JP2004099064A - 合成ゴムベールの収納方法 - Google Patents

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Kuniharu Sato
佐藤 国治
Ryoji Imai
今井 良二
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】包装された合成ゴムベールを真空カップで吸着・移送して輸送用の容器に所定数収納する収納方法において、合成ゴムベール包装体への真空カップの吸着が、合成ゴムベール包装体を確実に持ち上げて、落下することのないように行われる収納方法を提供すること。
【解決手段】第1工程:合成ゴムベールをプラスチックフィルムで包装する工程;第2工程:ローラー型のカッター設備を用いて、包装された合成ゴムベール上面のプラスチックフィルムの真空カップが吸着する位置に規則的に配列した多数の通気孔を設ける工程;第3工程:前記通気孔が設けられた合成ゴムベール包装体を真空カップで吸着して持ち上げ、輸送用の容器に所定数収納する工程;
を含む合成ゴムベールの収納方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成ゴムベールの収納方法に関し、さらに詳しくは、包装した合成ゴムベールを真空カップで吸着・移送して輸送用の容器に所定数収納する収納方法において、合成ゴムベール包装体を真空カップで吸着して確実に持ち上げ、移送できるようにした収納方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成ゴム製造工場において、スチレン・ブタジエン・ゴム(SBR)などの合成ゴムを乳化重合や溶液重合など重合反応によって製造し、重合反応物から合成ゴムを分離、精製し、得られた塊状の合成ゴム(クラム)をプレス成形して適当な大きさのブロック単位の直方体(「合成ゴムベール」という。以下単に「ベール」と呼ぶこともある。)とし、それぞれをプラスチックフィルム包装して、その所定数を箱詰めして需要家へ発送する。
ここで、箱詰め作業は、所定数のベール包装体を真空カップで吸着して運んで箱に入れる作業であるが、ベール包装体の持ち上げ、移動の際に頻繁にベール包装体が落下するという問題がある。
【0003】
このことは、ベールはプラスチックフィルムで包装されているため、真空カップがフィルムだけを吸着せず、ベール自体をも吸着するように、孔をあけているが、その数、面積等が不十分であることが主な原因と考えられる。
従来、ベール包装体へのフィルム孔あけは次のように行われていた。
フィルム包装工程からコンベアで流れてきたベール包装体は、エアシリンダーの先に刃のついたフィルムカッターで孔をあける。コンベア上を流れてきたベール包装体はその位置で一旦動きを止められ、上から降りてきたフィルムカッターの刃で孔があけられる。孔をあけ終わるとエアシリンダーのフィルムカッターは引き上げられ、ベール包装体は再びコンベア上を流れて、ベール包装体箱詰め工程へ行く。
このとき、フィルムカッターであけられる孔は、真空カップ1個に対して、通常1個であるため、その孔が必ずしも上記真空カップの吸着がベール自体も持ち上げるのに好都合な位置に来ない、あるいは、真空カップによる吸着・移送操作の前に、ベール同士を押しつけてパレットの大きさに整えるとき孔が塞がってしまう、などの原因で真空カップによる吸着、持ち上げがうまくゆかない。また、フィルムカッターは駆動機器であるため故障が多く、合成ゴムベール包装体の大きさに相当する設置スペースが必要であるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情に鑑み、本発明は、合成ゴム工場において、包装した合成ゴムベールを真空カップで吸着・移送して輸送用の容器に所定数収納する収納方法において、合成ゴムベール包装体への真空カップの吸着が、合成ゴムベール包装体を確実に持ち上げて、落下することのないように行われる収納方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、円筒形のローラーの表面から複数の刃を突出させ、ベルトコンベヤーの力で、合成ゴムベール包装体の上をローラーが回転するときに、突出刃により順次孔あけが行えるローラー型のカッター設備を用いると、(1)多くの孔を規則正しくあけることができ、ベール包装体を落とさずに、容器への収納作業を行うことができること、(2)安価で、メンテナンスもほとんど必要がなく、カッターの刃の交換が容易であること、さらに、(3)駆動部がないので故障がないカッター手段となること、(4)設置スペースが小さくて良いこと等の利点を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
第1工程:合成ゴムベールをプラスチックフィルムで包装する工程;
第2工程:ローラー型のカッター設備を用いて、包装された合成ゴムベール上面のプラスチックフィルムの真空カップが吸着する位置に規則的に配列した多数の通気孔を設ける工程;
第3工程:前記通気孔が設けられた合成ゴムベール包装体を真空カップで吸着して持ち上げ、輸送用の容器に所定数収納する工程;
を含む合成ゴムベールの収納方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の第1工程は、合成ゴムベールをプラスチックフィルムで包装する工程である。
合成ゴムクラムは、ベーラーと呼ばれる成形機によって、通常、720mm×360mm×180mm程度の直方体である合成ゴムベールに成形された後、埃や異物による汚染を避けるため、プラスチックフィルムで包装される。なお、該プラスチックフィルムは、需要家先でベールから剥がれ易いように、粘着防止剤としての滑剤が配合されたものが好ましく用いられる。
【0008】
本発明の第2工程は、ローラー型のカッター設備を用いて、包装された合成ゴムベール上面のプラスチックフィルムの真空カップが吸着する位置に規則的に配列した多数の通気孔を設ける工程である。
ここで、本発明の特徴部分として用いられるローラー型のカッター設備の構造を、一態様を示す図1、図2を用いて以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、図1は、本発明で用いることのできるローラー型のカッター設備におけるローラー部の中央断面の概念図であり、図2はそのローラー部の構成を示す斜視概念図である。
【0009】
ローラー部1は、4つのテフロン(R)製の円筒2と各円筒に挟み込まれたステンレス製のカッター板3とからなり、円筒2のテフロン(R)塊と円盤状カッター板3は、両者を締め付け固定するボルト4のための孔が2本通っており、中央を回転軸5のための孔が貫通している。また、回転軸5とローラー部1を一緒に回転させるために、両端で回り止め7により固定している。そして、該回転軸5は、ベール包装体が流れるベルトコンベアの両側部に立つ支持体の軸受け部で支持されている。
【0010】
カッター板3は、等間隔で突出した先細形状で先端が尖った複数の刃部6を外周に備えたステンレス製の円盤であり、円盤部は円筒2で挟まれ、刃部6は円筒2から突出している。
本実施態様のカッター板3は、8つの刃部6は、突出部高さが28mmであり、その根元部の径は幅8mm長さ24mmであり、3枚が4つの円筒2に挟み込まれている。挟み込まれた3列の各8つの刃部6は、ベール包装体上を回転する時の刃部6への負荷を分散するために、位相が同じとなるようにするのが好ましい。
【0011】
ローラー部1の円筒2表面がベルトコンベア上のベール包装体の上面と、円筒2がベルトコンベヤーの力で回転するように接することができる高さになるように、回転軸5の軸受け部は調整される。そうすると、ベルトコンベアが動いて、その上のベール包装体は、ローラー部1の下に接する部分がローラー部1を回転させ、ローラー部1の8つの刃部6が当る位置に出会うベール包装体のプラスチックフィルムは、刃部6により穿孔される。ローラー型カッターの3列の各8つの刃部6は固定されているので、ベール包装体のプラスチックフィルム上には、規則的なパターンで穿孔され、最小幅約8mm、最大長さ約24mmの孔径、約28mmの深さの通気孔が39個できることとなる。かくして、次の工程で真空カップが吸着する位置に、規則的に配列した多数の通気孔を設けることができる。
【0012】
なお、ローラー部1において、4つの円筒2は、取扱い時の軽さ、ゴムとの付着性を考えて、テフロン(R)製としているが、各種合成樹脂、金属を用いることもできる。カッター板3において、刃部6の材質は、合成ゴムベールと接触するため、錆が発生しにくいステンレス製が好ましく、刃部6は、一般には円盤部の円板を加工するので、両者は材質が同じである。
【0013】
本発明のカッターは、上記のように構成したので、従来のエアシリンダーの先に刃のついたフィルムカッターとは異なり、ベール包装体を落とすことなく、容器への収納作業を行うことができるとともに、安価で、メンテナンスもほとんど必要がなく、カッターの刃の交換が容易であること、さらには、駆動部がないので故障がないカッター手段となること等の多くの利点を有する。
【0014】
本発明の第3工程は、前記通気孔が設けられた合成ゴムベール包装体を真空カップで吸着して持ち上げ、輸送用の容器に所定数収納する工程である。
真空カップは、合成ゴムベール包装体に接する部分は円形の面状で、100個以上の3mmΦ程度の多数の孔があいている。真空カップを合成ゴムベール包装体に押し付けながら減圧にひくと、該真空カップは合成ゴムベール包装体の上面に吸着する。一つの合成ゴムベール包装体に2つの真空カップをとりつけて、容器への収納作業が行われる。
合成ゴムベール包装体のプラスチックフィルムには、前記第2工程で穿孔された規則的に配列した十分に多数の通気孔が設けられているので、真空カップによる吸着操作の前に行われる、ベール同士を押しつけてパレットの大きさに整える操作のときに孔がすべて塞がってしまうということもない。真空カップは合成ゴムベール自体にもしっかり吸着して、合成ゴムベール包装体を持ち上げ、落下させることなく、輸送用の容器へ収納することができる。
【0015】
本発明の適用できる合成ゴムとしては、工業的に生産される合成ゴムであれば特に制限されず、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−ブテンゴム(EBR)、プロピレン−ブテンゴム(PBR)、エチレン−プロピレン−ブテンゴム(EPBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム等が挙げられる。
【0016】
【発明の効果】
ローラー型のカッター設備を用いることにより、従来のエアシリンダーの先に刃のついたフィルムカッターと異なり、ベール包装体を落とすことなく、容器への収納作業を行うことができるとともに、安価で、メンテナンスもほとんど必要がなく、カッターの刃の交換が容易であること、さらには、駆動部がないので故障がないカッター手段となること、設置スペースが小さくて良いこと等の多くの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いることのできるローラー型のカッター設備におけるローラー部の中央断面の概念図である。
【図2】図1のローラー型のカッター設備におけるローラー部の構成を示す斜視概念図である。
【符号の説明】
1 ローラー部
2 円筒
3 カッター板
4 ボルト
5 回転軸
6 刃部
7 回り止め

Claims (1)

  1. 下記第1工程〜第3工程を含む合成ゴムベールの収納方法。
    第1工程:合成ゴムベールをプラスチックフィルムで包装する工程;
    第2工程:ローラー型のカッター設備を用いて、包装された合成ゴムベール上面のプラスチックフィルムの真空カップが吸着する位置に規則的に配列した多数の通気孔を設ける工程;
    第3工程:前記通気孔が設けられた合成ゴムベール包装体を真空カップで吸着して持ち上げ、輸送用の容器に所定数収納する工程。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015189503A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 旭化成ケミカルズ株式会社 ベールの収納方法、ベール収納装置、ベール包装体製造方法、ベール包装体製造装置、及びベール包装体
WO2022034865A1 (ja) 2020-08-11 2022-02-17 旭化成株式会社 包装成形体、架橋用ゴム組成物、包装成形体の製造方法、架橋用ゴム組成物の製造方法、及びタイヤ用トレッド

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