JP2004101434A - 限界ゲージ - Google Patents
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Abstract
【課題】摩耗の進行を容易に確認できるとともに、摩耗した限界ゲージを再利用できるようにする。
【解決手段】工具素材20の表面にTiNの硬質皮膜22がコーティングされているため、十分な耐摩耗性が得られるとともに、その硬質皮膜22はゴールド色で工具素材20と明らかに異なるため、使用により硬質皮膜22が摩耗して工具素材20が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗(使用限界)を容易に確認することができ、ねじ測定用三針等の高価な測定装置が不要になる。また、硬質皮膜22が摩耗して使用限界に達した場合には、強酸などで硬質皮膜22を工具素材20から除去した後、再び硬質皮膜22をコーティングすることにより再使用でき、工具素材20を有効利用できるとともに、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減される。
【選択図】 図1
【解決手段】工具素材20の表面にTiNの硬質皮膜22がコーティングされているため、十分な耐摩耗性が得られるとともに、その硬質皮膜22はゴールド色で工具素材20と明らかに異なるため、使用により硬質皮膜22が摩耗して工具素材20が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗(使用限界)を容易に確認することができ、ねじ測定用三針等の高価な測定装置が不要になる。また、硬質皮膜22が摩耗して使用限界に達した場合には、強酸などで硬質皮膜22を工具素材20から除去した後、再び硬質皮膜22をコーティングすることにより再使用でき、工具素材20を有効利用できるとともに、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はめねじ等の穴用の限界ゲージに係り、特に、使用による摩耗を容易に確認できるとともに、摩耗した限界ゲージを再利用できるようにする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査するめねじ用限界ゲージが知られており(例えば、非特許文献1参照)、めねじに対応するおねじが設けられたゲージ部を有してめねじの外径や有効性、ピッチなどを検査する通りねじプラグゲージおよび止りねじプラグゲージ、めねじの内径に対応する円柱形状のゲージ部を有してめねじの内径を検査する内径用プラグゲージが一般に広く用いられている。このようなめねじ用限界ゲージは、使用により摩耗すると検査の精度や信頼性が損なわれるため、外径や有効径などの各部の寸法を定期的に測定して所定の公差範囲内か否かなどを点検する必要があり、例えばねじ測定用三針(JIS B
0271)などにより測定作業を行なっていた。
【0003】
【非特許文献1】
「JISハンドブック ねじ」日本規格協会、1995年4月20日、
p.225−255
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ねじ測定用三針などによる各部の寸法の測定作業は面倒で時間が掛かるとともに、専用の高精度の測定装置などが必要であるという問題があった。また、点検の結果、公差範囲を越えて摩耗が進行した場合には廃棄処分していたため、資源を有効活用する点で好ましくなかった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、摩耗の進行を容易に確認できるとともに、摩耗した限界ゲージを再利用できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査する限界ゲージであって、(a) 表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているとともに、(b) その硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は前記限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上で、且つその硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法はその限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下である一方、(c) その硬質皮膜の色は、その内側の部材の色と相違していることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査する限界ゲージであって、(a) その限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上の工具素材と、(b) その工具素材の表面にコーティングされるとともに、コーティング後の表面寸法が前記限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下であるTiNの硬質皮膜と、を有することを特徴とする。
【0008】
第3発明は、所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する限界ゲージであって、(a) 表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているとともに、(b) その硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は前記限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上で、且つその硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法はその限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下である一方、(c) その硬質皮膜の色は、その内側の部材の色と相違していることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する限界ゲージであって、(a) その限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上の工具素材と、(b) その工具素材の表面にコーティングされるとともに、コーティング後の表面寸法が前記限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下であるTiNの硬質皮膜と、を有することを特徴とする。
【0010】
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの限界ゲージにおいて、前記硬質皮膜の膜厚は1μm〜3μmの範囲内である、ことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
第1発明の限界ゲージによれば、表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているため、十分な耐摩耗性が得られるとともに、その硬質皮膜の色は内側の部材の色と相違しているため、使用により硬質皮膜が摩耗して内側の部材が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗状態を容易に確認することができ、ねじ測定用三針等の高価な測定装置が不要になる。硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は寸法公差の下限寸法以上で、且つ硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法は寸法公差の上限寸法以下であるため、硬質皮膜が摩耗して内側の部材が露出しても、所定の測定精度が維持されてめねじ検査の信頼性が損なわれる恐れはない。また、硬質皮膜を所定の膜厚で再コーティングすれば、再び使用できるようになり、高速度工具鋼等の工具素材を有効利用でき、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減される。
【0012】
第2発明は、寸法公差の下限寸法以上の工具素材にTiNの硬質皮膜をコーティングした場合で、実質的に第1発明の一実施態様に相当するものであり、第1発明と同様の作用効果が得られる。特に、TiNはゴールド色(金色〜黄色)であるため、工具素材として広く用いられている高速度工具鋼や合金工具鋼等のスチール、超硬合金などとは明らかに色が相違し、硬質皮膜の摩耗状態を一層容易に視認できる。
【0013】
第3発明、第4発明は、所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する点が第1発明、第2発明と相違するだけで、実質的にそれ等の第1発明、第2発明と同様の作用効果が得られる。
【0014】
第5発明では、硬質皮膜の膜厚が1μm〜3μmの範囲内であるため、径寸法に換算すると2μm〜6μmの範囲内になる一方、一般にめねじ用の限界ゲージの外径や有効径の寸法公差は6μm以上で、穴径の寸法公差も略同様であるため、めねじ用や穴用の種々の限界ゲージに好適に適用できる。また、膜厚が1μm以上、すなわち径寸法に換算して2μm以上であるため、硬質皮膜としての耐摩耗性の効果を十分に享受できるとともに、摩耗により使用限界に達して再コーティングするまでの時間(寿命)を実用上満足できる程度に確保できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1発明および第2発明の限界ゲージは、めねじに対応するおねじが設けられたゲージ部を有する通りねじプラグゲージおよび止りねじプラグゲージに好適に適用されるが、めねじの内径に対応する円柱形状のゲージ部を有する内径用プラグゲージにも適用され得る。内径用プラグゲージは、通り側および止り側の2種類があり、めねじだけでなくねじの下穴などの単なる穴の内径検査にも利用できる。止りねじプラグゲージや止り側の内径用プラグゲージは、ワークと係合する場合が多いため摩耗し易く、本発明の効果が顕著となる。
【0016】
第3発明、第4発明の穴用の限界ゲージは、検査穴内に嵌合される円柱形状のゲージ部を有して構成され、通り側および止り側の2種類があるとともに、ドリル穴などの種々の検査穴の内径の検査に用いられる。めねじの内径の検査にも利用することが可能で、上記めねじの内径用プラグゲージは、第3発明、第4発明の穴用の限界ゲージの一実施態様と見做すこともできる。この穴用の限界ゲージについても、止り側のものはワークと係合する場合が多いため摩耗し易く、本発明の効果が顕著となる。
【0017】
硬質皮膜としては、第2発明、第4発明のようにゴールド色のTiNが好適に用いられるが、TiAlN、TiCN、CrNなどの他の硬質皮膜を採用することもできる。これらの硬質皮膜は、工具素材の表面に直接コーティングしても良いが、工具素材との色の差が明確でない場合には、工具素材との間に硬質皮膜と明らかに色が異なる中間層を設けることもできる。例えば中間層としてゴールド色のTiNを設け、その上にブラック色のTiAlNなどの他の硬質皮膜をコーティングするようにしても良く、その場合は中間層が第1発明、第3発明の内側の部材に相当する。
【0018】
上記硬質皮膜の形成方法としては、アークイオンプレーティング法やスパッタリング法等のPVD法、プラズマCVD法、熱CVD法など種々の方法を採用することが可能で、形成する硬質皮膜の種類や工具素材の材質などに応じて適宜定められる。摩耗により寿命に達して硬質皮膜を再コーティングする場合も、同じ方法で形成すれば良いが、再コーティングに先立って強酸などにより一旦硬質皮膜を完全に除去することが望ましい。
【0019】
工具素材としては、高速度工具鋼や合金工具鋼などのスチール、超硬合金などが好適に用いられ、第2発明、第4発明ではその工具素材の上に直接TiNの硬質皮膜がコーティングされるが、第1発明、第3発明では、工具素材の上に別の硬質皮膜などの中間層を設けた後、摩耗検出用の硬質皮膜を最上層に設けるようにしても良い。摩耗検出用の硬質皮膜として、色が異なる複数層の硬質皮膜を設け、その色の変化から摩耗の進行程度を更にきめ細かく識別できるようにすることも可能である。
【0020】
第5発明では、硬質皮膜の膜厚が1μm〜3μmの範囲内であるが、他の発明の実施に際しては3μm以上の膜厚の硬質皮膜を設けることも可能で、例えば限界ゲージの寸法公差が6μmより大きい場合には、その寸法公差を満足する範囲で3μm以上の膜厚の硬質皮膜を設けることができる。すなわち、硬質皮膜の膜厚は、限界ゲージの寸法公差(直径)の1/2より小さい範囲で、皮膜形成時の寸法誤差などを考慮してできるだけ大きい寸法に設定することが望ましい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、第1発明、第2発明、第5発明の一実施例で、めねじ用の限界ゲージである通り側または止り側のねじプラグゲージ10を説明する図であり、(a) は軸心と直角方向から見た正面図で、テーパ部12およびゲージ部14を同軸上に一体に備えている。テーパ部12はテーパ形状を成しており、図示しないハンドルに一体的に結合されて使用される一方、ゲージ部14には、検査すべきめねじに対応するおねじ16が設けられており、めねじに螺合されて通過できるか否かにより、めねじの外径や有効径、ピッチ誤差などを検査できる。
【0022】
図1の(b) はゲージ部14の外周部の断面拡大図で、高速度工具鋼にて構成されている工具素材20の表面には、摩耗検出用にTiNの硬質皮膜22がコーティングされている。硬質皮膜22は、例えばアークイオンプレーティング法によって形成されており、多少の膜厚のばらつきはあるものの1μm〜3μmの範囲内の所定の寸法を目的寸法として設けられ、その表面寸法すなわち外径(D)や有効径(D2 )は、ねじプラグゲージ10に要求される寸法公差の上限寸法以下とされている。言い換えれば、硬質皮膜22がコーティングされた状態で、寸法公差の上限寸法以下となるように工具素材22の寸法が定められているのである。また、その硬質皮膜22をコーティングする前の表面寸法、すなわち工具素材22の表面寸法は、ねじプラグゲージ10に要求される寸法公差の下限寸法以上とされている。硬質皮膜22の膜厚は、このように工具素材22の表面寸法が寸法公差の下限寸法以上で、且つ硬質皮膜22をコーティングした後の表面寸法が寸法公差の上限寸法以下となるように、寸法公差を考慮して1μm〜3μmの範囲内で定められているのである。
【0023】
図2の(a) 、(b) は、外径Dの基準寸法が3.000mm、有効径D2 の基準寸法が2.675mm、ねじ山のピッチPが0.5mm、ねじ山の半角(α/2)が30°の場合について、硬質皮膜22をコーティングする前の表面寸法すなわち工具素材20の寸法、および硬質皮膜22をコーティングした後の各部の寸法を調べた結果で、径寸法D、D2 は硬質皮膜22の膜厚(1μm〜3μm)に略対応して増加するものの、ピッチPの欄のピッチ誤差や半角(α/2)の欄のねじ山の傾斜角誤差の変化は極僅かで、ねじプラグゲージ10の許容範囲内である。したがって、ゲージ部14の表面に硬質皮膜22をコーティングした場合でも、その硬質皮膜22の膜厚を考慮して工具素材20を加工することにより、ねじプラグゲージ10を所定の寸法公差内で製造することができる。なお、この図2の(a) 、(b) は、硬質皮膜22のコーティングによる各部の寸法変化を調べるためのもので、ねじプラグゲージ10に要求される寸法公差(図2の(c) 参照)を満足するように形成したものではない。
【0024】
このようなねじプラグゲージ10によれば、工具素材20の表面にTiNの硬質皮膜22がコーティングされているため、十分な耐摩耗性が得られるとともに、その硬質皮膜22はゴールド色で工具素材20と明らかに異なるため、使用により硬質皮膜22が摩耗して工具素材20が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗(使用限界)を容易に確認することができ、ねじ測定用三針等の高価な測定装置が不要になる。硬質皮膜22をコーティングする前の表面寸法、すなわち工具素材20の寸法は寸法公差の下限寸法以上で、硬質皮膜22をコーティングした後の表面寸法は寸法公差の上限寸法以下であるため、硬質皮膜22が摩耗して工具素材20が露出しても、所定の測定精度が維持されてめねじ検査の信頼性が損なわれる恐れはない。
【0025】
ここで、本実施例ではゴールド色のTiNの硬質皮膜22を用いているため、図3から明らかなようにTiAlNやTiCN、CrN等の他の硬質皮膜を採用する場合に比較して、シルバー色の高速度工具鋼製の工具素材20に対する識別性が極めて高いとともに、工具素材20に対して優れた付着性が得られる。但し、図3のNo1〜No3の硬質皮膜を採用することもできるし、No4のCrNについても、工具素材20との間に色が異なるTiN等の中間層を介在させることにより、摩耗検出用の硬質皮膜22として用いることが可能である。図3の「付着力」および「識別性」の欄の「◎」は良好、「○」はやや良好、「△」はやや不可、「×」は不可を意味している。
【0026】
一方、硬質皮膜22の摩耗で使用限界に達した場合には、例えば強酸などで硬質皮膜22を工具素材20から除去した後、再び硬質皮膜22をコーティングすることにより再使用でき、工具素材20を有効利用できるとともに、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減される。
【0027】
また、硬質皮膜22の膜厚が1μm〜3μmの範囲内であるため、径寸法に換算すると2μm〜6μmの範囲になる一方、ねじプラグゲージ10の外径Dや有効径D2 の寸法公差は6μm以上であるため、総てのねじプラグゲージ10に好適に適用できる。また、膜厚が1μm以上、すなわち径寸法に換算して2μm以上であるため、硬質皮膜22としての耐摩耗性の効果を十分に享受できるとともに、摩耗により使用限界に達して再コーティングするまでの時間(寿命)を実用上満足できる程度に確保できる。
【0028】
なお、上記実施例では、めねじを検査するためのねじプラグゲージ10について説明したが、図4の通り側または止り側の穴用限界ゲージ30にも適用され得る。この穴用限界ゲージ30は、第3発明〜第5発明の一実施例で、図4の(a) 、(b) はそれぞれ前記図1の(a) 、(b) に対応する図であり、テーパ部32およびゲージ部34を同軸上に一体に備えている。テーパ部32はテーパ形状を成していて、図示しないハンドルに一体的に結合されて使用される一方、ゲージ部34は検査すべき穴の内径寸法に対応する外径寸法の円柱形状を成しており、検査穴内に挿入できるか否かによって穴径が所定の許容範囲内か否かを検査できる。そして、この穴用限界ゲージ30は、高速度工具鋼の工具素材36を主体として構成されているとともに、ゲージ部34では、工具素材36の表面に摩耗検出用にTiNの硬質皮膜38がコーティングされている。硬質皮膜38は、1μm〜3μmの範囲内の所定の膜厚で設けられ、その表面の外径寸法は、穴用限界ゲージ30に要求される寸法公差の上限寸法以下とされ、硬質皮膜38をコーティングする前の表面寸法、すなわち工具素材36の表面の外径寸法は、穴用限界ゲージ30に要求される寸法公差の下限寸法以上とされている。硬質皮膜38の膜厚は、このように工具素材36の表面の外径寸法が寸法公差の下限寸法以上で、且つ硬質皮膜38をコーティングした後の表面の外径寸法が寸法公差の上限寸法以下となるように、寸法公差を考慮して1μm〜3μmの範囲内で定められているのである。
【0029】
このような穴用限界ゲージ30においても、円柱形状のゲージ部34では工具素材36の表面にゴールド色のTiNの硬質皮膜38がコーティングされているため、使用により硬質皮膜38が摩耗して工具素材36が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗(使用限界)を容易に確認できるとともに、同じ工具素材36に硬質皮膜38を再コーティングして穴用限界ゲージ30を製造することにより、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減されるなど、前記実施例と同様の作用効果が得られる。
【0030】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるねじプラグゲージを示す図で、(a) は正面図、(b) はゲージ部の断面拡大図である。
【図2】TiN硬質皮膜のコーティング前後における寸法変化を調べた結果を示す図で、併せて旧のJISII級許容寸法を参考として図示したものである。
【図3】種々の硬質皮膜の色や識別性などを比較して示す図である。
【図4】本発明の別の実施例である穴用限界ゲージを示す図で、(a) は正面図、(b) はゲージ部の断面拡大図である。
【符号の説明】
10:ねじプラグゲージ(限界ゲージ) 20:工具素材 22:硬質皮膜 30:穴用限界ゲージ(限界ゲージ) 36:工具素材 38:硬質皮膜
【発明の属する技術分野】
本発明はめねじ等の穴用の限界ゲージに係り、特に、使用による摩耗を容易に確認できるとともに、摩耗した限界ゲージを再利用できるようにする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査するめねじ用限界ゲージが知られており(例えば、非特許文献1参照)、めねじに対応するおねじが設けられたゲージ部を有してめねじの外径や有効性、ピッチなどを検査する通りねじプラグゲージおよび止りねじプラグゲージ、めねじの内径に対応する円柱形状のゲージ部を有してめねじの内径を検査する内径用プラグゲージが一般に広く用いられている。このようなめねじ用限界ゲージは、使用により摩耗すると検査の精度や信頼性が損なわれるため、外径や有効径などの各部の寸法を定期的に測定して所定の公差範囲内か否かなどを点検する必要があり、例えばねじ測定用三針(JIS B
0271)などにより測定作業を行なっていた。
【0003】
【非特許文献1】
「JISハンドブック ねじ」日本規格協会、1995年4月20日、
p.225−255
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ねじ測定用三針などによる各部の寸法の測定作業は面倒で時間が掛かるとともに、専用の高精度の測定装置などが必要であるという問題があった。また、点検の結果、公差範囲を越えて摩耗が進行した場合には廃棄処分していたため、資源を有効活用する点で好ましくなかった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、摩耗の進行を容易に確認できるとともに、摩耗した限界ゲージを再利用できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査する限界ゲージであって、(a) 表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているとともに、(b) その硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は前記限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上で、且つその硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法はその限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下である一方、(c) その硬質皮膜の色は、その内側の部材の色と相違していることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査する限界ゲージであって、(a) その限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上の工具素材と、(b) その工具素材の表面にコーティングされるとともに、コーティング後の表面寸法が前記限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下であるTiNの硬質皮膜と、を有することを特徴とする。
【0008】
第3発明は、所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する限界ゲージであって、(a) 表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているとともに、(b) その硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は前記限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上で、且つその硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法はその限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下である一方、(c) その硬質皮膜の色は、その内側の部材の色と相違していることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する限界ゲージであって、(a) その限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上の工具素材と、(b) その工具素材の表面にコーティングされるとともに、コーティング後の表面寸法が前記限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下であるTiNの硬質皮膜と、を有することを特徴とする。
【0010】
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの限界ゲージにおいて、前記硬質皮膜の膜厚は1μm〜3μmの範囲内である、ことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
第1発明の限界ゲージによれば、表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているため、十分な耐摩耗性が得られるとともに、その硬質皮膜の色は内側の部材の色と相違しているため、使用により硬質皮膜が摩耗して内側の部材が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗状態を容易に確認することができ、ねじ測定用三針等の高価な測定装置が不要になる。硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は寸法公差の下限寸法以上で、且つ硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法は寸法公差の上限寸法以下であるため、硬質皮膜が摩耗して内側の部材が露出しても、所定の測定精度が維持されてめねじ検査の信頼性が損なわれる恐れはない。また、硬質皮膜を所定の膜厚で再コーティングすれば、再び使用できるようになり、高速度工具鋼等の工具素材を有効利用でき、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減される。
【0012】
第2発明は、寸法公差の下限寸法以上の工具素材にTiNの硬質皮膜をコーティングした場合で、実質的に第1発明の一実施態様に相当するものであり、第1発明と同様の作用効果が得られる。特に、TiNはゴールド色(金色〜黄色)であるため、工具素材として広く用いられている高速度工具鋼や合金工具鋼等のスチール、超硬合金などとは明らかに色が相違し、硬質皮膜の摩耗状態を一層容易に視認できる。
【0013】
第3発明、第4発明は、所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する点が第1発明、第2発明と相違するだけで、実質的にそれ等の第1発明、第2発明と同様の作用効果が得られる。
【0014】
第5発明では、硬質皮膜の膜厚が1μm〜3μmの範囲内であるため、径寸法に換算すると2μm〜6μmの範囲内になる一方、一般にめねじ用の限界ゲージの外径や有効径の寸法公差は6μm以上で、穴径の寸法公差も略同様であるため、めねじ用や穴用の種々の限界ゲージに好適に適用できる。また、膜厚が1μm以上、すなわち径寸法に換算して2μm以上であるため、硬質皮膜としての耐摩耗性の効果を十分に享受できるとともに、摩耗により使用限界に達して再コーティングするまでの時間(寿命)を実用上満足できる程度に確保できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1発明および第2発明の限界ゲージは、めねじに対応するおねじが設けられたゲージ部を有する通りねじプラグゲージおよび止りねじプラグゲージに好適に適用されるが、めねじの内径に対応する円柱形状のゲージ部を有する内径用プラグゲージにも適用され得る。内径用プラグゲージは、通り側および止り側の2種類があり、めねじだけでなくねじの下穴などの単なる穴の内径検査にも利用できる。止りねじプラグゲージや止り側の内径用プラグゲージは、ワークと係合する場合が多いため摩耗し易く、本発明の効果が顕著となる。
【0016】
第3発明、第4発明の穴用の限界ゲージは、検査穴内に嵌合される円柱形状のゲージ部を有して構成され、通り側および止り側の2種類があるとともに、ドリル穴などの種々の検査穴の内径の検査に用いられる。めねじの内径の検査にも利用することが可能で、上記めねじの内径用プラグゲージは、第3発明、第4発明の穴用の限界ゲージの一実施態様と見做すこともできる。この穴用の限界ゲージについても、止り側のものはワークと係合する場合が多いため摩耗し易く、本発明の効果が顕著となる。
【0017】
硬質皮膜としては、第2発明、第4発明のようにゴールド色のTiNが好適に用いられるが、TiAlN、TiCN、CrNなどの他の硬質皮膜を採用することもできる。これらの硬質皮膜は、工具素材の表面に直接コーティングしても良いが、工具素材との色の差が明確でない場合には、工具素材との間に硬質皮膜と明らかに色が異なる中間層を設けることもできる。例えば中間層としてゴールド色のTiNを設け、その上にブラック色のTiAlNなどの他の硬質皮膜をコーティングするようにしても良く、その場合は中間層が第1発明、第3発明の内側の部材に相当する。
【0018】
上記硬質皮膜の形成方法としては、アークイオンプレーティング法やスパッタリング法等のPVD法、プラズマCVD法、熱CVD法など種々の方法を採用することが可能で、形成する硬質皮膜の種類や工具素材の材質などに応じて適宜定められる。摩耗により寿命に達して硬質皮膜を再コーティングする場合も、同じ方法で形成すれば良いが、再コーティングに先立って強酸などにより一旦硬質皮膜を完全に除去することが望ましい。
【0019】
工具素材としては、高速度工具鋼や合金工具鋼などのスチール、超硬合金などが好適に用いられ、第2発明、第4発明ではその工具素材の上に直接TiNの硬質皮膜がコーティングされるが、第1発明、第3発明では、工具素材の上に別の硬質皮膜などの中間層を設けた後、摩耗検出用の硬質皮膜を最上層に設けるようにしても良い。摩耗検出用の硬質皮膜として、色が異なる複数層の硬質皮膜を設け、その色の変化から摩耗の進行程度を更にきめ細かく識別できるようにすることも可能である。
【0020】
第5発明では、硬質皮膜の膜厚が1μm〜3μmの範囲内であるが、他の発明の実施に際しては3μm以上の膜厚の硬質皮膜を設けることも可能で、例えば限界ゲージの寸法公差が6μmより大きい場合には、その寸法公差を満足する範囲で3μm以上の膜厚の硬質皮膜を設けることができる。すなわち、硬質皮膜の膜厚は、限界ゲージの寸法公差(直径)の1/2より小さい範囲で、皮膜形成時の寸法誤差などを考慮してできるだけ大きい寸法に設定することが望ましい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、第1発明、第2発明、第5発明の一実施例で、めねじ用の限界ゲージである通り側または止り側のねじプラグゲージ10を説明する図であり、(a) は軸心と直角方向から見た正面図で、テーパ部12およびゲージ部14を同軸上に一体に備えている。テーパ部12はテーパ形状を成しており、図示しないハンドルに一体的に結合されて使用される一方、ゲージ部14には、検査すべきめねじに対応するおねじ16が設けられており、めねじに螺合されて通過できるか否かにより、めねじの外径や有効径、ピッチ誤差などを検査できる。
【0022】
図1の(b) はゲージ部14の外周部の断面拡大図で、高速度工具鋼にて構成されている工具素材20の表面には、摩耗検出用にTiNの硬質皮膜22がコーティングされている。硬質皮膜22は、例えばアークイオンプレーティング法によって形成されており、多少の膜厚のばらつきはあるものの1μm〜3μmの範囲内の所定の寸法を目的寸法として設けられ、その表面寸法すなわち外径(D)や有効径(D2 )は、ねじプラグゲージ10に要求される寸法公差の上限寸法以下とされている。言い換えれば、硬質皮膜22がコーティングされた状態で、寸法公差の上限寸法以下となるように工具素材22の寸法が定められているのである。また、その硬質皮膜22をコーティングする前の表面寸法、すなわち工具素材22の表面寸法は、ねじプラグゲージ10に要求される寸法公差の下限寸法以上とされている。硬質皮膜22の膜厚は、このように工具素材22の表面寸法が寸法公差の下限寸法以上で、且つ硬質皮膜22をコーティングした後の表面寸法が寸法公差の上限寸法以下となるように、寸法公差を考慮して1μm〜3μmの範囲内で定められているのである。
【0023】
図2の(a) 、(b) は、外径Dの基準寸法が3.000mm、有効径D2 の基準寸法が2.675mm、ねじ山のピッチPが0.5mm、ねじ山の半角(α/2)が30°の場合について、硬質皮膜22をコーティングする前の表面寸法すなわち工具素材20の寸法、および硬質皮膜22をコーティングした後の各部の寸法を調べた結果で、径寸法D、D2 は硬質皮膜22の膜厚(1μm〜3μm)に略対応して増加するものの、ピッチPの欄のピッチ誤差や半角(α/2)の欄のねじ山の傾斜角誤差の変化は極僅かで、ねじプラグゲージ10の許容範囲内である。したがって、ゲージ部14の表面に硬質皮膜22をコーティングした場合でも、その硬質皮膜22の膜厚を考慮して工具素材20を加工することにより、ねじプラグゲージ10を所定の寸法公差内で製造することができる。なお、この図2の(a) 、(b) は、硬質皮膜22のコーティングによる各部の寸法変化を調べるためのもので、ねじプラグゲージ10に要求される寸法公差(図2の(c) 参照)を満足するように形成したものではない。
【0024】
このようなねじプラグゲージ10によれば、工具素材20の表面にTiNの硬質皮膜22がコーティングされているため、十分な耐摩耗性が得られるとともに、その硬質皮膜22はゴールド色で工具素材20と明らかに異なるため、使用により硬質皮膜22が摩耗して工具素材20が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗(使用限界)を容易に確認することができ、ねじ測定用三針等の高価な測定装置が不要になる。硬質皮膜22をコーティングする前の表面寸法、すなわち工具素材20の寸法は寸法公差の下限寸法以上で、硬質皮膜22をコーティングした後の表面寸法は寸法公差の上限寸法以下であるため、硬質皮膜22が摩耗して工具素材20が露出しても、所定の測定精度が維持されてめねじ検査の信頼性が損なわれる恐れはない。
【0025】
ここで、本実施例ではゴールド色のTiNの硬質皮膜22を用いているため、図3から明らかなようにTiAlNやTiCN、CrN等の他の硬質皮膜を採用する場合に比較して、シルバー色の高速度工具鋼製の工具素材20に対する識別性が極めて高いとともに、工具素材20に対して優れた付着性が得られる。但し、図3のNo1〜No3の硬質皮膜を採用することもできるし、No4のCrNについても、工具素材20との間に色が異なるTiN等の中間層を介在させることにより、摩耗検出用の硬質皮膜22として用いることが可能である。図3の「付着力」および「識別性」の欄の「◎」は良好、「○」はやや良好、「△」はやや不可、「×」は不可を意味している。
【0026】
一方、硬質皮膜22の摩耗で使用限界に達した場合には、例えば強酸などで硬質皮膜22を工具素材20から除去した後、再び硬質皮膜22をコーティングすることにより再使用でき、工具素材20を有効利用できるとともに、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減される。
【0027】
また、硬質皮膜22の膜厚が1μm〜3μmの範囲内であるため、径寸法に換算すると2μm〜6μmの範囲になる一方、ねじプラグゲージ10の外径Dや有効径D2 の寸法公差は6μm以上であるため、総てのねじプラグゲージ10に好適に適用できる。また、膜厚が1μm以上、すなわち径寸法に換算して2μm以上であるため、硬質皮膜22としての耐摩耗性の効果を十分に享受できるとともに、摩耗により使用限界に達して再コーティングするまでの時間(寿命)を実用上満足できる程度に確保できる。
【0028】
なお、上記実施例では、めねじを検査するためのねじプラグゲージ10について説明したが、図4の通り側または止り側の穴用限界ゲージ30にも適用され得る。この穴用限界ゲージ30は、第3発明〜第5発明の一実施例で、図4の(a) 、(b) はそれぞれ前記図1の(a) 、(b) に対応する図であり、テーパ部32およびゲージ部34を同軸上に一体に備えている。テーパ部32はテーパ形状を成していて、図示しないハンドルに一体的に結合されて使用される一方、ゲージ部34は検査すべき穴の内径寸法に対応する外径寸法の円柱形状を成しており、検査穴内に挿入できるか否かによって穴径が所定の許容範囲内か否かを検査できる。そして、この穴用限界ゲージ30は、高速度工具鋼の工具素材36を主体として構成されているとともに、ゲージ部34では、工具素材36の表面に摩耗検出用にTiNの硬質皮膜38がコーティングされている。硬質皮膜38は、1μm〜3μmの範囲内の所定の膜厚で設けられ、その表面の外径寸法は、穴用限界ゲージ30に要求される寸法公差の上限寸法以下とされ、硬質皮膜38をコーティングする前の表面寸法、すなわち工具素材36の表面の外径寸法は、穴用限界ゲージ30に要求される寸法公差の下限寸法以上とされている。硬質皮膜38の膜厚は、このように工具素材36の表面の外径寸法が寸法公差の下限寸法以上で、且つ硬質皮膜38をコーティングした後の表面の外径寸法が寸法公差の上限寸法以下となるように、寸法公差を考慮して1μm〜3μmの範囲内で定められているのである。
【0029】
このような穴用限界ゲージ30においても、円柱形状のゲージ部34では工具素材36の表面にゴールド色のTiNの硬質皮膜38がコーティングされているため、使用により硬質皮膜38が摩耗して工具素材36が露出した場合には、それ等の色の違いから目視により摩耗(使用限界)を容易に確認できるとともに、同じ工具素材36に硬質皮膜38を再コーティングして穴用限界ゲージ30を製造することにより、工具材料が節減されてトータルとして製造コストが低減されるなど、前記実施例と同様の作用効果が得られる。
【0030】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるねじプラグゲージを示す図で、(a) は正面図、(b) はゲージ部の断面拡大図である。
【図2】TiN硬質皮膜のコーティング前後における寸法変化を調べた結果を示す図で、併せて旧のJISII級許容寸法を参考として図示したものである。
【図3】種々の硬質皮膜の色や識別性などを比較して示す図である。
【図4】本発明の別の実施例である穴用限界ゲージを示す図で、(a) は正面図、(b) はゲージ部の断面拡大図である。
【符号の説明】
10:ねじプラグゲージ(限界ゲージ) 20:工具素材 22:硬質皮膜 30:穴用限界ゲージ(限界ゲージ) 36:工具素材 38:硬質皮膜
Claims (5)
- めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査する限界ゲージであって、
表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているとともに、
該硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は前記限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上で、且つ該硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法は該限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下である一方、
該硬質皮膜の色は、その内側の部材の色と相違している
ことを特徴とする限界ゲージ。 - めねじのねじ穴内に嵌合されて寸法を検査する限界ゲージであって、
該限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上の工具素材と、
該工具素材の表面にコーティングされるとともに、コーティング後の表面寸法が前記限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下であるTiNの硬質皮膜と、
を有することを特徴とする限界ゲージ。 - 所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する限界ゲージであって、
表面に所定の硬質皮膜がコーティングされているとともに、
該硬質皮膜をコーティングする前の表面寸法は前記限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上で、且つ該硬質皮膜をコーティングした後の表面寸法は該限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下である一方、
該硬質皮膜の色は、その内側の部材の色と相違している
ことを特徴とする限界ゲージ。 - 所定の検査穴内に嵌合されて穴径を検査する限界ゲージであって、
該限界ゲージの寸法公差の下限寸法以上の工具素材と、
該工具素材の表面にコーティングされるとともに、コーティング後の表面寸法が前記限界ゲージの寸法公差の上限寸法以下であるTiNの硬質皮膜と、
を有することを特徴とする限界ゲージ。 - 前記硬質皮膜の膜厚は1μm〜3μmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の限界ゲージ。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006177908A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Kayaba Ind Co Ltd | 栓ゲージ |
JP2006208116A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Osg Corp | プラグゲージ |
JP2009133218A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-18 | Showa Corp | ベーンポンプ |
JP2015519520A (ja) * | 2012-03-30 | 2015-07-09 | エマーソン プロセス マネージメント レギュレーター テクノロジーズインコーポレイテッド | 摩耗インジケータを有する台形ねじ型及びこれを含む高圧接続取付け具 |
JP2019002902A (ja) * | 2017-06-14 | 2019-01-10 | 新潟精機株式会社 | めねじ用プラグゲージ |
-
2002
- 2002-09-11 JP JP2002265846A patent/JP2004101434A/ja active Pending
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