JP2004101872A - 電子写真転写紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真用紙の転写時の高画質化。
【解決手段】電子写真転写紙において、該転写紙の転写面がエチレンとプロピレンの繰り返し単位を有する樹脂を含有する被覆層であり、前記被覆層内に、或いは、表面にトナー粒子と親和性のある微粒子を、定着性を強化する目的で、有することを特徴とする電子写真転写紙。
【選択図】 なし
【解決手段】電子写真転写紙において、該転写紙の転写面がエチレンとプロピレンの繰り返し単位を有する樹脂を含有する被覆層であり、前記被覆層内に、或いは、表面にトナー粒子と親和性のある微粒子を、定着性を強化する目的で、有することを特徴とする電子写真転写紙。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置や静電プリンタ等において、感光体等の像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して、得られた像を転写する電子写真転写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置では、感光体上に静電潜像を形成後、該静電潜像に現像剤を静電的に付着させて現像剤像を形成し、現像剤像を転写装置により転写紙に転写する。この種の転写装置としては、コロナ転写方法やローラー転写法等の静電的手段が知られている。
【0003】
電子写真方式は複写機から発展し、ページプリンター、ファクシミリの出力等応用範囲が広くなるとともに、アナログ方式からデジタル方式へと進展して高機能化、カラー化及び高画質化への要望が高まってきている。今では殆どの電子写真装置では前述のように電気的手段によって感光体上のトナー画像を普通紙へ転移させているが、転写時の画像劣化が大変大きく、この点が印刷やインクジェット技術に劣ってしまう大きな原因になっている。最近、電子写真分野以外で、インクジェットの用紙を特殊専用紙に代えたことで飛躍的に画質向上したことは衝撃的である。
【0004】
電子写真用転写紙の用紙面からも転写性及び画質を改善するべく種々の提案がなされてきた。特に精力的に取り組まれてきた特性として、用紙の体積抵抗値や表面抵抗値等の電気的特性がある。例えば、体積抵抗を所定範囲に維持したこと(特許文献1〜2参照)、転写紙表面に体積抵抗3×10−13Ω・cm以上の樹脂層を設けること(特許文献3参照)、転写紙の基層の上に先ず低抵抗層、最表面に高抵抗層となるよう構成すること(特許文献4参照)等が提案されてきたが、実使用環境にては、空気中の水分をコントロールすることは難しく、その結果、転写紙の電気抵抗を安定化させることはできなかった。
【0005】
そこで特定の結晶構造を持つ合成ヘクトライトを用紙に含有させることで抵抗値の環境安定化を試みた提案がなされた(特許文献5参照)。しかし、これでもインクジェットや印刷のレベルに及ぶものではなかった。
【0006】
別の側面からのアプローチとして、転写表面にエラストマーをコーティングする手法があった(特許文献6参照)。実際に明細書中に記載の材料を転写紙上にコーティングし、カラー電子写真装置で画質評価を試みたところ、400dpiデジタルプリンターにおける写真画像等の再現に関しては、際だった効果が認められなかった。
【0007】
以上説明してきたような転写プロセスにおける画像劣化の原因はデジタルデータを出力するにあたり、昨今のプリンターが使用している画像処理の結果のディザパターンやPWMによる連続した微小な個々のドットトナー像が飛び散っていることが結論づけられる。この傾向は小さい文字や画像データを形成するスクリーンの非常に細かいドット等で更に顕著である。400dpiの2値画像データを構成する1ドットトナー像の大きさが64μm程度になるが、その辺でのドット再現性の向上に至っては前述の従来の手法では全く望めず、通常転写紙と何ら変わりない実力であった。
【0008】
即ち、従来手法では、インクジェット分野では当然の800dpi写真画質に対して、電子写真ではどう頑張っても転写プロセスによる画像劣化(階調数低下)のため、真の400dpi写真画質は届かぬ夢であった。しかしながら、古い手法であるが、他の抵抗値等と異なり環境等に影響を受けにくい力学的現象であることに本発明者らは興味を持った(特許文献7参照)。しかし、現在、最新のカラー複写機の中間転写体等に用いられている柔らかいエラストマーでさえ、400dpiの2値画像をトナーの飛び散り無く転写することは難しいことがわかった。
【0009】
そこで本発明者らは、トナーに対するその力学的クッション性能を更に向上すべく、これまでコストや溶解性の点から検討されてこなかったエチレン−プロピレン共重合体樹脂を転写紙表面にコートしたところ、600dpiの2値画像では転写時のドットトナー像の飛び散りが全く発生しないところまで改善されることが判明した。
【0010】
又、種々の出力機器共用の記録紙として繊維性の表面を持たせたものが提案されている(特許文献8参照)。この中で繊維がクッション性能を発揮するので乾式電子写真トナー画像のシャープ化が図れるとある。しかし、その実施例にもあるように、使用される繊維の太さが0.5デニールとかなり細いが、それでも電子写真トナーと同程度である。従って、上記文献の明細書中の説明にもあるような繊維同士が滑ることにより発揮されるクッション性は、大きな文字等のシャープ化までは可能だとしても、本発明の目指すトナー一個一個の運動エネルギーを吸収するほどまでは期待できない。上記文献の明細書中にある材質例としてはセルロースやポリエステル樹脂等、トナーと同じか、それ以上硬い材料であるので、材料単体としては個々のトナーに対するクッション性能は全くない。
【0011】
【特許文献1】:特公昭41−20152号公報
【特許文献2】:特公昭43−4151号公報
【特許文献3】:特開昭50−117435号公報
【特許文献4】:特開昭56−16143号公報
【特許文献5】:特開平5−53363号公報
【特許文献6】:特開昭49−126334号公報
【特許文献7】:特開昭49−126334号公報
【特許文献8】:特開平9−170190号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、電子写真方式において高画質の画像が形成可能な電子写真転写紙を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、電子写真転写紙において、該転写紙の転写面が下記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含有する被覆層であり、前記被覆層内又はその表面にトナー粒子と親和性のある粒子を、定着性を強化する目的で有することを特徴とする電子写真転写紙を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態は次の通りである。
1.前記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂を溶剤に溶解させた後、ゲル成分を除去した樹脂成分が被覆層を形成している前記の電子写真転写紙。
2.前記粒子は、前記トナー像の定着後実質的に透明となる材料で形成されている前記の電子写真転写紙。
3.前記粒子は、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリアミド樹脂のいずれかで形成されている前記の電子写真転写紙。
4.使用する電子写真装置が、入力信号で変調された光ビームを感光体上に照射する方式を有する前記の電子写真転写紙。
【0015】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
図1は、本実施例の画像形成装置を表わす概略図である。感光体ドラム43が矢印方向にプロセススピード100mm/sで回転する。この感光体ドラム43は、有機感光体系の光導電材料から形成されている。装置は感光体ドラム43とその周りに配置された帯電器44、露光器LS、現像器41、クリーニング装置42からなる電子写真記録装置である。
【0016】
又、一次帯電に用いる帯電手段としては、コロナ帯電器による非接触方式や、ローラー帯電器による接触方式等が挙げられる。感光体の帯電・露光条件は、露光手段として半導体レーザーを用い、ドラム帯電電位を−400V、露光部であるベタ電位を−50Vとした。又、本実施例では露光器LSとしてレーザー光学系を用いた。又、露光手段としてLEDにセルフォックレンズを介したもの、EL素子やプラズマ発光素子等その他の光学系等も使用することが可能である。
【0017】
感光体ドラム43は負帯電の有機感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体上に下記の第1〜第4の4層の機能層を下から順に設けたものである。第1層は下引き層であり、アルミニウムドラムの欠陥等をならすため、又、レーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。第2層は正電荷注入防止層であり、アルミ基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって10−6Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。第3層は電荷発生層であり、ビスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹脂にトリフェニルアミン系電荷輸送剤を分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。光導電層の膜厚として15μmのものを使用した。
【0018】
露光器LSよりレーザービームLを走査する場合には、先ず入力された画像信号に基づき発光信号発生器によりレーザー素子から放射されたレーザー光(680nm、35mW半導体レーザー、光学スポット径は副走査方向、主走査方向とも約63μm)はコリメーターレンズ系により概略平行な光束に変換され、更に回転する回転多面鏡により走査されるとともにfθレンズ群により感光体ドラム等の被走査面にスポット状に結像される。このようなレーザー光の走査により被走査面上には画像一走査分の露光分布が形成され、該被走査面を前記走査方向とは垂直に所定量だけスクロールさせれば、該被走査面上に画像信号に応じた露光分布が得られる。
【0019】
本実施例においては、レーザーPWM方式(パルス幅変調)を用いて、200dpiの解像度において1画素の面積階調による多値記録を行ったため、PWM方式について簡単に説明する。8ビットのデジタル画像信号は00h(白)〜FF(黒)まで256階調レベルで変化する。形成すべき画素濃度に応じたパルス幅のPWM信号を発生する。そしてこのPWM信号はレーザードライバ回路に入力される。このようにして得られたPWM信号値に対応して1画素当たりの露光時間を変化させることにより1画素最大256階調を得ることができる。本実施例はPWM方式による階調制御を用いたが、ディザ法等の面積階調法やレーザー光強度変調を用いることも可能であり、更に、それらを組み合わせてもよい。
【0020】
感光体ドラム43に形成されたドット分布静電潜像を顕像化するための現像器41は、トナー粒子と磁性キャリア粒子が混合された現像剤が収容されている。トナーとしては、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等を添加した公知のものが使用でき、本発明では体積平均粒径が7μmのものを使用した。ここでトナーの体積平均粒径は、例えば、下記測定法で測定されたものを使用する。
【0021】
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布及び体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。
【0022】
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料0.5〜50mgを加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウンターTA−II型によりアパチャーとして100μmアパチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し体積分布を求める。これら求めた体積分布により、サンプルの体積平均粒径が得られる。
【0023】
一方、磁性キャリアとしては磁性体粒子の表面に極めて薄い樹脂コーティングを施したもの等が好適に使用され、平均粒径は5〜70μmが好ましい。キャリアの平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により、キャリア300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとることによって本発明で使用するキャリア粒径とした。トナーは磁性粒子との摩擦で潜像を現像するための極性に帯電する。
【0024】
図2に示すように現像器41の感光体ドラム43に近接する部位には開口部が設けられ、該開口部にアルミニウムや非磁性ステンレス鋼等の非磁性現像スリーブ415が設けられている。非磁性現像スリーブ415は矢印b方向に回転してトナー及びキャリアの混合された現像剤411を現像部Aに担持搬送する。非磁性現像スリーブ415に担持された現像剤の磁気ブラシは現像部Aで矢印a方向に回転する感光体ドラム43に接触し、静電潜像はこの現像部Aで現像される。
【0025】
尚、非磁性現像スリーブ415には、電源(不図示)により、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電位)は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部Aに向きが交互に変化する交番電界が形成される。この交番電界中でトナーとキャリアは激しく振動しトナーがスリーブ及びキャリアへの静電的拘束を振り切って潜像に対応して感光体ドラム43に付着する。
【0026】
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は1〜5kVが好ましく、又、周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。
【0027】
そして上記直流電圧成分は潜像の暗部電位と明部電位の間の値のものであるが絶対値で最小の明部電位よりも暗部電位の方により近い値であることが、暗部電位領域へのカブリトナーの付着を防止する上で好ましい。又、非磁性現像スリーブ415と感光体ドラム43の最小間隙(この最小間隙位置は現像部A内にある)は0.2〜1mmであることが好適である。
【0028】
418は現像剤層厚規制ブレードであり、非磁性現像スリーブ415が現像部Aに担持搬送する2成分現像剤の層厚を規制する。現像剤層厚規制ブレード418で規制されて現像部Aに搬送される現像剤量は、後述の現像磁極S1による現像部での磁界により形成される現像剤の磁気ブラシのスリーブ表面上での高さが、感光体ドラム43を取り去った状態で、前記スリーブ及び感光ドラム間の最小間隙値の1.2〜3倍となるような量であることが好ましい。
【0029】
非磁性現像スリーブ415内にはローラ状の磁石417が固定配置されている。この磁石417は現像部Aに対向する現像磁極S1を有している。現像磁極S1が現像部Aに形成する現像磁界により現像剤の磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシが感光体ドラム43に接触してドッ卜分布静電潜像を現像する。
【0030】
現像磁極S1による現像磁界の非磁性現像スリーブ415表面上での強さ(スリーブ表面に垂直な方向の磁束密度)は、そのピーク値が500〜2,000ガウスであることが好適である。この例では磁石は上記現像磁極S1の他に、N1、N2、N3及びS2極を有している。
【0031】
斯かる構成により、従来と同様に、非磁性現像スリーブ415の回転によりN2極でくみ上げられた現像剤はS2極からN1極と搬送され、その途中で現像剤層厚規制ブレード418で規制され、現像剤薄層を形成する。そして現像磁極S1の磁界中で穂立ちした現像剤が感光体ドラム43上の静電潜像を現像する。その後N3極及びN2極間の反発磁界により非磁性現像スリーブ415上の現像剤は攪拌室R1内へ落下する。攪拌室R1内に落下した現像剤はスクリュー414により攪拌搬送される。
【0032】
このようにして、感光体ドラム43に形成された静電潜像は現像器41により反転現像され、形成されたトナー像は、給紙部から記録材としての転写紙が供給されて、感光体ドラム43と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ40との圧接ニップ部(転写部)に所定のタイミングにて導入される。転写ローラ40には転写バイアス印加電源(不図示)から所定の転写バイアス電圧が印加される。
【0033】
本実施例ではローラ抵抗値は5×10−8Ω・cmのものを用い、5kV(この転写バイアスは転写紙の種類や環境等によって適正に調整する)のDC電圧を印加して転写を行なった。転写部に導入された転写紙はこの転写部を挟持搬送されて、その表面側に感光体ドラム43の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0034】
トナー画像の転写を受けた転写紙は感光体ドラム43の面から分離されて熱定着方式等の定着器47へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。一方、トナー像転写後の感光体ドラム43の面はクリーニング装置42によって転写残りトナー等の付着汚染物の除去を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0035】
上記で使用する本発明の転写紙に用いられるコート剤は、例えば、以下のように調整した。下記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂(下記一般式(2)で表される成分を40質量%含む)2質量部をn−ヘキサン78質量部に溶解させた。次にこの溶液を遠心分離器にかけてゲル分を除去しコート剤とした。このコート剤をメイヤーバー(#16)でアート紙上に塗布する。
【0036】
【0037】
その直後に樹脂微粒子をふるい(メッシュ)等で転写紙に適量(望ましくは、表面一層分)を均一に降りかける。この方法ならば、コート剤用樹脂の溶剤に溶けてしまい、コート層全体の高硬度化を防げる。塗布粒子としては、本実施形態では粒径2μmのポリエステルに公知の帯電制御剤等を添加した粉砕粒子を用いている。色は粉末では白色で、溶融すると透明である。粒径に関してはこれに限らず、サブミクロンから20μm程度まで使用できる。粒径はトナー程度或いはそれ以上であると、ハンドリングの面で使いやすいが、画質が若干劣化する傾向にあるため、トナーより小径が好ましく、本実施形態では2μmを用いている。
【0038】
塗布粒子はポリエステル以外の樹脂として、スチレンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が用いることができる。又、樹脂に限らず、例えば酸化チタンや酸化亜鉛等の無機材料も使用できる。その後、120℃で1時間乾燥し、更に140℃で1時間乾燥して本発明の転写紙を作成した。乾燥後の樹脂被膜層の厚さは2μmであった。以上の工程にて作成した転写紙サンプルをAとし、(A)の処理をせずに作成した転写紙サンプルをBとした。
【0039】
かかる条件のもとで出力した結果を図3にて比較する。図3は転写紙のみ条件を変えて同条件で出力した転写紙上の拡大実写真であり、(a)は従来の転写紙Bの場合、(b)は本発明の転写紙Aの場合である。これらを比較すると本発明の転写紙Aでは前述のPWM信号によるレーザーの点灯時間もハッキリと分かりそうなくらいトナー転写飛散りのない、良好な画像が出力できるようになった。
【0040】
このような出力が可能になった結果、図4のように、面積階調に対する反射濃度の変化が、本発明の転写紙Aを使うだけで理想のラインとほぼ一致することがわかった。一方、従来の転写紙Bでは(a)のようにハイライト部でのオプティカルドットゲインが大幅に増加し、出力画像濃度変化のダイナミックレンジを圧縮してしまっている。即ち、本発明の転写紙を使用することで、電子写真装置から高解像で尚且つ銀塩写真に匹敵する高階調な画像を出力することが可能になったのである。
【0041】
更に定着試験として、テープ剥がしテストとスクラッチテストをした。テープ剥がしテストは、セロハンテープを出力画像に貼り、一度上から軽く指でなぞった後剥がすものであり、スクラッチテストとは、カッターの刃で出力画像の上を軽く擦るものである。この結果、転写紙サンプルBはテープ剥がしテストは若干剥がれた程度であったが、スクラッチテストでは、全て剥がれてしまった。一方、転写紙サンプルAは両テスト結果とも良好であった。
【0042】
<実施例2>
図5は、フルカラー画像の形成可能な複写機断面を示しており、図中43は矢印方向に回転される実施例1と同じ処方の感光体ドラムである。該感光体ドラム43の周りには1次帯電器44、回転式現像装置41a、転写装置40、クリーニング装置42が配設されている。転写装置40の給紙側には給紙カセット48、レジストローラ46等が配設され、排紙側には分離爪(不図示)、搬送部(不図示)、定着器47、排紙トレイ(不図示)等が配設されている。回転式現像装置41aは支軸を中心に回転する回転支持部材内に4つの現像器41、即ち、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックトナーをそれぞれ有するシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック現像器41C、41M、41Y、41Bが配設され、所定色の画像情報に基づいて所定の現像器41が感光体ドラム43の側方に位置決めできるようになっている。
【0043】
転写装置40は転写ドラム40aの外周面にグリッパー(不図示)等を介して転写紙を位置決め保持し、該転写ドラム40aの回転とともに感光体ドラム43の一側に近接する転写紙上に感光体ドラム43上のトナー像を転写させるものである。
【0044】
被複写原稿Kは原稿読みとり装置Dで読みとられる。この読みとり装置はCCD等の、原稿画像を電気信号に変換する光電変換素子を有しており、原稿のマゼンタ画像情報、シアン画像情報、イエロー画像情報、白黒画像情報にそれぞれ対応した画像信号を出力する。露光器LSに内蔵された半導体レーザーはこれらの画像信号に対応して制御され、レーザービームLを射出する。本実施例においても前述のPWM方式による階調制御を用いた。尚、電子計算機からの出力信号をプリントアウトすることもできる。
【0045】
即ち、一次帯電器44により一様帯電された感光体ドラム43上に、例えば、マゼンタ画像情報に基づくレーザービームLが画像読みとり露光部を介して露光されると、この感光体ドラム43上には静電潜像が形成される。該静電潜像は感光体ドラム43の回転とともに回転式現像装置41aの予め位置決めされたマゼンタ現像器41Mの方へ向けられ、該マゼンタ現像器41Mによってマゼンタトナーが供給されてトナー像として顕像化され、該トナー像は転写ドラム40aの転写紙上に転写される。
【0046】
そして、転写の終了した感光体ドラム43はクリーニング装置42にてその残留トナーがクリーニングされた後、再び一次帯電器44により一様帯電され、画像読みとり露光部を介してシアン画像情報に基づくレーザービームLが露光されて、この感光体ドラム43上に静電潜像が形成される。
【0047】
そして、この静電潜像はシアン現像器41Cによってシアントナーが供給されてトナー像として顕像化され、該トナー像は転写ドラム40a上の前記転写紙上に重ねて転写される。同様にイエロー、ブラック画像情報に基づくイエロー、ブラック現像器41Y、41Bによるトナー像が前記転写紙上重ねて転写される(多重転写方式)。PWM方式による階調制御を用いた場合、同一位置に多種の色が重なる転写プロセスとなる。
【0048】
一方、給紙カセット48内の転写紙は給紙ローラにより一枚ずつ取り出された後レジストローラ46の方へ送られ、該レジストローラ46によりタイミングをあわされて転写装置40の方へ送られて、該転写装置40の転写ドラム40aの回転とともに、前述の4色のトナー像が重ねて転写された転写紙は分離爪(不図示)を介して転写ドラム40aから分離され、搬送部(不図示)を介して定着器47の方へ送られる。
【0049】
そして、この定着器47によりその多色重なったトナー像が溶解混色されて所望の色を発色することによりフルカラー画像を実現する。定着された転写紙は排紙トレイ上に積載されて一連の画像形成作業は終了する。使用した転写紙は実施例1と同じ処方のコート紙である。
【0050】
上記のように本実施例のPWM方式によるきめ細かい面積階調制御を行ったドットトナー像が4色で同一位置に所望の割合で重なるような多重転写プロセスにおいても実施例1と全く同様の効果が得られた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、転写紙の表面の構成により、電子写真方式において高画質の画像が形成可能な電子写真転写紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるプリンタ装置の断面図。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるプリンタ装置の現像装置の断面図。
【図3】本発明に係る実施例1を説明する図。
【図4】本発明に係る実施例1を説明するグラフ。
【図5】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるプリンタ装置の断面図。
【符号の説明】
40:転写装置
40a:転写ドラム
41:現像器
41a:回転式現像装置
41C:シアン現像器
41M:マゼンタ現像器
41Y:イエロー現像器
41B:ブラック現像器
42:クリーニング装置
43:感光体ドラム
44:帯電器
46:レジストローラ
47:定着器
48:給紙カセット
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置や静電プリンタ等において、感光体等の像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して、得られた像を転写する電子写真転写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置では、感光体上に静電潜像を形成後、該静電潜像に現像剤を静電的に付着させて現像剤像を形成し、現像剤像を転写装置により転写紙に転写する。この種の転写装置としては、コロナ転写方法やローラー転写法等の静電的手段が知られている。
【0003】
電子写真方式は複写機から発展し、ページプリンター、ファクシミリの出力等応用範囲が広くなるとともに、アナログ方式からデジタル方式へと進展して高機能化、カラー化及び高画質化への要望が高まってきている。今では殆どの電子写真装置では前述のように電気的手段によって感光体上のトナー画像を普通紙へ転移させているが、転写時の画像劣化が大変大きく、この点が印刷やインクジェット技術に劣ってしまう大きな原因になっている。最近、電子写真分野以外で、インクジェットの用紙を特殊専用紙に代えたことで飛躍的に画質向上したことは衝撃的である。
【0004】
電子写真用転写紙の用紙面からも転写性及び画質を改善するべく種々の提案がなされてきた。特に精力的に取り組まれてきた特性として、用紙の体積抵抗値や表面抵抗値等の電気的特性がある。例えば、体積抵抗を所定範囲に維持したこと(特許文献1〜2参照)、転写紙表面に体積抵抗3×10−13Ω・cm以上の樹脂層を設けること(特許文献3参照)、転写紙の基層の上に先ず低抵抗層、最表面に高抵抗層となるよう構成すること(特許文献4参照)等が提案されてきたが、実使用環境にては、空気中の水分をコントロールすることは難しく、その結果、転写紙の電気抵抗を安定化させることはできなかった。
【0005】
そこで特定の結晶構造を持つ合成ヘクトライトを用紙に含有させることで抵抗値の環境安定化を試みた提案がなされた(特許文献5参照)。しかし、これでもインクジェットや印刷のレベルに及ぶものではなかった。
【0006】
別の側面からのアプローチとして、転写表面にエラストマーをコーティングする手法があった(特許文献6参照)。実際に明細書中に記載の材料を転写紙上にコーティングし、カラー電子写真装置で画質評価を試みたところ、400dpiデジタルプリンターにおける写真画像等の再現に関しては、際だった効果が認められなかった。
【0007】
以上説明してきたような転写プロセスにおける画像劣化の原因はデジタルデータを出力するにあたり、昨今のプリンターが使用している画像処理の結果のディザパターンやPWMによる連続した微小な個々のドットトナー像が飛び散っていることが結論づけられる。この傾向は小さい文字や画像データを形成するスクリーンの非常に細かいドット等で更に顕著である。400dpiの2値画像データを構成する1ドットトナー像の大きさが64μm程度になるが、その辺でのドット再現性の向上に至っては前述の従来の手法では全く望めず、通常転写紙と何ら変わりない実力であった。
【0008】
即ち、従来手法では、インクジェット分野では当然の800dpi写真画質に対して、電子写真ではどう頑張っても転写プロセスによる画像劣化(階調数低下)のため、真の400dpi写真画質は届かぬ夢であった。しかしながら、古い手法であるが、他の抵抗値等と異なり環境等に影響を受けにくい力学的現象であることに本発明者らは興味を持った(特許文献7参照)。しかし、現在、最新のカラー複写機の中間転写体等に用いられている柔らかいエラストマーでさえ、400dpiの2値画像をトナーの飛び散り無く転写することは難しいことがわかった。
【0009】
そこで本発明者らは、トナーに対するその力学的クッション性能を更に向上すべく、これまでコストや溶解性の点から検討されてこなかったエチレン−プロピレン共重合体樹脂を転写紙表面にコートしたところ、600dpiの2値画像では転写時のドットトナー像の飛び散りが全く発生しないところまで改善されることが判明した。
【0010】
又、種々の出力機器共用の記録紙として繊維性の表面を持たせたものが提案されている(特許文献8参照)。この中で繊維がクッション性能を発揮するので乾式電子写真トナー画像のシャープ化が図れるとある。しかし、その実施例にもあるように、使用される繊維の太さが0.5デニールとかなり細いが、それでも電子写真トナーと同程度である。従って、上記文献の明細書中の説明にもあるような繊維同士が滑ることにより発揮されるクッション性は、大きな文字等のシャープ化までは可能だとしても、本発明の目指すトナー一個一個の運動エネルギーを吸収するほどまでは期待できない。上記文献の明細書中にある材質例としてはセルロースやポリエステル樹脂等、トナーと同じか、それ以上硬い材料であるので、材料単体としては個々のトナーに対するクッション性能は全くない。
【0011】
【特許文献1】:特公昭41−20152号公報
【特許文献2】:特公昭43−4151号公報
【特許文献3】:特開昭50−117435号公報
【特許文献4】:特開昭56−16143号公報
【特許文献5】:特開平5−53363号公報
【特許文献6】:特開昭49−126334号公報
【特許文献7】:特開昭49−126334号公報
【特許文献8】:特開平9−170190号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、電子写真方式において高画質の画像が形成可能な電子写真転写紙を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、電子写真転写紙において、該転写紙の転写面が下記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含有する被覆層であり、前記被覆層内又はその表面にトナー粒子と親和性のある粒子を、定着性を強化する目的で有することを特徴とする電子写真転写紙を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態は次の通りである。
1.前記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂を溶剤に溶解させた後、ゲル成分を除去した樹脂成分が被覆層を形成している前記の電子写真転写紙。
2.前記粒子は、前記トナー像の定着後実質的に透明となる材料で形成されている前記の電子写真転写紙。
3.前記粒子は、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリアミド樹脂のいずれかで形成されている前記の電子写真転写紙。
4.使用する電子写真装置が、入力信号で変調された光ビームを感光体上に照射する方式を有する前記の電子写真転写紙。
【0015】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
図1は、本実施例の画像形成装置を表わす概略図である。感光体ドラム43が矢印方向にプロセススピード100mm/sで回転する。この感光体ドラム43は、有機感光体系の光導電材料から形成されている。装置は感光体ドラム43とその周りに配置された帯電器44、露光器LS、現像器41、クリーニング装置42からなる電子写真記録装置である。
【0016】
又、一次帯電に用いる帯電手段としては、コロナ帯電器による非接触方式や、ローラー帯電器による接触方式等が挙げられる。感光体の帯電・露光条件は、露光手段として半導体レーザーを用い、ドラム帯電電位を−400V、露光部であるベタ電位を−50Vとした。又、本実施例では露光器LSとしてレーザー光学系を用いた。又、露光手段としてLEDにセルフォックレンズを介したもの、EL素子やプラズマ発光素子等その他の光学系等も使用することが可能である。
【0017】
感光体ドラム43は負帯電の有機感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体上に下記の第1〜第4の4層の機能層を下から順に設けたものである。第1層は下引き層であり、アルミニウムドラムの欠陥等をならすため、又、レーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。第2層は正電荷注入防止層であり、アルミ基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって10−6Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。第3層は電荷発生層であり、ビスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹脂にトリフェニルアミン系電荷輸送剤を分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。光導電層の膜厚として15μmのものを使用した。
【0018】
露光器LSよりレーザービームLを走査する場合には、先ず入力された画像信号に基づき発光信号発生器によりレーザー素子から放射されたレーザー光(680nm、35mW半導体レーザー、光学スポット径は副走査方向、主走査方向とも約63μm)はコリメーターレンズ系により概略平行な光束に変換され、更に回転する回転多面鏡により走査されるとともにfθレンズ群により感光体ドラム等の被走査面にスポット状に結像される。このようなレーザー光の走査により被走査面上には画像一走査分の露光分布が形成され、該被走査面を前記走査方向とは垂直に所定量だけスクロールさせれば、該被走査面上に画像信号に応じた露光分布が得られる。
【0019】
本実施例においては、レーザーPWM方式(パルス幅変調)を用いて、200dpiの解像度において1画素の面積階調による多値記録を行ったため、PWM方式について簡単に説明する。8ビットのデジタル画像信号は00h(白)〜FF(黒)まで256階調レベルで変化する。形成すべき画素濃度に応じたパルス幅のPWM信号を発生する。そしてこのPWM信号はレーザードライバ回路に入力される。このようにして得られたPWM信号値に対応して1画素当たりの露光時間を変化させることにより1画素最大256階調を得ることができる。本実施例はPWM方式による階調制御を用いたが、ディザ法等の面積階調法やレーザー光強度変調を用いることも可能であり、更に、それらを組み合わせてもよい。
【0020】
感光体ドラム43に形成されたドット分布静電潜像を顕像化するための現像器41は、トナー粒子と磁性キャリア粒子が混合された現像剤が収容されている。トナーとしては、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等を添加した公知のものが使用でき、本発明では体積平均粒径が7μmのものを使用した。ここでトナーの体積平均粒径は、例えば、下記測定法で測定されたものを使用する。
【0021】
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布及び体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。
【0022】
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料0.5〜50mgを加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウンターTA−II型によりアパチャーとして100μmアパチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し体積分布を求める。これら求めた体積分布により、サンプルの体積平均粒径が得られる。
【0023】
一方、磁性キャリアとしては磁性体粒子の表面に極めて薄い樹脂コーティングを施したもの等が好適に使用され、平均粒径は5〜70μmが好ましい。キャリアの平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により、キャリア300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとることによって本発明で使用するキャリア粒径とした。トナーは磁性粒子との摩擦で潜像を現像するための極性に帯電する。
【0024】
図2に示すように現像器41の感光体ドラム43に近接する部位には開口部が設けられ、該開口部にアルミニウムや非磁性ステンレス鋼等の非磁性現像スリーブ415が設けられている。非磁性現像スリーブ415は矢印b方向に回転してトナー及びキャリアの混合された現像剤411を現像部Aに担持搬送する。非磁性現像スリーブ415に担持された現像剤の磁気ブラシは現像部Aで矢印a方向に回転する感光体ドラム43に接触し、静電潜像はこの現像部Aで現像される。
【0025】
尚、非磁性現像スリーブ415には、電源(不図示)により、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電位)は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部Aに向きが交互に変化する交番電界が形成される。この交番電界中でトナーとキャリアは激しく振動しトナーがスリーブ及びキャリアへの静電的拘束を振り切って潜像に対応して感光体ドラム43に付着する。
【0026】
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は1〜5kVが好ましく、又、周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。
【0027】
そして上記直流電圧成分は潜像の暗部電位と明部電位の間の値のものであるが絶対値で最小の明部電位よりも暗部電位の方により近い値であることが、暗部電位領域へのカブリトナーの付着を防止する上で好ましい。又、非磁性現像スリーブ415と感光体ドラム43の最小間隙(この最小間隙位置は現像部A内にある)は0.2〜1mmであることが好適である。
【0028】
418は現像剤層厚規制ブレードであり、非磁性現像スリーブ415が現像部Aに担持搬送する2成分現像剤の層厚を規制する。現像剤層厚規制ブレード418で規制されて現像部Aに搬送される現像剤量は、後述の現像磁極S1による現像部での磁界により形成される現像剤の磁気ブラシのスリーブ表面上での高さが、感光体ドラム43を取り去った状態で、前記スリーブ及び感光ドラム間の最小間隙値の1.2〜3倍となるような量であることが好ましい。
【0029】
非磁性現像スリーブ415内にはローラ状の磁石417が固定配置されている。この磁石417は現像部Aに対向する現像磁極S1を有している。現像磁極S1が現像部Aに形成する現像磁界により現像剤の磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシが感光体ドラム43に接触してドッ卜分布静電潜像を現像する。
【0030】
現像磁極S1による現像磁界の非磁性現像スリーブ415表面上での強さ(スリーブ表面に垂直な方向の磁束密度)は、そのピーク値が500〜2,000ガウスであることが好適である。この例では磁石は上記現像磁極S1の他に、N1、N2、N3及びS2極を有している。
【0031】
斯かる構成により、従来と同様に、非磁性現像スリーブ415の回転によりN2極でくみ上げられた現像剤はS2極からN1極と搬送され、その途中で現像剤層厚規制ブレード418で規制され、現像剤薄層を形成する。そして現像磁極S1の磁界中で穂立ちした現像剤が感光体ドラム43上の静電潜像を現像する。その後N3極及びN2極間の反発磁界により非磁性現像スリーブ415上の現像剤は攪拌室R1内へ落下する。攪拌室R1内に落下した現像剤はスクリュー414により攪拌搬送される。
【0032】
このようにして、感光体ドラム43に形成された静電潜像は現像器41により反転現像され、形成されたトナー像は、給紙部から記録材としての転写紙が供給されて、感光体ドラム43と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ40との圧接ニップ部(転写部)に所定のタイミングにて導入される。転写ローラ40には転写バイアス印加電源(不図示)から所定の転写バイアス電圧が印加される。
【0033】
本実施例ではローラ抵抗値は5×10−8Ω・cmのものを用い、5kV(この転写バイアスは転写紙の種類や環境等によって適正に調整する)のDC電圧を印加して転写を行なった。転写部に導入された転写紙はこの転写部を挟持搬送されて、その表面側に感光体ドラム43の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0034】
トナー画像の転写を受けた転写紙は感光体ドラム43の面から分離されて熱定着方式等の定着器47へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。一方、トナー像転写後の感光体ドラム43の面はクリーニング装置42によって転写残りトナー等の付着汚染物の除去を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0035】
上記で使用する本発明の転写紙に用いられるコート剤は、例えば、以下のように調整した。下記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂(下記一般式(2)で表される成分を40質量%含む)2質量部をn−ヘキサン78質量部に溶解させた。次にこの溶液を遠心分離器にかけてゲル分を除去しコート剤とした。このコート剤をメイヤーバー(#16)でアート紙上に塗布する。
【0036】
【0037】
その直後に樹脂微粒子をふるい(メッシュ)等で転写紙に適量(望ましくは、表面一層分)を均一に降りかける。この方法ならば、コート剤用樹脂の溶剤に溶けてしまい、コート層全体の高硬度化を防げる。塗布粒子としては、本実施形態では粒径2μmのポリエステルに公知の帯電制御剤等を添加した粉砕粒子を用いている。色は粉末では白色で、溶融すると透明である。粒径に関してはこれに限らず、サブミクロンから20μm程度まで使用できる。粒径はトナー程度或いはそれ以上であると、ハンドリングの面で使いやすいが、画質が若干劣化する傾向にあるため、トナーより小径が好ましく、本実施形態では2μmを用いている。
【0038】
塗布粒子はポリエステル以外の樹脂として、スチレンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が用いることができる。又、樹脂に限らず、例えば酸化チタンや酸化亜鉛等の無機材料も使用できる。その後、120℃で1時間乾燥し、更に140℃で1時間乾燥して本発明の転写紙を作成した。乾燥後の樹脂被膜層の厚さは2μmであった。以上の工程にて作成した転写紙サンプルをAとし、(A)の処理をせずに作成した転写紙サンプルをBとした。
【0039】
かかる条件のもとで出力した結果を図3にて比較する。図3は転写紙のみ条件を変えて同条件で出力した転写紙上の拡大実写真であり、(a)は従来の転写紙Bの場合、(b)は本発明の転写紙Aの場合である。これらを比較すると本発明の転写紙Aでは前述のPWM信号によるレーザーの点灯時間もハッキリと分かりそうなくらいトナー転写飛散りのない、良好な画像が出力できるようになった。
【0040】
このような出力が可能になった結果、図4のように、面積階調に対する反射濃度の変化が、本発明の転写紙Aを使うだけで理想のラインとほぼ一致することがわかった。一方、従来の転写紙Bでは(a)のようにハイライト部でのオプティカルドットゲインが大幅に増加し、出力画像濃度変化のダイナミックレンジを圧縮してしまっている。即ち、本発明の転写紙を使用することで、電子写真装置から高解像で尚且つ銀塩写真に匹敵する高階調な画像を出力することが可能になったのである。
【0041】
更に定着試験として、テープ剥がしテストとスクラッチテストをした。テープ剥がしテストは、セロハンテープを出力画像に貼り、一度上から軽く指でなぞった後剥がすものであり、スクラッチテストとは、カッターの刃で出力画像の上を軽く擦るものである。この結果、転写紙サンプルBはテープ剥がしテストは若干剥がれた程度であったが、スクラッチテストでは、全て剥がれてしまった。一方、転写紙サンプルAは両テスト結果とも良好であった。
【0042】
<実施例2>
図5は、フルカラー画像の形成可能な複写機断面を示しており、図中43は矢印方向に回転される実施例1と同じ処方の感光体ドラムである。該感光体ドラム43の周りには1次帯電器44、回転式現像装置41a、転写装置40、クリーニング装置42が配設されている。転写装置40の給紙側には給紙カセット48、レジストローラ46等が配設され、排紙側には分離爪(不図示)、搬送部(不図示)、定着器47、排紙トレイ(不図示)等が配設されている。回転式現像装置41aは支軸を中心に回転する回転支持部材内に4つの現像器41、即ち、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックトナーをそれぞれ有するシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック現像器41C、41M、41Y、41Bが配設され、所定色の画像情報に基づいて所定の現像器41が感光体ドラム43の側方に位置決めできるようになっている。
【0043】
転写装置40は転写ドラム40aの外周面にグリッパー(不図示)等を介して転写紙を位置決め保持し、該転写ドラム40aの回転とともに感光体ドラム43の一側に近接する転写紙上に感光体ドラム43上のトナー像を転写させるものである。
【0044】
被複写原稿Kは原稿読みとり装置Dで読みとられる。この読みとり装置はCCD等の、原稿画像を電気信号に変換する光電変換素子を有しており、原稿のマゼンタ画像情報、シアン画像情報、イエロー画像情報、白黒画像情報にそれぞれ対応した画像信号を出力する。露光器LSに内蔵された半導体レーザーはこれらの画像信号に対応して制御され、レーザービームLを射出する。本実施例においても前述のPWM方式による階調制御を用いた。尚、電子計算機からの出力信号をプリントアウトすることもできる。
【0045】
即ち、一次帯電器44により一様帯電された感光体ドラム43上に、例えば、マゼンタ画像情報に基づくレーザービームLが画像読みとり露光部を介して露光されると、この感光体ドラム43上には静電潜像が形成される。該静電潜像は感光体ドラム43の回転とともに回転式現像装置41aの予め位置決めされたマゼンタ現像器41Mの方へ向けられ、該マゼンタ現像器41Mによってマゼンタトナーが供給されてトナー像として顕像化され、該トナー像は転写ドラム40aの転写紙上に転写される。
【0046】
そして、転写の終了した感光体ドラム43はクリーニング装置42にてその残留トナーがクリーニングされた後、再び一次帯電器44により一様帯電され、画像読みとり露光部を介してシアン画像情報に基づくレーザービームLが露光されて、この感光体ドラム43上に静電潜像が形成される。
【0047】
そして、この静電潜像はシアン現像器41Cによってシアントナーが供給されてトナー像として顕像化され、該トナー像は転写ドラム40a上の前記転写紙上に重ねて転写される。同様にイエロー、ブラック画像情報に基づくイエロー、ブラック現像器41Y、41Bによるトナー像が前記転写紙上重ねて転写される(多重転写方式)。PWM方式による階調制御を用いた場合、同一位置に多種の色が重なる転写プロセスとなる。
【0048】
一方、給紙カセット48内の転写紙は給紙ローラにより一枚ずつ取り出された後レジストローラ46の方へ送られ、該レジストローラ46によりタイミングをあわされて転写装置40の方へ送られて、該転写装置40の転写ドラム40aの回転とともに、前述の4色のトナー像が重ねて転写された転写紙は分離爪(不図示)を介して転写ドラム40aから分離され、搬送部(不図示)を介して定着器47の方へ送られる。
【0049】
そして、この定着器47によりその多色重なったトナー像が溶解混色されて所望の色を発色することによりフルカラー画像を実現する。定着された転写紙は排紙トレイ上に積載されて一連の画像形成作業は終了する。使用した転写紙は実施例1と同じ処方のコート紙である。
【0050】
上記のように本実施例のPWM方式によるきめ細かい面積階調制御を行ったドットトナー像が4色で同一位置に所望の割合で重なるような多重転写プロセスにおいても実施例1と全く同様の効果が得られた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、転写紙の表面の構成により、電子写真方式において高画質の画像が形成可能な電子写真転写紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるプリンタ装置の断面図。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるプリンタ装置の現像装置の断面図。
【図3】本発明に係る実施例1を説明する図。
【図4】本発明に係る実施例1を説明するグラフ。
【図5】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるプリンタ装置の断面図。
【符号の説明】
40:転写装置
40a:転写ドラム
41:現像器
41a:回転式現像装置
41C:シアン現像器
41M:マゼンタ現像器
41Y:イエロー現像器
41B:ブラック現像器
42:クリーニング装置
43:感光体ドラム
44:帯電器
46:レジストローラ
47:定着器
48:給紙カセット
Claims (5)
- 前記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂を溶剤に溶解させた後、ゲル成分を除去した樹脂成分が被覆層を形成している請求項1に記載の電子写真転写紙。
- 前記粒子は、前記トナー像の定着後実質的に透明となる材料で形成されている請求項1に記載の電子写真転写紙。
- 前記粒子は、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリアミド樹脂のいずれかで形成されている請求項1に記載の電子写真転写紙。
- 使用する電子写真装置が、入力信号で変調された光ビームを感光体上に照射する方式を有する請求項1に記載の電子写真転写紙。
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