JP2004095099A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光によりレーベル情報を書き換えすることができるレーベル記録層を有する光記録媒体を提供する。
【解決手段】第1基板6Aの表面に第1主情報記録層3Aが積層され、前記第1基板の裏面に第1レーベル記録層7A、第1反射層8Aが順次積層された第1光記録媒体基板と、第2基板6Bの表面に第2主情報記録層3Bが積層され、前記第2基板の裏面に第2レーベル記録層7B、第2反射層8Bが順次積層された第2光記録媒体基板と、を前記第1反射層側を前記第2反射層側に対向配置させて接着剤9を用いて貼り合わせてなり、前記第1反射層側又は前記第2反射層側からレーザ光を照射して記録再生される光記録媒体において、前記第1主情報記録層と前記第1レーベル記録層との間及び前記第2主情報記録層と前記第2レーベル記録層との間は、所定の間隔を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】第1基板6Aの表面に第1主情報記録層3Aが積層され、前記第1基板の裏面に第1レーベル記録層7A、第1反射層8Aが順次積層された第1光記録媒体基板と、第2基板6Bの表面に第2主情報記録層3Bが積層され、前記第2基板の裏面に第2レーベル記録層7B、第2反射層8Bが順次積層された第2光記録媒体基板と、を前記第1反射層側を前記第2反射層側に対向配置させて接着剤9を用いて貼り合わせてなり、前記第1反射層側又は前記第2反射層側からレーザ光を照射して記録再生される光記録媒体において、前記第1主情報記録層と前記第1レーベル記録層との間及び前記第2主情報記録層と前記第2レーベル記録層との間は、所定の間隔を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光によりレーベル情報を視認可能で書き換え可能なレーベル記録層を有する光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、可換性が重要視される大容量の書き換え型の光記録媒体の一例である光ディスクにおいて、主たる情報はファイルデータとして所定のデータエリアに記録されるが、そのファイルデータの内容に関しては光ディスク単体では視認できず、光ディスクのドライブ装置等で再生しなければ判別できないか、もしくはペン、シール等でファイルデータに関するレーベル情報を別途作成して光ディスク自体に貼り付ける等しなければならなかった。
特に高容量のため両面にデータを記録できる光ディスクの場合には、カートリッジがなければレーベル情報を表記することが不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように書き換え型の光ディスクのレーベル情報を記録内容とともに書き換える場合には、手書き、シールの貼り換え等の動作が必要であり、この貼り換え動作等に手間がかかり、場合により光ディスク自体を汚したり傷つけたりすることで、主情報を破壊してしまう等の問題もあった。
また、両面記録型の光ディスクの場合には、レーベル情報を貼り付ける等するためのカートリッジが必要であることもコスト的課題であった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、レーザ光によりレーベル情報を書き換えすることができるレーベル記録層を有する光記録媒体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、第1基板の表面に第1主情報記録層が積層され、前記第1基板の裏面に第1レーベル記録層、第1反射層が順次積層された第1光記録媒体基板と、第2基板の表面に第2主情報記録層が積層され、前記第2基板の裏面に第2レーベル記録層、第2反射層が順次積層された第2光記録媒体基板と、を前記第1反射層側を前記第2反射層側に対向配置させて接着剤を用いて貼り合わせてなり、前記第1反射層側又は前記第2反射層側からレーザ光を照射して記録再生される光記録媒体において、前記第1主情報記録層と前記第1レーベル記録層との間及び前記第2主情報記録層と前記第2レーベル記録層との間は、所定の間隔を有していることを特徴とする光記録媒体である。
上記レーベル記録層にレーザ光により光もしくは熱を与えて可逆的に変色或いは復色させることによりレーベル情報を記録、書き換えでき、1台の光ディスクのドライブ装置でレーベル情報の書き換えができる光記録媒体を提供できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る光記録媒体の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る光記録媒体の一例である光ディスクを示す部分拡大断面図である。ここでは、2枚の基板を貼り合わせて2層の記録層を有する貼り合わせ型の光ディスクを例にとってその製法と構造について説明する。両基板の形成方法と、その後の薄膜の形成方法はそれぞれ同じなので、ここでは一緒に説明を行う。
この光ディスクDの第1及び第2基板6A、6Bは、いわゆるスタンパーと呼ばれる、表面にピットや記録溝からなる情報信号を有するニッケルなどでできた金属板を光ディスク成型用金型内に装着し、ポリアクリレート樹脂やポリカーボネート樹脂などを用いて、射出成形もしくは射出圧縮成形によってそれぞれ製作される。射出成形により得られた第1及び第2基板6A、6Bは、例えば、直径が120mmであり、ディスクの種類により第1及び第2基板6A、6Bの厚さは1.2mm〜0.1mmである。これらの第1及び第2基板6A、6Bの一面には、主情報を記録する時に用いるトラッキング及びアドレス情報を持ったピットや記録溝(ウォブル)等の主情報用凹凸10A、10Bがそれぞれ形成されており、他面にはレーベル情報を記録する時に用いるトラッキング及びアドレス情報を持ったピットや記録溝(ウォブル)等のレーベル情報用凹凸12A、12Bがそれぞれ形成されている。
【0006】
上述のように射出成形によって得られた第1及び第2基板6A、6Bは、記録型ディスクを製造する場合であれば、その記録方法により主情報用凹凸10A、10B面である情報信号上に、Ag、Al、Auおよびその合金等からなる熱伝導率の高い熱拡散層5A、5Bが形成され、更に、光学的なエンハンスメントと化学劣化を防止する酸化シリコン、窒化シリコン等の保護膜4A、2A及び4B、2Bに挟むようにして無機材料のゲルマニウム、テルル、アンチモン(以下G eSbTe)などからなる相変化系薄膜、有機系材料であるシアニン系色素から なる色素系薄膜、または無機材料のコバルト、テルビウム、鉄などからなる光磁気記録系薄膜等よりなる主情報記録層3A、3Bがそれぞれ成膜される。
その後、紫外線で硬化する透明樹脂を厚み0.01mmから0.2mmの範囲でスピンコート法等で塗布して薄膜を形成するか、或いは透明保護シート等を接着もしくは固着することによって、透明保護層1A、1Bをそれぞれ形成する。
【0007】
次に、上記第1及び第2基板6A、6Bの主情報記録面の裏面側、すなわちレーベル情報用凹凸12A、12B側に第1及び第2レーベル記録層7A、7Bをそれぞれ成膜する。更に必要があれば各種染顔料等を含んだ着色層もしくはアルミニウム、銀等の第1及び第2反射層8A、8Bを成膜する。これらのレベル記録層や反射層はスピンコート法もしくはスパッタ法等で成膜する。この第1及び第2レーベル記録層7A、7Bを着色したい色柄を得るために多層構造にしてもかまわない。最後に上記第1及び第2基板6A、6B上に上記各層が積層されてなる2枚の第1及び第2光記録媒体基板同士を、その間に嫌気性接着剤9を介在させて接着し、光ディスクDを完成する。この時、第1及び第2反射層8A、8B同士を対向するように配置する。この光ディスクDは両面が記録再生面となって両面よりレーザ光が照射される。尚、この嫌気性接着剤はスピンコート法等で塗布される。
【0008】
上記第1及び第2レーベル記録層7A、7Bは、材料としては温度、光照射等で変色、復色を可能とする例えばロイコ系染料に代表される電子供与性呈色性化合物とフェノール化合物等の電子受容性化合物と溶剤成分として用いられるアルコール等の有機化合物の3成分等を用いたサーモクロミック膜、フルギド化合物 やスピロピラン化合物等のフォトクロミック膜、ポリ(1,4−ベンゼンジチオー ル−co−1,4−ジビニルベンゼン等の相変化膜もしくは、無機系のAgInSbTe,GeS bTe,InSeO等の相変化膜などを用いることができる。
この光ディスクDのように深層記録の場合、本発明の第1及び第2レーベル記録層7A、7Bは、ディスクの記録再生面側から視認される必要があるために、上記に示した第1及び第2主情報記録層3A、3Bを構成する有機系記録層、相変化型記録層、光磁気記録層及び熱拡散層5A、5Bは上記第1及び第2レーベル記録層7A、7Bへの書き込みに使用される長波長のレーザ光を40%以上透過することが望ましく、第1及び第2主情報記録層3A、3Bを透過したレーザ光で第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに対してレーベル記録がなされ、かつ第1及び第2主情報記録層3A、3Bに変化を生じさせないようにするためには、数ミクロン以下のピット等で形成された高密度な各主情報記録面(主情報用凹凸10A、10B)と上記第1及び第2レーベル記録層7A、7Bとの間でそれぞれ熱干渉および光学干渉しないように両者を0.1mm以上離す必要がある。
【0009】
また、第1及び第2レーベル記録層7A、7Bへの文字等の書き込み、消去および再生は、レーザ光を用い、レーザ光のパワー、フォーカス等は第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに最適化し、第1及び第2主情報記録層3A、3Bとの間で干渉しないよう設定する。
例えば、公知のロイコ系のサーモクロミック膜は室温Trt以上の温度Twから 室温Trtに急冷することで発色もしくは白濁するので文字等の記録ができ、室温Trtと温度Twとの間の温度Teから室温Trtにすることで透明になり表示の消去を行う。つまりレーザ光のパワーが第1及び第2レーベル記録層7A、7Bで温度Tw、或いは室温Trtと温度Twとの間の温度Te になるように設定することでレーベル表示を書き換えることができる。
【0010】
また、対物レンズのNAが0.6以上でレーザ光の波長が650 nm未満の短波 長レーザ光で記録再生される微細な数ミクロン以下のピットで形成された高密度な主情報記録に対し、第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに対する記録はレーザ光のビームを絞り込む必要はなく、NAが0.6以下の小さい対物レンズと記録波長λが650 nm以上の長波長のレーザ光を使用すればよい。
第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに記録するレーベル表示記号を主情報信号ピットに比べて十分大きくすることで、深層記録の場合でも、レーベル信号はDC(直流)を含む超低域成分となり、主情報記録用の主信号との干渉の影響はない。逆に低域信号のみを再生レーザ光より、ローパスフィルタ(L.P.F.)もしくはバンドパスフィルタ(B.P.F )等で抽出することにより、光ディスクドライブ装置でもレーベル信号の有無を読み取ることは可能である。
【0011】
レーベル表示信号の第1及び第2レーベル記録層7A、7Bへの書き込み内容としては、ドライブ装置内のカレンダによる主データの更新日、EPG(電子番組表)から記録タイトル、もしくはキーボード入力による任意のレーベルデータ等から選択した内容の入力を行い、記録すべきレーベル情報をディスクの回転数、ランドプリピット、ウォブル等のプリアドレスから位相を検出し、ピックアップの位置に換算した信号にエンコードして記録することで、個々の光ディスクの記録内容を識別可能にすることができる。
図2は光ディスクDの平面図を示す。図2に示すように、第1及び第2レーベル記録層7A、7Bは、内周側は従来の光ディスク、例えばDVDと誤認識されないように直径が50mm以内のリードイン領域20には反射層を設けないようにして反射率を10%以下にして、レーベルを書き換えられる領域を直径が50mmより外周のレーベル記録領域22とする。ここでは”TITLE”のレーベル表示26がなされている。
【0012】
次に、上記した光ディスクを実際に作成したので、その製造工程と評価結果について説明する。
<実施例>
情報信号として、トラックピッチが0.74μmである記録溝を有するスタンパとトラックピッチが0.32μmである記録溝を有するスタンパを2枚用いて射出成形機により直径が120 mm、厚さが0.6 mmの両面にトラックを有する光ディスク用の第1及び第2基板6A、6Bを成形した。これらの第1及び第2基板6A、6Bには記録溝が直径40mmから直径110 mmに施されていた。これらの第1及び第2基板6A、6Bを成膜装置に挿入し、トラックピッチが0.32μmである面、すなわち主情報用凹凸10A、10B側の面に第1及び第2レーベル記録層7A、7Bを記録するレーザ光の波長の透過率が40%以上の熱拡散層5A、5BとしてAgを95%以上含むAg系合金を厚さ8nmで成膜し、次にZnS−SiO2よりなる
誘電体の保護膜4A、2Aおよび4B、2Bのそれぞれの間に挟むようにして、GeSbTeからなる相変化形の第1及び第2主情報記録層3A、3Bを直径38mmから直径110 mmの範囲で厚さ8nmの成膜を行った。成膜後この第1及び第2基板6A、6Bの第1及び第2主情報記録層3A、3Bを上にしてスピナーに装着し、直径20mmから直径120 mmの範囲に紫外線硬化樹脂で透明保護層1A、1Bを100μmの厚さにそれぞれ塗布しこれに紫外線を照射して硬化させた。その後この第1及び第2基板6A、6Bのトラックピッチが0.74μmである面、すなわちレーベル記録情報用凹凸12A、12Bの面にスピナーを用いてサーモクロミック膜を10μm塗布して第1及び第2レーベル記録層7A、7Bを形成した。そして、第1及び第2基板6A、6Bを、再び成膜装置に挿入し、Al系合金を100 nmの厚さで成膜して第1及び第2反射層8A、8Bを形成した。このようにして作製した2枚の第1及び第2光記録媒体基板をアルミニウム面である第1及び第2反射層8A、8Bを内側にし、嫌気性接着剤9を用いて貼り合わせて光ディスクDを作製した。
【0013】
出来上がった光ディスクDを記録装置に装着し、対物レンズのNAが0.85、記録波長が405 nmのレーザ光で直径40mmから直径110 mmの間に光ディスクDに記録すべき主情報をトラックピッチが0.32μmの記録溝内に記録した。その後、対物レンズのNAが0.6、記録波長が650 nmのレーザ光を発する光学ヘッド を直径80mmから90mmの間に移動し、フォーカスを第1及び第2レーベル記録層7A、7Bにそれぞれ調整し、それぞれのレーベル情報の記録を行った。この結果、第1及び第2主情報記録層3A、3Bに何ら悪影響を与えることなくレーベル情報の記録を行うことができた。また、レーベル表記は良好な視認性を得ることができた。
尚、上記実施例では主情報記録層を2層有する貼り合わせ型の光ディスクを例にとって説明したが、これに限定されず、主情報記録層が1層の光ディスクでも本発明を適用できるのは勿論である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光記録媒体によれば、1台の光記録媒体のドライブ装置にて、光記録媒体個々にレーベル情報(表記)を、主情報を破壊することなく記録し、或いは消去し、書き換えをすることができる。
また、光記録媒体の内容によりレーベル情報を自動更新して表示することもでき、カートリッジがない両面記録光記録媒体等にもレーベル表記を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の一例である光ディスクを示す部分拡大断面図である。
【図2】光ディスクを示す平面図である。
【符号の説明】
1A,1B…透明保護層、2A,2B,4A,4B…保護膜、3A…第1主情報記録層,3B…第2主情報記録層、5A,5B…熱拡散層、6A…第1基板、,6B…第2基板、7A…第1レーベル記録層,7B…第2レーベル記録層、8A…第1反射層,8B…第2反射層、9…嫌気性接着剤、D…光ディスク(光記録媒体)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光によりレーベル情報を視認可能で書き換え可能なレーベル記録層を有する光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、可換性が重要視される大容量の書き換え型の光記録媒体の一例である光ディスクにおいて、主たる情報はファイルデータとして所定のデータエリアに記録されるが、そのファイルデータの内容に関しては光ディスク単体では視認できず、光ディスクのドライブ装置等で再生しなければ判別できないか、もしくはペン、シール等でファイルデータに関するレーベル情報を別途作成して光ディスク自体に貼り付ける等しなければならなかった。
特に高容量のため両面にデータを記録できる光ディスクの場合には、カートリッジがなければレーベル情報を表記することが不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように書き換え型の光ディスクのレーベル情報を記録内容とともに書き換える場合には、手書き、シールの貼り換え等の動作が必要であり、この貼り換え動作等に手間がかかり、場合により光ディスク自体を汚したり傷つけたりすることで、主情報を破壊してしまう等の問題もあった。
また、両面記録型の光ディスクの場合には、レーベル情報を貼り付ける等するためのカートリッジが必要であることもコスト的課題であった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、レーザ光によりレーベル情報を書き換えすることができるレーベル記録層を有する光記録媒体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、第1基板の表面に第1主情報記録層が積層され、前記第1基板の裏面に第1レーベル記録層、第1反射層が順次積層された第1光記録媒体基板と、第2基板の表面に第2主情報記録層が積層され、前記第2基板の裏面に第2レーベル記録層、第2反射層が順次積層された第2光記録媒体基板と、を前記第1反射層側を前記第2反射層側に対向配置させて接着剤を用いて貼り合わせてなり、前記第1反射層側又は前記第2反射層側からレーザ光を照射して記録再生される光記録媒体において、前記第1主情報記録層と前記第1レーベル記録層との間及び前記第2主情報記録層と前記第2レーベル記録層との間は、所定の間隔を有していることを特徴とする光記録媒体である。
上記レーベル記録層にレーザ光により光もしくは熱を与えて可逆的に変色或いは復色させることによりレーベル情報を記録、書き換えでき、1台の光ディスクのドライブ装置でレーベル情報の書き換えができる光記録媒体を提供できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る光記録媒体の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る光記録媒体の一例である光ディスクを示す部分拡大断面図である。ここでは、2枚の基板を貼り合わせて2層の記録層を有する貼り合わせ型の光ディスクを例にとってその製法と構造について説明する。両基板の形成方法と、その後の薄膜の形成方法はそれぞれ同じなので、ここでは一緒に説明を行う。
この光ディスクDの第1及び第2基板6A、6Bは、いわゆるスタンパーと呼ばれる、表面にピットや記録溝からなる情報信号を有するニッケルなどでできた金属板を光ディスク成型用金型内に装着し、ポリアクリレート樹脂やポリカーボネート樹脂などを用いて、射出成形もしくは射出圧縮成形によってそれぞれ製作される。射出成形により得られた第1及び第2基板6A、6Bは、例えば、直径が120mmであり、ディスクの種類により第1及び第2基板6A、6Bの厚さは1.2mm〜0.1mmである。これらの第1及び第2基板6A、6Bの一面には、主情報を記録する時に用いるトラッキング及びアドレス情報を持ったピットや記録溝(ウォブル)等の主情報用凹凸10A、10Bがそれぞれ形成されており、他面にはレーベル情報を記録する時に用いるトラッキング及びアドレス情報を持ったピットや記録溝(ウォブル)等のレーベル情報用凹凸12A、12Bがそれぞれ形成されている。
【0006】
上述のように射出成形によって得られた第1及び第2基板6A、6Bは、記録型ディスクを製造する場合であれば、その記録方法により主情報用凹凸10A、10B面である情報信号上に、Ag、Al、Auおよびその合金等からなる熱伝導率の高い熱拡散層5A、5Bが形成され、更に、光学的なエンハンスメントと化学劣化を防止する酸化シリコン、窒化シリコン等の保護膜4A、2A及び4B、2Bに挟むようにして無機材料のゲルマニウム、テルル、アンチモン(以下G eSbTe)などからなる相変化系薄膜、有機系材料であるシアニン系色素から なる色素系薄膜、または無機材料のコバルト、テルビウム、鉄などからなる光磁気記録系薄膜等よりなる主情報記録層3A、3Bがそれぞれ成膜される。
その後、紫外線で硬化する透明樹脂を厚み0.01mmから0.2mmの範囲でスピンコート法等で塗布して薄膜を形成するか、或いは透明保護シート等を接着もしくは固着することによって、透明保護層1A、1Bをそれぞれ形成する。
【0007】
次に、上記第1及び第2基板6A、6Bの主情報記録面の裏面側、すなわちレーベル情報用凹凸12A、12B側に第1及び第2レーベル記録層7A、7Bをそれぞれ成膜する。更に必要があれば各種染顔料等を含んだ着色層もしくはアルミニウム、銀等の第1及び第2反射層8A、8Bを成膜する。これらのレベル記録層や反射層はスピンコート法もしくはスパッタ法等で成膜する。この第1及び第2レーベル記録層7A、7Bを着色したい色柄を得るために多層構造にしてもかまわない。最後に上記第1及び第2基板6A、6B上に上記各層が積層されてなる2枚の第1及び第2光記録媒体基板同士を、その間に嫌気性接着剤9を介在させて接着し、光ディスクDを完成する。この時、第1及び第2反射層8A、8B同士を対向するように配置する。この光ディスクDは両面が記録再生面となって両面よりレーザ光が照射される。尚、この嫌気性接着剤はスピンコート法等で塗布される。
【0008】
上記第1及び第2レーベル記録層7A、7Bは、材料としては温度、光照射等で変色、復色を可能とする例えばロイコ系染料に代表される電子供与性呈色性化合物とフェノール化合物等の電子受容性化合物と溶剤成分として用いられるアルコール等の有機化合物の3成分等を用いたサーモクロミック膜、フルギド化合物 やスピロピラン化合物等のフォトクロミック膜、ポリ(1,4−ベンゼンジチオー ル−co−1,4−ジビニルベンゼン等の相変化膜もしくは、無機系のAgInSbTe,GeS bTe,InSeO等の相変化膜などを用いることができる。
この光ディスクDのように深層記録の場合、本発明の第1及び第2レーベル記録層7A、7Bは、ディスクの記録再生面側から視認される必要があるために、上記に示した第1及び第2主情報記録層3A、3Bを構成する有機系記録層、相変化型記録層、光磁気記録層及び熱拡散層5A、5Bは上記第1及び第2レーベル記録層7A、7Bへの書き込みに使用される長波長のレーザ光を40%以上透過することが望ましく、第1及び第2主情報記録層3A、3Bを透過したレーザ光で第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに対してレーベル記録がなされ、かつ第1及び第2主情報記録層3A、3Bに変化を生じさせないようにするためには、数ミクロン以下のピット等で形成された高密度な各主情報記録面(主情報用凹凸10A、10B)と上記第1及び第2レーベル記録層7A、7Bとの間でそれぞれ熱干渉および光学干渉しないように両者を0.1mm以上離す必要がある。
【0009】
また、第1及び第2レーベル記録層7A、7Bへの文字等の書き込み、消去および再生は、レーザ光を用い、レーザ光のパワー、フォーカス等は第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに最適化し、第1及び第2主情報記録層3A、3Bとの間で干渉しないよう設定する。
例えば、公知のロイコ系のサーモクロミック膜は室温Trt以上の温度Twから 室温Trtに急冷することで発色もしくは白濁するので文字等の記録ができ、室温Trtと温度Twとの間の温度Teから室温Trtにすることで透明になり表示の消去を行う。つまりレーザ光のパワーが第1及び第2レーベル記録層7A、7Bで温度Tw、或いは室温Trtと温度Twとの間の温度Te になるように設定することでレーベル表示を書き換えることができる。
【0010】
また、対物レンズのNAが0.6以上でレーザ光の波長が650 nm未満の短波 長レーザ光で記録再生される微細な数ミクロン以下のピットで形成された高密度な主情報記録に対し、第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに対する記録はレーザ光のビームを絞り込む必要はなく、NAが0.6以下の小さい対物レンズと記録波長λが650 nm以上の長波長のレーザ光を使用すればよい。
第1及び第2レーベル記録層7A、7Bに記録するレーベル表示記号を主情報信号ピットに比べて十分大きくすることで、深層記録の場合でも、レーベル信号はDC(直流)を含む超低域成分となり、主情報記録用の主信号との干渉の影響はない。逆に低域信号のみを再生レーザ光より、ローパスフィルタ(L.P.F.)もしくはバンドパスフィルタ(B.P.F )等で抽出することにより、光ディスクドライブ装置でもレーベル信号の有無を読み取ることは可能である。
【0011】
レーベル表示信号の第1及び第2レーベル記録層7A、7Bへの書き込み内容としては、ドライブ装置内のカレンダによる主データの更新日、EPG(電子番組表)から記録タイトル、もしくはキーボード入力による任意のレーベルデータ等から選択した内容の入力を行い、記録すべきレーベル情報をディスクの回転数、ランドプリピット、ウォブル等のプリアドレスから位相を検出し、ピックアップの位置に換算した信号にエンコードして記録することで、個々の光ディスクの記録内容を識別可能にすることができる。
図2は光ディスクDの平面図を示す。図2に示すように、第1及び第2レーベル記録層7A、7Bは、内周側は従来の光ディスク、例えばDVDと誤認識されないように直径が50mm以内のリードイン領域20には反射層を設けないようにして反射率を10%以下にして、レーベルを書き換えられる領域を直径が50mmより外周のレーベル記録領域22とする。ここでは”TITLE”のレーベル表示26がなされている。
【0012】
次に、上記した光ディスクを実際に作成したので、その製造工程と評価結果について説明する。
<実施例>
情報信号として、トラックピッチが0.74μmである記録溝を有するスタンパとトラックピッチが0.32μmである記録溝を有するスタンパを2枚用いて射出成形機により直径が120 mm、厚さが0.6 mmの両面にトラックを有する光ディスク用の第1及び第2基板6A、6Bを成形した。これらの第1及び第2基板6A、6Bには記録溝が直径40mmから直径110 mmに施されていた。これらの第1及び第2基板6A、6Bを成膜装置に挿入し、トラックピッチが0.32μmである面、すなわち主情報用凹凸10A、10B側の面に第1及び第2レーベル記録層7A、7Bを記録するレーザ光の波長の透過率が40%以上の熱拡散層5A、5BとしてAgを95%以上含むAg系合金を厚さ8nmで成膜し、次にZnS−SiO2よりなる
誘電体の保護膜4A、2Aおよび4B、2Bのそれぞれの間に挟むようにして、GeSbTeからなる相変化形の第1及び第2主情報記録層3A、3Bを直径38mmから直径110 mmの範囲で厚さ8nmの成膜を行った。成膜後この第1及び第2基板6A、6Bの第1及び第2主情報記録層3A、3Bを上にしてスピナーに装着し、直径20mmから直径120 mmの範囲に紫外線硬化樹脂で透明保護層1A、1Bを100μmの厚さにそれぞれ塗布しこれに紫外線を照射して硬化させた。その後この第1及び第2基板6A、6Bのトラックピッチが0.74μmである面、すなわちレーベル記録情報用凹凸12A、12Bの面にスピナーを用いてサーモクロミック膜を10μm塗布して第1及び第2レーベル記録層7A、7Bを形成した。そして、第1及び第2基板6A、6Bを、再び成膜装置に挿入し、Al系合金を100 nmの厚さで成膜して第1及び第2反射層8A、8Bを形成した。このようにして作製した2枚の第1及び第2光記録媒体基板をアルミニウム面である第1及び第2反射層8A、8Bを内側にし、嫌気性接着剤9を用いて貼り合わせて光ディスクDを作製した。
【0013】
出来上がった光ディスクDを記録装置に装着し、対物レンズのNAが0.85、記録波長が405 nmのレーザ光で直径40mmから直径110 mmの間に光ディスクDに記録すべき主情報をトラックピッチが0.32μmの記録溝内に記録した。その後、対物レンズのNAが0.6、記録波長が650 nmのレーザ光を発する光学ヘッド を直径80mmから90mmの間に移動し、フォーカスを第1及び第2レーベル記録層7A、7Bにそれぞれ調整し、それぞれのレーベル情報の記録を行った。この結果、第1及び第2主情報記録層3A、3Bに何ら悪影響を与えることなくレーベル情報の記録を行うことができた。また、レーベル表記は良好な視認性を得ることができた。
尚、上記実施例では主情報記録層を2層有する貼り合わせ型の光ディスクを例にとって説明したが、これに限定されず、主情報記録層が1層の光ディスクでも本発明を適用できるのは勿論である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光記録媒体によれば、1台の光記録媒体のドライブ装置にて、光記録媒体個々にレーベル情報(表記)を、主情報を破壊することなく記録し、或いは消去し、書き換えをすることができる。
また、光記録媒体の内容によりレーベル情報を自動更新して表示することもでき、カートリッジがない両面記録光記録媒体等にもレーベル表記を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の一例である光ディスクを示す部分拡大断面図である。
【図2】光ディスクを示す平面図である。
【符号の説明】
1A,1B…透明保護層、2A,2B,4A,4B…保護膜、3A…第1主情報記録層,3B…第2主情報記録層、5A,5B…熱拡散層、6A…第1基板、,6B…第2基板、7A…第1レーベル記録層,7B…第2レーベル記録層、8A…第1反射層,8B…第2反射層、9…嫌気性接着剤、D…光ディスク(光記録媒体)。
Claims (1)
- 第1基板の表面に第1主情報記録層が積層され、前記第1基板の裏面に第1レーベル記録層、第1反射層が順次積層された第1光記録媒体基板と、第2基板の表面に第2主情報記録層が積層され、前記第2基板の裏面に第2レーベル記録層、第2反射層が順次積層された第2光記録媒体基板と、を前記第1反射層側を前記第2反射層側に対向配置させて接着剤を用いて貼り合わせてなり、前記第1反射層側又は前記第2反射層側からレーザ光を照射して記録再生される光記録媒体において、
前記第1主情報記録層と前記第1レーベル記録層との間及び前記第2主情報記録層と前記第2レーベル記録層との間は、所定の間隔を有していることを特徴とする光記録媒体。
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