JP2004100860A - 回転軸シール及びその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用状態でシール全体の姿勢が安定して、シール性能を長期間保つことのできる回転軸シールを提供する。
【解決手段】アウターケース7の円筒壁部7aの外周面は、中間部までがゴム部材6にて被覆されているが、かしめ折曲部7cの近傍には被覆されず、かつ、このかしめ折曲部7cにも被覆されず、接着剤薄膜にて被覆される。
【選択図】 図1
【解決手段】アウターケース7の円筒壁部7aの外周面は、中間部までがゴム部材6にて被覆されているが、かしめ折曲部7cの近傍には被覆されず、かつ、このかしめ折曲部7cにも被覆されず、接着剤薄膜にて被覆される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸シール、及び、その回転軸シールの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、カーエアコン用コンプレッサ等に於て、高速回転する回転軸の外周面とケーシング(ハウジンング)との間を密封するための回転軸シールSとしては、図8に示すような構造のものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
即ち、図8に示す回転軸シールSは、コンプレッサ等のケーシング(ハウジング)31と回転軸32との間に介装され、流体収納室33側に収納されている流体を、低圧側34に対して、密封するもので、回転軸32に摺接するゴム製シールリップ部35を有するゴム部材36を、(金属製)アウターケース37に一体化した主要部Mを備え、かつ、この主要部Mの内径側に、樹脂製のシールエレメント38と金具(インナーケース)39を、上記アウターケース37の低圧側端部40のかしめ(折曲)加工にて、把持固定して組立てられている。
【0003】
アウターケース37は、円筒壁部37aと受圧側(流体収納室側)内鍔部37bと低圧側かしめ折曲部37c(上記低圧側端部40)とを、有する。そして、ハウジング31には段付部43と小凹溝44を有し、上記受圧側内鍔部37bが、ゴム部材36の一部を介して、段付部43に対面すると共に、抜け止め用止め輪45にて、この回転軸シールSの低圧側34への移動を阻止して、装着されている。
【0004】
ところで、図8に示すようにアウターケース37は、全面にわたってゴム部材36で被覆されている。つまり、シールリップ部35の基部は、受圧側内鍔部37bを被覆し、また、ハウジング31の内面との密封のために、円筒状ゴム部46は円筒壁部37aの外周面の大半部を被覆し、そして、低圧側かしめ折曲部37c、及び、円筒壁部37aの内周面は、薄肉ゴム被覆47にて被覆されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−305774号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の図8に示すような回転軸シールSでは、回転軸シールSの固定が不安定となるという問題が発生する。即ち、流体収納室33側の圧力が上昇し(加圧時)、シールSは図8の右方(低圧側34)へ押圧された際、アウターケース37のかしめ折曲部37cは、薄肉ゴム被膜47を介して、止め輪45で受持される。このとき、薄肉ゴム被膜47の弾性変形に伴ってアウターケース37が軸心L方向へ変位して、シールリップ部35及びシールエレメント38の回転軸32に対する接触状態が不安定となり、これにより、シール寿命に影響が及ぶことが判った。
【0007】
このような問題を解決して、安定して止め輪(スナップリング)にてハウジング内に保持できる回転軸シールを提供することを本発明の目的とする。さらに、図8のように薄肉ゴム被膜47にて金属製アウターケース37の低圧側かしめ折曲部37cを被覆している場合に比較しても十分に発錆を防止することを本発明の他の目的とする。
そして、このようにハウジング内に安定して保持可能で、かつ、発錆を防止した回転軸シールを、能率的に製造することを本発明の別の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明は、円筒壁部と内鍔部とかしめ折曲部とを有するアウターケース、及び、上記内鍔部を被覆すると共にシールリップ部を有しかつ上記円筒壁部の外周面を被覆する外周壁部を有するゴム部材を、具備した回転軸シールに於て、上記ゴム部材の上記外周壁部は、上記アウターケースの上記円筒壁部における上記内鍔部側から中間位置にわたって配設され、上記アウターケースのゴム非被覆部分は、接着剤薄膜にて被覆されている。
【0009】
そして、本発明に係る回転軸シールの製法は、円筒壁部と内鍔部とかしめ折曲部とを有するアウターケースを作製するための中間金属部材が、上記内鍔部から先端側へ拡径するテーパ状円錐壁部が連設された形状に予め塑性加工され、次に、該円錐壁部を第一金型で内部から受けると共に、該円錐壁部の先端近傍がゴム被覆されるのを阻止する環状凸部を有する第二金型によって上記円錐壁部を円筒形に弾性変形させ、該円錐壁部の弾発的復元力にて上記環状凸部と該円錐壁部の外周面とを圧接させた状態にて、ゴム材料を押圧流入して被覆させる方法である。
【0010】
また、第二金型が、予め接着剤を塗布した中間金属部材の円錐壁部を円筒形に弾性変形させつつ、第一金型に対して相対移動する際に、塗布した上記接着剤を剥ぎ取らないためのアール部を、上記環状凸部の角部に、形成した。
また、第二金型が、予め接着剤を塗布した中間金属部材の円錐壁部がその後のかしめ加工にて上記かしめ折曲部に形成される最先端領域に対応して、塗布した上記接着剤に接触するのを避けるための逃げ部を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
図1と図2は本発明に係る回転軸シールS0 断面側面図と要部拡大断面側面図を示す。この図1と図2に示す実施の形態に於て、自動車のコンプレッサ等のハウジング1と回転軸2との間に介装され、流体収納室3側に収納されている流体を、低圧側4に対して密封する。
【0012】
回転軸2に摺接するゴム製シールリップ部5を有するゴム部材6が、金属製のアウターケース7に一体化され、このゴム部材6とアウターケース7にて(シール)主要部M0 が構成される。
このシール主要部M0 の内径側に、PTFE等の樹脂製であって、螺旋溝20を有するシールエレメント8と金属製インナーケース9を、アウターケース7の低圧側端部10(図6と図7参照)のかしめ(折曲)加工によって、把持固定している。
【0013】
アウターケース7は、円筒壁部7aと(流体収納室側)内鍔部7bとかしめ折曲部7c───低圧側端部40───とを、有する。
そして、ハウジング1の孔部内周面には、段付部13と小凹溝14を有し、内鍔部7bが、ゴム部材6の一部を介して、段付部13に対面すると共に、スナップリング等の抜け止め用止め輪15にて、この回転軸シールS0 の低圧側4への移動を阻止するように、装着されている。言い換えると、シールS0 は、段付部13と止め輪15によって、軸心L方向への移動を阻止するよう、挾持されている。
【0014】
また、ゴム部材6について具体的に説明すれば、アウターケース7の内鍔部7bを被覆する断面U字状の内鍔包囲壁部16と、この内鍔包囲壁部16から流体収納室3側へ延伸して先端部が回転軸2に接触するシールリップ部5と、内鍔包囲壁部16が段付部13に対応する段付対応壁部16aに連設されてアウターケース7の円筒壁部7aの外周面17を被覆する外周壁部18とから、構成されている。このゴム部材6は後述のように成型金型内で加熱加工され、加硫焼き付けにて金属製のアウターケース7と一体化されているが、上記成型金型内へ設置する前に、アウターケース7の素材には、接着剤を全面に塗布して、その後、加硫焼付けにて強固にゴム部材6と一体化する。
【0015】
本発明に係る回転軸シールS0 では、このような加硫焼付け前に塗布した接着剤が固化した接着剤薄膜(図示省略)を、アウターケース7の内でゴム部材6が付着(被覆)していない部分───ゴム非被覆部分G───に、露出状に被覆している。言い換えれば、後述の製法によって、予め全面に塗布した接着剤がゴム非被覆部分Gに於ても、取除かれたり、傷付くことを可能な限り防止して、最終製品としても残留させる点に特徴があるといえる。
【0016】
ところで、ゴム部材6の外周壁部18は、アウターケース7の円筒壁部7aにおける内鍔部7b側から軸心L方向の中間位置にわたって配設され、かしめ折曲部7cの全面、及び、円筒壁部7aの外周面17の低圧側から所定範囲(中間位置)まで、及び、円筒壁部7aの内周面19の大半は、ゴム非被覆部分Gであって、このゴム非被覆部分Gは固化した接着剤薄膜にて被覆され、錆の発生が抑制されている。
【0017】
なお、本発明に係る回転軸シールS0 としては、円筒壁部7aと内鍔部7bとかしめ折曲部7cとを有するアウターケース7、及び、上記内鍔部7bを被覆すると共にシールリップ部5を有しかつ円筒壁部7a外周面17を被覆する外周壁部18を有するゴム部材6を、具備するものであれば良く、例えば、シールエレメント8が2枚以上有したり、インナーケース9の形状や装着向きや個数の増減は自由であり、さらに、シールリップ部5を、低圧側4にも付加した構造(2重シールや3重シール)としたり、あるいは、シールリップ部5を背面(低圧)側から受持する薄板状バックアップ部材を付加する等の構造であっても、設計変更自由である。
【0018】
次に、回転軸シールの製法について、図3〜図7に基づいて以下説明する。
図3〜図5に於て、21は下型としての第1金型、22は中型としての第2金型、23は上型としての第三金型を示し、前述のゴム部材6を加熱加圧にて加硫焼付けする加硫用金型装置Fの要部を構成している。27はアウターケース7を作製するための中間金属部材(中間製品)であり、金属板を打抜いて塑性加工によって、図3に示す如く、内鍔部7bから先端(下方)側へ拡径するテーパ状円錐壁部24が連設された、いわば倒立植木鉢状に予め成型しておく。
また、円錐壁部24の最先端領域Yは予め内周面側を薄く切欠き(切削除去)して、肉薄壁部に形成されている。しかも、その後の加硫焼付けのために、この中間金属部材27は全面にわたって、予め接着剤を塗布しておく。
【0019】
図1にて既に説明した、円筒壁部7aと内鍔部7bとかしめ折曲部7cとを有するアウターケース7を、作製するための中間金属部材27を、図3のように、(倒立植木鉢状として)下型としての第一金型21に被せるように装入する。言い換えると、円錐壁部24を第一金型21によって内部から受ける。この際、中間金属部材27は断面ハの字状(フレア型)の円錐壁部24を有しているので、第一金型(下型)21への装着は、容易であるという利点がある。
【0020】
第二金型22は図3中の矢印Pのように下方へ移動して、図4と図5のように中間金属部材27の円錐壁部24を外側から受けて、この円錐壁部24を弾性変形にて円筒形状に保持する。
第二金型22についてさらに詳しく説明する。この第二金型22は上記円錐壁部24の先端近傍Xがゴム被覆されるのを阻止する環状凸部25を備えている。そして、予め全面に接着剤を塗布してある上述の中間金属部材27において、該円錐壁部24がその後のかしめ加工にてかしめ折曲部7cに形成されるべき円錐壁部24の最先端領域Yに対応して、塗布した接着剤に接触するのを、図5に示す如く、(最終型締め状態は勿論のこと全加硫工程中に於て)接触するのを避けるための逃げ部26を、第二金型22は有している。この逃げ部26は、上記環状凸部25に隣接して、環状凸部25より先端側(下方側)に形成される。
【0021】
さらに、第二金型22が、予め接着剤を塗布した中間金属部材27のテーパ状円錐壁部24を、(図3から図4と図5のように)円筒形に弾性変形させつつ、第一金型21に対して相対移動する───図例では矢印P方向に下降する───際に、円錐壁部24に塗布した接着剤を剥ぎ取らないための(図4(A)に半径R1 にて示した)アール部28を、環状凸部25の先端側(逃げ部26側)角部に、形成している。
このようにアール部28を有する環状凸部25を、内周面に備えた(環状の)第二金型22を矢印P方向へ移動させてゆくと、中間金属部材27の円錐壁部24は、円筒形となるように縮径方向へ弾性変形するが、予め塗布されていた接着剤はアール部28の存在によって、剥がされることが防止される。
【0022】
図4の状態からさらに(矢印P方向へ)第二金型22を移動させて、第一金型21の底面29に当接させ、生ゴムの環状ゴム材料Qを、図4のように投入し、次に図5に示すように(上型としての)第三金型23を下降して、金型装置Fを閉じる。図5では、上記ゴム材料Qを図示省略したが、キャビティC内には充填されている。金型装置Fは加熱手段にて加熱されているので、所定時間、図5の状態を保って、加熱加圧状態で、中間金属部材27にゴムを加硫焼付する。
【0023】
ところで、中間金属部材27の円錐壁部24は、図5に示すように円筒形に弾性変形することで、外径方向へ弾発的復元力を発生する。この弾発的復元力にて、第二金型22の環状凸部25に、円筒形状の円錐壁部24の外周面は、強く、圧接した状態を保っている。
【0024】
第三金型23によって押圧されて第二金型22の内面と円錐壁部24の間の間隙部30は流入するゴム材料を、この円錐壁部24の外周面が環状凸部25の圧接した状態で、阻止し、これによって先端近傍Xをゴム非被覆部分G(図1と図2参照)となるようにして、内鍔部7b、及び、円筒壁部7a───円筒状に弾性変形している円錐壁部24───の外周面の所定部位に、ゴム材料を加硫焼付けにて、被覆する。
言い換えると、図3のように中間金属部材27はフレア加工され、先端(下方)側へ拡径テーパ状円錐壁部24を備え、これを第二金型22の環状凸部25にて内径方向に押圧するので、その反力として、弾性変形した円錐壁部24の弾発的復元力にて、環状凸部25と、円錐壁部24の外周面とを圧接させた状態にてゴム材料を押圧流入させ、ゴム材料の流入を環状凸部25の位置で止め、これによって、先端近傍Xの範囲はゴム非被覆部分Gに形成する。この点につき従来と比較すれば、従来の図8のように、薄肉ゴム被膜47にて残部を被覆しても良い構成ならば、ゴムの流入を阻止する必要は全く無かったといえる。
【0025】
図5に示した加硫金型装置Fを閉じて、所定時間加熱加圧状態を保って、ゴム材料を中間金属部材27の所定箇所にのみ加硫焼付けして、一体化し、その後、加硫金型装置Fを開放して取出した半製品Hの内部に、図6に示すように、シールエレメント8とインナーケース9を嵌込み、低圧側端部10───最先端領域Y───を、図7の矢印Kのようにかしめ加工にて折曲げて、シールエレメント8とインナーケース9を組立て、図1と図2にて述べたような構成の回転軸シールS0 を作製する。なお、この図6から図7に示したかしめ折曲部7cを形成する工程で、アウターケース7の円筒壁部7aが円筒形に成形される。なお、図例では、内鍔部7bが受圧側(高圧側)かつかしめ折曲部7cが低圧側の場合を示したが、これに限定されず、高圧・低圧が逆となる場合もありえる(図示省略)が、その際は、リップ部5の方向は逆方向を向くこととなる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は上述の構成によって次のような著大な効果を奏する。
(請求項1によれば、)かしめ折曲部7cは(ゴム被覆されずに)接着剤薄膜を介して、止め輪15に接触し、ほとんど金属同士の接触状態となり、流体収納室3側から圧力が作用した際、シールS0 全体が軸心Lと平行な方向(低圧側4)へ動かず、常に安定姿勢を保つことができる。つまり、(図8に示したような)薄肉ゴム被膜47を介して止め輪45に接触する場合のシールリップ部35やシールエレメント38の回転軸32との不安定な接触を防止できる。従って、本発明に係る回転軸シールS0 は、常に安定したシール性能を発揮できると共に、耐久性にも優れている。
しかも、金属製アウターケース7のゴム非被覆部分Gの錆の発生については、接着剤薄膜によって防止されている。この接着剤薄膜はゴム部材6をアウターケース7へ加硫焼付するための前処理において塗布すればよいので、製造上簡単に被覆状に形成可能である。
【0027】
(請求項2によれば、)中間金属部材27が先端側へ拡径するテーパ状円錐壁部24を有する形状であるので、この円錐壁部24を内部から受ける第一金型21への装着作業がスムースに迅速に行い得る。
そして、自由状態でテーパ状の円錐壁部24が、円筒形に弾性変形して第二金型22の環状凸部25に対し、弾発的復元力にて圧接させた状態で、ゴム材料を阻止するので、確実にゴムの流れを止めることができ、先端近傍X───かしめ折曲部7c───が薄肉ゴム被膜が付着形成されることを、防止できる。
【0028】
(請求項3によれば、)テーパ状の円錐壁部24の外面から、予め塗布した接着剤を剥ぎ取ることがないので、その後のゴムの加硫焼付強度が十分に確保できる。
(請求項4によれば、)最終製品(回転軸シールS0 )のかしめ折曲部7cを形成すべき最先端領域Yに対し、第二金型22は全く接触することがないため、このかしめ折曲部7cの接着剤は剥離せず、防錆効果も十分に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す断面側面図である。
【図2】要部拡大断面側面図である。
【図3】本発明に係る回転軸シールの製法の実施の一形態を示す説明図である。
【図4】金型の形状と構成を示すと共に製法を示す説明図である。
【図5】金型装置を閉じた状態を示す説明図である。
【図6】その後の組立工程の説明図である。
【図7】その後のかしめ加工を示す説明図である。
【図8】従来例を示す断面側面図である。
【符号の説明】
5 シールリップ部
6 ゴム部材
7 アウターケース
7a 円筒壁部
7b 内鍔部
7c かしめ折曲部
8 シールエレメント
10 低圧側端部
16 内鍔包囲壁部
17 外周面
18 外周壁部
21 第一金型
22 第二金型
23 第三金型
24 円錐壁部
25 環状凸部
26 逃げ部
27 中間金属部材
28 アール部
S0 回転軸シール
G ゴム非被覆部分
F 加硫用金型装置
X 先端近傍
Y 最先端領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸シール、及び、その回転軸シールの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、カーエアコン用コンプレッサ等に於て、高速回転する回転軸の外周面とケーシング(ハウジンング)との間を密封するための回転軸シールSとしては、図8に示すような構造のものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
即ち、図8に示す回転軸シールSは、コンプレッサ等のケーシング(ハウジング)31と回転軸32との間に介装され、流体収納室33側に収納されている流体を、低圧側34に対して、密封するもので、回転軸32に摺接するゴム製シールリップ部35を有するゴム部材36を、(金属製)アウターケース37に一体化した主要部Mを備え、かつ、この主要部Mの内径側に、樹脂製のシールエレメント38と金具(インナーケース)39を、上記アウターケース37の低圧側端部40のかしめ(折曲)加工にて、把持固定して組立てられている。
【0003】
アウターケース37は、円筒壁部37aと受圧側(流体収納室側)内鍔部37bと低圧側かしめ折曲部37c(上記低圧側端部40)とを、有する。そして、ハウジング31には段付部43と小凹溝44を有し、上記受圧側内鍔部37bが、ゴム部材36の一部を介して、段付部43に対面すると共に、抜け止め用止め輪45にて、この回転軸シールSの低圧側34への移動を阻止して、装着されている。
【0004】
ところで、図8に示すようにアウターケース37は、全面にわたってゴム部材36で被覆されている。つまり、シールリップ部35の基部は、受圧側内鍔部37bを被覆し、また、ハウジング31の内面との密封のために、円筒状ゴム部46は円筒壁部37aの外周面の大半部を被覆し、そして、低圧側かしめ折曲部37c、及び、円筒壁部37aの内周面は、薄肉ゴム被覆47にて被覆されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−305774号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の図8に示すような回転軸シールSでは、回転軸シールSの固定が不安定となるという問題が発生する。即ち、流体収納室33側の圧力が上昇し(加圧時)、シールSは図8の右方(低圧側34)へ押圧された際、アウターケース37のかしめ折曲部37cは、薄肉ゴム被膜47を介して、止め輪45で受持される。このとき、薄肉ゴム被膜47の弾性変形に伴ってアウターケース37が軸心L方向へ変位して、シールリップ部35及びシールエレメント38の回転軸32に対する接触状態が不安定となり、これにより、シール寿命に影響が及ぶことが判った。
【0007】
このような問題を解決して、安定して止め輪(スナップリング)にてハウジング内に保持できる回転軸シールを提供することを本発明の目的とする。さらに、図8のように薄肉ゴム被膜47にて金属製アウターケース37の低圧側かしめ折曲部37cを被覆している場合に比較しても十分に発錆を防止することを本発明の他の目的とする。
そして、このようにハウジング内に安定して保持可能で、かつ、発錆を防止した回転軸シールを、能率的に製造することを本発明の別の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明は、円筒壁部と内鍔部とかしめ折曲部とを有するアウターケース、及び、上記内鍔部を被覆すると共にシールリップ部を有しかつ上記円筒壁部の外周面を被覆する外周壁部を有するゴム部材を、具備した回転軸シールに於て、上記ゴム部材の上記外周壁部は、上記アウターケースの上記円筒壁部における上記内鍔部側から中間位置にわたって配設され、上記アウターケースのゴム非被覆部分は、接着剤薄膜にて被覆されている。
【0009】
そして、本発明に係る回転軸シールの製法は、円筒壁部と内鍔部とかしめ折曲部とを有するアウターケースを作製するための中間金属部材が、上記内鍔部から先端側へ拡径するテーパ状円錐壁部が連設された形状に予め塑性加工され、次に、該円錐壁部を第一金型で内部から受けると共に、該円錐壁部の先端近傍がゴム被覆されるのを阻止する環状凸部を有する第二金型によって上記円錐壁部を円筒形に弾性変形させ、該円錐壁部の弾発的復元力にて上記環状凸部と該円錐壁部の外周面とを圧接させた状態にて、ゴム材料を押圧流入して被覆させる方法である。
【0010】
また、第二金型が、予め接着剤を塗布した中間金属部材の円錐壁部を円筒形に弾性変形させつつ、第一金型に対して相対移動する際に、塗布した上記接着剤を剥ぎ取らないためのアール部を、上記環状凸部の角部に、形成した。
また、第二金型が、予め接着剤を塗布した中間金属部材の円錐壁部がその後のかしめ加工にて上記かしめ折曲部に形成される最先端領域に対応して、塗布した上記接着剤に接触するのを避けるための逃げ部を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
図1と図2は本発明に係る回転軸シールS0 断面側面図と要部拡大断面側面図を示す。この図1と図2に示す実施の形態に於て、自動車のコンプレッサ等のハウジング1と回転軸2との間に介装され、流体収納室3側に収納されている流体を、低圧側4に対して密封する。
【0012】
回転軸2に摺接するゴム製シールリップ部5を有するゴム部材6が、金属製のアウターケース7に一体化され、このゴム部材6とアウターケース7にて(シール)主要部M0 が構成される。
このシール主要部M0 の内径側に、PTFE等の樹脂製であって、螺旋溝20を有するシールエレメント8と金属製インナーケース9を、アウターケース7の低圧側端部10(図6と図7参照)のかしめ(折曲)加工によって、把持固定している。
【0013】
アウターケース7は、円筒壁部7aと(流体収納室側)内鍔部7bとかしめ折曲部7c───低圧側端部40───とを、有する。
そして、ハウジング1の孔部内周面には、段付部13と小凹溝14を有し、内鍔部7bが、ゴム部材6の一部を介して、段付部13に対面すると共に、スナップリング等の抜け止め用止め輪15にて、この回転軸シールS0 の低圧側4への移動を阻止するように、装着されている。言い換えると、シールS0 は、段付部13と止め輪15によって、軸心L方向への移動を阻止するよう、挾持されている。
【0014】
また、ゴム部材6について具体的に説明すれば、アウターケース7の内鍔部7bを被覆する断面U字状の内鍔包囲壁部16と、この内鍔包囲壁部16から流体収納室3側へ延伸して先端部が回転軸2に接触するシールリップ部5と、内鍔包囲壁部16が段付部13に対応する段付対応壁部16aに連設されてアウターケース7の円筒壁部7aの外周面17を被覆する外周壁部18とから、構成されている。このゴム部材6は後述のように成型金型内で加熱加工され、加硫焼き付けにて金属製のアウターケース7と一体化されているが、上記成型金型内へ設置する前に、アウターケース7の素材には、接着剤を全面に塗布して、その後、加硫焼付けにて強固にゴム部材6と一体化する。
【0015】
本発明に係る回転軸シールS0 では、このような加硫焼付け前に塗布した接着剤が固化した接着剤薄膜(図示省略)を、アウターケース7の内でゴム部材6が付着(被覆)していない部分───ゴム非被覆部分G───に、露出状に被覆している。言い換えれば、後述の製法によって、予め全面に塗布した接着剤がゴム非被覆部分Gに於ても、取除かれたり、傷付くことを可能な限り防止して、最終製品としても残留させる点に特徴があるといえる。
【0016】
ところで、ゴム部材6の外周壁部18は、アウターケース7の円筒壁部7aにおける内鍔部7b側から軸心L方向の中間位置にわたって配設され、かしめ折曲部7cの全面、及び、円筒壁部7aの外周面17の低圧側から所定範囲(中間位置)まで、及び、円筒壁部7aの内周面19の大半は、ゴム非被覆部分Gであって、このゴム非被覆部分Gは固化した接着剤薄膜にて被覆され、錆の発生が抑制されている。
【0017】
なお、本発明に係る回転軸シールS0 としては、円筒壁部7aと内鍔部7bとかしめ折曲部7cとを有するアウターケース7、及び、上記内鍔部7bを被覆すると共にシールリップ部5を有しかつ円筒壁部7a外周面17を被覆する外周壁部18を有するゴム部材6を、具備するものであれば良く、例えば、シールエレメント8が2枚以上有したり、インナーケース9の形状や装着向きや個数の増減は自由であり、さらに、シールリップ部5を、低圧側4にも付加した構造(2重シールや3重シール)としたり、あるいは、シールリップ部5を背面(低圧)側から受持する薄板状バックアップ部材を付加する等の構造であっても、設計変更自由である。
【0018】
次に、回転軸シールの製法について、図3〜図7に基づいて以下説明する。
図3〜図5に於て、21は下型としての第1金型、22は中型としての第2金型、23は上型としての第三金型を示し、前述のゴム部材6を加熱加圧にて加硫焼付けする加硫用金型装置Fの要部を構成している。27はアウターケース7を作製するための中間金属部材(中間製品)であり、金属板を打抜いて塑性加工によって、図3に示す如く、内鍔部7bから先端(下方)側へ拡径するテーパ状円錐壁部24が連設された、いわば倒立植木鉢状に予め成型しておく。
また、円錐壁部24の最先端領域Yは予め内周面側を薄く切欠き(切削除去)して、肉薄壁部に形成されている。しかも、その後の加硫焼付けのために、この中間金属部材27は全面にわたって、予め接着剤を塗布しておく。
【0019】
図1にて既に説明した、円筒壁部7aと内鍔部7bとかしめ折曲部7cとを有するアウターケース7を、作製するための中間金属部材27を、図3のように、(倒立植木鉢状として)下型としての第一金型21に被せるように装入する。言い換えると、円錐壁部24を第一金型21によって内部から受ける。この際、中間金属部材27は断面ハの字状(フレア型)の円錐壁部24を有しているので、第一金型(下型)21への装着は、容易であるという利点がある。
【0020】
第二金型22は図3中の矢印Pのように下方へ移動して、図4と図5のように中間金属部材27の円錐壁部24を外側から受けて、この円錐壁部24を弾性変形にて円筒形状に保持する。
第二金型22についてさらに詳しく説明する。この第二金型22は上記円錐壁部24の先端近傍Xがゴム被覆されるのを阻止する環状凸部25を備えている。そして、予め全面に接着剤を塗布してある上述の中間金属部材27において、該円錐壁部24がその後のかしめ加工にてかしめ折曲部7cに形成されるべき円錐壁部24の最先端領域Yに対応して、塗布した接着剤に接触するのを、図5に示す如く、(最終型締め状態は勿論のこと全加硫工程中に於て)接触するのを避けるための逃げ部26を、第二金型22は有している。この逃げ部26は、上記環状凸部25に隣接して、環状凸部25より先端側(下方側)に形成される。
【0021】
さらに、第二金型22が、予め接着剤を塗布した中間金属部材27のテーパ状円錐壁部24を、(図3から図4と図5のように)円筒形に弾性変形させつつ、第一金型21に対して相対移動する───図例では矢印P方向に下降する───際に、円錐壁部24に塗布した接着剤を剥ぎ取らないための(図4(A)に半径R1 にて示した)アール部28を、環状凸部25の先端側(逃げ部26側)角部に、形成している。
このようにアール部28を有する環状凸部25を、内周面に備えた(環状の)第二金型22を矢印P方向へ移動させてゆくと、中間金属部材27の円錐壁部24は、円筒形となるように縮径方向へ弾性変形するが、予め塗布されていた接着剤はアール部28の存在によって、剥がされることが防止される。
【0022】
図4の状態からさらに(矢印P方向へ)第二金型22を移動させて、第一金型21の底面29に当接させ、生ゴムの環状ゴム材料Qを、図4のように投入し、次に図5に示すように(上型としての)第三金型23を下降して、金型装置Fを閉じる。図5では、上記ゴム材料Qを図示省略したが、キャビティC内には充填されている。金型装置Fは加熱手段にて加熱されているので、所定時間、図5の状態を保って、加熱加圧状態で、中間金属部材27にゴムを加硫焼付する。
【0023】
ところで、中間金属部材27の円錐壁部24は、図5に示すように円筒形に弾性変形することで、外径方向へ弾発的復元力を発生する。この弾発的復元力にて、第二金型22の環状凸部25に、円筒形状の円錐壁部24の外周面は、強く、圧接した状態を保っている。
【0024】
第三金型23によって押圧されて第二金型22の内面と円錐壁部24の間の間隙部30は流入するゴム材料を、この円錐壁部24の外周面が環状凸部25の圧接した状態で、阻止し、これによって先端近傍Xをゴム非被覆部分G(図1と図2参照)となるようにして、内鍔部7b、及び、円筒壁部7a───円筒状に弾性変形している円錐壁部24───の外周面の所定部位に、ゴム材料を加硫焼付けにて、被覆する。
言い換えると、図3のように中間金属部材27はフレア加工され、先端(下方)側へ拡径テーパ状円錐壁部24を備え、これを第二金型22の環状凸部25にて内径方向に押圧するので、その反力として、弾性変形した円錐壁部24の弾発的復元力にて、環状凸部25と、円錐壁部24の外周面とを圧接させた状態にてゴム材料を押圧流入させ、ゴム材料の流入を環状凸部25の位置で止め、これによって、先端近傍Xの範囲はゴム非被覆部分Gに形成する。この点につき従来と比較すれば、従来の図8のように、薄肉ゴム被膜47にて残部を被覆しても良い構成ならば、ゴムの流入を阻止する必要は全く無かったといえる。
【0025】
図5に示した加硫金型装置Fを閉じて、所定時間加熱加圧状態を保って、ゴム材料を中間金属部材27の所定箇所にのみ加硫焼付けして、一体化し、その後、加硫金型装置Fを開放して取出した半製品Hの内部に、図6に示すように、シールエレメント8とインナーケース9を嵌込み、低圧側端部10───最先端領域Y───を、図7の矢印Kのようにかしめ加工にて折曲げて、シールエレメント8とインナーケース9を組立て、図1と図2にて述べたような構成の回転軸シールS0 を作製する。なお、この図6から図7に示したかしめ折曲部7cを形成する工程で、アウターケース7の円筒壁部7aが円筒形に成形される。なお、図例では、内鍔部7bが受圧側(高圧側)かつかしめ折曲部7cが低圧側の場合を示したが、これに限定されず、高圧・低圧が逆となる場合もありえる(図示省略)が、その際は、リップ部5の方向は逆方向を向くこととなる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は上述の構成によって次のような著大な効果を奏する。
(請求項1によれば、)かしめ折曲部7cは(ゴム被覆されずに)接着剤薄膜を介して、止め輪15に接触し、ほとんど金属同士の接触状態となり、流体収納室3側から圧力が作用した際、シールS0 全体が軸心Lと平行な方向(低圧側4)へ動かず、常に安定姿勢を保つことができる。つまり、(図8に示したような)薄肉ゴム被膜47を介して止め輪45に接触する場合のシールリップ部35やシールエレメント38の回転軸32との不安定な接触を防止できる。従って、本発明に係る回転軸シールS0 は、常に安定したシール性能を発揮できると共に、耐久性にも優れている。
しかも、金属製アウターケース7のゴム非被覆部分Gの錆の発生については、接着剤薄膜によって防止されている。この接着剤薄膜はゴム部材6をアウターケース7へ加硫焼付するための前処理において塗布すればよいので、製造上簡単に被覆状に形成可能である。
【0027】
(請求項2によれば、)中間金属部材27が先端側へ拡径するテーパ状円錐壁部24を有する形状であるので、この円錐壁部24を内部から受ける第一金型21への装着作業がスムースに迅速に行い得る。
そして、自由状態でテーパ状の円錐壁部24が、円筒形に弾性変形して第二金型22の環状凸部25に対し、弾発的復元力にて圧接させた状態で、ゴム材料を阻止するので、確実にゴムの流れを止めることができ、先端近傍X───かしめ折曲部7c───が薄肉ゴム被膜が付着形成されることを、防止できる。
【0028】
(請求項3によれば、)テーパ状の円錐壁部24の外面から、予め塗布した接着剤を剥ぎ取ることがないので、その後のゴムの加硫焼付強度が十分に確保できる。
(請求項4によれば、)最終製品(回転軸シールS0 )のかしめ折曲部7cを形成すべき最先端領域Yに対し、第二金型22は全く接触することがないため、このかしめ折曲部7cの接着剤は剥離せず、防錆効果も十分に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す断面側面図である。
【図2】要部拡大断面側面図である。
【図3】本発明に係る回転軸シールの製法の実施の一形態を示す説明図である。
【図4】金型の形状と構成を示すと共に製法を示す説明図である。
【図5】金型装置を閉じた状態を示す説明図である。
【図6】その後の組立工程の説明図である。
【図7】その後のかしめ加工を示す説明図である。
【図8】従来例を示す断面側面図である。
【符号の説明】
5 シールリップ部
6 ゴム部材
7 アウターケース
7a 円筒壁部
7b 内鍔部
7c かしめ折曲部
8 シールエレメント
10 低圧側端部
16 内鍔包囲壁部
17 外周面
18 外周壁部
21 第一金型
22 第二金型
23 第三金型
24 円錐壁部
25 環状凸部
26 逃げ部
27 中間金属部材
28 アール部
S0 回転軸シール
G ゴム非被覆部分
F 加硫用金型装置
X 先端近傍
Y 最先端領域
Claims (4)
- 円筒壁部(7a)と内鍔部(7b)とかしめ折曲部(7c)とを有するアウターケース(7)、及び、上記内鍔部(7b)を被覆すると共にシールリップ部(5)を有しかつ上記円筒壁部(7a)の外周面(17)を被覆する外周壁部(18)を有するゴム部材(6)を、具備した回転軸シールに於て、上記ゴム部材(6)の上記外周壁部(18)は、上記アウターケース(7)の上記円筒壁部(7a)における上記内鍔部(7b)側から中間位置にわたって配設され、上記アウターケース(7)のゴム非被覆部分(G)は、接着剤薄膜にて被覆されていることを特徴とする回転軸シール。
- 円筒壁部(7a)と内鍔部(7b)とかしめ折曲部(7c)とを有するアウターケース(7)を作製するための中間金属部材(27)が、上記内鍔部(7b)から先端側へ拡径するテーパ状円錐壁部(24)が連設された形状に予め塑性加工され、次に、該円錐壁部(24)を第一金型(21)で内部から受けると共に、該円錐壁部(24)の先端近傍(X)がゴム被覆されるのを阻止する環状凸部(25)を有する第二金型(22)によって上記円錐壁部(24)を円筒形に弾性変形させ、該円錐壁部(24)の弾発的復元力にて上記環状凸部(25)と該円錐壁部(24)の外周面とを圧接させた状態にて、ゴム材料を押圧流入して被覆させることを特徴とする回転軸シールの製法。
- 第二金型(22)が、予め接着剤を塗布した中間金属部材(27)の円錐壁部(24)を円筒形に弾性変形させつつ、第一金型(21)に対して相対移動する際に、塗布した上記接着剤を剥ぎ取らないためのアール部(28)を、上記環状凸部(25)の角部に、形成した請求項2記載の回転軸シールの製法。
- 第二金型(22)が、予め接着剤を塗布した中間金属部材(27)の円錐壁部(24)がその後のかしめ加工にて上記かしめ折曲部(7c)に形成される最先端領域(Y)に対応して、塗布した上記接着剤に接触するのを避けるための逃げ部(26)を有する請求項2又は3記載の回転軸シールの製法。
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JP2012097706A (ja) * | 2010-11-05 | 2012-05-24 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 可変動弁装置のアクチュエータ |
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2002
- 2002-09-11 JP JP2002265282A patent/JP2004100860A/ja active Pending
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