JP2004101984A - 波長板グレーティング素子、及びその製造方法 - Google Patents

波長板グレーティング素子、及びその製造方法 Download PDF

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大戸 正之
Kazutoshi Setoguchi
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Abstract

【課題】波長板として機能する水晶等から成る異方性結晶板と、SiOから成る回折格子とを合体させた波長板グレーティング素子を製造する過程において、異方性結晶板上に積層したSiO膜をエッチングによって格子状に加工する際に、SiO膜のエッチングに適したエッチャントがSiO膜と同様の組成を有した異方性結晶板までエッチングしてオーバーエッチングとなる不具合を確実に防止する。
【解決手段】水晶板から成る波長板32と、該波長板の片面に積層した中間層33と、該中間層上に形成されたSiOから成る回折格子34と、を備え、中間層は、SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質である。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD等のディスク状記録媒体に光スポットを投影して記録媒体に対する情報の記録再生を行う光学ヘッド等の光学装置に用いられる波長板グレーティング素子の改良に関し、特に水晶等の異方性結晶材料から成る波長板とSiOから成るグレーティングとを合体させた波長板グレーティング素子の品質、及び生産性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を用いてCD、DVD等のディスク状記録媒体上に情報の記録、再生を行う光ディスク装置は、レーザ光源から出射されたレーザ光のスポットを記録媒体の記録面に投影して記録、再生を行うための光学ヘッドを備えている。
図4はこのような光ディスク装置に搭載される光学ヘッドの一例を示す概略構成図である。この光学ヘッド1は、レーザ光Lを発生するレーザダイオード(以下、LDと記す)2と、このLD2から出射されるレーザ光Lを透過回折させて1本のメインビームと2本のサイドビーム(トラッキングサーボ用のレーザ光)とを生成する回析格子板(グレーティング素子)3と、この回析格子板3からのメインビームとサイドビームとを各々並行ビームにするコリメートレンズ4と、このコリメートレンズ4から出射される3つの並行なビームを集光して、光ディスクD上の情報記録エリアにスポット照射するとともに、光ディスクDから反射されて戻ってくる戻り光L’を集光してコリメートレンズ4へ戻す対物レンズ5と、対物レンズ5およびコリメートレンズ4を透過して戻ってくる戻り光L’を略直角方向に反射させるビームスプリッタ6と、このビームスプリッタ6で反射された戻り光L’を受光するフォトダイオード(以下、PDと記す)7と、を備えている。なお、レイアウト上の必要に応じて立上げミラー9を光路上に配置し、更に後述するように戻り光がLD2からの出射光と干渉することを防止する為に、1/4波長板8が配置される。
光ディスクDからの戻り光L’がPD7の受光面に入射する結果、戻り光L’に応じた出力信号(電気信号)がPD7より出力される。PD7の出力信号は図示しない制御回路で信号処理され、光ディスクDに記録されている情報が再生される。
【0003】
ところで、ディスクDに対する情報の書き込み時には、読み取り時よりも強いパワーのレーザ光を光ディスクの記録面に照射しなければならない。書き込み速度は当初1倍速(CD−Rの場合1枚76分)あるいは2倍速程度であったが、近年36倍速、48倍速といった具合に高速化しつつあり、それに伴って、書き込み時の単位データ当たりのレーザ照射時間が短くなってきたため、レーザ光のパワーを増大させることで対応せざるを得ない。
しかし、レーザ光のパワーが増大すると、書き込み時に光ディスクで反射されて戻ってくる光の強度も増大するため、ビームスプリッタ6を透過してLD2に入射する戻り光L’の量が増大することになる。戻り光L’がLD2に入射すると、LD2内で出射光Lと戻り光L’とが干渉し、LD2からの出射光Lにノイズが重畳されることになる。このようなノイズを含む光で書き込みを実施すると、誤ったデータが書き込まれる率が高くなる。
そこで、このような不具合を解消する手法として、図4に示すように、対物レンズ5とコリメートレンズ4との間に1/4波長板8を挿入する手法が採用されている。
即ち、LD2から出射されコリメートレンズ4を通して1/4波長板8に到来するレーザ光Lはいわゆる直線偏光(第1の直線偏光)であり、これが1/4波長板8を通過することによって円偏光となる。この円偏光が光ディスクDで反射されると回転方向が逆転した円偏光となる。この反射した円偏光は1/4波長板8を通過すると直線偏光(第2の直線偏光)となる。この第2の直線偏光の方向は第1の直線偏光のそれと直交関係にあるため、第2の直線偏光がビームスプリッタ6を通過してLD2に戻ってきても、その戻り光L’とLD2から出射されるレーザ光Lは偏光方向が互いに直交しているため干渉しない。したがって、高出力のLD2を用いた場合でも、光ディスクDで反射されて戻ってくる戻り光L’と出射光Lとの干渉を防止して、LD2を安定に発振動作させることができるので、出射光Lにノイズが重畳されることによって生じるデータの書き込み誤りを少なくできる。
なお、1/4波長板8は単なるガラスからなるものではなく、異方性結晶(例えば、水晶)を板状に構成したもの(異方性結晶板)である。
しかし、1/4波長板8を追加すると、部品点数の増大、材料費や組み付け工数の増大という不具合が発生するばかりでなく、ビームスプリッタ6とミラー9との間に1/4波長板8を配置する分だけLD2とミラー9との間の距離が増大して光学ヘッドの大型化につながる。
【0004】
このような問題を解決する手段として、特開2002−92925公報(特許文献1)には、1/4波長板と回折格子板とを合体させた波長板グレーティング素子が提案されている。即ち、図5はこの波長板グレーティング素子の構成説明図であり、この波長板グレーティング素子21は、2枚の水晶板22a、22bを光学軸が直交するように貼り合わせて構成された1/4波長板22の表面にグレーティング用の回折格子23を形成したものである。この波長板グレーティング素子21を光学ヘッドを構成する半導体レーザの直前位置に配置した場合、半導体レーザからの出射光が波長板グレーティング素子に入射したときに、入射側面に形成された回折格子23により3本の光束に分岐され、更に1/4波長板22により直線偏光が円偏光とされる。このため、光学ヘッドの小型化、部品点数の削減を図りながら、データの書込み誤りの発生率を減少させることができる。
このような波長板グレーティング素子21を製造する場合には、例えば図6に示すように水晶板から成る1/4波長板22上に蒸着等によって均一厚のSiO膜23Aを形成し、その後SiO膜23Aを格子状に形成するためのマスクを用いたドライエッチング或いはウェットエッチングによって、SiO膜23Aをエッチングして回折格子23を形成する。
しかし、SiO膜23Aをエッチングするためのエッチャント(例えば、CHF+O等のエッチングガス)は、SiO膜と組成が同じ水晶板である1/4波長板22までもエッチングしてしまい、オーバーエッチング状態となり易い。つまり、エッチングによる深さ制御が困難である。このため、深さ分布が悪化し、歩留まり悪化、加工工数アップの原因となる。
【特許文献1】特開2002−92925公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明が解決しようとする課題は、波長板として機能する水晶等から成る異方性結晶板と、SiOから成る回折格子板とを合体させた波長板グレーティング素子を製造する過程において、異方性結晶板上に積層したSiO膜をエッチングによって格子状に加工する際に、SiO膜のエッチングに適したエッチャントがSiO膜と同様の組成を有した異方性結晶板までエッチングしてオーバーエッチングとなる不具合を確実に防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為、請求項1の発明は、水晶板から成る波長板と、該波長板の片面に積層した中間層と、該中間層上に形成されたSiOから成る回折格子と、を備え、前記中間層は、前記SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質であることを特徴とする。
水晶板等の異方性結晶板上にSiOから成る回折格子を一体化した波長板グレーティング素子は、水晶とSiOの組成が近似しているために、SiOをエッチングによって格子状に加工する場合には水晶板までオーバーエッチングされ易い。このようなオーバーエッチングを防止するためには、エッチング深さを厳密にコントロールする必要があるが、実際にはそのようなコントロールは困難であり、水晶板までオーバーエッチングされるか、或いはSiOに対するエッチングが不足するかの何れかの不具合が生じやすい。
そこで、本発明では、SiOをエッチングする際に使用するエッチャントに反応しない材料から成る中間層を水晶板とSiOとの間に介在させることにより、オーバーエッチング、或いはエッチング不足を防止するようにした。これにより、エッチング深さのコントロール等の煩雑な対策を講じることなく、生産性よく波長板グレーティング素子を製造することができる。しかも、中間層を構成する材質の屈折率、その他の光学特性がSiOと近似するようにしたので、完成した波長板グレーティング素子の光学特性に影響はない。
請求項2の発明は、請求項1において、前記中間層は、Al膜、又はMgF膜から成ることを特徴とする。
上記の如き特性を有した中間層の材料としては、例えばAl、又はMgFが適している。
請求項3の発明に係る製造方法は、水晶板から成る波長板上に、中間層を積層する工程と、前記中間層上にSiO膜を形成する工程と、前記中間層をエッチング不能なエッチャントを用いて、前記SiO膜だけを所要のマスクを用いて格子状にエッチングして回折格子を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、水晶板から成る波長板に対するオーバーエッチングを発生させることなく、歩留まりよく波長板グレーティング素子を量産することができる。
【0007】
請求項4の発明は、請求項3において、前記中間層は、前記SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質であることを特徴とする。
これによれば、エッチング深さのコントロール等の煩雑な対策を講じることなく、生産性よく波長板グレーティング素子を製造することができる。しかも、中間層を構成する材質の屈折率、その他の光学特性がSiOと近似するようにしたので、完成した波長板グレーティング素子の光学特性に影響はない。
請求項5の発明は、請求項3又は4において、前記中間層は、Al膜、又はMgF膜から成ることを特徴とする。
上記の如き特性を有した中間層の材料としては、例えばAl、又はMgFを使用することができる。
請求項6の発明は、所定の光学特性を備えた基板と、該基板の片面に積層した中間層と、該中間層上に形成されたSiOから成る回折格子と、を備え、前記中間層は、前記SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質であることを特徴とする。
水晶以外の基板、例えば光学ガラス上にSiOから成る回折格子を形成することによってグレーティング素子を形成する際にも、SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない中間層を介在させることにより、上記各請求項記載の発明と同等の作用効果を得ることができる。
請求項7の発明は、レーザ光源から出射されたレーザ光のスポットを回転するディスク状記録媒体の記録面に投影して、情報の書込み、読み出しを行なう光学ヘッドであって、レーザ光源からの出射光の光路に沿って、請求項1又は2に記載の水晶波長板グレーティング素子、ビームスプリッタ、対物レンズ、を順次配置したことを特徴とする。
本発明の波長板グレーティングは、これを光学ヘッドに組み込むことにより、部品点数の削減によるコストダウン、光路長の短縮による小型化を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る波長板グレーティング素子の構成を示す断面図である。この波長板グレーティング素子31は、例えば1/4波長板グレーティング素子であり、波長板として機能する水晶から成る異方性結晶板32と、異方性結晶板32の片面に積層した中間層33と、中間層33上に形成されたSiOから成る回折格子34と、を有し、これらを一体化した構成を備えている。
中間層33は、回折格子34を構成する材料であるSiOと近似した屈折率等の光学特性を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質である。
中間層33は、例えば、Al膜、又はMgF膜から構成する。これらの材料は、SiOとは組成が異なるため、SiOのエッチングに適したエッチャントには反応しない一方で、SiOの屈折率と近似した屈折率を有しているため、中間層33を介在させたとしても、波長板グレーティング素子の光学特性に悪影響を与えることがない。なお、水晶から成る異方性結晶板32の屈折率は1.54であり、突部34aを構成するSiOの屈折率は1.46、Alの屈折率は1.64、MgFの屈折率は1.38である。
中間層33表面上には、SiOから成るグレーティング用の回折格子34が一体形成されている。回折格子34は、断面矩形で直線状に延びる突部34aを、溝部34bを介して交互に複数個配置した構成を備えている。この例では、突部34aは一方の水晶板32aの光学軸方向と平行な方向へ延びている。
この実施形態に係る波長板グレーティング素子31を光学ヘッド等の光学装置に適用する場合、例えば光源としての半導体レーザから出射される波長650nmのレーザ光に対応し得る構成を確保するとすれば、各部の寸法は次の如くとなる。即ち、まず異方性結晶板32の厚さT1を0.25mmとした場合、中間層33の厚さT2は、例えば15nm以上であれば、後述するエッチング工程における耐久性を確保することができる。また、格子34の厚さT3は290nmであり、一組の突部34aと溝部34bを合せた幅Wは26マイクロメータである。なお、図中では、図示説明の都合上、異方性結晶板2に対する、中間層33と回折格子34の厚さを誇張して描いている。
【0009】
次に、図2は波長板グレーティング素子31を製造する手順を示す工程図である。
(a)に示す中間層形成工程では、波長板として機能する水晶から成る異方性結晶板32の上面に、Al膜、又はMgF膜から成る均一厚の中間層33を積層形成する。中間層33を構成する材料の塗布は、例えば蒸着、スパッタリング等々任意の方法を使用して行うことができる。
(b)に示すSiO膜形成工程では、中間層33上に蒸着、スパッタリング等によって、均一厚のSiOを積層形成する。
(c)に示すSiOエッチング工程は、真空雰囲気中において、異方性結晶板32の温度を25℃に維持した状態で、CHF+O等のエッチングガスを用いて行われ、図示しないマスクによって隠蔽されていないSiOの部分だけを除去して溝部34bを形成することにより、突部34aと溝部34bとから成る回折格子34を形成する。この際、上記エッチングガスは、中間層33を構成する材料と反応しないため、SiOのみがエッチングされ、エッチングの進行は中間層33にて停止し、異方性結晶板32の表面にまでオーバーエッチングが発生する虞は皆無となる。
上記の条件下で行われるエッチングは9分にて完了する。
【0010】
次に、図3は本発明の波長板グレーティング素子31を光学ヘッド1に適用した場合の例を示し、図4において別部品として離間配置されていたグレーティング3と波長板8とを合体させた波長板グレーティング素子31を用いることにより、部品点数を削減し、小型化を図った構成が特徴的である。
この波長板グレーティング素子31は、回折格子に対して、戻り光対策手段としての波長板の機能を付与したものである。このような構成を有した波長板グレーティング素子31を、LD2とビームスプリッタ6との間に配置することにより、部品点数を低減してコストダウンを図ると共に、光路を短くして小型化を達成できる。
このような波長板グレーティング素子31を図4に示した如き光学ヘッド1に適用することにより、図3に示した如き構成になる。即ち、図3に示した光学ヘッド1は、レーザ光源LD2から出射されたレーザ光のスポットを回転するディスク状記録媒体Dの記録面に投影して、情報の書込み、読み出しを行なう光学ヘッドであって、レーザ光源LD2からの出射光の光路に沿って、水晶波長板グレーティング素子31、ビームスプリッタ6、対物レンズ9、コリメートレンズ4、対物レンズ5を順次配置したものである。
図3に示した光学ヘッドによる書き込み動作は以下のとおりである。
LD2より出射されたレーザ光Lは、波長板グレーティング素子31を構成する回折格子34を通過する際に3つのレーザ光、すなわち1つのメインビームと2つのサイドビームとに分けられる。続いて、波長板グレーティング素子31を構成する波長板(異方性結晶板)32内に進入した際に直線偏光から円偏光に変換される。波長板グレーティング素子31から出射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ6、ミラー9を経てコリメートレンズ4に入射し、平行光となって対物レンズ5に入射する。対物レンズ5は、コリメートレンズ4からのビームを集光し、書き込み可能な光ディスク(CD−R、CD−RWなど)Dの記録層上にそれぞれ合焦させてスポット照射する。
【0011】
また、これと並行して、光ディスクDで反射されて戻ってくる3つのビームを対物レンズ5で集光し、コリメートレンズ4よって各々平行なビームにし、ミラー9で反射した後、ビームスプリッタ6で略直角方向に反射させる。ビームスプリッタ6からの反射光は、受光素子であるPD7の受光面に照射される。その結果、光ディスクDからの戻り光(反射光)に応じた出力信号(電気信号)がPD7より出力される。PD7の出力信号は制御回路で信号処理される。
上記書き込み動作を行っている間、光ディスクDで反射された光の一部はビームスプリッタ6を透過してLD2側にも戻ってくる。この戻り光L’は、光ディスクDの記録層で反射しているため、出射時の円偏光とは逆転した円偏光となって1/4波長板グレーティング素子31を通過することによって直線偏光となる。この戻り光L’である直線偏光の方向はLD2の出射光である直線偏光のそれと直交関係にあるので、戻り光L’がLD2に入射しても、LD2の出射光Lと戻り光L’とが干渉することはない。
したがって、この実施の形態によれば、グレーティング素子(回折格子)を波長板と合体させて小型化及び低コスト化を図りながらも、光学ヘッド1のLD2の発振パワーを上げても、戻り光L’の影響を受けることなくLD2を安定に発振動作させることができるので、正確かつ高速に書き込みを行うことができる。なお、上記実施形態では、異方性結晶板としての水晶板上に回折格子を一体形成した波長板グレーティング素子の構造、及びその製造方法について説明したが、水晶板以外の基板、例えば光学ガラス基板上にSiOから成る格子を形成することによって一つの光学素子としてのグレーティング素子を形成する場合にも本発明を適用することができる。即ち、ガラス基板上にSiO膜を形成してから、SiO膜をエッチングによって格子状に加工する場合に、エッチャントによる過剰エッチングによってガラス基板までもエッチングされる不具合を解消するために、ガラス基板とSiO膜との間に、上記エッチャントによってエッチングされない中間層を介在させておくことにより、格子部の形状精度の安定したグレーティング素子(回折格子)を製造することが可能となる。
また、上記実施形態では、単板の水晶板から成る波長板を用いているが、図5に示した2枚の水晶板を貼り合わせたタイプの波長板にも本発明は適用可能である。
更に、SiOの代わりに、Taを用いて格子高さの大きなグレーティングを形成したものにも適用可能である。この場合、Taの屈折率が2.17であるから、中間層としてはAlの方が適している。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波長板として機能する水晶等から成る異方性結晶板と、SiOから成る回折格子とを合体させた波長板グレーティング素子を製造する過程において、異方性結晶板上に積層したSiO膜をエッチングによって格子状に加工する際に、SiO膜のエッチングに適したエッチャントがSiO膜と同様の組成を有した異方性結晶板までエッチングしてオーバーエッチングとなる不具合を確実に防止することができる。
即ち、請求項1の発明によれば、SiOをエッチングする際に使用するエッチャントに反応しない材料から成る中間層を水晶板とSiOとの間に介在させることにより、オーバーエッチング、或いはエッチング不足を防止することができ、エッチング深さのコントロール等の煩雑な対策を講じることなく、生産性よく波長板グレーティング素子を製造することができる。しかも、中間層を構成する材質の屈折率、その他の光学特性がSiOと近似するようにしたので、完成した波長板グレーティング素子の光学特性に影響はない。
請求項2の発明では、中間層は、Al膜、又はMgF膜から成る。
請求項3の発明に係る製造方法によれば、水晶板から成る波長板に対するオーバーエッチングを発生させることなく、歩留まりよく波長板グレーティング素子を量産することができる。
請求項4の発明によれば、エッチング深さのコントロール等の煩雑な対策を講じることなく、生産性よく波長板グレーティング素子を製造することができる。しかも、中間層を構成する材質の屈折率、その他の光学特性がSiOと近似するようにしたので、完成した波長板グレーティング素子の光学特性に影響はない。
請求項5の発明は、前記中間層は、Al膜、又はMgF膜から成る。請求項6の発明によれば、水晶以外の基板、例えば光学ガラス上にSiOから成る回折格子を形成することによってグレーティング素子を形成する際にも、SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない中間層を介在させることにより、上記各請求項記載の発明と同等の作用効果を得ることができる。
請求項7の発明によれば、本発明の波長板グレーティングは、これを光学ヘッドに組み込むことにより、部品点数の削減によるコストダウン、光路長の短縮による小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る波長板グレーティング素子の構成を示す断面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係る波長板グレーティング素子の製造工程を示す図。
【図3】本発明の波長板グレーティング素子を使用した光学ヘッドの構成図。
【図4】従来の光学ヘッドの一例を示す図。
【図5】従来の波長板グレーティング素子の構成図。
【図6】従来の波長板グレーティング素子の製造手順を説明する図。
【符号の説明】
1 光学ヘッド、2 LD、3 グレーティング素子(回折格子)、4 コリメートレンズ、5 対物レンズ、6 ビームスプリッタ、7 受光素子、8 波長板、9 ミラー、31 波長板グレーティング素子、32 異方性結晶板(水晶板)、33 中間層、34 回折格子、34a 突部、34b 溝部。

Claims (7)

  1. 水晶板から成る波長板と、該波長板の片面に積層した中間層と、該中間層上に形成されたSiOから成る回折格子と、を備え、
    前記中間層は、前記SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質であることを特徴とする波長板グレーティング素子。
  2. 前記中間層は、Al膜、又はMgF膜から成ることを特徴とする請求項1に記載の波長板グレーティング素子。
  3. 水晶板から成る波長板上に、中間層を積層する工程と、
    前記中間層上にSiO膜を形成する工程と、
    前記中間層をエッチング不能なエッチャントを用いて、前記SiO膜だけを所要のマスクを用いて格子状にエッチングして回折格子を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする波長板グレーティング素子の製造方法。
  4. 前記中間層は、前記SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質であることを特徴とする請求項3に記載の波長板グレーティング素子の製造方法。
  5. 前記中間層は、Al膜、又はMgF膜から成ることを特徴とする請求項3又は4に記載の波長板グレーティング素子の製造方法。
  6. 所定の光学特性を備えた基板と、該基板の片面に積層した中間層と、該中間層上に形成されたSiOから成る回折格子と、を備え、
    前記中間層は、前記SiOと近似した屈折率を有すると共に、SiOに適したエッチャントによってはエッチングされない材質であることを特徴とする波長板グレーティング素子。
  7. レーザ光源から出射されたレーザ光のスポットを回転するディスク状記録媒体の記録面に投影して、情報の書込み、読み出しを行なう光学ヘッドであって、レーザ光源からの出射光の光路に沿って、請求項1又は2に記載の水晶波長板グレーティング素子、ビームスプリッタ、対物レンズ、を順次配置したことを特徴とする光学ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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