JP2004101725A - レンズ装置及び撮影装置 - Google Patents
レンズ装置及び撮影装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004101725A JP2004101725A JP2002261631A JP2002261631A JP2004101725A JP 2004101725 A JP2004101725 A JP 2004101725A JP 2002261631 A JP2002261631 A JP 2002261631A JP 2002261631 A JP2002261631 A JP 2002261631A JP 2004101725 A JP2004101725 A JP 2004101725A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mount
- fixed
- component mounting
- mounting board
- lens barrel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
- Lens Barrels (AREA)
- Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)
Abstract
【課題】フレキを廃止してコストダウンを図るとともにプリント基板の安定化を実現したレンズ装置及び撮影装置を提供する。
【解決手段】マウントと、カメラ本体と電気的に接続する電気接点を有しかつ前記マウントに固定される接点ブロック部材と、前記接点ブロック部材に固定されかつ前記電気接点によりカメラ本体と電気的に接続される電気部品実装基板と、前記マウントが固定される固定鏡筒とを有するレンズ装置において、
前記電気部品実装基板は、その一部が前記固定鏡筒と前記マウントに挟み込まれることで固定され、この固定される位置を調整する固定位置調整部を前記マウントに設けるとともに、前記固定鏡筒と前記マウントの位置調整を行う位置調整部を前記マウントに設けたことを特徴とするレンズ装置。
【選択図】 図1
【解決手段】マウントと、カメラ本体と電気的に接続する電気接点を有しかつ前記マウントに固定される接点ブロック部材と、前記接点ブロック部材に固定されかつ前記電気接点によりカメラ本体と電気的に接続される電気部品実装基板と、前記マウントが固定される固定鏡筒とを有するレンズ装置において、
前記電気部品実装基板は、その一部が前記固定鏡筒と前記マウントに挟み込まれることで固定され、この固定される位置を調整する固定位置調整部を前記マウントに設けるとともに、前記固定鏡筒と前記マウントの位置調整を行う位置調整部を前記マウントに設けたことを特徴とするレンズ装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一眼レフカメラなどのレンズ装置及びこのレンズ装置を備えた撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一眼レフカメラ用の交換レンズの内部には、従来からマウント近傍に電気部品実装基板が配置されており、オートフォーカスや絞り駆動を行う制御回路などが構成されている。そして、この制御回路は、マウント部に配置した電気的な接点を通じてカメラ本体と電源の供給や通信などを行っている。
【0003】
図8に従来の電気部品実装基板の配置の様子を示す。
【0004】
同図において、101はカメラ本体100に装着されて固定されるマウントであり、固定鏡筒102に不図示のビスでビス止めされている。マウント101の内径方向には、樹脂製の接点ブロック103が固定されていて、この接点ブロック103には、金属製の電気接点部材104が複数本インサート成形されている。交換レンズ内部に配置する電気部品実装基板105は、固定鏡筒102に位置決めされると共に、ビス106で固定鏡筒102に固定されている。
【0005】
電気部品実装基板105と電気接点部材104はフレキシブルプリント配線基板107を用いて電気的に接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
交換レンズでは、撮影光学系のレンズの製造ばらつき、光学調整のばらつき、メカ部品の製造のばらつきなどから、個々の製品のバックフォーカスがばらつくことが知られている。従って、製品一つ一つに対してバックフォーカスを測定すると共に、このズレ量をなくすように光学系全体の位置を前後に移動調整することが従来から行われている。
【0007】
図9にその典型的な例を示す。この例では、まず交換レンズ全体を組み上げた上で、一時的にマウント111取り付けた状態にして、バックフォーカスのズレ量を測定する。そして、測定結果に基づいて、正確なバックフォーカスになるようにマウント111の調整用切削領域112を切削加工により切削することでマウント111の厚みを調整している。この調整用切削領域112は、量産する製品のバックフォーカスのばらつきをすべて調整可能にする程度に、十分な調整量が確保されている。これにより製品全長は、個々の製品によって変化してしまうが、バックフォーカスのズレを補正することが可能である。このような方法をマウント切削法と呼んでいる。
【0008】
また図10に別の典型的な例を示す。この例では、マウント113と固定鏡筒114の間にスペーサ115(ピントワッシャー)を挟み込むことでバックフォーカスの調整を行っている。このような方法は、ピントワッシャー法と呼ばれピントワッシャー法では、同様に交換レンズ全体を組み上げた上で、一時的にマウント113を取り付けた状態にして、バックフォーカスのズレ量を測定する。
【0009】
そして、測定結果に基づいて、正確なバックフォーカスになるようにマウント113と固定鏡筒114の間に適切な厚みのピントワッシャー116を挿入してバックフォーカスの調整を行っている。
【0010】
また、図8からもわかるように、バックフォーカスを調整するとマウント101と固定鏡筒102の相対的な位置関係がずれることになり、固定鏡筒102に固定した電気部品実装基板105と接点104を接続するフレキシブルプリント配線基板107が屈曲状態を変化させることで電気的な接続を維持している。
【0011】
このようなマウント切削法やピントワッシャ−法では、以下のような問題がある。
【0012】
第一に電気部品実装基板105と接点104の間隔が一定でないために、フレキシブルプリント基板やリード線などの屈曲性を有する電気的中継部品が必要になってしまうので、コストアップになる。また、この電気的中継部材の半田つけ箇所の増加はコストアップになる。
【0013】
第二に、図9に示すように、マウントの位置の調整量が大きく必要な製品では、このフレキシブルプリント配線基板120はその屈曲状態を個々の製品ごとに大きくことなるので、電気部品実装基板121とフレキシブルプリント配線基板120の半田付け部123や、接点125とフレキシブルプリント配線基板120の半田付け部124に応力集中によりクラックが発生したりする。
【0014】
また、半田付け部(123、124)の信頼性が、調整後のマウントの位置によって大きくことなる。
【0015】
本発明の目的は、マウントと固定鏡筒の相対的な位置調整が行われたとしても、交換レンズに搭載した電気部品実装基板とマウントに固定された接点との電気的な接続を維持するとともに、低コストで信頼性の高い接続方法を提供することにある。また、電気部品実装基板をガタなく安定して固定することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、マウントと、カメラ本体と電気的に接続する電気接点を有しかつ前記マウントに固定される接点ブロック部材と、前記接点ブロック部材に固定されかつ前記電気接点によりカメラ本体と電気的に接続される電気部品実装基板と、前記マウントが固定される固定鏡筒とを有するレンズ装置において、前記電気部品実装基板は、その一部が前記固定鏡筒と前記マウントに挟み込まれることで固定され、この固定される位置を調整する固定位置調整部を前記マウントに設けるとともに、前記固定鏡筒と前記マウントの位置調整を行う位置調整部を前記マウントに設けたことを特徴とする。
【0017】
これにより、マウントの位置調整部と固定位置調整部の調整工程により、基板の固定位置が調整されるため、低コストありながら信頼性の高い接続ができると共に、電気部品実装基板を安定して固定することが可能である。
【0018】
また、本発明は、電気部品実装基板と接点ブロック部材との固定部の光軸の略反対側に固定位置調整部を配置するようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示して説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施されている一眼レフカメラと交換レンズの構成の概略を示す図である。同図において、交換レンズ1とカメラ本体2とは、マウント3によりバイヨネット結合し、取り付けられる構成になっている。図2、図3は、交換レンズ1のマウント周辺の構成を詳細に示した断面図であり、また図4、図5は部品の配置等を説明するための分解斜視図である。図2、図3、図4、図5では、特に本発明の説明に不要な交換レンズを構成する部品等は省略している
図2〜図5において、マウント3の内径側には、接点ブロック4がマウント3の接点ブロック位置決め部3bに位置決めされると共に、ビス5により径方向からマウント3に固定されている。
【0021】
接点ブロック4は、樹脂製のブロックであり、内部には金属製の接点6が複数本インサート成形されている。接点6は、交換レンズ1をカメラ本体2に装着時において、カメラからの電源の供給や通信等を行うために使われることになる。接点6は光軸に平行に引き出されており、その先端部において、光軸に垂直に配置した電気部品実装基板7に半田付されて固定されている。
【0022】
電気部品実装基板7は、交換レンズ内部の電気的な制御を行うマイコン8をはじめとして不図示の電気回路が構成されている。また、電気部品実装基板7はレンズ内のアクチュエータやセンサー等と電気的な接続を行うためにコネクタ8、9、10、11が実装されており、フレキシブルプリント配線基板13、14、15、16がコネクタ接続される。
【0023】
本実施形態においては、電気部品実装基板7は、マウント3と一体的に固定されていて、固定鏡筒18と電気部品実装基板7との位置関係が、マウントの調整において変化してしまう。従って、固定鏡筒18側から引き出されたフレキシブルプリント配線基板13、14、15、16と電気部品実装基板7を接続する部分は、屈曲状態が変化することが可能な程度に適度なたるみをもって接続されている。またこの屈曲形状が変化しても、組込作業等に支障がないようになっている。
【0024】
固定鏡筒18には、基板受け部18aが、接点ブロックの固定位置とは光軸に対して反対方向に設けられている。マウント3が固定鏡筒18にビス止めされると、電気部品実装基板7は固定位置調整部3aと固定鏡筒18の基板受け部18aに挟み込まれて、適度なガタを持って基板は挟み込まれることになる。
【0025】
マウント3の固定位置調整部3aと位置調整部3cは、十分に厚くまたは長く設定されていて、バックフォーカスの測定を行った後に適切な長さに切削加工されることで、最終的にマウント3を取り付けた時に電気部品実装基板7を適度なガタで固定することができる。
【0026】
次に、図6を用いてマウントの調整方法について説明する。
【0027】
図6(a)には、組み上げられた状態の交換レンズを示している。マウント19は、調整測定を行うための工具のマウントであり、図6(a)では、電気部品実装基板7を搭載しない状態で固定鏡筒18に工具マウント19を仮固定している。この状態において、バックフォーカス測定工具を用いて精密にその値を測定する。
【0028】
図6(b)は製品取り付け用のマウント3であり、マウントの位置調整部3cは十分に厚く作られている。またこのマウントには、基板の固定位置調整部3aがあり、これも十分に長く設定されている。
【0029】
図6(c)には、マウントの位置調整部3cと固定位置調整部3aを、測定結果に基づいて切削したのが図が示されている。マウント3は、最も削られた状態でも、必要なマウント強度等の信頼性が得られるようになっている。
【0030】
図6(d)には、切削後に、電気部品実装基板7を配置して、切削加工をした調整済みのマウント3を、固定鏡筒18に固定した状態が示されている。この状態で、電気部品実装基板7は、若干の変形を起こしながら、一端は接点ブロック部で固定されて、他端は、基板の受け部3aと固定鏡筒の受け部18aに挟み込まれて固定されることになる。
【0031】
図7の若干簡略化した図を用いて、切削加工の様子を示す。
【0032】
図7(a)はマウント3の初期形状になっており、位置調整部3cと固定位置調整部3aの寸法は図示のとおり、最大寸法になっている。
【0033】
マウント3の位置調整部3cを最大切削量(0.5)切削して、マウント3を固定したときの様子を図7(b)に示す。この場合は、位置固定部3cは0.5切削することになり、固定位置調整部3aは、0.4切削することで電気部品実装基板7は、光軸に対して垂直に固定鏡筒18とマウント3によって、挟み込まれることになる。
【0034】
マウント3が切削の必要がなかった場合の例を、図7(c)に示す。この場合には、位置固定部3cと固定位置調整部3aを切削する必要がないが、電気部品実装基板7はマウント3の装着時に固定位置調整3aに押されるようになり、光軸に対して若干傾いて固定鏡筒18とマウント3に挟み込まれるようになる。このときに接点ブロック4と電気部品実装基板7の半田付け部には応力が発生することになり、クラックなどの欠陥が生じやすくなる。従って、この応力を可能な限り低減するために、この挟み込み部をできる限り半田付け部から遠ざけた位置に配置することが望ましい。
【0035】
つまり、本実施例では、光軸に対して反対の方向が最も離れた位置になることになる。このマウントの位置調整部3cと固定位置調整部3aは、半田付け部の位置や挟み込み部の位置や電気部品実装基板の厚みなどで、その適切な設定量が異なってくるので、バックフォーカス測定値に対しての各適切値を事前にまとめたうえで切削を行うようにしている。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、マウントの位置調整部と固定位置調整部を適切な量で切削加工しているので、適切なガタ設定で、安定して電気部品実装基板を固定することが可能である。
【0037】
また、従来において電気接点から電気部品実装基板までを接続していたフレキシブルプリント配線基板が廃止できるので、これにより低コストありながら信頼性の高い接続が可能である。
【0038】
更に、半田付けされて接続されている箇所が減るために信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるレンズ装置とカメラ本体の概略の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す断面図。
【図3】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す断面分解図である。
【図4】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す分解斜視図(マウント側)。
【図5】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す分解斜視図(固定鏡筒側)。
【図6】本発明の実施形態であるマウント調整の手順を示す図。
【図7】本発明の実施形態であるマウント調整の手順を示す図。
【図8】従来のレンズ装置のマウント近傍の構成を示す図。
【図9】従来のレンズ装置のマウント切削法によるマウント調整の様子を示す図。
【図10】従来のレンズ装置のピントワッシャー法によるマウント調整の様子を示す図。
【符号の説明】
1 交換レンズ
2 カメラ本体
3 マウント
3a 固定位置調整部
3b 位置調整部
4 接点ブロック
5 接点
7 電気部品実装基板
18 固定鏡筒
【発明の属する技術分野】
本発明は、一眼レフカメラなどのレンズ装置及びこのレンズ装置を備えた撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一眼レフカメラ用の交換レンズの内部には、従来からマウント近傍に電気部品実装基板が配置されており、オートフォーカスや絞り駆動を行う制御回路などが構成されている。そして、この制御回路は、マウント部に配置した電気的な接点を通じてカメラ本体と電源の供給や通信などを行っている。
【0003】
図8に従来の電気部品実装基板の配置の様子を示す。
【0004】
同図において、101はカメラ本体100に装着されて固定されるマウントであり、固定鏡筒102に不図示のビスでビス止めされている。マウント101の内径方向には、樹脂製の接点ブロック103が固定されていて、この接点ブロック103には、金属製の電気接点部材104が複数本インサート成形されている。交換レンズ内部に配置する電気部品実装基板105は、固定鏡筒102に位置決めされると共に、ビス106で固定鏡筒102に固定されている。
【0005】
電気部品実装基板105と電気接点部材104はフレキシブルプリント配線基板107を用いて電気的に接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
交換レンズでは、撮影光学系のレンズの製造ばらつき、光学調整のばらつき、メカ部品の製造のばらつきなどから、個々の製品のバックフォーカスがばらつくことが知られている。従って、製品一つ一つに対してバックフォーカスを測定すると共に、このズレ量をなくすように光学系全体の位置を前後に移動調整することが従来から行われている。
【0007】
図9にその典型的な例を示す。この例では、まず交換レンズ全体を組み上げた上で、一時的にマウント111取り付けた状態にして、バックフォーカスのズレ量を測定する。そして、測定結果に基づいて、正確なバックフォーカスになるようにマウント111の調整用切削領域112を切削加工により切削することでマウント111の厚みを調整している。この調整用切削領域112は、量産する製品のバックフォーカスのばらつきをすべて調整可能にする程度に、十分な調整量が確保されている。これにより製品全長は、個々の製品によって変化してしまうが、バックフォーカスのズレを補正することが可能である。このような方法をマウント切削法と呼んでいる。
【0008】
また図10に別の典型的な例を示す。この例では、マウント113と固定鏡筒114の間にスペーサ115(ピントワッシャー)を挟み込むことでバックフォーカスの調整を行っている。このような方法は、ピントワッシャー法と呼ばれピントワッシャー法では、同様に交換レンズ全体を組み上げた上で、一時的にマウント113を取り付けた状態にして、バックフォーカスのズレ量を測定する。
【0009】
そして、測定結果に基づいて、正確なバックフォーカスになるようにマウント113と固定鏡筒114の間に適切な厚みのピントワッシャー116を挿入してバックフォーカスの調整を行っている。
【0010】
また、図8からもわかるように、バックフォーカスを調整するとマウント101と固定鏡筒102の相対的な位置関係がずれることになり、固定鏡筒102に固定した電気部品実装基板105と接点104を接続するフレキシブルプリント配線基板107が屈曲状態を変化させることで電気的な接続を維持している。
【0011】
このようなマウント切削法やピントワッシャ−法では、以下のような問題がある。
【0012】
第一に電気部品実装基板105と接点104の間隔が一定でないために、フレキシブルプリント基板やリード線などの屈曲性を有する電気的中継部品が必要になってしまうので、コストアップになる。また、この電気的中継部材の半田つけ箇所の増加はコストアップになる。
【0013】
第二に、図9に示すように、マウントの位置の調整量が大きく必要な製品では、このフレキシブルプリント配線基板120はその屈曲状態を個々の製品ごとに大きくことなるので、電気部品実装基板121とフレキシブルプリント配線基板120の半田付け部123や、接点125とフレキシブルプリント配線基板120の半田付け部124に応力集中によりクラックが発生したりする。
【0014】
また、半田付け部(123、124)の信頼性が、調整後のマウントの位置によって大きくことなる。
【0015】
本発明の目的は、マウントと固定鏡筒の相対的な位置調整が行われたとしても、交換レンズに搭載した電気部品実装基板とマウントに固定された接点との電気的な接続を維持するとともに、低コストで信頼性の高い接続方法を提供することにある。また、電気部品実装基板をガタなく安定して固定することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、マウントと、カメラ本体と電気的に接続する電気接点を有しかつ前記マウントに固定される接点ブロック部材と、前記接点ブロック部材に固定されかつ前記電気接点によりカメラ本体と電気的に接続される電気部品実装基板と、前記マウントが固定される固定鏡筒とを有するレンズ装置において、前記電気部品実装基板は、その一部が前記固定鏡筒と前記マウントに挟み込まれることで固定され、この固定される位置を調整する固定位置調整部を前記マウントに設けるとともに、前記固定鏡筒と前記マウントの位置調整を行う位置調整部を前記マウントに設けたことを特徴とする。
【0017】
これにより、マウントの位置調整部と固定位置調整部の調整工程により、基板の固定位置が調整されるため、低コストありながら信頼性の高い接続ができると共に、電気部品実装基板を安定して固定することが可能である。
【0018】
また、本発明は、電気部品実装基板と接点ブロック部材との固定部の光軸の略反対側に固定位置調整部を配置するようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示して説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施されている一眼レフカメラと交換レンズの構成の概略を示す図である。同図において、交換レンズ1とカメラ本体2とは、マウント3によりバイヨネット結合し、取り付けられる構成になっている。図2、図3は、交換レンズ1のマウント周辺の構成を詳細に示した断面図であり、また図4、図5は部品の配置等を説明するための分解斜視図である。図2、図3、図4、図5では、特に本発明の説明に不要な交換レンズを構成する部品等は省略している
図2〜図5において、マウント3の内径側には、接点ブロック4がマウント3の接点ブロック位置決め部3bに位置決めされると共に、ビス5により径方向からマウント3に固定されている。
【0021】
接点ブロック4は、樹脂製のブロックであり、内部には金属製の接点6が複数本インサート成形されている。接点6は、交換レンズ1をカメラ本体2に装着時において、カメラからの電源の供給や通信等を行うために使われることになる。接点6は光軸に平行に引き出されており、その先端部において、光軸に垂直に配置した電気部品実装基板7に半田付されて固定されている。
【0022】
電気部品実装基板7は、交換レンズ内部の電気的な制御を行うマイコン8をはじめとして不図示の電気回路が構成されている。また、電気部品実装基板7はレンズ内のアクチュエータやセンサー等と電気的な接続を行うためにコネクタ8、9、10、11が実装されており、フレキシブルプリント配線基板13、14、15、16がコネクタ接続される。
【0023】
本実施形態においては、電気部品実装基板7は、マウント3と一体的に固定されていて、固定鏡筒18と電気部品実装基板7との位置関係が、マウントの調整において変化してしまう。従って、固定鏡筒18側から引き出されたフレキシブルプリント配線基板13、14、15、16と電気部品実装基板7を接続する部分は、屈曲状態が変化することが可能な程度に適度なたるみをもって接続されている。またこの屈曲形状が変化しても、組込作業等に支障がないようになっている。
【0024】
固定鏡筒18には、基板受け部18aが、接点ブロックの固定位置とは光軸に対して反対方向に設けられている。マウント3が固定鏡筒18にビス止めされると、電気部品実装基板7は固定位置調整部3aと固定鏡筒18の基板受け部18aに挟み込まれて、適度なガタを持って基板は挟み込まれることになる。
【0025】
マウント3の固定位置調整部3aと位置調整部3cは、十分に厚くまたは長く設定されていて、バックフォーカスの測定を行った後に適切な長さに切削加工されることで、最終的にマウント3を取り付けた時に電気部品実装基板7を適度なガタで固定することができる。
【0026】
次に、図6を用いてマウントの調整方法について説明する。
【0027】
図6(a)には、組み上げられた状態の交換レンズを示している。マウント19は、調整測定を行うための工具のマウントであり、図6(a)では、電気部品実装基板7を搭載しない状態で固定鏡筒18に工具マウント19を仮固定している。この状態において、バックフォーカス測定工具を用いて精密にその値を測定する。
【0028】
図6(b)は製品取り付け用のマウント3であり、マウントの位置調整部3cは十分に厚く作られている。またこのマウントには、基板の固定位置調整部3aがあり、これも十分に長く設定されている。
【0029】
図6(c)には、マウントの位置調整部3cと固定位置調整部3aを、測定結果に基づいて切削したのが図が示されている。マウント3は、最も削られた状態でも、必要なマウント強度等の信頼性が得られるようになっている。
【0030】
図6(d)には、切削後に、電気部品実装基板7を配置して、切削加工をした調整済みのマウント3を、固定鏡筒18に固定した状態が示されている。この状態で、電気部品実装基板7は、若干の変形を起こしながら、一端は接点ブロック部で固定されて、他端は、基板の受け部3aと固定鏡筒の受け部18aに挟み込まれて固定されることになる。
【0031】
図7の若干簡略化した図を用いて、切削加工の様子を示す。
【0032】
図7(a)はマウント3の初期形状になっており、位置調整部3cと固定位置調整部3aの寸法は図示のとおり、最大寸法になっている。
【0033】
マウント3の位置調整部3cを最大切削量(0.5)切削して、マウント3を固定したときの様子を図7(b)に示す。この場合は、位置固定部3cは0.5切削することになり、固定位置調整部3aは、0.4切削することで電気部品実装基板7は、光軸に対して垂直に固定鏡筒18とマウント3によって、挟み込まれることになる。
【0034】
マウント3が切削の必要がなかった場合の例を、図7(c)に示す。この場合には、位置固定部3cと固定位置調整部3aを切削する必要がないが、電気部品実装基板7はマウント3の装着時に固定位置調整3aに押されるようになり、光軸に対して若干傾いて固定鏡筒18とマウント3に挟み込まれるようになる。このときに接点ブロック4と電気部品実装基板7の半田付け部には応力が発生することになり、クラックなどの欠陥が生じやすくなる。従って、この応力を可能な限り低減するために、この挟み込み部をできる限り半田付け部から遠ざけた位置に配置することが望ましい。
【0035】
つまり、本実施例では、光軸に対して反対の方向が最も離れた位置になることになる。このマウントの位置調整部3cと固定位置調整部3aは、半田付け部の位置や挟み込み部の位置や電気部品実装基板の厚みなどで、その適切な設定量が異なってくるので、バックフォーカス測定値に対しての各適切値を事前にまとめたうえで切削を行うようにしている。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、マウントの位置調整部と固定位置調整部を適切な量で切削加工しているので、適切なガタ設定で、安定して電気部品実装基板を固定することが可能である。
【0037】
また、従来において電気接点から電気部品実装基板までを接続していたフレキシブルプリント配線基板が廃止できるので、これにより低コストありながら信頼性の高い接続が可能である。
【0038】
更に、半田付けされて接続されている箇所が減るために信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるレンズ装置とカメラ本体の概略の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す断面図。
【図3】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す断面分解図である。
【図4】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す分解斜視図(マウント側)。
【図5】本発明の実施形態であるレンズ装置を構成するマウント近傍の構成を示す分解斜視図(固定鏡筒側)。
【図6】本発明の実施形態であるマウント調整の手順を示す図。
【図7】本発明の実施形態であるマウント調整の手順を示す図。
【図8】従来のレンズ装置のマウント近傍の構成を示す図。
【図9】従来のレンズ装置のマウント切削法によるマウント調整の様子を示す図。
【図10】従来のレンズ装置のピントワッシャー法によるマウント調整の様子を示す図。
【符号の説明】
1 交換レンズ
2 カメラ本体
3 マウント
3a 固定位置調整部
3b 位置調整部
4 接点ブロック
5 接点
7 電気部品実装基板
18 固定鏡筒
Claims (3)
- マウントと、カメラ本体と電気的に接続する電気接点を有しかつ前記マウントに固定される接点ブロック部材と、前記接点ブロック部材に固定されかつ前記電気接点によりカメラ本体と電気的に接続される電気部品実装基板と、前記マウントが固定される固定鏡筒とを有するレンズ装置において、
前記電気部品実装基板は、その一部が前記固定鏡筒と前記マウントに挟み込まれることで固定され、この固定される位置を調整する固定位置調整部を前記マウントに設けるとともに、前記固定鏡筒と前記マウントの位置調整を行う位置調整部を前記マウントに設けたことを特徴とするレンズ装置。 - 前記電気部品実装基板と前記接点ブロック部材との固定部の光軸の略反対側に前記固定位置調整部を配置したことを特徴とする請求項1記載のレンズ装置。
- 請求項1又は2に記載のレンズ装置を備えた撮影装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002261631A JP2004101725A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | レンズ装置及び撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002261631A JP2004101725A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | レンズ装置及び撮影装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004101725A true JP2004101725A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32261953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002261631A Pending JP2004101725A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | レンズ装置及び撮影装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004101725A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015075642A (ja) * | 2013-10-09 | 2015-04-20 | 株式会社ニコン | 電子機器 |
JP2020027162A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | キヤノン株式会社 | アクセサリ及びこれを備えた撮像装置 |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261631A patent/JP2004101725A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015075642A (ja) * | 2013-10-09 | 2015-04-20 | 株式会社ニコン | 電子機器 |
JP2020027162A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | キヤノン株式会社 | アクセサリ及びこれを備えた撮像装置 |
JP7224807B2 (ja) | 2018-08-10 | 2023-02-20 | キヤノン株式会社 | アクセサリ及びこれを備えた撮像装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7046296B2 (en) | Solid state imaging apparatus | |
WO2009131017A1 (ja) | 撮像モジュール | |
JPWO2014203724A1 (ja) | 電気接点装置、レンズユニット、撮像装置 | |
US20100022831A1 (en) | Endoscope and a Method of Manufacturing the Same | |
US20160231529A1 (en) | Manufacturing method of imaging module and imaging module manufacturing apparatus | |
US9906695B2 (en) | Manufacturing method of imaging module and imaging module manufacturing apparatus | |
JP4552784B2 (ja) | 撮像素子の固定構造およびレンズユニット並びに撮像装置 | |
JP2004287304A (ja) | 撮像素子の取付装置 | |
JP2004101725A (ja) | レンズ装置及び撮影装置 | |
JP2008046332A (ja) | レンズユニット及びデジタルカメラ | |
JP2004077919A (ja) | レンズ鏡筒およびカメラシステム | |
US9979868B2 (en) | Image pickup module manufacturing method, and image pickup module manufacturing device | |
US20160139357A1 (en) | Imaging module and electronic device | |
US8011973B2 (en) | Connector and a method of manufacturing the same | |
KR20100062569A (ko) | 카메라 렌즈 어셈블리 | |
US20100302437A1 (en) | Solid-state imaging unit, imaging apparatus, and method of fixing solid-state imaging device | |
JP2686251B2 (ja) | 一眼レフカメラ | |
CN109076151B (zh) | 摄像装置 | |
JP4839567B2 (ja) | レンズ駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置 | |
US10020342B2 (en) | Image pickup module manufacturing method, and image pickup module manufacturing device | |
CN219999486U (zh) | 光学装置 | |
JP6147096B2 (ja) | 撮像装置 | |
JP2541968B2 (ja) | カメラの電気実装ユニツト | |
JP2006178085A (ja) | 撮像用レンズ装置、撮像装置、および撮像用レンズ装置における磁気検出素子の取付け方法 | |
JP6666044B2 (ja) | 撮像装置 |