JP2004096497A - 移動物体撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明装置の出力を好適に制御する移動物体撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明の移動物体撮影装置は、撮影範囲内の移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、非蓄積型CMOSカメラ(1)の撮影範囲を照明する照明装置(5または、5と8)と、照明装置(5または、5と8)の出力を制御する照明制御装置(22)と、を具備する。照明制御装置(22)は、移動物体の非蓄積型CMOSカメラ(1)からの距離と非蓄積型CMOSカメラ(1)に対する移動角度の関係である画角、移動物体の速度の少なくとも一つを使用して撮影に必要な照度を演算し、撮影範囲が必要な照度になるように照明装置(5または5と8)を制御する。さらに、照明制御装置(22)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)が移動物体を低解像度で撮影する時と、高解像度で撮影する時とで、必要な照度を変更して、照明装置(5または5と8)を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の移動物体撮影装置は、撮影範囲内の移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、非蓄積型CMOSカメラ(1)の撮影範囲を照明する照明装置(5または、5と8)と、照明装置(5または、5と8)の出力を制御する照明制御装置(22)と、を具備する。照明制御装置(22)は、移動物体の非蓄積型CMOSカメラ(1)からの距離と非蓄積型CMOSカメラ(1)に対する移動角度の関係である画角、移動物体の速度の少なくとも一つを使用して撮影に必要な照度を演算し、撮影範囲が必要な照度になるように照明装置(5または5と8)を制御する。さらに、照明制御装置(22)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)が移動物体を低解像度で撮影する時と、高解像度で撮影する時とで、必要な照度を変更して、照明装置(5または5と8)を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動物体撮影装置に関し、特に非蓄積型CMOSカメラを使用し、撮影用の照明装置を制御する機構を有する移動物体撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
イメージセンサとして、受光素子を複数行列に配置して、画像を撮影するCMOS(相補性金属酸化膜半導体)を使用したカメラが、使用されている。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備している。
CMOSカメラは従来から多く使用されているCCDカメラと比較して、小型・軽量、低消費電力、低コスト、であるというメリットがある。
【0003】
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。
CCDカメラは、ライン毎の読み出しが可能な場合があるが、実質的にフレームレートは変わらない。
【0004】
フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0005】
さらに、CMOSカメラには、所定の瞬間に撮影した画像を蓄積して読み出す蓄積型CMOSカメラと、各受光素子が受光により発生した電荷を順次読み出して画像を作成する非蓄積型CMOSカメラがある。
蓄積型CMOSカメラは、電子シャッタで指定された瞬間(短時間)に、受光によりフォトダイオードで発生した電荷を、受光素子それぞれに設けられているキャパシタなどに蓄積し、キャパシタに蓄積されている電荷を読み出すことで、その瞬間に撮影された画像を作成する。このため移動物体を歪みなく撮影することができる。しかし、フォトダイオ−ドが、瞬間(短時間)に必要な量の電荷を発生するために高い照度が必要である。
【0006】
蓄積型CMOSカメラでは、瞬間(短時間)に画像を取り込むため、移動物体をボケなく撮影するためには電子シャッタなどのシャッタ機構を搭載する必要がある。蓄積型CMOSカメラで、移動物体を撮影するためにシャッタスピードを速くすると、必要な感度が得られない場合がある。逆に、蓄積型CMOSカメラで移動物体を撮影するためにシャッタスピードを遅くすると、画像がボケる場合がある。
また、蓄積型CMOSカメラでは、電子シャッタを使用するため、瞬間(短時間)で必要な照度を得るためにストロボ照明を用いる必要がある場合がある。このため、蓄積型CMOSカメラには、電子シャッタとストロボを同期する為のタイミング制御等が必要で、回路が複雑化する。さらに、撮影の為に瞬時に大出力が必要なため、照明装置が大型化、重量が増大する場合がある。
【0007】
非蓄積型CMOSカメラは、蓄積型CMOSカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラは、広いダイナミックレンジにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に撮影することができる。また、非蓄積型CMOSカメラは、必要な照度があれば移動物体をボケなく撮影できる。
【0008】
しかし、非蓄積型CMOSカメラは、所定以上に照度が低くなると、移動体の画像にボケが発生することがある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷が変化する前に、読み出されると、過去の受光の電荷と新たな受光の電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0009】
撮影に十分な照度の照明装置を連続的に使用すると、無駄な電力を使用する場合がある。
非蓄積型CMOSカメラで撮影された画像にボケが発生しないように、照明装置を制御することにより、撮影箇所の照度が調整されることが望ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、照明装置の出力を好適に制御する移動物体撮影装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明の移動物体撮影装置は、撮影範囲内の移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、非蓄積型CMOSカメラ(1)の撮影範囲を照明する照明装置(5または、5と8)と、照明装置(5または、5と8)の出力を制御する照明制御装置(22)と、を具備する。
【0013】
本発明の移動物体撮影装置の照明制御装置(22)は、移動物体の非蓄積型CMOSカメラ(1)からの距離と非蓄積型CMOSカメラ(1)に対する移動角度の関係である画角、移動物体の速度、の少なくとも一つを使用して撮影に必要な照度を演算し、撮影範囲が必要な照度になるように照明装置(5または5と8)を制御する。
【0014】
本発明の移動物体撮影装置の照明制御装置(22)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)が移動物体を低解像度で撮影する時と、高解像度で撮影する時とで、必要な照度を変更して、照明装置(5または5と8)を制御する。具体的には、低解像度で撮影する時より、高解像度で撮影する時に照度を高くする。
【0015】
さらに、本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ(1)の撮影箇所の照度を測定し、照明制御装置(22)に照度の情報を送信する照度センサ(4)を具備する。
照明制御装置(22)は、照度センサ(4)から照度の情報を受信し、照度の情報から、撮影箇所が必要な照度になる様に照明装置(5または、5と8)が出力するための制御値を演算して、照明装置(5または、5と8)を制御する。
【0016】
さらに、本発明の移動物体撮影装置は、画像処理部(21)を具備する。
画像処理部(21)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)が撮影した画像の輝度から、非蓄積型CMOSカメラ(1)が撮影した箇所の照度を算出し、照度の情報を照明制御装置(22)へ送信し、照明制御装置(22)は、受信した照度の情報から、撮影箇所が必要な照度になる様に照明装置(5または、5と8)が出力するための制御値を演算して、照明装置(5または、5と8)を制御する。
【0017】
さらに、本発明の移動物体撮影装置は、太陽電池などの光発電装置(25)と、光発電装置(25)で発生する電圧または電流を測定する測定器(27)と、を具備する。
測定器(27)は、測定した電圧または電流の情報を照明制御装置(22)に送信し、照明制御装置(22)は、電圧または電流の情報を照度に換算して、照度から、撮影箇所が必要な照度になる様に照明装置(5または、5と8)が出力するための制御値を演算して、照明装置(5または、5と8)を制御する。
【0018】
本発明の移動物体撮影装置の照明装置は、連続的に照明する連続照明装置(5)である。
【0019】
本発明の移動物体撮影装置の照明装置は、連続的に照明する連続照明装置(5)と、瞬間的に照明する瞬間照明装置(8)と、を含み、瞬間照明装置(8)は、高解像度撮影をするときに使用される。瞬間照明装置(8)は、ストロボによるフラッシュである。
【0020】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明による移動物体撮影装置の実施の形態を以下に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
実施の形態1では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の例が示される。
図1に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0022】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照度センサ4、照明装置5を具備する。
【0023】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0024】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0025】
このように、非蓄積型CMOSカメラ1は、蓄積型のカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0026】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0027】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、読み出しすることができる。
【0028】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0029】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0030】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0031】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラ1の設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0032】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体を追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信することができる。
【0033】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整する制御信号を作成し、照明装置5に送信することができる。照明制御部22は、画像処理部21から画角情報を受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
さらに、照明制御部22は、照度センサ4から撮影箇所の照度を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストにより設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、求められた必要な照度と照度センサ4から受信した現在の照度を比較し、現在の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、現在の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0034】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0035】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置22から読み書き可能に記録されている。
【0036】
照度センサ4は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所に設置され、照度を計測し、照明制御部22へ照度を含む照度情報を送信する。
【0037】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22からの信号により出力が調整される。
【0038】
上記のように、制御装置2が、照度センサ4で検出した照度により、照明装置5が必要な照度を出力するように制御することにより、ボケない画像を撮影することができ、かつ、無駄な照明で消費する電力を減少させることができる。
【0039】
(動作)
図2を参照して、実施の形態1の動作が説明される。
照度センサ4は、連続または断続的に照度を測定し、測定した照度を含むデータを照明制御部22へ送信する(B1)。
照明制御部22は、照度センサ4から照度を含むデータを受信し、車両検知用の照明制御値を算出して照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0040】
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
【0041】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像を処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。車両の速度は他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、照度センサ4から照度データを受信し(B2)、画像処理部21から車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を作成して、照明装置5へ送付する(C2)。
照明装置5は、照明の車番認識用制御値を受信して、車番認識用に出力を調整する(A2)。
【0042】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、撮影した画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影の状態にに戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
画像処理部21は、車番認識が終了後、照明制御部22に車番認識撮影が完了したことを含むデータを照明制御部22に送信する(D4)。画像処理部21が、車番認識が完了したことを含むデータを送信する代わりに、非蓄積型CMOSカメラ1が、車番認識用撮影を完了した後に、車番認識用撮影を完了したことを含むデータを照明制御部22に送信するよう構成することもできる。
【0043】
照明制御部22は、画像処理部21から車番認識撮影が完了したことを含むデータを受信し、照明装置の出力を車両検知用に戻す車両検知用制御値を作成し、照明装置5に送信する(C3)。車両検知用制御値を作成するときに、照度センサ4からの照度データが使用されることが好ましい。
照明装置5は、照明制御部22から、車両検知用制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A3)。
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜A3の動作を繰り返す。
【0044】
なお、上記のように車両検知の時と車番認識の時で照明装置5の出力を調整する方法の他、道路状況から車両の速度を想定し、想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に、速度と画角から車番認識に必要な照度を求めて、照度センサ4で検出される照度に合わせて、照明装置5の出力を調整する場合もある。また、照明装置5は、車両検知と車番認識の切替は行わず、照度の高い車番認識に合わせる制御される場合がある。もしくは、事前に設定された車両検知用と車番認識用の照明の制御値が切り替えられて使用される場合がある。
【0045】
(実施の形態2)
実施の形態2では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の別の例が示される。実施の形態2では、照度センサ4を使用せず、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像から撮影箇所の照度を算出する。
図3に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0046】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照明装置5を具備する。実施の形態1と異なり、照明センサは具備しない。
【0047】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0048】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0049】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、蓄積型のカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0050】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0051】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、呼び出しすることができる。
【0052】
画像処理部21は、照度測定部211を具備する。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0053】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両6であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両6の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両6のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両6の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両6のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0054】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0055】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラの設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0056】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体の追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信する。
【0057】
照度測定部211は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を使用して、撮影箇所の照度を計測する。
図4に非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像10の例が示される。照度測定部211は画像中で車両などの移動物体が通行することが少ない照度検知部分11a〜11dの画像中の輝度から、照度を算出する。照度検知部分11a〜11dは、複数設定され、ばらつきが考慮されたり、最大値、最小値が削除され平均が取られるたりする処理により、照度が算出されることが、照度検知部分11a〜11dの一部に移動物体が撮影されたり、照度検知部分11a〜11dの一部が影になったりする場合があるので好ましい。
照度測定部211で算出された照度のデータは、照度制御部22に送信される。
【0058】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整することができる。照明制御部22は、画像処理部21から画角情報、および照度のデータを受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストで設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、必要な照度と画像から算出された現在の照度を比較し、現在の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、現在の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0059】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0060】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置22から読み書き可能に記録されている。
【0061】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22により出力が調整される。
【0062】
上記のように、制御装置2が、画像から検出された照度により、照明装置5が必要な照度を出力するように制御することにより、ボケない画像を撮影することができ、かつ、無駄な照明で消費する電力を減少させることができる。さらに、照度センサを設置することなく照度の検出をすることができる。
【0063】
(動作)
図5を参照して、実施の形態2の動作が説明される。
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
画像処理部21は、車両検知用撮影で撮影された画像を受信し、照度検出部分の輝度から照度を演算し、照度を含むデータを照明制御部22へ送信する(D0)。
照明制御部22は、画像処理部21から照度を含むデータを受信し、照度に合わせて必要な車両検知用の照明制御値を算出して、照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0064】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。車両の速度は、他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、画像処理部21から、画像から検出された照度データと、車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を作成して、照明装置5へ送付する(C2)。
照明装置5は、照明の車番認識用制御値を受信して、車番認識用に出力を調整する(A2)。
【0065】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影に戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
画像処理部21は、車番認識が終了後、照明制御部22に車番認識撮影が完了したことを含むデータを照明制御部22に送信する(D4)。画像処理部21が、車番認識が完了したことを含むデータを送信する代わりに、非蓄積型CMOSカメラ1が、車番認識用撮影を完了した後に、車番認識用撮影を完了したことを含むデータを照明制御部22に送信するように構成することもできる。
【0066】
照明制御部22は、画像処理部21から車番認識撮影が完了したことを含むデータを受信し、照明装置の出力を車両検知用に戻す車両検知用制御値を作成し、照明装置5に送信する(C3)。この時、画像から算出される照度データが使用されることが好ましい。
照明装置5は、照明制御部22から、車両検知用制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A3)。
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜A3の動作を繰り返す。
【0067】
なお、上記のように車両検知の時と車番認識の時で照明装置5の出力を調整する方法の他、道路状況から車両の速度を想定し、想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に、速度と画角から車番認識に必要な照度を求めて、照度センサ4で検出される照度に合わせて、照明装置5の出力を調整する場合もある。また、照明装置5は、車両検知と車番認識の切替は行わず、照度の高い車番認識に合わせる制御される場合がある。さらに、設定された車両検知用と車番認識用の照明の制御値が切り替えられて使用される場合がある。
【0068】
(実施の形態3)
実施の形態3では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の別の例が示される。実施の形態3では、太陽電池を電源の一部として使用し、太陽電池の発生する電圧を照度に換算して、照明の制御が行われる例が示される。
図6に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0069】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照明装置5、太陽電池27、太陽電池電圧計27、電源26を具備する。実施の形態1と異なり、照明センサは具備しない。
【0070】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0071】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0072】
非蓄積型CMOSカメラ1は、蓄積型のカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0073】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0074】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、呼び出しすることができる。
【0075】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0076】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両6であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両6の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両6のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0077】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0078】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラの設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0079】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体の追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信する。
【0080】
太陽電池25は、光によって発電し、本発明の移動物体撮影装置へ電力を供給する。電源26は、太陽電池25の電力を補うことができる。
太陽電池電圧計27は、太陽電池25で発生する電圧を検出し、照明制御部22へ送信する。太陽電池25で発生する電圧は、光の強さと相関関係があるので、太陽電池電圧計27で測定される電圧は、特定の関係式で照度に換算できる。この照度は、太陽電池25の設置場所の照度である。
【0081】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整することができる。
照明制御部22は、太陽電池電圧計27から電圧値を受信し、電圧値を特定の関係式で照度に換算する。ここで、求められる照度は、太陽電池35設置場所の照度なので、照明制御部22は、この照度と照明装置5の制御値から撮像部分の照度を演算することができることが好ましい。
さらに、照明制御部22は、画像処理部21から画角情報を受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストにより設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、必要な照度と、太陽電池の設置場所の照度と現在の照明装置の出力から算出される撮像部分の照度を比較し、撮像部分の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、撮影箇所の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0082】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0083】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置2から読み書き可能に記録されている。
【0084】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22により出力が調整される。
【0085】
上記のように、制御装置2が、太陽電池の発生電圧から算出された照度により、照明装置5が必要な照度を出力するように制御することにより、ボケない画像を撮影することができ、かつ、無駄な照明で消費する電力を減少させることができる。さらに、照度センサを設置することなく照度の検出をすることができる。
【0086】
(動作)
図7を参照して、実施の形態3の動作が説明される。
太陽電池25は、主に日中、太陽光により発電する。太陽電池電圧計27は、太陽電池25で発電された電力の電圧を測定して照明制御部22に送信する(F1)。太陽電池電圧計27は、測定した電圧を連続的又は断続的に照明制御部22に送信する。もしくは、陽電池電圧計27は所定の範囲に電圧が変化した場合に、情報を照明制御部22に送信する場合がある。
照明制御部22は、太陽電池電圧計27から太陽電池で発生している電力の電圧値を受信し、事前に求められている電圧を照度に換算する関係式を使用して、電圧を照度に換算する。
照明制御部22は、換算した照度に合わせて必要な車両検知用の照明制御値を算出して、照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0087】
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。車両の速度は、他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、画像処理部21から、画像から検出された照度データと、車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を演算して、照明装置5へ送付する(C2)。
照明装置5は、照明の車番認識用制御値を受信して、車番認識用に出力を調整する(A2)。
【0088】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影に戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
画像処理部21は、車番認識が終了後、照明制御部22に車番認識撮影が完了したことを含むデータを照明制御部22に送信する(D4)。画像処理部21が、車番認識が完了したことを含むデータを送信する代わりに、非蓄積型CMOSカメラ1が、車番認識用撮影を完了した後に、車番認識用撮影を完了したことを含むデータを照明制御部22に送信するように構成することもできる。
【0089】
照明制御部22は、画像処理部21から車番認識撮影が完了したことを含むデータを受信し、照明装置の出力を車両検知用に戻す車両検知用制御値を作成し、照明装置5に送信する(C3)。この時、画像から算出される照度データが使用されることが好ましい。
照明装置5は、照明制御部22から、車両検知用制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A3)。
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜A3の動作を繰り返す。
【0090】
なお、上記のように車両検知の時と車番認識の時で照明装置5の出力を調整する方法の他、道路状況から車両の速度を想定し、想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に、速度と画角から車番認識に必要な照度を求めて、照度センサ4で検出される照度に合わせて、照明装置5の出力を調整する場合もある。また、照明装置5は、車両検知と車番認識の切替は行わず、照度の高い車番認識に合わせる制御される場合がある。さらに、設定された車両検知用と車番認識用の照明の制御値が切り替えられて使用される場合がある。
【0091】
(実施の形態4)
実施の形態4では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の別の例が示される。本実施例では、短時間の車番認識用のための、高解像度撮影の時に、ストロボを使用する例が示される。非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影範囲を狭くして撮影時間を短くできる。撮影時間を短くした場合、連続光の他、ストロボを用いることもできる。ストロボを用いることで車両検知用の照明装置が簡易なものでよい、もしくは、通常の道路照明などでよい場合がある。
図8に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0092】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照明センサ4、照明装置5、ストロボ8を具備する。実施の形態2又は3のように他の装置で照度に換算できるデータを収集できれば、照明センサ4を設置しない場合がある。
【0093】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0094】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0095】
非蓄積型CMOSカメラ1は、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0096】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0097】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、呼び出しすることができる。
【0098】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0099】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0100】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0101】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラの設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0102】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体の追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信する。
【0103】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整することができる。照明制御部22は、画像処理部21から画角情報を受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
さらに、照明制御部22は、照度センサ4から撮影箇所の照度を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストにより設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、必要な照度と照度センサ4から受信した現在の照度を比較し、現在の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、現在の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0104】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0105】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置22から読み書き可能に記録されている。
【0106】
照度センサ4は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所に設置され、照度を計測し、照明制御部22へ照度を含む照度情報を送信する。
【0107】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22により出力が調整される。
本発明では、照明装置5は、車両検知用撮影のために設置される。必要な出力を維持して、照明装置5が制御されない場合もある。
ストロボ8は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。ストロボ8は、車番認識用の高解像度撮影をする場合に使用され、車番認識用の高解像度撮影の為に必要な出力を有する。ストロボ8は、高解像度撮影をする時間以上発光する能力を有する。
ストロボ8は、照明制御部22により出力のタイミングが制御される。高解像度撮影をする時間は、撮影範囲や解像度に相関するが、発光のタイミング調整のため、撮影時間は短いことが好ましい。
【0108】
上記のように、ストロボ8と連続光を出力する照明装置5を併用することにより、照明装置5の必要能力を抑えることができる。
【0109】
(動作)
図9を参照して、実施の形態3の動作が説明される。
【0110】
照度センサ4は、連続または断続的に照度を測定し、照度を含むデータを照明制御部22へ送信する(B1)。
照明制御部22は、照度センサ4から照度を含むデータを受信し、車両検知用の照明制御値を算出して照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0111】
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
【0112】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。さらに、画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が車番認識用撮影を行うタイミングを決定して、照明制御部22へ送信する。
車両の速度は、他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、照度センサ4から照度データを受信し(B2)、画像処理部21から車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を作成して、ストロボ8へ送付する。ただし、ストロボ8の出力は短時間で、消費電力の差は小さいので、必要な照度を得られるように設定され、出力調整が行われない場合が場合もある。
さらに、照明制御部22は、画像処理部21から車番認識用撮影を行うタイミングを受信し、車番認識用撮影を行うタイミングでストロボ8が出力するように制御する(C2)。
ストロボ8は、照明制御部22で設定された出力とタイミングで照明を行う(G1)。
【0113】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。さらに、車番認識用の撮影のタイミングを非蓄積型CMOSカメラ1に送信する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影に戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
【0114】
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜D4の動作を繰り返す。
【0115】
なお、上記のように車番認識の時にストロボ8の出力を調整する方法の他、事前に道路状況から車両の速度を想定し、事前に想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に速度と画角から、車番認識に必要な照度を求めて、ストロボの出力を設定する場合もある。この場合、ストロボ8の出力の調整は行われず、照度の高い設定に固定される。
【0116】
【発明の効果】
本発明の移動物体撮影装置は、照明を好適に制御して撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施の形態1の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図2】図2は、実施の形態1の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【図3】図3は、実施の形態2の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図4】図4は、実施の形態2における非蓄積型CMOSカメラで撮影された画像の例を示す。
【図5】図5は、実施の形態2の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【図6】図6は、実施の形態3の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図7】図7は、実施の形態3の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【図8】図8は、実施の形態4の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図9】図9は、実施の形態4の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【符号の説明】
1 非蓄積型CMOSカメラ
2 制御装置
3 記憶装置
4 照度センサ
5 照明装置
6 車両
7 ガントリ
8 ストロボ
10 画像
11a〜d 照度検知部分
21 画像処理部
22 照明制御部
23 車速計測部
25 太陽電池
26 電源
27 太陽電池電圧計
211 照度測定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動物体撮影装置に関し、特に非蓄積型CMOSカメラを使用し、撮影用の照明装置を制御する機構を有する移動物体撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
イメージセンサとして、受光素子を複数行列に配置して、画像を撮影するCMOS(相補性金属酸化膜半導体)を使用したカメラが、使用されている。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備している。
CMOSカメラは従来から多く使用されているCCDカメラと比較して、小型・軽量、低消費電力、低コスト、であるというメリットがある。
【0003】
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。
CCDカメラは、ライン毎の読み出しが可能な場合があるが、実質的にフレームレートは変わらない。
【0004】
フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0005】
さらに、CMOSカメラには、所定の瞬間に撮影した画像を蓄積して読み出す蓄積型CMOSカメラと、各受光素子が受光により発生した電荷を順次読み出して画像を作成する非蓄積型CMOSカメラがある。
蓄積型CMOSカメラは、電子シャッタで指定された瞬間(短時間)に、受光によりフォトダイオードで発生した電荷を、受光素子それぞれに設けられているキャパシタなどに蓄積し、キャパシタに蓄積されている電荷を読み出すことで、その瞬間に撮影された画像を作成する。このため移動物体を歪みなく撮影することができる。しかし、フォトダイオ−ドが、瞬間(短時間)に必要な量の電荷を発生するために高い照度が必要である。
【0006】
蓄積型CMOSカメラでは、瞬間(短時間)に画像を取り込むため、移動物体をボケなく撮影するためには電子シャッタなどのシャッタ機構を搭載する必要がある。蓄積型CMOSカメラで、移動物体を撮影するためにシャッタスピードを速くすると、必要な感度が得られない場合がある。逆に、蓄積型CMOSカメラで移動物体を撮影するためにシャッタスピードを遅くすると、画像がボケる場合がある。
また、蓄積型CMOSカメラでは、電子シャッタを使用するため、瞬間(短時間)で必要な照度を得るためにストロボ照明を用いる必要がある場合がある。このため、蓄積型CMOSカメラには、電子シャッタとストロボを同期する為のタイミング制御等が必要で、回路が複雑化する。さらに、撮影の為に瞬時に大出力が必要なため、照明装置が大型化、重量が増大する場合がある。
【0007】
非蓄積型CMOSカメラは、蓄積型CMOSカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラは、広いダイナミックレンジにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に撮影することができる。また、非蓄積型CMOSカメラは、必要な照度があれば移動物体をボケなく撮影できる。
【0008】
しかし、非蓄積型CMOSカメラは、所定以上に照度が低くなると、移動体の画像にボケが発生することがある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷が変化する前に、読み出されると、過去の受光の電荷と新たな受光の電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0009】
撮影に十分な照度の照明装置を連続的に使用すると、無駄な電力を使用する場合がある。
非蓄積型CMOSカメラで撮影された画像にボケが発生しないように、照明装置を制御することにより、撮影箇所の照度が調整されることが望ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、照明装置の出力を好適に制御する移動物体撮影装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明の移動物体撮影装置は、撮影範囲内の移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラ(1)と、非蓄積型CMOSカメラ(1)の撮影範囲を照明する照明装置(5または、5と8)と、照明装置(5または、5と8)の出力を制御する照明制御装置(22)と、を具備する。
【0013】
本発明の移動物体撮影装置の照明制御装置(22)は、移動物体の非蓄積型CMOSカメラ(1)からの距離と非蓄積型CMOSカメラ(1)に対する移動角度の関係である画角、移動物体の速度、の少なくとも一つを使用して撮影に必要な照度を演算し、撮影範囲が必要な照度になるように照明装置(5または5と8)を制御する。
【0014】
本発明の移動物体撮影装置の照明制御装置(22)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)が移動物体を低解像度で撮影する時と、高解像度で撮影する時とで、必要な照度を変更して、照明装置(5または5と8)を制御する。具体的には、低解像度で撮影する時より、高解像度で撮影する時に照度を高くする。
【0015】
さらに、本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ(1)の撮影箇所の照度を測定し、照明制御装置(22)に照度の情報を送信する照度センサ(4)を具備する。
照明制御装置(22)は、照度センサ(4)から照度の情報を受信し、照度の情報から、撮影箇所が必要な照度になる様に照明装置(5または、5と8)が出力するための制御値を演算して、照明装置(5または、5と8)を制御する。
【0016】
さらに、本発明の移動物体撮影装置は、画像処理部(21)を具備する。
画像処理部(21)は、非蓄積型CMOSカメラ(1)が撮影した画像の輝度から、非蓄積型CMOSカメラ(1)が撮影した箇所の照度を算出し、照度の情報を照明制御装置(22)へ送信し、照明制御装置(22)は、受信した照度の情報から、撮影箇所が必要な照度になる様に照明装置(5または、5と8)が出力するための制御値を演算して、照明装置(5または、5と8)を制御する。
【0017】
さらに、本発明の移動物体撮影装置は、太陽電池などの光発電装置(25)と、光発電装置(25)で発生する電圧または電流を測定する測定器(27)と、を具備する。
測定器(27)は、測定した電圧または電流の情報を照明制御装置(22)に送信し、照明制御装置(22)は、電圧または電流の情報を照度に換算して、照度から、撮影箇所が必要な照度になる様に照明装置(5または、5と8)が出力するための制御値を演算して、照明装置(5または、5と8)を制御する。
【0018】
本発明の移動物体撮影装置の照明装置は、連続的に照明する連続照明装置(5)である。
【0019】
本発明の移動物体撮影装置の照明装置は、連続的に照明する連続照明装置(5)と、瞬間的に照明する瞬間照明装置(8)と、を含み、瞬間照明装置(8)は、高解像度撮影をするときに使用される。瞬間照明装置(8)は、ストロボによるフラッシュである。
【0020】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明による移動物体撮影装置の実施の形態を以下に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
実施の形態1では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の例が示される。
図1に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0022】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照度センサ4、照明装置5を具備する。
【0023】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0024】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0025】
このように、非蓄積型CMOSカメラ1は、蓄積型のカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0026】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0027】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、読み出しすることができる。
【0028】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0029】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0030】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0031】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラ1の設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0032】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体を追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信することができる。
【0033】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整する制御信号を作成し、照明装置5に送信することができる。照明制御部22は、画像処理部21から画角情報を受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
さらに、照明制御部22は、照度センサ4から撮影箇所の照度を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストにより設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、求められた必要な照度と照度センサ4から受信した現在の照度を比較し、現在の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、現在の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0034】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0035】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置22から読み書き可能に記録されている。
【0036】
照度センサ4は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所に設置され、照度を計測し、照明制御部22へ照度を含む照度情報を送信する。
【0037】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22からの信号により出力が調整される。
【0038】
上記のように、制御装置2が、照度センサ4で検出した照度により、照明装置5が必要な照度を出力するように制御することにより、ボケない画像を撮影することができ、かつ、無駄な照明で消費する電力を減少させることができる。
【0039】
(動作)
図2を参照して、実施の形態1の動作が説明される。
照度センサ4は、連続または断続的に照度を測定し、測定した照度を含むデータを照明制御部22へ送信する(B1)。
照明制御部22は、照度センサ4から照度を含むデータを受信し、車両検知用の照明制御値を算出して照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0040】
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
【0041】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像を処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。車両の速度は他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、照度センサ4から照度データを受信し(B2)、画像処理部21から車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を作成して、照明装置5へ送付する(C2)。
照明装置5は、照明の車番認識用制御値を受信して、車番認識用に出力を調整する(A2)。
【0042】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、撮影した画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影の状態にに戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
画像処理部21は、車番認識が終了後、照明制御部22に車番認識撮影が完了したことを含むデータを照明制御部22に送信する(D4)。画像処理部21が、車番認識が完了したことを含むデータを送信する代わりに、非蓄積型CMOSカメラ1が、車番認識用撮影を完了した後に、車番認識用撮影を完了したことを含むデータを照明制御部22に送信するよう構成することもできる。
【0043】
照明制御部22は、画像処理部21から車番認識撮影が完了したことを含むデータを受信し、照明装置の出力を車両検知用に戻す車両検知用制御値を作成し、照明装置5に送信する(C3)。車両検知用制御値を作成するときに、照度センサ4からの照度データが使用されることが好ましい。
照明装置5は、照明制御部22から、車両検知用制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A3)。
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜A3の動作を繰り返す。
【0044】
なお、上記のように車両検知の時と車番認識の時で照明装置5の出力を調整する方法の他、道路状況から車両の速度を想定し、想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に、速度と画角から車番認識に必要な照度を求めて、照度センサ4で検出される照度に合わせて、照明装置5の出力を調整する場合もある。また、照明装置5は、車両検知と車番認識の切替は行わず、照度の高い車番認識に合わせる制御される場合がある。もしくは、事前に設定された車両検知用と車番認識用の照明の制御値が切り替えられて使用される場合がある。
【0045】
(実施の形態2)
実施の形態2では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の別の例が示される。実施の形態2では、照度センサ4を使用せず、非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像から撮影箇所の照度を算出する。
図3に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0046】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照明装置5を具備する。実施の形態1と異なり、照明センサは具備しない。
【0047】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0048】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0049】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、蓄積型のカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0050】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0051】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、呼び出しすることができる。
【0052】
画像処理部21は、照度測定部211を具備する。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0053】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両6であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両6の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両6のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両6の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両6のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0054】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0055】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラの設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0056】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体の追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信する。
【0057】
照度測定部211は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を使用して、撮影箇所の照度を計測する。
図4に非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像10の例が示される。照度測定部211は画像中で車両などの移動物体が通行することが少ない照度検知部分11a〜11dの画像中の輝度から、照度を算出する。照度検知部分11a〜11dは、複数設定され、ばらつきが考慮されたり、最大値、最小値が削除され平均が取られるたりする処理により、照度が算出されることが、照度検知部分11a〜11dの一部に移動物体が撮影されたり、照度検知部分11a〜11dの一部が影になったりする場合があるので好ましい。
照度測定部211で算出された照度のデータは、照度制御部22に送信される。
【0058】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整することができる。照明制御部22は、画像処理部21から画角情報、および照度のデータを受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストで設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、必要な照度と画像から算出された現在の照度を比較し、現在の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、現在の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0059】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0060】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置22から読み書き可能に記録されている。
【0061】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22により出力が調整される。
【0062】
上記のように、制御装置2が、画像から検出された照度により、照明装置5が必要な照度を出力するように制御することにより、ボケない画像を撮影することができ、かつ、無駄な照明で消費する電力を減少させることができる。さらに、照度センサを設置することなく照度の検出をすることができる。
【0063】
(動作)
図5を参照して、実施の形態2の動作が説明される。
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
画像処理部21は、車両検知用撮影で撮影された画像を受信し、照度検出部分の輝度から照度を演算し、照度を含むデータを照明制御部22へ送信する(D0)。
照明制御部22は、画像処理部21から照度を含むデータを受信し、照度に合わせて必要な車両検知用の照明制御値を算出して、照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0064】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。車両の速度は、他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、画像処理部21から、画像から検出された照度データと、車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を作成して、照明装置5へ送付する(C2)。
照明装置5は、照明の車番認識用制御値を受信して、車番認識用に出力を調整する(A2)。
【0065】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影に戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
画像処理部21は、車番認識が終了後、照明制御部22に車番認識撮影が完了したことを含むデータを照明制御部22に送信する(D4)。画像処理部21が、車番認識が完了したことを含むデータを送信する代わりに、非蓄積型CMOSカメラ1が、車番認識用撮影を完了した後に、車番認識用撮影を完了したことを含むデータを照明制御部22に送信するように構成することもできる。
【0066】
照明制御部22は、画像処理部21から車番認識撮影が完了したことを含むデータを受信し、照明装置の出力を車両検知用に戻す車両検知用制御値を作成し、照明装置5に送信する(C3)。この時、画像から算出される照度データが使用されることが好ましい。
照明装置5は、照明制御部22から、車両検知用制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A3)。
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜A3の動作を繰り返す。
【0067】
なお、上記のように車両検知の時と車番認識の時で照明装置5の出力を調整する方法の他、道路状況から車両の速度を想定し、想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に、速度と画角から車番認識に必要な照度を求めて、照度センサ4で検出される照度に合わせて、照明装置5の出力を調整する場合もある。また、照明装置5は、車両検知と車番認識の切替は行わず、照度の高い車番認識に合わせる制御される場合がある。さらに、設定された車両検知用と車番認識用の照明の制御値が切り替えられて使用される場合がある。
【0068】
(実施の形態3)
実施の形態3では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の別の例が示される。実施の形態3では、太陽電池を電源の一部として使用し、太陽電池の発生する電圧を照度に換算して、照明の制御が行われる例が示される。
図6に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0069】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照明装置5、太陽電池27、太陽電池電圧計27、電源26を具備する。実施の形態1と異なり、照明センサは具備しない。
【0070】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0071】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0072】
非蓄積型CMOSカメラ1は、蓄積型のカメラより弱い連続光で撮影が可能であること、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0073】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0074】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、呼び出しすることができる。
【0075】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0076】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両6であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両6の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両6のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0077】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0078】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラの設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0079】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体の追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信する。
【0080】
太陽電池25は、光によって発電し、本発明の移動物体撮影装置へ電力を供給する。電源26は、太陽電池25の電力を補うことができる。
太陽電池電圧計27は、太陽電池25で発生する電圧を検出し、照明制御部22へ送信する。太陽電池25で発生する電圧は、光の強さと相関関係があるので、太陽電池電圧計27で測定される電圧は、特定の関係式で照度に換算できる。この照度は、太陽電池25の設置場所の照度である。
【0081】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整することができる。
照明制御部22は、太陽電池電圧計27から電圧値を受信し、電圧値を特定の関係式で照度に換算する。ここで、求められる照度は、太陽電池35設置場所の照度なので、照明制御部22は、この照度と照明装置5の制御値から撮像部分の照度を演算することができることが好ましい。
さらに、照明制御部22は、画像処理部21から画角情報を受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストにより設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、必要な照度と、太陽電池の設置場所の照度と現在の照明装置の出力から算出される撮像部分の照度を比較し、撮像部分の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、撮影箇所の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0082】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0083】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置2から読み書き可能に記録されている。
【0084】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22により出力が調整される。
【0085】
上記のように、制御装置2が、太陽電池の発生電圧から算出された照度により、照明装置5が必要な照度を出力するように制御することにより、ボケない画像を撮影することができ、かつ、無駄な照明で消費する電力を減少させることができる。さらに、照度センサを設置することなく照度の検出をすることができる。
【0086】
(動作)
図7を参照して、実施の形態3の動作が説明される。
太陽電池25は、主に日中、太陽光により発電する。太陽電池電圧計27は、太陽電池25で発電された電力の電圧を測定して照明制御部22に送信する(F1)。太陽電池電圧計27は、測定した電圧を連続的又は断続的に照明制御部22に送信する。もしくは、陽電池電圧計27は所定の範囲に電圧が変化した場合に、情報を照明制御部22に送信する場合がある。
照明制御部22は、太陽電池電圧計27から太陽電池で発生している電力の電圧値を受信し、事前に求められている電圧を照度に換算する関係式を使用して、電圧を照度に換算する。
照明制御部22は、換算した照度に合わせて必要な車両検知用の照明制御値を算出して、照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0087】
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。車両の速度は、他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、画像処理部21から、画像から検出された照度データと、車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を演算して、照明装置5へ送付する(C2)。
照明装置5は、照明の車番認識用制御値を受信して、車番認識用に出力を調整する(A2)。
【0088】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影に戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
画像処理部21は、車番認識が終了後、照明制御部22に車番認識撮影が完了したことを含むデータを照明制御部22に送信する(D4)。画像処理部21が、車番認識が完了したことを含むデータを送信する代わりに、非蓄積型CMOSカメラ1が、車番認識用撮影を完了した後に、車番認識用撮影を完了したことを含むデータを照明制御部22に送信するように構成することもできる。
【0089】
照明制御部22は、画像処理部21から車番認識撮影が完了したことを含むデータを受信し、照明装置の出力を車両検知用に戻す車両検知用制御値を作成し、照明装置5に送信する(C3)。この時、画像から算出される照度データが使用されることが好ましい。
照明装置5は、照明制御部22から、車両検知用制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A3)。
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜A3の動作を繰り返す。
【0090】
なお、上記のように車両検知の時と車番認識の時で照明装置5の出力を調整する方法の他、道路状況から車両の速度を想定し、想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に、速度と画角から車番認識に必要な照度を求めて、照度センサ4で検出される照度に合わせて、照明装置5の出力を調整する場合もある。また、照明装置5は、車両検知と車番認識の切替は行わず、照度の高い車番認識に合わせる制御される場合がある。さらに、設定された車両検知用と車番認識用の照明の制御値が切り替えられて使用される場合がある。
【0091】
(実施の形態4)
実施の形態4では、車両検知・車番認識に使用される移動物体撮影装置の別の例が示される。本実施例では、短時間の車番認識用のための、高解像度撮影の時に、ストロボを使用する例が示される。非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影範囲を狭くして撮影時間を短くできる。撮影時間を短くした場合、連続光の他、ストロボを用いることもできる。ストロボを用いることで車両検知用の照明装置が簡易なものでよい、もしくは、通常の道路照明などでよい場合がある。
図8に移動物体撮影装置の構成の例が示される。
【0092】
本発明の移動物体撮影装置は、非蓄積型CMOSカメラ1、制御装置2、記憶装置3、照明センサ4、照明装置5、ストロボ8を具備する。実施の形態2又は3のように他の装置で照度に換算できるデータを収集できれば、照明センサ4を設置しない場合がある。
【0093】
非蓄積型CMOSカメラ1は、ガントリ7などに設置され、道路上方から移動物体である車両6を撮影する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、撮影した画像を制御装置2の画像処理部21へ送信する。非蓄積型CMOSカメラ1で撮影された画像は、車両検知や車番認識に使用される。
【0094】
CMOSカメラ(相補性金属酸化膜半導体)は、イメージセンサとして、受光素子を行列に複数配置している。各受光素子は、フォトダイオード、アンプを具備する。
さらに、CMOSカメラは行列方向に複数配列された受光素子に、ランダムにアクセスすることが可能である。具体的には、読み出す受光素子のアドレスを指定することで、自由に撮影可能範囲の一部分、ライン毎、および、ラインの一部の読み出しが可能である。さらに、CMOSカメラでは読み出す画像の大きさや画素数に応じて、単位時間当りの撮像数であるフレームレートが変化する。従って、解像度を下げたり、画像範囲を小さくすれば画像取込速度が速くなる、すなわちフレームレートが速くなる特性を持つ。フレームレートが速くなると、単位時間あたりに撮影できる画像数が増加し、移動物体を撮影、追跡するのに好ましい。
【0095】
非蓄積型CMOSカメラ1は、電子シャッタ等の複雑な機構を必要としないこと、などのメリットがある。
また、非蓄積型CMOSカメラ1は、広いダイナミックレンジを有することにより、画像内の輝度の差が大きい場合でも、輝度の異なる複数の箇所を一画像に判別可能に撮影することができる。さらに、非蓄積型CMOSカメラ1は、必要な照度があれば、車両6などの移動物体をボケなく撮影できる。
【0096】
しかし、非蓄積型CMOSカメラ1において、所定の照度以下になると画像にボケが生じる場合がある。これは、照度が低いと受光素子のフォトダイオ−ドの電荷が、新たな画像に対応する電荷に変化が完了するまでに時間がかかるために発生する。すなわち、照度が高ければ、光の変化に対応する電荷の変化が早くなり、照度が低ければ、光の変化に対応する電荷の変化が遅くなる。フォトダイオードの電荷の変化が完了する前に、電荷が読み出されると、過去の電荷と新たな電荷との間の電荷が読み出され、クリアな画像とならない。
従って、移動体の画像のボケは、照度、移動物体の速度、移動物体のカメラに対する距離と移動角度(以下、画角)等に影響を受ける。
【0097】
制御装置2は、画像処理部21、照明制御部22、車速計測部23を具備する。制御装置2は、記憶装置3と接続され必要な情報を記録、呼び出しすることができる。
【0098】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影した画像を処理して、画像中の移動物体の抽出、移動物体が車両であることの判定、所定の範囲に車両21が進入したことの検知、車両6のサイズの特定、および車番の認識をする。
画像処理部21は、車両の検知情報、車両のサイズ情報、車番情報を通行料自動課金システム(図示なし)に送信する。
【0099】
画像処理部21は、画像中の移動物体の抽出を、移動物体が撮影された画像と移動物体が写っていない背景だけの画像とを比較することで行うことができる。その他、移動物体の抽出には、好適な公知技術が使用される場合がある。
画像処理部21は、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量と移動物体の特徴量を比較して、移動物体が車両であることを判定する。さらに、画像処理部21は、検知された車両の特徴量と、記憶装置3に記憶されている車両の特徴量を比較して、車両のサイズや車種を特定することができる。車両の特徴量は、車両の大きさや形である。
画像処理部21は、画像中の車両の位置から、所定の範囲に車両6が進入したことを検知する。
画像処理部21は、車両のナンバープレートの位置を特定し、ナンバープレートの文字を認識することにより、車番を認識する。文字認識には、好適な公知技術が使用される。
【0100】
非蓄積型CMOSカメラ1は、受光素子にランダムにアクセスすることが可能なので、画像処理部21は、画像中の読み出す範囲の指定、高解像度と低解像度の撮影切替、単位時間の画像撮影数であるフレームレートの変更等をすることができる。
【0101】
さらに、画像処理部21は、画像中の移動物体の画像に対する変化量である画角の情報を抽出して、照明制御部22に送信する。具体的には、移動物体が同じ速度で移動していても、カメラの近くを横切る移動物体は画像中の移動速度が速いが、遠くから向かってくる移動物体は画像中の移動速度が遅い。
画角は、非蓄積CMOSカメラの設置状況と、車両の特定される移動方向と速度により事前に想定できる場合があるので、事前に画角の情報が記憶装置3等に記憶されている場合もある。
【0102】
さらに、非蓄積型CMOSカメラ1で移動物体を撮影する場合、画像に歪みが発生するので、画像処理部21は、画像の歪みの補正をする機能を有する場合がある。
また、画像処理部21は、画像中の移動物体の追跡する機能、移動物体の移動量や歪み量から移動物体の速度の算出する機能、歪みの形状から移動物体の移動方向を検出する機能を有する場合がある。画像処理部21で車速を測定する場合は、画像処理部21が、車速の情報を照明制御部22へ送信する。
【0103】
照明制御部22は、照明装置5の出力を調整することができる。照明制御部22は、画像処理部21から画角情報を受信し、車速計測部23もしくは画像処理部21から車速の情報を受信する。
さらに、照明制御部22は、照度センサ4から撮影箇所の照度を受信する。
照明制御部22は、非蓄積型CMOSカメラ1を設定した時に実機等のテストにより設定された画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを使用して、ボケが許容される範囲で撮影できる必要な照度を求める。
さらに、照明制御部22は、必要な照度と照度センサ4から受信した現在の照度を比較し、現在の照度が不足していれば、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を上げるよう調整する。照明制御部22は、現在の照度が必要な照度より高ければ、照明装置5の出力を調整して、撮影箇所の照度を必要な照度まで下げるよう調整することもできる。
照明制御部22は、画像処理部21で車両を検知した場合に、照明装置5を制御して車番認識に必要な照度に照明出力を上げ、車両を検知しない場合は、車両検知に必要な照度まで照明出力を下げるように制御することもできる。通常、車番認識には車両検知よりもボケの無い解像度の高い画像が必要なので、車番認識に必要な照度の方が、車両検知に必要な照度よりも高い。
適切な照度に調整されることにより、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0104】
車速計測部23は、車速センサ(図示なし)などを使用して車速を計測し、照明制御部22へ送信する。画像処理部21で、撮影画像から車速を計測する場合は、車速計測部23が設けられない場合もある。
【0105】
記憶装置3は、ハードディスクなどに代表され、車両検知のための特徴量データ、照明制御のための車速、画角と必要照度の関係式、表あるいはグラフ、等を記録する。記憶装置3に記憶されているデータは、制御装置22から読み書き可能に記録されている。
【0106】
照度センサ4は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所に設置され、照度を計測し、照明制御部22へ照度を含む照度情報を送信する。
【0107】
照明装置5は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。照明装置5は、出力調整機能を有し、照明制御部22により出力が調整される。
本発明では、照明装置5は、車両検知用撮影のために設置される。必要な出力を維持して、照明装置5が制御されない場合もある。
ストロボ8は、非蓄積型CMOSカメラ1が撮影する箇所を照明するように設置される。ストロボ8は、車番認識用の高解像度撮影をする場合に使用され、車番認識用の高解像度撮影の為に必要な出力を有する。ストロボ8は、高解像度撮影をする時間以上発光する能力を有する。
ストロボ8は、照明制御部22により出力のタイミングが制御される。高解像度撮影をする時間は、撮影範囲や解像度に相関するが、発光のタイミング調整のため、撮影時間は短いことが好ましい。
【0108】
上記のように、ストロボ8と連続光を出力する照明装置5を併用することにより、照明装置5の必要能力を抑えることができる。
【0109】
(動作)
図9を参照して、実施の形態3の動作が説明される。
【0110】
照度センサ4は、連続または断続的に照度を測定し、照度を含むデータを照明制御部22へ送信する(B1)。
照明制御部22は、照度センサ4から照度を含むデータを受信し、車両検知用の照明制御値を算出して照明装置5に車両検知用制御値を送信する(C1)。車両検知用に必要な基準の照度は、非蓄積型CMOSカメラ1の仕様、設置状況、道路状況から事前に設定されて記憶されている。
照明装置5は、照明制御部22から車両検知用照明制御値を受信し、車両検知用に出力を調整する(A1)。
【0111】
非蓄積型CMOSカメラ1は、車両検知用撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信している(E1)。
【0112】
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から画像を受信し、画像処理して車両を検知する(D1)。
車両を検知すると、画像処理部21は、撮影された画像から、車両の速度、画角を演算して、照明制御部22へ送信する(D2)。さらに、画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1が車番認識用撮影を行うタイミングを決定して、照明制御部22へ送信する。
車両の速度は、他のセンサで測定され、速度計測部23から、照明制御部22へ送信される場合もある。
照明制御部22は、照度センサ4から照度データを受信し(B2)、画像処理部21から車両の速度、画角を受信し、記憶装置3に記憶されている画角情報および車速の情報から必要な照度を求める式、表、もしくはグラフを参照して、照明の車番認識用制御値を作成して、ストロボ8へ送付する。ただし、ストロボ8の出力は短時間で、消費電力の差は小さいので、必要な照度を得られるように設定され、出力調整が行われない場合が場合もある。
さらに、照明制御部22は、画像処理部21から車番認識用撮影を行うタイミングを受信し、車番認識用撮影を行うタイミングでストロボ8が出力するように制御する(C2)。
ストロボ8は、照明制御部22で設定された出力とタイミングで照明を行う(G1)。
【0113】
画像処理部21は、車両の検知情報から、非蓄積型CMOSカメラ1の車番認識用の撮影モードを作成し、車番認識用制御値として非蓄積型CMOSカメラ1に送信する(D3)。車番認識用の撮影モードは、受光素子のアドレス(撮影範囲)、解像度の指定を含む場合がある。さらに、車番認識用の撮影のタイミングを非蓄積型CMOSカメラ1に送信する。
非蓄積型CMOSカメラ1は、画像処理部21から車番認識用制御値を受信し、車番認識用の撮影を行い、画像を画像処理部21へ送信する(E2)。非蓄積型CMOSカメラ1は、車番認識用の撮影後は、車両検知用撮影に戻る(E3)。
画像処理部21は、非蓄積型CMOSカメラ1から車番認識用の画像を受信し車番認識を行う(D4)。
【0114】
以後、画像処理部21が車両を検知するまで、各部が画像検知用の状態を維持し、画像処理部21が車両を検知することで、上記のステップD1〜D4の動作を繰り返す。
【0115】
なお、上記のように車番認識の時にストロボ8の出力を調整する方法の他、事前に道路状況から車両の速度を想定し、事前に想定される車両の速度と進行方向から画角を算出し、事前に速度と画角から、車番認識に必要な照度を求めて、ストロボの出力を設定する場合もある。この場合、ストロボ8の出力の調整は行われず、照度の高い設定に固定される。
【0116】
【発明の効果】
本発明の移動物体撮影装置は、照明を好適に制御して撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施の形態1の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図2】図2は、実施の形態1の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【図3】図3は、実施の形態2の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図4】図4は、実施の形態2における非蓄積型CMOSカメラで撮影された画像の例を示す。
【図5】図5は、実施の形態2の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【図6】図6は、実施の形態3の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図7】図7は、実施の形態3の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【図8】図8は、実施の形態4の移動物体撮影装置の構成を示す。
【図9】図9は、実施の形態4の移動物体撮影装置の動作のフローを示す。
【符号の説明】
1 非蓄積型CMOSカメラ
2 制御装置
3 記憶装置
4 照度センサ
5 照明装置
6 車両
7 ガントリ
8 ストロボ
10 画像
11a〜d 照度検知部分
21 画像処理部
22 照明制御部
23 車速計測部
25 太陽電池
26 電源
27 太陽電池電圧計
211 照度測定部
Claims (8)
- 撮影範囲内の移動物体を撮影する非蓄積型CMOSカメラと、
前記非蓄積型CMOSカメラの前記撮影範囲を照明する照明装置と、
前記照明装置の出力を制御する照明制御装置と、
を具備する、
移動物体撮影装置。 - 前記照明制御装置は、前記移動物体の前記非蓄積型CMOSカメラからの距離と前記非蓄積型CMOSカメラに対する移動角度の関係である画角、前記移動物体の速度の少なくとも一つを使用して撮影に必要な照度を演算し、前記撮影範囲が前記必要な照度になるように前記照明装置を制御する、
請求項1に記載された移動物体撮影装置。 - 前記照明制御装置は、前記非蓄積型CMOSカメラが移動物体を低解像度で撮影する時と、高解像度で撮影する時とで、前記必要な照度を変更して、前記照明装置を制御する、
請求項2に記載された移動物体撮影装置。 - さらに、前記非蓄積型CMOSカメラの撮影箇所の照度を測定し、前記照明制御装置に照度の情報を送信する照度センサを具備し、
前記照明制御装置は、前記照度センサから前記照度の情報を受信し、前記照度の情報から、撮影箇所が必要な照度になる様に前記照明装置が出力するための制御値を演算して、前記照明装置を制御する、
請求項1〜3のいずれかに記載された移動物体撮影装置。 - さらに、画像処理部を具備し、
前記画像処理部は、前記非蓄積型CMOSカメラが撮影した画像の輝度から、前記非蓄積型CMOSカメラが撮影した箇所の照度を算出し、前記照度の情報を前記照明制御装置へ送信し、
前記照明制御装置は、前記照度の情報から、撮影箇所が必要な照度になる様に前記照明装置が出力するための制御値を演算して、前記照明装置を制御する、
請求項1〜3のいずれかに記載された移動物体撮影装置。 - さらに、光発電装置と、
前記光発電装置で発生する電圧または電流を測定する測定器と、
を具備し、
前記測定器は、測定した前記電圧または前記電流の情報を前記照明制御装置に送信し、
前記照明制御装置は、前記電圧または前記電流の情報を照度に換算して、前記照度から、撮影箇所が必要な照度になる様に前記照明装置が出力するための制御値を演算して、前記照明装置を制御する、
請求項1〜3のいずれかに記載された移動物体撮影装置。 - 前記照明装置は、連続的に照明する連続照明装置である、
請求項1〜6のいずれかに記載された移動物体撮影装置。 - 前記照明装置は、連続的に照明する連続照明装置と、瞬間的に照明する瞬間照明装置と、を含み、
前記瞬間照明は、高解像度撮影をするときに使用される、
請求項1〜6のいずれかに記載された移動物体撮影装置。
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- 2002-08-30 JP JP2002256021A patent/JP2004096497A/ja not_active Withdrawn
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