JP2004105493A - フェルト針保持具及びこれを用いた刺繍縫いミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】繊細でかつ細かな模様、しかも曲線的な模様を表出させることができるようにする。
【解決手段】フェルト針が収容される凹部2aが形成された針受け部2と、この凹部に対峙する弾性片3aが周方向に複数設けられた針保持部3と、弾性片を針受け部に向けて弾性変形させて凹部と弾性片との間でフェルト針を狭持させる押圧部5とを備えた。
上記フェルト針保持具1と、フェルト針保持具を直線往復運動させる直線往復運動機構10と、布地をほぼ平面内で移動させる布移動機構30とを備えた。布移動機構30が、布地を押えて移動させる押え金31と、押え金を平面に対してほぼ平行に往復移動させる平行往復移動機構40と、押え金を平面にほぼ直交する方向に往復移動させる直交往復移動機構50と、平行往復移動機構40と直交往復移動機構50とを連動させ押え金にループ状の運動をさせて布地を移動させる連動機構60とを備えた。
【選択図】 図4
【解決手段】フェルト針が収容される凹部2aが形成された針受け部2と、この凹部に対峙する弾性片3aが周方向に複数設けられた針保持部3と、弾性片を針受け部に向けて弾性変形させて凹部と弾性片との間でフェルト針を狭持させる押圧部5とを備えた。
上記フェルト針保持具1と、フェルト針保持具を直線往復運動させる直線往復運動機構10と、布地をほぼ平面内で移動させる布移動機構30とを備えた。布移動機構30が、布地を押えて移動させる押え金31と、押え金を平面に対してほぼ平行に往復移動させる平行往復移動機構40と、押え金を平面にほぼ直交する方向に往復移動させる直交往復移動機構50と、平行往復移動機構40と直交往復移動機構50とを連動させ押え金にループ状の運動をさせて布地を移動させる連動機構60とを備えた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、フェルト針を布地に差し込んで起毛して布地に模様を形成させる刺繍縫いミシン及びこれに用いられるフェルト針保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ニードルパンチマシンと呼ばれるものがある。このものは、ニードル針を布地に差し込む機構と布地を直線的に移動させる機構とを備え、ニードル針を布地に突き刺して布地を毛羽立たせて、従来の刺繍では不可能であった刺繍感覚の模様を表出させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかるニードルパンチマシンでは、布地を直線的に移動させるようにしているので直線的な模様しか表出させることができず、さらには多数のニードル針を一度に布地に突き刺すようにしているので繊細でかつ小さな模様を表出することができなかった。
【0004】
かかる事情に鑑みてなされたもので、繊細でかつ細かな模様、しかも曲線的な模様を表出させることができる刺繍縫いミシン及びこれに用いられるフェルト針保持具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のフェルト針保持具は、フェルト針が収容される凹部が形成された針受け部と、当該針受け部の凹部に対峙する弾性片が周方向に複数設けられた針保持部と、当該針保持部の弾性片を前記針受け部に向けて弾性変形させて前記針受け部の凹部と針保持部の弾性片との間でフェルト針を狭持させる押圧部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
本フェルト針保持具によれば、少ないフェルト針を小さな部分に配置することができ、繊細でかつ細かな模様を表出させることができる。
【0007】
本発明の請求項2記載のフェルト針保持具は、前記針保持部にはねじ部が形成され、前記押圧部には前記針受け部のねじ部に螺合するねじ部が形成され、針保持部の弾性片又は前記押圧部には螺合された際に前記弾性片を前記針受け部側に弾性変形させるテーパー面がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0008】
本フェルト針保持具によれば、押圧部を針保持部に螺合させることにより針保持部の弾性片を弾性変形させて針受け部の凹部と針保持部の弾性片との間にフェルト針をしっかりと狭持することができる。
【0009】
本発明の請求項3記載のフェルト針保持具は、前記針受け部には周方向にほぼ等間隔で6個の凹部が形成され、前記針保持部の弾性片は周方向に3分割され、各弾性片は2個の凹部に対峙していることを特徴とする。
【0010】
本フェルト針保持具によれば、6本のフェルト針が円形状に配置され、繊細でかつ細かな模様を表出させることに使用することができる。3個の弾性片を押圧するので隙間なく確実に弾性変形させることができ、各弾性片は針受け部の凹部に収容された2本のフェルト針を保持するので、隙間なく確実にフェルト針を保持することができる。
【0011】
本発明の請求項4記載の刺繍縫いミシンは、上記フェルト針保持具と、当該フェルト針保持具を直線往復運動させる直線往復運動機構と、布地をほぼ平面内で移動させる布移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本刺繍縫いミシンによれば、直線往復運動機構によりフェルト針を布地に突き刺して起毛させて模様を表出させることができ、同時に布移動機構を作動させて布地を平面内で、直線的若しくは曲線的に移動させることにより、直線的若しくは曲線的な模様を表出させることができる。
【0013】
本発明の請求項5記載の刺繍縫いミシンは、前記フェルト針の直線往復運動によりコードを布地内に挿入していくコード挿入機構を備えたことを特徴とする。
【0014】
本刺繍縫いミシンによれば、フェルト針を布地に突き刺すと同時にコードを布地に突き刺して挿入することにより、コードを布地内に残留させてフェルト針自身による模様の他にコードによる模様の表出を図ることができる。
【0015】
本発明の請求項6記載の刺繍縫いミシンは、前記布移動機構が、布地を押えて移動させる押え金と、当該押え金を前記平面に対してほぼ平行に往復移動させる平行往復移動機構と、前記押え金を前記平面にほぼ直交する方向に往復移動させる直交往復移動機構と、前記平行往復移動機構と直交往復移動機構とを連動させて前記押え金にループ状の運動をさせ布地を移動させる連動機構とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本刺繍縫いミシンによれば、連動機構により押え金をループ状に移動させて、当該押え金により布地を移動させることができる。
【0017】
本発明の請求項7記載の刺繍縫いミシンは、平行往復移動機構をミシン本体に設けられた回転ハンドルの回転に連動させて回転させる連動回転機構を備えたことを特徴とする。
【0018】
本刺繍縫いミシンによれば、回転ハンドルを回転させると平行往復移動機構が連動して回転させられ、平行往復移動機構による布地の移動方向が回転させられて、布地の移動方向が回転させられ、連動回転機構により回転させる前に対して角度を持った方向に布地が移動させられ、角度を持った方向に模様が表出される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るフェルト針保持具及びこのフェルト針保持具を用いた刺繍縫いミシンについて説明する。
【0020】
図1〜図3に示すように、本フェルト針保持具1は、フェルト針が収容される凹部2aが形成された針受け部2と、当該針受け部2の凹部2aに対峙した弾性片3aが周方向に複数設けられた針保持部3と、当該針保持部3の弾性片3aを針受け部2に向けて弾性変形させて針受け部2の凹部2aと針保持部3の弾性片3aとの間でフェルト針4を狭持させる押圧部5とを備えて概略構成される。
【0021】
図示するものは、前記針受け部2には周方向にほぼ等間隔で6個の凹部2aが形成され、針保持部3の弾性片3aは周方向に3分割され、各弾性片3aは針受け部2の2個の凹部2aに対峙している。
【0022】
前記針保持部3の基端部外周にはねじ部3bが形成され、押圧部5の基端部内周には針保持部3のねじ部3bに螺合するねじ部5bが形成されている。針保持部3の弾性片3aの外面及び押圧部5の先端部内周には螺合された際に弾性片3aを針受け部2側に弾性変形させるテーパー面3c,5cが形成されている。
【0023】
前記針受け部2の基端部には円柱部2bが形成され、針保持部3の基端部には当該円柱部2bが挿入される貫通孔3dが形成され、当該貫通孔3d内又は針受け部2の円柱部2bの外周面に接着剤を塗布した後、これらを挿入して相互に一体化している。針保持部3の基端部には、隣接する弾性片3b間の間隙からカッターなどで形成された溝部3eが形成されている。
【0024】
前記フェルト針4は、例えばオルガンフェルト針として販売されているものが使用される。オルガンフェルト針は針先端側に刺状のバーブやキックアップがプレス加工などにより形成されたものである。そして、市販品を必要に応じて針中間部で切断してハーブやキックアップが形成された先端側のみを使用する。特にオルガンフェルト針のうち中間ブレードを有するものは、その中間ブレード上部で切断するようにすると針先端側を長く使用することができるので好適である。
【0025】
そして、針受け部2、針保持部3及び押圧部5を組み合わせたサブアッシー品は、その針保持部3の基端部を針棒パイプ24の先端に挿入し、針保持部3の基端部に形成されたねじ部3fにボルト3gをねじ込んで固定される。
【0026】
本フェルト針保持具1によれば、少ないフェルト針4を小さな部分に配置することができ、後述する刺繍縫いミシンに使用すれば、繊細でかつ細かな模様を表出させることができる。
【0027】
押圧部5のねじ部5bを針保持部3のねじ部3bに螺合させることにより、それぞれに形成されたテーパー面3c,5cを介して針保持部3の弾性片3aを弾性変形させて針受け部2の凹部2aと針保持部3の弾性片3aとの間にフェルト針をしっかりと狭持することができる。
【0028】
本フェルト針保持具1では、針受け部2に6本のフェルト針4が円形状に配置され、繊細でかつ細かな模様を表出させるために使用することができる。また、3個の弾性片3aを押圧するので弾性片を隙間なく確実に弾性変形させることができ、各弾性片3aでは2本のフェルト針4を保持するので、隙間なく確実にフェルト針を保持することができる。
【0029】
次に、上述したフェルト針保持具1を用いた刺繍縫いミシンについて説明する。
【0030】
本刺繍縫いミシンは、上記したフェルト針保持具1と、当該フェルト針保持具1を直線往復運動させる直線往復運動機構10と、布地をほぼ平面内で移動させる布移動機構30とを備えて概略構成される。また、フェルト針4の直線往復運動によりコードを布地内に挿入していくコード挿入機構80を備えている。
【0031】
前記直線往復運動機構10は、図4及び図6に示すように、以下のように構成される。
【0032】
すなわち、回転駆動されるメインシャフト11にタイミングプーリー12が止めねじ12aにより固定されている。ミシン本体には支持部材13がボルト13aにより固定されている。支持部材13には軸受穴13bが形成され、軸受穴13b内にはシャフト14が回転自在に挿入されている。シャフト14の図中右側端部にはタイミングプーリー15が止めねじ15aにより固定されている。前記タイミングプーリー12とタイミングプーリー15との間にはタイミングベルト16が架け渡されている。
【0033】
シャフト14の図中左端部には、針棒クランク17が止めねじ17aにより固定されている。針棒クランク17の下端部に形成された貫通孔内には針棒クランクピン18が挿入されて固定されている。針棒クランクピン18にはカムローラー19がはめ込まれ、カムローラー19は、針棒作動カム20の形成されたカム溝20a内に摺動自在に挿入されている。針棒作動カム20は止めねじ20bにより針棒作動スライダー21の上端部に固定されている。当該止めねじ20bは針棒作動スライダー21を貫通して針棒作動二股部材22に形成されたねじ部にねじ込まれて、針棒作動カム20と針棒作動二股部材22とは針棒作動スライダー21に一体的に固定されている。
【0034】
図4及び図9に示すように、ミシン本体には、針棒アーム28がスプリングピン28d,28e及びボルト28a,28b,28cにより取り付けられている。針棒アーム28の貫通孔28f,28gには、概略筒状の針棒スリーブ23(図7参照)が取り付けられている。貫通孔28fには針棒スリーブ押え板28hが止めねじ28iにより固定されている。図4及び図7に示すように、この針棒スリーブ23内には概略筒状の針棒パイプ24が進退移動可能に挿入されている。針棒スリーブ23の図中上部にはスリット23aが形成されている。このスリット23aには針棒作動リンクセット25が取り付けられる。
【0035】
すなわち、図7に示すように、針棒作動リンクセット25は、針棒パイプ24の外周で、かつ、針棒スリーブ23の内側に配置される針棒作動リンク角駒26と、針棒スリーブ23の外周に配置される針棒作動リンク27とからなり、針棒作動リンク27に長さ方向に3個配置された貫通孔から止めねじ26a,26bを通して、針棒作動リンク角駒26に形成されたねじ穴にねじ込んで仮止めし、針棒作動リンク角駒26と針棒作動リンク27とを、針棒作動リンク角駒26のねじ部が針棒スリーブ23のスリット23a内に挿入されるように取り付ける。この後、止めねじ26aを締め付けて針棒作動リンク角駒26を針棒スリーブ23に固定するとともに、止めねじ26bを締め付けて針棒作動リンク角駒26の中間部を圧縮して針棒作動リンク角駒26を変形させて針棒パイプ24に針棒作動リンク角駒26を固定する。
【0036】
前記針棒作動リンク27の図中下部には周溝27aが形成され、この周溝27a内には、前記針棒作動二股部材22の図中下部に形成された爪部22aが挿入される。この状態で、止めねじ26aを本締めして針棒作動リンク27及び針棒作動リンク角駒26とを針棒パイプ24に固定する。これにより、メインシャフト11の回転に連動して針棒パイプ24が図中上下方向に往復運動する。
【0037】
前記布移動機構30は、図4、図5、図7及び図8に示すように、以下のように構成される。すなわち、布地を押える押え金31と、当該押え金31をミシン本体のベッド平面に対してほぼ平行に往復移動させる平行往復移動機構40と、押え金31をベッド平面にほぼ直交する方向に往復移動させる直交往復移動機構50と、前記平行往復移動機構と直交往復移動機構とを連動させて前記押え金にループ状の運動をさせて布地を移動させる連動機構60とを備えて概略構成される。また、前記平行往復移動機構40をミシン本体に設けられた回転ハンドルの回転に連動して回転させる連動回転機構70を備えている。
【0038】
前記押え金31は、図5及び図8に示すように、リング状部材31aの図中下面にはめ込まれたゴム製のリング部材31bと、リング状部材31aから図中上方に延設されたアーム部31cとからなる。当該アーム部31cは、押え金取付レバー32の下端部に、枠状の締め金33と締め金33にねじ込まれた止めねじ33aとにより取り付けられている。
【0039】
前記平行往復移動機構40は、以下のように構成される。すなわち、図4及び図7に示すように、送りレバー土台41が針棒スリーブ23の外周面に挿入され、止めねじ41aにより針棒スリーブ23に固定されている。送りレバー土台41には、送りレバー41dがピン41eによりピン41eを中心として揺動自在に取り付けられている。送りレバー41dは、送りレバー土台41に止めねじ41cにより取り付けられた復帰用のコイルスプリング41bにより元の位置に復帰付勢されている。
【0040】
送り作動リンク42が針棒スリーブ23の外周面に摺動自在に挿入され、送り作動リンク42の外周面に形成されたテーパー面42aに前記送りレバー41dの図中上端部が乗り上げる状態となるように配置されている。
【0041】
図5に示すように、送り作動リンク42の上端部付近に形成された周溝42cには送り作動二股部材43が挿入されており、送り作動二股部材43には、図示しない機構により図中上下方向に往復運動させられるロッド44が固定されている。
【0042】
前記押え金取付レバー32の中間部にはリング状の案内部材取付部46が形成されている。この案内部材取付部46には、送りレバー受け金案内部材45が取り付けられている。図8に示すように、送りレバー受け金案内部材45の外周面には、切欠部45aが形成されており、この切欠部45aに前記送りレバー41dの先端部付近が挿入されている。なお、送りレバー受け金案内部材45の図中下面にはキャップ45bが止めねじ45cにより固定されている。
【0043】
前記直交往復移動機構50は、以下のように構成される。すなわち、図8に示すように、前記押え金取付レバー32の図中上端部には、止めねじ32aにより押え取付レバー二股部材32bが取り付けられている。押え金取付レバー32にほぼ平行に沿って押え作動レバー35が配置され、押え作動レバー35の中間部に形成された突起部35aには図示しない機構が当接させられて、押え作動レバー35は、図中上下方向に往復運動させられる。この往復運動が図示しない機構を介して押え作動レバー二股部材32bに伝達されて、前記押え金取付レバー32が図中上下方向に往復運動させられる。
【0044】
前記連動機構60は、メインシャフト11の先端に取り付けられたカム61を用いて、前記平行往復移動機構40及び直線往復運動機構50による作動タイミングをそれぞれ同期させる機構により構成される。
【0045】
前記連動回転機構70は、以下のように構成される。すなわち、図4に示すように、ミシン本体には、送り回転横シャフト71が回転自在に取り付けられている。この送り回転横シャフト71の図示しない端部はミシン本体の底部に設けられた図示しない回転ハンドルに歯車群を介して連結されている。送り回転横シャフト71の他端部には送り回転歯車72が止めネジ72aにより固定されている。ミシン本体には送り回転シャフト73が回転自在に取り付けられている。送り回転シャフト73の一端には前記送り回転歯車72と噛み合う送り回転歯車74が止めネジにより固定されている。送り回転シャフト73の他端には、ベベルギヤー74がスプリングピン74aにより取り付けられている。針棒スリーブ23の外周面には前記ベベルギヤー74と噛み合うベベルギヤー75が挿入され、ベベルギヤー74と噛み合わせた状態で止めネジ75aにより針棒スリーブ23の外周面に固定されている。
【0046】
前記コード挿入機構80は以下のように構成される。すなわち、針棒スリーブ23の上端部にはコード車取付土台81が止めネジ81aにより固定されている。コード車取付土台81にはコード車取付板82が止めネジ82aにより取り付けられている。コード車取付板82の両端部にはコード車支持棒83,84がナット83a,84aにより片持ち状態で取り付けられている。以下図示しないが、コード車支持棒83,84の上端部にはコードが巻き取られたコード車の心棒を支持する軸受部が形成され、これら軸受部間に心棒が架橋されてコード車が支持される。コード車から繰り出されたコードは針棒パイプ24内に挿入される。
【0047】
針棒パイプ24の先端部付近には、図7に示すように、管壁を一部切り欠いて形成されたコード出口24aが開口している。図9に示すように、針棒アーム28の下部に設けられた貫通孔28gには、針棒アームブッシュ85が圧入されており、針棒アームブッシュ85にはニップル作動スリーブ86が回転自在に挿入されている。ここで、ニップル作動スリーブ86の内側には、針棒パイプ24の外周面の一部に沿うように湾曲した駒部材がニップル作動スリーブ86の外側から挿入された止めねじにより固定され、当該駒部材は針棒スリーブ23の壁部を図中下端から図中上方に向けて切り欠いて形成された切欠部内に摺動自在に挿入されている。これにより、針棒スリーブ23の回転力は前記駒部材を介してニップル作動スリーブ86に伝達されてニップル作動スリーブ86が回転させられるとともに、ニップル作動スリーブ86は、前記駒部材が前記切欠部内で摺動することにより針棒スリーブ23に対して図中上下方向に相対移動できる。
【0048】
ニップル作動スリーブ86の先端にはニップル取付ブロック87が止めネジ87aにより固定されている。ニップル取付ブロック87の端部にはニップル88が止めネジ88aにより固定されている。ニップル88の先端にはほぼ90度折り曲げられた折曲部88bが形成され、当該折曲部88bにはフェルト針4及びコードが挿通させられる貫通孔88cが形成されている。
【0049】
前記ニップル作動スリーブ86の上端部付近には周溝86aが形成されている。周溝86a内にはニップル作動二股部材89が挿入されている。図8に示すようにニップル作動二股部材89の端部にはニップル作動ロッド89aが固定されている。ニップル作動ロッド89aの中間部にはピンネジ89bがねじ込まれている。ニップル作動ロッド89aは図示しない機構により図中上下方向に往復運動させられ、それに伴ってニップル88が図中上下方向に往復運動させられる。
【0050】
図面に基づいて本発明の実施の形態に係る刺繍縫いミシンの動作について説明する。
【0051】
メインシャフト11が時計回りに回転駆動されると、回転変位がタイミングプーリー12、タイミングベルト16を介してタイミングプーリー15に伝達され、針棒クランクシャフト14が時計回りに回転駆動される。この回転に伴って針棒クランク17が回転駆動され、針棒クランク17に固定された針棒クランクピン18及びカムローラー19が針棒作動カム20のカム溝20a内で運動し、針棒作動スライダー21及び針棒作動二股部材22が図中上下方向に往復運動させられる(図中2点鎖線参照)。針棒作動二股部材22は針棒作動リンク27の周溝27a内に挿入されているので、針棒作動リンク27が図中上下方向に往復運動させられる。針棒作動リンク27には針棒作動リンク角駒26を介して針棒パイプ24が固定されているので、針棒パイプ24は図中上下方向に往復運動させられる。針棒パイプ24の先端にはフェルト針保持具1が固定されているので、針棒パイプ24の往復運動に伴ってフェルト針4が図中上下方向に往復運動し、ミシン本体のベット上に置かれた布地にフェルト針4が突き刺さる。
【0052】
フェルト針4にはハーブやキックアップが形成されているので、突き刺さった際に布地の一部が裏側に強制的に下側に押し出され起毛される。この結果、下側に押し出された部分が、模様として表出させられる。
【0053】
フェルト針4を図中上下方向に往復運動させながら布地を適宜の方向に移動させれば、所定のパターンの模様を表出させることができる。布地を適宜の方向に移動させる動作は次のようになされる。
【0054】
直線方向に模様を表出させる場合には、ロッド44を図中上下方向に往復運動させると、ロッド44に固定された送り作動二股部材43が図中上下方向に往復運動させられる。送り作動二股部材43は送り作動リンク42の周溝42cに挿入されているので、送り作動リンク42は針棒スリーブ23の外周面に沿って図中上下方向に摺動する。送り作動リンク42に形成されたテーパー面42aには送りレバー41dの一端が乗り上げているので、送り作動リンク42の往復運動に連動して送りレバー41dがピン41eを中心として揺動し、送りレバー41dの他端が係合している送りレバー受け金案内部材45に、これを図中水平面内で揺動させる荷重が作用する。送りレバー受け金案内部材45は、案内部材取付部46を介して押え金取付レバー32に取り付けられているので、押え金取付レバー32が図中水平面内で揺動し、押え金取付レバー32の先端に取り付けられた押え金31が図中水平面内で揺動する。
【0055】
ロッド44の往復運動による押え金31の移動に連動して、押え作動レバー35を図中上下方向に往復運動させる。押え作動レバー35は押え取付レバー二股部材32bを介して押え金取付レバー32に接続されているので、押え作動レバー35の往復運動に連動して押え金取付レバー32が図中上下方向に往復運動させられ、押え金取付レバー32の先端に取り付けられた押え金31が図中上下方向に往復運動する。
【0056】
押え作動レバー35の往復運動とロッド44の往復運動は連動して作動させられるので、結果として押え金31はループ状の軌跡をもって運動する。押え金31の下面にはゴム製のリング部材31bが取り付けられて布地との間に摩擦力が生じているので、押え金31のループ状の運動により布地は所定の方向に搬送される。これにより、フェルト針4の往復運動に伴って所定直線方向に模様を表出させることができる。
【0057】
曲線方向に模様を表出させる場合には、ミシン本体の底部に設けられた回転ハンドルを回転させる。これにより、送り回転横シャフト71が回転させられ、送り回転歯車72,74を介して送り回転シャフト73が回転させられベベルギヤー74が回転させられる。ベベルギヤー74に噛み合ったベベルギヤー75が回転させられる。ベベルギヤー75は針棒スリーブ23に固定されているので、針棒スリーブ23が回転させられる。針棒スリーブ23には、送りレバー土台41が固定されているので、針棒スリーブ23の回転に伴って送りレバー土台41が回転し、送りレバー41dがかみ合っている送りレバー受け金案内部材45が回転させられる。これにより、送りレバー41dの揺動により押え金31が水平面内で揺動させられる方向が回転させられる。この結果、送りレバー土台41の回転に伴って押え金31による布地の搬送方向が水平面内で回転させられ、以前の搬送方向と角度を持った方向に搬送され、元の模様と角度を持った模様が表出される。回転ハンドルを連続的に回転操作させれば、布地を曲線運動させて曲線の模様を表出させることができる。
【0058】
次に、コードを用いて模様を表出させるには、コードが巻かれたコード車をコード車支持棒83,84の軸受部に架橋して設置し、コード先端を繰り出して、針棒パイプ24の内側に挿入する。挿入されたコードの先端は、針棒パイプ24の下端部付近に形成されたコード出口24aから引き出され、ニップル88の先端に形成された貫通孔88cに通される。これにより、フェルト針4が図中上下方向に往復運動した場合に、フェルト針4が布地に突き刺されると同時にフェルト針4によりコードが布地に突き刺されて挿入され、コードが布地内に残留させられフェルト針4自身により表出される模様の他にコードによる模様の表出を図ることができる。
【0059】
針棒スリーブ23の先端にはニップル作動スリーブ86が取り付けられ、ニップル作動スリーブ86の先端にはニップル取付ブロック87を介してニップル88が固定されているので、上述したように針棒スリーブ23を回転させて布地の搬送方向を回転させた場合にも、その回転に伴ってニップル88の向きが回転させられ、コード出口24aとの相対位置関係は回転前と同じに保たれる。したがって、コードとニップル88とが絡まり合うことがない。また、ニップル作動スリーブ86の周溝86aにはニップル作動二股部材89がかみ合っていて、所定のタイミングで図中上下動させられるのでコード挿入のタイミングをとることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフェルト針保持具及びこれを用いた刺繍縫いミシンによれば、以下のような効果を奏する。
【0061】
(1)本フェルト針保持具によれば、少ないフェルト針を小さな部分に配置することができ、繊細でかつ細かな模様を表出させることができる。
【0062】
(2)本フェルト針保持具によれば、押圧部を針保持部に螺合させることにより針保持部の弾性片を弾性変形させて針受け部の凹部と針保持部の弾性片との間にフェルト針をしっかりと狭持することができる。
【0063】
(3)本フェルト針保持具によれば、6本のフェルト針が円形状に配置され、繊細でかつ細かな模様を表出させることに使用することができる。
【0064】
(4)本フェルト針保持具によれば、3個の弾性片を押圧部により押圧するので、これらの弾性片を隙間なく確実に弾性変形させることができ、各弾性片では2本のフェルト針を保持するので、隙間なく確実にフェルト針を保持することができる。
【0065】
(5)本刺繍縫いミシンによれば、直線往復運動機構によりフェルト針を布地に突き刺して模様を表出させることができ、同時に布移動機構を作動させて布地を平面内で、直線的若しくは曲線的に移動させることにより、直線的若しくは曲線的な模様を表出させることができる。
【0066】
(6)本刺繍縫いミシンによれば、フェルト針を布地に突き刺すと同時にコードを布地に突き刺して挿入することにより、コードを布地内に残留させてフェルト針自身による模様の他にコードによる模様の表出を図ることができる。
【0067】
(7)本刺繍縫いミシンによれば、平行往復移動機構と直交往復移動機構と連動機構とにより押え金をループ状に移動させて、当該押え金により布地を移動させることができる。
【0068】
(8)本刺繍縫いミシンによれば、回転ハンドルを回転させると平行往復移動機構が連動して回転させられ、布地の移動方向が回転させられて、連動回転機構により回転させる前に対して角度を持った方向に布地が移動させられ、角度を持った方向に模様を表出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るニードル針保持具を示す断面図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】図1中のB−B断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る刺繍縫いミシンの全体構成を示す図である。
【図5】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す図である。
【図6】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【図7】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【図8】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【図9】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 フェルト針保持具
2 針受け部
2a 凹部
3 針保持部
3a 弾性片
4 フェルト針
5 押圧部
10 直線往復運動機構
30 布移動機構
40 平行往復移動機構
50 直交往復移動機構
60 連動機構
70 連動回転機構
80 コード挿入機構
【発明が属する技術分野】
本発明は、フェルト針を布地に差し込んで起毛して布地に模様を形成させる刺繍縫いミシン及びこれに用いられるフェルト針保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ニードルパンチマシンと呼ばれるものがある。このものは、ニードル針を布地に差し込む機構と布地を直線的に移動させる機構とを備え、ニードル針を布地に突き刺して布地を毛羽立たせて、従来の刺繍では不可能であった刺繍感覚の模様を表出させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかるニードルパンチマシンでは、布地を直線的に移動させるようにしているので直線的な模様しか表出させることができず、さらには多数のニードル針を一度に布地に突き刺すようにしているので繊細でかつ小さな模様を表出することができなかった。
【0004】
かかる事情に鑑みてなされたもので、繊細でかつ細かな模様、しかも曲線的な模様を表出させることができる刺繍縫いミシン及びこれに用いられるフェルト針保持具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のフェルト針保持具は、フェルト針が収容される凹部が形成された針受け部と、当該針受け部の凹部に対峙する弾性片が周方向に複数設けられた針保持部と、当該針保持部の弾性片を前記針受け部に向けて弾性変形させて前記針受け部の凹部と針保持部の弾性片との間でフェルト針を狭持させる押圧部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
本フェルト針保持具によれば、少ないフェルト針を小さな部分に配置することができ、繊細でかつ細かな模様を表出させることができる。
【0007】
本発明の請求項2記載のフェルト針保持具は、前記針保持部にはねじ部が形成され、前記押圧部には前記針受け部のねじ部に螺合するねじ部が形成され、針保持部の弾性片又は前記押圧部には螺合された際に前記弾性片を前記針受け部側に弾性変形させるテーパー面がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0008】
本フェルト針保持具によれば、押圧部を針保持部に螺合させることにより針保持部の弾性片を弾性変形させて針受け部の凹部と針保持部の弾性片との間にフェルト針をしっかりと狭持することができる。
【0009】
本発明の請求項3記載のフェルト針保持具は、前記針受け部には周方向にほぼ等間隔で6個の凹部が形成され、前記針保持部の弾性片は周方向に3分割され、各弾性片は2個の凹部に対峙していることを特徴とする。
【0010】
本フェルト針保持具によれば、6本のフェルト針が円形状に配置され、繊細でかつ細かな模様を表出させることに使用することができる。3個の弾性片を押圧するので隙間なく確実に弾性変形させることができ、各弾性片は針受け部の凹部に収容された2本のフェルト針を保持するので、隙間なく確実にフェルト針を保持することができる。
【0011】
本発明の請求項4記載の刺繍縫いミシンは、上記フェルト針保持具と、当該フェルト針保持具を直線往復運動させる直線往復運動機構と、布地をほぼ平面内で移動させる布移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本刺繍縫いミシンによれば、直線往復運動機構によりフェルト針を布地に突き刺して起毛させて模様を表出させることができ、同時に布移動機構を作動させて布地を平面内で、直線的若しくは曲線的に移動させることにより、直線的若しくは曲線的な模様を表出させることができる。
【0013】
本発明の請求項5記載の刺繍縫いミシンは、前記フェルト針の直線往復運動によりコードを布地内に挿入していくコード挿入機構を備えたことを特徴とする。
【0014】
本刺繍縫いミシンによれば、フェルト針を布地に突き刺すと同時にコードを布地に突き刺して挿入することにより、コードを布地内に残留させてフェルト針自身による模様の他にコードによる模様の表出を図ることができる。
【0015】
本発明の請求項6記載の刺繍縫いミシンは、前記布移動機構が、布地を押えて移動させる押え金と、当該押え金を前記平面に対してほぼ平行に往復移動させる平行往復移動機構と、前記押え金を前記平面にほぼ直交する方向に往復移動させる直交往復移動機構と、前記平行往復移動機構と直交往復移動機構とを連動させて前記押え金にループ状の運動をさせ布地を移動させる連動機構とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本刺繍縫いミシンによれば、連動機構により押え金をループ状に移動させて、当該押え金により布地を移動させることができる。
【0017】
本発明の請求項7記載の刺繍縫いミシンは、平行往復移動機構をミシン本体に設けられた回転ハンドルの回転に連動させて回転させる連動回転機構を備えたことを特徴とする。
【0018】
本刺繍縫いミシンによれば、回転ハンドルを回転させると平行往復移動機構が連動して回転させられ、平行往復移動機構による布地の移動方向が回転させられて、布地の移動方向が回転させられ、連動回転機構により回転させる前に対して角度を持った方向に布地が移動させられ、角度を持った方向に模様が表出される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るフェルト針保持具及びこのフェルト針保持具を用いた刺繍縫いミシンについて説明する。
【0020】
図1〜図3に示すように、本フェルト針保持具1は、フェルト針が収容される凹部2aが形成された針受け部2と、当該針受け部2の凹部2aに対峙した弾性片3aが周方向に複数設けられた針保持部3と、当該針保持部3の弾性片3aを針受け部2に向けて弾性変形させて針受け部2の凹部2aと針保持部3の弾性片3aとの間でフェルト針4を狭持させる押圧部5とを備えて概略構成される。
【0021】
図示するものは、前記針受け部2には周方向にほぼ等間隔で6個の凹部2aが形成され、針保持部3の弾性片3aは周方向に3分割され、各弾性片3aは針受け部2の2個の凹部2aに対峙している。
【0022】
前記針保持部3の基端部外周にはねじ部3bが形成され、押圧部5の基端部内周には針保持部3のねじ部3bに螺合するねじ部5bが形成されている。針保持部3の弾性片3aの外面及び押圧部5の先端部内周には螺合された際に弾性片3aを針受け部2側に弾性変形させるテーパー面3c,5cが形成されている。
【0023】
前記針受け部2の基端部には円柱部2bが形成され、針保持部3の基端部には当該円柱部2bが挿入される貫通孔3dが形成され、当該貫通孔3d内又は針受け部2の円柱部2bの外周面に接着剤を塗布した後、これらを挿入して相互に一体化している。針保持部3の基端部には、隣接する弾性片3b間の間隙からカッターなどで形成された溝部3eが形成されている。
【0024】
前記フェルト針4は、例えばオルガンフェルト針として販売されているものが使用される。オルガンフェルト針は針先端側に刺状のバーブやキックアップがプレス加工などにより形成されたものである。そして、市販品を必要に応じて針中間部で切断してハーブやキックアップが形成された先端側のみを使用する。特にオルガンフェルト針のうち中間ブレードを有するものは、その中間ブレード上部で切断するようにすると針先端側を長く使用することができるので好適である。
【0025】
そして、針受け部2、針保持部3及び押圧部5を組み合わせたサブアッシー品は、その針保持部3の基端部を針棒パイプ24の先端に挿入し、針保持部3の基端部に形成されたねじ部3fにボルト3gをねじ込んで固定される。
【0026】
本フェルト針保持具1によれば、少ないフェルト針4を小さな部分に配置することができ、後述する刺繍縫いミシンに使用すれば、繊細でかつ細かな模様を表出させることができる。
【0027】
押圧部5のねじ部5bを針保持部3のねじ部3bに螺合させることにより、それぞれに形成されたテーパー面3c,5cを介して針保持部3の弾性片3aを弾性変形させて針受け部2の凹部2aと針保持部3の弾性片3aとの間にフェルト針をしっかりと狭持することができる。
【0028】
本フェルト針保持具1では、針受け部2に6本のフェルト針4が円形状に配置され、繊細でかつ細かな模様を表出させるために使用することができる。また、3個の弾性片3aを押圧するので弾性片を隙間なく確実に弾性変形させることができ、各弾性片3aでは2本のフェルト針4を保持するので、隙間なく確実にフェルト針を保持することができる。
【0029】
次に、上述したフェルト針保持具1を用いた刺繍縫いミシンについて説明する。
【0030】
本刺繍縫いミシンは、上記したフェルト針保持具1と、当該フェルト針保持具1を直線往復運動させる直線往復運動機構10と、布地をほぼ平面内で移動させる布移動機構30とを備えて概略構成される。また、フェルト針4の直線往復運動によりコードを布地内に挿入していくコード挿入機構80を備えている。
【0031】
前記直線往復運動機構10は、図4及び図6に示すように、以下のように構成される。
【0032】
すなわち、回転駆動されるメインシャフト11にタイミングプーリー12が止めねじ12aにより固定されている。ミシン本体には支持部材13がボルト13aにより固定されている。支持部材13には軸受穴13bが形成され、軸受穴13b内にはシャフト14が回転自在に挿入されている。シャフト14の図中右側端部にはタイミングプーリー15が止めねじ15aにより固定されている。前記タイミングプーリー12とタイミングプーリー15との間にはタイミングベルト16が架け渡されている。
【0033】
シャフト14の図中左端部には、針棒クランク17が止めねじ17aにより固定されている。針棒クランク17の下端部に形成された貫通孔内には針棒クランクピン18が挿入されて固定されている。針棒クランクピン18にはカムローラー19がはめ込まれ、カムローラー19は、針棒作動カム20の形成されたカム溝20a内に摺動自在に挿入されている。針棒作動カム20は止めねじ20bにより針棒作動スライダー21の上端部に固定されている。当該止めねじ20bは針棒作動スライダー21を貫通して針棒作動二股部材22に形成されたねじ部にねじ込まれて、針棒作動カム20と針棒作動二股部材22とは針棒作動スライダー21に一体的に固定されている。
【0034】
図4及び図9に示すように、ミシン本体には、針棒アーム28がスプリングピン28d,28e及びボルト28a,28b,28cにより取り付けられている。針棒アーム28の貫通孔28f,28gには、概略筒状の針棒スリーブ23(図7参照)が取り付けられている。貫通孔28fには針棒スリーブ押え板28hが止めねじ28iにより固定されている。図4及び図7に示すように、この針棒スリーブ23内には概略筒状の針棒パイプ24が進退移動可能に挿入されている。針棒スリーブ23の図中上部にはスリット23aが形成されている。このスリット23aには針棒作動リンクセット25が取り付けられる。
【0035】
すなわち、図7に示すように、針棒作動リンクセット25は、針棒パイプ24の外周で、かつ、針棒スリーブ23の内側に配置される針棒作動リンク角駒26と、針棒スリーブ23の外周に配置される針棒作動リンク27とからなり、針棒作動リンク27に長さ方向に3個配置された貫通孔から止めねじ26a,26bを通して、針棒作動リンク角駒26に形成されたねじ穴にねじ込んで仮止めし、針棒作動リンク角駒26と針棒作動リンク27とを、針棒作動リンク角駒26のねじ部が針棒スリーブ23のスリット23a内に挿入されるように取り付ける。この後、止めねじ26aを締め付けて針棒作動リンク角駒26を針棒スリーブ23に固定するとともに、止めねじ26bを締め付けて針棒作動リンク角駒26の中間部を圧縮して針棒作動リンク角駒26を変形させて針棒パイプ24に針棒作動リンク角駒26を固定する。
【0036】
前記針棒作動リンク27の図中下部には周溝27aが形成され、この周溝27a内には、前記針棒作動二股部材22の図中下部に形成された爪部22aが挿入される。この状態で、止めねじ26aを本締めして針棒作動リンク27及び針棒作動リンク角駒26とを針棒パイプ24に固定する。これにより、メインシャフト11の回転に連動して針棒パイプ24が図中上下方向に往復運動する。
【0037】
前記布移動機構30は、図4、図5、図7及び図8に示すように、以下のように構成される。すなわち、布地を押える押え金31と、当該押え金31をミシン本体のベッド平面に対してほぼ平行に往復移動させる平行往復移動機構40と、押え金31をベッド平面にほぼ直交する方向に往復移動させる直交往復移動機構50と、前記平行往復移動機構と直交往復移動機構とを連動させて前記押え金にループ状の運動をさせて布地を移動させる連動機構60とを備えて概略構成される。また、前記平行往復移動機構40をミシン本体に設けられた回転ハンドルの回転に連動して回転させる連動回転機構70を備えている。
【0038】
前記押え金31は、図5及び図8に示すように、リング状部材31aの図中下面にはめ込まれたゴム製のリング部材31bと、リング状部材31aから図中上方に延設されたアーム部31cとからなる。当該アーム部31cは、押え金取付レバー32の下端部に、枠状の締め金33と締め金33にねじ込まれた止めねじ33aとにより取り付けられている。
【0039】
前記平行往復移動機構40は、以下のように構成される。すなわち、図4及び図7に示すように、送りレバー土台41が針棒スリーブ23の外周面に挿入され、止めねじ41aにより針棒スリーブ23に固定されている。送りレバー土台41には、送りレバー41dがピン41eによりピン41eを中心として揺動自在に取り付けられている。送りレバー41dは、送りレバー土台41に止めねじ41cにより取り付けられた復帰用のコイルスプリング41bにより元の位置に復帰付勢されている。
【0040】
送り作動リンク42が針棒スリーブ23の外周面に摺動自在に挿入され、送り作動リンク42の外周面に形成されたテーパー面42aに前記送りレバー41dの図中上端部が乗り上げる状態となるように配置されている。
【0041】
図5に示すように、送り作動リンク42の上端部付近に形成された周溝42cには送り作動二股部材43が挿入されており、送り作動二股部材43には、図示しない機構により図中上下方向に往復運動させられるロッド44が固定されている。
【0042】
前記押え金取付レバー32の中間部にはリング状の案内部材取付部46が形成されている。この案内部材取付部46には、送りレバー受け金案内部材45が取り付けられている。図8に示すように、送りレバー受け金案内部材45の外周面には、切欠部45aが形成されており、この切欠部45aに前記送りレバー41dの先端部付近が挿入されている。なお、送りレバー受け金案内部材45の図中下面にはキャップ45bが止めねじ45cにより固定されている。
【0043】
前記直交往復移動機構50は、以下のように構成される。すなわち、図8に示すように、前記押え金取付レバー32の図中上端部には、止めねじ32aにより押え取付レバー二股部材32bが取り付けられている。押え金取付レバー32にほぼ平行に沿って押え作動レバー35が配置され、押え作動レバー35の中間部に形成された突起部35aには図示しない機構が当接させられて、押え作動レバー35は、図中上下方向に往復運動させられる。この往復運動が図示しない機構を介して押え作動レバー二股部材32bに伝達されて、前記押え金取付レバー32が図中上下方向に往復運動させられる。
【0044】
前記連動機構60は、メインシャフト11の先端に取り付けられたカム61を用いて、前記平行往復移動機構40及び直線往復運動機構50による作動タイミングをそれぞれ同期させる機構により構成される。
【0045】
前記連動回転機構70は、以下のように構成される。すなわち、図4に示すように、ミシン本体には、送り回転横シャフト71が回転自在に取り付けられている。この送り回転横シャフト71の図示しない端部はミシン本体の底部に設けられた図示しない回転ハンドルに歯車群を介して連結されている。送り回転横シャフト71の他端部には送り回転歯車72が止めネジ72aにより固定されている。ミシン本体には送り回転シャフト73が回転自在に取り付けられている。送り回転シャフト73の一端には前記送り回転歯車72と噛み合う送り回転歯車74が止めネジにより固定されている。送り回転シャフト73の他端には、ベベルギヤー74がスプリングピン74aにより取り付けられている。針棒スリーブ23の外周面には前記ベベルギヤー74と噛み合うベベルギヤー75が挿入され、ベベルギヤー74と噛み合わせた状態で止めネジ75aにより針棒スリーブ23の外周面に固定されている。
【0046】
前記コード挿入機構80は以下のように構成される。すなわち、針棒スリーブ23の上端部にはコード車取付土台81が止めネジ81aにより固定されている。コード車取付土台81にはコード車取付板82が止めネジ82aにより取り付けられている。コード車取付板82の両端部にはコード車支持棒83,84がナット83a,84aにより片持ち状態で取り付けられている。以下図示しないが、コード車支持棒83,84の上端部にはコードが巻き取られたコード車の心棒を支持する軸受部が形成され、これら軸受部間に心棒が架橋されてコード車が支持される。コード車から繰り出されたコードは針棒パイプ24内に挿入される。
【0047】
針棒パイプ24の先端部付近には、図7に示すように、管壁を一部切り欠いて形成されたコード出口24aが開口している。図9に示すように、針棒アーム28の下部に設けられた貫通孔28gには、針棒アームブッシュ85が圧入されており、針棒アームブッシュ85にはニップル作動スリーブ86が回転自在に挿入されている。ここで、ニップル作動スリーブ86の内側には、針棒パイプ24の外周面の一部に沿うように湾曲した駒部材がニップル作動スリーブ86の外側から挿入された止めねじにより固定され、当該駒部材は針棒スリーブ23の壁部を図中下端から図中上方に向けて切り欠いて形成された切欠部内に摺動自在に挿入されている。これにより、針棒スリーブ23の回転力は前記駒部材を介してニップル作動スリーブ86に伝達されてニップル作動スリーブ86が回転させられるとともに、ニップル作動スリーブ86は、前記駒部材が前記切欠部内で摺動することにより針棒スリーブ23に対して図中上下方向に相対移動できる。
【0048】
ニップル作動スリーブ86の先端にはニップル取付ブロック87が止めネジ87aにより固定されている。ニップル取付ブロック87の端部にはニップル88が止めネジ88aにより固定されている。ニップル88の先端にはほぼ90度折り曲げられた折曲部88bが形成され、当該折曲部88bにはフェルト針4及びコードが挿通させられる貫通孔88cが形成されている。
【0049】
前記ニップル作動スリーブ86の上端部付近には周溝86aが形成されている。周溝86a内にはニップル作動二股部材89が挿入されている。図8に示すようにニップル作動二股部材89の端部にはニップル作動ロッド89aが固定されている。ニップル作動ロッド89aの中間部にはピンネジ89bがねじ込まれている。ニップル作動ロッド89aは図示しない機構により図中上下方向に往復運動させられ、それに伴ってニップル88が図中上下方向に往復運動させられる。
【0050】
図面に基づいて本発明の実施の形態に係る刺繍縫いミシンの動作について説明する。
【0051】
メインシャフト11が時計回りに回転駆動されると、回転変位がタイミングプーリー12、タイミングベルト16を介してタイミングプーリー15に伝達され、針棒クランクシャフト14が時計回りに回転駆動される。この回転に伴って針棒クランク17が回転駆動され、針棒クランク17に固定された針棒クランクピン18及びカムローラー19が針棒作動カム20のカム溝20a内で運動し、針棒作動スライダー21及び針棒作動二股部材22が図中上下方向に往復運動させられる(図中2点鎖線参照)。針棒作動二股部材22は針棒作動リンク27の周溝27a内に挿入されているので、針棒作動リンク27が図中上下方向に往復運動させられる。針棒作動リンク27には針棒作動リンク角駒26を介して針棒パイプ24が固定されているので、針棒パイプ24は図中上下方向に往復運動させられる。針棒パイプ24の先端にはフェルト針保持具1が固定されているので、針棒パイプ24の往復運動に伴ってフェルト針4が図中上下方向に往復運動し、ミシン本体のベット上に置かれた布地にフェルト針4が突き刺さる。
【0052】
フェルト針4にはハーブやキックアップが形成されているので、突き刺さった際に布地の一部が裏側に強制的に下側に押し出され起毛される。この結果、下側に押し出された部分が、模様として表出させられる。
【0053】
フェルト針4を図中上下方向に往復運動させながら布地を適宜の方向に移動させれば、所定のパターンの模様を表出させることができる。布地を適宜の方向に移動させる動作は次のようになされる。
【0054】
直線方向に模様を表出させる場合には、ロッド44を図中上下方向に往復運動させると、ロッド44に固定された送り作動二股部材43が図中上下方向に往復運動させられる。送り作動二股部材43は送り作動リンク42の周溝42cに挿入されているので、送り作動リンク42は針棒スリーブ23の外周面に沿って図中上下方向に摺動する。送り作動リンク42に形成されたテーパー面42aには送りレバー41dの一端が乗り上げているので、送り作動リンク42の往復運動に連動して送りレバー41dがピン41eを中心として揺動し、送りレバー41dの他端が係合している送りレバー受け金案内部材45に、これを図中水平面内で揺動させる荷重が作用する。送りレバー受け金案内部材45は、案内部材取付部46を介して押え金取付レバー32に取り付けられているので、押え金取付レバー32が図中水平面内で揺動し、押え金取付レバー32の先端に取り付けられた押え金31が図中水平面内で揺動する。
【0055】
ロッド44の往復運動による押え金31の移動に連動して、押え作動レバー35を図中上下方向に往復運動させる。押え作動レバー35は押え取付レバー二股部材32bを介して押え金取付レバー32に接続されているので、押え作動レバー35の往復運動に連動して押え金取付レバー32が図中上下方向に往復運動させられ、押え金取付レバー32の先端に取り付けられた押え金31が図中上下方向に往復運動する。
【0056】
押え作動レバー35の往復運動とロッド44の往復運動は連動して作動させられるので、結果として押え金31はループ状の軌跡をもって運動する。押え金31の下面にはゴム製のリング部材31bが取り付けられて布地との間に摩擦力が生じているので、押え金31のループ状の運動により布地は所定の方向に搬送される。これにより、フェルト針4の往復運動に伴って所定直線方向に模様を表出させることができる。
【0057】
曲線方向に模様を表出させる場合には、ミシン本体の底部に設けられた回転ハンドルを回転させる。これにより、送り回転横シャフト71が回転させられ、送り回転歯車72,74を介して送り回転シャフト73が回転させられベベルギヤー74が回転させられる。ベベルギヤー74に噛み合ったベベルギヤー75が回転させられる。ベベルギヤー75は針棒スリーブ23に固定されているので、針棒スリーブ23が回転させられる。針棒スリーブ23には、送りレバー土台41が固定されているので、針棒スリーブ23の回転に伴って送りレバー土台41が回転し、送りレバー41dがかみ合っている送りレバー受け金案内部材45が回転させられる。これにより、送りレバー41dの揺動により押え金31が水平面内で揺動させられる方向が回転させられる。この結果、送りレバー土台41の回転に伴って押え金31による布地の搬送方向が水平面内で回転させられ、以前の搬送方向と角度を持った方向に搬送され、元の模様と角度を持った模様が表出される。回転ハンドルを連続的に回転操作させれば、布地を曲線運動させて曲線の模様を表出させることができる。
【0058】
次に、コードを用いて模様を表出させるには、コードが巻かれたコード車をコード車支持棒83,84の軸受部に架橋して設置し、コード先端を繰り出して、針棒パイプ24の内側に挿入する。挿入されたコードの先端は、針棒パイプ24の下端部付近に形成されたコード出口24aから引き出され、ニップル88の先端に形成された貫通孔88cに通される。これにより、フェルト針4が図中上下方向に往復運動した場合に、フェルト針4が布地に突き刺されると同時にフェルト針4によりコードが布地に突き刺されて挿入され、コードが布地内に残留させられフェルト針4自身により表出される模様の他にコードによる模様の表出を図ることができる。
【0059】
針棒スリーブ23の先端にはニップル作動スリーブ86が取り付けられ、ニップル作動スリーブ86の先端にはニップル取付ブロック87を介してニップル88が固定されているので、上述したように針棒スリーブ23を回転させて布地の搬送方向を回転させた場合にも、その回転に伴ってニップル88の向きが回転させられ、コード出口24aとの相対位置関係は回転前と同じに保たれる。したがって、コードとニップル88とが絡まり合うことがない。また、ニップル作動スリーブ86の周溝86aにはニップル作動二股部材89がかみ合っていて、所定のタイミングで図中上下動させられるのでコード挿入のタイミングをとることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフェルト針保持具及びこれを用いた刺繍縫いミシンによれば、以下のような効果を奏する。
【0061】
(1)本フェルト針保持具によれば、少ないフェルト針を小さな部分に配置することができ、繊細でかつ細かな模様を表出させることができる。
【0062】
(2)本フェルト針保持具によれば、押圧部を針保持部に螺合させることにより針保持部の弾性片を弾性変形させて針受け部の凹部と針保持部の弾性片との間にフェルト針をしっかりと狭持することができる。
【0063】
(3)本フェルト針保持具によれば、6本のフェルト針が円形状に配置され、繊細でかつ細かな模様を表出させることに使用することができる。
【0064】
(4)本フェルト針保持具によれば、3個の弾性片を押圧部により押圧するので、これらの弾性片を隙間なく確実に弾性変形させることができ、各弾性片では2本のフェルト針を保持するので、隙間なく確実にフェルト針を保持することができる。
【0065】
(5)本刺繍縫いミシンによれば、直線往復運動機構によりフェルト針を布地に突き刺して模様を表出させることができ、同時に布移動機構を作動させて布地を平面内で、直線的若しくは曲線的に移動させることにより、直線的若しくは曲線的な模様を表出させることができる。
【0066】
(6)本刺繍縫いミシンによれば、フェルト針を布地に突き刺すと同時にコードを布地に突き刺して挿入することにより、コードを布地内に残留させてフェルト針自身による模様の他にコードによる模様の表出を図ることができる。
【0067】
(7)本刺繍縫いミシンによれば、平行往復移動機構と直交往復移動機構と連動機構とにより押え金をループ状に移動させて、当該押え金により布地を移動させることができる。
【0068】
(8)本刺繍縫いミシンによれば、回転ハンドルを回転させると平行往復移動機構が連動して回転させられ、布地の移動方向が回転させられて、連動回転機構により回転させる前に対して角度を持った方向に布地が移動させられ、角度を持った方向に模様を表出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るニードル針保持具を示す断面図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】図1中のB−B断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る刺繍縫いミシンの全体構成を示す図である。
【図5】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す図である。
【図6】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【図7】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【図8】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【図9】図4に示す刺繍縫いミシンの一部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 フェルト針保持具
2 針受け部
2a 凹部
3 針保持部
3a 弾性片
4 フェルト針
5 押圧部
10 直線往復運動機構
30 布移動機構
40 平行往復移動機構
50 直交往復移動機構
60 連動機構
70 連動回転機構
80 コード挿入機構
Claims (7)
- フェルト針が収容される凹部が形成された針受け部と、当該針受け部の凹部に対峙する弾性片が周方向に複数設けられた針保持部と、当該針保持部の弾性片を前記針受け部に向けて弾性変形させて前記針受け部の凹部と針保持部の弾性片との間でフェルト針を狭持させる押圧部とを備えたことを特徴とするフェルト針保持具。
- 前記針保持部にはねじ部が形成され、前記押圧部には前記針保持部のねじ部に螺合するねじ部が形成され、針保持部の弾性片又は前記押圧部には螺合された際に前記弾性片を前記針受け部側に弾性変形させるテーパー面がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載のフェルト針保持具。
- 前記針受け部には周方向にほぼ等間隔で6個の凹部が形成され、前記針保持部の弾性片は周方向に3分割され、各弾性片は2個の凹部に対峙していることを特徴とする請求項1記載のフェルト針保持具。
- 請求項1〜3に記載されたフェルト針保持具と、当該フェルト針保持具を直線往復運動させる直線往復運動機構と、布地をほぼ平面内で移動させる布移動機構とを備えたことを特徴とする刺繍縫いミシン。
- 前記フェルト針の直線往復運動によりコードを布地内に挿入していくコード挿入機構を備えたことを特徴とする請求項4記載の刺繍縫いミシン。
- 前記布移動機構が、布地を押えて移動させる押え金と、当該押え金を前記平面に対してほぼ平行に往復移動させる平行往復移動機構と、前記押え金を前記平面にほぼ直交する方向に往復移動させる直交往復移動機構と、前記平行往復移動機構と直交往復移動機構とを連動させて前記押え金にループ状の運動をさせ布地を移動させる連動機構とを備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の刺繍縫いミシン。
- 平行往復移動機構をミシン本体に設けられた回転ハンドルの回転に連動させて回転させる連動回転機構を備えたことを特徴とする請求項6記載の刺繍縫いミシン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002272560A JP2004105493A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | フェルト針保持具及びこれを用いた刺繍縫いミシン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002272560A JP2004105493A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | フェルト針保持具及びこれを用いた刺繍縫いミシン |
Publications (1)
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JP2004105493A true JP2004105493A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32269547
Family Applications (1)
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JP2002272560A Withdrawn JP2004105493A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | フェルト針保持具及びこれを用いた刺繍縫いミシン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004105493A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008087399A (ja) * | 2006-10-04 | 2008-04-17 | Furukawa Shell:Kk | エジェクタピン |
CN103726240A (zh) * | 2013-12-27 | 2014-04-16 | 吴江市震宇缝制设备有限公司 | 一种缝纫机机针快速安装座 |
CN108796837A (zh) * | 2018-06-06 | 2018-11-13 | 东莞市名菱工业自动化科技有限公司 | 智能化3d缝制机 |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002272560A patent/JP2004105493A/ja not_active Withdrawn
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