JP2004093785A - 導電剤を含有する電子写真方式用トナー - Google Patents

導電剤を含有する電子写真方式用トナー Download PDF

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Abstract

【課題】印刷に代わり電子写真方式を使用して、導電回路をオンデマンド作製する。
【解決手段】導電剤を含むトナー及び現像剤を用い、導電回路を電子写真方式により形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性を有する画像、その様な画像を形成し得る電子写真方式用トナー及び現像剤、その様な画像が形成されたシートに関する。また、導電性を有する電子写真方式用トナーにより作製された導電回路を有するメディアおよびその製造方法に関し、接触型、非接触型、接触・非接触ハイブリッド型のICカード、ICラベル、ICタグ、ICフォームなどの情報記録媒体およびペーパーコンピュータなどとして用いられる導電回路を有するメディアおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非接触状態でデータの送受信を行ってデータの記録、消去などが行える情報記録メディア、例えば、RF−ID(Radio Frequency IDentification)メディアとして用いられる非接触型データ送受信体には、そのシート基材上にアンテナ部や、その接続端子であるランド部などの導電回路が形成され、さらに、ICチップが実装されるなどして構成されている。
【0003】
このような非接触型ICメディアは、幅広い用途に対応するために、薄型で可撓性のシート状であることが望ましく、そのアンテナ部は、通常、銅やアルミのエッチングや導線を用いたり、あるいは導電性インキや導電ペーストなどの印刷方式により形成されている。
【0004】
非接触型ICメディアにおいては、外部とのデータの送受信の感度が良好であることが必要であり、さらに、所定の周波数に対応するため、一般的には多重に周回するコイル状のアンテナ部が形成されている。そして、アンテナ部の接続端子であるランド部を、他端のランド部近傍のランド部まで引き回し、両者に接続するようにICチップを実装している。そのため、複数のコイル状のアンテナ部に跨る絶縁部を形成し、この絶縁部上に、ランド部とランド部とを接続させるジャンパー部を形成している。
【0005】
アンテナ部は、損失を小さくするために低抵抗であることが求められ、また、薄いカード状、ラベル状、フォーム状形態では、物理的ストレスが加わり易く、耐折り曲げ性があることが求められる。一方、ICチップが実装されるランド部はICチップの接続端子との導電接続の信頼性を向上させることが必要であるため、実装時の熱や圧力への耐性、接続端子を固定できる形状安定性、異方性導電フィルム、異方導電ペースト、非導電フィルム、非導電ペースト、導電ペースト、封止樹脂などを用いる場合にはそれらとの相性(界面が安定であることや、それぞれの機能を阻害するような作用が無いことなど)も検討する必要があるが、これらの要求を全て満たす導電性インキを用いることが望ましい。
【0006】
また、アンテナ部、ランド部、ジャンパー部を形成するために、フェノール樹脂やポリエステル樹脂などと導電性粒子をベースとする熱硬化性の導電性インキを用いる場合や、絶縁部を形成するためにフェノール樹脂やポリエステル樹脂などをベースとする熱硬化性の絶縁インクを用いる場合には、硬化させるために熱が加えられるので、シート基材は熱による変形や劣化を防ぐために十分な耐熱性を有している必要がある。高い耐熱性を有する特定の材料としては、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ガラスエポキシ等を使用する。
【0007】
更に、このような非接触型ICメディアは、様々な用途に対応できるように、上述した通り薄型のシート状であることが好ましい。
【0008】
この場合、アンテナ部などの導電回路において要求される低抵抗や耐折り曲げ性を有し、ICチップが搭載される場合、ICチップのバンプとの導電接続の信頼性が高い接触型、非接触型、接触・非接触ハイブリッド型の導電回路を有するメディアが望まれる。また、アンテナ部などの導電回路において要求される低抵抗や耐折り曲げ性を有し、ICチップが搭載される場合、ICチップのバンプとの導電接続の信頼性が高く、物理的、機械的ストレスに対する強度が高く、信頼性、安定性、耐久性などが高いので、ICカード、ICラベル、ICタグ、ICフォームなどの情報記録媒体やペーパーコンピュータなどとして広く用いられるような導電回路を有するメディアが望まれる。
【0009】
以上の様な性能を有する非接触型ICメディアの導電回路は、導電性インキを用いて印刷により作製される。例えば、まず、可撓性のシート基材に導電性インキをスクリーン印刷し定着させて複数のループを有するコイル状のアンテナ部を形成する。次に、複数のコイル状のアンテナ部に跨るように絶縁インクを印刷し定着して絶縁部を形成する。さらに、絶縁部上を横切って導電性インキを印刷し定着して、複数のアンテナ部のランド部に接続しこれらを短絡させるジャンパー部を形成する。そして、アンテナ部のランド部にICチップを実装する。その後、必要に応じて保護シートなどにより被覆して、非接触型ICメディアを完成する。
【0010】
導電性インキとしては、熱硬化性や溶剤揮発性を有する導電性インキを用いる。この場合、導電性インキが印刷されたシート基材を、例えば180℃で20分程度加熱することにより、導電性インキを熱硬化させて定着させる。また、特許文献1及び2に記載されるように、無溶剤型導電性インキ及び光硬化型導電性インキも提案されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−219829号公報
【特許文献2】
特開2000−319583号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明してきた様に、一つの原稿から多量の導電回路を複製する方法としては、原稿を高速、多量および安価に複製できるため、印刷が好適である。しかしながら、近年、パーソナルユースを目的とする複製の需要が増加し、ある程度の部数の複製は、印刷機に代わりコピー機などの電子写真装置を用いて行われつつある。電子写真方式は、印刷機と異なり版などを必要としないため、少量および多品種の複製に好適であり、印刷と比べ要求即応(オンデマンド、On Demand)な方式であると考えられる。
【0013】
導電回路は、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷で形成されるため、大量生産には適するが、短い納期で少量多品種を生産するオンデマンド生産には不適当な場合があった。
【0014】
このため、少量多品種のメディアを、上記の様な導電性インキを用いて印刷により作製すると、納期が長期となったり、費用が高くなる場合があった。
【0015】
この様な状況に鑑み、本発明においては、印刷に代わり電子写真方式を使用して、導電回路をオンデマンド作製することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、導電性を有する画像を電子写真方式で形成するために使用され、導電剤を含むトナーが提供される。
【0017】
また、導電性を有する画像を電子写真方式で形成するために使用され、トナー及び導電剤を含む導電性現像剤が提供される。
【0018】
また、この様な導電性トナーを含む導電性現像剤、又はこの様な導電性現像剤を用いて電子写真方式により形成された導電回路が形成されたシートを具備するメディアが提供される。
【0019】
また、この様な導電性トナーを含む導電性現像剤、又はこの様な導電性現像剤を用いて電子写真方式により形成された導電回路が転写された接着シートを具備するメディアが提供される。
【0020】
また、この様な導電性トナーを含む導電性現像剤、又はこの様な導電性現像剤を用いて電子写真方式により形成された導電回路を作製する工程と、
該シートを接着する工程と
を含むメディアの製造方法が提供される。
【0021】
また、この様な導電性トナーを含む導電性現像剤、又はこの様な導電性現像剤を用いて電子写真方式により剥離シートに導電回路を作製する工程と、
該剥離シートの該導電回路が形成されている面と、接着シートの接着面とを重ね合わせ、該導電回路を該接着面に転写する工程と
を含むメディアの製造方法が提供される。
【0022】
本発明のトナー及び現像剤は導電性を有しているため、得られる回路は導電性を有し、版を必要とする印刷ではなく電子写真方式によりオンデマンドに作製可能である。
【0023】
この様な導電回路は、電子写真方式により作製されるため、短い納期で少量多品種を生産するオンデマンド生産に好適である。このため、少量多品種のメディア等を、上記の様な導電性現像剤を用いて電子写真方式により作製すると、納期を短縮でき、費用を低減できる。
【0024】
この結果、印刷に代わり電子写真方式を使用して、メディア等をオンデマンドで作製できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
電子写真方式において、文字および図などの情報を伝達するための画像は、現像剤が紙などの支持体に定着されて形成される。現像剤には、トナーとトナーに電荷を付与する別粒子(キャリア)とを含む二成分現像剤と、電荷制御能を有するトナー単独の一成分現像剤とに大別される。これらの現像剤において、トナーは帯電機能を有する着色粒子であり、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤、磁性剤などを用いて作製される。これらのトナー成分の種類および配合量などは注意深く至適化され、帯電性、電気抵抗性、磁気性および流動性などの現像特性、定着性および着色性などの定着特性、保存性、取扱性などのトナーに要求される性能の良好なバランスが実現される。
【0026】
(導電剤)
導電剤は導電回路において電気を通電させる構成材料であり、十分な導電性を有しており、現像剤の特性を損なわないものを選択する。この様な導電剤としては、カーボンナノチューブ及びカーボンブラック等のカーボン粉末;金、銀、白金、銅、アルミニウム、パラジウム、ロジウム及びこれらの金属を1種以上含む合金などの導電性金属微粒子;金、銀、白金、銅、アルミニウム、パラジウム、ロジウム及びこれらの金属を1種以上含む合金などの金属ナノコロイド;スズとインジウムの酸化物、ITO(Sn/In)超微粉子などを使用し、導電性および現像剤の安定性の観点から、カーボンナノチューブ、導電性金属微粒子および金属ナノコロイドが好ましい。また、透明であるため、現像剤の調色が容易である等の理由から、ITO超微粉子が好ましい。
【0027】
導電性金属微粒子の形態としては、略球形微粒子、鱗片状微粒子、複数の放射状突起部を有する微粒子などを使用できるが、接触面積が増加するため導電性が向上するなどの理由から、鱗片状微粒子および複数の放射状突起部を有する微粒子が好ましい。また、導電性金属微粒子がCu微粒子の場合には、複数の放射状突起部を有するCu微粒子として、例えば、電解銅粉を使用する。なお、必要に応じて、2種以上の形状の微粒子を併用することもできる。
【0028】
導電剤の平均粒子径としては、入手が容易であり、取扱い性に優れ、高性能の導電性現像剤を調製できる限りでは、得られる回路の導電性の観点から、小さい方が好ましい。
【0029】
例えば、Cuの場合、十分な導電性を確保でき、入手が容易である等の理由から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、一方、安定した現像剤を作製できる等の理由から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下が更に好ましい。
【0030】
また、Agの場合、Cuと同程度の粒子径を有する微粉に加え、平均粒子径が0.1〜1μmの極微粉を用いることもできる。
【0031】
なお、平均粒子径は、光散乱法などにより体積を基準として測定できる。
【0032】
また、以上の様な導電剤は、必要に応じて、2種以上を併用する場合もある。
【0033】
更に、導電剤の導電性トナーに占める割合としては、十分な導電性を実現する等の理由から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、一方、導電回路の十分な特性を確保し、最終的に得られる導電回路に亀裂などが発生することを抑制するために、60質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
【0034】
一成分現像剤を作製する場合、導電剤は、普通、トナーに配合するが、導電剤を含有しないトナーと導電剤とを混合して現像剤を調製することもでき、導電剤を含有するトナーに更に導電剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0035】
また、二成分現像剤を作製する場合、導電剤は、普通、トナーに配合するが、キャリアに導電剤を配合することもでき、導電剤を含有しないトナーと導電剤を含有しないキャリアと導電剤とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に導電剤を配合し更に導電剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0036】
導電剤の導電性現像剤に占める割合としては、十分な導電性を実現する等の理由から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、一方、導電回路の十分な特性を確保し、最終的に得られる導電回路に亀裂などが発生することを抑制するために、60質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
【0037】
(結着樹脂)
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0038】
例えば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0039】
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0040】
以上の様な結着樹脂の中でも、加熱定着用には、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0041】
加圧定着用には、ワックス類、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0042】
また、湿式トナーの場合は、アクリル系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0043】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0044】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0045】
また、磁性トナーの場合は、磁性粉として、マグネタイト、フェライト、コバルト、鉄、ニッケル等の金属単体またはその合金を用いることもできる。
【0046】
更に、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0047】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0048】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0049】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0050】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0051】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0052】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0053】
なお、以上の様な色材は、単独で又は複数を混合して、固体および液体の状態で用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性なども考慮して選択される。
【0054】
また、以上の様な色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0055】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0056】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0057】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0058】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0059】
(離型剤)
定着時のオフセットを低減し、通紙性などを改良するために、離型剤を配合することもできる。この様な離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等を使用する。これらの離型剤は溶融粘度が低いため、定着時に離型剤として機能する。
【0060】
なお、離型剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.1〜20質量%とする。
【0061】
(表面処理剤)
トナーの表面に表面処理剤として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン等の微粉末も使用できる。
【0062】
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、0.1〜20質量%とする。
【0063】
(磁性剤)
更に、トナーに磁性剤を含有させて、磁性トナーを作製することもできる。この場合、磁性剤は色材の役割を兼ねることもできる。この様な、磁性剤としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属;これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属;これらの金属の合金およびその混合物が挙げられる。
【0064】
なお、磁性剤のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0065】
(その他の添加剤)
トナーには、以上に説明した成分以外に、フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛などの滑剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤などの添加剤を必要に応じて使用できる。
【0066】
(現像剤)
現像剤の種類には、乾式二成分系、乾式一成分系、湿式系などが有り、以上で説明した成分を有するトナーを用いて、それぞれの現像剤を作製できる。
【0067】
乾式二成分系で使用するトナーは、導電剤、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整する。なお、トナーの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて測定できる。この様なトナーをキャリアと混合して乾式二成分現像剤を作製する。乾式二成分系で使用するキャリアは、芯材をコート剤で被覆することで作製され、体積平均粒子径が10〜200μmとなる様に調整する。
【0068】
キャリアの芯材としては、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用する。
【0069】
キャリアのコート剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;フェノール樹脂;ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド;ポリビニルブチラール;ニグロシン;アミノアクリレート樹脂;塩基性染料およびそのレーキ;シリカ微粒子;アルミナ微粒子などを単独または複数で用いる。これらのコート剤を溶剤中に溶解または懸濁し、これをキャリア表面に塗工したり;コート剤を単に粉体で混合する等の方法でキャリアが作製される。
【0070】
なお、トナーとキャリアとの混合比は、現像剤全体に対して、トナーが1〜15質量%となるようにする。
【0071】
乾式一成分系で使用するトナーは、導電剤、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、例えば磁性トナーの場合、磁性剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整し、キャリアと混合することなく乾式一成分現像剤を作製する。
【0072】
湿式系で使用するトナーは、導電剤、結着樹脂、色材、電荷制御剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が0.1〜3μmとなる様に調整する。この様なトナーをキャリアと混合して湿式現像剤を作製する。湿式系で使用するキャリアとしては、体積固有抵抗が1012〜1015Ωcm、誘電率が2〜3の絶縁性液体などを使用する。
【0073】
(トナー及び現像剤の製造方法)
乾式トナーは製造方法により、粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0074】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、導電剤、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0075】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0076】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0077】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0078】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0079】
以上の様にして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0080】
一方、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0081】
(メディア)
導電性現像剤を用いてメディアを製造する場合、先ず、シート上に導電回路を電子写真方式により作製し、次いで、これをメディアの基体に接着して、メディアを製造する。導電回路をシートに直接に電子写真方式により形成するので、製造工程が簡潔であり、良好な生産性を実現できる。
【0082】
また、メディアを製造する他の方法として、先ず、剥離シート上に導電回路を電子写真方式により作製し、次いで、この剥離シートの導電回路面と接着シートの接着面とを重ね合わせ、導電回路を接着シートの接着面に転写し、これをメディアの基体に接着して、メディアを製造する。導電回路を接着シートに直接に電子写真方式により形成するのではなく、導電回路を剥離シートに形成し、これを接着シートに転写する方法を採用することにより、高精度の導電回路を作製できる。
【0083】
なお、トナー及び現像剤は剥離剤などを含有していないため、十分な転写性を確保するために、剥離シートとしてフッ素樹脂シート等の剥離性に優れるものを選択する。また、剥離シートの導電回路が形成される面をフッ素樹脂などにより剥離加工することで、転写性を向上できる。
【0084】
電子写真方式を用いてメディアを完成する方法には、以下の様な利点がある。
【0085】
(ア)導電回路の形成の前後で、シートの導電回路面に絶縁部を形成できる。
【0086】
(イ)導電回路の形成の後、シートの導電回路面にICチップを実装できる。
【0087】
(ウ)導電回路の転写の際に、ICチップも導電回路と同時に剥離シートから接着シートの接着面に転移できる。
【0088】
(エ)導電回路の転写後に、接着シートの接着面にICチップを実装できる。
【0089】
(オ)導電回路の形成後に、シートに導電回路の一部を覆う絶縁部を形成し、シートの絶縁部上に更に別の導電回路を形成できる。
【0090】
(カ)導電回路と接続される、対向ランド部が形成されICチップが予め実装されたインターポーザを、導電回路面に貼着できる。
【0091】
(キ)インターポーザを、導電回路の一部を覆う位置に形成されている絶縁部と、絶縁部上を横切って導電回路に接続される導電性のジャンパー部とを更に有する構造にできる。
【0092】
(ク)導電回路面の少なくとも1部を覆うように保護シートを積層できる。
【0093】
(ケ)導電回路面の少なくとも1部を覆うように保護材を塗布できる。
【0094】
(コ)剥離シートを、導電回路面に剥離剤層として形成することもできる。
【0095】
(サ)メディアにおいて、導電回路がアンテナ部を含む構造とすることも可能である。
【0096】
(シ)メディアを、非接触型手荷物用ICタグ、接触型手荷物タグ等として利用できる。
【0097】
非接触型ICメディアは、非接触でデータの授受を行ってデータの記憶や消去などが可能で、非接触でデータの授受を行うためのアンテナ部などの導電回路を有している。
【0098】
この様な非接触型ICメディアの構成は、紙や合成樹脂などの安価で薄いシート基材上に導電回路が形成されている。導電回路は、例えば、アンテナ部と、アンテナ部の接続端子であるランド部と、独立したランド部と、コイル状のアンテナ部に跨って形成されている絶縁部と、絶縁部を横切るように形成されてランド部を接続させるジャンパー部と、ランド部に接続するように実装されているICチップとからなる。
【0099】
導電回路を有するメディアを構成するシート基材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂(PET、PENなど)基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン・ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVCなど)基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂(PC)基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理、あるいは各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いることができる。
【0100】
中でも、例えば、紙、不織布、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、非晶質コポリエステル(PET−G)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
【0101】
特に、アンテナ部を構成する導電性現像剤は、導電性、耐折り曲げ性、シート基材(接着シート)への接着性あるいは速乾性が優れているものを用いることが望ましい。
【0102】
例えば、シート基材としてポリエステル系樹脂を用いた場合には、導電性現像剤の樹脂組成物として、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂などを採用するのが好ましい。また、前記したインクにさらにポリビニルアルキルエーテルやポリブタジエンなどの接着剤やシリカ、タルクなどの無機充填材を加えたものがよい。
【0103】
ICチップとしては、一般的なICメディアに用いることのできるものを用いることができ、それらに対応してアンテナ部のパターンやランド部を任意に設計すれば良い。ICチップの実装は、ワイヤーボンディングをはじめとして、異方性導電フィルム、導電性インキ、絶縁樹脂、クリーム半田ボールを用いたものなど、様々な方法で行える。必要であれば、アンダーフィル材またはグローブトップ材などによる接続部およびICチップを含めた保護や補強を行っても良い。
【0104】
シートに導電回路が搭載された後は、保護シートを貼り付けて積層したり、ICチップなどに封止剤を塗布して定着させたり、任意の形状に切断したり型抜きしたり、様々な文字や図形などを印刷記録したり、別部材を積層するなど、様々な後工程を行うことができる。
【0105】
特に、導電回路を転写して作製される非接触型ICメディアの構成を、図1(a)及び(b)に示した。紙や合成樹脂などの安価で薄いシート基材(接着シート11)上に導電回路が形成されている。導電回路は、アンテナ部3と、アンテナ部3の接続端子であるランド部2a及び2bと、独立したランド部5と、コイル状のアンテナ部3に跨って形成されている絶縁部6と、絶縁部6を横切るように形成されてランド部2a及び5を接続させるジャンパー部8と、ランド部2b及び5に接続するように実装されているICチップ9とからなる。
【0106】
導電回路を有するメディアを構成する接着シート11のシート基材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂(PET、PENなど)基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン・ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVCなど)基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂(PC)基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理、あるいは各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いることができる。
【0107】
中でも、例えば、紙、不織布、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、非晶質コポリエステル(PET−G)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
【0108】
特に、アンテナ部3を構成する導電性現像剤は、導電性、耐折り曲げ性、シート基材(接着シート)への接着性あるいは速乾性が優れているものを用いることが望ましい。
【0109】
例えば、接着シートのシート基材としてポリエステル系樹脂を用いた場合には、導電性現像剤の樹脂組成物として、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂などを採用するのが好ましい。また、接着シートのシート基材として紙を用いた場合は、前記したインクにさらにポリビニルアルキルエーテルやポリブタジエンなどの接着剤やシリカ、タルクなどの無機充填材を加えたものがよい。
【0110】
ICチップ9(後述するICチップ12)としては、一般的なICメディアに用いることのできる公知の任意なものを用いることができ、それらに対応してアンテナ部3のパターンやランド部2a、2b及び5を任意に設計すれば良い。ICチップ9及び12の実装は、ワイヤーボンディングをはじめとして、異方性導電フィルム、導電性インキ、絶縁樹脂、クリーム半田ボールを用いたものなど、様々な方法で行える。必要であれば、アンダーフィル材またはグローブトップ材などによる接続部およびICチップを含めた保護や補強を行っても良い。
【0111】
接着シート11に導電回路が搭載された後は、前記したように保護シートを貼り付けて積層したり、ICチップなどに封止剤を塗布して定着させたり、任意の形状に切断したり型抜きしたり、様々な文字や図形などを印刷記録したり、別部材を積層するなど、様々な後工程を行うことができる。
【0112】
以下に、非接触型ICメディアの場合について、製造方法を説明する。
【0113】
(製造例1)
先ず、導電回路を転写しない製造方法を説明する。シートとしては、紙、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ガラスエポキシ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)から選択することが好ましい。
【0114】
これらのシートに、導電性現像剤を用いて導電回路を電子写真方式により形成し、アンテナ部を形成する。また、これと同時に、完成状態のアンテナ部の両端部となるべき位置にランド部を一体的に形成するとともに、ランド部の近傍に独立したランド部を形成する。
【0115】
引続き、アンテナ部のランド部と独立したランド部との間のコイル状のアンテナ部を跨ぐように絶縁インクをスクリーン印刷し、加熱して絶縁インクを定着させ、絶縁部を形成する。なお絶縁部の厚さは15〜30μm程度が好ましい。
【0116】
引続き、絶縁部上を横切って、独立したランド部と、アンテナ部の一端のランド部とを繋ぐように、導電性現像剤を用いた電子写真方式または導電性インキを用いた印刷によって、ジャンパー部を形成する。
【0117】
なお、必要に応じては、電子写真方式と印刷とを併用することもできる。
【0118】
以上の様にして、ジャンパー部によりアンテナ部の一端のランド部と接続された独立したランド部と、アンテナ部の他端のランド部とが、近接位置に配置された構造を得る。
【0119】
そして、ICチップを、接続端子がランド部および独立したランド部にそれぞれ接触するように実装する。
【0120】
引続き、このシートの導電回路を保護するとともに、接着面を外部に露出させないように、合成樹脂からなる保護シートを、シートの少なくとも1部に貼付する。
【0121】
また、ICチップを封止剤により封止して保護するなどを目的として、導電回路面の少なくとも1部に保護材を塗布することができ。こうして、非接触型ICメディアが完成する。
【0122】
なお、シートが連続紙である場合は、適宜の長さに切断して、カード、タグ、ラベル、フォーム、葉書、封筒などとして使用できるようにする。また、この場合、製造方法を連続化できる。
【0123】
(製造例2)
次に、導電回路を転写する製造方法を説明する。先ず、図2(a)に示すシート基材の少なくとも片面が剥離性を有する剥離面となっている剥離シート1を用意する。なお、図3に示す例では、この剥離シート1は連続紙である。
【0124】
剥離シートとしては、紙、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ガラスエポキシ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)から選択することが好ましい。また、導電回路が形成される面にフッ素樹脂などからなる剥離層を形成することにより、導電回路の転写効率を向上できる。
【0125】
次に、図2(b)に示すように、この剥離シート1の剥離面に、導電性現像剤を用いて導電回路3を電子写真方式により作製し、アンテナ部3を形成する。また、これと同時に、導電性現像剤を用いた電子写真方式または導電性インキを用いた印刷によって、完成状態のアンテナ部3の両端部となるべき位置にランド部2a及び2bを一体的に形成するとともに、ランド部2bの近傍に独立したランド部5を形成する。
【0126】
引続き、図2(c)に示すように、アンテナ部3のランド部2aと独立したランド部5との間のコイル状のアンテナ部3を跨ぐように絶縁インクをスクリーン印刷し、加熱して絶縁インクを定着させ、絶縁部6を形成する。なお絶縁部6の厚さは15〜30μm程度が好ましい。
【0127】
引続き、図2(d)に示すように、絶縁部6上を横切って、独立したランド部5と、アンテナ部3の一端のランド部2aとを繋ぐように、導電性現像剤を用いた電子写真方式または導電性インキを用いた印刷によって、ジャンパー部8を形成する。
【0128】
以上の様にして、ジャンパー部8によりアンテナ部3の一端のランド部2aと接続された独立したランド部5と、アンテナ部3の他端のランド部2bとが、近接位置に配置された構造を得る。
【0129】
そして、図2(e)に示すように、ICチップ9を、接続端子(図示せず)がランド部2bおよび独立したランド部5にそれぞれ接触するように実装する。
【0130】
以上の工程は、図3に示すように、連続化することもできる。この場合、図4(a)に示す様に、剥離シート1の剥離面上に、アンテナ部3とランド部2a、2b及び5と絶縁部6とジャンパー部8とICチップ9とからなる導電回路が形成された状態となる。
【0131】
引続き、図4(b)に示すように、この剥離シート1の、導電回路が形成された剥離面に、非接触型ICメディアの基材となる接着シート11の接着面を密着させる。そして、図4(c)に示すように、接着シート11を剥離シート1から再び引き剥がし、剥離シート1の剥離面の剥離性(非接着性)と、接着シート11の接着面の接着性とを利用して、導電回路を構成するアンテナ部3とランド部2a、2b及び5と絶縁部6とジャンパー部8とICチップ9を、全て一体的に接着シート11の接着面に転写させる。
【0132】
この時、アンテナ部3、ランド部2a、2b、5、絶縁部6、ジャンパー部8、およびICチップ9は、互いの相対位置関係や電気接続関係が変化することなく、剥離シート1から接着シート11へ転移する。この結果、図1に示すように基材である接着シート11上に、ICチップ9、ジャンパー部8、絶縁部6、ランド部2a、2b、5、アンテナ部3が、この順番に配設された状態となる。
【0133】
最後に、この導電回路を保護するとともに、接着面を外部に露出させないように、合成樹脂からなる保護シート(図示せず)を、接着シート11の接着面の少なくとも1部に貼付する。
【0134】
また、図示しないが、例えば、ICチップ9を封止剤により封止して保護するなどを目的として、接着面の少なくとも1部に保護材を塗布することができ。こうして、本実施形態の非接触型ICメディアが完成する。
【0135】
なお、図3に示すように接着シート11が連続紙である場合は、適宜の長さに切断して、カード、タグ、ラベル、フォーム、葉書、封筒などとして使用できるようにする。一方、剥離シート1は、形成されたアンテナ部3、ランド部2a、2b、5、絶縁部6、ジャンパー部8およびICチップ9が全て接着シート11に転移して、剥離面には何も搭載されていない状態なので、続けて非接触型ICメディアを製造するために再度使用することができる。このように、剥離シート1は繰り返し何度も使用することが好ましい。
【0136】
(製造例3)
以下、製造例2と同様の部分については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
【0137】
先ず、図5(a)に示す剥離シート1の剥離面に、図5(b)に示すように、導電性現像剤を用いてアンテナ部3を形成し、複数周のコイル状のアンテナ部3とランド部2a、2b及び5を形成する。
【0138】
次に、図5(c)に示すように、コイル状のアンテナ部3を跨ぐように、絶縁部6を形成する。
【0139】
次に、図5(d)に示すように、絶縁部6上を横切って、独立したランド部5と、アンテナ部3の一端のランド部2aとを繋ぐように、ジャンパー部8を形成する。
【0140】
そこで、図6(b)及び図8に示すようにこの剥離シート1の剥離面に接着シート11の接着面を密着し、図6(c)及び図8に示すように再度引き剥がし、剥離面のアンテナ部3とランド部2a、2b、5と絶縁部6とジャンパー部8とを接着面に転移させる。
【0141】
その後で、図6(d)、図7(a)、図7(b)及び図8に示すように、ICチップ12を、接続端子(図示せず)がランド部2bおよびランド部5にそれぞれ接触するように実装する。このようにして、基材である接着シート11上に、ジャンパー部8、絶縁部6、ランド部2a、2b、5、アンテナ部3、ICチップ9が、この順番に配設された状態となる。
【0142】
最後に、この導電回路を保護するとともに、接着面を外部に露出させないように、合成樹脂からなる保護シート(図示せず)を、接着シート11の接着面に貼着する。
【0143】
また図示しないが、例えば、ICチップ12を封止剤により封止して保護するなどを目的として、接着面の少なくとも1部に保護材を塗布することができ。こうして、本実施形態の非接触型ICメディアが完成する。
【0144】
(製造例4)
以下、製造例2及び3と同様の部分については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
【0145】
非接触型ICメディアの構成は図9(a)及び(b)に示すように、アンテナ部3と、アンテナ部3の端子部であるランド部2a及び2bとが形成された、紙や不織布、PVC、PET、PEN、非晶質コポリエステルなどといった合成樹脂などの安価で薄いシート基材(接着シート11)上に、インターポーザ4が貼付されている。
【0146】
図10に示すインターポーザ4は、ランド部2a及び2bと対向する対向ランド部7a及び7bと、独立した対向ランド部5aと、コイル状のアンテナ部3を跨ぐ位置に形成されている絶縁部6と、絶縁部6を横切るように形成されて対向ランド部7aと対向ランド部5aとを接続させるジャンパー部8と、対向ランド部5a及び7bに接続するように実装されたICチップ9とを有している。
【0147】
先ず、図11(a)に示す、少なくとも片面が剥離性を有する剥離面となっている剥離シート1を用意する。図12に示す例では、この剥離シート1は連続紙である。図11(b)に示すように、この剥離シート1の剥離面に、導電性現像剤を用いてアンテナ部3を電子写真方式により形成する。また、これと同時に、完成状態のアンテナ部3の両端部となるべき位置にランド部2a及び2bを一体的に形成する。
【0148】
次に、図12及び図13(b)に示すように、この剥離シート1の、アンテナ部3およびランド部2a及び2bが形成された剥離面に、非接触型ICメディアの基材となる接着シート11の接着面を密着させる。そして、図12及び図13(c)に示すように、接着シート11を剥離シート1から再び引き剥がし、剥離シート1の剥離面の剥離性(非接着性)と、接着シート11の接着面の接着性とにより、アンテナ部3とランド部2a及び2bとを、一体的に接着シート11の接着面に転移させる。
【0149】
以上の場合、剥離シート1や接着シート11とは別に、インターポーザ4が形成されている。このインターポーザ4は、インターポーザシート基材10上に、対向ランド部5a、7a、7bと、絶縁部6と、ジャンパー部8と、ICチップ9とが予め設けられたものである。具体的には、このインターポーザ4は、PETなどからなるインターポーザシート基材10に、ジャンパー部8と対向ランド部5a、7a、7bが形成され、絶縁インクを印刷して定着させることにより絶縁部6が形成され、対向ランド部5a及び7bに接続されるようにICチップ9が実装されたものである。
【0150】
図12及び13(d)に示すように、このインターポーザ4が、アンテナ部3とランド部2a、2b及び5aとが転移された接着シート11の接着面に貼付される。このとき、インターポーザ4と接着シート11とは、ランド部2a及び2bと対向ランド部7a及び7bとが少なくとも部分的に対向し、絶縁部6がアンテナ部3を部分的に覆うように位置合わせされて貼り合わされる。なお、図13(d)に示すようにインターポーザ4を接着シート11上に置いた状態から、ンターポーザ4を変形させつつ接着シート11に密着させることにより、両者が強固に互いに固着する。
【0151】
この様にして、インターポーザ4のICチップ9が、対向ランド部5a、ジャンパー部8、および対向ランド部7aを介して、アンテナ部3の一端のランド部2aに接続されるとともに、対向ランド部7bを介して、アンテナ部3の他端のランド部2bと接続される。こうして、接着シート11の接着面上に、アンテナ部3とランド部2a及び2bと対向ランド部5a、7a及び7bと絶縁部6とジャンパー部8とICチップ9とからなる導電回路が形成された状態となる。
【0152】
最後に、この導電回路を保護するとともに、接着面を外部に露出させないように、合成樹脂からなる保護シート(図示せず)を、接着シート11の接着面の少なくとも1部に貼付する。
【0153】
また図示しないが、例えば、ICチップ9を封止剤により封止して保護してもよい。
【0154】
なお、図12に示すように接着シート11が連続紙である場合は、適宜の長さに切断して、カード、タグ、ラベル、フォーム、葉書、封筒などとして使用できるようにする。一方、剥離シート1は、形成されたアンテナ部3およびランド部2a及び2bが接着シート11に転移して、剥離面には何も搭載されていない状態なので、続けて非接触型ICメディアを製造するために再度使用することができる。このように、剥離シート1は繰り返し何度も使用することが好ましい。
【0155】
また、インターポーザ4は、この非接触型ICメディアのためにその都度形成されるものに限られず、予め製造されている汎用のもの、場合によっては市販されているものを任意に用いることができる。
【0156】
(製造例5)
以下、製造例2〜4と同様の部分については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
【0157】
図14には、非接触型手荷物用ICタグの構成図を示す。図14(A)は非接触型手荷物用ICタグの縦側断面説明図であり、図14(B)は搭載される転写導電回路の構成図であり、そして図14(C)は保護シートの構成図である。
【0158】
図14(A)に示す非接触型手荷物用ICタグ100は、接着シート11(この例では接着シート11として情報表示シートである感熱シートを用いた。以下、この例においては感熱シート11と称す)、アンテナ部とICチップとを備える転写導電回路13および感熱シート11の接着面を覆うように保護シート14が積層されて構成される。
【0159】
感熱シート11は、ICチップに記憶された情報と関連する情報が所定の印字手段により印字されるもので、感熱シート基材21の一方面に粘着剤22が塗布され、他方面に感熱発色剤が塗布された感熱剤層23が形成されたものである。感熱シート基材21は、例えば紙、樹脂フィルムなどが使用できる。粘着剤22は、公知の粘着剤で十分であり、最終的な製品形態となったときに永久接着されるものが使用される。なお、情報表示シートとして、上記感熱剤層23を形成させないこととしてもよい。
【0160】
上記保護シート14は、感熱シート11と粘着剤22により積層されるもので、長手方向の両端の少なくとも一方における剥離部14A及び14Bが切取ライン15A及び15Bにより分離自在となっており、図14(A)及び(C)に示すように、当該剥離部14A及び14Bの一方面(転写導電回路13側)に、タグとしてループ状とさせるための上記粘着剤22の一部を表出させるための剥離剤16A及び16Bが塗布されて形成され、当該剥離剤16A及び16B部分で当該剥離部14A及び14Bが剥離自在なっている。この保護シート14は、そのシート基材として紙が経済上最も好ましいが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステルフィルムや、公知の樹脂フィルムが使用される。また、剥離部14A及び14Bに塗布される剥離剤16A及び16Bとしては、例えばシリコーン剤などのような高分子物質の剥離剤がある。
【0161】
上記転写導電回路13は、図14(B)に示すように、感熱シート11と保護シート14との間に介在され、前述したように、例えば剥離シート1上にポリマー型導電性インクにより印刷して定着したアンテナ部3にICチップ9を実装した後、剥離シート1の導電回路定着面と、感熱シート11の接着面とを重ね合わせ、定着した導電回路を感熱シート11の接着面に転移させることにより形成したものである。アンテナ部3は、一例として平面コイル状に所定数巻回させたアンテナパターンであり、その両端がランド部2a及び2bとなる。このランド部2aから内側方向のアンテナパターン上に絶縁部6が形成され、当該ランド部2aより絶縁部6上を経由してジャンパー部8が形成される。このジャンパー部8の端部がランド部5となる。
【0162】
アンテナ部3(ランド部2a及び2bを含む)、絶縁部6、ジャンパー部8、ランド部5およびICチップ9で上記転写導電回路13が構成される。アンテナパターンは、使用されるICチップや非接触型手荷物用ICタグとしての使用形態に応じて適宜設計されるものであり、ランド部5,2b間の距離がICチップ9の端子間距離に合致したり、1回のみの周回である場合などの設計されるパターンによっては絶縁部6およびランド部5を省略することができる。
【0163】
また、上記転写導電回路13は、上記アンテナ部3、ジャンパー部8およびランド部5が形成され、絶縁性部材(絶縁性インク)を用いて例えば上記同様のスクリーン印刷により絶縁部6が形成される。なお、絶縁部6の形成として、絶縁フィルムや紙類または絶縁テープ類を対応のアンテナ部3上に貼着させることとしてもよい。
【0164】
ランド部2bとランド部5と間にICチップ9が少なくとも密着状態で電気的に接続されることで実装される。密着状態とさせる方法として、各ランド部2b,5とICチップ9の端子間に異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、絶縁樹脂、両面接着テープなどを介在させる方法がある。これらを塗布する方法としては、ディスペンス法、印刷法、スプレイ法などがあるが、異方性導電ペーストや絶縁樹脂を用いる場合にはディスペンス法で塗布させることが好ましい。
【0165】
一方、ICチップ9の接続端子部分は、必要に応じて金属電解メッキ、スタッド、無電解金属メッキ、導電性樹脂の固定化などによるバンプが形成される。このICチップ9の実装の際には、必要な圧力を加えることとしてもよく、また接着テープによる実装する場合としてその材料に応じて熱、光、電磁波、超音波などのエネルギを加えることとしてもよい。また、実装後の接着部分の固定化を十分とさせるために後硬化を行ってもよい。なお、実装されたICチップ9を保護するために、当該実装部分全体または一部分をグローブトップ材やアンダーフィル材で被覆保護してもよい。
【0166】
上記のような非接触型手荷物用ICタグ100は、アンテナ部3およびICチップ9を有する転写導電回路13を感熱シート11と保護シート14との間に介在させ、長手方向の両端で剥離剤16A及び16Bが塗布された剥離部14A及び14Bを切取ライン15A及び15Bで剥離自在とさせことでループ状とするための粘着剤22を表出させる。すなわち、ループ状とさせるための粘着剤22が接着させる部分のみで表出させることとなり、取り付け対象に当該粘着剤22で付着することがなく、使用の際の利便性を向上させることができるようになる。また、転写導電回路13が感熱シート11と保護シート14とにより物理的、機械的ストレスに対して強度が増して耐久性を向上させることが可能となるものである。
【0167】
さらに、少なくともアンテナ部3を剥離シート1上に形成し、接着シートとなる感熱シート11に転写させることで作製するので、製造工程における加熱や圧力印加の工程を剥離シート上で行わせることから、感熱シート11の感熱シート基材21が加熱や圧力を考慮せずともよく、量産性、低コスト化がはかれるものである。
【0168】
なお、ICチップ9の実装を接着シートとなる感熱シート11による転写前に行わせた場合を示したが、転写後であって保護シート14の重ね合わせ前に実装してもよい。また、保護シート14の両端に剥離剤16A及び16Bが塗布された剥離部14A及び14Bを切取ライン15A及び15Bで剥離自在とさせる場合を示したが、粘着剤22の粘着力によっては、剥離剤が塗布された剥離部を長手方向の一方端のみとすることもできる。これらのことは、以下においても同様であり、そこではICチップ9の実装に替えて、インターポーザ4の実装となる。
【0169】
(製造例6)
以下、製造例2〜5と同様の部分については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
【0170】
図15(A)は非接触型手荷物用ICタグの縦側断面説明図であり、図15(B)は搭載される転写導電回路の構成図であり、図15(C)は保護シートの構成図である。そして、図15(A)及び(C)に示す構成は図14(A)及び(C)と同様である。すなわち、転写導電回路13の構成を図14と異ならせたものである。
【0171】
そこで、図16に、図15の転写導電回路およびインターポーザの説明図を示す。図15(A)及び(B)と、図16(A)とにおいて、転写導電回路13は、導電性現像剤によりアンテナ部3が形成され、ICチップ9が実装されたインターポーザ4がアンテナ部3の所定の箇所に貼着されたものである。アンテナ部3は、図16(A)に示すように、一例として平面コイル状に所定数巻回させたアンテナパターンであり、その両端がランド部2a及び2bとなる。
【0172】
上記アンテナパターンは使用されるICチップや非接触型手荷物用ICタグとしての使用形態に応じて適宜設計されるものであり、アンテナ部3のランド部2a及び2bを共通化させることでこのインターポーザ4を共通化させることができる。
【0173】
上記インターポーザ4は、図16(B)に示すように、インターポーザシート基材10上に、上記同様のポリマー型導電性インクにより導電性パターンが形成されたもので、対向ランド部7bと、ジャンパー部8で連絡された対向ランド部7aと対向ランド部5aとが絶縁状態で離隔されて形成される。この対向ランド部7b及び5a間にICチップ9が実装される。また、ジャンパー部8上には絶縁剤部6が形成される。すなわち、対向ランド部7aとアンテナ部3のランド部2aとが電気的接続され、対向ランド部7bとアンテナ部3のランド部2bとが電気的接続される。この場合、絶縁部6がインターポーザ4の導電性パターンとアンテナ部3のアンテナパターンとの短絡を防止する。
【0174】
対向ランド部7bと対向ランド部5aと間には、ICチップ9が少なくとも密着状態で電気的に接続されることで実装される。密着状態とさせる方法として、各対向ランド部7b及び5aとICチップ9の端子間に異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、絶縁樹脂、両面接着テープなどを介在させる方法がある。これらを塗布する方法としては、ディスペンス法、印刷法、スプレイ法などがあるが、異方性導電ペーストや絶縁樹脂を用いる場合にはディスペンス法で塗布させることが好ましい。
【0175】
一方、ICチップ9の接続端子部分には、バンプが形成される。このICチップ9の実装の際には、必要な圧力を加えることとしてもよく、また接着テープによる実装する場合としてその材料に応じて熱、光、電磁波、超音波などのエネルギを加えることとしてもよい。また、実装後の接着部分の固定化を十分とさせるために後硬化を行ってもよい。なお、実装されたICチップ9を保護するために、当該実装部分全体または一部分をグローブトップ材やアンダーフィル材で被覆保護してもよいことも上記と同様である。
【0176】
インターポーザ4は、インターポーザシート基材10に導電性現像剤により対向ランド部7a、b、5a、ジャンパー部8を含むパターンが形成されて導電性パターンが形成される。また、絶縁性インクによりパターン上の所定の箇所に絶縁部6が印刷されて形成されて、定着手段により定着される。そして、対向ランド部7b及び5a間に、ICチップ9が上述の何れかの手段で実装されることにより、インターポーザ4が製造されるものである。
【0177】
図17には、非接触型手荷物用ICタグの使用例を示す。図17(A)に示す非接触型手荷物用ICタグ100は、例えば空港での搭乗の際の託送荷物や乗船の際の託送荷物に取り付けられるバッゲージICタグとして上記のように作製されたものである。このような非接触型手荷物用ICタグ100は、内包される転写アンテナ回路13に記憶された手荷物に関する情報のうち、一部または全部の、例えば行き先、便数、搭乗者番号などが感熱プリンタにより感熱シート11上に印字される。そして、当該非接触型手荷物用ICタグ100より保護シート14の剥離部14A及び14Bが切取ライン15A及び15Bで分離されて剥離され、対象の手荷物の提げ手などにループ状とさせて粘着剤22同士を接着させて取り付けるものである。
【0178】
このような非接触型手荷物用ICタグ100をバッゲージICタグとして使用することで、印字された手荷物情報で当該手荷物の所有者や行き先などを特定することができ、適宜ICチップ9に記憶させたデータを読み込むことで当該手荷物の所有者や行き先などを特定することができるものである。
【0179】
バッゲージICタグで使用される際に、剥離部14A及び14Bによりループ状とさせるための粘着剤を表出させることにより、取り付け対象に当該粘着剤で付着することがなく、使用の際の利便性を向上させることができると共に、転写アンテナ回路が感熱シートと保護シートと間に介在されることにより、物理的、機械的ストレスに対して強度が増して耐久性を向上させることができる。また、このようなバッゲージICタグを、インターポーザ4を使用して作製することから、量産性の効率化、低コスト化を図ることができるものである。
【0180】
インターポーザ4に実装するICチップ9としては、前述のような非接触型ICメディアに用いることのできる公知の任意なものを用いることができ、それらに対応して対向ランド部5a、7a及び7bを任意に設計すればよい。さらに、それらに対応して、絶縁部6およびジャンパー部8、ひいてはアンテナ部3およびランド部2a及び2bが任意に設計される。インターポーザ4へのICチップ9の実装は前述のようにワイヤーボンディングをはじめとして、異方性導電フィルム、導電性インキ、絶縁樹脂、クリーム半田ボールを用いたものなど、公知の様々な方法で行える。必要であれば、公知のアンダーフィル材あるいはグローブトップ材などによる接続部およびICチップを含めた保護や補強を行っても良い。
【0181】
感熱シート11にインターポーザ4が貼付された後は、前記したように保護シートを貼り付けたり、封止剤を塗布して固化させたり、任意の形状に切断したり型抜きしたり、様々な文字や図形などを印刷記録したり、別部材を積層するなど、様々な後工程を行うことができる。
【0182】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用する。
【0183】
(実施例1−1)電子写真方式用トナー1、電子写真方式用現像剤1
スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部、更に、50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、結着樹脂を得た。
【0184】
得られた結着樹脂110質量部に、ステアリン酸1質量部、ポリプロピレン2質量部および平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子25質量部を混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出し溶融混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得た。
【0185】
この混練物をジェットミル(圧力:0.5MPa)で粉砕し、風力分級機で分級して体積平均粒子径7μmの電子写真方式用トナー1を収率50%で得た。この電子写真方式用トナー1の98.6質量部に疎水性シリカ微粒子1.4質量部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7質量部とフェノール樹脂が表面にコートされたマグネタイト粒子93質量部とを混合して、二成分系の電子写真方式用現像剤1を得た。
【0186】
得られた電子写真方式用現像剤1を用いて、PETシートに導電回路を電子写真方式により形成した。導電回路は十分な導電性を有していた。
【0187】
(実施例1−2)電子写真方式用現像剤2
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層が平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子を含んでいるものを使用し、トナーとして平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子を含まないものを作製し、平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子の現像剤に占める割合を25質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤2を調製する。
【0188】
得られた電子写真方式用現像剤2を用いて、PETシートに導電回路を形成する。導電回路は十分な導電性を有している。
【0189】
(実施例1−3)電子写真方式用現像剤3
トナーとして平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子を含まないものを作製し、平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子の現像剤に占める割合を25質量%となるよう、トナーとキャリアと平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子とを混合する以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤3を調製する。
【0190】
得られた電子写真方式用現像剤3を用いて、PETシートに導電回路を形成する。導電回路は十分な導電性を有している。
【0191】
(実施例1−4)電子写真方式用トナー4、電子写真方式用現像剤4
平均粒子径5μmの鱗片状Cu微粒子に代えてカーボンナノチューブを使用すること以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1と同様にして、電子写真方式用トナー4及び電子写真方式用現像剤4を作製する。
【0192】
得られた電子写真方式用現像剤4を用いて、PETシートに導電回路を形成する。導電回路は十分な導電性を有している。
【0193】
(実施例2−1)
電子写真方式用現像剤1を用いて、PETシートにアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成する。その後、絶縁部、ジャンパー部およびICチップを形成し、接着剤を用いてPETシートを接着し、非接触型ICフォームを簡単に製造する。
【0194】
(実施例2−2)
活性化温度が現像剤の定着温度より高い感熱タック紙をシートとして用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。その後、絶縁部、ジャンパー部およびICチップを形成し、感熱タックシートからなる非接触型ICラベルを製造した。
【0195】
これを葉書やビジネスフォームに貼付することにより、データの送受信や記憶および消去が可能な非接触型ICフォームを簡単に製造できる。
【0196】
(実施例2−3)
剥離シートとしてリンテック社製SP−8Kアオ(商品名)の表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。その後、絶縁部、ジャンパー部およびICチップを形成した。そして、接着シートとして感熱タック紙である王子製紙社製T5−2EX(商品名)を用い、これを剥離シートに貼り合わせ、40℃の温度でゴムローラー(図示せず)により加圧し、剥離シートから接着シートへの導電回路を転写し、感熱タックシートからなる非接触型ICラベルを製造した。
【0197】
これを葉書やビジネスフォームに貼付することにより、データの送受信や記憶および消去が可能な非接触型ICフォームを簡単に製造できる。
【0198】
(実施例2−4)
剥離シートとして帝人・デュポンフィルム社製テトロンA−31(商品名)の表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。その後、絶縁部、ジャンパー部およびICチップを形成した。そして、接着シートとして生分解性プラスチックフィルムであるユニチカ社製ポリ乳酸フィルム及びホットメルト接着剤(東亞合成社製 PES111EE(商品名))を用い、120℃に加熱しながら剥離シートに貼り合わせ、剥離シートから接着シートへ導電回路を転写した。さらに、この接着シートに、同じ生分解性フィルムを保護シートとして貼り合わせ、カードやタグとして使用される非接触型ICカード・タグを製造した。
【0199】
(実施例2−5)
剥離シートとしてポリイミドフィルムの表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。その後、絶縁部、ジャンパー部およびICチップを形成した。そして、接着シートとしてPETフィルムである東レ社製E−20(商品名)及びホットメルト接着剤(東亞合成社製 PES111EEW(商品名))を用い、120℃に加熱しながら剥離シートに貼り合わせ、剥離シートから接着シートへ導電回路を転写した。さらに、この接着シートに、同じPETフィルムを保護シートとして貼り合わせ、カードやタグとして使用される非接触型ICカード・タグを製造した。
【0200】
(実施例2−6)
剥離シートとしてポリイミドフィルムの表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。その後、絶縁部、ジャンパー部およびICチップを形成した。そして、接着シートとしてPVCフィルムである三菱樹脂社製ビニホイル(商品名)からなる両面テープを用い、これを剥離シートに貼り合わせ、40℃の温度でゴムローラーにより加圧し、剥離シートから接着シートへ導電回路を転写した。さらに、この接着シートに、同じPVCフィルムを保護シートとして貼り合わせ、カードやタグとして使用される非接触型ICカード・タグを製造した。
【0201】
(実施例2−7)
剥離シートとしてリンテック社製SP−8Kアオ(商品名)の表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。そして、接着シートとしてタック紙を用い、これを剥離シートに貼り合わせて40℃の温度でゴムローラーにより加圧し、その後、両者を引き剥がし、剥離シートから接着シートへアンテナ部およびランド部を転写した。
【0202】
引続き、PET製のインターポーザシート基材に、対向ランド部と、絶縁部と、ジャンパー部と、ICチップ(温度230℃、圧力0.4MPaの条件下で2分間かけてインターポーザシート基材に実装されたもの)が予め設けられているインターポーザを、接着シートの接着面に貼り付けて、感熱タックシートからなる非接触型ICラベルを製造した。
【0203】
これを葉書やビジネスフォームに貼付することにより、データの送受信や記憶および消去が可能な非接触型ICフォームを簡単に製造できる。
【0204】
(実施例2−8)
剥離シートとして帝人・デュポンフィルム社製テトロンA−31(商品名)の表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。そして、接着シートとして上質紙(商品名:金菱、三菱製紙社製)およびデイレードタック型接着剤(商品名:TM1、ダイセル化学工業社製)を用い、150℃に加熱しながら剥離シートに貼り合わせ、その後、両者を引き剥がし、剥離シートから接着シートへのアンテナ部およびランド部を転写した。
【0205】
引続き、PET製のインターポーザシート基材に、対向ランド部、絶縁部、ジャンパー部およびICチップ(温度230℃、圧力0.4MPaの条件下で2分間かけてインターポーザシート基材に実装されたもの)が予め設けられているインターポーザを、接着シートの接着面に貼り付けた。さらに、この接着シートに、保護シートを貼り合わせ、カードやタグとして使用される非接触型ICカード・タグを製造した。
【0206】
(実施例2−9)
剥離シートとしてPETフィルムの表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。そして、接着シートとしてPETフィルムである東レ社製E−20(商品名)およびホットメルト接着剤(東亞合成社製PES111EEW(商品名))を用い、120℃に加熱しながら剥離シートに貼り合わせ、その後、両者を引き剥がし、剥離シートから接着シートへのアンテナ部およびランド部を転写した。
【0207】
引続き、PETからなるインターポーザシート基材に、対向ランド部、絶縁部、ジャンパー部およびICチップ(温度230℃、圧力0.4MPaの条件下で2分間かけてインターポーザシート基材に実装されたもの)が予め設けられているインターポーザを、120℃で0.4MPaの条件下で接着シートの接着面に貼り付けた。さらに、この接着シートに、同じPETフィルムを保護シートとして貼り合わせ、カードやタグとして使用される非接触型ICカード・タグを製造した。
【0208】
(実施例2−10)
剥離シートとしてポリイミドフィルムの表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。そして、接着シートとしてPETフィルムである東レ社製E−20(商品名)およびホットメルト接着剤(東亞合成社製PES111EEW(商品名))を用い、120℃に加熱しながら剥離シートに貼り合わせ、その後、両者を引き剥がし、剥離シートから接着シートへのアンテナ部およびランド部を転写した。
【0209】
引続き、PETからなるインターポーザシート基材に、対向ランド部、絶縁部、ジャンパー部およびICチップ(温度230℃、圧力0.4MPaの条件下で2分間かけてインターポーザシート基材に実装されたもの)が予め設けられているインターポーザを、120℃で0.4MPaの条件下で接着シートの接着面に貼り付けた。さらに、この接着シートに、同じPETフィルムを保護シートとして貼り合わせ、カードやタグとして使用される非接触型ICカード・タグを製造した。
【0210】
(実施例2−11)
剥離シートとして紙の表面を剥離加工したものを用い、電子写真方式用現像剤1を用いてアンテナ部およびランド部を電子写真方式により形成した。そして、接着シートとして非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)フィルム及びホットメルト接着剤(東亞合成社製PES111EEW(商品名))を用い、120℃に加熱しながら剥離シートに貼り合わせ、その後両者を引き剥がし、剥離シートから接着シートへアンテナ部およびランド部を転写した。
【0211】
引続き、PET製のインターポーザシート基材に、対向ランド部、絶縁部、ジャンパー部およびICチップ(温度230℃、圧力0.4MPaの条件下で2分間かけてインターポーザシート基材に実装されたもの)が予め形成されているインターポーザを、120℃で0.4MPaの条件下で接着シートの接着面に貼り付けた。さらに、この接着シートに、同じPET−Gフィルムを、保護シートして多段プレスを用いて貼り合わせ、カードやタグとして使用される非接触型ICカード・タグを製造した。
【0212】
【発明の効果】
導電剤を含むトナー及び現像剤を用いれば、印刷に代わり電子写真方式を使用して、導電回路をオンデマンド作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は非接触型ICメディアの平面説明図、(b)は、そのICチップ、絶縁部及びジャンパー部を通る断面説明図である。
【図2】非接触型ICメディアの製造方法の前半の工程を示す平面説明図である。
【図3】非接触型ICメディアの製造方法を示す概略図である。
【図4】非接触型ICメディアの製造方法の後半の工程を示す、ICチップおよびアンテナ部を通る断面説明図である。
【図5】非接触型ICメディアの製造方法の前半の工程を示す平面説明図である。
【図6】非接触型ICメディアの製造方法の後半の工程を示す、ICチップおよびアンテナ部を通る断面説明図である。
【図7】(a)は非接触型ICメディアの平面説明図、(b)は、そのICチップ、絶縁部およびジャンパー部を通る断面説明図である。
【図8】非接触型ICメディアの製造方法を示す概略図である。
【図9】(a)は非接触型ICメディアの平面説明図、(b)は、その側面断面説明図である。
【図10】非接触型ICメディアのインターポーザの平面説明図である。
【図11】非接触型ICメディアの製造方法の前半の工程を示す平面説明図である。
【図12】非接触型ICメディアの製造方法を示す概略図である。
【図13】非接触型ICメディアの製造方法の後半の工程を示す概略側面図である。
【図14】非接触型手荷物用ICタグの構成図である。
【図15】非接触型手荷物用ICタグの構成図である。
【図16】導電回路およびインターポーザの説明図である。
【図17】非接触型手荷物用ICタグの使用例の説明図である。
【符号の説明】
1   剥離シート
2a  ランド部
2b  ランド部
3   アンテナ部
4   インターポーザ
5   ランド部
5a  対向ランド部
6   絶縁部
7a  対向ランド部
7b  対向ランド部
8   ジャンパー部
9   ICチップ
10   インターポーザのシート基材
11   接着シート
12   ICチップ
13   転写導電回路
14   保護シート
15   切取ライン
16   剥離剤
21   シート基材
22   粘着剤
23   層
100   非接触型手荷物用ICタグ

Claims (8)

  1. 導電性を有する画像を電子写真方式で形成するために使用され、導電剤を含むトナー。
  2. 前記導電剤は、カーボンナノチューブ、金属ナノコロイド及びITO超微粒子からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1記載の導電性トナー。
  3. 前記導電剤は導電性金属微粒子を含み、該導電性金属微粒子は鱗片状の導電性金属微粒子および複数の放射状突起部を有する導電性金属微粒子の少なくとも何れか一方を含む請求項1又は2記載の導電性トナー。
  4. 導電性を有する画像を電子写真方式で形成するために使用され、トナー及び導電剤を含む導電性現像剤。
  5. 請求項1乃至3何れかに記載の導電性トナーを含む導電性現像剤、又は請求項4記載の導電性現像剤を用いて電子写真方式により導電回路が形成されたシートを具備するメディア。
  6. 請求項1乃至3何れかに記載の導電性トナーを含む導電性現像剤、又は請求項4記載の導電性現像剤を用いて電子写真方式により形成された導電回路が転写された接着シートを具備するメディア。
  7. 請求項1乃至3何れかに記載の導電性トナーを含む導電性現像剤、又は請求項4記載の導電性現像剤を用いて電子写真方式によりシートに導電回路を作製する工程と、
    該シートを接着する工程と
    を含むメディアの製造方法。
  8. 請求項1乃至3何れかに記載の導電性トナーを含む導電性現像剤、又は請求項4記載の導電性現像剤を用いて電子写真方式により剥離シートに導電回路を作製する工程と、
    該剥離シートの該導電回路が形成されている面と、接着シートの接着面とを重ね合わせ、該導電回路を該接着面に転写する工程と
    を含むメディアの製造方法。
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WO2009080087A1 (en) * 2007-12-22 2009-07-02 Eastman Kodak Company A method for producing an antenna structure for an rfid device, and a dry toner for use in producing such antenna structure
EP2187266A1 (en) * 2008-11-17 2010-05-19 Xerox Corporation Toners including carbon nanotubes dispersed in a polymer matrix

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