JP2004093181A - 駆動機構の制御装置および表面性状測定装置 - Google Patents

駆動機構の制御装置および表面性状測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】応答速度が速くかつ安定した応答を示す駆動機構の制御装置を提供する。
【解決手段】可動部材2を変位させる駆動機構を駆動制御する駆動機構3の制駆動機構制御回路6であって、可動部材2に作用する作用力を検出する作用力検出回路62と、作用力検出回路62によって検出された作用力を二段の積分過程で積分することにより可動部材2の変位情報を算出する微動変位情報算出回路64とを備え、微動変位情報算出回路64により得られた可動部材2の微動変位情報に基づいて作用力が一定となるように駆動機構3を駆動制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動機構の制御装置および表面性状測定装置に関する。例えば、本体に対して移動可能な可動部材を有し、この可動部材を駆動させる駆動機構を制御する駆動機構の制御装置および可動部材によって被測定物表面を走査することにより被測定物の表面粗さ、うねり、輪郭形状、真円度などの表面性状を測定する表面性状測定装置に関する。
【0002】
【背景技術】
本体に対して移動可能な可動部材を有しこの可動部材を駆動させる駆動機構を駆動制御する駆動機構の制御装置が知られ、この駆動機構の制御装置を利用するものとして、例えば、測定子を被測定物表面に沿って移動させ被測定物表面の粗さやうねりを測定する表面性状測定装置が知られている。
この表面性状測定装置1は、図5に示されるように、被測定物Wに接触する可動部材としての測定子2およびこの測定子2を上下方向に駆動させる駆動機構3を有するプローブ10と、測定子2の変位量を検出する変位量検出手段9とを備えている。
駆動機構3は、測定子2を微小範囲で移動させる微動機構32と、この微動機構32とともに測定子2を大変位させる粗動機構33とを備えて構成されている。微動機構32および粗動機構33はそれぞれ駆動機構制御回路6によって駆動制御される。微動機構32は、例えば、圧電素子などの固体素子によって構成されている。粗動機構33は、例えば、電磁アクチュエータなどで構成されている。
さらに、プローブ10は、三次元座標測定機や真円度測定機、輪郭形状測定機(不図示)などに取り付けられX、Y、Z駆動軸によって駆動される。
【0003】
このような構成において、微動機構32および粗動機構33をそれぞれ駆動させることにより、測定子2を被測定物表面に沿って走査移動させる。このとき、測定子2は、被測定物表面の微細な粗さに対しては微動機構32の変位によって移動され、被測定物表面のうねりなどの大変位に対しては微動機構32の変位量が微小変位に収まるように粗動機構33の変位によって移動される。測定子2が被測定物表面に沿って移動されるときの測定子2の変位量を変位量検出手段9で検出することにより、被測定物の表面性状を測定することができる。このように、微動機構32と粗動機構33をそれぞれ駆動させることにより、半導体ウエハのようにナノメートルオーダーの微小凹凸と、マイクロメートルオーダーの大凹凸を有する被測定物Wに対しても効率よく測定することができる。
【0004】
微動機構32および粗動機構33を駆動制御する場合、それぞれの駆動機構3は駆動機構制御回路6によってフィードバック制御される。
一般に、可動部材である測定子2の移動量を制御する上記のような駆動機構3の制御では、可動部材2に発生する加速度から可動部材2の変位量を算出し、この変位量と制御目標との差から帰還情報を得ていた。例えば、加速度を二回積分することによって可動部材2の変位量を求め、この変位量と制御目標との差を帰還情報としてフィードバックしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、時々刻々変化する被測定物表面の粗さおよびうねりに追従して測定子2を変位させる場合、従来のように単純に二度の積分過程を行うと、入力に対して応答の位相を大きく遅らせることになりやすい。その結果、このように二度の積分過程を含む制御系によると、位相遅れが大きくなって、制御系の位相余有が少なくなるために、動作が不安定になりやすく、また、極めて低速になるという問題が生じる。すなわち、測定データが大きく変動して測定精度が悪くなるか、または、走査移動速度を極めて低速しなければならないという問題が生じる。
【0006】
このような問題は、表面性状測定装置1に使用される駆動機構3の制御装置のみならず、可動部材2を駆動させる駆動機構3の制御装置でフィードバック制御を行うものに共通する問題である。
【0007】
本発明の第1の目的は、従来の問題を解消し、応答速度が速くかつ安定した応答を示す駆動機構の制御装置を提供することであり、本発明の第2の目的は、測定データのばらつき幅を小さくしかつ測定速度を向上させる表面性状測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の駆動機構の制御装置は、可動部材を変位させる駆動機構を駆動制御する駆動機構の制御装置であって、前記可動部材に作用する作用力を検出する作用力検出手段と、前記作用力検出手段によって検出された前記作用力を二段の積分過程で積分することにより前記可動部材の変位情報を算出する変位情報算出手段とを備え、前記変位情報算出手段により得られた前記可動部材の前記変位情報に基づいて前記作用力が一定となるように前記駆動機構を駆動制御することを特徴とする。
【0009】
このような構成において、可動部材は、可動部材への作用力が予め設定された所定値で一定になるように駆動機構によって変位される。ここで、可動部材への作用力とは、例えば可動部材を被測定対象に押し当てる場合には、被測定対象から可動部材にかかる押圧力であったり、例えば可動部材と被測定対象との間で原子間の引力が生じる場合には原子間力等であるなど、可動部材が関与する対象から可動部材に作用する作用力を意味する。
作用力検出手段は、可動部材に作用する作用力を検出し、検出結果を変位情報算出手段に出力する。
変位情報算出手段は、この作用力を二段の積分過程で積分することにより、可動部材の変位情報を算出する。
力を二回積分すれば、変位と同じ次元になるので、変位情報算出手段によって可動部材の変位情報を得ることができる。
例えば、作用力検出手段で検出された作用力から予め設定された所定値を減算しこれを二重積分すれば、可動部材に作用する作用力を所定値にするために必要な可動部材の変位量を算出することができる。
このように変位情報算出手段で求められた変位情報をフィードバックして駆動機構により可動部材を変位させる。すると、可動部材に作用する作用力を一定となるように駆動機構を制御することができる。
【0010】
請求項2に記載の駆動機構の制御装置は、請求項1に記載の駆動機構の制御装置において、前記変位情報算出手段は、さらに前記作用力についての比例過程を備えた二段の積分+比例過程であることを特徴とする。
【0011】
このような構成において、それぞれの積分+比例過程(PI制御)について比例ゲインおよび積分ゲインを調整してこの駆動機構の制御を安定にすることができる。二段の積分過程のみで構成する場合は、積分による位相遅れが2倍となり、フィードバック制御における位相余有が極めて少なくなり、その結果、閉ループの周波数応答が劣化するので、低速の制御しか出来ない。これに対して、比例過程を加えたPI制御とすれば、位相特性が改善されて駆動機構の応答を高速化することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の駆動機構の制御装置は、請求項2に記載の駆動機構の制御装置において、前記変位情報算出手段の第1段目の積分+比例過程および第2段目の積分+比例過程についてのそれぞれの時定数は、前記駆動制御の応答を最大にするように定められることを特徴とする。
【0013】
積分+比例過程において、ラプラス変換のパラメータ(ラプラス演算子)をsとすると、積分+比例過程の伝達関数G(s)は、kおよびjをそれぞれ積分過程、比例過程の係数として、次の式で表される。
G(s)=k(1/s)+j
=k(1+sj/k)/s
=k(1+sT)/s
ただし、T=j/k(時定数:次元sec)
【0014】
第1段目の積分+比例過程および第2段目の積分+比例過程についてそれぞれ、作用力検出手段および駆動機構の周波数特性を加味して、応答のゲインを最大にするようにこの時定数Tを定める。すると、この駆動機構の特性から要求される周波数領域においては、応答速度が速く、かつ、安定した駆動制御を行うことができる。
【0015】
請求項4に記載の駆動機構の制御装置は、請求項3に記載の駆動機構の制御装置において、前記第1段目の積分+比例過程および前記第2段目の積分+比例過程のそれぞれの時定数は等しいことを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、第1段目の積分+比例過程と第2段目の積分+比例過程の回路を同一とできるので、回路構成を単純化することができる。
【0017】
請求項5に記載の駆動機構の制御装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の駆動機構の制御装置において、前記可動部材の変位量を検出する変位量検出手段を備え、前記駆動機構は前記可動部材を微小変位させる微動機構および前記微動機構とともに前記可動部材を大変位させる粗動機構を備え、前記変位情報算出手段は、予め設定された前記可動部材の所定作用力と前記作用力検出手段で検出された作用力の差に基づいて前記変位情報を算出し、前記微動機構は、前記作用力を帰還情報として駆動制御され、前記粗動機構は、前記微動機構の変位量を予め設定された定常変位とするバランス変位量に対して前記変位情報算出手段で算出された前記変位情報を帰還情報として駆動制御されることを特徴とする。
【0018】
このような構成において、可動部材は、微動機構によって微小範囲で変位され、さらに、可動部材は、微動機構とともに粗動機構によって大変位される。このとき、可動部材の変位量は、変位量検出手段によって検出される。
【0019】
ここで、微動機構および粗動機構は、可動部材に対する作用力が予め設定された所定値になるようにそれぞれ駆動機構の制御装置によって駆動制御される。さらに、微動機構の可動部材が予め設定される定常変位(バランス変位量)となるように微動機構および粗動機構は駆動制御される。
つまり、制御対象は、微動機構および粗動機構であり、この制御の目標は、可動部材への作用力を一定にすることと、微動機構の可動部材の変位位置が常に定常位置(バランス変位量)になるようにすることである。
【0020】
この目標を達成するため、まず、作用力検出手段で可動部材に作用する作用力を帰還情報として検出する。検出された作用力と予め設定された所定作用力との差を求める。これにより、可動部材に過剰に作用する作用力を算出できる。この過剰に作用する作用力から変位情報算出手段によって変位情報を得る。すなわち、作用力を所定値にするために必要な可動部材の変位量を算出することができる。変位情報算出手段で算出された変位情報に基づいて微動機構を駆動させる。すると、可動部材に作用する作用力を所定値とすることができる。
【0021】
粗動機構は、変位情報算出手段で算出された変位情報と微動機構定常位置として設定されたバランス変位量との差を動作信号として駆動制御される。すると、微動機構の変位ではまかなえない変位量は粗動機構によって補われ、微動機構の変位量を所定量とすることができる。
【0022】
本発明によれば、作用力検出手段で検出された作用力と所定作用力との差から変位情報算出手段で変位情報を算出し、この変位情報に基づいて可動部材に作用する作用力を一定とするように微動機構を駆動することができる。この際、変位情報算出手段は、二段の比例+積分過程であるので、応答が速く、かつ、安定である。
変位情報算出手段で算出された変位情報を粗動機構にフィードバックするので、微動機構の変位量を所定量にするように粗動機構を駆動することができる。
本発明によれば、微動機構の高速応答性を損なうことなく駆動機構の可動範囲(測定範囲)を拡大することができる。
【0023】
請求項6に記載の駆動機構の制御装置は、請求項5に記載の駆動機構の制御装置において、前記粗動機構は、前記変位量検出手段により検出された前記変位量と前記変位情報算出手段で算出された前記変位情報との差の微分情報を速度帰還情報として駆動制御されることを特徴とする。
このような構成によれば、粗動機構は、変位量検出手段により検出された可動部材の変位量と変位情報算出手段で算出された微動機構の変位情報との差の微分情報を速度帰還情報として駆動制御されるので、粗動機構の速度帰還情報を得るためのセンサーをわざわざ設けなくとも制御特性を改善することが出来る。
【0024】
請求項7に記載の表面性状測定装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の駆動機構の制御装置を用いて構成され、前記可動部材は、被測定物表面に接近または離隔されて被測定物表面を走査する測定子であり、前記作用力は、前記被測定物表面と前記測定子とが関与する際に変化する状態量であって、前記変位検出手段の検出値により前記被測定物の表面性状を検出することを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、請求項1〜6に記載の駆動機構の制御装置の効果を奏する表面形状測定装置を構成することができる。すなわち、被測定物表面に沿って測定子を走査させる際に、測定子に作用する作用力を一定にしつつ、速やかにかつ安定に測定子を走査することができる。
駆動機構が微動機構と粗動機構で構成されていれば、測定子に作用する作用力を一定とするように微動機構を駆動することができる。このとき、応答が速く、かつ、安定に微動機構を駆動制御することができる。変位情報算出手段で算出された変位情報とバランス変位量との差を粗動機構にフィードバックするので、微動機構の変位量を所定量にするように粗動機構を駆動することができる。よって、微小凹凸と大凹凸を有する被測定物表面に沿って測定子を走査させる場合でも、測定子を速やかにかつ安定に走査させることができる。その結果、測定データのばらつき幅が小さくかつ測定速度を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の駆動機構の制御装置および表面性状測定装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の表面性状測定装置の一実施形態を示す。
この表面性状測定装置1は、被測定物Wに接触される可動部材としての測定子2と、測定子2を変位させる駆動機構3と、測定子2の変位を検出する変位量検出センサ4と、測定子2が被測定物Wに接触した際に被測定物表面から測定子2に作用する作用力を検出する作用力検出手段としての作用力センサ5と、駆動機構3の駆動を制御する駆動機構の制御装置としての駆動機構制御回路6とを備えて構成されている。
【0027】
駆動機構3は、測定子2を微小範囲で変位させる微動機構32と、この微動機構32とともに測定子2を大変位させる粗動機構33とを備えて構成されている。
微動機構32は、粗動機構33の可動部333に固定される微動固定部321と、この微動固定部321に設けられた圧電素子322とを備えて構成されている。圧電素子322の下端側に測定子2が設けられている。
粗動機構33は、駆動機構3の筐体であるハウジング31に固定された永久磁石331と、この永久磁石331による磁界中を上下方向に移動する可動コイル332とを備えた電磁アクチュエータで構成されている。可動コイル332の下端には可動コイル332と一体的に移動する可動部333が設けられている。可動部333は、ハウジング31と一体化された粗動固定部334をガイドするエアーベアリング335によって滑動可能に保持されている。
さらに、駆動機構3のハウジング31は、三次元座標測定機(不図示)などに取り付けられX、Y、Z駆動軸によって移動される。
【0028】
変位量検出センサ4は、微動機構32の下端と測定子2の上端との間に設けられた可動要素41に保持され微動機構32および粗動機構33の変位方向と平行方向に移動するスケール42と、粗動固定部334に設けられスケール42の変位量を検出する検出器43とを備えたリニアエンコーダで構成されている。変位量検出センサ4は、測定子2のハウジング31に対する変位量を検出する。すなわち、変位量検出センサ4は、粗動機構33および微動機構32の合成変位量を検出することになる。変位量検出センサ4による検出結果は変位量信号として出力される。
【0029】
作用力センサ5は、測定子2の上端に設けられ、測定子2の歪み量を検出する歪みゲージなどで構成されている。作用力センサ5は、測定子2に作用する作用力を検出し、検出結果を作用力信号として出力する。
【0030】
駆動機構制御回路6は、微動機構32を駆動制御する微動機構制御回路61と、粗動機構33を駆動制御する粗動機構制御回路71とを備えて構成されている。
微動機構制御回路61は、作用力センサ5から出力される作用力信号を換算して作用力情報を出力する作用力検出回路62と、予め設定された指定作用力と作用力検出回路62からの作用力情報とを比較して作用力の差を出力する作用力比較器63と、作用力比較器63から出力される作用力の差から微動機構32についての微動変位情報を算出する変位情報算出手段としての微動変位情報算出回路64と、微動変位情報算出回路64からの微動変位情報に基づいて微動機構32の圧電素子322を駆動する微動機構駆動回路68とを備えて構成されている。
【0031】
作用力検出回路62は、作用力センサ5より出力された作用力信号から測定子2に作用する力を算出する。例えば、作用力センサ5が歪みゲージであった場合、歪みゲージによって検出された測定子2の歪み量を測定子2に作用している力に換算して、換算結果を作用力情報として出力する。ここに、作用力検出回路62と作用力センサ5とから作用力検出手段が構成されている。
【0032】
作用力比較器63は、予め設定された指定作用力と作用力検出回路62からの作用力情報とを比較して、測定子2に実際に作用している作用力と指定された作用力との差を算出して出力する。
指定作用力は、予め設定された一定の作用力で測定子2と被測定物表面とが接触を保つように設定されるものである。測定子2と被測定物表面とが一定の作用力で接触するように測定子2を被測定物表面の形状(粗さ、うねり)に沿って変位させることにより、測定子2の変位は被測定物の表面性状を反映したものとなる。
【0033】
微動変位情報算出回路64は、作用力比較器63から出力された指定作用力と作用力情報との差より、作用力を指定作用力に保つために必要な微動機構32の変位量を算出して微動変位情報として出力する。
微動変位情報算出回路64は、図2に示されるように、2段の比例+積分過程(PI過程)を行う2段PI回路65と、ノイズフィルタとしてのローパスフィルタ(LPF)641およびバンドエリミネートフィルタ(BEF)642とを備える。
【0034】
2段PI回路65は、直列に連結された二つの比例+積分回路で構成され、第1段目の比例+積分過程を行う第1PI回路66と、第2段目の比例+積分過程を行う第2PI回路67とを備える。
第1PI回路66および第2PI回路67は、図3に示されるように、互いに並列された積分回路661および増幅回路662と、積分回路661からの出力と増幅回路662からの出力とを加算する加算回路663とを備える。
第1PI回路66および第2PI回路67は同一の回路構成であり、すなわち時定数およびゲイン定数も同一である。このとき、時定数は、作用力検出回路62と作用力センサ5とから構成される作用力検出手段および、微動機構駆動回路68と圧電素子322とから構成される駆動手段の周波数特性を加味して、応答が最大となるように定める。つまり、制御系の遮断周波数が出来るだけ高くなるように時定数を定める。例えば、安定性を損なわない範囲内で増幅回路662の比例ゲインを可能な限り高く設定し、さらに積分回路661の積分ゲインを応答が最大になるように設定する。このようにして、安定かつ速応性も向上した応答特性を得る。
微動変位情報算出回路64で算出された微動変位情報は、微動機構32の圧電素子322を駆動させる微動機構駆動回路68へ出力される。
【0035】
微動機構駆動回路68は、圧電素子322を駆動させるための駆動アンプで構成され、微動変位情報により指令される変位量から圧電素子322に印加する電圧を算出し、この電圧を圧電素子322に印加する。
微動変位情報算出回路64で算出された微動変位情報は、指定作用力(目標値)と測定子2に実際に作用している作用力(制御量)との偏差を解消するために必要な測定子2の変位量を表している。よって、この微動変位情報分の測定子2の変位によって、測定子2に作用する作用力が指定作用力で一定となるように制御される。
【0036】
粗動機構制御回路71は、粗動機構33の変位量を制御する粗動変位制御部72と、粗動機構33の駆動速度を制御する粗動速度制御部75と、粗動機構33へ与えられる電流値を制御する粗動電流制御部81と、粗動機構33を駆動する粗動機構駆動回路84とを備えて構成されている。
【0037】
粗動変位制御部72は、微動機構32について予め設定されたバランス変位量と微動変位情報算出回路64で算出された微動変位情報とを比較してこの差(変位偏差)を出力する位置比較器73と、位置比較器73から出力される信号値(変位偏差)に基づいて速度指令値を生成する位置補償器74とを備えている。
微動機構32について予め設定されるバランス変位量とは、微動機構32の可能変位幅において微動機構32の可動部である測定子2の定常状態における変位量のことである。微動変位情報算出回路64で算出される微動変位情報がこのバランス変位量から外れた場合には、微動機構32の変位量をバランス変位量に戻すように、バランス変位量と微動変位情報との差(変位偏差)の分を粗動機構33で補うことになる。
位置比較器73は、バランス変位量と微動変位情報算出回路64からの微動変位情報とを比較してこの差を算出する。すなわち、微動機構32の変位量をバランス変位量に戻すために必要な粗動機構33の変位量を算出する。
位置補償器74は、位置比較器73からの信号に基づいて粗動機構33の速度指令値を生成する。位置補償器74は、例えば、位相補償器や、PI補償器や、フィルタ等を備えて構成される。位置補償器74からの出力は、粗動機構33の速度指令値として次の粗動速度制御部75に送られる。
【0038】
粗動速度制御部75は、変位検出センサ4からの変位量信号を換算して測定子2の実変位量情報を出力する変位量検出回路76と、変位量検出回路76による実変位情報と微動変位情報算出回路64による微動変位情報とを比較してこの差を出力する変位比較器77と、変位比較器77により算出された結果を微分して速度情報を得る微分回路78と、微分回路78からの速度情報と粗動変位制御部72からの粗動速度指令値とを比較してこの差(速度偏差)を算出する速度比較器79と、速度比較器79からの信号値より電流指令値を生成する速度補償器80とを備えて構成されている。
【0039】
変位量検出回路76は、変位量検出センサ4から出力された変位量信号から測定子2の変位量を算出する。例えば、変位量検出センサ4が光電式リニアエンコーダであれば、検出器43から出力されるパルスをカウントすることにより測定子2の実変位量を算出する。ここに、変位量検出回路76と変位量検出センサ4とから変位量検出手段が構成されている。
【0040】
変位比較器77は、微動変位情報算出回路64で算出される微動変位情報と変位量検出回路76で算出される測定子2の実変位量とを比較してこの差を算出する。
微分回路78は、変位比較器77からの出力値の微分値を算出する。ここで、微動変位情報の微分値は微動機構32の駆動速度を意味し、測定子2の実変位量の微分値は微動機構32および粗動機構33の合成駆動速度を意味することになる。よって、微分回路78からの出力値は、粗動機構33の速度を意味することになる。
【0041】
速度比較器79は、粗動変位制御部72からの粗動速度指令値と微分回路78からの速度情報とを比較してこの差を算出する。ここで、粗動変位制御部72からの粗動速度指令値は、微動機構32の変位量をバランス変位量に戻すために必要な粗動機構33の駆動速度を意味し、微分回路78からの速度情報は、現在の粗動機構33の駆動速度を意味している。従って、速度比較器79からの出力は、粗動機構33にさらに加えるべき駆動速度を意味することになる。
【0042】
速度補償器80は、速度比較器79からの信号を特性補償するとともに、速度比較器79からの信号(速度情報)に基づいて、速度比較器79で得られた速度を達成するために粗動機構33に印加すべき電流値を求める。速度補償器80は、例えば、位相補償器や、PI補償器や、フィルタ等を備えて構成され、周波数特性を改善するためのものである。
速度補償器80で得られた電流指令値は、粗動電流制御部81に送られる。
【0043】
粗動電流制御部81は、速度補償器80からの電流指令値と粗動機構33の図示しない電流センサから帰還される帰還電流値とを比較してこの差を算出する電流比較器82と、電流比較器82からの出力値を特性補償する電流補償器83とを備えて構成されている。
電流比較器82は、速度補償器80からの電流値と粗動機構33から帰還される帰還電流値との差を算出する。速度補償器80からの電流指令値は、粗動機構33にさらに加えるべき速度に見合う電流値であり、帰還電流値は現在粗動機構33に印加されている電流値である。よって、電流比較器82から出力される電流値は、粗動機構33にさらに加えるべき電流値を意味することになる。
電流補償器83からの出力電流は、粗動機構駆動回路84に送られる。
【0044】
粗動機構駆動回路84は、粗動機構33である電磁アクチュエータを駆動するコイルアンプで構成されている。粗動機構駆動回路84からの電流が粗動機構33の可動コイル332に印加されて、可動コイル332が変位される。
【0045】
このような構成からなる表面性状測定装置1の動作について説明する。
まず、目標値を設定する。つまり、作用力比較器63に入力する指定作用力と、位置比較器73に入力する微動機構32のバランス変位量を設定する。この目標値をとるように駆動機構3(微動機構32、粗動機構33)が駆動機構制御回路6によって制御されることになる。
【0046】
測定子2を被測定物表面に接触させ、駆動機構3が取り付けられた三次元座標測定機のX軸もしくはY軸、つまり被測定物表面に沿って測定子2を走査させる駆動軸によって駆動機構3を移動させる。この三次元座標測定機の駆動量と、変位量検出回路76による駆動機構3の駆動量(実変位情報)とから測定子2の変位量を取得して、被測定物表面性状の測定データを得ることができる。
【0047】
測定子2が被測定物表面に接触すると、このとき被測定物表面から測定子2に作用する作用力は、作用力センサ5で検出され、作用力信号として作用力検出回路62に出力される。作用力検出回路62は、作用力信号を換算して測定子2に作用している作用力を算出し、作用力情報として作用力比較器63に出力する。作用力比較器63は、指定作用力と作用力情報とを比較してこの差(作用力偏差)を算出し、微動変位情報算出回路64に出力する。
【0048】
微動変位情報算出回路64では、2段PI回路65によって比例+積分過程を二回行うことにより、作用力偏差を解消するために必要な測定子2の移動量を算出する。2段PI回路65からの出力は、2次LPF641およびBEF642に通されてノイズが除去され、微動変位情報として出力される。
【0049】
微動変位情報算出回路64から出力される微動変位情報は、分岐され、一方は微動機構駆動回路68に送られ微動機構32を駆動させ、他方は粗動機構制御回路71に送られて粗動機構33の駆動制御にまわされる。
微動機構駆動回路68は、微動変位情報により指令された変位量分だけ微動機構32を駆動させるために必要な電圧値を微動機構32の圧電素子322に印加する。これにより、測定子2の作用力を指定作用力で一定となるように測定子2が変位される。
【0050】
微動変位情報算出回路64で算出された微動変位情報は、粗動機構制御回路71の内部でさらに分岐され、一方は位置比較器73に送られて粗動機構33の変位量の制御を行うループをなし、他方は変位比較器77に送られ粗動機構33の速度制御のループをなす。
【0051】
微動変位情報とバランス変位量とが位置比較器73で比較されこの差(位置偏差)が算出される。位置比較器73からの出力は、位置補償器74に送られ、微動機構32の変位量をバランス変位量に戻すために必要な速度指令として速度比較器79に出力される。
【0052】
測定子2の変位量は、変位量検出センサ4で検出され、変位量信号として変位量検出回路76に送られる。変位量検出回路76により変位量信号は測定子2の実変位量に換算されて変位比較器77に送られる。一方、変位量検出回路76からの測定子2の実変位量は、外部に出力されて、測定データとなる。
【0053】
微動変位情報と変位量検出回路76から出力された実変位情報とは変位比較器77で比較されこの差が算出される。変位比較器77からの出力は微分回路78に送られて微分され速度情報として速度比較器79に出力される。
【0054】
速度比較器79では、位置補償器74からの出力値と微分回路78からの速度情報とが比較されてこの差が算出される。算出結果は、粗動機構33にさらに加えるべき速度を意味し、速度補償器80によって、粗動機構33にさらに加えるべき電流値に変換される。速度補償器80からの出力は、電流比較器82に出力される。
【0055】
電流比較器82において、速度補償器80から出力される電流指令値と粗動機構33からの帰還電流値とが比較され、この差が電流補償器83に出力される。電流補償器83からの出力は、粗動機構33にさらに加えるべき電流値を意味し、粗動機構駆動回路84に出力される。粗動機構駆動回路84は、電流補償器83から入力される電流値に基づいて粗動機構33の可動コイル332に電流を印加する。すると、可動コイル332が永久磁石の磁界中で変位され、粗動機構33が駆動される。
可動コイル332が変位されると、可動部333が変位されて、このとき微動機構32と測定子2が変位される。
【0056】
このように微動機構32および粗動機構33によって測定子2が変位される。測定子2の変位量は、変位量検出回路76から外部に出力される。変位量検出回路76による測定子2の実変位量は三次元座標測定機の駆動量とともに処理され、被測定物表面の測定データとされる。
【0057】
このような構成からなる表面性状測定装置1によれば、次の効果を奏することができる。
(1)駆動機構3は、測定子2を微小範囲で変位させる微動機構32と、測定子2を微動機構32とともに大変位させる粗動機構33とを備えている。よって、測定子2を被測定物表面の粗さ等の微小凹凸とうねり等の大凹凸に追従させることができる。その結果、粗さおよびうねりを有する被測定物表面を測定することができる。
(2)作用力センサ5で検出された作用力信号から作用力検出回路62で測定子2に作用する作用力を算出し、この作用力を微動変位情報算出回路64で二回積分することにより、測定子2の変位に関する情報を得ることができる。
【0058】
(3)微動変位情報算出回路64は、積分過程にさらに比例過程を加えた比例+積分過程を二段行う二段PI回路65を備えている。さらに、この二段PI回路65の時定数は作用力から変位情報までの応答周波数の範囲で最大のゲインが得られるように設定されている。よって、この微動変位情報算出回路64によって算出された変位情報によって微動機構32を微動機構駆動回路68で駆動させると、測定子2を被測定物表面に沿って速やかにかつ安定に走査させることができる。
ここで、図4に微動機構制御回路61の閉ループの周波数特性を示す。図4(A)にゲイン線図を示し、図4(B)に位相線図を示す。図4(A)のゲイン線図により、約1000Hzまでは、減衰のないフラットなゲインが得られることが分かる。図4(B)の位相線図により、50Hzまでは−0.7degの遅れにとどまることが分かる。
すなわち、本実施形態の表面性状測定装置1によれば、測定データのばらつき幅を小さくしかつ測定速度を向上させることができる。
【0059】
(4)2段PI回路65の第1PI回路66と第2PI回路67は同一の回路を用いるので、回路構成を簡便なものにできる。
(5)バランス変位量と微動変位情報算出回路64で算出された微動変位情報との差を位置比較器73で算出して粗動機構33の動作信号とするので、微動機構32の変位量をバランス変位量に戻すように粗動機構33を駆動することができる。
【0060】
(6)微動変位情報と変位量検出回路76からの実変位情報との差を変位比較器77で算出し、この算出結果の微分値を微分回路78で算出する。この算出結果である速度情報と位置補償器74からの変位偏差との差を速度比較器79で算出して粗動機構33への動作信号とするので、微動機構32の変位を微小範囲にするために粗動機構33に対してさらに加えるべき速度を求めることができる。これは、制御対象の目標値を設定して、出力値を決める一般的な制御(定位制御)とは異なり、バランス変位量が与えられても、駆動機構3の実変位情報は一定値とはならない無定位制御系を用いている。すなわち、作用力一定制御系と無定位大変位制御系を結合させることにより、駆動機構3の周波数特性を改善している。
【0061】
(7)駆動機構3の応答特性が改善されることにより、被測定物表面の形状に対する測定子2の追従性が良くなるので、測定子2で被測定物表面を走査する走査速度を向上させることができる。従来の測定子2の走査速度は、1〜5μm/sであるとされているが(計測と制御、41(2002)281−286、保坂他)、本実施形態によれば、従来の10倍以上の走査速度を実現することができる。
【0062】
尚、本発明の駆動機構の制御装置および表面性状測定装置は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
微動変位情報算出回路64は、2段のPI回路であるとしたが、比例回路を含まない2段の積分回路であって、作用力から二回の積分過程で変位情報を算出するものであってもよい。
【0063】
駆動機構3が微動機構32と粗動機構33とから構成されるものについて説明したが、例えば、粗動機構33と粗動機構制御回路71とを含まないで、微動機構32と微動機構制御回路61とからなる表面性状測定装置1であってもよい。すなわち、微動機構32のみからなる駆動機構3を微動機構制御回路61からなる駆動機構制御回路6で駆動制御してもよい。
【0064】
粗動機構33および微動機構32の構成は上記実施形態にのみ限られるものではなく、可動部材を変位させることができるものであればよい。例えば、微動機構32は圧電素子322ではなく電磁アクチュエータで構成されていてもよい。
また、粗動機構33の電磁アクチュエータはハウジング31に固定コイルを固定し、この固定コイルの磁界中を可動部333に設けた永久磁石が移動する構成としても良い。この場合、駆動電流を供給する配線が固定部側に設けられるので、構造が簡素になる他、可動コイル332への電気配線が不要となり、断線などの故障を避けることができ、信頼性が向上する。
【0065】
さらに、可動部333は、エアーベアリング335によって保持される構成を示したが、平行板ばねやリニヤガイドによって保持される構成としても良い。このようにすれば、空圧源が不要となり、駆動機構が簡素になる。
また、粗動機構33は、微動変位情報を帰還する位置ループと、速度情報を帰還する速度ループと、電流値を帰還する電流ループを備えた例を示したが、必要に応じて電流ループや速度ループを省略した簡素な構成としても良い。
【0066】
さらに、変位量検出センサ4としてエンコーダを用いる例を示したが、その他の変位を検出できるセンサを用いても良い。例えば、電気マイクロや光を用いた非接触センサでも良い。要は、必要な測定可能幅と分解能、精度を備えたセンサであれば良い。特に光センサを用いれば、微動機構32における微動可動部である測定子2の重量を軽減できるので、高速応答が得られる。
また、本実施形態においては、微動変位情報算出回路64において、ノイズフィルタとしてローパスフィルタ(LPF)641およびバンドエリミネートフィルタ(BEF)642とを用いたが、これに限らず、他のノイズフィルタでも良く、さらに特に必要がなければ、これらのフィルタを設けない構成としても良い。
【0067】
本実施形態において用いた補償器74、80、83などは動作信号を操作量に変換することが主な機能であるが、これにフィードバック制御系の特性を改善するための、各種の制御要素を備えても良い。
また、作用力センサ5として歪みゲージを用いる例を示したが、その他の力センサを用いても良い。例えば、圧電素子を用いても良い。しかし、一般的には、歪みゲージの方が、直線性が良く、精度の高い測定が行える。
【0068】
さらに、測定子2は圧電素子322の下端側に設ける構成を示したが、微動固定部321に対して測定子2が移動可能にガイドされるガイド機構を設けても良い。このようにすれば、粗動機構33の可動部333の移動方向と微動機構32の微動可動部の測定子2の移動方向を同一方向とすることが容易になる。この場合のガイド機構としては、エアーベアリング、平行板ばね、リニヤガイドなどを用いることができる。特に、粗動機構33のガイド面と微動機構32のガイド面を同一にすれば、移動方向を同一にすることが、より容易になるので、精度の高い駆動機構を構成することが出来る。
【0069】
また、圧電素子322への給電は電気配線による他、粗動固定部321に設けた給電コイルと可動部333に設けた受電コイルを電磁結合させて行っても良い。このようにすれば、可動部への電気配線が不要となり、断線などの故障を避けることができ、信頼性が向上する他、配線のたわみや配線重量による駆動機構3への加圧などの外乱要因を減らすことができるので、微動機構32や粗動機構33の制御性能が向上する。
【0070】
さらに、本実施形態では、微動変位情報によって微動機構32と粗動機構33の両方が常時制御される構成を示したが、この微動変位情報が所定幅以下の場合は、粗動機構制御回路71の制御量を変化させない構成としても良い。つまり、微動変位情報が所定幅以下の場合は、粗動機構駆動回路の出力が変化しない構成とし、変位が微小幅に留まる場合は、粗動機構33の可動部333を、その位置に停止させたままとすることによって、駆動機構3全体の制御性能(周波数応答)をさらに改善できる構成としても良い。
【0071】
この実施形態においては、測定子2が被測定物Wに接触した際に被測定物表面から測定子2に作用する作用力を検出する作用力センサ5を用いる表面性状測定装置を示したが、これに限らず、非接触測定を行う表面性状測定装置であっても良い。例えば、測定子2と被測定物Wとの間の原子間力が一定となるように測定子2を制御して被測定物Wの表面性状を測定する原子間力顕微鏡であっても良く、この場合、力センサの検出結果に対して本発明を実施できる。また、圧電素子などを用いて測定子2を軸方向に超音波振動させる加振手段をさらに備え、測定子2が被測定物Wに近接した際に、測定子2と被測定物Wとの間に生じる音圧を音圧センサによって測定し、この音圧が一定となるように測定子2を制御して被測定物Wの表面性状を測定する表面性状測定装置であっても良く、この場合、音圧センサの検出結果に対して本発明を実施できる。このような非接触表面性状測定機によれば、被測定物へ傷をつけることなく、高速に信頼度の高い測定を行うことができる。
【0072】
また、測定子2として例えば、特開2001−91206号公報に記載されたタッチセンサあるいは加振型プローブを用いることも出来る。この構成においては、加振手段によって測定子を軸方向に振動させ、測定子が被測定物に接触したことによって変化した軸方向振動を検出手段によって検出する。この際に、測定子と被測定物の接触の度合い(作用力)によって振動振幅が変化するので、この変化を検知して作用力を算出することができる。この場合は接触式の測定となるが、高精度、高感度、低測定圧で測定が行えるという利点を備える。
【0073】
本発明の駆動機構の制御装置は、表面性状測定装置1の駆動機構3を駆動制御するものに限定されず、可動部材に作用する作用力を一定にしながら可動部材を変位させる駆動機構3を駆動制御するものであればよい。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の駆動機構の制御装置によれば、応答速度が速くかつ安定した応答を示すことができ、本発明の表面性状測定装置によれば、測定データのばらつき幅を小さくしかつ測定速度を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面性状測定装置の一実施形態を示す図である。
【図2】前記実施形態において、微動変位情報算出回路の構成を示す図である。
【図3】前記実施形態において、PI回路の構成を示す図である。
【図4】前記実施形態において、微動機構制御回路の閉ループの周波数特性を示す図である。(A)はゲイン線図であり、(B)は位相線図である。
【図5】従来の表面性状測定装置を示す図である。
【符号の説明】
1    表面性状測定装置
2    測定子(可動部材)
3    駆動機構
4    変位量検出センサ
5    作用力センサ
6    駆動機構制御回路
32  微動機構
33  粗動機構
42  スケール
43  検出器
61  微動機構制御回路
62  作用力検出回路
64  微動変位情報算出回路
65  二段PI回路
66  第1PI回路
67  第2PI回路
71  粗動機構制御回路
72  粗動変位制御部
75  粗動速度制御部
76  変位量検出回路
78  微分回路
81  粗動電流制御部
661      積分回路
662      増幅回路
663      加算回路
W    被測定物

Claims (7)

  1. 可動部材を変位させる駆動機構を駆動制御する駆動機構の制御装置であって、
    前記可動部材に作用する作用力を検出する作用力検出手段と、
    前記作用力検出手段によって検出された前記作用力を二段の積分過程で積分することにより前記可動部材の変位情報を算出する変位情報算出手段とを備え、
    前記変位情報算出手段により得られた前記可動部材の前記変位情報に基づいて前記作用力が一定となるように前記駆動機構を駆動制御することを特徴とする駆動機構の制御装置。
  2. 請求項1に記載の駆動機構の制御装置において、
    前記変位情報算出手段は、さらに前記作用力についての比例過程を備えた二段の積分+比例過程であることを特徴とする駆動機構の制御装置。
  3. 請求項2に記載の駆動機構の制御装置において、
    前記変位情報算出手段の第1段目の積分+比例過程および第2段目の積分+比例過程についてのそれぞれの時定数は、前記駆動制御の応答を最大にするように定められることを特徴とする駆動機構の制御装置。
  4. 請求項3に記載の駆動機構の制御装置において、
    前記第1段目の積分+比例過程および前記第2段目の積分+比例過程のそれぞれの時定数は等しいことを特徴とする駆動機構の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の駆動機構の制御装置において、
    前記可動部材の変位量を検出する変位量検出手段を備え、
    前記駆動機構は前記可動部材を微小変位させる微動機構および前記微動機構とともに前記可動部材を大変位させる粗動機構を備え、
    前記変位情報算出手段は、予め設定された前記可動部材の所定作用力と前記作用力検出手段で検出された前記作用力との差に基づいて前記変位情報を算出し、
    前記微動機構は、前記作用力を帰還情報として駆動制御され、
    前記粗動機構は、前記微動機構の変位量を予め設定された定常変位とするバランス変位量に対して前記変位情報算出手段で算出された前記変位情報を帰還情報として駆動制御されることを特徴とする駆動機構の制御装置。
  6. 請求項5に記載の駆動機構の制御装置において、
    前記粗動機構は、前記変位量検出手段により検出された前記変位量と前記変位情報算出手段で算出された前記変位情報との差の微分情報を速度帰還情報として駆動制御されることを特徴とする駆動機構の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の駆動機構の制御装置を用いて構成され、
    前記可動部材は、被測定物表面に接近または離隔されて被測定物表面を走査する測定子であり、
    前記作用力は、前記被測定物表面と前記測定子とが関与する際に変化する状態量であって、
    前記変位量検出手段の検出値により前記被測定物の表面性状を測定する表面性状測定装置。
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