JP2004103046A - 光ディスク装置、及び光ディスク装置のプリピット信号検出方法 - Google Patents

光ディスク装置、及び光ディスク装置のプリピット信号検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精度の良いLPP(Land Pre−Pit)信号の検出方法を提供する。
【解決手段】光ディスクの回転及び記録のための制御を行う光ディスク装置において、互いに隣接する記録トラックとランドトラックとに対して照射された光ビームの反射光に基づき、ラジアルプッシュプル信号を出力するラジアルプッシュプル信号出力手段と、プリピット信号を抽出するための閾値を供給する閾値供給手段と、ラジアルプッシュプル信号と閾値とを比較し、ラジアルプッシュプル信号における閾値を境に2値化したプリピット信号を検出する2値化プリピット検出手段と、2値化したプリピット信号の幅と所定の基準値とを比較するプリピット信号幅比較手段とを備え、閾値供給手段は、プリピット信号幅比較手段による比較結果に基づき、プリピット信号の幅を一定にすべく閾値を調整する。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置、及び光ディスク装置のプリピット信号検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光を利用してデータ記録が可能な記録型の光ディスクには、例えば、CD−RやDVD−R、DVD+R等のデータ追記型(Write Once)の光ディスクと、CD−RWやDVD−RW、DVD+RW等の書き換え可能型(ReWritable)の光ディスクとがある。
【0003】
このような光ディスクでは、プリフォーマットとしてグルーブウォブリングとランドプリピットと呼ばれる二つの方式を利用することによって、情報の記録・再生の信頼性を高める工夫がなされている。図6に示すように、まず、光ディスク1の基板上には、情報を記憶するトラックとしてのグルーブトラック4が形成されている。なお、グルーブトラック4は、光ディスク1の回転制御を行う為の基準クロックに基づいた周波数によってウォブリングしている。また、隣り合うグルーブトラック4間の領域は、ランドトラック2と呼ばれ、このトラック4上にプリピット3が形成されている。なお、プリピット3は、光ディスク1への情報記録時の位置検索に必要となるアドレス情報や同期信号等(以下、これらを総称してLPP(Land Pre−Pit)信号と称す)の情報が表現されている。
【0004】
ここで、光ディスク1への情報の記録・再生を行う光ディスク装置では、情報記録時において、光ビームBをその中心がグルーブトラック4の中心と一致するように照射し、グルーブトラック4上において記録情報に対応する情報記録ピットを形成する。なお、この際の光スポットSPの一部は、光ビームBを照射したグルーブトラック4の両側に位置するランドトラック2にも照射されるように設定されている。光ディスク装置は、この光スポットSPの反射光に基づき、ラジアルプッシュプル(Radial push−pull)信号を検出する。具体的には、グルーブトラック4からの反射光に基づき、ウォブリング周波数成分を含む信号(以下、WBL(Wobble)信号と称す)を得る。また、ランドトラック2からの反射光に基づき、LPP信号を得る。WBL信号の所定の位相位置に対し、LPP信号を重畳させることにより、ラジアルプッシュプル(Radial push−pull)信号を生成する。
【0005】
光ディスク装置は、このラジアルプッシュプル信号に含まれるWBL信号及びLPP信号を抽出し、それらの抽出した信号に基づいて、光ディスク1の回転制御や光ディスク1への情報の記録・再生に係る制御を行う。
【0006】
このLPP信号の抽出について説明すると、WBL信号と固定の閾値(スライス・レベル)とを比較し、この閾値を超える信号のみを抽出する。この抽出された信号と、WBL信号に同期したゲート信号との論理積をとることにより、WBL信号に重畳されたLPP信号を抜き出していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
ところで、例えばDVD−Rのような光記録媒体では、情報記録ピットを形成するために高出力の光ビームが照射されると、一般的にビームの有する熱エネルギーによって、照射位置の反射率が低下する。つまり、記録ピットが形成されたプリグルーブ位置における反射光量は、記録ピットが形成されないプリグルーブ位置の反射光量より小さくなる。そして、情報を記録するときには、情報記録ピットが形成されるプリグルーブ位置に隣接するランド部の一部にまでにも記録用ビームが照射される。このため、記録ピットが形成されるプリグルーブ位置に隣接するランド部にLPPが存在する。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−293855号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような従来技術にあっては、記録ピットが形成された後、LPPの読み取りを行う際に、次のような問題が発生する。
記録ピットを形成するため、高出力の記録用ビームが照射される。すると、LPPが存在するランド部の反射率が低下するため、LPPの読み取りを行う際には、LPPからの反射光量が低下する。よって、ラジアルプッシュプル信号として抽出されるLPPの振幅レベルも低下してしまう。このため、不要なノイズに対するLPP信号のS/N(信号対雑音比)が悪化してしまう。したがって、2値化されたLPP信号を検出するにあたり、従来のように、固定のスライスレベルでWBL信号と比較する方法では、精度の良いLPP信号を検出を得ることは困難である。
【0010】
さらに、プリグルーブはディスク半径方向にウォブリングされている。このため、ラジアルプッシュプル信号はウォブリング周波数成分にプリピットが重畳された複合信号となる。ここで、DVD−Rのように高密度記録されたディスクにおいては、光ビームが照射されているプリグルーブに隣接するプリグルーブのウォブル信号成分が、クロストークによって滴れ込む場合がある。この滴れ込みが発生すると、ラジアルプッシュプル信号として得られる複合信号のうちのウォブル信号成分が干渉を受けることになり、その振幅が変動してしまう。
つまりLPP信号成分は、振幅が変動するウォブル信号上に重畳されているため、そのベースライン電圧となるウォブル信号の振幅が変動してしまう。このため、2値化されたLPP信号を検出するにあたり、従来のように、固定のスライスレベルでWBL信号と比較する方法では、精度の良いLPP信号を検出を得ることは困難である。
【0011】
このようなウォブル信号成分の干渉という問題に対し、ウォブルの振幅変動成分を検出し、その変動成分をLPPの2値化用スライスレベルに加算し、ウォブル変動に追従しながら2値化を行うといった対策がある。
【0012】
しかしながら、ラジアルプッシュプル信号におけるLPPの振幅レベルは、LDPOWER、チルト、デフォーカス、デトラック状態やディスクの反射率の相違、そして各信号を検出する回路のゲイン等のパラメータのばらつき等で変化する。このため、ウォブル変動分の注入量の設定、調整などを行わなければならず、回路構成が複雑になるとともに、回路調整が煩雑になるといった問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る主たる発明では、光ディスクの記録トラックから検出される回転制御用のウォブル信号と、隣り合う前記記録トラックの間のランドトラックから検出される記録位置検索用のプリピット信号とに基づき、前記光ディスクの回転及び記録のための制御を行う光ディスク装置であって、
互いに隣接する前記記録トラックと前記ランドトラックとに対して照射された光ビームの反射光に基づき、ラジアルプッシュプル信号を出力するラジアルプッシュプル信号出力手段と、前記プリピット信号を抽出するための閾値を供給する閾値供給手段と、前記ラジアルプッシュプル信号と閾値とを比較し、前記ラジアルプッシュプル信号における前記閾値を境に2値化した前記プリピット信号を検出する2値化プリピット検出手段と、前記2値化した前記プリピット信号の幅と所定の基準値とを比較するプリピット信号幅比較手段とを備え、
前記閾値供給手段は、前記プリピット信号幅比較手段による比較結果に基づき、前記プリピット信号の幅を一定にすべく前記閾値を調整する。
【0014】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
=====開示の概要=====
少なくとも次のことが明らかにされる。
本発明に係る光ディスク装置では、光ディスクの記録トラックから検出される回転制御用のウォブル信号と、隣り合う前記記録トラックの間のランドトラックから検出される記録位置検索用のプリピット信号とに基づき、前記光ディスクの回転及び記録のための制御を行うのであって、
互いに隣接する前記記録トラックと前記ランドトラックとに対して照射された光ビームの反射光に基づき、ラジアルプッシュプル信号を出力するラジアルプッシュプル信号出力手段と、前記プリピット信号を抽出するための閾値を供給する閾値供給手段と、前記ラジアルプッシュプル信号と閾値とを比較し、前記ラジアルプッシュプル信号における前記閾値を境に2値化した前記プリピット信号を検出する2値化プリピット検出手段と、前記2値化した前記プリピット信号の幅と所定の基準値とを比較するプリピット信号幅比較手段とを備え、
前記閾値供給手段は、前記プリピット信号幅比較手段による比較結果に基づき、前記プリピット信号の幅を一定にすべく前記閾値を調整する。
【0016】
前記プリピット信号幅比較手段が用いる前記所定の基準値を記憶する記憶手段を備えることとできる。
前記2値化した前記プリピット信号の幅を計測するプリピット信号幅計測手段を備えることとできる。
前記プリピット信号幅比較手段による前記比較結果として、前記プリピット信号の幅が前記所定の基準値より大きい場合、前記閾値供給手段は前記閾値を上げることとできる。
前記プリピット信号幅比較手段による前記比較結果として、前記プリピット信号の幅が前記所定の基準値より小さい場合、前記閾値供給手段は前記閾値を下げることとできる。
【0017】
本発明に係る光ディスク装置のプリピット検出方法では、光ディスクの記録トラックから検出される回転制御用のウォブル信号と、隣り合う前記記録トラックの間のランドトラックから検出される記録位置検索用のプリピット信号とに基づき、前記光ディスクの回転及び記録のための制御を行う光ディスク装置のプリピット検出方法であって、
互いに隣接する前記記録トラックと前記ランドトラックとに対して照射された光ビームの反射光に基づき、ラジアルプッシュプル信号を出力するステップと、前記プリピット信号を抽出するための閾値を供給するステップと、前記ラジアルプッシュプル信号と閾値とを比較し、前記ラジアルプッシュプル信号における前記閾値を境に2値化した前記プリピット信号を検出するステップと、前記2値化した前記プリピット信号の幅と所定の基準値とを比較するステップとを備え、
前記閾値を供給するステップでは、前記所定の基準値とを比較するステップによる比較結果に基づき、前記プリピット信号の幅を一定にすべく前記閾値を調整する。
【0018】
=====実施例=====
<<<システム構成>>>
本発明の一実施形態である光ディスク装置を含めたシステムの概略構成につき、図1を参照して説明する。光ディスク装置10は、光ピックアップ11、WBL(ウォブル信号)検出部12、LPP検出部13、ライトクロック生成部14、デコーダ15、スピンドルモータ16、スピンドルサーボ回路17、光ピックアップサーボ回路18、プロセッサ(プリピット信号幅比較手段)19、インタフェース部20、エンコーダ21、レーザー制御部22、及びROM(記憶手段)23を有する。
加えて、本実施例では、LPP幅カウント回路(プリピット信号幅計測手段)25を備える。
【0019】
また、光ディスク装置10は、インタフェース部20を介して、外部のホストコンピュータ24と接続される。このホストコンピュータ24から光ディスク1へ記録すべきデータSWDが光ディスク装置10に入力される。
【0020】
光ピックアップ11は、光ディスクへのデータの記録・再生のための手段であり、レーザダイオード、ビームスプリッタ、対物レンズ、ホトダイオードなど(いずれも不図示)を含む。この光ピックアップ11は、レーザ制御信号SDLに基づいて光ビームBを光ディスク1の記録トラックに照射する。照射した光ビームBの反射光をホトダイオードの第1の分割受光部と第2の分割受光部とに受光する。これら第1の分割受光部と第2の分割受光部は、記録トラックの接線方向に対して光学的に平行である。
【0021】
この光ピックアップ11には、光ディスク1面上における光ビームBの焦点を補正するフォーカスサーボ、入射された光ビームBの中心とトラック中心とのずれを補正するトラッキングサーボ、光ビームBの光軸と光ディスク1との直交関係のずれを補正するチルトサーボ、といった各種サーボ制御を行う為のメカニズム(機構)が組み込まれている。この光ピックアップ11の構成は、例えば、電波新聞社発行の「DVD&DVC入門基本18章」の17頁の第1−8図に示されるような周知のハードウェア構成を用いて実現される。
【0022】
WBL検出部12は、図2に示すように、ウォブル(WBL)信号B.P.F.(Band Pass Filter)回路12a及びコンパレータ12b等によって構成される。光ビームBの反射光に基づいて検出されたラジアルプッシュプル信号SDTがウォブル信号B.P.F.回路12aに入力される。ウォブル信号B.P.F.回路12aにより、ラジアルプッシュプル信号SDTにおける高周波のノイズ成分が除去され、WBL信号成分A_WBLが抽出される。このWBL信号成分A_WBL(マイナス側)と基準電圧(プラス側)とをコンパレータ12bで比較することで2値化WBL信号を出力する。この2値化WBL信号は、図1に示すライトクロック生成部14やスピンドルサーボ回路17などに出力される。なお、コンパレータ12bに入力される基準電圧は、プロセッサ19から指定されたゼロクロス・レベル(閾値電圧)を不図示のDAC(D/Aコンバータ)により変換されたアナログ値である。また、コンパレータ12bにヒステリシス特性を持たせれば、耐ノイズ性を高くすることができ、2値化WBL信号を高精度且つ確実に検出できる。
【0023】
LPP検出部13は、図2に示すように、ラジアルプッシュプル信号出力手段として、レベル切り替え回路13a、振幅調整回路13b、及び差分演算器13cを備える。
加えて、LPP検出部13は、LPP検出スライス・レベル調整用DAC(D/Aコンバータ,閾値供給手段)13d及びコンパレータ(2値化プリピット検出手段)13eを備える。
【0024】
この構成において、各回路13a、13b、13cの処理により、前述した第1及び第2の分割受光部それぞれの出力信号の振幅が調整され、調整された信号の差分演算が行われる。この差分演算の結果として、ラジアルプッシュプル信号SDTが検出される。
【0025】
一方、プロセッサ19から指定されたデジタル値VsがLPP検出スライス・レベル調整用DAC13dに入力される。このデジタル値Vsに基づき、LPP検出スライス・レベル調整用DAC13dはスライス・レベルSrefを生成する。そして、このスライス・レベルSref(プラス側)と、光ビームBの反射光に基づいて検出されたラジアルプッシュプル信号SDT(マイナス側)とが、コンパレータ13eで比較される。この比較結果として、コンパレータ13eは2値化LPP信号LPPを出力する。この2値化LPP信号LPPは、図1に示すライトクロック生成部14やデコーダ15などに出力される。なお、コンパレータ13eにヒステリシス特性を持たせれば、耐ノイズ性を高くすることができ、2値化LPP信号LPPを高精度且つ確実に検出できる。
【0026】
ライトクロック生成部14は、図3に示すように、光ディスク1へ情報を記録するためのライトクロック(WCLK)信号を生成し、LPP幅カウント回路25及びデコーダ15等へ出力する。詳しくは、ライトクロック生成部14は、LPPWindow回路14a、LPPGate回路14b、位相オフセット回路14c、位相比較器14d,14e、LPF(Low Pass Filter)14f,14g、VCO14h、及び分周器14iを備える。
【0027】
LPPWindow回路14a及びLPPGate回路14bは、入力された2値化LPP信号LPPのうち不要な信号LPPを除去する。LPPWindow回路14aは、光ディスク1の欠陥やスライス・レベルSrefの設定不備等により生じる無用なパルスを除去する。一方、LPPGate回路14bは、図2に示すレベル切り替え回路13aにおけるライト状態とリード状態のレベル差を合わせる。このことで、LPPGate回路14bは、2値化LPP信号LPPのうち、変動の小さいb2信号のみをGATE信号でもって抽出する。このように、LPPWindow回路14a及びLPPGate回路14bを通過した2値化LPP信号LPPは、位相比較器14dに入力される。
【0028】
一方、WBL検出部12で得られた2値化WBL信号WBLは、位相比較器14eに入力される。この位相比較器14eには、分周器14iで分周されたライトクロック信号WCLKも入力される。位相比較器14eに入力された2値化WBL信号WBLは、分周されたライトクロック信号WCLKと位相比較され、その位相成分はLPF14gに入力される。この位相成分が通過したLPF14gから得られる制御信号はVCO14hに入力される。その結果、VCO14hからのライトクロック信号WCLKは、2値化WBL信号WBLにロックされる。この2値化WBL信号WBLにロックされたライトクロック信号WCLKは、位相オフセット回路14cに入力される。その結果、ライトクロック信号WCLKの位相は、2値化LPP信号LPP付近にオフセット(移動)される。位相オフセット回路14cの出力は、前述した位相比較器14dに入力される。その結果、位相オフセット回路14cの出力は、Window回路14a及びLPPGate回路14bを通過した2値化LPP信号LPPと位相比較され、その位相成分はLPF14fを通過する。このLPF14fの出力は、制御信号としてVCO14hに入力される。
【0029】
したがって、2値化WBL信号WBLにロックされたライトクロック信号WCLKの位相を2値化LPP信号LPPに合わせることができる。すなわち、ライトクロック信号WCLKは、2値化WBL信号WBL及び2値化LPP信号LPPにPLL制御される。
【0030】
また、Window回路14a及びLPPGate回路14bを通過した2値化LPP信号LPPは、LPP幅カウント回路25へ入力される。このLPP幅カウント回路25には、VCO14hからのライトクロック信号WCLKも入力される。そして、LPP幅カウント回路25は、入力された2値化LPP信号LPPにおける立ち上がりのエッジから立ち下がりのエッジまでの期間をライトクロック信号WCLKでカウントする。LPP幅カウント回路25から出力されるカウント値が2値化LPP信号LPPの幅を表す。このカウント値は、LPP幅カウント回路25内のレジスタに格納される。
【0031】
図1に示すように、デコーダ15は、2値化LPP信号からアドレス情報や同期信号をデコードし、そのデコードした内容をWCLK信号と対応づけたタイミング信号SWTをプロセッサ19に出力する。
【0032】
スピンドルサーボ回路17は、光ディスクを回転動作させるスピンドルモータ16のサーボ機構である。このスピンドルサーボ回路17は、WBL検出部12から2値化WBL信号やWBL信号成分A_WBLなどのウォブリング周波数情報が入力されると、そのウォブリング周波数情報に基づくスピンドル制御信号SSSをスピンドルモータ16に出力し、スピンドルモータ16の回転をサーボ制御する。
【0033】
光ピックアップサーボ回路18は、光ピックアップ11のサーボ機構である。この光ピックアップサーボ回路18は、光ピックアップ11が有するホトダイオードなどによって検出される信号に基づいて、光ピックアップ11が有するフォーカス、トラッキング、チルトなどのサーボ機構についてのピックアップサーボ制御信号SSPを生成し、光ピックアップ11へ出力する。このピックアップサーボ制御信号SSPが入力された光ピックアップ11は、フォーカスやトラッキングのずれや、チルト角がゼロとなるように各サーボ機構のオフセット値を調整する。
【0034】
プロセッサ19は、デコーダ15から入力されるタイミング信号SWTを用いて、そのタイミング信号SWTに含まれているアドレス情報に対応する光ディスク1上のトラック位置に対して、ホストコンピュータ24からインタフェース部20を介して受信した記録データSWDの記録動作に係る制御を行う。なお、光ディスク装置10が、光ピックアップ11にて光ディスク1に既に記録されていた情報を検出した場合には、プロセッサ19は、その検出した情報に対して8−16復調、誤り訂正などを施した後の情報についての再生動作に係る制御も行う。このように、プロセッサ19は、光ディスク1の記録及び再生に係る光ディスク装置10全般の制御を行う。
【0035】
ROM23は、各種情報に関するデータが格納されており、プロセッサ19にアクセスされる。ROM23に格納されているデータとしては、WBL検出部12に入力するゼロクロス・レベルVrefや、LPP検出部13に入力するデジタル値Vs、及び後述する2値化LPP信号LPPの幅の基準値である。
【0036】
エンコーダ21は、図示しないECCジェネレータ、8−16変調部、スクランブラ等を含み、タイミング信号SWTを反映させた記録データSWTに基づいて、再生時のエラー訂正を行う単位であるECCブロックを構成するとともに、ECCブロックに対してインタリーブ、8−16変調、スクランブル処理を施した後の変調信号SREをレーザ制御部22に出力する。
【0037】
レーザ制御部22は、変調信号SREに基づいて、光ピックアップ11内の図示しないレーザダイオードを駆動して光ビームBを出射させるためのレーザ駆動信号SDLを光ピックアップ11に出力する。
【0038】
<<<LPP検出スライス・レベル調整ルーチン>>>
前述したように、コンパレータ13eは、2値化LPP信号LPPを出力するにあたり、ラジアルプッシュプル信号SDTとスライス・レベルSrefとを比較する。2値化LPP信号LPPの検出精度を一定の適正な範囲内に収めるべく、LPP検出スライス・レベル調整用DAC13dで用いられるスライス・レベルSrefを監視して調整する処理について説明する。この調整処理はプロセッサ19により実行される。
【0039】
プロセッサ19による調整処理を図4のフローチャートに示す。なお、特に断らない限り、図4を用いて説明する処理はプロセッサ19によって実行されることとする。まず、ROM23から2値化LPP信号LPPの幅の基準値(初期設定値)を読み出す(S10)。さらに、現状、LPP検出スライス・レベル調整用DAC13dで用いられている実際のスライス・レベルSrefを読み出す(S10)。
【0040】
ところで、後のステップでは、LPP幅カウント回路25からのカウント値を取得し、実際の2値化LPP信号LPPの幅を得る処理を実行する。このため、前述したように、VCO14hがPLL制御されてロック状態である必要がある。そこで、VCO14hがロック状態であるか否かを確認する(S20)。この確認の結果、VCO14hがロック状態でない場合(S20:NO)には、スライス・レベルSrefの調整を行わず、現状のスライス・レベルSrefを設定値とし、処理を終了する(S30→S40)。
【0041】
次に、LPP幅カウント回路25のレジスタに格納されたカウント値を読み出し、実際の2値化LPP信号LPPの幅を取得する(S50)。そして、所定時間内の平均的な2値化LPP信号LPPの幅を取得するべく、このカウント値を規定回数分読み出し、その平均値を算出する。このため、規定回数分読み出したか否かを確認しながらS50で読み出したカウント値を加算していく(S60→S70→S20)。このS50の読み出し処理が規定回数に至る(S70:YES)と、加算してきたカウント値を規定回数で除算して平均値を算出する(S80)。
【0042】
そして、この算出された平均値(図中「測定LLP幅」)が、S10で読み出した2値化LPP信号LPPの幅の基準値を中心とした例えば数%の設定範囲内に収まっているか否かを確認する(S90)。この確認の結果、平均値が設定範囲内に収まっていれば(S90:YES)、スライス・レベルSrefの調整処理フローを終了する(S100)。反対に、平均値が設定範囲内に収まっていない場合(S90:NO)には、平均値(図中「測定LLP幅」)が設定範囲(図中「基準値」)を上回っているか否かを判定する(S110)。この判定の結果、平均値が設定範囲を上回っている場合(S110:YES)には、スライス・レベルSrefを1ステップ上げるようにデジタル値VsをLPP検出スライス・レベル調整用DAC13dへ出力する(S120)。反対に、平均値が設定範囲を下回っている場合(S110:YES)には、スライス・レベルSrefを1ステップ下げるようにデジタル値VsをLPP検出スライス・レベル調整用DAC13dへ出力する(S120)。これらS120あるいはS130の処理を実行した後、前述したS20の処理へ戻り、平均値が設定範囲内に収まるよう調整処理を繰り返す。
【0043】
図4のフローチャートを用いて説明したスライス・レベルSrefの調整処理の様子について、図5に示す各種信号の波形図を参照して説明する。まず従来では、図中▲1▼の波形に示すように、ラジアルプッシュプル(Radial push−pull)信号に対し、固定のスライス・レベルが設定されていた。このため、図中▲3▼の波形に示すように、2値化LPP信号の幅にばらつきが生じ、一定にはできなかった。
【0044】
一方、本実施例にあっては、図中▲1▼の波形に示すように、スライス・レベルを可変とし(可変スライス・レベル)、2値化LPP信号の幅を一定(図中▲4▼「基準幅d」)にしている。すなわち、図中▲1▼の波形の左側において、極性が立ち上がりのLPP信号が重畳されたラジアルプッシュプル信号に対し、従来の固定のスライス・レベルを用いると、図中▲3▼の波形に示すように2値化LPP信号の幅は比較的大き過ぎる。そこで、図中▲1▼の波形に示すように、スライス・レベルを上げることで、図中▲4▼の波形に示すように2値化LPP信号の幅を一定の基準幅dにする。
【0045】
また、図中▲1▼のラジアルプッシュプル信号波形の中程の部分では、スライス・レベルを変更しなくても、図中▲3▼及び▲4▼の波形に示すように、2値化LPP信号の幅を一定の基準幅dに一致する。このため、スライス・レベルを調整する必要はない。
【0046】
さらに、図中▲1▼のラジアルプッシュプル信号波形の右側の部分では、従来の固定のスライス・レベルを用いると、図中▲3▼の波形に示すように2値化LPP信号の幅が比較的小さ過ぎる。そこで、図中▲1▼の波形に示すように、スライス・レベルを下げることで、図中▲4▼の波形に示すように2値化LPP信号の幅を一定の基準幅dにする。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0048】
本実施の形態にあっては、LD POWER、チルト、デフォーカス、デトラック状態やディスクの反射率の相違、そして各信号を検出する回路のゲイン等のパラメータのばらつき等により、ラジアルプッシュプル信号が変動しても、2値化したLPP信号を一定の適正な範囲内で精度よく検出できる。そして、2値化したLPP信号を精度良く抽出するにあたり、ウォブル変動分の注入量の設定、調整等といった従来の手法を採らずに済む。したがって、その2値化のためのスライス・レベルの設定及び調整を簡易な構成で容易に行うことができる。
【0049】
【発明の効果】
精度良くLPP信号を抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光ディスク装置を含めたシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係るWBL検出部12及びLPP検出部13を主とする機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係るライトクロック生成部14を主とする機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係るLPP検出スライス・レベル調整用DAC13dで用いられるスライス・レベルSrefの調整処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例に係る光ディスク装置の主要信号を示す波形図である。
【図6】光ディスクのプリフォーマットを説明する図である。
【符号の説明】
1   光ディスク
2   ランドトラック
3   プリピット
4   グルーブトラック
10  光ディスク装置
11  光ピックアップ
12  WBL検出部
12a ウォブル(WBL)信号B.P.F.(Band Pass Filter)回路
12b コンパレータ
13  LPP検出部
13a レベル切り替え回路
13b 振幅調整回路
13c 差分演算器
13d LPP検出スライス・レベル調整用DAC(閾値供給手段)
13e コンパレータ(2値化プリピット検出手段)
14  ライトクロック生成部
15  デコーダ
16  スピンドルモータ
17  スピンドルサーボ回路
18  光ピックアップサーボ回路
19  プロセッサ(プリピット信号幅比較手段)
20  インタフェース部
21  エンコーダ
22  レーザー制御部
23  ROM(記憶手段)
24  ホストコンピュータ

Claims (6)

  1. 光ディスクの記録トラックから検出される回転制御用のウォブル信号と、隣り合う前記記録トラックの間のランドトラックから検出される記録位置検索用のプリピット信号とに基づき、前記光ディスクの回転及び記録のための制御を行う光ディスク装置であって、
    互いに隣接する前記記録トラックと前記ランドトラックとに対して照射された光ビームの反射光に基づき、ラジアルプッシュプル信号を出力するラジアルプッシュプル信号出力手段と、
    前記プリピット信号を抽出するための閾値を供給する閾値供給手段と、
    前記ラジアルプッシュプル信号と閾値とを比較し、前記ラジアルプッシュプル信号における前記閾値を境に2値化した前記プリピット信号を検出する2値化プリピット検出手段と、
    前記2値化した前記プリピット信号の幅と所定の基準値とを比較するプリピット信号幅比較手段と、
    を備え、
    前記閾値供給手段は、前記プリピット信号幅比較手段による比較結果に基づき、前記プリピット信号の幅を一定にすべく前記閾値を調整する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記プリピット信号幅比較手段が用いる前記所定の基準値を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記2値化した前記プリピット信号の幅を計測するプリピット信号幅計測手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記プリピット信号幅比較手段による前記比較結果として、前記プリピット信号の幅が前記所定の基準値より大きい場合、
    前記閾値供給手段は前記閾値を上げることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ディスク装置。
  5. 前記プリピット信号幅比較手段による前記比較結果として、前記プリピット信号の幅が前記所定の基準値より小さい場合、
    前記閾値供給手段は前記閾値を下げることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光ディスク装置。
  6. 光ディスクの記録トラックから検出される回転制御用のウォブル信号と、隣り合う前記記録トラックの間のランドトラックから検出される記録位置検索用のプリピット信号とに基づき、前記光ディスクの回転及び記録のための制御を行う光ディスク装置のプリピット検出方法であって、
    互いに隣接する前記記録トラックと前記ランドトラックとに対して照射された光ビームの反射光に基づき、ラジアルプッシュプル信号を出力するステップと、
    前記プリピット信号を抽出するための閾値を供給するステップと、
    前記ラジアルプッシュプル信号と閾値とを比較し、前記ラジアルプッシュプル信号における前記閾値を境に2値化した前記プリピット信号を検出するステップと、
    前記2値化した前記プリピット信号の幅と所定の基準値とを比較するステップと、
    を備え、
    前記閾値を供給するステップでは、前記所定の基準値とを比較するステップによる比較結果に基づき、前記プリピット信号の幅を一定にすべく前記閾値を調整する、
    ことを特徴とする光ディスク装置のプリピット検出方法。
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