JP2004100488A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気筒休止機構を有するエンジンにおいて、気筒の休止状態からの復帰時の異常が生じた場合でも、触媒の過加熱を防止することが可能なエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】気筒休止機構を有するエンジンにおいて、気筒の休止状態から作動状態への復帰時には、気筒の休止状態の復帰処理が完了するまで、フューエルカットを禁止する。気筒の休止状態からの復帰時には、吸気弁に異常が生じて一時的に休止したままとなった後に作動を開始した場合、休止中に噴射された燃料が過剰燃料として排気側へ排出される。これと同時にフューエルカットが実行されると、フューエルカットにより燃焼を伴わない空気が排気側へ排出される。その結果、過剰燃料と空気により触媒が反応を生じ、過加熱などを生じる危険性がある。そこで、休止気筒の復帰時にフューエルカットの要求がなされた場合は、復帰処理が完了するまではフューエルカットを禁止する。
【選択図】   図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒休止機構を有するエンジンの制御装置に関し、特に気筒の休止状態からの復帰動作に異常が発生した場合の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃費向上などの観点から、比較的多数の気筒を有するエンジンにおいて、その一部の気筒を休止させる気筒休止機構を備えたエンジンが知られている。なお、一部の気筒が休止した状態を以下、「減筒状態」とも呼ぶ。気筒の休止は、一般的に、ECU(Engine Control Unit)からの気筒休止指示に応答して、指定された気筒の排気弁及び吸気弁の少なくとも一方を閉じるとともに、当該気筒への燃料の供給を停止することにより行われる。
【0003】
しかし、気筒休止指示がなされた後、何らかの原因で排気弁や吸気弁が正しく休止動作を行わない場合がある。例えば、弁の開閉を油圧回路により行うタイプの可変動弁機構では、弁を開閉駆動させる機構に対して油圧によりロックピンなどを挿入して弁の可動状態/休止状態を切り換えるものがある。そのような場合、油圧の変動やロックピンの挿入タイミングのずれなどにより、気筒休止指示の直後に弁を正しく休止状態にできないこともある。このような弁の状態の切り換え失敗は、油圧回路を使用する可変動弁機構に限らず生じうる。また、一旦休止させた気筒を作動状態に復帰させるときにも、同様の問題が起こりうる。即ち、復帰指示がなされたにもかかわらず、弁が直ちに動作を開始しないことがある。
【0004】
減筒状態においては、休止中の気筒は弁が閉じているために吸排気はなされないとの前提の下で、作動する気筒数に対応した量の空気が他の気筒に供給される。よって、休止すべき気筒が作動していたり、復帰すべき弁が休止したままであったりというように、休止動作又は復帰動作の異常が生じると、正しく燃焼が行われず、エミッション異常が生じうる。また、失火やトルクの段差などによりドライバビリティが低下したり、混合比の異常により触媒の劣化が生じるなどの不具合が生じうる。
【0005】
このような観点から、気筒休止機構を有するエンジンにおいて、気筒休止を実行する場合、気筒の吸気弁及び排気弁が完全に停止した後に、休止気筒への燃料供給を停止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
なお、当該技術分野の水準を示す文献として、可変気筒エンジンの減筒運転中の点火時期制御を開示した特許文献2がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−140664号公報
【特許文献2】
特開平7−63148号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、電子制御式燃焼噴射制御装置を有するエンジンにおいては、エミッションの低減や燃料消費量の低減を目的として、車両が減速走行状態にあるときなどに燃料噴射を停止するフューエルカット制御が行われる。しかし、気筒休止機構を有するエンジンにおいて、気筒の休止状態からの復帰時に吸気弁に異常が生じた場合に同時にフューエルカットが実行されると、点火していない燃料と空気とが排気側に流れ、触媒と反応して過加熱を起こす可能性が考えられる。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、気筒休止機構を有するエンジンにおいて、気筒の休止状態からの復帰時の異常が生じた場合でも、触媒の過加熱を防止することが可能なエンジン制御装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、気筒休止機構を有するエンジンの制御装置において、気筒休止状態からの復帰時においてフューエルカットの要求があるときには、前記気筒休止状態からの復帰完了まで前記フューエルカットの処理を禁止する制御手段を備える。
【0011】
上記エンジンは複数の気筒のうちの幾つかを選択的に休止させる気筒休止機構を有し、エンジンの制御装置は、気筒の休止状態と作動状態とを切り換え制御する。ここで、気筒の休止状態から作動状態への復帰時において、フューエルカットの要求が生じた場合は、気筒の休止状態の復帰処理、即ち当該気筒が作動状態に移行完了するまで、フューエルカットを禁止する。
【0012】
気筒の休止状態からの復帰時には、吸気弁に異常が生じて一時的に休止したままとなった後に作動を開始した場合、吸気弁異常中に噴射された燃料は、燃焼室内に流入することなく吸気通路に滞在する。その次のサイクルで吸気弁が正常に作動すると、前のサイクルで吸気通路に滞在した燃料が燃焼室に流入する。これと同時にフューエルカットが実行されると、フューエルカットにより、前のサイクルで噴射された燃焼を伴わない燃料と多量の空気が排気側へ排出される。その結果、過剰燃料と空気により触媒が反応を生じ、過加熱などを生じる危険性がある。そこで、休止気筒の復帰時にフューエルカットの要求がなされた場合は、復帰処理が完了するまではフューエルカットを禁止することにより、上記のような問題が生じることを防止することができる。
【0013】
上記のエンジンの制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記気筒休止状態からの所定の復帰条件が具備されたときに休止気筒の復帰処理を開始する復帰開始手段と、前記復帰処理の完了を判定する判定手段と、前記復帰処理の開始後に、フューエルカット実行条件が具備されたことを検出した場合には、前記復帰処理の完了後にフューエルカットを実行する実行手段と、を備えることができる。これにより、復帰処理の完了が判定された後に限ってフューエルカットを実行するように制御が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
[エンジンの構成]
まず、本発明の適用対象となる、気筒休止機構を備えるエンジンについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンの全体構成図である。エンジン50の燃焼に必要な空気は、エアクリーナ102でろ過され、スロットルボデー105を通ってサージタンク(インテークマニホルド)111で各気筒の吸気管113に分配される。なお、その吸入空気流量は、スロットルボデー105に設けられたスロットル弁106により調節されるとともに、エアフローメータ104により計測される。また、吸入空気温度は、吸気温センサ103により検出される。さらに、吸気管圧力は、バキュームセンサ112によって検出される。
【0016】
また、スロットル弁106の開度は、スロットル開度センサ109により検出される。また、スロットル弁106が全閉状態のときには、アイドルスイッチ110がオンとなり、その出力であるスロットル全閉信号がアクティブとなる。また、スロットル弁106をバイパスするアイドルアジャスト通路107には、アイドル時の空気流量を調節するためのアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)108が設けられている。
【0017】
一方、燃料タンク115に貯蔵された燃料は、燃料ポンプ117によりくみ上げられ、燃料配管119を経て燃料噴射弁121により吸気管113に噴射される。吸気管113ではそのような空気と燃料とが混合され、その混合気は、吸気弁123を介してエンジン本体すなわち気筒(シリンダ)1に吸入される。気筒1において、混合気は、ピストンにより圧縮された後、イグナイタ及びスパークプラグにより点火されて爆発・燃焼し、動力を発生する。
【0018】
なお、点火ディストリビュータ143には、その軸が例えばクランク角(CA)に換算して720°CAごとに基準位置検出用パルスを発生するクランク角センサ145、及び30°CAごとに基準位置検出用パルスを発生するクランク角センサ147が設けられている。また、エンジン50は、冷却水通路149に導かれた冷却水により冷却され、その冷却水温度は、水温センサ151によって検出される。
【0019】
燃焼した混合気は、排気ガスとして排気弁124を介して排気マニホルド127に放出され、次いで排気管129に導かれる。なお、排気管129には、排気ガスの空燃比(A/F)を検出するA/Fセンサ131が設けられている。さらにそれより下流の排気系には、触媒コンバータ133が設けられており、その触媒コンバータ133には、排気ガス中の未燃成分の酸化と窒素酸化物の還元とを同時に促進する三元触媒が収容されている。こうして触媒コンバータ133において浄化された排気ガスが大気中に排出される。
【0020】
なお、エンジン50は、NOx (窒素酸化物)の低減を目的とするEGR(排気ガス再循環装置)付きのエンジンを想定しており、排気系とスロットル弁106より下流側の吸気系との間には、排気ガスを循環させるための通路125が設けられている。そのガス再循環量は、その通路の途中に設けられたEGRバルブ126によって調節される。
【0021】
エンジン電子制御ユニット(ECU)60は、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転速度制御などを実行するマイクロコンピュータシステムである。
【0022】
燃料噴射制御は、基本的には、エアフローメータ104により計測される吸入空気流量とクランク角センサ145から得られるエンジン回転速度とから算出されるエンジン1回転当たりの吸入空気量に基づいて、所定の空燃比を達成すべく燃料噴射量すなわち燃料噴射弁121による噴射時間を演算し、所定のクランク角に達した時点で燃料を噴射するものである。
【0023】
また、ECU60が実行する燃料噴射制御には、フューエルカット制御が含まれる。フューエルカット制御は、車両走行中の各種の状態で実行され、例えば、燃料噴射を一時的に停止する減速時フューエルカット、高回転時フューエルカット、最高速フューエルカット等が行われている。フューエルカットを行う条件は予め決められている。ECU60は、各種センサからの出力信号を監視し、所定のフューエルカット条件が具備された場合にフューエルカット要求が生じたものとし、フューエルカット指示を燃料噴射弁121に与えて燃料噴射を停止する。
【0024】
各種のフューエルカットとしては、例えば、減速時フューエルカットの場合は、スロットル弁が全閉であり、かつ、エンジン回転速度が所定値以上のときに、燃料供給の不必要な減速状態にあると判断し、燃料噴射を停止して、燃費の向上、排出ガスの浄化、及び触媒の加熱防止を図るものである。また、高回転時フューエルカットの場合は、エンジン回転速度のレッドゾーン以上への上昇によるエンジン破損を防止するため、所定の回転速度(例えば8000rpm)以上で燃料噴射を停止し、回転速度の上昇を抑えるものである。さらに、最高速フューエルカットの場合は、例えば車速180km以上でエンジン回転速度4500rpmが所定時間続いたような場合に、燃料噴射を停止するものである。なお、本発明においては、条件、理由を問わず、全てのフューエルカット要求を対象とする。
【0025】
次に、気筒休止機構について説明する。図2に示すように、エンジン50は複数の気筒を備える。図2の例では、エンジン50は8気筒(#1〜#8)を備えており、気筒#1と#7、気筒#2と#8、気筒#3と#5、気筒#4と#6がそれぞれ組になって動作する。即ち、減筒状態においても、各組のうちの少なくとも一方の気筒は作動する。なお、8つの気筒の点火順序は、気筒#1→#8→#4→#3→#6→#5→#7→#2の順である。図1における左側の4気筒(#1、#3、#5、#7)を第1バンク、右側の4気筒(#2、#4、#6、#8)を第2バンクと呼ぶ。
【0026】
各気筒からの排気ガスは排気管129に排出され、矢印80の方向へ送られる。各排気管129には、前述のようにA/Fセンサ131及び触媒コンバータ133が設けられている。
【0027】
前述のように、ECU60は、各種センサからの出力に基づいてエンジン50の全体動作を制御する。また、ECU60は、制御信号72を各気筒の可変動弁機構に供給して、各気筒の吸気弁及び排気弁の開閉制御を行う。
【0028】
気筒の休止は、ECU60が対象となる気筒の吸気弁及び排気弁を閉じるとともに、当該気筒の吸気通路への燃料噴射を停止することにより行われる。より具体的には、ECU60は、まず、可変動弁機構を制御して排気弁を閉じ、次に燃料噴射を停止し、次に可変動弁機構を制御して吸気弁を閉じる。これにより、通常、気筒休止中には燃焼室内には排気ガスが残留した状態となる。一方、気筒休止状態からの復帰時には、ECU60はまず排気弁を開け、次に燃料噴射を開始し、次に吸気弁を開ける。
【0029】
次に、各気筒の吸気弁及び排気弁の開閉を制御する可変動弁装置について説明する。図3及び図4に、油圧回路により制御される可変動弁装置の構造を示す。図3は、可変動弁装置の斜視図であり、図4はその側部断面図である。
【0030】
図4に示されるように、可変動弁装置は、カム11が設けられたカムシャフト10を備えている。カム11の下方には、ロッカシャフト20に回動可能に軸支されたロッカアーム21が設けられている。このロッカアーム21の先端側には、アーム22が前方へと突出する態様で形成されている。このアーム22の先端は、一対の機関バルブ13の上端と当接されており、バルブスプリングの付勢力によってそれらバルブ13が閉弁される側に押圧されている。そして、ロッカシャフト20を軸としたロッカアーム21の回動にともない揺動されるアーム22の押圧に基づき、機関バルブ13は開閉駆動される。
【0031】
図3及び図4に示されるように、ロッカアーム21の上面には、カム11に対応した可動カムフォロワ23が配設されている。可動カムフォロワ23は、ロッカアーム21の上下方向に沿って形成された摺動孔35(図4)内に摺動可能に配設されている。また、これら可動カムフォロワ23は、コイルばね(図示略)の付勢力によってカム11に向けて常時付勢されている。そのため、可動カムフォロワ23は、カム11とすべり接触をしつつ、その押圧を受けるようになる。
【0032】
ロッカアーム21の下方には、上記可動カムフォロワ23が嵌入された摺動孔35と交差するシリンダ穴36が形成されている。シリンダ穴36内には、ロッカアーム21と可動カムフォロワ23とを選択的に締結若しくは締結解除するロックピン31が摺動可能に配設されている。
【0033】
次に、ロックピン31を中心として構成されるカム切り換え機構について、図5(a)及び5(b)に基づき詳細に説明する。なお、図5(a)及び5(b)はロックピン31付近の側部断面構造を示す断面図であり、図5(a)は締結解除時の態様を、図5(b)は締結時の態様をそれぞれ示している。
【0034】
先述したように、可動カムフォロワ23はロッカアーム21を上下に貫く摺動孔35内に摺動可能に嵌入されている。さらにロッカアーム21の下方には、この摺動孔35と交差するシリンダ穴36が形成されており、その内部にはロックピン31が摺動可能に嵌入されている。ロックピン31は、コイルばね33によってロッカアーム21の基端側、すなわち可動カムフォロワ23から離間する方向に向けて常時付勢されている。
【0035】
ロックピン31には、その中央部から先端側にかけて溝32が形成されている。この溝32には、可動カムフォロワ23の下端部が嵌入可能となっている。さらに、溝32の先端側は、可動カムフォロワ23の上下方向の摺動を許容すべく底面が切り欠かれている。一方、溝32の中央部側(基端側)は、可動カムフォロワ23の下端と当接可能なようにその底面が残されている。
【0036】
シリンダ穴36にあってロックピン31によって区画されたロッカアーム21の基端側の空間34は、同ロックピン31を動作させるための作動油が導入される油圧室となっている。この油圧室34は、ロッカアーム21内に形成された油通路49と接続されている。さらにこの油通路49は、ロッカシャフト20内に形成された油通路43と接続されており、これら油通路43,49を通じて行われる作動油の供給及び排出によって、油圧室34内の油圧が調整される。そしてロックピン31は、この油圧室34内の油圧に基づく力と前記コイルばね33の付勢力とのつり合いに応じてシリンダ穴36内を移動し、図5(a)に示す位置と図5(b)に示す位置との間を往復摺動する。
【0037】
ロッカアーム21と可動カムフォロワ23との締結を解除する場合、上記油圧室34内から作動油を排出して同室34内の油圧を低下させる。その結果、ロックピン31は、コイルばね33の付勢力によってロッカアーム21の基端側に向けて移動し、図5(a)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ23の下端部は、ロックピン31の溝32の底面が切り欠かれた部分に位置しているため、その上下方向の摺動が許容される。
【0038】
他方、ロッカアーム21と可動カムフォロワ23とを締結する場合、上記油圧室34に作動油を供給して同油圧室34内の油圧を上昇させる。その結果、ロックピン31は、コイルばね33の付勢力に抗してロッカアーム21の先端側に移動し、図5(b)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ23の下端部は、ロックピン31の溝32の底面が残された部分に位置するようになる。このとき可動カムフォロワ23が押し下げられると、その下端面と溝32の底面とが当接する。
【0039】
このときのカム11の押圧は、可動カムフォロワ23及びロックピン31の当接を通じてロッカアーム21にも直接的に伝達されるようになる。すなわち、このときの可動カムフォロワ23とロッカアーム21とは連結された状態となり、一体となって回動するようになる。そしてこの場合には、ロッカアーム21はカム11によって回動されるようになり、機関バルブ13もカム11によって開閉駆動されるようになる。
【0040】
従って、ECU60は、可変動弁装置の油圧回路内に設けられた電磁弁などを制御して油圧室34への作動油の供給を制御することにより、機関バルブ13の作動及び停止を制御することができる。
【0041】
[休止・復帰動作異常と排気との関係]
次に、気筒休止機構の動作異常と排気との関係について説明する。図6に、気筒の休止動作時の動作異常状態と、各状態における気筒内の状態及び排気への影響との関係を示す。休止動作時であるから、ECU60は排気弁及び吸気弁の両方を閉じた状態とするよう可変動弁装置を制御している。よって、排気弁及び吸気弁は閉じた状態で休止していれば正常であり、作動していれば異常である。なお、この場合、ECU60からの気筒休止指示に応じて、燃料噴射は停止していることを前提としている。
【0042】
図6を参照すると、状態1−1は、排気弁は正しく閉じているが、吸気弁が作動(即ち、開閉動作)している状態である。よって、本来、休止対象となる気筒(「休止気筒」とも呼ぶ。)の燃焼室内に閉じこめられるべき燃焼ガスが吸気側に逆流して他気筒へ流れ込むため、他気筒では大量のEGR(Exhausted Gas Recirculation)が生じ、排気はリッチ状態となる。
【0043】
状態1−2の場合は、吸気弁が閉じているので燃焼室への新気の吸入はなく、排気弁が開いているために排気ガスが排気側に排気される。排気ガスが排気されると燃焼室内は負圧が発生する。しかし、吸気弁が閉じているので他気筒に排気ガスが及んだり、休止気筒が他気筒分の新気を吸入してしまったりということはないので、休止気筒、他気筒ともに特に悪影響は生じない。
【0044】
状態1−3の場合は、吸気弁及び排気弁の双方が作動しているため、通常の動作状態と同様であり、排気、吸気が繰り返される。この場合、休止すべき休止気筒は他気筒分の新気を吸入してしまうため、他気筒は吸入空気量が低下し、その結果、排気はリッチ状態となる。また、休止状態を解除した直後は、休止気筒の燃焼室内にある新気がそのまま排気側へ排出されるため、一時的にリーン状態となる。
【0045】
次に、休止していた気筒の復帰時の動作異常について説明する。図7は、休止していた気筒の復帰動作時の動作異常状態と、各状態における気筒内の状態及び排気への影響との関係を示す。復帰時であるから、ECU60は排気弁及び吸気弁の両方を作動状態とするよう可変動弁装置を制御している。よって、排気弁及び吸気弁は作動して開閉を行っていれば正常であり、閉じた状態で停止していれば異常である。なお、この場合、休止状態からの気筒の復帰指示に応じて、燃料噴射及び点火を実行することが前提としている。
【0046】
状態2−1の場合は、排気弁は正しく作動を開始したが、吸気弁が依然として休止状態にある。吸気弁が閉じているため、休止している気筒の分の新気が他気筒へ流れるため、排気はリーン状態となる。また、燃料噴射の実行により吸気通路(ポート)に燃料溜まりが発生する。よって、その後、吸気弁が正しく作動を開始したときには、吸気通路(ポート)に溜まっていた過剰な燃料が燃焼室内に流入し、排気は一時的に強度のリッチ状態となる。
【0047】
状態2−2の場合、排気弁が依然として休止したままであり、吸気弁は正しく作動している。燃料噴射及び点火が行われて燃焼室内には燃焼ガスが発生するが、排気弁が閉じたままであるので、排気がなされず、燃焼ガスは吸気側に逆流する。逆流した燃焼ガスは他気筒へ流れ込むため、大量EGR状態となり、他気筒は吸入空気量が不足して排気はリッチ状態となる。
【0048】
状態2−3の場合、排気弁、吸気弁ともに依然として閉じたままとなっている。よって、状態2−1の場合と同様に、吸気弁が閉じているため、休止している気筒の分の新気が他気筒へ流れ、排気はリーン状態となる。また、燃料噴射の実行により吸気通路(ポート)に燃料溜まりが発生する。よって、その後、吸気弁が正しく作動を開始したときには、吸気通路(ポート)に溜まっていた過剰な燃料が燃焼室内に流入し、排気は一時的に強度のリッチ状態となる。
【0049】
以上のように、気筒の休止時及び休止気筒の復帰時には、吸気弁及び排気弁の異常の状態(図6及び7に示す各状態)に応じて、排気ガスに影響が出る。よって、A/Fセンサ131などで排気ガスの異常状態を検出することにより、どの状態の異常が発生しているかを判定することができる。
【0050】
上述のように、気筒の休止状態からの復帰時において、一時的に吸気弁が異常となった場合には、その後吸気弁の異常が解消した後に、吸気通路(ポート)に溜まっていた過剰燃料が燃焼室内に流入する(図7の状態2−1及び2−3の状態)。このとき、もし同時にフューエルカットが実行されたとすると、前のサイクルで噴射された燃焼を伴わない燃料と多量の空気が排気側へ排出される。よって、排気側の触媒コンバータ33は、吸気弁の異常に起因する過剰の燃料とフューエルカットによる新気とにより反応を起こし、過加熱などを生じうる。そこで、本実施例では、以下に説明する減筒運転復帰処理において、そのような触媒の反応を防止する。
【0051】
[減筒運転復帰処理]
図8に、減筒運転復帰処理のフローチャートを示す。この処理は、それまで休止状態にあった気筒を復帰させる際に、フューエルカットを禁止する処理であり、基本的にECU60が各種センサの出力を監視して、気筒の復帰処理とフューエルカットの実行タイミングを調整するものである。
【0052】
図8を参照して、まず、ECU60は特定の気筒が減筒運転中であるか否かを判定する(ステップS1)。減筒運転中である場合、次に、ECU60は休止状態からの復帰条件が具備されたか否かを判定する(ステップS2)。通常、減筒運転は、3速、4速などのギアで比較的高い回転数で走行している場合に行われる。よって、復帰条件は、例えば運転者がアクセルペダルを踏むことによりギアが2速にシフトしたこと、回転数が所定回転数より低くなったことなどとすることができる。但し、本発明においては減筒状態からの復帰条件はこれらには限定されない。
【0053】
復帰条件が具備されると(ステップS2;Yes)、ECU60はフューエルカット要求が発生しているか否かを判定する(ステップS4)。フューエルカット要求は、前述のように、予め設定された各種のフューエルカット条件が具備されたときに発生する。そして、フューエルカット要求が発生した場合でも、ECU60はフューエルカットを禁止する(ステップS5)。これは、前述のように、気筒休止状態からの復帰中に吸気弁に異常があると、過剰燃料が吸気通路に溜まり、その次のサイクルで吸気弁が正常に作動すると、前のサイクルで吸気通路に滞在した燃料が燃焼室に流入するので、これと同時にフューエルカットを実行すると、前のサイクルで噴射された燃焼を伴わない燃料と多量の空気が排気側へ排出されて触媒が反応を起こす可能性があるからである。
【0054】
そして、ECU60は気筒の復帰が完了したか否かを判定する(ステップS7)。気筒の復帰完了は、いくつかの方法で判定することができる。例えば図7に示したように、排気の状態を監視することにより判定することができる。即ち、気筒の復帰時に吸気弁又は排気弁に異常が生じると、その影響が排気に現れるので、エンジン50のA/Fセンサ131などにより排気の状態を監視して異常を判定することができる。例えば、所定のA/F値を閾値として設定しておき、排気が当該閾値よりリッチ又はリーンになったことを検出して異常と判定し、その状態が回復したことを検出した時点で復帰が完了したと判定することができる。その代わりに、例えば各気筒の吸気弁及び排気弁に、弁のリフト量を直接的に検出可能なリフトセンサが設けられているような場合は、吸気弁及び排気弁のリフト量を直接的に検出して、復帰時に異常が生じていない場合に復帰完了と判定してもよい。
【0055】
こうして、気筒の復帰完了が確認されるまで、ECU60はフューエルカットを禁止する。これにより、前述ように、もし気筒の復帰中に吸気弁に異常が発生して、図7に示す状態2−1又は2−3の状態となった場合に、過剰燃料とフューエルカットの空気により触媒が反応を起こすことを防止できる。そして、気筒の復帰が確認されると(ステップS6;Yes)、ECU60はフューエルカットを許可する(ステップS7)。なお、ステップS1で減筒運転中でないと判定された場合、ステップS2で復帰条件が具備されていないと判定された場合、及び、ステップS4でフューエルカット要求がなされていない場合には、いずれも処理は終了する。
【0056】
なお、図8に示す処理では、休止気筒の復帰中に、実際に吸気弁の異常が発生しているか否かに拘わらずフューエルカットを禁止することにより、吸気弁の異常を検出する必要をなくし、より安全を重視した制御を行っている。
【0057】
【発明の効果】
本発明では、減筒運転からの復帰時には、復帰処理が完了するまでフューエルカットを禁止するので、気筒復帰中の吸気弁異常による過剰燃料とフューエルカットによる新気が排気側へ同時に排出されて触媒の反応を引き起こすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるエンジンの概略構成を示す。
【図2】本発明の実施形態におけるエンジンの気筒休止機構を説明するための図である。
【図3】可変動弁装置の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示す可変動弁装置の側部断面構造を示す図である。
【図5】図2に示す可変動弁装置のカム切り換え機構の側部断面図である。
【図6】休止時の吸気弁及び排気弁の異常状態と排気との関係を示す図表である。
【図7】休止状態からの復帰時の吸気弁及び排気弁の異常状態と排気との関係を示す図表である。
【図8】減筒運転復帰処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 気筒
13 機関バルブ
21 ロッカアーム
23 可動カムフォロワ
31 ロックピン
50 エンジン
29 排気管
56 A/Fセンサ
60 ECU

Claims (2)

  1. 気筒休止機構を有するエンジンの制御装置において、
    気筒休止状態からの復帰時においてフューエルカットの要求があるときには、前記気筒休止状態からの復帰完了まで前記フューエルカットの処理を禁止する制御手段を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記気筒休止状態からの所定の復帰条件が具備されたときに休止気筒の復帰処理を開始する復帰開始手段と、
    前記復帰処理の完了を判定する判定手段と、
    前記復帰処理の開始後に、フューエルカット実行条件が具備されたことを検出した場合には、前記復帰処理の完了後にフューエルカットを実行する実行手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
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