JP2004093576A - 磁気センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 単一チップ上に、互いに交差する向きの固定磁化軸を有するピンド層を備えた複数の磁気抵抗効果素子を形成すること。
【解決手段】 基板10上には磁気抵抗効果素子として二つの磁気トンネル効果素子11,21となる磁性層が形成され、同磁性層を平面視において挟むようにNiCоからなる磁場印加用磁性層が形成される。そして、磁場印加用磁性層に対し磁場を印加し、同磁場印加用磁性層を矢印Aにより示した方向に磁化した後、同磁場を除去する。この結果、磁気トンネル効果素子11,21となる磁性層には磁場印加用磁性層の残留磁化により矢印Bにより示した方向の磁場が印加され、同磁気トンネル効果素子11,21となる磁性層のピンド層の磁化が同矢印Bにより示した向きにピンされる。
【選択図】 図13

Description

 本発明は、ピンド層とフリー層とを含んでなる磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサに関し、特に、前記ピンド層の磁化の向きが互いに交差する二以上の磁気抵抗効果素子を単一チップ上に有する磁気センサに関する。
 従来から、磁気センサに使用され得る素子として、巨大磁気抵抗素子(GMR素子)、及び磁気トンネル効果素子(TMR素子)等が知られている。これらの磁気抵抗効果素子は、磁化の向きが所定の向きにピン(固定)されたピンド層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化するフリー層とを備えていて、ピンド層の磁化の向きとフリー層の磁化の向きの相対関係に応じた抵抗値を呈する(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−70325号公報
 しかしながら、ピンド層の磁化の向きが互いに交差する二以上の磁気抵抗効果素子を微小な単一チップ上に形成することは困難であり、そのような単一チップは提案されておらず、従って、磁気抵抗効果素子を用いた単一チップからなる磁気センサは、ピンド層の磁化の向きの制約のために、その応用範囲を広くできないという問題があった。
 本発明の特徴は、ピンド層とフリー層とを含み同ピンド層の磁化の向きと同フリー層の磁化の向きがなす相対角度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサであって、前記磁気抵抗効果素子を単一チップ上に複数個備えるとともに、同複数の磁気抵抗効果素子のうち少なくとも二つの磁気抵抗効果素子のピンド層の磁化の向きが互いに交差するように形成されてなることにある。
 本発明の他の特徴は、ピンド層とフリー層とを含み同ピンド層の磁化の向きと同フリー層の磁化の向きがなす相対角度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサであって、一つの基板が切断されることにより形成された単一チップ上に前記磁気抵抗効果素子を複数個備えるとともに、同複数の磁気抵抗効果素子のうち少なくとも二つの磁気抵抗効果素子のピンド層の磁化の向きが互いに交差するように形成されてなることにある。
 このように、本発明の磁気センサによれば、ピンド層の磁化の向きが互いに交差する磁気抵抗効果素子が同一チップ上に形成されているので、小型で且つ応用範囲の広い磁気センサが提供される。
 この場合、前記単一チップに前記複数の磁気抵抗効果素子に磁界を付与するためのコイルが埋設されていてもよい。また、前記単一チップに前記複数の磁気抵抗効果素子を接続する配線が形成されていてもよい。更に、前記単一チップの上に複数のパッドが設けられるとともに同単一チップに前記複数の磁気抵抗効果素子と同複数のパッドとを接続する配線が形成されていてもよい。
 以下、本発明による磁気センサの各実施形態について図面を参照しながら説明する。第1実施形態に係る磁気センサは、平面図である図1に示したように、例えばSiO2/Si、ガラス又は石英からなる略正方形状の基板10と、二つの磁気トンネル効果素子(群)11,21と、バイアス磁界用のコイル30と、複数の電極パッド40a〜40fとを備えている。磁気トンネル効果素子(群)11,21、及びバイアス磁界用のコイル30は、それぞれ電極パッド40a,40b、40c,40d、及び40e,40fに接続されている。磁気トンネル効果素子(群)11と磁気トンネル効果素子(群)21は構造上同一であるので、以下においては、磁気トンネル効果素子(群)11を代表例として説明し、磁気トンネル効果素子(群)21についての説明を省略する。
 磁気トンネル効果素子(群)11は、拡大平面図である図2に示したように、直列接続された複数の(この例では、20個)の磁気トンネル効果素子からなっている。各磁気トンネル効果素子は、図2の1−1平面に沿った部分断面図である図3に示したように、基板10の上に平面形状を長方形状にした複数の下部電極12を備えている。下部電極12は、横方向に所定の間隔を隔てて一列に配置されていて、導電性非磁性金属材料であるTa(Cr,Tiでも良い。)により膜厚30nm程度に形成されている。各下部電極12の上には、同下部電極12と同一平面形状に形成され、膜厚30nm程度のPtMnからなる反強磁性膜13がそれぞれ積層されている。
 各反強磁性膜13の上には、膜厚20nm程度のNiFeからなる一対の強磁性膜14,14が間隔を隔てて積層されている。この強磁性膜14,14は、平面視において長方形状を有し、各長辺が平行に対向されるように配置されていて、反強磁性膜13により磁化の向きがピンされたピンド層を構成するものであり、部分拡大平面図である図4の矢印方向(右向き)に磁化されている。なお、反強磁性膜13と強磁性膜(ピンド層)14は、磁化の向きが実質的に固定された(固定磁化軸を有する)固定磁化層を構成している。
 各強磁性膜14の上には、同強磁性膜14と同一平面形状を有する絶縁層15が形成されている。この絶縁層15は、絶縁材料であるAl2O3(Al−O)からなり、その膜厚は1nm程度となるように形成されている。
 絶縁層15の上には、同絶縁層15と同一平面形状を有し、膜厚80nm程度のNiFeからなる強磁性膜16が形成されている。この強磁性膜16は、その磁化の向きが外部磁界の向きに応じて変化するフリー層(自由磁化層)を構成し、前記強磁性膜14からなるピンド層と前記絶縁層15とともに磁気トンネル接合構造を形成している。即ち、反強磁性膜13、強磁性膜14、絶縁層15、及び強磁性膜16により、一つの磁気トンネル効果素子(電極等を除く)が構成される。
 各強磁性膜16の上には、同各強磁性膜16と同一平面形状のダミー膜17がそれぞれ形成されている。このダミー膜17は、膜厚40nm程度のTa膜からなる導電性非磁性金属材料により構成されている。
 基板10、下部電極12、反強磁性膜13、強磁性膜14、絶縁層15、強磁性膜16、及びダミー膜17を覆う領域には、複数の下部電極12及び反強磁性膜13をそれぞれ絶縁分離するとともに、各反強磁性膜13上に設けた一対の強磁性膜14、絶縁層15、強磁性膜16及びダミー膜17をそれぞれ絶縁分離するための層間絶縁層18が設けられている。層間絶縁層18はSiO2からなり、その膜厚は250nm程度である。
 この層間絶縁層18には、各ダミー膜17上にてコンタクトホール18aがそれぞれ形成されている。このコンタクトホール18aを埋設するとともに、異なる下部電極12(及び反強磁性膜13)上に設けた一対のダミー膜17,17の各一方間を互いに電気的に接続するように、例えば膜厚300nmのAlからなる上部電極19,19がそれぞれ形成されている。このように、下部電極12及び反強磁性膜13と、上部電極19とにより、隣り合う一対の磁気トンネル接合構造の各強磁性膜16,16(各ダミー膜17,17)と各反強磁性膜13,13とをそれぞれ交互に順次電気的に接続することで、ピンド層の磁化の向きが同一であって、且つ、複数の磁気トンネル接合構造を直列に接続した磁気トンネル効果素子(群)11が形成される。なお、上部電極19,19の上には図示を省略したSiO及びSiNからなる保護膜が形成されている。
 コイル30は、上記磁気トンネル効果素子(群)11,21に交流のバイアス磁界を付与するためのものであって、磁気トンネル効果素子(群)11,21の下方を同磁気トンネル効果素子(群)11,21のピンド層の磁化の向きと平行な向きに延びるように、基板10の上部内に埋設されている。
 次に、上記磁気トンネル効果素子の製造方法について図5〜図17を参照しながら説明する。なお、図5〜図12及び図14〜図17においては、説明のため、4個の磁気トンネル効果素子が直列接続されてなる磁気トンネル効果素子群が示されている。また、これらの図においてはコイル30が省略されている。
 先ず、図5に示したように、基板10(この段階では、後のダイシングにより複数の磁気センサが得られる一枚の基板である。)の上に下部電極12を構成するTaからなる膜を膜厚30nm程度にスパッタリングにより形成し、次いで固定磁化層の反強磁性膜13及び強磁性膜(ピンド層)14を構成するためのPtMnからなる膜及びNiFeからなる膜を、それぞれ膜厚が30nm及び20nmとなるようにスパッタリングにより形成する。ここでは、下部電極12、反強磁性膜13となるPtMn膜、及び強磁性膜14となるFeNi膜を下磁性層SJと称呼する。
 その後、Alを1nmだけ積層し、酸素ガスによってこれを酸化させて絶縁層15となるAl2O3(Al−O)からなる膜を形成する。次いで、フリー層の強磁性膜16を構成するNiFeからなる膜を例えばスパッタリングにより膜厚が80nmとなるように形成し、その上にダミー膜17を構成するTaからなる膜を膜厚が40nmとなるように形成する。ここでは、強磁性膜16及びダミー膜17を上磁性層UJと称呼する。次いで、イオンミリング等により図6に示したように上磁化層UJを加工して分離し、図7に示したように下磁性層SJを加工して分離する。
 次に、図8に示したように、層間絶縁層18を構成するSiO2からなる膜を膜厚が素子上で250nmとなるようにスパッタリングによって形成し、その上にメッキ下地膜としてCrからなる膜及びNiFeからなる膜をそれぞれの膜厚が100nmおよび50nmとなるようにスパッタリングにより形成する。次に、図9に示したようにレジスト51を塗布する。レジスト51は後にメッキを行う部分を覆わないように、所定の形状にパターニングされる。
 次いで、図10に示したように、磁場印加用磁性層としてNiCoをメッキする。このNiCоの厚さは、例えば10μmとする。そして、図11に示したようにレジストを除去した後、図12に示したように全面に対するミリング(Arミリング)により、メッキ下地膜として形成したNiFeを除去する。
 図13は、かかる状態のウエハの平面図である。なお、図13においては、後のダイシングにより分割される基板の各々に便宜上符号10を付している。図13に示したように、先のレジストのパターニングにより、磁場印加用磁性層(NiCо)は個々が略正方形状であって、その中心が隣り合う4個の後に個々に分割される基板10の中心上となるように形成され、縦方向及び横方向において磁気トンネル効果素子(群)11,21の直上部を除くように(即ち、平面視において、ピンド層となる磁性層を含む下磁性層SJ(ピン層となる磁性層)が形成された磁気トンネル効果素子(群)11,21となる層を挟むように)配設される。この状態で、各磁場印加用磁性層のなす正方形の対角線に平行な方向に約1000(Oe)の強さの磁場を与え、同磁場印加用磁性層を図13の矢印Aにて示した向きに磁化(着磁)させる。
 次いで、上記磁場を除去する。このとき、磁場印加用磁性層の残留磁化により、図13の矢印Bにて示したように、各磁場印加用磁性層の上辺から隣接する磁場印加用磁性層の下辺に向う磁場と、同各磁場印加用磁性層の右辺から隣接する磁場印加用磁性層の左辺に向う磁場が生じる。このため、磁気トンネル効果素子(群)11,21となる部分には、同部分の長手方向に平行な磁場が印加される。そして、PtMnからなる反強磁性膜13を規則合金化するとともに交換結合磁界Hexを付与するため、ウエハを高温環境下に置く高温アニ−ル処理を施す。この結果、同一基板10の上に形成される磁気トンネル効果素子(群)11,21が、互いに異なる向き(この場合には、互いに直交する向き)に磁化された(ピンされた)ピンド層を有するようになる。即ち、各磁気トンネル効果素子(群)11,21は、図1に矢印にて示した方向の磁化固定軸を有するようになる。
 次いで、図14に示したように、メッキ膜であるNiCo及びスパッタされた(メッキ下地膜の)NiFeを酸により除去し、図15に示したようにミリングによってCrを除去する。その後、図16に示したようにコンタクトホール18aを層間絶縁層18に形成し、図17に示したようにAl膜をその膜厚が300nmとなるようにスパッタリングにより形成し、これを配線形状に加工して上部電極19を形成する。
 そして、基板10の上に図1に示した電極パッド40a〜40fを形成して、同電極パッド40a〜40fを磁気トンネル効果素子(群)11,21、及びコイル30とそれぞれ接続する。最後に、CVDにより150nmの膜厚を有するSiOからなる膜(図示省略)、及び1000nmの膜厚を有するSiNからなる膜(図示省略)を保護膜(パッシベーション膜)として形成する。この後、保護膜の一部をミリング、RIE、又はレジストマスクを用いたエッチングにより開孔し、電極パッド40a〜40fを露出させる。次いで、基板のバックグラウンド(研削して薄くする)を行い、ダイシングにより個々の磁気センサに分離し、最後にパッケージングを行う。
 このように製造された図1に示した磁気トンネル効果素子(群)11に対し、図1のX軸方向と同X軸に直交するY軸方向のそれぞれの軸に沿って大きさが変化する外部磁界を与え、そのときの抵抗変化率MR(MR比)を測定した。その結果を図18及び図19に示す。図18及び図19から明らかなように、磁気トンネル効果素子(群)11のMR比は、X軸方向に変化する外部磁界に対する方が、Y軸方向に変化する外部磁界に対するよりも大きく変化した。これにより、磁気トンネル効果素子(群)11は、そのピンド層の磁化の向きがX軸に平行となっていることが確認された。
 同様に、図1に示した磁気トンネル効果素子(群)21に対し、X軸方向とY軸方向のそれぞれの軸に沿って大きさが変化する外部磁界を与え、そのときの抵抗変化率MR(MR比)を測定した。その結果を図20及び図21に示す。図20及び図21から明らかなように、磁気トンネル効果素子(群)21のMR比は、Y軸方向に変化する外部磁界に対する方が、X軸方向に変化する外部磁界に対するよりも大きく変化した。これにより、磁気トンネル効果素子(群)21は、そのピンド層の磁化の向きがY軸に平行となっていることが確認された。即ち、この磁気センサは、同一基板10上に磁化の向きが互いに異なるように(磁化の向きが互いに交差するように)ピンされたピンド層を有する二つの磁気トンネル効果素子(磁気抵抗効果素子)を有していることが確認された。
 次に、第2実施形態に係る磁気センサについて説明すると、第2実施形態は、第1実施形態の固定磁化層がPtMnとNiFeとから構成されていたのに対し、第2実施形態の固定磁化層が膜厚が30nmのMnRhからなる膜と膜厚が40nmのNiFe(ピンド層)からなる膜とにより構成されている点においてのみ同第1実施形態と異なる。一方、この固定磁化層の材質の相違により、第2実施形態の製造方法は第1実施形態のそれと若干だけ異なるので、以下に説明する。
 即ち、第2実施形態においては、図22に示したように、基板10の上に30nmの膜厚を有するTaからなる膜、30nmの膜厚を有するMnRhからなる膜、及び40nmの膜厚を有するNiFeからなる膜をスパッタリングにより形成し下磁性層SJを形成する。次いで1nmのAlを成膜してこれを酸化し、絶縁層15を形成する。その上に40nmの膜厚を有するNiFeからなる膜及び40nmの膜厚を有するTaからなる膜を形成して上磁性層UJを形成する。
 次いで、図23に示したように上磁化層UJを加工して分離し、図24に示したように下磁性層SJを加工して分離する。次に、図25に示したように、SiO2をその膜厚が250nmとなるようにスパッタリングして層間絶縁層18を形成し、続いて図26に示したように同層間絶縁層18にコンタクトホール18aを形成する。次いで、図27に示したようにAlをその膜厚が300nmとなるようにスパッタリングし、これを配線形状に加工して上部電極19を形成する。そして、図28に示したようにSiO及びSiNからなる保護膜20をCVDにより形成する。
 次に、図29に示したように、メッキ下地膜としてCrからなる膜及びNiFeからなる膜をそれぞれの膜厚が100nmおよび50nmとなるようにスパッタリングにより形成し、続いて図30に示したようにレジスト51を塗布する。レジスト51は後にメッキを行う部分を覆わないように、所定の形状にパターニングされる。
 次いで、図31に示したように、磁場印加用磁性層としてNiCoをメッキする。このNiCоの厚さは、例えば10μmとする。そして、図32に示したようにレジストを除去した後、図33に示したように全面に対するミリング(Arミリング)により、メッキ下地膜として形成したNiFeを除去する。この時点で、図13に示した状態となるので、各磁場印加用磁性層のなす正方形の対角線に平行な方向に約1000(Oe)の強さの磁場を与え、同磁場印加用磁性層を図13の矢印Aにて示した向きに磁化(着磁)させ、その後、同磁場を除去する。
 このとき、後に各磁気トンネル効果素子(群)11´,21´となる部分には、NiCоの残留磁化により、同部分の長手方向に平行な磁場が印加されることになる。そして、ウエハを高温環境下に置く高温アニ−ル処理を施す。この結果、同一基板10´上に形成される磁気トンネル効果素子(群)11´,21´が、互いに異なる向き(この場合には、互いに直交する向き)に磁化された(ピンされた)ピンド層を有することになる。高温アニール処理が終了した後は、図34に示したように酸によってメッキ膜NiCо及びメッキ下地膜のNiFeを除去し、図35に示したようにミリングによってメッキ下地膜Crを除去する。その後は、第1実施形態と同様の処理を施す。
 このように製造された図1に示した磁気トンネル効果素子(群)11´に対し、X軸方向とY軸方向のそれぞれの軸に沿って大きさが変化する外部磁界を与え、そのときの抵抗変化率MR(MR比)を測定した。その結果を図36及び図37に示す。図36及び図37から明らかなように、磁気トンネル効果素子(群)11´のMR比は、X軸方向に変化する外部磁界に対する方が、Y軸方向に変化する外部磁界に対するよりも大きく変化した。これにより、磁気トンネル効果素子(群)11´は、そのピンド層の磁化の向きがX軸に平行となっていることが確認された。
 同様に、図1に示した磁気トンネル効果素子(群)21´に対し、X軸方向とY軸方向のそれぞれの軸に沿って大きさが変化する外部磁界を与え、そのときの抵抗変化率MR(MR比)を測定した。その結果を図38及び図39に示す。図38及び図39から明らかなように、磁気トンネル効果素子(群)21´のMR比は、Y軸方向に変化する外部磁界に対する方が、X軸方向に変化する外部磁界に対するよりも大きく変化した。これにより、磁気トンネル効果素子(群)21´は、そのピンド層の磁化の向きがY軸に平行となっていることが確認された。即ち、この第2実施形態に係る磁気センサは、同一基板10´上に磁化の向きが互いに交差する(異なる)ようにピンされたピンド層を有する二つの磁気トンネル効果素子(磁気抵抗効果素子)を有していることが確認された。
 以上、説明したように、第1,第2実施形態の磁気センサはピンド層の磁化の向きが互いに交差する(少なくとも二つのピンド層の磁化の向きのなす角度が0°、及び180°以外の角度である)磁気トンネル効果素子を同一基板上(単一チップ上)に有している。このため、異なる向きの磁界を検出する必要がある小型磁気センサ(例えば、地磁気センサ等)として用いることができる。また、上記各実施形態の製造方法によれば、このようなセンサを容易に製造することができる。
 なお、第1実施形態では固定磁化層のピン層にPtMnを使用しているが、PtMnは最初に高温とするタイミングでピンド層をピンさせる必要があるため、保護膜形成のためのCVD等の高温処理がなされる前の段階で高温アニール処理を行う。これに対し、第2実施形態では固定磁化層のピン層にMnRhを使用していて、MnRhの膜質は高温アニール処理後に他の高温処理があると劣化する。そこで、第2実施形態においては、高温アニール処理を保護膜形成のためのCVD等の高温処理後に行うこととした。
 また、上記第1,第2実施形態の製造方法によれば、検出しようとする外部磁界に対して偶関数特性を示す磁気トンネル効果素子(群)を得ることができる。即ち、磁気トンネル効果素子群11,21,11´,21´に対してピンド層の磁化の向きと直交する方向内で大きさが変化する磁界を付与すると、同ピンド層の磁化は図40のラインLPにより示したように滑らかに変化する。一方、これらの素子のフリー層は、形状異方性により前記外部磁界の向きに敏感に反応し、図40のラインLFにより示したように外部磁界の大きさが「0」近傍となるとステップ的に変化する。この結果、ピンド層の磁化の向きとフリー層の磁化の向きの相対角度は、外部磁界が「0」のとき最大(略90°)となり、外部磁界の大きさ(絶対値)が大きくなるほど減少する。このことは、図19、図20、図37、及び図38により確認できる。
 更に、図13からも明らかなように、各磁場印加磁性層であるメッキ膜(NiCо)を同図13中矢印Aで示す一定の方向に磁化させた場合、同各メッキ膜の残留磁化により同各メッキ膜間に発生する磁場の向きは同メッキ膜の磁化の向きとは異なり、同図中矢印Bで示したように同メッキ膜Mの端面に垂直な向きとなる。従って、例えば、図41に示したようにメッキ膜Mの端面形状を設計し同メッキ膜を矢印Cの向きに磁化すれば、ウエハ上の適宜の箇所に局所的に所望の向き(矢印Dにて示す向き)を有する磁場を発生させることができるので、これを利用して単一基板上に所望の向きの固定磁化軸を有する磁気トンネル効果素子(単一チップ上でピンド層の磁化の向きが互いに交差する磁気トンネル効果素子)TMR1,TMR2を製造することが可能となる。
 次に、本発明の第3実施形態に係る磁気センサについて説明すると、上記第1,第2実施形態の磁気センサはTMR素子により構成されていたのに対し、第3実施形態の磁気センサはGMR素子により構成されている。また、この磁気センサは、X軸方向の磁界を検出するX軸磁気センサと、前記X軸に直交するY軸方向の磁界を検出するY軸磁気センサとを備えている。
 より具体的に述べると、この磁気センサ60は、図42に示したように、平面視で互いに直交するX軸、及びY軸に沿った辺を有する長方形状(略正方形状)であって、X軸、及びY軸に直交するZ軸方向に小さな厚みを有する石英ガラスからなる単一のチップ(同一基板)60aと、同チップ60aの上に形成された合計で8個のGMR素子61〜64,71〜74と、同チップ60aの上に形成された合計で8個のパッド65〜68,75〜78、及び各パッドと各素子とを接続する接続線を含んでいる。
 第1X軸GMR素子61は、チップ60aのY軸方向略中央部下方でX軸負方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはX軸負方向となっている。第2X軸GMR素子62は、チップ60aのY軸方向略中央部上方でX軸負方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはX軸負方向となっている。第3X軸GMR素子63は、チップ60aのY軸方向略中央部上方でX軸正方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはX軸正方向となっている。第4X軸GMR素子64は、チップ60aのY軸方向略中央部下方でX軸正方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはX軸正方向となっている。
 第1Y軸GMR素子71は、チップ60aのX軸方向略中央部左方でY軸正方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはY軸正方向となっている。第2Y軸GMR素子72は、チップ60aのX軸方向略中央部右方でY軸正方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはY軸正方向となっている。第3Y軸GMR素子73は、チップ60aのX軸方向略中央部右方でY軸負方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはY軸負方向となっている。第4Y軸GMR素子74は、チップ60aのX軸方向略中央部左方でY軸負方向端部近傍に形成されていて、図42の矢印にて示したように、ピンド層のピンされた磁化の向きはY軸負方向となっている。
 各GMR素子61〜64,71〜74は、チップ60aにおける配置(チップ60aに対するピンド層のピンされた磁化の向き)が異なる点を除き、互いに実質的に同一の構造を備えている。従って、以下、第1X軸GMR素子61を代表例として、その構造について説明する。
 第1X軸GMR素子61は、平面図である図43、及び、図43の2−2線に沿った平面にて第1X軸GMR素子61を切断した概略断面図である図44に示したように、スピンバルブ膜SVからなりY軸方向に長手方向を有する複数の幅狭帯状部61a…61aと、各幅狭帯状部61aのY軸方向両端部の下方に形成されたCoCrPt等の硬質強磁性体であって、高保磁力、高角型比を有する材質からなるバイアス磁石膜(硬質強磁性体薄膜層)61b…61bとを備えている。各幅狭帯状部61a…61aは、各バイアス磁石膜61bの上面にてX軸方向に伸びて隣接する幅狭帯状部61aと接合している。
 第1X軸GMR素子61のスピンバルブ膜SVは、図45に膜構成を示したように、基板であるチップ60aの上に順に積層されたフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.4nm(24Å)のCuからなる導電性のスペーサ層S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び膜厚が2.5nm(25Å)のチタン(Ti)又はタンタル(Ta)からなるキャッピング層Cからなっている。
 フリー層Fは、外部磁界の向きに応じて磁化の向きが変化する層であり、基板60aの直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層61−1と、CoZrNbアモルファス磁性層61−1の上に形成された膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層61−2と、NiFe磁性層61−2の上に形成された1〜3nm(10〜30Å)程度の膜厚のCoFe層61−3とからなっている。CoZrNbアモルファス磁性層61−1とNiFe磁性層61−2は軟質強磁性体薄膜層を構成している。CoFe層61−3はNiFe層61−2のNi、及びスペーサ層SのCu61−4の拡散を防止するものである。なお、前述したバイアス磁石膜61b…61bは、フリー層Fの一軸異方性を維持するため、同フリー層Fに対してY軸方向(図43の矢印にて示した左右方向)にバイアス磁界を与えている。
 ピン層Pは、膜厚が2.2nm(22Å)のCoFe磁性層61−5と、Ptを45〜55mol%含むPtMn合金から形成した膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜61−6とを重ね合わせたものである。CoFe磁性層61−5は、着磁(磁化)された反強磁性膜61−6に交換結合的に裏打されることにより磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向にピン(固着)されるピンド層を構成している。
 このように構成された第1X軸GMR素子61は、図46の実線にて示したように、X軸に沿って変化する外部磁界に対し、−Hc〜+Hcの範囲において、同外部磁界に略比例して変化する抵抗値を呈し、図46の破線にて示したように、Y軸に沿って変化する外部磁界に対しては略一定の抵抗値を呈する。
 X軸磁気センサは、図47に等価回路を示したように、第1〜第4X軸GMR素子61〜64がフルブリッヂ接続されることにより構成されている。なお、図47において、矢印は各GMR素子61〜64の固着層のピンされた磁化の向きを示している。このような構成において、パッド67、及びパッド68は、それぞれ図示しない定電圧源の正極,負極に接続され、電位Vxin+(本例では5(V))と電位Vxin-(本例では0(V))が付与される。そして、パッド65とパッド66の電位がそれぞれ電位Vxout+と電位Vxout-として取り出され、その電位差(Vxout+ − Vxout-)がセンサ出力Vxoutとして取り出される。この結果、X軸磁気センサは、図48の実線にて示したように、X軸に沿って変化する外部磁界に対し、−Hc〜+Hcの範囲において、同外部磁界に略比例して変化する出力電圧Vxoutを示し、図48の破線にて示したように、Y軸に沿って変化する外部磁界に対しては略「0」の出力電圧を示す。
 Y軸磁気センサは、X軸磁気センサと同様に、第1〜第4Y軸GMR素子71〜74がフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド77、及びパッド78は、図示しない定電圧源の正極,負極に接続され、電位Vyin+(本例では5(V))と電位Vyin-(本例では0(V))が付与され、パッド75とパッド76の電位差がセンサ出力Vyoutとして取り出される。この結果、Y軸磁気センサは、図49の破線にて示したように、Y軸に沿って変化する外部磁界に対し、−Hc〜+Hcの範囲において、同外部磁界に略比例して変化する出力電圧Vyoutを示し、図49の実線にて示したように、X軸に沿って変化する外部磁界に対しては略「0」の出力電圧を示す。
 次に、上記のように構成される磁気センサ60の製造方法について説明する。まず、平面図である図50に示したように、長方形の石英ガラス60a1の上に、上記スピンバルブ膜SVと上記バイアス磁石膜61bとからなり、後に個々のGMR素子を構成する膜Mを島状に複数形成する。この成膜は、超高真空装置を用いて精密な厚さに連続積層で行われる。これらの膜Mは、石英ガラス60a1が後の切断工程により図50の破線に沿って切断されて図42に示した個々のチップ60aに分割されたとき、同図42に示したGMR素子61〜64,71〜74の位置に配置されるように形成される。また、石英ガラス60a1の四隅には、長方形から十字形を除いた形状のアライメント(位置決め)マーク60bを設けておく。
 次いで、平面図である図51、及び図51の3−3線に沿った断面で切断した断面図である図52に示したように、正方形の貫通孔が正方格子状に複数個だけ設けられた(即ち、X軸及びY軸に平行な辺を有する正方形の貫通孔が、同X軸及び同Y軸にそって互いに等距離を隔てて設けられた)長方形の金属プレート81を準備し、同金属プレート81の各貫通孔に同貫通孔と略同一の正方形断面を有する直方体形状の永久棒磁石82…82を、同永久棒磁石82…82の磁極が形成される端面が同金属プレート81と平行になるように、挿入する。このとき、最短距離で隣接する磁極の極性が異なるように同永久棒磁石82…82を配置する。なお、各永久棒磁石82…82の磁荷の大きさは全て略等しいものを使用する。
 次に、平面図である図53に示したように、厚さが約0.5mmであって前記金属プレート81と略同一形状の長方形を有する透明な石英ガラスからなるプレート83を準備する。このプレート83には、上記石英ガラス60a1のアライメントマーク60bと協働して位置決めを行うため、四隅に十字形のアライメント(位置決め)マーク83aを設けておく。また、中央部には、上記金属プレート81に挿入された永久棒磁石82…82の外形に対応する位置にアライメントマーク83bを設けておく。次いで、図54に示したように、永久棒磁石82…82の上面とプレート83の下面を接着剤により接着する。このとき、アライメントマーク83bを用いて永久棒磁石82…82と、プレート83との相対的な位置を決定する。そして、金属プレート81を下方から取り去る。この段階で、永久棒磁石82…82とプレート83とにより、磁極を構成する端面が略正方形の複数の永久磁石を正方格子の格子点に配設するとともに各永久磁石の磁極の極性が最短距離を隔てて隣接する他の磁極の極性と異なるように構成したマグネットアレイが形成される。
 次に、図55に示したように、GMR素子となる膜(ピンド層となる磁性層を含む層、すなわちピン層となる磁性層を含む層)が形成された石英ガラス60a1を、同GMR素子となる膜が形成された面がプレート83の上面と接するように配置する。石英ガラス60a1と、プレート83の相対位置は、前記アライメントマーク60bの十字形に削除された部分と、アライメントマーク83aの十字形とを一致させることで正確に決定される。
 図56は、上記永久棒磁石82…82を四個だけ取り出した状態を示す斜視図である。この図から明らかなように、永久棒磁石82…82の上面では、一つのN極から同N極に最短距離で隣接するS極に向かう90°ずつ方向が異なる磁界が形成されている。従って、図55に示したプレート83の上面に石英ガラス60a1が載置された状態においては、図57に模式的に示したように、一つのN極の正方形端面の各辺に平行に配置されたGMRとなる各膜には、Y軸正方向、X軸正方向、Y軸負方向、及びX軸負方向の磁界が加わる。
 本実施形態においては、かかる磁界を利用して固着層P(固着層Pのピンド層)の磁化の向きを固定する熱処理を行う。即ち、図55に示した状態で、プレート83と石英ガラス60a1とをクランプCLにより互いに固定し、真空中でこれらを250℃〜280℃に過熱し、その状態で4時間ほど放置する。
 その後、石英ガラス60a1を取り出し、図42に示した各パッド65〜68,75〜78を形成するとともに、これらを接続する配線を形成し、最後に図50に示した破線に沿って石英ガラス60a1を切断する。以上により、図42に示した磁気センサ60が製造される。
 次に、上記磁気センサ60を使用して地磁気を測定した結果について説明する。この測定においては、図58に示したように、磁気センサ60のY軸正方向が南を向いているときに方位θ(測定角度)を0°と定義している。測定結果を、図59に示す。図59から明らかなように、実線で示したX軸磁気センサ出力Sxは正弦波状に変化し、破線で示したY軸磁気センサ出力Syは余弦波状に変化した。この結果は、図48及び図49にて示した特性から予測される通りであった。
 この場合、(1)X軸磁気センサ出力Sx、及びY軸磁気センサの出力Syの値が共に正の値のときθ=arctan(Sx/Sy)、(2)Y軸磁気センサの出力Syの値が負の値のときθ=180°+arctan(Sx/Sy)、(3)X軸磁気センサ出力Sxの値が負の値、及びY軸磁気センサの出力Syが正の値のときθ=360°+arctan(Sx/Sy)により方位を求めることができるので、磁気センサ60は、例えば、携帯電話機等の携帯型電子装置に搭載され得る地磁気(方位)センサとして使用することが可能である。なお、方位が270〜360°にあるとき、−90〜0°として表示することを許容する場合には、出力Syが正のときθ=arctan(Sx/Sy)、出力Syが負のときθ=180°+arctan(Sx/Sy)としてもよい。
 以上、説明したように、第3実施形態によれば、複数の永久磁石を正方格子の格子点に配設するとともに各永久磁石の磁極の極性が最短距離を隔てて隣接する他の磁極の極性と異なるように構成したマグネットアレイを準備し、同マグネットアレイが形成する磁界により前記ピンド層となる磁性層の磁化の向きをピンさせるので、ピンド層のピンされた磁化の向きが互いに異なる(互いに直交する)GMR素子を、容易に単一チップ上に形成することができる。また、この方法によれば、ピンド層のピンされた磁化の向きが互いに異なるGMR素子を備えた単一チップを一時に大量に製造することができるので、同単一チップの製造コストを低下させることができる。
 なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第1,第2実施形態においては、メッキ膜として残留磁化の大きいNiCоが採用されていたが、これに代え残留磁化が大きい他の材料(例えばCo等)を採用してもよい。また、上記第1,第2実施形態の固着層の磁化の向きを固定する方法は、第3実施形態のようなピンド層(固定磁化軸を有する層)を備える他の磁気抵抗効果素子にも適用することができる。また、上記3実施形態のピン層Pには、PtMnを使用していたが、このPtMnに代え、FeMn又はIrMn等を用いても良い。
本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る磁気センサの概念的な平面図である。 図1に示した磁気トンネル効果素子(群)の拡大平面図である。 図2に示した磁気トンネル効果素子(群)を1−1線に沿った平面で切断した断面図である。 図3に示した磁気トンネル効果素子の反強磁性膜と強磁性膜(ピンド層)を示す同素子の概略平面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略平面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第1実施形態の磁気センサの概略断面図である。 図1に示した一つの磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向(X軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 図1に示した一つの磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向と直交する方向(Y軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 図1に示した他の磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向と直交する方向(X軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 図1に示した他の磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向(Y軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 製造途中にある第2実施形態の磁気センサの概略断面図である。 第2実施形態に係る一つの磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向(図1のX軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 第2実施形態に係る一つの磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向と直交する方向(図1のY軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 第2実施形態に係る他の磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向と直交する方向(図1のX軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 第2実施形態に係る他の磁気トンネル効果素子(群)に対し、同素子の長手方向(図1のY軸方向)において大きさが変化する外部磁界を付与したときの同素子のMR比の変化を示すグラフである。 第1及び第2実施形態に係る磁気トンネル効果素子群に対してピンド層の磁化の向きと直交する方向内で大きさが変化する磁界を付与した際のピンド層及びフリー層の磁化曲線を示すグラフである。 別の形状を有するメッキ膜を形成した基板の平面図である。 本発明による第3実施形態に係る磁気センサの概略平面図である。 図42に示した第1X軸GMR素子の概略拡大平面図である。 図43に示した第1X軸GMR素子を同図43の2−2線に沿った平面にて切断した概略断面図である。 図43に示した第1X軸GMR素子のスピンバルブ膜構成を示す図である。 図43に示した第1X軸GMR素子のX軸方向に変化する磁界に対する抵抗値(実線)、及びY軸方向に変化する磁界に対する抵抗値(破線)の変化を示したグラフである。 図42に示した磁気センサが備えるX軸磁気センサの等価回路図である。 図47に示したX軸磁気センサのX軸方向に変化する磁界に対する出力電圧(実線)、及びY軸方向に変化する磁界に対する出力電圧(破線)の変化を示したグラフである。 図42に示した磁気センサが備えるY軸磁気センサのX軸方向に変化する磁界に対する出力電圧(実線)、及びY軸方向に変化する磁界に対する出力電圧(破線)の変化を示したグラフである。 図42に示した磁気センサを製造する途中のスピンバルブ膜が形成された石英ガラスの平面図である。 図42に示した磁気センサを製造する際に使用するマグネットアレイを準備するための金属プレートの平面図である。 図51に示した金属プレート及び永久棒磁石を同図51の3−3線に沿った平面にて切断した断面図である。 図42に示した磁気センサを製造する際に使用するマグネットアレイを形成するためのプレートの平面図である。 図42に示した磁気センサを製造する際に使用するマグネットアレイの断面図である。 図42に示した磁気センサを製造する工程を示した断面図である。 図54に示したマグネットアレイの磁石の一部を取り出した斜視図である。 図42に示した磁気センサの各GMR素子のピンド層の磁化の向きをピンする方法を示した概念図である。 図42に示した磁気センサと方位との関係を示した図である。 図42に示した磁気センサの方位に対する出力電圧を示したグラフである。
符号の説明
 10…基板、12…下部電極、13…反強磁性膜、14…強磁性膜、15…絶縁層、16…強磁性膜、17…ダミー膜、18…層間絶縁層、18a…コンタクトホール、19…上部電極、20…保護膜、30…コイル、11,21…磁気トンネル効果素子群、51…レジスト。

Claims (5)

  1.  ピンド層とフリー層とを含み同ピンド層の磁化の向きと同フリー層の磁化の向きがなす相対角度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサであって、
     前記磁気抵抗効果素子を単一チップ上に複数個備えるとともに、同複数の磁気抵抗効果素子のうち少なくとも二つの磁気抵抗効果素子のピンド層の磁化の向きが互いに交差するように形成されてなる磁気センサ。
  2.  ピンド層とフリー層とを含み同ピンド層の磁化の向きと同フリー層の磁化の向きがなす相対角度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサであって、
     一つの基板が切断されることにより形成された単一チップ上に前記磁気抵抗効果素子を複数個備えるとともに、同複数の磁気抵抗効果素子のうち少なくとも二つの磁気抵抗効果素子のピンド層の磁化の向きが互いに交差するように形成されてなる磁気センサ。
  3.  請求項1又は請求項2に記載の磁気センサであって、
     前記単一チップに前記複数の磁気抵抗効果素子に磁界を付与するためのコイルが埋設されてなる磁気センサ。
  4.  請求項1又は請求項2に記載の磁気センサであって、
     前記単一チップに前記複数の磁気抵抗効果素子を接続する配線が形成されてなる磁気センサ。
  5.  請求項1又は請求項2に記載の磁気センサであって、
     前記単一チップの上に複数のパッドが設けられるとともに同単一チップに前記複数の磁気抵抗効果素子と同複数のパッドとを接続する配線が形成されてなる磁気センサ。
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