JP2019113424A - 犠牲部材を用いた腐食の検知 - Google Patents

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遼祐 五反田
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加藤 雄一
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雄一 加藤
圭一郎 福島
Keiichiro Fukushima
圭一郎 福島
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Abstract

【課題】犠牲部材を用いて評価対象部材の腐食の度合いを評価する際に、当該評価対象部材からの犠牲部材の脱落を防止する。【解決手段】構造体は、凹部が形成された母材と、前記凹部に設けられており、前記母材よりも腐食しやすい犠牲材料からなる犠牲部材と、を備える。前記犠牲部材は、少なくともその一部が前記凹部の開口を通過できないように形成されている。【選択図】図1a

Description

本発明は、犠牲部材を用いた腐食の検知に関する。
犠牲材料を用いて評価対象物の腐食の程度を評価する腐食評価センサーが知られている。例えば、特開2005−121510号公報には、鋼より腐食しやすい犠牲金属材料を用いて、鋼構造物の腐食の程度を評価する腐食評価センサーがに開示されている。同公報の腐食評価センサーは、非腐食性の平坦な基板と、この基板に形成された溝に設けられている犠牲金属薄膜と、を備える。当該犠牲金属薄膜は、大気中で鋼よりも腐食しやすい亜鉛、マグネシウム、銀、又はニッケルからなる。
かかる腐食評価センサーは、基板を介して鋼構造物に接着される。当該センサーに備えられた犠牲金属薄膜は、大気中に含まれる腐食因子により鋼構造物よりも先に腐食し、元の色とは異なる色に変色する。この色の変化に基づいて、犠牲金属薄膜の腐食の程度が検知される。そして、この犠牲金属薄膜の腐食の程度から評価対象物である鋼構造物の腐食の進行度合いが評価される。
特開2005−121510号公報
従来の腐食評価センサーに設けられた犠牲金属薄膜は、基板の表面に戴置されているため、腐食によって脆くなると基板から脱落するおそれがある。基板から脱落した犠牲金属薄膜は、他の物体と衝突したり、機械装置の可動部分に干渉して不具合を引き起こしたりするおそれがある。したがって、犠牲部材を用いて腐食の評価を行う機構において、当該犠牲部材の脱落を防止することが望まれる。
本発明の目的の一つは、犠牲部材を用いて評価対象部材の腐食の度合いを評価する際に、当該評価対象部材からの犠牲部材の脱落を防止することである。本発明の上記以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
本発明の一実施形態による構造体は、凹部が形成された母材と、前記凹部に設けられており、前記母材よりも腐食しやすい犠牲材料からなる犠牲部材と、を備える。当該実施形態において、前記犠牲部材は、少なくともその一部が前記凹部の開口を通過できないように形成されている。
当該実施形態によれば、母材に形成された開口を有する凹部に犠牲部材が設けられており、当該犠牲部材の少なくとも一部が当該開口を通過できないように形成されているので、当該犠牲部材の母材からの脱落が防止される。犠牲部材は、母材の凹部の開口を通じて母材と同じ使用環境に曝露されるので、犠牲部材の腐食の進行度合いに基づいて、母材の腐食の進行度合いを評価することができる。犠牲部材が腐食によって変色する場合には、その変色は開口を通じて視認される。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、大径部を有する。当該実施形態において、前記開口の径方向における前記大径部の寸法は、前記開口の径よりも大きい。
当該実施形態によれば、凹部に設けられている犠牲部材の大径部が当該凹部の開口の径方向において当該開口の径よりも大きな寸法を有するため、当該大径部は、当該開口を通過することができない。これにより、犠牲部材の母材からの脱落が防止される。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、圧縮コイルばねであり、当該圧縮コイルばねは、その径が前記凹部の開口の径よりも大きくなるように形成されている。前記圧縮コイルばねは、前記開口を画定する上壁と当該上壁に対向する底壁との間に圧縮された状態で配される。
当該実施形態によれば、圧縮コイルばねが当該凹部の上壁と底壁との間で支持される。よって、犠牲部材としての圧縮コイルばねが母材から脱落することを防止できる。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、圧縮コイルばねであり、前記圧縮コイルばねは、前記側壁の間に圧縮された状態で配される。
当該実施形態によれば、当該圧縮コイルばねが当該凹部の側壁の間に支持される。よって、犠牲部材としての圧縮コイルばねが母材から脱落することを防止できる。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、前記母材に締結される。
当該実施形態によれば、犠牲部材が母材に締結されるため、犠牲部材の母材からの脱落をより確実に防止できる。
本発明の一実施形態において、前記母材は、ボルトであり、相手側部材と螺合するように構成され、前記犠牲部材は、ねじりコイルばねであり、その一端が前記相手側部材に取り付けられる。
当該実施形態によれば、ねじりコイルばねからボルトに対して緩みを防止する力を作用させることができる。よって、当該犠牲部材により、ボルトの腐食評価に加え、ボルトの緩み防止を実現できる。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、少なくともその一部が前記母材に埋め込まれている。
当該実施形態によれば、犠牲部材が母材に埋め込まれているため、当該犠牲部材の母材からの脱落が防止される。
本発明の一実施形態による構造体は、前記母材及び前記犠牲部材に埋め込まれた光ファイバコアをさらに備える。
当該実施形態によれば、光は、犠牲部材又は母材による全反射を繰り返しながら、光ファイバコア内をその一端から他端まで伝播する。犠牲部材が腐食すると、当該犠牲部材の屈折率が変化するため、この犠牲部材の屈折率の変化に応じて当該光ファイバコアを透過する光の光量が変化する。よって、光ファイバコアの透過光の光量を監視することにより、犠牲部材の腐食の進行度合いを評価することができる。そして、この光ファイバの腐食の進行度合いに基づいて、母材の腐食の進行度合いを評価することができる。また、光ファイバコアは、母材及び犠牲部材の両者に跨がって埋め込まれているため、母材に対する犠牲部材の位置がずれた場合にも、当該光ファイバコアを透過する光の光量が変化する。よって、光ファイバコアの透過光の光量を監視することにより、犠牲部材の母材に対する取付位置がずれたことも検知できる。
本発明の一実施形態において、前記凹部は、前記開口を画定する上壁と、当該上壁に対向する底壁と、当該上壁と当該底壁とを接続する側壁と、により画定され、前記側壁は、前記開口からの深さに応じて異なる色を有する。
当該実施形態によれば、犠牲部材の磨耗の程度に応じて、開口から凹部内を観察したときに異なった色が視認される。例えば、凹部の側壁が開口から第1の深さまでは赤色を有し、第1の深さから第2の深さまでは青色を有している場合には、開口から青色が観察できれば、犠牲部材が第1の深さよりも奥まで磨耗していることを確認できる。この犠牲部材の磨耗度合いに基づいて、当該犠牲部材の腐食度合いを評価することができる。
本発明の一実施形態において、前記凹部は、前記開口からの深さに応じて異なる径を有するように形成される。
当該実施形態によれば、犠牲部材の磨耗の程度に応じて、開口から凹部内を観察したときに異なった径が視認される。例えば、凹部が開口から第1の深さまでは第1の径を有し、第1の深さから第2の深さまでは第1の深さよりも大きい第2の径を有している場合には、犠牲部材の表面に対応する深さにおける凹部の径を測定することにより、犠牲部材の磨耗度合いを評価することができる。この犠牲部材の磨耗度合いに基づいて、当該犠牲部材の腐食度合いを評価することができる。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、腐食により密度が変化する材料からなる。
当該実施形態によれば、打音検査により犠牲部材の腐食度合いを評価することができる。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、コルク材からなる。
当該実施形態によれば、犠牲部材が軽量化される。
本発明の一実施形態においては、前記犠牲部材の表面に夜光塗料が塗布されている。
当該実施形態によれば、犠牲部材の表面において夜光塗料がどの程度発光するかにより、犠牲部材の磨耗の程度を評価することができる。夜光塗料からの発光は、開口の内部を直接視認できない場合であっても確認することができる。
本発明の一実施形態において、前記犠牲部材は、本体と、前記本体と異なる色を有するマーカ部と、を有する、請求項1から請求項4に記載の構造体。
当該実施形態によれば、本体部又はマーカ部の摩耗により、犠牲部材の劣化度合いを評価することができる。例えば、腐食前の犠牲部材においてマーカ部が本体部に覆われている場合には、犠牲部材の腐食によって本体部が摩耗することによってマーカ部が露出する。よって、マーカ部が露出していることを視認することにより、犠牲部材の腐食の程度を評価することができる。一方、マーカ部が本体部の表面に設けられている場合には、犠牲部材の腐食によってマーカ部が摩耗することによって本体部が露出する。よって、本体部が露出していること、または、マーカ部が視認できないことを確認することにより、当該犠牲部材の腐食の程度を評価できる。
本発明の実施形態によって、犠牲部材を用いて評価対象部材の腐食の度合いを評価する際に、当該評価対象部材からの犠牲部材の脱落を防止できる。
本発明の一実施形態による構造体の模式的な斜視図である。 図1のI−I線で切断された構造体の一部の模式的な断面図である。 図1の構造体の一部の平面図である。 本発明の一実施形態による構造体の一部の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による構造体の一部の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による構造体の一部の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による構造体の一部の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による構造体の一部の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による構造体の一部の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による構造体の一部の模式的な断面図である。
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
図1aないし図1cを参照して、本発明の一実施形態による構造体について説明する。図1aは、本発明の一実施形態による構造体11の模式的な斜視図であり、図1bは、図1aのI−I線で切断された構造体11の一部を模式的に示す断面図であり、図1cは、構造体11の一部を模式的に示す平面図である。
図示のように、本発明の一実施形態による構造体11は、母材12と、犠牲部材13と、を備える。母材12には、凹部14が形成されている。凹部14は、有底の凹部であってもよいし、貫通孔であってもよい。犠牲部材13は、凹部14内に配される。犠牲部材13は、その全部が凹部14内に収容されてもよい。犠牲部材13は、その一部が凹部14内に収容され、残部が凹部14から母材12の外部へ露出するように設けられてもよい。
母材12は、立体的形状を有する任意の部材である。母材12は、様々な装置、様々な部品、様々な機械要素、様々な構造物、またはこれらの一部であってもよい。母材12は、例えば、ネジ、ボルト、ナットなどの締結部材又はその一部であってもよい。母材12は、航空機の構成要素、例えば、翼、胴体、ドア、燃料タンク、各種機械設備、又はこれらの一部であってもよい。母材12は、航空機の翼面を駆動するためのアクチュエータが組み付けられるマニフォールド又はその一部であってもよい。母材12は、橋梁などの構造物又はその一部であってもよい。
母材12は、様々な材料から形成され得る。母材12は、例えば、各種金属材料、各種樹脂材料、各種合金材料、又は各種複合材料から形成される。母材12用の金属材料としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金、ステンレス鋼、又はこれら以外の各種金属材料が用いられ得る。母材12用の樹脂材料としては、アクリル系樹脂材料、塩化ビニール径樹脂材料、又はこれら以外の各種樹脂材料が用いられ得る。母材12用の複合材料としては、例えば、繊維強化プラスチックが用いられ得る。本明細書において具体的に説明される母材12の材料は例示である。したがって、母材12として利用可能な材料は、本明細書において具体的に説明されたものには限定されない。
犠牲部材13は、母材12よりも、構造体11が使用される環境に存在する腐食因子によって腐食しやすい犠牲材料から形成される。例えば、母材12が鋼からなり、腐食因子として硫化物イオンが存在する環境において構造体11が使用される場合には、犠牲部材13は銀から形成されてもよい。銀からなる犠牲部材13は、硫化物イオンにより、鋼からなる母材12よりも容易に腐食する。他の例として、母材12が鋼からなり、腐食因子として塩化物イオンが存在する環境において構造体11が使用される場合には、犠牲部材13は亜鉛から形成されてもよい。亜鉛からなる犠牲部材13は、塩化物イオンにより、鋼からなる母材12よりも容易に腐食する。
犠牲部材13は、腐食により変色する材料から形成されてもよい。つまり、犠牲部材13が腐食して得られる腐食生成物は、犠牲部材と異なる色を有していてもよい。このような腐食により変色する犠牲部材13用の材料には、銀、亜鉛、マグネシウム、及びニッケルが含まれる。
本明細書において具体的に説明される犠牲部材13の材料は例示である。したがって、犠牲部材13として利用可能な材料は、本明細書において具体的に説明されたものには限定されない。犠牲部材13は、構造体11の使用環境に存在する腐食因子に関して、母材12よりも腐食しやすい任意の材料から形成され得る。
母材12は、犠牲部材13を保持できる任意の形状を有し得る。本明細書において具体的に説明される母材12の形状は例示であり、母材12の形状は、本明細書において具体的に説明されたものには限定されない。
凹部14は、仮想軸図の方向において母材12の外表面からその内部に延伸している。本明細書では、仮想軸Aに沿う方向を凹部14の深さ方向(又は深さ方向A)ということがある。母材12には、凹部14と母材12の外部と接続する開口15が形成されている。
本発明の一実施形態において、開口15は、その径方向において径L1を有する。凹部14の開口15の径方向は、凹部14の深さ方向Aと直交する方向を意味する。より一般に、本明細書では、「凹部の開口の径方向」又は単に「開口の径方向」は、当該凹部の深さ方向と直交する方向を意味してもよい。凹部14の開口15の径L1は、深さ方向Aと直交する方向における、開口15の最大の寸法を意味してもよい。より一般に、本明細書では、「凹部の開口の径」は、当該凹部の深さ方向と直交する方向における開口の最大寸法を意味してもよい。
図1cに最も明瞭に示されているように、開口15は、平面視において方形の形状を有するように形成されている。図示のように、方形の開口15は、その対角線に沿った方向において最大の寸法を有する。よって、図示の実施形態では、開口15の径は、その対角線に沿った寸法L1となる。図示の開口15の形状は例示であり、本発明において、母材の凹部の開口は、平面視で任意の形状を取り得る。
母材12には、凹部14の上部を部分的に覆うフランジ12aが形成されている。凹部14は、深さ方向Aに沿って所定の深さまで形成される。図示の実施形態において、凹部14は、フランジ12aの下面により構成される上壁14bと、この上壁14bと対向する底壁14aと、底壁14aと上壁14bとを接続する側壁14cと、により画定される。図示された凹部14は例示であり、凹部14の形状は、本明細書で明示的に説明されるものには限定されない。
本発明の一実施形態において、犠牲部材13は、少なくともその一部が開口15を通過できないように構成される。図1a〜図1cに示されている実施形態においては、犠牲部材13は、大径に形成された大径部13aと、凹部14の開口15の径方向における寸法が大径部13aよりも小さい小径部13bと、を有しており、この大径部13aが開口15を通過できないように形成されている。
本発明の他の実施形態においては、犠牲部材13を母材12に埋め込むことにより、当該犠牲部材13が開口15を通過できないようにしてもよい。犠牲部材13が母材12の内部に固定されているときに、当該犠牲部材13は、母材12に埋め込まれているとされる。例えば、犠牲部材13は、母材12の凹部14に固定されることによって、母材12に埋め込まれる。犠牲部材13は、底壁14a、上壁14b、又は側壁14cに、例えば接着により固定される。より一般的に、本明細書において、犠牲部材が母材に埋め込まれているとは、犠牲部材が母材の内部に固定されていることを意味する。
本発明の一実施形態において、大径部13aは、凹部14の開口15の径方向において、当該開口15の径L1よりも大きな径方向寸法L2を有するように形成される。大径部13aの径方向寸法L2は、大径部13aの深さ方向Aと直交する方向における寸法を意味する。大径部13aの平面視の寸法は、その平面視の形状によっては、一定の場合もあるし一定でない場合もある。本発明の一実施形態において、開口15の径方向における大径部13aの寸法は、凹部14の深さ方向と直交する方向における当該大径部13aの最大寸法を意味してもよい。より一般的に、本明細書では、凹部の開口の径方向における犠牲部材の大径部の寸法(大径部の径方向寸法)は、当該凹部の深さ方向と直交する方向における当該大径部の最大寸法を意味してもよい。図示の実施形態においては、図1cに示されているように、犠牲部材13は、平面視で方形の形状を有する。よって、大径部13aは、平面視した方形の形状の対角線に沿った方向において最大の寸法を有する。図示の実施形態では、開口15の径方向における大径部13aの寸法は、平面視したときの方形形状の対角線に沿った寸法L2となる。
上記の実施形態によれば、犠牲部材13が、凹部14の径方向において、開口15の径L1よりも大きな寸法L2を有するため、犠牲部材13の母材12からの脱落が防止される。犠牲部材13は、母材12の凹部14の開口15を通じて母材12と同じ使用環境に曝露されるので、犠牲部材13の腐食の進行度合いに基づいて、母材12の腐食の進行度合いを評価することができる。犠牲部材13が腐食によって変色する場合には、その変色は開口15を通じて視認可能である。
犠牲部材13の腐食の度合いは、視認による検査以外にも様々な方法で評価することができる。例えば、犠牲部材13が腐食により密度が変化する材料からなる場合には、打音検査によって、犠牲部材13の腐食の度合いを評価することができる。腐食により密度が変化する材料は、例えば、コルク材である。コルク材は軽量であるため、犠牲部材13をコルク材から形成することにより、犠牲部材13及び構造体11全体を軽量化することができる。
本発明の他の実施形態について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の一実施形態による構造体21の断面の一部を模式的に示している。図2に示されている構造体21は、母材12と、圧縮コイルばね23と、を備える。構造体21は、犠牲部材13の代わりに圧縮コイルばね23を備えている点で、構造体11と異なっている。この圧縮コイルばね23は、犠牲部材13と同じ材料で構成される。よって、図2の実施形態では、圧縮コイルばね23が犠牲部材として用いられている。本明細書において、犠牲部材13に関する説明は、矛盾しない限り、圧縮コイルばね23にも当てはまる。
圧縮コイルばね23は、その径L3が母材12の凹部14の開口15の径L1よりも大きくなるように形成されている。圧縮コイルばね23の径L3は、例えば、圧縮コイルばね23の外径を意味する。
圧縮コイルばね23は、凹部14内に配されている。圧縮コイルばね23は、凹部14の上壁14bと底壁14aとの間に圧縮された状態で配される。
上記の実施形態によれば、圧縮コイルばね23の径L3が凹部14の開口15の径L1よりも大きいため、圧縮コイルばね23が母材12から脱落することを防止できる。また、圧縮された圧縮コイルばね23を凹部14に収容することにより、圧縮コイルばね23を凹部14の上壁14bと底壁14aとの間で支持できる。これにより、圧縮コイルばね23が母材12から脱落することをさらに確実に防止できる。圧縮コイルばね23は、開口15を通じて母材12と同じ使用環境に曝露されるので、犠牲材料からなる圧縮コイルばね23の腐食の進行度合いに基づいて、母材12の腐食の進行度合いを評価することができる。
本発明の他の実施形態について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の一実施形態による構造体31の断面の一部を模式的に示している。図3に示されている構造体31は、母材12と、圧縮コイルばね33と、を備える。構造体31は、犠牲部材13の代わりに圧縮コイルばね33を備えている点で、構造体11と異なっている。この圧縮コイルばね23は、犠牲部材13と同じ材料で構成される。よって、図3の実施形態では、圧縮コイルばね33が犠牲部材として用いられている。本明細書において、犠牲部材13に関する説明は、矛盾しない限り、圧縮コイルばね33にも当てはまる。
圧縮コイルばね33は、凹部14内に配されている。圧縮コイルばね33は、凹部14の側壁14c間に圧縮された状態で配される。圧縮コイルばね33は、凹部14内で圧縮されているため、側壁14c間に支持される。
一実施形態において、圧縮コイルばね33は、凹部14内で圧縮されているときの密着長さL4が、開口15の径L1よりも大きくなるように形成されている。
以上の実施形態によれば、圧縮コイルばね33の密着長さL4が凹部14の開口15の径L1よりも大きいため、圧縮コイルばね33が母材12から脱落することを防止できる。また、圧縮された圧縮コイルばね33を凹部14に収容することにより、圧縮コイルばね33を凹部14の側壁14C間で支持できる。これにより、圧縮コイルばね33が母材12から脱落することをさらに確実に防止できる。圧縮コイルばね33は、開口15を通じて母材12と同じ使用環境に曝露されるので、犠牲材料からなる圧縮コイルばね33の腐食の進行度合いに基づいて、母材12の腐食の進行度合いを評価することができる。
本発明の他の実施形態について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の一実施形態による構造体41の断面の一部を模式的に示している。図4に示されている構造体41は、ボルト42と、ボルト43と、を備える双方向ボルトである。構造体41は、母材12の代わりボルト42を備え、犠牲部材13の代わりにボルト43を備えている点で、構造体11と異なっている。ボルト42は、母材12と同じ材料で構成される。ボルト43は、犠牲部材13と同じ材料で構成される。よって、図4の実施形態では、ボルト42が母材として用いられ、ボルト43が犠牲部材として用いられている。本明細書において、母材12に関する説明は、矛盾しない限り、ボルト42にも当てはまる。本明細書において、犠牲部材13に関する説明は、矛盾しない限り、ボルト43にも当てはまる。
ボルト42は、頭部42aと軸部42bと、を備える。ボルト42には、その軸方向に沿って貫通孔44が形成されている。貫通孔44は、頭部42a及び軸部42bを貫通する。頭部42aは、開口45を有する。貫通孔44を画定する壁面には、雌ねじが刻まれている。軸部43bの外周面には、雄ねじが刻まれている。ボルト42は、不図示の相手側部材に螺合され得る。相手側部材は、様々な装置、様々な部品、様々な機械要素、様々な構造物、またはこれらの一部であってもよい。
ボルト43は、頭部43aと軸部43bとを備える。ボルト43は、ボルト42に締結される。具体的には、ボルト43の軸部43bに形成された雄ねじが貫通孔44を画定する壁面に形成された雌ねじと螺合することにより、ボルト43は、ボルト42に締結される。ボルト43は、ボルト42の軸部42bの先端から頭部42aに向かってねじ込まれる。一実施形態において、ボルト43は、その頭部43aの径方向寸法L6が、ボルト42の開口45の径L5よりも大きくなるように形成されている。
図示されているように、ボルト43は、その先端43cがボルト42の頭部42aから外部に露出するようにボルト42に締結されてもよい。
本発明の一実施形態において、ボルト43は、その先端43cから距離dだけ頭部43aに離れた位置にマーカ部43dを備えても良い。このマーカ部43dは、ボルト43以外のマーカ部43d以外の部位(本明細書において、当該部位を「ボルト本体」と呼ぶことがある。)とは異なる色を有する。マーカ部43dは、貫通孔44の深さ方向Aにおいてw1の幅を有する。
上記の実施形態によれば、ボルト43の頭部43aの径方向寸法L6がボルト42に形成された開口45の径L5よりも大きいため、ボルト43がボルト42から脱落することを防止できる。また、ボルト43は、ボルト42と締結されているため、ボルト43のボルト42からの脱落をより確実に防止できる。ボルト43は、開口45を通じてボルト42と同じ使用環境に曝露されるので、犠牲材料からなるボルト43の腐食の進行度合いに基づいて、母材であるボルト42の腐食の進行度合いを評価することができる。
また、上記の実施形態によれば、腐食によってボルト43が先端43cから幅dだけ磨耗すると、マーカ部43dが露出する。マーカ部43dの露出を視認することにより、犠牲部材であるボルト43の腐食の程度を評価することができる。
マーカ部43dは、ボルト43の先端43cに設けられても良い。この場合、腐食前のボルト43においてマーカ部43dが露出しており、腐食が進行するとマーカ部43dが磨耗により滅失してボルト43のボルト本体が露出する。よって、ボルト43のボルト本体の露出を視認することにより、犠牲部材であるボルト43の腐食の程度を評価することができる。
ボルト42にボルト43が締結されたときにマーカ部43dがボルト42の上部に露出するので、マーカ部43dを確認することで、ボルト43の締め忘れを防止できる。また、マーカ部43dを確認することで、ボルト43がボルト42に正しく締結されたことを確認することができる。
本発明の他の実施形態について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の一実施形態による構造体51の断面の一部を模式的に示している。図5に示されている構造体51は、母材52と、犠牲部材53と、を備える。構造体51は、母材12の代わりに母材52を備え、犠牲部材13の代わりに犠牲部材53を備えている点で、構造体11と異なっている。母材52は、母材12と同じ材料で構成される。犠牲部材53は、犠牲部材13と同じ材料で構成される。本明細書において、母材12に関する説明は、矛盾しない限り、母材52にも当てはまる。本明細書において、犠牲部材13に関する説明は、矛盾しない限り、犠牲部材53にも当てはまる。
母材52には、凹部54が形成されている。凹部54は、仮想軸Aの方向において母材52の外表面からその内部に向かって延伸している。母材52には、凹部54と母材52の外部と接続する開口55が形成されている。
図示のように、本発明の一実施形態において、凹部54は、開口55からの深さに応じて異なる径を有するように形成される。開口55からの深さは、母材52の外表面からの深さを意味してもよい。図示の実施形態において、凹部54は、開口55から深さD1の位置までは側壁54aにより画定され、深さD1の位置から深さD2の位置までは側壁54bにより画定され、深さD2の位置から深さD3の位置までは側壁54cにより画定され、深さD3の位置から深さD4の位置までは側壁54dにより画定されている。このように、凹部54は、開口55からの深さに応じて異なる径を有している。具体的には、図示の実施形態における凹部54は、開口55からの深さが深くなるほどその径が大きくなるように形成されている。
犠牲部材53は、凹部54に配されている。本発明の一実施形態において、犠牲部材53の一部は、開口55の径方向において、当該開口55の径L7よりも大きな径方向寸法L8、L9、又はL10を有するように形成される。犠牲部材53のうち径方向寸法L8を有する部分、径方向寸法L9を有する部分、及び径方向寸法L10を有する部分はいずれも、当該犠牲部材53の大径部に相当する。
上記の実施形態によれば、母材52の凹部54に設けられている犠牲部材53が、凹部54の径方向において、開口55の径L7よりも大きな径L8、L9、及びL10を有するため、犠牲部材53の母材52からの脱落が防止される。また、磨耗した犠牲部材53の表面に対応する深さにおける凹部54の径を測定することにより、犠牲部材53の磨耗度合いを評価することができる。具体的には、壁面54bが露出する程度まで犠牲部材53の磨耗が進んだ場合には、この磨耗した犠牲部材53の表面に対応する深さにおいて凹部54の径を測定すると、壁面54b間の距離が測定結果として得られる。さらに腐食が進行して、壁面54cが露出する程度まで犠牲部材53が磨耗した場合には、壁面54c間の距離が測定結果として得られる。このように、凹部54の径の測定結果によって犠牲部材53の磨耗の程度を評価することができる。そして、この犠牲部材53の磨耗の程度に基づいて、当該犠牲部材53の腐食の程度を評価することができる。
上記の実施形態において、凹部54の側壁は、開口55からの深さに応じて異なる色を有してもよい。例えば、側壁54aが第1の色を有し、側壁54bが第1の色と異なる第2の色を有し、側壁54aが第1の色及び第2の色と異なる第3の色を有し、側壁54aが第1の色、第2の色、及び第3の色と異なる第4の色を有していてもよい。第1の色、第2の色、第3の色、及び第4の色は、例えば、目視により互いとの色の違いを識別できるように定められる。例えば、第1の色、第2の色、第3の色、及び第4の色は、赤、青、黄、及び緑から選択されてもよい。
上記の実施形態によれば、開口55から凹部54内を観察したときに犠牲部材53の磨耗の程度に応じて異なった色が視認される。例えば、犠牲部材53の表面が開口55から深さD1〜D2の範囲となる程度に犠牲部材53が磨耗しているときには、露出している側壁54bの色を開口55から確認できる。この開口55から確認できる色により犠牲部材53の磨耗の程度を評価できる。そして、犠牲部材53の磨耗の程度に基づいて、犠牲部材53の腐食度合いを評価することができる。
本発明の他の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の一実施形態による構造体61の断面の一部を模式的に示している。図6に示されている構造体61は、ボルト62と、ねじりコイルばね63と、を備える。ボルト62は、母材12と同じ材料で構成される。ねじりコイルばね63は、犠牲部材13と同じ材料で構成される。よって、図6の実施形態では、ボルト62が母材として用いられ、ねじりコイルばね63が犠牲部材として用いられている。本明細書において、母材12に関する説明は、矛盾しない限り、母材62にも当てはまる。本明細書において、犠牲部材13に関する説明は、矛盾しない限り、犠牲部材63にも当てはまる。
ボルト62には、その軸方向に沿って穴64が形成されている。穴64は、ボルトの軸方向に沿って頭部及び軸部を貫通する貫通孔である。ボルト62の頭部には開口65が設けられており、軸部の先端には開口62aが設けられている。穴64は、開口65及び開口62aを介してボルト62の外部に接続されている。
ボルト62の軸部の外表面には雄ねじが刻まれている。ボルト62は、相手側部材66に螺合されることにより、非締結部材67を相手側部材66締結するように構成される。相手側部材66は、様々な装置、様々な部品、様々な機械要素、様々な構造物、またはこれらの一部であってもよい。被締結部材67は、相手側部材66に締結可能な任意の部材である。
ねじりコイルばね63は、凹部64内に配されている。ねじりコイルばね63は、凹部64の上壁と底壁との間に圧縮された状態で配される。ねじりコイルばね63の一端63aは、開口62aを通過して相手側部材66に接続される。具体的には、ねじりコイルばね63の一端63aは、相手側部材66のうち開口62aと対向している部位に接続される。
ねじりコイルばね63は、その径L12がボルト62の凹部64の開口65の径L11よりも大きくなるように形成されている。ねじりコイルばね63の径L12は、例えば、ねじりコイルばね63の外径を意味する。
上記の実施形態によれば、ねじりコイルばね63の径L11が凹部64の開口65の径L11よりも大きいため、犠牲部材であるねじりコイルばね63が母材であるボルト62から脱落することを防止できる。また、ねじりコイルばね63の一端63aが相手側部材66に接続されているため、ボルト62に対してその緩みを防止する力を作用させることができる。ねじりコイルばね63は、開口65を通じてボルト62と同じ使用環境に曝露されるので、犠牲材料からなるねじりコイルばね63の腐食の進行度合いに基づいて、母材でボルト62の腐食の進行度合いを評価することができる。したがって、上記の実施形態によれば、犠牲部材であるねじりコイルばね63により、ボルト62の腐食評価に加え、ボルト62の緩みを防止することができる。
本発明の他の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の一実施形態による構造体71の断面の一部を模式的に示している。図7に示されている構造体71は、母材12及び犠牲部材13に加えて、光ファイバコア71aを備えている。
図7に示した実施形態において、母材12には、貫通孔12bが形成されている。貫通孔12bは、母材12の上面に設けられた開口12cから凹部14の側壁14cに設けられた開口12dまで母材12の内部を延伸するように、母材12に形成されている。開口12c及び開口12dは、母材12の様々な位置に設けられ得る。例えば、開口12dは、側壁14cの代わりに、底壁14a又は上壁14bに設けられても良い。
犠牲部材13には、貫通孔13cが形成されている。貫通孔13cは、犠牲部材13の上面に設けられた開口13dから一方の側面に設けられた13eまで犠牲部材13の内部を延伸するように、犠牲部材13に形成されている。開口13eは、開口12dと対向する位置に形成される。したがって、貫通孔13cは、貫通孔12bと連通されている。
光ファイバコア71aは、母材12及び犠牲部材13に埋め込まれている。具体的には、光ファイバコア71aは、母材12の貫通孔12b及び犠牲部材13の貫通孔13cに埋め込まれている。光ファイバコア71aは、母材12及び犠牲部材13よりも屈折率が高い材料から形成される。これにより、光ファイバコア71aの一端から入射した光は、貫通孔12b及び貫通孔13cを画定する壁面で全反射を繰り返しながら、その他端まで伝播する。
光ファイバの光源76は、開口13d付近に配される。光ファイバコア71aを通過した光の光量を検出する光量センサ77は、開口12c付近に配される。光源76を開口12c付近に配し、光量センサ77を開口13d付近に配しても良い。
光源76から開口13dを通って光ファイバコア71aに入射した光は、光ファイバコア71aを貫通孔13cに沿って進み貫通孔12bに入射し、続いて貫通孔12bに沿って進み、開口12cから母材12の外に出て光量センサ77に入射する。よって、光量センサ77は、貫通孔13c及び貫通孔12bに沿ってファイバコア71aを通過した光の光量を検出することができる。
上記の実施形態によれば、犠牲部材13が腐食すると犠牲部材13の屈折率が変化し、この犠牲部材13の屈折率の変化に応じて光ファイバコア71aを通過する光の光量が変化する。よって、光量センサ77によって光ファイバコア71aの透過光の光量を監視することにより、犠牲部材13の腐食の進行度合いを評価することができる。そして、この光ファイバコア71aの腐食の進行度合いに基づいて、母材12の腐食の進行度合いを評価することができる。また、光ファイバコア71aは、母材12及び犠牲部材13の両者に跨がって埋め込まれているため、母材12に対する犠牲部材13の位置がずれた場合にも、当該光ファイバコア71aを透過する光の光量が変化する。よって、光ファイバコア71aの透過光の光量を監視することにより、犠牲部材13の母材12に対する取付位置がずれたことも検知できる。光ファイバコア71aの少なくとも一部(例えば両端)の径を開口12c,13dの少なくとも一方の径よりもを大きくすることにより、光ファイバコア71aの脱落を防止することができる。
本発明の他の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の一実施形態による構造体81の断面の一部を模式的に示している。図8に示されている構造体81においては、犠牲部材13の表面の少なくとも一部に夜光塗料からなる塗料層81aが形成されている。塗料層81aは、夜光塗料を犠牲部材の表面に塗布し、塗布された夜光塗料を固化させることによって形成される。塗料層81a用の夜光塗料として、例えば、フルオレセインなどの蛍光色素をバインダー材と混合した組成物を用いることができる。塗料層81a用の夜光塗料として、任意の公知の夜光塗料を用いることができる。
上記の実施形態によれば、犠牲部材13の磨耗が進行すると、犠牲部材13に塗布された塗料層81aが滅失する。よって、犠牲部材13の表面において夜光塗料がどの程度発光するかにより、犠牲部材13の磨耗の程度を評価することができる。夜光塗料からの発光は、構造体81が暗所に配置された場合であっても、容易に確認することができる。
上記の各実施形態は、適宜、組み合わせることが可能である。例えば、図1a〜図1cに示されている構造体11において、母材12の穴14の側壁14cは、開口15からの深さに応じて異なる色を有していてもよい。図4に示されている構造体41においてボルト43に設けられているマーカ部43dは、他の実施形態の構造体(例えば、構造体11及びそれ以外の上記の構造体)にも設けられてもよい。
本発明の実施形態において、構造体は、犠牲部材を一つだけ有していてもよいし、複数の犠牲部材を有してもよい。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
11,21,31,41,51,61,71,81 構造体
12,42,52,62 母材
13,43,53,63 犠牲部材
71a 光ファイバコア
81a 塗料層

Claims (14)

  1. 凹部が形成された母材と、
    前記凹部に設けられており、前記母材よりも腐食しやすい犠牲材料からなる犠牲部材と、
    を備え、
    前記犠牲部材は、少なくともその一部が前記凹部の開口を通過できないように形成されている、
    構造体。
  2. 前記犠牲部材は、大径部を有し、
    前記開口の径方向における前記大径部の寸法は、前記開口の径よりも大きい、
    請求項1に記載の構造体。
  3. 前記犠牲部材は、圧縮コイルばねであり、
    当該圧縮コイルばねは、その径が前記凹部の開口の径よりも大きくなるように形成されており、
    前記圧縮コイルばねは、前記開口を画定する上壁と当該上壁に対向する底壁との間に圧縮された状態で配される、
    請求項1に記載の構造体。
  4. 前記凹部は、前記開口を画定する上壁と、当該上壁に対向する底壁と、当該上壁と当該底壁とを接続する側壁と、により画定され、
    前記犠牲部材は、圧縮コイルばねであり、
    前記圧縮コイルばねは、前記側壁の間に圧縮された状態で配される、
    請求項1に記載の構造体。
  5. 前記犠牲部材は、前記母材に締結される、請求項1に記載の構造体。
  6. 前記母材は、ボルトであり、相手側部材と螺合するように構成され、
    前記犠牲部材は、ねじりコイルばねであり、その一端が前記相手側部材に取り付けられる、
    請求項1に記載の構造体。
  7. 前記犠牲部材は、少なくともその一部が前記母材に埋め込まれている、請求項1に記載の構造体。
  8. 前記母材及び前記犠牲部材に埋め込まれた光ファイバコアをさらに備えた、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の構造体。
  9. 前記凹部は、前記開口を画定する上壁と、当該上壁に対向する底壁と、当該上壁と当該底壁とを接続する側壁と、により画定され、
    前記側壁は、前記開口からの深さに応じて異なる色を有する、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の構造体。
  10. 前記凹部は、前記開口からの深さに応じて異なる径を有するように形成される、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の構造体。
  11. 前記犠牲部材は、腐食により密度が変化する材料からなる、請求項1又は請求項10に記載の構造体。
  12. 前記犠牲部材は、コルク材からなる、請求項11に記載の構造体。
  13. 前記犠牲部材の表面に夜光塗料が塗布されている、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の構造体。
  14. 前記犠牲部材は、本体と、前記本体と異なる色を有するマーカ部と、を有する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の構造体。
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