JP2004103295A - プロトン伝導性膜及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】燃料電池の電解質用プロトン伝導性ポリマーを、下記式(1)
YR SiR 3−m                 (1)
(Rは一価炭化水素基、Rはアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基、mは0又は1)
で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記式(2)
SiR 4−n                  (2)
(Rは一価炭化水素基、Rはアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0、1又は2)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物で処理してなる燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜。
【発明の効果】本発明によれば、プロトン伝導性を維持しつつ、メタノールのクロスオーバーを抑制することを可能にする。本発明のプロトン伝導性膜を用いることにより、小型で性能が高く、しかも安定した出力を供給可能な燃料電池を得ることが可能となる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の電解質膜用のプロトン伝導性膜及びこれを用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のメタノール燃料電池は、液体燃料の供給方法によって液体供給型と気化供給型との2つのタイプに分類される。これらのうち気化供給型の燃料電池は、電極反応が気体燃料との間で行われるために、高活性で高い性能が得られる反面、システムが極めて複雑になって小型化が困難である。
【0003】
一方の液体供給型の燃料電池の場合には、気化供給型に比べてシステムは比較的簡単ではあるが、電極反応が液体燃料との間で行われることに起因して、低活性で性能が低いという問題がある。燃料供給に毛管力を利用する液体燃料電池も、液体状態で燃料極に燃料が供給される液体供給型であるので、ポンプ等を必要とせず、小型化には適しているものの、電極反応は低活性で性能が低い。
【0004】
上述したような問題に加えて、燃料電池における最も大きな問題は、パーフルオロスルホン酸(商品名:Nafion DuPont社製)などのプロトン伝導性固体高分子膜等を電解質として用いた場合に、メタノール等の液体有機燃料が電解質膜を酸化剤極側に透過してしまうクロスオーバーが生じることである。この現象が生じた場合には、供給された液体燃料と酸化剤とが直接反応してしまって、エネルギーを電力として出力することができない。従って、安定した出力を得ることができないという決定的な問題が生じてしまう。このような問題によりメタノールに水を加えて使用しているのが現状であった。
【0005】
このような観点からこのクロスオーバーを防ぐべく、特開2002−110200号公報では、アミノアルコキシシラン単独あるいはアミノアルコキシシランと金属アルコキシドの混合物でプロトン伝導性ポリマーを処理しているものが開示されている。しかし、この方法では、10%以下の濃度で、アルコールに溶解させた状態でしか処理できないため、プロトン伝導性ポリマーの改質が少なく、クロスオーバーを完全に防ぐことはできなかった。また、アミノシランと金属アルコキシドの混合物処理では、アミノシランと金属酸化物がプロトン伝導性膜を処理したときに反応するため、均一な膜を形成できないとの不具合もあった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−110200号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃料電池においては、プロトン伝導性固体高分子膜がメタノールのクロスオーバーを十分に抑制することができなかったので、安定した出力を供給することができなかった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、プロトン伝導性を維持しつつ、メタノールのクロスオーバーを抑制することを可能にするプロトン伝導性膜及びこれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、各種の水系の有機ケイ素化合物を処理することにより、プロトン伝導性を維持しつつ、メタノールのクロスオーバーを防ぐことを見出した。
【0010】
即ち、ナフィオン(Nafion)に代表されるフッ素系樹脂を基本骨格とするプロトン伝導性膜は、優れたイオン導電性を示す。この高いイオン導電性は、含水状態のクラスター・ネットワークを通して発揮されるため、メタノールを使用する燃料電池においては、このメタノールがアノードから水に混合されてクラスター・ネットワークを通過し、カソードに拡散して出力電圧を低下させるという問題があった。こうしたプロトン伝導性膜に対しては、架橋構造等を導入して、膨潤を抑える方法が一般的であるものの、膜全体を架橋させた場合には導電性が大きく低下するという問題があった。
【0011】
本発明者らは、プロトン伝導性膜中のクラスター・ネットワークを制御することによって、メタノールの透過の制御が可能となり、プロトン伝導性を維持しつつメタノールのクロスオーバーを抑制できることを見出した。こうしたクラスター・ネットワークを制御する方法として、特定の有機ケイ素化合物でプロトン伝導性膜を処理することにより、プロトン伝導性膜の高いプロトン伝導性を維持しつつ、水とメタノールとの透過選択性を高めることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】
従って、本発明は、下記の燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜を提供する。
[I]燃料電池の電解質用プロトン伝導性ポリマーを、下記一般式(1)
YR SiR 3−m                 (1)
(式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式(2)
SiR 4−n                  (2)
(式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0、1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物で処理してなることを特徴とする燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜。
[II]燃料電池の電解質用プロトン伝導性ポリマーを、下記一般式(1)
YR SiR 3−m                 (1)
(式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
SiR 4−n                  (2)
(式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0、1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物と、下記一般式(3)
【化3】
Figure 2004103295
[式中、RfはC2p+1(p=1〜20)で表されるポリフルオロアルキル基を示し、Xは−CH−、−CHO−、−NR−、−CO−、−CONR−、−S−、−SO−又は−SONR−の1種又は2種以上の結合基(Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基)を示し、R、Rは上記に同じ。aは0〜3の整数、bは1〜3の整数、cは0又は1である。]
で表されるフッ化アルキル基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物(C)との反応物を主剤とする水溶性処理剤で処理してなることを特徴とする燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜。
[III]燃料電池の電解質用プロトン伝導性ポリマーを、(D)下記一般式(4)
(R(RSiO(4−d−e)/2          (4)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、dは0.75〜1.5、eは0.2〜3で、かつ0.9<d+e≦4を満足する正数である。)
で表される有機ケイ素化合物100重量部と、下記一般式(1)
YR SiR 3−m                 (1)
(式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは上記と同じ、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物0.5〜49重量部とを有機酸又は無機酸の存在下で共加水分解縮合させたもので処理してなることを特徴とする燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜。
【0013】
本発明のプロトン伝導性膜において、前記プロトン伝導性ポリマーは、スルホン酸基及びカルボキシル基の少なくとも一方とフッ素樹脂骨格とを含むポリマーであることが好ましい。また、本発明のプロトン伝導性膜は、酸でドープされていることが好ましい。
【0014】
更に、本発明によれば、電解質膜と、この電解質膜を挟持する燃料極及び酸化剤極とを具備する燃料電池において、前記電解質膜は上述したプロトン伝導性膜を含むことを特徴とする燃料電池を提供する。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプロトン伝導性膜において、プロトン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルホン酸誘導体、フッ素樹脂骨格とスルホン酸基とを含有するフッ素ポリマー、及びフッ素樹脂骨格とカルボキシル基とを含有するフッ素ポリマーなどを用いることができる。特に、耐久性、膜強度、及びイオン導電性の点から、スルホン酸基及びカルボキシル基の少なくとも一方とフッ素樹脂骨格とを含むポリマーが最適である。
【0016】
まず、第1発明について説明する。
第1発明に係るプロトン伝導性膜は、上記プロトン伝導性ポリマーの膜を、下記一般式(1)
YR SiR 3−m                 (1)
(式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式(2)
SiR 4−n                  (2)
(式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0、1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物で処理したものである。
【0017】
ここで、上記窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)は、系を水溶性及び前述のプロトン伝導性ポリマーのスルホン酸基やカルボキシル基等と相互反応することにより塩を形成させるために用いられる成分で、下記一般式(1)で表されるものであり、その1種又は2種以上を適宜選定して用いられる。また、その部分加水分解物を用いることもできる。
YR SiR 3−m                 (1)
【0018】
式中、Rは炭素数1〜8の窒素原子を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子などで置換した例えばハロゲン化アルキル基などが挙げられる。具体的には、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH)CH、−C(CH、−C、−C13などが例示される。
【0019】
また、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH、−OCHCH、−OCHCHCH、−OCH(CH、−OCHCHCHCH、−OCH(CH)CHCH、−OCHCH(CH)CH、−OC(CH、−OCOCH、−OCOCHCHなどが例示されるが、中でも−OCH、−OCHCHが好ましい。
【0020】
Yは窒素原子含有有機基であり、例えば下記式(5)〜(9)で示されるものが挙げられる。
【化4】
Figure 2004103295
(式中、R、R、R11〜R18は水素原子又は炭素数1〜8の一価炭化水素基で、RとR、R11とR12とR13、R14とR15、R16、R17、R18は互いに同一であっても異なっていてもよい。Rはハロゲン原子を示す。R、R10は炭素数1〜8の二価炭化水素基で、RとR10は互いに同一であっても異なっていてもよい。qは0又は1〜3の整数である。)
【0021】
なお、炭素数1〜8の一価炭化水素基は、Rで説明したものと同様である。炭素数1〜8の二価炭化水素基としては、アルキレン基などが挙げられる。
【0022】
Yとして具体的には、下記式で示されるものを挙げることができる。
NCH−、H(CH)NCH−、HNCHCH−、H(CH)NCHCH−、HNCHCHCH−、H(CH)NCHCHCH−、(CHNCHCHCH−、HNCHCHHNCHCHCH−、H(CH)NCHCHHNCHCHCH−、(CHNCHCHHNCHCHCH−、HNCHCHHNCHCHHNCHCHCH−、H(CH)NCHCHHNCHCHHNCHCHCH−、Cl(CHCHCHCH−、Cl(CH(CCH)NCHCHCH−、
【0023】
【化5】
Figure 2004103295
【0024】
これらの中で以下のものが好ましい。
NCHCHHNCHCHCH−、
【化6】
Figure 2004103295
【0025】
なお、式(1)において、mは0又は1である。
【0026】
上記式(1)の窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)としては、下記のものを例示することができる。
NCHSi(OCH、HNCHSi(OCHCH、HNCHSiCH(OCH、HNCHSiCH(OCHCH、HNCHCHSi(OCH、HNCHCHSi(OCHCH、HNCHCHSiCH(OCH、HNCHCHSiCH(OCHCH、HNCHCHCHSi(OCH、HNCHCHCHSi(OCHCH、HNCHCHCHSiCH(OCH、HNCHCHCHSiCH(OCHCH、H(CH)NCHCHCHSi(OCH、H(CH)NCHCHCHSi(OCHCH、H(CH)NCHCHCHSiCH(OCH、H(CH)NCHCHCHSiCH(OCHCH、(CHNCHCHCHSi(OCH、(CHNCHCHCHSi(OCHCH、Cl(CHCHCHCHSi(OCH、Cl(CHCHCHCHSi(OCHCH、Cl(CH(CCH)NCHCHCHSi(OCH、Cl(CH(CCH)NCHCHCHSi(OCHCH、HNCHCHHNCHCHCHSi(OCH、HNCHCHHNCHCHCHSi(OCHCH、HNCHCHHNCHCHCHSiCH(OCH、HNCHCHHNCHCHCHSiCH(OCHCH、HNCHCHHNCHCHHNCHCHCHSi(OCH、HNCHCHHNCHCHHNCHCHCHSi(OCHCH、HNCHCHHNCHCHHNCHCHCHSiCH(OCH、HNCHCHHNCHCHHNCHCHCHSiCH(OCHCH
【0027】
【化7】
Figure 2004103295
【0028】
【化8】
Figure 2004103295
【0029】
これらの中で、特に好ましくは、HNCHCHHNCHCHCHSi(OCH、HNCHCHHNCHCHCHSi(OCHCHであり、これらの部分加水分解物を用いてもよい。
【0030】
一方、上記加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と混合して用いられる加水分解性シラン(B)は、下記一般式(2)で表され、その1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その部分加水分解物を使用してもよい。
SiR 4−n                  (2)
【0031】
ここで、Rは炭素数1〜8の窒素原子を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、上記Rで説明したものと同様である。具体的には、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH)CH、−C(CH、−C、−C13などが例示される。
【0032】
また、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH、−OCHCH、−OCHCHCH、−OCH(CH、−OCHCHCHCH、−OCH(CH)CHCH、−OCHCH(CH)CH、−OC(CH、−OCOCH、−OCOCHCHなどが例示されるが、中でも−OCH、−OCHCHが好ましい。
【0033】
なお、式(2)において、nは0、1又は2である。
【0034】
この式(2)の加水分解性シラン(B)としては、下記のものを例示することができる。Si(OCH、Si(OCHCH、Si(OCHCHCH、Si(OCHCHCHCH、CHSi(OCH、CHSi(OCHCH、CHSi(OCHCHCH、CHSi(OCHCHCHCH、(CHSi(OCH、(CHSi(OCHCH、(CHSi(OCHCHCH、(CHSi(OCHCHCHCH
【化9】
Figure 2004103295
【0035】
これらの中で、特に好ましくは、Si(OCH、Si(OCHCH、CHSi(OCH、CHSi(OCHCH及びこれらの部分加水分解物である。
【0036】
上記窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物に式(2)の加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を混合して用いる場合、その混合比は、窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部に対し加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部の割合であり、より好ましくは加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物の量が10〜150重量部である。この量が200重量部を超えると液の安定性が悪化する。
【0037】
上記加水分解性シラン(A)、(B)又はそれらの部分加水分解物を用いて加水分解し、本発明の有機ケイ素化合物を得る場合、溶媒は主として水を使用するが、必要に応じて、水と溶解する有機溶媒であるアルコール、エステル、ケトン、グリコール類を水に添加する形で用いることができる。有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール類などを挙げることができる。
【0038】
溶媒の量は原料シラン100重量部に対して400〜5000重量部が好ましい。更に好ましくは1000〜3000重量部である。溶媒の量が少なすぎると反応が進行しすぎ、系が均一にならない場合がある。また液の保存安定性も悪くなる場合がある。一方、多すぎると経済的に不利な場合が生じる。
【0039】
また、溶媒中の水の量は、水/原料シランのモル比率で5〜50が好ましい。このモル比率が5より少ないと加水分解が完全に進行しにくく、液の安定性が悪化する場合がある。一方、50を超えると経済的に不利な場合が生じる。
【0040】
反応方法としては、(1)混合シランを水中あるいは加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中に滴下する方法、(2)混合シランあるいは有機溶剤含有混合シラン中に水を滴下する方法、(3)加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を水中あるいは加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中に滴下し、その後、窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を滴下する方法、(4)窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を水中あるいは加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中に滴下し、その後、加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を滴下する方法などが挙げられるが、有機ケイ素化合物の安定性の点から、特に(1)の反応方法が好ましい。
【0041】
なお、得られた有機ケイ素化合物は水溶液の形で得られるが、必要に応じて、更に水を加えたり、除去したりして、有機ケイ素化合物100重量部に対して水10〜2000重量部、好ましくは10〜1000重量部の比率に調整することにより、有機ケイ素化合物水溶液を形成することが好ましい。この場合、水の量が少なすぎると有機ケイ素化合物自体の保存安定性が悪化する場合がある。また、多すぎると有機ケイ素化合物を加える量が多くなってしまい、コスト的に好ましくない。
【0042】
このようにして得られた有機ケイ素化合物は水溶液タイプであるため、プロトン伝導性ポリマーを処理する際も、ポリマーとのなじみもよく、スムーズに処理ができ、ポリマーを均一に改質できる。また、アミノアルコキシシランモノマーのメタノール溶液処理のように、一旦処理してから、更に沸騰水中に新たに浸漬して加水分解を促さなくてもよいという利点もある。更に処理濃度も10重量%以上にできるため、処理効率も改善することができる。また、この有機ケイ素化合物水溶液の保存安定性も高く、液を無駄にすることがなく、コスト的にも有利となる。
【0043】
プロトン伝導性ポリマー処理時の有機ケイ素化合物濃度は10〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量%が好ましい。濃度が薄すぎると処理効率が悪くなる場合が生じる。濃すぎると、水溶液の安定性が悪くなる場合が生じる。
【0044】
プロトン伝導性ポリマーを処理する場合は、この有機ケイ素化合物水溶液中にプロトン伝導性ポリマーを浸漬し処理するのが好ましい。浸漬時間は好ましくは1分〜2時間、より好ましくは1分〜20分である。
【0045】
この場合、処理液が水溶液のため、短時間処理でも十分である。この時の処理温度は好ましくは20〜80℃、より好ましくは30〜60℃である。
【0046】
処理後、乾燥させて目的のプロトン伝導性膜を得ることができるが、この時、室温下あるいは30〜80℃の加温下で乾燥させることにより、目的のプロトン伝導性膜を好適に製造することができる。
【0047】
次に第2発明について説明する。第2発明はフッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランと窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランを共加水分解・縮合した水溶性反応物でプロトン伝導性ポリマーを処理するものである。この場合、この反応物はフッ化アルキル基含有シラン化合物自体に水溶性が付与されたものであり、水に容易に溶解するため、フッ化アルキル基由来の優れた撥水性を付与することができることにより、メタノールのクロスオーバーを防ぐことができる。
【0048】
以下、第2発明について更に説明すると、用いるフッ化アルキル基含有アルコキシシランは下記一般式(3)で示されるものであり、その部分加水分解物でもよい。
【0049】
【化10】
Figure 2004103295
[式中、RfはC2p+1(p=1〜20)で表されるポリフルオロアルキル基を示し、Xは−CH−、−CHO−、−NR−、−CO−、−CONR−、−S−、−SO−又は−SONR−の1種又は2種以上の結合基(Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基)を示し、R、Rは上記に同じ。aは0〜3の整数、bは1〜3の整数、cは0又は1である。]
【0050】
このような一般式(3)のシランとしては、下記のものを例示することができる。
下記式において、RfはC2p+1(pは1〜20の整数)であり、CF−、C−、C−、C−、C13−、C17−、C1021−、C1225−、C1429−、C1633−、C1837−、C2041−などが例示される。
Rf(CHSi(OCH
Rf(CHSi(OC
Rf(CHSi(OCH(CH
Rf(CHSiCH(OCH
Rf(CHSiCH(OC
Rf(CHSiCH(OCH(CH
Rf(CHSi(OCH
Rf(CHSi(OC
Rf(CHSi(OCH(CH
Rf(CHSiCH(OCH
Rf(CHSiCH(OC
Rf(CHSiCH(OCH(CH
RfNH(CHSi(OCH
RfNH(CHSi(OC
RfNH(CHSi(OCH(CH
RfNH(CHSiCH(OCH
RfNH(CHSiCH(OC
RfNH(CHSiCH(OCH(CH
RfNH(CHNH(CHSi(OCH
RfNH(CHNH(CHSi(OC
RfNH(CHNH(CHSi(OCH(CH
RfNH(CHNH(CHSiCH(OCH
RfNH(CHNH(CHSiCH(OC
RfNH(CHNH(CHSiCH(OCH(CH
RfCONH(CHSi(OCH
RfCONH(CHSi(OC
RfCONH(CHSi(OCH(CH
RfCONH(CHSiCH(OCH
RfCONH(CHSiCH(OC
RfCONH(CHSiCH(OCH(CH
RfSONH(CHSi(OCH
RfSONH(CHSi(OC
RfSONH(CHSi(OCH(CH
RfSONH(CHSiCH(OCH
RfSONH(CHSiCH(OC
RfSONH(CHSiCH(OCH(CH
などが挙げられるが、好ましいものとして下記のものが挙げられる。
17(CHSi(OCH
17(CHSiCH(OCH
17(CHSi(OC
17(CHSiCH(OC
(CHSi(OCH
(CHSiCH(OCH
(CHSi(OC
(CHSiCH(OC
17CONH(CHSi(OCH
特にC17(CHSi(OCHが好ましい。
【0051】
本発明において、フッ化アルキル基含有アルコキシシランとしては、上記シランの他に、上記シランの部分加水分解物を用いることができる。但し、この場合、少なくとも1個は加水分解性基が残存している必要がある。所望により、各種シラン混合物を使用してもよいし、混合シランの部分加水分解物であってもよい。
【0052】
第2発明は、上記式(3)のフッ化アルキル基含有アルコキシシランに、第1発明で説明した一般式(2)の加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物、及び一般式(1)の窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を反応させた反応物を使用する。
【0053】
この場合、式(2)の加水分解性シラン(B)は、先に述べた通りのものが使用されるが、特に下記のものが好適に用いられる。
1021Si(OCH
1021Si(OC
1021SiCH(OCH
1021SiCH(OC
13Si(OCH
13Si(OC
13SiCH(OCH
13SiCH(OC
Si(OCH
Si(OC
SiCH(OCH
SiCH(OC
Si(OCH
Si(OC
SiCH(OCH
SiCH(OC
CHSi(OCH
CHSi(OC
(CHSi(OCH
(CHSi(OC
これらの中で、特に
1021Si(OCH
1021SiCH(OCH
(CHSi(OCH
(CHSi(OC
などが好適に用いられる。
【0054】
本発明において、アルキル基含有アルコキシシランとしては、上記シランの他に上記シランの部分加水分解物も使用し得る。
【0055】
更に、窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)も先に述べたものが使用されるが、下記のものが好ましい。
N(CHSi(OCH
N(CHSi(OC
N(CHSi(OCH
N(CHSi(OC
CHNH(CHSi(OCH
CHNH(CHSi(OC
CHNH(CHSi(OCH
CHNH(CHSi(OC
N(CHNH(CHSi(OCH
N(CHNH(CHSi(OC
CHNH(CHNH(CHSi(OCH
CHNH(CHNH(CHSi(OC
NH(CHNH(CHSi(OCH
NH(CHNH(CHSi(OC
N(CHSiCH(OCH
N(CHSiCH(OC
N(CHNH(CHSiCH(OCH
N(CHNH(CHSiCH(OC
これらの中で、特に
N(CHSi(OCH
N(CHSi(OC
N(CHNH(CHSi(OCH
N(CHNH(CHSiCH(OCH
などが好適に用いられる。また、これらの部分加水分解物を使用することもできる。
【0056】
ここで、これらフッ化アルキル基含有アルコキシシランと窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランとアルキル基含有アルコキシシランの反応物は、これら3成分を有機酸あるいは無機酸の存在下に共加水分解・縮合させることにより得ることができる。安定性の点により、最初にフッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとを有機酸あるいは無機酸の存在下、部分加水分解し、次いでフッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとの部分加水分解物と窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランとを反応させることによって得ることが好ましい。
【0057】
フッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとを加水分解する際に使用される有機酸及び無機酸としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸及びマレイン酸などから選ばれる少なくとも1種の酸が用いられるが、処理した際の基材への腐食性の観点からなるべく弱酸が好ましく、特に酢酸、プロピオン酸が好適である。この酸の使用量はフッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとの総量100重量部に対して好ましくは30〜400重量部、より好ましくは40〜350重量部である。この酸の使用量が少なすぎると加水分解の進行が遅く、また、組成物の水溶液の安定性が悪化することがある。
【0058】
加水分解の際は溶剤で希釈した状態で行うことが好ましい。溶剤としては、アルコール系溶剤が好適であり、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−ブタノール及び2−メチル−2−ブタノールが好適である。特に好ましくは3−ブタノールである。この溶剤の使用量はフッ化アルキル基含有アルコキシシラン量あるいはフッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとの総量100重量部に対して好ましくは100〜500重量部、より好ましくは200〜400重量部である。この溶剤の使用量が少なすぎると、縮合が進んでしまうことがあり、また多すぎると、加水分解に時間がかかることがある。
【0059】
フッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとを加水分解させるために加える水量は、フッ化アルキル基含有アルコキシシランのモル量あるいはフッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランの総モル量に対し好ましくは1〜3倍モル量、より好ましくは1.2〜2.5倍モル量である。加える水量が1倍モル量より少ないとアルコキシ基が多く残存する場合がある。また、3倍モル量を超えると縮合が進行しすぎる場合がある。
【0060】
上記フッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとを加水分解させる際の反応条件は、反応温度が好ましくは10〜100℃、より好ましくは60〜90℃がよく、反応時間は1〜3時間で加水分解反応させることがよい。
【0061】
なお、フッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとを反応させる場合の比率は1:0.05〜1:0.5のモル比となるのが好ましい。アルキル基含有アルコキシシランのモル比が0.05より小さいと耐久性が悪化する場合がある。また0.5より大きいと水溶性が悪化する場合がある。
【0062】
このようにして得られたフッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランとの反応生成物を、次のように窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランと連続的に反応させる。この場合、フッ化アルキル基含有アルコキシシランとアルキル基含有アルコキシシランの合計量と窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランとのモル比は1:0.5〜1:20になるように窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランを反応させることが好ましい。窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランのモル比が0.5より小さいと水溶性が悪化することがある。また20を超えると撥水性能が悪くなることがある。
【0063】
この窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランを反応させる際の反応条件は、反応温度60〜100℃、特に反応時間1〜3時間が好ましい。
【0064】
このようにして得られた反応物は水溶性であって、水溶液タイプであるため、プロトン伝導性ポリマーを処理する際も、ポリマーとのなじみもよく、スムーズに処理を行うことができるため、均一に改質できる。更にこの場合は処理濃度が薄くても十分に処理できるため、処理効率も改善することができる。また、この処理剤水溶液の保存安定性も高く、液を無駄にすることがなく、コスト的にも有利となる。
【0065】
このようにして得られた水溶性反応物を有効成分として好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜2重量%を水に均一混合した処理剤でプロトン伝導性ポリマーを処理する。この時、反応物の濃度が薄すぎると処理効率が悪くなるおそれがある。また、多すぎると、水溶液の安定性が悪くなることがある。
【0066】
プロトン伝導性ポリマーを処理する場合は、この処理剤水溶液中にプロトン伝導性ポリマーを浸漬し、処理するのが好ましい。浸漬時間は好ましくは1分〜2時間、より好ましくは1〜20分である。この場合、処理液が水溶液のため短時間処理でも十分である。この時の処理温度は好ましくは20〜80℃、より好ましくは30〜60℃である。
【0067】
処理後、乾燥させて目的のプロトン伝導性膜を得ることができるが、この時、室温下あるいは30〜80℃の加温下で乾燥させることにより目的のプロトン伝導性膜を製造することが好ましい。
【0068】
更に第3発明について説明する。第3発明は下記一般式(4)で示される有機ケイ素化合物(D)と上記窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物とを共加水分解縮合させたものでプロトン伝導性ポリマーを処理するものである。この場合、この反応物(共加水分解縮合物)はアルキルシロキサン化合物自体に水溶性が付与されたものであり、水に容易に溶解するため、アルキルシロキサン由来の優れた撥水性を付与することができることにより、メタノールのクロスオーバーを防ぐことができる。
【0069】
以下、第3発明について更に詳しく説明すると、用いる有機ケイ素化合物(D)は下記一般式(4)で示されるものである。
(R(RSiO(4−d−e)/2          (4)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、dは0.75〜1.5、eは0.2〜3で、かつ0.9<d+e≦4を満足する正数である。)
【0070】
上記式(4)のRは炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基である。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
【0071】
は第1発明のものと同じであり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
【0072】
このような式(4)の有機ケイ素化合物の具体例としては、下記化合物を挙げることができる。
CHSi(OCH、CHSi(OC、CHSi(OCH(CH、CHCHSi(OCH、CHCHSi(OC、CHCHSi(OCH(CH、CSi(OCH、CSi(OC、CSi(OCH(CH、CSi(OCH、CSi(OC、CSi(OCH(CH、C11Si(OCH、C11Si(OC、C11Si(OCH(CH、C13Si(OCH、C13Si(OC、C13Si(OCH(CH
【0073】
本発明においては、上記各種シランを単独で使用しても2種類以上の混合物を使用してもよいし、混合シランの部分加水分解物を使用してもよい。
【0074】
また、(D)成分として当該技術分野において周知であるように、上記シランを部分加水分解縮合したアルコキシ基含有シロキサンを用いることができる(この場合の部分加水分解物のケイ素原子の数は2〜10、特に2〜4であることが好ましい)。更に、(D)成分としては、水中で炭素原子数1〜6のアルキルトリクロロシランとメタノール又はエタノールとを反応させることにより得られるものでもよい(この場合もケイ素原子数が2〜6、特に2〜4であることが好ましく、また、25℃で300mm/s以下の粘度を有しているものが好ましく、特に1〜100mm/sの粘度を有するものが好適である)。
【0075】
本発明の窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)は第1発明の上記一般式(1)で示されるものであり、先に説明したものを使用し得るが、特に下記のものが好ましい。
N(CHSi(OCH、HN(CHSi(OCHCH、HN(CHSi(OCH、HN(CHSi(OCHCH、CHNH(CHSi(OCH、CHNH(CHSi(OCHCH、CHNH(CHSi(OCH、CHNH(CHSi(OCHCH、HN(CHNH(CHSi(OCH、HN(CHNH(CHSi(OCHCH、CHNH(CHNH(CHSi(OCH、CHNH(CHNH(CHSi(OCHCH、CNH(CHNH(CHSi(OCH、CNH(CHNH(CHSi(OCHCH、HN(CHSiCH(OCH、HN(CHSiCH(OCHCH、HN(CHSiCH(OCH、HN(CHSiCH(OCHCH、CHNH(CHSiCH(OCH、CHNH(CHSiCH(OCHCH、CHNH(CHSiCH(OCH、CHNH(CHSiCH(OCHCH、HN(CHNH(CHSiCH(OCH、HN(CHNH(CHSiCH(OCHCH、CHNH(CHNH(CHSiCH(OCH、CHNH(CHNH(CHSiCH(OCHCH、CNH(CHNH(CHSiCH(OCH、CNH(CHNH(CHSiCH(OCHCH
【0076】
これらの中で、特にN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラシ、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが好適に用いられる。
なお、これらの部分加水分解物であってもよい。
【0077】
上記(D)及び(A)成分の使用割合は、(D)成分100重量部に対して(A)成分0.5〜49重量部、好ましくは5〜20重量部である。(A)成分が0.5重量部未満であると水溶性が弱くなり、水溶液にした時の安定性が悪くなる。また、(A)成分が49重量部を超えると撥水性、長期吸水防止性が悪くなったり、中性基材に処理したときに黄変が激しくなる。
【0078】
モル換算としては、(D)成分のSi原子1モルに対し(A)成分のSi原子が0.01〜0.3モル、特に0.05〜0.2モルとなるように用いることが好ましい。
【0079】
これら(D)及び(A)成分は、有機酸又は無機酸の存在下で共加水分解させればよい。この場合、最初に(D)成分を有機酸あるいは無機酸の存在下で加水分解し、この(D)成分の加水分解物と(A)成分を混合し、有機酸あるいは無機酸の存在下、更に加水分解させることが好ましい。
【0080】
(D)成分を加水分解する際に使用される有機酸及び無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸及びマレイン酸などから選ばれる少なくとも1種の酸が用いられるが、特に好適なものは酢酸、プロピオン酸である。この酸の使用量は、(D)成分100重量部に対して2〜40重量部、特に3〜15重量部が好適である。
【0081】
加水分解の際は適度に溶剤で希釈した状態で行うのが好ましい。溶剤としては、アルコール系溶剤が好適であり、特にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、第三ブチルアルコールが好適である。この溶剤の使用量は、(D)成分100重量部に対して50〜300重量部、特に70〜200重量部が好ましい。溶剤の使用量が少なすぎると、縮合が進んでしまう場合があり、また多すぎると、加水分解に時間がかかることがある。
【0082】
また、(D)成分を加水分解させるために加える水量は、(D)成分1モルに対し0.5〜4モル量、特に1〜3モル量が好適である。加える水量が少なすぎるとアルコキシ基が多く残存してしまう場合があり、多すぎると縮合が進行しすぎる場合がある。
【0083】
(D)成分を加水分解させる際の反応条件は、反応温度10〜40℃、特に20〜30℃がよく、反応時間は1〜3時間で加水分解反応させるのがよい。
【0084】
以上で得られた(D)成分の加水分解物と(A)成分とを反応させる。なお、反応条件は、反応温度60〜100℃、反応時間1〜3時間が好ましい。反応終了後は、溶剤の沸点以上まで温度を上げ、アルコール溶剤を留去させる。この場合、系内の全アルコール(反応溶剤としてのアルコール、副生成物としてのアルコール)の含有量を30重量%以下、特に10重量%以下となるように留去させることが好ましい。アルコールが多く含まれていると、水で希釈した場合、白濁したりゲル化したりすることがあり、保存安定性も低下することがある。上記方法で製造できる反応生成物は、25℃における粘度が5〜2000mm/s、特に50〜500mm/sであることが好ましい。粘度が高すぎると作業性や保存安定性が低下したり、水への溶解性が低下することがある。また、重量平均分子量は500〜5000、特に800〜2000の範囲であることが望ましい。
【0085】
このようにして得られた反応物は水溶液タイプであるため、プロトン伝導性ポリマーを処理する際も、ポリマーとのなじみもよく、スムーズに処理することができるため、均一に改質できる。更にこの場合は処理濃度が薄くても十分に処理できるため、処理効率も改善することができる。また、この処理剤水溶液の保存安定性も高く、液を無駄にすることがなく、コスト的にも有利となる。
【0086】
このようにして得られた水溶性反応物を有効成分として0.01〜20重量%、より好ましくは1.0〜10重量%を水に均一混合した処理剤でプロトン伝導性ポリマーを処理することが好ましい。この時、反応物の濃度が薄すぎると処理効率が悪くなるおそれがある。また、濃すぎると、水溶液の安定性が悪くなることがある。
【0087】
プロトン伝導性ポリマーの処理は、この処理剤水溶液中にプロトン伝導性ポリマーを浸漬し、処理するのが好ましい。浸漬時間は好ましくは1分〜2時間、より好ましくは1〜20分である。この場合、処理液が水溶液のため、短時間処理でも十分である。この時の処理温度は好ましくは20〜80℃、より好ましくは30〜60℃である。
【0088】
処理後、乾燥させて目的のプロトン伝導性膜を得ることができるが、この時、室温下あるいは30〜80℃の加温下で乾燥させることにより目的のプロトン伝導性膜を製造することができる。
【0089】
本発明の電解質用プロトン伝導性膜は、燃料電池のプロトン伝導性膜として、公知のプロトン伝導性膜と同様に、燃料極及び酸化剤極に挟持されて使用される。この場合、この燃料電池の構成は、本発明のプロトン伝導性膜を用いる以外は公知の構成とすることができる。
【0090】
【実施例】
以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
有機ケイ素化合物の合成
[合成例1]
水246g(13.7mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌した。ここにHNCHCHHNCHCHCHSi(OCH44.4g(0.2mol)及びSi(OCHCH20.8g(0.1mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から56℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノール、エタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−1を250g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は14.9%であった。
【0091】
[合成例2]
水278g(15.4mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌した。ここにHNCHCHHNCHCHCHSi(OCH55.6g(0.25mol)及びSi(OCHCH10.4g(0.05mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、27℃から49℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノール、エタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−2を274g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は15.1%であった。
【0092】
[合成例3]
水202g(11.2mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌した。ここにHNCHCHHNCHCHCHSi(OCH33.3g(0.15mol)及びSi(OCHCH31.2g(0.15mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から51℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノール、エタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−3を210g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は15.3%であった。
【0093】
[合成例4]
水308g(17.1mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌した。ここにHNCHCHHNCHCHHNCHCHCHSi(OCH53.1g(0.2mol)及びSi(OCH15.2g(0.1mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、28℃から53℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−4を300g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は15.4%であった。
【0094】
[合成例5]
水253g(14.1mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌した。ここにHNCHCHHNCHCHCHSi(OCH44.4g(0.2mol)及びCHSi(OCH13.6g(0.1mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、26℃から42℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−5を244g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は15.6%であった。
【0095】
[合成例6]
水241g(13.4mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌した。ここにHNCHCHHNCHCHCHSi(OCH44.4g(0.2mol)、Si(OCHCH18.7g(0.09mol)及びCHSi(OCH1.4g(0.01mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、26℃から49℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−6を241g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は15.7%であった。
【0096】
[合成例7]
水246g(13.7mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌した。ここに3−イミダゾリジノプロピルトリメトキシシラン46g(0.2mol)及びSi(OCHCH20.8g(0.1mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から59℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノール、エタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−7を251g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は15.1%であった。
【0097】
処理剤水溶液の合成
[合成例8]
撹拌器、冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた0.5Lの四つ口フラスコにC17(CHSi(OCH48.0g(0.085mol)、(CHSi(OCH2.0g(0.009mol)、3−ブタノール169g、酢酸14.2g(0.237mol)及び水2.6g(0.142mol)を入れて撹拌し、3−ブタノールが還流するまで加熱した。2時間反応させた後、滴下ロートにより、HN(CHHN(CHSi(OCH21.0g(0.095mol)を滴下し、更に3−ブタノール還流下で1時間反応させ、淡黄色透明溶液を得た。105℃/3時間の条件で不揮発分測定を行ったところ、20.2%であった。これを水で2重量%となるように希釈し、処理剤水溶液−1とした。
【0098】
[合成例9]
撹拌器、冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた1.0Lの四つ口フラスコにC(CHSiCH(OCH80.0g(0.227mol)、(CHSi(OCH4.0g(0.033mol)、CHSi(OCH9.93g(0.073mol)、メタノール68g、酢酸30.0g(0.5mol)及び水9g(0.499mol)を入れて撹拌し、メタノールが還流するまで加熱した。2時間反応させた後、滴下ロートにより、HN(CHHN(CHSi(OCHCH73.7g(0.333mol)を滴下し、更にメタノール還流下で2時間反応させた。更にエステルアダプターを取り付け、内温110℃まで上げ、メタノールを除去し、黄色ペースト物を得た。ここに水を投入し、不揮発分が2重量%になるように調整した。得られたものは透明の水溶液であった。これを処理剤水溶液−2とした。
【0099】
[合成例10]
冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメトキシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.37mol)、メタノール154g及び酢酸5.1gを入れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37mol)を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン8.9g(0.04mol)を滴下した。その後、メタノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、エステルアダプターにて、内温が110℃になるまでメタノールを留去し、粘度71mm/sの薄黄色透明溶液81gを得た(重量平均分子量1100)。これを水で5重量%となるように希釈し、淡黄色透明の処理剤水溶液−3を得た。
【0100】
[合成例11]
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを3−アミノプロピルトリエトキシシラン17.7g(0.08mol)とした以外は、合成例10と同様に反応を行い、粘度220mm/sの薄黄色透明溶液90gを得た(重量平均分子量1300)。これを水で5重量%となるように希釈し、透明の処理剤水溶液−4を得た。
【0101】
使用プロトン伝導性ポリマー
使用するプロトン伝導性ポリマーからなる膜として、厚さ190μmの市販のナフィオン膜(Nafion117@フィルム)を用意し、沸騰水中で1時間処理し、10%の硝酸に数時間浸漬した。更に、純水で十分に洗浄した後、純水中で保存した。これを処理前に取り出して反応に使用した。
【0102】
[実施例1]
前述のナフィオン膜を純水から取り出して、膜表面の水分を濾紙で十分に吸い取った後、上記合成例1の有機ケイ素化合物−1水溶液中に室温で1分間浸漬し、次いで室温で乾燥を行うことよって、サンプルI−1のプロトン伝導性膜を作製した。得られたプロトン伝導性膜について、メタノール透過性及び電気抵抗を測定した。
【0103】
まず、直径30mmの円形セルを2つ用意して、一方のセルには10%のメタノール水溶液を収容し、他方のセルには純水を収容した。これら2つのセルでプロトン伝導性高分子膜を挿み込んで、室温で一定時間放置した。その後、純水を収容したセル側のメタノール濃度をガスクロマトグラフィーで測定して、メタノールの透過性を測定した。
【0104】
サンプルの膜は、一定時間経過後に純水中から取り出し、水を切ってメタノールの透過性を測定した。メタノールの透過性は、ナフィオンを1として相対的な値で表1に示す。
【0105】
また、10cmの面積を有する正方形のセルを2つ準備し、その一方の片側に白金電極を取り付けた。こうした2つのセルとの間にプロトン伝導性膜を挿み込んで、インピーダンスアナライザーで1kHzにおける値を測定して、膜の電気抵抗を得た。得られた結果を表1に示す。
【0106】
[実施例2]
実施例1の浸漬時間を3分間に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルI−2を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0107】
[実施例3]
実施例1の浸漬時間を10分間に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルI−3を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0108】
[実施例4]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を有機ケイ素化合物−2に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルII−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0109】
[実施例5]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を有機ケイ素化合物−3に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルIII−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0110】
[実施例6]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を有機ケイ素化合物−4に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルIV−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0111】
[実施例7]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を有機ケイ素化合物−5に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルV−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0112】
[実施例8]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を有機ケイ素化合物−6に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルVI−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0113】
[実施例9]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を有機ケイ素化合物−7に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルVII−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0114】
[実施例10]
実施例1のナフィオン膜117をナフィオン膜1135に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルI−1’を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0115】
[実施例11]
実施例1のナフィオン膜117をナフィオン膜1035に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルI−1”を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0116】
[実施例12]
実施例3の操作に引き続いて、10%の硫酸中に浸漬し、次いで水洗して、酸をドープしたサンプルI−3’プロトン伝導性膜を得た。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0117】
[実施例13]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を処理剤水溶液−1に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルXI−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0118】
[実施例14]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を処理剤水溶液−2に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルXII−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0119】
[実施例15]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を処理剤水溶液−3に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルXIII−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0120】
[実施例16]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を処理剤水溶液−4に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルXIV−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0121】
[比較例1]
実施例1の有機ケイ素化合物−1を3−アミノプロピルトリメトキシシランの1%メタノール溶液に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルVIII−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0122】
[比較例2]
比較例1の3−アミノプロピルトリメトキシシランをN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロプルトリメトキシシランに変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルIX−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0123】
[比較例3]
比較例1の3−アミノプロピルトリメトキシシランを3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5%、テトラエトキシシラン0.5%の合計1%メタノール混合液に変更した以外は、前述のサンプルI−1と同様にしてサンプルX−1を作製した。得られたプロトン伝導性膜は、実施例1と同様にしてメタノール透過性及び電気抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0124】
[比較例4〜6]
更に、単独のNafion117、1135及び1035についても、上述と同様の手法によりメタノール透過性及び電気抵抗を調べた。その結果を表1に示す。
【0125】
【表1】
Figure 2004103295
【0126】
表1に示されるように、本発明の製造法によるプロトン伝導性膜においては、膜の電気抵抗(インピーダンス)は、単独のナフィオンの場合の数倍程度の範囲で収まっている。このことから、本発明のプロトン伝導性膜は、プロトン伝導性をある程度維持しつつ、メタノールの透過性を大幅に低減できることが明らかとなった。
【0127】
【発明の効果】
本発明によれば、プロトン伝導性を維持しつつ、メタノールのクロスオーバーを抑制することを可能にする燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜が提供される。また、本発明のプロトン伝導性膜を用いることにより、小型で性能が高く、しかも安定した出力を供給可能な燃料電池を得ることが可能となり、その工業的価値は絶大である。

Claims (14)

  1. 燃料電池の電解質用プロトン伝導性ポリマーを、下記一般式(1)
    YR SiR 3−m                 (1)
    (式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
    で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式(2)
    SiR 4−n                  (2)
    (式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0、1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物で処理してなることを特徴とする燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜。
  2. 式(1)の加水分解性シラン(A)が、
    NCHCHHNCHCHCHSi(OCH
    又は
    NCHCHHNCHCHCHSi(OCHCH
    であることを特徴とする請求項1記載のプロトン伝導性膜。
  3. 式(2)の加水分解性シラン(B)が、
    Si(OCH
    Si(OCHCH
    CHSi(OCH
    又は
    CHSi(OCHCH
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のプロトン伝導性膜。
  4. 有機ケイ素化合物を水に希釈した処理液によりプロトン伝導性ポリマーを処理した請求項1、2又は3記載のプロトン伝導性膜。
  5. 燃料電池の電解質用プロトン伝導性ポリマーを、下記一般式(1)
    YR SiR 3−m                 (1)
    (式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
    で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
    SiR 4−n                  (2)
    (式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0、1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物と、下記一般式(3)
    Figure 2004103295
    [式中、RfはC2p+1(p=1〜20)で表されるポリフルオロアルキル基を示し、Xは−CH−、−CHO−、−NR−、−CO−、−CONR−、−S−、−SO−又は−SONR−の1種又は2種以上の結合基(Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基)を示し、R、Rは上記に同じ。aは0〜3の整数、bは1〜3の整数、cは0又は1である。]
    で表されるフッ化アルキル基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物(C)との反応物を主剤とする水溶性処理剤で処理してなることを特徴とする燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜。
  6. (C)成分と(B)成分とを1:0.05〜1:0.5のモル比で反応させると共に、上記(C)成分と(B)成分との合計量と(A)成分とを1:0.5〜1:20のモル比で反応させた反応物を用いた請求項5記載のプロトン伝導性膜。
  7. 反応物0.1〜10重量%及び水99.9〜90重量%からなる水溶性処理剤によりプロトン伝導性ポリマーを処理した請求項5又は6記載のプロトン伝導性膜。
  8. 燃料電池の電解質用プロトン伝導性ポリマーを、(D)下記一般式(4)
    (R(RSiO(4−d−e)/2          (4)
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、dは0.75〜1.5、eは0.2〜3で、かつ0.9<d+e≦4を満足する正数である。)
    で表される有機ケイ素化合物100重量部と、下記一般式(1)
    YR SiR 3−m                 (1)
    (式中、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、Rは上記と同じ、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
    で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物0.5〜49重量部とを有機酸又は無機酸の存在下で共加水分解縮合させたもので処理してなることを特徴とする燃料電池の電解質用プロトン伝導性膜。
  9. (D)成分のRがメチル基であることを特徴とする請求項8記載のプロトン伝導性膜。
  10. (A)成分の窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シランが、
    Figure 2004103295
    であることを特徴とする請求項8又は9記載のプロトン伝導性膜。
  11. (D)成分を有機酸又は無機酸及びアルコールの存在下で加水分解させ、その後(A)成分と反応させ、次いでアルコールを系外から除去することにより得られる反応物を使用する請求項8乃至10のいずれか1項記載のプロトン伝導性膜。
  12. 前記プロトン伝導性ポリマーが、スルホン酸基及びカルボキシル基の少なくとも一方とフッ素樹脂骨格とを含むポリマーであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載のプロトン伝導性膜。
  13. 酸でドープされていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載のプロトン伝導性膜。
  14. 電解質膜と、この電解質膜を挟持する燃料極及び酸化剤極とを具備する燃料電池において、前記電解質膜は請求項1乃至13のいずれか1項記載のプロトン伝導性膜を含むことを特徴とする燃料電池。
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