JP2004093149A - 原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄樹脂量を減らして放射性廃棄物の処理負荷、処理コストを低減するとともに、高価なLi形陽イオン交換樹脂の使用量を減らしてその購入コストを低減することが可能な、加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填される冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられた、H型の陽イオン交換樹脂が充填される冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置であって、冷却材陽イオン脱塩塔でLiブレイクした陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を受け入れて混合するLi形樹脂受入・混合塔と、該Li形樹脂受入・混合塔からLi形混合樹脂を冷却材混床式脱塩塔に移送する移送ラインとを有し、冷却材陽イオン脱塩塔のLiブレイク陽イオン交換樹脂を冷却材混床式脱塩塔の混床形成用樹脂として再利用することを特徴とする、原子力発電所における一次冷却材浄化装置、および方法。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填される冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられた、H型の陽イオン交換樹脂が充填される冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置であって、冷却材陽イオン脱塩塔でLiブレイクした陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を受け入れて混合するLi形樹脂受入・混合塔と、該Li形樹脂受入・混合塔からLi形混合樹脂を冷却材混床式脱塩塔に移送する移送ラインとを有し、冷却材陽イオン脱塩塔のLiブレイク陽イオン交換樹脂を冷却材混床式脱塩塔の混床形成用樹脂として再利用することを特徴とする、原子力発電所における一次冷却材浄化装置、および方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法に関し、とくに、Li形のイオン交換樹脂を効率よく使用できるようにしてコスト低減を可能とした一次冷却材浄化装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加圧水型原子力発電所(以下、PWR型原子力発電所と言うこともある。)における一次冷却系の化学体積制御設備は、一次冷却設備から抽出した一次冷却材(冷却水)を冷却、減圧、浄化するための再生熱交換器、抽出オリフィス、非再生熱交換器、冷却材混床式脱塩塔、冷却材陽イオン脱塩塔などからなる抽出・浄化系と、一次冷却設備に対し適切な水質の一次冷却材を供給し、炉心反応制御剤として添加されるホウ酸の濃度を調整するための原子炉補給水系、抽出水を受け入れ再び一次冷却設備へ充填するための体積制御タンク、充填ポンプなどからなる充填系、余剰の抽出水を回収し再使用するための冷却材貯蔵タンク、ホウ酸回収装置からなるホウ酸回収系などから構成される。
【0003】
上記のうち、一次冷却材の浄化系には、図2に示すように、原子炉側からの一次冷却材中の不純物イオンを除去するために冷却材混床式脱塩塔101が設けられており、一次冷却材が非再生冷却器102(非再生熱交換器)、冷却材混床式脱塩塔入口フィルタ103を介して供給される。冷却材混床式脱塩塔101で脱塩処理された一次冷却材は、必要に応じて冷却材陽イオン脱塩塔104、ホウ酸除去脱塩塔105に通された後、冷却材フィルタ106、体積制御タンク107、充填ポンプ108を介し、再生熱交換器(図示略)を経たのち原子炉側へ戻されるようになっている。各脱塩塔には、樹脂移送ライン109を介して樹脂投入ホッパ110から新品のイオン交換樹脂が投入され、充填される。冷却材混床式脱塩塔101はイオン状放射性物質の除染値低下で、冷却材陽イオン脱塩塔104はリチウム(Li)ブレイクで、それぞれ樹脂交換され、廃樹脂は、廃樹脂移送ライン111を通して使用済樹脂貯蔵タンク112に移送され、放射性廃棄物として処理される。冷却材混床式脱塩塔101は、通常時は、1基を連続使用している。
【0004】
上記一次冷却材浄化系における冷却材混床式脱塩塔101には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とホウ酸形の強塩基性陰イオン交換樹脂が、たとえば交換容量比1:1(体積比1:2)の割合で混合された混合樹脂が使用されている。但し、強塩基性陰イオン交換樹脂は、脱塩塔に充填されるときにはOH形で充填され、その後、ホウ酸水を通水してOH形をホウ酸形に変換してから使用される。強酸性陽イオン交換樹脂は、最初からLi形のものが購入され、脱塩塔に投入される。
【0005】
このようにLi形の強酸性陽イオン交換樹脂とホウ酸形の強塩基性陰イオン交換樹脂との混床形態とするのは、以下の理由による。すなわち、PWR型原子力発電所における一次冷却材(冷却水)には、原子炉の反応度を制御するためにホウ酸を、腐食を防止する目的のためにpH調整剤として水酸化リチウムを添加している。したがって、通常の脱塩装置のようにH形の陽イオン交換樹脂とOH形の陰イオン交換樹脂との混床式脱塩塔を使用すると、添加したホウ酸と水酸化リチウムがこれらのイオン交換樹脂に吸着されてしまうため、それらの使用量が増大せざるを得ないことになる。そこで、これらのイオン交換樹脂を、予め、Li形とホウ酸形に変換してから使用することにより、樹脂使用量を低減するようにしている。これにより、冷却材混床式脱塩塔101では、一次冷却材中のリチウムイオンおよびホウ酸イオンを吸着することなく、不純物イオンのみを除去することができる。
【0006】
冷却材陽イオン脱塩塔104は、H形の強酸性陽イオン交換樹脂が充填された塔であり、必要に応じて、主として一次冷却材中のリチウム濃度の調整用、たとえば、炉心での10B(n,α) 7Li反応で精製されるリチウムなどにより変動するリチウム濃度の調整用に使用される。すなわち、リチウム濃度を低減させる必要が生じたときに、前段の冷却材混床式脱塩塔101で処理された一次冷却材の一部を冷却材陽イオン脱塩塔104に通水してリチウムを吸着させ、リチウム濃度を調整する。ホウ酸除去脱塩塔105は、必要に応じて、一次冷却材中のホウ酸濃度を調整するために用いられるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の一次冷却材浄化系においては、冷却材陽イオン脱塩塔104の強酸性陽イオン交換樹脂は、Liブレイクで交換されるが、廃棄樹脂は全て放射性廃棄物となり、処理コストが嵩むという問題がある。
【0008】
また、冷却材混床式脱塩塔101には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とOH形の(使用時にはホウ酸形に変換された)強塩基性陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填されるが、Li形の陽イオン交換樹脂は値段が高く、一次冷却材浄化系のコスト低減を困難にしているという問題もある。
【0009】
そこで本発明の課題は、このような問題点に着目し、廃棄樹脂の産出量を極力減らして放射性廃棄物の処理負荷、処理コストを低減するとともに、高価なLi形陽イオン交換樹脂の使用量を減らしてその購入コストを低減することが可能な、PWR型原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置は、少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填される冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられた、H型の陽イオン交換樹脂が充填される冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置であって、前記冷却材陽イオン脱塩塔でLiブレイクした陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を受け入れて混合するLi形樹脂受入・混合塔と、該Li形樹脂受入・混合塔からLi形混合樹脂を前記冷却材混床式脱塩塔に移送する移送ラインとを有することを特徴とするものからなる。
【0011】
また、本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化方法は、少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填された冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられ、H型の陽イオン交換樹脂が充填された冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化系において、前記冷却材陽イオン脱塩塔内に充填されていた陽イオン交換樹脂がLiブレイクした後、そのLiブレイク陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を混合し、混合されたLi形混合樹脂を前記冷却材混床式脱塩塔に充填して冷却材混床式脱塩塔内に混床を形成し、形成された混床により一次冷却材の浄化処理を行うことを特徴とする方法からなる。
【0012】
上記本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法においては、従来廃棄されていた冷却材陽イオン脱塩塔からの廃棄樹脂が、新品の陰イオン交換樹脂と混合されて、冷却材混床式脱塩塔における混床形成用の樹脂として再利用される。すなわち、冷却材混床式脱塩塔には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とOH形からホウ酸形に変換された強塩基性陰イオン交換樹脂との混床が形成されており、冷却材陽イオン脱塩塔には、前段の冷却材混床式脱塩塔で処理された、リチウムイオンおよびホウ酸イオン以外の不純物が除去された一次冷却材(冷却水)が通水されるので、この冷却材陽イオン脱塩塔に充填されているH形の強酸性陽イオン交換樹脂には、リチウムイオン以外の不純物イオンは殆ど吸着されていない。したがって、この陽イオン交換樹脂がLiブレイクに達した時点(陽イオン交換樹脂にリチウムイオンがほぼ飽和まで吸着されて吸着能力が無くなり、脱塩塔からリチウムイオンが漏出してくるようになった時点)では、この陽イオン交換樹脂の大部分はH形からLi形に変換されており、その他に未反応で残留した少量のH形の樹脂が含まれているのみの状態となる。つまり、従来、冷却材混床式脱塩塔の混床形成用に購入されていた、新品のLi形の強酸性陽イオン交換樹脂と実質的に同等の陽イオン交換樹脂になっている。このLiブレイク後の陽イオン交換樹脂が、前段の冷却材混床式脱塩塔の陽イオン交換樹脂として再使用される。再使用に際しては、Li形樹脂受入・混合塔で新品の陰イオン交換樹脂と混合された後、冷却材混床式脱塩塔における混床の形成に供される。
【0013】
したがって、従来廃棄されていた冷却材陽イオン脱塩塔からの廃棄樹脂が冷却材混床式脱塩塔での使用樹脂として再利用され、廃棄樹脂量が低減されて放射性廃棄物の処理負荷、処理コストが低減されるとともに、新品のLi形陽イオン交換樹脂の使用量が低減されてその購入コストが低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る、原子力発電所における一次冷却材浄化装置およびその装置を用いた一次冷却材浄化方法を示している。図1において、原子炉側から送られてきた一次冷却材(冷却水)1は、非再生冷却器2(非再生熱交換器)、冷却材混床式脱塩塔入口フィルタ3を経た後、冷却材混床式脱塩塔4に供給され、一次冷却材1中の不純物イオンが除去される。冷却材混床式脱塩塔4には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とホウ酸形の強塩基性陰イオン交換樹脂が、交換容量比1:1(体積比1:2)の割合で混合された混合樹脂が充填されている。但し、強塩基性陰イオン交換樹脂は、脱塩塔4に充填されるときにはOH形で充填され、その後、ホウ酸水を通水してOH形をホウ酸形に変換してから使用される。本実施態様では、冷却材混床式脱塩塔4は2基並設されており、通常時は、1基が連続使用される。
【0015】
冷却材混床式脱塩塔4の後段には、H形の強酸性陽イオン交換樹脂が充填された冷却材陽イオン脱塩塔5、OH形の強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されたホウ酸除去脱塩塔6が設けられており、これら両脱塩塔5、6は、一次冷却材中のリチウム濃度、ホウ酸濃度を調整する必要が生じたときに、それぞれ使用される。冷却材混床式脱塩塔4で処理された一次冷却材、あるいは、必要に応じて冷却材陽イオン脱塩塔5または/およびホウ酸除去脱塩塔6を通された一次冷却材は、冷却材フィルタ7、体積制御タンク8、充填ポンプ9を介し、再生熱交換器(図示略)を経たのち原子炉側へ戻される。
【0016】
各脱塩塔には、樹脂投入ホッパ10から樹脂移送ライン11を介して所定のイオン交換樹脂を投入、充填できるようになっている。また、各脱塩塔からは、廃樹脂移送ライン12を通して使用済樹脂貯蔵タンク13に使用済樹脂を移送できるようになっており、使用済樹脂貯蔵タンク13に貯蔵された廃棄樹脂は放射性廃棄物として処理される。
【0017】
冷却材陽イオン脱塩塔5からの廃樹脂移送ライン12は、途中でLiブレイク陽イオン交換樹脂受入ライン14に分岐されてLi形樹脂受入・混合塔15へと接続されており、冷却材陽イオン脱塩塔5での使用済樹脂、つまり、冷却材陽イオン脱塩塔5でLiブレイクした陽イオン交換樹脂をLi形樹脂受入・混合塔15に受け入れることができるようになっている。また、樹脂投入ホッパ10からの樹脂移送ライン11も途中で新品陰イオン交換樹脂受入ライン16に分岐されてLi形樹脂受入・混合塔15へと接続されており、樹脂投入ホッパ10に投入された新品の陰イオン交換樹脂をLi形樹脂受入・混合塔15に受け入れることができるようになっている。Li形樹脂受入・混合塔15に受け入れられた冷却材陽イオン脱塩塔5からのLiブレイク陽イオン交換樹脂と樹脂投入ホッパ10からの新品陰イオン交換樹脂は、Li形樹脂受入・混合塔15で混合される。
【0018】
Li形樹脂受入・混合塔15での混合は、混合樹脂が冷却材混床式脱塩塔4の混床形成用樹脂として使用できるよう、所定の割合、たとえば、Liブレイク陽イオン交換樹脂と新品陰イオン交換樹脂が交換容量比で1:1(体積比で1:2)になるように混合される。混合された樹脂は、Li形混合樹脂投入ライン17を介して冷却材混床式脱塩塔4に移送、充填できるようになっている。上記Li形樹脂受入・混合塔15での混合比をより正確に制御するために、Liブレイク陽イオン交換樹脂受入ライン14中に、中間受入槽(図示略)を介在させてもよい。また、Li形樹脂受入・混合塔15は計量機能を備えていることが好ましい。このLi形樹脂受入・混合塔15における計量機能としては、受入樹脂量あるいは受入樹脂重量を計量できるとともに、送出混合樹脂量あるいは送出混合樹脂重量を計量できる機能であることが好ましい。送出混合樹脂量を計量できることにより、冷却材混床式脱塩塔4への投入量を正確に計量できるようになる。
【0019】
上記のように構成された一次冷却材浄化系においては、冷却材陽イオン脱塩塔5でLiブレイクした強酸性陽イオン交換樹脂は、従来のように廃棄樹脂とされることなく、Li形樹脂受入・混合塔15に受け入れられる。このLiブレイク陽イオン交換樹脂は、前述したように殆どLiイオンのみが吸着されたものであるから、従来冷却材混床式脱塩塔4に投入されていた新品のLi形陽イオン交換樹脂と同等の性能を有する樹脂として取り扱うことが可能である。Li形樹脂受入・混合塔15には、樹脂投入ホッパ10からの新品のOH形の強塩基性陰イオン交換樹脂も投入され、Liブレイク陽イオン交換樹脂と所定の割合にて混合される。混合された樹脂は、Li形混合樹脂投入ライン17を介して、所定量、つまり、冷却材混床式脱塩塔4での混床形成に必要な量、冷却材混床式脱塩塔4に移送され、充填される。冷却材混床式脱塩塔4で所定の混床が形成された後、ホウ酸水が通水されて陰イオン交換樹脂がOH形からホウ酸形に変換され、冷却材混床式脱塩塔4における所定の不純物イオン除去処理が開始される。
【0020】
このように、従来放射性廃棄物として廃棄されていた、冷却材陽イオン脱塩塔5からのLiブレイク陽イオン交換樹脂が、冷却材混床式脱塩塔4の混床形成用樹脂として再利用される。再利用により、使用済樹脂貯蔵タンク13に送られる廃棄樹脂量は大幅に低減されるから、放射性廃棄物の処理負荷、処理コストも大幅に低減される。
【0021】
また、冷却材陽イオン脱塩塔5のLiブレイク陽イオン交換樹脂を、冷却材混床式脱塩塔4の混床形成用樹脂として再使用することにより、価格の高い新品のLi形陽イオン交換樹脂の購入量が大幅に低減され、樹脂購入コストが大幅に低減される。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法によれば、PWR型原子力発電所の一次冷却材浄化系において、従来放射性廃棄物として廃棄処分していた冷却材陽イオン脱塩塔からのLiブレイク陽イオン交換樹脂を冷却材混床式脱塩塔の混床形成用樹脂として再利用するようにしたので、廃棄樹脂量を低減でき放射性廃棄物の処理負荷、処理コストを大幅に低減することができるとともに、価格の高い新品のLi形陽イオン交換樹脂の購入量を低減できその購入コストを大幅に低減することができる。したがって、一次冷却材浄化系の運用費用を低減できるとともに、放射性廃棄物の処理負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置の機器系統図である。
【図2】従来の原子力発電所における一次冷却材浄化装置の機器系統図である。
【符号の説明】
1 一次冷却材(冷却水)
2 非再生冷却器(非再生熱交換器)
3 冷却材混床式脱塩塔入口フィルタ
4 冷却材混床式脱塩塔
5 冷却材陽イオン脱塩塔
6 ホウ酸除去脱塩塔
7 冷却材フィルタ
8 体積制御タンク
9 充填ポンプ
10 樹脂投入ホッパ
11 樹脂移送ライン
12 廃樹脂移送ライン
13 使用済樹脂貯蔵タンク
14 Liブレイク陽イオン交換樹脂受入ライン
15 Li形樹脂受入・混合塔
16 新品陰イオン交換樹脂受入ライン
17 Li形混合樹脂投入ライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法に関し、とくに、Li形のイオン交換樹脂を効率よく使用できるようにしてコスト低減を可能とした一次冷却材浄化装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加圧水型原子力発電所(以下、PWR型原子力発電所と言うこともある。)における一次冷却系の化学体積制御設備は、一次冷却設備から抽出した一次冷却材(冷却水)を冷却、減圧、浄化するための再生熱交換器、抽出オリフィス、非再生熱交換器、冷却材混床式脱塩塔、冷却材陽イオン脱塩塔などからなる抽出・浄化系と、一次冷却設備に対し適切な水質の一次冷却材を供給し、炉心反応制御剤として添加されるホウ酸の濃度を調整するための原子炉補給水系、抽出水を受け入れ再び一次冷却設備へ充填するための体積制御タンク、充填ポンプなどからなる充填系、余剰の抽出水を回収し再使用するための冷却材貯蔵タンク、ホウ酸回収装置からなるホウ酸回収系などから構成される。
【0003】
上記のうち、一次冷却材の浄化系には、図2に示すように、原子炉側からの一次冷却材中の不純物イオンを除去するために冷却材混床式脱塩塔101が設けられており、一次冷却材が非再生冷却器102(非再生熱交換器)、冷却材混床式脱塩塔入口フィルタ103を介して供給される。冷却材混床式脱塩塔101で脱塩処理された一次冷却材は、必要に応じて冷却材陽イオン脱塩塔104、ホウ酸除去脱塩塔105に通された後、冷却材フィルタ106、体積制御タンク107、充填ポンプ108を介し、再生熱交換器(図示略)を経たのち原子炉側へ戻されるようになっている。各脱塩塔には、樹脂移送ライン109を介して樹脂投入ホッパ110から新品のイオン交換樹脂が投入され、充填される。冷却材混床式脱塩塔101はイオン状放射性物質の除染値低下で、冷却材陽イオン脱塩塔104はリチウム(Li)ブレイクで、それぞれ樹脂交換され、廃樹脂は、廃樹脂移送ライン111を通して使用済樹脂貯蔵タンク112に移送され、放射性廃棄物として処理される。冷却材混床式脱塩塔101は、通常時は、1基を連続使用している。
【0004】
上記一次冷却材浄化系における冷却材混床式脱塩塔101には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とホウ酸形の強塩基性陰イオン交換樹脂が、たとえば交換容量比1:1(体積比1:2)の割合で混合された混合樹脂が使用されている。但し、強塩基性陰イオン交換樹脂は、脱塩塔に充填されるときにはOH形で充填され、その後、ホウ酸水を通水してOH形をホウ酸形に変換してから使用される。強酸性陽イオン交換樹脂は、最初からLi形のものが購入され、脱塩塔に投入される。
【0005】
このようにLi形の強酸性陽イオン交換樹脂とホウ酸形の強塩基性陰イオン交換樹脂との混床形態とするのは、以下の理由による。すなわち、PWR型原子力発電所における一次冷却材(冷却水)には、原子炉の反応度を制御するためにホウ酸を、腐食を防止する目的のためにpH調整剤として水酸化リチウムを添加している。したがって、通常の脱塩装置のようにH形の陽イオン交換樹脂とOH形の陰イオン交換樹脂との混床式脱塩塔を使用すると、添加したホウ酸と水酸化リチウムがこれらのイオン交換樹脂に吸着されてしまうため、それらの使用量が増大せざるを得ないことになる。そこで、これらのイオン交換樹脂を、予め、Li形とホウ酸形に変換してから使用することにより、樹脂使用量を低減するようにしている。これにより、冷却材混床式脱塩塔101では、一次冷却材中のリチウムイオンおよびホウ酸イオンを吸着することなく、不純物イオンのみを除去することができる。
【0006】
冷却材陽イオン脱塩塔104は、H形の強酸性陽イオン交換樹脂が充填された塔であり、必要に応じて、主として一次冷却材中のリチウム濃度の調整用、たとえば、炉心での10B(n,α) 7Li反応で精製されるリチウムなどにより変動するリチウム濃度の調整用に使用される。すなわち、リチウム濃度を低減させる必要が生じたときに、前段の冷却材混床式脱塩塔101で処理された一次冷却材の一部を冷却材陽イオン脱塩塔104に通水してリチウムを吸着させ、リチウム濃度を調整する。ホウ酸除去脱塩塔105は、必要に応じて、一次冷却材中のホウ酸濃度を調整するために用いられるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の一次冷却材浄化系においては、冷却材陽イオン脱塩塔104の強酸性陽イオン交換樹脂は、Liブレイクで交換されるが、廃棄樹脂は全て放射性廃棄物となり、処理コストが嵩むという問題がある。
【0008】
また、冷却材混床式脱塩塔101には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とOH形の(使用時にはホウ酸形に変換された)強塩基性陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填されるが、Li形の陽イオン交換樹脂は値段が高く、一次冷却材浄化系のコスト低減を困難にしているという問題もある。
【0009】
そこで本発明の課題は、このような問題点に着目し、廃棄樹脂の産出量を極力減らして放射性廃棄物の処理負荷、処理コストを低減するとともに、高価なLi形陽イオン交換樹脂の使用量を減らしてその購入コストを低減することが可能な、PWR型原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置は、少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填される冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられた、H型の陽イオン交換樹脂が充填される冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置であって、前記冷却材陽イオン脱塩塔でLiブレイクした陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を受け入れて混合するLi形樹脂受入・混合塔と、該Li形樹脂受入・混合塔からLi形混合樹脂を前記冷却材混床式脱塩塔に移送する移送ラインとを有することを特徴とするものからなる。
【0011】
また、本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化方法は、少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填された冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられ、H型の陽イオン交換樹脂が充填された冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化系において、前記冷却材陽イオン脱塩塔内に充填されていた陽イオン交換樹脂がLiブレイクした後、そのLiブレイク陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を混合し、混合されたLi形混合樹脂を前記冷却材混床式脱塩塔に充填して冷却材混床式脱塩塔内に混床を形成し、形成された混床により一次冷却材の浄化処理を行うことを特徴とする方法からなる。
【0012】
上記本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法においては、従来廃棄されていた冷却材陽イオン脱塩塔からの廃棄樹脂が、新品の陰イオン交換樹脂と混合されて、冷却材混床式脱塩塔における混床形成用の樹脂として再利用される。すなわち、冷却材混床式脱塩塔には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とOH形からホウ酸形に変換された強塩基性陰イオン交換樹脂との混床が形成されており、冷却材陽イオン脱塩塔には、前段の冷却材混床式脱塩塔で処理された、リチウムイオンおよびホウ酸イオン以外の不純物が除去された一次冷却材(冷却水)が通水されるので、この冷却材陽イオン脱塩塔に充填されているH形の強酸性陽イオン交換樹脂には、リチウムイオン以外の不純物イオンは殆ど吸着されていない。したがって、この陽イオン交換樹脂がLiブレイクに達した時点(陽イオン交換樹脂にリチウムイオンがほぼ飽和まで吸着されて吸着能力が無くなり、脱塩塔からリチウムイオンが漏出してくるようになった時点)では、この陽イオン交換樹脂の大部分はH形からLi形に変換されており、その他に未反応で残留した少量のH形の樹脂が含まれているのみの状態となる。つまり、従来、冷却材混床式脱塩塔の混床形成用に購入されていた、新品のLi形の強酸性陽イオン交換樹脂と実質的に同等の陽イオン交換樹脂になっている。このLiブレイク後の陽イオン交換樹脂が、前段の冷却材混床式脱塩塔の陽イオン交換樹脂として再使用される。再使用に際しては、Li形樹脂受入・混合塔で新品の陰イオン交換樹脂と混合された後、冷却材混床式脱塩塔における混床の形成に供される。
【0013】
したがって、従来廃棄されていた冷却材陽イオン脱塩塔からの廃棄樹脂が冷却材混床式脱塩塔での使用樹脂として再利用され、廃棄樹脂量が低減されて放射性廃棄物の処理負荷、処理コストが低減されるとともに、新品のLi形陽イオン交換樹脂の使用量が低減されてその購入コストが低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る、原子力発電所における一次冷却材浄化装置およびその装置を用いた一次冷却材浄化方法を示している。図1において、原子炉側から送られてきた一次冷却材(冷却水)1は、非再生冷却器2(非再生熱交換器)、冷却材混床式脱塩塔入口フィルタ3を経た後、冷却材混床式脱塩塔4に供給され、一次冷却材1中の不純物イオンが除去される。冷却材混床式脱塩塔4には、Li形の強酸性陽イオン交換樹脂とホウ酸形の強塩基性陰イオン交換樹脂が、交換容量比1:1(体積比1:2)の割合で混合された混合樹脂が充填されている。但し、強塩基性陰イオン交換樹脂は、脱塩塔4に充填されるときにはOH形で充填され、その後、ホウ酸水を通水してOH形をホウ酸形に変換してから使用される。本実施態様では、冷却材混床式脱塩塔4は2基並設されており、通常時は、1基が連続使用される。
【0015】
冷却材混床式脱塩塔4の後段には、H形の強酸性陽イオン交換樹脂が充填された冷却材陽イオン脱塩塔5、OH形の強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されたホウ酸除去脱塩塔6が設けられており、これら両脱塩塔5、6は、一次冷却材中のリチウム濃度、ホウ酸濃度を調整する必要が生じたときに、それぞれ使用される。冷却材混床式脱塩塔4で処理された一次冷却材、あるいは、必要に応じて冷却材陽イオン脱塩塔5または/およびホウ酸除去脱塩塔6を通された一次冷却材は、冷却材フィルタ7、体積制御タンク8、充填ポンプ9を介し、再生熱交換器(図示略)を経たのち原子炉側へ戻される。
【0016】
各脱塩塔には、樹脂投入ホッパ10から樹脂移送ライン11を介して所定のイオン交換樹脂を投入、充填できるようになっている。また、各脱塩塔からは、廃樹脂移送ライン12を通して使用済樹脂貯蔵タンク13に使用済樹脂を移送できるようになっており、使用済樹脂貯蔵タンク13に貯蔵された廃棄樹脂は放射性廃棄物として処理される。
【0017】
冷却材陽イオン脱塩塔5からの廃樹脂移送ライン12は、途中でLiブレイク陽イオン交換樹脂受入ライン14に分岐されてLi形樹脂受入・混合塔15へと接続されており、冷却材陽イオン脱塩塔5での使用済樹脂、つまり、冷却材陽イオン脱塩塔5でLiブレイクした陽イオン交換樹脂をLi形樹脂受入・混合塔15に受け入れることができるようになっている。また、樹脂投入ホッパ10からの樹脂移送ライン11も途中で新品陰イオン交換樹脂受入ライン16に分岐されてLi形樹脂受入・混合塔15へと接続されており、樹脂投入ホッパ10に投入された新品の陰イオン交換樹脂をLi形樹脂受入・混合塔15に受け入れることができるようになっている。Li形樹脂受入・混合塔15に受け入れられた冷却材陽イオン脱塩塔5からのLiブレイク陽イオン交換樹脂と樹脂投入ホッパ10からの新品陰イオン交換樹脂は、Li形樹脂受入・混合塔15で混合される。
【0018】
Li形樹脂受入・混合塔15での混合は、混合樹脂が冷却材混床式脱塩塔4の混床形成用樹脂として使用できるよう、所定の割合、たとえば、Liブレイク陽イオン交換樹脂と新品陰イオン交換樹脂が交換容量比で1:1(体積比で1:2)になるように混合される。混合された樹脂は、Li形混合樹脂投入ライン17を介して冷却材混床式脱塩塔4に移送、充填できるようになっている。上記Li形樹脂受入・混合塔15での混合比をより正確に制御するために、Liブレイク陽イオン交換樹脂受入ライン14中に、中間受入槽(図示略)を介在させてもよい。また、Li形樹脂受入・混合塔15は計量機能を備えていることが好ましい。このLi形樹脂受入・混合塔15における計量機能としては、受入樹脂量あるいは受入樹脂重量を計量できるとともに、送出混合樹脂量あるいは送出混合樹脂重量を計量できる機能であることが好ましい。送出混合樹脂量を計量できることにより、冷却材混床式脱塩塔4への投入量を正確に計量できるようになる。
【0019】
上記のように構成された一次冷却材浄化系においては、冷却材陽イオン脱塩塔5でLiブレイクした強酸性陽イオン交換樹脂は、従来のように廃棄樹脂とされることなく、Li形樹脂受入・混合塔15に受け入れられる。このLiブレイク陽イオン交換樹脂は、前述したように殆どLiイオンのみが吸着されたものであるから、従来冷却材混床式脱塩塔4に投入されていた新品のLi形陽イオン交換樹脂と同等の性能を有する樹脂として取り扱うことが可能である。Li形樹脂受入・混合塔15には、樹脂投入ホッパ10からの新品のOH形の強塩基性陰イオン交換樹脂も投入され、Liブレイク陽イオン交換樹脂と所定の割合にて混合される。混合された樹脂は、Li形混合樹脂投入ライン17を介して、所定量、つまり、冷却材混床式脱塩塔4での混床形成に必要な量、冷却材混床式脱塩塔4に移送され、充填される。冷却材混床式脱塩塔4で所定の混床が形成された後、ホウ酸水が通水されて陰イオン交換樹脂がOH形からホウ酸形に変換され、冷却材混床式脱塩塔4における所定の不純物イオン除去処理が開始される。
【0020】
このように、従来放射性廃棄物として廃棄されていた、冷却材陽イオン脱塩塔5からのLiブレイク陽イオン交換樹脂が、冷却材混床式脱塩塔4の混床形成用樹脂として再利用される。再利用により、使用済樹脂貯蔵タンク13に送られる廃棄樹脂量は大幅に低減されるから、放射性廃棄物の処理負荷、処理コストも大幅に低減される。
【0021】
また、冷却材陽イオン脱塩塔5のLiブレイク陽イオン交換樹脂を、冷却材混床式脱塩塔4の混床形成用樹脂として再使用することにより、価格の高い新品のLi形陽イオン交換樹脂の購入量が大幅に低減され、樹脂購入コストが大幅に低減される。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置および方法によれば、PWR型原子力発電所の一次冷却材浄化系において、従来放射性廃棄物として廃棄処分していた冷却材陽イオン脱塩塔からのLiブレイク陽イオン交換樹脂を冷却材混床式脱塩塔の混床形成用樹脂として再利用するようにしたので、廃棄樹脂量を低減でき放射性廃棄物の処理負荷、処理コストを大幅に低減することができるとともに、価格の高い新品のLi形陽イオン交換樹脂の購入量を低減できその購入コストを大幅に低減することができる。したがって、一次冷却材浄化系の運用費用を低減できるとともに、放射性廃棄物の処理負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る原子力発電所における一次冷却材浄化装置の機器系統図である。
【図2】従来の原子力発電所における一次冷却材浄化装置の機器系統図である。
【符号の説明】
1 一次冷却材(冷却水)
2 非再生冷却器(非再生熱交換器)
3 冷却材混床式脱塩塔入口フィルタ
4 冷却材混床式脱塩塔
5 冷却材陽イオン脱塩塔
6 ホウ酸除去脱塩塔
7 冷却材フィルタ
8 体積制御タンク
9 充填ポンプ
10 樹脂投入ホッパ
11 樹脂移送ライン
12 廃樹脂移送ライン
13 使用済樹脂貯蔵タンク
14 Liブレイク陽イオン交換樹脂受入ライン
15 Li形樹脂受入・混合塔
16 新品陰イオン交換樹脂受入ライン
17 Li形混合樹脂投入ライン
Claims (2)
- 少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填される冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられた、H型の陽イオン交換樹脂が充填される冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化装置であって、前記冷却材陽イオン脱塩塔でLiブレイクした陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を受け入れて混合するLi形樹脂受入・混合塔と、該Li形樹脂受入・混合塔からLi形混合樹脂を前記冷却材混床式脱塩塔に移送する移送ラインとを有することを特徴とする、原子力発電所における一次冷却材浄化装置。
- 少なくとも、Li形の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂が充填された冷却材混床式脱塩塔と、その後段に設けられ、H型の陽イオン交換樹脂が充填された冷却材陽イオン脱塩塔とを備えた加圧水型原子力発電所における一次冷却材浄化系において、前記冷却材陽イオン脱塩塔内に充填されていた陽イオン交換樹脂がLiブレイクした後、そのLiブレイク陽イオン交換樹脂と新品の陰イオン交換樹脂を混合し、混合されたLi形混合樹脂を前記冷却材混床式脱塩塔に充填して冷却材混床式脱塩塔内に混床を形成し、形成された混床により一次冷却材の浄化処理を行うことを特徴とする、原子力発電所における一次冷却材浄化方法。
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