JP2004098566A - インクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタ Download PDF

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Abstract

【課題】印刷品位を保持しつつ、正確なインク消費量を算出可能なインクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【解決手段】インクジェットヘッド41のヘッド温度を検出し、その検出結果に基づいて、インクを吐出させるための駆動力を基準駆動力に対して補正する。更に、補正された駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量を決定する。そして、この単位吐出量とインクの吐出回数とを乗算することにより、インク消費量を算出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドから吐出されたインクの消費量を算出するインクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタでは、印刷品位を良好に保つべく、装着したインクカートリッジ(インクタンク)から確実にインクを供給し得るよう、インクカートリッジのインク残量を検知することが必要である。そこで、インク残量を検知する方法として、インクカートリッジに検出センサを設け、その検出結果によってインク残量を検知する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ところが、この検出センサを用いる方法は、確実にインク残量を検出することができる反面、機構が複雑となるためコスト高になるといった欠点があった。そこで、比較的低コストで構築可能な手法として、インク吐出回数(ドット数)とその1回あたりのインク吐出量(単位吐出量)とを乗算することによってインク消費量を求め、これに基づいてインク残量を算出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−190517号公報(第4−6頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開平9−11491号公報(第3頁、第2−3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このインク消費量からインク残量を算出する方法は、使用環境、特に温度によるインク粘度の変動によって単位吐出量が変化するため、インク消費量を正確に算出できないといった問題があった。また、単位吐出量の変化に伴い、使用環境によって印刷品位が変動してしまうといった問題もあった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、印刷品位を保持しつつ、正確なインク消費量を算出可能なインクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタの制御方法は、インクジェットヘッドから吐出されたインク消費量を算出するインクジェットプリンタの制御方法であって、インクジェットヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出工程と、ヘッド温度に基づき、インクを吐出させるための駆動力を基準駆動力に対して補正する駆動力補償工程と、補正された駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量を決定する単位吐出量決定工程と、インクジェットヘッドからのインクの吐出回数をカウントする吐出回数カウント工程と、単位吐出量と吐出回数とを乗算することにより、インク消費量を算出するインク消費量算出工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドから吐出されたインク消費量を算出するインクジェットプリンタであって、インクジェットヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出手段と、ヘッド温度に基づき、インクを吐出させるための駆動力を基準駆動力に対して補正する駆動力補償手段と、補正された駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量を決定する単位吐出量決定手段と、インクジェットヘッドからのインクの吐出回数をカウントする吐出回数カウント手段と、単位吐出量と吐出回数とを乗算することにより、インク消費量を算出するインク消費量算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、ヘッド温度が環境温度や連続稼働の影響によって上昇した場合、インクの粘度が低くなり吐出量が増加する傾向があるが、このヘッド温度に基づいて、インクを吐出させるための駆動力を補正するため、温度の変化によって印刷品位(濃度など)が変動することがない。また、補正された駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量に基づいてインク消費量を算出するため、正確なインク消費量を求めることができる。
【0009】
この場合、駆動力補償工程では、ヘッド温度と駆動力との関係を示したルックアップテーブル、若しくはヘッド温度と基準駆動力に対するヘッド温度毎に定められた補正係数との関係を示したルックアップテーブルを参照して、駆動力を補正することが好ましい。
【0010】
また、この場合、駆動力補償手段は、ヘッド温度と駆動力との関係を示したルックアップテーブル、若しくはヘッド温度と基準駆動力に対するヘッド温度毎に定められた補正係数との関係を示したルックアップテーブルを参照して、駆動力を補正することが好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、複雑な計算処理を必要とすることなく、ルックアップテーブルを参照するだけで、駆動力や補正係数を読み出すことができる。
【0012】
これらの場合、単位吐出量決定工程では、ヘッド温度と単位吐出量の関係を示したルックアップテーブル、若しくはヘッド温度と基準吐出量に対するヘッド温度毎に定められた吐出量係数の関係を示したルックアップテーブルを参照して、単位吐出量を決定することが好ましい。
【0013】
また、この場合、単位吐出量決定手段は、ヘッド温度と単位吐出量の関係を示したルックアップテーブル、若しくはヘッド温度と基準吐出量に対するヘッド温度毎に定められた吐出量係数の関係を示したルックアップテーブルを参照して、単位吐出量を決定することが好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、複雑な計算処理を必要とすることなく、ルックアップテーブルを参照するだけで、単位吐出量や吐出量係数を読み出すことができる。
【0015】
これらの場合、インクは、インクカートリッジから供給され、インクカートリッジの初期インク量からインク消費量を減算することにより、インクカートリッジのインク残量を算出するインク残量算出工程を更に備えたことが好ましい。
【0016】
また、これらの場合、インクを供給するインクカートリッジと、インクカートリッジの初期インク量からインク消費量を減算することにより、インクカートリッジのインク残量を算出するインク残量算出手段と、を更に備えたことが好ましい。
【0017】
これらの構成によれば、ヘッド温度に応じた駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量に基づいて正確なインク消費量が算出され、更にこのインク消費量からインク残量が算出されるため、正確なインク残量を求めることができる。
【0018】
この場合、インクカートリッジ近傍の温度を検出するインク温度検出工程を更に備え、駆動力補償工程では、ヘッド温度およびインク温度に基づいて、駆動力を補正することが好ましい。
【0019】
また、この場合、インクカートリッジ近傍の温度を検出するインク温度検出手段を更に備え、駆動力補償手段は、ヘッド温度およびインク温度に基づいて、駆動力を補正することが好ましい。
【0020】
これらの構成によれば、ヘッド温度とインクカートリッジ近傍のインク温度とに基づいて駆動力が補正されるため、より適切に駆動力を補正することができる。つまり、インクジェットヘッドの連続稼働による温度上昇があっても、インクカートリッジ近傍の温度は低いままであるような場合、インクの粘度が高いまま吐出されることが考えられる。このような場合に、ヘッド温度だけでなくインク温度も考慮することで適切に駆動力を補正することができる。
【0021】
この場合、単位吐出量決定工程では、ヘッド温度およびインク温度に基づいて、単位吐出量を決定することが好ましい。
【0022】
また、この場合、単位吐出量決定手段は、ヘッド温度およびインク温度に基づいて、単位吐出量を決定することが好ましい。
【0023】
これらの構成によれば、ヘッド温度とインクカートリッジ近傍のインク温度とに基づいて単位吐出量が決定されるため、より正確なインク消費量を算出することができる。つまり、インクジェットヘッドの連続稼働による温度上昇があっても、インクカートリッジ近傍の温度は低いままであるような場合、インクの粘度が高く、ヘッド温度のみについて決定された単位吐出量よりも吐出量が少なくなることが考えられる。このような場合に、ヘッド温度だけでなくインク温度も考慮することで正確な単位吐出量を求めることができ、ひいては正確なインク消費量を算出することができる。
【0024】
これらの場合、インクジェットヘッドは、熱を加えることによりインクに発泡を起こし、その圧力でインクを吐出する方式を用いていることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、熱を加えることによりインクに発泡を起こし、その圧力でインクを吐出する、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式を用いることで、印加エネルギの可変により、容易にインク吐出量を制御することができる。
【0026】
これらの場合、インクジェットプリンタはカラー印刷が可能であり、吐出回数カウント工程では、色別にインクの吐出回数をカウントすると共に、インク消費量算出工程では、色別にインク消費量を算出することが好ましい。
【0027】
また、これらの場合、カラー印刷を行うカラー印刷手段を更に備え、吐出回数カウント手段は、色別にインクの吐出回数をカウントすると共に、インク消費量算出手段は、色別にインク消費量を算出することが好ましい。
【0028】
これらの構成によれば、カラー印刷を行う場合、色別にインク消費量を算出するため、インクの特性(顔料系や染料系など)による粘度の違いを考慮しながら、それぞれのインク色に対する正確なインク消費量を求めることができる。
【0029】
これらの場合、インク消費量算出工程では、インクジェットプリンタのメンテナンス作業によって消費されるインク量も含めてインク消費量を算出することが好ましい。
【0030】
また、これらの場合、インク消費量算出手段は、インクジェットプリンタのメンテナンス作業によって消費されるインク量も含めてインク消費量を算出することが好ましい。
【0031】
これらの構成によれば、インク消費量に、インクジェットプリンタのメンテナンス作業(例えば、ヘッドの自動クリーニングやフラッシングなど)よって消費されるインク量も含まれるため、より正確なインク消費量を算出することができる。
【0032】
これらの場合、駆動力補償工程では、駆動電圧のパルス幅を補正する工程が含まれることが好ましい。
【0033】
また、これらの場合、駆動力補償手段は、駆動電圧のパルス幅を補正する手段が含まれることが好ましい。
【0034】
これらの構成によれば、インクを吐出するための駆動力の一要素である駆動電圧のパルス幅を補正することによって、温度の変化による印刷品位の変動を抑えることができる。
【0035】
これらの場合、駆動力補償工程では、駆動電圧値または駆動電圧のピーク値を補正する工程が含まれることが好ましい。
【0036】
また、これらの場合、駆動力補償手段は、駆動電圧値または駆動電圧のピーク値を補正する手段が含まれることが好ましい。
【0037】
これらの構成によれば、インクを吐出するための駆動力の一要素である駆動電圧値または駆動電圧のピーク値を補正することによって、温度の変化による印刷品位の変動を抑えることができる。
【0038】
本発明のプログラムは、上記に記載のインクジェットプリンタの制御方法をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、印刷品位を保持しつつ、正確なインク消費量を算出可能なプログラムを提供することができる。
【0040】
本発明の記録媒体は、上記に記載のプログラムを記録し、コンピュータ読み取り可能であることを特徴とする。
【0041】
この構成によれば、印刷品位を保持しつつ、正確なインク消費量を算出可能なプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、ヘッド温度を検出し、これに基づいてヘッドの駆動力(駆動電圧のパルス幅)を補正することにより、環境条件、特に温度変化に伴うインク粘度の変動(図7(a)参照)に関わらず、印刷品位(濃度など)を一定に保持することができるものである。また、補正された駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量に基づいてインク消費量を算出するため、正確なインク消費量を求めることができるといった作用・効果も奏するものである。そこで、以下、主にホストコンピュータから送信された印刷データに基づいて印刷を行う、オンデマンド方式のインクジェットプリンタを例に挙げて説明する。
【0043】
図1に示すように、本発明のインクジェットプリンタ10は、ホストコンピュータ5から送信された各種指令や印刷データを入力すると共に、インクジェットプリンタ10内部における処理状況等に関するデータをホストコンピュータ5に対して出力するデータ入出力部20と、ヘッド温度計31、インク量センサ32および吐出回数カウンタ33を有し各種検出を行う検出部30と、複数のインクジェットヘッド41を有し記録紙に対してカラー印刷を行う印刷部40と、インク残量表示器51(図3(a)参照)およびエラー表示器52(図3(b)参照)を有し各種表示を行う表示部50と、キャリッジモータ61および記録紙モータ62を有し主走査方向および副走査方向へのキャリッジと記録紙との相対移動、並びに記録紙の搬送を行う搬送部60と、複数のインクカートリッジ71を装着可能なカートリッジ装着部70と、ヘッドドライバ81、インク残量表示器ドライバ82、エラー表示器ドライバ83、キャリッジモータドライバ84、記録紙モータドライバ85を有し各部を駆動する駆動部80と、電源ユニット91を有し各部に電源を供給する電源部90と、各部と接続されインクジェットプリンタ10全体を制御する制御部100とによって構成されている。
【0044】
制御部100は、CPU110、ROM120、キャラクタジェネレータROM(CG−ROM)130、RAM140および入出力装置(IOC=Input Output Controller)150を備え、互いに内部バス160により接続されている。ROM120は、CPU110で処理する制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック121と、インクジェットヘッド41に印加する駆動電圧のパルス幅を補正するための「温度−パルス幅ルックアップテーブル(LUT)」(図5(a)参照)およびインクの単位吐出量を決定する「温度−吐出量ルックアップテーブル」(図5(b)参照)などを含む制御データを記憶する制御データブロック122とを有している。また、CG−ROM130は、文字等のフォントデータを記憶しており、文字等を特定するコードデータが与えられたときに対応するフォントデータを出力する。
【0045】
RAM140は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック141の他、ホストコンピュータ5から送信された印刷データを記憶する印刷データブロック142と、ヘッド温度計31で検出したヘッド温度を記憶するヘッド温度ブロック143と、吐出回数カウンタ33でカウントされた吐出回数を記憶する吐出回数ブロック144と、ヘッド温度に基づき「温度−パルス幅LUT(ルックアップテーブル)」(図5(a)参照)から得られたパルス幅を記憶するパルス幅ブロック145と、ヘッド温度に基づき「温度−吐出量LUT(ルックアップテーブル)」(図5(b)参照)から得られた単位吐出量を記憶する単位吐出量ブロック146と、単位吐出量と吐出回数とに基づき算出されたインク消費量を記憶するインク消費量ブロック147と、インク消費量とインクカートリッジ71の初期インク量とに基づき算出された、インクカートリッジ71のインク残量を記憶するインク残量ブロック148とを有し、制御処理のための作業領域として使用される。また、RAM140は電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。
【0046】
なお、「温度−パルス幅LUT」(図5(a)参照)および「温度−吐出量LUT」(図5(b)参照)に示すように、一般に温度が上昇するとインク粘度が低くなるため(図7(a)参照)、吐出量が増加する傾向にある。したがって、本実施形態では、温度の上昇に伴う吐出量の増加を抑えるため、温度の上昇に伴って駆動力(パルス幅)を小さく設定するように補正を行う(図7(b)参照)。この駆動力の補正については、後に詳述する。なお、これらのテーブルに示した数値は、バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッドを使用した場合の任意の条件における一例を示したものであり、インクジェットヘッド41の方式やインク種類、また温度以外の環境条件(湿度や気圧など)によって変化するものである。
【0047】
ここで、バブルジェット(登録商標)方式とは、熱を加えることによりインクに発泡を起こし、その圧力でインクを吐出する方式であり、印加エネルギの可変により、容易にインク吐出量を制御することができるといった利点を有する。なお、バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッドの構成は従来の構成と同様のものを用いることができるため、ここでは説明を省略する。
【0048】
入出力装置(IOC)150には、CPU110の機能を補うと共に各種周辺回路とのインターフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。このため、IOC150は、検出部30のヘッド温度計31、インク量センサ32および吐出回数カウンタ33と接続され、検出部30からの各種検出信号およびホストコンピュータ5からの各種指令や印刷データなどをそのまま或いは加工して内部バス160に取り込むと共に、CPU110と連動して、CPU110から内部バス160に出力されたデータや制御信号を、そのまま或いは加工して駆動部80に出力する。また、IOC150は、カートリッジ装着部70と接続され、インクカートリッジ71の装着・非装着に関する情報等を取り込む。
【0049】
そして、CPU110は、上記の構成により、ROM120内の制御プログラムに従って、IOC150を介してインクジェットプリンタ10内の各部から各種信号・データを入力し、CG−ROM130からのフォントデータ、RAM140内の各種データを処理し、IOC150を介してインクジェットプリンタ10内の各部に、各種信号・データを出力することにより、印刷制御やインク消費量およびインク残量の算出制御を行う。
【0050】
ここで、主にCPU110による、インク消費量およびインク残量の算出制御について、図2の機能ブロック図を参照して説明する。同図に示すように、インク量検出部210では、光センサなどで構成されたインク量センサ32により、インクカートリッジ71内のインク残量が第1所定量以下になったこと、すなわちニアエンド状態になったことを検出する。そして、このニアエンドを検出してから、吐出回数のカウントを開始する。
【0051】
また、ヘッド温度検出部220では、サーミスタなどで構成されたヘッド温度計31によりインクジェットヘッド41の温度を検出し、その検出結果に応じてパルス幅補正部230では、基準パルス幅に対してパルス幅値を補正する。同様に、ヘッド温度検出部220の検出結果に応じて単位吐出量決定部240では、インクジェットヘッド41からの1回あたりの吐出量、すなわち単位吐出量を決定する。
【0052】
また、印刷データ取得部250では、ホストコンピュータ5から送信された印刷データを取得し、印刷実行部260では、この印刷データに基づいて印刷を行う。また、吐出回数カウント部270では、インク量検出部210におけるニアエンドの検出を受けて、インクジェットヘッド41からの吐出回数のカウントを行う。上記のとおり、本発明のインクジェットプリンタ10はカラー印刷が可能であり、色別に6つのインクジェットヘッド41(M(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、LM(ライトマゼンタ)、LC(ライトシアン)、K(ブラック))を備えている。したがって、吐出回数は、インクジェットヘッド41毎、すなわち色別にカウントされ、これに伴いインク消費量およびインク残量も色別に算出される。なお、インクジェットヘッド41の構成は、これに限らず、ヘッド数を増やして、更に多色の印刷を行い得るよう構成しても良いし、ヘッド数を減らして1色若しくは2色のみの印刷を行う構成としても良い。
【0053】
また、インク消費量算出部280では、単位吐出量決定部240で決定された単位吐出量と吐出回数カウント部270でカウントされた吐出回数とを乗算することで、インク消費量を算出する。そして、インク残量算出部290では、第1所定量(初期インク量)からインク消費量算出部280で算出されたインク消費量を減算することで、インク残量を算出する。そして、算出されたインク残量は、インク残量表示器51(図3(a)参照)により、色別に表示される。
【0054】
ところで、インク消費量算出部280では、印刷データに基づいて印刷を行う場合に消費されるインク消費量の他に、画質を良好に保つためのメンテナンス処理において消費されたインク量も含めてインク消費量が算出される。そこで、インクジェットプリンタ10のメンテナンス処理について、簡単に説明する。メンテナンス処理は大別して「自動クリーニング」と「フラッシング」の2つの処理があるが、まず「自動クリーニング」について説明する。
【0055】
「自動クリーニング」は、インクジェットヘッド41(ノズル)からのインクの吐出状態を良好に保つため(目詰まりを防ぐため)に行う処理であり、インクジェットヘッド41を記録紙に対向した位置からホームポジションに移動させた状態で、インク吸引キャップをインクジェットヘッド41に対して下方から接触させることにより、インクを吸引するものである。この自動クリーニング処理は、インクカートリッジ71の交換時や電源がオンされた直後に行われる他、印刷の掠れなどが目立ってきた場合にユーザの指示によって行われる。
【0056】
一方、「フラッシング」は、インクジェットヘッド41(ノズル)の目詰まり防止(インクの乾燥防止)のために行う処理であり、定期的にインクを吐出するものである。具体的には、印刷処理中において10〜20秒に1回の割合で、インク排気ポジションにインクジェットを移動させた状態で、所定量のインクを吐出する。なお、この場合、廃棄ポジションまでのインクジェットヘッド41の移動時間の短縮を図るため、記録紙上の非画像部分に対してインクを吐出することにより、定期フラッシングを行うようにしても良い。
【0057】
このように、「自動クリーニング」と「フラッシング」において、1回あたりの処理で消費されるインク量はそれぞれ決められており、処理回数と処理1回あたりのインク消費量から、メンテナンス処理で消費されたインク消費量を算出することができる。なお、「フラッシング」において消費されるインク量は、吐出回数カウンタで吐出回数をカウントし、印刷データに基づく印刷処理で消費されるインク量に含めてインク消費量を算出するようにしても良い。
【0058】
次に、インク残量を表示するインク残量表示器51および各種エラーを表示するエラー表示器52について図3を参照して説明する。同図(a)は、インク残量表示器51を示したものであるが、ここに示すように各色のインクカートリッジ71におけるインク残量を棒グラフで表示している(51b)。つまり、新規のインクカートリッジ71が装填された場合は、インク残量が「F」(フル表示)となり、インクを使いきった場合(第2所定量以下となった場合;詳細については後述する)はインク残量が「0」となる(リアルエンド状態)。また、インクカートリッジ71の交換を促すインジケータが備えられ(51a)、インク残量が黒矢印位置以下となった場合(第1所定量以下となった場合;詳細については後述する)、インジケータが点灯する(ニアエンド状態)。
【0059】
また、同図(b)は、エラー表示器52を示したものであり、複数のインクカートリッジ71のうち、いずれかのインクカートリッジ71の非装着を検出した場合には、「カートリッジ装着」、いずれかのインクカートリッジ71のインク残量がニアエンド状態となった場合は「カートリッジ交換準備」、(インク消費量に基づいて算出される)インク残量がリアルエンド状態となった場合は「カートリッジ交換」、インクジェットヘッド41の目詰まり等を検出し、ユーザによるメンテナンスが必要な場合は「メンテナンス指示」、その他内部エラーを検出した場合は「内部エラー」のインジケータ52aが点灯する。ここでは、同図(a)に示すインク残量表示器51によって、K(ブラック)インクがニアエンド状態となっているため、「カートリッジ交換準備」のインジケータ52aが点灯いている。
【0060】
なお、このエラー表示器52においてエラー表示を行う場合、併せてビープ音等を発生するようにしても良い。また、インク残量表示器51およびエラー表示器52に表示させるための情報を、ホストコンピュータ5に送信し、ホストコンピュータ5の表示画面上においても、エラー表示を行うようにしても良い。これらの構成によれば、ユーザに対し、より強くインク残量報知およびエラー報知を行うことができる。
【0061】
続いて、上記のとおり構成されたインクジェットプリンタ10における印刷処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、ユーザにより電源がオンされることによって印刷処理が開始されると、カートリッジ装着部70にインクカートリッジ71が装着されているか否かを判断する(S11)。インクカートリッジ71が装着されていない場合(S11:No)は、エラー表示器52によって「カートリッジ装着」を指示するエラー報知を行う(S12)。
【0062】
続いて、インクジェットヘッド41のヘッド温度(Th)の検出を行い(S13)、その検出結果に応じてパルス幅(Pw)の補正を行う(S14)。パルス幅の補正は、ヘッド温度とパルス幅の関係を示す「温度−パルス幅LUT」を参照することによって行う(図5(a)参照)。ここに示すとおり、例えばヘッド温度が10℃の場合、パルス幅は5.00(μs)となる。このパルス幅は、補正係数(Xp;ヘッド温度の変化に伴うインク粘度の変動を考慮し、印刷品位が一定となるように定められた係数)に基づいて、基準パルス幅(Pw0)を補正した値であるが詳細については後述する。
【0063】
次に、ヘッド温度(Th)の検出結果に応じて、単位吐出量(Qc)を決定する(S15)。単位吐出量は、ヘッド温度と単位吐出量の関係を示す「温度−吐出量LUT」を参照することによって決定する(図5(b)参照)。ここに示すとおり、例えばヘッド温度が10℃の場合、単位吐出量は、16(ng)となるものとしてインク消費量が算出される。この単位吐出量は、ヘッド温度の変化に伴うインク粘度の変動、並びにヘッドの駆動力(パルス幅)を考慮して定められた値であるが詳細については後述する。なお、上記のとおり、本発明のインクジェットプリンタ10は色別に複数のインクジェットヘッド41を備えているため、単位吐出量もインク色(インク種類)別に決定される。
【0064】
続いて、ホストコンピュータ5から印刷データを取得すると(S16)、これに基づいて印刷を実行する(S17)。この間、インク量センサ32によってインクカートリッジ71内のインク残量を一定時間毎に検出し(S18)、インク残量が第1所定量以下(ニアエンド状態)であることを検出した場合(S18:Yes)は、吐出回数のカウントを開始し、吐出回数カウンタを更新する(S19)。一方、インクカートリッジ71内のインク残量が第1所定量以下(ニアエンド状態)でない場合(S18:No)は、印刷終了であるか否かを判別し(S23)、終了でない場合は印刷を続行する(S23:No)。
【0065】
続いて、インク残量が第1所定量以下(ニアエンド状態)であることを検出した場合(S18:Yes)は、吐出回数カウンタの更新(S19)により、インク残量が第2所定量以下(リアルエンド状態)であるか否かを判断し(S20)、インク残量が第2所定量以下であると判断した場合(S20:Yes)は、エラー表示器52によって「カートリッジ交換」を指示するエラー報知を行う(S21)。この場合、印刷の続行を中止させるような制御を行っても良い。
【0066】
また、インク残量が第2所定量以下でないと判断した場合(S20:No)は、エラー表示器52によって「カートリッジ交換準備」を指示するエラー報知を行う(S22)。そして、印刷終了か否か(例えば最終頁、最終行の印刷であるか否か)を判断し(S23)、最終頁(または最終行)の印刷でない場合(S23:No)は印刷を続行し、最終頁(または最終行)の印刷である場合(S23:Yes)は、印刷処理を終了する(S24)。
【0067】
ここで、パルス幅の補正、並びに単位吐出量を決定するための計算式について、図6を参照して説明する。上記のとおり、パルス幅(Pw)は、補正係数(Xp)に基づいて、基準パルス幅(Pw0)を補正した値である。なお、補正係数(Xp)とは、温度の変化に関わらず(可能な範囲で)均一な吐出量を確保し、印刷品位(特に濃度)を一定に保つために定められたパルス幅の基準パルス幅に対する比を言うものである。
【0068】
したがって、同図(a)に示すとおり、パルス幅(Pw)は、補正係数(Xp)と基準パルス幅(Pw0)とを乗算することにより算出される。図7(b)に示すグラフは、吐出量を(可能な範囲で)一定に保つために設定されるべきパルス幅(Pw)と温度(T)との対応関係を示したものである。ここに示すように、温度の上昇に伴う吐出量の増加を抑えるため、温度の上昇に伴ってパルス幅を小さく設定している。なお、補正係数(Xp)は、インク粘度、ヘッド方式、印加エネルギの種類に応じて実験値から求められたものであり、図5(c)に示す「温度−補正係数LUT」を参照することによって得られた値である。
【0069】
次に、単位吐出量を決定するための吐出量係数(Xq)は、基準温度における基準粘度(Z0)に対する粘度(Z)の比の逆数と、補正係数(Xp)とを乗算することにより算出される(図6(b)参照)。これは、インク吐出量がインク粘度にほぼ反比例するといった特性(非補正吐出量(Qn)と粘度(Z)との関係;図5(b)参照)を利用すると共に、ヘッドの駆動力(パルス幅)の補正による吐出量の変化を考慮したものである。すなわち、吐出量係数(Xq)とは、基準温度(25℃)における基準吐出量に対し、任意の温度における吐出量の比を言うものである。
【0070】
次に、単位吐出量は、吐出量係数(Xq)と基準吐出量(Q0)とを乗算することによって算出される(図6(c)参照)。上記のとおり、吐出量係数(Xq)は、インク粘度の変動だけでなくヘッドの駆動力も考慮して算出された係数であり、これに基づいて単位吐出量を算出することにより、より正確なインク消費量およびインクカートリッジ71内のインク残量を算出することができる。
【0071】
なお、仮に、ヘッドの駆動力を考慮しないで単位吐出量を求めた場合、これを非補正吐出量(Qn)とすると、非補正吐出量(Qn)は、基準粘度(Z0)に対する粘度(Z)の比の逆数と、基準吐出量(Q0)とを乗算することによって算出される(図6(d)参照)。しかしながら、ヘッドの駆動力の補正制御を行う場合、この非補正吐出量(Qn)は、実際の吐出量とかけ離れた値となってしまう(図5(b)参照)。これは、駆動力(パルス幅)の補正に限界があるためであり(25℃を基準温度とした場合、プラスマイナス15℃の範囲で、プラスマイナス30%の補正が限界と考えられているが、本実施形態では、抵抗値等の変化を考慮してプラスマイナス30%以内の補正に留めている;図5(c)参照)、駆動力の補正によって一定の吐出量を実現し得ないためである。
【0072】
このように、本発明では、ヘッド温度に基づいて、インクを吐出させるための駆動力(パルス幅)を補正するため、温度の変化によって印刷品位(濃度など)が変動することがない。また、補正された駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量に基づいてインク消費量を算出するため、正確なインク消費量を求めることができる。
【0073】
さらに、この構成により、例えばインクジェットプリンタ10を使用する環境温度が低い場合でも、無駄なインクを残した状態でこれがリアルエンドと判断されることがない。すなわち、環境温度が低い場合、インク粘度の上昇によって単位吐出量が減少するが、このような場合は、インク消費量が少なくなるため、基準吐出量でインク消費量を算出してしまうと、実際のインク残量よりも少ない値となってしまう。その場合は、インク残量がまだ多く残っている場合でも、これをリアルエンドと判断してしまうが、本発明によればそのような誤差を最小限に止めることができる。また、通常、リアルエンドと判断した場合は印刷を中止する制御を行うため、インクの無駄が生じてしまうが、本発明によれば、インクを有効に使いきることが可能となり、経済的である。
【0074】
なお、上記の例では、パルス幅および単位吐出量は、それぞれ「温度−パルス幅LUT」(図5(a)参照)および「温度−吐出量LUT」(図5(b)参照)を参照することによって、その値を読み出すものとしたが、「温度−補正係数LUT」(図5(c)参照)および「温度−吐出量係数LUT」(図5(d)参照)から、補正係数および吐出量係数を読み出し、これに基づいて計算式(図6(a)および(c))により算出するようにしても良い。また、図5に示すルックアップテーブルに代えて、一次曲線、二次曲線など関数を記憶しておき、この関数を参照することによって、パルス幅および単位吐出量、または補正係数および吐出量係数を取得できるようにしても良い。
【0075】
続いて、本発明の第2実施形態にかかるインクジェットプリンタの制御方法およびインクジェットプリンタについて説明する。上記の第1実施形態では、インクジェットヘッド41のヘッド温度に基づいて駆動力を補正し、更に補正された駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量を算出するものとしたが、本実施形態では、ヘッド温度の他に、インクカートリッジ71近傍のインク温度も考慮して駆動力の補正および単位吐出量の決定を行う。
【0076】
本実施形態は、特に発熱エネルギを駆動源とするバブルジェット(登録商標)方式のように、ヘッドの温度が急激に上昇するようなインクジェットヘッド41を用いた場合に有効である。また、POSシステムにおいて使用されるインクジェットプリンタ(POSプリンタ)など、店舗内の温度管理が行き届いていない場所や屋外での使用により、環境条件が変動し易い状況におかれることが想定される場合は、ヘッドとインク温度との差が生じやすいため、本実施形態の適用がより好ましい。そこで、本実施形態では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0077】
本実施形態では、ヘッド温度(Th)が40℃であって、且つインク温度(Ti)が20℃の場合を例にあげて説明する。ここで、インク温度(Ti)とは、インクカートリッジ71近傍の温度を指すものであるが、これはすなわち環境温度とほぼ等しいと考えられるため、インク温度に代えて環境温度を用いても良い。また、この場合、環境温度は、インクジェットプリンタ10の筐体内に設けられた温度計で測定されることが好ましい。
【0078】
そこで、まず、ヘッド温度(Th)とインク温度(Ti)との平均温度(Ta)を求める。この平均温度(Ta)とは、例えばバブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッド41のように連続稼働によって急激にヘッド温度が上昇するような場合であって、且つインク温度が低い場合、インクカートリッジ71から供給されたインクがヘッドの中を移動する間に温度が上昇し、最終的に到達するであろうと考えられる温度を言うものである。したがって、ヘッド温度が40℃であって、且つインク温度が20℃の場合、これらの平均温度30℃(Ta=(Th+Ti)/2=(40+20)/2=30)まで、インク温度が上昇する(ヘッドの駆動熱によって10℃だけインク温度が上昇する)ものとして、パルス幅の補正および単位吐出量の決定を行う。
【0079】
ここで、図5(a)に示す「温度−パルス幅LUT」を参照すると、温度30℃のときのパルス幅は、3.75(μs)であることが読み出される。これは、つまり20℃のインクがヘッド駆動熱の影響を受けて30℃まで上昇する(ヘッド温度40℃まで上昇しない)ことを想定したため、インク温度を考慮しない場合(第1実施形態の場合)のヘッド温度40℃におけるパルス幅3.52(μs)よりも大きな値となっている。
【0080】
また、図5(b)に示す「温度−吐出量LUT」を参照すると、温度30℃のときの単位吐出量は、22(ng)であることが読み出される。これは、つまり20℃のインクがヘッド駆動熱の影響を受けて30℃まで上昇する(ヘッド温度40℃まで上昇しない)ことを想定したため、インク温度を考慮しない場合(第1実施形態の場合)のヘッド温度40℃における単位吐出量30(ng)よりも少ない値となっている。
【0081】
このように、本発明の第2実施形態によれば、ヘッド温度の他に、インクカートリッジ71近傍のインク温度も考慮して、駆動力(パルス幅)の補正および単位吐出量の算出を行うため、ヘッド温度の連続稼働による急激な温度変化に影響されず、適切な駆動力および正確なインク消費量を求めることができる。
【0082】
なお、本実施形態では、パルス幅および単位吐出量を「温度−パルス幅LUT」(図5(a)参照)および「温度−吐出量LUT」(図5(b)参照)から読み出したが、「温度−補正係数LUT」(図5(c)参照)および「温度−吐出量係数LUT」(図5(d)参照)から、補正係数および吐出量係数を読み出し、これに基づいて計算式(図6(a)および(c))により算出するようにしても良い。
【0083】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、パルス幅の補正、インク消費量およびインク残量の算出は、インクジェットプリンタ10内の制御部100によって行われるものとしたが、これらの算出プログラムを記録媒体に格納し、この記録媒体をインクジェットプリンタ10やホストコンピュータ5に読み込ませてインク消費量およびインク残量の算出処理を行うようにしても良い。記録媒体としては、ハードディスク、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【0084】
また、インク消費量およびインク残量の算出を、ホストコンピュータ5に組み込まれたプリンタドライバ、並びにホストコンピュータ5内のアプリケーションで実行することも当然可能である。
【0085】
以上説明したとおり、本発明のインクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタ10によれば、ヘッド温度が環境温度や連続稼働の影響によって上昇した場合、インクの粘度が低くなり吐出量が増加する傾向があるが、このヘッド温度に基づいて、インクを吐出させるための駆動力を補正するため、温度の変化によって印刷品位(濃度など)が変動することがない。また、補正された駆動力による単位吐出量に基づいてインク消費量を算出するため、正確なインク消費量を求めることができる。さらに、このインク消費量に基づいてインク残量を算出するため、正確なインク残量を求めることができ、ひいては、使用環境によってインク残量が多く残った状態でインクカートリッジ71を交換しなければならないといった事態を避けることができる。
【0086】
また、本発明の第2実施形態では、ヘッド温度に加え、インク温度を加味してヘッドの駆動力の補正および単位吐出量の決定を行うため、より適切な駆動力、また、より正確なインク消費量およびインク残量を求めることができる。
【0087】
なお、上記の例では、インクジェットプリンタ10として、バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッド41を使用した場合について説明したが、インクを吐出するアクチュエータの駆動に静電気力を用いた静電アクチュエータ方式のインクジェットヘッドを使用した場合にも、本発明は適用可能である。この構成によれば、静電アクチュエータ方式のインクジェットヘッドの製造は、半導体技術によるエッチングを主要工程としているため、比較的安価でインクジェットヘッドを製造することができる。
【0088】
また、インクを吐出するアクチュエータの駆動にピエゾ素子を用いたピエゾ方式のインクジェットヘッドを使用した場合にも、本発明は適用可能である。この構成によれば、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いることで、インクの吐出量を細かく制御することができる。
【0089】
また、上記の例では、駆動力の補正として、駆動電圧のパルス幅を補正したが、これに代えて、駆動電圧値(またはそのピーク値)を補正するようにしても良い。また、パルス幅と駆動電圧値の双方を補正するようにしても良い。但し、静電アクチュエータ方式のインクジェットヘッドを用いる場合であって、且つパルス幅と駆動電圧値の双方を補正する場合は、駆動電圧値は温度の変化に対応して逆方向に可変させ、パルス幅は温度の変化に対して正方向に可変させることが好ましい。
【0090】
また、上記の例では、単位吐出量、インク消費量およびインク残量はインク色別に求められるものとしたが、インクを吐出するための駆動力(パルス幅)についても、インク色別に補正されることが好ましい。この構成によれば、インク種類(例えば顔料系、染料系など)に応じた粘度等の違いを考慮して、適切に駆動力を補正することができる。
【0091】
また、上述したインクジェットプリンタの例によらず、インクジェットヘッドの方式や装置構成、その他、駆動力(パルス幅)や単位吐出量を算出するための計算式等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【0092】
【発明の効果】
上述のように、本発明のインクジェットプリンタの制御方法、これを実現させるためのプログラム、記録媒体およびインクジェットプリンタによれば、印刷品位を保持しつつ、正確なインク消費量を算出することができるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリンタの制御ブロック図である。
【図2】本発明のインクジェットプリンタの機能ブロック図である。
【図3】本発明のインクジェットプリンタに備えられたインク残量表示器、並びにエラー表示器を示す図である。
【図4】本発明のインクジェットプリンタにおける印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のインクジェットプリンタの制御方法に用いられるルックアップテーブルの一部を示す図である。
【図6】本発明のインクジェットプリンタの制御方法に用いられる計算式を示す図である。
【図7】粘度と温度、およびパルス幅と温度の対応関係を示すグラフである。
【符号の説明】
5    ホストコンピュータ
10    インクジェットプリンタ
20    データ入出力部
21    インターフェース
30    検出部
31    ヘッド温度計
32    インク量センサ
33    吐出回数カウンタ
40    印刷部
41    インクジェットヘッド
50    表示部
51    インク残量表示器
52    エラー表示器
60    搬送部
61    キャリッジモータ
62    記録紙モータ
70    カートリッジ装着部
71    インクカートリッジ
80    駆動部
81    ヘッドドライバ
82    インク残量表示器ドライバ
83    エラー表示器ドライバ
84    キャリッジモータドライバ
85    記録紙モータドライバ
90    電源部
91    電源ユニット
100    制御部
110    CPU
120    ROM
130    CG−ROM
140    RAM
150    IOC
160    内部バス
210    インク量検出部
220    ヘッド温度検出部
230    パルス幅補正部
240    単位吐出量決定部
250    印刷データ取得部
260    印刷実行部
270    吐出回数カウント部
280    インク消費量算出部
290    インク残量算出部
300    メンテナンス消費量算出部

Claims (24)

  1. インクジェットヘッドから吐出されたインク消費量を算出するインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記インクジェットヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出工程と、
    前記ヘッド温度に基づき、インクを吐出させるための駆動力を基準駆動力に対して補正する駆動力補償工程と、
    補正された前記駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量を決定する単位吐出量決定工程と、
    前記インクジェットヘッドからのインクの吐出回数をカウントする吐出回数カウント工程と、
    前記単位吐出量と前記吐出回数とを乗算することにより、前記インク消費量を算出するインク消費量算出工程と、
    を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  2. 前記駆動力補償工程では、前記ヘッド温度と前記駆動力との関係を示したルックアップテーブル、若しくは前記ヘッド温度と前記基準駆動力に対する前記ヘッド温度毎に定められた補正係数との関係を示したルックアップテーブルを参照して、前記駆動力を補正することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  3. 前記単位吐出量決定工程では、前記ヘッド温度と前記単位吐出量との関係を示したルックアップテーブル、若しくは前記ヘッド温度と基準吐出量に対する前記ヘッド温度毎に定められた吐出量係数との関係を示したルックアップテーブルを参照して、前記単位吐出量を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  4. 前記インクは、インクカートリッジから供給され、
    前記インクカートリッジの初期インク量から前記インク消費量を減算することにより、前記インクカートリッジのインク残量を算出するインク残量算出工程を更に備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  5. 前記インクカートリッジ近傍の温度を検出するインク温度検出工程を更に備え、
    前記駆動力補償工程では、前記ヘッド温度および前記インク温度に基づいて、前記駆動力を補正することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  6. 前記単位吐出量決定工程では、前記ヘッド温度および前記インク温度に基づいて、前記単位吐出量を決定することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  7. 前記インクジェットヘッドは、熱を加えることによりインクに発泡を起こし、その圧力でインクを吐出する方式を用いていることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  8. 前記インクジェットプリンタはカラー印刷が可能であり、
    前記吐出回数カウント工程では、色別にインクの吐出回数をカウントすると共に、前記インク消費量算出工程では、色別にインク消費量を算出することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  9. 前記インク消費量算出工程では、前記インクジェットプリンタのメンテナンス作業によって消費されるインク量も含めて前記インク消費量を算出することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  10. 前記駆動力補償工程では、駆動電圧のパルス幅を補正する工程が含まれることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  11. 前記駆動力補償工程では、駆動電圧値または駆動電圧のピーク値を補正する工程が含まれることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1に記載のインクジェットプリンタの制御方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. インクジェットヘッドから吐出されたインク消費量を算出するインクジェットプリンタであって、
    前記インクジェットヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出手段と、
    前記ヘッド温度に基づき、インクを吐出させるための駆動力を基準駆動力に対して補正する駆動力補償手段と、
    補正された前記駆動力によってインクが吐出される場合の単位吐出量を決定する単位吐出量決定手段と、
    前記インクジェットヘッドからのインクの吐出回数をカウントする吐出回数カウント手段と、
    前記単位吐出量と前記吐出回数とを乗算することにより、前記インク消費量を算出するインク消費量算出手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  15. 前記駆動力補償手段は、前記ヘッド温度と前記駆動力との関係を示したルックアップテーブル、若しくは前記ヘッド温度と前記基準駆動力に対する前記ヘッド温度毎に定められた補正係数との関係を示したルックアップテーブルを参照して、前記駆動力を補正することを特徴とする請求項14に記載のインクジェットプリンタ。
  16. 前記単位吐出量決定手段は、前記ヘッド温度と前記単位吐出量との関係を示したルックアップテーブル、若しくは前記ヘッド温度と基準吐出量に対する前記ヘッド温度毎に定められた吐出量係数との関係を示したルックアップテーブルを参照して、前記単位吐出量を決定することを特徴とする請求項14または15に記載のインクジェットプリンタ。
  17. 前記インクを供給するインクカートリッジと、
    前記インクカートリッジの初期インク量から前記インク消費量を減算することにより、前記インクカートリッジのインク残量を算出するインク残量算出手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項14、15または16に記載のインクジェットプリンタ。
  18. 前記インクカートリッジ近傍の温度を検出するインク温度検出手段を更に備え、
    前記駆動力補償手段は、前記ヘッド温度および前記インク温度に基づいて、前記駆動力を補正することを特徴とする請求項17に記載のインクジェットプリンタ。
  19. 前記単位吐出量決定手段は、前記ヘッド温度および前記インク温度に基づいて、前記単位吐出量を決定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェットプリンタ。
  20. 前記インクジェットヘッドは、熱を加えることによりインクに発泡を起こし、その圧力でインクを吐出する方式を用いていることを特徴とする請求項18または19に記載のインクジェットプリンタ。
  21. カラー印刷を行うカラー印刷手段を更に備え、
    前記吐出回数カウント手段は、色別にインクの吐出回数をカウントすると共に、前記インク消費量算出手段は、色別にインク消費量を算出することを特徴とする請求項14ないし20のいずれか1に記載のインクジェットプリンタ。
  22. 前記インク消費量算出手段は、前記インクジェットプリンタのメンテナンス作業によって消費されるインク量も含めて前記インク消費量を算出することを特徴とする請求項14ないし21のいずれか1に記載のインクジェットプリンタ。
  23. 前記駆動力補償手段は、駆動電圧のパルス幅を補正する手段が含まれることを特徴とする請求項14ないし22のいずれか1に記載のインクジェットプリンタ。
  24. 前記駆動力補償手段は、駆動電圧値または駆動電圧のピーク値を補正する手段が含まれることを特徴とする請求項14ないし23のいずれか1に記載のインクジェットプリンタ。
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