JP2004100240A - ステンレス製細型排水溝及びその施工法 - Google Patents

ステンレス製細型排水溝及びその施工法 Download PDF

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Abstract

【課題】特に食品工場、薬品工場、業務用厨房箇所などの床面や土間などに簡便、且つ迅速に配設し、衛生面上でも優れるステンレス製細型排水溝及びその施工法の提供。
【解決手段】排水溝はステンレス板材を使用し溝巾寸法2cm〜5cm、溝深さ寸法3cm〜20cm、長さ寸法100cm〜600cmで上部に張り出し鍔体を形成したU字溝体に型打成形し、張り出し鍔体には補強用の棒管材を一体化させる。このさいU字溝体の底部には、その長さ方向片端から他端へ1/50〜1/300の勾配を形成させるのであり、またU字溝体の左右外側壁の適当間隔位置には、外向き状にL字状支持板を取付けると共に、別途に支持架台を用意し、これによりU字溝体を捨てコンクリートやスラブコンクリート上の一定高さ位置へ載置させ、あとモルタル、コンクリート打ちを行う。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食品工場、薬品工場、業務用厨房、その他等の土間や床面に配設されるステンレス製細型排水溝及びその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に排水溝の溝巾は広巾であって、その上面には格子蓋などが取付けられるものとなっている。ところで、上記蓋付きの側溝は側溝と蓋との間隙及び蓋の裏面側などに対し、夾雑物が付着して不衛生となるものである。このさい、蓋を省略することもできるが、広巾のものでは歩行や作業車の走行などに支障を生じさせることになる。
【0003】
【特許文献1】
実公昭57−23587号公報
【特許文献2】
特許第2566506号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は排水溝にステンレス材を使用して特定寸法下で独特構造の細型U字溝体のものに一体成形し、常に蓋無しで使用するものであり、且つ蓋無しのため蓋に夾雑物が付着して不衛生となったりする問題を解消させることができる。また、広巾の側溝では一般的に溝内に付着して残留される水分量が多くなることもあって室内湿度が上昇し、このために室内細菌数が増加するなどの問題がある。
本発明は歩行や作業者などの走行に何ら支障を生じさせない細型排水溝及びその施工法を提供し、上記問題点の解決を図らんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る排水溝はステンレス板材を使用し、これを溝巾寸法2cm〜5cm、溝深さ寸法3cm〜20cm、長さ寸法100cm〜600cmで上部に張り出し鍔体の形成されるU字溝体に型打成形し、且つ該張り出し鍔体には補強用の棒管材を一体化させたことを特徴とするステンレス製細型排水溝であり、このさい上記張り出し鍔体は逆L字状に形成したものとなし、且つその張り出し巾寸法は1.5cm〜3cm、垂直片長さは0.5cm〜3cmとなさしめる。又、U字溝体の底部にはその長さ方向片端から他端へ向けて1/50〜1/300の勾配を形成させたものとする。
【0006】
ところで、上記構成のステンレス製細型排水溝にはU字溝体の左右外側壁の適当間隔位置に対し、外向き状にL字状支持板を取付け、該L字状支持板にはボルト孔を穿設すると共に、該ボルト孔へ支持架台の立設ボルトを挿入し、上記L字状支持板を立設ボルトの適当高さ箇所へナット止着させ、これによりU字溝体を捨てコンクリートやスラブコンクリート上の一定高さ位置へ適宜調整しながら載置されるものとなすのであり、而して実際には上記ステンレス製細型排水溝の単数或いは複数を一定の勾配下に接ぎ合わせ、その下降勾配の下端縁には排水桝を接続させると共に、モルタルやコンクリート打ちを行って土間、床面などの適所に対し排水処理目的に埋設施工するのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る細型U字溝体1の一例を示すのであって、該細型U字溝体1は肉厚1mm〜3mm程度のステンレス材を使用し溝巾寸法sを2cm〜5cm、溝深さh寸法を3cm〜20cmの断面U字形に型打ち成形させるのであり、このさいその溝上縁側には図示例の如く逆L字状の張り出し鍔体の形成されるものとなされるのであり、一般的に該張り出し鍔体の水平部1aの巾寸法eは1.5cm〜3cm、垂直部1bの長さ寸法fは0.5cm〜3cmとなされる。
また、U字溝体1の全体長さ寸法Lは100cm〜600cmの範囲内で適宜な規格品に作成されるのであり、且つ溝底部gにはその辺端mから他端nに向かって1/50〜1/300の勾配θが形成されるものとなされる。
【0008】
図2は他の例のU字溝体1’を示すものであって、上記に於ける長さ方向の片端にも張り出し鍔体1’a,1’bが形成されたものとなされてあり、該U字溝体1’は一般的に後述する排水桝の設置のさいに排水桝へ向かう流入始端側箇所へ取付けるものとなされる。
【0009】
図3A,Bは上記U字溝体1,1’の左右側壁の適当間隔位置に対し、対称関係に外向き方向へ一対のL字状板2を溶着させ、且つその水平面にはボルト孔2aを穿設するほか、張り出し鍔体1a,1bの裏面側に対し補強用目的に棒管材3(図示例では方形の中空管材)を一体的に取付けたものとなされる。
【0010】
上記構成のU字溝体1は全て工場内で製造されるのであり、且つ適宜一定の規格下に即ち100cm,150cm,200cm・・・等の如き長さ寸法に作成される。このさい長さ寸法の短いものでは左右側壁面のL字状板2の取付けをその長さ方向の1箇所だけにすることができる。また、これらは現場作業で適宜必要長さ寸法のものとするべく接ぎ合わせたり、切断したりするのである。
【0011】
図4は上記U字溝体(図示例は1’)の施工例を示すものであり、図5は図4のX−X線断面図である。これら図面に見られる通り、施工にさいしては土間や床面下の捨てコンクリート或いはスラブコンクリート4上に対し支持架台5を使用し、適宜必要な一定高さ位置に保持させるようになすのであり、即ち支持架台5は基台5a上へ上記L字状板2の各透孔2aへ挿入されるものとなされる一対のボルト6を一定高さに立設させるものとなし、且つ図示例の如く挿入された透孔2aの上下箇所をナット7により螺合止着させるのである。而して、これによりU字溝体1(1’)は安定的に保持されるものとなるが、このさいその張り出し鍔の高さ位置が土間や床面の仕上面と一致するようにL字状板2を止着させてなる上下ナット7の夫々れを適宜回動させて行うのであり、またこれは同時にU字溝体1’(1)の底部が排水桝8に向かって下降傾斜する一定の勾配が得られるようにも調整するのである。本発明では以上による調整後にモルタルやコンクリート9打ちを行い、且つ上面には合成樹脂の床板材を貼着したり、その他などによる仕上げで床面10を形成するのである。
【0012】
図6はU字溝体1,1’を適宜接ぎ合わせて施工する例の垂直断面図である。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上の通り構成するものであって、本発明でU字溝体の溝巾寸法を2cm〜5cmの如く、一般的な靴底巾より狭い巾寸法に設計することは従来必要とされてきた溝蓋の使用を一切不要にできるのであり、従って本発明ではとりわけ食品工場、薬品工場、業務用厨房などの床面に対し施工して、該箇所で働く作業者の歩行や作業車などの走行に何ら支障を生じせしめたりするものとならないのであり、且つU字溝体は細巾で浅深、しかもその溝底部には一定傾斜角度の勾配が形成されていることからして、該溝内へ流入し排水桝から排出されるまでの溝底部や溝内壁面などへ付着して残留される水分の全体容量を可及的に小容量なものにできることから、室内湿度が上昇して室内細菌数が増えたりすることがなくなり、従って生産製品に悪影響を及ぼしたりすることのないものとなる。
【0014】
一方、清掃作業や目視による確認が極めて簡便且つ迅速に行い得るものとなるのであり、且つ蓋に付着する夾雑物やこれに巣喰う細菌類による衛生上の問題を含めて同時に解消することのできるものとなる。
他方、従来の既製品に比べ本発明の細型U字溝体はその施工にさいし、土間や床面の形状や大きさに関係なく現場に於ける対応が容易となることは勿論のこと、その他高さ調整や微妙な勾配調整なども容易になし得られ、従って迅速で効率の良い作業を遂行できるものとなる。
なお、張り出し鍔体の裏面側へ取付ける棒管材は、U字溝体として本発明が肉厚1mm〜3mm程度の比較的肉薄のステンレス材の成型品となした溝部上縁を強固且つ安定的に補強し、容易に変形させたりすることの無い上で役立つものとなる。なお、本発明で使用する棒管材は断面角形や丸形その他のものでも差し支えなく、また内部を中空にしなくても良いが、図示例の如く内部を中空に形成したものでは軽量化に寄与し、且つ運搬など持ち運びに優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る細型U字溝体の斜視図である。
【図2】上記の他の例の斜視図である。
【図3】A,Bは上記細型U字溝体の左右側壁面に対し、L字状板を取付けた斜視図である。
【図4】上記細型U字溝体の施工作業例を示す斜視図である。
【図5】図4のX−X線切断側面図である。
【図6】同じく施工例の側断面図である。
【符号の説明】
1,1’   細型U字溝体
1a,1b  逆L字状の張り出し鍔体
2   L字状板
3   棒管材
4   スラブコンクリート
5   支持架台
6   ボルト
7   ナット
8   排水桝
9   モルタル、コンクリート打ち
10  床面

Claims (5)

  1. ステンレス板材を溝巾寸法2cm〜5cm、溝深さ寸法3cm〜20cm、長さ寸法100cm〜600cmで上部に張り出し鍔体を形成したU字溝体に型打成形し、張り出し鍔体には補強用の棒管材を一体化させたことを特徴とするステンレス製細型排水溝。
  2. 張り出し鍔体を逆L字状に形成し、その張り出し巾寸法は1.5cm〜3cm、垂直片長さは0.5cm〜3cmとなしたことを特徴とする請求項1記載のステンレス製細型排水溝。
  3. U字溝体の底部に対し、その長さ方向片端から他端へ1/50〜1/300の勾配を形成させたことを特徴とする請求項1又は2記載のステンレス製細型排水溝。
  4. U字溝体の左右外側壁の適当間隔位置に対し、外向き状にL字状支持板を取付け、該L字状支持板にはボルト孔を穿設すると共に、該ボルト孔へ支持架台の立設ボルトを挿入し、上記L字状支持板を立設ボルトの適当高さ箇所へナット止着させ、これによりU字溝体を捨てコンクリートやスラブコンクリート上の一定高さ位置へ適宜調整しながら載置されるものとなしたことを特徴とする請求項1,2又は3記載のステンレス製細型排水溝の施工法。
  5. 請求項4に於いてステンレス製細型排水溝の単数或いは複数を一定の勾配下に接ぎ合わせ、その下降勾配となされる下端縁には排水桝を接続させると共に、モルタルやコンクリート打ちを行って土間、床面下へ埋設することを特徴とするステンレス製細型排水溝の施工法。
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