JP2004097500A - ファスナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、二つ一組で対面接触により係合するものであって、極めて簡単な構成で強力な係合を実現すること。
【解決手段】ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凸形弧状ベース1と,該凸形弧状ベース1の表面側に多数設けられ且つ柱状部2aの先端に係合膨大部2bが形成された雄側係合突起2,2,…と,前記凸形弧状ベース1の裏面側に形成された雄側取付部3とからなり,前記柱状部2aは前記凸形弧状ベース1のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雄側ファスナAと、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凹形弧状ベース5と,該凹形弧状ベース5の表面側に多数設けられ且つ柱状部6aの先端に係合膨大部6bが形成された雌側係合突起6,6,…と,前記凹形弧状ベース5の裏面側に形成された雌側取付部7とからなり,前記柱状部7aは前記凹形弧状ベース5のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雌側ファスナBとからなること。
【選択図】 図1
【解決手段】ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凸形弧状ベース1と,該凸形弧状ベース1の表面側に多数設けられ且つ柱状部2aの先端に係合膨大部2bが形成された雄側係合突起2,2,…と,前記凸形弧状ベース1の裏面側に形成された雄側取付部3とからなり,前記柱状部2aは前記凸形弧状ベース1のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雄側ファスナAと、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凹形弧状ベース5と,該凹形弧状ベース5の表面側に多数設けられ且つ柱状部6aの先端に係合膨大部6bが形成された雌側係合突起6,6,…と,前記凹形弧状ベース5の裏面側に形成された雌側取付部7とからなり,前記柱状部7aは前記凹形弧状ベース5のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雌側ファスナBとからなること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、二つ一組で対面接触により係合するものであって、極めて簡単な構成で強力な係合を実現することができるファスナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の対面接触タイプのファスナ装置が存在している。特に近年では、そのファスナ装置の用途が広がる傾向にあり、より強力なる接合力を有するものが開発されている。そして、その用途もみじかなものから、機械,建築等の産業・工業用としても大いに使用されるようになっている。ところで、この種のファスナ装置で特に産業・工業用としたものにおいては、下記特許文献1,特許文献2に記載されているように、極めて強力なる接合力を有し、一旦接合したら、分離することがほとんどないものに適用されることが多い。この種のものとして自動車の車内側におけるドアパネル材,天井パネル材等であり、一旦接合したら、容易に取り外すことができない構造である。
【0003】
このような産業・工業用のファスナ装置は、基板に多数の膨大有頭部が形成された係合突子が植設されたファスナ部材が二つで1セットとなったものである。上記ファスナ部材は、それぞれ小さく形成されたものでその大きさは硬貨大のものであり、接合される二つの構造材にそれぞれファスナ部材が多数装着され、両構造材に装着されたファスナ部材は対応するように位置設定されている。
【0004】
そして、このファスナ部材同士を対面させて両係合突子同士が絡まりあうようにして接合されるものである。このタイプは、ファスナ部材同士を押圧することにより、両係合突子同士が相互に挿入しあい、膨大有頭部同士が係合することにより接合することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−79813号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−139519号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1,2のようなファスナ装置で、ファスナ部材同士が接合した状態において、係合突子の膨大有頭部同士が係合しても、その膨大有頭部を形成している軸部の長さの分だけ、あそびが生じ、そのあそびが両ファスナ部材の接合にガタが生じる原因となる。このガタは、ファスナ部材を装着した物体を他物体に接合した場合に大きなガタになることもあり、好ましくない状態である。
【0008】
しかしながら、上記あそびが無いと、ファスナ部材同士を接合するときに、スムーズに接合できず、極めて強力な押圧力をかけなければならない。このように、ファスナ部材同士を強力に接合することと、その接合の行いやすさとの間には、背反する構成条件が存在するものである。本発明の目的は、この背反する課題を解決し、接合しやすく、且つ接合完了後には極めて強固なる接合ができることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を行った結果、本発明を、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凸形弧状ベースと,該凸形弧状ベースの表面側に多数設けられ且つ柱状部の先端に係合膨大部が形成された雄側係合突起と,前記凸形弧状ベースの裏面側に形成された雄側取付部とからなり,前記柱状部は前記凸形弧状ベースのほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雄側ファスナと、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凹形弧状ベースと,該凹形弧状ベースの表面側に多数設けられ且つ柱状部の先端に係合膨大部が形成された雌側係合突起と,前記凹形弧状ベースの裏面側に形成された雌側取付部とからなり,前記柱状部は前記凹形弧状ベースのほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雌側ファスナとからなるファスナ装置としたことにより、接合をスムーズに行うことができ、且つ接合状態では極めて強固なる接合にすることができ、上記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず本発明の第1実施形態について述べる。本発明では、図1(A),(B)に示すように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとから構成されている。そして、まず雄側ファスナAは、凸形弧状ベース1と係合膨大部2bと雄側取付部3とから構成され、その素材としては合成樹脂等であるが、特に弾性を有するもので変形することができ且つ復元性に優れたものが素材として好ましい。また素材として、変形可能な厚さであれば、金属材が使用されることもある。
【0011】
その凸形弧状ベース1は、図1(A)に示すように、通常は曲率半径R0 なる凸面であるが図2(A),図7(C)に示すように、押圧力F1 がかかることにより、その曲率半径が大きくなり曲率半径R1 となる。そしてさらに押圧力F1 が大きくなると、図2(B)に示すように、ほぼ平坦に近い曲率半径R2 となる。また、図3(D)は、無限大となった曲率半径Rn であり、この状態では凸形弧状ベース1は平坦状に変形したものである。すなわち、曲率半径はRn >R2 >R1 >R0 なる大小関係となる。
【0012】
その凸形弧状ベース1は、その表面側が膨出するように球面状をなしている。その球面は、正確な球体の球面としたり、或いはその正確な球面にほぼ近似した面である。また、正確な球体の球面ではなく、凸レンズ状の表面形状とすることもある。その凸形弧状ベース1は、正面より見て円形状に形成されている。その凸形弧状ベース1の裏面側は、凹状球面となる。
【0013】
さらに、裏面側には、雄側取付部3が形成されており、図1(A),図14等に示すように、後述する接合部材10にその雄側ファスナAを取り付ける役目をなす。その雄側取付部3は、図9に示すように、軸部3aに複数の嵌合突片3bが形成されたものであり、具体的にはその嵌合突片3bは軸部3aの軸方向に対してほぼ直角又は凸形弧状ベース1側に僅かに傾くようにして形成されている。
【0014】
そして接合部材10に形成された取付用貫通孔10aにその雄側取付部3を差し込むことで、図1(A),図2(A),図7等に示すように、複数の嵌合突片3b,3b,…が差し込み方向と反対側に傾斜しつつ、前記取付用貫通孔10aの内壁に食い付くようにして嵌合し、雄側ファスナAを接合部材10に装着することができる。そして、取付用貫通孔10aに一旦挿入された雄側取付部3は、取付用貫通孔10aから引き出す方向に対して複数の嵌合突片3b,3b,…が抵抗するように作用し、雄側ファスナAが極めて強固に固着されることになる。
【0015】
前記凸形弧状ベース1は、通常における状態では上述したように球面であるが、その表面側より外力等の押圧力F1 がかかるとほぼ偏平状の円板或いは平坦状な円板に変形する。また外力を外すと球面形に復元することができる。その凸形弧状ベース1の表面側には、多数の雄側係合突起2,2,…が形成されている。該雄側係合突起2は、図1(A)等に示すように、弾性を有する柱状部2aと係合膨大部2bとから構成されているもので、その柱状部2aの先端に係合膨大部2bが一体成形されたものである。この雄側係合突起2は、凸形弧状ベース1の表面に直接形成される。また、特に図示しないが、多数の雄側係合突起2,2,…がシート状ベースに植設され、該シート状ベースが前記凸形弧状ベース1の表面側に貼着される構造としたものも存在する。
【0016】
その雄側係合突起2の柱状部2aの軸方向(図3では軸線Saとして示されている)は、凸形弧状ベース1の中心部Paにおける法線方向の軸線Laにほぼ平行となるように形成されている。ここで中心部Paにおける法線方向には、ほぼ法線方向,すなわち法線に近い方向線も含まれるものである。その法線とした軸線Laは、仮想線であり、前記凸形弧状ベース1の中心部Paにおける接線Taに直交するものである。
【0017】
ここで、図1又は略示図とした図3(A),(B)等に示すように、凸形弧状ベース1は、無荷重状態のとき,すなわち未使用状態のときに曲率半径R0 とする。この曲率半径R0 の状態で、図3(B)に示すように、適宜の曲率半径を有する凸形弧状ベース1の略示図に軸線Laを設定したものであり、中心部Paにおける接線Taに直角となっていることが示されている。また、凸形弧状ベース1の中心部Paとは、正確な中心位置とともに、その正確な中心位置の周辺も中心位置の概念に含まれる。その凸形弧状ベース1は、無荷重の球面状態のときに、図1(A),図3(B)に示すように、全雄側係合突起2,2,…の柱状部2a,2a,…のそれぞれの軸線Saは、軸線Laに対して全て平行であり、且つ同一方向を向いているものである。
【0018】
そして、凸形弧状ベース1に押圧力F1 が前記軸線Laの方向、すなわち中心部Paにおける法線方向と平行な方向に作用すると、その押圧力F1 により凸形弧状ベース1が球面から平坦面に近づくように変化するにしたがい、図3(C),(D)に示すように、曲率半径R0 が曲率半径R1 ,R2 と徐々に変化する。このとき、前記雄側係合突起2,2,…の柱状部2a,2a,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって傾斜する状態となり、各雄側係合突起2,2,…の係合膨大部2b,2b,…同士が凸形弧状ベース1の正面から見て中心部Paに向かって寄り集まる状態となる。図3(D)は、無限大の曲率半径Rn となったときで、凸形弧状ベース1は、ほぼ平坦状な板となる。実際には、図2(A),(B)に示すように、変形した凸形弧状ベース1はフラットではなく、曲率半径R1 又は曲率半径R2 程度の変形で十分であり、雌側ファスナBとの接合力も十分に果たせるものである。
【0019】
なお、図3(C),(D)に示すように、凸形弧状ベース1の外方側の雄側係合突起2の倒れが最も大きく、凸形弧状ベース1の中心に向かうにしたがい雄側係合突起2の倒れが小さくなり、凸形弧状ベース1の中心に形成される雄側係合突起2は軸線Laの軸方向に一致することになる。具体的には、図3(A)に示すように、各雄側係合突起2の柱状部2a(図3において柱状部2aは軸線Saでも表示されている)の付け根箇所と、その箇所における凸形弧状ベース1の接線とのなす角度をそれぞれ凸形弧状ベース1の中心部Paから近い順番に角θ1 ,θ2 ,θ3 とすると、図3(C)に示すように凸形弧状ベース1が平坦状に近づくように変形したり、或いは図3(D)に示すように、平坦状となったときでも前記角θ1 ,θ2 ,θ3 を維持(略維持することも含まれる)したまま、各雄側係合突起2,2,…が傾斜するものである。また、上記角度については、θ1 >θ2 >θ3 なる大小関係となる。その凸形弧状ベース1に対して押圧力F1 が解除されると平坦状面から球面に復元し、各雄側係合突起2,2,…も全て軸線Laと平行になる。
【0020】
次に、第1実施形態における雌側ファスナBについて説明する。該雌側ファスナBは、図1(B)に示すように、凹形弧状ベース5と雌側係合突起6と雌側取付部7とから構成され、前記雄側ファスナAと同様にその素材は合成樹脂であり、特に弾性を有するもので変形することができ且つ復元性に優れたものが好ましい。その凹形弧状ベース5は、通常は凹面であるが前記押圧力F1 がかかることによりほぼ平坦状の面となる。
【0021】
その凹形弧状ベース5は、その表面側が球面状に凹んだ形状をなしている。その球面は、正確な球体の球面としたり、或いはその正確な球面にほぼ近似した面である。また正確な球体の球面ではなく、凹レンズ状の表面とすることもある。その凹形弧状ベース5は、正面より見て円形状に形成されている。該凹形弧状ベース5の裏面側は、凸状球面となる。さらに裏面側には、雌側取付部7が形成されており、接合部材10にその雌側ファスナBを取り付ける役目をなす。その雌側取付部7は、前記雄側取付部3と同様の形状であり、軸部7aに複数の嵌合突片7bが形成されたものである。
【0022】
そして接合部材10に形成された取付用貫通孔10aにその雌側取付部7を差し込むことで嵌合突片7bが孔内壁に食い付き、雌側ファスナBを接合部材10に装着することができる。その凹形弧状ベース5は、図1(B)に示すように、通常は曲率半径R0’なる凹面であるが、押圧力F1 がかかることにより、その曲率半径が大きくなり図4(C)に示すように、曲率半径R1’となる。そしてさらに押圧力F1 が大きくなると、ほぼ平坦に近い曲率半径R2’となる。また、図4(D)は、無限大となった曲率半径Rn’であり、この状態では凹形弧状ベース5は平坦状に変形したものである。すなわち、曲率半径はRn’>R2’>R1’>R0’なる大小関係となる。
【0023】
前記凹形弧状ベース5は、図1(B)に示すように、通常における状態では上述したように凹状球面であるが、その表面側より外力等の押圧力F1 がかかると、図2(B)に示すように、ほぼ平坦な円板状に変形し、外力を外すと球面形に復元する。その凹形弧状ベース5の表面側には多数の雌側係合突起6が形成されている。該雌側係合突起6は、弾性を有する柱状部6aと係合膨大部6bとから構成されているもので、その柱状部6aの先端に係合膨大部6bが一体成形されたものである。この雌側係合突起6は、凹形弧状ベース5の表面に直接形成される。また、前述した雄側係合突起2の場合と同様に多数の雌側係合突起6,6,…がシート状ベースに植設され、該シート状ベースが前記凹形弧状ベース5の表面側に貼着されることもある。
【0024】
その全雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…の軸方向(図4では軸線Sbとして示されている)は、図4(A)に示すように、凹形弧状ベース5の中心部Pbにおける法線方向の軸線Lbに対してほぼ平行となるように形成されている。この中心部Pbにおける法線にもほぼ法線方向としたものが含まれる。その法線とした軸線Lbは、凹形弧状ベース5の中心部Pbにおける接線Tbに直角となるものである。また、凹形弧状ベース5の中心部Pbは、正確な中心位置とともにその正確な中心位置の周辺も中心位置の概念に含まれる。その凹形弧状ベース5は、無荷重の凹み球面状態のときに、図4(B)に示すように、全雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…は、全て平行で同一方向を向いているものである。
【0025】
そして、凹形弧状ベース5も前記凸形弧状ベース1と同様に、図1(B),図4(A),(B)等に示すように、無荷重状態で曲率半径R0’であり、球面から平坦面に変化するにしたがい、図4(C),(D)に示すように、曲率半径R1’から曲率半径R2’となる。また、無限大の曲率半径Rn’のときには凹形弧状ベース5は平坦状となる。前記雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…は、凹形弧状ベース5の中心に向かって傾斜する状態となり、全雌側係合突起6,6,…の係合膨大部6b,6b,…同士が凹形弧状ベース5の正面から見て放射状に外方に向かって傾斜する状態となる。なお、凹形弧状ベース5の外方側の雌側係合突起6の倒れが最も大きく、凹形弧状ベース5の中心に向かうにしたがい、雌側係合突起6の倒れが小さくなり、凹形弧状ベース5の中心に形成される雌側係合突起6は軸線Lbの軸方向に一致することになる。
【0026】
具体的には、球面状の凹形弧状ベース5と各雌側係合突起6の柱状部6aとの付け根の接線とのなす角度を角θ1’,θ2’,θ3’とすると、凹形弧状ベース5が平坦状に変形したときにも、その角θ1’,θ2’,θ3’のまま、各雌側係合突起6,6,…は傾斜するものである〔図4(C),(D)参照〕。その凸形弧状ベース1に対して押圧力F1 が解除され、その凹形弧状ベース5に対して押圧力F1 が解除されると平坦状面から球面に復元し、各雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…も全て軸線Lbと平行になる〔図4(B)参照〕。
【0027】
具体的には、図4(A)に示すように、各雌側係合突起6の柱状部6a(図4において柱状部2aは軸線Sbでも表示されている)の付け根箇所と、その箇所における凹形弧状ベース5の接線とのなす角度をそれぞれ凹形弧状ベース5の中心部Pbから近い順番に角θ1’,θ2’,θ3’とすると、図4(C)に示すように、凹形弧状ベース5が平坦状に近づくように変形したり、或いは図4(D)に示すように、平坦状となったときでも前記角θ1’,θ2’,θ3’を維持(略維持することも含まれる)したまま、各雌側係合突起6,6,…が傾斜するものである。また、上記角度については、θ1’>θ2’>θ3’なる大小関係となる。その凹形弧状ベース5に対して押圧力F1 が解除されると平坦状面から球面に復元し、各雌側係合突起6,6,…も全て軸線Lbと平行になる。
【0028】
この第1実施形態における雄側ファスナAと雌側ファスナBとは、それぞれ接合部材10に装着される。該接合部材10は、種々の部材が存在し、たとえば自動車のドア,天井等の内部パネルや、建築構造物の壁材等である。そして接合部材10には、図14に示すように、固定板側と装着板側とがあり、それぞれに複数の取付用貫通孔10a,10a,…が穿孔され、位置的に対応しており、複数の雄側ファスナA,A,…及び雌側ファスナB,B,…が装着される。
【0029】
また雄側ファスナAは、接合部材10に形成された取付用貫通孔10aに雄側取付部3の軸部3aが挿入され、嵌合突片3bが接合部材10の反対側にて嵌まり状態となる。そして、前記雄側ファスナAは、接合部材10の表面側を押圧することで、雄側取付部3により軸線La方向に沿って軸部3aの軸方向に移動しその円弧状凸面が外方に向かって拡がるように変形する〔図2(A)参照〕。すなわち、その円弧状凸面が平坦面になるか、或いは平坦面に近づくように変形する。この雄側ファスナAの凸形弧状ベース1が円弧状から平坦状に変形する押圧力は、後述するように雌側ファスナBが装着された接合部材10を押しつけることによるものである。
【0030】
そして、雄側ファスナAの凸形弧状ベース1の表面側を押圧することで、凸形弧状ベース1の裏面側が接合部材10の表面に当接し、さらに押圧することで、凸形弧状ベース1は接合部材10側からの反力を受けて、球面から平坦面に変形する。このとき、全ての雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心(正面から見て)に向かって傾斜する。
【0031】
また、雌側ファスナBも前記雄側ファスナAと同様に雌側取付部7を介して他方側の接合部材10に装着される。その装着構造は前記雄側ファスナAの場合と同様であるが、雌側ファスナBの場合は、凹形弧状ベース5の裏面側が接合部材10の表面に当接した状態であってもかまわない。そして、前記凹形弧状ベース5が押圧されると、凹形弧状ベース5は球面から平坦面に変形し、その変形にともなって、凹形弧状ベース5に形成された全雌側係合突起6,6,…は、凹形弧状ベース5に対して放射状且つ外方に向かって傾斜する。
【0032】
そして、雄側ファスナAを雌側ファスナBに接合する場合には、図5,図6に示すように、雄側ファスナAが装着されている接合部材10と雌側ファスナBが装着されている接合部材10とを、図14に示すように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとが対応するようにして貼り合わせ、雄側ファスナAを雌側ファスナBに押圧力F1 にて押しつける。これによって、雄側ファスナA側の多数の雄側係合突起2,2,…群と雌側ファスナB側の多数の雌側係合突起6,6,…群とが相互に他方側に挿入してゆく。さらに、雄側ファスナAが雌側ファスナBを押さえつけることにより、凸形弧状ベース1も凹形弧状ベース5からの反力を受けて、ほぼ同時に凸形弧状ベース1の裏面側が接合部材10に当接し、凸形弧状ベース1が球面状から平坦面状に変形する。
【0033】
一方、前記雌側ファスナB側の凹形弧状ベース5は、前記雄側ファスナA側の押圧力F1 にて凹状球面から平坦面状に変形する。そこで、雄側ファスナAの全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって傾斜し、また雌側ファスナBの全雌側係合突起6,6,…は凹形弧状ベース5に対して放射状且つ外方側に傾斜する。このような状態で雄側係合突起2,2,…群と雌側係合突起6,6,…群とが、図6に示すように、絡まりあうようになり、且つ係合膨大部2bと係合膨大部6bとが、図13に示すように、その横方向における押し合う押圧力F2 が作用する構成となり、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの極めて強固なる接合とすることができる。この図13では、接合する雄側係合突起2,2,…群と雌側係合突起6,6,…群のそれぞれの柱状部2a,2a,…及び柱状部6a,6a,…は、相互に湾曲状に撓んでおり、これらの復元力が押圧力F2 となる。
【0034】
また、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1は、前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5よりも平面から見た直径が大きく形成されることもある。この実施形態は、特に図示しないが、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1の平面から見た直径を、前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5の平面から見た直径よりも若干或いはひと回り程度大きく形成したものである。その凸形弧状ベース1,凹形弧状ベース5を平面から見た方向は、図8に示されたものであり、その図示された直径方向がである。
【0035】
このような構成にすることによって、雄側ファスナAを雌側ファスナBに当接したときに、雄側ファスナAが雌側ファスナBを覆うことができるものである。これによって、雌側ファスナBの凹形弧状ベース5には、雄側ファスナAの押圧力F1 が有効に作用し、比較的小さい押圧力F1 でも凹形弧状ベース5を球面から平坦面状に変形し易くし、接合作業が効率的にできる。
【0036】
本発明の第1実施形態では、前記凸形弧状ベース1を膨出球面形状とし、前記凹形弧状ベース5は、凹状球面形状としたものであるが、これらには、それぞれの断面形状を偏平台形状に形成することも含まれる。すなわち、その断面形状を偏平な皿状にしたものである。また、図10に示すように、雄側ファスナAの凸形弧状ベース1にはその外周から中心に向かって適宜の間隔に拡開用切込み部1aが形成されることもある。その雄側ファスナAの拡開用切込み部1a及び雌側ファスナBの拡開用切込み部5aは、それぞれ三角形状をなしていたり、或いは図示しないがほぼ長方形状に形成されることもある。
【0037】
また、同様に雌側ファスナBの凹形弧状ベース5にもその外周から中心に向かって適宜の間隔に拡開用切込み部5aが形成されることもある〔図10の括弧内符号を参照〕。この拡開用切込み部1a及び5aは、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が共に押圧力を受けることにより、それぞれの切込み領域が拡開して、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が平坦形状に変形し易いようにする役目をなすものである。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態では、図11(A)に示すように、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1は、表面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状としたものであり、また前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5は、裏面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状としたものである。まず、凸形弧状ベース1は、正面より見て長方形又は正方形に形成され、その断面形状がアーチ形状又は円弧状に形成されたものである。
【0039】
すなわち、凸形弧状ベース1が緩くカーブする曲面形状に形成されたものであるともいえる。このような凸形弧状ベース1の表面に第1実施形態と同様に多数の雄側係合突起2,2,…が形成されている。該凸形弧状ベース1の裏面側には、第1実施形態の雄側ファスナAと同様に雄側取付部3が設けられている。全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心を直交する軸線Laに平行であることも、前記第1実施形態と同様である。
【0040】
次に、凹形弧状ベース5は、図11(B)に示すように、前記凸形弧状ベース1と同様で、正面より見て長方形又は正方形に形成され、その断面形状がアーチ形状又は円弧状に形成されたものである。その断面アーチ状としたものも、前記凸形弧状ベース1と同様の曲率或いは同等形状のものである。この雌側ファスナBにも第1実施形態の雌側ファスナBと同様に雌側取付部7が設けられている。さらに全雌側係合突起6,6,…は、凹形弧状ベース5の中心を直交する軸線Lbに平行であることも、前記第1実施形態と同様である。
【0041】
雄側係合突起2と雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bは、ほぼ半球形状である。具体的には、係合膨大部2bの平坦面側が前記柱状部2a側に連結形成されたものであり、球面状側が外方を向いている。これは係合膨大部6bも同様の構成である。さらに前記雄側係合突起2及び雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bの変形例として、図12(A),(B)に示すように、ほぼ球形状に形成されることもある。
【0042】
本発明におけるファスナ装置が装着される接合部材10は、主として産業用,工業用として使用される部材であるが、その一例を示すと自動車の内装に関する部分でドアの内張り,天井等である。また建築関係では、壁パネルを壁面に接合する場合に使用できる。その他、一時的にしか使用しない簡易建造物の施工にも好適である。本発明のファスナ装置は、その使用においてあらゆる強固な接合を必要とする物や構造体に極めて有効に利用できる。
【0043】
【作用】
まず、図14に示すように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとをそれぞれ対応する接合部材10,10に装着する。接合部材10には、固定側及び装着側があり、固定側の接合部材10に対して装着側の接合部材10を貼り付けるようにして装着する。接合部材10には、多数の取付用貫通孔10a,10a,…が形成されているので、図7(A)に示すように、その取付用貫通孔10aに雄側ファスナAの雄側取付部3或いは雌側ファスナBの雌側取付部7を挿入する。
【0044】
雄側取付部3には、複数の嵌合突片3b,3b,…が形成され、図7(B)に示すように、前記取付用貫通孔10aに雄側取付部3を挿入すると嵌合突片3b,3b,…が取付用貫通孔10a内部で変形し、該取付用貫通孔10aの内壁に嵌合突片3b,3b,…が食い込むように作用し、これによって雄側取付部3が取付用貫通孔10aから外れにくいように固着状態にすることができる。雌側取付部7においても、前記雄側取付部3と同様に取付用貫通孔10aに固着状態となる。
【0045】
雄側ファスナAは、その凸形弧状ベース1の外周が接合部材10の表面に接触する程度まで押し込む。雌側ファスナBは、その凹形弧状ベース5の裏面側の中心箇所が接合部材10に接触するまで押し込む。このとき凸形弧状ベース1は、無荷重状態で、曲率半径R0 である。同様に凹形弧状ベース5の曲率半径R0’である。次に、装着側の接合部材10と固定側の接合部材10とにそれぞれ取り付けられた雄側ファスナA及び雌側ファスナBとを対応するようにして位置合わせし、当接させる。この段階で、図5に示すように、雄側係合突起2,2,…と雌側係合突起6,6,…とはそれぞれの法線方向において係合しあっている。
【0046】
次いで、装着側の接合部材10を固定側の接合部材10に押圧し、雄側ファスナAと雌側ファスナBとが相互に押圧力がかかるようにすると、凸形弧状ベース1は前記曲率半径R0 よりも大きな曲率半径R1 となり、同時に凹形弧状ベース5は前記曲率半径R0’よりも大きな曲率半径R1’となる。ここで、凸形弧状ベース1側に形成された雄側係合突起2,2,…は凸形弧状ベース1の中心に向かって倒れる状態となり、また凹形弧状ベース5側に形成された雌側係合突起6,6,…は外側に倒れるようになる。これによって、図6,図13に示すように、雄側係合突起2,2,…と雌側係合突起6,6,…とは法線方向に直交する方向の押圧力F2 にて押し合い且つ絡み状態とすることができる。
【0047】
また、雄側ファスナAは、雄側取付部3が接合部材10の取付用貫通孔10aにより深く挿入され、且つ嵌合突片3b,3b,…が取付用貫通孔10aの内壁に食い込む状態となるので、図2(A),(B),図7(C)等に示すように、凸形弧状ベース1が偏平状を維持することができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凸形弧状ベース1と,該凸形弧状ベース1の表面側に多数設けられ且つ柱状部2aの先端に係合膨大部2bが形成された雄側係合突起2,2,…と,前記凸形弧状ベース1の裏面側に形成された雄側取付部3とからなり,前記柱状部2aは前記凸形弧状ベース1のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雄側ファスナAと、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凹形弧状ベース5と,該凹形弧状ベース5の表面側に多数設けられ且つ柱状部6aの先端に係合膨大部6bが形成された雌側係合突起6,6,…と,前記凹形弧状ベース5の裏面側に形成された雌側取付部7とからなり,前記柱状部6aは前記凹形弧状ベース5のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雌側ファスナBとからなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合をスムーズに行うことができ、且つ接合状態では極めて強固なる接合にすることができる等の効果を奏する。
【0049】
上記効果を詳述すると、雄側ファスナAを雌側ファスナBに接合する場合には、雄側ファスナAを雌側ファスナBに押圧力F1 を介して押しつけると凸形弧状ベース1と凹形弧状ベース5とは、それぞれ球面状から平坦面状に変形する。そこで、雄側ファスナAの全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって傾斜し、また雌側ファスナBの全雌側係合突起6,6,…は凹形弧状ベース5に対して中心より放射状に外方に向かって傾斜する。
【0050】
このような状態で雄側係合突起2,2,…群と雌側係合突起6,6,…群とが絡まりあうことで、雄側係合突起2と雌側係合突起6とは、それぞれの軸方向のみの係合だけでなく、軸方向に直交する方向すなわち横方向においても雄側係合突起2と雌側係合突起6とは相互に軸線Laに対して直交する方向の押圧力F2 によって押し合う構成となる(図13参照)。これによって、雄側係合突起2の係合膨大部2bと雌側係合突起6の係合膨大部6bとは全方向において相互に固定しあうことができる。
【0051】
また、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合状態において、雄側係合突起2と雌側係合突起6とは、それぞれの係合膨大部2b,6b同士の係合のみでなく、それぞれの柱状部2a,6a同士も相互に押し合う状態となり、接合状態におけるガタつきが極めて小さくできるものである。しかも、雄側係合突起2の柱状部2aと雌側係合突起6の柱状部6aには、ある程度の長さを有するものにでき、あそびが設定されるので雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合作業も比較的楽にできる。このように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合作業は、従来タイプと同様に極めて簡単にできるものでありながら、その接合状態は従来タイプのものよりも格段に強力で且つガタを低減することができる。
【0052】
請求項2の発明は、請求項1において、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1と前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5はそれぞれ球面としてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合を最も強力なものにでき、且つガタを最小限にすることができる。
【0053】
上記効果を詳述すると、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合状態において、前記雄側ファスナAの全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって倒れるように傾斜しており、雌側ファスナBの全雌側係合突起6,6,…は、凹形弧状ベース5の中心より放射状に外方に向かって倒れるように傾斜するもので、雄側係合突起2,2,…と雌側係合突起6,6,…との絡まりあいが複雑な構成となる。それゆえに強力且つガタがほとんど生じない接合状態を実現することができる。
【0054】
請求項3の発明は、請求項2において、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1及び雌側ファスナBの凹形弧状ベース5にはその外周から中心に向かって適宜の間隔に拡開用切込み部1a,5aが形成されてなるファスナ装置としたことにより、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が平坦形状に変形しやすくすることで、雄側ファスナAと雌側ファスナBとを接合するときの押圧力を僅かに小さくすることができる。すなわち、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が共に押圧力を受けることにより、拡開用切込み部1a及び5aは、切込み領域が拡開して、それぞれの凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が平坦形状に変形し易いようにすることができ、雄側ファスナAと雌側ファスナBとがそれぞれ装着された接合部材10,10同士の接合作業を比較的小さな力で接合完了させることができる。
【0055】
請求項4の発明は、請求項1において、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1は表面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状とし、前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5は裏面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状としてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAの凸形弧状ベース1はアーチ状凸面から平坦状面に変形し易いものであり、また同様に雌側ファスナBもアーチ状凹面から平坦状面に変形し易いものである。したがって、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合作業は両者が平坦状になりやすいことから、比較的小さな押圧力にて接合することができるものである。
【0056】
請求項5の発明は、請求項1,2,3又は4において、前記雄側係合突起2及び雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bは、ほぼ球形状としてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBの接合及び分離のいずれも容易に行うことができる。
【0057】
請求項6の発明は、請求項1,2,3又は4において、前記雄側係合突起2及び雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bは、ほぼ半球形状で且つ球面側を外方に向けてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合が容易にでき、接合された状態においては、それぞれの係合膨大部2b,6b同士が半球の平坦面同士で係合しあうことになり、極めて強固なる接合にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態における雄側ファスナが接合部材に装着された状態の縦断側面図
(B)は本発明の第1実施形態における雌側ファスナが接合部材に装着された状態の縦断側面図
【図2】(A)は雄側ファスナの凸形弧状ベースが押圧力により曲率半径が大きく変化した状態の縦断側面図
(B)は雄側ファスナの凸形弧状ベースがさらに押圧されてほぼ平坦状に近づくように変形した状態の縦断側面図
【図3】(A)は凸形弧状ベースの中心部を通過する軸線が法線方向となっている事を示す略示図
(B)は凸形弧状ベースが球面状態にある略示図
(C)は凸形弧状ベースが押圧力により曲率半径が大きく変化した状態の略示図
(D)は凸形弧状ベースが平坦状態に変化した略示図
【図4】(A)は凹形弧状ベースの中心部を通過する軸線が法線方向となっている事を示す略示図
(B)は凹形弧状ベースが球面状態にある略示図
(C)は凹形弧状ベースが押圧力により曲率半径が大きく変化した状態の略示図
(D)は凹形弧状ベースが平坦状態に変化した略示図
【図5】雄側ファスナと雌側ファスナとが接合する初期段階状態の縦断側面図
【図6】雄側ファスナと雌側ファスナとの接合が完了した縦断側面図
【図7】(A)は雄側ファスナを接合部材に装着する状態を示す縦断側面図
(B)は雄側ファスナが接合部材に装着された状態の縦断側面図
(C)は雄側ファスナが接合部材に装着され押圧力により曲率半径が大きく変形した状態の縦断側面図
【図8】本発明の第1実施形態における雄側ファスナ(雌側ファスナを含む)の雄側係合突起(雌側係合突起を含む)側から見た平面図
【図9】雄側係合突起(雌側係合突起を含む)の要部斜視図
【図10】本発明の第1実施形態における雄側ファスナ(雌側ファスナを含む)に拡開用切込み部が形成された平面図
【図11】(A)は本発明の第2実施形態の雄側ファスナの斜視図
(B)は本発明の第2実施形態の雌側ファスナの斜視図
【図12】(A)は係合突起の第2タイプの拡大図
(B)は第2タイプの雄側係合突起と雌側係合突起とが係合した状態図
【図13】雄側係合突起と雌側係合突起とが係合し相互に横方向の押圧力にて押し合う状態を示す拡大図
【図14】固定側の接合部材に雄側ファスナが,装着側の接合部材に雌側ファスナがそれぞれ装着され且つ装着しようとする状態を示す斜視図
【符号の説明】
A…雄側ファスナ
B…雌側ファスナ
1…凸形弧状ベース
1a…拡開用切込み部
2…雄側係合突起
2a…柱状部
2b…係合膨大部
5…凹形弧状ベース
5a…拡開用切込み部
6…雌側係合突起
6a…柱状部
6b…係合膨大部
【産業上の利用分野】
本発明は、二つ一組で対面接触により係合するものであって、極めて簡単な構成で強力な係合を実現することができるファスナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の対面接触タイプのファスナ装置が存在している。特に近年では、そのファスナ装置の用途が広がる傾向にあり、より強力なる接合力を有するものが開発されている。そして、その用途もみじかなものから、機械,建築等の産業・工業用としても大いに使用されるようになっている。ところで、この種のファスナ装置で特に産業・工業用としたものにおいては、下記特許文献1,特許文献2に記載されているように、極めて強力なる接合力を有し、一旦接合したら、分離することがほとんどないものに適用されることが多い。この種のものとして自動車の車内側におけるドアパネル材,天井パネル材等であり、一旦接合したら、容易に取り外すことができない構造である。
【0003】
このような産業・工業用のファスナ装置は、基板に多数の膨大有頭部が形成された係合突子が植設されたファスナ部材が二つで1セットとなったものである。上記ファスナ部材は、それぞれ小さく形成されたものでその大きさは硬貨大のものであり、接合される二つの構造材にそれぞれファスナ部材が多数装着され、両構造材に装着されたファスナ部材は対応するように位置設定されている。
【0004】
そして、このファスナ部材同士を対面させて両係合突子同士が絡まりあうようにして接合されるものである。このタイプは、ファスナ部材同士を押圧することにより、両係合突子同士が相互に挿入しあい、膨大有頭部同士が係合することにより接合することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−79813号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−139519号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1,2のようなファスナ装置で、ファスナ部材同士が接合した状態において、係合突子の膨大有頭部同士が係合しても、その膨大有頭部を形成している軸部の長さの分だけ、あそびが生じ、そのあそびが両ファスナ部材の接合にガタが生じる原因となる。このガタは、ファスナ部材を装着した物体を他物体に接合した場合に大きなガタになることもあり、好ましくない状態である。
【0008】
しかしながら、上記あそびが無いと、ファスナ部材同士を接合するときに、スムーズに接合できず、極めて強力な押圧力をかけなければならない。このように、ファスナ部材同士を強力に接合することと、その接合の行いやすさとの間には、背反する構成条件が存在するものである。本発明の目的は、この背反する課題を解決し、接合しやすく、且つ接合完了後には極めて強固なる接合ができることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を行った結果、本発明を、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凸形弧状ベースと,該凸形弧状ベースの表面側に多数設けられ且つ柱状部の先端に係合膨大部が形成された雄側係合突起と,前記凸形弧状ベースの裏面側に形成された雄側取付部とからなり,前記柱状部は前記凸形弧状ベースのほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雄側ファスナと、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凹形弧状ベースと,該凹形弧状ベースの表面側に多数設けられ且つ柱状部の先端に係合膨大部が形成された雌側係合突起と,前記凹形弧状ベースの裏面側に形成された雌側取付部とからなり,前記柱状部は前記凹形弧状ベースのほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雌側ファスナとからなるファスナ装置としたことにより、接合をスムーズに行うことができ、且つ接合状態では極めて強固なる接合にすることができ、上記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず本発明の第1実施形態について述べる。本発明では、図1(A),(B)に示すように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとから構成されている。そして、まず雄側ファスナAは、凸形弧状ベース1と係合膨大部2bと雄側取付部3とから構成され、その素材としては合成樹脂等であるが、特に弾性を有するもので変形することができ且つ復元性に優れたものが素材として好ましい。また素材として、変形可能な厚さであれば、金属材が使用されることもある。
【0011】
その凸形弧状ベース1は、図1(A)に示すように、通常は曲率半径R0 なる凸面であるが図2(A),図7(C)に示すように、押圧力F1 がかかることにより、その曲率半径が大きくなり曲率半径R1 となる。そしてさらに押圧力F1 が大きくなると、図2(B)に示すように、ほぼ平坦に近い曲率半径R2 となる。また、図3(D)は、無限大となった曲率半径Rn であり、この状態では凸形弧状ベース1は平坦状に変形したものである。すなわち、曲率半径はRn >R2 >R1 >R0 なる大小関係となる。
【0012】
その凸形弧状ベース1は、その表面側が膨出するように球面状をなしている。その球面は、正確な球体の球面としたり、或いはその正確な球面にほぼ近似した面である。また、正確な球体の球面ではなく、凸レンズ状の表面形状とすることもある。その凸形弧状ベース1は、正面より見て円形状に形成されている。その凸形弧状ベース1の裏面側は、凹状球面となる。
【0013】
さらに、裏面側には、雄側取付部3が形成されており、図1(A),図14等に示すように、後述する接合部材10にその雄側ファスナAを取り付ける役目をなす。その雄側取付部3は、図9に示すように、軸部3aに複数の嵌合突片3bが形成されたものであり、具体的にはその嵌合突片3bは軸部3aの軸方向に対してほぼ直角又は凸形弧状ベース1側に僅かに傾くようにして形成されている。
【0014】
そして接合部材10に形成された取付用貫通孔10aにその雄側取付部3を差し込むことで、図1(A),図2(A),図7等に示すように、複数の嵌合突片3b,3b,…が差し込み方向と反対側に傾斜しつつ、前記取付用貫通孔10aの内壁に食い付くようにして嵌合し、雄側ファスナAを接合部材10に装着することができる。そして、取付用貫通孔10aに一旦挿入された雄側取付部3は、取付用貫通孔10aから引き出す方向に対して複数の嵌合突片3b,3b,…が抵抗するように作用し、雄側ファスナAが極めて強固に固着されることになる。
【0015】
前記凸形弧状ベース1は、通常における状態では上述したように球面であるが、その表面側より外力等の押圧力F1 がかかるとほぼ偏平状の円板或いは平坦状な円板に変形する。また外力を外すと球面形に復元することができる。その凸形弧状ベース1の表面側には、多数の雄側係合突起2,2,…が形成されている。該雄側係合突起2は、図1(A)等に示すように、弾性を有する柱状部2aと係合膨大部2bとから構成されているもので、その柱状部2aの先端に係合膨大部2bが一体成形されたものである。この雄側係合突起2は、凸形弧状ベース1の表面に直接形成される。また、特に図示しないが、多数の雄側係合突起2,2,…がシート状ベースに植設され、該シート状ベースが前記凸形弧状ベース1の表面側に貼着される構造としたものも存在する。
【0016】
その雄側係合突起2の柱状部2aの軸方向(図3では軸線Saとして示されている)は、凸形弧状ベース1の中心部Paにおける法線方向の軸線Laにほぼ平行となるように形成されている。ここで中心部Paにおける法線方向には、ほぼ法線方向,すなわち法線に近い方向線も含まれるものである。その法線とした軸線Laは、仮想線であり、前記凸形弧状ベース1の中心部Paにおける接線Taに直交するものである。
【0017】
ここで、図1又は略示図とした図3(A),(B)等に示すように、凸形弧状ベース1は、無荷重状態のとき,すなわち未使用状態のときに曲率半径R0 とする。この曲率半径R0 の状態で、図3(B)に示すように、適宜の曲率半径を有する凸形弧状ベース1の略示図に軸線Laを設定したものであり、中心部Paにおける接線Taに直角となっていることが示されている。また、凸形弧状ベース1の中心部Paとは、正確な中心位置とともに、その正確な中心位置の周辺も中心位置の概念に含まれる。その凸形弧状ベース1は、無荷重の球面状態のときに、図1(A),図3(B)に示すように、全雄側係合突起2,2,…の柱状部2a,2a,…のそれぞれの軸線Saは、軸線Laに対して全て平行であり、且つ同一方向を向いているものである。
【0018】
そして、凸形弧状ベース1に押圧力F1 が前記軸線Laの方向、すなわち中心部Paにおける法線方向と平行な方向に作用すると、その押圧力F1 により凸形弧状ベース1が球面から平坦面に近づくように変化するにしたがい、図3(C),(D)に示すように、曲率半径R0 が曲率半径R1 ,R2 と徐々に変化する。このとき、前記雄側係合突起2,2,…の柱状部2a,2a,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって傾斜する状態となり、各雄側係合突起2,2,…の係合膨大部2b,2b,…同士が凸形弧状ベース1の正面から見て中心部Paに向かって寄り集まる状態となる。図3(D)は、無限大の曲率半径Rn となったときで、凸形弧状ベース1は、ほぼ平坦状な板となる。実際には、図2(A),(B)に示すように、変形した凸形弧状ベース1はフラットではなく、曲率半径R1 又は曲率半径R2 程度の変形で十分であり、雌側ファスナBとの接合力も十分に果たせるものである。
【0019】
なお、図3(C),(D)に示すように、凸形弧状ベース1の外方側の雄側係合突起2の倒れが最も大きく、凸形弧状ベース1の中心に向かうにしたがい雄側係合突起2の倒れが小さくなり、凸形弧状ベース1の中心に形成される雄側係合突起2は軸線Laの軸方向に一致することになる。具体的には、図3(A)に示すように、各雄側係合突起2の柱状部2a(図3において柱状部2aは軸線Saでも表示されている)の付け根箇所と、その箇所における凸形弧状ベース1の接線とのなす角度をそれぞれ凸形弧状ベース1の中心部Paから近い順番に角θ1 ,θ2 ,θ3 とすると、図3(C)に示すように凸形弧状ベース1が平坦状に近づくように変形したり、或いは図3(D)に示すように、平坦状となったときでも前記角θ1 ,θ2 ,θ3 を維持(略維持することも含まれる)したまま、各雄側係合突起2,2,…が傾斜するものである。また、上記角度については、θ1 >θ2 >θ3 なる大小関係となる。その凸形弧状ベース1に対して押圧力F1 が解除されると平坦状面から球面に復元し、各雄側係合突起2,2,…も全て軸線Laと平行になる。
【0020】
次に、第1実施形態における雌側ファスナBについて説明する。該雌側ファスナBは、図1(B)に示すように、凹形弧状ベース5と雌側係合突起6と雌側取付部7とから構成され、前記雄側ファスナAと同様にその素材は合成樹脂であり、特に弾性を有するもので変形することができ且つ復元性に優れたものが好ましい。その凹形弧状ベース5は、通常は凹面であるが前記押圧力F1 がかかることによりほぼ平坦状の面となる。
【0021】
その凹形弧状ベース5は、その表面側が球面状に凹んだ形状をなしている。その球面は、正確な球体の球面としたり、或いはその正確な球面にほぼ近似した面である。また正確な球体の球面ではなく、凹レンズ状の表面とすることもある。その凹形弧状ベース5は、正面より見て円形状に形成されている。該凹形弧状ベース5の裏面側は、凸状球面となる。さらに裏面側には、雌側取付部7が形成されており、接合部材10にその雌側ファスナBを取り付ける役目をなす。その雌側取付部7は、前記雄側取付部3と同様の形状であり、軸部7aに複数の嵌合突片7bが形成されたものである。
【0022】
そして接合部材10に形成された取付用貫通孔10aにその雌側取付部7を差し込むことで嵌合突片7bが孔内壁に食い付き、雌側ファスナBを接合部材10に装着することができる。その凹形弧状ベース5は、図1(B)に示すように、通常は曲率半径R0’なる凹面であるが、押圧力F1 がかかることにより、その曲率半径が大きくなり図4(C)に示すように、曲率半径R1’となる。そしてさらに押圧力F1 が大きくなると、ほぼ平坦に近い曲率半径R2’となる。また、図4(D)は、無限大となった曲率半径Rn’であり、この状態では凹形弧状ベース5は平坦状に変形したものである。すなわち、曲率半径はRn’>R2’>R1’>R0’なる大小関係となる。
【0023】
前記凹形弧状ベース5は、図1(B)に示すように、通常における状態では上述したように凹状球面であるが、その表面側より外力等の押圧力F1 がかかると、図2(B)に示すように、ほぼ平坦な円板状に変形し、外力を外すと球面形に復元する。その凹形弧状ベース5の表面側には多数の雌側係合突起6が形成されている。該雌側係合突起6は、弾性を有する柱状部6aと係合膨大部6bとから構成されているもので、その柱状部6aの先端に係合膨大部6bが一体成形されたものである。この雌側係合突起6は、凹形弧状ベース5の表面に直接形成される。また、前述した雄側係合突起2の場合と同様に多数の雌側係合突起6,6,…がシート状ベースに植設され、該シート状ベースが前記凹形弧状ベース5の表面側に貼着されることもある。
【0024】
その全雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…の軸方向(図4では軸線Sbとして示されている)は、図4(A)に示すように、凹形弧状ベース5の中心部Pbにおける法線方向の軸線Lbに対してほぼ平行となるように形成されている。この中心部Pbにおける法線にもほぼ法線方向としたものが含まれる。その法線とした軸線Lbは、凹形弧状ベース5の中心部Pbにおける接線Tbに直角となるものである。また、凹形弧状ベース5の中心部Pbは、正確な中心位置とともにその正確な中心位置の周辺も中心位置の概念に含まれる。その凹形弧状ベース5は、無荷重の凹み球面状態のときに、図4(B)に示すように、全雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…は、全て平行で同一方向を向いているものである。
【0025】
そして、凹形弧状ベース5も前記凸形弧状ベース1と同様に、図1(B),図4(A),(B)等に示すように、無荷重状態で曲率半径R0’であり、球面から平坦面に変化するにしたがい、図4(C),(D)に示すように、曲率半径R1’から曲率半径R2’となる。また、無限大の曲率半径Rn’のときには凹形弧状ベース5は平坦状となる。前記雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…は、凹形弧状ベース5の中心に向かって傾斜する状態となり、全雌側係合突起6,6,…の係合膨大部6b,6b,…同士が凹形弧状ベース5の正面から見て放射状に外方に向かって傾斜する状態となる。なお、凹形弧状ベース5の外方側の雌側係合突起6の倒れが最も大きく、凹形弧状ベース5の中心に向かうにしたがい、雌側係合突起6の倒れが小さくなり、凹形弧状ベース5の中心に形成される雌側係合突起6は軸線Lbの軸方向に一致することになる。
【0026】
具体的には、球面状の凹形弧状ベース5と各雌側係合突起6の柱状部6aとの付け根の接線とのなす角度を角θ1’,θ2’,θ3’とすると、凹形弧状ベース5が平坦状に変形したときにも、その角θ1’,θ2’,θ3’のまま、各雌側係合突起6,6,…は傾斜するものである〔図4(C),(D)参照〕。その凸形弧状ベース1に対して押圧力F1 が解除され、その凹形弧状ベース5に対して押圧力F1 が解除されると平坦状面から球面に復元し、各雌側係合突起6,6,…の柱状部6a,6a,…も全て軸線Lbと平行になる〔図4(B)参照〕。
【0027】
具体的には、図4(A)に示すように、各雌側係合突起6の柱状部6a(図4において柱状部2aは軸線Sbでも表示されている)の付け根箇所と、その箇所における凹形弧状ベース5の接線とのなす角度をそれぞれ凹形弧状ベース5の中心部Pbから近い順番に角θ1’,θ2’,θ3’とすると、図4(C)に示すように、凹形弧状ベース5が平坦状に近づくように変形したり、或いは図4(D)に示すように、平坦状となったときでも前記角θ1’,θ2’,θ3’を維持(略維持することも含まれる)したまま、各雌側係合突起6,6,…が傾斜するものである。また、上記角度については、θ1’>θ2’>θ3’なる大小関係となる。その凹形弧状ベース5に対して押圧力F1 が解除されると平坦状面から球面に復元し、各雌側係合突起6,6,…も全て軸線Lbと平行になる。
【0028】
この第1実施形態における雄側ファスナAと雌側ファスナBとは、それぞれ接合部材10に装着される。該接合部材10は、種々の部材が存在し、たとえば自動車のドア,天井等の内部パネルや、建築構造物の壁材等である。そして接合部材10には、図14に示すように、固定板側と装着板側とがあり、それぞれに複数の取付用貫通孔10a,10a,…が穿孔され、位置的に対応しており、複数の雄側ファスナA,A,…及び雌側ファスナB,B,…が装着される。
【0029】
また雄側ファスナAは、接合部材10に形成された取付用貫通孔10aに雄側取付部3の軸部3aが挿入され、嵌合突片3bが接合部材10の反対側にて嵌まり状態となる。そして、前記雄側ファスナAは、接合部材10の表面側を押圧することで、雄側取付部3により軸線La方向に沿って軸部3aの軸方向に移動しその円弧状凸面が外方に向かって拡がるように変形する〔図2(A)参照〕。すなわち、その円弧状凸面が平坦面になるか、或いは平坦面に近づくように変形する。この雄側ファスナAの凸形弧状ベース1が円弧状から平坦状に変形する押圧力は、後述するように雌側ファスナBが装着された接合部材10を押しつけることによるものである。
【0030】
そして、雄側ファスナAの凸形弧状ベース1の表面側を押圧することで、凸形弧状ベース1の裏面側が接合部材10の表面に当接し、さらに押圧することで、凸形弧状ベース1は接合部材10側からの反力を受けて、球面から平坦面に変形する。このとき、全ての雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心(正面から見て)に向かって傾斜する。
【0031】
また、雌側ファスナBも前記雄側ファスナAと同様に雌側取付部7を介して他方側の接合部材10に装着される。その装着構造は前記雄側ファスナAの場合と同様であるが、雌側ファスナBの場合は、凹形弧状ベース5の裏面側が接合部材10の表面に当接した状態であってもかまわない。そして、前記凹形弧状ベース5が押圧されると、凹形弧状ベース5は球面から平坦面に変形し、その変形にともなって、凹形弧状ベース5に形成された全雌側係合突起6,6,…は、凹形弧状ベース5に対して放射状且つ外方に向かって傾斜する。
【0032】
そして、雄側ファスナAを雌側ファスナBに接合する場合には、図5,図6に示すように、雄側ファスナAが装着されている接合部材10と雌側ファスナBが装着されている接合部材10とを、図14に示すように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとが対応するようにして貼り合わせ、雄側ファスナAを雌側ファスナBに押圧力F1 にて押しつける。これによって、雄側ファスナA側の多数の雄側係合突起2,2,…群と雌側ファスナB側の多数の雌側係合突起6,6,…群とが相互に他方側に挿入してゆく。さらに、雄側ファスナAが雌側ファスナBを押さえつけることにより、凸形弧状ベース1も凹形弧状ベース5からの反力を受けて、ほぼ同時に凸形弧状ベース1の裏面側が接合部材10に当接し、凸形弧状ベース1が球面状から平坦面状に変形する。
【0033】
一方、前記雌側ファスナB側の凹形弧状ベース5は、前記雄側ファスナA側の押圧力F1 にて凹状球面から平坦面状に変形する。そこで、雄側ファスナAの全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって傾斜し、また雌側ファスナBの全雌側係合突起6,6,…は凹形弧状ベース5に対して放射状且つ外方側に傾斜する。このような状態で雄側係合突起2,2,…群と雌側係合突起6,6,…群とが、図6に示すように、絡まりあうようになり、且つ係合膨大部2bと係合膨大部6bとが、図13に示すように、その横方向における押し合う押圧力F2 が作用する構成となり、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの極めて強固なる接合とすることができる。この図13では、接合する雄側係合突起2,2,…群と雌側係合突起6,6,…群のそれぞれの柱状部2a,2a,…及び柱状部6a,6a,…は、相互に湾曲状に撓んでおり、これらの復元力が押圧力F2 となる。
【0034】
また、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1は、前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5よりも平面から見た直径が大きく形成されることもある。この実施形態は、特に図示しないが、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1の平面から見た直径を、前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5の平面から見た直径よりも若干或いはひと回り程度大きく形成したものである。その凸形弧状ベース1,凹形弧状ベース5を平面から見た方向は、図8に示されたものであり、その図示された直径方向がである。
【0035】
このような構成にすることによって、雄側ファスナAを雌側ファスナBに当接したときに、雄側ファスナAが雌側ファスナBを覆うことができるものである。これによって、雌側ファスナBの凹形弧状ベース5には、雄側ファスナAの押圧力F1 が有効に作用し、比較的小さい押圧力F1 でも凹形弧状ベース5を球面から平坦面状に変形し易くし、接合作業が効率的にできる。
【0036】
本発明の第1実施形態では、前記凸形弧状ベース1を膨出球面形状とし、前記凹形弧状ベース5は、凹状球面形状としたものであるが、これらには、それぞれの断面形状を偏平台形状に形成することも含まれる。すなわち、その断面形状を偏平な皿状にしたものである。また、図10に示すように、雄側ファスナAの凸形弧状ベース1にはその外周から中心に向かって適宜の間隔に拡開用切込み部1aが形成されることもある。その雄側ファスナAの拡開用切込み部1a及び雌側ファスナBの拡開用切込み部5aは、それぞれ三角形状をなしていたり、或いは図示しないがほぼ長方形状に形成されることもある。
【0037】
また、同様に雌側ファスナBの凹形弧状ベース5にもその外周から中心に向かって適宜の間隔に拡開用切込み部5aが形成されることもある〔図10の括弧内符号を参照〕。この拡開用切込み部1a及び5aは、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が共に押圧力を受けることにより、それぞれの切込み領域が拡開して、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が平坦形状に変形し易いようにする役目をなすものである。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態では、図11(A)に示すように、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1は、表面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状としたものであり、また前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5は、裏面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状としたものである。まず、凸形弧状ベース1は、正面より見て長方形又は正方形に形成され、その断面形状がアーチ形状又は円弧状に形成されたものである。
【0039】
すなわち、凸形弧状ベース1が緩くカーブする曲面形状に形成されたものであるともいえる。このような凸形弧状ベース1の表面に第1実施形態と同様に多数の雄側係合突起2,2,…が形成されている。該凸形弧状ベース1の裏面側には、第1実施形態の雄側ファスナAと同様に雄側取付部3が設けられている。全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心を直交する軸線Laに平行であることも、前記第1実施形態と同様である。
【0040】
次に、凹形弧状ベース5は、図11(B)に示すように、前記凸形弧状ベース1と同様で、正面より見て長方形又は正方形に形成され、その断面形状がアーチ形状又は円弧状に形成されたものである。その断面アーチ状としたものも、前記凸形弧状ベース1と同様の曲率或いは同等形状のものである。この雌側ファスナBにも第1実施形態の雌側ファスナBと同様に雌側取付部7が設けられている。さらに全雌側係合突起6,6,…は、凹形弧状ベース5の中心を直交する軸線Lbに平行であることも、前記第1実施形態と同様である。
【0041】
雄側係合突起2と雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bは、ほぼ半球形状である。具体的には、係合膨大部2bの平坦面側が前記柱状部2a側に連結形成されたものであり、球面状側が外方を向いている。これは係合膨大部6bも同様の構成である。さらに前記雄側係合突起2及び雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bの変形例として、図12(A),(B)に示すように、ほぼ球形状に形成されることもある。
【0042】
本発明におけるファスナ装置が装着される接合部材10は、主として産業用,工業用として使用される部材であるが、その一例を示すと自動車の内装に関する部分でドアの内張り,天井等である。また建築関係では、壁パネルを壁面に接合する場合に使用できる。その他、一時的にしか使用しない簡易建造物の施工にも好適である。本発明のファスナ装置は、その使用においてあらゆる強固な接合を必要とする物や構造体に極めて有効に利用できる。
【0043】
【作用】
まず、図14に示すように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとをそれぞれ対応する接合部材10,10に装着する。接合部材10には、固定側及び装着側があり、固定側の接合部材10に対して装着側の接合部材10を貼り付けるようにして装着する。接合部材10には、多数の取付用貫通孔10a,10a,…が形成されているので、図7(A)に示すように、その取付用貫通孔10aに雄側ファスナAの雄側取付部3或いは雌側ファスナBの雌側取付部7を挿入する。
【0044】
雄側取付部3には、複数の嵌合突片3b,3b,…が形成され、図7(B)に示すように、前記取付用貫通孔10aに雄側取付部3を挿入すると嵌合突片3b,3b,…が取付用貫通孔10a内部で変形し、該取付用貫通孔10aの内壁に嵌合突片3b,3b,…が食い込むように作用し、これによって雄側取付部3が取付用貫通孔10aから外れにくいように固着状態にすることができる。雌側取付部7においても、前記雄側取付部3と同様に取付用貫通孔10aに固着状態となる。
【0045】
雄側ファスナAは、その凸形弧状ベース1の外周が接合部材10の表面に接触する程度まで押し込む。雌側ファスナBは、その凹形弧状ベース5の裏面側の中心箇所が接合部材10に接触するまで押し込む。このとき凸形弧状ベース1は、無荷重状態で、曲率半径R0 である。同様に凹形弧状ベース5の曲率半径R0’である。次に、装着側の接合部材10と固定側の接合部材10とにそれぞれ取り付けられた雄側ファスナA及び雌側ファスナBとを対応するようにして位置合わせし、当接させる。この段階で、図5に示すように、雄側係合突起2,2,…と雌側係合突起6,6,…とはそれぞれの法線方向において係合しあっている。
【0046】
次いで、装着側の接合部材10を固定側の接合部材10に押圧し、雄側ファスナAと雌側ファスナBとが相互に押圧力がかかるようにすると、凸形弧状ベース1は前記曲率半径R0 よりも大きな曲率半径R1 となり、同時に凹形弧状ベース5は前記曲率半径R0’よりも大きな曲率半径R1’となる。ここで、凸形弧状ベース1側に形成された雄側係合突起2,2,…は凸形弧状ベース1の中心に向かって倒れる状態となり、また凹形弧状ベース5側に形成された雌側係合突起6,6,…は外側に倒れるようになる。これによって、図6,図13に示すように、雄側係合突起2,2,…と雌側係合突起6,6,…とは法線方向に直交する方向の押圧力F2 にて押し合い且つ絡み状態とすることができる。
【0047】
また、雄側ファスナAは、雄側取付部3が接合部材10の取付用貫通孔10aにより深く挿入され、且つ嵌合突片3b,3b,…が取付用貫通孔10aの内壁に食い込む状態となるので、図2(A),(B),図7(C)等に示すように、凸形弧状ベース1が偏平状を維持することができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凸形弧状ベース1と,該凸形弧状ベース1の表面側に多数設けられ且つ柱状部2aの先端に係合膨大部2bが形成された雄側係合突起2,2,…と,前記凸形弧状ベース1の裏面側に形成された雄側取付部3とからなり,前記柱状部2aは前記凸形弧状ベース1のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雄側ファスナAと、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凹形弧状ベース5と,該凹形弧状ベース5の表面側に多数設けられ且つ柱状部6aの先端に係合膨大部6bが形成された雌側係合突起6,6,…と,前記凹形弧状ベース5の裏面側に形成された雌側取付部7とからなり,前記柱状部6aは前記凹形弧状ベース5のほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雌側ファスナBとからなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合をスムーズに行うことができ、且つ接合状態では極めて強固なる接合にすることができる等の効果を奏する。
【0049】
上記効果を詳述すると、雄側ファスナAを雌側ファスナBに接合する場合には、雄側ファスナAを雌側ファスナBに押圧力F1 を介して押しつけると凸形弧状ベース1と凹形弧状ベース5とは、それぞれ球面状から平坦面状に変形する。そこで、雄側ファスナAの全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって傾斜し、また雌側ファスナBの全雌側係合突起6,6,…は凹形弧状ベース5に対して中心より放射状に外方に向かって傾斜する。
【0050】
このような状態で雄側係合突起2,2,…群と雌側係合突起6,6,…群とが絡まりあうことで、雄側係合突起2と雌側係合突起6とは、それぞれの軸方向のみの係合だけでなく、軸方向に直交する方向すなわち横方向においても雄側係合突起2と雌側係合突起6とは相互に軸線Laに対して直交する方向の押圧力F2 によって押し合う構成となる(図13参照)。これによって、雄側係合突起2の係合膨大部2bと雌側係合突起6の係合膨大部6bとは全方向において相互に固定しあうことができる。
【0051】
また、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合状態において、雄側係合突起2と雌側係合突起6とは、それぞれの係合膨大部2b,6b同士の係合のみでなく、それぞれの柱状部2a,6a同士も相互に押し合う状態となり、接合状態におけるガタつきが極めて小さくできるものである。しかも、雄側係合突起2の柱状部2aと雌側係合突起6の柱状部6aには、ある程度の長さを有するものにでき、あそびが設定されるので雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合作業も比較的楽にできる。このように、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合作業は、従来タイプと同様に極めて簡単にできるものでありながら、その接合状態は従来タイプのものよりも格段に強力で且つガタを低減することができる。
【0052】
請求項2の発明は、請求項1において、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1と前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5はそれぞれ球面としてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合を最も強力なものにでき、且つガタを最小限にすることができる。
【0053】
上記効果を詳述すると、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合状態において、前記雄側ファスナAの全雄側係合突起2,2,…は、凸形弧状ベース1の中心に向かって倒れるように傾斜しており、雌側ファスナBの全雌側係合突起6,6,…は、凹形弧状ベース5の中心より放射状に外方に向かって倒れるように傾斜するもので、雄側係合突起2,2,…と雌側係合突起6,6,…との絡まりあいが複雑な構成となる。それゆえに強力且つガタがほとんど生じない接合状態を実現することができる。
【0054】
請求項3の発明は、請求項2において、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1及び雌側ファスナBの凹形弧状ベース5にはその外周から中心に向かって適宜の間隔に拡開用切込み部1a,5aが形成されてなるファスナ装置としたことにより、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が平坦形状に変形しやすくすることで、雄側ファスナAと雌側ファスナBとを接合するときの押圧力を僅かに小さくすることができる。すなわち、凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が共に押圧力を受けることにより、拡開用切込み部1a及び5aは、切込み領域が拡開して、それぞれの凸形弧状ベース1及び凹形弧状ベース5が平坦形状に変形し易いようにすることができ、雄側ファスナAと雌側ファスナBとがそれぞれ装着された接合部材10,10同士の接合作業を比較的小さな力で接合完了させることができる。
【0055】
請求項4の発明は、請求項1において、前記雄側ファスナAの凸形弧状ベース1は表面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状とし、前記雌側ファスナBの凹形弧状ベース5は裏面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状としてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAの凸形弧状ベース1はアーチ状凸面から平坦状面に変形し易いものであり、また同様に雌側ファスナBもアーチ状凹面から平坦状面に変形し易いものである。したがって、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合作業は両者が平坦状になりやすいことから、比較的小さな押圧力にて接合することができるものである。
【0056】
請求項5の発明は、請求項1,2,3又は4において、前記雄側係合突起2及び雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bは、ほぼ球形状としてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBの接合及び分離のいずれも容易に行うことができる。
【0057】
請求項6の発明は、請求項1,2,3又は4において、前記雄側係合突起2及び雌側係合突起6の係合膨大部2b,6bは、ほぼ半球形状で且つ球面側を外方に向けてなるファスナ装置としたことにより、雄側ファスナAと雌側ファスナBとの接合が容易にでき、接合された状態においては、それぞれの係合膨大部2b,6b同士が半球の平坦面同士で係合しあうことになり、極めて強固なる接合にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態における雄側ファスナが接合部材に装着された状態の縦断側面図
(B)は本発明の第1実施形態における雌側ファスナが接合部材に装着された状態の縦断側面図
【図2】(A)は雄側ファスナの凸形弧状ベースが押圧力により曲率半径が大きく変化した状態の縦断側面図
(B)は雄側ファスナの凸形弧状ベースがさらに押圧されてほぼ平坦状に近づくように変形した状態の縦断側面図
【図3】(A)は凸形弧状ベースの中心部を通過する軸線が法線方向となっている事を示す略示図
(B)は凸形弧状ベースが球面状態にある略示図
(C)は凸形弧状ベースが押圧力により曲率半径が大きく変化した状態の略示図
(D)は凸形弧状ベースが平坦状態に変化した略示図
【図4】(A)は凹形弧状ベースの中心部を通過する軸線が法線方向となっている事を示す略示図
(B)は凹形弧状ベースが球面状態にある略示図
(C)は凹形弧状ベースが押圧力により曲率半径が大きく変化した状態の略示図
(D)は凹形弧状ベースが平坦状態に変化した略示図
【図5】雄側ファスナと雌側ファスナとが接合する初期段階状態の縦断側面図
【図6】雄側ファスナと雌側ファスナとの接合が完了した縦断側面図
【図7】(A)は雄側ファスナを接合部材に装着する状態を示す縦断側面図
(B)は雄側ファスナが接合部材に装着された状態の縦断側面図
(C)は雄側ファスナが接合部材に装着され押圧力により曲率半径が大きく変形した状態の縦断側面図
【図8】本発明の第1実施形態における雄側ファスナ(雌側ファスナを含む)の雄側係合突起(雌側係合突起を含む)側から見た平面図
【図9】雄側係合突起(雌側係合突起を含む)の要部斜視図
【図10】本発明の第1実施形態における雄側ファスナ(雌側ファスナを含む)に拡開用切込み部が形成された平面図
【図11】(A)は本発明の第2実施形態の雄側ファスナの斜視図
(B)は本発明の第2実施形態の雌側ファスナの斜視図
【図12】(A)は係合突起の第2タイプの拡大図
(B)は第2タイプの雄側係合突起と雌側係合突起とが係合した状態図
【図13】雄側係合突起と雌側係合突起とが係合し相互に横方向の押圧力にて押し合う状態を示す拡大図
【図14】固定側の接合部材に雄側ファスナが,装着側の接合部材に雌側ファスナがそれぞれ装着され且つ装着しようとする状態を示す斜視図
【符号の説明】
A…雄側ファスナ
B…雌側ファスナ
1…凸形弧状ベース
1a…拡開用切込み部
2…雄側係合突起
2a…柱状部
2b…係合膨大部
5…凹形弧状ベース
5a…拡開用切込み部
6…雌側係合突起
6a…柱状部
6b…係合膨大部
Claims (6)
- ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凸形弧状ベースと,該凸形弧状ベースの表面側に多数設けられ且つ柱状部の先端に係合膨大部が形成された雄側係合突起と,前記凸形弧状ベースの裏面側に形成された雄側取付部とからなり,前記柱状部は前記凸形弧状ベースのほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雄側ファスナと、ほぼ平坦状に変形自在な断面弧状の凹形弧状ベースと,該凹形弧状ベースの表面側に多数設けられ且つ柱状部の先端に係合膨大部が形成された雌側係合突起と,前記凹形弧状ベースの裏面側に形成された雌側取付部とからなり,前記柱状部は前記凹形弧状ベースのほぼ中心における法線とほぼ平行となるようにした雌側ファスナとからなることを特徴とするファスナ装置。
- 請求項1において、前記雄側ファスナの凸形弧状ベースと前記雌側ファスナの凹形弧状ベースはそれぞれ球面としてなることを特徴とするファスナ装置。
- 請求項2において、前記雄側ファスナの凸形弧状ベース及び雌側ファスナの凹形弧状ベースにはその外周から中心に向かって適宜の間隔に拡開用切込み部が形成されてなることを特徴とするファスナ装置。
- 請求項1において、前記雄側ファスナの凸形弧状ベースは表面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状とし、前記雌側ファスナの凹形弧状ベースは裏面側に膨らむ断面アーチ形の方形状板状としてなることを特徴とするファスナ装置。
- 請求項1,2,3又は4において、前記雄側係合突起2及び雌側係合突起の係合膨大部は、ほぼ球形状としてなることを特徴とするファスナ装置。
- 請求項1,2,3又は4において、前記雄側係合突起及び雌側係合突起の係合膨大部は、ほぼ半球形状で且つ球面側を外方に向けてなること特徴とするファスナ装置。
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WO2014033839A1 (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-06 | Ykk株式会社 | 面ファスナー及び袋体 |
-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002263438A patent/JP2004097500A/ja active Pending
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