JP2004097181A - 煮崩れの少ない小麦粉加工品 - Google Patents

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Takuho Yoshikoshi
吉越 拓歩
Haruyuki Amano
天野 晴之
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Abstract

【課題】煮込みうどん、ほうとう、すいとん、ちくわぶなど汁中で繰り返しまたは長時間加熱される小麦粉加工品は、食感が柔らかくなり過ぎ,また煮崩れを起こし、汁が濁ったりする。
【解決手段】有機酸脂肪酸エステル、イオン性高分子多糖類、カルシウム塩を添加する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汁中で長時間または繰り返し加熱される小麦粉加工品に関する。さらに詳しくは、煮込みうどん、ほうとう、すいとん、ちくわぶなど汁中で長時間または繰り返し加熱される小麦粉加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食生活の多様化により従来は家庭内で調理されていた食品が外食やコンビニエンスストアーなどで調理し提供されている。
それらの中で、煮込みうどん、ほうとう、すいとん、ちくわぶなどの小麦粉加工品も増加しつつある。
これらの小麦粉加工品は、汁中で長時間または繰り返し加熱されるため煮崩れし、さらに汁中に溶け出して汁が濁ったりして、食感や商品価値を減じている。
【0003】
しかし、これらの小麦粉加工品が汁中で長時間または繰り返し加熱された際に発生する煮崩れや食感の低下、汁の濁りなどを解決する有効な手段は未だ見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、汁中で長時間または繰り返し加熱しても、煮崩れが少なく、食感の低下や汁の濁りの少ない煮込みうどん、ほうとう、すいとん、ちくわぶなどの小麦粉加工品を開発することを試みた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明者らは、小麦粉加工品が高温度の汁中に長時間保持されても、小麦粉の主成分であるでんぷん粒が崩壊し、汁中に溶出するのを防ぐ方法として、小麦粉中のたんぱく質であるグルテンのネットワーク構造を補強し、このネットワーク構造の中に溶出でんぷんを保持する方法を考案した。
【0006】
具体的には、でんぷん粒の崩壊を抑える成分として、有機酸脂肪酸エステルを加え、さらにイオン性高分子多糖類にカルシウム塩を作用させて、グルテン中のアミノ基、カルボキシル基との架橋を作り、グルテンのネットワークを補強するものである。
さらに、有機酸脂肪酸エステルはカルボン酸基を1ケ以上含むため、カルシウムと架橋を作り、イオン性高分子多糖類およびグルテンのネットワークとつながるため、でんぷんの汁中への溶出を抑え、その結果、小麦粉加工品の食感の低下を防ぎ、汁の濁りを抑えることを見いだした。
【0007】
本発明における有機酸脂肪酸エステルとしては、ステアロイル乳酸カルシウム(以下CSLと略称する)、ステアロイル乳酸ナトリウム(以下SSLと略称する)、ジアセチル酒石酸モノグリセライド(以下DATEMと略称する)、コハク酸モノグリセライド(以下SMGと略称する)、クエン酸モノグリセライド(以下CMGと略称する)がある。
これらの有機酸脂肪酸エステルの使用量は、小麦粉加工品中の小麦粉および小麦粉の一部を代替したでんぷんなどの粉類に対して、0.01〜10.0重量パーセント、好ましくは0.1〜3.0重量パーセントである。
0.01重量パーセント以下であると、でんぷんやカルシウムとの反応が弱く、ネットワーク構造が不十分となり、期待する効果を発揮しえない。
10.0重量パーセント以上になると,小麦粉加工品の食感に好ましくない影響を与える。
【0008】
イオン性高分子多糖類としては、カラギナン、キサンタンガム、アルギン酸、ペクチンがある。
カラギナンは分子中に硫酸基があり、キサンタンガム、アルギン酸、ペクチン(特に低メトキシ化ペクチン)の分子中には、カルボン酸基またはその塩を含むため、2価のカルシウムイオンと網目状のネットワーク構造を作り易い。
これらのイオン性高分子多糖類の使用量は、小麦粉加工品中の小麦粉および小麦粉の一部を代替したでんぷんなどの粉類に対して、0.01〜10.0重量パーセント、好ましくは0.1〜3.0重量パーセントである。
0.01重量パーセント以下であると、カルシウムとの反応が弱く、ネットワーク構造が不十分となり、期待する効果を発揮しえない。
10.0重量パーセント以上になると,小麦粉加工品の食感に好ましくない影響を与える。
【0009】
カルシウム塩としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無機カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどの有機酸カルシウム、およびこれらを含有する卵殻、貝殻、骨などの微粉末でも良い。
これらのカルシウム塩の使用量は、小麦粉加工品中の小麦粉および小麦粉の一部を代替したでんぷんなどの粉類に対して、0.01〜10.0重量パーセント、好ましくは0.1〜3.0重量パーセントである。
0.01重量パーセント以下であると、有機酸脂肪酸エステルやイオン性高分子多糖類との反応が弱く、ネットワーク構造が不十分となり、期待する効果を発揮しえない。
10.0重量パーセント以上になると,小麦粉加工品の食感と味に好ましくない影響を与える。
【0010】
小麦粉加工品としては、煮込みうどん、ほうとう、すいとん、ちくわぶなどがあげられるが、小麦粉およびでんぷんを主成分とし、水を加えて練り、成形後汁中に長時間または繰り返し加熱される食品は、本発明に該当する。
小麦粉加工品の主成分は小麦粉であるが、部分的に米粉、コーンスターチ、ばれいしょでんぷん、タピオカでんぷん、甘藷でんぷん、およびこれらの加工でんぷんに置き換えても差し支えない。
さらに、卵白、グルテン、グリアジン、グルテニン、乳清たんぱく、大豆たんぱくなどを添加することも出来る。
【0011】
本発明において、有機酸脂肪酸エステル、イオン性高分子多糖類、カルシウム塩の添加方法は、通常これらの成分は粉末の場合が多いため、小麦粉などに篩い込むのが最も好ましい。
しかし、これらの成分のいずれかを小麦粉などの練り水中に加えても良い。
【0012】
【実施例】
以下、本発明による実施例および比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の成分を表1の配合で、茹うどんを調製後、煮込みうどんを調製した。茹でうどんは麺用粉(中力粉)100gに表1の配合成分を加え、3回篩った。次いで、水35gに食塩1gを溶解し、ボウルに粉成分を入れ、食塩水を少しずつ加え、水まわし1分、捏ね2分後、ポリエチレン製袋に入れて30℃、1時間熟成する。その後、小野式製麺機を用いて、ロールの幅を狭めつつ7回延ばし麺帯を作る。これを切歯20番で麺線を切り出す。94〜95℃の熱水中で3分茹でる。流水中で30秒冷却し、水切りをして茹でうどんとする。
【0013】
煮込みうどんは、鍋に市販つゆ(2倍濃縮)50g、水200g、茹でうどん200gを加えて蓋をして、85〜90℃にて10分間保持後、室温まで放置する。再度、85〜90℃にて10分間保持後、室温まで放置する。これを合計5回繰り返す。
煮込みうどんの煮崩れと食感、汁の濁り具合の評価は、訓練したパネリスト5名による目視及び官能評価で行った。
煮込みうどんの煮崩れと食感は繰り返し煮込み5回後を煮込み1回後と比較して、繰り返し煮込み5回後の食感が煮込み1回後の食感に近い場合は3点、煮崩れてしまった場合は0点とし、5人の合計点で示した。従って、点数の多い方がうどんの煮崩れが少なく、食感に優れていることを示している。
汁の濁りは、繰り返し煮込み5回後に汁が澄んでいる場合は3点、うどんが煮崩れて、汁が濁っている場合は0点として、5人の合計点で示した。従って、点数の多い方が汁の濁りが少ないことを示している。
【0014】
【表1】
Figure 2004097181
【0015】
比較例1としては、本発明による成分の一部を除いた他は、実施例と同様にして茹うどん、煮込みうどんを調製し、評価した。
【0016】
評価結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004097181
【0017】
表2に示すとおり、本発明による3成分を含む実施例1〜3は、煮込み5回の繰り返し後の場合も、うどんの煮崩れが少なく、うどんの食感が保たれ、従って汁の濁りも見られなかった。
一方、比較例1の場合は、煮込みうどんに煮崩れが見られ、うどんが柔らかくなりすぎて、うどんの食感も劣り、汁にも濁りが見られた。
【0018】
本発明の成分を表3の配合で、ちくわぶを調製後、4時間煮込んだ。ちくわぶは強力粉(カメリア、日清製粉(株)製品)70g、アセチル化した加工でんぷん(Z−300、日澱化学(株)製品)30gに表3の配合成分を加え、3回篩った。次いで、水48gに食塩1gを溶解し、ボウルに粉成分を入れ、食塩水を少しずつ加え、水まわし1分、捏ね2分後、ポリエチレン製袋に入れて30℃、1時間熟成する。その後、小野式製麺機を用いて、ロールの幅を狭めつつ7回延ばし麺帯を作る。これを2つに分け、径3mmの棒に巻き、スダレを巻いて細紐で縛る。次いで94〜95℃の熱水中で10分茹でる。
【0019】
次いで、鍋に市販つゆ(2倍濃縮)100g、水500g、ちくわぶ約400gを加えて蓋をして、83〜85℃にて4時間保持する。
ちくわぶの煮崩れと食感、汁の濁り具合の評価は、訓練したパネリスト5名による目視及び官能評価で行った。
ちくわぶの煮崩れと食感は煮込み時間4時間後を煮込み時間30分後と比較して、煮込み4時間後の食感が煮込み時間30分後の食感に近い場合は3点、煮崩れてしまった場合は0点とし、5人の合計点で示した。
従って、点数の多い方がちくわぶの煮崩れが少なく、食感に優れていることを示している。
汁の濁りは、煮込み4時間後に汁が澄んでいる場合は3点、ちくわぶが煮崩れて、汁が濁っている場合は0点として、5人の合計点で示した。従って、点数の多い方が汁の濁りが少ないことを示している。
【0020】
【表3】
Figure 2004097181
【0021】
比較例2としては、本発明による成分の一部を除いた他は、実施例と同様にしてちくわぶを調製し評価した。
【0022】
評価結果を表4に示す。
【表4】
Figure 2004097181
【0023】
表4に示すとおり、本発明による3成分を含む実施例4〜6は、ちくわぶの煮込み4時間後の場合も、ちくわぶの煮崩れが少なく、ちくわぶの食感が保たれ、従って汁の濁りも見られなかった。
一方、比較例2の場合は、ちくわぶに煮崩れが見られ、食感も劣り、汁にも濁りが見られた。
【0024】
【発明の効果】
上記したように、本発明の有機酸脂肪酸エステル、イオン性高分子多糖類、カルシウム塩を含有する煮込みうどん、ほうとう、すいとん、ちくわぶなどの小麦粉加工品は、汁中に長時間または繰り返し加熱しても、煮崩れが少なく、食感も良好で、汁の濁りも見られない。

Claims (3)

  1. 有機酸脂肪酸エステル、イオン性高分子多糖類、カルシウム塩を含有することを特徴とする煮崩れの少ない小麦粉加工品。
  2. 有機酸脂肪酸エステルがステアロイル乳酸エステル塩、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライドから選ばれた1種以上である請求項1記載の煮崩れの少ない小麦粉加工品。
  3. イオン性高分子多糖類がカラギナン、キサンタンガム、アルギン酸、ペクチンから選ばれた1種以上である請求項1または2のいずれか1項に記載の煮崩れの少ない小麦粉加工品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009273441A (ja) * 2008-05-19 2009-11-26 Riken Vitamin Co Ltd 麺用品質改良剤
JP2010178679A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Todakyu:Kk 茹で蒸練麺及びその製造方法
JP2010252716A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Nisshin Flour Milling Inc ちくわぶ用穀粉組成物およびこれを用いたちくわぶの製造方法
JP2017042128A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 三菱化学フーズ株式会社 煮物の製造方法、煮物の煮汁の懸濁防止方法及び懸濁防止剤

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