JP2004099210A - エアバランス式ガラス基板移載装置 - Google Patents

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Toshihiro Sano
佐野 敏弘
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Abstract

【課題】吸着パッドの数を減らし、最終溝とケース側面の幅が狭いケースにおいても、ガラス基板の移載が可能なエアバランス式ガラス基板移載装置を提供する。
【解決手段】ガラス基板を吸着保持する少なくとも一つの吸着パッド4と、吸着パッド4を支持するアーム3と、アーム3の先端に連結する撓み防止手段5とを設けて、水平姿勢で搬送したガラス基板を垂直姿勢に変更し、溝付き梱包ケースへ移載する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板の移載装置に関し、更に詳しくは、水平姿勢で搬送したガラス基板を垂直姿勢に変更し、溝付き梱包ケースへ移載するハンドリング用のエアバランス式移載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製品出荷などの際に、プラズマディスプレイパネルなどの大型のガラス基板をケースに収納する場合、1ケースに収納するガラス基板の数を増やし、輸送効率を上げるために、溝間のピッチが狭いケースを用いる。
【0003】
係るガラス基板のケースへの収納は、吸着パッドおよび姿勢調整手段を備えたロボットによる移載装置を用いて、ガラス基板の姿勢を変更しながら行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
係るエアバランス式移載装置においては、支持アーム、ガラス基板、吸着パッドの三つの厚みが合算されるため、ケースの最終溝とケース側壁の間の幅が狭いケースでは、収納が困難であるであるという問題がある。
【0005】
また、ケースの最終溝とケース側壁の間において作業可能にするためには、厚みを減らす必要があり、この場合、小型および薄型の吸着パッドを使用する。しかしながら、小型および薄型の吸着パッドは、大型および厚い吸着パッドと比較して吸着力が弱いため、同型の複数の吸着パッドを均等に配置したものを使用することになる。
【0006】
係る複数の吸着パッドを使用したエアバランス式移載装置においては、複数のパッドのメンテナンスに時間がかかる。また、ランニングコストが高くなるという問題がある。
【0007】
また、手動のエアバランス式移載装置においては、吸着時に精度良く複数の吸着パッドの位置決めを行うことは困難であり、係る問題を解決するためにロボットハンド部分において、吸着穴を有する樹脂を支持材部材に設けた爪部材に固定しているものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
係る装置においても、最終溝とケース側壁の間の幅が狭いケースにおいては、ガラス基板の移載が困難であるという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−7147号公報
【特許文献2】
特開2001−179672号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
係る問題を解決するために、本発明は、吸着パッドの数を減らしながら、最終溝とケース側壁の間の幅が狭いケースにおいても、ガラス基板の移載が可能なエアバランス式ガラス基板移載装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、水平姿勢で搬送したガラス基板を垂直姿勢に変更し溝付き梱包ケースへ移載するハンドリング用のエアバランス式移載装置において、ガラス基板を吸着保持する少なくとも一つの吸着パッドと、前記吸着パッドを支持するアームと、前記アームの先端に連結する撓み防止手段とを設けたものである。
【0012】
本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係わるエアバランス式ガラス基板移載装置において、ガラス基板を水平姿勢で吸着し垂直姿勢にする姿勢変更手段を設けたものである。
【0013】
本発明の第3の態様は、上述の第1または2の態様に係るエアバランス式ガラス基板移載装置において、前記吸着パッドが、ガラス基板を1タッチで吸着可能な厚みのリップと、ガラス基板の姿勢を保持可能な吸着を可能にする大きさのパッド径とを備えるようにしたものである。
【0014】
本発明の第4の態様は、上述の第1から3の態様に係わるエアバランス式ガラス基板移載装置において、前記吸着パッドに、ガラス基板に吸着痕を残さない吸着痕防止手段を設けたものである。
【0015】
本発明の第5の態様は、上述の第1から4の態様に係わるエアバランス式ガラス基板移載装置において、前記吸着パッドが、ガラス基板をケースに収納する際に、ガラス基板先端部を吸着可能でケースに接触しないアームの途中位置に連結されているように構成したものである。
【0016】
本発明の第6の態様は、上述の第1から5の態様に係わるエアバランス式ガラス基板移載装置において、前記撓み防止手段に、ガラス基板の長辺方向にガラス基板を支持する少なくとも1本の撓み防止バーと、前記撓み防止バーの先端に連結したガラス基板と接してガラス基板を支持する支持部品とを設けたものである。
【0017】
本発明の第7の態様は、上述の第1から6の態様に係るエアバランス式ガラス基板移載装置において、前記撓み防止バーに、ケース側壁と前記撓み防止バーが接触する際の摩擦による粉塵を防止する粉塵防止手段を設けたものである。
【0018】
本発明の第8の態様は、上述の第1から7の態様に係るエアバランス式ガラス基板移載装置において、前記粉塵防止手段を、前記撓み防止バーの表面に施したテフロンコート
から成るようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施例に基づき説明する。図1は、本発明のエアバランス式ガラス基板移載装置の構成図である。
【0020】
エアバランス式ガラス基板移載装置は、ハンドル1、姿勢変更手段2、アーム3、吸着パッド4、撓み防止バー5、支持部品6を備えており、水平姿勢で搬送されたガラス基板を垂直姿勢に変更し、溝付き梱包ケース7に収納するものである。
【0021】
ハンドル1は、エアバランスにより少ない力で可動し、手動で操作して、ガラス基板の移載を行うものである。本実施例でいうガラス基板は、プラズマディスプレイパネルなどを製造する際に使用する、例えば1460mm×1030mmなどの大型のガラス基板である。
【0022】
姿勢変更手段2は、水平方向から垂直方向へ90度旋回し、水平姿勢で搬送されたガラス基板を、吸着した後、垂直姿勢に変更するものである。
【0023】
アーム3は、姿勢変更手段2、吸着パッド4、および撓み防止バー5と連結しており、ガラス基板を溝付き梱包ケース7に収納する際、溝付き梱包ケース7の側壁の上辺に接触しない長さのものである。
【0024】
吸着パッド4は、吸着しやすく、少数でも十分な吸着力を有する直径が大きく、リップが厚いものを、溝付き梱包ケース7の側壁の上辺などに接触しない位置において、アーム3の途中に連結したものである。
【0025】
本発明における吸着パッド4は、上述のように直径が大きく、リップが厚いパッドを用いるため、ガラス基板の表面に吸着痕が付かないように、例えば、吸着パッド4の表面に対して、1)ハロゲン処理、2)フッ素ゴムの使用、3)テフロンコート、4)EB照射などを行った吸着痕防止手段を備えている。
【0026】
撓み防止バー5は、アームの先端に連結されたステンレスなどの棒であり、ガラス基板の長辺方向にガラス基板を支持するものである。撓み防止バー5の材質は、剛性が確保できるのであれば、ステンレスに限定されるものではなく、カーボンやアルミなどを用いてもよい。
【0027】
また、撓み防止バー5は、溝付き梱包ケース7の側壁と接触する際の摩擦により発生する粉塵を防止するために、撓み防止バー5の表面を、例えばテフロン(登録商標)でコーティングした粉塵防止手段を備えるものである。
【0028】
溝付き梱包ケース7の構造や材質などにより、撓みバー5と溝付き梱包ケース7の側壁が擦れても粉塵が生じない場合は、ベアリングやコロなどをガイドとして取り付けることも可能である。
【0029】
支持部品6は、撓み防止バー5の先端に連結されており、緩衝材としてガラス基板を支持するものである。
【0030】
溝付き梱包ケース7は、ケース内部にガラス基板を収納する複数の溝を狭い間隔で形成したものであり、通常は、ケースを製作する際に溝を同時に作成した溝一体成形ケースを用いる。
【0031】
図2は、本発明のエアバランス式ガラス基板移載装置の動作を示す模式図である。図2(a)は、水平姿勢のガラス基板の受け取りを上方および側面から見た図であり、図2(b)は、溝付き梱包ケース6の最終溝にガラス基板を収納したところを側面から見た図である。
【0032】
図2において、吸着パッド4は、例えば、直径150mm、リップ厚25mmの吸着パッドを2個使用し、ガラス基板を十分に吸着可能なものとする。対象ガラス基板を吸着して移載可能であれば、吸着パッド4の数、パッドの径、パッドの大きさは、何ら限定されるものではない。
【0033】
また、撓み防止バー5の厚みは15mmとし、撓み防止バー5、支持部品6、ガラス基板を合わせた厚みは20mm以内とする。
【0034】
また、溝付き梱包ケース7は、垂直方向に溝が一体成形されており、第1溝または最終溝とケース側壁の間の幅は25mm程度として、以下の説明を行う。
【0035】
まず、コンベアなどを通り水平姿勢で搬送されてきたガラス基板に対し、ハンドル1を操作することにより、図2(a)に示すように、エアバランス式ガラス基板移載装置が下方向から接近し、吸着パッド4によりガラス基板を吸着し、撓み防止バー5および支持部品6によりガラス基板の撓みを防止し、ガラス基板を受け取る。
【0036】
次に、姿勢変更手段2により、アーム3を水平位置から下方向に90度旋回させ、ガラス基板を垂直姿勢にする。
【0037】
ガラス基板を垂直姿勢のまま、溝付き梱包ケース7の任意の空いている溝に、ガラス基板を収納する。図2(b)に、最終溝にガラス基板を収納した直後の状態を示す。
【0038】
図2(b)において示すように、吸着パッド4は、溝付き梱包ケース7の上部と接触しない位置に連結されており、25mmのリップ厚を有する吸着パッドを用いても、20mm以内の撓み防止バー5、支持部品6、ガラス基板しか最終溝とケース側壁の幅に入らないため、ガラス基板を溝付き梱包ケース7へ収納することができる。
【0039】
最後に、吸着パッド4をガラス基板から外し、収納が完了する。吸着パッド4の径が大きく、また基板との接触面積が多くても、吸着痕防止手段を設けているため、ガラス基板上に吸着痕が残ることを防止できる。
【0040】
【発明の効果】
以上の通りであるから、本発明に係るエアバランス式ガラス基板移載装置によれば、吸着パッドの数が少なく、最終溝とケース側壁の間の幅が狭いケースにおいても、ガラス基板の移載が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバランス式ガラス基板移載装置の構成図である。
【図2】本発明のエアバランス式ガラス基板移載装置の動作を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ハンドル
2 姿勢変更手段
3 アーム
4 吸着パッド
5 撓み防止バー
6 支持部品
7 溝付き梱包ケース

Claims (8)

  1. 水平姿勢で搬送したガラス基板を垂直姿勢に変更し、溝付き梱包ケースへ移載するハンドリング用のエアバランス式移載装置であって、
    ガラス基板を吸着保持する少なくとも一つの吸着パッドと、
    前記吸着パッドを支持するアームと、
    前記アームの先端に連結する撓み防止手段と、
    を備えることを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
  2. 請求項1記載のエアバランス式ガラス基板移載装置であって、
    ガラス基板を水平姿勢で吸着し垂直姿勢にする姿勢変更手段、
    を備えることを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
  3. 請求項1または2記載のエアバランス式ガラス基板移載装置であって、
    前記吸着パッドが、
    ガラス基板を1タッチで吸着可能な厚みのリップと、
    ガラス基板の姿勢を保持可能な吸着を可能にする大きさのパッド径と、
    を備えることを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のエアバランス式ガラス基板移載装置であって、
    前記吸着パッドが、
    ガラス基板に吸着痕を残さない吸着痕防止手段、
    を備えることを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のエアバランス式ガラス基板移載装置であって、
    前記吸着パッドが、
    ガラス基板をケースに収納する際に、ガラス基板先端部を吸着可能で、ケースに接触しないアームの途中位置に連結されている、
    ことを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のエアバランス式ガラス基板移載装置であって、
    前記撓み防止手段が、
    ガラス基板の長辺方向にガラス基板を支持する少なくとも1本の撓み防止バーと、
    前記撓み防止バーの先端に連結したガラス基板と接してガラス基板を支持する支持部品と、
    を備えることを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のエアバランス式ガラス基板移載装置であって、
    前記撓み防止バーが、
    ケース側壁と前記撓み防止バーが接触する際の摩擦による粉塵を防止する粉塵防止手段、
    を備えることを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のエアバランス式ガラス基板移載装置であって、
    前記粉塵防止手段が、
    前記撓み防止バーの表面に施したテフロンコート、
    であることを特徴とするエアバランス式ガラス基板移載装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20130124667A (ko) * 2012-05-07 2013-11-15 삼성디스플레이 주식회사 패널 이송용 흡착기

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