JP2004096599A - ディスプレイ装置用リモコン・システム - Google Patents
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Abstract
【課題】近距離での視聴を禁止することができるリモコン・システムを提供すること。
【解決手段】リモコン送信機100と該リモコン送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置10とを備えたリモコン・システムにおいて、リモコン送信機100は、遠隔操作用の第1の波動と、該第1の波動とは伝播速度の異なる第2の波動とを同時に送信する手段110、120を備えており、ディスプレイ装置10は、第1の波動と第2の波動とを同時に受信する手段200と、これら2つの波動の伝播速度の違いからリモコン送信機100とディスプレイ装置10との間の距離を測定して測距結果を出力する測距手段400と、測距結果と基準距離データとを比較して比較結果を出力する比較手段300と、比較結果に基づいてリモコン送信機100による遠隔操作を有効又は無効にする制御手段300とを具備する。
【選択図】 図2
【解決手段】リモコン送信機100と該リモコン送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置10とを備えたリモコン・システムにおいて、リモコン送信機100は、遠隔操作用の第1の波動と、該第1の波動とは伝播速度の異なる第2の波動とを同時に送信する手段110、120を備えており、ディスプレイ装置10は、第1の波動と第2の波動とを同時に受信する手段200と、これら2つの波動の伝播速度の違いからリモコン送信機100とディスプレイ装置10との間の距離を測定して測距結果を出力する測距手段400と、測距結果と基準距離データとを比較して比較結果を出力する比較手段300と、比較結果に基づいてリモコン送信機100による遠隔操作を有効又は無効にする制御手段300とを具備する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモートコントロール送信機で遠隔操作されるテレビジョン受像機、モニター装置、プロジェクタ等のディスプレイ装置とリモコン装置とを有するリモコン・システムに関するもので、特に、近距離で視聴することを禁止することが可能な機能を有するリモコン・システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受信機を近距離で視聴することや、ゲームなどカラフルな画面を近距離で長時間視聴することに関連して、特に子供の視力低下や「てんかん」等の発病の原因になっているのではないかといった話題がニュースで取り上げられている。
【0003】
こうした事情を背景として、ほとんどのディスプレイ装置にリモコン装置が付属されていることに着目し、ディスプレイ装置の近くで視聴することを禁止する機能をリモコン装置に持たせる技術が開発され、その一例が特許文献1に開示されている。特許文献1が開示しているのは遠隔操作可能なディスプレイ装置であって、該装置の前面に間隔をおいて複数のリモコン受信機が配置されており、各受信機は受信指向性を有する同一受信感度の受信センサを備えている。リモコン受信機は、全ての受信センサで受信可能な共通受信エリアをディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れたエリア内のみに設けるように配置され、制御部は、全ての受信センサで同一のタイミングで受信された信号が同一であると判断されたとき、視聴者が共通受信エリア内に居ると判断して、リモコンによるディスプレイ装置の制御を可能とするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−306044号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1においては、ディスプレイ装置は受信センサの指向性を利用しているため、 例えば受信センサを最小数の2個設けた場合には、リモコン装置によりディスプレイ装置を制御できるエリアである視聴可能エリアがディスプレイ装置の中央部前方に限定されてしまうことが多く、視聴可能エリアを可変とすると、視聴可能エリアに応じて受信センサの指向特性を変えることが必要となるので、使い勝手が悪いという課題がある。また、視聴可能エリアを広くするためには、複数の受信センサと複雑な検出制御が必要となるという課題もある。
【0006】
本発明は上記の従来技術の課題に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、ディスプレイ装置を近距離で視聴することを禁止する機能を有するリモコン・システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、
リモコン送信機と該リモコン送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置とを備えたリモコン・システムであって、
前記リモコン送信機は、
遠隔操作用の第1の波動と、前記第1の波動とは伝播速度の異なる第2の波動とを同時に送信する手段
を備えており、
前記ディスプレイ装置は、
前記第1の波動と前記第2の波動とを同時に受信する手段と、
これら2つの波動の伝播速度の違いから前記リモコン送信機と前記ディスプレイ装置との間の距離を測定して測距結果を出力する測距手段と、
前記測距結果と基準距離データとを比較して比較結果を出力する比較手段と、
前記比較結果に基づいて前記リモコン送信機による遠隔操作を有効又は無効にする制御手段と、
を具備することを特徴とするリモコン・システム、
を提供する。
【0008】
請求項2の発明は、前記制御手段が、前記比較結果に基づいて前記リモコン送信機による遠隔操作を無効にするよう前記ディスプレイ装置の状態を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、前記ディスプレイ装置の状態の制御が、前記ディスプレイ装置の電源をオフにする制御、前記ディスプレイ装置に映像を表示させない制御および音量を大きくまたは小さくする制御のうちの少なくとも一つであるようにしたものである。
【0010】
請求項4の発明は、前記リモコン送信機が、前記リモコン送信機による遠隔操作を有効又は無効にするよう前記制御手段に指示する信号を送信するための設定ボタンを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、前記設定ボタンが操作されたことに応答して、前記ディスプレイ装置に、前記設定ボタンによる指示内容を示す表示を行わせることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、前記第1の波動が赤外線であり、前記第2の波動が音波であり、前記ディスプレイ装置の前記受信する手段が、前記ディスプレイ装置の中央部に設けられた赤外線受信センサと音波受信センサとを備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るリモコン・システムを、液晶テレビジョン装置とその遠隔操作のためのリモコン送信機とを備えるシステムに適用した実施の形態(以下、本発明の一つの実施の形態という)に関して、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、これらの図面において、同一の参照数字は同じ構成要素を指すものとする。
【0014】
図1は、本発明の一つの実施の形態に使用される液晶テレビジョン装置とそのための視聴可能エリアとを概略的に示す図で、液晶テレビジョン装置10はその前面(すなわち、視聴者に対向する面)にリモコン受信部200を備えており、リモコン受信部200は赤外線受信センサ210と音波センサ220とを備えている。図3は、赤外線受信センサ210と音波センサ220とが液晶テレビジョン装置10のディスプレイの下方に配置されていることを示している。
【0015】
液晶テレビジョン装置10の遠隔操作は、その中央前方に、特に子供の視力の悪化や「てんかん」等の発病を防止することを考慮して設定された扇型の視聴可能エリア20内で行われた場合にのみ可能であり、視聴可能エリア20の外から液晶テレビジョン装置10を遠隔操作することはできないようにされている。これにより近距離での視聴が禁止される。視聴可能エリア20をどう設定するかについては後述する。なお、視聴可能エリア20の形状は赤外線受信センサ210と音波センサ220のと受信面形状などで決定され、通常は図1に示すような扇形となる。
【0016】
図2は、本発明の一つの実施の形態がリモコン送信機100と液晶テレビジョン装置10とから構成されることを示しており、液晶テレビジョン装置10においては、リモコン受信部200と電気的に接続されたリモコン信号処理部がブロック図の形で示されている。
【0017】
図2において、リモコン送信機100は遠隔操作のための指令を送る赤外線と該赤外線とは伝搬速度の異なる波、例えば音波を同時に送出することができる。リモコン送信機100は、従来のものと同様に、電源オン/オフキー、テンキー、チャンネルアップキー、チャンネルダウンキー、音量アップキー、音量ダウンキー、ビデオ/テレビのモード切り換えキー等のキーを備えており、これらのキーのいずれかが操作されたときに当該キーが要求する操作内容を指示するリモコン信号を生成するマイコンと、このマイコンで生成されたリモコン信号に応じて赤外線を発光する赤外線発光器110および音波発生器120とを備える。
【0018】
赤外線発光器110は、マイコンからのリモコン信号に応答して液晶テレビジョン装置10において行われる制御内容を指示する制御信号を送出し、音波発生器120は赤外線発光器110からの赤外線の発生と同時に音波を発生する。これら制御信号と音波を受信して、液晶テレビジョン装置10においては、赤外線と音波との伝搬時間の相違に基づく受信時間の差からリモコン送信機100と液晶テレビジョン装置10との間の距離を測定する。これについては後述する。
【0019】
赤外線発光器110からの制御信号と音波発生器120からの音波との伝搬速度の差を利用した測距方法は、例えば、落雷位置を認識する原理に類似している。つまり、雷で発生する光はほぼ瞬時に観測地点に到達するのに対し、雷音はほぼ秒速340mで観測地点に到達するので、稲妻を視認してから、雷鳴を聞くまでの時間差を計測すれば、落雷地点までの概略の距離を測定することができる。なお、リモコン送信機100の操作位置と、そのリモコン送信機100を操作するユーザの鑑賞位置とは、液晶テレビジョン装置10画面から見てほぼ同距離にあるとみなすことができ、むしろ操作位置の方が鑑賞位置よりもやや液晶テレビジョン装置10に近いことがほとんどである。
【0020】
一方、図1により既に説明したように赤外線受信センサ210と音波センサ220とを前面に有する液晶テレビジョン装置10は、制御部300、計測部400、電源制御部500a、チャンネル制御部500b、音量制御部500cおよび本体側操作ボタン部600を備えている。
【0021】
液晶テレビジョン装置10のリモコン受信部200は、リモコン送信機100から送出された赤外線および音波を赤外線受信センサ210および音波センサ220でそれぞれ受信して、これらのセンサ210、220の出力を計測部400へ送る。リモコン受信部200は、視聴者が液晶テレビジョン装置10の前面から液晶テレビジョン装置10の鑑賞に適した所定の距離範囲内にいるのかどうかを判断するための信号を受信する必要があるので、図3に示すように液晶テレビジョン装置10の全面中央部に配置されることが望ましい。
【0022】
計測部400は、赤外線と音波との伝搬速度の差に起因して赤外線受信センサ210の出力を受け取る時間と音波センサ220の出力を受け取る時間との間に差があることを利用して、液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を測定し、測距結果を制御部300に供給する。
【0023】
制御部300は、近距離視聴を禁止するための制御を含む液晶テレビジョン装置10の総合的な制御を行うものであり、マイコンやASIC等から構成され、CPU部と不揮発性メモリ等のメモリ部とを有している。制御部300は、リモコン受信部200および計測部300からの出力を用いて所定の制御を行う。図2には、制御部300の制御対象の一部として、電源制御部500a、チャンネル制御部500bおよび音量制御部500cのみが示してある。例えば、制御部300は、図1に示す視聴可能エリア20を表すデータを不揮発性メモリ内に蓄積しており、この蓄積されたデータと計測部400から供給された測距結果とを比較して、視聴者が視聴可能エリア20内にいるかどうかを判定して液晶テレビジョン装置10の遠隔操作を可能にし、または禁止する。
【0024】
さらに、制御部300は、液晶テレビジョン装置10の側から操作するための本体側操作ボタン部600から信号を受け取って所定の制御動作を行う。本体側操作ボタン部600は、チャンネルアップボタン、チャンネルダウンボタン、音量アップボタン、音量ダウンボタン、ビデオ/テレビ・モード切り換えボタン等の一般的な操作ボタンを備えている。
【0025】
次に、図1〜図3を用いて本発明の一つの実施の形態の種々の動作をそれぞれの場合に分けて説明する。
(1)電源をオンにする操作
液晶テレビジョン装置10の電源がオフの状態にあるとき、ユーザーは液晶テレビジョン装置10の電源を本体側操作ボタン部600内の電源ボタンを押すことで、または遠隔操作でオンする。遠隔操作で電源をオンにするには、ユーザーはリモコン送信機100の電源ボタンを押す。すると、リモコン送信機100からは電源をオンにするよう指示する制御信号と音波が送信される。これら制御信号と音波はリモコン受信部200の赤外線受信センサ210と音波受信センサ220とでそれぞれ受信されて計測部400に入力され、計測部400では、前述のとおり、赤外線受信センサ210で受信した制御信号と音波受信センサ220で受信した音波の伝搬速度の違いによる受信時間の差から液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を計測し、制御部300に測距結果を送る。
【0026】
このとき、まだ液晶テレビジョン装置10に近距離視聴禁止機能が設定されていないときには、制御部300は計測部400からの測距結果を無視して電源制御部500aを制御して電源をオンにする。一方、液晶テレビジョン装置10においては、電源がオフにされても、近距離視聴禁止機能が設定されていることを示すフラグ(後述する)が制御部300の不揮発性メモリ内に立てられているため、制御部300の不揮発性メモリに前記フラグが立っているときには、制御部300は、不揮発性メモリ内の視聴可能距離データと測距結果とを比較してリモコン送信機100が視聴可能エリア内にあるかどうかを判定する。リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定したときには、制御部300は電源制御部500aを制御し、液晶テレビジョン装置10の電源をオンする。一方、リモコン送信機100が視聴可能エリア20の外にあると判定した場合には、制御部300は液晶テレビジョン装置10の電源をオフのままにする。
【0027】
(2)電源をオフにする操作
液晶テレビジョン装置10の電源をオフにする操作も、実質的には、オンにする操作と変わらない。すなわち、ユーザーはリモコン送信機100の電源をオフにするために電源ボタンを押すと、リモコン送信機100からは電源をオフにするよう指示する制御信号と音波が送信される。これら制御信号と音波はリモコン受信部200の赤外線受信センサ210と音波受信センサ220とでそれぞれ受信されて計測部400に入力され、計測部400では、前述のとおり、赤外線受信センサ210で受信した制御信号と音波受信センサ220で受信した音波の伝搬速度の違いによる受信時間の差から液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を計測し、制御部300に測距結果を送る。
【0028】
このとき、液晶テレビジョン装置10に近距離視聴禁止機能が設定されていないときには、制御部300は計測部400からの測距結果を無視して電源制御部500aを制御して電源をオフにする。一方、液晶テレビジョン装置10に既に近距離視聴禁止機能が設定されていたときには、制御部300はその不揮発性メモリ内の視聴可能距離データと測距結果とを比較してリモコン送信機100が視聴可能エリア内にあるかどうかを判定し、リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定したときには、制御部300は電源制御部500aを制御し、液晶テレビジョン装置10の電源をオフする。一方、リモコン送信機100が視聴可能エリア20の外にあると判定した場合には、制御部300は液晶テレビジョン装置10の電源をオンのままにする。
【0029】
(3)近距離視聴禁止機能の設定
電源がオンにされた液晶テレビジョン装置10に近距離視聴禁止機能を設定するためには、ユーザーはリモコン送信機100の所定の一組のテンキー、例えば隣接する2個のテンキーを所定の期間、例えば5秒間同時に押す。これら2個の所定のキーが操作されると、操作されたテンキーを表す制御信号および音波信号がリモコン送信機100から送出される。これらの信号をリモコン受信部200の赤外線受信センサ210および音波受信センサ220でそれぞれ検出して計測部400へ送る。計測部400では、赤外線と音波との伝搬速度の違いに起因して赤外線受信センサ210でチャンネル変更の制御信号を受信した時間と音波受信センサ220で音波を受信した時間との間の時間差から、液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を測定し、測距結果を制御部300に与える。
【0030】
測距結果を受け取って、制御部300はその内部の不揮発性メモリに記憶された視聴可能距離データと測距結果とを比較し、リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定すると、その不揮発性メモリに近距離視聴禁止機能設定済を示すフラグを立て、液晶テレビジョン装置10の適所に設けられたランプで近距離視聴禁止機能設定済を数秒間表示する。この表示によってユーザーAは近距離視聴禁止機能が設定されたことを確認する。一方、リモコン送信機100が視聴可能エリア20の外にあると判定したときには、制御部300は液晶テレビジョン装置10の電源をオフにする。
【0031】
(4)近距離視聴禁止機能設定済みでの各種遠隔操作
近距離視聴禁止機能が設定された液晶テレビジョン装置10の電源がオンにされているときに、ユーザーがチャンネルを変えるためリモコン送信機100のチャンネルボタンを押すと、リモコン送信機100からは変更先のチャンネル数を示す制御信号と音波信号とが送信される。これら制御信号と音波信号はリモコン受信部200の赤外線受信センサ210と音波受信センサ220でそれぞれ受信された後、計測部400に入力される。計測部400では、赤外線と音波との伝搬速度の違いに起因して赤外線受信センサ210でチャンネル変更の制御信号を受信した時間と音波受信センサ220で音波を受信した時間との間の時間差から、液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を計測し、制御部300に測距結果を送る。
【0032】
計測部400からの測距結果を受け取って、制御部300は、不揮発性メモリに記憶されている視聴可能エリア20に関する視聴可能距離データと測距結果とを比較し、ユーザーが視聴可能エリア20内に居るかどうかを判定する。リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定した場合、制御部300は赤外線受信センサ210からの出力に基づいてチャンネル制御部500cを制御し、ユーザーの所望のチャンネルに切り換える。一方、視聴可能エリア20の外にあると判定した場合には、制御部300は電源制御部500を制御して液晶テレビジョン装置10の電源をオフにする。
【0033】
音量制御および電源制御の場合もチャンネル切り換えと同様であって、要するに、近距離視聴禁止機能が設定された液晶テレビジョン装置10の電源がオンの状態にあるときには、リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定されたときのみ、チャンネル切り換え、音量制御および電源制御がユーザーの所望とおりに行われ、リモコン送信機100が視聴可能エリア20外にあると判定されたときには液晶テレビジョン装置10の電源がオフにされる。
【0034】
(5)近距離視聴禁止機能の解除
近距離視聴禁止機能を解除するには、液晶テレビジョン装置10の電源がオンのときに設定時と同様の操作を行えばよく、液晶テレビジョン装置10電源がオンの状態で、ユーザーはリモコン送信機100の近距離視聴禁止機能設定時とは異なる組み合わせの2個のテンキーを5秒間同時に押す。これに基づいて、制御部300はリモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあるかどうかを判定し、エリア20内にあると判定してときには、不揮発性メモリに立てられていた近距離視聴禁止機能設定済みのフラグを解除すると共に、近距離視聴禁止機能が解除されたことを示す表示を数秒間動作させ、ユーザーに対して近距離視聴禁止機能が解除されたことを確認させる。
【0035】
(6)近距離視聴禁止機能解除下の各種遠隔操作
一方、近距離視聴禁止機能が解除された状態の液晶テレビジョン装置10の電源がオンのときにリモコン送信機100のチャンネルボタン等の機能ボタンが押されると、リモコン送信機100からは制御信号と音波が送信されて計測部400からの測距データーが制御部300に送られるが、制御部300の不揮発性メモリにはフラグが立っていないため、制御部300は測距結果を無視し、制御信号のみに基づいて制御を行う。
【0036】
以上、本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態を詳述したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。例えば、リモコン送信機100が視聴可能エリアの内にあるかどうかの判定を制御部300で行うとしたが、計測部400が測距結果に基づいてこうした判定を行い、その判定結果を示す信号を計測部400から制御部300に与えて以後の制御を行わせることも可能である。
【0037】
また、近距離視聴禁止機能が設定されているときに視聴可能エリア20の外でリモコン送信機100を操作した場合には液晶テレビジョン装置10の電源を制御するものとして説明したが、電源制御に代えて、チャンネルを変えられなくしたり、音量を過小または過大にしたり、画面を暗くしたり等、液晶テレビジョン装置10の持つ機能に応じて、ユーザーの意のままにならない状態や視聴し続けられない状態等の種々の制御を行うことが可能である。
【0038】
視聴可能エリア20は、必ずしも扇形のエリアである必要はなく、例えば、液晶テレビジョン装置10から所定の距離だけ離れた線を想定し、その線に関して液晶テレビジョン装置10から遠いエリアはリモコン送信機100を操作してもよいエリアとし、近いエリアはリモコン送信機100を操作してはいけないエリアとしても、同等の効果を奏することができる。また、近距離視聴禁止機能は解除可能であると説明してきたが、その代わりに、近距離視聴禁止機能を製品出荷時に設定しておいて解除できないようにしてもよい。
【0039】
更に、これまではリモコン送信機100で遠隔操作されるのが液晶テレビジョン装置10であるとして説明してきたが、モニター装置やプロジェクタ等の他のディスプレイ装置であってもよいことは明らかである。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態を詳述したところから理解されるように、本発明は、
(1)一般的にユーザーがテレビジョンなどのディスプレイ装置を視聴する場合は、視聴位置で遠隔操作を行なうことが多いことに鑑みて、所定のエリア以内での視聴のみを可能とし、例えばディスプレイ装置に極めて接近して遠隔操作した場合には当該遠隔操作を不能とすることができるので、例えば子供がディスプレイ装置を近距離から視聴することができないようにすることが可能となる、
(2)ディスプレイ装置から近い距離でリモコン送信機を操作した場合には、ディスプレイ装置の電源をオフにしたり、表示を不能にしたり、音量を不適切な大きさにしたりして視聴不能とすることにより、近距離視聴を禁止することができ、また、ディスプレイ装置への接近しすぎを警告することができる、
(3)リモコン送信機に設定ボタンを設けて、ディスプレイ装置に対して遠隔操作内容を有効または無効にする指示を送ることができるようにすることにより、近距離視聴の禁止の設定および解除を容易に行うことが可能となる、
(4)リモコン送信機に設けられた設定ボタンによる指示内容を表示することにより、リモコン送信機による遠隔操作が有効であるか、無効とされるかを容易に確認することができるため、使い勝手が向上する、
という格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態において液晶テレビジョン装置の前方に設けられた視聴可能エリアを示す概略図である。
【図2】本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態におけるリモコン送信機と液晶テレビジョン装置の構成とを概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態において液晶テレビジョン装置の前方にリモコン受信部が設けられることを示す図である。
【符号の説明】
10:液晶テレビジョン装置、 20:視聴可能エリア、 100:リモコン送信機、 110:赤外線発光器、 120:音波発生器、 200:リモコン受信部、 210:赤外線 受信センサ、 220:音波受信センサ、 300:制御部、 400:計測部、
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモートコントロール送信機で遠隔操作されるテレビジョン受像機、モニター装置、プロジェクタ等のディスプレイ装置とリモコン装置とを有するリモコン・システムに関するもので、特に、近距離で視聴することを禁止することが可能な機能を有するリモコン・システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受信機を近距離で視聴することや、ゲームなどカラフルな画面を近距離で長時間視聴することに関連して、特に子供の視力低下や「てんかん」等の発病の原因になっているのではないかといった話題がニュースで取り上げられている。
【0003】
こうした事情を背景として、ほとんどのディスプレイ装置にリモコン装置が付属されていることに着目し、ディスプレイ装置の近くで視聴することを禁止する機能をリモコン装置に持たせる技術が開発され、その一例が特許文献1に開示されている。特許文献1が開示しているのは遠隔操作可能なディスプレイ装置であって、該装置の前面に間隔をおいて複数のリモコン受信機が配置されており、各受信機は受信指向性を有する同一受信感度の受信センサを備えている。リモコン受信機は、全ての受信センサで受信可能な共通受信エリアをディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れたエリア内のみに設けるように配置され、制御部は、全ての受信センサで同一のタイミングで受信された信号が同一であると判断されたとき、視聴者が共通受信エリア内に居ると判断して、リモコンによるディスプレイ装置の制御を可能とするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−306044号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1においては、ディスプレイ装置は受信センサの指向性を利用しているため、 例えば受信センサを最小数の2個設けた場合には、リモコン装置によりディスプレイ装置を制御できるエリアである視聴可能エリアがディスプレイ装置の中央部前方に限定されてしまうことが多く、視聴可能エリアを可変とすると、視聴可能エリアに応じて受信センサの指向特性を変えることが必要となるので、使い勝手が悪いという課題がある。また、視聴可能エリアを広くするためには、複数の受信センサと複雑な検出制御が必要となるという課題もある。
【0006】
本発明は上記の従来技術の課題に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、ディスプレイ装置を近距離で視聴することを禁止する機能を有するリモコン・システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、
リモコン送信機と該リモコン送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置とを備えたリモコン・システムであって、
前記リモコン送信機は、
遠隔操作用の第1の波動と、前記第1の波動とは伝播速度の異なる第2の波動とを同時に送信する手段
を備えており、
前記ディスプレイ装置は、
前記第1の波動と前記第2の波動とを同時に受信する手段と、
これら2つの波動の伝播速度の違いから前記リモコン送信機と前記ディスプレイ装置との間の距離を測定して測距結果を出力する測距手段と、
前記測距結果と基準距離データとを比較して比較結果を出力する比較手段と、
前記比較結果に基づいて前記リモコン送信機による遠隔操作を有効又は無効にする制御手段と、
を具備することを特徴とするリモコン・システム、
を提供する。
【0008】
請求項2の発明は、前記制御手段が、前記比較結果に基づいて前記リモコン送信機による遠隔操作を無効にするよう前記ディスプレイ装置の状態を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、前記ディスプレイ装置の状態の制御が、前記ディスプレイ装置の電源をオフにする制御、前記ディスプレイ装置に映像を表示させない制御および音量を大きくまたは小さくする制御のうちの少なくとも一つであるようにしたものである。
【0010】
請求項4の発明は、前記リモコン送信機が、前記リモコン送信機による遠隔操作を有効又は無効にするよう前記制御手段に指示する信号を送信するための設定ボタンを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、前記設定ボタンが操作されたことに応答して、前記ディスプレイ装置に、前記設定ボタンによる指示内容を示す表示を行わせることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、前記第1の波動が赤外線であり、前記第2の波動が音波であり、前記ディスプレイ装置の前記受信する手段が、前記ディスプレイ装置の中央部に設けられた赤外線受信センサと音波受信センサとを備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るリモコン・システムを、液晶テレビジョン装置とその遠隔操作のためのリモコン送信機とを備えるシステムに適用した実施の形態(以下、本発明の一つの実施の形態という)に関して、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、これらの図面において、同一の参照数字は同じ構成要素を指すものとする。
【0014】
図1は、本発明の一つの実施の形態に使用される液晶テレビジョン装置とそのための視聴可能エリアとを概略的に示す図で、液晶テレビジョン装置10はその前面(すなわち、視聴者に対向する面)にリモコン受信部200を備えており、リモコン受信部200は赤外線受信センサ210と音波センサ220とを備えている。図3は、赤外線受信センサ210と音波センサ220とが液晶テレビジョン装置10のディスプレイの下方に配置されていることを示している。
【0015】
液晶テレビジョン装置10の遠隔操作は、その中央前方に、特に子供の視力の悪化や「てんかん」等の発病を防止することを考慮して設定された扇型の視聴可能エリア20内で行われた場合にのみ可能であり、視聴可能エリア20の外から液晶テレビジョン装置10を遠隔操作することはできないようにされている。これにより近距離での視聴が禁止される。視聴可能エリア20をどう設定するかについては後述する。なお、視聴可能エリア20の形状は赤外線受信センサ210と音波センサ220のと受信面形状などで決定され、通常は図1に示すような扇形となる。
【0016】
図2は、本発明の一つの実施の形態がリモコン送信機100と液晶テレビジョン装置10とから構成されることを示しており、液晶テレビジョン装置10においては、リモコン受信部200と電気的に接続されたリモコン信号処理部がブロック図の形で示されている。
【0017】
図2において、リモコン送信機100は遠隔操作のための指令を送る赤外線と該赤外線とは伝搬速度の異なる波、例えば音波を同時に送出することができる。リモコン送信機100は、従来のものと同様に、電源オン/オフキー、テンキー、チャンネルアップキー、チャンネルダウンキー、音量アップキー、音量ダウンキー、ビデオ/テレビのモード切り換えキー等のキーを備えており、これらのキーのいずれかが操作されたときに当該キーが要求する操作内容を指示するリモコン信号を生成するマイコンと、このマイコンで生成されたリモコン信号に応じて赤外線を発光する赤外線発光器110および音波発生器120とを備える。
【0018】
赤外線発光器110は、マイコンからのリモコン信号に応答して液晶テレビジョン装置10において行われる制御内容を指示する制御信号を送出し、音波発生器120は赤外線発光器110からの赤外線の発生と同時に音波を発生する。これら制御信号と音波を受信して、液晶テレビジョン装置10においては、赤外線と音波との伝搬時間の相違に基づく受信時間の差からリモコン送信機100と液晶テレビジョン装置10との間の距離を測定する。これについては後述する。
【0019】
赤外線発光器110からの制御信号と音波発生器120からの音波との伝搬速度の差を利用した測距方法は、例えば、落雷位置を認識する原理に類似している。つまり、雷で発生する光はほぼ瞬時に観測地点に到達するのに対し、雷音はほぼ秒速340mで観測地点に到達するので、稲妻を視認してから、雷鳴を聞くまでの時間差を計測すれば、落雷地点までの概略の距離を測定することができる。なお、リモコン送信機100の操作位置と、そのリモコン送信機100を操作するユーザの鑑賞位置とは、液晶テレビジョン装置10画面から見てほぼ同距離にあるとみなすことができ、むしろ操作位置の方が鑑賞位置よりもやや液晶テレビジョン装置10に近いことがほとんどである。
【0020】
一方、図1により既に説明したように赤外線受信センサ210と音波センサ220とを前面に有する液晶テレビジョン装置10は、制御部300、計測部400、電源制御部500a、チャンネル制御部500b、音量制御部500cおよび本体側操作ボタン部600を備えている。
【0021】
液晶テレビジョン装置10のリモコン受信部200は、リモコン送信機100から送出された赤外線および音波を赤外線受信センサ210および音波センサ220でそれぞれ受信して、これらのセンサ210、220の出力を計測部400へ送る。リモコン受信部200は、視聴者が液晶テレビジョン装置10の前面から液晶テレビジョン装置10の鑑賞に適した所定の距離範囲内にいるのかどうかを判断するための信号を受信する必要があるので、図3に示すように液晶テレビジョン装置10の全面中央部に配置されることが望ましい。
【0022】
計測部400は、赤外線と音波との伝搬速度の差に起因して赤外線受信センサ210の出力を受け取る時間と音波センサ220の出力を受け取る時間との間に差があることを利用して、液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を測定し、測距結果を制御部300に供給する。
【0023】
制御部300は、近距離視聴を禁止するための制御を含む液晶テレビジョン装置10の総合的な制御を行うものであり、マイコンやASIC等から構成され、CPU部と不揮発性メモリ等のメモリ部とを有している。制御部300は、リモコン受信部200および計測部300からの出力を用いて所定の制御を行う。図2には、制御部300の制御対象の一部として、電源制御部500a、チャンネル制御部500bおよび音量制御部500cのみが示してある。例えば、制御部300は、図1に示す視聴可能エリア20を表すデータを不揮発性メモリ内に蓄積しており、この蓄積されたデータと計測部400から供給された測距結果とを比較して、視聴者が視聴可能エリア20内にいるかどうかを判定して液晶テレビジョン装置10の遠隔操作を可能にし、または禁止する。
【0024】
さらに、制御部300は、液晶テレビジョン装置10の側から操作するための本体側操作ボタン部600から信号を受け取って所定の制御動作を行う。本体側操作ボタン部600は、チャンネルアップボタン、チャンネルダウンボタン、音量アップボタン、音量ダウンボタン、ビデオ/テレビ・モード切り換えボタン等の一般的な操作ボタンを備えている。
【0025】
次に、図1〜図3を用いて本発明の一つの実施の形態の種々の動作をそれぞれの場合に分けて説明する。
(1)電源をオンにする操作
液晶テレビジョン装置10の電源がオフの状態にあるとき、ユーザーは液晶テレビジョン装置10の電源を本体側操作ボタン部600内の電源ボタンを押すことで、または遠隔操作でオンする。遠隔操作で電源をオンにするには、ユーザーはリモコン送信機100の電源ボタンを押す。すると、リモコン送信機100からは電源をオンにするよう指示する制御信号と音波が送信される。これら制御信号と音波はリモコン受信部200の赤外線受信センサ210と音波受信センサ220とでそれぞれ受信されて計測部400に入力され、計測部400では、前述のとおり、赤外線受信センサ210で受信した制御信号と音波受信センサ220で受信した音波の伝搬速度の違いによる受信時間の差から液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を計測し、制御部300に測距結果を送る。
【0026】
このとき、まだ液晶テレビジョン装置10に近距離視聴禁止機能が設定されていないときには、制御部300は計測部400からの測距結果を無視して電源制御部500aを制御して電源をオンにする。一方、液晶テレビジョン装置10においては、電源がオフにされても、近距離視聴禁止機能が設定されていることを示すフラグ(後述する)が制御部300の不揮発性メモリ内に立てられているため、制御部300の不揮発性メモリに前記フラグが立っているときには、制御部300は、不揮発性メモリ内の視聴可能距離データと測距結果とを比較してリモコン送信機100が視聴可能エリア内にあるかどうかを判定する。リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定したときには、制御部300は電源制御部500aを制御し、液晶テレビジョン装置10の電源をオンする。一方、リモコン送信機100が視聴可能エリア20の外にあると判定した場合には、制御部300は液晶テレビジョン装置10の電源をオフのままにする。
【0027】
(2)電源をオフにする操作
液晶テレビジョン装置10の電源をオフにする操作も、実質的には、オンにする操作と変わらない。すなわち、ユーザーはリモコン送信機100の電源をオフにするために電源ボタンを押すと、リモコン送信機100からは電源をオフにするよう指示する制御信号と音波が送信される。これら制御信号と音波はリモコン受信部200の赤外線受信センサ210と音波受信センサ220とでそれぞれ受信されて計測部400に入力され、計測部400では、前述のとおり、赤外線受信センサ210で受信した制御信号と音波受信センサ220で受信した音波の伝搬速度の違いによる受信時間の差から液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を計測し、制御部300に測距結果を送る。
【0028】
このとき、液晶テレビジョン装置10に近距離視聴禁止機能が設定されていないときには、制御部300は計測部400からの測距結果を無視して電源制御部500aを制御して電源をオフにする。一方、液晶テレビジョン装置10に既に近距離視聴禁止機能が設定されていたときには、制御部300はその不揮発性メモリ内の視聴可能距離データと測距結果とを比較してリモコン送信機100が視聴可能エリア内にあるかどうかを判定し、リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定したときには、制御部300は電源制御部500aを制御し、液晶テレビジョン装置10の電源をオフする。一方、リモコン送信機100が視聴可能エリア20の外にあると判定した場合には、制御部300は液晶テレビジョン装置10の電源をオンのままにする。
【0029】
(3)近距離視聴禁止機能の設定
電源がオンにされた液晶テレビジョン装置10に近距離視聴禁止機能を設定するためには、ユーザーはリモコン送信機100の所定の一組のテンキー、例えば隣接する2個のテンキーを所定の期間、例えば5秒間同時に押す。これら2個の所定のキーが操作されると、操作されたテンキーを表す制御信号および音波信号がリモコン送信機100から送出される。これらの信号をリモコン受信部200の赤外線受信センサ210および音波受信センサ220でそれぞれ検出して計測部400へ送る。計測部400では、赤外線と音波との伝搬速度の違いに起因して赤外線受信センサ210でチャンネル変更の制御信号を受信した時間と音波受信センサ220で音波を受信した時間との間の時間差から、液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を測定し、測距結果を制御部300に与える。
【0030】
測距結果を受け取って、制御部300はその内部の不揮発性メモリに記憶された視聴可能距離データと測距結果とを比較し、リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定すると、その不揮発性メモリに近距離視聴禁止機能設定済を示すフラグを立て、液晶テレビジョン装置10の適所に設けられたランプで近距離視聴禁止機能設定済を数秒間表示する。この表示によってユーザーAは近距離視聴禁止機能が設定されたことを確認する。一方、リモコン送信機100が視聴可能エリア20の外にあると判定したときには、制御部300は液晶テレビジョン装置10の電源をオフにする。
【0031】
(4)近距離視聴禁止機能設定済みでの各種遠隔操作
近距離視聴禁止機能が設定された液晶テレビジョン装置10の電源がオンにされているときに、ユーザーがチャンネルを変えるためリモコン送信機100のチャンネルボタンを押すと、リモコン送信機100からは変更先のチャンネル数を示す制御信号と音波信号とが送信される。これら制御信号と音波信号はリモコン受信部200の赤外線受信センサ210と音波受信センサ220でそれぞれ受信された後、計測部400に入力される。計測部400では、赤外線と音波との伝搬速度の違いに起因して赤外線受信センサ210でチャンネル変更の制御信号を受信した時間と音波受信センサ220で音波を受信した時間との間の時間差から、液晶テレビジョン装置10とリモコン送信機100との距離を計測し、制御部300に測距結果を送る。
【0032】
計測部400からの測距結果を受け取って、制御部300は、不揮発性メモリに記憶されている視聴可能エリア20に関する視聴可能距離データと測距結果とを比較し、ユーザーが視聴可能エリア20内に居るかどうかを判定する。リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定した場合、制御部300は赤外線受信センサ210からの出力に基づいてチャンネル制御部500cを制御し、ユーザーの所望のチャンネルに切り換える。一方、視聴可能エリア20の外にあると判定した場合には、制御部300は電源制御部500を制御して液晶テレビジョン装置10の電源をオフにする。
【0033】
音量制御および電源制御の場合もチャンネル切り換えと同様であって、要するに、近距離視聴禁止機能が設定された液晶テレビジョン装置10の電源がオンの状態にあるときには、リモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあると判定されたときのみ、チャンネル切り換え、音量制御および電源制御がユーザーの所望とおりに行われ、リモコン送信機100が視聴可能エリア20外にあると判定されたときには液晶テレビジョン装置10の電源がオフにされる。
【0034】
(5)近距離視聴禁止機能の解除
近距離視聴禁止機能を解除するには、液晶テレビジョン装置10の電源がオンのときに設定時と同様の操作を行えばよく、液晶テレビジョン装置10電源がオンの状態で、ユーザーはリモコン送信機100の近距離視聴禁止機能設定時とは異なる組み合わせの2個のテンキーを5秒間同時に押す。これに基づいて、制御部300はリモコン送信機100が視聴可能エリア20内にあるかどうかを判定し、エリア20内にあると判定してときには、不揮発性メモリに立てられていた近距離視聴禁止機能設定済みのフラグを解除すると共に、近距離視聴禁止機能が解除されたことを示す表示を数秒間動作させ、ユーザーに対して近距離視聴禁止機能が解除されたことを確認させる。
【0035】
(6)近距離視聴禁止機能解除下の各種遠隔操作
一方、近距離視聴禁止機能が解除された状態の液晶テレビジョン装置10の電源がオンのときにリモコン送信機100のチャンネルボタン等の機能ボタンが押されると、リモコン送信機100からは制御信号と音波が送信されて計測部400からの測距データーが制御部300に送られるが、制御部300の不揮発性メモリにはフラグが立っていないため、制御部300は測距結果を無視し、制御信号のみに基づいて制御を行う。
【0036】
以上、本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態を詳述したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。例えば、リモコン送信機100が視聴可能エリアの内にあるかどうかの判定を制御部300で行うとしたが、計測部400が測距結果に基づいてこうした判定を行い、その判定結果を示す信号を計測部400から制御部300に与えて以後の制御を行わせることも可能である。
【0037】
また、近距離視聴禁止機能が設定されているときに視聴可能エリア20の外でリモコン送信機100を操作した場合には液晶テレビジョン装置10の電源を制御するものとして説明したが、電源制御に代えて、チャンネルを変えられなくしたり、音量を過小または過大にしたり、画面を暗くしたり等、液晶テレビジョン装置10の持つ機能に応じて、ユーザーの意のままにならない状態や視聴し続けられない状態等の種々の制御を行うことが可能である。
【0038】
視聴可能エリア20は、必ずしも扇形のエリアである必要はなく、例えば、液晶テレビジョン装置10から所定の距離だけ離れた線を想定し、その線に関して液晶テレビジョン装置10から遠いエリアはリモコン送信機100を操作してもよいエリアとし、近いエリアはリモコン送信機100を操作してはいけないエリアとしても、同等の効果を奏することができる。また、近距離視聴禁止機能は解除可能であると説明してきたが、その代わりに、近距離視聴禁止機能を製品出荷時に設定しておいて解除できないようにしてもよい。
【0039】
更に、これまではリモコン送信機100で遠隔操作されるのが液晶テレビジョン装置10であるとして説明してきたが、モニター装置やプロジェクタ等の他のディスプレイ装置であってもよいことは明らかである。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態を詳述したところから理解されるように、本発明は、
(1)一般的にユーザーがテレビジョンなどのディスプレイ装置を視聴する場合は、視聴位置で遠隔操作を行なうことが多いことに鑑みて、所定のエリア以内での視聴のみを可能とし、例えばディスプレイ装置に極めて接近して遠隔操作した場合には当該遠隔操作を不能とすることができるので、例えば子供がディスプレイ装置を近距離から視聴することができないようにすることが可能となる、
(2)ディスプレイ装置から近い距離でリモコン送信機を操作した場合には、ディスプレイ装置の電源をオフにしたり、表示を不能にしたり、音量を不適切な大きさにしたりして視聴不能とすることにより、近距離視聴を禁止することができ、また、ディスプレイ装置への接近しすぎを警告することができる、
(3)リモコン送信機に設定ボタンを設けて、ディスプレイ装置に対して遠隔操作内容を有効または無効にする指示を送ることができるようにすることにより、近距離視聴の禁止の設定および解除を容易に行うことが可能となる、
(4)リモコン送信機に設けられた設定ボタンによる指示内容を表示することにより、リモコン送信機による遠隔操作が有効であるか、無効とされるかを容易に確認することができるため、使い勝手が向上する、
という格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態において液晶テレビジョン装置の前方に設けられた視聴可能エリアを示す概略図である。
【図2】本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態におけるリモコン送信機と液晶テレビジョン装置の構成とを概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明に係るリモコン・システムの一つの実施の形態において液晶テレビジョン装置の前方にリモコン受信部が設けられることを示す図である。
【符号の説明】
10:液晶テレビジョン装置、 20:視聴可能エリア、 100:リモコン送信機、 110:赤外線発光器、 120:音波発生器、 200:リモコン受信部、 210:赤外線 受信センサ、 220:音波受信センサ、 300:制御部、 400:計測部、
Claims (6)
- リモコン送信機と該リモコン送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置とを備えたリモコン・システムであって、
前記リモコン送信機は、
遠隔操作用の第1の波動と、前記第1の波動とは伝播速度の異なる第2の波動とを同時に送信する手段
を備えており、
前記ディスプレイ装置は、
前記第1の波動と前記第2の波動とを同時に受信する手段と、
これら2つの波動の伝播速度の違いから前記リモコン送信機と前記ディスプレイ装置との間の距離を測定して測距結果を出力する測距手段と、
前記測距結果と基準距離データとを比較して比較結果を出力する比較手段と、
前記比較結果に基づいて前記リモコン送信機による遠隔操作を有効又は無効にする制御手段と、
を具備することを特徴とするリモコン・システム。 - 前記制御手段が、前記比較結果に基づいて前記リモコン送信機による遠隔操作を無効にするよう前記ディスプレイ装置の状態を制御することを特徴とする、請求項1記載のリモコン・システム。
- 前記ディスプレイ装置の状態の制御は、前記ディスプレイ装置の電源をオフにする制御、前記ディスプレイ装置に映像を表示させない制御および音量を大きくまたは小さくする制御のうちの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項2記載のリモコン・システム。
- 前記リモコン送信機は、前記リモコン送信機による遠隔操作を有効又は無効にするよう前記制御手段に指示する信号を送信するための設定ボタンを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のリモコン・システム。
- 前記設定ボタンが操作されたことに応答して、前記ディスプレイ装置に、前記設定ボタンによる指示内容を示す表示を行わせることを特徴とする、請求項4記載のリモコン・システム。
- 前記第1の波動が赤外線であり、
前記第2の波動が音波であり、
前記ディスプレイ装置の前記受信する手段が、前記ディスプレイ装置の中央部に設けられた赤外線受信センサと音波受信センサとを備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のリモコン・システム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006100622A1 (en) * | 2005-03-25 | 2006-09-28 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Near viewing protection |
JP2007336227A (ja) * | 2006-06-14 | 2007-12-27 | Canon Inc | 制御機器、被制御機器、これら含む遠隔制御システムおよび遠隔制御方法 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257556A patent/JP2004096599A/ja active Pending
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US8547213B2 (en) | 2006-06-14 | 2013-10-01 | Canon Kabushiki Kaisha | Remote control system and remote control method |
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