JP2004101932A - 対物レンズ及びこれを備える光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズ及びこれを備える光ピックアップ装置 Download PDF

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大田 耕平
Mitsuru Mimori
三森 満
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Abstract

【課題】波長及び温度の変化に関わらずに情報の記録や再生を行う。
【解決手段】光ピックアップ装置1は、保護基板の厚さが0.6mmのHD−DVDに対し情報の記録再生を行う。この光ピックアップ装置の対物レンズ11は、使用基準温度Tにおいて使用基準波長λの光束を情報記録面にほぼ収差なく集光させる。この対物レンズ11は、レンズ本体111と、レンズ本体111に設けられた回折構造部112とを備える。回折構造部112は、使用波長λの変化に伴って生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化を補償する。また回折構造部112は、使用波長λの変化に伴って生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDを補償する。更に回折構造部112は、使用温度Tが変化した場合の前記レンズ本体の屈折率の変化に伴って生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化を補償する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置及びこのピックアップ装置に用いられる対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク(光情報記録媒体)であるDVD(デジタルバーサタイルディスク)を媒体とした光ピックアップ装置の光学系においては、波長が650nm程度のレーザーが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
近年、このDVDと同程度の大きさで、DVDよりも大容量の光ディスクであるHD−DVD(高密度DVD)の開発が進んでいる。このHD−DVDを媒体とした光ピックアップ装置の光学系においては、記録信号の高密度化を図るため、或いは高密度の記録信号を再生するため、短波長(380〜450nm程度)の青紫色レーザーを用いることによって集光スポットの径を小さくしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−337818号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように短波長のレーザーを用いた光ピックアップ装置の光学系においては、従来のDVDを媒体とする光ピックアップ装置の光学系では微細であった以下2つの問題点の影響が大きくなる。
【0005】
即ちその1つは、レーザー光源の使用波長の微小変化に伴って生じる対物レンズの波面収差の3次球面収差成分の変化と、光軸方向への集光スポットのずれとの問題である。一般に、使用波長が短いほどその微小変化によって光学レンズの屈折率変化が大きくなる結果、これら波面収差の3次球面収差成分の変化と集光スポットのずれとが大きく生じ、情報の記録や再生が妨げられることとなる。
【0006】
もう1つの問題点は、温度変化に伴って生じる対物レンズの波面収差の3次球面収差成分の変化である。光ピックアップ装置において一般に用いられるプラスチック製の対物レンズは温度変化を受けて変形しやすく、この変形に伴い対物レンズの屈折率が変化し、その結果、波面収差の3次球面収差成分が変化する。この波面収差の3次球面収差成分の変化量ΔSA(単位:λrms)は、概ね
ΔSA=k・f(1−M)(NA)・ΔT/λ
(ここで、k:定数、f:像側焦点距離、M:倍率、NA:像側開口数、ΔT:温度変化、λ:波長)
と表されるものである。従って、この式から明らかなように、使用波長が短いほどΔSAが大きくなる。そのため、短波長のレーザーを用いた光ピックアップ装置の光学系においては、温度変化に伴って生じる対物レンズの波面収差の3次球面収差成分の変化により、情報の記録や再生が妨げられることとなる。
【0007】
本発明の課題は、波長380〜450nm程度のレーザー光源を用い、波長及び温度の変化に関わらずに情報の記録や再生を行うことができる光ピックアップ装置及びこの光ピックアップ装置の対物レンズを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、保護基板の厚さが0.6mmである光情報記録媒体8に対し情報の記録及び/又は記録された情報の再生を行う光ピックアップ装置1に用いられ、使用基準温度Tにおいてレーザー光源L1から出射される使用基準波長λ(380≦λ≦450)の光束を前記光情報記録媒体8の情報記録面8aにほぼ収差なく集光させる対物レンズ11であって、
レンズ本体111と、このレンズ本体111の少なくとも一つの光学機能面に設けられた回折構造部112とを備え、
前記回折構造部112は、使用波長λ(|λ−λ|≦10[nm])の変化に伴って生じる前記レンズ本体111及び前記回折構造部112の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を一定値以下に補償する第一補償機能と、前記使用波長λの変化に伴って生じる、光軸6方向への集光スポット7aのずれδWDを一定値以下に補償する第二補償機能と、使用温度T(|T−T|≦40[℃])が変化した場合の前記レンズ本体の屈折率の変化に伴って生じる前記レンズ本体111及び前記回折構造部112の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2を一定値以下に補償する第三補償機能とを備えていることを特徴とする。
【0009】
ここで、保護基板の厚さが0.6mmであり、使用基準波長λが380〜450nmである光情報記録媒体としては、例えばHD−DVD(高密度DVD)等がある。
また、使用基準温度Tとは、光ピックアップ装置が使用される環境の温度変化範囲内の或る温度であり、例えば常温(10〜40℃程度)における或る温度である。
また、使用基準波長λとは、用いられるレーザー光源が使用基準温度Tにおいて通常出射する光束の波長である。使用波長λとは、使用温度Tにおいてレーザー光源が出射する光束の波長や、モードホップ時での光束の波長である。なお、モードホップとは、レーザー光源から出射される光束のパワーが上昇するのに伴い、この光束の波長が瞬間的に長くなる現象である。
また、ここで言う「ほぼ収差なく集光させる」とは、波面収差の絶対値が0.07λrms以下となるように光束を集光させることを意味する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、回折構造部が第一補償機能を備えているので、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じるレンズ本体及び前記回折構造部の、つまり対物レンズの波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を一定値以下に補償することができる。なお、レーザー光源の使用波長λの変化とは、レーザー光源の個体間の発振波長のばらつきによって使用波長λが変化した場合や、光情報記録媒体へのデータ記録時に波長が瞬間的に長くなる、いわゆるモードホップによって使用波長が変化した場合や、使用温度Tの変化に伴って使用波長λが変化した場合などを含む。
また、回折構造部が第二補償機能を備えているので、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDを一定値以下に補償することができる。
更に、回折構造部が第三補償機能を備えているので、光ピックアップ装置の使用温度Tが変化することに伴いレンズ本体の屈折率が変化した場合に、この屈折率の変化に伴って生じるレンズ本体及び前記回折構造部の、つまり対物レンズの波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2を一定値以下に補償することができる。
従って使用波長λ及び使用温度Tの変化に関わらず情報の記録や再生を行うことができる。
なお、回折構造部の第一、第二及び第三補償機能によってレンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1及びδSA2並びに集光スポットのずれδWDを完全に補償することは困難であるため、第一、第二及び第三補償機能を相対的に調整することによってレンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1及びδSA2並びに集光スポットのずれδWDを適当な範囲内に収めることが好ましい。
【0011】
請求項2記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1記載の対物レンズ11において、
前記使用波長λが5nm変化した際に生じる前記レンズ本体111及び前記回折構造部112の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1は、前記回折構造部112の第一補償機能によって
|δSA1|≦0.04(λrms)
の範囲内に補償されることを特徴とする。
【0012】
ここで、δSA1の値が負であることは、波面収差の3次球面収差成分の変化がアンダー側、つまり光軸上における光源側に補償されることを示している。また逆に、δSA1の値が正であることは、波面収差の3次球面収差成分の変化がオーバー側、つまり光軸上における像側に補償されることを示している。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、使用波長λが5nm変化した際に生じるレンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量ΔSA1は回折構造部の第一補償機能によって|δSA1|≦0.04(λrms)の範囲内に補償されるので、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1又は2記載の対物レンズ11において、
前記使用波長λが1nm変化した際に生じる前記レンズ本体111及び前記回折構造部112の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1は、前記回折構造部112の第一補償機能によって
−0.008(λrms)≦δSA1≦−0.003(λrms)
の範囲内に補償されることを特徴とする。
【0015】
ここで、使用基準波長380〜450nmのレーザー光源を用いる場合には、使用基準波長650nmのレーザー光源を用いる従来の場合と比較して、1℃の温度変化に伴う使用波長の変化が小さい。具体的には、例えば1℃の温度上昇に伴い、使用基準波長650nmのレーザー光源の発振波長は0.2nm長くなり、使用基準波長405nmのレーザー光源の発振波長は0.05nm長くなる。従って、使用基準波長380〜450nmのレーザー光源を用いる場合には、使用基準波長650nmのレーザー光源を用いる場合と比較して、温度変化に伴って生じうる波長変化量が、温度変化によらずに生じうる波長変化量に対しより小さい。よって、波長変化による波面収差の3次球面収差成分を大きく生じさせることにより回折構造部の第三補償機能を強め、これに対し相対的に第一補償機能を弱めた場合には、温度変化によらない波長変化が大きく生じた際に、この波長変化に伴って生じる波面収差の3次球面収差成分の変化が第一補償機能によって十分に補償されず、情報の記録や再生を妨げる場合がある。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、使用波長λが1nm変化した際に生じるレンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1は、回折構造部の第一補償機能によって−0.008(λrms)≦δSA1≦−0.003(λrms)で規定されるアンダー側の範囲内に補償される。従って、使用温度Tの変化に伴う使用波長λの変化により生じる波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1と、使用温度Tの変化によらない波長変化によって生じる波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1とを、回折構造部の第一補償機能によって補償することができる。
【0017】
ここで、波面収差の3次球面収差成分の変化量ΔSA1を−0.008(λrms)以上に設定したのは、−0.008(λrms)未満では5nmの波長変化に伴って生じる波面収差の3次球面収差成分の変化を十分に補償できず、情報の記録や再生を行うことができないためである。また、波面収差の3次球面収差成分の変化量ΔSA1を−0.003(λrms)以下に設定したのは、−0.003(λrms)より大きい場合には、使用温度Tが変化した際のレンズ本体の屈折率変化に伴って生じる波面収差の3次球面収差成分の変化を十分に補償できず、情報の記録や再生を行うことができないためである。
【0018】
請求項4記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜3の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記使用波長λが1nm変化した際に生じる、光軸方向への前記集光スポット7aのずれδWDは、前記回折構造部112の第二補償機能によって
|δWD|≦0.1[μm]
の範囲内に補償されることを特徴とする。
【0019】
ここで、δWDの値が負であることは、集光スポットがアンダー側、つまり光軸上における光源側にずれることを示している。また逆に、δWDの値が正であることは、集光スポットがオーバー側、つまり光軸上における像側にずれることを示している。
また、幾何光学的な集光スポットの径が(λ/2NA)以下となる集光スポットの光軸方向の幅を焦点深度(λ/2NA)という。集光スポットの径が(λ/2NA)以下である場合には、実用上、光が一点に集められたものとみなすことができる。従って、集光スポットが焦点深度の範囲内にあれば、集光スポットの径が(λ/2NA)以下となり、光情報記録媒体の記録や再生が可能となる。よって、レーザー光源の使用波長λが使用基準波長λから変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDが焦点深度の2分の1の範囲内に収まれば、光情報記録媒体の記録や再生が可能となる。
また、例えばHD−DVDを媒体とする光ピックアップ装置では、開口数NAは0.65〜0.85程度であり、使用基準波長λは380〜450nm程度であるので、この光学系の焦点深度は280〜470nm程度となる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、使用波長λが1nm変化した際に生じる集光スポットのずれδWDは、回折構造部の第二補償機能によって|δWD|≦0.1[μm]の範囲内に補償されるので、例えばHD−DVDを媒体とする光ピックアップ装置においては焦点深度の2分の1の範囲内に収まる。従って、HD−DVDを媒体とする光ピックアップ装置において、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜4の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記回折構造部112の近軸パワーφDが、
0≦φD/φD≦0.7
(ここで、φD:前記レンズ本体111のパワーを変化させずに前記回折構造部112のパワーを変化させた場合において前記レンズ本体の近軸領域の色収差が完全に補正されたときの前記回折構造部112の近軸パワー)
を満たすことを特徴とする。
【0022】
ここで、回折構造部の近軸パワーφDとは、回折構造部の近軸領域のパワーである。レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDは、回折構造部の回折作用によってレンズ本体の球面収差をアンダー側に補償することや、回折構造部の近軸パワーφDを正の値とすることによって補償することができる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、回折構造部の近軸パワーφDが、0≦φD/φD≦0.7を満たすので、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDを補償することができる。従って、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
ここで、回折構造部の近軸パワーφDをφDで割った値を0以上に設定したのは、0未満では使用波長λの変化に伴うレンズ本体及び前記回折構造部の近軸領域の波面収差の3次球面収差成分の変化を補償することができず、情報の記録や再生を行うことができないためである。また、回折構造部の近軸パワーφDをφDで割った値を0.7以下に設定したのは、0.7より大きい場合には、回折構造部の第一及び第二補償機能によって波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1及び集光スポットのずれδWDを請求項2〜4に記載の範囲内に補償可能とした場合に、使用温度Tが変化した際の波面収差の3次球面収差の変化量δSA2が十分に補償されずに大きくなってしまい、情報の記録や再生を行うことができない場合が生じるためである。
【0024】
請求項6記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜5の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記使用温度Tが40℃変化した場合の前記レンズ本体111の屈折率の変化に伴って生じる前記レンズ本体111及び前記回折構造部112の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2は、前記回折構造部112の第三補償機能によって
|δSA2|≦0.055(λrms)
の範囲内に補償されることを特徴とする。
【0025】
ここで、δSA2の値が負であることは、波面収差の3次球面収差成分の変化がアンダー側、つまり光軸上における光源側に補償されることを示している。また逆に、δSA2の値が正であることは、波面収差の3次球面収差成分の変化がオーバー側、つまり光軸上における像側に補償されることを示している。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、使用温度Tが40℃変化した場合のレンズ本体の屈折率の変化に伴って生じるレンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2は回折構造部の第三補償機能によって|δSA2|≦0.03(λrms)の範囲内に補償されるので、使用温度Tの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
【0027】
請求項7記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜6の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記回折構造部112は、光軸6を中心とする同心円により複数の輪帯に区分されて形成されており、
90≦Lm(f1/2)≦300
(ここで、L:輪体の数、m:前記光情報記録媒体8に対して情報の記録及び/又は記録された情報の再生を行う際に前記回折構造部112により生じる回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の次数、f:焦点距離(mm))
を満たすことを特徴とする。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、上記の式によって規定される数の輪帯からなる回折構造部とレンズ本体とからなる対物レンズによって、請求項1〜6と同様の効果が得られる。
【0029】
請求項8記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜7の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記回折構造部112は、光軸6を中心とする同心円により複数の輪帯に区分されて形成されており、
140≦Lm(f1/2)≦220
(ここで、L:輪体の数、m:前記光情報記録媒体8に対して情報の記録及び/又は記録された情報の再生を行う際に前記回折構造部112により生じる回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の次数、f:焦点距離(mm))
を満たすことを特徴とする。
【0030】
請求項8記載の発明によれば、上記の式によって規定される数の輪帯からなる回折構造部とレンズ本体とからなる対物レンズによって、請求項1〜7と同様の効果が得られる。
【0031】
請求項9記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜8の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記対物レンズ本体11の像側開口数は0.60以上、かつ0.90以下であることを特徴とする。
【0032】
請求項9記載の発明によれば、対物レンズの像側開口数が小さくなることにより光情報記録媒体の記録密度が低下するのを防ぐことができるとともに、像側開口数が大きくなることにより対物レンズの製造が困難になるのを防ぐことができる。
【0033】
請求項10記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜9の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記レンズ本体111の像側開口数は0.65であることを特徴とする。
【0034】
請求項10記載の発明によれば、レンズ本体の像側開口数は0.65であり、HD−DVDの情報の記録再生に必要な開口数0.65〜0.85の範囲内に収まっているので、HD−DVDを媒体とした光ピックアップ装置に用いられる対物レンズとして請求項1〜9と同様の効果が得られる。
【0035】
請求項11記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜10の何れか一項に記載の対物レンズ11において、
前記レンズ本体111及び前記回折構造部112は、プラスチックからなることを特徴とする。
【0036】
請求項11記載の発明によれば、対物レンズの成形を行いやすく、ガラスなどに比較して素材のコストも低く、軽いため、光ピックアップ装置を軽量かつ安価なものにすることができる。
【0037】
請求項12記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、光ピックアップ装置1であって、
請求項1〜11何れか一項に記載の対物レンズ11を含み、レーザー光源L1から出射される光束を光情報記録媒体8の情報記録面7a上に集光して情報の記録及び/又は再生を行うことを特徴とする。
【0038】
請求項12記載の発明によれば、対物レンズの回折構造部が第一補償機能を備えているので、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じるレンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を一定値以下に補償することができる。
また、対物レンズの回折構造部が第二補償機能を備えているので、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDを、一定値以下に補償することができる。
更に、対物レンズの回折構造部が第三補償機能を備えているので、光ピックアップ装置の使用温度Tが変化することに伴いレンズ本体の屈折率が変化した場合に、この屈折率の変化に伴って生じるレンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2を一定値以下に補償することができる。
従って、使用波長λ及び使用温度Tの変化に関わらず情報の記録や再生を行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の光ピックアップ装置及び光学素子の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、光ピックアップ装置1の全体構成の概略図である。
光ピックアップ装置1は、使用基準温度T=25℃、使用基準波長λ=405nmにおいてHD−DVD8を媒体として情報の記録再生を行うものである。より詳細には、光ピックアップ装置1は、レーザー光源L1から出射される使用基準波長λの光束を、コリメータレンズ12と対物レンズ11とを通過させて光軸6上でHD−DVD(光情報記録媒体)8の情報記録面8aに集めて集光スポット7aを形成し、HD−DVD8の情報記録面8aからの反射光をビームスプリッタ13で取り込み、検出器L2の受光面に再びビームスポットを形成するものである。この光ピックアップ装置1では、各使用温度T(−15≦T≦65[℃])及び各使用波長λ(395≦λ≦415)においてHD−DVD8の情報記録面8a上に集光スポット7aが形成されるように対物レンズ11がアクチュエータ14により光軸方向に移動されるようになっている。なお、使用基準温度Tにおいて使用基準波長λの光束がレーザー光源から入射された際の対物レンズ11の像側開口数NAは0.65、焦点距離は3.0mmに設計されている。
【0040】
図2、図3は、対物レンズ11の概略を示す側面図、正面図である。対物レンズ11は、プラスチック製であり、図2に示すように、レンズ本体111と、このレンズ本体111の物側の光学機能面(以下、母非球面とする)に設けられた回折構造部112とから一体に形成されている。なお、母非球面は図2において破線で図示されている面である。
回折構造部112は、光軸6から離れるにしたがって光軸方向への厚みが増すように段状に形成され、光軸6を中心とした同心円によって複数の輪帯101〜n(ただし、n<101)に区分されたものである。
この対物レンズ11の屈折面、即ち回折構造部112の表面(以下、第1面11Aとする)と、レンズ本体111の像側の光学機能面(以下、第2面11Bとする)との形状及び屈折率は、以下のように設定されている。
【0041】
対物レンズ11のレンズデータを表1に示す。
【表1】
Figure 2004101932
表1において、面番号1,2はそれぞれ、対物レンズ11の第1面11A、第2面11Bである。面番号3,4はそれぞれ、HD−DVD8のディスク表面、情報記録面である。
【0042】
対物レンズ11の第1面11Aの母非球面と、第2面11Bとは、それぞれ光軸6の周りに軸対称な非球面に形成されている。これら第1面11A及び第2面11Bは、表2に示す係数を次式に代入した非球面形状式で規定されている。
【数1】
Figure 2004101932
ここで、A2iは非球面係数、hは光軸からの高さ[mm]である。
【表2】
Figure 2004101932
【表3】
Figure 2004101932
ここで、Xは光軸方向の長さ(光の進行方向を正とする)、hは光軸からの高さ、Rは近軸曲率半径、кは円錐係数、Aは非球面係数である。
【0043】
回折構造部112の輪帯の数は、140≦Lm(f1/2)≦220を満たすように決定されている。ここで、Lは輪体の数である。mは前記光情報記録媒体8に対して情報の記録及び/又は記録された情報の再生を行う際に前記回折構造部112により生じる回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の次数である。また、fは焦点距離(mm)である。
また、回折構造部112の輪帯101〜nのピッチは、表4に示す係数を次式に代入した光路差関数によって決定される。
【数2】
Figure 2004101932
ここで、B2iは光路差関数の係数である。
【表4】
Figure 2004101932
但し、B2は光路差関数の係数であり、hは光軸からの高さ[mm]である。
また、隣り合う2つの輪帯の間の段差、つまり互いに隣接する輪帯間の光軸6方向の変位量は、一の輪帯を通過する光線と、その隣の輪帯を通過する光線との間に使用基準波長λのほぼ整数倍の光路差を生じ、かつ波面のずれが生じない長さに設定されている。より具体的には、隣り合う2つの輪帯の間の段差は、互いに隣接する輪帯間の光軸6方向の変位量は、回折構造部112のブレーズ波長と使用基準波長とが一致するように決定されている。なお、ブレーズ波長とは、回折構造部112により生じる回折光の回折効率が最大となる波長のことである。
【0044】
また、上記の回折構造部112の近軸パワーφDは、φD/φD=0.54となっている。ここで、φDとは、レンズ本体111のパワーを変化させずに回折構造部112のパワーを変化させた場合において、近軸色収差が完全に補正されるときの回折構造部112の近軸パワーである。
【0045】
以上のようにして設計された対物レンズ11の、使用基準温度T、使用基準波長λ(405nm)での縦球面収差を図4に示す。
図4において、縦軸は対物レンズ11の開口数であり、横軸は対物レンズ11の3次の縦球面収差量[mm]である。なお、図4には、波長400nm及び410nmの光束が入射したときの3次の縦球面収差量も図示している。
この図から明らかなように、対物レンズ11は3次の縦球面収差を0.07λrmsより小さくし、ほぼ収差のない状態に光束を集光させている。
また、使用温度Tが使用基準温度T+40℃である場合における対物レンズ11の波長405nmでの縦球面収差を図5に示す。
図5において、縦軸は対物レンズ11の開口数であり、横軸は対物レンズ11の3次の縦球面収差量[mm]である。
この図から、使用温度Tが使用基準温度T+40℃である場合には、対物レンズ11の近軸領域に入射した光束はアンダー側に集光し、外周側の領域に入射した光束はオーバー側に集光することが分かる。
【0046】
次に、図6を参照し、光束の使用波長λが|λ−λ|≦10[nm]の範囲内で変化した際に生じる対物レンズ11の、つまりレンズ本体111及び回折構造部112の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1について説明する。
図6において、縦軸は対物レンズ11の波面収差の3次の縦球面収差成分の変化量δSA1をλrmsで割った値であり、横軸は使用基準波長λからの使用波長λの変化量[nm]である。
この図から分かるように、光束の使用波長λが5nm変化した際に生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1は、ほぼ0.023(λrms)となっている。
また、光束の使用波長λが1nm大きくなった際に生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1は、ほぼ−0.0046(λrms)となっている。
【0047】
次に、図7を参照し、光束の使用波長λが使用基準波長λから数nmの範囲内で変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDについて説明する。なお、このような使用波長の変化は、HD−DVD8へのデータ記録時に光束の波長が瞬間的に変化する、いわゆるモードホップを想定したものである。このモードホップは瞬間的に発生するものであるため、アクチュエータ14を移動させた場合にも、モードホップに伴って生じる集光スポットのずれδWDを補償しきれない場合がある。そのため、光ピックアップ装置1においては、上記集光スポットのずれδWDを対物レンズ11によって補償している。
図7において、縦軸は光軸方向への集光スポットのずれδWDであり、横軸は使用基準波長λからの使用波長λの変化量[nm]である。
ここで、HD−DVD8を媒体とする光ピックアップ装置1においては、集光スポットの径が(λ/2NA)以下であれば、つまり集光スポットが焦点深度(λ/2NA)の範囲内にあれば、光がほぼ一点に集められ、情報の記録や再生が可能となる。よって、レーザー光源の使用波長λが使用基準波長λから変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDが焦点深度の2分の1の範囲内に収まれば、光情報記録媒体の記録や再生が可能となる。本実施の形態における光ピックアップ装置1では、開口数NAは0.65、使用基準波長λは405nm程度であるので、光学系の焦点深度は480nm程度である。
【0048】
図7によれば、入射する光束の波長の変化幅が使用基準波長λの前後1nmの範囲である場合の集光スポットの光軸方向のずれδWDは0.006μm程度、つまり6nm程度となっている。つまり、対物レンズ11においては、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じる光軸方向への集光スポットのずれδWDが補償されて焦点深度の2分の1の範囲内に収まっている。
【0049】
次に、図8を参照し、使用温度Tが|T−T|≦40[deg]の範囲内で変化した際に生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2について説明する。
図8において、縦軸は対物レンズ11の波面収差の3次の縦球面収差成分の変化量δSA2をλrmsで割った値であり、横軸は使用基準温度Tからの使用温度Tの変化量[deg]である。
この図から分かるように、使用温度Tが40deg変化した際に生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2は、0.044(λrms)となっている。
【0050】
以上のような対物レンズ11によれば、レーザー光源L1の使用波長λが5nm変化した際に生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を、回折構造部112によってほぼ0.023(λrms)に補償することができる。従って、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
また、レーザー光源L1の使用波長λが1nm変化した際に生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を、回折構造部112によってほぼ−0.0046(λrms)に補償することができる。従って、使用温度Tの変化に伴う波長変化によって生じる波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1と、使用温度Tの変化によらない波長変化によって生じる波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1とを回折構造部112によって補償することができる。
【0051】
また、レーザー光源L1の使用波長λが1nm変化した際に生じる、光軸6方向への集光スポット7aのずれδWDを、回折構造部112によりほぼ0.006μmに、つまり焦点深度の2分の1の範囲内に補償することができる。従って、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
【0052】
また、回折構造部112の近軸パワーφDが0≦φD/φD≦0.7を満たすので、レーザー光源L1の使用波長λが変化した際に生じる、光軸6方向への集光スポット7aのずれδWDを回折構造部112によって補償することができる。従って、使用波長λの変化に関わらず、情報の記録や再生を行うことができる。
【0053】
更に、光ピックアップ装置1の使用温度Tが変化することに伴いレンズ本体111の屈折率が変化した場合に、この屈折率の変化に伴って生じる対物レンズ11の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2を、回折構造部112によってほぼ0.044(λrms)に補償することができる。従って、使用温度Tの変化に関わらず情報の記録や再生を行うことができる。
【0054】
また、対物レンズ11はプラスチック製である。従って、成形が容易であり、ガラスなどに比較して素材が低コスト、かつ軽量であるため、光ピックアップ装置1を軽量かつ安価なものにすることができる。
【0055】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じるレンズ本体及び回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を一定値以下に補償することができる。また、レーザー光源の使用波長λが変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDを一定値以下に補償することができる。更に、光ピックアップ装置の使用温度Tが変化することに伴いレンズ本体の屈折率が変化した場合に、この屈折率の変化に伴って生じるレンズ本体及び回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2を一定値以下に補償することができる。従って使用波長λ及び使用温度Tの変化に関わらず情報の記録や再生を行うことができる。
【0056】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
【0057】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、使用温度Tの変化に伴う波長変化によって生じる波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1と、使用温度Tの変化によらない波長変化によって生じる波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1とを、第一補償機能によって補償することができる。
【0058】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、HD−DVDを媒体とする光ピックアップ装置において、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、使用波長λの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
【0059】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、使用温度Tの変化に関わらず、確実に情報の記録や再生を行うことができる。
請求項7記載の発明によれば、所定の数の輪帯からなる回折構造部とレンズ本体とからなる対物レンズによって、請求項1〜6と同様の効果が得られる。
請求項8記載の発明によれば、所定の数の輪帯からなる回折構造部とレンズ本体とからなる対物レンズによって、請求項1〜7と同様の効果が得られる。
【0060】
請求項9記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、対物レンズの像側開口数が小さくなることにより光情報記録媒体の記録密度が低下するのを防ぐことができるとともに、像側開口数が大きくなることにより対物レンズの製造が困難になるのを防ぐことができる。
【0061】
請求項10記載の発明によれば、HD−DVDを媒体とした光ピックアップ装置に用いられる対物レンズとして請求項1〜9と同様の効果が得られる。
【0062】
請求項11記載の発明によれば、請求項1〜10記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、光ピックアップ装置を軽量かつ安価なものにすることができる。
請求項12記載の発明によれば、請求項1〜11記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、使用波長λ及び使用温度Tの変化に関わらず情報の記録や再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置の一例の全体構成の概略図である。
【図2】本発明に係る対物レンズの概略を示す側面図である。
【図3】本発明に係る対物レンズの概略を示す正面図である。
【図4】使用基準温度Tにおいて使用基準波長λの光束が入射したときの対物レンズの縦球面収差を示す図である。
【図5】使用温度T(T=T+40)において使用基準波長λの光束が入射したときの対物レンズの縦球面収差を示す図である。
【図6】光束の使用波長λが|λ−λ|≦10[nm]の範囲内で変化した際に生じる対物レンズの波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を示す図である。
【図7】光束の使用波長λが|λ−λ|≦1[nm]の範囲内で変化した際に生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDを示す図である。
【図8】使用温度Tが|T−T|≦40[℃]の範囲内で変化した際に生じる対物レンズの波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2を示す図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ装置
6 光軸
7a 集光スポット
8 HD−DVD(光情報記録媒体)
8a 情報記録面
11 対物レンズ
111 レンズ本体
112 回折構造部
L1 レーザー光源

Claims (12)

  1. 保護基板の厚さが0.6mmである光情報記録媒体に対し情報の記録及び/又は記録された情報の再生を行う光ピックアップ装置に用いられ、使用基準温度Tにおいてレーザー光源から出射される使用基準波長λ(380≦λ≦450)の光束を前記光情報記録媒体の情報記録面にほぼ収差なく集光させる対物レンズであって、
    レンズ本体と、このレンズ本体の少なくとも一つの光学機能面に設けられた回折構造部とを備え、
    前記回折構造部は、使用波長λ(|λ−λ|≦10[nm])の変化に伴って生じる前記レンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1を一定値以下に補償する第一補償機能と、前記使用波長λの変化に伴って生じる、光軸方向への集光スポットのずれδWDを一定値以下に補償する第二補償機能と、使用温度T(|T−T|≦40[℃])が変化した場合の前記レンズ本体の屈折率の変化に伴って生じる前記レンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2を一定値以下に補償する第三補償機能とを備えていることを特徴とする対物レンズ。
  2. 請求項1記載の対物レンズにおいて、
    前記使用波長λが5nm変化した際に生じる前記レンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1は、前記回折構造部の第一補償機能によって
    |δSA1|≦0.04(λrms)
    の範囲内に補償されることを特徴とする対物レンズ。
  3. 請求項1又は2記載の対物レンズにおいて、
    前記使用波長λが1nm変化した際に生じる前記レンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA1は、前記回折構造部の第一補償機能によって
    −0.008(λrms)≦δSA1≦−0.003(λrms)
    の範囲内に補償されることを特徴とする対物レンズ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記使用波長λが1nm変化した際に生じる、光軸方向への前記集光スポットのずれδWDは、前記回折構造部の第二補償機能によって
    |δWD|≦0.1[μm]
    の範囲内に補償されることを特徴とする対物レンズ。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記回折構造部の近軸パワーφDが、
    0≦φD/φD≦0.7
    (ここで、φD:前記レンズ本体のパワーを変化させずに前記回折構造部のパワーを変化させた場合において前記レンズ本体の近軸領域の色収差が完全に補正されたときの前記回折構造部の近軸パワー)
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記使用温度Tが40℃変化した場合の前記レンズ本体の屈折率の変化に伴って生じる前記レンズ本体及び前記回折構造部の波面収差の3次球面収差成分の変化量δSA2は、前記回折構造部の第三補償機能によって
    |δSA2|≦0.055(λrms)
    の範囲内に補償されることを特徴とする対物レンズ。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記回折構造部は、光軸を中心とする同心円により複数の輪帯に区分されて形成されており、
    90≦Lm(f1/2)≦300
    (ここで、L:輪体の数、m:前記光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は記録された情報の再生を行う際に前記回折構造部により生じる回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の次数、f:焦点距離(mm))
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記回折構造部は、光軸を中心とする同心円により複数の輪帯に区分されて形成されており、
    140≦Lm(f1/2)≦220
    (ここで、L:輪体の数、m:前記光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は記録された情報の再生を行う際に前記回折構造部により生じる回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の次数、f:焦点距離(mm))
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記対物レンズ本体の像側開口数は0.60以上、かつ0.90以下であることを特徴とする対物レンズ。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記レンズ本体の像側開口数は0.65であることを特徴とする対物レンズ。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
    前記レンズ本体及び前記回折構造部は、プラスチックからなることを特徴とする対物レンズ。
  12. 請求項1〜11何れか一項に記載の対物レンズを含み、レーザー光源から出射される光束を光情報記録媒体の情報記録面上に集光して情報の記録及び/又は再生を行うことを特徴とする光ピックアップ装置。
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