JP2004100802A - 吸気弁 - Google Patents

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Naoshi Shimoda
霜田 直志
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Maezawa Kasei Kogyo KK
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Maezawa Kasei Kogyo KK
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Abstract

【課題】小型化が可能な吸気弁を提供する。
【解決手段】弁本体8の弁室7の下部に通気管2に連通される下側開口部4を設ける。上部開口17の周縁部に弁座部18を備えた有底円筒体16を弁本体8の弁室7内に設ける。弁座部18に接離して有底円筒体16の上部開口17を開閉する弁体25を弁室7内に進退可能に設ける。有底円筒体16の側部に連通する吸気口21を弁本体8の側部に開口する。弁本体8の下部に吸気口21を設けるスペースを取る必要がないため、吸気弁1の小型化が可能になる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気管に連通される開口部を備えた吸気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の吸気弁としては、弁室を有する弁本体の下部に、通気管に連通される開口部、および、外気が吸引される吸気口が設けられており、弁室内の吸気口の周縁部には、弁室内に突出した弁座部が設けられ、かつこの弁座部には、この弁座部に接離して吸気口を開閉する弁体が進退可能に設けられた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3243463号公報(第3頁、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の吸気弁では、開口部および吸気口をともに弁本体の弁室の下部に設けたことにより、弁本体の下部の面積を開口部の面積および吸気口の面積の和よりも大きくしなければならず、設置スペースが大きくなるとともに、設置場所によっては吸気弁が取り付けられないこともある。
【0005】
また、戸建住宅の場合には、いわゆる伸頂通気方式のように1箇所で通気を採る際に、通気管から距離がある器具トラップの封水が排水管路内に吸引されることがあるため、各器具トラップに通気を採る方式、いわゆる各個通気方式が採用されることがあり、この各個通気方式に使用可能な小型の吸気弁が要求されている。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、小型化が可能な吸気弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の吸気弁は、弁室、および、この弁室の下部に形成され通気管に連通される開口部を備えた弁本体と、この弁本体の側部に少なくとも一つ以上開口して設けられた外気を吸引する吸気口と、前記弁室内に設けられ、前記吸気口に側部が連通し、かつ上部開口の周縁部に弁座部を備えた有底筒状体と、この有底筒状体の上部開口の開口方向に沿って進退可能に前記弁室内に設けられ、前記弁座部に接離して前記有底筒状体の上部開口を開閉する弁体とを具備したものである。
【0008】
そして、弁本体の弁室の下部に通気管に連通される開口部を設け、上部開口の周縁部に弁座部を備えた有底筒状体、および、弁座部に接離して有底筒状体の上部開口を開閉する進退可能な弁体を、それぞれ弁本体の弁室内に設け、有底筒状体の側部に連通する吸気口を弁本体の側部に開口することにより、弁本体の下部に吸気口を設けるスペースを取る必要がなく、小型化が可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸気弁の第1の実施の形態の構成を図1を参照して説明する。
【0010】
図1において、1は吸気弁であり、この吸気弁1は、例えば便器、風呂場および洗面所などの個々の排水設備に接続された図示しない排水横枝管などを備えた排水管路に連通された通気管2の上端部などに接続される。
【0011】
また、この吸気弁1は、上側開口部3および開口部としての下側開口部4を有する本体部としての略円筒状の円筒体本体5を備えており、この円筒体本体5の上側開口部3には、円形キャップ状の蓋部としてのカバー体6が嵌着されて上側開口部3が閉塞されている。そして、これら円筒体本体5およびカバー体6は、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、すなわちABS樹脂などの合成樹脂によりそれぞれ成形されており、これら円筒体本体5およびカバー体6により、内部に弁室7を有した弁本体8が形成されている。
【0012】
ここで、円筒体本体5の上端側の外周部には、上側開口部3の外周全域に亘って円筒体本体5の径方向に若干突出した接着部11が設けられている。この接着部11は、カバー体6の下側開口の周縁部に全周に亘って刻設された係合凹部12と係合することにより、円筒体本体5に対してカバー体6を位置決めしている。
【0013】
また、円筒体本体5の下端側の外周部には、接着部11よりも円筒体本体5の径方向に突出した下側フランジ部13が設けられている。さらに、この下側フランジ部13の下端部には、円形状の周溝部14が刻設されており、この周溝部14内には、例えばゴムなどの弾性体にて形成された断面円形状のシールリング15が嵌合されている。
【0014】
また、弁本体8の弁室7内である円筒体本体5内の下側開口部4の上方には、この円筒体本体5の内径寸法よりも小さい外径寸法を有した有底円筒状の有底筒状体としての有底円筒体16が設けられている。この有底円筒体16は、円筒体本体5の中心軸と軸合わせされた位置、かつ円筒体本体5の下端部よりも若干上側から上方に設けられており、底面部は下側フランジ部13の上面部よりも若干上側に位置している。さらに、この有底円筒体16の上端部である上部開口17の周縁部は、円筒体本体5の上端部よりも若干上方に凸弧状に突出した弁座部18となっている。そして、この有底円筒体16の外周部の側部の一部は、円筒体本体5の内周部の一部と接合されて一体となっている。
【0015】
また、円筒体本体5と有底円筒体16との接合部である弁本体8の側部には、略矩形状の吸気口21が開口されて設けられている。この吸気口21は、円筒体本体5の中心軸について、平面視で約90°の角度をなすように開口されている。さらに、この吸気口21は、円筒体本体5の接着部11よりも下側、かつ下側フランジ部13よりも上側に設けられており、上端部がカバー体6の下端部と略面一となっている。
【0016】
このため、吸気口21から有底円筒体16の上部開口17に亘って、側面視で弁本体8の側方から上方へと屈曲された略L字状の吸気風路22が弁室7内に形成されているとともに、円筒体本体5と有底円筒体16との接合部を除く円筒体本体5の内周面と有底円筒体16の外周面および下面との間が下側開口部4へと連通された通気風路23となっている。
【0017】
また、有底円筒体16の底面部には、案内筒部としての円筒状のガイド筒部24が上方に突出して有底円筒体16と一体に設けられている。このガイド筒部24は、有底円筒体16の内径寸法よりも小さい外径寸法を有しており、有底円筒体16の中心軸と軸合わせされた位置に設けられている。
【0018】
さらに、ガイド筒部24の上端部は、円筒体本体5の上端部よりも低い位置に位置している。
【0019】
そして、ガイド筒部24には、有底円筒体16の上部開口17を開閉する弁体25が取り付けられている。この弁体25は、例えばABS樹脂などの合成樹脂で成形された円板状の弁部26を備えており、この弁部26の中心位置の下部には、案内竿部としての円柱状の弁棒27が突出して一体に設けられている。
【0020】
ここで、弁部26は、上面部が外周部に向かって徐々に下方向に傾斜した形状に形成されている。
【0021】
一方、弁棒27は、ガイド筒部24の内径寸法よりも若干小さい外径寸法、かつガイド筒部24の軸方向寸法よりも大きい軸方向寸法を有しており、ガイド筒部24に挿入されている。この弁棒27により、弁体25がガイド筒部24の開口方向である有底円筒体16の上部開口17の開口方向に沿って上下方向に進退可能となっている。
【0022】
また、弁体25の弁部26の下部の中心域である弁棒27の周囲には、円筒状の支持部31が突出して弁体25と一体に設けられている。この支持部31は、弁棒27の外径寸法よりも大きい内径寸法を有している。
【0023】
さらに、この支持部31の下端部の外周部には、この支持部31の径方向に若干突出した支持フランジ部32がこの支持部31と一体に設けられている。
【0024】
そして、支持部31の突出寸法は、弁棒27の突出寸法よりも小さく形成されており、この支持部31の突出寸法とガイド筒部24の突出寸法との和は、弁棒27の軸方向寸法よりも大きく形成されている。このため、支持フランジ部32の下端部は、弁体25の閉状態でガイド筒部24の上端部に当接し、弁棒27の下端部は、ガイド筒部24の底面部よりも若干上側に位置する。
【0025】
また、支持部31には、例えばゴムなどの弾性体で環状に形成された弾性弁体としてのゴム弁体であるゴムシート33が挿通されて取り付けられている。このゴムシート33は、このゴムシート33の下部と支持フランジ部32の上部との間に亘って支持部31に取り付けられた円環状のゴムシート押さえ体34と弁部26の下部とにより支持部31に保持されている。
【0026】
さらに、ゴムシート33は、内径寸法が支持部31の外径寸法と略等しく形成されており、外径寸法が有底円筒体16の上部開口17の外径寸法よりも大きく形成されている。
【0027】
そして、ゴムシート33は、例えば内周部側が支持部31の突出寸法の約半分程度の厚さ寸法を有する断面視矩形状に形成されており、外周部側が内周部側よりも若干厚さ寸法が小さく形成され、側面視で弁部26の下部に対して徐々に拡開状に下方向に傾斜している。このため、支持フランジ部32の下端部とゴムシート33の外周部側の下端部の間の距離寸法は、有底円筒体16の弁座部18とガイド筒部24の上端部との間の距離寸法よりも小さくなっている。
【0028】
この結果、ゴムシート33の外周部側の下端部は、弁体25の進退に応じて有底円筒体16の弁座部18に接触または離反、すなわち接離して上部開口17を開閉するとともに、弁体25の自重により弾性変形して弁体25の閉状態で有底円筒体16の上部開口17を確実に閉塞し、吸気風路22と通気風路23とを遮断する。
【0029】
さらに、カバー体6を円筒体本体5の上側開口部3に嵌着した際のカバー体6の上面内側と弁座部18との間の距離寸法は、弁部26の上端部と支持フランジ部32の下端部との間の距離寸法よりも大きく、かつ弁棒27の軸方向寸法よりも小さくなっている。そして、弁体25が開状態のときに、図1の二点鎖線に示すように、弁部26の上端部がカバー体6の上面内側と当接することにより、弁体25の上昇範囲が規制されている。
【0030】
また、吸気弁1は、一側部に図示しない開口を有する略矩形箱状の筐体41内に設けられた収容室42内に配設されて塵埃などから保護されており、この収容室42の下部には、通気管2の上端部が接続される円形状の開口部43が開口されている。この開口部43は、吸気弁1の円筒体本体5の下側開口部4に連通されており、この開口部43を介して下側開口部4が通気管2に連通される。したがって、吸気弁1は、筐体41により通気管2に接続されている。
【0031】
さらに、この開口部43の内側縁部全体には、この開口部43の内方に例えば通気管2の厚さ寸法分突出した位置決め突部44が設けられており、この位置決め突部44により、通気管2に対して筐体41が位置決めされる。
【0032】
そして、筐体41の収容室42内における開口部43の外周部には、吸気弁1の円筒体本体5の下側フランジ部13が載置される吸気弁支持面45が形成されている。
【0033】
また、筐体41の収容室42における下側フランジ部13の外方には、上方に突出した段差部51が設けられている。この段差部51は、下側フランジ部13の高さ寸法と略等しい寸法分上方に突出している。
【0034】
さらに、段差部51の上端部の側方には、水平に突出した矩形状の支持面52が設けられている。この支持面52は、下側フランジ部13の上面部と略面一となっている。
【0035】
そして、支持面52の上方には、挟持突部53が支持面52と平行に収容室42内に突出して設けられており、この挟持突部53の下面部の一部には、下方向に若干突出した突出部54が設けられている。
【0036】
また、支持面52と挟持突部53との間には、下部にテーパ面55を有した略矩形状の楔体56が嵌合される。この楔体56は、例えばABS樹脂などの合成樹脂で成形されている。また、この楔体56は、上部に嵌合溝57を有しており、この嵌合溝57に挟持突部53の突出部54が嵌合することにより、楔体56が支持面52と挟持突部53との間に係止される。
【0037】
さらに、楔体56は、吸気弁1の円筒体本体5の下側フランジ部13の上面にまで突出しており、この楔体56と吸気弁支持面45とにより下側フランジ部13の上下を挟持して吸気弁1を抜け止めするとともに、下側フランジ部13の周溝部14に取り付けたシールリング15の下端部を吸気弁支持面45に圧接して、吸気弁1と筐体41の収容室42との間の気密性を保持している。
【0038】
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
【0039】
図1に示すように、弁体25のゴムシート33は、常時弁体25およびゴムシート33の自重により下降しており、ゴムシート33の下面部が弁座部18に密接することにより上部開口17を閉塞して吸気風路22と通気風路23とを遮断している。この状態では、通気管2内の臭気が漏出しない。
【0040】
また、図示しない各排水設備から急激に排水されて通気管2内が負圧状態になると、この通気管2に連通された弁室7の内部も負圧状態になり、外気圧と弁室7内の気圧の差圧により弁体25が外気により押し上げられて上部開口17が開口し、吸気口21から外気を吸引する。
【0041】
吸引された空気は、吸気風路22、上部開口17および通気風路23を経由して下側開口部4から通気管2内に吸引され、この通気管2内の負圧状態を解消する。この結果、各排水設備の図示しない器具トラップに常時貯留されている封水が吸引されて封水破壊が生じることがない。
【0042】
そして、通気管2内の負圧状態が解消されることにより通気管2内が通常に気圧に戻ると、弁体25の弁棒27がガイド筒部24に案内されて自重で下降し、弁体25のゴムシート33が弁座部18に当接して上部開口17が閉塞される。このとき、ゴムシート33の弾性により上部開口17が確実に密封されて通気管2内の不快な臭気などが吸気弁1の外部に漏出することがない。
【0043】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、通気管2に連通される下側開口部4を弁本体8の弁室7の下部に設け、この弁室7内に設けた有底円筒体16の側部に連通する吸気口21を弁本体8の側部に開口することにより、弁本体8の下部に吸気口21を設けるスペースを取る必要がないため、吸気弁1を小型化できる。
【0044】
さらに、弁座部18を上方に突出した凸弧状としたことにより、弁座部18とゴムシート33とが線接触するため、この弁座部18とゴムシート33との接触部に弁体25およびゴムシート33の自重が確実にかかってゴムシート33が弾性変形するので、上部開口17をより確実に遮断できる。
【0045】
そして、円筒体本体5の接着部11をカバー体6の下側開口の周縁部の係合凹部12と係合させて円筒体本体5に対してカバー体6を位置決めすることにより、弁室7内の有底円筒体16の上部開口17の弁座部18の上端部とカバー体6の上面内側との間の距離を決定し、弁体25の上昇範囲を確実に規制できる。
【0046】
また、円筒体本体5の下側フランジ部13の上面にまで楔体56を突出させ、この楔体56と吸気弁支持面45とにより下側フランジ部13の上下を挟持することにより吸気弁1を確実に抜け止めできるとともに、筐体41の吸気弁支持面45に、下側フランジ部13の周溝部14に取り付けたシールリング15の下端部を圧接させて、吸気弁1と筐体41の収容室42との間の気密性を保持でき、通気管2内の不快な臭気が吸気弁1の外部に漏出することを防止できる。
【0047】
さらに、吸気弁1を通気管2に取り付けたことにより、通気管2内が外気よりも負圧状態になった際に、この吸気弁1により外気を通気管2内に吸引して各排水設備の器具トラップの封水破壊を防止できるとともに、通気管2内が負圧状態でない際には、弁体25により吸気風路22と通気風路23とを遮断して通気管2内の不快な臭気などが外部に漏出することを防止できる。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態を図2を参照して説明する。
【0049】
この図2に示す実施の形態は、上記図1に示す実施の形態と基本的に同様の構成を有しているが、カバー体6の上面内側に下方に突出して円筒状のガイド筒部61が設けられている。
【0050】
また、弁体25は、弁部26の中心部の上方に円柱状の弁棒62を有しており、弁部26の中心部の下方には、円柱状の係合突出部63が突出して設けられている。この弁棒62は、ガイド筒部61の内径寸法よりも若干小さい外径寸法を有しており、ガイド筒部61に挿入されて有底円筒体16の上部開口17の開口方向に沿って上下方向に進退可能となっている。
【0051】
さらに、ゴムシート33は、上面部から下側に突出した半球状の嵌合部64を中心部に備えた平面視略円形状に形成されており、この嵌合部64に弁部26の係合突出部63が嵌合することにより、ゴムシート33が弁体25に保持されている。
【0052】
そして、通気管2内が負圧状態になると、この通気管2に連通された弁室7の内部も負圧状態になり、上記第1の実施の形態と同様に、外気圧と弁室7内の気圧の差圧により弁体25が外気により図2に示す二点鎖線の位置に押し上げられて上部開口17が開口し、吸気口21から外気を吸引して通気管2内の負圧状態を解消する。
【0053】
このとき、弁体25の弁棒62がカバー体6の上面内側に設けられたガイド筒部61により上方向に案内されて、弁体25が上部開口17の開口方向に上昇する。
【0054】
この後、通気管2内の負圧状態が解消されることにより通気管2内が通常に気圧に戻ると、弁体25は自重で下降し、弁体25のゴムシート33が弁座部18に当接して上部開口17が閉塞される。
【0055】
上述したように、上記第2の実施の形態によれば、通気管2に連通される下側開口部4を弁本体8の弁室7の下部に設け、この弁室7内に設けた有底円筒体16の側部に連通する吸気口21を弁本体8の側部に開口するなど上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0056】
また、ガイド筒部61をカバー体6の上面内側に設けることにより、吸気風路22内を広くすることができ、外気をより円滑に吸気弁1内に吸引できるとともに、弁本体8内の構造が簡略化されるので、弁本体8をより容易に製造できる。
【0057】
次に、本発明の第3の実施の形態を図3を参照して説明する。
【0058】
この図3に示す実施の形態は、上記図1に示す実施の形態と基本的に同様の構成を有しているが、吸気口21が、弁本体8の中心軸について対称な位置に複数、例えば2箇所に設けられている。
【0059】
そして、通気管2内が負圧状態になると、この通気管2に連通された弁室7の内部も負圧状態になり、上記第1の実施の形態と同様に、外気圧と弁室7内の気圧の差圧により弁体25が外気により押し上げられて上部開口17が開口する。
【0060】
さらに、弁本体8の側部の2箇所に設けた吸気口21から外気を迅速に吸引して通気管2内の負圧状態を迅速に解消する。
【0061】
一方、通気管2内の負圧状態が解消されることにより通気管2内が通常に気圧に戻ると、弁体25の弁棒27がガイド筒部24に案内されて自重で下降し、弁体25のゴムシート33が弁座部18に当接して上部開口17が閉塞される。
【0062】
上述したように、上記第3の実施の形態によれば、通気管2に連通される下側開口部4を弁本体8の弁室7の下部に設け、この弁室7内に設けた有底円筒体16の側部に連通する吸気口21を弁本体8の側部に開口するなど上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0063】
また、吸気口21を弁本体8の側部に中心軸について対称な位置に複数設けることにより、通気管2内が外気圧よりも負圧状態になった際に、外気を複数の吸気口21から迅速に吸引できる。
【0064】
なお、上記第3の実施の形態において、吸気口21を弁本体8の中心軸について対称な位置に2箇所に設けて外気を各吸気口21から均等に吸引したが、弁本体8の側部に複数設ければ、吸気口21はそれぞれ対称な位置に設けなくてもよい。
【0065】
また、吸気弁1の設置条件などに応じて、吸気口21を弁本体8の側部に3つ以上設けてもよい。
【0066】
さらに、有底円筒体16を弁本体8内における吸気口21側に寄せて配設し、通気風路23をより広く確保できるようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
請求項1記載の吸気弁によれば、弁本体の弁室の下部に通気管に連通される開口部を設け、上部開口の周縁部に弁座部を備えた有底筒状体、および、弁座部に接離して有底筒状体の上部開口を開閉する進退可能な弁体を、それぞれ弁本体の弁室内に設け、有底筒状体の側部に連通する吸気口を弁本体の側部に開口することにより、弁本体の下部に吸気口を設けるスペースを取る必要がなく、小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸気弁の第1の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の吸気弁の第2の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図3】本発明の吸気弁の第3の実施の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1  吸気弁
2  通気管
4  開口部としての下側開口部
7  弁室
8  弁本体
16  有底筒状体としての有底円筒体
17  上部開口
18  弁座部
21  吸気口
25  弁体

Claims (1)

  1. 弁室、および、この弁室の下部に形成され通気管に連通される開口部を備えた弁本体と、
    この弁本体の側部に少なくとも一つ以上開口して設けられた外気を吸引する吸気口と、
    前記弁室内に設けられ、前記吸気口に側部が連通し、かつ上部開口の周縁部に弁座部を備えた有底筒状体と、
    この有底筒状体の上部開口の開口方向に沿って進退可能に前記弁室内に設けられ、前記弁座部に接離して前記有底筒状体の上部開口を開閉する弁体と
    を具備したことを特徴とした吸気弁。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052745A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Aron Kasei Co Ltd 排水用通気弁
JP2012052316A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Daisa:Kk 衛生通気口装置
JP2017082553A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 株式会社キッツ 通気一体型継手
CN114033879A (zh) * 2021-11-25 2022-02-11 永高股份有限公司 一种排水系统用吸气阀

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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