JP2004100241A - シートシャッター - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱性や防塵性、防音性、汎用性に優れたシートシャッターを提供する。
【解決手段】シートシャッター1は、前シート3と後シート5と、前シート3を巻き上げ・巻き下げするローラ組立体7と後シート5を巻き上げ・巻き下げするローラ組立体9と、ファン11、シート3、5の幅方向両端部を上下に案内するレールボックス13と、本体ボックス15とを備える。このような構造によりシート3、5の間に空気層が形成され、この空気層が断熱層、防音層として作用する。シート間S3やレールボックス内空間S1、本体ボックス内空間S2に気流を流すことによって、シートシャッターで画された2つの空間の間の温度の差に伴う問題(結露など)を解消したり、一方の密閉空間への換気機能を付与することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】シートシャッター1は、前シート3と後シート5と、前シート3を巻き上げ・巻き下げするローラ組立体7と後シート5を巻き上げ・巻き下げするローラ組立体9と、ファン11、シート3、5の幅方向両端部を上下に案内するレールボックス13と、本体ボックス15とを備える。このような構造によりシート3、5の間に空気層が形成され、この空気層が断熱層、防音層として作用する。シート間S3やレールボックス内空間S1、本体ボックス内空間S2に気流を流すことによって、シートシャッターで画された2つの空間の間の温度の差に伴う問題(結露など)を解消したり、一方の密閉空間への換気機能を付与することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の室内壁の出入り口を高速で開閉するシートシャッターに関する。特には、冷蔵(冷凍)庫、食品加工工場、電子部品生産工場、病院、きのこ栽培室のような雰囲気のコントロールされたスペースにおいて部屋の出入り口を開閉するシートシャッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
シートシャッターは建物の外壁や内壁の出入り口に設置され、該出入り口を開閉するものである。大半のシートシャッターは、出入り口への人や搬送車の接近を検知して自動的に開閉するようになっている。シートシャッターのシートは軽量であって高速での開閉が可能であるため、出入り口の開時間が短く、各空間からの熱や空気の流出が起こりにくい。このため、二つの空間の間の断熱性や防塵性を保つことができる。
【0003】
このようなシートシャッターは、冷凍室や冷蔵室といった低温の倉庫や、食品加工工場や電子部品生産工場、病院等に設置されている。例えば食品加工工場においては、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口にシートシャッターが設けられている。また、電子部品工場においては、防塵性が必要な精密作業場への出入り口に設けられて、ほこりやゴミ、虫の精密作業場への侵入を遮断している。また、自動車工場においては、自動車の打音試験の出入り口にシートシャッターを付設する場合がある。このシートには防音性を備えたものが使用される。この際、シートが1枚の場合は騒音の低下量は10dB程度であり、シートが2枚の場合は低下量が30dB程度となる。
【0004】
図11は、従来のシートシャッターの構造を模式的に示す側面図である。
この例は、食品工場の、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口に設けられたシートシャッターを示す。
このシートシャッター701は、1枚のシート703と、同シートを巻き上げ・巻き下げするローラ組立体705と、フレーム707とを備える。フレーム707は左右のレール709と、各レールの上端間に掛け渡されたボックス711と、左右の柱713からなる。
【0005】
ローラ組立体705はモータ(図示されず、図2参照)を備え、ボックス711内に配置されている。シート703は上辺がローラ組立体705に固定されており、シート703は左右レール709の間へ垂下している。ローラ組立体705がモータによって回転すると、シート703はローラ組立体705に沿って巻き上げ・巻き下げされる。シート703は軽量のビニールシート等で作製される。シートシャッターの開閉速度は一例で1m/s程度である。
【0006】
左右レール709にはセンサ715が備えられている。センサ715がシート703の下降中に人や搬送車を検知すると、モータ組立705が作動してシート703が自動的に巻き上げ動作を行い、センサの検知が終了すると巻き下げ動作をする。
【0007】
このシートシャッター701により、冷蔵室等の低温の空間(図の右側)と、作業エリア等のやや低温もしくは室温の空間(図の左側)を区画し、冷気の漏れを防ぎつつ、作業エリアの温度低下を防止している。
【0008】
また、断熱機能をさらに高めるために、このようなシートシャッターと防熱扉を併用することがある。この場合、防熱扉が冷蔵室側、シートシャッターが作業エリア側に配置される。防熱扉は鉄板と断熱材の二重構造を有し、十分な断熱性を備えるが、重量が重いため開閉時間が遅く(シートシャッターの開閉速度1m/sの1/10程度)、開閉中の熱の流出が大きい。このため、人や搬送車が比較的頻繁に出入りするときは防熱扉は開いた状態で待機して、シートシャッターのみが開閉される。そして、シートシャッターがある時間以上開閉されない場合は、防熱扉を閉じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図11において、シートシャッター701の左側は高温側(作業室)、右側は低温側(冷蔵室)であり、シート703の両面では温度差がある。このため、高温側の面では、大気中の水蒸気の結露が発生する。この結露がシート703に沿って落下すると、そこで水溜りとなったり、凍結することがある。凍結すると、シート703の下端と床面が固着して、シート703が開きにくくなることがある。また、凍結部の冷気が地面を伝わって作業エリアに達し、作業エリア内のシートシャッターに近い位置では、作業者が冷気を感じることがある。このような問題点は、シートシャッターと防熱扉を併用した場合も同様に生じうる。
【0010】
そこで、従来では、シートシャッターの下方の床面にヒータ717を埋め込んで床面を加熱している例もある。これにより、シート703の真下の床面を加熱して結露を防ぐとともに、冷気が作業室側へ入らないようにしている。しかし、ヒータ717を床面に埋め込むために工事が必要になり、消費熱量も多くなる。
【0011】
また、電子部品工場などの、ほこりやゴミを嫌う精密作業場への出入り口においては、ほこりやゴミ、虫の精密作業場への侵入を遮断する必要がある。シートシャッターは高速で開閉するため、異物の侵入を相当程度防ぐことはできるが、防塵性をさらに高めるために、シートシャッターと、外扉やエアシャワーユニットを組み合わせることもある。この組み合わせはそれぞれ専用機が必要となり、汎用性が少ない。
【0012】
また、従来においては、シートシャッターで密閉されている側の部屋を換気する場合は、シャッター設備とは別に換気設備を設けている。
【0013】
上述のように、従来のシートシャッターは、出入り口の開閉を主な目的として作製されている。このため、断熱性や防塵性、防音性を高めたり、換気設備等の他の機能を付与するためには、新たな設備や機能を別に付加する必要がある。
【0014】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、断熱性や防塵性、防音性、汎用性に優れたシートシャッターを提供することを目的とする。あるいは、冷蔵庫や冷凍庫に使用される場合に、シート表面への結露の発生を防止できるシートシャッターを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、を具備することを特徴とする。
複数枚のシート間に空気層が形成され、この空気層が断熱層、防音層として作用する。このような空気層を形成するものとして、従来では二重のカーテンやガラスで作製された扉はあったが、シートシャッターを二重とすることにより、高速開閉が可能で、断熱性や防音性、防塵性を備えたシャッターを提供できる。
【0016】
本発明の第2のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側と奥側で二重となるように、下端でループ状に折り返されたシートと、 該シートの手前側又は奥側の端部を巻き上げ・巻き下げする手段と、を具備することを特徴とする。
一枚のシートで二重にして、その空間を空気層とできる。このシートシャッターは一枚のシートを使用して、一つの巻き上げ・巻き下げ機構で開閉できるため、構造が簡易であり低コストで作製できる。
【0017】
本発明の第3のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数枚のシート間の空間に気体を流す手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の第4のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内において上げ下げされるシートと、 該シートを巻き上げ・巻き下げする手段と、 前記シートの奥側と手前側との間で通風する手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の第5のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内において上げ下げされるシートと、 該シートを巻き上げ・巻き下げする手段と、 前記シートの幅方向両端部を上下に案内するレールボックスと、 該レールボックスを介して前記シートの奥側と手前側との間で通風する手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の第6のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記シートの幅方向両端部を上下に案内するレールボックスと、 該レールボックス及び前記複数のシート間の空間に気体を循環させる手段と、を具備することを特徴とする。
【0018】
シート間やレールボックス内に気流を流すことによって、シートシャッターで画された2つの空間の間の温度の差に伴う問題(詳細例後述)を解消したり、一方の密閉空間への換気機能を付与することができる。
【0019】
本発明においては、 前記気体の温調手段をさらに具備すれば、暖気をシートシャッター内で循環させることができる。これにより、シートを暖めることができ、シート表面への結露の発生や、床面の冷却などを防ぐことができる。
【0020】
本発明においては、 前記気体のフィルターをさらに具備すれば、防塵機能を付与することができる。
【0021】
本発明の第6のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数枚のシート間の間隔を変える手段と、を具備することを特徴とする。
シート間の間隔を変えて、使用目的により沿った設備配置とできる。あるいは、シート間に人や搬送車を入れることができる。このため、一回の開閉で複数のシートを同時に上げ下げするだけでなく、人や搬送車がシート間空間に入った時点でシート間空間を閉じることができる。これにより、2つの空間を直接連通させることがなく、各部屋からの空気の流出を抑えることができる。
【0022】
本発明の第7のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数のシート間にエアシャワーを供給する手段と、を具備することを特徴とする。
シート間空間を、人体に付着したほこりやゴミを吹き飛ばすエアシャワーとすることがきるため、ほこりやゴミの侵入を嫌う精密部品工場の出入り口に適用することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図1(A)は一部断面正面図、図1(B)は側面断面図である。
図2は、図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す正面断面図である。
図3は、図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す側面断面図である。
図4は、図1(A)のI−I断面図である。
この例においては、食品工場内の、冷凍室や冷蔵室といった低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口にシートシャッターを付設した場合を示す。
図1に示すように、このシートシャッター1は、前シート3と、後シート5と、各シートを独立して巻き上げ・巻き下げする前後ローラ組立体7、9と、ファン11と、フレーム(本体ボックス15や柱17など)とを備える。
以下の説明において、前方向及び手前方向とは作業エリア側を示し、後方向及び奥方向とは冷蔵庫側を示す。この例では、図1(A)の手前側及び図1(B)の左側が高温側(作業エリア)であり、図1(A)の奥側及び図1(B)の右側が低温側(冷蔵庫)とする。
【0024】
まず、フレームの構造を簡単に説明する。
フレームは、左右のレールボックス組立体13L、13Rと、左右レールボックス組立体の上端に掛け渡された本体ボックス15と、左右の柱17L、17Rとからなる。本体ボックス15の下方の左右のレールボックス組立体13L、13Rの間には、クロス部材19が掛け渡されて各レールボックス組立体に固定されている。
【0025】
次に、シートについて説明する。
このシートシャッター1は前シート3と後シート5の2枚のシートを有し、前シート3は作業エリア側に、後シート5は冷蔵庫側に配置される。前シート3は、比較的軽量な透明なシート材料で作製される。後シート5は、両面にシリコーン樹脂が塗布された防寒シートであり、前シート3に比べて重量が重い。各シート3、5は、この例では、縦長の方形形状で、前後シートの幅は等しく、長さは後シート5の方が前シート3より長い。
【0026】
各シート3、5の下辺には、同シートの幅方向に延びる鉄製の下段パイプ21が固定されている。さらに、各シートの一面(この例では冷蔵庫側の面)には、同シートの幅方向に延びる鉄製の中段パイプ23が一定の間隔(一例で65cm)を隔てて固定されている。中段パイプ23及び下段パイプ21は同じ部材であり、長さは各シート3、5の幅と同じである。図4に詳しく示すように、各パイプは、中央付近の大径部21aと、両端の小径部21bからなる。これらのパイプ21、23は、パイプをシート片3´、5´で巻き、シート片の両端部をシート3、5に溶着することにより固定されている。これらのパイプ21、23は、シート3、5の幅方向の強度を補強すると同時に、巻き下げ時のウェイトとなる。
【0027】
前シート3は前ローラ組立体7により巻き上げ・巻き下げされ、後シート5は後ローラ組立体9により巻き上げ・巻き下げされる。各ローラ組立体7、9は、図1(A)、図2に示すように、本体ボックス15内に、各シートの幅方向に延びるように配置されている。また、図3に詳しく示すように、前ローラ組立体7は、本体ボックス15の下部中央付近に、後ローラ組立体9は、同ボックス15の上部後方付近に配置される。つまり、後ローラ組立体9は前ローラ組立体7のやや上方かつ後方に配置されている。また、前ローラ組立体7と、本体ボックス15の底板及び前板との間には、ある程度のスキマが開けられている。さらに、両ローラ組立体間7、9には、上下方向及び前後方向にある程度のスキマが開けられている。
【0028】
図2を参照してローラ組立体の構造を説明する。
各ローラ組立体7、9は、ロータパイプ25、27と、同ロータパイプを回転させるモータ29、31とを備える。各ロータパイプ25、27はアルミ押出材等で作製された円筒パイプであり、本体ボックス15の一方の側板15aから他方の側板15bへ延びている。各ロータパイプ25、27の一端(図2の左端)には軸受33、35が取り付けられている。各軸受33、35は、本体ボックス15の一方(図2の左端)の側板15aに固定された軸受ボックス37、39に保持されている。同パイプの他端(図2の右端)は開口となっている。そして、同開口へ、本体ボックス15の他方(図2の右端)の側板15bに固定されたモータ29、31が入り込んでいる。各モータ29、31の出力軸には減速機41、43が各々接続されており、同減速機の出力軸41a、43aにはフランジ45、47が各々固定されている。各フランジ45、47の外面はロータパイプ25、27の内面に各々固定されている。モータ29、31が駆動されると、モータ出力軸が回転し、減速機41、43を経てフランジ45、47とともにロータパイプ25、27が回転する。
本体ボックス15の左右の側板は、各々カバー20で覆われている。
【0029】
図3に示すように、各ロータパイプ25、27の外周面には、同パイプの長さ方向に沿って、各シート3、5の上辺3a、5aが固定されている。このとき、図1(B)、図3に示すように、シート3、5は、ロータパイプ25、27の奥側から下方に垂下する。両シートが巻き下げられたときの、2つのシート3、5間の間隔Wは一例で である。モータ29、31が駆動してロータパイプ25、27が図の反時計方向に回転すると、シート3、5は同パイプに沿って巻き上げされる。このときの前側の軽量シート3の開閉速度(上昇速度)は1〜2m/sと比較的高速で、後側の断熱シート5の開閉速度(上昇速度)は0.5m/s以下と比較的低速である。
【0030】
本体ボックス15内には二つのリミットスイッチ(図示されず)が配置されており、同スイッチは各シート3、5が完全に巻き上げられたこと検知する。各シート3、5が完全に巻き上げられると、リミットスイッチからモータ29、31に信号が送られてモータが停止し、シート3、5が巻き上げられた状態で保持される。なお、両シート3、5とも、巻き下げ時にはモータ29、31を駆動して巻き下げる。このときの前シート3の開閉速度(降下速度)は約0.8m/sで、後シート5の開閉速度(降下速度)は約0.5m/sである。
【0031】
次に、図3、図4を参照してフレームの構造を詳細に説明する。
フレームは、前述のように、左右のレールボックス組立体13L、13Rと、左右のレールボックス組立体の上端に掛け渡された本体ボックス15とを有する。左右レールボックス組立体13L、13Rは、各々前後方向に固定された前シート用前レールボックス51と後シート用後レールボックス53からなる。前後レールボックス51、53は中空で、断面形状は方形である。前後レールボックス51、53の幅は等しく、奥行きは、後レールボックス53の方が前レールボックス51より長い。前後レールボックス51、53の高さは同じである。
【0032】
図4に示すように、各前レールボックス51の後壁51aは各後レールボックス53の前壁53dに固定されている。各壁51a、53dには、高さ方向に延びるやや幅広の開口55が開けられている。前後レールボックス51、53が固定されると、前後レールボックスの内部は各壁の開口55で連通している。これにより、前後レールボックス51、53内で一つの空間(レールボックス内空間S1)が形成される。各前後レールボックス51、53内には、高さ方向に所定の間隔を隔てて補強用のリブ(図示されず)が設けられている。左右レールボックス組立体13L、13Rの上端は開口している。
【0033】
左右レールボックス組立体13の各前レールボックス51と各後レールボックス53の左右対向する側壁には、上下に延びるガイド用スリット61が開けられている。このスリット61に各シート3、5の左右辺が入り込んで上下に案内される(詳細後述)。さらに、各前後レールボックス51、53のスリット61間の側壁62の下部(一例で下端から100cmの部分)には通気口63が開けられている。この通気口63はガラリ状であったり、パンチングプレートで形成してもよい。
【0034】
図3に示すように、本体ボックス15の下壁15cの奥側には、左右レールボックス組立体13L、13Rの上端の開口59が位置している。そして、各ローラ組立体7、9から、各シート3、5が左右レールボックス組立体13L、13Rの間に垂下し、巻き上げ・巻き下げされる。
【0035】
このような構成によって、左右レールボックス組立体13の内部に形成されたレールボックス内空間S1(図4参照)は、同組立体の上端の開口で、本体ボックス内部(本体ボックス内空間S2、図3参照)と連通している。また、本体ボックス内空間S2は、下面開口59で前シート3と後シート5との間のシート間空間S3(図4参照)と連通している。さらに、このシート間空間S3は、左右レールボックス組立体13のレールボックス内空間S1と、通気口63で連通している。
【0036】
左右の柱17L、17Rは、本体ボックス15と後レールボックス53の奥側の面に沿って固定されている。この柱17は中実で、本体ボックス15、左右レールボックス組立体13を床面上に直立に保持する。
【0037】
次に、図4を参照して、左右レールボックスのガイド構造を説明する。
各前後レールボックス51、53のスリット61には、各々樹脂ガイド65が設けられている。各スリット61は、各前後レールボックス51、53の左右対向する側壁を上下に延びる線で分断し、分断した左右の壁面を所定の長さだけボックスの内側にほぼ直角に折りこんで形成されている。スリット61の幅は、シートに固定されているパイプ21(23)の小径部21bの径より大きい。樹脂ガイド65は、折り込まれた2つの壁の部分に固定された固定部67と、固定部67からさらに内方向に延びる柔軟部69とからなる。固定部67はポリエチレンの硬質樹脂で作製され、折りこまれた壁を取り囲んで同壁に固定される。この固定部67の先端には、ポリエチレンの軟質樹脂で作製された柔軟部69が固定されている。両柔軟部69は弾性力により互いに接している。
【0038】
各シート3、5の左右辺及び各パイプ21(23)の端部は、各前後レールボックス51、53のスリット61から各ボックス内のほぼ中央まで入り込んでいる。そしてシートの左右辺及びパイプの端部は、同開口の樹脂ガイド65に沿って上下方向にガイドされる。このとき、シート3、5の部分では、樹脂ガイド65の柔軟部69が前後からシートをピッタリと挟み、パイプ21(23)の端部でも、同柔軟部69が前後からパイプを挟みこむ。ここで、パイプ21(23)に径があるためパイプと柔軟部との間にスキマが生じるが、柔軟部69でガイドされるパイプ21(23)の部分を小径部21bとすることによりこのスキマを小さくし、気密性をアップしている。
【0039】
図3及び図1に示すように、本体ボックス15内の両ローラ組立体7、9間の位置であって、シートシャッター1の幅方向の中央付近にはファン11が配置されている。ファン11としては例えばクロスフローファンが使用される。ファン11は、本体ボックス15の手前側から奥側へ空気を送るように回転する。
【0040】
図1に示すように、左右レールボックス組立体13の前面(作業室側)の下方には、センサボックス71が配置されている。一方のレールボックス組立体には、反射板を備えたセンサボックスが配置され、他方のレールボックス組立体には、光電管センサを備えたセンサボックスが配置されている。光電管センサは反射板に向けて光を発し、同反射板で反射された光を受光する。両センサボックス71間に人や搬送車等が接近すると、光が遮られて、前シート3の前に人や搬送車等が接近したことが検知できる。
【0041】
図3に示すように、本体ボックス15、前後レールボックス組立体13の内面の各所には、線状や面状のヒータ77が貼り付けられている。ヒータ77としては、高熱伝導性のプレートの一面に、電熱線をアルミ箔で挟んで貼り付けたものなどが使用される。
【0042】
各ローラ組立体7、9のモータ29、31、リミットスイッチ、ファン11、センサ、ヒータ77は、本体ボックス15に設けられている制御盤79で制御される。
【0043】
次に、このシートシャッター1の動作について説明する。前後シート3、5が閉じているときを初期状態とする。
人や搬送車が前シート3の前面に接近すると、センサボックス71内のセンサが反応して、接近を知らせる信号を発する。すると、最初に、後ローラ組立体9のモータ31が駆動して、後シート5をロータパイプ27に沿って巻き上げる。そして、後シート5が半分位上昇すると、前ローラ組立体7のモータ29が駆動して前シート3をロータパイプ25に沿って巻き上げる。両シート3、5とも完全に巻き上げられるとリミットスイッチが作動して、モータ29、31の駆動が停止する。そして、両シート3、5が巻き上げられてから所定の時間後、両シートがパイプのウェイト(下段パイプ21及び中段パイプ23)によって巻き下げられる。
【0044】
このシートシャッター1においては、シート3、5を巻き下げた状態では、両シート間(空間S3)に空気層が形成され、二つの空間を断熱性や防音性を持って区切ることができる。
【0045】
次に、このシートシャッター1における空気の流れを説明する。
同シートシャッター1においては、両シート3、5が巻き下げられた状態のときに、上述のように、本体ボックス内空間S2、左右レールボックス内空間S1、シート間空間S3が形成される。そして、本体ボックス内空間S2は、同ボックスの下面開口59の両端部で左右レールボックス内空間S1と連通しているとともに、同下面開口59の中央部でシート間空間S3と連通している。そして、左右レールボックス内空間S1は、同空間の下方で、シート間空間S3と連通している。
【0046】
ここで、ファン11を回転させると、以下のような空気の流れが発生する。本体ボックス15内において、ファン11が回転すると、本体ボックス15の幅方向中央で本体ボックス内空間S2からシート間空間S3へ空気が吹き出される(図1(A)、図3の矢印A1)。空気は、シート間空間S3を下方に流れ(図1(A)の矢印A2)、同空間の下部に達する。そこで左右レールボックス組立体13の下部の通気口63から左右レールボックス内空間S1に流れ込む(図1(A)の矢印A3)。そして、左右レールボックス内空間S1を上方に流れ(図1(A)の矢印A4)、本体ボックス15の下部開口59から本体ボックス内空間に達する(図3の矢印A5)。
このように、本体ボックス内空間S2からシート間空間S3へ、シート間空間S3から左右レールボックス内空間S1へ、そして、同空間S1を通って本体ボックス内空間S2へ向かう空気の循環経路が形成する。この循環経路は、シートシャッター内でほぼ閉じており、外部には開放されていない。
【0047】
ここで、本体ボックス15やレールボックス組立体13の内面に貼り付けられたヒータ77を加熱すると、本体ボックス内空間S2→シート間空間S3→レールボックス内空間S1→本体ボックス内空間S2という循環経路に沿って、加熱された空気が循環する。
したがって、シート間空間S3に加熱された空気が流れて、シート3、5を暖めるため、結露が生じない。また、循環経路は、シート間空間S3の下部まで達するため、床面も暖め、床面の凍結や冷気の移動も防げる。
【0048】
この例のシートシャッターの構造を基本構造として、種々の変更(開口の形成やファンの回転方向の変更)を加えることによって気流の方向を変えることができる。そして、シートシャッターに出入り口の開閉とともに以下に述べるように様々な機能を付与することができる。なお、以下の例においてシャッター機能は図1のシートシャッターのシャッター機能と同等である。
【0049】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図5(A)は横断面図、図5(B)は側面図である。
この例のシートシャッターも、食品工場の、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口に適用される。この例では、特に、作業エリアの下方の冷気を排気して、作業エリアの温度低下を抑えることができる。このシートシャッター101は図1のシートシャッター1とほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。なお、図1のシートシャッターと同じ作用・構成を有する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
このシートシャッター101の左右レールボックス組立体113の前面下方には、開口151が開けられている。ファン111は、本体ボックス115内の前上隅を仕切るように固定された支持板153に取り付けられており、支持板153の奥側の空間から同板の手前側の空間へ空気を送るように回転する。そして、支持板153の手前側の空間に当る本体ボックス115の前板には、室外へ達する排気口155が設けられている。これにより、本体ボックス内空間S2から室外への空気通路が形成される。
【0051】
ファン111を回転させると、本体ボックス内空間S2の空気が排気口155に吸い込まれて排気され(図5(B)の矢印A1)、同空間S2が負圧となる。すると、シート間空間S3及び左右レールボックス内空間S1内の空気が、本体ボックス115の下面開口59から本体ボックス115内に吸い込まれる(各々矢印A2、A3)。このとき、シート間空間S3及び左右レールボックス内空間S1は負圧となるため、左右レールボックス組立体113の下部開口151から作業エリアの下方の空気がレールボックス内空間S1へ吸い込まれる(矢印A4)。そして、さらにレールボックス内空間S1から、通気口63を通してシート内空間S3へも流れ込む(図5(A)の矢印A5)。レールボックス内空間S1及びシート間空間S3へ流れ込んだ作業エリア下部の空気は、同空間内を上昇して、本体ボックス115内を経て、排気口155から排気される。
【0052】
このように、作業エリア下方の冷気を排気する機能を有するため、作業エリア下方の温度低下を防ぐことができる。
【0053】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るシートシャッターの本体ボックスの構造を説明する側面図である。
この例のシートシャッターも、食品工場の、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口に適用される。特に、作業エリア全体を暖める場合に適している。このシートシャッターは図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
シートシャッター201の本体ボックス215の前面下方には、吸気口251が開けられている。そしてこの吸気口251の奥には、ヒータ253が設けられている。また、図5のシートシャッターと同様に、各前レールボックスの前面下方には、開口(図示されず)が開けられている。
【0054】
ファン11を回転させると、主に作業エリア上方の空気が、吸気口251から本体ボックス215内に取り込まれる(矢印A1)。このとき空気はヒータ253を通過して加熱される。そして、ファン11の回転によって温風が本体ボックス内空間S2からシート間空間及びレールボックス間空間へ吹き出され(矢印A2、A3)、このときシート3、5が暖められる。温風はシート間空間及びレールボックス内空間を下方に流れ、各前レールボックスの前面下方の開口から作業エリア内に吹き出される。
【0055】
このように、作業エリアを暖房するとともに、シートを暖め、シート表面への結露の発生を防ぐことができる。
【0056】
図7は、本発明の第4の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図7(A)は横断面図、図7(B)は側面図である。
この例のシートシャッター301は、調理室内と室外との間の出入り口に適用される。特に、調理室がレンジフードや換気扇が作動して負圧となっている場合、シートが調理室側へ引っ張られたり、調理室内の作業者が負圧によって耳に支障を覚えることがある。また、調理室内と外での温度差が大きく、出入りの度に不快感を覚えることがある。このシートシャッターは、このように、二つの空間の間で気圧や温度の差がある場合に適している。このシートシャッターは図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
図7(A)において、手前側(図7(B)の左側)が調理室外、奥側(図7(B)の右側)が調理室内とする。
【0057】
ファン311は、図5のシートシャッターと同様に、本体ボックス内の前上隅を仕切るように固定された支持板353に取り付けられており、支持板353の手前側の空間から同板の奥側の空間へ空気を送るように回転する。そして、支持板353の手前側の空間に当る本体ボックス315の前壁には、吸気口355が開けられている。また、左右レールボックス組立体313の前面の下方には開口357が開けられている。開口357の奥にはフィルタ359が備えられている。さらに、各後レールボックスの、スリット61の奥の部分にも上下二ヶ所に開口361が開けられている。開口361の奥にはフィルタ363が備えられている。
【0058】
ファン311を回転させると、吸気口355から調理室外の空気が本体ボックス内空間S2に取り込まれ(矢印A1)、この空気はシート間空間S3や左右レールボックス内空間S1を通って、左右レールボックス組立体のガイド開口奥の二ヶ所の開口361から調理室へ流れる(矢印A2、A3)。同時に、左右レールボックス組立体の前面の開口357からも空気が吸い込まれ(矢印A4)、レールボックス内空間S1を奥方向に進んで(矢印A5)、ガイド開口奥の開口361から調理室へ流れる(矢印A2、A3)。
【0059】
これにより、調理室内と室外の気圧差を解消することができるとともに、調理室内と室外の温度差を小さくすることができる。
【0060】
図8は、本発明の第5の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する側面図である。
図9は、図8のシートシャッターの伸縮時の状態を説明する横断面図である。
この例のシートシャッター401は、精密機器工場等の人体洗浄用エアシャワーにも適用できる。このシートシャッター401は図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
【0061】
図9に示すように、左右レールボックス組立体413の前レールボックス451のスリット61と後レールボックス453のスリット61との間の、左右の壁461は蛇腹状となっている。そして、各前レールボックス451の下端にはキャスター463が備えられており、前レールボックス451は後レールボックス453に対して前後に移動する。同様に、図8に示すように、前シート用ローラ組立体7と、後シート用ローラ組立体9との間の本体ボックス415の部分465は蛇腹状となっている。これにより、前レールボックス451を前方に引き出すと、本体ボックス415も前方に伸びる。蛇腹状壁を伸ばして(図9(B)の符号461´)前レールボックス451を後レールボックス453に対して引き出したとき(図8、図9(B))の、前シート3と後シート5との間の間隔Dは、人が立てる程度の間隔(一例で10cm)である。
【0062】
左右レールボックス組立体413のガイド開口間の蛇腹状壁461の下方には、通気口479が開けられている。この通気口479によりシート間空間S3と左右レールボックス内空間S1が連通する。
【0063】
ファン411はエアシャワー用のファンで、図5のシートシャッターと同様に、本体ボックス415内の前上隅を仕切るように固定された支持板481に取り付けられており、支持板481の手前側の空間から同板の奥側の空間へ空気を送るように回転する。そして、支持板481の手前側の空間に当る本体ボックスの前板には、吸気口483が開けられている。左右レールボックス組立体413の前面下方には排気口485が開けられている。
【0064】
このシートシャッター401を使用する際は、まず、各前レールボックス451を各後レールボックス453から前方に引き出して、両シート3、5間に奥行きのある空間を形成する。そして前シート3を上げてシート間空間S3に人Hが入り、前シート3を降ろす。次に、ファン411を回転させて室外空気を通気口483から本体ボックス内空間S2に取り込み(図8の矢印A1)、同空間からシート間空間S3に吹き出す(矢印A2)。このとき、シート間空間S3に立っている人Hにエアシャワーが掛けられ、人を空気で洗浄する。シート間空間S3内の空気は蛇腹状壁461下方の通気口479から各レールボックス内空間S1に入り(図9(B)の矢印A3)、前レールボックスの前面の開口485から外に吹き出される(矢印A4)。
【0065】
この例においては、開閉機能とともに、エアシャワー機能を備えたシートシャッターを提供できる。
【0066】
図10は、本発明の第6の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図10(A)は側面図、図10(B)は横断面図である。
この例のシートシャッター501は一枚のシートで上述の例と同様に二重シートとすることができる。また、モータ組立も一つであり、低コスト化が可能である。このシートシャッターは図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
【0067】
この例においては、シート503が一枚であり、ローラ組立体505も一つである。そして左右レールボックス507は前後に分けられていない。
シート503の前辺503aは本体ボックス509の下面開口510の前端に固定されており、後辺503bは本体ボックス内のローラ組立体505のロータパイプ511に固定されている。ロータパイプ511からのシート503の巻き上げ・巻き下げ位置は、本体ボックス509の下面開口510の前端位置より後方に位置する。
【0068】
このようにシート503は、本体ボックスの下面開口510の前端とロータパイプ511との間に掛け渡される。ロータパイプ511を回転させると、シート503の実質的な長さ(本体ボックスの下面開口の前端に固定された前辺503aから、ロータパイプ511から繰り出される部分までの長さ)が変わる。そして、掛け渡されている部分にバランサー513が回動可能に挟みこまれている。バランサー513は適度な重量及び径を有する円柱状の部材で、長さはシート503の幅と等しい。バランサー513の径は一例で8cmである。シート503はバランサー513でループ状に折り返されて二重となり、このときの前後のシート間の間隔はバランサー513の径と等しい。バランサー513の部分が二重シートの下端503cとなる。
【0069】
シート503がロータパイプ511から巻き下げられると、バランサー513はシート503に挟まれて回転しながら降下し、二重シートの下端503cが下降する。シート503が完全に巻き下げられた状態において、バランサー513はほぼ床面まで達する。ローラ組立体505のモータを駆動してロータパイプ511を回転させ、シート503を同パイプ511に巻き上げると、バランサー513はシート503に挟まれて回転しなが上昇し、二重シートの下端503cが上昇する。
【0070】
図10(B)に示すように、バランサー513の両端は径の大きい大径部515となっており、この大径部515は左右レールボックス507内に入り込んでいる。大径部515の全外周面には、同面に沿って溝515aが形成されている。一方、左右レールボックス507内には、ガイド部材517が、同ボックス内を高さ方向に延びるように配置されている。ガイド部材517は、断面がC字状で、対向するガイド辺517aが形成されている。
【0071】
ガイド部材517のガイド辺517aは、バランサー513の大径部515の溝515aに係合する。そして、バランサー513がシートの巻き上げ・巻き下げによって上下移動すると、バランサー513の大径部515は回転しながらガイド部材517でガイドされる。このため、シートの巻き上げ・巻き下げ時に、バランサー513は安定して上下移動する。
【0072】
このように、一枚のシートと一つのローラ組立体で、二重のシートシャッターを構成することができ、簡易な構造の二重シートシャッターを提供できる。この例においても、上述のように通気機構や温度調整機構を設けることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、シートシャッターを二重(あるいは複数層)とすることにより、断熱性や防塵性、防音性、汎用性に優れたシートシャッターを提供できる。特には、通風機能や温調機能を付加することにより、冷蔵庫や冷凍庫に使用される場合に、シート表面への結露の発生を防止できるシートシャッターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図1(A)は一部断面正面図、図1(B)は側面断面図である。
【図2】図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す正面断面図である。
【図3】図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す側面断面図である。
【図4】図1(A)のI−I断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図5(A)は横断面図、図5(B)は側面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るシートシャッターの本体ボックスの構造を説明する側面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図7(A)は横断面図、図7(B)は側面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する側面図である。
【図9】図8のシートシャッターの伸縮時の状態を説明する横断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図10(A)は側面図、図10(B)は横断面図である。
【図11】従来のシートシャッターの構造を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
1 シートシャッター 3 前シート
5 後シート 7 前ローラ組立体
9 後ローラ組立体 11 ファン
13 レールボックス組立体 15 本体ボックス
17 柱 19 クロス部材
20 カバー 21 下段パイプ
23 中段パイプ 25、27 ロータパイプ
29、31 モータ 33、35 軸受
37、39 軸受ボックス 41、43 減速機
45、47 フランジ 51 前レールボックス
53 後レールボックス 59 開口
61 ガイド用スリット 62 側壁
63 通気口 65 樹脂ガイド
67 固定部 69 柔軟部
71 センサボックス 77 ヒータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の室内壁の出入り口を高速で開閉するシートシャッターに関する。特には、冷蔵(冷凍)庫、食品加工工場、電子部品生産工場、病院、きのこ栽培室のような雰囲気のコントロールされたスペースにおいて部屋の出入り口を開閉するシートシャッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
シートシャッターは建物の外壁や内壁の出入り口に設置され、該出入り口を開閉するものである。大半のシートシャッターは、出入り口への人や搬送車の接近を検知して自動的に開閉するようになっている。シートシャッターのシートは軽量であって高速での開閉が可能であるため、出入り口の開時間が短く、各空間からの熱や空気の流出が起こりにくい。このため、二つの空間の間の断熱性や防塵性を保つことができる。
【0003】
このようなシートシャッターは、冷凍室や冷蔵室といった低温の倉庫や、食品加工工場や電子部品生産工場、病院等に設置されている。例えば食品加工工場においては、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口にシートシャッターが設けられている。また、電子部品工場においては、防塵性が必要な精密作業場への出入り口に設けられて、ほこりやゴミ、虫の精密作業場への侵入を遮断している。また、自動車工場においては、自動車の打音試験の出入り口にシートシャッターを付設する場合がある。このシートには防音性を備えたものが使用される。この際、シートが1枚の場合は騒音の低下量は10dB程度であり、シートが2枚の場合は低下量が30dB程度となる。
【0004】
図11は、従来のシートシャッターの構造を模式的に示す側面図である。
この例は、食品工場の、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口に設けられたシートシャッターを示す。
このシートシャッター701は、1枚のシート703と、同シートを巻き上げ・巻き下げするローラ組立体705と、フレーム707とを備える。フレーム707は左右のレール709と、各レールの上端間に掛け渡されたボックス711と、左右の柱713からなる。
【0005】
ローラ組立体705はモータ(図示されず、図2参照)を備え、ボックス711内に配置されている。シート703は上辺がローラ組立体705に固定されており、シート703は左右レール709の間へ垂下している。ローラ組立体705がモータによって回転すると、シート703はローラ組立体705に沿って巻き上げ・巻き下げされる。シート703は軽量のビニールシート等で作製される。シートシャッターの開閉速度は一例で1m/s程度である。
【0006】
左右レール709にはセンサ715が備えられている。センサ715がシート703の下降中に人や搬送車を検知すると、モータ組立705が作動してシート703が自動的に巻き上げ動作を行い、センサの検知が終了すると巻き下げ動作をする。
【0007】
このシートシャッター701により、冷蔵室等の低温の空間(図の右側)と、作業エリア等のやや低温もしくは室温の空間(図の左側)を区画し、冷気の漏れを防ぎつつ、作業エリアの温度低下を防止している。
【0008】
また、断熱機能をさらに高めるために、このようなシートシャッターと防熱扉を併用することがある。この場合、防熱扉が冷蔵室側、シートシャッターが作業エリア側に配置される。防熱扉は鉄板と断熱材の二重構造を有し、十分な断熱性を備えるが、重量が重いため開閉時間が遅く(シートシャッターの開閉速度1m/sの1/10程度)、開閉中の熱の流出が大きい。このため、人や搬送車が比較的頻繁に出入りするときは防熱扉は開いた状態で待機して、シートシャッターのみが開閉される。そして、シートシャッターがある時間以上開閉されない場合は、防熱扉を閉じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図11において、シートシャッター701の左側は高温側(作業室)、右側は低温側(冷蔵室)であり、シート703の両面では温度差がある。このため、高温側の面では、大気中の水蒸気の結露が発生する。この結露がシート703に沿って落下すると、そこで水溜りとなったり、凍結することがある。凍結すると、シート703の下端と床面が固着して、シート703が開きにくくなることがある。また、凍結部の冷気が地面を伝わって作業エリアに達し、作業エリア内のシートシャッターに近い位置では、作業者が冷気を感じることがある。このような問題点は、シートシャッターと防熱扉を併用した場合も同様に生じうる。
【0010】
そこで、従来では、シートシャッターの下方の床面にヒータ717を埋め込んで床面を加熱している例もある。これにより、シート703の真下の床面を加熱して結露を防ぐとともに、冷気が作業室側へ入らないようにしている。しかし、ヒータ717を床面に埋め込むために工事が必要になり、消費熱量も多くなる。
【0011】
また、電子部品工場などの、ほこりやゴミを嫌う精密作業場への出入り口においては、ほこりやゴミ、虫の精密作業場への侵入を遮断する必要がある。シートシャッターは高速で開閉するため、異物の侵入を相当程度防ぐことはできるが、防塵性をさらに高めるために、シートシャッターと、外扉やエアシャワーユニットを組み合わせることもある。この組み合わせはそれぞれ専用機が必要となり、汎用性が少ない。
【0012】
また、従来においては、シートシャッターで密閉されている側の部屋を換気する場合は、シャッター設備とは別に換気設備を設けている。
【0013】
上述のように、従来のシートシャッターは、出入り口の開閉を主な目的として作製されている。このため、断熱性や防塵性、防音性を高めたり、換気設備等の他の機能を付与するためには、新たな設備や機能を別に付加する必要がある。
【0014】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、断熱性や防塵性、防音性、汎用性に優れたシートシャッターを提供することを目的とする。あるいは、冷蔵庫や冷凍庫に使用される場合に、シート表面への結露の発生を防止できるシートシャッターを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、を具備することを特徴とする。
複数枚のシート間に空気層が形成され、この空気層が断熱層、防音層として作用する。このような空気層を形成するものとして、従来では二重のカーテンやガラスで作製された扉はあったが、シートシャッターを二重とすることにより、高速開閉が可能で、断熱性や防音性、防塵性を備えたシャッターを提供できる。
【0016】
本発明の第2のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側と奥側で二重となるように、下端でループ状に折り返されたシートと、 該シートの手前側又は奥側の端部を巻き上げ・巻き下げする手段と、を具備することを特徴とする。
一枚のシートで二重にして、その空間を空気層とできる。このシートシャッターは一枚のシートを使用して、一つの巻き上げ・巻き下げ機構で開閉できるため、構造が簡易であり低コストで作製できる。
【0017】
本発明の第3のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数枚のシート間の空間に気体を流す手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の第4のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内において上げ下げされるシートと、 該シートを巻き上げ・巻き下げする手段と、 前記シートの奥側と手前側との間で通風する手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の第5のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内において上げ下げされるシートと、 該シートを巻き上げ・巻き下げする手段と、 前記シートの幅方向両端部を上下に案内するレールボックスと、 該レールボックスを介して前記シートの奥側と手前側との間で通風する手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の第6のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記シートの幅方向両端部を上下に案内するレールボックスと、 該レールボックス及び前記複数のシート間の空間に気体を循環させる手段と、を具備することを特徴とする。
【0018】
シート間やレールボックス内に気流を流すことによって、シートシャッターで画された2つの空間の間の温度の差に伴う問題(詳細例後述)を解消したり、一方の密閉空間への換気機能を付与することができる。
【0019】
本発明においては、 前記気体の温調手段をさらに具備すれば、暖気をシートシャッター内で循環させることができる。これにより、シートを暖めることができ、シート表面への結露の発生や、床面の冷却などを防ぐことができる。
【0020】
本発明においては、 前記気体のフィルターをさらに具備すれば、防塵機能を付与することができる。
【0021】
本発明の第6のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数枚のシート間の間隔を変える手段と、を具備することを特徴とする。
シート間の間隔を変えて、使用目的により沿った設備配置とできる。あるいは、シート間に人や搬送車を入れることができる。このため、一回の開閉で複数のシートを同時に上げ下げするだけでなく、人や搬送車がシート間空間に入った時点でシート間空間を閉じることができる。これにより、2つの空間を直接連通させることがなく、各部屋からの空気の流出を抑えることができる。
【0022】
本発明の第7のシートシャッターは、 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、 前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、 各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数のシート間にエアシャワーを供給する手段と、を具備することを特徴とする。
シート間空間を、人体に付着したほこりやゴミを吹き飛ばすエアシャワーとすることがきるため、ほこりやゴミの侵入を嫌う精密部品工場の出入り口に適用することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図1(A)は一部断面正面図、図1(B)は側面断面図である。
図2は、図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す正面断面図である。
図3は、図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す側面断面図である。
図4は、図1(A)のI−I断面図である。
この例においては、食品工場内の、冷凍室や冷蔵室といった低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口にシートシャッターを付設した場合を示す。
図1に示すように、このシートシャッター1は、前シート3と、後シート5と、各シートを独立して巻き上げ・巻き下げする前後ローラ組立体7、9と、ファン11と、フレーム(本体ボックス15や柱17など)とを備える。
以下の説明において、前方向及び手前方向とは作業エリア側を示し、後方向及び奥方向とは冷蔵庫側を示す。この例では、図1(A)の手前側及び図1(B)の左側が高温側(作業エリア)であり、図1(A)の奥側及び図1(B)の右側が低温側(冷蔵庫)とする。
【0024】
まず、フレームの構造を簡単に説明する。
フレームは、左右のレールボックス組立体13L、13Rと、左右レールボックス組立体の上端に掛け渡された本体ボックス15と、左右の柱17L、17Rとからなる。本体ボックス15の下方の左右のレールボックス組立体13L、13Rの間には、クロス部材19が掛け渡されて各レールボックス組立体に固定されている。
【0025】
次に、シートについて説明する。
このシートシャッター1は前シート3と後シート5の2枚のシートを有し、前シート3は作業エリア側に、後シート5は冷蔵庫側に配置される。前シート3は、比較的軽量な透明なシート材料で作製される。後シート5は、両面にシリコーン樹脂が塗布された防寒シートであり、前シート3に比べて重量が重い。各シート3、5は、この例では、縦長の方形形状で、前後シートの幅は等しく、長さは後シート5の方が前シート3より長い。
【0026】
各シート3、5の下辺には、同シートの幅方向に延びる鉄製の下段パイプ21が固定されている。さらに、各シートの一面(この例では冷蔵庫側の面)には、同シートの幅方向に延びる鉄製の中段パイプ23が一定の間隔(一例で65cm)を隔てて固定されている。中段パイプ23及び下段パイプ21は同じ部材であり、長さは各シート3、5の幅と同じである。図4に詳しく示すように、各パイプは、中央付近の大径部21aと、両端の小径部21bからなる。これらのパイプ21、23は、パイプをシート片3´、5´で巻き、シート片の両端部をシート3、5に溶着することにより固定されている。これらのパイプ21、23は、シート3、5の幅方向の強度を補強すると同時に、巻き下げ時のウェイトとなる。
【0027】
前シート3は前ローラ組立体7により巻き上げ・巻き下げされ、後シート5は後ローラ組立体9により巻き上げ・巻き下げされる。各ローラ組立体7、9は、図1(A)、図2に示すように、本体ボックス15内に、各シートの幅方向に延びるように配置されている。また、図3に詳しく示すように、前ローラ組立体7は、本体ボックス15の下部中央付近に、後ローラ組立体9は、同ボックス15の上部後方付近に配置される。つまり、後ローラ組立体9は前ローラ組立体7のやや上方かつ後方に配置されている。また、前ローラ組立体7と、本体ボックス15の底板及び前板との間には、ある程度のスキマが開けられている。さらに、両ローラ組立体間7、9には、上下方向及び前後方向にある程度のスキマが開けられている。
【0028】
図2を参照してローラ組立体の構造を説明する。
各ローラ組立体7、9は、ロータパイプ25、27と、同ロータパイプを回転させるモータ29、31とを備える。各ロータパイプ25、27はアルミ押出材等で作製された円筒パイプであり、本体ボックス15の一方の側板15aから他方の側板15bへ延びている。各ロータパイプ25、27の一端(図2の左端)には軸受33、35が取り付けられている。各軸受33、35は、本体ボックス15の一方(図2の左端)の側板15aに固定された軸受ボックス37、39に保持されている。同パイプの他端(図2の右端)は開口となっている。そして、同開口へ、本体ボックス15の他方(図2の右端)の側板15bに固定されたモータ29、31が入り込んでいる。各モータ29、31の出力軸には減速機41、43が各々接続されており、同減速機の出力軸41a、43aにはフランジ45、47が各々固定されている。各フランジ45、47の外面はロータパイプ25、27の内面に各々固定されている。モータ29、31が駆動されると、モータ出力軸が回転し、減速機41、43を経てフランジ45、47とともにロータパイプ25、27が回転する。
本体ボックス15の左右の側板は、各々カバー20で覆われている。
【0029】
図3に示すように、各ロータパイプ25、27の外周面には、同パイプの長さ方向に沿って、各シート3、5の上辺3a、5aが固定されている。このとき、図1(B)、図3に示すように、シート3、5は、ロータパイプ25、27の奥側から下方に垂下する。両シートが巻き下げられたときの、2つのシート3、5間の間隔Wは一例で である。モータ29、31が駆動してロータパイプ25、27が図の反時計方向に回転すると、シート3、5は同パイプに沿って巻き上げされる。このときの前側の軽量シート3の開閉速度(上昇速度)は1〜2m/sと比較的高速で、後側の断熱シート5の開閉速度(上昇速度)は0.5m/s以下と比較的低速である。
【0030】
本体ボックス15内には二つのリミットスイッチ(図示されず)が配置されており、同スイッチは各シート3、5が完全に巻き上げられたこと検知する。各シート3、5が完全に巻き上げられると、リミットスイッチからモータ29、31に信号が送られてモータが停止し、シート3、5が巻き上げられた状態で保持される。なお、両シート3、5とも、巻き下げ時にはモータ29、31を駆動して巻き下げる。このときの前シート3の開閉速度(降下速度)は約0.8m/sで、後シート5の開閉速度(降下速度)は約0.5m/sである。
【0031】
次に、図3、図4を参照してフレームの構造を詳細に説明する。
フレームは、前述のように、左右のレールボックス組立体13L、13Rと、左右のレールボックス組立体の上端に掛け渡された本体ボックス15とを有する。左右レールボックス組立体13L、13Rは、各々前後方向に固定された前シート用前レールボックス51と後シート用後レールボックス53からなる。前後レールボックス51、53は中空で、断面形状は方形である。前後レールボックス51、53の幅は等しく、奥行きは、後レールボックス53の方が前レールボックス51より長い。前後レールボックス51、53の高さは同じである。
【0032】
図4に示すように、各前レールボックス51の後壁51aは各後レールボックス53の前壁53dに固定されている。各壁51a、53dには、高さ方向に延びるやや幅広の開口55が開けられている。前後レールボックス51、53が固定されると、前後レールボックスの内部は各壁の開口55で連通している。これにより、前後レールボックス51、53内で一つの空間(レールボックス内空間S1)が形成される。各前後レールボックス51、53内には、高さ方向に所定の間隔を隔てて補強用のリブ(図示されず)が設けられている。左右レールボックス組立体13L、13Rの上端は開口している。
【0033】
左右レールボックス組立体13の各前レールボックス51と各後レールボックス53の左右対向する側壁には、上下に延びるガイド用スリット61が開けられている。このスリット61に各シート3、5の左右辺が入り込んで上下に案内される(詳細後述)。さらに、各前後レールボックス51、53のスリット61間の側壁62の下部(一例で下端から100cmの部分)には通気口63が開けられている。この通気口63はガラリ状であったり、パンチングプレートで形成してもよい。
【0034】
図3に示すように、本体ボックス15の下壁15cの奥側には、左右レールボックス組立体13L、13Rの上端の開口59が位置している。そして、各ローラ組立体7、9から、各シート3、5が左右レールボックス組立体13L、13Rの間に垂下し、巻き上げ・巻き下げされる。
【0035】
このような構成によって、左右レールボックス組立体13の内部に形成されたレールボックス内空間S1(図4参照)は、同組立体の上端の開口で、本体ボックス内部(本体ボックス内空間S2、図3参照)と連通している。また、本体ボックス内空間S2は、下面開口59で前シート3と後シート5との間のシート間空間S3(図4参照)と連通している。さらに、このシート間空間S3は、左右レールボックス組立体13のレールボックス内空間S1と、通気口63で連通している。
【0036】
左右の柱17L、17Rは、本体ボックス15と後レールボックス53の奥側の面に沿って固定されている。この柱17は中実で、本体ボックス15、左右レールボックス組立体13を床面上に直立に保持する。
【0037】
次に、図4を参照して、左右レールボックスのガイド構造を説明する。
各前後レールボックス51、53のスリット61には、各々樹脂ガイド65が設けられている。各スリット61は、各前後レールボックス51、53の左右対向する側壁を上下に延びる線で分断し、分断した左右の壁面を所定の長さだけボックスの内側にほぼ直角に折りこんで形成されている。スリット61の幅は、シートに固定されているパイプ21(23)の小径部21bの径より大きい。樹脂ガイド65は、折り込まれた2つの壁の部分に固定された固定部67と、固定部67からさらに内方向に延びる柔軟部69とからなる。固定部67はポリエチレンの硬質樹脂で作製され、折りこまれた壁を取り囲んで同壁に固定される。この固定部67の先端には、ポリエチレンの軟質樹脂で作製された柔軟部69が固定されている。両柔軟部69は弾性力により互いに接している。
【0038】
各シート3、5の左右辺及び各パイプ21(23)の端部は、各前後レールボックス51、53のスリット61から各ボックス内のほぼ中央まで入り込んでいる。そしてシートの左右辺及びパイプの端部は、同開口の樹脂ガイド65に沿って上下方向にガイドされる。このとき、シート3、5の部分では、樹脂ガイド65の柔軟部69が前後からシートをピッタリと挟み、パイプ21(23)の端部でも、同柔軟部69が前後からパイプを挟みこむ。ここで、パイプ21(23)に径があるためパイプと柔軟部との間にスキマが生じるが、柔軟部69でガイドされるパイプ21(23)の部分を小径部21bとすることによりこのスキマを小さくし、気密性をアップしている。
【0039】
図3及び図1に示すように、本体ボックス15内の両ローラ組立体7、9間の位置であって、シートシャッター1の幅方向の中央付近にはファン11が配置されている。ファン11としては例えばクロスフローファンが使用される。ファン11は、本体ボックス15の手前側から奥側へ空気を送るように回転する。
【0040】
図1に示すように、左右レールボックス組立体13の前面(作業室側)の下方には、センサボックス71が配置されている。一方のレールボックス組立体には、反射板を備えたセンサボックスが配置され、他方のレールボックス組立体には、光電管センサを備えたセンサボックスが配置されている。光電管センサは反射板に向けて光を発し、同反射板で反射された光を受光する。両センサボックス71間に人や搬送車等が接近すると、光が遮られて、前シート3の前に人や搬送車等が接近したことが検知できる。
【0041】
図3に示すように、本体ボックス15、前後レールボックス組立体13の内面の各所には、線状や面状のヒータ77が貼り付けられている。ヒータ77としては、高熱伝導性のプレートの一面に、電熱線をアルミ箔で挟んで貼り付けたものなどが使用される。
【0042】
各ローラ組立体7、9のモータ29、31、リミットスイッチ、ファン11、センサ、ヒータ77は、本体ボックス15に設けられている制御盤79で制御される。
【0043】
次に、このシートシャッター1の動作について説明する。前後シート3、5が閉じているときを初期状態とする。
人や搬送車が前シート3の前面に接近すると、センサボックス71内のセンサが反応して、接近を知らせる信号を発する。すると、最初に、後ローラ組立体9のモータ31が駆動して、後シート5をロータパイプ27に沿って巻き上げる。そして、後シート5が半分位上昇すると、前ローラ組立体7のモータ29が駆動して前シート3をロータパイプ25に沿って巻き上げる。両シート3、5とも完全に巻き上げられるとリミットスイッチが作動して、モータ29、31の駆動が停止する。そして、両シート3、5が巻き上げられてから所定の時間後、両シートがパイプのウェイト(下段パイプ21及び中段パイプ23)によって巻き下げられる。
【0044】
このシートシャッター1においては、シート3、5を巻き下げた状態では、両シート間(空間S3)に空気層が形成され、二つの空間を断熱性や防音性を持って区切ることができる。
【0045】
次に、このシートシャッター1における空気の流れを説明する。
同シートシャッター1においては、両シート3、5が巻き下げられた状態のときに、上述のように、本体ボックス内空間S2、左右レールボックス内空間S1、シート間空間S3が形成される。そして、本体ボックス内空間S2は、同ボックスの下面開口59の両端部で左右レールボックス内空間S1と連通しているとともに、同下面開口59の中央部でシート間空間S3と連通している。そして、左右レールボックス内空間S1は、同空間の下方で、シート間空間S3と連通している。
【0046】
ここで、ファン11を回転させると、以下のような空気の流れが発生する。本体ボックス15内において、ファン11が回転すると、本体ボックス15の幅方向中央で本体ボックス内空間S2からシート間空間S3へ空気が吹き出される(図1(A)、図3の矢印A1)。空気は、シート間空間S3を下方に流れ(図1(A)の矢印A2)、同空間の下部に達する。そこで左右レールボックス組立体13の下部の通気口63から左右レールボックス内空間S1に流れ込む(図1(A)の矢印A3)。そして、左右レールボックス内空間S1を上方に流れ(図1(A)の矢印A4)、本体ボックス15の下部開口59から本体ボックス内空間に達する(図3の矢印A5)。
このように、本体ボックス内空間S2からシート間空間S3へ、シート間空間S3から左右レールボックス内空間S1へ、そして、同空間S1を通って本体ボックス内空間S2へ向かう空気の循環経路が形成する。この循環経路は、シートシャッター内でほぼ閉じており、外部には開放されていない。
【0047】
ここで、本体ボックス15やレールボックス組立体13の内面に貼り付けられたヒータ77を加熱すると、本体ボックス内空間S2→シート間空間S3→レールボックス内空間S1→本体ボックス内空間S2という循環経路に沿って、加熱された空気が循環する。
したがって、シート間空間S3に加熱された空気が流れて、シート3、5を暖めるため、結露が生じない。また、循環経路は、シート間空間S3の下部まで達するため、床面も暖め、床面の凍結や冷気の移動も防げる。
【0048】
この例のシートシャッターの構造を基本構造として、種々の変更(開口の形成やファンの回転方向の変更)を加えることによって気流の方向を変えることができる。そして、シートシャッターに出入り口の開閉とともに以下に述べるように様々な機能を付与することができる。なお、以下の例においてシャッター機能は図1のシートシャッターのシャッター機能と同等である。
【0049】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図5(A)は横断面図、図5(B)は側面図である。
この例のシートシャッターも、食品工場の、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口に適用される。この例では、特に、作業エリアの下方の冷気を排気して、作業エリアの温度低下を抑えることができる。このシートシャッター101は図1のシートシャッター1とほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。なお、図1のシートシャッターと同じ作用・構成を有する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
このシートシャッター101の左右レールボックス組立体113の前面下方には、開口151が開けられている。ファン111は、本体ボックス115内の前上隅を仕切るように固定された支持板153に取り付けられており、支持板153の奥側の空間から同板の手前側の空間へ空気を送るように回転する。そして、支持板153の手前側の空間に当る本体ボックス115の前板には、室外へ達する排気口155が設けられている。これにより、本体ボックス内空間S2から室外への空気通路が形成される。
【0051】
ファン111を回転させると、本体ボックス内空間S2の空気が排気口155に吸い込まれて排気され(図5(B)の矢印A1)、同空間S2が負圧となる。すると、シート間空間S3及び左右レールボックス内空間S1内の空気が、本体ボックス115の下面開口59から本体ボックス115内に吸い込まれる(各々矢印A2、A3)。このとき、シート間空間S3及び左右レールボックス内空間S1は負圧となるため、左右レールボックス組立体113の下部開口151から作業エリアの下方の空気がレールボックス内空間S1へ吸い込まれる(矢印A4)。そして、さらにレールボックス内空間S1から、通気口63を通してシート内空間S3へも流れ込む(図5(A)の矢印A5)。レールボックス内空間S1及びシート間空間S3へ流れ込んだ作業エリア下部の空気は、同空間内を上昇して、本体ボックス115内を経て、排気口155から排気される。
【0052】
このように、作業エリア下方の冷気を排気する機能を有するため、作業エリア下方の温度低下を防ぐことができる。
【0053】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るシートシャッターの本体ボックスの構造を説明する側面図である。
この例のシートシャッターも、食品工場の、冷凍室や冷蔵室の低温の倉庫と、加工室等の作業エリアとの間の出入り口に適用される。特に、作業エリア全体を暖める場合に適している。このシートシャッターは図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
シートシャッター201の本体ボックス215の前面下方には、吸気口251が開けられている。そしてこの吸気口251の奥には、ヒータ253が設けられている。また、図5のシートシャッターと同様に、各前レールボックスの前面下方には、開口(図示されず)が開けられている。
【0054】
ファン11を回転させると、主に作業エリア上方の空気が、吸気口251から本体ボックス215内に取り込まれる(矢印A1)。このとき空気はヒータ253を通過して加熱される。そして、ファン11の回転によって温風が本体ボックス内空間S2からシート間空間及びレールボックス間空間へ吹き出され(矢印A2、A3)、このときシート3、5が暖められる。温風はシート間空間及びレールボックス内空間を下方に流れ、各前レールボックスの前面下方の開口から作業エリア内に吹き出される。
【0055】
このように、作業エリアを暖房するとともに、シートを暖め、シート表面への結露の発生を防ぐことができる。
【0056】
図7は、本発明の第4の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図7(A)は横断面図、図7(B)は側面図である。
この例のシートシャッター301は、調理室内と室外との間の出入り口に適用される。特に、調理室がレンジフードや換気扇が作動して負圧となっている場合、シートが調理室側へ引っ張られたり、調理室内の作業者が負圧によって耳に支障を覚えることがある。また、調理室内と外での温度差が大きく、出入りの度に不快感を覚えることがある。このシートシャッターは、このように、二つの空間の間で気圧や温度の差がある場合に適している。このシートシャッターは図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
図7(A)において、手前側(図7(B)の左側)が調理室外、奥側(図7(B)の右側)が調理室内とする。
【0057】
ファン311は、図5のシートシャッターと同様に、本体ボックス内の前上隅を仕切るように固定された支持板353に取り付けられており、支持板353の手前側の空間から同板の奥側の空間へ空気を送るように回転する。そして、支持板353の手前側の空間に当る本体ボックス315の前壁には、吸気口355が開けられている。また、左右レールボックス組立体313の前面の下方には開口357が開けられている。開口357の奥にはフィルタ359が備えられている。さらに、各後レールボックスの、スリット61の奥の部分にも上下二ヶ所に開口361が開けられている。開口361の奥にはフィルタ363が備えられている。
【0058】
ファン311を回転させると、吸気口355から調理室外の空気が本体ボックス内空間S2に取り込まれ(矢印A1)、この空気はシート間空間S3や左右レールボックス内空間S1を通って、左右レールボックス組立体のガイド開口奥の二ヶ所の開口361から調理室へ流れる(矢印A2、A3)。同時に、左右レールボックス組立体の前面の開口357からも空気が吸い込まれ(矢印A4)、レールボックス内空間S1を奥方向に進んで(矢印A5)、ガイド開口奥の開口361から調理室へ流れる(矢印A2、A3)。
【0059】
これにより、調理室内と室外の気圧差を解消することができるとともに、調理室内と室外の温度差を小さくすることができる。
【0060】
図8は、本発明の第5の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する側面図である。
図9は、図8のシートシャッターの伸縮時の状態を説明する横断面図である。
この例のシートシャッター401は、精密機器工場等の人体洗浄用エアシャワーにも適用できる。このシートシャッター401は図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
【0061】
図9に示すように、左右レールボックス組立体413の前レールボックス451のスリット61と後レールボックス453のスリット61との間の、左右の壁461は蛇腹状となっている。そして、各前レールボックス451の下端にはキャスター463が備えられており、前レールボックス451は後レールボックス453に対して前後に移動する。同様に、図8に示すように、前シート用ローラ組立体7と、後シート用ローラ組立体9との間の本体ボックス415の部分465は蛇腹状となっている。これにより、前レールボックス451を前方に引き出すと、本体ボックス415も前方に伸びる。蛇腹状壁を伸ばして(図9(B)の符号461´)前レールボックス451を後レールボックス453に対して引き出したとき(図8、図9(B))の、前シート3と後シート5との間の間隔Dは、人が立てる程度の間隔(一例で10cm)である。
【0062】
左右レールボックス組立体413のガイド開口間の蛇腹状壁461の下方には、通気口479が開けられている。この通気口479によりシート間空間S3と左右レールボックス内空間S1が連通する。
【0063】
ファン411はエアシャワー用のファンで、図5のシートシャッターと同様に、本体ボックス415内の前上隅を仕切るように固定された支持板481に取り付けられており、支持板481の手前側の空間から同板の奥側の空間へ空気を送るように回転する。そして、支持板481の手前側の空間に当る本体ボックスの前板には、吸気口483が開けられている。左右レールボックス組立体413の前面下方には排気口485が開けられている。
【0064】
このシートシャッター401を使用する際は、まず、各前レールボックス451を各後レールボックス453から前方に引き出して、両シート3、5間に奥行きのある空間を形成する。そして前シート3を上げてシート間空間S3に人Hが入り、前シート3を降ろす。次に、ファン411を回転させて室外空気を通気口483から本体ボックス内空間S2に取り込み(図8の矢印A1)、同空間からシート間空間S3に吹き出す(矢印A2)。このとき、シート間空間S3に立っている人Hにエアシャワーが掛けられ、人を空気で洗浄する。シート間空間S3内の空気は蛇腹状壁461下方の通気口479から各レールボックス内空間S1に入り(図9(B)の矢印A3)、前レールボックスの前面の開口485から外に吹き出される(矢印A4)。
【0065】
この例においては、開閉機能とともに、エアシャワー機能を備えたシートシャッターを提供できる。
【0066】
図10は、本発明の第6の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図10(A)は側面図、図10(B)は横断面図である。
この例のシートシャッター501は一枚のシートで上述の例と同様に二重シートとすることができる。また、モータ組立も一つであり、低コスト化が可能である。このシートシャッターは図1のシートシャッターとほぼ同様の構造を有するが、以下の点が異なる。
【0067】
この例においては、シート503が一枚であり、ローラ組立体505も一つである。そして左右レールボックス507は前後に分けられていない。
シート503の前辺503aは本体ボックス509の下面開口510の前端に固定されており、後辺503bは本体ボックス内のローラ組立体505のロータパイプ511に固定されている。ロータパイプ511からのシート503の巻き上げ・巻き下げ位置は、本体ボックス509の下面開口510の前端位置より後方に位置する。
【0068】
このようにシート503は、本体ボックスの下面開口510の前端とロータパイプ511との間に掛け渡される。ロータパイプ511を回転させると、シート503の実質的な長さ(本体ボックスの下面開口の前端に固定された前辺503aから、ロータパイプ511から繰り出される部分までの長さ)が変わる。そして、掛け渡されている部分にバランサー513が回動可能に挟みこまれている。バランサー513は適度な重量及び径を有する円柱状の部材で、長さはシート503の幅と等しい。バランサー513の径は一例で8cmである。シート503はバランサー513でループ状に折り返されて二重となり、このときの前後のシート間の間隔はバランサー513の径と等しい。バランサー513の部分が二重シートの下端503cとなる。
【0069】
シート503がロータパイプ511から巻き下げられると、バランサー513はシート503に挟まれて回転しながら降下し、二重シートの下端503cが下降する。シート503が完全に巻き下げられた状態において、バランサー513はほぼ床面まで達する。ローラ組立体505のモータを駆動してロータパイプ511を回転させ、シート503を同パイプ511に巻き上げると、バランサー513はシート503に挟まれて回転しなが上昇し、二重シートの下端503cが上昇する。
【0070】
図10(B)に示すように、バランサー513の両端は径の大きい大径部515となっており、この大径部515は左右レールボックス507内に入り込んでいる。大径部515の全外周面には、同面に沿って溝515aが形成されている。一方、左右レールボックス507内には、ガイド部材517が、同ボックス内を高さ方向に延びるように配置されている。ガイド部材517は、断面がC字状で、対向するガイド辺517aが形成されている。
【0071】
ガイド部材517のガイド辺517aは、バランサー513の大径部515の溝515aに係合する。そして、バランサー513がシートの巻き上げ・巻き下げによって上下移動すると、バランサー513の大径部515は回転しながらガイド部材517でガイドされる。このため、シートの巻き上げ・巻き下げ時に、バランサー513は安定して上下移動する。
【0072】
このように、一枚のシートと一つのローラ組立体で、二重のシートシャッターを構成することができ、簡易な構造の二重シートシャッターを提供できる。この例においても、上述のように通気機構や温度調整機構を設けることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、シートシャッターを二重(あるいは複数層)とすることにより、断熱性や防塵性、防音性、汎用性に優れたシートシャッターを提供できる。特には、通風機能や温調機能を付加することにより、冷蔵庫や冷凍庫に使用される場合に、シート表面への結露の発生を防止できるシートシャッターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図1(A)は一部断面正面図、図1(B)は側面断面図である。
【図2】図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す正面断面図である。
【図3】図1のシートシャッターの本体ボックスを拡大して示す側面断面図である。
【図4】図1(A)のI−I断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図5(A)は横断面図、図5(B)は側面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るシートシャッターの本体ボックスの構造を説明する側面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図7(A)は横断面図、図7(B)は側面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する側面図である。
【図9】図8のシートシャッターの伸縮時の状態を説明する横断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係るシートシャッターの構造を説明する図であり、図10(A)は側面図、図10(B)は横断面図である。
【図11】従来のシートシャッターの構造を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
1 シートシャッター 3 前シート
5 後シート 7 前ローラ組立体
9 後ローラ組立体 11 ファン
13 レールボックス組立体 15 本体ボックス
17 柱 19 クロス部材
20 カバー 21 下段パイプ
23 中段パイプ 25、27 ロータパイプ
29、31 モータ 33、35 軸受
37、39 軸受ボックス 41、43 減速機
45、47 フランジ 51 前レールボックス
53 後レールボックス 59 開口
61 ガイド用スリット 62 側壁
63 通気口 65 樹脂ガイド
67 固定部 69 柔軟部
71 センサボックス 77 ヒータ
Claims (10)
- 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、
各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
を具備することを特徴とするシートシャッター。 - 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内の手前側と奥側で二重となるように、下端でループ状に折り返されたシートと、
該シートの手前側又は奥側の端部を巻き上げ・巻き下げする手段と、
を具備することを特徴とするシートシャッター。 - 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、
各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数枚のシート間の空間に気体を流す手段と、
を具備することを特徴とするシートシャッター。 - 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内において上げ下げされるシートと、
該シートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記シートの奥側と手前側との間で通風する手段と、
を具備することを特徴とするシートシャッター。 - 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内において上げ下げされるシートと、
該シートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記シートの幅方向両端部を上下に案内するレールボックスと、
該レールボックスを介して前記シートの奥側と手前側との間で通風する手段と、
を具備することを特徴とするシートシャッター。 - 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、
各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記シートの幅方向両端部を上下に案内するレールボックスと、
該レールボックス及び前記複数のシート間の空間に気体を循環させる手段と、を具備することを特徴とするシートシャッター。 - 前記気体の温調手段をさらに具備することを特徴とする請求項3、4、5又は6記載のシートシャッター。
- 前記気体のフィルターをさらに具備することを特徴とする請求項3、4、5又は6記載のシートシャッター。
- 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、
各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数枚のシート間の間隔を変える手段と、
を具備することを特徴とするシートシャッター。 - 建物壁の開口を開閉するシートシャッターであって、
前記開口内の手前側及び奥側において、それぞれ独立に上げ下げされる複数枚のシートと、
各々のシートを巻き上げ・巻き下げする手段と、
前記複数のシート間にエアシャワーを供給する手段と、
を具備することを特徴とするシートシャッター。
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