JP2966214B2 - 表面形状計測装置 - Google Patents

表面形状計測装置

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JP2966214B2 JP29612392A JP29612392A JP2966214B2 JP 2966214 B2 JP2966214 B2 JP 2966214B2 JP 29612392 A JP29612392 A JP 29612392A JP 29612392 A JP29612392 A JP 29612392A JP 2966214 B2 JP2966214 B2 JP 2966214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、接触式の表面形状計測装
置に関するもので、特に触針あるいはスタイラスによる
測定時のきずの発生や測定荷重の変動が計測結果に及ぼ
す影響を排除し、表面形状に高い応答性で追随し高速測
定を行なう装置に関する。
【0002】
【従来の技術】接触式の表面形状計測装置によるnmオ
ーダの計測において、触針あるいはスタイラス(以下、
総称して「触針」とする)による測定時のきず(走査
痕)や測定荷重に起因する被測定面上の触針接触点にお
ける弾性変形が測定結果に悪影響を与えている。測定時
のきずの発生は被測定物材質とともに触針の形状、寸法
と測定荷重の関係により左右される。例えば精密機械5
1/4/1985,P.674〜P.680(宮本紘
三:接触式と非接触式による表面形状測定)では、同一
材質に対して同一測定荷重であっても触針先端半径の大
小によって触針試料間の塑性変換領域、つまりきずとし
て表れる領域の面積が異なってくることがHertzの
弾性接触理論から解析的に示されている。また触針やス
タイラスの形状、寸法はきずの発生以外にも測定対象と
なる表面形状への幾何学的形状追随性により制約を受
け、この点に関して例えばAPPLIED OPTIC
S,15May1981,Vol.20,No.10,
P.1785−1802(J.M.Bennett: Stylus profili
ng instrument for measuring statistical properties
of smooth optical surfaces)に形状追随性およびきず
の発生に関して報告がある。このような走査時のきずや
形状追随性に関する問題点を解決する方法としてSTM
やAFMの様に表面特性(例えばトンネル電流や原子間
力等)を利用した非接触走査を行なうものや極軽荷重
(nN〜μNオーダ)での接触走査が挙げられる。これ
らは極微細構造を観察するため一般に先端半径0.1μ
m以下の触針を用いるが、触針と被測定面の接触点にお
ける応力状態は厳しく、測定荷重による被測定面の弾性
変形量が測定結果に誤差として影響してくる。この点に
関する検討および計測装置の開発はNational
Technical Report,Vol.36,N
o.2,Apr.1990,P.232−239(吉住
恵一他)や1989年度精密工学会秋季学術講演会論文
集P.541−542(小口、金子:超軽荷重触針式表
面形状測定器の開発)において報告され、特開平1−1
95301にも一例がみられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような触針による
きずの発生、弾性変形の問題に対して従来の接触式の表
面形状計測装置をみると、粗さ計では仕様としてJIS
B0651に示されるような触針先端半径とそれに対
応する測定荷重を満足する装置が多い。薄膜段差測定器
等においては、測定荷重の極低荷重化による被測定面へ
のダメージ低減の対応がみられるにとどまり、三次元測
定機では測定荷重の制御を行っているもののスタイラス
径がmmオーダと大きいこともあり、スタイラス自身の
形状精度等を含めて考えると効果的なアプローチが採ら
れているとは言い難い。特に粗さ計においては特開昭6
1−25009に見られるようにてこ式の構成が一般に
多く、味岡成康:精密測定器の機構設計、開発社、19
70にも指摘されるような走査時の測定荷重変動に対し
て対策が施されていない。
【0004】計測の高精度化に起因して測定時のきず、
弾性変形問題の解決が必要となってきている一方で、同
時に計測の高速化が要求されている。CDピックアップ
レンズを代表とした光学部品の非球面化が進むにつれ複
雑形状の評価が重要になっているが、複雑形状の評価に
はより多い計測点あるいはより広い範囲の形状データが
必要となり走査回数、計測時間の増加を招く。光学部品
の非球面化は走査光学系用トーリックレンズ、プロジェ
クタレンズ、短波長光学素子(トロイダルミラ、放物面
鏡等)と普及する模様で、測定対象も大型化の傾向にあ
り、この点からも高速化の実現が重要である。
【0005】接触式表面計測の高速化において問題とな
るのは触針と被測定面間の接触剛性と触針の質量からな
る系の共振周波数である。高速走査において被測定面の
持つ空間周波数と走査速度の積で表される周波数成分に
触針は追随することが求められる。ところが、きずの発
生や弾性変形量といった被測定面へのダメージを低減す
るためには測定荷重を極低荷重にする必要があり、この
ときHertzの弾性接触理論からもわかるように触針
と被測定面間の接触剛性は低いものとなる。結果として
触針と被測定面からなるばね質量系の共振周波数は低く
なり、このような点が被測定面へのダメージを低減する
測定荷重の低荷重化と計測の高速化の両立を困難にして
いる。接触剛性と触針からなるばね質量系の共振周波数
を上げる効果的な対策は触針の軽量化である。その点、
粗さ計は触針部が数十mgと軽量であるため有利である
が、測定荷重の積極的な制御がないうえに測定範囲が狭
いため複雑形状の計測への対応は難しい。三次元測定機
の場合、荷重制御と計測を1軸に負荷させているため高
速計測が困難となっている。特開昭60−64206,
特開昭62−277501,特開平3−100415等
に見られるように測定プローブはスタイラスを平行ばね
で支持し、コイルマグネットにより測定荷重が制御さ
れ、差動トランスで変位を検出するものが多い。スタイ
ラス径が大きいためスタイラスと被測定面間の接触剛性
が高く接触は安定しているが、構成要素が大きいため荷
重制御の高い応答性は望めず、計測点数の増加に伴う計
測時間の増加は避けられない。またスタイラス自身の寸
法から幾何学的に追随可能な形状に制約を受け、非球面
光学部品に要求されるような複雑形状への対応は難し
い。
【0006】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、きずの発生、触針接触点に
おける弾性変形といった被測定面へのダメージの低減と
応答性の高い荷重制御による計測の高速化という相反す
る要求を満たし、計測の高精度化、高速化と共に測定範
囲の拡大により非球面形状を始めとする複雑形状に対応
可能な表面形状計測装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、被測定物の被測定面に対して触針を用いて
接触走査し、前記被測定面の変位量をもとに表面形状を
計測する表面形状計測装置において、前記被測定面と対
向する位置に、前記被測定面と対向する方向に高い応答
性を有するとともに微小移動可能に設けられた移動体
と、該移動体に固設されて、前記被測定面に先端部を向
けた前記触針が前記被測定面に対して変位可能に、かつ
装着可能あるいは一体的に設けられた弾性体とで構成さ
れる荷重制御機構と、前記弾性体および前記移動体の各
々に離隔配置され、前記弾性体および前記移動体の各変
位量をそれぞれ検出する変位検出手段と、前記変位検出
手段による検出結果に応じて、前記荷重制御機構を制御
する制御装置を有し、前記制御装置は前記移動体の移動
により前記被測定面に前記触針を接触させつつ設定荷重
まで荷重をかけ、前記移動体の変位量と前記弾性体の変
位量との差が前記設定荷重に相当する変位量と常に等し
くなるように前記移動体の位置を制御することを特徴と
する。
【0008】また、前記測定物あるいは前記荷重制御機
構のいずれか一方を搭載し、前記測定物あるいは前記荷
重制御機構に対して対向移動可能な保持台を有し、前記
制御装置は、前記移動体が移動範囲を超えた場合には前
記保持台を移動させ、前記移動体の変位量と前記弾性体
の変位量との差が常に前記設定荷重に相当する変位量と
等しくなるように前記移動体の位置制御とともに前記保
持台の位置を制御するものであってもよい。
【0009】
【作用】本発明の表面形状計測装置では、被測定面に対
して高い応答性を有するとともに微小移動可能に設けら
れた移動体を、制御装置により被測定面に向けて移動さ
せ、移動体に固設された弾性体に設けられた触針の先端
部を被測定面に接近させていくと同時に、移動体および
弾性体の各々に離隔配置された各変位検出手段により各
変位量を監視し、移動体および弾性体の変位量を検出す
る。このとき、配置された各変位検出手段から監視した
移動体と弾性体の変位量とが等しいかどうか確認し、等
しいときは触針がまだ被測定面に接触していない状態で
あると判断し、移動体を移動し続ける。等しくない場合
は触針が接触していると判断し、移動体と弾性体の変位
量の差分を検出する。この変位量の差分は弾性体自身の
変位量に相当し、弾性体のばね定数がわかれば、被測定
面にかかる荷重が求められる。この荷重を予め設定され
る設定荷重と常に等しくなるように荷重制御して被測定
面の表面を接触走査し、弾性体の変位検出手段より弾性
体の変位量の変化分を出力させることで、被測定面の表
面形状が計測される。
【0010】さらに、装置全体の構成として移動体およ
び弾性体とから構成される荷重制御機構とは別に、触針
の先端部を被測定面に向けた荷重制御機構、あるいは触
針先端部に被測定面を向けた被測定物のいずれか一方が
搭載される保持台を設け、対向移動可能にすることで、
制御装置は、計測する際の被測定面の表面形状変化が大
きいために、移動体がその移動範囲を超えた場合には保
持台を移動させ、被測定面にかかる荷重を予め設定され
る設定荷重と常に等しくなるように荷重制御する。この
場合、弾性体の変位検出手段より出力された弾性体の変
位量の変化分に保持台の変位量を加算することで、被測
定面の表面形状が計測される。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0012】(第1実施例)図1は本発明の表面形状計
測装置の第1実施例の主構成の特徴を示す斜視図であ
る。図2は本発明の表面形状計測装置の第1実施例の側
面図である。
【0013】本実施例の装置本体10は、移動体3の移
動基準となるフレーム4と不図示の制御装置を有し、フ
レーム4には平行ばね微動ステージである移動体3が圧
電素子などのアクチュエータ5の駆動により上下方向に
微小移動可能に形成されている。移動体3の上面には移
動体3の変位量を検出するための移動体変位検出手段7
が離隔配置され、一方、移動体3の下面には弾性体とし
ての平行ばね2が固設されている。平行ばね2の一端部
には先端部を鉛直下向きにした触針1が装着可能あるい
は一体的に設けられているとともに、平行ばね2の変位
量を検出する弾性体変位検出手段6が離隔配置されてい
る。
【0014】本実施例の平行ばねは荷重検出用の弾性体
2として、組立式の平行ばねの各部材締結部の低荷重下
における非線形挙動を懸念し、ワイヤカットによる一体
式の平行ばねを用いている。この平行ばねの製作は、通
常のワイヤカット加工機を用いればワイヤ径0.2mm
で板ばね部寸法 3×7×0.07mm程度、ばね定数
1000N/m以下を実現できる。上述の移動体変位検
出手段7および弾性体変位検出手段6は、例えばフィー
ドバック制御を用いた高速な荷重制御を実現するため
に、レーザー干渉測長器や光ファイバ式変位計など応答
周波数が高く位相遅れの少ないものがよい。
【0015】触針1の下方には表面形状を計測する被測
定物9がステージ8上に保持されており、ステージ8は
移動体3の移動とは別に垂直方向に移動可能に設置され
ている。
【0016】次に本発明に係る表面形状計測装置の制御
装置による第1実施例の動作について図3をもとに説明
する。図3は、本発明の第1実施例の動作を示すフロチ
ャートである。
【0017】本実施例の制御装置は、まず移動体3を下
方に移動し、触針1を被測定物9の被測定面に接触する
まで接近させていく(ステップS1)。このとき、移動
基準となるフレーム4からの移動体3および弾性体とし
ての平行ばね2の各変位量を移動体変位検出手段7およ
び弾性体変位検出手段6によりそれぞれ監視する。
【0018】次いで、移動体3の変位量と平行ばね2の
変位量が等しいかどうか確認し(ステップS2)、各変
位量が等しいときは再びS1に戻り移動動作をくりかえ
し、各変位量が等しくないことが確認されると触針が接
触していると判断する(S3)。これは接触後に平行ば
ね2が被測定面により上方に押し戻され、可動体3の変
位量は平行ばね2の変位量よりも大きくなるためであ
る。このとき、平行ばね2と移動体3の変位量の差分が
弾性体としての平行ばね2自身の変位量である。
【0019】S3により接触していると判断すると、こ
の平行ばね2と移動体3の変位量の差分が設定荷重に相
当する弾性体変位量よりも小さいかどうか確認し(S
4)、小さいときには移動体3を下方に移動し続ける
(ステップS4)。S4により平行ばね2と移動体3の
変位量の差分が設定荷重に相当する弾性体変位量に等し
くなったことが確認されると、移動体3の移動を一時停
止し(ステップS6)、荷重制御を開始する(ステップ
S7)。
【0020】図4は、本発明の表面形状測定装置におけ
る測定走査時の荷重制御状態を表わした摸式図である。
【0021】被測定面9の表面を接触走査する際、図4
に示すように荷重制御は平行ばね2と移動体3の変位量
の差分が設定荷重に相当する弾性体変位量と常に等しく
なるように、圧電素子などのアクチュエーター5により
移動体3の位置制御を行なうことで達成される。
【0022】計測する際にアクチュエーター5のストロ
ークを超えるような表面形状の変化が生じた場合、ステ
ージ8を垂直方向に移動させ、平行ばね2と移動体3の
変位量の差分が設定荷重に相当する弾性体変位量と常に
等しくなるようにステージ8の位置制御を行なう。
【0023】測定データは、通常弾性体変位検出手段6
で検出される変位量の変化分であるが、上記のような場
合は弾性体変位検出手段6で検出される変位量とステー
ジ8の変位量を加算することにより得られる。
【0024】本実施例では被測定面へのダメージを荷重
制御を行なうことにより抑制し、高速応答可能な移動体
3により被測定面形状の高い空間周波数成分への追随を
確保し、ステージ8と移動体3の協調動作により広範囲
の測定を可能にする。
【0025】(第2実施例)図5は本発明の表面形状計
測装置の主要構成の第2実施例を示す斜視図である。図
6は本発明の表面形状計測装置の第2実施例の正面図で
ある。
【0026】図5および図6に示すように装置本体20
には上下方向の移動を支持するためのステージ18と不
図示の制御装置を有しており、ステージ18には移動体
取り付け案内部14が搭載されている。移動体取り付け
案内部14は、移動体13の取り付け部材であり空気静
圧軸受面を持ちリニアモータコイルが一体になった案内
部である。この移動体取り付け案内部14には移動体1
3が上下方向に移動可能に取り付けられており、移動体
13は移動体13の上面に設置された圧電素子などを用
いたアクチュエータ15により微小移動される。
【0027】移動体13には円弧切り欠きを利用した弾
性ヒンジを採用しており、弾性ヒンジ変形時の横移動を
相殺するために機械工学会誌、55/1/1989P.
146〜151(津田展宏他:大ストロークSTM)に
示されるような一体構造で折り返し多段の弾性ヒンジを
用いている。
【0028】また移動体13の上面には最初の基準位置
からの変位量を検出する移動体変位検出手段17が離隔
配置されている。一方、移動体13の下面には、AFM
に用いられるカンチレバーと同様な薄板ばね12が荷重
検出用の弾性体として取り付けられている。薄板ばね1
2の加工は薄板部材のエッチングにより寸法形状が整え
られるので比較的設計形状の自由度が高く、広い範囲で
ばね設定を変えやすい。また本実施例では触針先端に働
く摩擦力によるモーメントに対して剛な構造であるよう
にV字型形状の薄板ばねに構成されている。このV字型
形状の薄板ばねの先端部には、先端を鉛直下向きにした
触針11が装着自在あるいは一体的に取り付けられてい
るとともに、薄板ばね12の変位量を検出する弾性体変
位検出手段16が離隔配置されている。
【0029】本実施例の制御装置による動作は、第1実
施例と同様に移動体変位検出手段17および弾性体変位
検出手段16によりそれぞれ変位量を検出して、荷重制
御を行ない表面形状を計測する。移動体13のストロー
クを超えるような形状変化に対しては移動体取り付け案
内部14により移動体13を移動させて対応する。
【0030】以上の構成により第1実施例と同様の効果
を奏する。
【0031】(第3実施例)図7は本発明の表面形状計
測装置の主要構成の第3実施例を示す斜視図である。
【0032】本実施例の装置本体には移動体23を上下
方向に空気静圧案内するための移動体案内部24aおよ
び24bと不図示の制御装置を有するとともに、移動体
23を上下方向に移動させるためのコイル部25が設置
されている。コイル部25にはリニアモータとしてのコ
イルが設けられており、コイル部25の上面にはヨーク
部26が設置されている。ヨーク部26には移動体23
が固設されており、移動体23は移動体案内部24aお
よび24bにより上下方向に微小移動可能に設けられて
いる。移動体案内部24aおよび24bの各近傍に位置
する移動体23の上面にはそれぞれ移動体23の変位量
を検出するための移動体変位検出手段28aおよび28
bが離隔配置されている。移動体23の中央部には孔が
穿設されており、孔の各上下端部にはそれぞれ荷重検出
用の弾性体としての十字型の薄板ばね22aおよび22
bが固定されている。移動体23の上下に固定された十
字型の薄板ばね22aおよび22bには各薄板ばねの中
央部を通るように触針21が先端を鉛直下向きに向けて
着脱自在あるいは一体的に取り付けられている。この十
字型の薄板ばね22aおよび22bは、接触走査時に触
針21の先端に働くモーメント荷重(例えば摩擦力)に
対する剛性の向上を図る構成である。触針21の一端部
には弾性体としての十字型の薄板ばねの変位量を検出す
るための弾性体変位検出手段27が離隔配置されてい
る。
【0033】本実施例の制御装置による表面形状の測定
動作は、第1実施例および第2実施例とほぼ同様である
が、測定時における移動体23のヨーイングの影響を補
正するため、移動体変位検出手段28aおよび28bを
用いて検出された両者の変位量の平均値を移動体23の
変位量とし、弾性体変位検出手段27より検出された変
位量との差分をとり、この差分が一定になるように荷重
制御を行なう。
【0034】(第4実施例)図8は、本発明の表面形状
計測装置の第4実施例の計測ヘッドの構成を示す部分断
面斜視図である。図9は、本発明の表面形状計測装置の
第4実施例を示す斜視図である。
【0035】これらの図に示すように、本実施例の装置
本体43は不図示の制御装置を有し、装置本体43上面
には、計測ヘッド39と被測定物40を保持するステー
ジ41とが対向配置され、計測ヘッド39に対してステ
ージ41を移動可能なステージ用スライダ42が設けら
れている。計測ヘッド39はベース38を有し、ベース
38上面には上述した第1実施例と同様な移動体33の
移動基準となるフレーム34が設けられており、フレー
ム34には平行ばね微動ステージである移動体33がP
ZT素子などのアクチュエータ5の駆動により微小移動
可能に形成されている。移動体33のアクチュエータ3
5により変位される面には、移動体33の変位量を検出
するための移動体変位検出手段37が離隔配置され、一
方、移動体33の被測定物40側の一面には弾性体とし
ての平行ばね32が固設されている。平行ばね32の一
端部には先端部を被測定物40に向けた触針31が装着
可能あるいは一体的に設けられているとともに、平行ば
ね32の変位量を検出する弾性体変位検出手段36が離
隔配置されている。
【0036】本実施例の制御装置による動作は、第1実
施例と同様に移動体変位検出手段37および弾性体変位
検出手段36によりそれぞれ変位量を検出して、荷重制
御を行ない表面形状を計測する。移動体33のストロー
クを超えるような形状変化に対してはステージ41を移
動させて対応する。
【0037】このように構成された本実施例も第1実施
例、第2実施例および第3実施例と同様な効果を奏す
る。
【0038】また、第1実施例乃至第3実施例に示され
る構成以外にも、荷重検出用の弾性体は単一の板ばねな
ど、また、移動体は転がり軸受けにボールねじを用いた
ステージなどの様々な形態を用いてもよい。
【0039】以上これまでに説明したように、被測定面
へのダメージを低減するために測定荷重を低荷重化する
必要があるがnN〜μNオーダの感度を持ち、かつ形状
計測装置への応用が容易な荷重計は従来では見当たらな
かったが、STM,AFMのように荷重を弾性体の変形
量に変換することで高感度な荷重検出が可能である。こ
の荷重を検出する弾性体は触針が装着可能かあるいは触
針と一体でなければならないが、軽量化する観点から弾
性体自身も小型化する必要がある。本実施例ではワイヤ
カットにより一体化された平行ばねを製作する、あるい
は薄板ばねをエッチングにより所定の寸法形状に加工す
ることで実現できる。また高感度の荷重検出の観点から
弾性体はばね定数が1000N/m以下の弱いばねでな
ければならないが、現状のワイヤカットやエッチングに
よる加工技術の範囲で対応可能である。
【0040】一定荷重で被測定面の形状に高速で追随す
るためには荷重制御にも高い応答性が要求される。これ
には荷重制御方向に対して応答性の良い移動体に荷重検
出用の弾性体を搭載することで対応できる。この移動体
は例えば圧電素子のような応答性の高いアクチュエータ
で駆動される平行ばねステージや空気静圧軸受に案内さ
れたリニアモータ駆動のステージがある。弾性体の小型
化に加え移動体の小型化によって移動部全体の質量は数
100g程度の軽さにおさまり、圧電素子に代表される
アクチュエータの剛性等を考慮すると数100Hz〜1
kHzの共振周波数を有する移動体を構成できる。
【0041】測定荷重を弾性体の変形量に変換するには
移動体上に搭載された弾性体自身の変位量を検出する必
要がある。本実施例では移動体の移動の基準となる部
材、例えば移動体取り付け部材から弾性体及び移動体両
者の変位量をそれぞれ監視する。この時、弾性体自身の
変位量は移動体取り付け部からみた両者の変位量の差分
に相当する。予め弾性体のばね定数を把握していれば設
定荷重に相当する弾性体の変位量がわかり、この変位量
と、弾性体と移動体の変位量の差分が等しくなるように
移動体を駆動することで荷重の設定が行える。一旦荷重
が設定された後は荷重制御の状態に移る。弾性体が一定
変位量を保つように、つまり設定荷重を保つように移動
体の駆動を制御し被測定面形状に追随される。この間、
移動体取付け部からみた弾性体の変位量の変化分は被測
定面形状と等しくなる。本発明による荷重制御機構は単
体においても移動体の移動範囲内で形状計測を行える。
この時、形状データは弾性体変位検出手段の出力と一致
する。
【0042】更に装置全体構成として荷重制御機構とは
別に荷重制御機構あるいは被測定物のいずれか一方が搭
載される保持台としてのステージを有することで計測範
囲を拡大することができる。荷重制御機構の移動範囲を
超えるような形状の変化が生じた場合、これをステージ
側のストロークで吸収することにより、計測範囲をステ
ージの移動距離まで拡大できる。また設計形状が把握で
きている場合、ステージを被測定物の設計形状通りに駆
動し誤差成分を含む形状は応答性の高い荷重制御に追随
させる、つまりステージ側に被測定面形状の低周波成分
を追随させ、荷重制御機構に高周波成分を追随させるこ
とで計測を行う。このように荷重制御と計測の機能負担
を分配し、荷重制御機構とステージの協調動作により高
速計測が可能となる。この時、形状データはステージの
変位と弾性体の変位を加算することによって得られる。
【0043】本発明によれば変位検出手段を弾性体及び
移動体の各々に離隔配置した構成をとることで移動部の
軽量化が図られ高速応答が可能となる。また、変位検出
手段を本発明のように離隔配置したことで弾性体及び移
動体の形状の自由度が高くなり、用途に応じた触針部の
設計を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、以下に
記載する効果を奏する。
【0045】荷重制御機構において変位検出手段を弾性
体および移動体から離隔配置して荷重制御機構を軽量化
するとともに、応答性の高い移動体を具備することで、
高速荷重制御が可能になり形状変化への追随性が向上す
る。
【0046】また荷重制御機構と保持台の協調動作で高
速走査による高い空間周波数成分への追随と、粗微動連
動と同様な制御で計測範囲の拡大が可能になる。
【0047】さらには変位検出手段を弾性体および移動
体から離隔配置したことにより、荷重制御機構の弾性
体、移動体および触針の設計の自由度が広がり測定対象
に応じた形態を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面形状計測装置の第1実施例の主構
成の特徴を示す斜視図である。
【図2】本発明の表面形状計測装置の第1実施例の側面
図である。
【図3】本発明の表面形状計測装置の制御装置による第
1実施例の動作を示すフロチャートである。
【図4】本発明の表面形状測定装置における測定走査時
の荷重制御状態を表わした摸式図である。
【図5】本発明の表面形状計測装置の主要構成の第2実
施例を示す斜視図である。
【図6】本発明の表面形状計測装置の第2実施例の正面
図である。
【図7】本発明の表面形状計測装置の主要構成の第3実
施例を示す斜視図である。
【図8】本発明の表面形状計測装置の第4実施例の計測
ヘッドの構成を示す部分断面斜視図である。
【図9】本発明の表面形状計測装置の第4実施例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 触針 2,32 平行ばね 3,13,23,33 移動体 4,34 フレーム 5,15,35 アクチュエータ 6,16,27,36 弾性体変位検出手段 7,17,28a,28b,37 移動体変位検出手
段 8,18,41 ステージ 9,19,40 被測定物 12,22a,22b 薄板ばね 14 移動体取り付け案内部 20,43 装置本体 24a,24b 移動体案内部 25 コイル部 26 ヨ−ク部 38 ベ−ス 39 計測ヘッド 42 ステージ用スライダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 21/00 - 21/32 G01B 7/00 - 7/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の被測定面に対して触針を用い
    て接触走査し、前記被測定面の変位量をもとに表面形状
    を計測する表面形状計測装置において、 前記被測定面と対向する位置に、前記被測定面と対向す
    る方向に高い応答性を有するとともに微小移動可能に設
    けられた移動体と、該移動体に固設されて、前記被測定
    面に先端部を向けた前記触針が前記被測定面に対して変
    位可能に、かつ装着可能あるいは一体的に設けられた弾
    性体とで構成される荷重制御機構と、 前記弾性体および前記移動体の各々に離隔配置され、前
    記弾性体および前記移動体の各変位量をそれぞれ検出す
    る変位検出手段と、 前記変位検出手段による検出結果に応じて、前記荷重制
    御機構を制御する制御装置を有し、 前記制御装置は前記移動体の移動により前記被測定面に
    前記触針を接触させつつ設定荷重まで荷重をかけ、前記
    移動体の変位量と前記弾性体の変位量との差が前記設定
    荷重に相当する変位量と常に等しくなるように前記移動
    体の位置を制御することを特徴とする表面形状計測装
    置。
  2. 【請求項2】 測定物あるいは荷重制御機構のいずれか
    一方を搭載し、前記測定物あるいは前記荷重制御機構に
    対して対向移動可能な保持台を有し、 制御装置は、移動体が移動範囲を超えた場合には前記保
    持台を移動させ、前記移動体の変位量と弾性体の変位量
    との差が常に設定荷重に相当する変位量と等しくなるよ
    うに前記移動体の位置制御とともに前記保持台の位置を
    制御することを特徴とする請求項1に記載の表面形状計
    測装置。
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