JP2010121568A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGR装置を備えた内燃機関の制御装置において、機関始動時におけるEGRガス量が不足してしまうことを抑制可能な技術を提供する。
【解決手段】多気筒エンジンの制御装置において、エンジンの各気筒#nにおける排気弁を「通常動作状態」と「閉弁且つ動作停止状態」との何れかに切り替え可能な排気側可変動弁機構を備える。そして、自動停止条件が成立した場合に、最終燃焼ガス排気行程が終了した気筒から、順次、排気側可変動弁機構に排気弁を通常動作状態から閉弁且つ動作停止状態へと切り替えさせると共に、少なくともクランクシャフトの回転が停止するまでの間に亘って全閉且つ動作停止状態を維持する排気弁休止処理を実施する。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関において発生する窒素酸化物(NOx)の量を低減させる技術として、排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路を介して、排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして吸気通路に再循環させる排気再循環装置(EGR装置)が公知である(例えば、特許文献1〜4を参照)。この種のEGR装置では、EGR通路にEGRガスの流路断面積を変更可能なEGR弁を配置し、新気量に応じてこのEGR弁の開度の調節することで、EGR率[EGRガス量/(EGRガス量+吸入新気量)]を制御している。
また、内燃機関の他に電動機(モータ)を備え、機関出力及び電動機の少なくとも何れかの出力により走行可能なハイブリッド車両が公知である。また、内燃機関の稼働が不要のとき(例えば、信号待ち、人待ちなどをしているときの一時停車時)には機関を自動停止させ、機関の作動が必要になったときに再び機関を再始動させるアイドリングストップ機能を有した車両(いわゆるエコラン車両)が公知である。この種のハイブリッド車両やエコラン車両では、内燃機関が必要に応じて間欠的に運転されることになる。
特開2004−100497号公報 特開2005−264781号公報 特開2003−269202号公報 特開2002−295288号公報
内燃機関の稼働中に機関停止条件が成立した場合、機関への燃料供給が停止されることによって機関が停止される。その場合、燃料の供給が停止される直前に供給された燃料が燃焼して生成された燃焼ガスが排気通路へと排出された後、内燃機関の出力軸の回転が停止するまでの間、吸気通路内の新気が気筒を介して排気通路に掃気される。このように機関停止時に新気が排気通路に掃気されてしまうと、排気通路内における燃焼ガスがこの新気によって下流側に押し流されたり、この新気の一部がEGR通路内に流入するおそれがある。
このような状況下で機関始動条件が成立すると、機関始動時におけるEGR率がその目標値となるようにEGR弁の開度を調節しても、機関始動直後は既燃ガスの代わりに上述した新気がEGR通路を介して還流されるおそれがある。そうすると、機関始動時におけるEGRガスを充分に確保することができず、機関に過剰なトルクが発生したり、機関の振動が大きくなるおそれがあった。特に、ハイブリッド車両やエコラン車両等のように機関の自動停止及び自動再始動がなされる場合には、過剰なトルクの発生や機関振動の増大が運転者の予期し得ないものであるため、このような内燃機関の起動ショックは大きな違和感、不快感として運転者に感知され易い。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、EGR装置を備えた内燃機関の制御装置において、機関始動時におけるEGRガス量が不足してしまうことを好適に抑制できる技術を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
すなわち、複数の気筒を有する多気筒内燃機関の制御装置において、
機関停止条件が成立した場合に各々の気筒への燃料の供給を停止して該内燃機関を停止させる停止手段と、
機関始動条件が成立した場合に各々の気筒への燃料の供給を開始して該内燃機関を始動させる始動手段と、
前記内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路を介して、該排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして該吸気通路に再循環させるEGR装置と、
前記内燃機関の排気弁を通常動作状態と、閉弁且つ動作停止状態と、の何れかに切り替え可能な排気弁可変装置と、
前記停止手段が内燃機関を停止させる際に、燃料の供給が停止される直前に供給された燃料が燃焼することで生成された燃焼ガス(以下、「最終燃焼ガス」という)が排気通路へと排出される排気行程が終了した気筒から、順次、前記排気弁可変装置に排気弁を通常動作状態から閉弁且つ動作停止状態へと切り替えさせると共に、少なくとも内燃機関の出力軸の回転が停止するまでの間に亘って該閉弁且つ動作停止状態を維持する排気弁休止処理を実施する処理手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明において、各気筒における排気弁の開閉状態については次のように定義する。内燃機関の燃焼サイクルに従って排気弁が動作する状態、すなわち概ね排気行程においては開弁し、吸気行程等その他の行程においては閉弁する状態を「通常動作状態」といい、当該通常動作状態から外れて内燃機関の燃焼サイクルに関わらず排気弁が常時閉弁する(全閉に維持される)状態を「閉弁且つ動作停止状態」というものである。尚、本発明における吸気弁の開閉状態についても同様とする。
このように構成された内燃機関の制御装置では、機関停止条件が成立することによって停止手段が機関を停止させる際に、排気弁休止処理が実施される。この排気弁休止処理では、各気筒における最終燃焼ガスが排気通路へと排出される排気行程(以下、この排気行程を「停止前最終排気行程」という)の終了後、少なくとも内燃機関の出力軸の回転が停止するまでの間(この期間を「機関停止過渡期」という)に亘って、各気筒の排気弁が閉弁且つ動作停止状態に制御される。
このような排気弁休止処理の実施によって、以下の作用効果を奏する。すなわち、停止前最終排気行程の終了した気筒の排気弁を順次、通常動作状態から閉弁且つ動作停止状態へと切り替え、且つ少なくとも機関停止過渡期において閉弁且つ動作停止状態に維持することにより、吸気通路の新気が排気通路へと掃気されることを阻止することができる。したがって、排気通路内における既燃ガスが新気によって下流側へと押し流されてしまうことが抑制される。そのため、内燃機関の停止後、再び始動されるまでにわたり、この既燃ガスを、EGR通路や排気通路内に溜めておくことが可能となる。これにより、当該始動直後から充分な量のEGRガスを内燃機関の吸気系に再循環させることができる。そのため、内燃機関の始動時において過剰な機関トルクが発生することがなく、車両の振動が過度に増大することもない。その結果、内燃機関の起動ショックが低減され、ドライバビリティも向上させることができる。
また、本発明によれば、各気筒において最終燃焼ガス排気行程が終了するまでは排気弁が通常動作状態に制御されるため、最終燃焼ガスの一部が気筒内に封印され、或いは吸気通路側へと吹き戻るといった現象が起こることを抑制できる。従って、内燃機関が次に始動されるまでの間、EGR通路及び排気通路内により多くの既燃ガスを溜めておくことが可能となる。また、上記既燃ガスの気筒内の封印、吸気系への吹き戻しに起因する気筒や吸気通路の構成部材の破損等を確実に抑制できる。
尚、上記構成における排気弁休止処理は、少なくとも機関停止過渡期に亘り実施されることによって排気弁が閉弁且つ動作停止状態に維持されることになるが、当然ながら当該機関停止過渡期以降も同処理を継続することができる。例えば、次の機関始動条件の成立が検出されるときまで排気弁休止処理を継続しても良い。
また、本発明においては、EGR装置はEGR通路の流路断面積を変更可能なEGR弁を有し、機関始動条件が成立した場合に、EGR通路との接続部における吸気通路内の圧力(以下、「EGR還流部吸気圧」という)を負圧側に設定された所定の基準圧力まで低下させる始動時負圧化制御を行う負圧化制御手段を更に備え、始動時負圧化制御中においては、始動手段による燃料の供給の開始が禁止され、且つ、EGR弁が閉弁状態(全閉状態)に維持されると良い。
所定の基準圧力は、始動時負圧化制御においてEGR還流部吸気圧を低下させるときの目標圧力である。この基準圧力は、閉弁状態のEGR弁を開弁させた場合に、EGR還流部吸気圧とEGR通路内の圧力との差を利用してEGR通路内に溜めておいた既燃ガスを円滑に吸気通路に還流させるべく、大気圧よりも低い値に設定される。
これによれば、内燃機関の始動及びEGRが開始される前に、予めEGR通路[詳しくは、EGR通路におけるEGR弁より上流の部分(排気通路との接続部側)]の圧力に比べてEGR還流部吸気圧を充分に低下させておくことができる。そして、この状態でEGR弁を開弁させることにより、EGR通路及び排気通路内に溜められている既燃ガスを、EGRの開始と共に円滑に吸気通路へと還流させることが可能となる。
ここで、内燃機関は複数の気筒が集合して形成される第1気筒群と第2気筒群とを有し、排気通路は、第1気筒群からの排気が通過する第1排気通路と、第2気筒群からの排気が通過する第2排気通路とを有して形成され、吸気通路は、第1気筒群への吸気と第2気筒群への吸気とが共に通過する共用吸気通路を有して形成され、EGR通路は第1排気通路及び共用吸気通路を接続していても良い。
このような構成の場合、EGRガスの取り出し口が第1気筒群から排出された排気が流れる第1排気通路に形成され、第2気筒群からの排気が流れる第2排気通路には形成されない。すなわち、第1気筒群から排出された排気の一部を共用吸気通路へと還流させ、第2気筒群から排出された排気は吸気系に再循環されない。したがって、当該構成においては、たとえ機関停止過渡期に新気が第2排気通路に掃気されても、その新気がEGR通路を介して共用吸気通路へと還流されることはない。
そこで、そのような場合に、排気弁可変装置は、第1気筒群の各排気弁のみを、通常動作状態と、閉弁且つ動作停止状態と、の何れかに切り替え可能であって、処理手段は、停止条件が成立した場合に、第1気筒群の各排気弁のみに対して排気弁休止処理を実施すると良い。これによれば、機関が停止されてから次に始動されるまでの間、第1気筒群から排出された既燃ガスを第1排気通路や、EGR通路内に確実に溜めておくことができる。
また、本発明においては、機関始動条件が成立した場合に、始動手段は、第1気筒群への燃料の供給を開始せずに該第1気筒群を休止させた状態に維持し、且つ、第2気筒群への燃料の供給を開始して該第2気筒群を稼働させることによって内燃機関を始動させても良い。
これによれば、第1気筒群を休止させた状態で機関が始動されるため、第2気筒群に加えて第1気筒群も稼働させた状態で内燃機関を始動させる場合に比べて、第2気筒群に属する一気筒当たりに供給可能なEGRガス量を増加させることができる。従って、機関始
動時におけるEGRガスの確保をより好適に行うことができる。
また、EGR装置はEGR通路の流路断面積を変更可能なEGR弁を有し、内燃機関の出力軸を回転駆動させる電動機と、機関始動条件が成立した場合に、第2気筒群の各吸気弁及び各排気弁を通常動作状態としつつ電動機に出力軸を回転駆動させることにより、EGR通路との接続部における共用吸気通路内の圧力(EGR還流部吸気圧)を負圧側に設定された所定の基準圧力まで低下させる始動時負圧化制御を行う負圧化制御手段と、を更に備え、始動時負圧化制御中においては、始動手段による燃料の供給の開始が禁止され、且つ、EGR弁が閉弁状態(全閉状態)に維持されると良い。
上記のように、第2気筒群の各吸気弁及び各排気弁を通常動作状態とした状態で電動機に出力軸を回転駆動させると、第2気筒群の各吸気弁及び各排気弁のリフト運動に伴ってEGR通路との接続部における共用吸気通路内の吸気が第2排気通路へと掃気される。これにより、EGR通路との接続部における共用吸気通路内の吸気密度が減少するため、同共用吸気通路内に負圧を発生させることができる。
従って、当該構成によれば、内燃機関の始動及びEGRが開始される前に、予めEGR通路におけるEGR弁より第1排気通路側の圧力に比べてEGR還流部吸気圧を充分に低下させておくことができる。そして、この状態でEGR弁を開弁させることにより、EGR通路及び第1排気通路内に溜められている既燃ガスを、EGRの開始と共に円滑に吸気通路へと還流させることが可能となる。
また、本発明において、始動時負圧化制御中においては、第1気筒群の各排気弁が排気弁可変装置によって閉弁且つ動作停止状態に維持されても良い。また、第1気筒群の各吸気弁を通常動作状態と、閉弁且つ動作停止状態と、の何れかに切り替え可能な吸気弁可変装置を更に備え、始動時負圧化制御中においては、第1気筒群の各吸気弁が吸気弁可変装置によって閉弁且つ動作停止状態に維持されても良い。
このように、始動時負圧化制御中における第1気筒群の各排気弁及び/又は各吸気弁を、閉弁且つ動作停止状態に維持することで、同制御中において第1気筒群内部に吸気通路内の新気が導入されることが抑制される。その結果、始動時負圧化制御中に吸気通路の新気が第1排気通路に掃気されることが抑制される。従って、機関停止時における排気弁休止処理によって第1排気通路に溜めておいた既燃ガスが下流側に流されることが抑制され、以って機関始動時におけるEGRガスを好適に確保することが可能となる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、EGR装置を備えた内燃機関の制御装置において、機関始動時におけるEGRガス量が不足してしまうことを好適に抑制できる技術を提供することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係るハイブリッド車両の概略構成を示す図である。本実施例に係る
ハイブリッド車両は、駆動源としてエンジン1及びモータ(電動機)2を備えている。モータ2は例えば交流モータとして構成され、その出力軸が減速機3を介して負荷である駆動輪4と連結されており、モータ2を駆動させることにより駆動輪4を回転させることができる。このモータ2の駆動に供される電力(電気エネルギー)は、該電気エネルギーを蓄電するHVバッテリ7から供給される。
内燃機関としてのエンジン1については、その出力軸が動力分割機構5及び減速機3を介して駆動輪4と連結されており、エンジン1を駆動させることによっても駆動輪4を回転させることができる。また、ジェネレータ6は例えば交流発電機として構成され、その回転軸が動力分割機構5を介してエンジン1の出力軸と連結されている。これにより、エンジン1の駆動エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーをHVバッテリ7に蓄えたりモータ2の駆動に用いる。また、ジェネレータ6及びモータ2とHVバッテリ7との間にはインバータ8が設けられており、このインバータ8により電力の制御が行われる。HVバッテリ7には、該HVバッテリ7の充電量に応じた電気信号を出力する充電量センサ(不図示)が設けられている。
ハイブリッド車両には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に用いられる記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)等を備えたECU(電子制御ユニット)10が併設されている。ECU10は後述する各種センサからの情報に基づいてエンジン1、ジェネレータ6及びモータ7などのハイブリッドシステムを総合的に制御する。
図2は、本実施例に係るエンジンの概略構成を示す図である。図3は、本実施例に係るエンジンの吸排気系の概略構成を示す図である。エンジン1は、4つの気筒#1〜#4を有する直列4気筒ガソリンエンジンである。エンジン1は、各気筒#n(但し、nは1から4までの整数)が形成されたシリンダブロック11と、シリンダブロック11に組み付けられたシリンダヘッド12を備える。各気筒#n内には、ピストン13が摺動自在に設けられている。ピストン13は、コンロッド14を介してクランクシャフト15に接続されており、ピストン13の往復運動に伴ってクランクシャフト15が回転する。気筒内において、ピストン13の上端とシリンダヘッド12との間には燃焼室16が形成されている。シリンダヘッド12には、燃焼室16の頂部から該燃焼室16内に突出するように点火プラグ17が取り付けられている。
シリンダヘッド12には、燃焼室16に連通するように吸気ポート18と排気ポート19が形成されている。吸気ポート18には、該吸気ポート18内を流れる吸気に燃料を噴射する燃料噴射弁20が設けられており、吸気ポート18は吸気マニホールド21の各枝管と接続されている。この吸気マニホールド21は吸気管22に接続されている。吸気管22には、該吸気管22内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ23が取り付けられている。エアフローメータ23及び燃料噴射弁20は、ECU10と電気配線を介して接続されており、エアフローメータ23の出力信号がECU10に入力され、燃料噴射弁20はECU10によって制御される。
また、吸気管22における吸気マニホールド21との接続部近傍にはサージタンク24が設けられており、該サージタンク24の直上流の吸気管22には該吸気管22内を流通する吸気の流量を調節する電子制御式のスロットル弁25が設けられている。このスロットル弁25は、ECU10と電気配線を介して接続されておりECU10によって制御される。また、サージタンク24には、サージタンク24内の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ26が設けられている。この吸気圧センサ26はECU10と電気配線を介して接続されており、その出力信号がECU10に入力される。
一方、排気ポート19は排気マニホールド30の各枝管と接続されており、この排気マニホールド30は排気管31に接続されている。排気管31は下流にてマフラー(図示略)に接続されており、その途中にはエンジン1から排出される排気に含有される有害成分を浄化する排気浄化装置(例えば、三元触媒等)32が設けられている。
更に、エンジン1は、排気管31に排出された排気ガスの一部を吸気管22へと再循環させる排気ガス再循環装置(EGR装置)33を具備している。このEGR装置33は、排気浄化装置32より下流の排気管31とサージタンク24とを接続するEGR管34、該EGR管34の流路断面積を調節するEGR弁35、EGR管34を流れる再循環ガス(EGRガス)を冷却するEGRクーラ36により構成される。EGR弁35はECU10と電気配線を介して接続されており、ECU10によってその開度が制御される。
ここで、EGR弁35が開弁されると、排気管31を流れる排気ガスの一部がEGR管34を介してEGRガスとして吸気管22へと再循環する。EGRガスには、水や二酸化炭素のように、自らが燃焼することなく、且つ、熱容量が高い不活性ガス成分が含まれている。そのため、EGRガスを混合気中に含有させると、混合気の燃焼温度が低くなり、以って窒素酸化物(NOx)の発生量が低減される。また、EGRを行うことにより、燃料消費量を低減することができる。
本実施例においては、吸気管22、サージタンク24、吸気マニホールド21、吸気ポート18が本発明における吸気通路を構成する。また、排気管31、排気マニホールド30、排気ポート19が本発明における排気通路を構成する。また、EGR管34が本発明におけるEGR通路に相当する。
吸気ポート18及び排気ポート19の開閉は、吸気弁37及び排気弁38により行われる。吸気弁37は、吸気カムシャフト39に設けられた吸気カム39aによって駆動され、リフト運動を行う。また、排気弁38は、排気カムシャフト40に設けられた排気カム40aによって駆動され、リフト運動を行う。吸気カムシャフト39及び排気カムシャフト40は、何れもクランクシャフト15とベルト或いはチェーンによって連結され、クランクシャフト15の回転に同期して回転する。このうち、吸気カムシャフト39には、バルブタイミング可変機構41が設けられている。バルブタイミング可変機構41は、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト39の位相角を変化させることで、各気筒#nの吸気弁37の開閉時期(バルブタイミング)を調節する。
バルブタイミング可変機構41は従来から公知の機構であるため、機構自体の詳しい説明は割愛するが、例えば、クランクシャフト15に同期して回転するハウジング(図示略)と、ハウジング内を2つの油室に区画するように配置され吸気カムシャフト39に同期して回転するロータ(図示略)とを備える、いわゆるベーン式バルブタイミング可変機構を採用することができる。この種のバルブタイミング可変機構では、各油室に対する作動油の供給、或いは排出を制御することによりハウジングに対するロータの回転角が変化すると作動する。具体的には、一方の油室へ作動油が供給されることで、バルブタイミング可変機構41はクランクシャフト15に対する吸気カムシャフト39の位相角を進角側に変化させるように作動し、他方の油室へ作動油が供給されることでクランクシャフト15に対する吸気カムシャフト39の位相角を遅角側に変化させるように作動する。但し、以上説明した構成は、バルブタイミング可変機構41が採り得る構成の一例であり、バルブタイミングを変更可能なその他の構成を採用しても構わない。本実施例におけるバルブタイミング可変機構41はECU10と電気配線を介して接続されており、ECU10からの指令信号に基づいて吸気弁37のバルブタイミングが制御される。
更に、本実施例において各気筒#nには、排気カム40aと排気弁38との間に介在し
、該排気弁38を「通常動作状態」と「閉弁且つ動作停止状態」との何れかに切り替え可能な排気側可変動弁機構42を備える。排気側可変動弁機構42は気筒毎に設けられており、各機構は独立して作動することができる。図4は、排気側可変動弁機構の斜視図であり、図5はその側部断面図である。本実施例においては排気側可変動弁機構42が本発明における排気弁可変装置に相当する。
図4及び図5に併せ示すように、排気カム40aの下方には、ロッカシャフト100に回動可能に軸支されたロッカアーム102が設けられている。このロッカアーム102の先端側には、アーム104が前方へ突出する態様で形成されている。このアーム104の先端は、一対の排気弁38の上端に当接しており、バルブスプリング(図示略)の付勢力によって各排気弁38が閉弁される側に押圧されている。そして、ロッカシャフト100を軸としたロッカアーム102の回動にともないアーム122が揺動することで、排気弁38はアーム122に押圧されてリフト運動する。
ロッカアーム102の上面には、排気カム40aに当接する可動カムフォロワ106が設けられている。可動カムフォロワ106は、ロッカアーム102の上下方向に沿って形成された摺動孔120内に摺動可能に配置されている。また、可動カムフォロワ106は、コイルばね(図示略)の付勢力によって排気カム40aに向けて常時付勢されている。可動カムフォロワ106は、排気カム40aとすべり接触をしながら排気カム40aからの押圧力を受けている。ロッカアーム102の下方には、可動カムフォロワ106が嵌入された摺動孔120と交差するシリンダ穴122が形成されている。シリンダ穴122内には、ロッカアーム102と可動カムフォロワ106とを選択的に締結若しくは締結解除するロックピン112が摺動可能に配置されている。
次に、ロックピン112を中心として構成されるカム切り換え機構について、図6A及び図6Bを用いて説明する。なお、図6はロックピン112付近の側部断面構造を示す断面図であり、(a)は締結解除時の態様を、(b)は締結時の態様をそれぞれ示している。
ロックピン112は、摺動孔120と交差するシリンダ穴122内に摺動可能に配置されている。ロックピン112は、コイルばね116によってロッカアーム102の基端側、すなわち可動カムフォロワ106から離間する方向に向けて常時付勢されている。ロックピン112には、その中央部から先端側にかけて溝114が形成されている。この溝114には、可動カムフォロワ106の下端部が嵌入可能となっている。さらに、溝114の先端側は、可動カムフォロワ106の上下方向の摺動を許容すべく底面が切り欠かれている。一方、溝114の中央部側(基端側)は、可動カムフォロワ106の下端と当接可能にその底面が残されている。
シリンダ穴122にあってロックピン112によって区画されたロッカアーム102の基端側の空間118は、ロックピン112を動作させるための作動油が導入される油圧室となっている。この油圧室118は、ロッカアーム102内に形成された油通路126と接続されている。この油通路126は、ロッカシャフト100内に形成された油通路124と接続されており、これら油通路124、126を通じて行われる作動油の供給及び排出によって、油圧室118内の油圧が調整される。そしてロックピン112は、この油圧室118内の油圧に基づく力と、コイルばね116の付勢力との釣り合いに応じてシリンダ穴122内を移動し、図6(a)に示す位置と図6(b)に示す位置との間を往復摺動する。
ロッカアーム102と可動カムフォロワ106との締結を解除する場合は、油圧室118内から作動油を排出して油圧室118内の油圧を低下させる。その結果、ロックピン1
12は、コイルばね116の付勢力によってロッカアーム102の基端側に向けて移動し、図6(a)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ106の下端部は、ロックピン112の溝114の底面が切り欠かれた部分に位置しているため、その上下方向の摺動が許容される。このときの排気カム40aの押圧は、可動カムフォロワ106の摺動孔120内での上下方向の摺動によって吸収され、ロッカアーム102にはほとんど伝達されない。そのため、ロッカアーム102と可動カムフォロワ106との締結を解除した場合は、可動カムフォロワ106が摺動孔120に沿って往復移動するのみで、ロッカアーム102の回動は行われず、静止状態となる。その結果、排気弁38は、常時閉弁状態(全閉状態)であって且つその動作が停止した状態、すなわち「閉弁且つ動作停止状態」となる。
一方、ロッカアーム102と可動カムフォロワ106とを締結する場合は、油圧室118に作動油を供給して油圧室118内の油圧を上昇させる。その結果、ロックピン112は、コイルばね116の付勢力に抗してロッカアーム102の先端側に移動し、図6(b)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ106の下端部は、ロックピン112の溝114の底面が残された部分に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ106が押し下げられると、その下端面と溝114の底面とが当接する。
このときの排気カム40aの押圧は、可動カムフォロワ106及びロックピン112の当接を通じてロッカアーム102にも直接的に伝達される。すなわち、このときの可動カムフォロワ106とロッカアーム102とは連結された状態となり、一体となって回動するようになる。そして、この場合には、ロッカアーム102は排気カム40aによって回動されるようになり、排気弁38も排気カム40aによって開閉駆動される。そのため、排気弁38は、閉弁且つ動作停止状態が解除された状態、すなわち、通常動作状態に制御される。
以上のように、排気側可変動弁機構42は、その油圧回路内に設けられた電磁弁(図示略)がECU10と電気配線を介して接続されており、ECU10によって制御される。すなわち、ECU10は、油圧室118への作動油の供給を調節することにより、排気弁38を閉弁且つ動作停止状態と通常動作状態との何れかを選択的に切り替え制御する。なお、この排気側可変動弁機構42は、排気弁38の動作状態を上記のように切り替えるための一構成例であり、他の機構を採用しても構わない。
その他、ECU10には、クランクシャフト15の回転角度に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ45や、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)に応じた電気信号を出力するアクセルポジションセンサ46、ブレーキペダルの操作量に応じた電気信号を出力するブレーキポジションセンサ47、車両のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ48、車両速度に応じた電気信号を出力する車速センサ49等が電気配線を介して接続されており、これらの出力信号が入力される。
以上のように構成されたハイブリッドシステムでは、ECU10が、各種センサの出力信号に基づき車両の走行状態、走行条件等を検出し、エンジン1及びモータ2に発生させる動力を適宜使い分ける。また、本実施例では、エンジン1の稼働中に自動停止条件が成立した場合にはエンジン1を自動停止させ、その後に自動復帰条件が成立した場合にはエンジン1を自動で再始動(自動復帰)させる。この自動停止条件は、例えば、交差点での信号待ちのように車両が一時的に停車する際、或いは車両の走行状態がエンジン1の出力を利用する状態から該エンジン1の出力を利用しない状態(すなわち、モータ2の出力のみを用いて車両を駆動させる状態)へと移行する際などに成立する。
ECU10は、エンジン1が稼働している状態では、一定周期毎に自動停止条件が成立
しているか否かを判定している。そして、ECU10は、自動停止条件の成立を検出すると、各気筒#nに対応する吸気ポート18への燃料噴射弁20からの燃料の供給(燃料噴射)を停止させ、エンジン1を停止させる。
一方、エンジン1が自動停止された後、ECU10は、一定周期毎に自動復帰条件が成立しているか否かを判定する。この自動復帰条件は、上記自動停止条件が解除されたときに成立する。したがって、例えば、一時停車に伴い自動停止された車両が再発進した際、或いは車両の走行状態がエンジン1の出力を利用しない状態から該エンジン1の出力を利用する状態へと移行した際などに自動復帰条件が成立することになる。ECU10は、自動復帰条件の成立を検出すると、先ず、HVバッテリ7からモータ2へ電力を供給させ、モータ2にクランクシャフト15を回転させる。そして、エンジン1のクランキングによってエンジン回転数が所定回転数に達した時点で燃料噴射弁20に燃料噴射を再開させる。そして、点火プラグ17による点火制御が行われることで燃焼室16内に導入された燃料が燃焼し、その燃焼圧によってクランクシャフト15が回転する。このような一連の制御がECU10によって行われることにより、エンジン1が再始動する。
次に、EGR装置33を用いた排気ガスの再循環に係るEGR制御について説明する。本実施例におけるエンジン1では、その運転状態(エンジン負荷及びエンジン回転数)毎に、目標となるEGR率[各々の気筒に導入される全吸気量(新気量+EGRガス量)に対するEGRガス量の割合]の値が設定されている。このEGR率の目標値(以下、目標EGR率という)は、NOx発生量の低減及び燃費消費率の向上を実現させる観点から、エンジン1の運転状態毎にその最適値が予め実験等により設定されており、ECU10はEGR弁35の開度を調節してEGR率を目標EGR率に制御する。
ここで、エンジン始動時用に設定された目標EGR率の値を、始動時目標EGR率という。自動復帰条件の成立が検出された場合、ECU10は、EGR率が始動時目標EGR率に一致するようにEGR弁35の開度を調節しながら、エンジン1を自動再始動させる。しかしながら、実際のEGR率を始動時目標EGR率に一致させるにはEGR弁35の開度に見合う量のEGRガスをEGR管34を介して吸気管22(サージタンク24)に還流させる必要がある。これに対して、エンジン1の再始動時直後においては、以下の理由によってEGRガスが不足しがちになる。
すなわち、エンジン1が自動停止される場合、従来から慣用的に行われているように、燃料供給(燃料噴射)の停止後においてもなりゆきで吸気弁37及び排気弁38のリフト運動を許容すると、クランクシャフト15の回転が停止するまでの期間にわたり、吸気系(吸気ポート18)から燃焼室16へと導入された新気(空気)が排気系(排気ポート19)へと掃気される。そうすると、燃料噴射の停止直前、つまり、燃料噴射が停止される際に最後に噴射された燃料が燃焼して生成された既燃ガスが排気管31に排出された後、既燃ガスに後続して新気が排気管31に掃気されてしまう。その結果、排気管31の既燃ガスが、上流側から流れてくる新気によって下流側へと押し流されてしまう。例えば、排気管31におけるEGRガスの取り出し口であるEGR管32との接続部より下流側に既燃ガスが押し流されてしまうと、この既燃ガスをもはやエンジン再始動時にEGRガスとして還流させることができない。
その上、エンジン1の自動停止時に新気が排気管31に掃気されてしまうと、この新気の一部はEGR管34に流入すると考えられる。このようにEGR管34へと流入した新気は自動復帰条件が成立するまで該EGR管34内に溜まった状態となる。そのため、このような状況下においてエンジン1が自動再始動されると、EGR管34内に溜まっていた新気が既燃ガスの代わりに吸気管22に還流されてしまう。そうすると、EGR弁35の開度に見合う既燃ガスをEGRガスとして再循環させることができず、自動再始動時に
おけるEGR率が始動時目標EGR率に比して低くなってしまう。
その結果、エンジン1へと新気が過剰に供給されてしまうため、その過剰分だけエンジントルクが余計に発生してしまい、エンジン1の振動も増大するおそれがある。特に、自動再始動時における過剰なエンジントルクの発生や、振動の増大は運転者が予期し得ないものであるため、このようなエンジンの起動ショックは大きな違和感、不快感として運転者に感知され易い。
そこで、本実施例では、上記不具合を解消させるべく、エンジン1の自動停止時において、ECU10は排気側可変動弁機構42に排気弁38を「通常動作状態」から「閉弁且つ動作停止状態」へと切り替えさせる処理(以下、「排気弁休止処理」という)を実施する。以下、図7を参照して排気弁休止処理について詳しく説明する。図7は、本実施例における自動停止条件の成立前後における各気筒#nの吸排気弁のバルブリフト量の推移等を示したタイムチャートである。上段には、ECU10から燃料噴射弁20に対して出される指令信号を示す。横軸の時刻t1は、自動停止条件の成立が検出された時刻を表す。図示したように、時刻t1を境に燃料噴射弁20への指令信号が「燃料噴射停止OFF」から「燃料噴射停止ON」へと切り替わる。燃料噴射弁20は、「燃料噴射停止ON」の指令信号を受けているときには燃料噴射が禁止され、「燃料噴射停止OFF」の指令信号を受けているときには燃料噴射の停止が解除される。
下段には、各気筒#nにおけるバルブリフト量の推移と燃料噴射の様子とを示す。横軸の「吸」、「圧」、「燃」、「排」との表示は、各気筒#nにおける燃焼サイクルを表す。詳しくは、「吸」は吸気行程、「圧」は圧縮行程、「燃」は燃焼・膨脹行程、「排」は排気行程を意味する。また、縦軸は、各気筒#nにおける吸気弁37及び排気弁38のバルブリフト量を表しており、実線で表されたものが排気弁38のバルブリフト量の推移、点線(破線)で表されたものが吸気弁37のバルブリフト量の推移である。
各気筒#nにおいて、主に排気行程中に表された長方形は、燃料噴射弁20から燃料を噴射するタイミングを概念的に表すものである。上述の如く、時刻t1において燃料噴射弁20への指令信号が「燃料噴射停止OFF」から「燃料噴射停止ON」に切り替わるため、時刻t1以後は燃料噴射弁20からの燃料噴射が停止される。そこで、燃料の噴射タイミングを表す長方形のうち、実際に燃料噴射弁20から燃料が噴射されるものについては斜線を付し、本来では燃料が噴射されるタイミングではあるが、「燃料噴射停止ON」に係る指令信号が出されているために実際には燃料が噴射されないものについては斜線を付さない(白抜き)こととした。尚、図7に示される吸排気弁のバルブタイミング、バルブリフト量、燃料噴射時期等は例示的なものであり、エンジン1の運転条件、運転状態に応じて、適宜、変更される。
更に、図中には、各気筒#nの排気側可変動弁機構42に出される指令信号を示している。「通常動作状態」、「閉弁且つ動作停止状態」の夫々の指令信号の意味するところは、図4乃至6において説明したとおりである。つまり、ECU10が「通常動作状態」の指令信号を出しているときには、排気側可変動弁機構42のロックピン112がロッカアーム102と可動カムフォロワ106とを締結するように、油圧室118内の油圧を制御する。一方、「閉弁且つ動作停止状態」の指令信号を出しているときには、排気側可変動弁機構42のロックピン112がロッカアーム102と可動カムフォロワ106とを締結解除するように、油圧室118内の油圧を制御する。
本実施例では、エンジン1の稼働中において、自動停止条件の成立が検出される前、すなわちエンジン1の通常運転時には、排気側可変動弁機構42への指令信号は「通常動作状態」とされている。そして、自動停止条件の成立が検出される時刻t1以後は気筒毎に
順次、排気側可変動弁機構42への指令信号が「通常動作状態」から「閉弁且つ動作停止状態」へと切り替えられる。ここで、排気側可変動弁機構42への指令信号が切り替えられるタイミングは気筒毎に異なるため、その理由について詳しく説明する。
図示のように、各気筒#nにおける燃焼・膨脹行程を意味する「燃」の表示には、丸括弧が付されているものと、そうでないものがある。丸括弧が付されずに、単に「燃」と表示されているものは燃料が実際に燃焼する燃焼・膨脹行程を意味する。一方、丸括弧が付されて「(燃)」と表示されているものは、本来であれば燃焼・膨脹行程のタイミングではあるが、直近の排気行程において燃料噴射されていないために、実際には燃焼ガスが生成されない燃焼・膨脹行程を意味する。このように、燃焼ガスが制しされない燃焼・膨脹行程が生じるのは、時刻t1以後、燃料噴射弁20からの燃料噴射が気筒毎に順次停止されることに因るものである。
ここで、「(燃)」に係る燃焼・膨脹行程では燃焼ガスが生成されないため、その直後の排気行程において排気弁38のリフト運動を許容してしまうと、吸気管22から導入された新気が排気管31へと掃気されてしまう。そこで、本実施例では、燃焼ガスの排気管31への掃気のみが許容され、且つ、新気の排気管31への掃気が規制されるように、各気筒#nにおける排気側可変動弁機構42への指令信号を切り替えるタイミングを調整している。
ここで、燃料噴射弁20からの燃料噴射が停止される直前(言い換えると、燃料噴射の停止前の最後)に噴射された燃料が各気筒#nの燃焼室16で燃焼して生成された燃焼ガスを「最終燃焼ガス」とする。そして、この最終燃焼ガスが排気ポート19に排出される排気行程を「最終燃焼ガス排気行程」と称し、図中には角括弧を付して「[排]」と表示することとする。
本実施例に係る排気弁休止処理では、各気筒#nにおいて、最終燃焼ガス排気行程が終了した気筒から、順次、排気側可変動弁機構42に対する指令信号を「通常動作状態」から「閉弁且つ動作停止状態」へと切り替える。そして、少なくともクランクシャフト15の回転が停止するまでの期間にわたり、同指令信号を「閉弁且つ動作停止状態」に維持させる。そのため、最終燃焼ガス排気行程が終了してから、少なくともクランクシャフト15の回転が停止するまでの間に亘って、各気筒#nにおける排気弁38が閉弁且つ動作停止状態に維持される。
上記排気弁休止処理によれば、全ての気筒において最終燃焼ガスを確実に排気管31へと排出することができ、且つ、該最終燃焼ガスの後に新気が排気管31へと掃気されることを阻止できる。したがって、排気管31内における既燃ガスが、新気によって排気管31の下流側に押し流されることが抑制される。そのため、エンジン1が自動停止されてから再始動されるまでの間に亘り、EGR管34及び排気管31に既燃ガスを溜めておくことができる。
なお、本実施例の排気弁休止処理において、少なくともクランクシャフト15の回転が停止するまでは、各気筒#nの排気弁38を閉弁且つ動作停止状態に維持させるのは、クランクシャフト15の回転が減衰している過渡期に閉弁且つ動作停止状態を解除してしまうと新気が再び各気筒#nを介して掃気される可能性があるからである。また、本制御によれば、気筒毎に最終燃焼ガス排気行程が終了するまでは排気弁38が「通常動作状態」に維持される。そのため、燃料噴射弁20への指令信号が燃料噴射停止ONに切り替わる前に噴射された燃料が燃焼して生成された既燃ガスが各気筒#n内に封印されたり、吸気管22側へと吹き戻ることを抑制することができる。したがって、気筒や吸気管側の各部分に過大な負荷が加わることによって、破損や劣化を招くおそれもない。
以下、エンジン1の自動停止させる際に実行される具体的処理内容について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8は、本実施例における自動停止制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、ECU10のROM内に記憶されているプログラムであり、エンジン1の稼働中には一定周期毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、先ず、ステップS101では、自動停止条件が成立しているか否かが判定される。ここでは、車両の一時停車時に自動停止条件が成立する場合を例として説明する。かかる場合、ECU10は、イグニッションがONの状態で、例えば車速センサ49からの車速検知信号によって車速が「0」であることが検知され、且つブレーキポジションセンサ47からのブレーキペダル踏み込み信号によってブレーキペダルの踏み込み操作がなされていることが検知された場合に、自動停止条件が成立していると判定する。そして、自動停止条件が成立していると判定された場合にはステップS102に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦抜ける。また、本実施例においては自動停止条件が本発明における機関停止条件に相当する。
ステップS102では、各燃料噴射弁20への指令信号が「燃料噴射停止OFF」から「燃料噴射停止ON」へと切り替えられ、各燃料噴射弁20からの燃料噴射が停止させられる。続くステップS103では、図7において説明した排気弁休止処理が実施される。すなわち、最終燃焼ガス排気行程が終了した気筒から、順次、排気側可変動弁機構42によって排気弁38を「通常動作状態」から「閉弁且つ動作停止状態」へと切り替える。このように、ステップS102、S103の処理を実行することにより、エンジン1が自動停止させられると共に、最終燃焼ガス排気行程において各気筒#nから排出された最終燃焼ガスは、排気管31に溜められたまま維持される。本実施例においてはステップS102、S103の処理を実行するECU10が本発明における停止手段、及び処理手段に相当する。続くステップS104では、EGR弁35の開度が全閉に変更されることで閉弁される。そして、本ステップの処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
次に、上記自動停止制御ルーチンに従ったエンジン1の自動停止後、自動復帰条件が成立することによってエンジン1を自動再始動させる際に実行される具体的処理内容について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9は、本実施例における自動再始動制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、ECU10のROM内に記憶されているプログラムであり、エンジン1の自動停止中に一定周期毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、先ずステップS201において、自動復帰条件が成立しているか否かが判定される。具体的には、自動停止条件の成立が解除されているか否かによって判断され、ブレーキポジションセンサ47の出力信号に基づいてブレーキペダルの踏み込み、或いは、アクセルポジションセンサ46の出力信号に基づいてアクセルペダルの踏み込みが検出されている場合に自動復帰条件が成立していると判定される。そして、自動復帰条件が成立していると判定された場合にはステップS202に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦抜ける。本実施例においては自動復帰条件が本発明における機関始動条件に相当する。
ステップS203では、エンジン1の自動再始動時用に設定されている吸気弁37のバルブタイミングである始動時目標バルブタイミングをECU10のROM内から読み出し、吸気弁37のバルブタイミングが該始動時目標バルブタイミングとなるようにバルブタイミング可変機構41を制御する。ステップS203では、各気筒#nの排気側可変動弁機構42への指令信号が「閉弁且つ動作停止状態」から「通常動作状態」へと切り替えられる。ステップS204では、モータ2によるエンジン1のクランキングが行われる。続くステップS205では、EGR弁35の目標開度、燃料噴射弁20による燃料噴射量の
制御目標値が算出される。具体的には、エアフローメータ23の出力値に基づいて吸気管22を流れる新気量が測定され、この新気量の測定値に応じてEGR率が始動時目標EGR率となるようなEGR弁35の開度を算出する。また、上記新気量の測定値及びEGR弁35の目標開度の算出値に応じて、燃料噴射量の制御目標値が決定される。
そして、ステップS206では、EGR弁35の開度が全閉からステップS205で算出した開度に変更されることによって該EGR弁35が開弁され、各気筒#nに対応する燃料噴射弁からの燃料噴射が順次、開始される。そして、各燃焼室16に形成された混合気が、エンジン始動時用に設定された始動用時目標点火タイミングにて着火するように、点火プラグ17による点火時期(タイミング)が制御され、エンジン1が再始動させられる。本実施例においては本ステップの処理を実行するECU10が本発明における始動手段に相当する。本ステップの処理が終了すると、本ルーチンを一旦抜ける。
以上のように、本実施例に係る制御によれば、エンジン1の自動停止時に排気管31、EGR管34内部に燃焼ガスを溜めておき、次の自動再始動時までその状態を維持することができるため、当該自動始動時に充分な量のEGRガスを吸気系に再循環させることができる。したがって、エンジン1の自動再始動時において過剰なエンジントルクが発生することがなく、エンジン1の振動が過度に増大することもない。その結果、エンジン1の起動ショックが低減され、ドライバビリティを向上させることができる。
更に、本制御によれば、EGRガスの不足分を補うために始動時点火タイミングを過度に遅角させる必要が生じない。また、始動時目標バルブタイミングを吸気下死点(BDC)に対して過度に遅角、或いは進角させることによって、エンジン1の実質的な圧縮比(有効圧縮比)を過度に小さくさせる必要も生じない。したがって、エンジン1の自動再始動時において該エンジン1の燃焼状態が悪化することを抑制する作用効果を奏する。
尚、本実施例では、本発明に係るエンジンの制御装置をハイブリッド車両に適用する実施形態を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、ハイブリッド車両と同様、車両の一時停車時などにアイドリングストップ機能を有するアイドリングストップ機能付き車両(いわゆる、エコラン車両)に本発明に係る制御装置を適用すると良い。また、本発明に係る制御装置は、エンジンの自動停止及び自動再始動機能を有していない車両に適用しても構わない。つまり、運転者によってイグニッションがOFF、つまりエンジンが手動で停止されるときに、本実施例に係る排気弁休止処理を実施すると良い。これにより、次回のイグニッションがON、すなわちエンジンが手動で再始動されるときにEGRガスが不足することが確実に抑制される。
次に、第2の実施例について説明する。本実施例に係るハイブリッドシステムは実施例1と共通するため、その説明を省略する。図10は、本実施例に係るエンジンの吸排気系の概略構成を示す図である。尚、図3中の構成要素と同じものについては同じ参照符号を付すことでその説明を省略する。
本実施例におけるエンジン1は、夫々4つの気筒が集合して形成された第1気筒群#a、第2気筒群#bを有する車両駆動用のV型ガソリンエンジンである。第1気筒群#aに属する4つの気筒を#1a〜#4aで表し、第2気筒群#bに属する4つの気筒を#1b〜#4bで表す。
各気筒#1a〜#4a、#1b〜#4bの吸気ポートは、吸気マニホールド21の各枝管が接続されている。また、本実施例では、第1気筒群#a(#1a〜#4a)からの排気が排出される第1マニホールド30aと、第2気筒群#b(#1b〜#4b)からの排
気が排出される第2マニホールド30bを備える。すなわち、第1マニホールド30aの各枝管は第1気筒群#aの各排気ポートに接続され、その接続部と逆側にて第1排気管31aに接続されている。また、第2マニホールド30bの各枝管は第2気筒群#bの各排気ポートに接続され、その接続部と逆側にて第2排気管31bに接続されている。
第1排気管31a及び第2排気管31bの夫々は、下流にてマフラー(図示略)に接続されており、夫々の途中には図3と同等の排気浄化装置32が設けられている。本実施例においては、各気筒#1a〜#4a、#1b〜#4bの排気ポート、第1マニホールド30a、第2マニホールド30b、第1排気管31a、第2排気管31bによって本発明における排気通路が構成される。また、特に、第1マニホールド30a及び第1排気管31aが本発明における第1排気通路を構成し、第2マニホールド30b及び第2排気管31bが本発明における第2排気通路を構成する。
ここで、EGR装置33の構成について説明する。本実施例のEGR管34は、排気浄化装置32より下流の第1排気管31aとサージタンク24とを接続する。このように構成されるEGR装置33では、EGRガスの取り出し口が第1排気管31aにのみ形成される。すなわち、第1気筒群#aに属する気筒#1a〜#4aからの排気(第1排気管31aを流れる排気)の一部をサージタンク24へと再循環させ、第2気筒群#bに属する気筒#1b〜#4bからの排気(第2排気管31bを流れる排気)は再循環されない。ここで、第1排気管31aの一端が接続されるサージタンク24、吸気管22は第1気筒群#aに吸入される吸気及び第2気筒群#bに吸入される吸気の双方が共に通過する。したがって、本実施例においてはサージタンク24と吸気管22とによって、本発明における共用吸気通路は構成される。
図11は、本実施例におけるエンジンの概略構成図である。(a)は、第1気筒群#a側の構造を表すエンジンの部分断面図である。(b)は、第2気筒群#b側の構造を表すエンジンの部分断面図である。図中の参照符号のうち図2と同じ参照符号が付されたものは同等の構成要素であることを意味する。(a)に示すように、第1気筒群#a(#1a〜#4a)における排気弁38には、図4乃至6で説明した排気側可変動弁機構42が設けられている。更に、第1気筒群#aの吸気弁37には、図4乃至6で説明した排気側可変動弁機構42と同等の構成及び機能を有する可変動弁機構(以下、「吸気側可変動弁機構」という)52が設けられている。この吸気側可変動弁機構52は、吸気弁37と吸気カム39aの間に介在されており、ECU10は、油圧室118内の油圧を調整することによって、第1気筒群#aの吸気弁37を「通常動作状態」と「閉弁且つ動作停止状態」との何れかに切り替え制御することができる。
一方、(b)に示したように、第2気筒群#b(#1b〜#4b)には、排気側可変動弁機構42及び吸気側可変動弁機構52が備えられていない。これは、第2気筒群#bにおける各吸気弁37及び各排気弁38は、常時、「通常動作状態」に制御されることを意味する。本実施例においては吸気側可変動弁機構52が本発明における吸気弁可変装置に相当する。
以上述べた構成において、先ず、エンジン1の自動停止に係る制御について説明する。尚、エンジン1の通常運転時においては、ECU10から第1気筒群#aの各々に設けられた排気側可変動弁機構42、吸気側可変動弁機構52への制御信号は共に「通常動作状態」であり、吸気弁37及び排気弁38のリフト運動は許容されている。図12は、本実施例における自動停止制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、ECU10のROM内に記憶されているプログラムであり、エンジン1の稼働中には一定周期毎に実行される。なお、図8における制御ルーチンと同じ内容の処理が行われる場合には、同じステップ符号を付すことでその詳しい説明を省略する。
本ルーチンのステップS101において、自動停止条件が成立していると判定された場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦抜ける。そして、ステップS102では各燃料噴射弁20(各気筒#1a〜#4a、#1b〜#4bの吸気ポートに設けられた燃料噴射弁20)への指令信号が「燃料噴射停止OFF」から「燃料噴射停止ON」へと切り替えられ、その燃料噴射が停止させられる。ステップS102の処理が終了するとステップS301に進む。
ステップS301では、第1気筒群#a(気筒#1a〜#4a)のみに対して排気弁休止処理が実行される。すなわち、第1気筒群#aの各々に対して、最終燃焼ガス排気行程が終了した時点で排気側可変動弁機構42に対する指令信号が「通常動作状態」から「閉弁且つ動作停止状態」へと切り替えられる。そして、少なくともクランクシャフト15の回転が停止するまでの期間に亘り、同指令信号が「閉弁且つ動作停止状態」に維持される。具体的には、本実施例では、再び自動復帰条件の成立が検出されるまで排気側可変動弁機構42に対する指令信号を「閉弁且つ動作停止状態」に維持することとした。
本実施例においては、第2気筒群#bに排気側可変動弁機構42が設けられていないため、ステップS301では第2気筒群#bに対する排気弁休止処理は実行されない。このように、第2気筒群#bに排気側可変動弁機構42を設けなかったのは、第2排気管31bにはEGRガスの取り出し口が形成されていないことに因る。すなわち、本構成においては、たとえエンジン1の機関停止過渡期に新気が第2排気管31bに掃気されても、その新気がEGR管34を介して吸気系に還流されてくることはないからである。このような実情に鑑み、本実施例においては、第1気筒群#aのみに対して排気弁休止処理を実行し、第2気筒群#bに対しては積極的に排気弁休止処理を実行しないこととした。以上のように、本実施例において第2気筒群#bに対する排気弁休止処理を実施しないのは、同処理の実施の有無に因らずに自動再始動時におけるEGRガスを充分に確保できることを理由とするものであり、同処理の実施が阻害されるものではない。
以上のように、本ルーチンに係る制御によれば、エンジン1の自動停止時において、新気が第1気筒群#aから掃気されることが抑制される。更に、最終燃焼ガス排気行程において第1気筒群#aから排出された最終燃焼ガスを、第1排気管31a及びEGR管34内に確実に溜めておくことができる。本実施例においてはステップS102、S301の処理を実行するECU10が本発明における停止手段、及び処理手段に相当する。
次に、エンジン1の自動再始動に係る制御について説明する。本実施例において、自動復帰条件の成立が検出された場合、ECU10は、排気管22におけるEGR管34との接続部、すなわちサージタンク24の圧力(以下、単にサージ内吸気圧という)Psgを負圧側に設定された負圧側基準圧力Psgbまで低下させる始動時負圧化制御を実行する。そして、当該始動時負圧化制御中においては、各燃料噴射弁20による燃料噴射の開始が禁止され、且つ、EGR弁35が閉弁状態(全閉状態)に維持される。本実施例においては始動時負圧化制御を実行するECU10が本発明における負圧化制御手段に相当する。
負圧側基準圧力Psgbは、始動時負圧化制御においてサージ内吸気圧Psgを低下させるときの目標圧力である。本実施例における負圧側基準圧力Psgbは、閉弁状態のEGR弁35を開弁させた場合に、サージ内吸気圧PsgとEGR管34におけるEGR弁35より上流の部分(第1排気管31a側)の圧力との差を利用して、該EGR管34内に溜めておいた既燃ガスを円滑にサージタンク24へと還流させるべく、大気圧よりも低い値に設定される。本実施例においては負圧側基準圧力Psgbが本発明における所定の基準圧力に相当する。
始動時負圧化制御によれば、サージ内吸気圧Psgを負圧側基準圧力Psgbまで低下させてからエンジン1の始動及びEGRが開始されるので、EGR管34におけるEGR弁35より上流の部分とサージタンク24との差圧をEGR開始前に予め増大させておくことができる。そして、この差圧を利用して、EGR管34及び第1排気管31a内に溜めておいた既燃ガスをEGRの開始と共に円滑にサージタンク24内へと還流させることができる。
図13は、本実施例における自動再始動制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、ECU10のROM内に記憶されているプログラムであり、エンジン1の自動停止中に一定周期毎に実行される。なお、図9における制御ルーチンと同じ内容の処理が行われる場合には、同じステップ符号を付すことでその詳しい説明を省略する。尚、本ルーチンの実行開始時においては、各燃料噴射弁20への指令信号は「燃料噴射停止ON」とされており、且つ、EGR弁35が閉弁されている(図12におけるS102、S104参照)。
本ルーチンにおいてステップS202の処理が終了すると、ステップS401に進む。ステップS401では、排気側可変動弁機構42及び吸気側可変動弁機構52への指令信号は、「閉弁且つ動作停止状態」に制御される。
ステップS402では、各燃料噴射弁20による燃料噴射の開始が禁止され、且つ、EGR弁35が閉弁状態に維持された状態で上述した始動時負圧化制御が実施される。具体的には、ECU10は、スロットル弁25の開度を、吸気の圧力損失が充分に大きくなる所定の規定開度に制御した状態で、モータ2にクランクシャフト15を回転駆動(モータリング)させるモータリング制御を行う。本実施例では、第2気筒群#b(#1b〜#4b)の吸気弁37と排気弁38は、モータリング制御中を含め、常時、通常動作状態に維持されているため、モータリング制御が行われることサージタンク24内に負圧を発生させることができる。なお、上記の規定開度は予め実験等の経験則に基づいて定めておくことができる。
ここで、モータリング制御中における第1気筒群#a(#1a〜#4a)の吸気弁37と排気弁38は、閉弁且つ動作停止状態に維持されるため、第1気筒群#a内部に新気が導入されることはない。つまり、モータリング制御中に吸気管22内の新気が第1排気管31aに掃気されることがない。これにより、エンジン1の自動停止時に第1排気管31aに溜めておいた既燃ガスが、該第1排気管31aの下流側に流されることが抑制される。
ステップS403では、吸気圧センサ26の出力信号に基づいてサージ内吸気圧Psgが検出される。そして、ステップS404ではサージ内吸気圧Psgが負圧側基準圧力Psgb以下であるか否かが判定される。本ステップにおいて、肯定判定された場合(Psg≦Psgb)にはステップS205に進み、そうでない場合(Psg>Psgb)にはステップS403に戻る。この場合、サージ内吸気圧Psgが負圧側基準圧力Psgbへと低下するまで始動時負圧化制御が継続実施される。
ステップS205では、EGR弁35の目標開度、燃料噴射弁20による燃料噴射量の制御目標値が算出される。そして、ステップS205の処理が終了するとステップS405に進む。ステップS405では、第1気筒群#a(#1a〜#4a)を休止させた状態に維持しつつ、第2気筒群#b(#1b〜#4b)のみを稼働させることによってエンジン1を始動させる。
具体的には、ECU10は、第2気筒群#bに対応する燃料噴射弁20への指令信号を「燃料噴射停止ON」から「燃料噴射停止OFF」に切り替え、第1気筒群#aに対応する燃料噴射弁20への指令信号は「燃料噴射停止ON」に維持する。そのため、第1気筒群#aへの燃料供給は開始されないため第1気筒群#aは休止状態に維持される。一方、第2気筒群#bへの燃料の供給は開始されるため、この燃料が点火プラグ17による点火制御によって燃焼することで第2気筒群#bのみが稼働し、エンジン1が再始動する。
続くステップS406では、EGR弁35の開度が全閉からステップS205で算出した目標開度に変更され、EGR弁35が開弁される。本ステップの処理が終了すると本ルーチンを一旦抜ける。以上のように、本制御によれば第1気筒群#aを休止させた状態でエンジン1が始動するため、第2気筒群#bの一気筒当たりに供給可能なEGRガス量が、全気筒を稼働させる場合に比べて増加する。したがって、エンジン1の始動時におけるEGRガスの確保をより確実に行うことができる。
以上述べた本実施形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得る。例えば、本実施例では、始動時負圧化制御中における第1気筒群#a(#1a〜#4a)の吸気弁37と排気弁38の双方を閉弁且つ動作停止状態に制御していたが、吸気弁37と排気弁38の何れか一方のみを閉弁且つ動作停止状態としても良い。何れの制御を実行しても始動時負圧化制御中に第1気筒群#a内部に新気が導入されることを抑制できるため、第1排気管31a内に溜めておいた既燃ガスが新気によって下流側に流されることが抑制される。尚、その際に、第1気筒群#aの排気弁38のみを閉弁且つ動作停止状態とする場合には、吸気側可変動弁機構52を配置する必要がないため、製造コストを削減することも可能である。
また、本実施例で説明した始動時負圧化制御においては、スロットル弁25を閉じつつクランクシャフト15をモータリングさせる方法を採用しているが、サージ内吸気圧Psgを負圧側基準圧力Psgbまで低下させることができれば、その他の方法を採用しても構わない。例えば、排気管(31、31a)におけるEGR管34との接続部よりも下流側の部分とサージタンク24とを連通する連通管と、サージタンク24内の新気を連通管へと吸引する吸引ポンプを有する負圧発生装置を備えても良い。そして、吸引ポンプを作動させることによってサージタンク24に負圧を発生させ、サージ内吸気圧Psgを負圧側基準圧力Psgbまで低下させても良い。また、このような始動時負圧化制御は、複数の気筒群を有するエンジンのほか、単一の気筒群を有するエンジンに適用することができるのは勿論である。
実施例1に係るハイブリッド車両の概略構成を示す図である。 実施例1に係るエンジンの概略構成を示す図である。 実施例1に係るエンジンの吸排気系の概略構成を示す図である。 排気側可変動弁機構の斜視図である。 排気側可変動弁機構の側部断面図である。 ロックピン付近の側部断面構造を示す断面図である。(a)は、締結解除時の態様を示した図である。(b)は締結時の態様を示した図である。 実施例1における自動停止条件の成立前後における各気筒#nの吸排気弁のバルブリフト量の推移等を示したタイムチャートである。 実施例1における自動停止制御ルーチンを示したフローチャートである。 実施例1における自動再始動制御ルーチンを示したフローチャートである。 実施例2に係るエンジンの吸排気系の概略構成を示す図である。 実施例2に係るエンジンの概略構成を示す図である。(a)は、第1気筒群#a側の構造を表すエンジンの部分断面図である。(b)は、第2気筒群#b側の構造を表すエンジンの部分断面図である。 実施例2における自動停止制御ルーチンを示したフローチャートである。 実施例2における自動再始動制御ルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
1・・・エンジン
2・・・モータ
4・・・駆動輪
#n・・気筒
10・・ECU
13・・ピストン
15・・クランクシャフト
18・・吸気ポート
19・・排気ポート
20・・燃料噴射弁
21・・吸気マニホールド
22・・吸気管
24・・サージタンク
25・・スロットル弁
30・・排気マニホールド
31・・排気弁
33・・EGR装置
34・・EGR通路
35・・EGR弁
37・・吸気弁
38・・排気弁
39・・吸気カムシャフト
39a・吸気カム
40・・排気カムシャフト
40a・排気カム
41・・バルブタイミング可変機構
42・・排気側可変動弁機構
52・・吸気側可変動弁機構

Claims (7)

  1. 複数の気筒を有する多気筒内燃機関の制御装置において、
    機関停止条件が成立した場合に各々の気筒への燃料の供給を停止して該内燃機関を停止させる停止手段と、
    機関始動条件が成立した場合に各々の気筒への燃料の供給を開始して該内燃機関を始動させる始動手段と、
    前記内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路を介して、該排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして該吸気通路に再循環させるEGR装置と、
    前記内燃機関の排気弁を通常動作状態と、閉弁且つ動作停止状態と、の何れかに切り替え可能な排気弁可変装置と、
    前記停止手段が内燃機関を停止させる際に、燃料の供給が停止される直前に供給された燃料が燃焼することで生成された燃焼ガスが排気通路へと排出される排気行程が終了した気筒から、順次、前記排気弁可変装置に排気弁を通常動作状態から閉弁且つ動作停止状態へと切り替えさせると共に、少なくとも内燃機関の出力軸の回転が停止するまでの間に亘って該閉弁且つ動作停止状態を維持する排気弁休止処理を実施する処理手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関は複数の気筒が集合して形成される第1気筒群と第2気筒群とを有し、
    前記排気通路は、第1気筒群からの排気が通過する第1排気通路と、第2気筒群からの排気が通過する第2排気通路とを有して形成され、
    前記吸気通路は、第1気筒群への吸気と第2気筒群への吸気とが共に通過する共用吸気通路を有して形成され、
    前記EGR通路は前記第1排気通路及び前記共用吸気通路を接続し、
    前記排気弁可変装置は、第1気筒群の各排気弁のみを、通常動作状態と、閉弁且つ動作停止状態と、の何れかに切り替え可能であって、
    前記処理手段は、前記停止条件が成立した場合に、第1気筒群の各排気弁のみに対して排気弁休止処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記機関始動条件が成立した場合に、前記始動手段は、第1気筒群への燃料の供給を開始せずに該第1気筒群を休止させた状態に維持し、且つ、第2気筒群への燃料の供給を開始して該第2気筒群を稼働させることによって内燃機関を始動させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記EGR装置は前記EGR通路の流路断面積を変更可能なEGR弁を有し、
    前記機関始動条件が成立した場合に、前記EGR通路との接続部における吸気通路内の圧力を負圧側に設定された所定の基準圧力まで低下させる始動時負圧化制御を行う負圧化制御手段を更に備え、
    前記始動時負圧化制御中においては、前記始動手段による燃料の供給の開始が禁止され、且つ、前記EGR弁が閉弁状態に維持されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記EGR装置は前記EGR通路の流路断面積を変更可能なEGR弁を有し、
    前記内燃機関の出力軸を回転駆動させる電動機と、
    前記機関始動条件が成立した場合に、第2気筒群の各吸気弁及び各排気弁を通常動作状態としつつ前記電動機に出力軸を回転駆動させることにより、前記EGR通路との接続部における共用吸気通路内の圧力を負圧側に設定された所定の基準圧力まで低下させる始動時負圧化制御を行う負圧化制御手段と、
    を更に備え、
    前記始動時負圧化制御中においては、前記始動手段による燃料の供給の開始が禁止され
    、且つ、前記EGR弁が閉弁状態に維持されることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 始動時負圧化制御中においては、第1気筒群の各排気弁が前記排気弁可変装置によって閉弁且つ動作停止状態に維持されることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 第1気筒群の各吸気弁を通常動作状態と、閉弁且つ動作停止状態と、の何れかに切り替え可能な吸気弁可変装置を更に備え、
    始動時負圧化制御中においては、第1気筒群の各吸気弁が前記吸気弁可変装置によって閉弁且つ動作停止状態に維持されることを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関の制御装置。
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