JP2004095582A - コア基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コア基板の両面のビルドアップ層を有効に使用した多層配線基板の製造を可能とするコア基板と、このようなコア基板を簡便に製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】コア材の両面に厚み3〜8μmの範囲の銅箔を備えた銅張積層板の銅箔表面に粗化処理を施し、レーザーを照射して内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲のスルーホールを少なくとも一部に含む複数のスルーホールを穿設し、これらのスルーホール内に導電性ペーストを充填し、表面平滑処理を施した後、銅箔をエッチング除去し、電気絶縁性の接着剤層をコア基板の両面に設け、スルーホールの位置に対応するように複数の凸部を基材に突設してなる被覆部材を、凸部が接着剤層を貫通してスルーホール内の導電性ペースト中に挿入されるように接着剤層に圧着し、この被覆部材の不要な基材を除去して、スルーホールの開口部を閉塞するランド部を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】コア材の両面に厚み3〜8μmの範囲の銅箔を備えた銅張積層板の銅箔表面に粗化処理を施し、レーザーを照射して内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲のスルーホールを少なくとも一部に含む複数のスルーホールを穿設し、これらのスルーホール内に導電性ペーストを充填し、表面平滑処理を施した後、銅箔をエッチング除去し、電気絶縁性の接着剤層をコア基板の両面に設け、スルーホールの位置に対応するように複数の凸部を基材に突設してなる被覆部材を、凸部が接着剤層を貫通してスルーホール内の導電性ペースト中に挿入されるように接着剤層に圧着し、この被覆部材の不要な基材を除去して、スルーホールの開口部を閉塞するランド部を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線基板に使用するコア基板とその製造方法に係り、特に高密度配線がなされたビルドアップ層をコア基板の両面に備えた多層配線基板を可能とするコア基板と、このようなコア基板を製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子は、ますます高集積化、高性能化の一途をたどってきており、その端子数の増加も著しい。例えば、QFP(Quad Flat Package)のような表面実装パッケージでは、外部端子ピッチを狭めることにより、パッケージサイズを大きくすることなく多端子化に対応してきた。しかし、外部端子の狭ピッチ化に伴い、外部端子自体の幅が細くなって強度が低下するため、フォーミング等の後工程における外部端子のスキュー対応や、平坦性維持が難しくなり、実装に際しては、半導体パッケージの搭載精度の維持が難しくなるという問題があった。すなわち、QFPでも、更なる多端子化への対応は困難となっている。
【0003】
これに対応するために、BGA(Ball Grid Array)に代表される多層樹脂プリント基板をインターポーザとするパッケージが開発されてきた。このBGAは、通常、両面基板の片面に半導体チップを搭載し、他方の面に球状の半田ボールを外部端子として備え、半導体チップの端子と外部端子(半田ボール)との導通をとったものであり、実装性の向上を図ったパッケージである。また、最近では、パッケージを持たないチップ(ベアチップ)を直接に多層配線基板上の実装するベアチップ実装法が提案されている。ベアチップ実装法では、予め多層配線基板上に形成された配線の接続パッド部に、ボンディング・ワイヤ、ハンダや金属球等からなるバンプ、異方性導電膜、導電性接着剤、光収縮性樹脂等の接続手段を用いて半導体デバイス・チップが実装される。チップがパッケージに封入されていないので、多層配線基板上の配線とチップとの間の接続経路を単純化かつ短縮することができ、また実装密度が向上するので、他チップとの間の距離も短縮することができる。したがって、小型軽量化はもちろん、信号処理の高速化も期待することができる。
【0004】
上記のようなベアチップ実装法に対応できる多層配線基板は、通常、サブトラクティブ法等で作製した低密度配線を有する両面基板をコア基板とし、このコア基板の両面にビルドアップ法により高密度配線を形成して製造されている。図8は、従来のコア基板の製造方法の一例を示す工程図であり、まず、コア材53の両面に銅箔54aを設けた銅張積層基板52に、ドリルマシンを用いて機械的にスルーホール58を形成する(図8A)。次に、スルーホール58内を洗浄し無電解めっきにより無電解銅54bを形成してスルーホール58内を導電化し、その後、電解銅めっきにより全面に所定の厚みで銅めっき層54cを形成して、スルーホール58内を電気的に接続させる(図8(B))。次いで、スルーホール58内に導電性金属材料あるいは非導電性ペーストからなる充填部材55を充填し、物理研磨による表面平滑処理を行う(図8(C))。その後、ドライフィルムレジストあるいは液状レジストにより成膜処理を行い、所定のパターン露光、現像を行ってレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして銅めっき層54c、無電解銅54bと銅箔54aをパターンエッチングすることにより、めっきスルーホール54、所望の回路配線(図示せず)を形成して、コア基板51が製造される(図8(D))。
【0005】
図9は、上記のように製造されたコア基板51の両面にビルドアップ法により高密度配線を形成して製造された多層配線基板の例を示す概略断面図である。図9に示される多層配線基板60は、以下のように製造することができる。すなわち、コア基板51の両面にガラスクロスエポキシ樹脂(プリプレグ)の絶縁層61を形成し、炭酸ガスレーザー、もしくは、UV−YAGレーザーを用いてコア基板上のめっきスルーホール54や回路配線の所望個所が露出するように小径の穴部を各絶縁層61の所定位置に形成する。そして、洗浄後、穴部内に無電解めっきにより導電層を形成し、ドライフィルムレジストをラミネートして所定のパターン露光、現像を行うことによりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、上記の穴部を含む露出部に電解めっきによりビア部62を形成して1層目のビルドアップ層を形成する。この操作を繰り返して複数のビルドアップ層(図示例では、両面に各2層)を形成して多層配線基板60が製造される。そして、半導体チップ搭載側の最表面のビルドアップ層には、必要な配線とともに、半導体チップ搭載用の接続パッド部64が形成されている。このような多層配線基板60では、半導体チップ搭載用の接続パッド部64に半田等の金属バンプ82を介して半導体チップ81を搭載することができる。また、多層配線基板60の裏面側には外部接続端子65が設けられており、プリント配線板(マザーボード)に実装することができる。尚、図示例では、簡略化のために、めっきスルーホール数、半導体チップのバンプ数、回部接続端子数をそれぞれ4個としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、めっきスルーホールを備えた従来のコア基板は、めっきスルーホールの径、ピッチが大きいため、半導体チップのピン数増加に伴う高密度化への対応が困難であるという問題がある。すなわち、めっきスルーホール形成におけるめっき工程で発生するマイグレーション(コア材53中へのめっき液の染み出し)の点から、めっきスルーホールの狭ピッチ化には限界があり、半導体チップ搭載用の接続パッド部のピッチとめっきスルーホールのピッチの間に大きな開きを生じることが避けられない。このため、半導体チップ搭載用の接続パッド部からコア基板の各めっきスルーホールに接続するために、ビルドアップ層に微細配線を引き回すか、もしくは、ビルドアップ層の積層数を増す必要がある。上述の多層配線基板60の例では、チップ搭載用の各接続パッド部64からコア基板51の各めっきスルーホール54への接続用の配線引き回しのために、チップ搭載側に2層のビルドアップ層を必要である。一方、コア基板51の裏面の2層のビルドアップ層は配線の引き回しが不要であり、外部接続端子65への接続のためのビア部が形成されているのみである。しかし、多層配線基板60のそり防止等のバランス維持作用をなすために、チップ搭載側と同等の2層のビルドアップ層をコア基板51の裏面にも設ける必要がある。すなわち、従来の多層配線基板では、半導体チップ搭載用の接続パッド部からコア基板の各めっきスルーホールに接続するための配線の引き回しがコア基板のチップ搭載側のビルドアップ層に集中し、裏面のビルドアップ層の有効利用が難しく、多層配線基板の小型化、製造の簡易化に支障を来す要因の一つとなっている。このため、コア基板の両面のビルドアップ層を有効に使用した多層配線基板の実用化が望まれている。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、コア基板の両面のビルドアップ層を有効に使用した多層配線基板の製造を可能とするコア基板と、このようなコア基板を簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、コア基板の両面に複数のビルドアップ層を備え、一方の面に半導体チップ搭載用の接続パッド部を有し、他方の面に外部接続端子を有する多層配線基板に使用するコア基板おいて、コア材と、該コア材の両面に形成された電気絶縁層とを備え、前記コア材は内部に導電性ペーストが充填されている複数のスルーホールを有し、該スルーホールの開口部は前記導電性ペーストと導通するランド部により閉塞され、該ランド部は前記電気絶縁層上に位置する基部と、該基部に突設され前記電気絶縁層を貫通してスルーホール内の前記導電性ペースト中に挿入される凸部とを有し、複数の前記スルーホールの少なくとも一部は内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記スルーホールは、いずれも内径が0.05〜0.15mmの範囲であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記スルーホールは、いずれも内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるような構成とした。
また、本発明の好ましい態様として、前記導電性ペーストに含有される導電材は、金を表面にコートした銅粒子であるような構成とした。
【0008】
本発明のコア基板の製造方法は、コア材の両面に厚み3〜8μmの範囲の銅箔を備えた銅張積層板の前記銅箔表面に粗化処理を施し、その後、レーザーを照射して内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲のスルーホールを少なくとも一部に含む複数のスルーホールを穿設する第1の工程、前記スルーホール内に導電性ペーストを充填し、その後、物理研磨により表面平滑処理を施す第2の工程、前記銅箔をエッチング除去した後、電気絶縁性の接着剤層を前記コア基板の両面に設け、前記スルーホールの位置に対応するように複数の凸部を基材に突設してなる被覆部材を、前記凸部が前記接着剤層を貫通して前記スルーホール内の導電性ペースト中に挿入されるように前記接着剤層に圧着する第3の工程、前記被覆部材上に所望のレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとしてエッチングにより前記被覆部材の不要な基材を除去して、基部に突設された凸部が前記スルーホール内に充填されている導電性ペースト中に挿入され接続された状態で前記スルーホールの開口部を閉塞するランド部を形成し、その後、前記レジストパターンを除去する第4の工程、を有するような構成とした。
【0009】
本発明の好ましい態様として、前記第4の工程において、前記ランド部とともに所望の配線を同時形成するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記コア材は、内部に配線を有するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記レーザーは、炭酸ガスレーザーを用いるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記導電性ペーストは、金を表面にコートした銅粒子からなる導電材を含有するような構成とした。
さらに、本発明の好ましい態様として、前記被覆部材は、金属板あるいは金属箔をハーフエッチングすることにより凸部を形成して作製したもの、または、金属板あるいは金属箔上にパターンめっきにより凸部を突設して作製したものであるような構成とした。
【0010】
上記のように、コア基板は、導電性ペーストが充填されランド部により開口部を閉塞された内径が0.05〜0.15mmの範囲のスルーホールを、0.2〜0.3mmの範囲のピッチで備えるため、半導体チップ搭載面側のビルドアップ層の少なくとも1層に、半導体チップ搭載用の接続パッド部とランド部の一部とを接続するための配線を設け、外部接続端子側のビルドアップ層の少なくとも1層には、外部接続端子とランド部の一部とを接続するための配線を設け、必要な配線をコア基板の両面のビルドアップ層に振り分けることが可能となる。また、導電性ペースト中に挿入されている凸部によって、ランド部と導電性ペーストとの接続が確実なものとなる。さらに、製造方法の第2の工程にてスルーホール内に充填される導電性ペーストは、スルーホール間におけるマイグレーションを発生することがなく、スルーホールの狭ピッチ化を可能とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
コア基板
図1は、本発明のコア基板の一実施形態を示す部分縦断面図である。図1において、本発明のコア基板1は、コア材2と、コア材2の両面に設けられた電気絶縁層5と、コア材2に貫通するようにピッチP1で形成された内径d1の複数のスルーホール3、および、ピッチP2で形成された内径d2の複数のスルーホール7とを備えている。スルーホール3、スルーホール7の内部には、それぞれ導電性ペースト4が充填されており、スルーホール3の開口部3aは、導電性ペースト4と導通する小径のランド部6により閉塞され、スルーホール7の開口部7aは、導電性ペースト4と導通する大径のランド部8により閉塞されている。
【0012】
本発明では、上記のランド部6,8が、図2に示されるように、それぞれ基部6a,8aと、この基部6a,8aに突設された凸部6b,8bとからなり、ランド部の基部6a,8aは電気絶縁層5上に位置し、凸部6b,8bが電気絶縁層5を貫通してスルーホール3,7内の導電性ペースト4中に挿入されていることを特徴としている。また、上記のスルーホール3,7のうち、小径のスルーホール3の内径d1は0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、ピッチP1は0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲であることを特徴としている。また、大径のスルーホール7の内径d2は0.25〜0.35mmの範囲、ピッチP2は0.4〜0.6mmの範囲とすることができる。
尚、上記の実施形態では、図を簡略化するために、ピッチP1で形成された内径d1のスルーホール3を2個、ピッチP2で形成された内径d2のスルーホール7を2個、それぞれ図示しているが、ピッチP1で形成されるスルーホール3の個数およびコア基板1における形成部位、ピッチP2で形成されるスルーホール7の個数およびコア基板1における形成部位、および、複数のスルーホール3が形成される部位と複数のスルーホール7が形成される部位との位置関係等は、適宜設定することができる。
【0013】
図3は、本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図3において、本発明のコア基板11は、コア材12と、このコア材12の両面に設けられた電気絶縁層15と、コア材12に貫通するようにピッチP1で形成された内径d1の複数のスルーホール13、および、ピッチP2で形成された内径d1の複数のスルーホール17とを備えている。スルーホール13、スルーホール17の内部には、それぞれ導電性ペースト14が充填されており、スルーホール13の開口部13aは、導電性ペースト14と導通するランド部16により閉塞され、スルーホール17の開口部17aも、導電性ペースト14と導通するランド部16により閉塞されている。
上記のランド部16も上記のランド部6,8と同様に、基部16aと、この基部16aに突設され電気絶縁層15を貫通してスルーホール13,17内の導電性ペースト14中に挿入されている凸部16bとからなっている。また、上記のスルーホール13,17の内径d1は0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、スルーホール13のピッチP1は0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲であり、形成ピッチの大きいスルーホール17のピッチP2は0.4〜0.6mmの範囲とすることができる。
【0014】
また、コア基板11は、電気絶縁層15上に所望の配線19を備えており、このような配線19のラインアンドスペースは、25μm/25μm〜50μm/50μm程度の範囲とすることができる。上述のコア基板1においても、コア基板11と同様に、電気絶縁層5上に所望の配線を備えるものとすることができる。
尚、上記の実施形態では、図を簡略化するために、ピッチP1で形成された内径d1のスルーホール13を2個、ピッチP2で形成された内径d1のスルーホール17を2個、それぞれ図示しているが、ピッチP1で形成されるスルーホール13の個数およびコア基板11における形成部位、ピッチP2で形成されるスルーホール17の個数およびコア基板11における形成部位、および、複数のスルーホール13が形成される部位と複数のスルーホール17が形成される部位との位置関係等は、適宜設定することができる。
【0015】
図4は、本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図4において、本発明のコア基板21は、コア材22と、このコア材22の両面に設けられた電気絶縁層25と、コア材22に貫通するようにピッチP1で形成された内径d1の複数のスルーホール23を備えており、スルーホール23の内部には導電性ペースト24が充填され、スルーホール23の開口部23aは、導電性ペースト24と導通するランド部26により閉塞されている。
上記のランド部26も上記のランド部6,8と同様に、基部26aと、この基部26aに突設され電気絶縁層25を貫通してスルーホール23内の導電性ペースト24中に挿入されている凸部26bとからなっている。また、上記のスルーホール23の内径d1は0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、スルーホール23のピッチP1は0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲である。
【0016】
このコア基板21においても、上述のコア基板11と同様に、電気絶縁層25上に所望の配線を備えるものとすることができる。
尚、上記の実施形態では、図を簡略化するために、ピッチP1で形成された内径d1のスルーホール23を4個図示しているが、ピッチP1で形成されるスルーホール23の個数およびコア基板21における形成部位、および、複数のスルーホール23が形成されている部位の数等は、適宜設定することができる。
【0017】
上記のようなコア基板1,11,21を構成するコア材2,12,22は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維で強化したコア材等、従来公知の材料を使用することができる。このようなコア材2,12,22の厚みは、0.2〜0.8mmの範囲で適宜設定することができる。また、コア材2,12,22は、内部に1層、あるいは、2層以上の配線を有するものであってもよく、これらの配線は必要に応じて、上記のスルーホールに充填される導電性ペースト4,14,24を介して他の配線や後述するビルドアップ層との導通をとることができる。
また、コア材2,12,22に形成するスルーホールのうち、スルーホール3,13,23について、内径d1が0.05mm未満であると、コア材の穴あけ加工が困難になるとともに、導電性ペーストの充填も難しくなり、一方、内径d1が0.15mmを超えると、配置すべきスルーホールのピッチが大きくなり好ましくない。また、スルーホール3,13,23のピッチが0.3mmを超えると、半導体チップのバンプのピッチ(多層配線基板の接続パッド部のピッチ)との差が大きくなり、本発明の効果が得られず好ましくない。
【0018】
コア基板1,11,21を構成する導電性ペースト4,14,24は、粒子形状の導電材をペースト中に含有したものであり、導電材としては、銀、金、銅、亜鉛等の金属粒子、銀を表面にコートした銅粒子、はんだ(Sn−Ag−Cu系)等の複合金属粒子等を使用することができる。このような導電材の粒径は、2〜8μm程度とすることが好ましい。また、ペーストを構成するためのバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂等を使用することができる。導電性ペースト中の導電材の含有量は、80〜95重量%、好ましくは85〜90重量%の範囲とすることができる。
【0019】
コア基板1,11,21を構成する電気絶縁層5,15,25は、ランド部6,16,26を固着するとともに、各ランド部間を電気的に独立させるものであり、電気絶縁性を有する接着性樹脂、例えば、シリカ含有エポキシ樹脂フィルム等、あるいは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維等で強化したプリプレグを用いて形成することができる。このような電気絶縁層5,15,25の厚みは、10〜60μm程度とすることが好ましい。
【0020】
コア基板1,11,21を構成するランド部6,16,26およびランド部8は、スルーホール3,13,17,23およびスルーホール7の開口部を閉塞するとともに、コア基板上に形成されるビルドアップ層の各配線等との接続パッドとなるものである。このようなランド部は、上述のように、基部と、この基部に突設され電気絶縁層を貫通してスルーホール内の導電性ペースト中に挿入される凸部とからなっている。これにより、導電性ペーストに体積収縮等が生じてもランド部と導電性ペーストとの接続が確実になされることになる。
【0021】
ランド部の基部は、隣接するランド部との間に30μm以上の距離が保てるような大きさ、形状とすることができる。また、ランド部の凸部は、電気絶縁層を貫通してスルーホール内の導電性ペースト中に確実に挿入できる長さ、太さとする必要があり、電気絶縁層の厚み、スルーホールの内径等を考慮して設定することができる。例えば、上記のランド部6,16,26の場合、凸部6b、16b、26bは、長さ30〜100μm、太さ50〜100μm程度とし、導電性ペースト中への挿入深さは20〜40μm程度とすることができる。このようなランド部は、銅、銅合金、42%Ni含有鉄合金等の導電材料により形成することができる。尚、上述のコア基板表面に形成する配線を、上記のランド部を含むようなものとして設計することもできる。
【0022】
このようなコア基板を用いた多層配線基板の例を、コア基板1を例として、図5に示す。図5において、多層配線基板41は、コア基板1の両面に各1層のビルドアップ層42,43を備えている。このビルドアップ層42,43は、絶縁層44a,44bの所望部位に、コア基板1上のランド6,8や配線の所望個所(例示のコア基板1には配線は設けられていない)と接続されたビア部45a,45bが形成されているとともに、所定の配線46a,46bが形成されている。本発明のコア基板1は、内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるスルーホール3を備え、このような狭ピッチのスルーホールは、半導体チップのバンプの形成ピッチとほぼ同一となっている。このため、半導体チップ搭載側のランド部6に形成されたビルドアップ層42のビア部45aに、配線を介することなく、半導体チップ搭載用の接続パッド部47aを直接設けることができる。そして、形成ピッチの大きいスルーホール7を閉塞するランド部8は、ビルドアップ層42の配線46aを介して接続パッド部47aと接続することができる。そして、接続パッド部47aに半田等の金属バンプ82を介して半導体チップ81を搭載することができる。
【0023】
一方、外部接続端子側のビルドアップ層43には、複数の外部接続端子48が形成されており、この外部接続端子48を介して多層配線基板41はプリント配線板(マザーボード)に実装可能となっている。したがって、外部接続端子48のピッチは、コア基板1のスルーホール3のピッチよりも大きなものとなっている。そこで、スルーホール3を閉塞するランド部6は、外部接続端子側のビルドアップ層43に形成した配線46bを介して所定の外部接続端子48に接続することができる。また、形成ピッチの大きいスルーホール7を閉塞するランド部8は、配線を介することなく、ビア部45bにより直接外部接続端子48に接続することができる。
【0024】
このように、本発明のコア基板1を使用することにより、半導体チップ搭載用の接続パッド部47aの一部は、配線46aを介することなくビア部45aを介して直接ランド部6と接続することができ、他の接続パッド部47aについてのみ、ランド部8との接続のための配線46aを半導体チップ搭載面側のビルドアップ層42に形成すればよく、一方、外部接続端子側の複数のランド部6のピッチは、外部接続端子48のピッチよりも小さいものの、外部接続端子側のビルドアップ層43に形成した配線46bにより外部接続端子48に接続することができる。これにより、必要な配線をコア基板の両面のビルドアップ層に振り分け、半導体チップ搭載面側のビルドアップ層への配線集中を防止することができる。
【0025】
コア基板の製造方法
次に、本発明のコア基板の製造方法を図面を参照しながら説明する。
図6および図7は、上述のコア基板1を例とした本発明のコア基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【0026】
[第1の工程]
本実施形態では、第1の工程において、コア材2の両面に厚み5〜10μmの範囲の銅箔31を備えた銅張積層板30を準備する(図6(A))。銅箔31の厚みが5μm未満であると、後述するレーザーによるスルーホール形成におけるコア材を保護する作用が不十分となり、スルーホールの形成精度が低下する。また、銅箔31の厚みが10μmを超えると、後述するレーザーによるスルーホール形成に要するレーザーのパワーが大きくなり、作業効率が低下し好ましくない。銅張積層板30を構成するコア材2は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維等で強化したコア材等、従来公知の材料を使用することができる。このようなコア材2の厚みは、0.2〜0.8mmの範囲で適宜設定することができる。また、コア材2は内部に1層、あるいは、2層以上の配線を有するものであってもよい。
【0027】
次に、銅箔31表面に粗化処理を施し、その後、所定箇所にレーザーを照射して、内径d1のスルーホール3をピッチP1で形成し、また、内径d2のスルーホール7をピッチP2で形成する(図6(B))。銅箔31の粗化処理は、銅箔31に照射されたレーザーの反射を防止し、レーザーのパワーを所定箇所に集中させて加工効率を向上させることを目的とするものであり、黒化還元処理、物理的研磨等により粗化処理を施すことができる。また、使用するレーザーは、炭酸ガスレーザー、UV−YAGレーザー等を挙げることができ、この中で特に炭酸ガスレーザーが好ましい。このようなレーザーにより穿設されたスルーホール3は、内径d1が0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、ピッチP1が0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲とする。また、大径のスルーホール7は、内径d2を0.25〜0.35mmの範囲、ピッチP2を0.4〜0.6mmの範囲とすることができる。
【0028】
[第2の工程]
次に、第2の工程において、スルーホール3およびスルーホール7内に導電性ペースト4を充填し(図6(C))、その後、物理研磨により表面平滑処理を施す(図6(D))。導電性ペーストは、上述の導電性ペーストを使用することができ、スクリーン印刷法、ノズル噴出し法、ディスペンス法等によりスルーホール3およびスルーホール7内に充填することができる。
【0029】
スルーホール3,7内に充填した導電性ペーストに硬化処理を施した後、銅張積層板の表面に硬化突出した導電性ペーストの表面を研磨して、露出している導電性ペースト表面と銅箔表面とが同一面となるように表面平滑処理を施す。物理研磨による表面平滑処理としては、バフ研磨、旋盤研磨等の処理方法を挙げることができる。
本発明では、従来のめっきスルーホール形成と異なり、スルーホール内に導電性ペーストを充填して表裏の導通をとるため、スルーホール間のマイグレーション発生がなく、ピッチP1が0.2〜0.3mmのような狭ピッチであっても、各スルーホール間の電気的独立が確保できる。
【0030】
[第3の工程]
次いで、第3の工程において、銅箔31をエッチング除去し(図6(E))、その後、コア材2および導電性ペースト4を覆うように電気絶縁性の接着剤層5′を形成する(図7(A))。銅箔31のエッチング除去は、例えば、塩化第二鉄系のエッチング液を用いて行うことができる。また、接着剤層5′は、後述する被覆部材32を固着するとともに、最終形態のコア基板1では電気絶縁層5となって各ランド部間を電気的に独立させるものである。このような接着剤層5′は、電気絶縁性を有する接着性樹脂、例えば、シリカフィラー含有エポキシ樹脂等、あるいは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維等で強化したプリプレグを用いて形成することができる。
【0031】
次に、上記のスルーホール3,7の形成位置に対応するように複数の凸部32b、32cを基材32aの一方の面に突設した被覆部材32を準備し、この被覆部材32を上記の接着剤層5′に圧着する(図7(B))。これにより、被覆部材32の凸部32bは接着剤層5′を貫通して、スルーホール3内に充填されている導電性ペースト4中に挿入され、また、凸部32cは接着剤層5′を貫通して、スルーホール7内に充填されている導電性ペースト4中に挿入された状態となる。
【0032】
上記の被覆部材32は、銅、銅合金、42%ニッケル含有鉄合金等の金属板あるいは金属箔をハーフエッチングすることにより凸部32b,32cを形成して作製することができる。また、上記の金属板あるいは金属箔上にパターンめっきにより凸部32b,32cを突設して作製することもできる。被覆部材32の基材32aの厚みは、後述する除去工程での作業性、ランド部とともに配線を同時形成する場合の配線厚み等を考慮して設定することができ、例えば、10〜25μm程度とすることができる。また、凸部32b,32cは、接着剤層5′を貫通してスルーホール3,7内の導電性ペースト4中に確実に挿入される長さ、太さとする必要があり、接着剤層5′の厚み、スルーホールの内径等を考慮して設定することができ、導電性ペースト4中への挿入深さは、20〜40μm程度とすることができる。
尚、上述の被覆部材32は、複数のスルーホール3および複数のスルーホール7を全て被覆するものであるが、所定の数のスルーホールに対応した被覆部材を複数用いることもできる。
【0033】
[第4の工程]
次に、第4の工程において、ドライフィルムレジストあるいは液状レジストにより成膜処理を行い、所定のパターン露光、現像を行って、被覆部材32上に所望のレジストパターン34を形成する(図7(C))。次いで、レジストパターン34をマスクとしてエッチングにより被覆部材32の不要な基材32aを除去しする。これにより、基部6a,8aに凸部6b、8bが突設されたランド部6,8を形成し、その後、レジストパターン34を除去して、本発明のコア基板1を得る(図7(D))。
【0034】
上記のレジストパターン34は、ランド部6,8の基部6a,8a形成用の被覆パターンとして、隣接するランド部との間に30μm以上の距離が保てるような被覆パターンを備えるものとする。
尚、図3に示されるコア基板11のように、表面に配線を有するコア基板を製造する場合には、ランド部形成用の被覆パターンと配線形成用の被覆パターンとを備えたレジストパターン34を形成することにより、ランド部形成と配線形成を同時に行うことができる。形成する配線は、ラインアンドスペースが25μm/25μm〜50μm/50μm程度の微細配線とすることができる。
【0035】
【実施例】
次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
第1の工程
ビスマレイミドトリアジン樹脂からなる厚み0.8mmのコア材の両面に厚み12μmの銅箔を備えた銅張積層板を出発物質とし、この銅張積層板の銅箔に、塩化鉄系エッチング液を用いてスプレーエッチングを施し、銅箔の厚みを5μm程度まで肉薄化し、水洗、乾燥した。
【0036】
次に、上記の肉薄銅箔を備えた銅張積層板の銅箔表面に、粗化処理液(メック(株)製 CZ8100)を用いて粗化処理を施し、2μm程度の凹凸形状を備えた粗面とし、水洗、乾燥した。その後、所定箇所に炭酸ガスレーザーを照射(パルス幅:50μ秒、ショット数:20ショット)して、内径0.1mmのスルーホールを0.25mmピッチで形成した。その後、加工時の銅飛び散り等によるスルーホール周囲の汚染を除去する目的で、過水硫酸系のソフトエッチング剤(シプレー社製 プレポジットエッチ746W)を用いて表面処理した後、高圧スプレー水洗にて洗浄処理を施した。
【0037】
第2の工程
次に、金を数Å程度の厚みでコーティングした銅粒子を含有する導電性ペースト(タツタ電線(株)製 AE1566)を、スクリーン印刷機(ニューロング社製)にて上記のスルーホール中に充填した。スクリーン印刷条件は下記の条件とした。
【0038】
次に、スルーホール内に充填した導電性ペーストに硬化処理(80℃、60分間および160℃、60分の2段階処理)を施した後、銅張積層板の表面に硬化突出した導電性ペーストの表面をハブ研磨機(石井表記(株)製)にて研磨して、露出している導電性ペースト表面と銅箔表面とが同一面となるように平坦化整面処理を施した。
【0039】
第3の工程
次いで、第1の工程で使用した塩化鉄系エッチング液を用いて、銅箔をエッチング除去した。
次に、厚み0.1mmの銅板に、ドライフィルムレジスト(旭化成(株)製 AQ3076)をラミネートし、凸部形成用のフォトマスクを介して超高圧水銀灯を有するアライメント露光機にて露光(80mJ/cm2)した後、0.8%炭酸ナトリウムによるスプレー現像を行い、直径0.1mmの被覆パターンを0.25mmピッチで備えたレジストパターンを形成した。次いで、上記のレジストパターンをマスクとして、塩化鉄系エッチング液を用いてスプレーエッチングにより銅板をハーフエッチングした。これにより、厚み0.02mmの基材上に高さ0.08mm、直径約0.1mmの凸部を上記のスルーホールの形成パターンと同様のパターンで備えた被覆部材を作製した。
【0040】
次いで、コア材および導電性ペースト上の全面に、エポキシ系絶縁樹脂フィルム(味の素ファインテクノ(株)製 ABF−SH)をラミネートして接着剤層とし、この接着剤層に、凸部が接着剤層を貫通してスルーホール層中に挿入されるように上記の被覆部材を重ね、熱プレス(150℃、40分間)を行って積層した。
【0041】
第4の工程
次に、被覆部材上にドライフィルムレジスト(旭化成(株)製 AQ3076)をラミネートし、フォトマスクを介して超高圧水銀灯を有するアライメント露光機にて露光(80mJ/cm2)した後、0.8%炭酸ナトリウムによるスプレー現像を行い、ランド部の基部と回路配線とを形成するための被覆パターンを備えたレジストパターンを形成した。
次いで、上記のレジストパターンをマスクとして、塩化鉄系エッチング液を用いてスプレーエッチングにより、被覆部材の不要な基材を除去して、スルーホールの開口部を閉塞するランド部の基部と、回路配線を形成した。その後、45℃の水酸化ナトリウム浴のスプレー処理によりレジストパターンを除去した。
【0042】
これにより、内径0.1mm、ピッチ0.25mmで形成されたスルーホールを有し、このスルーホール内に充填された導電性ペーストに凸部を挿入して導通されたランド部(基部の直径0.16mm)が0.25mmピッチで形成され、さらに、ラインアンドスペースが30μm/30μmである回路配線を備えた本発明のコア基板が得られた。このコア基板では、スルーホール間のマイグレーションの発生がなく、隣接する各ランド部間の電気的独立が確保されていた。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によればコア基板の表裏の導通は、スルーホール内に充填された導電性ペーストと、この導電性ペーストに接続されたランド部により行なわれるが、導電性ペースト中にランド部の凸部が挿入されているので、導電性ペーストに体積収縮等が生じてもランド部と導電性ペーストとの接続が確実になされ、また、スルーホールとして、内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲のものを備え、これらは半導体チップ搭載用の接続パッド部のピッチとほぼ同一であるため、半導体チップ搭載用の接続パッド部の一部は、配線を介することなくビア部を介して直接ランド部と接続することができ、他の接続パッド部についてのみ、ランド部との接続のための配線を半導体チップ搭載面側のビルドアップ層に形成すればよく、一方、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるスルーホールを閉塞する外部接続端子側の複数のランド部のピッチは、外部接続端子のピッチよりも小さいものの、外部接続端子側のビルドアップ層に形成した配線により外部接続端子に接続することができ、これにより、必要な配線をコア基板の両面のビルドアップ層に振り分けて、半導体チップ搭載面側のビルドアップ層への配線集中を防止することができ、ビルドアップ層の積層数の低減による小型化、設計ルールの緩和による多層配線基板製造の歩留りの向上が可能となる。また、本発明の製造方法は、レーザーを用いて銅張積層板に形成したスルーホール内に導電性ペーストを充填して表裏の導通をとるため、スルーホール間のマイグレーション発生がなく、内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲である狭ピッチのスルーホール形成が可能となり、また、スルーホールの開口部を閉塞するランド部の形成と同時に所望の配線をコア基板上に形成することができるという効果も奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコア基板の一実施形態を示す部分縦断面図である。
【図2】本発明のコア基板を構成するランド部の構造を示す図である。
【図3】本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。
【図4】本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。
【図5】本発明のコア基板を用いた多層配線基板の例を示す部分縦断面図である。
【図6】本発明のコア基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図7】本発明のコア基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図8】従来のコア基板の製造方法の一例を示す工程図である。
【図9】従来のコア基板を用いた多層配線基板の例を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1,11,21…コア基板
2,12,22…コア材
3,7,13,17,23…スルーホール
3a,7a,13a,17a,23a…スルーホールの開口部
4,14,24…導電性ペースト
5,15,25…電気絶縁層
5′…接着剤層
6,8,16,26…ランド部
6a,8a,16a,26a…ランド部の基部
6b,8b,16b,26b…ランド部の凸部
19…配線
30…銅張積層板
31…銅箔
32…下地給電層
33…電気絶縁性パターン
34…導電層
35…レジストパターン
41…多層配線基板
42,43…ビルドアップ層
47a…接続パッド部
48…外部接続端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線基板に使用するコア基板とその製造方法に係り、特に高密度配線がなされたビルドアップ層をコア基板の両面に備えた多層配線基板を可能とするコア基板と、このようなコア基板を製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子は、ますます高集積化、高性能化の一途をたどってきており、その端子数の増加も著しい。例えば、QFP(Quad Flat Package)のような表面実装パッケージでは、外部端子ピッチを狭めることにより、パッケージサイズを大きくすることなく多端子化に対応してきた。しかし、外部端子の狭ピッチ化に伴い、外部端子自体の幅が細くなって強度が低下するため、フォーミング等の後工程における外部端子のスキュー対応や、平坦性維持が難しくなり、実装に際しては、半導体パッケージの搭載精度の維持が難しくなるという問題があった。すなわち、QFPでも、更なる多端子化への対応は困難となっている。
【0003】
これに対応するために、BGA(Ball Grid Array)に代表される多層樹脂プリント基板をインターポーザとするパッケージが開発されてきた。このBGAは、通常、両面基板の片面に半導体チップを搭載し、他方の面に球状の半田ボールを外部端子として備え、半導体チップの端子と外部端子(半田ボール)との導通をとったものであり、実装性の向上を図ったパッケージである。また、最近では、パッケージを持たないチップ(ベアチップ)を直接に多層配線基板上の実装するベアチップ実装法が提案されている。ベアチップ実装法では、予め多層配線基板上に形成された配線の接続パッド部に、ボンディング・ワイヤ、ハンダや金属球等からなるバンプ、異方性導電膜、導電性接着剤、光収縮性樹脂等の接続手段を用いて半導体デバイス・チップが実装される。チップがパッケージに封入されていないので、多層配線基板上の配線とチップとの間の接続経路を単純化かつ短縮することができ、また実装密度が向上するので、他チップとの間の距離も短縮することができる。したがって、小型軽量化はもちろん、信号処理の高速化も期待することができる。
【0004】
上記のようなベアチップ実装法に対応できる多層配線基板は、通常、サブトラクティブ法等で作製した低密度配線を有する両面基板をコア基板とし、このコア基板の両面にビルドアップ法により高密度配線を形成して製造されている。図8は、従来のコア基板の製造方法の一例を示す工程図であり、まず、コア材53の両面に銅箔54aを設けた銅張積層基板52に、ドリルマシンを用いて機械的にスルーホール58を形成する(図8A)。次に、スルーホール58内を洗浄し無電解めっきにより無電解銅54bを形成してスルーホール58内を導電化し、その後、電解銅めっきにより全面に所定の厚みで銅めっき層54cを形成して、スルーホール58内を電気的に接続させる(図8(B))。次いで、スルーホール58内に導電性金属材料あるいは非導電性ペーストからなる充填部材55を充填し、物理研磨による表面平滑処理を行う(図8(C))。その後、ドライフィルムレジストあるいは液状レジストにより成膜処理を行い、所定のパターン露光、現像を行ってレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして銅めっき層54c、無電解銅54bと銅箔54aをパターンエッチングすることにより、めっきスルーホール54、所望の回路配線(図示せず)を形成して、コア基板51が製造される(図8(D))。
【0005】
図9は、上記のように製造されたコア基板51の両面にビルドアップ法により高密度配線を形成して製造された多層配線基板の例を示す概略断面図である。図9に示される多層配線基板60は、以下のように製造することができる。すなわち、コア基板51の両面にガラスクロスエポキシ樹脂(プリプレグ)の絶縁層61を形成し、炭酸ガスレーザー、もしくは、UV−YAGレーザーを用いてコア基板上のめっきスルーホール54や回路配線の所望個所が露出するように小径の穴部を各絶縁層61の所定位置に形成する。そして、洗浄後、穴部内に無電解めっきにより導電層を形成し、ドライフィルムレジストをラミネートして所定のパターン露光、現像を行うことによりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、上記の穴部を含む露出部に電解めっきによりビア部62を形成して1層目のビルドアップ層を形成する。この操作を繰り返して複数のビルドアップ層(図示例では、両面に各2層)を形成して多層配線基板60が製造される。そして、半導体チップ搭載側の最表面のビルドアップ層には、必要な配線とともに、半導体チップ搭載用の接続パッド部64が形成されている。このような多層配線基板60では、半導体チップ搭載用の接続パッド部64に半田等の金属バンプ82を介して半導体チップ81を搭載することができる。また、多層配線基板60の裏面側には外部接続端子65が設けられており、プリント配線板(マザーボード)に実装することができる。尚、図示例では、簡略化のために、めっきスルーホール数、半導体チップのバンプ数、回部接続端子数をそれぞれ4個としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、めっきスルーホールを備えた従来のコア基板は、めっきスルーホールの径、ピッチが大きいため、半導体チップのピン数増加に伴う高密度化への対応が困難であるという問題がある。すなわち、めっきスルーホール形成におけるめっき工程で発生するマイグレーション(コア材53中へのめっき液の染み出し)の点から、めっきスルーホールの狭ピッチ化には限界があり、半導体チップ搭載用の接続パッド部のピッチとめっきスルーホールのピッチの間に大きな開きを生じることが避けられない。このため、半導体チップ搭載用の接続パッド部からコア基板の各めっきスルーホールに接続するために、ビルドアップ層に微細配線を引き回すか、もしくは、ビルドアップ層の積層数を増す必要がある。上述の多層配線基板60の例では、チップ搭載用の各接続パッド部64からコア基板51の各めっきスルーホール54への接続用の配線引き回しのために、チップ搭載側に2層のビルドアップ層を必要である。一方、コア基板51の裏面の2層のビルドアップ層は配線の引き回しが不要であり、外部接続端子65への接続のためのビア部が形成されているのみである。しかし、多層配線基板60のそり防止等のバランス維持作用をなすために、チップ搭載側と同等の2層のビルドアップ層をコア基板51の裏面にも設ける必要がある。すなわち、従来の多層配線基板では、半導体チップ搭載用の接続パッド部からコア基板の各めっきスルーホールに接続するための配線の引き回しがコア基板のチップ搭載側のビルドアップ層に集中し、裏面のビルドアップ層の有効利用が難しく、多層配線基板の小型化、製造の簡易化に支障を来す要因の一つとなっている。このため、コア基板の両面のビルドアップ層を有効に使用した多層配線基板の実用化が望まれている。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、コア基板の両面のビルドアップ層を有効に使用した多層配線基板の製造を可能とするコア基板と、このようなコア基板を簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、コア基板の両面に複数のビルドアップ層を備え、一方の面に半導体チップ搭載用の接続パッド部を有し、他方の面に外部接続端子を有する多層配線基板に使用するコア基板おいて、コア材と、該コア材の両面に形成された電気絶縁層とを備え、前記コア材は内部に導電性ペーストが充填されている複数のスルーホールを有し、該スルーホールの開口部は前記導電性ペーストと導通するランド部により閉塞され、該ランド部は前記電気絶縁層上に位置する基部と、該基部に突設され前記電気絶縁層を貫通してスルーホール内の前記導電性ペースト中に挿入される凸部とを有し、複数の前記スルーホールの少なくとも一部は内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記スルーホールは、いずれも内径が0.05〜0.15mmの範囲であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記スルーホールは、いずれも内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるような構成とした。
また、本発明の好ましい態様として、前記導電性ペーストに含有される導電材は、金を表面にコートした銅粒子であるような構成とした。
【0008】
本発明のコア基板の製造方法は、コア材の両面に厚み3〜8μmの範囲の銅箔を備えた銅張積層板の前記銅箔表面に粗化処理を施し、その後、レーザーを照射して内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲のスルーホールを少なくとも一部に含む複数のスルーホールを穿設する第1の工程、前記スルーホール内に導電性ペーストを充填し、その後、物理研磨により表面平滑処理を施す第2の工程、前記銅箔をエッチング除去した後、電気絶縁性の接着剤層を前記コア基板の両面に設け、前記スルーホールの位置に対応するように複数の凸部を基材に突設してなる被覆部材を、前記凸部が前記接着剤層を貫通して前記スルーホール内の導電性ペースト中に挿入されるように前記接着剤層に圧着する第3の工程、前記被覆部材上に所望のレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとしてエッチングにより前記被覆部材の不要な基材を除去して、基部に突設された凸部が前記スルーホール内に充填されている導電性ペースト中に挿入され接続された状態で前記スルーホールの開口部を閉塞するランド部を形成し、その後、前記レジストパターンを除去する第4の工程、を有するような構成とした。
【0009】
本発明の好ましい態様として、前記第4の工程において、前記ランド部とともに所望の配線を同時形成するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記コア材は、内部に配線を有するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記レーザーは、炭酸ガスレーザーを用いるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記導電性ペーストは、金を表面にコートした銅粒子からなる導電材を含有するような構成とした。
さらに、本発明の好ましい態様として、前記被覆部材は、金属板あるいは金属箔をハーフエッチングすることにより凸部を形成して作製したもの、または、金属板あるいは金属箔上にパターンめっきにより凸部を突設して作製したものであるような構成とした。
【0010】
上記のように、コア基板は、導電性ペーストが充填されランド部により開口部を閉塞された内径が0.05〜0.15mmの範囲のスルーホールを、0.2〜0.3mmの範囲のピッチで備えるため、半導体チップ搭載面側のビルドアップ層の少なくとも1層に、半導体チップ搭載用の接続パッド部とランド部の一部とを接続するための配線を設け、外部接続端子側のビルドアップ層の少なくとも1層には、外部接続端子とランド部の一部とを接続するための配線を設け、必要な配線をコア基板の両面のビルドアップ層に振り分けることが可能となる。また、導電性ペースト中に挿入されている凸部によって、ランド部と導電性ペーストとの接続が確実なものとなる。さらに、製造方法の第2の工程にてスルーホール内に充填される導電性ペーストは、スルーホール間におけるマイグレーションを発生することがなく、スルーホールの狭ピッチ化を可能とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
コア基板
図1は、本発明のコア基板の一実施形態を示す部分縦断面図である。図1において、本発明のコア基板1は、コア材2と、コア材2の両面に設けられた電気絶縁層5と、コア材2に貫通するようにピッチP1で形成された内径d1の複数のスルーホール3、および、ピッチP2で形成された内径d2の複数のスルーホール7とを備えている。スルーホール3、スルーホール7の内部には、それぞれ導電性ペースト4が充填されており、スルーホール3の開口部3aは、導電性ペースト4と導通する小径のランド部6により閉塞され、スルーホール7の開口部7aは、導電性ペースト4と導通する大径のランド部8により閉塞されている。
【0012】
本発明では、上記のランド部6,8が、図2に示されるように、それぞれ基部6a,8aと、この基部6a,8aに突設された凸部6b,8bとからなり、ランド部の基部6a,8aは電気絶縁層5上に位置し、凸部6b,8bが電気絶縁層5を貫通してスルーホール3,7内の導電性ペースト4中に挿入されていることを特徴としている。また、上記のスルーホール3,7のうち、小径のスルーホール3の内径d1は0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、ピッチP1は0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲であることを特徴としている。また、大径のスルーホール7の内径d2は0.25〜0.35mmの範囲、ピッチP2は0.4〜0.6mmの範囲とすることができる。
尚、上記の実施形態では、図を簡略化するために、ピッチP1で形成された内径d1のスルーホール3を2個、ピッチP2で形成された内径d2のスルーホール7を2個、それぞれ図示しているが、ピッチP1で形成されるスルーホール3の個数およびコア基板1における形成部位、ピッチP2で形成されるスルーホール7の個数およびコア基板1における形成部位、および、複数のスルーホール3が形成される部位と複数のスルーホール7が形成される部位との位置関係等は、適宜設定することができる。
【0013】
図3は、本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図3において、本発明のコア基板11は、コア材12と、このコア材12の両面に設けられた電気絶縁層15と、コア材12に貫通するようにピッチP1で形成された内径d1の複数のスルーホール13、および、ピッチP2で形成された内径d1の複数のスルーホール17とを備えている。スルーホール13、スルーホール17の内部には、それぞれ導電性ペースト14が充填されており、スルーホール13の開口部13aは、導電性ペースト14と導通するランド部16により閉塞され、スルーホール17の開口部17aも、導電性ペースト14と導通するランド部16により閉塞されている。
上記のランド部16も上記のランド部6,8と同様に、基部16aと、この基部16aに突設され電気絶縁層15を貫通してスルーホール13,17内の導電性ペースト14中に挿入されている凸部16bとからなっている。また、上記のスルーホール13,17の内径d1は0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、スルーホール13のピッチP1は0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲であり、形成ピッチの大きいスルーホール17のピッチP2は0.4〜0.6mmの範囲とすることができる。
【0014】
また、コア基板11は、電気絶縁層15上に所望の配線19を備えており、このような配線19のラインアンドスペースは、25μm/25μm〜50μm/50μm程度の範囲とすることができる。上述のコア基板1においても、コア基板11と同様に、電気絶縁層5上に所望の配線を備えるものとすることができる。
尚、上記の実施形態では、図を簡略化するために、ピッチP1で形成された内径d1のスルーホール13を2個、ピッチP2で形成された内径d1のスルーホール17を2個、それぞれ図示しているが、ピッチP1で形成されるスルーホール13の個数およびコア基板11における形成部位、ピッチP2で形成されるスルーホール17の個数およびコア基板11における形成部位、および、複数のスルーホール13が形成される部位と複数のスルーホール17が形成される部位との位置関係等は、適宜設定することができる。
【0015】
図4は、本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図4において、本発明のコア基板21は、コア材22と、このコア材22の両面に設けられた電気絶縁層25と、コア材22に貫通するようにピッチP1で形成された内径d1の複数のスルーホール23を備えており、スルーホール23の内部には導電性ペースト24が充填され、スルーホール23の開口部23aは、導電性ペースト24と導通するランド部26により閉塞されている。
上記のランド部26も上記のランド部6,8と同様に、基部26aと、この基部26aに突設され電気絶縁層25を貫通してスルーホール23内の導電性ペースト24中に挿入されている凸部26bとからなっている。また、上記のスルーホール23の内径d1は0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、スルーホール23のピッチP1は0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲である。
【0016】
このコア基板21においても、上述のコア基板11と同様に、電気絶縁層25上に所望の配線を備えるものとすることができる。
尚、上記の実施形態では、図を簡略化するために、ピッチP1で形成された内径d1のスルーホール23を4個図示しているが、ピッチP1で形成されるスルーホール23の個数およびコア基板21における形成部位、および、複数のスルーホール23が形成されている部位の数等は、適宜設定することができる。
【0017】
上記のようなコア基板1,11,21を構成するコア材2,12,22は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維で強化したコア材等、従来公知の材料を使用することができる。このようなコア材2,12,22の厚みは、0.2〜0.8mmの範囲で適宜設定することができる。また、コア材2,12,22は、内部に1層、あるいは、2層以上の配線を有するものであってもよく、これらの配線は必要に応じて、上記のスルーホールに充填される導電性ペースト4,14,24を介して他の配線や後述するビルドアップ層との導通をとることができる。
また、コア材2,12,22に形成するスルーホールのうち、スルーホール3,13,23について、内径d1が0.05mm未満であると、コア材の穴あけ加工が困難になるとともに、導電性ペーストの充填も難しくなり、一方、内径d1が0.15mmを超えると、配置すべきスルーホールのピッチが大きくなり好ましくない。また、スルーホール3,13,23のピッチが0.3mmを超えると、半導体チップのバンプのピッチ(多層配線基板の接続パッド部のピッチ)との差が大きくなり、本発明の効果が得られず好ましくない。
【0018】
コア基板1,11,21を構成する導電性ペースト4,14,24は、粒子形状の導電材をペースト中に含有したものであり、導電材としては、銀、金、銅、亜鉛等の金属粒子、銀を表面にコートした銅粒子、はんだ(Sn−Ag−Cu系)等の複合金属粒子等を使用することができる。このような導電材の粒径は、2〜8μm程度とすることが好ましい。また、ペーストを構成するためのバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂等を使用することができる。導電性ペースト中の導電材の含有量は、80〜95重量%、好ましくは85〜90重量%の範囲とすることができる。
【0019】
コア基板1,11,21を構成する電気絶縁層5,15,25は、ランド部6,16,26を固着するとともに、各ランド部間を電気的に独立させるものであり、電気絶縁性を有する接着性樹脂、例えば、シリカ含有エポキシ樹脂フィルム等、あるいは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維等で強化したプリプレグを用いて形成することができる。このような電気絶縁層5,15,25の厚みは、10〜60μm程度とすることが好ましい。
【0020】
コア基板1,11,21を構成するランド部6,16,26およびランド部8は、スルーホール3,13,17,23およびスルーホール7の開口部を閉塞するとともに、コア基板上に形成されるビルドアップ層の各配線等との接続パッドとなるものである。このようなランド部は、上述のように、基部と、この基部に突設され電気絶縁層を貫通してスルーホール内の導電性ペースト中に挿入される凸部とからなっている。これにより、導電性ペーストに体積収縮等が生じてもランド部と導電性ペーストとの接続が確実になされることになる。
【0021】
ランド部の基部は、隣接するランド部との間に30μm以上の距離が保てるような大きさ、形状とすることができる。また、ランド部の凸部は、電気絶縁層を貫通してスルーホール内の導電性ペースト中に確実に挿入できる長さ、太さとする必要があり、電気絶縁層の厚み、スルーホールの内径等を考慮して設定することができる。例えば、上記のランド部6,16,26の場合、凸部6b、16b、26bは、長さ30〜100μm、太さ50〜100μm程度とし、導電性ペースト中への挿入深さは20〜40μm程度とすることができる。このようなランド部は、銅、銅合金、42%Ni含有鉄合金等の導電材料により形成することができる。尚、上述のコア基板表面に形成する配線を、上記のランド部を含むようなものとして設計することもできる。
【0022】
このようなコア基板を用いた多層配線基板の例を、コア基板1を例として、図5に示す。図5において、多層配線基板41は、コア基板1の両面に各1層のビルドアップ層42,43を備えている。このビルドアップ層42,43は、絶縁層44a,44bの所望部位に、コア基板1上のランド6,8や配線の所望個所(例示のコア基板1には配線は設けられていない)と接続されたビア部45a,45bが形成されているとともに、所定の配線46a,46bが形成されている。本発明のコア基板1は、内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるスルーホール3を備え、このような狭ピッチのスルーホールは、半導体チップのバンプの形成ピッチとほぼ同一となっている。このため、半導体チップ搭載側のランド部6に形成されたビルドアップ層42のビア部45aに、配線を介することなく、半導体チップ搭載用の接続パッド部47aを直接設けることができる。そして、形成ピッチの大きいスルーホール7を閉塞するランド部8は、ビルドアップ層42の配線46aを介して接続パッド部47aと接続することができる。そして、接続パッド部47aに半田等の金属バンプ82を介して半導体チップ81を搭載することができる。
【0023】
一方、外部接続端子側のビルドアップ層43には、複数の外部接続端子48が形成されており、この外部接続端子48を介して多層配線基板41はプリント配線板(マザーボード)に実装可能となっている。したがって、外部接続端子48のピッチは、コア基板1のスルーホール3のピッチよりも大きなものとなっている。そこで、スルーホール3を閉塞するランド部6は、外部接続端子側のビルドアップ層43に形成した配線46bを介して所定の外部接続端子48に接続することができる。また、形成ピッチの大きいスルーホール7を閉塞するランド部8は、配線を介することなく、ビア部45bにより直接外部接続端子48に接続することができる。
【0024】
このように、本発明のコア基板1を使用することにより、半導体チップ搭載用の接続パッド部47aの一部は、配線46aを介することなくビア部45aを介して直接ランド部6と接続することができ、他の接続パッド部47aについてのみ、ランド部8との接続のための配線46aを半導体チップ搭載面側のビルドアップ層42に形成すればよく、一方、外部接続端子側の複数のランド部6のピッチは、外部接続端子48のピッチよりも小さいものの、外部接続端子側のビルドアップ層43に形成した配線46bにより外部接続端子48に接続することができる。これにより、必要な配線をコア基板の両面のビルドアップ層に振り分け、半導体チップ搭載面側のビルドアップ層への配線集中を防止することができる。
【0025】
コア基板の製造方法
次に、本発明のコア基板の製造方法を図面を参照しながら説明する。
図6および図7は、上述のコア基板1を例とした本発明のコア基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【0026】
[第1の工程]
本実施形態では、第1の工程において、コア材2の両面に厚み5〜10μmの範囲の銅箔31を備えた銅張積層板30を準備する(図6(A))。銅箔31の厚みが5μm未満であると、後述するレーザーによるスルーホール形成におけるコア材を保護する作用が不十分となり、スルーホールの形成精度が低下する。また、銅箔31の厚みが10μmを超えると、後述するレーザーによるスルーホール形成に要するレーザーのパワーが大きくなり、作業効率が低下し好ましくない。銅張積層板30を構成するコア材2は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維等で強化したコア材等、従来公知の材料を使用することができる。このようなコア材2の厚みは、0.2〜0.8mmの範囲で適宜設定することができる。また、コア材2は内部に1層、あるいは、2層以上の配線を有するものであってもよい。
【0027】
次に、銅箔31表面に粗化処理を施し、その後、所定箇所にレーザーを照射して、内径d1のスルーホール3をピッチP1で形成し、また、内径d2のスルーホール7をピッチP2で形成する(図6(B))。銅箔31の粗化処理は、銅箔31に照射されたレーザーの反射を防止し、レーザーのパワーを所定箇所に集中させて加工効率を向上させることを目的とするものであり、黒化還元処理、物理的研磨等により粗化処理を施すことができる。また、使用するレーザーは、炭酸ガスレーザー、UV−YAGレーザー等を挙げることができ、この中で特に炭酸ガスレーザーが好ましい。このようなレーザーにより穿設されたスルーホール3は、内径d1が0.05〜0.15mm、好ましくは0.09〜0.12mmの範囲、ピッチP1が0.2〜0.3mm、好ましくは0.21〜0.25mmの範囲とする。また、大径のスルーホール7は、内径d2を0.25〜0.35mmの範囲、ピッチP2を0.4〜0.6mmの範囲とすることができる。
【0028】
[第2の工程]
次に、第2の工程において、スルーホール3およびスルーホール7内に導電性ペースト4を充填し(図6(C))、その後、物理研磨により表面平滑処理を施す(図6(D))。導電性ペーストは、上述の導電性ペーストを使用することができ、スクリーン印刷法、ノズル噴出し法、ディスペンス法等によりスルーホール3およびスルーホール7内に充填することができる。
【0029】
スルーホール3,7内に充填した導電性ペーストに硬化処理を施した後、銅張積層板の表面に硬化突出した導電性ペーストの表面を研磨して、露出している導電性ペースト表面と銅箔表面とが同一面となるように表面平滑処理を施す。物理研磨による表面平滑処理としては、バフ研磨、旋盤研磨等の処理方法を挙げることができる。
本発明では、従来のめっきスルーホール形成と異なり、スルーホール内に導電性ペーストを充填して表裏の導通をとるため、スルーホール間のマイグレーション発生がなく、ピッチP1が0.2〜0.3mmのような狭ピッチであっても、各スルーホール間の電気的独立が確保できる。
【0030】
[第3の工程]
次いで、第3の工程において、銅箔31をエッチング除去し(図6(E))、その後、コア材2および導電性ペースト4を覆うように電気絶縁性の接着剤層5′を形成する(図7(A))。銅箔31のエッチング除去は、例えば、塩化第二鉄系のエッチング液を用いて行うことができる。また、接着剤層5′は、後述する被覆部材32を固着するとともに、最終形態のコア基板1では電気絶縁層5となって各ランド部間を電気的に独立させるものである。このような接着剤層5′は、電気絶縁性を有する接着性樹脂、例えば、シリカフィラー含有エポキシ樹脂等、あるいは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等をガラスクロスやアラミド繊維等で強化したプリプレグを用いて形成することができる。
【0031】
次に、上記のスルーホール3,7の形成位置に対応するように複数の凸部32b、32cを基材32aの一方の面に突設した被覆部材32を準備し、この被覆部材32を上記の接着剤層5′に圧着する(図7(B))。これにより、被覆部材32の凸部32bは接着剤層5′を貫通して、スルーホール3内に充填されている導電性ペースト4中に挿入され、また、凸部32cは接着剤層5′を貫通して、スルーホール7内に充填されている導電性ペースト4中に挿入された状態となる。
【0032】
上記の被覆部材32は、銅、銅合金、42%ニッケル含有鉄合金等の金属板あるいは金属箔をハーフエッチングすることにより凸部32b,32cを形成して作製することができる。また、上記の金属板あるいは金属箔上にパターンめっきにより凸部32b,32cを突設して作製することもできる。被覆部材32の基材32aの厚みは、後述する除去工程での作業性、ランド部とともに配線を同時形成する場合の配線厚み等を考慮して設定することができ、例えば、10〜25μm程度とすることができる。また、凸部32b,32cは、接着剤層5′を貫通してスルーホール3,7内の導電性ペースト4中に確実に挿入される長さ、太さとする必要があり、接着剤層5′の厚み、スルーホールの内径等を考慮して設定することができ、導電性ペースト4中への挿入深さは、20〜40μm程度とすることができる。
尚、上述の被覆部材32は、複数のスルーホール3および複数のスルーホール7を全て被覆するものであるが、所定の数のスルーホールに対応した被覆部材を複数用いることもできる。
【0033】
[第4の工程]
次に、第4の工程において、ドライフィルムレジストあるいは液状レジストにより成膜処理を行い、所定のパターン露光、現像を行って、被覆部材32上に所望のレジストパターン34を形成する(図7(C))。次いで、レジストパターン34をマスクとしてエッチングにより被覆部材32の不要な基材32aを除去しする。これにより、基部6a,8aに凸部6b、8bが突設されたランド部6,8を形成し、その後、レジストパターン34を除去して、本発明のコア基板1を得る(図7(D))。
【0034】
上記のレジストパターン34は、ランド部6,8の基部6a,8a形成用の被覆パターンとして、隣接するランド部との間に30μm以上の距離が保てるような被覆パターンを備えるものとする。
尚、図3に示されるコア基板11のように、表面に配線を有するコア基板を製造する場合には、ランド部形成用の被覆パターンと配線形成用の被覆パターンとを備えたレジストパターン34を形成することにより、ランド部形成と配線形成を同時に行うことができる。形成する配線は、ラインアンドスペースが25μm/25μm〜50μm/50μm程度の微細配線とすることができる。
【0035】
【実施例】
次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
第1の工程
ビスマレイミドトリアジン樹脂からなる厚み0.8mmのコア材の両面に厚み12μmの銅箔を備えた銅張積層板を出発物質とし、この銅張積層板の銅箔に、塩化鉄系エッチング液を用いてスプレーエッチングを施し、銅箔の厚みを5μm程度まで肉薄化し、水洗、乾燥した。
【0036】
次に、上記の肉薄銅箔を備えた銅張積層板の銅箔表面に、粗化処理液(メック(株)製 CZ8100)を用いて粗化処理を施し、2μm程度の凹凸形状を備えた粗面とし、水洗、乾燥した。その後、所定箇所に炭酸ガスレーザーを照射(パルス幅:50μ秒、ショット数:20ショット)して、内径0.1mmのスルーホールを0.25mmピッチで形成した。その後、加工時の銅飛び散り等によるスルーホール周囲の汚染を除去する目的で、過水硫酸系のソフトエッチング剤(シプレー社製 プレポジットエッチ746W)を用いて表面処理した後、高圧スプレー水洗にて洗浄処理を施した。
【0037】
第2の工程
次に、金を数Å程度の厚みでコーティングした銅粒子を含有する導電性ペースト(タツタ電線(株)製 AE1566)を、スクリーン印刷機(ニューロング社製)にて上記のスルーホール中に充填した。スクリーン印刷条件は下記の条件とした。
【0038】
次に、スルーホール内に充填した導電性ペーストに硬化処理(80℃、60分間および160℃、60分の2段階処理)を施した後、銅張積層板の表面に硬化突出した導電性ペーストの表面をハブ研磨機(石井表記(株)製)にて研磨して、露出している導電性ペースト表面と銅箔表面とが同一面となるように平坦化整面処理を施した。
【0039】
第3の工程
次いで、第1の工程で使用した塩化鉄系エッチング液を用いて、銅箔をエッチング除去した。
次に、厚み0.1mmの銅板に、ドライフィルムレジスト(旭化成(株)製 AQ3076)をラミネートし、凸部形成用のフォトマスクを介して超高圧水銀灯を有するアライメント露光機にて露光(80mJ/cm2)した後、0.8%炭酸ナトリウムによるスプレー現像を行い、直径0.1mmの被覆パターンを0.25mmピッチで備えたレジストパターンを形成した。次いで、上記のレジストパターンをマスクとして、塩化鉄系エッチング液を用いてスプレーエッチングにより銅板をハーフエッチングした。これにより、厚み0.02mmの基材上に高さ0.08mm、直径約0.1mmの凸部を上記のスルーホールの形成パターンと同様のパターンで備えた被覆部材を作製した。
【0040】
次いで、コア材および導電性ペースト上の全面に、エポキシ系絶縁樹脂フィルム(味の素ファインテクノ(株)製 ABF−SH)をラミネートして接着剤層とし、この接着剤層に、凸部が接着剤層を貫通してスルーホール層中に挿入されるように上記の被覆部材を重ね、熱プレス(150℃、40分間)を行って積層した。
【0041】
第4の工程
次に、被覆部材上にドライフィルムレジスト(旭化成(株)製 AQ3076)をラミネートし、フォトマスクを介して超高圧水銀灯を有するアライメント露光機にて露光(80mJ/cm2)した後、0.8%炭酸ナトリウムによるスプレー現像を行い、ランド部の基部と回路配線とを形成するための被覆パターンを備えたレジストパターンを形成した。
次いで、上記のレジストパターンをマスクとして、塩化鉄系エッチング液を用いてスプレーエッチングにより、被覆部材の不要な基材を除去して、スルーホールの開口部を閉塞するランド部の基部と、回路配線を形成した。その後、45℃の水酸化ナトリウム浴のスプレー処理によりレジストパターンを除去した。
【0042】
これにより、内径0.1mm、ピッチ0.25mmで形成されたスルーホールを有し、このスルーホール内に充填された導電性ペーストに凸部を挿入して導通されたランド部(基部の直径0.16mm)が0.25mmピッチで形成され、さらに、ラインアンドスペースが30μm/30μmである回路配線を備えた本発明のコア基板が得られた。このコア基板では、スルーホール間のマイグレーションの発生がなく、隣接する各ランド部間の電気的独立が確保されていた。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によればコア基板の表裏の導通は、スルーホール内に充填された導電性ペーストと、この導電性ペーストに接続されたランド部により行なわれるが、導電性ペースト中にランド部の凸部が挿入されているので、導電性ペーストに体積収縮等が生じてもランド部と導電性ペーストとの接続が確実になされ、また、スルーホールとして、内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲のものを備え、これらは半導体チップ搭載用の接続パッド部のピッチとほぼ同一であるため、半導体チップ搭載用の接続パッド部の一部は、配線を介することなくビア部を介して直接ランド部と接続することができ、他の接続パッド部についてのみ、ランド部との接続のための配線を半導体チップ搭載面側のビルドアップ層に形成すればよく、一方、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であるスルーホールを閉塞する外部接続端子側の複数のランド部のピッチは、外部接続端子のピッチよりも小さいものの、外部接続端子側のビルドアップ層に形成した配線により外部接続端子に接続することができ、これにより、必要な配線をコア基板の両面のビルドアップ層に振り分けて、半導体チップ搭載面側のビルドアップ層への配線集中を防止することができ、ビルドアップ層の積層数の低減による小型化、設計ルールの緩和による多層配線基板製造の歩留りの向上が可能となる。また、本発明の製造方法は、レーザーを用いて銅張積層板に形成したスルーホール内に導電性ペーストを充填して表裏の導通をとるため、スルーホール間のマイグレーション発生がなく、内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲である狭ピッチのスルーホール形成が可能となり、また、スルーホールの開口部を閉塞するランド部の形成と同時に所望の配線をコア基板上に形成することができるという効果も奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコア基板の一実施形態を示す部分縦断面図である。
【図2】本発明のコア基板を構成するランド部の構造を示す図である。
【図3】本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。
【図4】本発明のコア基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。
【図5】本発明のコア基板を用いた多層配線基板の例を示す部分縦断面図である。
【図6】本発明のコア基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図7】本発明のコア基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図8】従来のコア基板の製造方法の一例を示す工程図である。
【図9】従来のコア基板を用いた多層配線基板の例を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1,11,21…コア基板
2,12,22…コア材
3,7,13,17,23…スルーホール
3a,7a,13a,17a,23a…スルーホールの開口部
4,14,24…導電性ペースト
5,15,25…電気絶縁層
5′…接着剤層
6,8,16,26…ランド部
6a,8a,16a,26a…ランド部の基部
6b,8b,16b,26b…ランド部の凸部
19…配線
30…銅張積層板
31…銅箔
32…下地給電層
33…電気絶縁性パターン
34…導電層
35…レジストパターン
41…多層配線基板
42,43…ビルドアップ層
47a…接続パッド部
48…外部接続端子
Claims (11)
- コア基板の両面に複数のビルドアップ層を備え、一方の面に半導体チップ搭載用の接続パッド部を有し、他方の面に外部接続端子を有する多層配線基板に使用するコア基板おいて、
コア材と、該コア材の両面に形成された電気絶縁層とを備え、前記コア材は内部に導電性ペーストが充填されている複数のスルーホールを有し、該スルーホールの開口部は前記導電性ペーストと導通するランド部により閉塞され、該ランド部は前記電気絶縁層上に位置する基部と、該基部に突設され前記電気絶縁層を貫通してスルーホール内の前記導電性ペースト中に挿入される凸部とを有し、複数の前記スルーホールの少なくとも一部は内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であることを特徴とするコア基板。 - 前記スルーホールは、いずれも内径が0.05〜0.15mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のコア基板。
- 前記スルーホールは、いずれも内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のコア基板。
- 前記導電性ペーストに含有される導電材は、金を表面にコートした銅粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコア基板。
- コア材の両面に厚み3〜8μmの範囲の銅箔を備えた銅張積層板の前記銅箔表面に粗化処理を施し、その後、レーザーを照射して内径が0.05〜0.15mmの範囲、ピッチが0.2〜0.3mmの範囲のスルーホールを少なくとも一部に含む複数のスルーホールを穿設する第1の工程、
前記スルーホール内に導電性ペーストを充填し、その後、物理研磨により表面平滑処理を施す第2の工程、
前記銅箔をエッチング除去した後、電気絶縁性の接着剤層を前記コア基板の両面に設け、前記スルーホールの位置に対応するように複数の凸部を基材に突設してなる被覆部材を、前記凸部が前記接着剤層を貫通して前記スルーホール内の導電性ペースト中に挿入されるように前記接着剤層に圧着する第3の工程、
前記被覆部材上に所望のレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとしてエッチングにより前記被覆部材の不要な基材を除去して、基部に突設された凸部が前記スルーホール内に充填されている導電性ペースト中に挿入され接続された状態で前記スルーホールの開口部を閉塞するランド部を形成し、その後、前記レジストパターンを除去する第4の工程、を有することを特徴とするコア基板の製造方法。 - 前記第4の工程において、前記ランド部とともに所望の配線を同時形成することを特徴とする請求項5に記載のコア基板の製造方法。
- 前記コア材は、内部に配線を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のコア基板の製造方法。
- 前記レーザーは、炭酸ガスレーザーを用いることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のコア基板の製造方法。
- 前記導電性ペーストは、金を表面にコートした銅粒子からなる導電材を含有することを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載のコア基板の製造方法。
- 前記被覆部材は、金属板あるいは金属箔をハーフエッチングすることにより凸部を形成して作製したものであることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のコア基板の製造方法。
- 前記被覆部材は、金属板あるいは金属箔上にパターンめっきにより凸部を突設して作製したものであることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のコア基板の製造方法。
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