JP2004106000A - 取鍋の敷ブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】現地で施工する必要がある、特別な設備を使用して施工する必要がある、また、施工時間が短いなどの制約がある等の、現施工法に比べて緻密であり、損傷した部分のみが交換可能で、かつ寿命の長い敷部を提供する。
【解決手段】1個以上のプレキャストブロックと、中央部が高く外周が低くなるように、又は一方端が他方端より高いか同一の高さとなるように形成された湯当り部が設けられた1個以上のプレキャストブロックと、前記プレキャストブロック間、又は前記プレキャストブロックと前記湯当り部が設けられたプレキャストブロック間の隙間に充填された耐火材とで構成される敷ブロックであり、湯当り部は、プレキャストブロックと同一の材料を用いて一体に形成されたものである。
また、湯当り部は、1個以上のれんがを用いて形成されたものである。
【選択図】 なし
【解決手段】1個以上のプレキャストブロックと、中央部が高く外周が低くなるように、又は一方端が他方端より高いか同一の高さとなるように形成された湯当り部が設けられた1個以上のプレキャストブロックと、前記プレキャストブロック間、又は前記プレキャストブロックと前記湯当り部が設けられたプレキャストブロック間の隙間に充填された耐火材とで構成される敷ブロックであり、湯当り部は、プレキャストブロックと同一の材料を用いて一体に形成されたものである。
また、湯当り部は、1個以上のれんがを用いて形成されたものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は取鍋の敷部に関する。詳しくは、敷部の施工や修理を簡単にし、溶湯による損耗を抑えることができる取鍋敷ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例として、取鍋の敷部を図3に示した。図3(a)は取鍋敷部の平面図略図であり、図3(b)は図3(a)の中心部の左右断面図略図である。図3を用いて、取鍋の敷部21を以下に説明する。取鍋の敷部21の中央部右側には、羽口23が設けられている。下部右側には溶湯を抜き出すための羽口24が設けられている。取鍋の敷部21の中央左側には、湯当り部26が形成されている。湯当り部26は、取鍋に溶湯を受け入れる際に緩衝作用をもたらすために設けるものである。
【0003】
ところで、上記取鍋の敷部21は下記で示すような施工方法で行われるが、その特徴を挙げると以下のようである。
▲1▼小型れんがを用いて施工する方法では、工事費が高くなるが、耐衝撃性や耐磨耗性に優れる。
▲2▼キャスタブルを流し込んで施工する方法では、第1に流し込み作業で施工できるので、れんが施工に較べて施工時間が短くなる。第2に、れんが施工ような熟練工が不要である。第3に、損耗箇所はキャスタブル耐火物を継ぎ足す等の施工法により補修できる。
▲3▼吹きつけ施工する方法では、第1に施工時間が短い。第2に、損耗箇所はキャスタブル耐火物を継ぎ足す等の施工法により補修できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術▲1▼〜▲3▼の施工法について、問題点を列記すると以下のようである。
▲1▼小型れんがを用いて施工する方法では、第1に施工に時間がかかる。第2に、熟練工が不足しているので、細やかな技術対応ができない。第3に、れんが間の目地が多いため、施工不完全による目地間の地金差しが増える。
▲2▼製鋼現場でキャスタブルを流し込み施工する方法では、水分を除去するために長時間の乾燥が必要である。
▲3▼製鋼現場で吹きつけ施工する方法では、第1に高価な専用設備が必要である。第2に、▲1▼のれんが施工や▲2▼のキャスタブル施工と比較すると、敷部が低強度となるため耐衝撃性や耐磨耗性に劣る。
【0005】
また、上記従来技術の取鍋の敷部21について、湯当り部26は使用すると溶鋼による衝撃や摩耗のために次第に損耗する。損耗すると湯当り部26は平坦上、あるいは窪みのようになる。損耗すると補修が必要である。
【0006】
従って、本発明の目的は、現地で施工する必要がある、特別な設備を使用して施工する必要がある、また、施工時間が短いなどの制約がある等の、現施工法に比べて緻密であり、損傷した部分のみが交換可能で、かつ寿命の長い敷部を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、以下の部材で構成されたことを特徴とする敷ブロックである。
(a)1個以上のプレキャストブロックと、
(b)中央部が高く外周が低くなるように、又は一方端が他方端より高いか同一の高さとなるように形成された湯当り部が設けられた1個以上のプレキャストブロックと、
(c)前記プレキャストブロック間、又は前記プレキャストブロックと前記湯当り部が設けられたプレキャストブロック間の隙間に充填された耐火材。
【0008】
本発明の第2の態様は、前記湯当り部は、前記プレキャストブロックと同一の材料を用いて一体に形成されたものであることを特徴とする敷ブロックである。
【0009】
本発明の第3の態様は、前記湯当り部は、1個以上のれんがを用いて形成されたものであることを特徴とする敷ブロックである。
【0010】
本発明の第4の態様は、前記湯当り部は、外観形状が、上面が円弧状で側面の円弧面が垂直又はある勾配で直線状に切り取った形状、片屋根形状、切り妻式の屋根形状、寄せ棟式の屋根形状、山形の屋根形状のいずれかに形成されたものであることを特徴とする敷ブロックである。
【0011】
本発明の第5の態様は、前記敷ブロックは取鍋用であることを特徴とする敷ブロックである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施形態の1例について図1を用いて説明する。取鍋の敷ブロック1は、形状が異なる4組のプレキャストブロック2で円形に形成されている。プレキャストブロック2は、成分が例えばアルミナ・マグネシア質の材料を用い、この材料を所定の型に鋳込んで作製される。各プレキャストブロック2の間にはキャスタブル耐火材5が充填されている。キャスタブル耐火材は、成分が例えばプレキャストブロックと同一の材料が用いられる。
【0013】
取鍋の敷ブロック1の中央部右側、及び下部左側にはガス吹込みプラグ用羽口が設けられている。羽口3は、例えば、ポーラスプラグを設けて、例えばArガスを溶湯中に吹き込むために用いられるものである。下部右側には溶湯を抜き出すための鋳湯用羽口4が設けられている。鋳湯用羽口4には、例えば、溶体の鋳造用ノズルが設けられる。
【0014】
取鍋の敷ブロック1中央左側のプレキャストブロック2には、湯当り部6が形成されている。湯当り部6は、プレキャストブロック2と一体に、かつ同一材料を用いて形成されている。湯当り部6を設けた理由は、ここに落下した溶鋼が極力スムーズに分散することにある。
【0015】
湯当り部6は、例えば、図1(a)に示したように外観形状を蒲鉾状として衝突する溶湯を分散することができる。図1(b)に示したように、蒲鉾の端面の円弧面をある勾配で直線状に切り取り、正面から見た外観形状を台形状とし、より溶体を流れ易くすることもできる。また、蒲鉾の端面の円弧面を垂直に形成して、正面から見た外観形状を長方形としても良い。
【0016】
湯当り部6の外観形状は、蒲鉾状以外に片屋根形状、切り妻式の屋根形状、寄せ棟式の屋根形状、あるいは山形の屋根形状その他適宜溶湯が流れ易い形状を選定することができる。もちろん、特に勾配を設けないで屋根に当る面を水平な面にしても良い。湯当り部は、プレキャストブロック面に比べて高い位置に設けても良く、プレキャスト面と同一の高さに設けても良い。
【0017】
湯当り部6は、取鍋に溶体を受け入れる際、溶体を衝突させて四方に飛び散らせることで、プレキャストブロック2に直接衝撃力が伝わることによるプレキャストブロック2の破損、損耗を弱めるために設けるものである。そのため、湯当り部6は円弧状としたり、屋根状の断面に形成したりする。また、湯当り部は、プレキャストブロック面に比べて高い位置に設けても良く、プレキャスト面と同一の高さに設けても良いことはもちろんである。、
【0018】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態の2について図2を用いて説明する。実施の形態の2は、実施の形態1で説明した湯当り部6の耐衝撃性、耐磨耗性を高めたものである。図2(a)は取鍋敷ブロックの平面図略図であり、図2(b)は図2(a)の中心部の左右断面図略図である。敷ブロック1は、3組のプレキャストブロック2及び湯当り部7と一体に形成されたプレキャストブロック8とで構成される。
【0019】
各プレキャストブロック2とプレキャストブロック8との間の目地にはキャスタブル耐火材5が充填されている。キャスタブル耐火材5は、プレキャストブロック2、8と成分が同一の、例えばアルミナ・マグネシア質等の材料が用いられる。また、キャスタブル耐火材5を充填する方法に変えて、各プレキャストブロック2、8との間の目地間隔を狭くして、モルタルを充填しても良い。
【0020】
敷ブロック1の中央部右側、及び下部左側には、ガス吹込みプラグを設けるための羽口3が設けられている。羽口3は、例えば、ポーラスプラグを設けて、例えばArガスを溶体中に吹き込むために用いられるものである。下部右側には溶体を抜き出すための鋳湯用羽口4が設けられている。鋳湯用羽口4には、例えば、溶体の鋳造用ノズルが設けられる。
【0021】
取鍋敷ブロック1中央左側のプレキャストブロック8には湯当り部7が形成されている。湯当り部7は、取鍋に溶体を受け入れる際、溶体を衝突させて四方に飛び散らせることで、プレキャストブロック2、プレキャストブロック8に直接衝撃力が伝わってプレキャストブロック2、プレキャストブロック8を破損させたり、あるいは損耗が早まることを弱めるために設けるものである。
【0022】
湯当り部7はプレキャストブロック8と一体に寸法の異なるれんが11、12、13、14を並べて形成したものである。湯当り部7は、中央部がほぼ頂上となるようにれんがが配置されている。また、湯当り部7は中央部がほぼ頂上の対称となるように階段状に配列されている。
【0023】
湯当り部7は、アルミナ・マグネシア質、アルミナ・マグネシア・カーボン質等の耐火物を用いる法が望ましい。湯当り部は、特に限定はないが小型れんがの集合体としても良く、また、1個の大型れんがとしてもかまわない。湯当り部7の外観は、落下してくる溶鋼による衝撃を和らげるため、中央部を高くし外周ほど低くなるような山形や蒲鉾型等とすることが望ましい。
【0024】
湯当り部7の形状は、例えば、外観形状を蒲鉾状として衝突する溶湯を分散することができる。蒲鉾の端面の円弧面をある勾配で直線状に切り取り、正面から見た外観形状を台形状とし、より溶体を流れ易くすることもできる。また、蒲鉾の端面の円弧面を垂直に形成して、正面から見た外観形状を長方形としても良い。
【0025】
また、湯当り部7の外観形状は、蒲鉾状以外に片屋根形状、切り妻式の屋根形状、寄せ棟式の屋根形状、あるいは山形の屋根形状その他適宜溶湯が流れ易い形状を選定することもできる。もちろん、特に勾配を設けないで屋根に当る面を水平な面にしても良い。湯当り部は、プレキャストブロック面に比べて高い位置に設けても良く、プレキャスト面と同一の高さに設けても良い。
【0026】
れんがと一体に形成したプレキャストブロック8は、例えば以下のような方法で作製することができる。まず、耐火材を混練、プレス成形、乾燥、必要な場合には焼成して、所定の大きさ、形状のれんがを得る。湯当り部に大型れんがを用いる場合には、大型れんがをプレキャストブロック鋳型の所定の場所に配置し、残余にキャスタブル耐火材を振動鋳込みし、養生、乾燥を経てプレキャストブロック8を得る。
【0027】
湯当り部に小型れんがの集合体を用いる場合には、れんが同士をモルタルを用いて所定の湯当り部形状となるように接合し、プレキャストブロック鋳型の所定の場所に配置し、残余にキャスタブル耐火材を振動鋳込みし、養生、乾燥してプレキャストブロック8を得る。
【0028】
本発明の取鍋敷ブロック1は、以下に示した方法により組み立てることができる。まず、プレキャストブロック2は、成分がアルミナ・マグネシア質の耐火材を用い、予め作製した型枠に鋳込んで乾燥し成形品を得る。プレキャストブロック2と上記の方法で得たれんがと一体に形成したプレキャストブロック8は、あらかじめアルミナ質やマグネシア質のモルタルを塗布したパーマれんが上の所定位置に置く。
【0029】
全てのプレキャストブロックを所定の位置に置いたら、目地部へキャスタブル耐火物を流し込む。なお、プレキャストブロック同士の間隔を小さくして、例えば2〜5mmとして、目地にモルタルを充填しても良い。次に、目地のキャスタブル耐火物やモルタルの強度を上げるため半日〜2日間養生する。このようにして、本発明の実施の形態2の敷きブロックを得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
プレキャストブロックを用いることにより、工期の短縮とともに施工の安全性も確保できた。さらに、れんがを一体としたプレキャストブロックを用いることにより、耐衝撃性、耐磨耗性が向上した。その結果、プレキャストブロック全体の寿命が向上し、補修頻度が低下した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の取鍋敷ブロックである。
【図2】本発明の別な実施形態の取鍋敷ブロックである。
【図3】従来技術の取鍋敷ブロックである。
【符号の説明】
1 取鍋敷部
2 プレキャストブロック
3 ポーラスプラグ用羽口
4 鋳湯用羽口
5 キャスタブル耐火材
6 キャスタブル耐火材製湯当り部
7 れんが製湯当り部
11 れんが
12 れんが
13 れんが
14 れんが
21 取鍋敷部
22 小型れんが等
23 ポーラスプラグ用羽口
24 鋳湯用羽口
26 湯当り部
【発明の属する技術分野】
この発明は取鍋の敷部に関する。詳しくは、敷部の施工や修理を簡単にし、溶湯による損耗を抑えることができる取鍋敷ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例として、取鍋の敷部を図3に示した。図3(a)は取鍋敷部の平面図略図であり、図3(b)は図3(a)の中心部の左右断面図略図である。図3を用いて、取鍋の敷部21を以下に説明する。取鍋の敷部21の中央部右側には、羽口23が設けられている。下部右側には溶湯を抜き出すための羽口24が設けられている。取鍋の敷部21の中央左側には、湯当り部26が形成されている。湯当り部26は、取鍋に溶湯を受け入れる際に緩衝作用をもたらすために設けるものである。
【0003】
ところで、上記取鍋の敷部21は下記で示すような施工方法で行われるが、その特徴を挙げると以下のようである。
▲1▼小型れんがを用いて施工する方法では、工事費が高くなるが、耐衝撃性や耐磨耗性に優れる。
▲2▼キャスタブルを流し込んで施工する方法では、第1に流し込み作業で施工できるので、れんが施工に較べて施工時間が短くなる。第2に、れんが施工ような熟練工が不要である。第3に、損耗箇所はキャスタブル耐火物を継ぎ足す等の施工法により補修できる。
▲3▼吹きつけ施工する方法では、第1に施工時間が短い。第2に、損耗箇所はキャスタブル耐火物を継ぎ足す等の施工法により補修できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術▲1▼〜▲3▼の施工法について、問題点を列記すると以下のようである。
▲1▼小型れんがを用いて施工する方法では、第1に施工に時間がかかる。第2に、熟練工が不足しているので、細やかな技術対応ができない。第3に、れんが間の目地が多いため、施工不完全による目地間の地金差しが増える。
▲2▼製鋼現場でキャスタブルを流し込み施工する方法では、水分を除去するために長時間の乾燥が必要である。
▲3▼製鋼現場で吹きつけ施工する方法では、第1に高価な専用設備が必要である。第2に、▲1▼のれんが施工や▲2▼のキャスタブル施工と比較すると、敷部が低強度となるため耐衝撃性や耐磨耗性に劣る。
【0005】
また、上記従来技術の取鍋の敷部21について、湯当り部26は使用すると溶鋼による衝撃や摩耗のために次第に損耗する。損耗すると湯当り部26は平坦上、あるいは窪みのようになる。損耗すると補修が必要である。
【0006】
従って、本発明の目的は、現地で施工する必要がある、特別な設備を使用して施工する必要がある、また、施工時間が短いなどの制約がある等の、現施工法に比べて緻密であり、損傷した部分のみが交換可能で、かつ寿命の長い敷部を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、以下の部材で構成されたことを特徴とする敷ブロックである。
(a)1個以上のプレキャストブロックと、
(b)中央部が高く外周が低くなるように、又は一方端が他方端より高いか同一の高さとなるように形成された湯当り部が設けられた1個以上のプレキャストブロックと、
(c)前記プレキャストブロック間、又は前記プレキャストブロックと前記湯当り部が設けられたプレキャストブロック間の隙間に充填された耐火材。
【0008】
本発明の第2の態様は、前記湯当り部は、前記プレキャストブロックと同一の材料を用いて一体に形成されたものであることを特徴とする敷ブロックである。
【0009】
本発明の第3の態様は、前記湯当り部は、1個以上のれんがを用いて形成されたものであることを特徴とする敷ブロックである。
【0010】
本発明の第4の態様は、前記湯当り部は、外観形状が、上面が円弧状で側面の円弧面が垂直又はある勾配で直線状に切り取った形状、片屋根形状、切り妻式の屋根形状、寄せ棟式の屋根形状、山形の屋根形状のいずれかに形成されたものであることを特徴とする敷ブロックである。
【0011】
本発明の第5の態様は、前記敷ブロックは取鍋用であることを特徴とする敷ブロックである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施形態の1例について図1を用いて説明する。取鍋の敷ブロック1は、形状が異なる4組のプレキャストブロック2で円形に形成されている。プレキャストブロック2は、成分が例えばアルミナ・マグネシア質の材料を用い、この材料を所定の型に鋳込んで作製される。各プレキャストブロック2の間にはキャスタブル耐火材5が充填されている。キャスタブル耐火材は、成分が例えばプレキャストブロックと同一の材料が用いられる。
【0013】
取鍋の敷ブロック1の中央部右側、及び下部左側にはガス吹込みプラグ用羽口が設けられている。羽口3は、例えば、ポーラスプラグを設けて、例えばArガスを溶湯中に吹き込むために用いられるものである。下部右側には溶湯を抜き出すための鋳湯用羽口4が設けられている。鋳湯用羽口4には、例えば、溶体の鋳造用ノズルが設けられる。
【0014】
取鍋の敷ブロック1中央左側のプレキャストブロック2には、湯当り部6が形成されている。湯当り部6は、プレキャストブロック2と一体に、かつ同一材料を用いて形成されている。湯当り部6を設けた理由は、ここに落下した溶鋼が極力スムーズに分散することにある。
【0015】
湯当り部6は、例えば、図1(a)に示したように外観形状を蒲鉾状として衝突する溶湯を分散することができる。図1(b)に示したように、蒲鉾の端面の円弧面をある勾配で直線状に切り取り、正面から見た外観形状を台形状とし、より溶体を流れ易くすることもできる。また、蒲鉾の端面の円弧面を垂直に形成して、正面から見た外観形状を長方形としても良い。
【0016】
湯当り部6の外観形状は、蒲鉾状以外に片屋根形状、切り妻式の屋根形状、寄せ棟式の屋根形状、あるいは山形の屋根形状その他適宜溶湯が流れ易い形状を選定することができる。もちろん、特に勾配を設けないで屋根に当る面を水平な面にしても良い。湯当り部は、プレキャストブロック面に比べて高い位置に設けても良く、プレキャスト面と同一の高さに設けても良い。
【0017】
湯当り部6は、取鍋に溶体を受け入れる際、溶体を衝突させて四方に飛び散らせることで、プレキャストブロック2に直接衝撃力が伝わることによるプレキャストブロック2の破損、損耗を弱めるために設けるものである。そのため、湯当り部6は円弧状としたり、屋根状の断面に形成したりする。また、湯当り部は、プレキャストブロック面に比べて高い位置に設けても良く、プレキャスト面と同一の高さに設けても良いことはもちろんである。、
【0018】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態の2について図2を用いて説明する。実施の形態の2は、実施の形態1で説明した湯当り部6の耐衝撃性、耐磨耗性を高めたものである。図2(a)は取鍋敷ブロックの平面図略図であり、図2(b)は図2(a)の中心部の左右断面図略図である。敷ブロック1は、3組のプレキャストブロック2及び湯当り部7と一体に形成されたプレキャストブロック8とで構成される。
【0019】
各プレキャストブロック2とプレキャストブロック8との間の目地にはキャスタブル耐火材5が充填されている。キャスタブル耐火材5は、プレキャストブロック2、8と成分が同一の、例えばアルミナ・マグネシア質等の材料が用いられる。また、キャスタブル耐火材5を充填する方法に変えて、各プレキャストブロック2、8との間の目地間隔を狭くして、モルタルを充填しても良い。
【0020】
敷ブロック1の中央部右側、及び下部左側には、ガス吹込みプラグを設けるための羽口3が設けられている。羽口3は、例えば、ポーラスプラグを設けて、例えばArガスを溶体中に吹き込むために用いられるものである。下部右側には溶体を抜き出すための鋳湯用羽口4が設けられている。鋳湯用羽口4には、例えば、溶体の鋳造用ノズルが設けられる。
【0021】
取鍋敷ブロック1中央左側のプレキャストブロック8には湯当り部7が形成されている。湯当り部7は、取鍋に溶体を受け入れる際、溶体を衝突させて四方に飛び散らせることで、プレキャストブロック2、プレキャストブロック8に直接衝撃力が伝わってプレキャストブロック2、プレキャストブロック8を破損させたり、あるいは損耗が早まることを弱めるために設けるものである。
【0022】
湯当り部7はプレキャストブロック8と一体に寸法の異なるれんが11、12、13、14を並べて形成したものである。湯当り部7は、中央部がほぼ頂上となるようにれんがが配置されている。また、湯当り部7は中央部がほぼ頂上の対称となるように階段状に配列されている。
【0023】
湯当り部7は、アルミナ・マグネシア質、アルミナ・マグネシア・カーボン質等の耐火物を用いる法が望ましい。湯当り部は、特に限定はないが小型れんがの集合体としても良く、また、1個の大型れんがとしてもかまわない。湯当り部7の外観は、落下してくる溶鋼による衝撃を和らげるため、中央部を高くし外周ほど低くなるような山形や蒲鉾型等とすることが望ましい。
【0024】
湯当り部7の形状は、例えば、外観形状を蒲鉾状として衝突する溶湯を分散することができる。蒲鉾の端面の円弧面をある勾配で直線状に切り取り、正面から見た外観形状を台形状とし、より溶体を流れ易くすることもできる。また、蒲鉾の端面の円弧面を垂直に形成して、正面から見た外観形状を長方形としても良い。
【0025】
また、湯当り部7の外観形状は、蒲鉾状以外に片屋根形状、切り妻式の屋根形状、寄せ棟式の屋根形状、あるいは山形の屋根形状その他適宜溶湯が流れ易い形状を選定することもできる。もちろん、特に勾配を設けないで屋根に当る面を水平な面にしても良い。湯当り部は、プレキャストブロック面に比べて高い位置に設けても良く、プレキャスト面と同一の高さに設けても良い。
【0026】
れんがと一体に形成したプレキャストブロック8は、例えば以下のような方法で作製することができる。まず、耐火材を混練、プレス成形、乾燥、必要な場合には焼成して、所定の大きさ、形状のれんがを得る。湯当り部に大型れんがを用いる場合には、大型れんがをプレキャストブロック鋳型の所定の場所に配置し、残余にキャスタブル耐火材を振動鋳込みし、養生、乾燥を経てプレキャストブロック8を得る。
【0027】
湯当り部に小型れんがの集合体を用いる場合には、れんが同士をモルタルを用いて所定の湯当り部形状となるように接合し、プレキャストブロック鋳型の所定の場所に配置し、残余にキャスタブル耐火材を振動鋳込みし、養生、乾燥してプレキャストブロック8を得る。
【0028】
本発明の取鍋敷ブロック1は、以下に示した方法により組み立てることができる。まず、プレキャストブロック2は、成分がアルミナ・マグネシア質の耐火材を用い、予め作製した型枠に鋳込んで乾燥し成形品を得る。プレキャストブロック2と上記の方法で得たれんがと一体に形成したプレキャストブロック8は、あらかじめアルミナ質やマグネシア質のモルタルを塗布したパーマれんが上の所定位置に置く。
【0029】
全てのプレキャストブロックを所定の位置に置いたら、目地部へキャスタブル耐火物を流し込む。なお、プレキャストブロック同士の間隔を小さくして、例えば2〜5mmとして、目地にモルタルを充填しても良い。次に、目地のキャスタブル耐火物やモルタルの強度を上げるため半日〜2日間養生する。このようにして、本発明の実施の形態2の敷きブロックを得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
プレキャストブロックを用いることにより、工期の短縮とともに施工の安全性も確保できた。さらに、れんがを一体としたプレキャストブロックを用いることにより、耐衝撃性、耐磨耗性が向上した。その結果、プレキャストブロック全体の寿命が向上し、補修頻度が低下した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の取鍋敷ブロックである。
【図2】本発明の別な実施形態の取鍋敷ブロックである。
【図3】従来技術の取鍋敷ブロックである。
【符号の説明】
1 取鍋敷部
2 プレキャストブロック
3 ポーラスプラグ用羽口
4 鋳湯用羽口
5 キャスタブル耐火材
6 キャスタブル耐火材製湯当り部
7 れんが製湯当り部
11 れんが
12 れんが
13 れんが
14 れんが
21 取鍋敷部
22 小型れんが等
23 ポーラスプラグ用羽口
24 鋳湯用羽口
26 湯当り部
Claims (5)
- 以下の部材で構成されたことを特徴とする敷ブロック。
(a)1個以上のプレキャストブロックと、
(b)中央部が高く外周が低くなるように、又は一方端が他方端より高いか同一の高さとなるように形成された湯当り部が設けられた1個以上のプレキャストブロックと、
(c)前記プレキャストブロック間、又は前記プレキャストブロックと前記湯当り部が設けられたプレキャストブロック間の隙間に充填された耐火材。 - 前記湯当り部は、前記プレキャストブロックと同一の材料を用いて一体に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の敷ブロック。
- 前記湯当り部は、1個以上のれんがを用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の敷ブロック。
- 前記湯当り部は、外観形状が、上面が円弧状で側面の円弧面が垂直又はある勾配で直線状に切り取った形状、片屋根形状、切り妻式の屋根形状、寄せ棟式の屋根形状、山形の屋根形状のいずれかに形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の敷ブロック。
- 前記敷ブロックは取鍋用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の敷ブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002269791A JP2004106000A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 取鍋の敷ブロック |
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