JP2004099443A - 物質の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1供給源101から芳香族化合物溶液を供給し、第2供給源102からアルキル化剤であるN−アシルイミニウムイオン溶液を供給し、マイクロミキサ103の第1および第2流路113,114から層状に流過して、混合空間115で反応させる。芳香族化合物は、ベンゼン環またはヘテロ芳香環を有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物質の製造方法に関し、特にフリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応物質を選択的に高い収率で製造するために好適に実施することができる物質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学反応では、たとえば式1に示されるように、基質Aに反応剤Bが反応する場合、生成物A−Bと反応剤Bとが、さらに反応して物質A−B−B、さらに物質A−B−B−Bへと変換してしまう反応が、しばしば見られる。
【化1】
【0003】
式1の反応が起こる例としては、フリーデル・クラフツ(Friedel・Crafts)型アルキル化反応が挙げられる。フリーデル・クラフツ型アルキル化反応は、式2に示されるように、脱離基を持つアルカンにルイス酸などを作用させて発生させる炭素カチオンと芳香族化合物とが親電子置換反応することにより、芳香族化合物上にアルキル基を導入する反応である。この反応では、アルキル基が1つ導入されると、アルキル基が電子供与基であるために芳香族環を活性化し、さらに置換反応が進行し、ポリアルキル化が起こってしまう。
【化2】
【0004】
このポリアルキル化を抑えるための3つの方法が、従来から知られている。第1の先行技術は、立体的効果を利用する方法であり、式3に示されるように、反応点であるパラ位を置換基で抑えたもので、t−Bu基のようなかさ高いアルキル基を親電子剤として用いることによって、生成物のオルト位のアルキル化を抑える方法である。
【化3】
【0005】
第2の先行技術は、芳香族化合物を式4に示されるように、大過剰用いることによって、モノアルキル化体が生成した段階で、炭素カチオンがほとんど反応を終結し、ポリアルキル化を抑える方法である(たとえば、非特許文献1参照。)。
【化4】
【0006】
第3の先行技術は、式5に示されるように、分子内反応を利用する方法である。
【化5】
【0007】
これらの第1〜第3の各先行技術のいずれにも、化合物に制限がある、あるいは化合物のロスが大きいなどの問題点があり、この問題点を解決することは今なお有機合成上の大きな課題である。
【0008】
【非特許文献1】
ラインハルト・ブルックナー(Reinhard Bruckner)著,「アドバンスト オーガニック ケミストリ:リアクション メカニズム(Advanced Organic
Chemistry : Reaction Mechanisms)」,(米国),ハーコート/アカデミック・プレス(Harcourt/Academic Press),2001年7月
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、希望する反応生成物を選択的に高収率で製造することができ、しかも各種の化合物に関連して実施することができ、また原料となる物質のロスを小さくすることができるようにした物質の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1物質を溶解させた第1溶液と、第2物質を溶解させた第2溶液とを、
微細な各流路をそれぞれ経て、混合空間に、
第1および第2物質の化学反応によって第3物質が選択的に収率よく生成する流量で、
第1および第2物質が等当量となるように、
それぞれ供給することを特徴とする物質の製造方法である。
【0011】
また本発明は、第1および第2溶液は、幅1〜500μmを有する各流路から、層状に形成されて混合空間に供給されることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記流量は、5〜20mL/分に選ばれることを特徴とする。また本発明は、第1溶液の複数の流路と、第2溶液の複数の流路とは、幅方向に交互に設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、第1溶液と第2溶液とを、マイクロリアクタを用いて、微細な各流路から混合空間に、適切な流量で、しかも第1および第2物質を、同一時刻の単位流量あたり等当量となるような流量比で、いわば1:1の混合となるように、連続的に供給しつつ、第3物質を高い収率で選択的に製造することができる。本発明は、広範囲の種類の第1および第2物質に関連して実施することができ、これらの第1および第2物質の損失を少なくすることができる。
【0014】
本件発明者によれば、マイクロミキサを用いることによって、際だった反応制御が可能となることが発見された。フリーデル・クラフツ型モノアルキル化のように、これまでは本質的に困難であるとされていた反応を、マイクロミキサを用いることによって、高い選択性で行うことを実現することができる。従来の化学では解決することが非常に困難であると考えられていたポリアルキル化の問題を、マイクロミキサを使ったアルキル化剤と芳香族化合物の迅速、効率的かつ正確な1:1混合によって解決することができる。このような反応例が本件発明者によって見出されることで、化学合成に新展開が生まれる。
【0015】
マイクロミキサでは、混合空間に、たとえば幅(D1,D2)1〜500μmを有する微細な各流路に第1および第2溶液が、第3物質が選択的に収率よく生成する流量、たとえば5〜20mL/分で連続的に、たとえば互い違いに層をなして供給される。Lは、リットルを表わす。これらの第1および第2溶液が供給される複数の各流路が、混合空間に、幅方向、すなわち前記層の厚み方向に、交互に配置される。これによって混合空間で第1および第2溶液に溶解された第1および第2物質が、短時間に反応し、収率の選択性が高められる。フリーデル・クラフツ型アルキル化反応を行う際には、マイクロミキサの混合空間内で、全ての反応が終結することが必須条件である。
【0016】
本発明に従えば、マイクロミキサと称することができる上述の構成を有する構成要素を用いる代りに、そのほかの構成によって本発明が実施されてもよい。
【0017】
また本発明は、第1物質は、芳香族化合物であり、
第2物質は、アルキル化剤であり、
芳香族化合物とアルキル化剤との化学反応によって、第3物質であるフリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応物質を製造することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、芳香族化合物は、ベンゼン環またはヘテロ芳香環を有することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、アルキル化剤溶液として、イミニウムイオンを用いることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、芳香族化合物は、イミニウムイオンに対するトリメトキシベンゼンと同程度あるいはそれ以上の反応性を有することを特徴とする物質の製造方法である。
【0021】
本発明に従えば、たとえばマイクロミキサを用いることによって、たとえばトリメトキシベンゼンなどの芳香族化合物のモノアミノメチル化を、高い選択性で実現することができる。フリーデル・クラフツ型アルキル化反応を行う際に、マイクロミキサの混合空間内で、芳香族化合物とアルキル化剤との等当量のいわば1:1の反応を行うためには、芳香族化合物に対して非常に高い反応活性をもつアルキル化剤が必要である。一般に、アルキル化剤はハロゲン化アルキルやアルコールなどの前駆体をルイス酸により活性化することで発生させる場合が多いが、この場合、アルキル化剤の発生過程は平衡反応であり、かつ、平衡は前駆体に偏っている場合が多いため、この従来からの方法では高い反応性をもつアルキル化剤を得ることは容易ではない。ここで、2つの分子、たとえば芳香族化合物とアルキル化剤とが反応する場合の反応速度が反応性の指標となる。
【0022】
そこで本発明では、トリメトキシベンゼンとの反応性に優れたイミニウムイオンを、アルキル化剤として用い、このイミニウムイオンは、N−アシルイミニウムイオンであってもよい。このようなイミニウムイオンは、たとえば後述の本件発明者によるカチオンプール法によって発生することができる。
【0023】
本発明の芳香族化合物は、ベンゼン環またはヘテロ芳香環を有してもよい。
本発明の芳香族化合物は、イミニウムイオンに対する反応性がトリメトキシベンゼンと同程度またはそれをそれ以上の反応性を有することが望ましい。
【0024】
イミニウムイオンに対する反応性がトリメトキシベンゼンと同程度の芳香族化合物としては、チオール、フラン、N−メチルピロールおよびセレノフェンがあげられる。その他、1.アニソールおよびその誘導体、具体的にはメチルアニソール(3−メチルアニソール)、ジメトキシベンゼン(1,3−ジメトキシベンゼン)など2.ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体3.アニリン誘導体、具体的にはN,N−ジメチルアニリンなどがあげられる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の全体の構成を簡略化して示す斜視図である。フリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応物質の製造のために、第1物質である芳香族化合物を溶解させた第1溶液を、供給源101から連続的に供給する。第2物質であるアルキル化剤を溶解させた第2溶液を、第2供給源102から連続的に供給する。マイクロミキサ103では、第1および第2溶液が混合されてフリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応が起こる。なお、後述の実施例ではマイクロミキサ103として、IMM社製LIGA Micromixing System(Micromixer)を使用した。
【0026】
図2は、マイクロミキサ103の断面図である。シリンジポンプをそれぞれ含む供給源101,102からの各溶液は、接続部材104,105から、流路部材106に供給される。流路部材106は、保持部材107に収納され、保持部材107には、混合部材108が取付けられる。混合部材108には、入口接続部材104,105が設けられ、もう1つの出口接続部材109からは、フリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応による生成物質が排出される。なお、図1および図2は、IMM社製LIGA Micromixing System(Micromixer)の説明図を使用している。
【0027】
図3は保持部材107に装着された流路部材106の平面図であり、図4は流路部材106の一部を拡大して示す平面図である。なお、図3および図4は、IMM社製LIGA Micromixing System(Micromixer)の製品写真を使用している。各供給源101,102からの溶液は、入口接続部材104,105を経て、保持部材107に形成された各入口空間111,112から、微細な第1および第2流路113,114に流れ込む。これらの第1および第2流路113,114からの第1および第2溶液は、層状となって図3および図4の紙面の上方に流れ、混合部材108に形成された前記幅方向に細長い水平断面が矩形状である混合空間115(図2参照)に供給される。第1および第2流路113,114は、各入口空間111,112間にわたってジグザグ状に形成される。複数(たとえば15)の第1流路113と、複数(たとえば15)の第2流路114とは、幅方向(図3および図4の左右方向、図2の紙面に垂直方向)に、交互に、設けられる。第1および第2流路113,114の幅D1,D2は、1〜500μmであり、好ましくは10〜60μmであり、さらに好ましくは25〜40μmである。入口空間111,112には、第1および第2溶液が、たとえば5〜20mL/分で連続的に供給される。隔壁116の厚みD3は、たとえば10〜30μmであり、たとえば10μmである。
【0028】
マイクロ化学デバイスの1つであるマイクロミキサ103は、超微細加工技術等によってつくられた前述のように幅数μmから数百μmを中心とするマイクロ空間を利用して化学反応が行われることを基本とする装置である。マイクロミキサは、マイクロ空間の特性を生かして2液または気液の混合を高速かつ高効率に行うためのマイクロ化学デバイスである。微小空間における単位容積あたりの大きな界面面積を利用して2液の混合を高速かつ高効率に行うためには、流路断面の代表長さが1μmから1000μmであることが好ましく、10μmから100μmがさらに好ましい。マイクロ空間の特性を生かすためには、流路断面の全ての長さがこの範囲に入る必要はなく、ある長さだけがこの範囲であればよい。また、混合形式も直交流型、並流型、向流型、螺旋流型など各種のものが可能である。
【0029】
2液の混合がこのミキサ103のスリット状の混合空間115内で完全に混合されているとして、2つの溶液の導入流速(5mL/分)とこのスリットの大きさ(長さ4mm、幅0.06mm、高さ約5mm)から計算すると、本反応は10ミリ秒程度で終結していることになる。マイクロミキサによって適応可能な反応は、マイクロミキサの性能に依存し、反応の種類としては、数秒〜数十秒程度以内で終結するもの、特にミリ秒以下のオーダで終結するような高速の反応が望ましい。
【0030】
本件発明者によれば、このマイクロミキシングにおける著しい選択性の発現は以下のように説明することができる。混ざり合う2つの液体を容器内に供給して、混合した場合、比較的大きな流体の集合体が反応容器全体に粗く広がった後、渦によって変形作用が引き起こされ混合がおきる。これらの渦が乱流拡散していくにつれて次第に細かくなり、混合していく。もし、混合時間が反応時間よりも充分長ければ、局所的な濃度の粗密が反応に大きな影響を与えるはずで、このことは反応容器を用いたフリーデル・クラフツ型アルキル化の際に問題となる。つまり、容器内のある場所では後述の式17に示されるN−アシルイミニウムイオン4の濃度が、芳香族化合物である1,3,5−トリメトキシベンゼンよりも高くなり、このような領域では後述の式17に示されるモノアルキル化体(10)が、近傍にいるもう一分子のN−アシルイミニウムイオン4と反応し、ジアルキル化生成物11を与える。
【0031】
これに対して、本発明に従って、第1供給源101から前記芳香族化合物を溶解させた第1溶液を供給し、第2供給源102からN−アシルイミニウムイオン溶液を供給し、マイクロミキサ103を用いた場合には、2種類の成分を小さなセグメントでぶつけ合い、層をなす薄膜状の流れを作り出すことで効率的な混合が達成される。この方法では、多数の細かな流れの界面における拡散を通じて高速な混合が起こり、速やかに、N−アシルイミニウムイオンと、芳香族化合物との濃度が均一になる。したがって、N−アシルイミニウムイオンと芳香族化合物とが正確に1:1で反応した生成物が選択的に得られる。著しい反応選択性がマイクロミキシングによって発現することは、極めて興味深く注目に値する現象である。
【0032】
マイクロミキサ103を用いたN−アシルイミニウムイオンと前記芳香族化合物である1,3,5−トリメトキシベンゼンとの反応に関して、このマイクロミキサでは、交互に配置した幅(D1,D2)25μmのマイクロチャネルである流路113,114内を、2つの流れが向かい合うように流れる。ついで、この交互の流れが、もとの流れと垂直に配置されたスリット型のチャネルである混合空間115に導入されることによって、層をなす薄膜状の流れが生成し、効率的な混合が行われる。
【0033】
図5は、本発明の実施の一形態の図1に示される装置を用いてフリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応生成物を得る実施例の工程を示す図である。本発明の製造方法では先ず、図5のステップ201において、カチオン前駆体を合成して得、次のステップ202でイミニウムイオンのカチオンプールを発生する。特に本発明では、反応性が高く、かつ、立体的な影響の少ない一級のイミニウムイオンを用いる。
【0034】
先ず、イミニウムイオンのカチオンプールを発生させるカチオン前駆体の合成について述べる。一級のカチオンを発生させるカチオン前駆体として式6,式7および式8の化合物1,2,3を合成した。これらの化合物1,2,3には電子補助基であるケイ素を導入している。電子補助基というのは、本件発明者がここに提唱する概念であり、電子移動に対して基質を活性化する補助基のことである。たとえば、酸素、イオウ、窒素といったヘテロ原子のα位炭素上のケイ素やスズは電子補助基として有効に働き、比較的酸化されやすい求核剤共存下でも、基質が選択的に酸化されカチオンが生成し、このカチオンに求核剤が付加した生成物を効率的に得ることが可能となる。
【化6】
【化7】
【化8】
【0035】
ここで、式中の「Me」は「メチル基(CH3−)」を示している。
化合物1は、ブチルアミンカルバメートを水素化ナトリウムで脱プロトン化し、ヨードメチルトリメチルシランと反応させることで合成した。この場合、式9のようにTHF(Tetrahydrofuran)溶媒で反応を行うと収率45%で純度95%(GC)であったが、式10のように溶媒をDMF(Dimethylformamide)にすることで、収率が76%に向上し、純度100%(GC)の化合物1を得ることができた。
【化9】
【化10】
【0036】
ここで、式中の「Bu」は「ブチル基(CH3CH3CH3CH2−)」を示している。
【0037】
化合物2、3も、これと同様の方法で合成を行うことができた。
以上の結果から、式6〜8のカチオン前駆体である化合物1,2,3のうちで、最も効率的にカチオンを発生させることが可能であった化合物1を、カチオン前駆体として以下の条件検討を行うことにする。
【0038】
本件発明者によれば、カルバメートの電解によるカチオンプールの発生には、表1に示す条件が最良であることが判っている。
【0039】
【表1】
【0040】
このカチオンプールの調製法を述べる。陽極で酸化されたカチオンが陰極で還元されるのを防ぐため、陽極と陰極をグラスフィルタ(G4)の隔膜によって隔てる。陰極、陽極に使用する素材はそれぞれPt板、日本カーボン製のカーボンフェルト(商品名JP20−P7)とし、カーボンフェルトは使用前にアセトンで洗浄した後、250℃で2時間真空乾燥したものを用いる。溶媒はCH2Cl2を用い、支持電解質としてBu4NBF4を0.3Mの濃度で添加する。この際、支持電解質由来のBF4イオンは、生成するカチオンの対アニオンとなり比較的安定なカチオンを形成する手助けになる。陰極での還元を促進し電解の効率化を図る目的で、TfOH(Trifluoromethanesulfonic acid)を陰極側に添加する。
【0041】
【化11】
式11に示されるイミニウムイオン4のプールは、対応するケイ素置換カルバメート1を低温で電解酸化することにより、発生・蓄積でき、NMR(NuclearMagnetic Resonance,核磁気共鳴)測定によって、比較的高濃度のイオン性化学種として存在していることが確認できる。
【0042】
表1に示した条件下で、具体的に式11に示されるN−アシルイミニウムイオン4のカチオンプールの調製を述べる。ケイ素置換カルバメート1をCH2Cl2中、Bu4NBF4を支持電解質として隔膜付セル(陽極:カーボンフェルト、陰極:Pt板)を用いて−78℃で電解酸化する。この方法で得られるN−アシルイミニウムイオン4は、単一の化学種として、NMR(1H NMR:8.56and8.83ppm メチレンプロトン,13C NMR:177.0ppm メチレンプロトン)で観測される。
【0043】
N−アシルイミニウムイオン4のNMR測定について述べる。
1Hおよび13C NMR測定は重塩化メチレン中で日本電子株式会社製NMR装置(A−500)を用いて行った。化学シフトは塩化メチレンのメチレンシグナルを基準(1H NMRでは5.32ppmおよび13C NMRでは53.80ppm)とした。電解反応は陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を取付けた隔膜付の電解セルを用いて行った。陽極室に0.3Mテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Bu4NBF4)の重塩化メチレン溶液4.0mLおよびケイ素置換カルバメート1(45.0mg,0.206mmol)、陰極室に0.3MBu4NBF4の重塩化メチレン溶液4.0mLおよびトリフルオロメタンスルホン酸(72.3mg,0.482mmol)を加えた後、マグネティックスターラーで撹拌しながら、−78℃で定電流電解(5.0mA)を行った。2.5F/molの電気量を流した後、陽極室の溶液を、セプタムラバーでシールし、−78℃に冷却したNMR管へカニュラーを用いて素早く移し、この溶液のNMR測定を−80℃で行った。1H NMR(500MHz,CD2Cl2,selected)のd値は、4.01−4.20(m, 5H),8.56(s, 1H),8.83(s, 1H)、13C NMR(125.65MHz,CD2Cl2,selected)のd値は、177.0,147.3,58.6,57.2,29.3であった。1H NMRで8.56および8.83、13C NMRで177.0に観測されるシグナルがイミニウムイオンのメチレン水素および炭素に帰属される(このスペクトルにおいて、この他のシグナルは支持電解質であるBu4NBF4のシグナルと重なってしまい、帰属できなかった)。
【0044】
また、このN−アシルイミニウムイオン4はさまざまな求核剤に対して極めて高い反応活性を示し、アリルトリメチルシランとは−78℃で速やかに反応する。
【0045】
カチオン前駆体の化合物1から発生させたイミニウムイオン4のカチオンプールは、−25℃では熱的にかなり安定であり、−25℃で保存した化合物1の電解を行った日から3日間−25℃で保存したカチオンプールを使って、式12のようにアリルシランと反応させた場合の収率は、電解を行った直後の収率と全く変化がなかった。
【化12】
【0046】
イミニウムイオンがカチオン前駆体の化合物1,2,3から好ましい収率で得られるかどうかについて、式13によってアリルシランとの反応を確認した。
【化13】
【0047】
式13に関する具体的な実験結果を式14〜16に述べる。
【化14】
【化15】
【化16】
【0048】
ここで、X(eq.)は、式13に示される反応において、用いたアリルシランの当量を示す。
【0049】
カチオン前駆体として化合物1,2,3を用いた際には、原料が完全に消失し、目的の生成物であるアリル化体7,8,9が、表2のようにそれぞれ72,57,70%の収率で得られた。
【0050】
【表2】
【0051】
なお、これらのケイ素を導入したカチオン前駆体1,2,3は、カラムクロマトグラフィーおよび蒸留によって精製した。このように収率が好ましい値で得られることによって、カチオン前駆体の化合物1,2,3が使用可能であることが確認された。
【0052】
供給源101から供給される第1溶液に含まれる芳香族化合物と、第2供給源102から供給される第2溶液に含まれるアルキル化剤とは、等当量でなければならない。このアルキル化剤として前述のカチオンプールによって得られるN−アシルイミニウムイオン化合物4の当量が反応の選択性に重要な影響を与える。したがって、カチオン前駆体の当量の検討を行った。
【0053】
式14において、その結果を示す表2から、カチオンプールとアリルシランとの反応で収率が72%であるので、カチオン前駆体からカチオンへの変換率は約7〜8割であると考えられる。つまり、実際に、カチオン前駆体と芳香族化合物とを1:1の比率で混合した場合には、芳香族化合物の方がカチオンに対して過剰になっていると考えられる。そこで、式17に示される反応において、カチオンを発生させるためのカチオン前駆体の当量の検討を、表3のように行った。
【化17】
【0054】
式17に示される反応について述べる。モノ置換体の化合物(1−(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)−2,4,6−トリメトキシベンゼン)(化合物10)およびジ置換体の化合物(1,3−ビス(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)−2,4,6−トリメトキシベンゼン(化合物11)は、化合物1(0.500 mmol)から発生させたカチオンプール(10 mL)と1,3,5−トリメトキシベンゼン(70.1 mg,0.416 mmol)とを以下に示す方法で反応させることにより合成した。芳香族化合物である1,3,5−トリメトキシベンゼン(0.417 mmol)の塩化メチレン溶液(10mL,−78oCに冷却したもの)とアルキル化剤である化合物1(0.500 mmol)から発生させたカチオンプール(10 mL、−78 oCに冷却したもの)とを、−78oCに冷却された低温バスに浸したマイクロミキサ103にシリンジポンプ(ハーバード社製モデル11,流速5.0 mL/min)を用いて同時に導入した。マイクロミキサ103(IMM社製LIGA Micromixing System(Micromixer)、流路幅D1,D2が25μm)から出てきた反応混合物を−78oCに冷却された低温バスに浸した丸底フラスコで受け、これにトリエチルアミン(1 mL)をすばやく加えた。得られた溶液から減圧下で溶媒を留去したのち、10cmのシリカゲルショートカラム(エーテル300mLで溶出)に供することでBu4NBF4を除去した。得られた溶液を濃縮すると粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィーで精製することで目的生成物を得た。このときの収率はGC(ガスクロマトグラフィ)で求めた。モノ置換体の化合物10の収率は、92%(118.5mg,tR 11.7分,カラムOV−1;0.80mm x 1m;オーブン温度は100oC;10oC/minで昇温)であった。また、TLCにおけるRf値は、0.49(溶媒は、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)であった。1H NMR(300 MHz, CDCl3)におけるδ値は、0.84 (t, 3H, J = 7.2Hz), 1.11−1.30 (m, 2H), 1.35−1.48 (m, 2H), 2.93−3.08 (m, 2H), 3.63−3.80 (m, 9H), 3.81 (s, 3H), 4.45−4.58 (m, 2H), 6.10 (s, 2H)であった。13C NMR (75MHz, CDCl3)におけるδ値は、13.8, 19.9, 29.5および30.1, 37.7および37.8, 44.2および44.7, 52.1, 55.2, 55.5, 90.1, 105.8, 156. 8, 156.0, 160.8であった。IR(neat)における吸収帯は、2957, 1697, 1608, 1498, 1151cm−1であった。LRMS(LowResolution Mass Spectrometry)(EI) は、m/e 311 (M+), 280 (M+ − OMe), 252 (M+ − CO2Me), 181 (M+ − NBuCO2Me)で、HRMS(High Resolution Mass Spectrometry)(EI)は、 calcd for C16H25NO5 (M+): 311.1733, found: 311.1733であった。
【0055】
ジ置換体の化合物11の収率は、4%(7.6 mg, tR 16.7 min, カラム OV−1; 0.80 mm x 1 m; オーブン温度, 100 oC; 10 oC/minで昇温)であった。TLCにおけるRf値は、0.37(溶媒はヘキサン:酢酸エチル=1:1)であった。1H NMR(300MHz, CDCl3)におけるδ値は、0.81 (t, 6H, J = 7.2Hz), 1.09−1.28 (m, 4H), 1.29−1.43 (m, 4H), 2.86−3.07 (m, 4H), 3.59−3.79 (m, 9H), 3.80 (s, 6H), 4.50 (s) および 4.55 (s) (total 4H, 二種類の回転異性体), 6.23 (s, 1H)であった。13C NMR(75MHz, CDCl3)におけるδ値は、14.0, 20.2, 29.8および30.3, 38.8, 44.5および45.1, 52.6, 55.8, 62.6, 91.3, 111.2, 157.1, 160.0であった。IR(neat)における吸収帯は、2957,1698, 1609, 1152cm−1であった。LRMS (EI) は、m/e 454 (M+), 423 (M+ − OMe), 395 (M+ − CO2Me)であり、HRMS (EI) は、calcdfor C23H38N2O7 (M+): 454.2679, found: 454.2682であった。
【0056】
【表3】
【0057】
ここで、X(eq.)は、式17に示される反応において用いたカチオン前駆体の当量を示す。
【0058】
表3に示されるように、カチオン前駆体の当量を1.0から1.2に増加させると、モノ置換体の化合物10の収率が92%まで向上した。この時も、ジ置換体の化合物11はわずか4%であった。カチオン前駆体の当量をさらに増やして1.5とした場合、モノ置換体の化合物10の収率が92%、ジ置換体の化合物11の収率が5%、2.0とした場合、モノ置換体の化合物10の収率が71%、ジ置換体の化合物11の収率が19%、2.5とした場合、モノ置換体の化合物10の収率が62%、ジ置換体の化合物11の収率が30%となり、反応はモノ置換体で止まらず、ジ置換体が徐々に増加した。これは、過剰のカチオンがモノ置換体の化合物10とさらに反応し、ジ置換体の化合物11が生成してしまったためであると考えられる。したがって、カチオン前駆体を1.2当量用いる条件が、実際のカチオンとトリメトキシベンゼンの当量の比が1:1に最も近いことを示していると考えられる。以上の結果から以降の実験は、1.2当量のカチオン前駆体の化合物1を用いて行うこととした。
【0059】
モノアルキル化体の収率における混合方法の比較を行った。
表4の実施例1に示すように、本発明の方法であるマイクロミキサ103を用いた混合(図5のステップ203および204)の場合、収率92%でモノアルキル化体10が得られ、ジアルキル化体11はわずか4%の収率に抑えることができた。また、流路13,14の幅D1,D2が40μmのマイクロミキサ103を用いて同様の反応を行った場合にも、収率、選択性は流路幅D1,D2が25μmのマイクロミキサ103と全く同じであった。表4の比較例1に示すように、後述のバッチ型反応器で行うと、モノアルキル化体10が37%、ジアルキル化体11が32%の収率で得られ、後述のT字管で行うと、モノ置換体10が36%、ジ置換体11が31%の収率で得られた。これら(後述のバッチ型反応器を用いた場合および後述のT字型のミキサを用いた場合)いずれもマイクロミキサ103を用いた場合に見られた選択性は発現しなかった。これらの結果から、効率的なモノアミノメチル化には、マイクロオーダの流路の幅D1,D2で混合を行うことが重要であることが判った。また、反応がマイクロミキサ103内で完結していることを確認するため、マイクロミキサ103で混合した後、1時間後にトリエチルアミンでクエンチを行ったが、すぐにクエンチしたものと比べて、収率、選択性に変化がなかった。このことから反応終了後、トリエチルアミンでクエンチする時間が収率、選択性に影響しないことが判った。
【0060】
【表4】
【0061】
反応温度も選択性を支配する因子として重要である。−78℃ではモノアルキル化体10の収率は非常に高かったが、温度を上げるにしたがって収率は著しく低下し、ジアルキル化体11が大量に生成した。0℃ではこれら(モノアルキル化体10あるいはジアルキル化体11)以外の構造未知の副生成物も生成しているようであった。したがって反応温度としては−78℃が好ましい。
【0062】
また、溶液の流速も選択性を支配する因子として重要である。流速を表5のように1,3および5mL/分にそれぞれ設定して比較を行った。その結果、1および3mL/分などの遅い流速では選択性が著しく低下するのに対して、流速を5mL/分に上げることで、初めて、モノアルキル化体10が高収率で得られることが明らかとなった。つまり、高選択的なモノアミノメチル化には速い流速、つまり、効率的な高速混合が非常に重要であることが判った。
【0063】
【表5】
【0064】
これらのことから、マイクロミキサ103を用いることでカチオンと芳香族化合物の効率的な1:1高速混合が可能となっているということが、選択性の発現に大きくかかわっていることが判る。
【0065】
比較例の混合方法である前述のバッチとT字管の各方法を説明する。
図6は、先行技術のバッチ混合方法を説明するための図である。バッチで混合する方法は、反応容器中のスターラを用いて混合を行う方法である。一定の温度に冷却した芳香族化合物の溶液の入った反応容器中に対して、イミニウムイオン溶液を滴下して加えることで混合が起きる。この際、反応容器を恒温バスに入れ、そのバス温度を反応温度とする。N−アシルイミニウムイオン4を芳香族化合物(トリメトキシベンゼン)に加えるとモノアルキル化された化合物10とジアルキル化された化合物11がほぼ1:1の比率で得られた。芳香族化合物(トリメトキシベンゼン)を化合物4に加えた場合(reverse addition)も、化合物4と芳香族化合物(トリメトキシベンゼン)を同時にバッチ型反応器に加えて反応を行った場合も同様な結果であった。これらのことから従来型のバッチ型反応器を用いる場合には、モノアルキル化された化合物10と化合物4の反応が非常に速いため、モノアルキル化で反応を止めること(ジアルキル化生成物11の生成を抑えること)は非常に難しいことがわかる。
【0066】
図7は、T字管の混合方法を説明するための図である。
T字管で混合する方法は、カチオンと芳香族化合物を直径約0.5mmのT字管で混合を行う方法である。この際、T字管を恒温バスに入れ、そのバス温度を反応温度とする。T字管への溶液の導入はシリンジポンプを用いた。また、シリンジポンプに装着するシリンジには23番の針を付け、テフロンチューブ(テフロンは登録商標)(1/16×0.5インチ)を用いることでT字管に連結し溶液を導入した。T字管から出た溶液は、テフロンチューブ(テフロンは登録商標)(1/16×0.5インチ)でナスフラスコに導入した。T字管を用いた方法では、モノアルキル化された化合物10が36%、ジアルキル化された化合物11が31%の収率で得られ、バッチと同様にほとんど選択性はえられなかった。
【0067】
以上のように、N−アシルイミニウムイオン4(1.2当量の1から調製したもの)と1,3,5−トリメトキシベンゼンとを、バッチ型反応器およびT字管を使って反応した場合、モノアルキル化生成物10がジアルキル化生成物11とともに得られた。これに対して、マイクロミキサ103を使用した場合には、モノアルキル化生成物12が極めて高い選択性で得られた。バッチ、T字管およびマイクロミキサ103を使ったいずれの反応も、同じ流速(5.0mL/分)で混合を行った。
【0068】
このマイクロミキシングにおける劇的な効果は、N−アシルイミニウムイオンの化合物2と、ヘテロ原子を持つ芳香族化合物として、チオフェン、フラン、N−メチルピロールを用いて、式18のように、トリメトキシベンゼンと同様のアミノメチル化反応を行った場合にも観測される。
【化18】
【0069】
表6に示されるように、化合物4とチオフェンの反応では、バッチ型反応器を用いた場合には、ジアルキル化生成物13がかなりの量得られるのに対し、マイクロミキサ103で反応すると、モノアルキル化生成物12のみが選択的に得られた。その他の芳香族化合物としてフランおよびN−メチルピロールを用いた反応においても同様の傾向が見られた。N−メチルピロールを用いた反応においては、2−および3−位で置換した(モノアルキル化した)化合物が約2:1の比率で得られた。
【0070】
【表6】
【0071】
表6における生成物12(2−(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)チオフェン)は、化合物1(0.501 mmol) から発生させたカチオンプール4(10mL)とチオフェン(34.9 mg, 0.415 mmol)とを式17の反応に用いた方法と同様の方法を用いて反応させて合成した。収率は、84%(79.2 mg, フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製, ヘキサン/酢酸エチル 15:1)であった。TLCにおけるRf値は、0.63 (溶媒は、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)であった。1HNMR(300 MHz, CDCl3)におけるd値は、0.89(t, 3H, J = 7.5 Hz), 1.20−1.40 (m, 2H), 1.41−1.60 (m, 2H), 3.12−3.35 (m, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.55 (s) and 4.60 (s) (total 2H, 二種類の回転異性体), 6.83−7.02 (m, 2H), 7.16−7.22 (m 1H)であった。13C NMR(75MHz, CDCl3)におけるd値は、13.5, 19.6, 29.6および29.9, 44.9, 45.5および46.2, 52.2, 124.8, 125.5および126.0, 126.2, 140.4, 156.0および156.6であった。IR(neat)における吸収帯は、2957, 1700, 1474, 1223cm−1であった。LRMS (EI)は、 m/e 227 (M+), 212 (M+ − CH3), 184 (M+ − C3H7), 97 (M+ − C6H12NO2)であり、HRMS (EI)は、 calcd for C11H17NO2S (M+): 227.0980, found: 227.0979であった。
【0072】
生成物13(2,5−ビス(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)チオフェン)は、バッチ法で化合物22を生成する際の副生成物として得られた。1H NMR(300MHz, CDCl3)におけるd値は、0.90 (t, 6H, J = 7.2 Hz), 1.20−1.40 (m, 4H), 1.41−1.60 (m, 4H), 3.12−3.35 (m, 4H), 3.74 (s, 6H), 4.49 (s) and 4.54 (s) (total 4H, 二種類の回転異性体), 6.70−6.90 (m, 2H)であった。13C NMR(125.65MHz, CDCl3)におけるd値は、13.8, 19.9, 29.8 and 30.2, 45.3および45.5, 45.9および46.5, 52.6, 125.3および125.7, 140.6, 156.3および156.9であった。IR(neat)における吸収帯は、2957, 1700, 1471, 1230cm−1であった。L RMS (FAB) は、m/e 371 (MH+), 240 (MH+ − NBuCO2Me)であり、HRMS (FAB)は、 calcd for C18H31N2O4S (MH+): 371.2005, found: 371.2006であった。
【0073】
また、バッチ法では化合物18(N,N’−ジメトキシカルボニル−N,N’−ジブチル−2,3−ジアミノエタン)も同時に得られた。収率は、18%(フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製、ヘキサン:酢酸エチル=10:1)であった。TLCにおけるRf値は、0.37(溶媒はヘキサン:酢酸エチル=3:1)であった。1H NMR(300MHz, CDCl3)におけるd値は、0.92(t, 6H, J = 6.9 Hz), 1.20−1.39 (m, 4H), 1.40−1.57 (m, 4H), 3.12−3.39 (m, 8H), 3.69 (s, 6H)であった。13C NMR(125.65MHz, CDCl3)におけるd値は、13.8, 19.9, 30.3および30.8, 44.9および45.4および45.6および46.3および47.7, 47.9および48.0, 52.4, 156.6および157.0であった。IR(neat)における吸収帯は、2959, 1700, 1480, 1229cm−1であった。LRMS(EI)は、 m/e 288 (M+), 257 (M+ − OMe), 229 (M+ − CO2Me)であり、HRMS (EI)は、 calcd for C14H28N2O4 (M+): 288.2049, found: 288.2045であった。
【0074】
表6の生成物14(2−(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)フラン)は、化合物1(0.249 mmol) から発生させたカチオンプール(5.0 mL)とフラン(18.9 mg, 0.205 mmol)とを式17の反応に用いた方法と同様の方法を用いて反応させて合成した。収率は、39%(16.9 mg, フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製、ヘキサン:酢酸エチル=15:1)であった。TLCにおけるRf値は、0.59(溶媒はヘキサン:酢酸エチル=3:1)であった。1H NMR(300MHz, CDCl3)におけるd値は、0.90 (t, 3H, J = 7.2 Hz), 1.20−1.39 (m, 2H), 1.40−1.57 (m, 2H), 3.14−3.36 (m, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.34−4.50 (m, 2H), 6.15−6.30 (m 1H), 6.31 (s, 1H), 7.35 (s, 1H)であった。13C NMR(75MHz, CDCl3)におけるd値は、13.7, 19.8, 29.7および30.1, 43.3, 46.1および46.8, 52.5, 107.5および108.0, 110.2, 141.9, 151.5, 155.8および156.9であった。IR(neat)における吸収帯は、2963, 1690, 1482, 1238cm−1であった。LRMS (EI) は、m/e 211 (M+), 196 (M+ − CH3), 168 (M+ − C3H7), 81 (M+ − C6H12NO2)であり、HRMS (EI) calcd for C11H17NO3 (M+): 211.1208, found: 211.1205であった。
【0075】
生成物15(2,5−ビス(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)フラン)は、バッチ法で化合物14を生成する際の副生成物として得られた。1HNMR(300MHz, CDCl3)におけるd値は、0.90 (t, 6H, J = 7.2 Hz), 1.20−1.39 (m, 4H), 1.40−1.57 (m, 4H), 3.14−3.36 (m, 4H), 3.71 (s, 6H), 4.34 (s)および4.41 (s) (total 4H, 二種類の回転異性体) 6.05−6.21 (m, 2H)であった。13CNMR(125.65MHz, CDCl3)におけるd値は、13.7, 19.8, 29.8および30.2, 43.3および43.5, 46.2および46.9, 52.5, 108.2および108.8, 151.1, 156.5および156.8であった。IR(neat)における吸収帯は、2959, 1700, 1474, 1221 cm−1であった。LRMS (EI)は、 m/e 354 (M+), 295 (M+ − CO2Me), 223 (M+ − NBuCO2Me)であり、HRMS (EI)は、calcd for C18H30N2O5 (M+): 354.2155, found: 354.2153であった。
【0076】
表6の生成物16(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)−N−メチルピロール)、17(ビス(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)−N−メチルピロール)は、化合物1(0.249 mmol)から発生させたカチオンプール4(5.0 mL)とN−メチルピロール(16.8 mg, 0.207 mmol)とを式17の反応に用いた方法と同様の方法を用いて反応させて合成した。
【0077】
生成物16(2位および3位置換体の混合物)の収率は60%(28.0 mg, フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製,ヘキサン:酢酸エチル=15:1)であった。2位置換体の化合物データは以下の通りである。TLCにおけるRf値は、0.43(溶媒はヘキサン:酢酸エチル=3:1)であった。1H NMR(300MHz, CDCl3)におけるd値は、0.87(t, 3H, J = 7.2Hz), 1.18−1.46 (m, 4H), 2.80−3.22 (m, 2H), 3.55 (s,3H), 3.73 (s, 3H), 4.48 (s, 2H), 6.01−6.07 (m 2H), 6.59−6.61 (m, 1H)であった。13C NMR(75MHz, CDCl3)におけるd値は、13.6および13.8, 19.9および20.1, 29.6, 33.8, 41.6, 44.1, 52.5, 106.7および107.8, 110.0, 122.5および123.8, 127.8, 156.9であった。IR(neat)における吸収帯は、2957, 1700, 1472, 1221cm−1であった。LRMS (EI)は、 m/e 224 (M+), 209 (M+ − CH3), 94 (M+ − C6H12NO2)であり、HRMS (EI)は、calcd for C12H20N2O2 (M+): 224.1525, found: 224.1526であった。
【0078】
生成物17(位置異性体の混合物)は、バッチ法で化合物16を生成する際の副生成物として得られた。1H NMR(300MHz, CDCl3)におけるd値は、0.88−0.98 (m, 6H) 1.15−1.58 (m, 8H), 2.92−3.25 (m, 4H), 3.42 (s)および3.50 (s) (total 3H, isomer), 3.63−3.79 (m, 6H), 4.18−4.63 (m, 4H), 5.96 (s)および6.53 (s)および6.54 (s) (total 2H, isomer)であった。13C NMR(125.65MHz, CDCl3)におけるd値は、13.8 および13.8, 19.9および20.0, 29.7および30.7, 41.7および42.1, 44.2および45.2, 52.3および52.4および52.6, 108.8, 119.1および119.8,122.3, 129.0, 156.8であった。IR(neat)における吸収帯は、2959, 1700, 1475, 1229cm−1であった。LRMS (FAB)は、 m/e 368 (MH+), 367 (M+ − H), 237 (M+ − C6H12NO2)であり、HRMS (FAB) calcd for C19H34N3O4 (MH+): 368.2549, found: 367.2475であった。
【0079】
表6に示される実施例2〜4および比較例2〜4による生成物12〜18の収率は、表7のとおりである。表7における( )内の数字は、表6に示される生成物を示す。
【0080】
【表7】
【0081】
芳香族化合物として、チオフェンを用いた結果、バッチでは収率、選択性とも非常に低いのに対して、マイクロミキサ103を用いることで、極めて高い選択性でモノ置換体12のみを高収率で得ることに成功した。フランおよびN−メチルピロールを用いた場合にも、収率は幾分悪いものの、バッチに比べて高い選択性でモノ体14、16を得ることに成功した。また、チオフェンおよびフランを用いたバッチ系では、化合物18が副生成物として得られた。この理由としては、チオフェン、フランが還元剤となり、カチオンを還元することで得られたのではないかと考えられる。
【0082】
さらに本件発明者は、連続的アミノメチル化反応を実現した。前述の実験によって、最も高い収率が得られたチオフェンを用いて、連続的に2つのアミノメチル基を導入する反応を試み、チオフェンの連続的なジアルキル化、すなわち異なるアルキル基を連続的に導入する反応を可能とした。
【0083】
以下に連続的アミノメチル化反応について述べる。式19のように、チオフェンと1つめのイミニウムイオン化合物4とをマイクロミキサ103で混合した溶液に、2つめのイミニウムイオン化合物5を加えた。
【0084】
式19のマイクロリアクタは、マイクロミキサ103である。
先ず、マイクロミキサ103を使い、N−アシルイミニウムイオン4とチオフェンを混合すると、モノアルキル化生成物12が生成する。この溶液の入ったバッチ型反応器にN−アシルイミニウムイオン5を、2番目のアルキル化剤として直接加えることで、ジアルキル化生成物19が選択的に得られた。このように、本方法を用いて、2つの異なるアルキル基を芳香環の上に選択的に導入するシンプルかつ直接的な方法が可能となった。
【化19】
【0085】
生成物19(2−(N−ブチル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)−5−(N−シクロヘキシル−N−メトキシカルボニルアミノメチル)チオフェン)は、以下の方法で生成した。チオフェン(34.6 mg, 0.412 mmol)の塩化メチレン溶液(10 mL, −78 oCに冷却)および化合物1(0.498 mmol)から発生させたカチオンプール4(10 mL, −78 oCに冷却)を、−78 oC の低温バスに浸したマイクロミキサ103にシリンジポンプ(ハーバード社製モデル11,流速5.0 mL/min)を用いて同時に導入した。マイクロミキサ103の出口から出てきた反応混合物を−78 oC の低温バスに浸した丸底フラスコで受け1分間撹拌した後、N−メトキシカルボニル−N−(トリメチルシリルメチル)シクロヘキシルアミン2(0.620 mmol)を低温電解することで発生させたカチオンプール5(12.5mL,−78 oCに冷却) を−78 oCのまますばやく加えた。ついで、この混合溶液にトリエチルアミンを加えた後、室温まで昇温した。得られた溶液から減圧下で溶媒を留去したのち、長さ10cmのシリカゲルショートカラム(エーテル300 mLで溶出)に供することでBu4NBF4を除去した。得られた溶液を濃縮すると粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 5:1)で精製することで目的の生成物19を得た。収率は64%(105.2 mg)であった。TLCにおけるRf値は、0.32(溶媒はヘキサン:酢酸エチル=3:1)であった。1H NMR(300MHz, CDCl3)におけるd値は、0.89 (t, 3H, J = 7.5 Hz), 0.90−1.82 (m, 14H), 3.12−3.32 (m, 2H), 3.74 (s, 6H), 3.90−4.85 (m, 1H), 4.39−4.59 (m, 4H), 6.63−6.79 (m, 2H)であった。13C NMR(125.65MHz,CDCl3)におけるd値は、13.7, 19.8, 25.3, 25.8, 30.0および30.1, 30.9および31.3, 42.0, 45.3, 45.7および46.4, 52.5, 56.4, 56.4, 124.5, 125.1および125.5, 139.8, 142.9, 156.2, 156.8であった。IR(neat)における吸収帯は、2932,1701, 1453, 1244cm−1であった。LRMS (FAB) は、m/e 397 (MH+), 337 (M+ − CO2Me), 266 (M+ − C6H12NO2)であり、HRMS (FAB) は、calcd for C20H33N2O4S (MH+): 397.2161, found: 397.2158であった。
【0086】
この結果、2つの異なる置換基が導入された生成物19を64%の収率で得ることに成功した。このように、マイクロミキサ103を用いることで、芳香族化合物に2つの異なるアミノメチル基を連続的に導入することができた。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、第1および第2溶液を、微細な流路に連続的に供給することによって、第1および第2物質を効率よく混合して高い収率で第3物質を選択的に生成することができるようになり、しかも原料となる第1および第2物質のロスをなくすことができる。こうして特にフリーデル・クラフツ型モノアルキル化生成物を、高い選択性で、製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図2】マイクロミキサ103の断面図である。
【図3】保持部材107に装着された流路部材106の平面図である。
【図4】流路部材106の一部を拡大して示す平面図である。
【図5】本発明の実施の一形態の図1に示される装置を用いてフリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応生成物を得る工程を示す図である。
【図6】先行技術のバッチ混合方法を説明するための図である。
【図7】先行技術のT字管の混合方法を説明するための図である。
【符号の説明】
101 第1供給源
102 第2供給源
103 マイクロミキサ
113 第1流路
114 第2流路
115 混合空間
116 隔壁
Claims (8)
- 第1物質を溶解させた第1溶液と、第2物質を溶解させた第2溶液とを、
微細な各流路をそれぞれ経て、混合空間に、
第1および第2物質の化学反応によって第3物質が選択的に収率よく生成する流量で、
第1および第2物質が等当量となるように、
それぞれ供給することを特徴とする物質の製造方法。 - 第1および第2溶液は、幅1〜500μmを有する各流路から、層状に形成されて混合空間に供給されることを特徴とする請求項1記載の物質の製造方法。
- 前記流量は、5〜20mL/分に選ばれることを特徴とする請求項2記載の物質の製造方法。
- 第1溶液の複数の流路と、第2溶液の複数の流路とは、幅方向に交互に設けられることを特徴とする請求項2または3記載の物質の製造方法。
- 第1物質は、芳香族化合物であり、
第2物質は、アルキル化剤であり、
芳香族化合物とアルキル化剤との化学反応によって、第3物質であるフリーデル・クラフツ型モノアルキル化反応物質を製造することを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載の物質の製造方法。 - 芳香族化合物は、ベンゼン環またはヘテロ芳香環を有することを特徴とする請求項5記載の物質の製造方法。
- アルキル化剤溶液として、イミニウムイオンを用いることを特徴とする請求項5または6記載の物質の製造方法。
- 芳香族化合物は、イミニウムイオンに対するトリメトキシベンゼンと同程度あるいはそれ以上の反応性を有することを特徴とする請求項項5〜7のうちの1つに記載の物質の製造方法。
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