JP2004093486A - 欠陥布片検出装置における欠陥レベル情報設定方法 - Google Patents

欠陥布片検出装置における欠陥レベル情報設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥布片検出装置に検出対象となる限界レベル値を設定するのに、従来では、サンプル布片を搬送させてその欠陥情報の最大レベル値を限界レベル値として設定していたので設定値の精度が低く、且つサンプル布片を実際に何度も搬送させて検査していたので検出作業が面倒であった。
【解決手段】サンプル布片を搬送させながら順次ライン状に撮影して、そのサンプル布片の画像を記憶し、その記憶画像に基いて各走査線毎の欠陥情報をマトリックス状に画面表示し、サンプル布片の画像と欠陥情報のマトリックスの画像とを対比してマトリックス上の欠陥部の位置を特定し、画面上においてマトリックス上の欠陥部の限界レベル値を検出して、その限界レベル値を欠陥レベル情報として設定することで、検出対象欠陥部の欠陥情報検出作業が簡単となり、且つ検出対象欠陥部の限界レベル値を正確に検出できるようにした。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、シーツのようなシート状布片であって汚れや破れ等の欠陥部がある欠陥布片を検出するための検出装置に関し、さらに詳しくはそのような欠陥布片検出装置における、検出対象となる欠陥レベル情報の設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病院やホテル等ではシーツのようなシート状布片が大量に使用され、その使用済みのシート状布片は、ランドリー工場において、洗濯・乾燥させた後、図5に示す処理ラインで処理して、発注先に納品する。尚、図5の処理ラインは、洗濯・乾燥後のシート状布片をアイロン機1でアイロン仕上げをし、そのアイロン仕上げ済みの展張布片Sを折畳機3に通して小さく折畳むものである。
【0003】
ところで、シート状布片に汚れや破れ等の欠陥部がある場合には、その欠陥布片を正規の処理ライン(折畳工程)から排除する必要があるが、欠陥布片を排除するための検出装置としては、従来から例えば特開平6−228861号公報に示されるものがある。
【0004】
図5〜図7には、従来の欠陥布片検出装置を示している。尚、図5〜図7の欠陥布片検出装置は、上記公知文献(特開平6−228861号公報)のものとは異なる。図5〜図7の欠陥布片検出装置は、アイロン機1と折畳機3間に設けたベルトコンベア2上を搬送される展張布片Sを順次ライン状に撮影するカメラ(ラインセンサ)4と、該カメラ4で撮影した各走査線毎の映像信号に基いて展張布片Sの良品・不良品の判断を行う制御装置10を有している。そして、制御装置10が不良品と判断したときには、当該展張布片(欠陥布片)Sを正規のライン(折畳工程)から排除するようになっている。尚、図5及び図6の例では、展張布片Sとしてシーツのような広幅(例えば3m程度の幅)のものが採用されている。
【0005】
カメラ4としては、一般にラインセンサが使用されていて、搬送されている展張布片Sを順次ライン状に撮影する。このカメラ4は、撮影部分の明るさを電気信号に変換して各走査線毎に制御装置10へ送る。尚、この例では、2台のカメラ4,4をコンベア走行方向に対して直交方向の間隔をもった2位置に配置して、展張布片Sを1/2幅づつ一列状に撮影するようにしている。カメラ4の撮影位置の近傍には照明灯5,5が設けられている。
【0006】
制御装置10には、図7に示すように、カメラ4からの各走査線毎の映像信号を電気信号に変換して入力する入力部11と、その入力部11に入力された各走査線毎に欠陥レベル値(主として明暗度合い)を演算する演算部12と、検出対象となる欠陥部Tの限界レベル値を設定する設定部13と、該設定部13に設定された設定レベル値(限界レベル値)と演算部12で演算された実際の布片Sの欠陥レベル値とを比較して該欠陥レベル値が上記設定レベル値以上であるか否かを判定する判定部14と、該判定部14において欠陥レベル値が設定レベル値以上であると判定したときにその判定信号を出力する出力部15とを備えている。尚、出力部15から出力信号が発せられると、不良品の排除操作(符号6)が行われる。
【0007】
演算部12で演算される欠陥レベル値は、図9の(A)又は(B)に示すように明暗度合い(ノイズの深さ)を数値化したものである。尚、演算部12では、展張布片における左右各側縁部の所定範囲(図9(A)の範囲W,W)のノイズ及び該展張布片の前後各縁部の所定範囲(図9(B)の範囲X,X)のノイズは、それぞれマスキングにより消去される。
【0008】
設定部13には、汚れのような欠陥部Tにおける許容できない(不良品となる)ぎりぎりの限界レベル値を設定することが好ましい。
【0009】
ところで、アイロン機1から出てくるシート状布片Sは、かなりの精度で展張されているが、それでもその展張布片Sには、図6に示すように多数の皺U,U・・が存在する。この皺Uには、単なる波打ち状で欠陥とならないものも多数存在する。そして、この展張布片Sがカメラ4,4の下方を通過する際には、欠陥とならない皺Uであってもカメラ4が影(暗色)として捕捉すると、図9に示すように各皺U,U・・の情報を欠陥レベル情報(ノイズUa)として制御装置10の入力部11に送るようになっている。尚、図9の(A)、(B)において、符号Taのノイズ部分は、図6の展張布片Sにおける欠陥部Tの欠陥レベル情報である。
【0010】
そして、従来では、欠陥布片検出装置の設定部13に設定する欠陥レベル情報(限界レベル値)は、図8に示すようにして求められている。まず、許容できない(不良品となる)ぎりぎりの欠陥部(図6の符号T部分)のあるサンプル布片Sを、図5に示すように実際の処理ラインのアイロン機1に通し、該アイロン機1から出て来たサンプル布片Sをカメラ4で順次ライン状に撮影する(図8の処理C)。次に、カメラ4で撮影した各走査線毎の欠陥情報を電気信号(電圧)に変換して、その信号レベルの最大レベル値を検出する(図8の処理D)。尚、カメラ4で撮影した各走査線毎の欠陥情報は、図9の(A)、(B)に示すように、ノイズ深さとして現れる(例えばTa,Ua)。尚、図9の(A)は、図6におけるA−A部分の信号波形であり、図9の(B)は、図6におけるB−B部分の信号波形である。そして、この従来の欠陥レベル情報設定方法では、全信号波形におけるノイズ深さの最大レベル値を欠陥レベル値として設定部13(図7)に設定する(図8の処理E)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、欠陥部つきのサンプル布片を搬送させて、そのときの欠陥レベル情報を検出する場合は、検出対象となる欠陥部Tによる欠陥レベル情報(図9の符号Ta部分)とともに皺Uによる欠陥レベル情報(図9の符号Ua部分)も検出される。そして、皺Uによる欠陥レベル情報Uaは、サンプル布片を処理ラインに通す度に出方が異なり、ときには、実際には欠陥とならない皺Uでも、欠陥部Tによる欠陥レベル値Taより大きい欠陥レベル値を検出する場合がある。尚、従来の制御装置10には、検出対象欠陥部の欠陥レベル情報と、その他(例えば不良とならない皺U)の欠陥レベル情報とを識別する機能はない。
【0012】
従って、上記した従来の欠陥レベル情報設定方法のように、サンプル布片Sを搬送させてそのとき検出した最大レベル値を欠陥レベル値として設定すると、その設定した欠陥レベル値が、検出対象の欠陥部Tの実際の欠陥レベル値より大きくなることがあり、その設定値の信頼性が低いという問題があった。因に、設定部13に、欠陥部Tの実際の欠陥レベル値より大きいレベル値で設定してしまうと、本当は排除すべき欠陥部を有する布片(不良品)であっても、設定レベル値より小さい欠陥レベル値しか検出しないものでは良品として扱われてしまい、良品・不良品の選別精度(信頼性)が低いものとなる。
【0013】
又、上記のように、検出した最大レベル値を欠陥レベル値とする場合の低信頼性を改善するために、従来では、検出対象となる単一の欠陥部つきサンプル布片を何度も処理ラインに通して(毎回皺Uによる欠陥レベル値Uaは変化する)、毎回上記最大レベル値を検出し、毎回の最大レベル値が同じであるときに、その最大レベル値を検出対象の欠陥部のレベル値として推定して設定部13に設定するようにしている。ところが、このようにサンプル布片を何度も処理ラインに通して検査する場合は、欠陥レベル値の精度の信頼性はいくらか向上するものの、その毎回の検査作業が面倒であり、且つ検査作業に長時間を要するという問題がある。尚、単一のサンプル布片であっても、処理ラインに通す度に欠陥部Tの欠陥レベル値が微妙に変化することが考えられ、依然として高精度のレベル値を検出することは難しかった。
【0014】
本願発明は、上記のような従来の欠陥レベル情報設定方法の問題点に鑑み、欠陥布片検出装置において、簡単に且つ高精度に欠陥レベル値を設定し得るようにすることを目的としてなされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
【0016】
本願発明は、シーツのようなシート状布片であって汚れや破れ等の欠陥部がある欠陥布片を検出するための検出装置に関し、さらにそのような欠陥布片検出装置における検出対象となる欠陥レベル情報の設定方法を対象にしている。そして、本願発明の欠陥レベル情報設定方法は、次の特徴を有している。
【0017】
まず、欠陥部のあるサンプル布片を搬送させながら順次ライン状に撮影して、そのサンプル布片の画像を記憶する。この画像記憶処理は、サンプル布片を搬送させながらカメラで順次細幅のライン状に撮影し、そのサンプル布片の画像を制御装置の画像記憶部に記憶する。この画像記憶部に記憶したサンプル布片の画像は、布片画像表示部(パソコン画面)に写し出すことができる。尚、カメラは、一般にラインセンサと称されるものが使用され、搬送されてくる布片を微小範囲づつ連続して撮影する。
【0018】
次に、その記憶画像に基いて各走査線毎の欠陥情報をマトリックス状に画面表示する。この場合、画像記憶部に記憶した画像に基いて欠陥情報を制御装置の演算部で演算し、2値化状態でマトリックス状に画面表示する。このマトリックス画像は、マトリックス表示部(パソコン画面)に写し出すことができる。ところで、このマトリックス画像(2値化画像)は、画像記憶部に記憶した画像に対してマスキング率を変更することで、そのマスキング率に対応するレベル値以上のものが表示されるが、マスキングをかけない状態(マスキング率を「0」にした状態)では、微少レベルの欠陥情報も表示される。そして、このときのマトリックスの画面表示は、サンプル布片の記憶画像に対してマスキングをかけない状態で行うとよい。
【0019】
次に、記憶したサンプル布片の画像と欠陥情報のマトリックスの画像とを対比してマトリックス上の欠陥部の位置を特定する。即ち、サンプル布片の記憶画像には、検出対象となる欠陥部が写し出されており、他方、マトリックスの画像には、検出対象となる欠陥部を含む欠陥情報が微少レベルのものまで2値化された状態で表示されており、それらの画像を対比する(見比べる)ことで、マトリックス上の欠陥部の位置を特定することができる。
【0020】
そして、画面上においてマトリックス上の欠陥部の限界レベル値を検出して、その限界レベル値を欠陥レベル情報として設定する。尚、マトリックス上の欠陥部の限界レベル値を検出するには、上記演算部に対してマスキング率を徐々に高めながら何回か調整し、マトリックス画像における欠陥部に対応する位置の表示が消える直前の状態を捉え、その検出した限界レベル値(マスキング率)を設定部に設定する。
【0021】
本願の欠陥布片検出装置における欠陥レベル情報設定方法では、サンプル布片を1回撮影してその画像を記憶させておくことにより、設定すべき欠陥レベル情報を検出するのに、その記憶画像を何度も利用して調整できる。又、サンプル布片の記憶画像とマトリックス画像とを対比することで、マトリックス上の検出対象欠陥部の位置を正確に把握できる。さらに、マトリックス上における検出対象欠陥部の欠陥レベル値を検出するのに、画面を見ながら行える。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1〜図4を参照して本願の実施形態を説明すると、この実施形態の欠陥レベル情報設定方法は、例えば図5に示すようなシート状布片の処理ラインにおける欠陥布片検出装置の制御装置に対して、検出対象となる欠陥レベル情報を設定するためのものである。
【0023】
尚、図5に示すシート状布片の処理ラインは、従来技術の項で説明した通り、洗濯・乾燥済みのシート状布片をアイロン機1に通した後、その展張布片Sをベルトコンベア2で折畳機3まで搬送させて、該折畳機3で小さく折畳むものである。
【0024】
又、このシート状布片の処理ライン中には、欠陥布片を自動排除するための欠陥布片検出装置を備えている。本願実施形態の欠陥布片検出装置は、図1及び図2に示すように、ベルトコンベア2上を搬送される展張布片Sを上方からカメラ4,4で順次ライン状に撮影し、該カメラ4,4で撮影した走査線毎の映像信号に基いて展張布片Sの良品・不良品の判断を制御装置20で行い、該制御装置20が不良品と判断したときにその不良品を排除する信号を出力するようになっている。
【0025】
図2に示す本願実施形態の制御装置20は、カメラ4で撮影したシート状布片の画像を記憶する画像記憶部21と、該画像記憶部21で記憶した各走査線毎の欠陥情報を演算する演算部22と、その演算部22で演算(2値化)された欠陥レベル値が予め設定部23で設定されている設定値以上であるか否か(良品か不良品か)を判定する判定部24と、該判定部24が不良品であると判定したときに不良品排除操作(符号6)を行わせる信号を出力する出力部25とを有している。
【0026】
画像記憶部21は、カメラ4で展張布片Sが新しく撮影される度に記憶画像を順次更新していく。演算部22は、画像記憶部21で記憶した画像に基いて各走査線毎の欠陥情報を2値化したマトリックス状に演算する。
【0027】
又、図2の制御装置20には、画像記憶部21で記憶している画像を写し出すための布片画像表示部26と、画像記憶部21に基いて演算部22で演算された欠陥情報のマトリックス画像を表示するマトリックス表示部27と、後述するように画像記憶部21に記憶されている画像を再起動させるための再起動キー28を有している。尚、布片画像表示部26とマトリックス表示部27とは、図1に示すパソコン画面7が用いられ、布片画像表示部26とマトリックス表示部27とをパソコン画面7に切換表示できるようになっている。又、再起動キー28には、パソコンのキーボード8(図1)が用いられる。
【0028】
次に、本願実施形態の欠陥レベル情報設定方法を図3及び図4を併用しながら説明すると、この欠陥レベル情報設定方法は、次のように行う。
【0029】
まず、図1に示すように、検出対象となる欠陥部のあるサンプル布片Sを、ベルトコンベア2上に搬送させながらカメラ4で順次細幅のライン状に撮影する(図3の処理C)。そして、図3の処理Fに示すように、カメラ4で撮影したサンプル布片Sの画像を画像記憶部21に記憶させる。この画像記憶部21に記憶したサンプル布片Sの画像は、布片画像表示部26に生の画像状態(図4のSの状態)で写し出すことができる。尚、サンプル布片Sの画像Sには、検出対象となる欠陥部Tのほかに、欠陥とならない(例えば単に波打っているだけの)皺U,U・・も多数写し出される。
【0030】
次に、画像記憶部21に記憶した記憶画像に基いて、演算部22により各走査線毎の欠陥情報を演算して、マトリックス表示部27にマトリックス状(図4のSの状態)に画面表示する(図3の処理G)。このとき、演算部22に対してマスキングをかけない状態(マスキング率を「0」にした状態)で欠陥情報を演算させるが、この場合、マトリックス表示部27に表示されるマトリックス画像S(図4)には、サンプル布片Sの生の画像Sの欠陥部T及び各皺U,U・・が対応する位置にそれぞれ欠陥情報Ta,Uaが表示される。尚、このマトリックス画像Sは、マトリックスの各桝を微細(例えば1〜2mm桝)に区画し、各桝を2値化表示して得られたものであり、各欠陥情報Ta,Uaは微細なドットの集合体で表示されている。
【0031】
尚、図4において、符号Y〜Yで示すものは、マトリックス画像Sにおける欠陥部が対応する位置の欠陥情報Ta付近(符号Y部分)を拡大したものであるが、演算部22に対してマスキング率を変更することで、そのマスキング率に対応するレベル値以上のものだけが表示されるようになる。従って、マスキング率を高めるほど、欠陥情報Taの濃度(ドットの密度)が順次低くなる。
【0032】
次に、図3の処理Hに示すように、布片画像表示部26に表示されたサンプル布片の生の画像S(図4)とマトリックス表示部27に表示された欠陥情報のマトリックス画像Sとを対比して、マトリックス画像S上の欠陥部Taの位置を座標的に特定する(図3の処理I)。即ち、サンプル布片の生の画像Sには、検出対象となる欠陥部Tが写し出されており、他方、マトリックス画像Sには、検出対象となる欠陥部Tと同じ位置に欠陥情報Taとして表示されており、それらの画像S,Sを対比することで、マトリックス画像上の欠陥部対応の欠陥情報Taを容易に特定することができる。
【0033】
そして、マトリックス表示部27上においてマトリックス画像S上の欠陥部対応の欠陥情報Taの限界レベル値を検出するが、その際、演算部22(図2)に対して設定部23によりマスキング率を徐々に高めながら(例えば、図4に示すようにマスキング率を10%、20%、30%、40%と高めていく)、順次再起動キー28を操作して画像記憶部21に記憶させている布片画像を再現させる。すると、欠陥部対応の欠陥情報Ta部分の反応個数がマスキング率に対応して減少していき、該欠陥情報Ta部分の濃度が薄くなっていくことが画面27上で確認できる。そして、図4の例では、マスキング率30%で当該欠陥情報Ta部分の反応個数がごく僅かに残り、マスキング率40%では該欠陥情報Ta部分の反応個数が「0」になっており、この検出対象の欠陥部Tでは、欠陥レベル値がマスキング率換算で30%〜40%の間であることがわかり、マスキング率をその範囲でさらに細かく調整することで、該欠陥部Tの欠陥レベル値を正確に把握することができる。そして、該欠陥部Tの欠陥レベル値(マスキング率)を正確に把握できれば、それを限界レベル値として設定部23に設定する。
【0034】
このように、本願実施形態の欠陥レベル情報設定方法では、サンプル布片を1回撮影してその画像を記憶させておくことにより、欠陥レベル情報設定時に、その記憶画像を何度も利用して調整でき、又、検出対象となる欠陥部の限界レベル値を、マトリックス画面を見ながら調整することができる。
【0035】
そして、図2に示す本願実施形態の制御装置20は、次のように機能する。即ち、設定部23に検出対象となるレベルの限界レベル値を設定した後、処理ライン(例えば図5)に実際にシート状布片を流すと、ベルトコンベア2上において展張布片Sがカメラ4で撮影され、その画像が画像記憶部21に記憶される。そして、その記憶画像に基いて演算部22で欠陥情報が演算(2値化)され、その欠陥レベル値が設定部23で設定した設定値(限界レベル値)より小さい場合は、演算部22において記憶画像の欠陥情報(2値化)が残らず、判定部24から不良品判定信号は発せられない。従って、検査を終えた展張布片はそのまま正規のライン(折畳工程)に流れる。他方、演算部22で演算した欠陥レベル値が設定部23で設定した設定値(限界レベル値)より大きいと、演算部22において記憶画像の欠陥情報(2値化)がマトリックス上に残り、判定部24から不良品判定信号は発せられる。すると、出力部25から不良品排除信号が発せられて、不良品排除操作(図2の符号6)が行われ、不良品判定された欠陥布片が正規のライン(折畳工程)から排除される。
【0036】
尚、本願実施形態では、設定部23には、欠陥部の濃さや大きさ毎に限界レベル値を設定することができ、欠陥部の合否判定を欠陥部の濃さや大きさ毎に行うことができる。又、欠陥部Tの種類として、汚れの濃さ、汚れや破れの大きさ等のほかに、検査対象布片が色つきのものでは汚れの色彩を加味したものも対象にすることができる。尚、色彩を判定する場合は、カメラ4としてカラー撮影できるものを使用し、設定部23に検査対象布片の色合い(赤、緑、青の三原色)に関する情報を設定して、演算部22で演算された実際の検査布片の色合いに関する情報が設定部23で設定したものと異なるときに、判定部24が不良品判別信号を発するようにできる。又、欠陥部の合否判定は、欠陥部の濃さや大きさ毎に設定することができる。
【0037】
【発明の効果】
本願発明の欠陥布片検出装置における欠陥レベル情報設定方法は、欠陥部のあるサンプル布片の画像を記憶し、その記憶画像に基いて欠陥情報をマトリックス状に画面表示し、サンプル布片の画像と欠陥情報のマトリックスの画像とを対比してマトリックス上の欠陥部の位置を特定し、画面上においてマトリックス上の欠陥部の限界レベル値を検出して、その限界レベル値を欠陥レベル情報として設定する、ことを特徴としている。
【0038】
そして、本願発明の欠陥レベル情報設定方法では、サンプル布片を1回撮影してその画像を記憶させておくことにより、設定すべき欠陥レベル情報を検出するのに記憶画像を何度も利用して調整できるので、欠陥レベル情報の検出作業が簡単となるという効果がある。又、マトリックス上の検出対象欠陥部の位置を正確に把握できるので、該検出対象欠陥部の限界レベル値を正確に検出することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施形態の欠陥レベル情報設定方法を行う欠陥布片検出装置の説明図(図5の一部平面相当図)である。
【図2】本願実施形態の欠陥レベル情報設定方法を行う欠陥布片検出装置のブロック図である。
【図3】本願実施形態の欠陥レベル情報設定方法の説明図である。
【図4】本願実施形態の欠陥レベル情報設定方法の調整方法説明図である。
【図5】本願で対象にしている欠陥布片検出装置を備えた従来の処理ラインの概略図である。
【図6】図5の一部平面相当図である。
【図7】従来の欠陥布片検出装置のブロック図である。
【図8】従来の欠陥レベル情報設定方法の説明図である。
【図9】展張布片の欠陥情報の信号波形を示すグラフである。
【符号の説明】
2はベルトコンベア、4はカメラ、7はパソコン画面、20は制御装置、21は画像記憶部、22は演算部、23は設定部、24は判定部、25は出力部、26は布片画像表示部、27はマトリックス表示部、Sはサンプル布片、Tは欠陥部である。

Claims (1)

  1. 汚れや破れ等のある欠陥布片の検出装置に検出対象となる欠陥レベル情報を設定する際に、
    欠陥部のあるサンプル布片を搬送させながら順次ライン状に撮影して、そのサンプル布片の画像を記憶し、
    そのサンプル布片の記憶画像に基いて各走査線毎の欠陥情報をマトリックス状に画面表示し、
    記憶したサンプル布片の画像と欠陥情報のマトリックスの画像とを対比してマトリックス上の欠陥部の位置を特定し、
    画面上においてマトリックス上の欠陥部の限界レベル値を検出して、その限界レベル値を欠陥レベル情報として設定する、
    ことを特徴とする欠陥布片検出装置における欠陥レベル情報設定方法。
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