JP2004096498A - 移動物体撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】非蓄積型CMOSカメラで撮影した移動物体の画像の歪みを補正することができる移動物体撮影システムを提供する。
【解決手段】本発明の移動物体撮影システムは、移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、移動物体の速度から撮影された移動物体の画像の歪み量を算出することができる関係式または表を備えた画像処理装置(2)と、速度計測機構と、を具備する。
画像処理装置(2)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影された移動物体の画像を受信し、速度計測機構から移動物体の速度を入手し、関係式または表を使用して、移動物体の画像の歪み量を算出して、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影した移動物体の画像の歪みを補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の移動物体撮影システムは、移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、移動物体の速度から撮影された移動物体の画像の歪み量を算出することができる関係式または表を備えた画像処理装置(2)と、速度計測機構と、を具備する。
画像処理装置(2)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影された移動物体の画像を受信し、速度計測機構から移動物体の速度を入手し、関係式または表を使用して、移動物体の画像の歪み量を算出して、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影した移動物体の画像の歪みを補正する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動物体撮影システムに関し、特に非蓄積型CMOSカメラで撮影した時に発生する移動物体の画像の歪みを補正する移動物体撮影システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
イメージセンサに、フォトダイオード、アンプを具備する受光素子を複数配置して、画像を撮影するCMOS(相補性金属酸化膜半導体)を使用したカメラが使用されている。
CMOSカメラは、従来から多く使用されているCCDカメラと比較して、小型・軽量、低消費電力、低コスト、広いダイナミックレンジを持つというメリットを持つ。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、又は、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。
CCDカメラは、ライン毎の読み出しが可能な場合があるが、実質的にフレームレートは変わらない。
【0003】
フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、および追跡するのに好ましい。
【0004】
さらに、CMOSカメラには、所定の瞬間に撮影した画像を蓄積して読み出す蓄積型CMOSカメラと、各受光素子が受光により発生した電荷を順次読み出して画像を作成する非蓄積型CMOSカメラがある。
【0005】
蓄積型CMOSカメラは、電子シャッタで指定された瞬間(短時間)に、受光によりフォトダイオードで発生した電荷を、受光素子それぞれに設けられているキャパシタなどに蓄積し、キャパシタに蓄積されている電荷を読み出すことで、その瞬間に撮影された画像を作成する。このため移動物体を歪みなく撮影することができる。しかし、フォトダイオ−ドが、瞬間(短時間)で、必要な電荷を発生させるために高い照度が必要である。
【0006】
蓄積型CMOSカメラでは、瞬間(短時間)で画像を取り込むため、移動体をボケなく撮影するためには電子シャッタなどのシャッタ機構を搭載する必要がある。蓄積型CMOSカメラでは移動物体を撮影するためにシャッタスピードを速くすると、必要な感度が得られない場合がある。また、蓄積型CMOSカメラでは、電子シャッタを使用するため、瞬間(短時間)で必要な照度を得るためにストロボ照明を用いる必要がある場合があるが、電子シャッタとストロボを同期する為に、タイミング制御等が必要で、回路が複雑化するとともに、瞬時に大出力が必要なため照明装置が大型化、重量が増大する場合がある。
【0007】
非蓄積型CMOSカメラは、ストロボより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、広いダイナミックレンジなので、画像内の輝度の差が大きい場合でも撮影可能である。また、必要な照度があれば移動物体をぼけなく撮影できる。
ただし、非蓄積型CMOSカメラでは、一画像中の各部分の撮像時間が異なるので、移動物体を撮影すると画像が歪む場合がある。
【0008】
非蓄積型CMOSカメラで移動物体を撮影した時に発生する画像の歪みを、補正することができる移動物体撮影システムが望まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非蓄積型CMOSカメラで撮影した移動物体の画像の歪みを補正することができる移動物体撮影システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明の移動物体撮影システムは、移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、移動物体の速度から撮影された移動物体の画像の歪み量を算出することができる関係式または表を備えた画像処理装置(2)と、速度計測機構と、を具備する。
画像処理装置(2)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影された移動物体の画像を受信し、速度計測機構から移動物体の速度を入手し、関係式または表を使用して、移動物体の画像の歪み量を算出して、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影した移動物体の画像の歪みを補正する。
【0012】
本発明の移動物体撮影システムの速度計測機構は、速度センサ(3)である。
速度センサ(3)は、超音波センサの場合がある。
【0013】
本発明の移動物体撮影システムの速度計測機構は、画像処理装置(2)に含まれ、複数の画像中の移動物体の移動量と複数の画像の撮像時刻から移動物体の速度を算出する。
【0014】
本発明の移動物体撮影システムの速度計測機構は、画像処理装置(2)に含まれ、画像中に設定された間隔が既知の複数の領域を、移動物体が通過する時間を検出することで移動物体の速度を算出する。
【0015】
本発明の移動物体撮影システムは、移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、画像処理装置(2)と、を具備する。
画像処理装置(2)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影された移動物体の画像中から既知の形状を抽出し、既知の形状の歪み量を算出して、移動物体の画像の歪みを補正する。
【0016】
本発明の移動物体撮影システムの画像処理装置(2)は、画像中の既知の形状の位置と、非蓄積型CMOSカメラ(1)の向きから、撮影方向による既知の形状の歪みを考慮して、移動物体の画像の歪みを補正する。
【0017】
移動物体が車両の場合がある。移動物体が車両の場合、上記の既知の形状は、ナンバープレートの形状である場合がある。
【0018】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明によるの実施の形態が以下に説明される。
【0019】
(実施の形態1)
図1に、実施の形態1の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成が示される。
移動体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラ1、超音波センサ3、画像処理装置2を具備する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、移動物体4の画像を撮影する。CMOSカメラ1のイメージセンサには、フォトダイオードを含む受光素子が、行列方向に複数配置されている。本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1では、撮影可能範囲全体を撮影する場合、受光素子が受光により発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に処理して画像を生成している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像の信号を画像処理装置2に送信する。
【0020】
速度センサ3は、超音波で移動物体4の速度を測定する。速度を測定できるセンサであれば、超音波を使用するものに限定されず他のセンサも使用可能である。
速度センサ3は、移動物体4の速度の情報を画像処理装置2に送信する。
【0021】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1から受信した画像と、速度センサ3から受信した移動物体4の速度情報から、移動物体部分の画像の歪みを補正する。
画像処理装置2は、事前に記憶されている被撮影物体の速度と画像の歪みの関係を示す式又は表、グラフなど(以下、速度と歪みの関係式又は表)を記憶し、速度と歪みの関係式又は表を使用して、速度センサ3で測定した移動物体の速度から、移動物体部分の画像の歪み量を算出して、移動物体の画像の歪みを補正する。
【0022】
非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像中の移動物体6が、図2(a)に示される。図2では、移動物体6が、画像5の右側から左側方向へ移動している場合が示されている。
本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。このため、画像中の移動物体6は、上部分が撮影されたときよりも、下部分が撮影されたときの方が、時間が経過している。このため、撮影時には画像中の移動物体6が、下方にかけて順次、進行方向に進んでいる。従って、静止しているときは図2(b)の画像5’に示される物体6’が、移動している時は図2(a)の移動物体6のように、下になるほど移動方向へずれた歪んだ画像となる。
【0023】
図3に、画像処理装置2の構成が示される。画像処理装置2は、歪み計算部21、画像補正部22、速度と歪みの関係式または表23を具備している。
歪み計算部21は、速度と歪みの関係式又は表23を使用して、速度センサ3から受信した速度情報から、画像中の移動物体6の各位置の歪み量を計算する。
速度と歪みの関係式又は表23は、事前に測定された移動物体の速度とその移動物体を撮影した画像に発生する歪みの関係から、速度に対して画像の位置毎に発生する歪み量を計算することができる関係式又は表を含んでいる。
画像補正部22は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みを含む画像を受信して、歪み計算部21で計算された歪み量で補正して、歪みの少ない画像を作成する。
【0024】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みのある画像を受信し、移動物体4の速度と、速度と歪みの関係式又は表23から、画像中の移動物体6の各位置に対する歪み量を計算し、画像中の移動物体6を図2(b)のように歪みを補正して画像を作成することができる。
【0025】
上記のように、別の速度センサで速度を計測し、歪み量を求めることにより、移動物体の速度に対して画像のフレームレートが遅い場合、すなわち、移動物体を撮影できるフレーム数が少ない場合に、速度から歪み量を求めて補正することができる。
【0026】
次に、図11を参照して速度量から歪み量を算出する例が示される。
四角形の物体30が静止時している場合、図11(a)の画面に示されるように歪みなく撮影される。
この物体30が、右から左に移動している場合、上記に説明された様に、図11(b)の物体30’のように歪んで撮影される場合がある。しかし、静止している物体の形状が分からない場合、歪み量を算出して画像を修正する必要がある。
画像は、横方向の画素数W、縦方向の画素数Hの大きさとする。
まず、上記に記されている方法で、物体30’の速度Vm(m/s)を求める。
また、画像が撮影している範囲の実際の横方向の長さ(視野)L(m)と横方向の画素数W(画素)の比W/L(画素/m)を求める。実際の横方向の長さ(視野)Lは、縦方向の位置により変化する場合があるので、カメラが設置されたときに縦方向によって変化する横方向の長さの関係式が作られる場合がある。物体30’が撮影されている画像中の位置から、物体が撮影された位置での横方向の長さ(視野)Lが求められる。
【0027】
さらに、画像から移動物体30’の高さ方向の画素数hが求められる。
カメラの一画素あたりの読出し速度であるピクセルレートは、C(Hz)とする。
上記より歪み量pは以下の式で算出できる。
p=(Vm×W/L)×(W×h)/C
【0028】
(実施の形態2)
図4に、実施の形態2の別の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成が示される。
移動体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラ1、画像処理装置2を具備する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、移動物体4の画像を撮影する。非蓄積型CMOSカメラ1のイメージセンサには、フォトダイオードを含む受光素子が、行列方向に複数配置されている。本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1では、受光素子が受光により発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出して画像を生成している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。非蓄積型CMOSカメラ1は、画像信号を画像処理装置2に送信する。
【0029】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1から受信した画像に含まれる既知の形状の歪み量から、画像中の移動物体の部分の歪みを補正する。画像処理装置2は、画像内から既知の形状を抽出し、既知の形状の歪み量を算出する。既知の形状が、非蓄積型CMOSカメラ1で正面に撮影されるとは限らないので、歪み量を算出するときに、既知の形状の画像中の位置から既知の形状が撮影された方向が算出され、撮影方向による歪みが考慮されることが好ましい。
【0030】
非蓄積型CMOSカメラ1が、移動する物体を撮影した画像7(b)〜7(d)が、図5に示される。図5(a)は、物体8aが、静止している時の画像である。物体8aの形状は既知で、横幅X、高さYの寸法または比率は事前にわかっている。例えば、既知の形状は、車のナンバープレートである。
【0031】
図5(b)では、既知の形状の物体8bが画像7bの右側から左側方向へ移動している場合が示されている。
本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が発生する電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。
このため、物体8bの画像は上部分が撮影されたときよりも、下部分が撮影されたときの方が、時間が経過し、物体の画像の下方にかけて順次、進行方向に進んでいる。従って、撮影された物体の画像は、図5(b)のように、下のほうが移動方向へずれた歪んだ画像となる。物体8bの歪み量αを測定すれば、どれだけ歪んでいるか算出可能で、歪み量から画像の補正をすることができる。
【0032】
図5(c)では、既知の形状の物体8cが画像7cの下側から上側方向へ移動している場合が示されている。上記と同様に非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出しているので、物体8cは高さYが、高さY’のように縮んだ画像となる。
高さYと高さY’の長さの差により歪み量が算出可能で、画像の補正をすることができる。
【0033】
図5(d)では、既知の形状の物体8dが画像7dの上側から下側方向へ移動している場合が示されている。上記と同様に非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子で発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出しているので、物体8dは高さYが、高さY’’のように伸びた画像となる。
高さYと高さY’’の長さの差により歪み量が算出可能で、画像の補正をすることができる。
【0034】
既知の形状は、移動物体の一部でも全体もよい。移動物体が画像の横方向に移動する場合は、移動物体が持つ既知の垂直な線の傾きからでも補正することができる。
【0035】
図6に、画像処理装置2の構成が示される。画像処理装置2は、既知形状抽出部24、既知形状歪み計算部25、画像補正部22を具備している。
既知形状抽出部24は、画像に撮影されている移動物体に含まれる既知の形状を抽出する。
既知形状歪み計算部25は、既知の形状と画像上の既知の形状を比較して、歪み量を計算する。既知の形状部分が、画像に正面に向いて撮影されるとは限らないので、非蓄積型CMOSカメラ1の位置および方向、画像中の既知の形状部分の位置から既知の形状が撮影された方向を考慮して、撮影方向に方向による歪みを考慮して、歪み量が計算されることが好ましい。
画像補正部22は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みのある画像を、既知形状歪み計算部25で計算された歪み量で補正して、移動物体部分の画像を作成する。
【0036】
上記のように、移動物体に含まれる既知の形状が撮影できれば、速度を求めることなく、歪みを補正することができる。
【0037】
(実施の形態3)
図7に、実施の形態3の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成が示される。
移動体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラ1、画像処理装置2を具備する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、移動物体4の画像を撮影する。CMOSカメラ1のイメージセンサには、フォトダイオードを含む受光素子が、行列方向に複数配置されている。本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が受光により発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出して画像を生成している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。このように、時間差があることにより移送している移動物体4を、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影すると、移動物体4部分の画像が歪む。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像信号を画像処理装置2に送信する。
【0038】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1から受信した複数の画像の撮影時間と物体の移動量から移動物体の速度を計算し、移動物体の画像の歪みを補正する。移動物体の速度が計算できれば、実施の形態1と同様に、事前に記憶されている被撮影物体の速度と画像の歪みの関係を示す式又は表(以下、速度と歪みの関係式又は表)を使用して、移動物体の速度から、移動物体部分の画像の歪み量を算出して、移動物体部分の歪みを補正することができる。
【0039】
図8に非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を利用して、移動物体の速度を求める方法が示される。
図8(a)は、時刻Tに撮影された画像11を示している。画像11には、画像中の移動物体9が撮影されている。図8(b)は、時刻Tからt時間経過後の時刻T+tに撮影された画像11’を示している。画像11’中の移動物体9’は時刻Tの移動物体の画像部分9より、βだけ移動している。画像中の移動量は、非蓄積型CMOSカメラ1の設置状況や路面の状況から、実際の移動量に換算できるので、移動物体の速度を算出することができる。画像11および画像11’は、連続するフレームであってもよい。
この方法は、画像中の移動物体の移動量に対してフレームレートが遅い場合、すなわち移動物体を撮影できるフレーム数が限られているときに好ましい。
【0040】
図9に非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を利用して、移動物体の速度を求める別の方法が示される。
図9は、画像12を示している。画像12には、複数のゲートG1〜G3が設けられている。ゲート間の距離は既知なので、画像処理により画像中の移動物体10が、あるゲートを通過してから、他のゲートを通過するまでの時間を計測することにより、移動物体の速度を算出することができる。この方法は、画像中の移動物体の移動量に対して、フレームレートが早い場合、すなわち移動物体を撮影できる画像数が多い場合に好ましい。
【0041】
図10に、画像処理装置2の構成が示される。画像処理装置2は、速度演算部26、歪み計算部21、画像補正部22、速度と歪みの関係式又は表23を具備している。
【0042】
速度演算部26は、複数の画像から移動物体の速度を算出する。画像から移動物体の速度を計測する方法は、公知の他の技術を使用することもできる。
歪み計算部21は、速度と歪みの関係式又は表23を使用して、速度演算部26で算出された移動物体の速度から、移動物体の所定の画像の各位置の歪み量を計算する。
速度と歪みの関係式又は表23は、事前に測定された移動物体の速度とその移動物体を撮影した画像に発生する歪みの関係から、速度に対して画像の位置毎に発生する歪み量を計算することができる関係式又は表を含んでいる。
画像補正部22は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みを含む画像を受信し、歪み計算部21で計算された歪み量を補正して、画像を作成する。
【0043】
上記のように、複数の画像から速度を算出することにより、速度センサなどを設置せずに、歪みを補正することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の移動物体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラで撮影した移動物体の画像の歪みを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施の形態1の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成を示す。
【図2】図2は、非蓄積型CMOSカメラが撮影した移動物体の画像の例を示す。
【図3】図3は、画像処理装置の構成の例を示す。
【図4】図4は、実施の形態2の別の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成を示す。
【図5】図5は、非蓄積型CMOSカメラが、移動する物体を撮影した画像の例を示す。
【図6】図6は、別の形態の画像処理装置の構成の例を示す。
【図7】図7は、実施の形態3の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成を示す。
【図8】図8は、非蓄積型CMOSカメラが撮影した画像の例を示す。
【図9】図9は、非蓄積型CMOSカメラが撮影した画像の例を示す。
【図10】図10は、画像処理装置の構成を示す。
【図11】図11は、速度から歪み量を求める方法を補足する図である。
【符号の説明】
1 非蓄積型CMOSカメラ
2 画像処理装置
3 速度センサ
4 移動物体
5、5’ 画像
6、6’ 画像中の移動物体
7 画像
8 (画像中の既知形状の)物体
9、9’ 画像中の移動物体
10 画像中の移動物体
11、11’ 画像
12 画像
21 歪み計算部
22 画像補正部
23 速度と歪みの関係式又は表
24 既知形状抽出部
25 既知形状歪み計算部
26 速度演算部
31、31’ 物体、移動物体
X 既知形状の幅
Y 既知形状の高さ
G1、G2、G3 ゲート
α 歪み量
β 移動量
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動物体撮影システムに関し、特に非蓄積型CMOSカメラで撮影した時に発生する移動物体の画像の歪みを補正する移動物体撮影システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
イメージセンサに、フォトダイオード、アンプを具備する受光素子を複数配置して、画像を撮影するCMOS(相補性金属酸化膜半導体)を使用したカメラが使用されている。
CMOSカメラは、従来から多く使用されているCCDカメラと比較して、小型・軽量、低消費電力、低コスト、広いダイナミックレンジを持つというメリットを持つ。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、又は、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。
CCDカメラは、ライン毎の読み出しが可能な場合があるが、実質的にフレームレートは変わらない。
【0003】
フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、および追跡するのに好ましい。
【0004】
さらに、CMOSカメラには、所定の瞬間に撮影した画像を蓄積して読み出す蓄積型CMOSカメラと、各受光素子が受光により発生した電荷を順次読み出して画像を作成する非蓄積型CMOSカメラがある。
【0005】
蓄積型CMOSカメラは、電子シャッタで指定された瞬間(短時間)に、受光によりフォトダイオードで発生した電荷を、受光素子それぞれに設けられているキャパシタなどに蓄積し、キャパシタに蓄積されている電荷を読み出すことで、その瞬間に撮影された画像を作成する。このため移動物体を歪みなく撮影することができる。しかし、フォトダイオ−ドが、瞬間(短時間)で、必要な電荷を発生させるために高い照度が必要である。
【0006】
蓄積型CMOSカメラでは、瞬間(短時間)で画像を取り込むため、移動体をボケなく撮影するためには電子シャッタなどのシャッタ機構を搭載する必要がある。蓄積型CMOSカメラでは移動物体を撮影するためにシャッタスピードを速くすると、必要な感度が得られない場合がある。また、蓄積型CMOSカメラでは、電子シャッタを使用するため、瞬間(短時間)で必要な照度を得るためにストロボ照明を用いる必要がある場合があるが、電子シャッタとストロボを同期する為に、タイミング制御等が必要で、回路が複雑化するとともに、瞬時に大出力が必要なため照明装置が大型化、重量が増大する場合がある。
【0007】
非蓄積型CMOSカメラは、ストロボより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、広いダイナミックレンジなので、画像内の輝度の差が大きい場合でも撮影可能である。また、必要な照度があれば移動物体をぼけなく撮影できる。
ただし、非蓄積型CMOSカメラでは、一画像中の各部分の撮像時間が異なるので、移動物体を撮影すると画像が歪む場合がある。
【0008】
非蓄積型CMOSカメラで移動物体を撮影した時に発生する画像の歪みを、補正することができる移動物体撮影システムが望まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非蓄積型CMOSカメラで撮影した移動物体の画像の歪みを補正することができる移動物体撮影システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明の移動物体撮影システムは、移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、移動物体の速度から撮影された移動物体の画像の歪み量を算出することができる関係式または表を備えた画像処理装置(2)と、速度計測機構と、を具備する。
画像処理装置(2)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影された移動物体の画像を受信し、速度計測機構から移動物体の速度を入手し、関係式または表を使用して、移動物体の画像の歪み量を算出して、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影した移動物体の画像の歪みを補正する。
【0012】
本発明の移動物体撮影システムの速度計測機構は、速度センサ(3)である。
速度センサ(3)は、超音波センサの場合がある。
【0013】
本発明の移動物体撮影システムの速度計測機構は、画像処理装置(2)に含まれ、複数の画像中の移動物体の移動量と複数の画像の撮像時刻から移動物体の速度を算出する。
【0014】
本発明の移動物体撮影システムの速度計測機構は、画像処理装置(2)に含まれ、画像中に設定された間隔が既知の複数の領域を、移動物体が通過する時間を検出することで移動物体の速度を算出する。
【0015】
本発明の移動物体撮影システムは、移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、画像処理装置(2)と、を具備する。
画像処理装置(2)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)で撮影された移動物体の画像中から既知の形状を抽出し、既知の形状の歪み量を算出して、移動物体の画像の歪みを補正する。
【0016】
本発明の移動物体撮影システムの画像処理装置(2)は、画像中の既知の形状の位置と、非蓄積型CMOSカメラ(1)の向きから、撮影方向による既知の形状の歪みを考慮して、移動物体の画像の歪みを補正する。
【0017】
移動物体が車両の場合がある。移動物体が車両の場合、上記の既知の形状は、ナンバープレートの形状である場合がある。
【0018】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明によるの実施の形態が以下に説明される。
【0019】
(実施の形態1)
図1に、実施の形態1の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成が示される。
移動体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラ1、超音波センサ3、画像処理装置2を具備する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、移動物体4の画像を撮影する。CMOSカメラ1のイメージセンサには、フォトダイオードを含む受光素子が、行列方向に複数配置されている。本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1では、撮影可能範囲全体を撮影する場合、受光素子が受光により発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に処理して画像を生成している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像の信号を画像処理装置2に送信する。
【0020】
速度センサ3は、超音波で移動物体4の速度を測定する。速度を測定できるセンサであれば、超音波を使用するものに限定されず他のセンサも使用可能である。
速度センサ3は、移動物体4の速度の情報を画像処理装置2に送信する。
【0021】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1から受信した画像と、速度センサ3から受信した移動物体4の速度情報から、移動物体部分の画像の歪みを補正する。
画像処理装置2は、事前に記憶されている被撮影物体の速度と画像の歪みの関係を示す式又は表、グラフなど(以下、速度と歪みの関係式又は表)を記憶し、速度と歪みの関係式又は表を使用して、速度センサ3で測定した移動物体の速度から、移動物体部分の画像の歪み量を算出して、移動物体の画像の歪みを補正する。
【0022】
非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像中の移動物体6が、図2(a)に示される。図2では、移動物体6が、画像5の右側から左側方向へ移動している場合が示されている。
本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。このため、画像中の移動物体6は、上部分が撮影されたときよりも、下部分が撮影されたときの方が、時間が経過している。このため、撮影時には画像中の移動物体6が、下方にかけて順次、進行方向に進んでいる。従って、静止しているときは図2(b)の画像5’に示される物体6’が、移動している時は図2(a)の移動物体6のように、下になるほど移動方向へずれた歪んだ画像となる。
【0023】
図3に、画像処理装置2の構成が示される。画像処理装置2は、歪み計算部21、画像補正部22、速度と歪みの関係式または表23を具備している。
歪み計算部21は、速度と歪みの関係式又は表23を使用して、速度センサ3から受信した速度情報から、画像中の移動物体6の各位置の歪み量を計算する。
速度と歪みの関係式又は表23は、事前に測定された移動物体の速度とその移動物体を撮影した画像に発生する歪みの関係から、速度に対して画像の位置毎に発生する歪み量を計算することができる関係式又は表を含んでいる。
画像補正部22は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みを含む画像を受信して、歪み計算部21で計算された歪み量で補正して、歪みの少ない画像を作成する。
【0024】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みのある画像を受信し、移動物体4の速度と、速度と歪みの関係式又は表23から、画像中の移動物体6の各位置に対する歪み量を計算し、画像中の移動物体6を図2(b)のように歪みを補正して画像を作成することができる。
【0025】
上記のように、別の速度センサで速度を計測し、歪み量を求めることにより、移動物体の速度に対して画像のフレームレートが遅い場合、すなわち、移動物体を撮影できるフレーム数が少ない場合に、速度から歪み量を求めて補正することができる。
【0026】
次に、図11を参照して速度量から歪み量を算出する例が示される。
四角形の物体30が静止時している場合、図11(a)の画面に示されるように歪みなく撮影される。
この物体30が、右から左に移動している場合、上記に説明された様に、図11(b)の物体30’のように歪んで撮影される場合がある。しかし、静止している物体の形状が分からない場合、歪み量を算出して画像を修正する必要がある。
画像は、横方向の画素数W、縦方向の画素数Hの大きさとする。
まず、上記に記されている方法で、物体30’の速度Vm(m/s)を求める。
また、画像が撮影している範囲の実際の横方向の長さ(視野)L(m)と横方向の画素数W(画素)の比W/L(画素/m)を求める。実際の横方向の長さ(視野)Lは、縦方向の位置により変化する場合があるので、カメラが設置されたときに縦方向によって変化する横方向の長さの関係式が作られる場合がある。物体30’が撮影されている画像中の位置から、物体が撮影された位置での横方向の長さ(視野)Lが求められる。
【0027】
さらに、画像から移動物体30’の高さ方向の画素数hが求められる。
カメラの一画素あたりの読出し速度であるピクセルレートは、C(Hz)とする。
上記より歪み量pは以下の式で算出できる。
p=(Vm×W/L)×(W×h)/C
【0028】
(実施の形態2)
図4に、実施の形態2の別の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成が示される。
移動体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラ1、画像処理装置2を具備する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、移動物体4の画像を撮影する。非蓄積型CMOSカメラ1のイメージセンサには、フォトダイオードを含む受光素子が、行列方向に複数配置されている。本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1では、受光素子が受光により発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出して画像を生成している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。非蓄積型CMOSカメラ1は、画像信号を画像処理装置2に送信する。
【0029】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1から受信した画像に含まれる既知の形状の歪み量から、画像中の移動物体の部分の歪みを補正する。画像処理装置2は、画像内から既知の形状を抽出し、既知の形状の歪み量を算出する。既知の形状が、非蓄積型CMOSカメラ1で正面に撮影されるとは限らないので、歪み量を算出するときに、既知の形状の画像中の位置から既知の形状が撮影された方向が算出され、撮影方向による歪みが考慮されることが好ましい。
【0030】
非蓄積型CMOSカメラ1が、移動する物体を撮影した画像7(b)〜7(d)が、図5に示される。図5(a)は、物体8aが、静止している時の画像である。物体8aの形状は既知で、横幅X、高さYの寸法または比率は事前にわかっている。例えば、既知の形状は、車のナンバープレートである。
【0031】
図5(b)では、既知の形状の物体8bが画像7bの右側から左側方向へ移動している場合が示されている。
本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が発生する電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。
このため、物体8bの画像は上部分が撮影されたときよりも、下部分が撮影されたときの方が、時間が経過し、物体の画像の下方にかけて順次、進行方向に進んでいる。従って、撮影された物体の画像は、図5(b)のように、下のほうが移動方向へずれた歪んだ画像となる。物体8bの歪み量αを測定すれば、どれだけ歪んでいるか算出可能で、歪み量から画像の補正をすることができる。
【0032】
図5(c)では、既知の形状の物体8cが画像7cの下側から上側方向へ移動している場合が示されている。上記と同様に非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出しているので、物体8cは高さYが、高さY’のように縮んだ画像となる。
高さYと高さY’の長さの差により歪み量が算出可能で、画像の補正をすることができる。
【0033】
図5(d)では、既知の形状の物体8dが画像7dの上側から下側方向へ移動している場合が示されている。上記と同様に非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子で発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出しているので、物体8dは高さYが、高さY’’のように伸びた画像となる。
高さYと高さY’’の長さの差により歪み量が算出可能で、画像の補正をすることができる。
【0034】
既知の形状は、移動物体の一部でも全体もよい。移動物体が画像の横方向に移動する場合は、移動物体が持つ既知の垂直な線の傾きからでも補正することができる。
【0035】
図6に、画像処理装置2の構成が示される。画像処理装置2は、既知形状抽出部24、既知形状歪み計算部25、画像補正部22を具備している。
既知形状抽出部24は、画像に撮影されている移動物体に含まれる既知の形状を抽出する。
既知形状歪み計算部25は、既知の形状と画像上の既知の形状を比較して、歪み量を計算する。既知の形状部分が、画像に正面に向いて撮影されるとは限らないので、非蓄積型CMOSカメラ1の位置および方向、画像中の既知の形状部分の位置から既知の形状が撮影された方向を考慮して、撮影方向に方向による歪みを考慮して、歪み量が計算されることが好ましい。
画像補正部22は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みのある画像を、既知形状歪み計算部25で計算された歪み量で補正して、移動物体部分の画像を作成する。
【0036】
上記のように、移動物体に含まれる既知の形状が撮影できれば、速度を求めることなく、歪みを補正することができる。
【0037】
(実施の形態3)
図7に、実施の形態3の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成が示される。
移動体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラ1、画像処理装置2を具備する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、移動物体4の画像を撮影する。CMOSカメラ1のイメージセンサには、フォトダイオードを含む受光素子が、行列方向に複数配置されている。本実施の形態で使用される非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子が受光により発生した電荷を、行ごとに画像の左から右へ、上の行から下の行へ順に読み出して画像を生成している。従って1枚の画像において左上の素子の電荷が時間的に一番古く、右下の素子の電荷が一番新しい。このように、時間差があることにより移送している移動物体4を、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影すると、移動物体4部分の画像が歪む。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像信号を画像処理装置2に送信する。
【0038】
画像処理装置2は、非蓄積型CMOSカメラ1から受信した複数の画像の撮影時間と物体の移動量から移動物体の速度を計算し、移動物体の画像の歪みを補正する。移動物体の速度が計算できれば、実施の形態1と同様に、事前に記憶されている被撮影物体の速度と画像の歪みの関係を示す式又は表(以下、速度と歪みの関係式又は表)を使用して、移動物体の速度から、移動物体部分の画像の歪み量を算出して、移動物体部分の歪みを補正することができる。
【0039】
図8に非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を利用して、移動物体の速度を求める方法が示される。
図8(a)は、時刻Tに撮影された画像11を示している。画像11には、画像中の移動物体9が撮影されている。図8(b)は、時刻Tからt時間経過後の時刻T+tに撮影された画像11’を示している。画像11’中の移動物体9’は時刻Tの移動物体の画像部分9より、βだけ移動している。画像中の移動量は、非蓄積型CMOSカメラ1の設置状況や路面の状況から、実際の移動量に換算できるので、移動物体の速度を算出することができる。画像11および画像11’は、連続するフレームであってもよい。
この方法は、画像中の移動物体の移動量に対してフレームレートが遅い場合、すなわち移動物体を撮影できるフレーム数が限られているときに好ましい。
【0040】
図9に非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を利用して、移動物体の速度を求める別の方法が示される。
図9は、画像12を示している。画像12には、複数のゲートG1〜G3が設けられている。ゲート間の距離は既知なので、画像処理により画像中の移動物体10が、あるゲートを通過してから、他のゲートを通過するまでの時間を計測することにより、移動物体の速度を算出することができる。この方法は、画像中の移動物体の移動量に対して、フレームレートが早い場合、すなわち移動物体を撮影できる画像数が多い場合に好ましい。
【0041】
図10に、画像処理装置2の構成が示される。画像処理装置2は、速度演算部26、歪み計算部21、画像補正部22、速度と歪みの関係式又は表23を具備している。
【0042】
速度演算部26は、複数の画像から移動物体の速度を算出する。画像から移動物体の速度を計測する方法は、公知の他の技術を使用することもできる。
歪み計算部21は、速度と歪みの関係式又は表23を使用して、速度演算部26で算出された移動物体の速度から、移動物体の所定の画像の各位置の歪み量を計算する。
速度と歪みの関係式又は表23は、事前に測定された移動物体の速度とその移動物体を撮影した画像に発生する歪みの関係から、速度に対して画像の位置毎に発生する歪み量を計算することができる関係式又は表を含んでいる。
画像補正部22は、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された歪みを含む画像を受信し、歪み計算部21で計算された歪み量を補正して、画像を作成する。
【0043】
上記のように、複数の画像から速度を算出することにより、速度センサなどを設置せずに、歪みを補正することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の移動物体撮影システムは、非蓄積型CMOSカメラで撮影した移動物体の画像の歪みを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施の形態1の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成を示す。
【図2】図2は、非蓄積型CMOSカメラが撮影した移動物体の画像の例を示す。
【図3】図3は、画像処理装置の構成の例を示す。
【図4】図4は、実施の形態2の別の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成を示す。
【図5】図5は、非蓄積型CMOSカメラが、移動する物体を撮影した画像の例を示す。
【図6】図6は、別の形態の画像処理装置の構成の例を示す。
【図7】図7は、実施の形態3の画像の歪み補正方法を実施することができる移動体撮影システムの構成を示す。
【図8】図8は、非蓄積型CMOSカメラが撮影した画像の例を示す。
【図9】図9は、非蓄積型CMOSカメラが撮影した画像の例を示す。
【図10】図10は、画像処理装置の構成を示す。
【図11】図11は、速度から歪み量を求める方法を補足する図である。
【符号の説明】
1 非蓄積型CMOSカメラ
2 画像処理装置
3 速度センサ
4 移動物体
5、5’ 画像
6、6’ 画像中の移動物体
7 画像
8 (画像中の既知形状の)物体
9、9’ 画像中の移動物体
10 画像中の移動物体
11、11’ 画像
12 画像
21 歪み計算部
22 画像補正部
23 速度と歪みの関係式又は表
24 既知形状抽出部
25 既知形状歪み計算部
26 速度演算部
31、31’ 物体、移動物体
X 既知形状の幅
Y 既知形状の高さ
G1、G2、G3 ゲート
α 歪み量
β 移動量
Claims (8)
- 移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラと、
前記移動物体の速度から撮影された前記移動物体の画像の歪み量を算出することができる関係式または表を備えた画像処理装置と、
速度計測機構と、
を具備し、
前記画像処理装置は、前記非蓄積型CMOSカメラで撮影された前記移動物体の画像を受信し、前記速度計測機構から前記移動物体の速度を入手し、前記関係式または表を使用して、前記移動物体の画像の歪み量を算出して、前記非蓄積型CMOSカメラで撮影した前記移動物体の画像の歪みを補正する、
移動物体撮影システム。 - 前記速度計測機構は、速度センサである、
請求項1に記載された移動物体撮影システム。 - 前記速度計測機構は、前記画像処理装置に含まれ、複数の画像中の前記移動物体の移動量と前記複数の画像の撮像時刻から前記移動物体の速度を算出する、
請求項1に記載された移動物体撮影システム。 - 前記速度計測機構は、前記画像処理装置に含まれ、画像中に設定された間隔が既知の複数の領域を移動物体が通過する時間を検出することで前記移動物体の速度を算出する、
請求項1に記載された移動物体撮影システム。 - 移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラと、
画像処理装置と、
を具備し、
前記画像処理装置は、前記非蓄積型CMOSカメラで撮影された移動物体の画像中から既知の形状を抽出し、前記既知の形状の歪み量を算出して、前記移動物体の画像の歪みを補正する、
移動物体撮影システム。 - 前記画像処理装置は、画像中の前記既知の形状の位置と、前記非蓄積型CMOSカメラの向きから、撮影方向による前記既知の形状の歪みを考慮して、前記移動物体の画像の歪みを補正する、
請求項5に記載された移動物体撮影システム。 - 前記既知の形状は、ナンバープレートの形状である、
請求項5または6のいずれかに記載された移動物体撮影システム。 - 前記移動物体は、車両である、
請求項1〜7のいずれかに記載された移動物体撮影システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002256022A JP2004096498A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 移動物体撮影システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004096498A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009098850A (ja) * | 2007-10-16 | 2009-05-07 | Casio Comput Co Ltd | 演算装置及びそのプログラム |
JP2012222374A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Hitachi Consumer Electronics Co Ltd | 車載カメラシステム |
CN107977024A (zh) * | 2017-12-19 | 2018-05-01 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种线扫成像试验平台 |
CN114026436A (zh) * | 2019-06-25 | 2022-02-08 | 索尼集团公司 | 图像处理装置、图像处理方法和程序 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002256022A patent/JP2004096498A/ja not_active Withdrawn
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