JP2004105946A - 汚泥掻寄方法ならびにその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】稼動ロスを極力少なくすることのできる汚泥掻寄方法を提供すること。
【解決手段】池長手方向一端の汚泥ピット上方位置から整流化した状態で汚水を矩形沈澱池等の処理池内に流入させて池底上に沈澱させた汚泥を掻寄部材により汚泥ピット内に落とし込むように構成した汚泥掻寄方法であって、池底上における汚泥ピット寄りに沈澱した汚泥を他の汚泥に比し重点的に汚泥ピット側へ掻き寄せるようにする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、汚泥掻寄方法ならびにその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
矩形沈澱池は、左右の側壁を備え、その対向する方向に直交する方向を長手方向として矩形の池を形成している。そして、その長手方向一端面に整流孔を有する整流板を設置して沈澱を促進させるようにしてある。沈澱池の前記一端側の池底には汚泥ピットが凹設され、池底に溜まってくる汚泥を汚泥掻寄装置で掻き寄せてこのピット内に掻き落とすように構成してある。
一方、汚泥掻寄装置には、各種のものがある。その1つに、池内を循環運動するチェーンにフライトを配列してこれらのフライトにより池底の汚泥をピット方向に掻き寄せるように構成されたフライト方式が旧来からのものとしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、同フライト方式に代表されるように、これまでの汚泥掻寄装置は、池底において反ピット側から池底に添ってピット側まで一貫連続して掻き寄せ運動するように構成されてきた。さらに、同掻寄装置は、ピット側から上回りに運動して水面をフライトが移動し、そこで水面上のスカムを掻き寄せるように構成され、そののち池底へと循環して戻されるように構成されてきた。こうした循環運動はかなりの稼動エネルギーを要して無駄が多く、特に、整流孔から出た汚水から汚泥が沈降する池底範囲は、ピット内と同ピットに近い池底部分に限定されるのが通例であり、それに反して、その他の池底部分をも常時同じように掻き寄せをする従来の方式は多大な稼動ロスがあった。
【0004】
この発明は前記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、稼動ロスを極力少なくすることのできる汚泥掻寄方法ならびにその装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は前記課題を解決するためになされたもので、請求項1記載の発明は、池長手方向一端の汚泥ピット上方位置から整流化した状態で汚水を矩形沈澱池等の処理池内に流入させて池底上に沈澱させた汚泥を掻寄部材により汚泥ピット内に落とし込むように構成した汚泥掻寄方法であって、池底上における汚泥ピット寄りに沈澱した汚泥を他の汚泥に比し重点的に汚泥ピット側へ掻き寄せるようにする。
【0006】
請求項2記載の発明は、左右側壁の対向する方向に直交する方向を長手方向としその長手方向一端に汚水を整流化して流入させる整流手段とその下方池底に形成された汚泥ピットとを備えた矩形沈澱池等の処理池に構成して、池底に添った掻寄部材の掻き寄せ動作により池底の汚泥を前記汚泥ピットの方向に掻き寄せて同ピット内に掻き落とすようにする汚泥掻寄装置であって、装置が前記長手方向に前後複数段階の掻寄装置に分けて構成されて、最も汚泥ピット側の掻寄装置が時間当りの掻寄能力が大きく反ピット側にゆくにしたがって時間当りの掻寄能力が小さくして駆動されるようになっていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のものにおいて、装置が汚泥ピット側の第1の掻寄装置と同装置よりも反汚泥ピット側となる第2の掻寄装置とで構成され、これら両掻寄装置は単一の駆動源により同時駆動関係で駆動されるようになっている。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項2記載のものにおいて、池底には、汚泥ピットの方向に低くなった段差が形成され、同段差を介して前段階の掻寄装置からの汚泥が流しつながれて次の後段階の掻寄装置に受け渡されるようになっている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施形態を参照してこの発明を詳細に説明する。
図1および図2は、この発明の一実施形態を示すもので、これらの図に示すように、処理池は矩形沈澱池1とされ、この沈澱池1は、左右の側壁2,2と、その対向する方向に直交する方向に対向する端壁3,3とを備えるとともに、池底4,5を備えて、上からみて一方向に長い矩形をした沈澱池になっている。
【0010】
同沈澱池1の一端には、汚泥ピット6が凹設されているとともに、その上方である端壁3の面には、整流孔7…を備えた整流板8が一体あるいは別体ものとして設けられている。前記池底は、図2の下部欄に示すように、汚泥ピット6の方向に向けて微小の角θ°をもって下がり傾斜しているとともに、反ピット側である長い第2池底5と、ピット側である短い第1池底4とに分けて構成されており、第1池底4の方が第2池底5よりも低く形成されているとともに、その間にはピット側に向けて下がり傾斜(45°あるいはそれ以上の角度)する段差9が形成されている。
同段差9は、直線状をなす傾斜面で形成されているが、上向きに凸あるいは凹状をなす湾曲面としてもよい。傾斜面と湾曲面の組み合わせにしてもよい。これらの面は、樹脂板などにより汚泥がよく滑落する面に仕上げてもよい。これらのことはあとの他の実施形態でも同様にいえる。
【0011】
11は沈降制御板である。同制御板11は、整流孔7の方向である上流側Xに凹み側を向けたくの字屈曲板の複数枚で構成され、上端を次第に高くするとともにそれらに前後間隔を持たせて固定設置されている。この間隔は、上部が少し狭く下部にゆくにしたがって広くなるようなものとされ、これにより、この間隔内で汚水の速度が落ちて沈降が促進されるようになっている。また、図示のように、同制御板11は、上流側Xの2枚がパンチングメタル構造で下流側の最後の1枚は通常の平坦な板とされて、できるだけパンチング穴を通じて汚泥分が制御板11間に捕捉されて沈降しやすくしてある。
この沈降制御板11は、これまでの各種技術を採用することができる。
【0012】
汚泥掻寄装置は、上流側Xの第1掻寄装置Aとそれより下流側の第2掻寄装置Bとに分けて前後段階的に構成されている。第1掻寄装置Aは、掻寄能力が大きく第2掻寄装置Bの掻寄能力はこの実施形態では第1掻寄装置Aの1/3程度になっている。この比率は汚泥の沈澱の状況に合わせて如何にも設定できる。例えば、上流側Xに沈澱比率がより偏っている場合には、1:1/5や1:1/10のように。
【0013】
13は第1スプロケット軸で、それぞれ第1スプロケット14の1対を備えた2軸のものが軸両端のブラケット15により両側壁2,2間に回転自在に横架されている。その配置は、汚泥ピット6側に1本と段差9の下に1本の合計2本である。16は第2スプロケット軸で、それぞれ第2スプロケット17の1対を備えた2軸のものが軸両端のブラケット18により両側壁2,2間に回転自在に横架されている。その配置は、段差9の上に一本と下流側端部に1本の合計2本である。第1および第2スプロケット14,17は同一径の同じものになっている。
【0014】
第1スプロケット軸13の1対間には、4個の第1スプロケット13を介して左右1対の第1チェーン20が、また第2スプロケット軸16の1対間には、4個の第2スプロケット17を介して左右1対の第2チェーン21が掛け渡されている。そして、これらのチェーン20,21まわりには、図示しない池底ガイドレールに添って運動し循環する第1・第2掻寄部材(フライトということもある)22、23…が一定間隔をおいて配列されている。これらの掻寄部材22、23…は、同じ態様のものが使用されており、例えば、従来からの木質や樹脂製のフライトのようなものと金属板状(SUS等)のスクレーパのようなもののいずれでもよい。これは以下の他の実施形態でも同様である。
【0015】
これらの駆動系はつぎのようになっている。25は駆動源で両掻寄装置A,Bに共通の単一駆動源として池上に設置され、具体的にはモーターに減速機を組み合わせ、さらにその出力軸に駆動スプロケット26を備えたものになっている。一方、段差9近くの第1スプロケット軸13と第2スプロケット軸16の同一側端外周には、第1従動スプロケット27と第2従動スプロケット28とがそれぞれ各軸13,16と同行回転可能に設けられ、これら両スプロケット27,28には、駆動スプロケット26に掛けられた駆動チェーン29が掛け回されている。30はウエイト式のテンショナである。そして、第1従動スプロケット27と第2従動スプロケット28とは、ギア比が1:3に設定されている。すなわち、第1掻寄装置Aの方が第2掻寄装置Bよりも3倍(これに限定されない)の速度で同一方向に回転駆動されるようになっている。尚、駆動チェーン29は、図2に仮想線で示すように汚泥ピット6側あるいは反ピット側に連動自在に構成することもできる。この場合、従動スプロケット27,28およびその間の連動チェーンは構成する。
【0016】
尚、第1掻寄部材22と第2掻寄部材23とは同じ間隔をおいて配列されているが、第2掻寄部材23の間隔を長くしてもよい。この場合、第1・第2従動スプロケット27,28のギア比は前記のように1:3のようにする必要はなく、例えば、等速で回転連動するようにしてもよい。
水面のスカムを呑み込み除去するスカム除去装置は、前記駆動源25の動力を利用することができる。この場合、間欠運動機構を採用できる。
前記駆動源は、例えば、隣合う沈澱池に対し単一個でもって対処するようにしてもよい。
また、前記チェーン20,21の上まわりに対してはガイドレールでガイドすることもあるし、別にテンショナを装備することもある。
さらに、前記第1掻寄部材22と第2掻寄部材23とは同一の態様のフライトで構成したが、例えば、第1掻寄部材22の方を高さの大きいものとし、第2掻寄部材23をそれよりも低いものにしたりして、掻寄能力を選択することもある。したがって、掻寄能力は、前記掻寄部材22,23の高さ寸法や配列間隔、前記ギア比などの要素から適宜に決定される。
【0017】
したがって、図1および図2の矢印のように汚水が流入してくるが、沈降制御板11…により汚泥ピット6や第1池底4上に集中的に汚泥が沈澱する。ここにおいて、沈降制御板11は必須ではなく同板11がない場合も前記集中的(偏向的)な沈澱現象は起こる。そして、駆動源25の連続駆動により第1掻寄装置Aが速く第2掻寄装置Bが数分の一でゆっくりと駆動され、これにより、第1池底4上の多量の汚泥は重点的に掻き寄せ処理され、第2池底5上の僅少の汚泥はゆっくりと掻き寄せ処理されて、全体として駆動エネルギー少なくして運転することができることになる。
【0018】
尚、沈降制御板11の配列構成は図示に限定されず、さらに下流側にわたるまで配列したりできる。また、掻寄部材22,23は垂直状であるが、下回りにきたときに掻寄方向に下がり傾斜状に設定してもよい。さらに、前記実施形態において、駆動源は掻寄装置A,B個別に設定できる。また、沈降制御板11…は上端(あるいは下端や上下間)を支点として角度変更可能にしてもよい。さらに、同板11…はぶら下げ式にしてその間隔や設定位置を変更自在にすることもできる。この場合、さらに吊り下げ手段により角度変更可能にしてもよい。尚、前記沈降制御板11の他に、図2に示すように、第2整流板70、第3整流板71や第2乃至第5傾斜板72〜75を配備してもよい。その他に第1〜第4多孔濾材76…が越流堰77の下方などに配備することがある。
【0019】
図3は他の実施形態を示す。同実施形態は、第1池底4を汚泥ピット6の方向に下がり傾斜状にしたもので、このように傾斜させることで、掻寄抵抗を少なくし、さらに駆動エネルギーを少なくすることができる。尚、図示よりもさらに急な傾斜面にすることもできる。
【0019】
図4は他の実施形態を示す。同実施形態において、33は池底で、既設のものでも新設のものでも、池底33に一体あるいは別体物で上面が緩やかな勾配34とやや急な段差35とを備えた段差形成部36を設ける。別体物では金属や樹脂その他の材料で形成し止め付けなどにより固着可能である。そして、勾配34に添って第2掻寄装置Bの第2掻寄部材37が移動するようにし、段差35には第1掻寄装置Aの第1掻寄部材38が限界まで近接して介して運動するようにする。39はテンショナである。
【0020】
図5は他の実施形態を示す。同実施形態は、第2掻寄装置Bの第2掻寄部材41の間に第1掻寄装置Aの第1掻寄部材42が干渉せずに回転するように互いに近接して段差43に落とし込まれた汚泥が第1掻寄部材42により確実に抱え込まれるようにしたものである。
【0021】
図6および図7は他の実施形態を示す。同実施形態は、沈澱池45が側壁46と端壁47および池底48、汚泥ピット49を備えるとともに図示しない整流板を備えるものにおいて、池幅中央を通るようにして長尺なガイドレール50を敷設し、このガイドレール50に添って直線的に進退する前後2台の第1掻寄装置Cおよび第2掻寄装置Dを配備してなる。ガイドレール50は、池中央に限らず、側壁46下部面や池底両端などに設置してもよい。
【0022】
第1・第2掻寄装置C,Dにおいて、52は台車で、その前後に回転自在なスクレーパ軸53を備え、同スクレーパ軸53回りには、台車52内に位置する走行輪54と、台車52外部に位置するスクレーパ55とを備える。スクレーパ軸53とスクレーパ55とは同行回転するが、走行輪54はスクレーパ軸53とは独自に回転する。走行輪54は左右1対のもので、その間を介してスクレーパ軸53回りには前後1対をなす連動レバー56が突設され、これらの間は連結ロッド57が結合されている。
【0023】
これら掻寄装置C,Dは、図示しない水中モーター(減速機付)で進退駆動されたり、ワイヤーロープやリンクチェーンなどにより池上から進退駆動される。そして、掻寄装置Cは実線の掻寄開始状態から仮想線の掻寄終了状態の間で掻寄を行う。掻寄装置Dは、実線の掻寄開始状態から掻寄装置Cの掻寄開始状態より汚泥ピット49寄りのところまでが掻寄終了状態とされる。そして、掻寄装置Cは掻寄装置Dよりも多くの回数往復運動をする。
したがって、掻寄装置Cは掻寄装置Dよりも掻寄能力が高く、汚泥の沈澱状態に合わせて理想的な掻寄が稼動ロスなく可能になる。尚、同実施形態においても図1、図2のような沈降制御板などを装備する。
【0024】
図8(図9のVIII−VIII線に沿う縦断面図)および図9(図8の平面図)は、矩形の沈澱池80の水面81上一帯に浮遊するスカムSを図8、図9の右方向に掻き寄せてそこに設置されたスカム除去装置82で誘引除去するようにしたスカム掻寄装置の一例を示す。
【0025】
沈澱池80は、これらの図に示すように、左右の側壁83,83と、その対向する方向に直交する方向に対向する端壁84,84とを備えるとともに、池底85を備えて、上からみて一方向に長い矩形をした沈澱池になっている。
【0026】
池底85の一端には、汚泥ピット(ホッパー)86が凹設されているとともに、その上方である端壁84の面には、整流孔87…を備えた整流板88が一体あるいは別体ものとして設けられている。前記池底85は、図8では水平に示されているが、実際には汚泥ピット86の方向に向けて微小の角度をもって下がり傾斜している。このことは以下の実施形態でも同様である。また、以下、図の左右方向は池長手方向とし、それに直交する方向は池幅方向とする。そして、沈澱池80内には、フライト式汚泥掻寄装置90が既設のものとして設備されている。
【0027】
同掻寄装置90は、ピット86の上方で水面近くに位置するドライブ軸91と、その下方の水中アイドル軸92、および図8の右方向の図示しない位置のテークアップ軸の3軸方式でなり、前記テークアップ軸を含む各軸外周には、図9のように池幅方向に離間してドライブスプロケット93・アイドルスプロケット94・テークアップスプロケットが左右1対ずつ配備されている。これらのスプロケット93,94には、池内チェーン95が左右1対をなして掛装され、これらチェーン95の外周にはフライト96…が一定間隔を置いて配備されて池底85に沈降した汚泥を図8の左方向に掻き寄せてピット86内に掻き落とすようになっている。尚、この例では3軸方式であるが、水面近くのドライブ軸91とスカム除去装置82間に相当する個所に中間軸を備えたいわゆる4軸方式の掻寄装置を設備する沈澱池をもここで対象にすることがある。ここにいうことは以下の実施形態でも同様に適用がある。
【0028】
前記フライト式汚泥掻寄装置90を駆動するため、池上には減速機付モーターでなる駆動源97が設置され、同駆動源97の出力軸には第1駆動スプロケット98が設けられ、前記ドライブ軸91外周に装備した従動スプロケット99との間に掛装された第1チェーン100によりドライブ軸91を駆動し、フライト式汚泥掻寄装置90を図8の右回りに周回駆動するようになっている。
【0029】
前記スカム除去装置82は、側壁83に通された連通トラフ102と、その間に装架されたトラフ103とを有し、トラフ103の前側には、上下動自在に堰104を備える。堰104はここでは中空で浮力で水面上に復帰可能であるがウエイトで復帰するようにしてもよい。同堰104の上には、池幅方向中間に位置するように弓なり状の受カム105が設けられている。堰104が水面下に沈むと水面上のスカムがトラフ103内に呑み込まれ、堰104が浮上するとその呑み込みが停止するもので、前記呑み込みを間欠的に繰り返して浮上スカムを誘引除去するものである。106は誘引ガイドで、掻き寄せられたスカムをスカム除去装置82の有効誘引幅内に導くもので、池側壁83側あるいは堰104側に装備するものとする。
【0030】
こうした3軸駆動方式のフライト式汚泥掻寄装置90は、図8のようにフライト96が上昇してドライブスプロケット93のある個所を経由すると右斜めに下がってゆくもので、したがって、同スプロケット93とスカム除去装置82との間はフライト96が水面81を掻く運動をしない範囲として長く広く残されているため、そこに浮遊するスカムはそのままではスカム除去装置82で呑み込みにくいものとなる。これは前記中間軸を備えた4軸方式のものでも同様である。すなわち、中間軸とスカム除去装置との間はフライトが掻き寄せ運動をしない間が少なからず存在し、特に、沈澱池によってはその間が長いものもあることから、これらのものもここで掻寄の対象とする。
そのため、以下の例のようにスカム掻寄装置107を効率的で安価な装置として装備したものである。以下、汚水が流入してくる側である上流側をX、下流側をYとし、スカムの掻寄方向(前方あるいは前部ということもある)をF、戻り方向(後方あるいは後部ということもある)をRとして説明する。
【0031】
スカム掻寄装置107は、フレーム108を備える。同フレーム108は、上からみる図9のように池長手方向にその長手方向を向けた左右1対の離間したガイドレール109と、同ガイドレール109の前後端部間を連結するとともに池幅方向に向けて池上に両端が支持固定された前後1対の支持ビーム110とでなる。支持ビーム110は、図9に仮想線で示すようにガイドレール109の長手方向中程と池上間に位置して設けることもある。
【0032】
前記両ガイドレール109は池上の中央ライン上に対応して池長手方向にその長手方向を向けて配置されており、これらガイドレール109は溝形鋼でその溝を互いに対向するようにして配備され、これら溝に嵌まり合って進退走行するように4点配置の走行ローラー111…が設けられている。
【0033】
これら走行ローラー111からは、吊りステー112を介して台車113がガイドレール109下側で水面81上に沿って進退するように装備されている。この台車113は、四辺枠状の本体部分の上面一部(掻寄方向側Fの一部)を上蓋114で蓋設し、残る後部は四角な開口115として残した形にしてあるとともに、台車113の前端底側には前記受カム105に載り掛かるカムローラー116が左右1対設けられ、また、台車113の後部には左右1対の受筒117が固定され、同受筒117を介してスカムスクレーパ118つきの回転軸119が回転支持されている。スカムスクレーパ118は、池幅よりも少し短くその端部にゴム製の端部スクレーパ120を備えて側壁83に接触あるいは接近状にしてスカムを余すところなく掻き寄せ可能にしてある。
【0034】
回転軸119の開口115内に位置する個所には、側面が逆三角形になった連動カム121が回転軸119と同行回転するように左右1対突設され、図8のように起立した状態と回転して開口115内に倒れ込んだ状態とが得られるようになっている。122はストッパで、図8のようにスカムスクレーパ118を垂直な掻寄状態に規定するためのものである。台車113の後端には左右1対の戻し突片123が低い突片として固定されている一方、台車113の前部上面には、ヒンジ124が左右1対設けられ、これらヒンジ124を介して左右1対の掻寄突片125が前記戻し突片123よりは高く伸びたものとして左右揺動自在に突設されている。これら掻寄突片125は、図12に示すように、好ましくはローラー126つきで図9のように相互がバネ127で引っ張られるとともに突片下端には角度ストッパ128が設けられている。角度ストッパ128は両掻寄突片125を相互間に一定の間隔を残すようにハの字状に規定するもので、この掻寄突片125は、ハの字と垂直平行な状態との間で変位自在になっている。
【0035】
一方、ガイドレール109間の前後端には、前スプロケット130と後スプロケット131の2つのスプロケットが前軸132と後軸133でそれぞれ回転自在に支持して設けられている。後軸133は、一方の側壁83まで伸びる軸とされ、その軸上には、従動スプロケット134が設けられて、前記出力軸上に備えた第2駆動スプロケット135との間に掛装された連動チェーン136により前・後スプロケット130,131間に掛けられたスカムチェーン137を図8の右回りに連続周回運動させるように構成されている。尚、同スカムチェーン137は、間欠運動させてもよいし、その間欠時間長さは長短に設定を制御可能にすることもある。スカムチェーン137は、一般にいうチェーンのほか、ワイヤーロープやリンクチェーンなども含む(このことは他の実施形態でも適用される)。
【0036】
スカムチェーン137は、両ガイドレール109間の中央を通り、その1点には図12に示すように左右に伸びる軸回りに循環ローラー138を備えたものとされて、ハの字状になった掻寄突片125を図8のように掻寄方向に押しやる一方図12の仮想線のように開いた掻寄突片125間には通過するようになっている。掻寄突片125を前方にきたときに自動的に開かせるものとして、ガイドレール109間に山形のカム板139が対向状に固定されている。循環ローラー138が下回りにくると、起立する連動カム121を開口115内に倒しロックしてスカムスクレーパ118を持ち上げたあと戻し突片123に当って台車113を後方へ戻し連動させる。戻し突片123は低いので循環ローラー138が図8の左端にきて左回りに上がるときは戻し突片123から離れて台車113はそこで停止する。
【0037】
図10ないし図17はスカム掻寄装置107の一連の動作を示している。図10は、図8の掻寄状態からさらに進行してカムローラー116が受カム105を押さえ堰104を水面下に没しはじめる状態を示す。掻寄突片125は図12の実線のようにハの字に閉じていて循環ローラー138により掻寄突片125が引っ掛けられて台車113は前方へと従動されている。スカムスクレーパ118はフリーで垂直な掻寄状態にある。
【0038】
図11は、図10の状態からさらに進行した状態を示し、掻寄突片125はハの字状で循環ローラー138で前方へ押されながら台車113を進行させ、それより進行すると、掻寄突片125がカム板139に当たって図12の仮想線のように拡がるようになるとともに、下部のカムローラー116は受カム105を押さえて堰104を水面下に押さえ込み、スカムを誘引させるようにする。
【0039】
図13は、掻寄突片125が開いて循環ローラー138がその間を通過し前スプロケット130の回りを回った状態を示し、その際、堰104は押さえ込まれてスカムを呑み込む状態になっている。循環ローラー138は台車113の上にきて掻寄突片125の基部にくるが、掻寄突片125が通過の通過後バネ127で自動的にハの字に閉じた状態になっている掻寄突片125の基部間は図12のように循環ローラー138の左右幅よりも広くなっているので下回りにきた循環ローラー138の通過を許し、さらに吊りステー112間も循環ローラー138の幅よりも広くなっているのでここも循環ローラー138は通過する。その状態は図14に矢印で示す。
【0040】
循環ローラー138は、図15のように、連動カム121に当たって倒しスカムスクレーパ118を前方へ水平に持ち上げる。連動カム121は開口115内に倒し込まれてロックされた状態になるとともに、循環ローラー138は戻し突片123に同時に当たることになって、これにより、スカムスクレーパ118が持ち上がった状態で台車113を後方Rへと牽引連動させるようになり、したがって、スカムスクレーパ118が持ち上がっているので、水面81上のスカムを掻き戻すことなく台車113が戻されることになる。
【0041】
図16に示すように、台車113が後端にくると、循環ローラー138が後スプロケット131回りを下から上へと回ることになり、そうなると、循環ローラー138が戻し突片123から外れるとともに連動カム121からも離れることになって台車113がそこで停止するとともにフリーになった連動カム121によりスカムスクレーパ118は垂直な掻寄状態になる。
【0042】
循環ローラー138は図17のように上回りにくることになり、バネ127で自動的に閉じた状態になった掻寄突片125を引っ掛けて連動させ、これにより、台車113は掻寄をしながら進行する。尚、前記トラフ103はフレーム108側に吊持支持させてもよい(このことは他の実施形態においても同様に適用される)。
【0043】
他の実施態様を示すと、図18に示すように、ガイドレール109を沈澱池80の一側に配置して片持状にスカムスクレーパ118を支持させてもよい。また、図19に示すように、ガイドレール109を図18よりも側壁83から少し離した状態に配置してもよい。
【0044】
図20のように、堰104はトラフ103内に斜めに向く、いわゆる内倒れ式のこともある(図8の場合は外倒れ式)が、この場合には、堰104をウエイト142とストッパ143により水面81上に突き出すように維持するとともに堰104に受板144を突設してカムローラー116により堰104を押さえ込むようにしてある。
【0045】
図21のように、スカム除去装置として上部に呑込口146を開口した丸パイプ状のスカムスキマー147により構成するものにあっては、スキマー147をウエイト(ストッパ付)148により図示復帰状態を支持できるようにするとともに、スキマー147に受板149を備えてカムローラー116により押さえ込むことができるように構成した。
【0046】
図22は、複数の隣合う沈澱池80,80にスカム掻寄装置107,107を設置する場合、左右池のガイドレール109,109に通された共通軸151の1本を構成し、同軸151回りに共通スプロケット152を配して両スカム掻寄装置107,107を単一の駆動系で同時駆動可能に構成したものである。この場合、中央の側壁83の上部は設置に不要な部分Cを壊すものとする。
【0047】
図23から図26はスカム掻寄装置の他の駆動方式を示す。図23は、スカムをノズル154…で吹き寄せてスカム除去装置82に誘引する方式のものを示す。155は配水管で、池幅全体にわたる長いものとして台車113に装備され、その複数個所に前記ノズル154…が取り付けられている。この配水管155には、台車113に装備されたポンプ156により池水が送られるようになっている。同ポンプ156は水中設置型にしてもよい。ポンプ156へは伸縮自在な配電コード157により通電する。尚、158は前後のリミットスイッチで、前方のスイッチ158に台車113が当ることでポンプ156は停止し、後方のスイッチ158に当ることでポンプ156が作動するようになっている。前記ノズル154は高さおよび/または角度を変更自在にしてもよい。
【0048】
尚、図23に併せて示すように、掻寄突片125を固定式とするとともにガイドレール109の前部上に立設したステー159に押さえスプロケット160を備え、また前スプロケット161を大径のものにして上回り終端にくるスカムチェーン137を斜め上向きに案内するようにしたもので、これにより、循環ローラー138も上向きに逃げることによりこの時点で掻寄突片125が外れて停止するようにしたものである。この段落でいうことは他の実施形態でも同様に適用がある。その場合、散水吹き寄せ方式でなく掻き寄せ方式にすることがある。
【0049】
図24は、台車113にノズル163つき配水管164を装備して、この配水管164には池側方からのホース165が導かれて接続されている。すなわち、ポンプは側壁の方に設置されている。
これとは別に同時図示したものは、掻寄駆動方式の他のものを示す。同例は、循環ローラー138が掻寄突片125から離れる他の方式を示したもので、掻寄突片125を折れ曲がり可能にして、ガイドレール109側に固定のストッパ166に掻寄突片125の下部があたることで上部のみが前方へ折れ曲がり、これにより循環ローラー138が掻寄突片125を越えてゆくようになっている。掻寄突片125の上下間はバネなどの弾性部材で自立力が与えられるようになっている。その結果、掻寄突片125を前スプロケット130の支持軸にあたる手前で停止させることができる。この段落でいうことは他の実施形態でも同様に適用がある。その場合、散水吹き寄せ方式でなく掻き寄せ方式にすることがある。
【0050】
図25および図26(図25のP−P線断面図)は、H型鋼をガイドレール167としてその両側の溝を外向きにしたもので、この溝に走行ローラー168を進退自在とするとともに、ステー169を介して台車170を吊り下げたものである。ガイドレール167は、その上にスペーサ台171を介して支持ビーム172を設け、その両端を池上に固定してある。その位置は図示に限定されない。また、ガイドレール167の前後端には左右1対ずつの前スプロケット173および後スプロケット174が設けられ、これらにより左右にそれぞれ掛けられたスカムチェーン175,175には、ローラー付循環ローラー176が左右同一位置になるように設けられている一方、台車170側には、前方に長い掻寄突片177が、後方には短い戻し突片178がそれぞれ設けられて前記循環ローラー176に交互にあたるようになっている。そして、台車170には、循環ローラー177が通過する位置に当て片179が突設されて、スカムスクレーパ180を同行回転するようになっている。
【0051】
図25および図26の状態は掻寄状態である。すなわち、循環ローラー176が左右の掻寄突片177を引っ掛けて同行し、これにより、台車170およびスカムスクレーパ180が掻寄をしながら進行する。循環ローラー176が前スプロケット173にくると掻寄突片177を前方に押しながら下回りに周回してゆき、ここで台車170は前進を停止する。循環ローラー176が下回りにくると、当て片179に当ってスカムスクレーパ180を持ち上げたあと、短い戻し突片178にあたることで台車170を牽引連動することになる。図25の左端の仮想線で示すように、台車170が後方にくると、循環ローラー176が周回して上へ移動することで戻し突片178から外れてゆき、ここで台車170は停止し、循環ローラー176が上回りにきて掻寄突片177にあたることで台車170は前進して掻寄を始める。
【0052】
図25および図26の駆動方式は他の実施形態でも同様に適用がある。例えば、ノズル噴射方式にも適用がある。また、同駆動方式において、ガイドレール167はH型鋼であったが、溝型鋼1本のみで構成してもよい。このものは、特に、ガイドレールを側壁寄りに配置する場合に適用できる。
【0053】
図27は、付加的な提案例を示す。同例は、4軸(3軸でもよい)式のフライト式汚泥掻寄装置182を装備するとともに外倒れ式堰183を装備したトラフ184を備えた沈澱池において、受アーム185を立設するウエイト186つき連動アーム187により堰183を押し下げるようにするとともに、受アーム185を連動させるものとして駆動源により回転駆動される偏心ピン板188を備え、これにより、前後に往復揺動可能にリンク189を設けてローラー190により進退ロッド191を応動させるようにしてある。ロッド191の動きはラチェット192の微角回転運動に変換し、これを前スプロケット193と後スプロケット194との間に掛けられたチェーン195の右回りの循環運動とする。このチェーン195の循環ローラー196により前記受アーム185を応動させるものとする。こうしたラチェット式のものは、図28に示す内倒れ式の堰198付トラフ199を装備するものにも、また、図29に示すスカムスキマー200を装備するものにも適用することがある。
【0054】
尚、4軸式のものは、図28に示すように、中間軸203と中間スプロケット204が設けられているが、これを駆動源にして連動させるようにしてもよい。
【0055】
図30に示すように、トラフ206に堰207を内倒れあるいは外倒れ式に備えるとともにウエイト208により堰207を復帰状態にするものにおいて(スカムスキマー式のものも同様である)、前記のようにチェーン209により循環ローラー210を運動させる一方、この循環ローラー210の周回軌道上に、固定ピン211とウエイト208間に張られたワイヤーロープやチェーンなどの応動部材212を対応させることで、堰207を連動させるようにしてもよい。
【0056】
図31および図32は、前記各種方式に基づき、フライト式汚泥掻寄装置に代わる進退駆動式汚泥掻寄装置を構成したものを示す。沈澱池214は、ピット215つきの池底216と側壁217および端壁218を備える。219は池底レールである。これらの図で左方向が掻寄方向で前方Fになり、右方向が戻し方向で後方Rになる。
【0057】
これらの図において、221は左右1対のガイドレールで、前ブラケット222と後ブラケット223により端壁218に固定されて池幅中央にあるようにまた池底216から少し上がった高さにあるように固定されている。ガイドレール221は溝を対向させるものとされ、これに走行ローラー224を介して吊られた台車225には、固定の長い掻寄突片226が前方に、同じく固定の短い戻し突片227が後方にそれぞれ突設されているとともに、後部には、受筒228に支持された回転軸229上に連動カム230が、また同回転軸229の下側には汚泥スクレーパ231がストッパ232つきのものとして設けられている。
【0058】
前スプロケット233は後スプロケット234より大径のものとされ、この間に掛けられた汚泥チェーン235は、ガイドレール221間上のステー236に備えた押さえスプロケット237により押さえつけられている。この押さえスプロケット237が、池上の駆動スプロケット238に運動チェーン239を介して回転連動されることで、汚泥チェーン235が左回りに連続循環駆動される。
【0059】
図31および図32の状態は汚泥掻寄状態を示す。この状態で、汚泥チェーン235は反時計針回りに駆動され、同チェーン235の両側に突設した循環ローラー240は高い掻寄突片226を引っ掛けて台車225をピットの方向に応動させ、これにより、垂直な汚泥スクレーパ231により汚泥が掻き寄せられる。循環ローラー240が更に進行して押さえスプロケット237を越えた時点では汚泥はピット215内に落とし込まれており、その時点で、同ローラー240が上斜めに持ち上がるので掻寄突片226から外れてゆき、ここで台車225は停止する一方、循環ローラー240は前スプロケット233を回って下回りにくるのであり、下回りでは、循環ローラー40は連動カム230を捉えて倒し、同時に汚泥スクレーパ231は持ち上がる。そして、循環ローラー240が戻し突片227にあたることで台車225は後方Rへと戻り復帰する。図31の右端の仮想線は台車225が戻って循環ローラー240が戻し突片227から離れてゆく状態を示し、この時点で台車225は停止するとともに、連動カム230はフリーになって汚泥スクレーパ231が自重で垂直な掻寄状態に戻る。この際、汚泥スクレーパ231はストッパ232で掻寄力を受ける。離れて上回りに循環してゆく循環ローラー240が掻寄突片226にあたることで台車225を逆の掻寄方向Fに牽引してゆくことになる。
【0060】
尚、図32のようにガイドレール221の長手方向中程を支える中間ビーム241を追加してもよい。また、この例でも同様にガイドレール221を図32の仮想線のように池端に配置してもよい。また、この汚泥掻寄装置は、図23、図24、図25、図26に示す方式にしてもよい。
さらに、図31に示すように、同じ駆動源を利用して、スカム掻寄装置243を駆動するようにしてもよい。この構成は前記と略同様であるので前記符号を付すものとする。
【0061】
図33および図34は、トラフ245内に向けて内倒れ式に堰246を回転支持し、ウエイト247で堰246が起き上がるように付勢したものを水面に設置して応動部材248を張ってその応動で堰246を水面下の誘引状態にするものであって、その応動を、池底を進退する前記汚泥掻寄装置から立設した支柱249側によりなすようにした例を示す。すなわち、支柱249には、水面のスカムを掻き寄せるスクレーパ250がリンク251により伏倒自在とされるとともに、支柱249の前側には、応動部材248を押しやるためのローラー252が突設されている。
【0062】
図35(図36の平面図)および図36(図35の池幅中央に沿って切断した縦断側面図)は、池底進退駆動式で台車がロングフレーム型で前後に4枚(枚数は限定されない)のスクレーパを備えた汚泥掻寄装置についての実施形態を示す。
【0063】
池底255の長手方向端部には汚泥ピット256が凹設され、沈澱池の長手方向端は、端壁257とされている。258はガイドレールで、同ガイドレール258は、H型鋼でその溝を横向きにしたものが使用されている。勿論、同ガイドレール258は、図43や図44の例のように溝型鋼を左右に配したものにしてもよい。このガイドレール258は、池底255の池幅中央にしたがって汚泥ピット256上まで渡るように設置されて、図示しない止着具により固定されている(図44の下端止めフランジと止着具を参照)。
【0064】
260は台車で、図示左側の前台車261と後台車262とを備えるとともに、これら前後の台車261,262ガイドレール258を跨ぐような平面矩形のフレーム体でガイドレール258上で転動可能な走行ローラー263…を前後1対ずつ備える。前台車261の後端部および後台車262の前端部には、ロッド通孔を備えたロッド受264が立設され、これらの間に丸パイプでなる連結パイプ265が装架固定されている。
【0065】
連結ロッド265には、そのパイプ内を通るとともにパイプ前後に突き出した状態で連動ロッド266が前後に進退駆動されるように設けられている。前台車261の前端と後台車262の後端および連結パイプ265の前後2個所には、ブラケットを介してスクレーパ軸267…が池幅方向に延びるように設けられ、これらを介してスクレーパ268…が垂直および水平に切換自在に設けられている。スクレーパ軸267の外周の丸印は上部パイプ269でスクレーパ268とともに回転する。
【0066】
複数枚のスクレーパ268の前後間隔は、図36のように、g…で、その進退ストロークはGで、間隔gよりも少しだけ長い。従って、前から2,3,4番目のスクレーパ268が図36の掻寄状態のまま左方向Fに進出すると、それぞれ図36の1,2,3番目のスクレーパ268の位置より少し前方までくるので、そこまで汚泥を掻き寄せるのであり、例えば、4番目のスクレーパ268による掻寄汚泥は図36のZ位置まで掻き寄せられる。そして、4番目のスクレーパ268は、そこで水平に持ち上がって元に位置に復帰する。3番目のスクレーパ268はそのときZ位置より後方の図36の位置に復帰しているので、次に3番目のスクレーパ268が前進する際にもうワンステップ前まで汚泥を掻き寄せるのである。こうした動作を繰り返すことで1番目のスクレーパ268の前まで持ち込まれた汚泥は、同スクレーパ268の前進により汚泥ピット256内に落とし込まれるのである。したがって、前台車261のみによる汚泥掻寄装置に比べて本ロングタイプの汚泥掻寄装置によれば、極くみ短いストロークGの進退運動により汚泥をピット256まで落とし込むことができるものである。
【0067】
こうした運動の中、スクレーパ268…を垂直な掻寄状態と水平な復帰(あるいは戻り)状態間に切り換えるため、前から1番目の上部パイプ269からは左右1対の第1レバー271を、2番目と3番目の上部パイプ269からは同じく左右1対の第2、第3レバー272を掻寄時に斜め前方を向くように突設してある。そして、図36に拡大図を引き出して示すように、第1レバー271には、長孔273を介して連動ロッド266の前端を連結し、第2、第3レバー272については、連動ロッド266の左右に突設した突起を図36の黒太線で示す長孔274を通じて突き出すとともに前記突起を第2、第3レバー272に形成した長孔を介して連結してある。第4レバー275と連動ロッド266間は方向変換レバー276を介して連結して第4スクレーパ268は他のスクレーパ268…とは逆の動作をするようになっている。尚、277は補助台車で、連結パイプ265から張り出したステーを介して設けられているが、設けないこともある。
【0068】
これらスクレーパ268…の切換および装置全体の進退駆動をするため、ここでは、チェーン式駆動装置280を構成してある。同装置280は、ガイドレール258の前部上方に離れて平行な1本の第1フレーム281をもつ。同フレーム281は、端壁257に前端を固定されるとともに池幅方向に伸びる前後2本の第2フレーム282により池中央にあるように固定支持されている。尚、283はスペーサである。
【0069】
第1フレーム281の前後には、前・後スプロケット284が左右1対同調回転するように設けられている。これらスプロケット284の外周には、チェーン285が掛け回されるとともに、このチェーン285の1個所には、左右1対あるように循環ローラー286が突設されている。
【0070】
そして、従動側である台車260側では、循環ローラー286が下回りにおいて係合するように第1レバー271が少し長く伸ばされるとともに、前台車260からは循環ローラー286が上回りにおいて係合するように戻し突片287が第1レバー271よりも長く前後に揺動可能に突設されている。これら第1レバー271と戻し突片287間は連動リンク288で連結されている。尚、289はストッパで、スクレーパ268を垂直に規定するもので、同スクレーパ268を水平に規定するストッパも設けるものとする。
【0071】
前記前スプロケット284の回転軸上には図35のように従動スプロケット290が設けられ、これが池上からの動力を受けてチェーン285を図36の右回りに回転駆動するようになっている。尚、前記実施形態では、第1フレーム281を2本の第2フレーム282で支持しているが、第2フレーム282は1本でもよく、第2フレーム282を設けるか否かを問わず、図36に仮想線の斜め線として示すように、吊り部材291で第1フレーム281を支持したり、あるいは、ガイドレール258から立設した縦フレーム292により第1フレーム281を支持してもよい。縦フレーム292によるときは、さらに吊り部材293を付加してもよい。
【0072】
図35および図36に実線で示す状態は汚泥の掻寄を開始する状態である。循環ローラー286は図36の右端を回って第1レバー271を仮想線の状態から実線の前斜め状態に押し出し、スクレーパ268も垂直な掻寄状態にする。これにより、連動ロッド266を介して他のスクレーパ268…も掻寄状態になる。循環ローラー286がF方向に駆動されることで、第1レバー271が循環ローラー286で押されて台車260はF方向に前進する。循環ローラー286が図36左端の仮想線位置にくると、同ローラー286は上回りに移動するので第1レバー271から次第に外れてゆく。ここで、台車260は掻寄姿勢のまま前進を停止するが、循環ローラー286は前スプロケット284を時計針回転方向に回ってゆき、そこに対向する長い戻し突片287に当り、この突片287を同行してゆく。これにより、戻し突片287は後方に回転させられ、連動リンク288を介して第1レバー271も同方向に回転させることで、スクレーパ268を水平に持ち上げる。他のスクレーパ268も連動して持ち上げられる。
【0073】
これでスクレーパ268は池底の汚泥を掻き戻さない状態になり、その状態で初めて台車260は後退を始める。この状態が図36に仮想線で示したものであり、循環ローラー286がさらに後方へ進み、後スプロケット284回りに回転してゆくことで、長い戻し突片287を外側に排しながら下回りに移動してゆき、そこで、後方斜め姿勢の短い第1レバー271を引き起こすことで前方斜めの掻寄状態にもってゆく。この際、循環ローラー286のあとから長い戻し突片287が起立し斜め前方へ戻される。これは連動リンク288を介してなされる。
【0074】
なお、スプロケットをフレーム間に配置する図9、図23、図24に示す駆動方式のものを図36の実施形態のものに適用することができる。図36の駆動方式は、池後側に設置して構成することもある。
【0075】
図37は、駆動をシリンダ295により行うものを示す。同シリンダ295は、油圧でもよいが、油漏れが生じる可能性もあることから、例えば、水圧式が好ましい。他に、汚染のおそれのない液により駆動してもよい。同シリンダ295は、そのロッド296先端に下方の平行な補助ロッド297を備え、同ロッド297先端を第1レバー271の長孔273に連結して応動自在にしてある。尚、シリンダ295は、ガイドレール258との間の支持リンク298で支持固定するが前記図36の実施形態での方法で支持してもよい。また、同シリンダ295は池の後方に配置してもよい。図37の掻寄状態からロッド296が縮むと、台車260がF方向に前進し掻寄を行う。仮想線の状態でロッド296が伸びると第1レバー271がR方向に倒され、スクレーパ268が持ち上がり、そのあと、台車260が後方へ復帰運動をする。この繰り返し運動をする。299はガイドレール258の支架材である。
【0076】
図38は、ガイドレール258上に固定架台300を立設し、同架台300によりシリンダ295を支持した例を示す。
図39および図40は、固定架台302のフレームでシリンダ303を抱き込み保持するとともに同フレームを長く伸ばしてローラーガイド304としてローラー305を案内保持してロッド306・補助ロッド307を安定駆動させるようにしたものである。
【0077】
図41は、前後にシーブ310を備え内部のピストン311に連結して通したロープ312をシーブ310に掛け回した水圧式ロープシリンダ313によりロープ312に突設した係合片314の進退駆動により第1レバー271を応動させるようにしたものである。
【0078】
図42は、シリンダ317を左右1対のフレームでなるガイドレール258内スペースに設置し、そのロッド318が伸縮することでスクレーパ268と台車260の両応動を行うようにしたものである。すなわち、ロッド318と連動ロッド266間を連動部材319で連結してロッド318を伸縮することで第1レバー271が掻寄状態と戻り状態との間で切り換わるようにするとともに、台車260上に前後ストッパ320を備えて連動部材319が一定量動くことで前後ストッパ320のいずれかに交互に当って台車260を進退駆動するようにしたものである。
【0079】
図42においてはスクレーパ268が持ち上がって復帰した状態を実線で示す。この状態では、ロッド318が一杯まで伸び、ロッド318がa程縮むことで連動部材319と連動ロッド266および第1レバー271を介してスクレーパ268が垂直な掻寄状態になる。その時点で前側のストッパ320に連動部材319が当り、台車260を前方へと動かすことになる。ロッド318がb程縮むことで掻寄は終了し、こんどはロッド318がa程伸びることでスクレーパ268が持ち上がったあと、さらにb程伸びることで台車260は元の位置に復帰される。尚、図43では溝型鋼の溝を外側に向けたが、図44のように溝を内側に向けてガイドレールを構成してもよい。
【0080】
図45は、ガイドレール322上で連結パイプ323により進退自在とされた後台車324を備えるとともに前後複数のレバー325とスクレーパ326を備えたものにおいて、ガイドレール322の後部内にシリンダ327を設置したもので、特に、同シリンダ327のロッド328先端でレバー325の1つを応動させるようにして、台車324が矢印左方向に移動させたあとシリンダ327を池上から別途立直操作してのちヘッド329を緩めることでロッド328を引き抜き交換することができるようにしたものである。
【0081】
図46ないし図48は、上記でも説明したスカム掻寄装置の他の実施形態を示す。スカム除去装置400は、両端の連通トラフ401間に固定式のトラフ402を装架するとともに、同トラフ402に内倒れ式(トラフ402内に向けて倒れ出すようにしたもの)の堰403を上下動自在に装備してウエイト404により常時図46の左回りに付勢するようにしたものである。堰403は外倒れ式(トラフ402外に突き出すもの)のものでもよいし、堰403は、中空状で浮力を発生するタイプにしてもよい。
【0082】
406はガイドレールで、溝型鋼の左右一対を互いに離して溝を対向させる関係としたもので、同ガイドレール406は、側壁407間の上流側に装架した後ビーム408と、トラフ402を支持役としその上に設けられた前架台409と、前後間にあって池上を介して装架した中間ビーム410とで支持されている。中間ビーム410には、図48のように左右一対の吊り部材411を介してガイドレール406を固定支持してある。このガイドレール406は図47および図48に示すように、池幅中央を通るのではなく一側方にかなり偏った配置とされている。また、このガイドレール406の前後位置には、後述するスカムスクレーパを掻寄状態と戻り(非掻寄)状態とに切り換えるための吸収ばね412付きの切換ストッパ413が受け板414を介して固定されている。同ストッパ413はローラーを先端に備える。
【0083】
416は台車で、同台車416の左右両側には、図46に示すように、上ローラーと下ローラーの4点配置をなす走行ローラー417…を配備し、これらのローラー417…が左右のガイドレール406内に嵌まり合って前後に進退するようになっている。
【0084】
419は前スプロケット、420は後スプロケットで、これらのスプロケット419,420は、側壁407の面を介して固定したスプロケット受軸421回りに回転自在とされるとともに、同受軸421の後側の外周には、図示しない駆動源(フライト循環用としたものを流用可能)からの駆動チェーン422により回転駆動され後スプロケット420を同時回転させる従動スプロケット423を装備している。
【0085】
425は前後のスプロケット419,420間に掛けられた駆動チェーンで、リンクチェーンやワイヤーロープなどでもよい。同駆動チェーン425の1個所からは水平向きに駆動ローラー426が突設されて図46の矢印方向(左巻き回り)に循環運動するようになっている。同ローラー426は図示ではロッド状になっているが、実際にはローラー式のものになる。
【0086】
そして、前記台車416側からは、その底面から側方を介して立ち上がる前後2本で長短のロッド(あるいはローラー)が垂直に突設されており、そのうち短い前側が掻寄用突片428とされ、長い後側のものが戻し用突片429とされている。
【0087】
また、同台車416の後側(図46の左側)底面には、横架台430が固定され、同横架台430からは、図48に示すように、左右一対の固定ステー431が垂下されるとともに、同ステー431には、軸受432を介してスクレーパ軸433が回転自在に支持され、同スクレーパ軸433にスカムスクレーパ434を垂直・水平姿勢が得られるように回転自在に取り付けられている。スクレーパ軸433回りには、スクレーパ軸433を境に前後に自重切換可能な切換用ウエイト435が装備されている。このウエイト435に切換ストッパ413が当ることで切換がなされるようになる。
【0088】
さらに、台車416の前側からは、先端にカムローラー437を備えた支持アーム438が前向きに突設され、同カムローラー437は、前方の応動部材439を押し上げたり下げたりすることができるようになっている。応動部材439は、一端が堰403側の堰アーム440に、他端がガイドレール406上の固定ピン441側に結ばれ、その間はシーブ442で方向変換されるように掛けられている。
【0089】
図46ないし図48に実線で示す状態は沈澱池の上流側に非掻寄状態のスカムスクレーパ434が戻って切換ストッパ413に切換用ウエイト435が押し戻されて同スクレーパ434が垂直な掻寄状態に入った状態を示している。この際、応動部材439はフリーな状態にあるので、ウエイト404の下げ力により堰403が持ち上げられた堰止め状態にある。
【0090】
そして、駆動ローラー426は後スプロケット420の回りにあり、長い戻し用突片429から外れるタイミングにある。そののち、駆動ローラー426が下回りにきて水平なところまでくると、今度は短い掻寄用突片428に当り、この突片428を同行するようになる。そうなると、台車416も同行して図46の右であるF方向に移動させられる。一方、切換用ウエイト435の方は、F方向に対応した前寄りに図示しないストッパにより位置しているので、垂直な掻寄状態を保ちながら切換ストッパ413から離れてゆき、スカムスクレーパ434はF方向にスカムの掻き寄せを始める。
【0091】
駆動ローラー426が前スプロケット419の下回りにくると、短い掻寄用突片428を前方へ押しやりながら同突片428から次第に外れてゆくようになる。そうした経過の中で、カムローラー437が応動部材439を押し上げて堰403を引き下げるようにし、これにより、掻き寄せられたスカムがスカム除去装置400内に誘引されてゆくとともに、それまで実線のように掻寄状態にあったスカムスクレーパ434は、前側の切換ストッパ413が切換用ウエイト435を後方へ押しやることでスカムスクレーパ434は持ち上げられて非掻寄状態(戻し状態)に切り換えられる。
【0092】
駆動ローラー426が前端位置から上方へ回ると、同ローラー426が掻寄用突片428から外れ、今度は長い戻し用突片429に当ってそれを同行するようになる。戻し用突片429が後方(R方向)へ少し動き始めると、台車416も同じ方向へ動き出し、スカムスクレーパ434は、図示しないストッパで水面444上で水平状態に保持されたスカムスクレーパ434はその状態のまま図46のR方向に戻されてゆく。それと相前後して、カムローラー437が応動部材439から外れ、堰403はウエイト404により浮上復帰して堰き止め状態になっている。こうしたサイクルを繰り返すことで、水面444上のスカムはスカム除去装置400内に誘引されることになる。
【0093】
尚、前記実施形態では、長短の突片428,429が各1本ずつ独立して突設されていたが、例えば、両突片428,429を同じ長さにしてその上端同士を連結してもよく、強度アップにつながる。
【0094】
図49は、他の実施形態を示す平面図で、前・後スプロケット446,447がブラケット448の下側に位置して縦軸回りに回転自在に支持されるとともに、駆動チェーン449に備えた駆動ローラー450が下向きに突出したものとされ、このローラー450に係脱する位置関係で、台車451から掻寄用突片452と戻し用突片453が突出しているものである。
【0095】
図50(平面図)および図51(縦断側面図)は、他の実施形態を示し、ガイドレール455に走行ローラー456を介して進退自在とした台車457の上側(あるいは下側)に対応して縦軸回りに回転する前後のスプロケット458,459を配置し、これらに駆動チェーン460を掛けて同チェーン460から駆動ローラー461を突設するとともに、台車457側には、駆動ローラー461に交互に当るような幅のある戻し用突片462と幅の短い掻寄用突片463とを備えたものである。ガイドレール455は池の幅中央などに配置してもよい。464はスカムスクレーパである。
【0096】
図の実線状態は、駆動ローラー461が戻し用突片462に当ることで台車457が戻されるとともにスカムスクレーパ464が今度は掻寄状態に切り換えられた状態を示す。駆動ローラー461がさらに回転すると、掻寄用突片463に当り、台車457を右方向である掻寄方向に同行してゆく。台車457が仮想線のようになると、駆動ローラー461が掻寄用突片463から外れ、今度は戻し用突片462に当って台車457を持ち上げ状態のスカムスクレーパとともに左方向に復帰させてゆく。
【0097】
図52は、他の実施形態を示す。同実施形態は、ウエイト467つき堰468を押し下げる他の方式を示し、台車469からアーム470を突設し、同アーム470の先端に押し下げ部材471を備えて堰468を台車469の進出とともに押し下げるようにしたものである。台車469の後退とともにウエイト467により堰468は浮上復帰する。ウエイト467をローラーにして持ち上げるようにしてもよい。472はトラフである。
【0098】
図53は、他の実施形態を示し、同実施形態は、側壁474上を介して吊りビーム475を装架固定し、同ビーム475から吊り部材476を介してガイドレール477を固定してそれに走行ローラー478を介して台車479を進退自在とし、台車479に支持台480を介して切換用ウエイト481付きのスカムスクレーパ482を装備したもので、特に、ガイドレール477を池幅中央など側壁474から離れたところに配置するとともに、吊りビーム475から支持ステー483を介して受けパイプ484を支持し、同パイプ484の各端部に、駆動源485により駆動される従動スプロケット486と後スプロケット487とを配備してこれらを連動する関係にしたものである。後スプロケット487に掛けられた駆動チェーン488には駆動ローラー489がまた台車479からは戻し用突片490が突設されている。
【0099】
図54は、駆動源493からスカム掻寄装置側への連動方式を示すもので、駆動源493に備えた回転板494に突起495を備えてラチェット式変換装置496の入力軸497に連結した揺動アーム498が長孔を介して往復揺動運動をするようにし、入力軸497の往復回転はラチェット式変換装置496を介して駆動スプロケット499を連続回転可能とし、さらにチェーン500を介して前記したようなスカム掻寄装置の動力として伝達可能に構成したものである。こうした駆動方式は、池底に設置したガイドレールに添って進退し池底に溜まる汚泥をピットの方向に掻き寄せるように構成するモノレール式汚泥掻寄装置の駆動にも利用できる他、円形沈澱池内の底部に回転自在に装備される汚泥掻寄装置の駆動にも利用される。同円形沈澱池の汚泥掻寄装置としては、池中央の駆動軸を回転駆動するタイプのほかに、円形沈澱池の底周部に添って回転自在に配置した周駆動リングをその周位において噛み合い駆動するピニオンを備えた方式のものにも適用がある。
【0101】
図55に示す駆動方式も前記のようなスカム掻寄装置や汚泥掻寄装置などに適用がある。
すなわち、工業用水などの低圧水をポンプ502により送り、それを電磁式切換弁503により切換制御して第1シリンダ504内の第1ピストン505を往復動作自在とするとともに、そのロッド506を介して第2シリンダ507の第2ピストン508をブースタ方式で増圧化し、その往復運動をアーム509の往復揺動運動に切り換えてのち、ラチェット式変換装置510を介して駆動スプロケット511を駆動し駆動チェーン512を循環駆動するようにしたものである。
【0102】
図56は、ブースタ514の第2シリンダ515に第1チェック弁516を介して水あるいは油を導入可能にする一方、第2チェック弁517を介してアキュームレータ518に加圧分を貯留可能にしたものであり、その加圧貯留分により電磁式切換弁519を介して作動シリンダ520を往復運動させてこれを動力源とするように構成したものである。
【0103】
図57は、スカム除去装置に関するもので、従来から固定式トラフは、底板部と前板部および後板部523を備えた樋状をしたものでなっているが、同トラフの後板部523と図57の歩廊壁524との間に一定の間隙525が存するため、そこに浮上したスカムが溜まって腐り悪臭発生の原因となっていた。
【0104】
そこで、図57にみるように、間隙525内に浮上したスカムが多量に溜まらないようにまず底板部526を前上がり状をした新規なものに替えて矢印のようにスカムがトラフの前方へ誘導されるようにしたもので、それとともに間隙525をその下開口において塞ぎスカムを前方へ誘導するための閉止ガイド板527を底板部526後端に止め付けて歩廊壁524の方へ下がり傾斜するように配したものである。同閉止ガイド板527は、当然ながら図の長手方向に亘るものである。この場合、底板部526を前上がり状にする方式と閉止ガイド板527を設ける方式とは個別に採用できるとともに、両方式を図のように併用することもできる。閉止ガイド板527に代えてあるいはガイド板527とともに、発泡樹脂などの充填材を配してもよい。
【0105】
図58(平面図)および図59(縦断側面図)は、歩廊壁530と後板部との間隙が図57の場合よりも広く開いているものに対して、後板部531を歩廊壁530の方へ接近させた幅広型のものにして新設するとともに、底板部532を前上がり状にし、かつ、後板部531と歩廊壁530間に貯留阻止手段であるパッキン533を介装したものである。パッキン533は、ゴム板や発泡樹脂あるいはモルタルその他などから選択する。図57の閉止ガイド板のようなものでもよい。534は連通トラフである。
【0106】
図60は、連通トラフ536が歩廊壁537のかなり前方に位置し、通常幅のトラフを設置すると、その後方域に広い間隙ができる場合に対処したもので、図のようにトラフ538を平面コの字形の樋状のものにしてその両端を連通トラフ536に接続して後部が歩廊壁537に近接するように配備したものである。そして、同トラフ538の凹む個所の前面には、堰539を浮沈自在に装備したものである。このものにおいても、図59のような芽上がり状の底板部を形成したり背部間隙540内にスカムが入り込まないようにする。それは、閉止板や発泡樹脂などによる。541はトラフブラケットである。
【0107】
図61は、既設のトラフ543は水平な底板部544をもつものであるが、その下端と歩廊壁545間を閉止ガイド板546で塞ぎかつ間隙547内に発泡樹脂などの充填物548を入れて既設のものでも対処可能であることを示すものである。仮想線のように閉止ガイド板546を底板部544の前端から歩廊壁545間を前上がり状につなぐものにしてもよい。
【0108】
図62は、既設あるいは新設のトラフ551と歩廊壁552との間隙553にその底面を塞ぐ閉止ガイド板554をトラフ551側に固定して装備し、さらに間隙553内の汚濁水を常に浄化するための新規水供給装置554と汚濁物排除装置555を装備したものである。557は排除ポンプであり、汚濁物はトラフ551内に排除されるようになっている。
【0109】
図63は、既設あるいは新設トラフ559と歩廊壁560間の間隙561内の浮上スカムの侵入を閉止板562で阻止するとともに、たとえ侵入しても上下振動軸563による攪拌体564の上下運動により悪臭発生までには至らないようにしたものである。攪拌体564の上下には、循環してくるフライト565の運動を利用してこれに応動する連動カム566によるものでもよいし、仮想線のように池底でフライト567に付設のローラー568による連動で持ち上がり倣い部材569、上下伝達部材570と連動アーム571を介して堰572を押し下げ連動させるようにした池底駆動機構573に付設の後アーム574により上下振動させるように構成してもよい。尚、攪拌体564は、複数配したり、それ自体に孔を開けたり外周に螺旋羽根を設けたりしてもよい。前記では池底からの動力で振動させるようにしたが、水面上に倣い部材を配して堰572を押し下げるようにした池上駆動機構に連動させるようにしてもよいことは勿論である。
【0110】
図64は、専用のシリンダである駆動源576により攪拌体577を上下振動させるようにしたものを示しているが、同駆動源はモーターにより回転駆動されるクランク板578でもよい。
【0111】
図65および図66は、堰580を連結ロッド581で上下するように備えたトラフ582の後板部583の幅方向中央などの一部に補助流入口584を開口し、同口584を通じて後部のスカムを呑み込む補助堰585を備えて、前部の堰580とは別の駆動系により浮沈させ得るように構成したものである。尚、トラフ582と歩廊壁586との間には閉止板587を備えたり、トラフ底面を前上がり傾斜させたりしてもよい。尚、補助堰585に、上下振動する攪拌体を付設してもよい。
【0112】
図67は、トラフ589と歩廊壁590との間に、閉止ガイド板591を渡架し、そのガイド板591にイオン塗料や波動塗料、あるいは酸化チタン塗料や触媒塗料などを付したもの592を付設して対処してもよいし、活性炭装置593をぶら下げてもよい。また、上方に紫外線照射ランプ594を配してもよい。
【0113】
【発明の効果】
請求項1記載の発明方法は、池長手方向一端の汚泥ピット上方位置から整流化した状態で汚水を矩形沈澱池等の処理池内に流入させて池底上に沈澱させた汚泥を掻寄部材により汚泥ピット内に落とし込むように構成した汚泥掻寄方法であって、池底上における汚泥ピット寄りに沈澱した汚泥を他の汚泥に比し重点的に汚泥ピット側へ掻き寄せるようにするので、稼動ロスを極力少なくすることのできる汚泥掻寄方法ならびにその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す掻寄装置装備の池の全体平面図。
【図2】図1の掻寄装置の縦断側面図。
【図3】他の実施形態を示す側断面図。
【図4】他の実施形態を示す側断面図。
【図5】他の実施形態を示す側断面図。
【図6】他の実施形態を示す平面図。
【図7】図6の側断面図。
【図8】図9のVIII−VIII線断面図。
【図9】図8の平面図。
【図10】図8の作動説明図。
【図11】図8の作動説明図。
【図12】掻寄突片と循環ローラーとの関係を示す横断面図。
【図13】図8の作動説明図。
【図14】図8の作動説明図。
【図15】図8の作動説明図。
【図16】図8の作動説明図。
【図17】図8の作動説明図。
【図18】他の実施形態を示す縦断面図。
【図19】他の実施形態を示す縦断面図。
【図20】他の実施形態を示す側断面図。
【図21】他の実施形態を示す側断面図。
【図22】他の実施形態を示す縦断面図。
【図23】他の実施形態を示す側断面図。
【図24】他の実施形態を示す側断面図。
【図25】他の実施形態を示す側断面図。
【図26】図25のP−P線断面図。
【図27】他の実施形態を示す側断面図。
【図28】他の実施形態を示す側断面図。
【図29】他の実施形態を示す側断面図。
【図30】他の実施形態を示す側断面図。
【図31】汚泥掻寄装置についての他の実施形態を示す側断面図。
【図32】図31の横断面図。
【図33】他の実施形態を示す側断面図。
【図34】図33の平面図。
【図35】図36の平面図。
【図36】図35の中央縦断側面図。
【図37】他の実施形態を示す縦断側面図。
【図38】他の実施形態を示す縦断側面図。
【図39】他の実施形態を示す要部側面図。
【図40】図39のQ方向からの矢視図。
【図41】他の実施形態を示す縦断側面図。
【図42】他の実施形態を示す縦断側面図。
【図43】図42のM−M線断面図。
【図44】他の実施形態を示す縦断正面図。
【図45】他の実施形態を示す縦断側面図。
【図46】スカム掻寄装置の他の実施形態を図47のL−L線に対応して示す断面図。
【図47】図46の平面図。
【図48】図47のN−N線断面図。
【図49】スカム掻寄装置の他の実施形態を示す平面図。
【図50】スカム掻寄装置の他の実施形態を示す平面図。
【図51】図50の側断面図。
【図52】スカム掻寄装置による堰連動機構の他の実施形態を示す側断面図。
【図53】池幅中央にガイドレールを配置しスプロケットの連動をさせた他の実施形態を示す縦断面図。
【図54】駆動源からラチェット変換によりスカム掻寄装置を駆動するようにした他の実施形態を示す正面図。
【図55】低圧から高圧に変換するブースターとラチェット変換装置を組み合わせてスカム掻寄装置を駆動する他の方式を示す説明図。
【図56】ブースターとアキュームレータを組み合わせてスカム掻寄装置を駆動する方式を示す説明図。
【図57】トラフ裏にスカムが溜まるのを防止する案を示す側断面図。
【図58】トラフと歩廊壁間が距離的に離れる場合の対処案を示す平面図。
【図59】図58の側断面図。
【図60】トラフと歩廊間が更に離れている場合の対策案を示す平面図。
【図61】既設トラフの裏側にスカムが溜まるのを防止する案を示す側断面図。
【図62】トラフ裏にスカムが溜まるのを新規水の供給と汚濁水の排除により対処するようにした案を示す側断面図。
【図63】上下振動方式によりトラフ裏のスカムを分解するようにした案を示す側断面図。
【図64】他の上下振動方式を示す側断面図。
【図65】トラフ裏のスカムを適宜にトラフ内を通じて排除する案を示す側断面図。
【図66】各種のスカム対処方式を示す側断面図。
【符号の説明】
A…第1掻寄装置 B…第2掻寄装置 1…沈澱池 6…汚泥ピット
7…整流孔 22,23…掻寄部材 25…駆動源。

Claims (4)

  1. 池長手方向一端の汚泥ピット上方位置から整流化した状態で汚水を矩形沈澱池等の処理池内に流入させて池底上に沈澱させた汚泥を掻寄部材により汚泥ピット内に落とし込むように構成した汚泥掻寄方法であって、池底上における汚泥ピット寄りに沈澱した汚泥を他の汚泥に比し重点的に汚泥ピット側へ掻き寄せるようにする汚泥掻寄方法。
  2. 左右側壁の対向する方向に直交する方向を長手方向としその長手方向一端に汚水を整流化して流入させる整流手段とその下方池底に形成された汚泥ピットとを備えた矩形沈澱池等の処理池に構成して、池底に添った掻寄部材の掻き寄せ動作により池底の汚泥を前記汚泥ピットの方向に掻き寄せて同ピット内に掻き落とすようにする汚泥掻寄装置であって、装置が前記長手方向に前後複数段階の掻寄装置に分けて構成されて、最も汚泥ピット側の掻寄装置が時間当りの掻寄能力が大きく反ピット側にゆくにしたがって時間当りの掻寄能力が小さくして駆動されるようになっていることを特徴とする汚泥掻寄装置。
  3. 請求項2記載のものにおいて、装置が汚泥ピット側の第1の掻寄装置と同装置よりも反汚泥ピット側となる第2の掻寄装置とで構成され、これら両掻寄装置は単一の駆動源により同時駆動関係で駆動されるようになっている汚泥掻寄装置。
  4. 請求項2記載のものにおいて、池底には、汚泥ピットの方向に低くなった段差が形成され、同段差を介して前段階の掻寄装置からの汚泥が流しつながれて次の後段階の掻寄装置に受け渡されるようになっている汚泥掻寄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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