ホストコンピュータがオフィス側の機器に対して行う任意情報サービスの動作を示すフローチャートである。
【図22】同図(a)は、図21に示した動作において、デジタル複写機のメモリが満杯になったときの液晶表示装置の表示状態を示す説明図、同図(b)は、同図(a)に示す外部メモリ選択キーがONされたときの上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図、同図(c)は、同図(b)に示す続行キーがONされたときの上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図23】図1における転送対象データ及び転送先選択時(S80)の動作を示すフローチャートである。
【図24】同図(a)は、図23に示した動作において、転送対象データを選択するときの液晶表示装置の表示状態を示す説明図であり、同図(b)は、ユーザーの希望する条件に応じて、転送先を選択するときの液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図25】図11に示す画像形成システムにおいて、出力装置選択に関する動作を示すフローチャートである。
【図26】図25に示した自動選択モードでの液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図27】図26に示す自動選択モード設定キーがONされたときの上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図28】図25のS97の動作に対応する上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図29】図11に示す画像形成システムにおいて、外部処理実行時における再転送処理に関する動作を示すフローチャートである。
【図30】同図(a)は、図29に示したS121の動作に対応する液晶表示装置の表示状態を示す説明図、同図(b)は、同図(a)に示す再スキャンキーがONされたときの上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図、同図(c)は、同図(a)に示すプレビューキーがONされたときの上記液晶表示装置の表示状態を示す説明図である。
【符号の説明】
31 スキャナ部(画像入力部)
32 レーザプリンタ部(画像出力部)
73 メモリ(記憶部)
74 PCU(制御部)
90 操作パネル(指示入力部)
91 デジタル複写機(画像形成装置)
91a インタフェース(転送装置)
92 デジタル複写機(画像形成装置)
92a インタフェース(転送装置)
93 デジタル複写機(画像形成装置・外部記憶装置)
93a インタフェース(転送装置)
96 ホストコンピュータ(外部記憶装置、画像編集装置)
96a インタフェース(転送装置)
97 電話回線(転送装置)
98 モデム(転送装置)
Claims (8)
- 少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、
上記画像形成装置には、予め複数の用意された選択条件の中から、ユーザーの指定する目的に応じてその適用する選択条件を変更し、適用された選択条件に基づく優先順位にて転送される画像データを決定する転送対象データ選択手段が設けられており、
上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴とする画像形成システム。 - 上記転送対象データ選択手段には、転送される画像データの選択条件が複数設定され、選択条件間の優先順位を複数記憶する優先順位記憶手段が設けられており、上記優先順位が任意に選択可能であるとともに、画像データの格納に使用可能な記憶部の残記憶容量が読み込もうとしている画像サイズにおける最大画像データ量よりも小さい場合に、記憶部に格納された画像データの中から、選択された優先順位に従う選択条件の適用により、外部記憶装置に転送される画像データが決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
- 少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、
画像データの格納に使用可能な記憶部の残記憶容量が読み込もうとしている画像サイズにおける最大画像データ量よりも小さい場合に、上記画像以降に入力される画像データを外部記憶装置に転送し、
上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴とする画像形成システム。 - 少なくとも一台の画像形成装置と、外部記憶装置と、これら両者間に接続され、相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備え、前記画像形成装置は、画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処理手順に関する指令を入力するための指示入力部と、記憶部の記憶容量を管理する制御部とを備えており、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成システムであって、
上記外部記憶装置が複数設けられるとともに、画像形成装置には、ユーザーの指定する目的に応じて、転送先の外部記憶装置を決定する転送先選択手段が設けられており、
上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴とする画像形成システム。 - 外部記憶装置の稼働状態を検出する稼働状態検出手段が設けられる一方、上記転送先選択手段には、転送先として設定する外部記憶装置の選択条件が複数設定され、選択条件間の優先順位を複数記憶する優先順位記憶手段が設けられており、上記優先順位が任意に選択可能であるとともに、外部記憶装置に画像データが転送される場合に、検出された稼働状態に対して、選択された優先順位に従う選択条件の適用することにより転送先とする外部記憶装置が決定されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
- 画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部とを備えていると共に、転送装置を介して外部記憶装置と接続されることによって外部記憶装置との間で相互通信が可能であり、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成装置であって、
予め複数の用意された選択条件の中から、ユーザーの指定する目的に応じてその適用する選択条件を変更し、適用された選択条件に基づく優先順位にて転送される画像データを決定する転送対象データ選択手段が設けられており、
上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴とする画像形成装置。 - 画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部とを備えていると共に、転送装置を介して外部記憶装置と接続されることによって外部記憶装置との間で相互通信が可能であり、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成装置であって、
画像データの格納に使用可能な記憶部の残記憶容量が読み込もうとしている画像サイズにおける最大画像データ量よりも小さい場合に、上記画像以降に入力される画像データを外部記憶装置に転送し、
上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴とする画像形成装置。 - 画像を取り込み画像データに変換する画像入力部と、取り込まれた画像データを格納する記憶部と、画像データに基づいて可視像を形成する画像出力部とを備えていると共に、転送装置を介して外部記憶装置と接続されることによって外部記憶装置との間で相互通信が可能であり、画像形成装置の記憶部における記憶容量より入力される画像データのデータ量が多いときには、記憶容量を越える画像データを前記転送装置を介して外部記憶装置に転送して格納させる画像形成装置であって、
上記外部記憶装置が複数設けられるとともに、画像形成装置には、ユーザーの指定する目的に応じて、転送先の外部記憶装置を決定する転送先選択手段が設けられており、
上記画像出力部は、外部記憶装置に転送された画像データがある場合には、出力順に従って、該外部記憶装置から画像データを読み出して出力することを特徴とする画像形成装置。
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