JP2004099953A - 鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法ならびにその装置 - Google Patents

鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法ならびにその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】連続溶融メッキパスラインと連続焼鈍パスラインとを同じパスラインにし、パスラインの切替え作業を不要とすると共に、切替え毎に整備していたロールの整備費用を削減できる連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法ならびにその装置を提供する。
【解決手段】鋼板の連続溶融メッキラインを用いて連続溶融メッキを行う場合には、伸縮自在のスナウトのスナウト先端を溶融メッキ浴中に浸漬するように配置し、スナウトを通過した鋼板を溶融メッキ浴に浸漬して溶融メッキを行う、また、連続焼鈍を行う場合には、伸縮自在のスナウトのスナウト先端を溶融メッキ浴面上となるように配置し、スナウト内に酸化性ガスを吹き込んで、スナウトを通過する鋼板の表面に酸化膜を形成した後に、鋼板を溶融メッキ浴に浸漬することを特徴とする鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は1つの設備ラインで鋼板の連続溶融メッキと連続焼鈍とを切替えて行うことができる連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法ならびにその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板の連続溶融メッキと連続焼鈍とは別々の装置にて実施されるのが一般的である。ところが、連続溶融メッキでは溶融メッキ処理する前工程で鋼板の連続焼鈍を行うことから、連続溶融メッキ装置には連続焼鈍装置が付設されている。その連続焼鈍装置を利用して、連続メッキラインで連続溶融メッキと連続焼鈍とを兼用して行う技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、従来の連続亜鉛メッキラインを用いた冷延鋼板の製造方法では、連続溶融メッキを行う場合には図1(a)に示すように、連続焼鈍炉1で焼鈍した鋼板5を溶融メッキ浴に先端を浸漬したスナウト2を通じて溶融メッキ浴4に導入して連続的に溶融メッキを行い、そして、連続焼鈍を行う場合には、図1(b)に示すように、着脱自在のスナウト先端部3を取外してスナウト出口を溶融メッキ浴の上方に臨ませ、焼鈍炉で焼鈍された鋼板5をスナウト2出口を経て、一対の案内ロール6に掛け回し、溶融メッキパスラインとは異なるパスラインで導出するようにした連続焼鈍方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この方法は、スナウトの先端部を取外す作業や鋼板を溶融メッキパスラインとは異なるパスラインに切替える作業が必要となり、切り替え時間を要するため生産性を悪化させるという問題がある。
【0005】
また、従来の連続焼鈍及び溶融メッキ兼用設備では、連続焼鈍を行う場合には、図2に示すように、連続焼鈍炉1による焼鈍後の鋼板5が空気中の酸素と反応して鋼板表面に酸化膜を生成するのを防止するために、焼鈍炉最終冷却部に鋼板を150℃以下に冷却する複数ロールからなるロール冷却装置7を設置し、冷却装置により冷却された鋼板をスナウト2を通じて、溶融メッキパスライン8とは異なる溶融メッキ浴4上の連続焼鈍パスライン9で導出するようにした連続焼鈍が開示されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
この設備は、冷却ロール装置に費用がかかると共に、鋼板を溶融メッキパスラインと異なる焼鈍パスラインに切替える作業が必要となり、切り替え時間を要するため生産性を悪化させるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開昭55−6469号公報(第1頁左欄第6〜16行、第1図、第2図)
【特許文献2】
特開2000−204417号公報(第2欄第27〜49行、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、連続溶融メッキパスラインと連続焼鈍パスラインとを同じパスラインにし、パスラインの切替え作業を不要とすることにより生産性の悪化を防止すると共に、切替え毎に整備していたロールの整備費用を削減できる連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法ならびにその装置を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、連続溶融メッキと連続焼鈍とを同じパスラインで行うことについて鋭意研究した。その結果、表面に酸化膜を形成した鋼板は溶融メッキ浴中に浸漬しても、酸化膜が鋼板と溶融メタル(Zn、Al等)との合金化反応を阻害するので、表面に溶融メッキが施されないことに着目し、本発明を完成した。
【0010】
本発明の要旨は次の通りである。
【0011】
(1) 鋼板の連続溶融メッキラインを用いて、鋼板の連続溶融メッキと連続焼鈍とを切替えて行う方法であって、連続溶融メッキを行う場合には、伸縮自在のスナウトのスナウト先端を溶融メッキ浴中に浸漬するように配置し、スナウトを通過した鋼板を溶融メッキ浴に浸漬して溶融メッキを行う。また、連続焼鈍を行う場合には、伸縮自在のスナウトのスナウト先端を溶融メッキ浴面上となるように配置し、スナウト内に酸化性ガスを吹き込んで、スナウトを通過する鋼板の表面に酸化膜を形成した後に、鋼板を溶融メッキ浴に浸漬することを特徴とする鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0012】
(2) 連続焼鈍から連続溶融メッキに切替える際には、スナウト内に吹き込んでいた酸化性ガスを非酸化性ガスに切替えてスナウト内を非酸化性ガスでパージした後に、スナウト先端を溶融メッキ浴中に浸漬させ、スナウトを通過した鋼板を溶融メッキ浴に浸漬させることを特徴とする上記(1)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0013】
(3) 連続溶融メッキから連続焼鈍に切替える際には、スナウト先端を溶融メッキ浴中からメッキ浴面上に移動させ、スナウト内に酸化性ガスを吹き込んで、スナウトを通過する鋼板の表面に酸化膜を形成した後に、スナウトを通過した鋼板を溶融メッキ浴に浸漬することを特徴とする上記(1)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0014】
(4) 浴面上に設置したセンサーにより溶融メッキ浴面とスナウト先端との間隔を検出し、検出信号に基づいて伸縮自在のスナウトの伸縮、溶融メッキ槽の昇降又はメッキ浴中に地金を浸漬、取出しすることによってスナウト先端と浴面との位置関係を制御することを特徴とする上記(1)〜(3)の内のいずれかに記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0015】
(5) 連続焼鈍を行う際には、スナウト内酸化性雰囲気が焼鈍炉内に逆流するのを防止できるように、焼鈍炉内雰囲気とスナウト内酸化性雰囲気との間をシールし、スナウト内雰囲気気圧を焼鈍炉内雰囲気圧より低くすることを特徴とする上記(1)、(3)または(4)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0016】
(6) 連続焼鈍を行う際には、溶融メッキ浴から引き上げた鋼板の表面にワイピングを施し、冷却した後に、鋼板表面の酸化膜を酸化膜除去装置により除去することを特徴とする上記(1)、(3)、(4)又は(5)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0017】
(7) 鋼板表面の酸化膜の除去を化学的、電気化学的又は機械的に行うことを特徴とする上記(5)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0018】
(8) スナウト内に吹き込む酸化性ガスが、空気であることを特徴とする請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0019】
(9) スナウト内に吹き込む非酸化性ガスが、窒素ガス、アルゴンガスであることを特徴とする上記(2)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0020】
(10) 焼鈍炉内雰囲気とスナウト内雰囲気との間のシールが、ガスシール又はロールタッチシールであることを特徴とする上記(4)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
【0021】
(11) 鋼板の連続溶融メッキと連続焼鈍とを切替えて同じパスラインで行うことができる兼用装置であって、鋼板の連続焼鈍炉、焼鈍後の鋼板を溶融メッキ槽に導くスナウト、溶融メッキ槽、溶融メッキ槽の上部に配設した鋼板のワイピング装置、ワイピング後の鋼板冷却装置及び鋼板表面の酸化膜を除去する酸化膜除去装置を備え、かつ、スナウト内酸化性雰囲気が焼鈍炉内に逆流するのを防止するシール装置及びスナウト内に酸化性ガスと非酸化性ガスとを切替え可能に吹き込むことができるガス吹き込み装置を備えていることを特徴とする鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
【0022】
(12) 前記スナウトはスナウト先端を溶融メッキ浴中又は溶融メッキ浴上とすることができる伸縮自在のスナウトであることを特徴とする上記(11)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
【0023】
(13) 浴面上にセンサーを配置し、該センサーにより浴面とスナウト先端との間隔を検出し、伸縮自在のスナウトの伸縮、溶融メッキ槽の昇降又はメッキ浴中に地金を浸漬、取出しすることによって、スナウト先端と浴面との位置関係を制御する制御装置を備えていることを特徴とする上記(11)又は(12)記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
【0024】
(14) スナウトが耐熱性材料からなっていることを特徴とする上記(11)〜(13)の内のいずれかに記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0026】
連続溶融メッキパスラインで連続焼鈍を実施しようとすると、鋼板を溶融メッキ浴に浸漬することが必須となり、鋼板にメッキを施すことなしに連続焼鈍のみを実施することはできない。
【0027】
そこで、鋼板を溶融メッキ浴に浸漬してもメッキが施されないようにすれば、従来のように異なるパスラインを使用しなくても、連続溶融メッキと同じパスラインで連続焼鈍が実施できることに着想し鋭意研究を行った。その結果、本発明者は、鋼板表面に酸化膜が形成されていると、その鋼板を溶融メッキ浴に浸漬しても、酸化膜が鋼板と溶融メタル(Zn、Al等)との合金化反応を阻害するので、表面に溶融メッキが施されないことに着目し溶融メッキに浸漬する前工程のスナウト内で、焼鈍された鋼板表面に酸化膜を形成し、メッキ浴から取り出した後に、酸化膜を除去することにより連続焼鈍を行う本発明を完成した。
【0028】
以下、本発明を図3及び図4を参酌して説明する。
【0029】
図3は、本発明の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置の概要を示す図である。
【0030】
図3に示すように、鋼板5は加熱帯、均熱帯、冷却帯等からなる連続焼鈍炉1で均質な機械的性質を与える常法どおりの焼鈍を施される。焼鈍後の鋼板を連続溶融メッキする場合には、溶融メッキ浴中に先端が浸漬(図中では点線で示してある)されているスナウト2を通じて鋼板を溶融Znや溶融Al等の溶融メッキ浴4中に浸漬し、メッキ浴4中に設置してあるシンクロール10を介してメッキ浴上方に引き出す。メッキ浴面上に設置してあるガスワイピング等のワイピング装置11でメッキ浴から出た鋼板のメッキ付着量を制御し、必要に応じて加熱装置で合金化処理を行った後に、冷却装置12で冷却を行って溶融メッキ鋼板を得る。
【0031】
連続溶融メッキ作業から連続焼鈍作業に切替える場合には、スナウト先端とメッキ浴面との間に間隙を形成させる。間隙の形成は、図4(a)に示すように中間に蛇腹13等を設けた伸縮自在のスナウト2を配設してあるので、スナウトを収縮(図中の点線で示す先端部を収縮させる)させて行うことができる。また、スナウトを収縮することに代えて、図示していないが溶融メッキ槽に昇降装置を設けて昇降させることによってスナウト先端とメッキ浴面との間隙を制御することや、メッキ浴中に地金を浸漬或いは取り出すことによっても間隙を制御することができるが、スナウトの伸縮によって行うことが好ましい。また、図4(b)に示すように、スナウトをスナウト内管14及び外管15からなる二重管で構成し、スライドさせて伸縮自在としても良い。なお、内管と外管との間をシール16して内部雰囲気が外部に漏れないようにすることが好ましい。図4に伸縮自在のスナウトの例を示したが、本発明はこれらの例に限られるものでなく、伸縮自在の構造のスナウトであれば使用することができる。
【0032】
スナウト2先端とメッキ浴4面との間隙の制御は、浴面上にセンサー17を設置し、センサーによりメッキ浴面とスナウト先端との間隙を検出し、間隙距離が20mm以内、好ましくは10mm以内の範囲となるようにスナウトの伸縮を制御することが好ましい。
【0033】
即ち、図5に示すように浴面上に設置したセンサー17により、スナウト2先端とメッキ浴4面との間隙を検出し、その検出した検出信号をスナウト間隙制御装置22に送り、所定の間隙となるようにスナウト間隙制御装置からの信号に基づき電動機又はクランク機構等のスナウト先端の駆動装置23によりスナウトを伸縮させて間隙を調整する。なお、スナウト先端はメッキ浴面と非接触状態に間隙を設定してあるが、時々メッキ浴に浸入しても酸化性ガスが外部に排出される限り問題は生じない。連続溶融メッキを行う場合にはスナウト先端をメッキ浴中に浸漬させるように調整することができる。
【0034】
次いで、溶融メッキ操業中にスナウト内に導入していた非酸化性ガス(例えばN)を酸化性ガス(例えば空気)に切替弁で切替える切替弁付ガス吹込装置18によりスナウト内を酸化性雰囲気とする。スナウト内酸化性雰囲気が焼鈍炉内に逆流しないように焼鈍炉とスナウトの間にガス吹き込み装置19によりガスを吹込むガスシール(例えばN)やロールタッチのシール等のシール装置20によりシールを行うと共に、スナウト内雰囲気圧Pを焼鈍炉内雰囲気圧Pよりも低く、例えば、100mmAq以下とするが、20mmAq以下とすることが好ましい。これによりスナウト2内に吹き込まれた酸化性ガスは、スナウト先端と浴面の隙間から外部に排出させることができる。よって、スナウト内へ導入したガスが焼鈍炉1内へ混入し製造トラブルを発生することがない。スナウト内に吹き込まれた酸化性ガスによって、焼鈍炉1からスナウト2内を通過する鋼板5は、高温(例えば400〜500℃)となっているので、その表面を酸化され鋼板表面に酸化膜が形成される。酸化膜の厚さは350Å〜10μmの範囲にすることが好ましい。酸化膜の厚さが350Å以下であると、通板中にガイドロールやメッキ浴中のシンクロールと接触した際に、皮膜の一部に擦過傷ができたときに、その部分がメッキされることとなり、一方10μmを超えると後述する酸化膜の除去が困難となるから好ましくない。
【0035】
また、スナウトを構成する材料としては、スナウト内面が酸化性ガスと接触するため、耐熱性に優れた材料、例えば、公知のステンレス鋼等を用いて構成させれば、スナウトが酸化されることなく長期間使用することが可能となる。
【0036】
スナウト内で表面に酸化膜を形成された鋼板5は、スナウトからメッキ浴4中に導入され、シンクロール10を介して上方に引き上げられる。
【0037】
鋼板のラインスピードがあるため、鋼板表面にはメッキ浴4のメタルが付着して持ち上げられるので、付着したメタルをガスワイピング等のワイピング装置11により除去する。付着したメタルはガスワイピングの吹き付けガスにより容易に剥離除去することができる。付着したメタルを除去しないと、メタルがロール(例えばガイドロールやトップロール等)に付着して鋼板表面に傷をつけ、製品欠陥を生ずることとなり好ましくない。
【0038】
ガスワイピング装置には傾動機構を設け、下向きにガスワイピングをして付着したメタルを除去することが好ましい。
【0039】
ワイピング後の鋼板は冷却装置12(例えばガス冷却)で冷却し、トップロール21を介して通板方向を変えて、不要な酸化膜を除去する酸化膜除去装置22に導入される。必要に応じて、酸化膜除去装置に導入する前にブラシ23等により表面を機械的に研磨しても良い。酸化膜除去は、酸洗槽による化学的酸洗や、ブラシにより機械的に除去することや、電解処理(例えば電解酸洗)により除去することができる。また、ワイピングにより除去されないで鋼板表面に残存したメタルは酸化膜除去工程で酸化膜と一緒に除去される。
【0040】
なお、酸化膜除去後にさらに機械的な研削或いは研磨手段で鋼板表面の均一、平滑化を行ってよい。
【0041】
また、連続焼鈍作業から連続溶融メッキ作業に切替える場合には、スナウト2に吹き込むガスを酸化性ガスから非酸化性ガスに切替え、スナウト内を非酸化性ガスでパージした後に、スナウト先端をメッキ浴4中に浸漬して、最初に説明した連続溶融メッキ操業を行うようにする。
【0042】
上記に説明したように本発明では連続溶融メッキと連続焼鈍とを同じパスラインで操業することができるので、溶融メッキ作業から焼鈍作業への切替え時間或いは焼鈍作業から溶融メッキ作業への切替え時間が大幅に短縮できる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0044】
図3に示す連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置を用いて、連続溶融メッキの試験を行った。板厚0.8mm、板幅1000mmのサイズの鋼板にラインスピード80mpmで焼鈍炉で焼鈍を施し、焼鈍後に480℃に冷却した後、メッキ浴に先端が浸漬しているスナウトを通じて溶融亜鉛メッキ浴に浸漬した。メッキ浴から引き上げてワイピング圧力1.0kg/cmでワイピング後所定の目付け量に目付けを施し、冷却して亜鉛メッキ鋼板を得た。
【0045】
次いで、連続溶融メッキ作業から連続焼鈍作業に切替える試験を行った。
【0046】
まず、伸縮自在のスナウトを収縮させてその先端をメッキ浴面上に引き上げ、センサーによりスナウト先端とメッキ浴面の間隔を検出し、スナウト先端と浴面ギャップを5mmに調整した。焼鈍炉とスナウト間をシールするガスシール装置にNガスを780Nm/hr導入してシールを行うと共に、スナウト内に空気を300Nm/hr導入してスナウト内を酸化性雰囲気とした。この時の焼鈍炉内圧力は15mmAq、スナウト内圧力は14mmAqとした。焼鈍後480℃に冷却した鋼板をスナウトを通じて溶融亜鉛メッキ浴に浸漬した。鋼板はスナウト内で酸化されその表面に厚さ約490Åの酸化膜が形成されていた。メッキ浴から引き出された鋼板に、ワイピングノズルの圧力を2kg/cm、鋼板との間隔を5mmに調整してワイピングガスを吹き付けた。その結果、鋼板と共に持ち上げられた亜鉛は全部排除され、鋼板表面には、酸化膜が鋼板とメタルとの合金化反応を阻害するためメッキが施されていなかった。ワイピング後鋼板をガス冷却装置により冷却し、トップロールを介して垂直方向から水平方向に通板方向を変えて、ブラシにより鋼板表面を研磨し、50℃の10%HSO浴中で10A/dmの電流密度で5秒間の電解酸洗を施して酸化膜を除去した。その結果、酸化膜のない焼鈍された鋼板が得られた。
【0047】
さらに、連続焼鈍作業から連続溶融メッキ作業に切替える試験を行った。
【0048】
スナウト内に吹き込む空気をNガスに切替え300Nm/hr吹き込んで、スナウト内をNガスでパージした。その後スナウト先端をメッキ浴中に浸漬し、最初に述べたと同様に連続溶融メッキを施した。
【0049】
以上述べたように、本発明では連続溶融メッキと連続焼鈍とを同じパスラインを使用して行うことができた。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、同じパスラインで連続溶融メッキと連続焼鈍とを行うので、連続溶融メッキ作業から連続焼鈍作業への切替え作業或いはその逆の切替え作業が容易となり、かつ切り替え時間が大幅に短縮でき、ラインの生産性を悪化させることも回避されると共に、従来、切替え毎に整備していたロールの整備費用も大幅に削減できる。
【0051】
また、同じ装置に連続溶融メッキと連続焼鈍の異なる2つの処理能力を持たせた兼用装置で処理を行うため、生産コストが大幅に低下できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の連続焼鈍及び溶融メッキ兼用設備の概要を示す図で、(a)は連続溶融メッキ、(b)は連続焼鈍を示す図である。
【図2】従来の連続焼鈍及び溶融メッキ兼用設備の概要を示す図である。
【図3】本発明の連続焼鈍及び溶融メッキ兼用装置の概要を示す図である。
【図4】伸縮自在のスナウトの例を示す図で、(a)は蛇腹を設けたスナウトの例、(b)は二重管構造としたスナウトの例を示す図である。
【図5】スナウト先端と溶融メッキ浴面との間隙を制御する例を示す図である。
【符号の説明】
1 連続焼鈍炉
2 スナウト
3 着脱自在のスナウト先端
4 溶融メッキ浴
5 鋼板
6 案内ロール
7 ロール冷却装置
8 連続溶融メッキパスライン
9 連続焼鈍パスライン
10 シンクロール
11 ワイピング装置
12 冷却装置
13 蛇腹
14 スナウト内管
15 スナウト外管
16 シール
17 センサー
18 切替弁付ガス吹込装置
19 ガス吹込装置
20 シール装置
21 トップロール
22 スナウト間隙制御装置
23 スナウト先端駆動装置

Claims (14)

  1. 鋼板の連続溶融メッキラインを用いて、鋼板の連続溶融メッキと連続焼鈍とを切替えて行う方法であって、連続溶融メッキを行う場合には、伸縮自在のスナウトのスナウト先端を溶融メッキ浴中に浸漬するように配置し、スナウトを通過した鋼板を溶融メッキ浴に浸漬して溶融メッキを行う、また、連続焼鈍を行う場合には、伸縮自在のスナウトのスナウト先端を溶融メッキ浴面上となるように配置し、スナウト内に酸化性ガスを吹き込んで、スナウトを通過する鋼板の表面に酸化膜を形成した後に、鋼板を溶融メッキ浴に浸漬することを特徴とする鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  2. 連続焼鈍から連続溶融メッキに切替える際には、スナウト内に吹き込んでいた酸化性ガスを非酸化性ガスに切替えてスナウト内を非酸化性ガスでパージした後に、スナウト先端を溶融メッキ浴中に浸漬させ、スナウトを通過した鋼板を溶融メッキ浴に浸漬させることを特徴とする請求項1記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  3. 連続溶融メッキから連続焼鈍に切替える際には、スナウト先端を溶融メッキ浴中からメッキ浴面上に移動させ、スナウト内に酸化性ガスを吹き込んで、スナウトを通過する鋼板の表面に酸化膜を形成した後に、スナウトを通過した鋼板を溶融メッキ浴に浸漬することを特徴とする請求項1記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  4. 浴面上に設置したセンサーにより溶融メッキ浴面とスナウト先端との間隔を検出し、検出信号に基づいて伸縮自在のスナウトの伸縮、溶融メッキ槽の昇降又はメッキ浴中に地金を浸漬、取出しすることによってスナウト先端と浴面との位置関係を制御することを特徴とする請求項1〜3の内のいずれかに記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  5. 連続焼鈍を行う際には、スナウト内酸化性雰囲気が焼鈍炉内に逆流するのを防止できるように、焼鈍炉内雰囲気とスナウト内酸化性雰囲気との間をシールし、スナウト内雰囲気気圧を焼鈍炉内雰囲気圧より低くすることを特徴とする請求項1、3または4記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  6. 連続焼鈍を行う際には、溶融メッキ浴から引き上げた鋼板の表面にワイピングを施し、冷却した後に、鋼板表面の酸化膜を酸化膜除去装置により除去することを特徴とする請求項1、3、4又は5記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  7. 鋼板表面の酸化膜の除去を化学的、電気化学的又は機械的に行うことを特徴とする請求項5記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  8. スナウト内に吹き込む酸化性ガスが、空気であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  9. スナウト内に吹き込む非酸化性ガスが、窒素ガス、アルゴンガスであることを特徴とする請求項2記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  10. 焼鈍炉内雰囲気とスナウト内雰囲気との間のシールが、ガスシール又はロールタッチシールであることを特徴とする請求項4記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用方法。
  11. 鋼板の連続溶融メッキと連続焼鈍とを切替えて同じパスラインで行うことができる兼用装置であって、鋼板の連続焼鈍炉、焼鈍後の鋼板を溶融メッキ槽に導くスナウト、溶融メッキ槽、溶融メッキ槽の上部に配設した鋼板のワイピング装置、ワイピング後の鋼板冷却装置及び鋼板表面の酸化膜を除去する酸化膜除去装置を備え、かつ、スナウト内酸化性雰囲気が焼鈍炉内に逆流するのを防止するシール装置及びスナウト内に酸化性ガスと非酸化性ガスとを切替え可能に吹き込むことができるガス吹き込み装置を備えていることを特徴とする鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
  12. 前記スナウトはスナウト先端を溶融メッキ浴中又は溶融メッキ浴上とすることができる伸縮自在のスナウトであることを特徴とする請求項11記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
  13. 浴面上にセンサーを配置し、該センサーにより浴面とスナウト先端との間隔を検出し、伸縮自在のスナウトの伸縮、溶融メッキ槽の昇降又はメッキ浴中に地金を浸漬、取出しすることによって、スナウト先端と浴面との位置関係を制御する制御装置を備えていることを特徴とする請求項11又は12記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
  14. スナウトが耐熱性材料からなっていることを特徴とする請求項11〜13の内のいずれかに記載の鋼板の連続溶融メッキ及び連続焼鈍兼用装置。
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