JP2004102189A - 光ファイバ束の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッフルファイバを容易に製造すること。
【解決手段】複数の入出力ポートを有し、各ポートは複数本の光ファイバで構成され、その中間部で前記ポート間の光ファイバの組合せが組み替えられた光ファイバ束いわゆるシャッフルファイバを製造する際、図1のように基板上に配線の後、入出力ポートの複数本の光ファイバをそれぞれ一体化し、その後基板を除去する手順とすることにより、シャッフルファイバを容易に製造することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の入出力ポートを有し、各ポートは複数本の光ファイバで構成され、その中間部で前記ポート間の光ファイバの組合せが組み替えられた光ファイバ束いわゆるシャッフルファイバを製造する際、図1のように基板上に配線の後、入出力ポートの複数本の光ファイバをそれぞれ一体化し、その後基板を除去する手順とすることにより、シャッフルファイバを容易に製造することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、複数の入出力ポートがあって中間部において光ファイバの組合せを再配向して成るシャッフルファイバの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは光を搬送波として信号を送受信する光伝送システムにおける有力な伝送媒体であり、光伝送に広く使用されている。この光ファイバを使用した伝送において、複数の光ファイバのそれぞれを識別しやすくするため、また複数の光ファイバを一括して扱いやすくするため、光ファイバを線形配列することが多い。このように線形配列され、複数本が全長または一部において一体化された光ファイバは一般にリボンファイバと呼ばれている。光伝送機器間を光ファイバで接続する場合、リボンファイバを使用すれば単芯ファイバ複数本によるよりも接続が簡便となるため、一般によく利用されている。このような光伝送機器間の接続において複数の光伝送機器のそれぞれの複数の出力について、それぞれの配向先を任意に決めて、複数の光伝送機器のそれぞれ複数の入力とすることが光ネットワーク構築上望まれることがあり、光学的なシャッフルとして知られている。また、この光学的なシャッフルを一体の光ファイバ束を使った接続により実現するとき、その光ファイバ束はシャッフルファイバと呼ばれている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−98841号公報(第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このシャッフルファイバを製造する場合、特許文献1に記載されているように、シャッフルされるべき光ファイバまたはリボンファイバからコーティングを剥がして光ファイバを解放し、ついでシャッフル配線し、しかる後光ファイバを再リボン化して再拘束することで製作している。しかしながら、コーティング樹脂の剥離に手間がかかり、再配向に際して組合せを間違うことがあるのが実情である。また、コーティング樹脂の剥離を無理に実施すると、各光ファイバの保護樹脂を傷つけ光ファイバを断線させる可能性がある。このため、コーティング樹脂の剥離を実施する必要がなく、シャッフルファイバを容易に製造することができる製造方法が望まれている。
【0005】
従って本発明は上記の問題に鑑み、光伝送機器間を光ファイバで接続する場合において、光学的なシャッフルを実現するシャッフルファイバを容易に製造することができる製造方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するため、本発明においては、複数の入出力ポートを有し、各ポートは複数本の光ファイバで構成され、その中間部で前記ポート間の光ファイバの組合せが組み替えられた光ファイバ束を組み立てる方法であって、(a)基板上に光ファイバを配線するステップと、(b)各ポートの複数本の光ファイバを一体化するステップと、(c)基板を除去するステップによって組み立てることを特徴としている。まず、最初の工程の配線により、入力ポート−出力ポート間の光ファイバの組合せを組み替えるときに、従来生じ易かった組合せの間違いを防ぐことができる。また、従来光ファイバの組合せを組み替える際コーティング樹脂を一端から途中まで剥離していたが、配線の後、一体化するため、コーティング樹脂を剥離する必要がなく、剥離の際の手間及び剥離による断線等の故障を排除できる。さらに、各ポートの複数本の光ファイバを一体化した後、基板を除去することにより、各光ファイバの組合せが組み替えられた中間部を直線上に伸ばすことができ、シャッフルファイバの占有体積を小さくすることができる。
【0007】
なお、上記において各ポートの複数本の光ファイバを一体化する際には光伝送機器との接続を容易にするため線形配列つまりリボン化することが望ましい。
【0008】
また、上記において基板を除去した後、各光ファイバの組合せが組み替えられた中間部を直線上に伸ばしたとき各光ファイバがたわまないようにするため、組合せが組み替えられた中間部の各光ファイバの長さを等長として製造することを特徴としている。
【0009】
さらに、組合せが組み替えられた中間部の各光ファイバが絡まないように、基板を除去した後、組合せが組み替えられた中間部に保護層を付ける工程を付加することも望ましい。
【0010】
【作用】
本発明は、複数の入出力ポートを有し、各ポートは複数本の光ファイバで構成され、その中間部で前記ポート間の光ファイバの組合せが組み替えられた光ファイバ束いわゆるシャッフルファイバを製造する際に、単芯の光ファイバを配線した後、必要な部分をリボン化などにより一体化することに特徴を有する。これにより、単芯分離するために従来行っていたコーティング樹脂の剥離の際の手間及び剥離による断線等の故障を排除できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本発明における製造手順として、(a)基板上に光ファイバを配線するステップと、(b)各ポートの複数本の光ファイバを一体化するステップと、(c)基板を除去するステップがある。図1は上記ステップ(a)において作製された光ファイバ及び基板を示している。1は光ファイバ10の複数本を配線して成るシャッフルファイバ、2は基板である。11は入力ポート、12は出力ポート、13は組合せが組み替えられた光ファイバの中間部であり、入力ポート、出力ポートそれぞれがリボンファイバ4組で構成されて成る4×4マトリクスの光ファイバ束を示している。図2は上記ステップ(c)において作製された光ファイバ束を示している。そのため、ここでは図1より基板2が取り除かれている。シャッフルファイバ1、入力ポート11、出力ポート12、中間部13は図1と同じであるが、14は上記ステップ(b)において一体化、特にここではリボン化されているためリボンファイバとなっている。図3は図2で示された光ファイバ束の入出力ポート間に張力が印加され引き伸ばされた状態を示している。図4は上記ステップ(b)において使用される光ファイバ一体化装置及び一体化ステップの様子を示している。つまり、3はリボン化装置全体、31は可動ステージ、32はフードカバー、33はUV光導入口、34は不活性ガス導入口、35はUV硬化樹脂供給用ディスペンサ、36はリボン化ダイスであり、可動ステージ31に入力ポート11及び基板2がのせられており、出力ポート12がリボン化されている様子を示している。
【0012】
まず、上記ステップ(a)においては、光ファイバ布線機で布線ルートを設定して光ファイバ10を基板2上に配線する。配線された光ファイバ10及び基板2が図1である。
基板2としては、光ファイバ布線機で布線できる範囲内であればどのような形状・大きさでも良いが、例えば数百mm×数百mmの長方形、厚さ数mmのシートが挙げられる。基板2には配線された光ファイバが固定されるよう配線される面に接着剤が塗布されている。ただし、接着強度は後の工程つまり上記ステップ(c)において光ファイバを基板2から剥がしたときに、光ファイバ10のコーティング樹脂が剥がれない程度の強度としておくことが望ましい。基板2の材質には制限はなく、金属であっても、硬質プラスチックであってもよく、あるいは、配列が組み替えられている部分が基板から剥がれなければ、軟質樹脂等であってもよい。
【0013】
シャッフルファイバに使用される光ファイバ10は通常長距離通信用に使用されるシングルモードファイバでも良く、短距離伝送用にファイバパラメータが変更されたシングルモードファイバでも良く、マルチモードファイバでもよい。
光ファイバ布線機はソフトウェア上で一筆書きの布線ルートを設定して、光ファイバを平面上に布線するものである。ただし、必ずしも光ファイバ布線機を使用する必要はなく、布線用のジグ等によって布線ルートを設定しても良い。
なお、後の工程で配線部の光ファイバを基板から剥がして、入出力ポート間に張力を印加し引き伸ばしたときに、各光ファイバ間に長さの違いが生じないように、各光ファイバは等長であるよう設定され配線されていることが望ましい。ただし、後の工程で配線部を基板から剥がした後、配線部の各光ファイバを複数に束ねる場合等、各光ファイバが等長でなくて良い場合も考えられる。
【0014】
次に、上記ステップ(b)について説明する。上記ステップ(b)とは、例えば、基板2から延出している入出力ポートの光ファイバがリボン化され、入出力ポート11,12それぞれ複数組のリボンファイバ14とされる工程である。リボン化の動作例を説明する。図4において、入力ポート11及び基板2は可動ステージ31上に固定されており、可動ステージ31が図の右から左に動かされることにより、リボン化される前の状態である出力ポート12の光ファイバがリボン化ダイス36の位置に動かされ、リボン状に整列される。ここで、UV硬化樹脂供給用ディスペンサ35からUV硬化樹脂がリボン化ダイス36に供給されることにより、リボン状に整列されている光ファイバに塗布される。さらに可動ステージ31が左に動かされると、塗布されたUV硬化樹脂にUV光導入口33からUV光が照射され、UV硬化樹脂が硬化されることにより光ファイバがリボン化される。このとき、UV硬化型樹脂の硬化を妨げる酸素を少なくするため、不活性ガス導入口34からアルゴン等の不活性ガスがUV硬化型樹脂を塗布した光ファイバの周囲に流されている。なお、フードカバー32はその内部において不活性ガス雰囲気を保つために備えられており、UV光が人体に照射させるのを防ぐ安全装置としての機能も果たしている。このようにリボン化された光ファイバはリボンファイバ14となる。可動ステージ31が図の左から右に動かされることにより、出力ポート12に、このリボン化動作が連続的に作用し、出力ポート12の端面或いは必要な部分までリボン化される。そして、別の出力ポート及び入力ポートにおいても同様のリボン化を順次実施することにより、基板から延出した全入出力ポートがリボン化されリボンファイバとなる。
【0015】
全入出力ポートのリボン化或いは必要なポートのリボン化が終わった後、上記ステップ(c)に移行し、この工程で基板2が取り外される。取り外された状態が図2である。図2の光ファイバ束において光ファイバのたわみがとれるように、図の左右に張力をかけることにより図3の状態になる。張力は光ファイバ交差部に力がかからないように、光ファイバがたわまない程度とする。このとき配線部の各光ファイバの長さを等しくしてあれば、光ファイバ交差部は直線上に伸ばすことができ、光ファイバ束を細径とすることができる。それ故、光ファイバ束の占有体積を小さくすることができる。
【0016】
リボン化部はUV硬化樹脂で硬化されただけでは、強度が低いため、強度を上げる目的で線形配列された上面または裏面に外部保護材を取り付けることが望ましい。例えば、リボンファイバと同じ太さの樹脂或いは金属製のテープをリボンファイバに貼り付けることが挙げられる。
【0017】
中間部13に保護層を付ければ光ファイバ相互に絡みが生じにくくなるため、一体化されて扱いやすくなるため望ましい。例えば、図3の光ファイバ束に熱収縮性のチューブを通し、熱収縮することが挙げられる。この際、光ファイバ特にファイバ交差部に張力・圧力がかからないよう、熱で溶融して光ファイバ間の隙間を埋められるような軟質樹脂がチューブ等の形状で熱収縮性のチューブ内に挿入されていることが望ましい。
【0018】
そして最後の工程として、リボン化部の先端にコネクタを付けることが望ましい。リボンファイバ用のコネクタは各ファイバが高精度で軸合わせされているため、光伝送機器に高精度で簡単に接続することが可能となる。
【0019】
上記記載の実施例では、4×4マトリクスの光ファイバであり、入力ポート、出力ポートそれぞれリボンファイバ4組で構成されていたが、本発明においては、マトリクスの数に制限はなく2×2のマトリクス、3×3のマトリクスであってもよいし、さらに数の多い16×16のマトリクス、32×32のマトリクスであってもよい。また、リボン化される数が両端で異なる例えば4×6のマトリクスであってもよい。このときは、一端4芯のリボンファイバ6組、他端6芯のリボンファイバ4組で構成される。さらに、両端が複数のポートであり、中間部で各ポート間の組合せを替えて再配向したものであれば、再配向によりマトリクス配線になっていなくてもよい。
なお、配線する際の基板が複数であっても良く、複数の基板上で配線し、基板を重ねた状態でリボン化した後、基板を除去し中間部の光ファイバ束を熱収縮性のチューブ等で束ねても良い。
さらには、ポート毎に一体化されるのであれば、必ずしもリボン化される必要はなく、断面が円状になるように光ファイバが束ねられる場合も挙げられる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シャッフルファイバの製造において、予めリボン化されたものを使わず配線部を基板に一時的に固定するため、両端の光ファイバをリボン化或いはそれに限らずポート毎に一体化する際に、取り扱いが容易である。基板上への配線により、入出力ポートのリボンファイバ間の組合せを組み替えるときに従来生じ易かった組合せの間違いを防ぐことができる。また、配線の後、ポート毎に一体化する手順により、コーティング樹脂を剥離する必要がなく、剥離の際の手間及び剥離による断線等の故障を排除できる。さらに、一体化後基板を除去することにより、光ファイバ交差部を直線上に伸ばすことができ、シャッフルファイバの占有体積を小さくすることができる。よって、シャッフルファイバを確実に簡易に作製することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明に係わる光ファイバの配線図である。
【図 2】本発明に係わる光ファイバの配線図であり、基板除去後の配線図である。
【図 3】本発明に係わる光ファイバの配線図であり、張力印加後の配線図である。
【図 4】本発明に係わる光ファイバのリボン化方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 シャッフルファイバ
10 光ファイバ
11 入力ポート
12 出力ポート
13 中間部
14 リボンファイバ
2 基板
3 リボン化装置
31 可動ステージ
32 フードカバー
33 UV光導入口
34 不活性ガス導入口
35 UV硬化樹脂供給用ディスペンサ
36 リボン化ダイス
【発明が属する技術分野】
本発明は、複数の入出力ポートがあって中間部において光ファイバの組合せを再配向して成るシャッフルファイバの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは光を搬送波として信号を送受信する光伝送システムにおける有力な伝送媒体であり、光伝送に広く使用されている。この光ファイバを使用した伝送において、複数の光ファイバのそれぞれを識別しやすくするため、また複数の光ファイバを一括して扱いやすくするため、光ファイバを線形配列することが多い。このように線形配列され、複数本が全長または一部において一体化された光ファイバは一般にリボンファイバと呼ばれている。光伝送機器間を光ファイバで接続する場合、リボンファイバを使用すれば単芯ファイバ複数本によるよりも接続が簡便となるため、一般によく利用されている。このような光伝送機器間の接続において複数の光伝送機器のそれぞれの複数の出力について、それぞれの配向先を任意に決めて、複数の光伝送機器のそれぞれ複数の入力とすることが光ネットワーク構築上望まれることがあり、光学的なシャッフルとして知られている。また、この光学的なシャッフルを一体の光ファイバ束を使った接続により実現するとき、その光ファイバ束はシャッフルファイバと呼ばれている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−98841号公報(第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このシャッフルファイバを製造する場合、特許文献1に記載されているように、シャッフルされるべき光ファイバまたはリボンファイバからコーティングを剥がして光ファイバを解放し、ついでシャッフル配線し、しかる後光ファイバを再リボン化して再拘束することで製作している。しかしながら、コーティング樹脂の剥離に手間がかかり、再配向に際して組合せを間違うことがあるのが実情である。また、コーティング樹脂の剥離を無理に実施すると、各光ファイバの保護樹脂を傷つけ光ファイバを断線させる可能性がある。このため、コーティング樹脂の剥離を実施する必要がなく、シャッフルファイバを容易に製造することができる製造方法が望まれている。
【0005】
従って本発明は上記の問題に鑑み、光伝送機器間を光ファイバで接続する場合において、光学的なシャッフルを実現するシャッフルファイバを容易に製造することができる製造方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するため、本発明においては、複数の入出力ポートを有し、各ポートは複数本の光ファイバで構成され、その中間部で前記ポート間の光ファイバの組合せが組み替えられた光ファイバ束を組み立てる方法であって、(a)基板上に光ファイバを配線するステップと、(b)各ポートの複数本の光ファイバを一体化するステップと、(c)基板を除去するステップによって組み立てることを特徴としている。まず、最初の工程の配線により、入力ポート−出力ポート間の光ファイバの組合せを組み替えるときに、従来生じ易かった組合せの間違いを防ぐことができる。また、従来光ファイバの組合せを組み替える際コーティング樹脂を一端から途中まで剥離していたが、配線の後、一体化するため、コーティング樹脂を剥離する必要がなく、剥離の際の手間及び剥離による断線等の故障を排除できる。さらに、各ポートの複数本の光ファイバを一体化した後、基板を除去することにより、各光ファイバの組合せが組み替えられた中間部を直線上に伸ばすことができ、シャッフルファイバの占有体積を小さくすることができる。
【0007】
なお、上記において各ポートの複数本の光ファイバを一体化する際には光伝送機器との接続を容易にするため線形配列つまりリボン化することが望ましい。
【0008】
また、上記において基板を除去した後、各光ファイバの組合せが組み替えられた中間部を直線上に伸ばしたとき各光ファイバがたわまないようにするため、組合せが組み替えられた中間部の各光ファイバの長さを等長として製造することを特徴としている。
【0009】
さらに、組合せが組み替えられた中間部の各光ファイバが絡まないように、基板を除去した後、組合せが組み替えられた中間部に保護層を付ける工程を付加することも望ましい。
【0010】
【作用】
本発明は、複数の入出力ポートを有し、各ポートは複数本の光ファイバで構成され、その中間部で前記ポート間の光ファイバの組合せが組み替えられた光ファイバ束いわゆるシャッフルファイバを製造する際に、単芯の光ファイバを配線した後、必要な部分をリボン化などにより一体化することに特徴を有する。これにより、単芯分離するために従来行っていたコーティング樹脂の剥離の際の手間及び剥離による断線等の故障を排除できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本発明における製造手順として、(a)基板上に光ファイバを配線するステップと、(b)各ポートの複数本の光ファイバを一体化するステップと、(c)基板を除去するステップがある。図1は上記ステップ(a)において作製された光ファイバ及び基板を示している。1は光ファイバ10の複数本を配線して成るシャッフルファイバ、2は基板である。11は入力ポート、12は出力ポート、13は組合せが組み替えられた光ファイバの中間部であり、入力ポート、出力ポートそれぞれがリボンファイバ4組で構成されて成る4×4マトリクスの光ファイバ束を示している。図2は上記ステップ(c)において作製された光ファイバ束を示している。そのため、ここでは図1より基板2が取り除かれている。シャッフルファイバ1、入力ポート11、出力ポート12、中間部13は図1と同じであるが、14は上記ステップ(b)において一体化、特にここではリボン化されているためリボンファイバとなっている。図3は図2で示された光ファイバ束の入出力ポート間に張力が印加され引き伸ばされた状態を示している。図4は上記ステップ(b)において使用される光ファイバ一体化装置及び一体化ステップの様子を示している。つまり、3はリボン化装置全体、31は可動ステージ、32はフードカバー、33はUV光導入口、34は不活性ガス導入口、35はUV硬化樹脂供給用ディスペンサ、36はリボン化ダイスであり、可動ステージ31に入力ポート11及び基板2がのせられており、出力ポート12がリボン化されている様子を示している。
【0012】
まず、上記ステップ(a)においては、光ファイバ布線機で布線ルートを設定して光ファイバ10を基板2上に配線する。配線された光ファイバ10及び基板2が図1である。
基板2としては、光ファイバ布線機で布線できる範囲内であればどのような形状・大きさでも良いが、例えば数百mm×数百mmの長方形、厚さ数mmのシートが挙げられる。基板2には配線された光ファイバが固定されるよう配線される面に接着剤が塗布されている。ただし、接着強度は後の工程つまり上記ステップ(c)において光ファイバを基板2から剥がしたときに、光ファイバ10のコーティング樹脂が剥がれない程度の強度としておくことが望ましい。基板2の材質には制限はなく、金属であっても、硬質プラスチックであってもよく、あるいは、配列が組み替えられている部分が基板から剥がれなければ、軟質樹脂等であってもよい。
【0013】
シャッフルファイバに使用される光ファイバ10は通常長距離通信用に使用されるシングルモードファイバでも良く、短距離伝送用にファイバパラメータが変更されたシングルモードファイバでも良く、マルチモードファイバでもよい。
光ファイバ布線機はソフトウェア上で一筆書きの布線ルートを設定して、光ファイバを平面上に布線するものである。ただし、必ずしも光ファイバ布線機を使用する必要はなく、布線用のジグ等によって布線ルートを設定しても良い。
なお、後の工程で配線部の光ファイバを基板から剥がして、入出力ポート間に張力を印加し引き伸ばしたときに、各光ファイバ間に長さの違いが生じないように、各光ファイバは等長であるよう設定され配線されていることが望ましい。ただし、後の工程で配線部を基板から剥がした後、配線部の各光ファイバを複数に束ねる場合等、各光ファイバが等長でなくて良い場合も考えられる。
【0014】
次に、上記ステップ(b)について説明する。上記ステップ(b)とは、例えば、基板2から延出している入出力ポートの光ファイバがリボン化され、入出力ポート11,12それぞれ複数組のリボンファイバ14とされる工程である。リボン化の動作例を説明する。図4において、入力ポート11及び基板2は可動ステージ31上に固定されており、可動ステージ31が図の右から左に動かされることにより、リボン化される前の状態である出力ポート12の光ファイバがリボン化ダイス36の位置に動かされ、リボン状に整列される。ここで、UV硬化樹脂供給用ディスペンサ35からUV硬化樹脂がリボン化ダイス36に供給されることにより、リボン状に整列されている光ファイバに塗布される。さらに可動ステージ31が左に動かされると、塗布されたUV硬化樹脂にUV光導入口33からUV光が照射され、UV硬化樹脂が硬化されることにより光ファイバがリボン化される。このとき、UV硬化型樹脂の硬化を妨げる酸素を少なくするため、不活性ガス導入口34からアルゴン等の不活性ガスがUV硬化型樹脂を塗布した光ファイバの周囲に流されている。なお、フードカバー32はその内部において不活性ガス雰囲気を保つために備えられており、UV光が人体に照射させるのを防ぐ安全装置としての機能も果たしている。このようにリボン化された光ファイバはリボンファイバ14となる。可動ステージ31が図の左から右に動かされることにより、出力ポート12に、このリボン化動作が連続的に作用し、出力ポート12の端面或いは必要な部分までリボン化される。そして、別の出力ポート及び入力ポートにおいても同様のリボン化を順次実施することにより、基板から延出した全入出力ポートがリボン化されリボンファイバとなる。
【0015】
全入出力ポートのリボン化或いは必要なポートのリボン化が終わった後、上記ステップ(c)に移行し、この工程で基板2が取り外される。取り外された状態が図2である。図2の光ファイバ束において光ファイバのたわみがとれるように、図の左右に張力をかけることにより図3の状態になる。張力は光ファイバ交差部に力がかからないように、光ファイバがたわまない程度とする。このとき配線部の各光ファイバの長さを等しくしてあれば、光ファイバ交差部は直線上に伸ばすことができ、光ファイバ束を細径とすることができる。それ故、光ファイバ束の占有体積を小さくすることができる。
【0016】
リボン化部はUV硬化樹脂で硬化されただけでは、強度が低いため、強度を上げる目的で線形配列された上面または裏面に外部保護材を取り付けることが望ましい。例えば、リボンファイバと同じ太さの樹脂或いは金属製のテープをリボンファイバに貼り付けることが挙げられる。
【0017】
中間部13に保護層を付ければ光ファイバ相互に絡みが生じにくくなるため、一体化されて扱いやすくなるため望ましい。例えば、図3の光ファイバ束に熱収縮性のチューブを通し、熱収縮することが挙げられる。この際、光ファイバ特にファイバ交差部に張力・圧力がかからないよう、熱で溶融して光ファイバ間の隙間を埋められるような軟質樹脂がチューブ等の形状で熱収縮性のチューブ内に挿入されていることが望ましい。
【0018】
そして最後の工程として、リボン化部の先端にコネクタを付けることが望ましい。リボンファイバ用のコネクタは各ファイバが高精度で軸合わせされているため、光伝送機器に高精度で簡単に接続することが可能となる。
【0019】
上記記載の実施例では、4×4マトリクスの光ファイバであり、入力ポート、出力ポートそれぞれリボンファイバ4組で構成されていたが、本発明においては、マトリクスの数に制限はなく2×2のマトリクス、3×3のマトリクスであってもよいし、さらに数の多い16×16のマトリクス、32×32のマトリクスであってもよい。また、リボン化される数が両端で異なる例えば4×6のマトリクスであってもよい。このときは、一端4芯のリボンファイバ6組、他端6芯のリボンファイバ4組で構成される。さらに、両端が複数のポートであり、中間部で各ポート間の組合せを替えて再配向したものであれば、再配向によりマトリクス配線になっていなくてもよい。
なお、配線する際の基板が複数であっても良く、複数の基板上で配線し、基板を重ねた状態でリボン化した後、基板を除去し中間部の光ファイバ束を熱収縮性のチューブ等で束ねても良い。
さらには、ポート毎に一体化されるのであれば、必ずしもリボン化される必要はなく、断面が円状になるように光ファイバが束ねられる場合も挙げられる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シャッフルファイバの製造において、予めリボン化されたものを使わず配線部を基板に一時的に固定するため、両端の光ファイバをリボン化或いはそれに限らずポート毎に一体化する際に、取り扱いが容易である。基板上への配線により、入出力ポートのリボンファイバ間の組合せを組み替えるときに従来生じ易かった組合せの間違いを防ぐことができる。また、配線の後、ポート毎に一体化する手順により、コーティング樹脂を剥離する必要がなく、剥離の際の手間及び剥離による断線等の故障を排除できる。さらに、一体化後基板を除去することにより、光ファイバ交差部を直線上に伸ばすことができ、シャッフルファイバの占有体積を小さくすることができる。よって、シャッフルファイバを確実に簡易に作製することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明に係わる光ファイバの配線図である。
【図 2】本発明に係わる光ファイバの配線図であり、基板除去後の配線図である。
【図 3】本発明に係わる光ファイバの配線図であり、張力印加後の配線図である。
【図 4】本発明に係わる光ファイバのリボン化方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 シャッフルファイバ
10 光ファイバ
11 入力ポート
12 出力ポート
13 中間部
14 リボンファイバ
2 基板
3 リボン化装置
31 可動ステージ
32 フードカバー
33 UV光導入口
34 不活性ガス導入口
35 UV硬化樹脂供給用ディスペンサ
36 リボン化ダイス
Claims (4)
- 複数の入出力ポートを有し、各ポートは複数本の光ファイバで構成され、その中間部で前記ポート間の光ファイバの組合せが組み替えられた光ファイバ束を組み立てる方法であって、(a)基板上に光ファイバを配線するステップと、(b)各ポートの複数本の光ファイバを一体化するステップと、(c)基板を除去するステップによって組み立てることを特徴とする光ファイバ束の製造方法。
- 上記複数本の光ファイバを一体化するステップが各ポートの複数本の光ファイバをリボン化するステップである請求項1記載の製造方法。
- 組合せが組み替えられた中間部の各光ファイバの長さを等長として製造する請求項1記載の製造方法。
- 基板を除去した後、組合せが組み替えられた中間部に保護層を付ける工程を付加した請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2002267510A JP2004102189A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 光ファイバ束の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002267510A JP2004102189A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 光ファイバ束の製造方法 |
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Cited By (3)
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JP2006350239A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Moritex Corp | ラインライトガイド及びその製造方法 |
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CN113568165A (zh) * | 2015-07-20 | 2021-10-29 | 奇跃公司 | 虚拟/增强现实系统中具有内向指向角度的准直光纤扫描仪设计 |
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2002
- 2002-09-13 JP JP2002267510A patent/JP2004102189A/ja active Pending
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CN113568165B (zh) * | 2015-07-20 | 2023-06-06 | 奇跃公司 | 虚拟/增强现实系统中具有内向指向角度的准直光纤扫描仪设计 |
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