JP2004093373A - 位置姿勢測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁界の歪みに起因する測定誤差を低減でき、しかも小型で消費電力が少なく、任意の場所で使用できる位置姿勢測定装置を提供する。
【解決手段】送信コイル20から放射された交流磁界を受信コイル30で受信し、アンプ11で増幅し、同期検波回路12で信号発生器10からの信号に基いて同期検波し、送信コイル20から発生した磁界成分だけを検出し、A/D変換回路13で磁界データとしてプロセッサ40へ送る。姿勢角センサ31で受信コイル30の送信コイル20に対する姿勢角(ロール角とピッチ角とヨー角)を測定し、測定結果を姿勢データとしてプロセッサ40へ送る。プロセッサ40は姿勢データと磁界データとから送信コイル20を基準とする受信コイル30の位置と姿勢とを演算し、出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】送信コイル20から放射された交流磁界を受信コイル30で受信し、アンプ11で増幅し、同期検波回路12で信号発生器10からの信号に基いて同期検波し、送信コイル20から発生した磁界成分だけを検出し、A/D変換回路13で磁界データとしてプロセッサ40へ送る。姿勢角センサ31で受信コイル30の送信コイル20に対する姿勢角(ロール角とピッチ角とヨー角)を測定し、測定結果を姿勢データとしてプロセッサ40へ送る。プロセッサ40は姿勢データと磁界データとから送信コイル20を基準とする受信コイル30の位置と姿勢とを演算し、出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は位置姿勢測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁界を利用して被測定物の位置や姿勢を検出する方法は、米国特許第3868565号、米国特許第4287809号等に開示されている。
【0003】
これらの方法においては、互いに直交する3軸に設けられた送信コイルから発生した磁界を被測定物に取り付けられた互いに直交する3軸に設けられた受信コイルで検出し、その検出結果に基いて送信コイルに対する受信コイルの位置や姿勢を測定している。
【0004】
しかし、この方法では、導電性金属の近傍で発生する渦電流によって磁界の歪みに起因する測定誤差が発生する。そのため、直流磁界を利用したり(米国特許第4849692号等参照)、渦電流の影響の小さい低周波数の磁界を利用したり、磁界歪みの補正マップを作成して測定誤差を補正したりする必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法には以下の問題点があった。
【0006】
直流磁界を利用する方法の場合、地磁気等の周辺磁界の影響を大きく受けるため、コイル径を大きくしたり、大電流を流したりする必要があり、測定装置が大型化し、消費電流が増大する。
【0007】
また、低周波数の磁界を利用する方法の場合、受信コイルに誘導される起電力は周波数に比例するため、コイル径を大きくしたり、大電流を流したりする必要があり、測定装置が大型化し、消費電流が増大する。
【0008】
更に、磁界歪みの補正マップを作成する方法の場合、測定装置を特定の場所でしか使用できず、任意の場所で使用できない。
【0009】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は磁界の歪みに起因する測定誤差を低減でき、しかも小型で消費電力が少なく、任意の場所で使用できる位置姿勢測定装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、三軸直交系をなす各軸に設けられて磁界を発生する3つのコイルを有する送信手段と、三軸直交系をなす各軸に設けられ、前記送信手段に発生する磁界を検出する3つのコイルを有する受信手段とを備え、前記送信手段及び前記受信手段のいずれか一方が被測定物に取り付けられる位置姿勢測定装置において、基準面に対する前記被測定物側の手段の姿勢角を検出する傾斜角検出手段と、前記受信手段の検出結果と前記傾斜角検出手段の検出結果とに基いて前記被測定物の位置及び姿勢を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
傾斜角検出手段の検出結果を既知として傾斜角検出手段の検出結果と受信手段の検出結果とから送信手段を基準とする被測定物の位置と姿勢又は受信手段を基準とする被測定物の位置と姿勢とを演算する。
【0012】
請求項2記載に発明は、三軸直交系をなす各軸に設けられて磁界を発生する3つのコイルを有する送信手段と、被測定物に取り付けられ、三軸直交系をなす各軸に設けられて前記送信手段に発生する磁界を検出する3つのコイルを有する受信手段と、基準面に対する前記受信手段の姿勢角を検出する傾斜角検出手段と、前記受信手段の検出結果と前記傾斜角検出手段の検出結果とに基いて前記被測定物の位置及び姿勢を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
傾斜角検出手段の検出結果を既知として傾斜角検出手段の検出結果と被測定物に取り付けられた受信手段の検出結果とから送信手段を基準とする被測定物の位置と姿勢とを演算する。
【0014】
請求項3記載に発明は、請求項2記載の位置姿勢測定装置において、前記送信手段が取り付けられ、前記基準面に対する前記送信手段の取付角度を調節可能な送信手段ホルダと、前記送信手段に設けられ、前記基準面に対する前記送信手段の取付角度を検出するホルダ取付角度検出手段と、前記演算手段によって求められた前記被測定物の位置及び姿勢を前記ホルダ取付角度検出手段の検出結果に基いて補正する補正手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
ホルダ取付角度検出手段で基準面に対する送信手段の取付角度を検出し、演算手段によって求められた被測定物の位置及び姿勢をホルダ取付角度検出手段の検出結果に基いて補正し、所望の基準座標に変換した位置及び姿勢信号を出力する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1はこの発明の第1実施形態に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【0018】
この位置姿勢測定装置は信号発生器10とアンプ11と同期検波回路12とA/D変換回路13と送信コイル(送信手段)20と受信コイル(受信手段)30と姿勢角センサ(傾斜角検出手段)31とプロセッサ(演算手段)40とを備える。
【0019】
送信コイル20は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。送信コイル20のX軸及びY軸は水平面と平行である。
【0020】
送信コイル20に信号発生器10から所定の信号が送られたとき、受信コイル30の計測領域に対して送信コイル20は交流磁界を作る。
【0021】
受信コイル30は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。この受信コイル30は姿勢角センサ31とともに被測定物Mに取り付けられている。
【0022】
姿勢角センサ31はジャイロと加速度計とを組み合わせた3軸ダイナミック姿勢角検出装置であり、送信コイル20に対する受信コイル30の姿勢角を検出する。
【0023】
受信コイル30の出力端子はアンプ11の入力端子に接続され、アンプ11の出力端子は同期検波回路12の入力端子に接続され、同期検波回路12の出力端子はA/D変換回路13の入力端子に接続され、A/D変換回路13の出力端子はプロセッサ40に接続されている。同期検波回路12の入力端子には信号発生器10の出力端子が接続され、同期信号が入力される。
【0024】
送信コイル20から放射された交流磁界を受信コイル30で受信し、受信コイル30の受信電流をアンプ11で交流磁界の大きさに応じた電圧信号に変換して増幅し、その出力電圧を同期検波回路12で信号発生器10からの同期信号に基いて同期検波し、送信コイル20から発生した磁界成分だけを検出する。更に、検出された信号はA/D変換回路13でデジタル信号に変換され、磁界データとしてプロセッサ40へ送られる。
【0025】
同時に、姿勢角センサ31は受信コイル30の送信コイル20に対する姿勢角を検出し、検出結果を姿勢データとしてプロセッサ40へ送る。このとき、姿勢角としてロール角とピッチ角とヨー角とが姿勢角センサ31からプロセッサ40に送られる。
【0026】
プロセッサ40は姿勢データと磁界データとから送信コイル20を基準とする受信コイル30の位置と姿勢とを演算し、出力する。
【0027】
プロセッサ40では以下のように演算が行なわれる。
【0028】
受信コイル30で検出された磁界は数1で表される。
【0029】
【数1】
【0030】
また、磁界は受信コイル30の位置及び姿勢、送信コイル20と受信コイル30との間の距離(レンジ)Rから下記の数2で表される。
【0031】
【数2】
【0032】
ここで、M、H及びRはそれぞれ下記の数3、数4及び数5で表される。
【0033】
【数3】
【数4】
【数5】
【0034】
なお、レンジに対しては金属の影響が比較的小さいため、座標位置からではなく受信コイル30で検出された磁界の大きさから直接に求める。
【0035】
したがって、姿勢角を既知とした場合、下記の数6からU:(U1,U2,U3)を得ることができるので、受信コイル30の位置を数7として得ることができる。
【0036】
【数6】
【数7】
【0037】
次に、姿勢角センサ31として傾斜センサ、加速度センサを用いた場合を説明する。
【0038】
この場合には姿勢角としてロール角とピッチ角とが姿勢角センサ31からプロセッサ40に送られる。プロセッサ40では受信コイル30の出力から計算されたヨー角と姿勢角センサ31で検出されたロール角及びピッチ角とに基いて送信コイルに対する受信コイルの位置と姿勢とを演算する。
【0039】
プロセッサ40では以下のように演算が行なわれる。
【0040】
磁界は数1で表されるので、下記の数8からUを得ることができる。
【0041】
【数8】
【0042】
ここで、数9であるが、R=1としてHを計算し正規直交化を施す。
【0043】
【数9】
【0044】
これにより、姿勢角(φ、θ、ψ)を得ることができる。
【0045】
ヨー角ψと姿勢角センサ31で測定されたロール角φ及びピッチ角θとを組み合わせることで、姿勢角を既知として位置を計算することができる。
【0046】
この姿勢角は磁界の歪みに起因する誤差を含んでおり、数10で表されるので、数11からTψを得ることができる。
【0047】
【数10】
【数11】
【0048】
TψはZ軸回りの回転を定義するマトリクスであるので、数12を用いて正規直交化を行ない、その結果を用いて数13として新たに姿勢角を定義し直す。
【0049】
【数12】
【数13】
【0050】
この第1実施形態によれば、導電性金属や強磁性体の影響の小さいセンサを用いて受信コイル30の送信コイル20に対する姿勢角を測定し、この姿勢角を既知のものとして受信コイル30の位置と姿勢とを計算するので、演算時における未知数を減少させることができ、磁界の歪みに起因する測定誤差を低減できる。また、コイル径を大きくしたり、大電流を流したりする必要がないので、測定装置の小型化、消費電力の低減を図ることができる。更に、磁界歪みの補正マップを作成する方法ではないので、測定装置を任意の場所で使用することができる。
【0051】
なお、姿勢角センサ31としては磁界のように導電性金属や強磁性体の影響を受けない又は影響の小さいものであれば、例えば光学式のものであってもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、送信コイル20のX軸、Y軸を水平面に平行としたが、送信コイルの姿勢を任意としてもよい。
【0053】
図2はこの発明の第1実施形態の変形例に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図、図3は送信コイルと受信コイルとの関係を説明する図である。
【0054】
この変形例は送信コイル20の姿勢角を検出する傾斜センサ21を送信コイル20に取り付けた点で第1実施形態と相違する。
【0055】
この位置姿勢測定装置では、送信コイル20の姿勢角θ0を傾斜センサ21で検出し、姿勢角センサ31で検出した受信コイル30の姿勢角θ’を送信コイル20に対する姿勢角θに変換する。図3において、姿勢角θ0 、θ’は水平面(基準面)に対するX軸、X’軸の角度である。
【0056】
このとき、送信コイル20に対する受信コイル30の姿勢を表す方向余弦Hは数14から求めることができる。
【0057】
【数14】
【0058】
この構成によって送信コイル20を水平面に置けない場合に対応することができる。
【0059】
図4(a),(b)は誤差低減効果を確認するための試験条件を示す図であり、図4(a)は位置姿勢測定装置をY軸方向から見た図、図4(b)はZ軸方向から見た図である。
【0060】
送信コイル20の座標位置を(0,0,0)とし、受信コイル30の座標位置を(Xr,Yr,Zr)として表している。送信コイル20は水平面に平行に配置されている。
【0061】
したがって、図4において、Xr は送信コイル20と受信コイル30のX軸方向の距離、Yr は送信コイル20と受信コイル30のY軸方向の距離、Zr は送信コイル20と受信コイル30のZ軸方向の距離をそれぞれ示す。
【0062】
図4(a)において、hr1,hr2,hr3,hr4及びhr5はそれぞれ受信コイル30の導電性金属シート50からの高さを表し、受信コイル30のZ軸方向の位置だけが変化することを示している。
【0063】
なお、この例ではhr1,hr2,hr3,hr4及びhr5をそれぞれ1cm,5cm,10cm,15cm及び20cmとした。
【0064】
図5(a),(b)及び図6(a),(b)はこの発明に係る位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図であり、図7(a),(b)は従来の位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【0065】
図5はロール角、ピッチ角及びヨー角を姿勢角センサで検出して測定したときのグラフであり、図6はロール角及びピッチ角を姿勢角センサで検出して測定したときのグラフである。
【0066】
図5(a)、図6(a)及び図7(a)において、横軸は受信コイルの導電性金属シートからの高さ(単位:cm)を示し、縦軸は位置誤差(単位:m)を示す。
【0067】
図5(b)、図6(b)及び図7(b)において、横軸は受信コイルの導電性金属シートからの高さ(単位:cm)を示し、縦軸は姿勢誤差(単位:°)を示す。
【0068】
図5(a),(b)及び図6(a),(b)から、この発明の実施形態の位置姿勢測定装置によって受信コイル30の位置及び姿勢を検出したとき、金属シートによる磁界の歪みの影響が小さく、位置誤差及び姿勢誤差が従来の測定装置によって受信コイルの位置及び姿勢を検出したとき(図7(a),(b)参照)より低減することがわかる。
【0069】
ところで、上記位置姿勢測定装置では位置及び方向は送信コイル20の座標基準で定義され、計測領域は半球状であり、送信コイル20を設置面に対して傾けて設置することにより計測領域を広く確保することができるが、送信コイル20を設置する場所に合わせて送信コイル20の方向や高さを予め調整する必要があり、座標定義を変えることなく計測領域だけを簡単に調整することができない。
【0070】
この調整作業を簡単にするためには、以下に述べる送信コイル台と組み合わせることが考えられる。
【0071】
図8は送信コイル台を備える位置姿勢測定装置を示すブロック図、図9は送信コイルと基準面との関係を示す図である。
【0072】
この位置姿勢測定装置は従来の位置姿勢測定装置に送信コイル台160を組み合わせた例である。
【0073】
この位置姿勢測定装置は、信号発生器110とアンプ111と同期検波回路112とA/D変換回路113と送信コイル(送信手段)120と送信コイル台160と受信コイル(受信手段)130とプロセッサ(演算・補正手段)140とを備える。
【0074】
送信コイル120は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。この送信コイル120は後述の送信コイル台160の送信コイルホルダ(送信手段ホルダ)161上に設けられている。
【0075】
送信コイル120に信号発生器110から所定の信号が送られたとき、被測定物(図示せず)に取り付けられた受信コイル120に対して送信コイル120は計測領域(図9に点線で示した半円部分)となる半球状の交流磁界を作る。
【0076】
受信コイル130は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。
【0077】
受信コイル130の出力端子はアンプ111の入力端子に接続され、アンプ111の出力端子は同期検波回路112の入力端子に接続され、同期検波回路112の出力端子はA/D変換回路113の入力端子に接続され、A/D変換回路113の出力端子はプロセッサ140に接続されている。同期検波回路112の入力端子には信号発生器110の出力端子が接続され、同期信号が入力される。
【0078】
送信コイル120から放射された交流磁界を受信コイル130で受信し、受信コイル130の受信電流をアンプ111で交流磁界の大きさに応じた電圧信号に変換して増幅し、その出力電圧を同期検波回路112で信号発生器110からの信号に基いて同期検波し、送信コイル120から発生した磁界成分だけを検出する。更に、検出された信号はA/D変換回路113でデジタル信号に変換され、磁界データとしてプロセッサ140へ送られ、プロセッサ140で送信コイル120を基準とした位置及び方向を演算する。
【0079】
更に、プロセッサ140は送信コイル台160から出力される送信コイル120の取付角度を用いて、所望の基準座標に変換した位置及び方向信号を出力する。
【0080】
送信コイル120の取付角度を変えることによって計測領域を任意に調整することができる。
【0081】
次に、送信コイル120の取付角度として1軸の傾斜角(チルト角度)と回転角(パン角度)とを検出する場合を説明する。
【0082】
図10は送信コイル台の一例を示す図であり、図10(a)はチルト角度を検出する場合を示す図、図10(b)はパン角度を検出する場合を示す図、図10(c)は図10(b)のA矢視図である。
【0083】
送信コイル台160はチルト角度を検出する第1のエンコーダ162とパン角度を検出する第2のエンコーダ163とを備え、送信コイル120は基準面(設置面)に対して傾斜可能であり、Z軸回りに回転可能である。
【0084】
送信コイル台160は送信コイル120の取付角度として第1のエンコーダ162で基準面に対する送信コイルのチルト角度βを検出し、第2のエンコーダ163で任意の基準位置に対するパン角度αを検出し、検出結果をプロセッサ140(図8参照)へ送る。
【0085】
プロセッサ140は数15を用いて演算処理を行ない、所望の基準座標に変換した位置及び方向信号を出力させる。
【0086】
【数15】
【0087】
なお、上記した例では1軸の傾斜角(チルト角度)と回転角(パン角度)とを検出したが、使用条件によっていずれか一方だけを検出するようにしてもよい。
【0088】
また、図10(a)ではX軸方向のチルト角度を検出しているが、これに加えY軸方向のチルト角度を検出するようにしてもよい。
【0089】
図11は送信コイル台の他の例を示す図である。
【0090】
この送信コイル台260は第1のエンコーダ162に代えて傾斜センサ264でチルト角度を検出する備える点で上記送信コイル台160と相違する。
【0091】
傾斜センサ264を用いることによって常に水平面に対する傾斜角を検出することができるので、最終的に出力される位置及び方向信号も水平面を基準とすることができる。
【0092】
なお、傾斜センサ264に代えて加速度センサを用いてもよい。
【0093】
図12はこの発明の第2実施形態に係る位置姿勢測定装置を示す概念図であり、第1実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0094】
この実施形態は送信コイル20を送信コイル台260に取り付けた点で第1実施形態と相違する。
【0095】
受信コイル30のX’軸及びY’軸にはそれぞれロール角を検出する傾斜センサ31a及びピッチ角を検出する傾斜センサ31bが取り付けられている。
【0096】
この受信コイル30は例えばモーションキャプチャの入力装置として使用者の身体(被測定物)の所定の位置に取り付けられる。
【0097】
送信コイル20を取り付ける送信コイル台260の送信コイルホルダ261上のX軸上及びY軸上にはそれぞれロール角を検出する傾斜センサ264a及びピッチ角を検出する傾斜センサ264bが取り付けられている。傾斜センサ264aと傾斜センサ264bとで請求項3記載のホルダ取付角度検出手段が構成される。
【0098】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、位置及び方向の座標定義を変えることなく使用者が簡単に計測領域を調整することができる。
【0099】
なお、上記各実施形態では、受信コイル30を被測定物に取り付け送信コイル20を基準として受信コイルの姿勢を測定しているが、この発明の適用範囲はこれに限るものではなく、送信コイル20を被測定物に取り付け受信コイル30を基準として送信コイル20の姿勢を測定するようにしてもよい。
【0100】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1又は2記載の発明の位置姿勢測定装置によれば、磁界の歪みに起因する測定誤差を低減でき、しかも小型で消費電力が少なく、任意の場所で使用できる。
【0101】
請求項3記載の発明の位置姿勢測定装置によれば、位置及び方向の座標定義を変えることなく使用者が簡単に計測領域を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【図2】図2はこの発明の第1実施形態の変形例に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【図3】図3は送信コイルと受信コイルとの関係を説明する図である。
【図4】図4(a),(b)は誤差低減効果を確認するための試験条件を示す図である。
【図5】図5(a),(b)はこの発明に係る位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【図6】図6(a),(b)はこの発明に係る位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【図7】図7(a),(b)は従来の位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【図8】図8は送信コイル台を備える位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【図9】図9は送信コイルと基準面との関係を示す図である。
【図10】図10は送信コイル台の一例を示す図である。
【図11】図11は送信コイル台の他の例を示す図である。
【図12】図12はこの発明の第2実施形態に係る位置姿勢測定装置を示す概念図である。
【符号の説明】
20 送信コイル(送信手段)
21,31a,31b,264a,264b 傾斜センサ
30 受信コイル(受信手段)
31 姿勢角センサ(傾斜角検出手段)
40 プロセッサ(演算手段)
140 プロセッサ(演算・補正手段)
160,260 送信コイル台
161,261 送信コイルホルダ(送信手段ホルダ)
162 第1のエンコーダ
163 第2のエンコーダ
【発明の属する技術分野】
この発明は位置姿勢測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁界を利用して被測定物の位置や姿勢を検出する方法は、米国特許第3868565号、米国特許第4287809号等に開示されている。
【0003】
これらの方法においては、互いに直交する3軸に設けられた送信コイルから発生した磁界を被測定物に取り付けられた互いに直交する3軸に設けられた受信コイルで検出し、その検出結果に基いて送信コイルに対する受信コイルの位置や姿勢を測定している。
【0004】
しかし、この方法では、導電性金属の近傍で発生する渦電流によって磁界の歪みに起因する測定誤差が発生する。そのため、直流磁界を利用したり(米国特許第4849692号等参照)、渦電流の影響の小さい低周波数の磁界を利用したり、磁界歪みの補正マップを作成して測定誤差を補正したりする必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法には以下の問題点があった。
【0006】
直流磁界を利用する方法の場合、地磁気等の周辺磁界の影響を大きく受けるため、コイル径を大きくしたり、大電流を流したりする必要があり、測定装置が大型化し、消費電流が増大する。
【0007】
また、低周波数の磁界を利用する方法の場合、受信コイルに誘導される起電力は周波数に比例するため、コイル径を大きくしたり、大電流を流したりする必要があり、測定装置が大型化し、消費電流が増大する。
【0008】
更に、磁界歪みの補正マップを作成する方法の場合、測定装置を特定の場所でしか使用できず、任意の場所で使用できない。
【0009】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は磁界の歪みに起因する測定誤差を低減でき、しかも小型で消費電力が少なく、任意の場所で使用できる位置姿勢測定装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、三軸直交系をなす各軸に設けられて磁界を発生する3つのコイルを有する送信手段と、三軸直交系をなす各軸に設けられ、前記送信手段に発生する磁界を検出する3つのコイルを有する受信手段とを備え、前記送信手段及び前記受信手段のいずれか一方が被測定物に取り付けられる位置姿勢測定装置において、基準面に対する前記被測定物側の手段の姿勢角を検出する傾斜角検出手段と、前記受信手段の検出結果と前記傾斜角検出手段の検出結果とに基いて前記被測定物の位置及び姿勢を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
傾斜角検出手段の検出結果を既知として傾斜角検出手段の検出結果と受信手段の検出結果とから送信手段を基準とする被測定物の位置と姿勢又は受信手段を基準とする被測定物の位置と姿勢とを演算する。
【0012】
請求項2記載に発明は、三軸直交系をなす各軸に設けられて磁界を発生する3つのコイルを有する送信手段と、被測定物に取り付けられ、三軸直交系をなす各軸に設けられて前記送信手段に発生する磁界を検出する3つのコイルを有する受信手段と、基準面に対する前記受信手段の姿勢角を検出する傾斜角検出手段と、前記受信手段の検出結果と前記傾斜角検出手段の検出結果とに基いて前記被測定物の位置及び姿勢を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
傾斜角検出手段の検出結果を既知として傾斜角検出手段の検出結果と被測定物に取り付けられた受信手段の検出結果とから送信手段を基準とする被測定物の位置と姿勢とを演算する。
【0014】
請求項3記載に発明は、請求項2記載の位置姿勢測定装置において、前記送信手段が取り付けられ、前記基準面に対する前記送信手段の取付角度を調節可能な送信手段ホルダと、前記送信手段に設けられ、前記基準面に対する前記送信手段の取付角度を検出するホルダ取付角度検出手段と、前記演算手段によって求められた前記被測定物の位置及び姿勢を前記ホルダ取付角度検出手段の検出結果に基いて補正する補正手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
ホルダ取付角度検出手段で基準面に対する送信手段の取付角度を検出し、演算手段によって求められた被測定物の位置及び姿勢をホルダ取付角度検出手段の検出結果に基いて補正し、所望の基準座標に変換した位置及び姿勢信号を出力する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1はこの発明の第1実施形態に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【0018】
この位置姿勢測定装置は信号発生器10とアンプ11と同期検波回路12とA/D変換回路13と送信コイル(送信手段)20と受信コイル(受信手段)30と姿勢角センサ(傾斜角検出手段)31とプロセッサ(演算手段)40とを備える。
【0019】
送信コイル20は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。送信コイル20のX軸及びY軸は水平面と平行である。
【0020】
送信コイル20に信号発生器10から所定の信号が送られたとき、受信コイル30の計測領域に対して送信コイル20は交流磁界を作る。
【0021】
受信コイル30は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。この受信コイル30は姿勢角センサ31とともに被測定物Mに取り付けられている。
【0022】
姿勢角センサ31はジャイロと加速度計とを組み合わせた3軸ダイナミック姿勢角検出装置であり、送信コイル20に対する受信コイル30の姿勢角を検出する。
【0023】
受信コイル30の出力端子はアンプ11の入力端子に接続され、アンプ11の出力端子は同期検波回路12の入力端子に接続され、同期検波回路12の出力端子はA/D変換回路13の入力端子に接続され、A/D変換回路13の出力端子はプロセッサ40に接続されている。同期検波回路12の入力端子には信号発生器10の出力端子が接続され、同期信号が入力される。
【0024】
送信コイル20から放射された交流磁界を受信コイル30で受信し、受信コイル30の受信電流をアンプ11で交流磁界の大きさに応じた電圧信号に変換して増幅し、その出力電圧を同期検波回路12で信号発生器10からの同期信号に基いて同期検波し、送信コイル20から発生した磁界成分だけを検出する。更に、検出された信号はA/D変換回路13でデジタル信号に変換され、磁界データとしてプロセッサ40へ送られる。
【0025】
同時に、姿勢角センサ31は受信コイル30の送信コイル20に対する姿勢角を検出し、検出結果を姿勢データとしてプロセッサ40へ送る。このとき、姿勢角としてロール角とピッチ角とヨー角とが姿勢角センサ31からプロセッサ40に送られる。
【0026】
プロセッサ40は姿勢データと磁界データとから送信コイル20を基準とする受信コイル30の位置と姿勢とを演算し、出力する。
【0027】
プロセッサ40では以下のように演算が行なわれる。
【0028】
受信コイル30で検出された磁界は数1で表される。
【0029】
【数1】
【0030】
また、磁界は受信コイル30の位置及び姿勢、送信コイル20と受信コイル30との間の距離(レンジ)Rから下記の数2で表される。
【0031】
【数2】
【0032】
ここで、M、H及びRはそれぞれ下記の数3、数4及び数5で表される。
【0033】
【数3】
【数4】
【数5】
【0034】
なお、レンジに対しては金属の影響が比較的小さいため、座標位置からではなく受信コイル30で検出された磁界の大きさから直接に求める。
【0035】
したがって、姿勢角を既知とした場合、下記の数6からU:(U1,U2,U3)を得ることができるので、受信コイル30の位置を数7として得ることができる。
【0036】
【数6】
【数7】
【0037】
次に、姿勢角センサ31として傾斜センサ、加速度センサを用いた場合を説明する。
【0038】
この場合には姿勢角としてロール角とピッチ角とが姿勢角センサ31からプロセッサ40に送られる。プロセッサ40では受信コイル30の出力から計算されたヨー角と姿勢角センサ31で検出されたロール角及びピッチ角とに基いて送信コイルに対する受信コイルの位置と姿勢とを演算する。
【0039】
プロセッサ40では以下のように演算が行なわれる。
【0040】
磁界は数1で表されるので、下記の数8からUを得ることができる。
【0041】
【数8】
【0042】
ここで、数9であるが、R=1としてHを計算し正規直交化を施す。
【0043】
【数9】
【0044】
これにより、姿勢角(φ、θ、ψ)を得ることができる。
【0045】
ヨー角ψと姿勢角センサ31で測定されたロール角φ及びピッチ角θとを組み合わせることで、姿勢角を既知として位置を計算することができる。
【0046】
この姿勢角は磁界の歪みに起因する誤差を含んでおり、数10で表されるので、数11からTψを得ることができる。
【0047】
【数10】
【数11】
【0048】
TψはZ軸回りの回転を定義するマトリクスであるので、数12を用いて正規直交化を行ない、その結果を用いて数13として新たに姿勢角を定義し直す。
【0049】
【数12】
【数13】
【0050】
この第1実施形態によれば、導電性金属や強磁性体の影響の小さいセンサを用いて受信コイル30の送信コイル20に対する姿勢角を測定し、この姿勢角を既知のものとして受信コイル30の位置と姿勢とを計算するので、演算時における未知数を減少させることができ、磁界の歪みに起因する測定誤差を低減できる。また、コイル径を大きくしたり、大電流を流したりする必要がないので、測定装置の小型化、消費電力の低減を図ることができる。更に、磁界歪みの補正マップを作成する方法ではないので、測定装置を任意の場所で使用することができる。
【0051】
なお、姿勢角センサ31としては磁界のように導電性金属や強磁性体の影響を受けない又は影響の小さいものであれば、例えば光学式のものであってもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、送信コイル20のX軸、Y軸を水平面に平行としたが、送信コイルの姿勢を任意としてもよい。
【0053】
図2はこの発明の第1実施形態の変形例に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図、図3は送信コイルと受信コイルとの関係を説明する図である。
【0054】
この変形例は送信コイル20の姿勢角を検出する傾斜センサ21を送信コイル20に取り付けた点で第1実施形態と相違する。
【0055】
この位置姿勢測定装置では、送信コイル20の姿勢角θ0を傾斜センサ21で検出し、姿勢角センサ31で検出した受信コイル30の姿勢角θ’を送信コイル20に対する姿勢角θに変換する。図3において、姿勢角θ0 、θ’は水平面(基準面)に対するX軸、X’軸の角度である。
【0056】
このとき、送信コイル20に対する受信コイル30の姿勢を表す方向余弦Hは数14から求めることができる。
【0057】
【数14】
【0058】
この構成によって送信コイル20を水平面に置けない場合に対応することができる。
【0059】
図4(a),(b)は誤差低減効果を確認するための試験条件を示す図であり、図4(a)は位置姿勢測定装置をY軸方向から見た図、図4(b)はZ軸方向から見た図である。
【0060】
送信コイル20の座標位置を(0,0,0)とし、受信コイル30の座標位置を(Xr,Yr,Zr)として表している。送信コイル20は水平面に平行に配置されている。
【0061】
したがって、図4において、Xr は送信コイル20と受信コイル30のX軸方向の距離、Yr は送信コイル20と受信コイル30のY軸方向の距離、Zr は送信コイル20と受信コイル30のZ軸方向の距離をそれぞれ示す。
【0062】
図4(a)において、hr1,hr2,hr3,hr4及びhr5はそれぞれ受信コイル30の導電性金属シート50からの高さを表し、受信コイル30のZ軸方向の位置だけが変化することを示している。
【0063】
なお、この例ではhr1,hr2,hr3,hr4及びhr5をそれぞれ1cm,5cm,10cm,15cm及び20cmとした。
【0064】
図5(a),(b)及び図6(a),(b)はこの発明に係る位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図であり、図7(a),(b)は従来の位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【0065】
図5はロール角、ピッチ角及びヨー角を姿勢角センサで検出して測定したときのグラフであり、図6はロール角及びピッチ角を姿勢角センサで検出して測定したときのグラフである。
【0066】
図5(a)、図6(a)及び図7(a)において、横軸は受信コイルの導電性金属シートからの高さ(単位:cm)を示し、縦軸は位置誤差(単位:m)を示す。
【0067】
図5(b)、図6(b)及び図7(b)において、横軸は受信コイルの導電性金属シートからの高さ(単位:cm)を示し、縦軸は姿勢誤差(単位:°)を示す。
【0068】
図5(a),(b)及び図6(a),(b)から、この発明の実施形態の位置姿勢測定装置によって受信コイル30の位置及び姿勢を検出したとき、金属シートによる磁界の歪みの影響が小さく、位置誤差及び姿勢誤差が従来の測定装置によって受信コイルの位置及び姿勢を検出したとき(図7(a),(b)参照)より低減することがわかる。
【0069】
ところで、上記位置姿勢測定装置では位置及び方向は送信コイル20の座標基準で定義され、計測領域は半球状であり、送信コイル20を設置面に対して傾けて設置することにより計測領域を広く確保することができるが、送信コイル20を設置する場所に合わせて送信コイル20の方向や高さを予め調整する必要があり、座標定義を変えることなく計測領域だけを簡単に調整することができない。
【0070】
この調整作業を簡単にするためには、以下に述べる送信コイル台と組み合わせることが考えられる。
【0071】
図8は送信コイル台を備える位置姿勢測定装置を示すブロック図、図9は送信コイルと基準面との関係を示す図である。
【0072】
この位置姿勢測定装置は従来の位置姿勢測定装置に送信コイル台160を組み合わせた例である。
【0073】
この位置姿勢測定装置は、信号発生器110とアンプ111と同期検波回路112とA/D変換回路113と送信コイル(送信手段)120と送信コイル台160と受信コイル(受信手段)130とプロセッサ(演算・補正手段)140とを備える。
【0074】
送信コイル120は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。この送信コイル120は後述の送信コイル台160の送信コイルホルダ(送信手段ホルダ)161上に設けられている。
【0075】
送信コイル120に信号発生器110から所定の信号が送られたとき、被測定物(図示せず)に取り付けられた受信コイル120に対して送信コイル120は計測領域(図9に点線で示した半円部分)となる半球状の交流磁界を作る。
【0076】
受信コイル130は互いに直交する3軸に設けられた3つのコイルを有する。
【0077】
受信コイル130の出力端子はアンプ111の入力端子に接続され、アンプ111の出力端子は同期検波回路112の入力端子に接続され、同期検波回路112の出力端子はA/D変換回路113の入力端子に接続され、A/D変換回路113の出力端子はプロセッサ140に接続されている。同期検波回路112の入力端子には信号発生器110の出力端子が接続され、同期信号が入力される。
【0078】
送信コイル120から放射された交流磁界を受信コイル130で受信し、受信コイル130の受信電流をアンプ111で交流磁界の大きさに応じた電圧信号に変換して増幅し、その出力電圧を同期検波回路112で信号発生器110からの信号に基いて同期検波し、送信コイル120から発生した磁界成分だけを検出する。更に、検出された信号はA/D変換回路113でデジタル信号に変換され、磁界データとしてプロセッサ140へ送られ、プロセッサ140で送信コイル120を基準とした位置及び方向を演算する。
【0079】
更に、プロセッサ140は送信コイル台160から出力される送信コイル120の取付角度を用いて、所望の基準座標に変換した位置及び方向信号を出力する。
【0080】
送信コイル120の取付角度を変えることによって計測領域を任意に調整することができる。
【0081】
次に、送信コイル120の取付角度として1軸の傾斜角(チルト角度)と回転角(パン角度)とを検出する場合を説明する。
【0082】
図10は送信コイル台の一例を示す図であり、図10(a)はチルト角度を検出する場合を示す図、図10(b)はパン角度を検出する場合を示す図、図10(c)は図10(b)のA矢視図である。
【0083】
送信コイル台160はチルト角度を検出する第1のエンコーダ162とパン角度を検出する第2のエンコーダ163とを備え、送信コイル120は基準面(設置面)に対して傾斜可能であり、Z軸回りに回転可能である。
【0084】
送信コイル台160は送信コイル120の取付角度として第1のエンコーダ162で基準面に対する送信コイルのチルト角度βを検出し、第2のエンコーダ163で任意の基準位置に対するパン角度αを検出し、検出結果をプロセッサ140(図8参照)へ送る。
【0085】
プロセッサ140は数15を用いて演算処理を行ない、所望の基準座標に変換した位置及び方向信号を出力させる。
【0086】
【数15】
【0087】
なお、上記した例では1軸の傾斜角(チルト角度)と回転角(パン角度)とを検出したが、使用条件によっていずれか一方だけを検出するようにしてもよい。
【0088】
また、図10(a)ではX軸方向のチルト角度を検出しているが、これに加えY軸方向のチルト角度を検出するようにしてもよい。
【0089】
図11は送信コイル台の他の例を示す図である。
【0090】
この送信コイル台260は第1のエンコーダ162に代えて傾斜センサ264でチルト角度を検出する備える点で上記送信コイル台160と相違する。
【0091】
傾斜センサ264を用いることによって常に水平面に対する傾斜角を検出することができるので、最終的に出力される位置及び方向信号も水平面を基準とすることができる。
【0092】
なお、傾斜センサ264に代えて加速度センサを用いてもよい。
【0093】
図12はこの発明の第2実施形態に係る位置姿勢測定装置を示す概念図であり、第1実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0094】
この実施形態は送信コイル20を送信コイル台260に取り付けた点で第1実施形態と相違する。
【0095】
受信コイル30のX’軸及びY’軸にはそれぞれロール角を検出する傾斜センサ31a及びピッチ角を検出する傾斜センサ31bが取り付けられている。
【0096】
この受信コイル30は例えばモーションキャプチャの入力装置として使用者の身体(被測定物)の所定の位置に取り付けられる。
【0097】
送信コイル20を取り付ける送信コイル台260の送信コイルホルダ261上のX軸上及びY軸上にはそれぞれロール角を検出する傾斜センサ264a及びピッチ角を検出する傾斜センサ264bが取り付けられている。傾斜センサ264aと傾斜センサ264bとで請求項3記載のホルダ取付角度検出手段が構成される。
【0098】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、位置及び方向の座標定義を変えることなく使用者が簡単に計測領域を調整することができる。
【0099】
なお、上記各実施形態では、受信コイル30を被測定物に取り付け送信コイル20を基準として受信コイルの姿勢を測定しているが、この発明の適用範囲はこれに限るものではなく、送信コイル20を被測定物に取り付け受信コイル30を基準として送信コイル20の姿勢を測定するようにしてもよい。
【0100】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1又は2記載の発明の位置姿勢測定装置によれば、磁界の歪みに起因する測定誤差を低減でき、しかも小型で消費電力が少なく、任意の場所で使用できる。
【0101】
請求項3記載の発明の位置姿勢測定装置によれば、位置及び方向の座標定義を変えることなく使用者が簡単に計測領域を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【図2】図2はこの発明の第1実施形態の変形例に係る位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【図3】図3は送信コイルと受信コイルとの関係を説明する図である。
【図4】図4(a),(b)は誤差低減効果を確認するための試験条件を示す図である。
【図5】図5(a),(b)はこの発明に係る位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【図6】図6(a),(b)はこの発明に係る位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【図7】図7(a),(b)は従来の位置姿勢測定装置を用いたときの試験結果を示す図である。
【図8】図8は送信コイル台を備える位置姿勢測定装置を示すブロック図である。
【図9】図9は送信コイルと基準面との関係を示す図である。
【図10】図10は送信コイル台の一例を示す図である。
【図11】図11は送信コイル台の他の例を示す図である。
【図12】図12はこの発明の第2実施形態に係る位置姿勢測定装置を示す概念図である。
【符号の説明】
20 送信コイル(送信手段)
21,31a,31b,264a,264b 傾斜センサ
30 受信コイル(受信手段)
31 姿勢角センサ(傾斜角検出手段)
40 プロセッサ(演算手段)
140 プロセッサ(演算・補正手段)
160,260 送信コイル台
161,261 送信コイルホルダ(送信手段ホルダ)
162 第1のエンコーダ
163 第2のエンコーダ
Claims (3)
- 三軸直交系をなす各軸に設けられて磁界を発生する3つのコイルを有する送信手段と、
三軸直交系をなす各軸に設けられ、前記送信手段に発生する磁界を検出する3つのコイルを有する受信手段とを備え、
前記送信手段及び前記受信手段のいずれか一方が被測定物に取り付けられる位置姿勢測定装置において、
基準面に対する前記被測定物側の手段の姿勢角を検出する傾斜角検出手段と、前記受信手段の検出結果と前記傾斜角検出手段の検出結果とに基いて前記被測定物の位置及び姿勢を演算する演算手段と
を備えていることを特徴とする位置姿勢測定装置。 - 三軸直交系をなす各軸に設けられて磁界を発生する3つのコイルを有する送信手段と、
被測定物に取り付けられ、三軸直交系をなす各軸に設けられて前記送信手段に発生する磁界を検出する3つのコイルを有する受信手段と、
基準面に対する前記受信手段の姿勢角を検出する傾斜角検出手段と、
前記受信手段の検出結果と前記傾斜角検出手段の検出結果とに基いて前記被測定物の位置及び姿勢を演算する演算手段と
を備えていることを特徴とする位置姿勢測定装置。 - 前記送信手段が取り付けられ、前記基準面に対する前記送信手段の取付角度を調節可能な送信手段ホルダと、
前記送信手段に設けられ、前記基準面に対する前記送信手段の取付角度を検出するホルダ取付角度検出手段と、
前記演算手段によって求められた前記被測定物の位置及び姿勢を前記ホルダ取付角度検出手段の検出結果に基いて補正する補正手段と
を備えていることを特徴とする請求項2記載の位置姿勢測定装置。
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2002
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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