JP2004098688A - 逐次印字方式の印刷におけるアーティファクトの除去軽減法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高スループット時に均一で優れた品質のインクジェットプリンティングにおいて、バンディングアーティファクトを低減する。
【解決手段】 少なくとも1つの帯状域境界に沿って高い色飽和を有する画像の部分を特定するステップと、前記特定された部分において選択的にインクを減少させて前記画像をプリントするステップとを含む、インク帯状域システムを動作させて画像をプリントする方法。
【選択図】    図4

Description

 本発明は、全般にテキストおよびグラフィクス画像を逐次印字方式によってプリントするための装置および方法に関し、より詳細には、紙、透明印刷用紙あるいは他の光沢のある媒体のような印刷媒体上に2次元の画素アレイとして形成される個々の着色剤スポットから、そのような画像を構成する液体着色剤による印刷において、アーティファクトを除去することに関する。
 液体系の着色剤を用いる逐次印字方式の印刷では、いくつかのかなり薄いが、望ましくない画像欠陥を生じることがある。これらの欠陥は、関連する機械部品の動作からどのようにして生じるかが概ねわかっているが、それにもかかわらず、修正処置の効果がほとんど上がっていない。
(関連特許明細書)
 共同所有される米国実用特許明細書が本願に密接に関連している。これらの明細書には以下のものが含まれる。
 Thomas H. Baker他による「COLOR-CALIBRATION SENSOR SYSTEM FOR INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの米国特許出願第09/183,819号、
 Francis BockmanおよびGuo Liによる「CONSTRUCTING DEVICE-STATE TABLES FOR INKJET PRINTING」というタイトルの米国特許第6,178,008号、
 Ramon Borrellによる米国特許第6,585,340号として発行された「ENVIRONMENTAL AND OPERATIONAL COLOR CALIBRATION, WITH INTEGRATED INK LIMITING, IN INCREMENTAL PRITING」というタイトルの米国特許出願第6,146,858号および「PIXEL-DENSITY AUGMENTATION AND ADJUSTMENT WITH MINIMUM DATA, IN AN INCREMENTAL PRINTER」というタイトルの米国特許出願第09/252,163号、
 Miquel Cluet他による「PRINTING AND MEASURING DIRECRLY DISPLAYED IMAGE QUALITY, WITH AUTOMATIC COMPENSATION, IN INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの米国特許出願第09/642,418号、
 David DonovanおよびMiquel Boledaによる「APPARATUS AND METHOD FOR MITIGATING COLORANT-DEPOSITION ERRORS IN INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの米国特許出願第09/688,610号、
 Jose-Julio Doval他による米国特許第6,494,558号として発行された「COMPENSATION FOR MARKING-POSITION ERRORS ALONG THE PEN-LENGTH DIRECTION, IN INKJET PRINTING」というタイトルの米国仮特許出願第60/179,383号、その後、米国非仮特許出願第09/693,524号、
 Joan-Manel Garcia-Reyero他による「IMPROVEMENTS IN AUTOMATED AND SEMIAUTOMATED PRINT-MASK GENERATION FOR INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの米国特許第6,443,556号、上記明細書で引用されたそれ以前の文献、ならびに米国特許第6,542,258号として発行された「MASKS ON DEMAND FOR USE IN INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの米国特許出願第09/150,321号、米国特許第6,542,258号として発行された「FAST BUILDING OF MASKS FOR USE IN INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの米国特許出願第09/150,322号、米国特許第6,542,258号として発行された「OPTIMAL-SIZE AND NOZZLE-MODULATED PRINTMASKS FOR USE IN INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの米国特許出願第09/150,323号、
 Antoni Gil他による「EXTERNALLY CUSTOMIZED TONAL-HIERARCHY CONFIGURATION AND COMPLEMENTARY BUSINESS ARRANGEMENTS, FOR INKJET PRINTING」というタイトルの米国特許出願第09/775,771号、
 Pau Soler他による「COMPENSATING FOR DRIFT AND SENSOR PROXIMITY IN A SCANNING SENSOR, IN COLOR CALIBRATING INCREMENTAL PRINTERS」というタイトルの米国特許出願第09/919,260号、
 Francesc Subirada他による「SCANNING AN INKJET TEST PATTERN FOR DIFFERENT CALIBRATION ADJUSTMENTS」というタイトルの米国特許第6,196,652号、米国特許第6,547,362号として発行された「TEST-BASED ADVANCE OPTIMIZATION IN INCREMENTAL PRINTING: MEDIAN, SENSITIVITY-WEIGHTED MEAN, NORMAL RANDOM VARIATION」というタイトルの米国特許出願第09/766,514号、「LINEARIZATION OF AN INCREMENTAL PRINTER BY MEASUREMENTS REFERRED TO A MEDIA-INDEPENDENT SENSOR CALIBRATION」というタイトルの米国特許出願第09/919,207号、
 Ferran Vilanova他による「STREAMLINED REAL-TIME PRINTMASK REVISION, AND PRINTINGELEMENT DATA SYSTEM, TO CIRCUMVENT ELEMENT MALFUNCTION」というタイトルの米国特許出願第09/935,499号、「CLOSED-LOOP COLOR CORRECTION USING LABORATOTY-MEASURED COLOR CUTOFFS ANCHORED TO FIELD-MEASURED BLACK-AND-WHITE」というタイトルの米国特許出願第09/945,492号、
 Sascha de Pena Hempel他による「REMOVAL OR MITIGATION OF ARTIFACTS IN COMPOSITE-COLOR INCREMENTAL PRINTING」というタイトルの本明細書に伴う整理番号60015799Z161、その後、米国特許出願第10/237,195号、
 同じく、ラスタ図形処理による、誤動作するノズルの認識および補償を取り扱う、Donald Billetによる米国特許第6,010,205号。
 多くの形態の逐次印字方式の印刷は、インク滴が帯状に付着される領域(swath;帯状域または帯という)を生成することにより動作する。これらの帯状域は、印刷媒体の前進方向に沿って、印刷媒体とインク吐出装置との間で相対的な動きを繰り返すことにより、次々に隣接した位置に形成される。そのような帯状域を用いたプリント処理システムは、媒体を横断してインク吐出装置を往復運動させることにより動作する走査タイプか、あるいはページ幅・帯状域高さアレイタイプから構成されることができる。
 異なる装置現象に起因する場合であっても、いくつかのアーティファクトは多くの場合に、「バンディング」という総称によって呼ばれる。「バンディング」は、それらのアーティファクトが、かすかな帯、縞あるいは筋として現れることを意味する。これは特に、帯状域を用いる装置、すなわち走査型の装置の場合に当てはまるが、本発明の好ましい実施形態の対象となるアーティファクトはそのようなシステムには限定されない。
 バンディングアーティファクトがこのように共通の性質を持つのは、インク吐出動作のほとんどの周期的あるいはほぼ周期的な摂動が、何らかの対応する周期的な可視パターンを生成するためである。一例にすぎないが、各帯状域にわたって概ね同じ高さに現れる特徴は、印刷媒体が空間的に周期性を持って前進する際に、ある一定の視覚的な効果を当然生み出す傾向がある。
 単一のレイヤにある帯状域の端同士を合わせてプリントするとき、その周期性は原理的に帯状域の高さに等しい(そのような端同士を合わせた配列は、走査型システムの場合の、いわゆる単一パスプリントモードを用いることにより、あるいはさらに一般的には、ページ幅帯状域システムを含む場合には、単一インク吐出インストールメントモードを用いることにより得られる)。
 複数インストールメントモード、すなわち帯状域が重複する場合には、バンディングの空間的な周期性はさらに細かい。これらの場合には、印刷媒体は通常、帯状域の高さのうちのある部分だけ前進し、さらに細かいバンディングを生み出す。
 いくつかのタイプのバンディング、さらに一般的には、本発明のいくつかの形態によって取り扱われるアーティファクトは、基本的には帯状域に全く関連しない。再び、一例すぎないが、それらのアーティファクトは、タイル張りされた比較的小さな印刷マスクから生じる(以下に説明される)。
 そのようなアーティファクトは画像の中間階調の領域において最も顕著であり、その領域には、いずれかの方向に変調範囲があり、非常に薄いパターンを示すようになる。他のアーティファクトのタイプ、たとえばわずかなインク吐出過剰の影響に関連するアーティファクト(同じく以下に説明される)は、それとは異なり、より濃い領域において最も顕著であり、その領域では着色剤の液体の影響が強い。
 [(a)境界バンディング]
 バンディングを引き起こす主にものの1つに、プリントされた領域のうちの1つあるいは通常は全てのエッジに沿って現れる細く、濃い線がある。これがいわゆる「境界バンディング」である。しかしながら、より一般的には、それは境界アーティファクトと見なされるべきである。
 帯状域を利用するシステムでは、このタイプのアーティファクトのいくつかの現れ方は、特に2つの帯状域のエッジが接するか、あるいは概ね接する場所に集中するように見える。境界アーティファクトは、特に帯状域単位で印刷を行うとき、および特に少ない数のパスあるいはインストールメントの場合には除去するのが非常に難しい。
 標準的には、それらのアーティファクトは比色分析においてかなり飽和した画像領域においてのみ現れる。しかしながら、境界アーティファクトを引き起こすそのような比色分析から見た飽和は、以下のいずれかの場合に生じる。
 ・単一の原色の着色剤(通常、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)
 ・種々の割合でそれらの着色剤を組み合わせることから形成される混色
したがって、このバンディングの位置特定は、堆積されたばかりの液体領域のエッジの表面張力によって集中する液体塗布の作用、すなわち隣接するインク滴の液体の融合であると考えられる。
 境界アーティファクトは、1つの原色のインクを大量に吐出することに関連付けられるときには対処するのが難しい。混色の場合のように複数の着色剤からの塗布量が限られているが、複数の着色剤が融合した形でインク吐出過剰が現れるときには一層難しくなる。
 バンディングの別の形、すなわち水平な境界に沿ってのみ現れるバンディングは、融合ではなく、帯状域の高さの誤差(swath-height error;「SHE」、ときには「SWE」)から生じる。それについては以下に説明されるであろう。
 [(b)他の帯状域に関連するアーティファクト]
 1つのはっきりと異なる種類の画像欠陥は、一連の帯状域の境界にあまりにも強い影響を及ぼすが、帯状域の高さの誤差に関連する。このタイプの誤差は通常、帯状域の高さ135(図1A)と印刷媒体の前進133との間の所定の(nominal)関係が崩れるときに生じる。
 その所定の関係では、実効的なペン高135が前進距離133に正確に一致するときに、帯状域131、132が整然と接する(134)。所定の前進の場合、そのような関係は、インク吐出アレイのエッジ付近にあるインク吐出ノズルが、印刷媒体130の表面に対して垂直な線に沿って真直ぐに向けられるときに保持される。
 それとは異なり、それらの端部ノズルが印刷媒体の前進方向に沿って外側あるいは内側に向けられるとき、そのような方向のずれによって、帯状域がその所定の高さ135よりもそれぞれ高く(135’)あるいは低く(135’’)なる。前者では、所定の印刷媒体前進ストローク133の場合、隣接する帯状域131’、132’が長すぎて、それぞれ上側および下側にある余分な長さ136および137がわずかに重なり合う。この重なりが、帯状域境界に沿って濃い線134’(図1B)を形成する。
 逆に内側を向く端部ノズルによって低い帯状域135’’が生じる場合には、隣接する帯状域131’、132’のサイズが小さすぎて、それぞれ上側および下側にある短縮された領域138、139が全く境界を接することができない。境界を接するための不足分134’’は、帯状域間に白い線134’’(図1C)を残す。
 実際には、これらの条件は、ストロークがそれぞれ短い場合、長い場合に、帯状域が所定の高さを有する場合にも生じる(しかしながら、ストロークが正確でないことが唯一の問題である場合には、補正は複雑ではなく、容易である)。
 ノズル方向誤差がある特定の大きさである場合には、前進ストロークを微調整することにより、ストロークと帯状域の高さとの間のこの種の不一致は隠されることができるが、完全には取り除くことはできない。先に引用されたCluet、DonovanおよびDoval、Vilanova’499ならびに特にSubirada’652の特許明細書は、この問題およびノズルの調子に関連する他の誤差に対処するための種々の技法を導入しており、手短に取り上げる。
 概して、そのような技法も、克服されるべきバンディング特性の詳細を明らかにするように設計されたテストパターンの印刷および測定を必要とする。この種の測定は、いくつかの関連する特許明細書、特にBaker、Bockman、Borrellの特許明細書(’858)、Soler、SubiradaおよびVilanova’207、ならびに先の段落において言及された3つの他の特許明細書において導入される装置および方法によって容易に実施される。
 しかしながら、ストロークの調整は、それぞれ画像全体を短くするか、長くするかのいずれかであるという問題がある。その画像は通常、1パーセント近くも長くなったり、短くなったりする。
 さらに悪いことには、そのような補正の手法は、隣接領域が帯状域内の領域に対して高さ方向に歪められるときに、不鮮明、あるいは失われた画像の細部を復元することができない。さらに悪いことには、そのような方策は、実際に画像内の各色が個別の異なるインク吐出アレイ、すなわちプリントヘッド、あるいはいわゆる「ペン」から印刷されるときに、方向に関する誤差の2つ以上の特定の大きさに対応することができない。
 たとえば、ある特定のプリンタにおいて、これらのペンのうちの1つが、1つの色を用いて、0.3%だけ低すぎる(135’’)帯状域131’’を印刷し、一方、別のペンが第2の色を用いて、0.4%だけ高すぎる(135’)帯状域131’を形成するものと仮定する。これらの2つのアレイ、およびその個々の2つの色の帯状域131’’、131’の間には、約0.7%だけの位置ずれが内在する。2つの色のうちのいずれかにおいて、帯状域の高さが長すぎる誤差136、137あるいは短すぎる誤差138、139を隠すために、ストローク133を調整しようと試みても、他方の誤差に対する結果を必然的に悪くすることは避けられない。
 最新のシステムでは少なくとも4本のペンが用いられる。したがって、2本のペンの間に大きな不一致が生じる可能性はかなり高い。原理的にはペンを同等の特性を有する集合に篩い分けることができるが、それを行うことはコストの上昇を招き、全体としてインクがあるペンよりも別のペンから速く使い尽くされてしまう場合には、そのようなアプローチの実用上の有用性が制限される。
 これらの問題は特に、単一パス(単一インストールメント)プリントモードにおいて深刻である。たとえば、ある特定の色の2つの帯状域間が境界を接するまでの不足分134’’によって、画像を横断して端から端まで印刷されない細長い領域が残される。
 画像のその領域において偶然に他の色が用いられない場合には、その印刷されない細長い領域は白色である。特に印刷されない細長い領域は前進ストロークに等しい間隔で繰り返し生じるので、他の色が存在する場合であっても、その影響は多くの場合に非常に顕著である。境界アーティファクトと同じように、このタイプの誤差は、濃い色の概ね飽和した領域において生じるときに最も目障りである。
 別のタイプのアーティファクトは、帯状域の高さの誤差に関連付けられる誤差タイプ、すなわち前進軸内にあるが、その端部ではなく帯状域内において生じる、大きさおよび符号に相関がないノズル位置決め誤差から生じるようになる。ノズル列に沿って種々の部分において隣接するノズルが、互いに向かうか、あるいは互いから離れるかのいずれかの方向を指すとき、その結果は通常、それぞれインク不足およびインク過剰の両方の細長い領域を含む。
 こうして、帯状域の高さの誤差と同様であるが、境界アーティファクトとは異なり、これらの内部の位置決め誤差は、色あせた、あるいは印刷されないゾーンと、過度に濃いゾーンとを生成するようになる。先に説明された境界アーティファクトおよび帯状域の高さの誤差の両方と異なり、これらの位置決め誤差は当然、帯状域境界には位置特定されない。
 さらに、これらのアーティファクトは互いから孤立しているか、あるいはグループ状になっているかのいずれかであり、完全にノズルアレイの条件に依存する。しかしながら、完全な筋状のパターンが、2つの上記の誤差の場合のように、媒体の前進ストロークと同じ間隔で繰り返し生じる。
 さらに別の誤差の発生源は、内部に誤って向けられたノズル、すなわち誤ったインク滴サイズ、あるいはその極端な場合のノズル全体の障害に多少関連付けられる。インク滴サイズは、たとえば発射エネルギーが低いか高いかによって、あるいは製造される際のヒータ抵抗またはノズルの機械的な特性によって、あるいは使用期間において生じるノズルの詰まりあるいは他の劣化によって変動するようになる。
 結果として生じる筋は、内部の位置決め誤差による筋と同様に、薄いか、濃いかのいずれかになる。それらの筋も帯状域内で孤立しているか、クラスター状になっているかのいずれかになる。
 帯状域の高さの誤差、内部の位置決め誤差およびインク滴サイズ誤差に起因するバンディングアーティファクトは、「エリア塗潰しの不均一性」として同じ分類に入れることができる。境界アーティファクトを隠すだけの十分なパスを有するプリントモードにおいて観測されるそのような不均一性は、主に種々の帯状域の高さの誤差の組み合わせによって生成される。
 これまでのエリア塗潰しの不均一性を低減するための主な方策は前進ストロークの調整である。その方策は、画質を最も良くする最適なストロークを選択することを含む。しかしながら、各ペンはそれぞれ異なるノズルプロファイルを有しており、理想的には、ペン毎にストローク値が異なる。
 これらの状況下において、わずか1回の前進で全てのペンを正確に補償することは不可能である。これを果たすことができる最良の手段は妥協点を見いだすことであり、理想的な妥協案を得るには、高度で、やや複雑な手順が必要とされる。
 そのような手順は、印刷媒体の特性およびバンディングの現れ方を考慮に入れる。またその手順は判定アルゴリズムも含み、帯状域毎に最適化された中間的な前進(compromise advance)を判定する。実際には、これらの要件は、画質の改善とスループット損失との間の別の種の妥協案も確立する。
 [(c)帯状域とは無関係なインク吐出の過剰および不足]
 これらの問題は、帯状域に対して位置特定されずに、むしろ、画像内の比較的厳しい色飽和要件を通してのみ生じるインク吐出の過剰および不足に関連する。したがって、これらの問題は、後に見るように、本願にはほとんど関係していない。
 液体インクでプリントする際に鮮明な色を達成し、かつアドレス指定可能な画素位置間の余白を概ね埋めるために、十分な量のインクが堆積されなければならない。しかしながら、これを果たすには、蒸発(および印刷媒体によっては吸収)によって、堆積後に液体材料を除去する必要があり、この乾燥ステップは過度に時間を費やすようになる。
 さらに、大量のインクが全て、画像の各断片に概ね同時に付着される場合には、それに関連する大量の着色剤による望ましくない影響、すなわちある色から別の色へのいわゆる「滲み」(シャープになるべき色境界において特に顕著である)、ある印刷された画像内の着色剤が隣接する用紙の裏面に「付着(blocking)」すなわち裏移りし、結果として2枚の用紙が(あるいは用紙が装置の一部に、または画像が印刷された用紙を保護するために用いられるカバーに)張りつくこと、ならびに印刷媒体の「しわ」すなわちパッカーリングが生じる。
 一つには、これらの過剰な液体の問題は、着色剤の量が画像ファイルにおいて指定される色から決定され、それらの画像ファイルが、それらの色を導入するために必要とされるインク吐出(特に液体が融合する場合)を考慮することなく作られているために生じている。そのような色の指定はデザイナーによって作成されるか、あるいは写真または他の既存の画像から導出され、それらはいずれも、全ての着色剤が融合することに関連する液体の塗布量を考慮に入れない。
 これらの不都合な乾燥時間の影響および大量の着色剤または着色剤の総量が引き起こす影響を抑えるために、組み合わせて用いることができる種々の技法が知られている。このインクは全て所望の色を得るために相応しいものであるため、実際には、最後の手段としてのみ、ある領域内のインクの量全体が低減されるべきであることに留意することが有用である。
 名目上、最大限のインク吐出が画像ファイルによって指定される場合であっても、インクドットと画素との間の幾何学的な関係が、実際の色飽和の線形性の達成を妨げるときに、逆の種類の問題が生じる。先に述べられたBorrell’163明細書に十分に説明されるように、この現象が生じる結果として、最大限にインク吐出された画像エリア内の色の飽和が視覚的にはっきりと識別できなくなる。
 再び、この特定の形態のインク不足は、プリントヘッドあるいは帯状域に対して全く位置特定されない。むしろ、それはそのような機械的な現象の範囲を超えており、画像の色の配慮に密接に関連する。
 [(d)減少およびプロプレション]
 上記の過剰な液体の堆積は、長い間インクジェットプリンティングにおいて知られているプロセスである、「減少」と呼ばれるプロセスによって管理される。このプロセスは、ある画像のための色指定を最初に作成する際に液体の密集を計算していないことを補正するために処理を休止する。
 したがって、減少プロセスは通常、ある画素の全ての着色剤の液滴数を加算することと、好ましくは、ある実際に決定された局部的なエリアにわたってそのような液滴数の平均値を考慮することとを含む。結果的な量が、印刷媒体、湿度、および乾燥速度に関連する配慮を通して実験することにより確立された閾値を超えるとき、そのプロセスは、導出されたインク吐出データを変更して終了することができる。
 この変更は通常、色の精度の劣化を最小限に抑えるようにして、液滴数を低減することからなる。しかしながら、この条件は、混色の色相が着色剤の割合に非常に影響を受けやすく、さらに原色の明度が堆積される着色剤の量に影響を受けやすいので、困難な条件である。
 そのような鮮明さ、あるいは少なくとも実際に視覚的に線形な応答に対する配慮がBorrell’163明細書の核心である。Borrellは、画像データにおいて暗示される視覚的な効果を実現することが必要とされるときに、平均化された液体塗布量が許容するインクを追加することを規定する。
 補正されるように設計されるインク吐出過剰および不足条件と同様に、減少およびプロプレションはいずれも実質的に帯状域に無関係である。すなわち、それらは帯状域構造の範囲を超えており、画像そのものに関してのみ位置特定される。
 [(e)プリントモード技法]
 バンディングおよび過剰な液体の堆積の両方を隠すための別の有用な技法は、画像の各断片において必要とされる全インクの一部のみを、ペンによる1回のインク吐出動作において付着することである。任意のアーティファクト、すなわちそのインク吐出において暗くされるか、印刷されないままになるかのいずれかである領域は、一度あるいはそれ以上の後に行われるインク吐出インストールメントによって視覚的に薄められる。
 たとえば、暗く細長い領域について考えてみる。全てのインストールメントの印刷を終了した後に、それは隣接する色領域よりも濃いままであるが、特に分数あるいは対数関係にしたがって、それらの隣接する領域に非常に近くなり、それゆえ人の対数による視覚的応答によって識別しにくくなる。それは通常、インストールメントの一部のみにおいて印刷され(たとえば、3つあるいは8つの中から1つのインストールメント)、一方、隣接するエリアは全てのインストールメントで印刷される。同じように、印刷されない細長い領域は通常、1つのインストールメントにおいて印刷されることになるインクのみを欠いており、他の全てのインクについては塗り潰されている。
 この技法は、ページ幅・帯状域高さアレイを発射することにより実行されるインストールメント、および印刷媒体にわたって小さな帯状域高さのプリントヘッドを走査することにより実行されるインストールメントに同じく適用することができる。ページ幅アレイのシステムの各インストールメントは「ショット」と呼ばれる場合があり、走査型のシステムでは通常「パス」と呼ばれる。ここで説明を簡単にするために、両方を指すために多くの場合に用語「パス」が用いられる。
 こうして、各画像領域に対して一度のインク吐出インストールメントの動作は単一パスモードと呼ばれる場合があり、2度以上の動作は複数パスモードと呼ばれる場合があり、3度以上の場合には、多数パスモード呼ばれる場合がある。複数パスプリントモードの概念は多数パス動作を含む。
 複数パスプリントモードの利点は、上記の視覚的な希薄化効果によって、概ね全ての顕著なアーティファクトを抑圧することに限定されない。さらに、複数パスモードは、常にページ上の全ての液体の量を低減することにより、滲み、付着およびしわを抑圧することができ、乾燥時間も容易に短縮することができる。
 各パスにおいて用いられる特定の部分インク吐出パターン、およびこれらの異なるパターンを1つの完全にインクが付着された画像に仕上げる方法は「プリントモード」として知られている。先に列挙された特許明細書のいくつか、特にGarciaおよびGilの特許明細書において報告されるように、これまで、そのようなプリントモードの設計および実施、およびそれらを実施するデータパイプラインにおいて大きな進歩が遂げられてきた。
 それら全ての改良は概ね本明細書の範囲外にある。しかしながら、いくつかの関連する革新技術が本明細書において後に説明されるであろう。
 本発明の目的にとって特に重要なのは、プリントマスキングが、完全にはいずれかの問題、すなわちインク吐出過剰あるいはバンディングのいずれかに対処できないことである。過剰な液体の問題は、印刷スループットが向上するのに応じて、再び現れてくる。バンディングについては、顕著なバンディングであっても多数パスプリントモードによって著しく低下するが、それにもかかわらず、上記の希薄化機構の本質上、完全には消失しない。
 残りのバンド構造は多くの場合に極端に薄くなるが、依然として視認可能であり、厄介なことにいつまでも残る。この残留の影響は多くの場合に特定の画像階調範囲あるいは色において顕著であり、競争市場においてますます重要になっている。
 さらに、多数パスプリントマスキングそのものがスループット向上を妨害し、現時点ではその同じ市場において非常に高い価格がつけられているので、最新のシステムは少ないパス数のプリントモードに戻る傾向がある。それゆえ、バンディング問題に対して他の解決手段を捜し求めなければならない。
 [(f)他の技法]
 境界アーティファクトを低減するための通常の解決手段はこれまでパスの数を増加することであった。これは、印刷時間が著しく長くなるので、解決手段というよりもトレードオフである。
 別のアプローチは、プリントヘッドを互い違いに、あるいは部分的に互い違いに配置するものである。異なるプリントヘッドが、厳密に同じ画素の線上にある帯状域を印刷しないので、融合がそれほど深刻ではなく、境界アーティファクトが大きく希薄化される。
 しかしながら、プリントヘッドを部分的に互い違いにすることにより、双方向の印刷時に色相シフトバンディングが生成される(すなわち、帯状域の異なる部分がわずかに異なる色を示す)。完全に互い違いにされたプリントヘッドは、非常に広く、平坦な用紙経路を必要とするので、機械的に対応するのが容易ではない。
 近年盛んになっている、さらに別のアプローチは、プリントヘッドの端部ノズルの利用を減らすことからなる。インクはステップ関数として媒体上に堆積される(用紙の前進軸に沿って、乾燥から湿潤に突然移行する)のではなく、ランプ、ノズルランプあるいはノズルテーパリングとも呼ばれる、滑らかに増加する関数として付着される。
 この技法は比較的パスが多い(約5パス以上の)場合に良好であるが、パスが少ない(1パスないし4パスの)プリントモードの場合に不十分なままである。その理由は、それらの端部ノズルによって行われない作業がいくつかのバックアップノズルによって補償されなければならず、パスの数が減少するのに応じて、利用可能であるそのようなバックアップユニットの数が消滅点まで減らされるためである。
 プリントマスキングアルゴリズムは、パスが少なくなるとともに、それゆえバックアップノズルが少なくなるとともに、ますます制約される。さらに、傾斜の急なランプが「大きな液滴/小さな液滴」の作用(既にインクが付着された紙と乾燥した紙とが異なるように液滴を表示する)を生み出し、それが色相シフトバンディングを際立たせる。そして結局、パスの数が少ない場合に、その最新技術は、境界バンディングと色相シフトバンディングとの間のトレードオフを判断することになる。
 [(g)結論]
 バンディングアーティファクトは、高スループット時に均一で優れた品質のインクジェットプリンティングの達成を妨げてきた。したがって、本発明の分野において用いられる重要な技術には依然として、有用な改良が必要である。
 本発明は、上記従来の技術に見られる課題の少なくとも幾つかを解決するための方法及び装置を提供することを課題とする。
 本発明によると、そのような改良が導入される。その好ましい実施形態では、本発明は、個別に用いることができるいくつかの態様および様相を有するが、それらは、個々の利点を最適にするために組み合わせて用いられることが好ましい。
 第1の好ましい実施形態では、本発明は画像をプリントするためのインク帯状域システムを作動させるための方法である。その方法は、少なくとも1つの帯状域境界に沿って高い色飽和を有する画像の部分を特定するステップを含む。
 また本方法は、特定された部分に選択的にインクを減らして画像をプリントするステップも含む。ここで用語「濃い」および「選択的に」は、最も濃いインク吐出領域においてのみインクが減らされることを示唆することを意図していない。むしろ、それらは単に、その着色剤の濃度範囲の一部において、より濃くインクが吐出されるときにインク量がより多く減らされることを意味する。
 同様に、これらの用語は必ずしも、一様にインク吐出量が多い領域にわたって同じ程度にインクを減らすことには限定されない。それとは反対に、インク減少のグラデーション、すなわちインク減少の空間的な階層性は、添付の特許請求の範囲に記載のいくつかの特許請求項によって規定されるような本発明の範囲内にある。一例にすぎないが、そのようなグラデーションの場合には、ある帯状域のまさにエッジに沿って、インクをより多く減少させ、エッジのわずかに内側ではインクの減少をやや少なくする場合がある。
 用語「濃い」は多くの場合には、ある意味において、相対的な用語として用いることができるが、この文脈では、それははっきりと限定される。それは本発明そのものの好ましい実施形態の基本的に相対的な性質を記述する。すなわち、「濃いインク吐出」は「選択的に減らされる」に関連付けられ、測色上のダイナミックレンジのある部分において、その方法が、より大きなインク減少の場合により濃いインク吐出領域を選択し、より少ない減少の場合により低いインク吐出領域を選択することを明らかにする。
 上記の内容は、その最も幅広い、あるいは最も一般的な形態において、本発明の第1の態様あるいは様相の記述あるいは定義を表すことができる。しかしながら、これらの幅広い言い方で表現される場合であっても、本発明のこの様相は当技術分野を大きく前進させることが明らかである。
 詳細には、偶然に帯状域境界に沿っている高い飽和領域において選択的に減少させることにより、この方法は、これまでの境界アーティファクトを取り扱う際の根本問題に端的に対処する。なぜなら、帯状域境界はまさに、そのようなアーティファクトが生じる領域であるからである。本明細書の以前のセクションにおいて説明された全ての努力は、境界バンディング問題に対して間接的にのみ対処していた。
 したがって、本発明の第1の主な態様は当技術分野を著しく前進させるが、それにもかかわらず、その利点の享受を最適にするために、本発明はある特定のさらに別の特徴あるいは特性とともに実施されることが好ましい。詳細には、そのシステムがプリントマスキング機能を有する場合には、特定するステップは、そのプリントマスキング機能を用いて帯状域境界の位置を特定するステップを含むことが好ましい(用語「プリントマスキング」は、本発明の第2の主な様相あるいは態様とともに以下に説明される)。
 この基本的な態様(preference)に従う場合には、従属する態様は、位置を特定するステップが、プリントマスクにおいて特定される帯状域の位置を選択するステップを含むことである。この場合には、その後さらに、選択するステップが、帯状域境界付近に選択的に配置されるビットを有するプリントマスクレイヤを適用するステップを含むことが好ましい。
 プリントマスキング機能を用いるステップに関する基本的な態様が用いられている場合には、その後、別の態様は、特定するステップが、減少位置特定マスクレイヤを適用することにより、高い色飽和を判定するステップを含むことである。この場合には、その後さらに、判定するステップは、減少位置特定マスクレイヤを最も高い値のマスクレイヤとして動作させるステップを含む。この態様を用いることにより、その動作させるステップは、減算的に減少位置特定マスクレイヤを適用するステップを含むことがさらに好ましくなる。
 上記のように、減少位置特定マスクレイヤを用いて高い飽和を判定するステップにより、判定するステップが、少なくとも1つの色平面において最大のインク吐出を割り当てられた画素の場合にのみ減少位置特定マスクレイヤを適用するステップを含むという態様も生み出される。この態様によってさらに、適用するステップは、減算的に減少位置特定マスクレイヤを用いるステップを含むことが好ましくなる。
 減少位置特定マスクレイヤを利用するためのサブの態様が用いられているときに、別の態様は、位置を特定するステップが帯状域境界付近に選択的に配置されるビットを有するマスクレイヤを用いるステップを含むことである。本発明の第1の独立した様相に関する別の基本的な態様は、特定するステップが、少なくとも1つの色平面において最大のインク吐出を有する画像を選択するステップを含むことである。
 その態様の第2の好ましい実施形態では、本発明は、プリントマスキング機能を有するプリンタで画像をプリントするための方法である。その方法は、プリントマスキング機能を用いて減少領域を画定するステップを含む。本発明のこの第2の様相は、その領域において選択的にインクを減少させて画像をプリントするステップも含む。
 用語「プリントマスキング」は通常、インク吐出パスの中の、あるいはより一般的には非走査型のプリンタを含むために、インク吐出インストールメントの中のインク滴の割当てに関連する。この定義によれば、常に単一インストールメントモードにおいて動作するプリンタは、プリントマスキングを必要としない。しかしながら、そのようなモードにおいて動作することができるプリンタの大部分は、複数インストールメントモードにおいても動作するように設計され、それゆえ、プリントマスキングサブシステムを備える。それゆえ、本発明のこの様相は、プリンタそのものがそのようなサブシステムを備える場合には、単一インストールメント動作においても用いられることができる。さらに、単一パスモードにおいてのみ動作するプリンタであっても、プリントマスキング機能、すなわち、インストールメントの中の割当て以外のプリントマスキングシステムの属性を有するサブシステムを設けられ、それにより、本発明のプリントマスキングに関連する利点を享受することができる。
 ある特定の非標準的な意味では、帯状域境界に沿ってインク吐出を減少させることが一般的であるが、選択的ではない。すなわち、従来のマスクレイヤの一部(たとえば、帯状域境界に沿った行)が他のものより多くのゾーンを有するときには必ず、ある意味において、減少はそこで生じていると言うことができる。しかしながら、平均して、同じことは、同じマスクレイヤ内の他の場所においても見いだされる。それゆえ、任意のそのような減少は、選択的にではなく、幅広く分散される。
 マスクによる減少の任意の偶発的な集中は設計の範囲外で生じており、すなわち、境界において、プリントマスクによる減少を集中させるための方策はない。さらに、インク吐出において埋め合わせを行う正の増分は統計的には、他のマスクレイヤ内の帯状域境界に沿って見いだされる。
 上記の内容は、その最も幅広い、あるいは最も一般的な形態において、本発明の第2の態様あるいは様相の記述あるいは定義を表すことができる。しかしながら、これらの幅広い言い方で表現される場合であっても、本発明のこの様相は当技術分野を大きく前進させることが明らかである。
 詳細には、本発明のこの態様は、プリントマスキング機能がプリンタの多くの機械的な機能への窓であるという基本的な理解を実践する。この態様は、それらの機能から生じる全ての問題に、同じく処置上の方策に直に結び付けられることができる。
 詳細には、そのような問題は、境界アーティファクトに関連する問題ばかりでなく、プリンタの電気機械的な構成要素内にその起源を有する他の形態のアーティファクトも含む。例示にすぎないが、インクジェットプリンタの場合、そのような構成要素は、インクジェットノズル、ヒータ、発射信号電子回路、走査エンコーダサブシステム、走査機構および制御電子回路、ならびに印刷媒体前進機構およびその制御電子回路を含むことができる。
 したがって、本発明の第2の主な態様は当技術分野を著しく前進させるが、それにもかかわらず、その利点の享受を最適にするために、本発明はある特定のさらに別の特徴あるいは特性とともに実行されることが好ましい。詳細には、プリントマスキング機能を用いるステップは、その領域を画定するために補助プリントマスクを定めるステップを含むことが好ましい。
 この第1の基本的な態様に従う場合には、いくつかの他の組み合わされるサブの態様が生じる。第1に、そのシステムがインク帯状域において画像を形成する場合には、プリントマスキング機能を用いるステップは、プリントマスキング機能を通して特定される少なくとも1つの帯状域境界付近に減少領域を画定するステップを含むことが好ましい。
 第2に、そのような減少領域がそのように画定される場合には、画定するステップは、少なくとも1つのプリントマスク内に選択的に配置されるビットによって、帯状域境界付近にその領域を定めるステップを含むことが好ましい。これによりさらに、プリントマスキング機能を用いるステップは、減少位置特定マスクレイヤを適用することにより、高い色飽和の画素において減少領域を画定するステップを含むことが好ましくなる。
 高い飽和の画素における減少領域がそのようなレイヤを適用することにより画定される場合には、この適用は、減少位置特定マスクレイヤを最も高い値のレイヤとして動作させるステップを含むことがさらに好ましい。この動作はさらに、減算的に減少位置特定マスクレイヤを適用するステップを含むことが好ましい。
 より一般的には、減少位置特定マスクレイヤを減算的に適用することが非常に好ましい。たとえば、そのような減算的な適用は、基本的なプリントマスキング機能に対して、さらに再び補助マスクを定める場合などに好ましい。
 別の基本的な態様は、その方法がさらに、以下のタイプの欠陥あるいはアーティファクトまたは不均一性を生成する他の現象のうちの任意のものあるいは全てから生じるテストプロットの光学濃度の不均一性を測定するステップを含むことと、プリントマスキング機能を用いるステップが、プリントマスキング機能を通して、測定された不均一性を補償する減少領域および大きさを画定するステップを含むことである。
 境界アーティファクト
 帯状域の高さ誤差
 印刷媒体前進誤差
 双方向バンディング
 ミニバンディング
 エリア塗潰しの不均一性
 この場合に、サブの態様は、プリントマスキング機能を用いるステップが各色平面に対して個別に全ての欠陥あるいはアーティファクトを補正する傾向があることである。この特定の能力は非常に強力な成果であり、これまでの方法およびシステムでは、印刷媒体前進の設定等を妥協することによりこれらの問題を解決することに厳密に限定されていた。
 この妥協は、アーティファクトが異なる着色剤ヘッドあるいはいわゆる「ペン」において個別に生じるために必要とされた。それゆえ、その妥協による調整は、いくつかの色平面の中のアーティファクトを軽減する最良のバランスを見つけられるに過ぎず、この最良のバランスは、多くのあるいは大部分の事例においては、ヘッドのうちの少なくとも1つあるいは2つにとって完全な処置からはほど遠かった。
 別のサブの態様は、本発明のこの第2の様相において、全ての補正が最初に減少の形をとり、それが意図的にインク吐出の全レベルを低下させるという事実から生じる。それゆえ、その方法はさらに、その画定するステップのインク吐出不足の影響(underinking effect)全体を補償するために、インク制限値を高めるステップを含むことが好ましい。
 その基本的な態様あるいは様相の第3の好ましい実施形態では、本発明は、プリントマスキング機能を有するプリンタで画像をプリントするための方法である。この方法は、テストプロットの光学濃度の不均一性を測定するステップを含む。
 またその方法は、測定された不均一性を補償するために、インク調整領域および大きさを画定するためのプリントマスキング機能を用いるステップも含む。さらに別のステップは、その領域において選択的に、かつその大きさにしたがって調整されたインクで画像をプリントするステップである。
 上記の内容は、その最も幅広い、あるいは最も一般的な形態において、本発明の第3の態様あるいは様相の記述あるいは定義を表すことができる。しかしながら、これらの幅広い言い方で表現される場合であっても、本発明のこの様相は当技術分野を大きく前進させることが明らかである。
 詳細には、本発明のこの態様は、観測されたアーティファクトあるいは異常と、本発明の他の態様によって可能になる正確な補正位置の特定との間の隙間を埋める。基本的には、本発明のこの様相は、不均一性の定量的測定とその補償との間の負帰還の形をとるが、写真のように(photographically)位置を特定される形をとる。
 さらに、ここで示されるように、本発明のこの態様は、2段階の補正、すなわち減算的な補正を行い、その後、インク制限を設定することに限定されない。代わりに、1つの直接的なステップにおいて、その測定によって規定されるような、いくつかの減算的および加算的な補正を全て行うこともできる。
 したがって、本発明の第3の主な態様は当技術分野を著しく前進させるが、それにもかかわらず、その利点の享受を最適にするために、本発明はある特定のさらに別の特徴あるいは特性とともに実行されることが好ましい。詳細には、測定するステップは、先に列挙されたタイプの欠陥あるいはアーティファクト、および再び不均一性を導入する他の現象のうちの任意のものあるいは全てから生じる不均一性に対応することが好ましい。
 別の態様は、第2の様相の場合のように、プリントマスキング機能を用いるステップは、各色平面に対する全ての欠陥あるいはアーティファクトを個別に補正する傾向があることである。この特徴についてのみ、これ以降の主なステップとして表される。
 その態様の第4の好ましい実施形態では、本発明は、機械的なアーティファクトを前提として、インク滴において画像をプリントするための装置である。その装置は、そのようなアーティファクトに対して予め位置が特定され、負のインク滴として処理される、インク減少のユニットを確立するためのいくつかの手段を含む。
 本発明を説明する際の一般化および広がりのために、これらの手段は単に「確立手段」と呼ばれるであろう。本明細書では、「機械的なアーティファクト」との表現は、主に画像内に生じるインク吐出過剰要件によって、あるいはそれのみによってではなく、機械的な機構の欠陥によってだけではないが、主にそのような機械の欠陥によって引き起こされる画像内のアーティファクトを意味する。
 さらに、用語「予め位置を特定された」は、これらの減少ユニットの潜在的な位置、およびその影響の大きさが、画像について多くのことを知る前に測定されることができることを意味する(減少ユニットの場所は、その場所において画像の色飽和が低い場合には減少ユニットが実際には適用されない場合があるので、ここでは「潜在的」として非常に漠然と記載される)。
 物理的に見ても、文字通りの意味でも、「負のインク滴」のようなものは存在しないことは理解されよう。そうではなく、上記の説明は、あたかも負のインク滴であるかのように、インク減少のユニットを操作するための方法を述べている。本明細書の以下のセクションにおいて見られるように、この方法は単に、インク滴および減少ユニットによるある種の帳簿処理(bookkeeping)あるいは計算法(accounting)を伴い、減少ユニットがインク滴に対して相殺される。
 またその装置はプリントエンジンも含む。そのエンジンはインク滴および減少ユニットで画像をプリントする。
 上記の内容は、その最も幅広い、あるいは最も一般的な形態において、本発明の第4の態様あるいは様相の記述あるいは定義を表すことができる。しかしながら、これらの幅広い言い方で表現される場合であっても、本発明のこの様相は当技術分野を大きく前進させることが明らかである。
 詳細には、「負のインク滴」の実例は、その場所、および量において正確に、必要とされる境界アーティファクトの補正に集中する。それは、マスキング機能を用いて具体的に特定される場所において、解決するための可能性を有する理想的な実施態様である。
 したがって、本発明の第4の主な態様は当技術分野を著しく前進させるが、それにもかかわらず、その利点の享受を最適にするために、本発明はある特定のさらに別の特徴あるいは特性とともに実行されることが好ましい。詳細には、その装置が複数の一連のインク吐出インストールメントにおいて画像をプリントするために用いられるとき、それはさらに、
 各インク滴をそのインストールメントのうちの1つにそれぞれ割り当てるためのいくつかの手段と、
 インク減少のユニットのうちの少なくともいくつかをインストールメントのうちの1つにそれぞれ割り当てるためのいくつかの手段と
を含むことが好ましい。その後、エンジンは、そのインストールメントに割り当てられるようなインク滴およびユニットで画像をプリントする。
 (ここで用語「それぞれ」は、各インク滴に対して個別のインク吐出インストールメントが存在しなければならないことを示唆することを意図していない。その要点は、全てのインク滴あるいは減少ユニットがインストールメントのうちの同じものに割り当てられるとは限らないということにすぎない。用語「それぞれ」の同じような解釈は、以下に説明される本発明の第5の主な様相に関しても、特にその説明において導入される第2の「別の態様」の場合にも当てはまる。)
 この態様に従う場合には、組み合わせられる一群の態様がかかわるようになる。第1に、減少を割り当てる手段は、インク滴の1つの帯状域に対して減少領域を画定するために、少なくとも1つのプリントマスク内に選択的に配置されるビットを有することが好ましい。
 その場合には、プリントマスクは、高い色飽和の画素においてのみ用いられる(invoked)、ビットを有する少なくとも1つの減少位置特定マスクレイヤを有することが好ましい。この場合にさらに、減少位置特定マスクレイヤは最も高い値のマスクレイヤである。
 本発明のこの装置の態様に関する別の基本的な態様は、減少ユニットが、高い色飽和の画素においてのみ用いられる少なくとも1つの減少位置特定マスクレイヤを有することである。
 2つの別の基本的な態様は、プリントエンジンが、使用中である各着色剤に対して、インク吐出ユニットの走査型のアレイか、インク吐出ユニットのページ幅アレイかのいずれかを含むことである。ページ幅アレイはページ幅の帯状域にインクを吐出するための多数のインク吐出行を有する。
 いずれのタイプのエンジンとも、アレイを動作させるための信号を供給するための発射システムも含む。また、アレイの一連のインク吐出インストールメント、すなわちインク吐出インストールメントの一連のグループ間で媒体前進軸に沿ってそのような印刷媒体を移動するためのいくつかの手段も含まれることが好ましい。
 上記の本発明の全ての動作原理および利点は、添付の図面を参照しながら、以下に記載される詳細な説明を検討する際に、より十分に理解されるであろう。
[1.ホワイト・ドロップ マスキング]
 [(a)従来システムに関する制約]
 本発明の好ましい実施形態は境界アーティファクト問題の根本的原因、すなわち帯状域境界におけるインク融合の集中に向けられる。フルカラーの長方形が印刷される場合には、インクは明らかにそのエッジよりも中央部において早く乾燥する。
 解決の出発点はエッジに向けられるインクを少なくすること、すなわち、所与の帯状域をプリントするとき、プリントヘッドの端部ノズルの数を少なくすることにより、帯状域境界において少ないインクを堆積することである。その後、発射されていないインクを埋め合わせるか否かを判定することができる。
 最初に、インクを埋め合わせる場合には、その最終結果は常にいわゆる「フルマスク」になるはずである。これは、全てのパスが終了した後に、印刷グリッド上の全ての画素が同じ回数で、すなわち通常1回、2つ以上のインク滴が規定される場合には2回以上処理されていることを意味する。
 言い換えると、所与のノズルの作業が少ない分を、同じ行上であるが、異なるパス内で印刷を行う他のノズルによって補償する。フルマスクは明るい階調の場合に非常に望ましい。
 完全に飽和した領域をプリントするときには、数滴のインクを省略することができ、実際にこれは、中間階調処理手順に関連付けられる、先に説明された減少手順において良好に実施される。しかしながら、明るい階調の領域において同じことが試みられる場合には、ホワイトバンディング線が現れる。
 飽和した領域においてのみ減少が必要とされると考えられるので、中間階調処理アルゴリズムが、この減少を適用する場所を判定できるものと仮定することができる。しかしながら、良くも悪くも、中間階調処理アルゴリズムは、帯状域境界が生じることになる場所はもちろんのこと、プリントモードパラメータについて全く無知である。
 したがって、ある特定の減少が必要とされるが、それは帯状域境界において位置を特定され、かつ飽和した色の領域の場合にのみ必要とされる。探索アルゴリズムは、中間階調処理情報およびプリントモード情報の両方を考慮し、帯状域境界において、著しい量のインクが存在する場合にのみ、プリンティングマスクが都合よく減少させるようにしなければならない。
 これは、中間階調に基づくプリントマスクを設計することを推奨することになるが、従来の書込みシステムアーキテクチャは、全プロットにわたってタイル張りされたマスクのみを可能にする。メモリ、CPU電力および技術的な処理の点から見て、プロットに依存するマスキングに関連する全ての事柄について配慮することは難しい。
 [(b)多レイヤマスキングおよび予備レベル]
 しかしながら、従来からのプリントマスキングはかろうじて対処できることができる。その解決手段を理解できるようにするために、最初に、このサブセクションにおいて、いわゆる「Shakes」プリンティングマスクシステムのいくつかの動作部品が記載される。
 そのシステムは、先に記載されたGarciaの明細書において導入され、詳述された。Shakesシステムは現在、逐次印字データパイプラインにごく普通に組み込まれる。
 マルチレベルマスクはある意味ではプロットに依存する。なぜなら、各画素のマルチビット値に応じて、異なる数のマスクレイヤが自動的に選択されるためである。画素内の色値は、プリントマスキング構造内の隣接するレベルを区別する。
 別の言い方をすると、各画素内の色値はマスクの全ての利用可能な組み合わせを区別する。それにより、色値そのものはマスクの適当な組み合わせを用いて、その画素のための必要な数のインク滴を生成する。
 Shakesシステムでは、以下に記載されるのが印刷直前の状況である。
 二値マスクA、B、C(図示せず)が多レイヤShakesマスクから生成されている(以下の例示的なテーブルを参照されたい)。たとえば、ドロップテーブルが[0124]を読み出す場合、以下のように、マスクAは最初のインク滴を指定し、マスクBは第2のインク滴を指定し、マスクCは第3および第4のインク滴を指定する。
 画素の2ビットコードが「00」である場合には、システムがインク滴を印刷しないことになるので、マスクは呼び出されない。
 画素コードが「01」である場合には、システムはマスクAが指定するものをプリントする。
 コードが「10」である場合には、システムはマスクAにおいて指定されるものとマスクBにおいて指定されるものとをプリントする(すなわち、論理「和」関数、マスクA+マスクB)。
 「11」の場合には、システムはマスクAにおいて指定されたものと(論理「和」)、Bにおいて指定されたものと(同じく論理「和」)、Cにおいて指定されたものとをプリントする(すなわち、同じく論理演算表記では、マスクA+マスクB+マスクC)。
 概して、マスクA、BおよびCは加法的である。各マスクは発射されることになる多数のインク滴を表しており、そのシステムは、画像内容に基づいて、適当な数のマスクを選択する。
 マスクA、BおよびCはフルマスクである。すなわち、プロットおよびデータパイプライン内の全ての画素が「11」であったなら、全ての画素上に同じ数のインク滴が発射されることになる。
 上記のShakesドロップテーブルの内容およびそれが意味することは一例にすぎない。指定されるドロップテーブル[0124]が意味することは、以下のように要約されることができる
 レベル00  0滴
 レベル01  1滴
 レベル10  2滴
 レベル11  4滴
しかしながら、通常は、特に約3以下のパスあるいはインストールメントのプリントモードの場合には、用いられるインク滴の最大数は2である。
 それゆえ、最後のレベル「11」は、特定の用途のために利用可能な予備レベルとして取り扱われることができる。本明細書の目的を果たすために、レベル「11」のまさにそのような転用が以下のサブセクション(c)に記載される。
 同じく一例として、これまでのShakes表記の他の使用法はドロップテーブル[0112]を含み、これは以下のことを意味する。
 レベル00  0滴
 レベル01  1滴
 レベル10  1滴
 レベル11  2滴
このパイプラインの場合の通常の多レイヤShakesマスクセットは、以下のようになるであろう(8ノズルペンおよび4パスプリントモードの場合)。
 第1のインク滴の場合は以下の通りである。
 4142341413121313
 3414124241312142
 1231242423431434
 3142313212142121
 4213132434324212
 1421413241212424
 4214341423421241
 3431212132143124
 第2のインク滴の場合は以下の通りである。
 1214214141434142
 2143431424241214
 4324323142124121
 1213241323213432
 2342424141431343
 4134142414324131
 1421214232142414
 2314323423414341
 これは、右下の画素では、第1のインク滴がパス4において発射され、第2のインク滴がパス1において発射されることを意味する。言い換えると、画素値が11である場合には、パス1および4において1つのインク滴が吐出されることになる。画素値が01あるいは10である場合には、パス4においてのみこの画素位置にインク滴が向けられる。
 このように値を割り当てる場合、実際にある面では、レベル「01」および「10」が同じ動作を生じることが好ましい。それゆえ、それらのうちのいずれか一方が、未使用の予備レベルとして除かれ、同じように特定の目的に対して1つのレベルを割り当てるための場所を生み出すことができる。
 実際には、8ノズルのペンは過去のものであり、今日のペン、それゆえマスクは通常、数百あるいは数千以上のノズルを有することは理解されよう。さらに、マスクは通常数百画素の範囲にわたる。しかしながら、考慮中の原理は絶対的なマスクあるいはペンサイズには依存せず、それゆえ、8ノズルペンに関するその説明が完全に有効である。
 [(c)減算的なマスキングを用いる、減少選別機構としての多レイヤプリントマスキング]
 本発明の好ましい実施形態は、そのような予備レベルの新たな用途を導入する。一般的に、上記の第1の例[0124]の場合のように、その予備レベルが最も高い値のレベルになるように、ドロップテーブルの内容を必要に応じて配列し直すことが好ましい。たとえば、開始条件が上記の第2の例[0112]であるとみなされる場合には、配列し直す必要がある。
 後にさらに明らかになるように、そのように配列し直すことは、以前の予備レベルが、特定の色平面内のインク吐出が最大になる場合にのみ用いられるので望ましい。その際、画素の色値そのものは、上記のサブセクション(b)において示唆されるように、望ましい特別な振る舞いを自動的に呼び出す。本発明の好ましい実施形態では、その特別な振る舞いとは、その高いレベルを、境界アーティファクトあるいは他の種類の画像アーティファクトを軽減するための機構に結び付けることである。
 したがって画素の色値構造は選別機構として動作し、それにより、さらに多くのインクが必要とされる時点を、そして最終的には、以前に用いられた量が多すぎる時点を判定する。少なくともその選別機構は、帯状域内のある特定の位置の場合の量が多すぎる時点に応答する。
 したがって、その予備レベルは、特にマスクCの場合の新たなアーティファクト低減の用途に対応するようになされることが有利である。このマスクは、いくつかの顕著な属性を有する。
 第1に、マスクCは加算的ではなく、減算的である。さらに、それはフルマスクではない。すなわち、それは、その印刷のある特定の値の場合に、マスクAあるいはBによって呼び出されるどのインク滴のみが無視(ある意味では消去)されなければならないかを示す。
 この手法において、マスクCは「ホワイト・ドロップマスク」と呼ばれる。上記の、ドロップテーブル[0124]を有するこれまでのShakes手順と比較すると、そのシステムはここで以下のように動作する。
 二値マスクAおよびBは上記のような多レイヤShakesマスクから生成されており、マスクCは、新規のホワイト・ドロップマスク発生器から生成される。たとえば、ドロップテーブルが[012x]を読み出す場合には、マスクAは第1のインク滴を指定し、マスクBは第2のインク滴を指定し、マスクCは「ホワイト」すなわち減算的な仮想インク滴を指定する。
 実際のインク滴に関しては、実際にはそのドロップテーブルの最後の値は無視できることが表明されている。
 画素の2ビットコードが「00」である場合には、システムは上記のようにマスクを呼び出さず、インク滴を印刷しない。
 「01」である場合には、システムは上記のようにマスクAが指定するものをプリントする。
 「10」である場合には、システムは上記のようにAにおいて指定されるものと、Bにおいて指定されるものとをプリントする(論理演算マスクA+マスクB)。
 「11」である場合には、マスクCが他に指定するものがなければ(排他演算)、システムはマスクAにおいて指定されるものと(論理和)、Bにおいて指定されるものとをプリントする。すなわち、(マスクAとマスクBの論理和)と(マスクC)との排他演算=マスクA+マスクB−マスクC。
 デフォルトで、マスクCは、帯状域境界に近いいくつかの画素内を除いて、0の値を有するであろう。境界アーティファクトを受けやすいことがわかっている、そのマスクC画素内の帯状域境界に沿ってビットが配置される。
 その際、設計によって、マスクCは、低濃度のエリアに影響を及ぼすことなく、インクの濃度が濃い帯状域境界にのみ、言い換えると、まさに補正を必要とする所望のエリアにのみ影響を及ぼす。
 このホワイト・ドロップマスキングプロトコルは、ペンに白色のインクを供給することとして概念化され得る。白色インクは、適用しなければ、衝突するエリア、この場合には具体的に境界エリア上にあまりにも多くの実際のインクが現れることになるときに適用される。
 ある不都合がある、すなわちドロップテーブルの最後のレベルのための従来の機能が失われているという不都合があるものと考えられる。一方、システムは通常、画素当たり、パスの数と同じ数のインク滴のみを発射することができる。
 この好ましい実施形態は、パスの数が比較的少ないプリントモードの場合に主に対象になる。そのようなモードが3つ以上のインク滴を発射することはまれであり、その不都合が影響することはめったにない。
 [(d)段階的なホワイト・ドロップ補正]
 もし好ましいなら、複数のマスクにおいてホワイト・ドロップマスキングを行うことができる。帯状域境界領域は、他のパスとは異なるように、パス毎に定義されることができる。
 各パスがその自らの個々の境界バンディング減少マスクを有するとき、減少の強さは帯状域エッジ付近の正確な位置とともに変化させることができる。減少の量は、全てのインク滴か、全くインク滴がないかに、すなわち1か0かに限定される必要はない。バンディングそのものの既知の、場所とともに変動する強さを忠実に反映する減少階層は容易に定められる。
 境界アーティファクト、および本明細書において取り扱われる他のタイプの各アーティファクトは単なる二値ではない。むしろ、各タイプは、融合あるいは他の根底をなす原因の度合いが変化することから生じる、連続したグラデーションにおいて現れる。
 したがって、ホワイト・ドロップマスクを定義するために、複数ビットのパイプラインが好ましい。標準的には、まさに実際のインク滴を用いる方式の場合のように、画素当たり2ビットが用いられ、0以外の3つのレベル、すなわち01、10および11が与えられる。
 [(e)既存のシステムへの影響]
 本発明の好ましい実施形態は、ハードウエアを変更する必要性を最小限に抑えるようにしてマスキングパイプラインに組み込まれる。入力データ111(図2)は従来のポストスクリプト翻訳ステージ112に入力され、そのステージでは、たとえばグラフィクス言語において定義される色信号を用いて、印刷中に用いるための対応する色データ113が生成される。これらのデータは最も典型的には、4つの原色の着色剤シアンC、マゼンタM、イエローYおよびブラックKそれぞれに対して画素当たり8ビット、すなわち全部で画素当たり32ビットである。
 また全階調(contone)−半階調インターフェース(「CHI」)114も従来どおりであり、その動作は、特に画像のハイライト領域において、比較的濃い色彩の着色剤CおよびMのための信号を分割し、精細なグラデーションをより細かく制御できるようにすることを含む。この分割プロセスは、明るいシアンおよびマゼンタc、mを含むデータ115を、ここでは合計6つの着色剤それぞれに対して画素当たり2ビット、すなわち全体として12ビットで生成する。CHIは6つの結果として生成される色平面の全てを半階調にする。
 半階調のデータは次に、書込みシステムライブラリ116に進み、書込みシステムライブラリ116では、適当なプリントマスキング方式のための構成ファイルおよび他のデータ、ならびにアルゴリズムが選択され、用いられる。たとえば、そのライブラリからのデータ121は、Shakesマスターシステム125によって駆動される従来のマスキング123に進むことができ、システム125は通常、システム内の各入力画素値、および各着色剤(すなわち、個々のノズルアレイ)のための単純な二値のポジマスク126を与える。
 別法では、ライブラリからのデータ122は、同様にShakesシステム125によって駆動される、本発明の好ましい実施形態によるホワイト・ドロップマスキング124に進むことができる。この場合に、生成されたマスキング127は、最も高い値を除く各入力画素値のための単純な二値のポジマスクと、最も高い値のためのホワイト・ドロップ(ネガ)マスクとを含む。
 このようにして、ホワイト・ドロップマスクは、6つの各着色剤について個別に自動的に選択される。しかしながら、実施形態によっては、明るい色は全く減少されない。それらは主に、対象となる濃いインク吐出もアーティファクトも通常は問題にはならない、ハイライト領域内の粒状性を回避するために用いられる。
 最終的な出力ステージ128では、マスクが画像データに適用されて、個々の印刷パスにおける個々のノズルのための発射制御信号が生成される。この時点で、ホワイト・ドロップマスクの減算的な特性が作用し始め、最も高い画素値が現れるときには必ず、より低い値のマスクのうちの1つから1ビット以上が差し引かれる。
 ここで、ホワイト・ドロップ処理のためのデータフローが、マスキングプロセス124から最終出力ステージ128に与えられるマスキング構造127の特性だけを除けば、従来の動作のためのデータフローと概ね同じであることが明らかになる。したがって、本発明の好ましい実施形態の主な利点は、従来の方式と異なる点が、ドロップテーブル、構成ファイルおよびマスクの変更に概ね限定されること、言い換えると、ハードウエアおよび実行可能なファームウエアではなく、より容易にアクセス可能なデータ形式の変更に限定されることである。
 本発明のこの境界バンディング形態の好ましい実施形態は、走査型プリンタおよびページ幅・帯状域高さアレイの両方に適用することができる。境界におけるインク融合の問題は、これら両方のシステムの場合に概ね同じである。しかしながら、本発明の適応的なアーティファクト補正形態(以下に説明される)は、ページ幅帯状域アレイ等に関して幾分効果が小さい場合がある。なぜなら、各ノズルが、行ではなく、個々の画素のみを生成するためである。
 [(f)マスクの詳細]
 先に説明されたように、Shakesシステムは、1つの予備レベル、すなわち、どのような場合でも、予備であると表明されることができ、それにより本発明の好ましい実施形態の目的に流用されることができるレベルを有するのが一般的である。
 いくつかの好ましいホワイト・ドロップの実施形態は、その予備の色値レベルを、デフォルトで0である、マスキングの対応する第3のレベルに割り当てる。しかしながら、そのレベルのある特定の位置にあるビットは0以外の値に設定され、それによりこれらが、いわゆる「負のインク滴」に対応するものと表明される。
 物理的に、かつ文字通りに言うと、インク滴は負になることはできない。実際のインク滴は物理的な物質を有し、正のみである。
 それゆえ、先に示唆されたように、負あるいは仮想インク滴の概念は、観念的な構成物であるに過ぎない。それにより、本発明の好ましい実施形態にしたがって、アーティファクトの補正あるいは軽減の処理が容易になる。詳細には、マスクレイヤが負のインク滴および正のインク滴の場合に自由に定義されることができ、その後、そのようなレイヤが、実際の正のインク滴レイヤに対して補正あるいは修正として加えられることができる。
 たとえば、ホワイト・ドロップマスクは以下の通りである。
 1000010000101100
 2000020000202002
 0020200002020000
 3003003000003030
 0000030030030003
 0404000400000400
 0400004000400440
 0010010000100001
 このマスクが負のインク滴を含むものとみなされるとき、それは「減少マスク」と呼ばれることができ、メインマスク(第1のインク滴マスクおよび第2のインク滴マスク)から区別される。さらに、それは、次で説明されるように、帯状域境界にのみ影響を及ぼすという点で、従来の減少マスクとも区別される。
 サブセクション(b)において取り上げられた例の場合のように、この例は予め、8ノズルプリントヘッドで4つのパスをプリントするものと仮定する。そのテーブルはいわゆる「シングルマスク(shingle mask)」であり、それにより、Shakes規約が第1のパス、あるいはページ幅・帯状域高さアレイの場合を含むためには、第1のインク吐出インストールメントのための帯状域に直に割り当てられる。
 他のインストールメントの場合、マスク回転あるいは自動回転によって、異なるマスク行が次々に帯状域境界に動かされ、各帯状域が境界減少を受け取るようにする。パス2の場合、帯状域境界はマスクの第2の行と第3の行との間にある。パス3の場合は第4の行と第5の行との間にあり、パス4の場合は第6の行と第7の行との間にある。そのようなマスキングは、個々のパスにそれぞれ適用するために、このシングルマスクから、対応する数の二値マスクを生成する、従来のShakesプロセスを用いて実施される。
 シングルマスクは最も上側および最も下側の行に沿ってエントリ「1」を有し、それらの2つの境界に沿って、いくつかの負のインク滴がパス1において適用されることになることを指示する。こうして、パス1はマスクの最初および最後の線においてのみ減少され、それは、合わせて考えてみると、そのパス、および同様に残りのパスの場合に、最も上側および最も下側の帯状域境界に対応する。
 それらの線においても、インクの吐出を完全に減少させることではなく、むしろ、融合によって生成された、概ねエリア塗潰しに相当する背景上の過剰なインク吐出のみを減少させることが意図される。それゆえ、「1」のエントリはいずれかの境界に沿った全ての画素内に現れることはなく、この特定の例の場合には、均一に付着された1滴のインク吐出からなる、合計で概ね25%〜31%の間隔をおいて配置される画素内にのみ現れる。
 このマスクにおけるパス数はその行に沿って規則的に間隔をおいて配置されることが好ましい。規則的な間隔そのものが、モアレあるいは他のアーティファクトをもたらすことになる繰返しパターンを生成することができる。
 簡単にするために、このサイズを縮小した例は、左側および右側端の境界に沿った負のインク滴を除外する。実際には、境界アーティファクトは画像全体のうちの左側および右側エッジに沿って非常に顕著になるので、帯状域端部において特に融合を受けやすいプリンタの場合に、ページ幅のマスクを使用中であり、そのような配置が容易である場合には、ホワイト・ドロップビットがそこに含まれる。より狭いマスクの場合であっても、融合の影響を大きく受けやすい場合には、特別な左側および右側エッジのマスクを用いることができる。
 より強い減少要件の場合、上記のような複数ビットのホワイト・ドロップも実現可能である。さらに、減少領域の外形はエッジに厳密に沿った行あるいは列には限定されず、その代わりに、各帯状域のエッジから内側に2つ以上のインク滴を延在させるように形成されることができる。後者の場合、平均間隔は、画素がエッジから徐々に離れていく場合に、徐々に疎らになっていくようになり、融合の傾向を反映して、表面張力が低い領域に向かって徐々に消えていくようにすることができる。
 上記のテーブル内の右下の画素(すなわち、サブセクション[b]における2つを含む)を見ると、ここでシステムの振る舞いは画素値に依存しており、第3のマスクが減算的に作用することを思い起こすと、以下のようになる。
 画素
 値    動作
 00   印刷しない
 01   第1のマスクをプリントする(すなわちパス4上にインク滴を付着する)
 10   第1および第2のマスクをプリントする(パス1、4上にインク滴を付着する)
 11   第1ないし第3のマスクをプリントする(パス4上にのみインク滴を付着する)
 最後の線については、パス1は、レベル11によって指定されるホワイト・ドロップを適用する(すなわち、減算)前には1つのインク滴を有し、その後にはインク滴は持たない。
 同じ結果を達成するつもりで、レベル11を第1のマスクのみに割り当てることを提案することもできるが、この手法は有効ではないであろう。そのシステムは位置および値の両方に依存するので、その結果は異なる。その違いは、注目する1つの画素を左に(依然としてマスク上の最後の行上にある)シフトすることにより明らかになる。
 画素
 値    動作
 00   印刷しない
 01   第1のマスクをプリントする(すなわちパス2上にインク滴を付着する)
 10   第1および第2のマスクをプリントする(パス2、4上にインク滴を付着する)
 11   第1ないし第3のマスクをプリントする(パス2、4上にインク滴を付着する)
 この形態では、第3のマスクはインク滴を全く減算しない。この例は、ホワイト・ドロップマスクによって支配される画素の減算は以下のようになる:
  所与の値の場合に位置に依存する:値11によって、1つのインク滴が右下の画素上に印刷されるようになるが、その左側に隣接する画素の場合には2つのインク滴が印刷される;
  所与の位置の場合に値に依存する:ある特定の色が値10の半階調にされ、その位置において2つのインク滴を受け取ることができ、あるいは値11の半階調にされ、同じ位置において1つのみのインク滴を受け取ることができる。
 ホワイト・ドロップマスク内の0以外の数は、必ずしも第1のマスク、および必ずしも第2のマスクとは限らないが、2つの実際のインク滴マスクのいずれかに存在するのと同じ数に対応する。たとえば、値11が、減少を指示される場所において印刷されなければならないとき、そこでは、2つではなく、1つのインク滴が発射されることになるが、減算されたインク滴が、必ずしも「第2のインク滴」と呼ばれるものであるとは限らない。それは単に、2つのインク滴の代わりに、1つのインク滴が発射されるということである。
 [(g)マスク生成]
 ホワイト・ドロップマスキング手順の好ましい実施形態は、「ShakeSmall」と呼ばれる、ヒューレット・パッカード社のDesignJet5500プリンタにおいて実行されるように開発されたShakesの簡略化された形態のプログラムの一部である。以下の説明は、先に掲載された特許明細書のうちのいくつかを含む他の特許明細書において取り上げられる他のプリントマスキング機構(ノズルの指示誤りを隠すこと、およびプリントマスクのランピング)が迂回されるという点で、簡略化される。
 好ましい手順は4つの大まかなステップを有し、そのうちの最初の2つがShakesおよびShakeSmallの一部である。
・いくつかの規則を用いて、実際の正のインク滴マスクを生成する
・それらのマスクを保持する
・ホワイト・ドロップマスクのための規則を定義する
・入力としてそれらのマスクおよび規則を用いるアルゴリズムを実行する
 各色平面のための出力は新たなマスクであり、その最後のレベルは負のインク滴に対応する。これらのステップは、以下に示される、対応する4つのサブセクション(h)〜(k)においてさらに取り上げられるであろう。
 [(h) 実際のドロップマスクの生成]
 上記のマスクは、Joan−Manel Garciaによる、以下のスクリプトで作成されている。
 matrixfirstMat#これはタイプマトリクスのオブジェクトfirstM
               #atを定義する。これはウエイタであり、設計制約を
               #定義する。
  {010}
  {1×1}
 endmatrix
 greedyMask mk1
  define{
   size(16,8)  #サイズ(幅、高さ)
   passes4
  }with{
   firstMat1.0 #重大度1.0でfirstMatをウエイタとして用              
               #いる
  }
  random0.9
 endGreedyMask

 constraint intermask
   default1.0
    (0,0)[0:0.0]
 endconstraint

 greedyMask mk2
  define{
    size(16,8)  #サイズ(幅、高さ)
   passes4
  }with{
   firstMat1.0 #重大度1.0でfirstMatをウエイタとして用              
               #いる
  }
  random0.1
 endGreedyMask

 multiMask mk
  addlayer mk1
  addlayer mk2
 endMultiMask

 output mk to mask−4ps−2d.scm
 [(i)マスクを保持する]
 上記のスクリプトにおいてShakesを実行する結果、「正」のマスクが生成される。
 S1
 #幅 高さ
 16 8
 #パスdpp
 4
 2
 #データ
 4142341413121313
 3414124241312142
 1231242423431434
 3142313212142121
 4213132434324212
 1421413241212424
 4214341423421241
 3431212132143124

 1214214141434142
 2143431424241214
 4324323142124121
 1213241323213432
 2342424141431343
 4134142414324131
 1421214232142414
 2314323423414341
 [(j)ホワイト・ドロップマスク規則を生成する]
 この例の場合、帯状域の最初および最後のノズルは50%だけ減少されるであろう。この50%と言う数字は、減少させるためにそれぞれ取り得る位置の場合に、ある特定のインク吐出インストールメントにおいて実際に減少させるか否かを判定することが、コイントスと統計的に同じであることを意味している。
 上記のように、この例の場合、プリントヘッドは8つのノズルを有する。
 whiteRamp
  nozzle:1 value:500 gamma:1000
  nozzle:2 value:0 gamma:1000
  nozzle:7 value:0 gamma:1000
  nozzle:8 value:500 gamma:1000
 endWhiteRamp
 上記の構文は、減少曲線をノズル数の関数として定義する。各ノズルの場合の関数を定義するのではなく、そのプロトコルはインターバルによってそれを定義することができる。
 上記の例では、ノズル2からノズル7のインターバルの値は補間されることになる。パラメータ「gamma」は補間規則を設定するが、個々の定義される値(ノズル1および8の場合のような)がgammaを置き換える。
 この例の場合、定義されるインターバルはフラットである。それゆえ、2から7の全てのノズルは0の値を有するであろう(すなわち、それらは減少されないことになる)。最大許容値は1000に設定され、ノズル1から8の所望の50%減少を得るために、それらの2つのノズルの場合の値が500に設定される(500/1000=0.5)。
 所望の分数減少の適用は単に統計的なものである。それゆえ、所望の値、すなわちここでは50%に非常に近い実際の減少を達成するためには、かなり幅広のマスクが必要とされる。
 この「実際の減少」は、完成したマスクの場合の、あるパス数がマスク3内のある行内に現れる回数と、同じパス数がマスク1内の同じ行内に現れる回数との間の比である。この例では、適度なマスクサイズの場合に、実際の減少値は40%〜60%の範囲において見いだされるであろう。
 [(k) 新たなアルゴリズムの定義と実行]
 このアルゴリズムは入力として、サブセクション(i)の正のマスクと、サブセクション(j)の「whiteRamp」スクリプト規則とを取り込む。出力は新たなマスクであり、その最後のレベルは「負の」インク滴に相当する。
 S4
 #幅 高さ
 16 8
 #パスdpp wdmask
 4
 21
 #データ
 4142341413121313
 3414124241312142
 1231242423431434
 3142313212142121
 4213132434324212
 1421413241212424
 4214341423421241
 3431212132143124

 1214214141434142
 2143431424241214
 4324323142124121
 1213241323213432
 2342424141431343
 4134142414324131
 1421214232142414
 2314323423414341

 1000010000101100
 2000020000202002
 0020200002020000
 3003003000003030
 0000030030030003
 0404000400000400
 0400004000400440
 0010010000100001
 そこで、システムはサブセクション(h)内のファイルを「自動マスク生成アルゴリズム」(Shakesプログラムである)と呼ばれるモジュールに供給することにより開始し、サブセクション(i)のファイリング、すなわちマスクを出力する。その後、サブセクション(i)および(j)、ホワイト・ドロップ定義が新たなモジュール「ホワイト・ドロップマスク自動生成」に入力され、その出力がこのサブセクション(k)に示される。
 後者は別の新たなモジュール、「フォーマット変換」に入り、そこで、低レベルのマスキングアルゴリズムための二値パターンが生成される。この二値パターンは最終的に、通常のプリントマスキングのようにして、2ビットのラスタ化された画像と合成され、印刷される。
 通常は、(h)および(j)のファイルがプリンタ内のハードディスクドライブに保持されるが、任意の他の種類の不揮発性メモリを用いることもできる。別法では、それらは、それらを印刷されることになるファイルのヘッダに添付して、プリンタドライバによって供給されることができる。
 [(l)ホワイト・ドロップマスクの起動]
 プリンタ内のマスターShakesあるいはShakeSmallプログラムのための構成ファイルでは、フラグが設定されることになる。それは、たとえば「whiteDrop1」と呼ばれる場合がある。
 使用中のプリントマスクが全画像帯状域よりも小さい場合には、左側および右側画像エッジは通常、そのような境界バンディングに対して処理されない。それらの位置のための特別なマスキングを行うことができるが、通常これは費用対効果がない。
 各帯状域の上側および下側エッジの場合、ShakeSmall内で、ホワイト・ドロップマスキングは、ノズル終端ランプ関数の形態で定めることができる。次に、各プリントヘッドの場合の関数が定義され、そのシーケンスがCMYKcmである。
 whiteRamp
  nozzle:1 value:0 gamma:1000
  nozzle:502 value:0 gamma:1000
  nozzle:503 value:500 gamma:1000
  nozzle:504 value:0 gamma:1000
 endWhiteRamp

 whiteRamp
  nozzle:1 value:0 gamma:1000
  nozzle:502 value:0 gamma:1000
  nozzle:503 value:500 gamma:1000
  nozzle:504 value:0 gamma:1000
 endWhiteRamp

 whiteRamp
  nozzle:1 value:0 gamma:1000
  nozzle:502 value:0 gamma:1000
  nozzle:503 value:1000 gamma:1000
  nozzle:504 value:0 gamma:1000
 endWhiteRamp

 whiteRamp
  nozzle:1 value:500 gamma:1000
  nozzle:2 value:0 gamma:1000
  nozzle:335 value:0 gamma:1000
  nozzle:336 value:200 gamma:1000
  nozzle:337 value:0 gamma:1000
  nozzle:503 value:0 gamma:1000
  nozzle:504 value:1000 gamma:1000
 endWhiteRamp

 whiteRamp
  nozzle:1 value:0 gamma:1000
  nozzle:502 value:0 gamma:1000
  nozzle:503 value:500 gamma:1000
  nozzle:504 value:0 gamma:1000
 endWhiteRamp

 whiteRamp
  nozzle:1 value:0 gamma:1000
  nozzle:502 value:0 gamma:1000
  nozzle:503 value:500 gamma:1000
  nozzle:504 value:0 gamma:1000
 endWhiteRamp
 これらの値は、印刷媒体、インクおよびプリントモードのある特定の組み合わせの場合に当てはまり、これらの各パラメータとともに変化する。
 1つの好ましい構成は3パスモードであり、全600のノズルのうちの504ノズルでのみ印刷を行う。通常は、最後のノズルに隣接するノズルが減少され、結果として、最後の行内のインクが1ビットを、最も上側(減少される行が存在する場所である)、および最も下側(乾燥している)まで、より均一に広げることができる。
 その最後の行に隣接する行は通常、C、M、cおよびmペンの場合に半分減少され、Yの場合に完全に減少される。Kヘッドの場合には、さらに複雑な規則、すなわち最も上側および最も下側の場合にそれぞれ半分および完全減少が採用される。また、以前のパスの帯状域境界に偶然入る中間の行のうちの1つも減少される。504の全ノズル数および168行の印刷媒体前進の場合、それは、ノズル504−168=336である。
 本発明の最も有効な実施態様では、特定の環境、および媒体、インク、プリントモードの組み合わせのそれぞれの場合に、全ての設定値が試行錯誤で見いだされることが有利である。したがって、インクと媒体との振る舞いに関して、厳密な説明および確固たる理論を述べることはできない。
[2.適応的なアーティファクト補償]
 [(a)他のアーティファクトの場合のホワイト・ドロップ方法]
 ホワイト・ドロップマスキングは、最初は境界アーティファクトに対処するために開発されたが、それらの特定のアーティファクトの除去を越えて非常に強力であることがわかってきた。その全体的な目的は、境界アーティファクトを低減することにより、高速で、パスが少ないプリントモードにおいて印刷品質を高めることだけでなく、他の水平バンディングおよび他のアーティファクトを低減することである。
 そのような他のバンディングは、本明細書の「背景技術」のセクションにおいて略述された少なくとも2つの態様、すなわち用紙軸においてプリントヘッドノズルが誤った方向を向くことと、帯状域の高さ誤差(SHEあるいはSWE)とにおいて生じる。これらのアーティファクトも、ホワイト・ドロップマスク生成に基づく補償アルゴリズムを利用することにより効率的に低減される。
 先に述べられたように、これらアーティファクトは、全ての帯状域に対して本質的には位置を特定されない。たとえば、境界アーティファクトの場合のように、予め各境界に沿った、融合が画定された細長い領域内には存在しない。しかしながら、それらは、一旦定められると、特定のノズルに関連する現象に由来するので、一般的に、ある帯状域に対する場所内で繰り返される。
 同様に、そのような各アーティファクトの強さは予めわかっていない。しかしながら、それは多くの場合に、数日あるいは数週間のような少なくとも短い時間にわたって繰り返される。
 [(b)適応的なホワイト・ドロップ補正]
 したがって、これらのアーティファクトの場合、境界アーティファクトと比較して、主な出発点は、アーティファクトが補正可能になる前に、各プリンタのプリントヘッドの各組のために、強さの厳密なアーティファクトプロファイル対場所が最初に見いだされなければならないことである。帯状域バンディングは、ほとんどの場合、ヒータ発射誤差、ノズルの閉塞または方向ずれ、機械前進誤差およびインク−媒体作用(融合)に依存する統計的なパターンで生じる。
 そのようなこれらの原因となる要因を知る必要はなく、現在のパターンだけが必要とされる。それは、少なくとも高性能のインクジェットプリンタに既に備えられている較正装置および手順によって容易に判定することができる。そのような判定を行うための種々の代替技法が、たとえば程度に差はあるが、Baker、Bockman、Borrell(’858)、SolerおよびSubiradaの特許明細書を含む、先に掲載された関連する特許明細書のいくつかにおいて導入される。
 たとえば、そのような2つの手順は、ペンの調子および印刷媒体前進誤差を測定する。これらのプロトコルは用いるのが容易であり、その測定結果は、ホワイト・ドロップマスク生成の制御に簡単に向け直される。その全体的な手順は、それがプリンタ動作を、境界アーティファクトを含むアーティファクトプロファイルの現在の任意の組に適応させ、結果として大抵の場合に、適応的なシステムのみが操作される必要があるという意味で、適応的である。
 こうして、好ましい実施形態は、現在のバンディングパターンについて情報、あるいは所望によりこれらのパターンを人が視認するシミュレーションを入手することと、その後、この情報に基づいて、プリンティングマスクの発生を制御することとを含む。
 その測定および制御ループは、各プロット、あるいは先行するグループからの異なるタイプのプロットの各グループ、あるいは日あるいは週等の開始時に動作することができる。それらは全て、利便性と全体品質との間でユーザが選択するトレードオフに依存する。先に記載されたように、最も典型的な場合には、これらのタイプのバンディングを引き起こす機械条件は、数日あるいは数週間の期間にわたって比較的安定している。しかしながら、商用の価格で販売されることになるハードコピーのために機械が用いられる場合には、あるいは芸術的な成果が期待される場合には、プロット毎に較正し直すことがおそらく妥当である。
 この情報を用いて、マスク発生器は、ペン毎に異なるホワイト・ドロップマスクを生成し、空白の発生を、ペンの状態およびそのプリントモードの累積的なバンディングに適合させることができる。言い換えると、ホワイト・ドロップマスクは、ペン間、機械間およびプリントモード間での変動に適応される。
 帯状域の高さ誤差については、マスク発生器を通過させるために、先に説明された帯状域の高さと印刷媒体前進との間の変動の影響が、機械の較正プロセスによって検出され、測定される。その結果は、その状況に応じて、水平領域から、より多くのインク(図1B)あるいはより少ないインク(図1C)を取り消すことである。同じような補正が、内部エリア塗潰しの不均一性の場合にも行われる。
 この手法は、動作モードに関する制限と、時間がかかる較正とを回避する。着色剤と用紙前進とのそれぞれの組み合わせの場合に、1つのパッチを走査することのみが必要とされる。上記のセクション1のマスク生成手順は、この状況に容易に適合し、主な違いは、所望の減少プロファイルが、工場で、あるいは開発中に観測される境界バンディングに基づいて指定されるのではなく、測定から動的に見いだされることである。
 [(c)2段階補正]
 本発明の好ましい実施形態は、各着色剤によって個別に帯状域140内に生成される濃い筋142(図3A)および媒体の濃い筋143からインクを減少させることができるホワイト・ドロップマスクを用いることにより、各ペンの場合のバンディングを個別に補償する。こうして、本発明の好ましい実施形態は、先に説明された必要性を排除し、全ての異なるペンの要件の間の非常に微妙な妥協点を見つける。
 全てのエリア塗潰しの不均一性の組み合わせは、前進軸に沿って、光学濃度の平均値からの微妙な変化を引き起こす。測定されるとき、これらは通常、ある特定の離散した低空間周波数帯および高空間周波数帯に大きく関連することがわかる。
 本発明の好ましい実施形態は、これらのインク濃度の変動を測定し、それらの測定から最適なホワイト・ドロップマスク144(図3B)を決定して、その変動を補償する。再び、この補償は、妥協としてではなく、ペン毎に個別に実行される。
 このプロセスは、所定の値よりも低いインク濃度で均一なエリア塗潰しプロファイル140’’(図3C)を生成する(ある量のインクが除去されている)。それゆえ、元の色の深みを維持するために、第2のステップ145において、取り消されるインクの(通常)平均値に比例して、インクの制限が増加される。
 入力(図3A)が均一なエリア塗潰しであった場合には、その最終的な結果は、バンディングを補正されたエリア塗潰し140’’’である(図3D)。代わりに、その入力が所望の画像であった場合には、その出力はその画像のバンディングを補正されたものであり、全体を通して、その入力に応じて、同じ2段階補正144、145が適用される。
 [(d)符号付の補正]
 別の使用モードでは、符号付の調整、すなわちバンディング誤差の符号を代数的に算出するのに応じて負あるいは正のいずれかを適用することにより補償が行われる。このアプローチは、負および正のバンディングを取り扱うことができ、より直接的であると思われ、上に述べられた第2のステップを不要にするが、いくつかの制約も有する。
 比較的簡単なものでは、各マスクレイヤのための符号を保持するために、少なくとも1つの付加ビットを有する必要がある。これを果たすための有利な一方法は、使用中のマスクレイヤ毎に、符号用の1つの付加マスクレイヤを追加することである。その際、各色ビット調整レイヤは、関連付けられる符号レイヤに従って操作される。
 より重大な制約は、淡い筋の場合に、画像内の濃い測色値が、対応する高いマスクレイヤを自動的に選択して、色の調整が必要とされる場所を特定することをもはや想定できなくなることである。それゆえ、背景にある画像の輝度に対してインクを除去、あるいは加える量を自動的にスケーリングすることができない。
 激しい色飽和領域内の融合に対して想定される相関が、そのような場合にはもはや成り立たないので、インク吐出が、比色分析の飽和とは無関係に調整されなければならない。それゆえ、ある画像のハイライト領域において、インクが除去されるか、加えられる場合がある。
 [(e)従来の減少およびプロプレションとの比較]
 Borrell特許明細書は、プリントマスキング機能を用いて、パス間のようなプロプレションを分割するか、あるいは別法では、全てのBorrellのプロプレションインク滴を従来のインク滴とは別のパスにおいて付着することを述べる。しかしながら、Borrellの特許明細書は、プロプレションインク滴を配置する場所(すなわち画素)を画定するために、プリントマスキング機能を用いていない。
 Borrellのシステムでは、プリントマスキング機能は、基本画像ファイル内に表現される色値のみによって決定される。この点に関して、Borrellのシステムは、以前の、より幅広く用いられている減少機能に類似である。そのいずれも、画像データのみに基づいて場所を特定する。
 対照的に、本発明の好ましい実施形態は、インク吐出調整画定マスクとして、1つあるいは複数のプリントマスクを利用する。減少あるいは追加が、どのパスにおいてだけではなく、どの場所に、どの程度適用されることになるかを、挿入されるビットが厳密に定義する。これらの実施形態は、主にプリントマスキングのために定められる非常に大きなプログラミングおよび記憶インフラストラクチャを利用する。
 ある場合には、ビットのパターンは工場においてそのマスク内に配置される。この補正用のパターンは、予めわかっている境界バンディングのパターンおよび大きさを反映する。
 それとは異なり、他の場合には、アーティファクトの現在のパターンおよびその大きさが、先に述べられたような関連する特許明細書に説明されるいくつかの技法のうちの任意のものを用いて、テストプロットを印刷し、走査することにより、その領域内で取得され、その後、補正用のパターンを得るために判定される。この補正パターンはその後、先の段落において記載された場合のように、1つあるいは複数のマスクに挿入される。
[3.混色ホワイト・ドロップおよび適応マスキング]
 [(a)ホワイト・ドロップ技法の制限]
 「背景」のセクションにおいて指摘されたように、混色に関連付けられる境界アーティファクトは、単一の原色の着色剤に関連付けられるようなアーティファクトよりも除去するのがはるかに難しい。より具体的には、本明細書において理解されることができるように、上記の2つのサブセクションに記載されるようなホワイト・ドロップマスキングおよび適応的な補正は、そのような混色に対応することができない。
 それらは、他のものとは無関係に、別々に考慮される着色剤のうちのそれぞれ1つにおいて指定されるインク吐出量の多いレベルにのみ対応することができる。単一の色平面内の各画素のマルチビット値を用いてホワイト・ドロップマスクが起動されるとき、それは、マルチレベル誤差拡散アルゴリズムの平面固有の出力値に依存し、したがって、単一のペンからの高濃度のインクを有する帯状域境界エリアにのみ影響を及ぼす。
 先に略述されたようなホワイト・ドロップマスキングは、よく見られることであるが、単一の減法混色の原色において時おり視認される境界アーティファクトおよび他のアーティファクトを、そのアーティファクトの発生のかなりの部分を相殺して無効にする際に優れている。しかしながら、混色は、任意の単一の原色において高い飽和を生じることなく、全体として激しくインクが吐出されるようになる。
 要するに、高い値の色信号は、一度に1つだけの色信号チャネルを通して排他的にホワイト・ドロップマスキングシステムに伝達されることができる。この場合に、単一の色チャネルが濃い色信号を含まないとき、高い飽和を生じる混色は、ホワイト・ドロップマスキングシステムに伝達されることができない。
 Nペンシステム内の各ペンが単一のインク滴を同じ画素に付着するという最悪の場合について考えてみる。通常は、1つのインク滴が、境界アーティファクトを生成するだけの十分大きい融合を引き起こすとは考えられない。それゆえ、この特定の概ね飽和している(N個のインク滴の全てが堆積されている)状況では、現在のホワイト・ドロップマスクでは、減少は生じないであろう。
 ホワイト・ドロップマスキングは、一般的ではないが、少なくとも1つのチャネルが高い信号を有するときにのみ、混色領域内の境界アーティファクトおよび他のアーティファクトを適切に補正することができる。したがって、そのようなマスキングでは依然として、アーティファクトの発生のかなりの部分が修正されないままである。
 上に詳述された方法およびシステムのさらに別の制限は、ドロップテーブルの最後のレベルが、ホワイト・ドロップマスクの代用物としての役割を果たすように流用されるので、二値マスク定義の場合のドロップテーブルの最後のレベルが失われることである。3つ以上のインク滴は、パスの少ないプリントモードでは稀にしか発射されないが、ある場合には、この制限は重大になる場合がある。
 [(b)マスクレイヤではなく、新たな色平面]
 しかしながら、本発明の他の好ましい実施形態は、ある領域内に堆積される全インク量の関数として、すなわち、ホワイト・ドロップマスキングで達成されるような原色の場合だけでなく、混色の場合にも、帯状域位置特定インク減少を提供する。したがって、これらの実施形態は、ホワイト・ドロップマスキングの利点を、言わばプリンタ全領域のかなりの部分である混色方式に拡張する。
 逐次印字式プリンタ内のデータパイプラインは並列処理である。たとえば、一方の151〜157(図4)では、印刷されることになる画像が予備処理され、他方の161〜169では、各ペンのノズルの調子を考慮して、プリントマスクが特定の印刷時間のために準備される。
 2つの経路は、マスク169をデータ157に適用する最終色マスキングモジュール171において合流する。本発明の好ましい実施形態の目的を果たすために、この全ての処理において実際の色データおよびマスクとともに並列に搬送されるのが、「イレーサ」あるいは「ホワイト・ドロップ」機能である。
 これらは、イメージングサブパイプ内のイレーサ平面153’、155’、157’、およびマスキングサブパイプ内のホワイト・ドロップマスク168、イレーサマスキング172、実際の色データへのその適用174、175である。イレーサ平面は、全インク吐出から、すなわち集合体として(個々の平面の場合ではなく)全ての実際の色平面を考慮することから導出されるデータを含む。それゆえ、イレーサ平面は、混色内の多いインク吐出量に対応することが好ましい。
 それらのイレーサ/ホワイト・ドロップ機能を除いて、そのシステムは概ね従来どおりであり、イメージングサブパイプラインでは、典型的には画像データ151の4つの平面がインク制限および平面分割プロセス152を通過し、その後、データの6つの平面(+イレーサ平面)として線形化およびマルチレベル誤差拡散ユニット154に進む。全てのこれらのデータは画素重ね合わせ(superpixeling)156にかけられ、その後、色データマスキングブロック171に進む。
 一方、マスキングサブパイプでは、先に記載されたGarcia明細書、特に’556特許に述べられるように、いわゆる「下ごしらえされたマスク」161が不揮発性メモリに保持される。機械の各ノズルの調子を規定する現在のノズルマップ162が取得されており、いわゆる「再加熱」プロセス165において、下ごしらえされたマスク161および色ランプ163と合成される。
 結果として生成される、いわゆる「調理済みの色マスク」167が、先に記載された明細書においてShakesシステムおよび下ごしらえされたマスキングとして教示される。ただし、ホワイト・ドロップマスク168を含む点は除く。全ての7つのマスクは、半階調用サブパイプ151〜157からの画像データ157を満たすために、色データマスキングステージ171に渡される(169、169’)。
 その特定のステージでは、ホワイト・ドロップマスク168が、統合イレーサマスキング機能172においてイレーサ平面と重畳される。ちょうどこの時点で、そのシステムは帯状域において位置を特定されたアーティファクト領域において、多いインク吐出量を特定できるようになる。さらに、イレーサ平面は混色に対応するので、この合流点においてシステムは、帯状域において位置を特定されたアーティファクト領域内の濃い混色インク吐出を特定することができる。
 好ましい実施形態では、色マスキングステージプロパー172および6つの実際の着色剤データ平面173も同じように、それをプリントエンジン177に適用する(176)時点で、従来のものから逸脱する。そのステージでは、再び好ましい実施形態において、本発明は先に記載されたイレーサマスク減算ステージ175の存在を含む。
 上記の基本的なホワイト・ドロップの細部(上記のセクション1および2)が示すように、位置を特定されたバンディング抑圧のためのアルゴリズムは、半階調およびプリントモード情報の両方を考慮することができ、結果として、インク吐出量の多いレベルが存在する場合にのみ、プリントマスクが帯状域境界において減少される。単独で考慮される画像パイプラインは、全体としてプリントモードパラメータについて無知である。すなわち、画像パイプラインは、帯状域境界が生じることになる場所についての情報を入手することができない。逆に、プリントマスクシステムは、ある特定の画像のためのインク吐出に関して無知である。
 基本的なホワイト・ドロップマスキングの好ましい実施形態は、画期的な考え方を採用する。すなわち、位置を特定された減少を可能にするために、2つの並列なプロセスからの情報を考慮する。このセクション3に述べられるような混色への拡張の好ましい実施形態の場合、インク吐出レベルに基づくプリントマスク操作の基本的なホワイト・ドロップの考え方は保持されるが、パイプライン内の異なる段階において適用される。
 先に提示された基本的なホワイト・ドロップの細部(セクション1および2)は、めったに用いられないマスクレイヤの利用可能性に焦点を当てるが、混色への拡張の好ましい実施形態は、そのやり方を捨てて、機械の色空間内の完全に新しいアーティファクトの次元を選択する。1つあるいは複数の付加的なイレーサ色平面が、実際の色およびマスキングデータの通常は6つの平面とともに、パイプラインのイメージングおよびマスキングの両方のブランチに導入され(153’、164、166’)、基本的には必要な計算法を実行する帳簿ページを与える。
 追加される1つあるいは複数の平面は、(従来の平面が果たすように)どの色が望まれるか、あるいはその色を導入するのにどのインクが与えられなければならないかを定義するのではなく、代わりに、取り消されることになるインクの場所およびインクの量を定義する。この定義は、プリントマスキングシステムがわかっている帯状域の配置と、半階調システムがわかっている、所与の位置の場合に別に指定される全てのインク量についての情報とに基づいて形成される。多くの場合に、後者の情報はインク制限(減少)アルゴリズムにおいて既に利用可能であり、そのアルゴリズムは半階調モジュールの一部である。
 イレーサ平面がパイプラインに導入される時点は、競合する検討事項に制約される。従来の色平面の場合のように、1つあるいは複数のイレーサ平面内のデータは、パイプの両方のブランチにおいて、イレーサ平面導入点から印刷エントリへの、下流にある全ての処理ステージを通過する。結果として、導入点が比較的離れた上流において生じるように設計することにより、システムの計算負荷が増加する。
 ヒューレット・パッカード社の製品のデータパイプラインでは、印刷エントリポイント171、172(図4)後の計算負荷は、導入点の選択には無関係である。なぜなら、印刷エントリ後に、各平面がとにかく無関係にマスクされるためである。
 上記のように、画像サブパイプへのイレーサ平面の導入と平行して、「イレーサマスク」(ホワイト・ドロップマスク)がマスキングサブパイプに導入される(164、168)。一般的に、この導入点はイレーサ平面の導入点に合わせられ、マスキング側の計算負荷は一般に、画像側の導入点の選択に追従する。しかしながら、原則として、マスキングにおける全計算は、画像レンダリングの計算の中の非常に小さな部分である。
 各候補導入点は、処理時間とメモリ管理との間の異なる妥協を提示する。
 ・[マルチレベル誤差拡散154の前153]
 このレベルでの「イレーサ平面」の導入は、計算上の効率が悪いが、イレーサ平面が誤差拡散プロセスを通過する際に、より良好な、パターニングに対する頑強性を提供する。
 ・[画素重ね合わせ後で、かつ印刷の前]
 このオプション(図示せず)は計算上の効率がより高い。なぜなら、新たな平面内のデータが印刷前にほとんど、あるいは全く処理を通過しないためである。しかしながら、それは、以前のもののようにパターニングに関する安定性に劣る場合がある。
 印刷の直前に、本発明のこの形態の好ましい実施形態は、従来どおりに供給される6つのマスクされた色平面173に加えて、所与のプリントモードに依存する位置において全インクがどの程度取り消されるかを記述する、少なくとも1つの付加的なマスクされたイレーサ平面174を有する。
 [(c)減算的な適用]
 パイプラインの端部において、位置を特定された減少プロファイルが上記のように定義された後に、イレーサ平面174が実際の色平面173から減算される(175)。すなわち、プリントヘッドに送信されるデータが、マスクされた色平面173内のデータではなく、マスクされたイレーサ平面174を引いたデータになるであろう。
 イレーサデータは、先に説明されたホワイト・ドロップマスクデータと同様に、必ずしも簡単な二値ではない。代わりに、それらのデータは、段階的な減少が望まれる可能性を踏まえて、全て適応的な補正測定結果の特性に従って、マルチレベルデータになる場合がある。
 このようにして、最終的なデータが、帯状域内の位置およびその位置における全インク量の両方を考慮に入れて、動的に生成される。イレーサ平面をイメージングおよびマスキングパイプラインに挿入するための導入点の好ましい選択は、平面分割およびインク制限プロセス152の範囲内にある。
 [(d)概観]
 ある付加的な処理時間またはメモリ使用量、あるいはその両方を犠牲にして、本発明のこの形態の好ましい実施形態は、先に詳述された基本的なホワイト・ドロップの実施形態より優れた利点を提供する。最も重要な利点は、ホワイト・ドロップ技法を混色に拡張することである。基本的なインクレベル依存性の、帯状域位置特定減少はここで、混色および原色の場合に容易に達成されることができる。
 別の利点は、マルチレベル誤差拡散プロセスの線形化閾値にもはや結び付けられず、それゆえ解像度に依存しない、より自由度の高いアルゴリズムによるインクレベル依存性を導入することである。さらに別の利点は、従来の減少手順の拡張、さらには差替えである。
 さらに別の利点は、従来通りに用いるためにドロップテーブルの最後のレベルを保存することである。そのレベルは、概ね飽和した比色分析レベルを解決する、その元来の機能に戻されることができる。
 さらに、本発明のこの形態の好ましい実施形態によれば、色当たりに1つではなく、わずか1つのホワイト・ドロップマスクを処理するように要件を低減することができる。先に示唆されたように、複数のイレーサ平面および複数のホワイト・ドロップマスクが本発明の範囲内にあり、実際に、特定の色特性のアーティファクトの場合に有用な場合があるが、混色への拡張の根本的な実施においては必要ではない。
 [(e)マスキングの詳細]
 ホワイト・ドロップマスクを定義するために、マルチビットパイプラインが必要とされる。標準的には、画素当たり2ビットが用いられ、それにより0以外の3つのレベル、01、10および11が与えられる。これらの3つのレベルは、色マスキングモジュールに入る前に、1つあるいは2つのインク滴に割り当てられる。
 以前のマッピングは以下の通りであった。
 レベル01   1インク滴
 レベル10   1インク滴
 レベル11   2インク滴
 これは、実際の「色」平面の場合の画素当たりのインク滴として色マスキングアルゴリズムの入力(CLRMAT)を生成する。たとえば、ここで、わずか3つのノズルのペンと、サンプル画像のためのこの任意のビットパターンとを仮定すると、色平面は以下のようにすることができる。
 111202
 010110
 112001
 2パスプリントモードの簡単なチェッカーボードマスクを用いてその例を示す。
 第1のインク滴(CLRMSK)の場合
 121212
 212121
 121212
 第2のインク滴の場合(第1のインク滴マスクに相補的である)
 212121
 121212
 212121
 二値形式でプリンタペンに送信されるとき、これらのマスクによってマスクされる上記のサンプル画像はこれらのインク吐出を生成する。
 第1のパスの場合
 101101
 010100
 101000
 第2のパスの場合
 010101
 100010
 011001
これは、右下の画素において、第1のインク滴がパス2上で発射されようとしており、第2のインク滴がパス1において発射されようとしていることを意味する。しかしながら、発射されることになるインク滴の量は1であるので、この画素位置では、パス1においてのみ1つのインク滴が堆積される。インク滴値が2である右上の画素では、パス1およびパス2の両方において1つのインク滴が堆積される。
 ここで、混色へのホワイト・ドロップの拡張の好ましい実施形態は、通常の色平面から、ある特定の機能に依存して構築される付加的なイレーサ平面を導入する。1つの非常に簡単な関数は、7つの色平面の全階調値vの正規化された和、(vC+vM+vY+vK+vLM+vLC)/6である。しかしながら、最終結果が実際に全階調平面の値範囲に正規化される場合には、任意の依存性が実現可能であるように思われる。
 先に指摘されたように、イレーサ平面は、一旦導入されると、実際の色平面と同じ処理、すなわち線形化、マルチレベル誤差拡散(半階調)および画素重ね合わせを受ける。最終結果は、実際には各画素において減算されることになる負のインク滴の数を含む行列である。
 以下に記載されるのはイレーサ平面の一例であるが、ホワイト・ドロップマスクあるいは最終的な減少行列ではなく、激しくインク吐出した場所を定めるイレーサ表面のみを示す。恣意的ではあるが、この例は原理的に、先に示されたサンプルの1つの色平面に関連付けられることができる。ここに示されるサンプルイレーサ平面は、画素当たりのインク滴である、色マスキングアルゴリズムの入力である。
 イレーサ平面(EPMAT)
 101102
 010210
 011000
 パイプラインのプリントモード経路から、イレーサ平面のためのホワイト・ドロップマスクが作成される。このマスクはマルチレベルのマスクにすることもできるが、線形減算の場合、インクが減少されることになる帯状域領域を画定する1つの平面のみを有する二値マスクが必要とされる。これはそのようなマスクの一例である。
 ホワイト・マスク(WDMSK)
 111111
 101010
 000000
この二値ホワイト・ドロップマスク(WDMSK)はイレーサ平面行列(EPMAT)で乗算され、その積が実際の色平面行列(CLRMAT)から減算される。
 CLRMAT−WDMSK*EPMAT
 111202 101102 111111 111202 101102
 010110−010221*101010=010110−000010
 112001 011000 000000 112001 000000
 010100
=010100
 112001
 イレーサ平面行列は、減少されることができるインク滴の数についての情報を保持し、二値ホワイト・ドロップマスクは、それらを減少させる場所についての情報を保持する。その後、上記の結果は、実際の色平面マスク(CLRMSK)でマスクされるプリンタに送信され、(CLRMAT−WDMSK*EPMAT)*CLRMSKが生成される。
 第1のパスの場合
 000000
 010100
 101000
 第2のパスの場合
 010100
 000000
 011001
これは、平面減算の機能のための1つの態様にすぎない。他のものを考慮することもできる。
 ホワイト・ドロップマスクが簡単な二値ではなく、代わりに、実際の色平面のためのマスクに類似のマルチレベルマスクである場合には、それらの平面を互いからオフセットするために異なる算術、たとえば(CLRMAT*CLRMSK−WDMSK*EPMAT)を定義することができる。このアプローチの結果(望ましい、望ましくないいずれにしても)は、インク滴が発射されるパスに応じて、インク滴を削除することである。
 たとえば、第1あるいは第2のパスにおいて1つのインク滴が堆積され、第1あるいは第2のパスからそれぞれ削除されることができる。上に述べられた算術を見ると、この規則に違反する、たとえば第2のパスにおいて第1のパスにおいて堆積されたインク滴を削除するか、あるいはその逆を行うようになされる場合には、マスキングは動作しないであろう。
 そのようなインク滴は最終的に削除されることなく堆積されるであろう。興味深いことに、この振る舞いは当初の本発明の目的を完全には満たしていない。しかしながら、それは、有用な可能性がある、平面に依存するマスク間の組み合わせを可能にする。
 ホワイト・ドロップマスクがマルチレベルマスクであり、目的が、インク滴が発射されるパスとは無関係に、減少が指定される場合にインク滴が常に減少されるように保証することである場合には、そのホワイト・ドロップマスクは実際の色マスクに依存しなければならない。種々の実際の色マスクが存在するので、これは、この目的を果たすためには、ホワイト・ドロップマスクがそれぞれの実際の色マスクと関連付けられることになることを暗示する。この技法は目的どおりに動作するが、付加的なメモリオーバーヘッドを犠牲にする。
[4.好ましい基本的なホワイト・ドロップマスキングのためのハードウエア]
 上記のサブセクション3(b)は、本発明のイレーサ平面形態の好ましい実施形態のための処理用ハードウエアを記載する。そのセクションはプリントエンジンの細部を取り上げないが、それは基本ホワイト・ドロップマスキングの好ましい実施形態の場合にこのセクションにおいて記述されるのと概ね同じである。
 本発明の好ましい実施形態が、数多くの異なる製造業者の夥しい数の異なるプリンタモデルのうちの任意のモデル内に、あるいはその任意のモデルとして実施されるように修正されるとき、そのような典型的なプリンタを例示しても、本発明の目的はほとんど果たされないであろう。しかしながら、もし興味があるなら、そのようなプリンタおよびその重要なオペレーティングサブシステムのうちのいくつかが、たとえば、先に述べられた、特に大型のプリンタ−プロッタモデルを示すAntoni Gil Miquelの明細書のような、本譲受人、すなわちヒューレット・パッカード社のいくつかの他の特許明細書に示されているのを見ることができる。
 いくつかのそのような典型的なプリンタでは、モータ42によって駆動される円筒形プラテン41(図5)、ウォームおよびウォームギヤが、デジタル電子プロセッサ71からの信号の制御の下で、媒体前進方向に印刷媒体4Aのシートあるいは長さを駆動するように回転する。それにより、印刷媒体4Aは媒体の供給源から引き出され、ここで記載されることになるマーキング構成要素を通過する。
 ペンを保持するキャリッジアセンブリ20が、ペンがインクを吐出する間に、図示されるように、走査トラックに沿って、媒体前進方向に対して垂直に印刷媒体上でいくつかのペンを左右に動かす。簡単にするために4本のペンのみが示されるが、よく知られているように、プリンタは、見慣れた4本のペンの場合と異なる色を有するか、または同じ色であるが、希薄度が異なる色を有する、6本以上のペンを備えることができる。こうして、媒体4Aは所望の画像を形成するためにインク滴を受け取る。
 非常に細かい目盛りを有するエンコーダストリップ33、36が、キャリッジアセンブリ20の走査経路に沿って張設されており、非常に小型の光電式センサ37によって読み取られ、プリンタの動作を制御する1つあるいは複数のマイクロプロセッサ71に、位置および速度に関する情報37Bを提供する。本譲受人の以前の共同所有の特許明細書に示される、エンコーダストリップのための1つの有利な場所はペンの直ぐ後である。
 しかしながら、エンコーダストリップ33、36のために現時点で好ましい位置は、ペンキャリッジの背後付近であり、ペン補充カートリッジを整備するためにユーザの手が入れられる空間から離れている。いずれの位置の場合でも、センサ37が配置され、その光ビームがストリップ内に形成されるスケールのオリフィスあるいは透明な部分を通過するようにする。
 ペンキャリッジアセンブリ20、20’は、デュアルサポートおよびガイドレール(図示せず)に沿って、ドライブベルト35を介して、モータ31によって復動するように駆動される。モータ31は、1つあるいは複数のプロセッサ71からの信号によって制御される。
 そのシステムは、それぞれ少なくとも4つの異なる色のインクを保持する少なくとも4本のペンを含むことが好ましい。最も典型的な場合には、インクは、操作する人から見て左から右に、イエローY、シアンC、マゼンタMおよびブラックKを含む。
 実際問題として、有色および黒色のペンが、1つの共通のカートリッジで、あるいは複数のカートリッジで1つのプリンタ内に存在する場合がある。また、種々の電子回路を支持するトレイも、ペンカートリッジアセンブリ20、20’に含まれる。
 本発明の好ましい実施形態は走査型ペンシステムで実用化することに限定されない。代わりに、それらの実施形態は、多数のノズル91を備えるページ幅・帯状域高さアレイ92(図6)を用いることもできる。印刷媒体4Aおよびアレイ92は相対的に動かすことができる。
 たとえば、ページ幅アレイは通常、印刷媒体前進システムによって前進方向42’に逐次に動かされるか、あるいはアレイが媒体上を逆の方向に動かされる場合もある。そのようなシステムは、図5のプリントエンジンセクションにおいて示されるシステムと概ね同じである。
 このようにして、ページ幅アレイ92(図7)は、アレイ92がまだ到達していないエリア95内の画像を完成させるために、重なり合う帯状域93、94、...にインクを堆積する複数インストールメントモードにおいて印刷を実行するか、一連の帯状域が隣接する単一インストールメントモードにおいて印刷を行うことができる。さらに、ページ幅アレイ92は、印刷媒体が前進する間に複数回発射し、ページ全体に一度に過剰な液体が存在するのを回避するようにプリントマスクされた複数インストールメントモードにおいて動作することもできる。
 ブロック図(図5)の細部をさらに説明する前に、その図面の全般的な説明が有用な場合がある。その装置の従来の部分は、先に説明された印刷ステージ20ないし51、および4Aとして、またその印刷ステージを駆動する最終出力電子回路ステージ78として現れる。この最終出力ステージ78はさらにプリントマスキングステージ75によって駆動され、プリントマスキングステージ75は、媒体4Aにわたってキャリッジおよびペン20、20’の複数のパスとしてインクマーク18、19の印刷を割り当てる。
 また、不揮発性メモリ77も概ね従来どおりであり、プログラミングされる全ての素子のための動作命令66(その多くは新規であり、本発明の好ましい実施形態を実施する)を供給する。図の最も左側にある4色画像データ70は、入力信号191として、プロセッサ71に入力される。
 本発明の装置の態様の好ましい実施形態に特に関連する機構は、素子82ないし86、および88として図面の中央に現れるが、機構87は概ね従来どおりである。これらは全て以下に詳述されるであろう。本明細書において提供される機能の記述および図面が与えられれば、熟練したプログラマが、この分野において経験がある場合には、全ての回路を動作させるのに適したプログラムを準備することができる。
 従来の機構には、テストパターン制御回路80も含まれる。このモジュールは、他の較正機能等のためのテストパターンを生成するために用いられ、データ経路82は、ペンカートリッジ上を移動するか、あるいはそれとともに移動する小型の比色計センサ51等がテストパターンを読み取ることから生じる情報のための経路である。しかしながら、センサ出力信号を用いることは、本発明の好ましい実施形態の一部であり、以下に手短に詳述されるであろう。
 ペンカートリッジアセンブリは、インク18を吐出しながら左61に移動しているときには20で、インク19を吐出しながら右18に移動しているときには20’で別々に表される。コールアウト20および20’はいずれも、同じペンを備える同じペンカートリッジを表す。
 上記のデジタルプロセッサ71は、プラテンモータ42へのプラテン駆動制御信号42A、およびキャリッジドライブモータ31へのキャリッジ駆動制御信号31Aと正確にタイミングを合わせてペンを発射するために、制御信号20Bおよび20’Bを供給する。プロセッサ71は、エンコーダ37によって供給されるエンコーダ信号37Bから導出されるキャリッジ速度および位置についての情報に部分的に基づいて、これらのキャリッジ駆動信号31Aを生成する。
 新たな画像データ70は、コントラストおよび色調整あるいは補正モジュール76を含む画像処理ステージ73と、ディザリングあるいは誤差拡散を用いて、各画素において印刷されることになる階調値を決定するレンディションモジュール74とにおいて受信される(191)。さらに別の従来の処理ステージが含まれる場合もあり、その図面は、インク制限(たとえば、従来の減少)、色飽和増強(たとえば、プロプレション)および現在知られているか否かにかかわらず、逐次印字式プリンタにおける種々の他の形態の信号変更のような他の従来のステージを示すものとして解釈されるべきである。
 集積回路71が、一部がプリンタ内に、一部が関連するコンピュータ内に、そして一部が個別にパッケージされるラスタ画像プロセッサ内に分散配置される場合がある。別法では、それらの回路は主に、あるいは完全にそのような装置のうちの1つあるいは2つのものの中に存在する場合がある。
 またこれらの回路は、汎用プロセッサ(たとえば、汎用のコンピュータの中央演算装置)、たとえばコンピュータハードドライブ内に収容されるようなオペレーティングソフトウエア、あるいはオペレーティングファームウエア(たとえば、ROM77内に収容され、他の構成要素に分散される(66))、あるいはその両方を含むことができ、アプリケーション専用の集積回路を含む場合もある。代わりに、これらが組み合わされて用いられる場合もある。
 ここで、従来以外の細部について言うと、走査型センサ51からのデータが、基本帯状域に対するアーティファクトの位置および強さを判定する際に用いるために、テストパターン翻訳アルゴリズム83に渡される。これらのアーティファクトデータは次に、補正ビットマップパターンを直に生成するモジュール84において用いられる。
 現場において得られるデータについて言うと、これらのパターンは境界アーティファクト以外のアーティファクトの代表的なものである場合があり、境界アーティファクトパターンは、プリンタの設計過程の一部として工場あるいは実験室において見いだされることができる。別法では、境界アーティファクトパターンも現場において判定される場合がある。
 補正ビットが、最も好ましくは高レベルマスク、たとえば上記のようなレベル「11」マスクであるマスクレイヤ88に格納される。このマスクレイヤ88は、このマスクレイヤの内容が基本的に2つのレイヤの内容から減算されるように符号を付される、すなわち負のインク滴を含むものと見なされる。
 それにより、この単一マスクレイヤは、先に導入された、減少ユニット確立手段86の中心になる。それにより、4状態ドロップテーブルおよびそれに伴う計算とともに、それは識別機能および補正機能の両方を達成する。
 しかしながら、他の下位のマスク87は減少ユニット確立手段の一部ではなく、それらは、その形態および機能の両方において、完全に従来のプリントマスクである。ここで驚くほど明らかになるように、基本ホワイト・ドロップマスキングの好ましい実施形態は、著しく少ないリソース、通常は3レベルプリントマスクの3分の1だけで、著しく大きな作業を成し遂げる。
 これは非常に洗練された、強力な技術である。
 上記の開示は単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
一連の帯状域間で対応して互いに一致するパターンを有する、所定の印刷媒体前進ストロークに対する所定の帯状域の高さおよび所定の高さではない帯状域の高さを示す図であり、Aは帯状域の高さが所定の高さである場合の図であり、Bはその高さが長すぎる場合の図であり、Cはその高さが短すぎる場合の図である。 本発明の好ましい実施形態を、たとえば先に述べられたGarcia特許明細書に開示されるようなShakesマスキングシステムに組み込むことを示す流れ図である。 適応的なホワイト・ドロップマスキングの好ましい2段階動作を示す1組の4つの図であり、Aは典型的であるが、誇張されたアーティファクトの階調パターンの図であり、Bは第1段階の調整としてその変動する密度に適用される、位置を特定された減少の典型的なものとともに示される、図3Aのパターンの軸に沿った密度の対応するグラフであり、Cはその第1段階の調整によって理想的に補正される階調パターン、すなわち均一なフィールドを示す図であり、Dは第2段階のインク制限調整後の同じ階調パターンを示す図である。 本発明のイレーサ平面形態の好ましい実施形態におけるダブルブランチパイプラインを示す流れ図である。 走査型プリントヘッドを備えるプリントエンジンを含む、本発明の基本的なホワイト・ドロップマスキング形態の好ましい実施形態のブロック図である。 図5の走査型ヘッドのうちの1つあるいは複数のヘッドの代わりに用いるためのページ幅・帯状域高さアレイの底面図である。 図6のアレイによって既に印刷された2つの帯状域を有し、アレイが別の帯状域をプリントする位置にある、印刷媒体の典型的なシートの平面図である。

Claims (34)

  1.  少なくとも1つの帯状域境界に沿って高い色飽和を有する画像の部分を特定するステップと、
     前記特定された部分において選択的にインクを減少させて前記画像をプリントするステップと
     を含む、画像をプリントするためのインク帯システム作動方法。
  2.  前記システムがプリントマスキング機能を有する場合に用いる請求項1に記載の方法であって、
     前記特定するステップは、前記プリントマスキング機能を通じて前記帯状域境界の位置を特定するステップを含む方法。
  3.  前記位置を特定するステップは、プリントマスクにおいて特定された帯状域位置を選択するステップを含む請求項2に記載の方法。
  4.  前記選択するステップは、前記帯状域境界の近くに選択的に配置されるビットを有するプリントマスクレイヤを適用するステップを含む請求項3に記載の方法。
  5.  前記特定するステップは、減少位置特定マスクレイヤを適用することにより高い色飽和を判定するステップを含む請求項2に記載の方法。
  6.  前記判定するステップは、前記減少位置特定マスクレイヤを、最も高い値のマスクレイヤとして演算するステップを含む請求項5に記載の方法。
  7.  前記演算するステップは、前記減少位置特定マスクレイヤを減算的に適用するステップを含む請求項6に記載の方法。
  8.  前記判定するステップは、少なくとも1つの色平面において最大のインク吐出を割り当てられた画素のためにのみ前記減少位置特定マスクレイヤを適用するステップを含む請求項5に記載の方法。
  9.  前記適用するステップは、前記減少位置特定マスクレイヤを減算的に用いるステップを含む請求項8に記載の方法。
  10.  前記位置を特定するステップは、前記減少位置特定マスクレイヤを用いて、ビットが前記帯状域境界付近に選択的に配置されるようにするステップを含む請求項5に記載の方法。
  11.  前記特定するステップは、少なくとも1つの色平面において最大のインク吐出を有する画素の選択を含む請求項1に記載の方法。
  12.  プリントマスキング機能を有するプリンタで画像をプリントするための方法であって、
     減少領域を画定するために前記プリントマスキング機能を用いるステップと、
     前記領域においてインクを選択的に減少させて前記画像をプリントするステップと
     を含む方法。
  13.  前記用いるステップは、前記領域を画定するための補助プリントマスクを定めるステップを含む請求項12に記載の方法。
  14.  前記システムがインクの帯状域において前記画像を形成する場合に用いるために、
     前記用いるステップは、前記プリントマスキング機能を用いて特定される少なくとも1つの帯状域境界の近くに減少領域を画定するステップを含む請求項12に記載の方法。
  15.  前記画定するステップは、少なくとも1つのプリントマスク内に選択的に配置されるビットによって、前記帯状域境界付近の前記領域を定めるステップを含む請求項14に記載の方法。
  16.  前記用いるステップは、減少位置特定マスクレイヤを適用することにより高い色飽和の画素により減少領域を画定するステップを含む請求項15に記載の方法。
  17.  前記適用するステップは、前記減少位置特定マスクレイヤを最も高い値のマスクレイヤとして演算するステップを含む請求項16に記載の方法。
  18.  前記演算するステップは、前記減少位置特定マスクレイヤを減算的に適用するステップを含む請求項17に記載の方法。
  19.  前記用いるステップは、減少位置特定マスクレイヤを減算的に適用するステップを含む請求項12に記載の方法。
  20.  境界アーティファクト、帯状域の高さ誤差、印刷媒体前進誤差、双方向バンディング、ミニバンディング、エリア塗潰しの不均一性のような、これらのタイプの欠陥あるいはアーティファクトおよび不均一性を導入する他の現象のうちの任意のものあるいは全てから生じるテストプロットの光学濃度不均一性を測定するステップをさらに含み、
     前記用いるステップは、前記プリントマスキング機能を用いて、測定された不均一性を補償する減少領域および大きさを画定するステップを含む、請求項12に記載の方法。
  21.  前記用いるステップは、各色平面の場合に個別に全ての前記欠陥あるいはアーティファクトを補正する請求項20に記載の方法。
  22.  インク制限値を引き上げるステップであって、それにより前記画定するステップの全体的なインク吐出不足の影響を補償する、ステップをさらに含む請求項20に記載の方法。
  23.  テストプロットの光学濃度の不均一性を測定するステップと、
     インク調整領域および大きさを画定し、前記測定された不均一性を補償するために、プリントマスキング機能を用いるステップと、
     前記大きさにしたがって、前記領域において選択的に調整されたインクで前記画像をプリントするステップと
     を含む、プリントマスキング機能を有するプリンタで画像をプリントするための方法。
  24.  前記測定するステップは、境界アーティファクト、エリア塗潰しの不均一性、帯状域の高さ誤差、印刷媒体前進誤差、ミニバンディング、双方向バンディングのような、これらのタイプの欠陥あるいはアーティファクトおよび不均一性を導入する他の現象のうちの任意のものあるいは全てから生じる光学濃度不均一性に対応する請求項23に記載の方法。
  25.  前記用いるステップは、色平面ごとに全ての前記欠陥あるいはアーティファクトを補正する傾向がある請求項23に記載の方法。
  26.  機械的なアーティファクトがあり、インク滴によって画像をプリントするための装置であって、
     そのようなアーティファクトに対して予め位置が特定され、負のインク滴として処理されるインク減少のユニットを定める手段と、
     前記インク滴および前記減少ユニットによって前記画像をプリントするためのプリントエンジンと
     を含む装置。
  27.  複数の一連のインク吐出インストールメントにおいて前記画像をプリントするために用いられる際に、
     各インク滴をそれぞれ前記インストールメントのうちの1つに割り当てるための手段と、
     前記インク減少のユニットのうちの少なくともいくつかをそれぞれ前記インストールメントのうちの1つに割り当てるための手段とをさらに含み、
     前記エンジンは前記インストールメントに割り当てられるような前記インク滴および前記ユニットで前記画像をプリントする請求項26に記載の装置。
  28.  前記減少を割り当てる手段は、少なくとも1つのプリントマスク内に選択的に配置され、インク滴の帯状域に対する減少領域を画定するビットを有する請求項27に記載の装置。
  29.  前記プリントマスクは、高い色飽和の画素においてのみ用いられる、前記ビット有する少なくとも1つの減少位置特定マスクレイヤを有する請求項28に記載の装置。
  30.  前記減少位置特定マスクレイヤは最も高い値のマスクレイヤである請求項29に記載の装置。
  31.  前記減少ユニットは、最も高い色飽和の画素においてのみ用いられる少なくとも1つの減少位置特定マスクレイヤを有する請求項26に記載の装置。
  32.  前記プリントエンジンは、
     使用中の各着色剤のためのインク吐出ユニットの走査型アレイと、
     前記アレイを動作させるための信号を供給するための発射システムと
     を含む請求項26に記載の装置。
  33.  前記プリントエンジンは、
     使用中の各着色剤について、ページ幅の帯状域にインク吐出するための多数のインク吐出行を有する、インク吐出ユニットのページ幅アレイと、
     前記アレイを動作させるための信号を供給するための発射システムと
     を含む請求項26に記載の装置。
  34.  前記アレイの、一連のインク吐出インストールメントの間、あるいはインク吐出インストールメントの一連のグループの間で、媒体前進軸に沿ってそのような印刷媒体を移動するための手段をさらに含む請求項33に記載の装置。
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